説明

油/ベシクル/水型乳化組成物及びそれを含有する化粧料

【課題】皮膚に有用な油分を多量に配合する事ができ、水分蒸散抑制効果に優れ、さらに使用感の良好な水中油型乳化組成物を提供する。
【解決手段】下記成分(A)〜(D)からなる油/ベシクル/水型乳化組成物。
(A)両親媒性物質
(B)IOB値が0.2〜0.54で、融点が30℃以下の油分からなる群より選択される1種又は2種以上
(C)多価アルコール
(D)水性成分

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分蒸散抑制効果に優れた油/ベシクル/水型乳化組成物、その製造法、及び当該乳化組成物を含有する使用感の良好な化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
疎水性及び親水性の両方の性質を有する両親媒性物質のうち、例えば、リン脂質のように二分子膜からなる球状の小胞体を形成するものがある。このような閉鎖小胞体はベシクル又はリポソームと呼ばれ、その閉鎖小胞体内部に水溶性成分を、或いは小胞体膜内に油性成分を安定に保持することができる。このため、例えば薬剤を保持させて生体内に投与した場合、代謝が抑制され薬効を長期間にわたって維持できる等の利点から、医薬品や化粧品分野等におけるマイクロカプセルとして用いられている。
【0003】
また、化粧料分野では、優れた保湿感を付与し、かつ良好な使用感を得るために多量の油分を安定に配合した水中油型乳化系の化粧品が開発されてきた。このため、ベシクルの機能を有しながら、多量の油分を配合した組成物の開発が望まれていたが、油性成分は小胞体膜内にのみしか保持する事しかできないため、ベシクル構造を維持したまま、多量に油分を配合する事は困難であった。
【0004】
近年、自己組織化能を有する両親媒性物質により形成される閉鎖小胞体を主成分とすることを特徴とする乳化分散剤が提案されている(特許文献1、2)。この発明によれば、両親媒性物質のナノ粒子をファンデルワールス力によって、油性基剤表面に付着させ、これにより、水相−乳化分散剤相−油相の三相構造を形成し、従来の界面活性剤と異なって相溶性による界面エネルギーの低下を起こさせることなく、熱衝突による合一が起こりにくくなり、乳化物の安定性に優れることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−239666号公報
【特許文献2】特開2007−77178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記閉鎖小胞体を主成分とする乳化分散剤によれば、ベシクル構造を有したまま、ある程度の油分を配合する事は可能であるが、界面膜状に付着するベシクルはナノ粒子であることが必要であり、高圧乳化法等により単粒子化されたバイオポリマーの配合が必要であった。高圧乳化法を用いた場合、装置コストが高く、しかも生産性が低いという制限があるため、その使用範囲は限られていた。
従って、本発明の課題は、汎用な製造方法でも製造可能で、皮膚に有用な油分を多量に安定に配合する事ができ、水分蒸散抑制効果に優れ、さらに使用感の良好な水中油型乳化組成物を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者は、種々検討した結果、両親媒性物質に、一定のIOB値を有する油分、多価アルコール及び水を用い、両親媒性物質と特定の油分からなるベシクルを油水界面膜上で形成させることにより、油分が前記ベシクルにより被覆された油性粒子を形成させることができ、多量の油分を配合可能で、水分蒸散抑制効果に優れ、使用感の良好な乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、下記成分(A)〜(D)からなる油/ベシクル/水型乳化組成物を提供するものである。
(A)両親媒性物質
(B)IOB値が0.2〜0.54で、融点が30℃以下の油分からなる群より選択される1種又は2種以上
(C)多価アルコール
(D)水性成分
【0009】
また、本発明は、(A)両親媒性物質と、(B)IOB値が0.2〜0.54で、融点が30℃以下の油分からなる群より選択される1種又は2種以上の一部とからなるベシクルにより、当該ベシクルに含まれない成分(B)の表面が被覆されてなることを特徴とするベシクル被覆油性粒子を提供するものである。
【0010】
さらに本発明は、前記ベシクル被覆油性粒子又は油/ベシクル/水型乳化組成物を含有する化粧料を提供するものである。
【0011】
さらに、本発明は、
(1)下記成分(A)〜(C)を相転移温度以上に加熱し、均一に混合し、
(A)両親媒性物質
(B)IOB値が0.2〜0.54で、融点が30℃以下の油分からなる群より選択される1種又は2種以上
(C)多価アルコール
(2)水性成分を相転移温度以上に加熱し、
(3)前記(2)に、前記(1)を加えて均一に混合する
ことを特徴とする油/ベシクル/水型乳化組成物の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、油分と水性成分との油水界面上で、(A)両親媒性物質と、界面近傍の(B)油分の一部からベシクルが形成され、そのベシクルによって残りの(B)油分の表面が覆われることでベシクル被覆油性粒子が形成される。このベシクル被覆油性粒子を分散相に含有する油/ベシクル/水型(O/V/W)乳化組成物は、べシクルの特性を生かしつつ、皮膚に有用な油分を多量に含むことができ、水分蒸散抑制効果に優れ、さらに使用感の良好な組成物を得ることができる。特に化粧料、医薬品等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ベシクルにより油分表面が被覆された構造を有する本発明のO/V/W乳化組成物の微分干渉顕微鏡像(実施例8)を示す図である。
【図2】ベシクルにより油分表面が被覆された構造を有する本発明のO/V/W乳化組成物の偏光顕微鏡像(実施例8)を示す図である。
【図3】水分蒸散抑制効果の評価結果(実施例8、比較例7)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明におけるベシクル被覆油性粒子とは、油分と水性成分との油水界面上で、(A)両親媒性物質と、界面近傍の(B)油分の一部とからベシクルが形成され、そのベシクルによって残りの(B)油分の表面が覆われた油性粒子を意味する。
本発明における油/ベシクル/水型乳化組成物(以下、O/V/W乳化組成物)とは、水性成分が連続相であり、前記ベシクル被覆油性粒子が分散相となる乳化組成物を意味する。
【0015】
本発明におけるIOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性/有機性比)の略であって、化合物の有機値に対する化合物の無機値の比に対応する値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標である。具体的には、IOB値=無機性値/有機性値として表される。
【0016】
ここで、「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、同水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子又は官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値が算出される(例えば、甲田善生 著、「有機概念図―基礎と応用―」11頁〜17頁、三共出版 1984年発行 参照)。
【0017】
本発明に用いられる(A)の両親媒性物質は、親水性と親脂性との両方を有する物質を意味し、そのような性質を有するリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴ糖脂質、ステロール、ポリマー、界面活性剤等が挙げられるが、ベシクルを形成する事ができる両親媒性物質であれば特に制限なく用いる事ができる。
【0018】
本発明に用いるリン脂質としては、グリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質などが挙げられる。
グリセロリン脂質は、グリセロリン酸骨格を有する物質で、親油基として脂肪酸エステル、長鎖アルキルエーテル、ビニルエーテルなどを有している。具体的には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファジイルイノシトール、ホスファチジルイノシトールポリリン酸、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール(カルジオリピン)、ホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸などが挙げられる。
スフィンゴリン脂質は、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンなどの長鎖塩基又は長鎖脂肪酸と、リン酸又はホスホン酸を有しており、セラミド1−リン酸誘導体(スフィンゴミエリンなど)、セラミド1−ホスホン酸誘導体(セラミドアミノエチルホスホン酸など)が挙げられる。
【0019】
グリセロ糖脂質としては、例えばスルホキシリボシルグリセリド、ジグリコシルジグリセリド、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド、グリコシルジグリセリド等が挙げられる。
【0020】
スフィンゴ糖脂質としては、例えばガラクトシルセレブロシド、ラクトシルセレブロシド、ガングリオシド等が挙げられる。
【0021】
ステロールとしては、例えばコレステロール、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、エルゴカステロール、フコステロール、3β−[N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)カルバモイル]コレステロール等が挙げられる。
【0022】
ポリマーとしては、N−[1−(2,3−ジオレオイルプロピル)]−N,N,N−トリメチル塩化アンモニウム、N−[1−(2,3−ジオレオイルプロピル)]−N,N−ジメチルアミン、N−[1−(2,3−ジオレイルオキシプロピル)]−N,N,N−トリメチル塩化アンモニウム、2,3−ジオレイルオキシ−N−[2−(スペルミンカルボキシアミド)エチル]−N,N−ジメチル−1−プロパナミニウムトリフルオロ酢酸、N−[1−(2,3−ジテトラデシルオキシプロピル)]−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチル臭化アンモニウム、N−[1−(2,3−ジオレイルオキシプロピル)]−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチル臭化アンモニウム等が挙げられる。
【0023】
界面活性剤としては、例えばソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)、ポリオキシエチレン誘導体(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)、グリセリン脂肪酸エステル、バイオサーファクタント(Alcaligenes Polysacchaides:アルカシーラン、伯東社製;マンノシルソルビトールリピッド:サーフメロー、東洋紡績社製)等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0024】
これらの両親媒性物質のうち、O/V/W乳化組成物の形成のしやすさから、好ましくはリン脂質が挙げられ、より好ましくはグリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質である。特に好ましくはホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質である。
【0025】
また本発明に用いるリン脂質は、動植物から抽出、精製した天然物であっても、化学合成したものであっても良く、水素添加、水酸化処理などの加工を施しても良い。天然物としては、大豆又は卵黄等からの抽出・精製物であるレシチンが、市販品の入手が容易であり、好ましい。
【0026】
これらのレシチンうち、ホスファチジルコリンを70質量%(以下、単位%と略す)以上含有しているレシチンが好ましい。レシチン中のホスファチジルコリンの含有率は、薄層クロマトグラフィー(TLC)や高速液体クロマトフラフィー(HPLC)、イアトロスキャン(ヤトロン社製)等を用いた方法で分析することができる。例えば、特開2001−186898号公報に記載されるリン脂質が含まれる有機溶媒をTLCにスポットしてクロロホルム:メタノール:酢酸=65:25:10で展開し、50wt%硫酸エタノールを噴霧、加熱後デンシトメーターでリン脂質を分析する方法が挙げられる。前記方法以外でも、レシチン中に含まれるホフファチジルコリンの含有量、含有率を測定、算出できる方法であれば、いずれの方法でも良い。より好ましいレシチンは、ホスファチジルコリンを70%以上含有している大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆レシチン水素添加物、卵黄レシチン水素添加物である。
【0027】
ホスファチジルコリンを70%以上含有しているレシチンは市販されており、コートソームNC−21(水素添加大豆レシチン;日油社製)、レシノールS−10E、レシノールS−10EX(水素添加大豆レシチン;日光ケミカルズ社製)等を挙げることができる。
【0028】
両親媒性物質のO/V/W乳化組成物中における含有量は、O/V/W乳化組成物の総量を基準として0.0001〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは0.0005〜15質量%であり、最も好ましくは0.001〜10質量%である。当該範囲内であれば、期待する十分な保湿効果が得られ、O/V/W乳化組成物の調製も容易である。
【0029】
本発明で用いられる(B)IOB値が0.2〜0.54で、融点が30℃以下の油分(括弧内はIOB値)としては、イソノナン酸イソノニル(0.2)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(0.2)、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル(0.2)、ジラウリン酸プロピレングリコール(0.22)、イソステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル(2E.O.)(0.23)、ジステアリン酸エチレングリコール(0.23)、ジラウリン酸エチレングリコール(0.23)、トリ(カプリル酸・カプリン酸・ステアリン酸)グリセリル(0.23)、トリミリスチン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン(0.23)、ジステアリン酸ジエチレングリコール(0.24)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(0.24)、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(0.24)、パルミチン酸オクチル(0.24)、ジイソステアリン酸ジエチレングリコール(0.25)、ジオレイン酸ジエチレングリコール(0.25)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(0.25)、ジカプリン酸プロピレングリコール(0.26)、ステアロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル(0.26)、トリイソステアリン酸ポリグリセリル(0.26)、トリステアリン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン(0.28)、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(0.28)、イソステアリルアルコール(0.29)、ジイソステアリン酸グリセリル(0.29)、ステアリン酸ポリオキシエチレンセチルエーテル(3E.O.)(0.29)、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(0.29)、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル(0.29)、ジステアリン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン(0.3)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(0.3)、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル(0.3)、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(4E.O.)(0.31)、ジカプリル酸プロピレングリコール(0.32)、ジステアリン酸トリエチレングリコール(0.32)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(0.32)、ステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル(3E.O.)(0.32)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ−2−ヘキシルデシル(0.33)、ジイソステアリン酸トリエチレングリコール(0.33)、ジオレイン酸トリエチレングリコール(0.33)、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン(0.33)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(4E.O.)(0.33)、トリオクタン酸トリメチロールプロパン(0.33)、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット(0.33)、リンゴ酸ジイソステアリル(0.33)、ジ−2−エチルへキサン酸ネオペンチルグリコール(0.34)、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(0.34)、トリミリスチン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン(0.34)、ジラウリン酸ジエチレングリコール(0.35)、ステアリン酸ポリオキシエチレンステアリルエーテル(4E.O.)(0.35)、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット(0.35)、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(0.35)、ジステアリン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン(0.36)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(0.36)、乳酸オクチルドデシル(0.36)、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(0.38)、ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール(0.38)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(0.38)、モノステアリン酸プロピレングリコール(0.38)、オレイン酸プロピレングリコール(0.39)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(0.39)、ミリストイルメチルアミノプロピオン酸ヘキシルデシル(0.39)、モノオレイン酸プロピレングリコール(0.39)、イソステアリン酸プロピレングリコール(0.4)、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール(4E.O.)(0.4)、ジオレイン酸ポリエチレングリコール(0.4)、ジステアリン酸ポリグリセリル(0.4)、モノステアリン酸エチレングリコール(0.4)、ラウロイルグルタミン酸ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテルジエステル(0.4)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル(0.41)、乳酸オクチルドデシル(0.41)、ジステアリン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン(0.42)、ラウロイルグルタミン酸ポリオキシエチレンステアリルエーテルジエステル(0.42)、ステアリン酸ポリオキシエチレンセチルエーテル(5E.O.)(0.43)、ジネオペンタン酸ジエチルペンタンジオール(0.44)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(0.44)、ジラウリン酸トリエチレングリコール(0.45)、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール(0.47)、ステアリン酸ポリオキシエチレンステアリルエーテル(6E.O.)(0.47)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(0.47)、親油型モノステアリン酸グリセリン(0.47)、イソステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル(5E.O.)(0.48)、ステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル(5E.O.)(0.48)、トリステアリン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン(0.48)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(0.49)、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル(0.5)、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン(0.5)、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(0.5)、ジステアリン酸ポリグリセリル(0.51)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(0.51)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(0.51)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル(0.52)、ジオレイン酸ポリエチレングリコール(0.52)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(0.52)、トリイソステアリン酸ポリグリセリル(0.52)、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール(6E.O.)(0.53)、パルミチン酸グリセリン(0.53)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(0.53)、ラウリン酸プロピレングリコール(0.53)、イソステアリルグリセリルエーテル(0.54)、ジラウリン酸ポリエチレングリコール(0.54)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(0.54)等が挙げられる。
【0030】
使用感の点から、好ましいIOB値が0.2〜0.54で、融点が30℃以下の油分としては、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸プロピレングリコール、イソステアリルアルコール、ジカプリン酸プロピレングルコール、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、乳酸オクチルドデシル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリルグリセリルエーテル、下記一般式(1)で表されるプロピレングリコールモノエステルが挙げられる。
【0031】
【化1】

【0032】
(式中、R1は、炭素数9〜23の直鎖状若しくは分岐鎖状の、飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す)
【0033】
これらの油分のうち、特に水分蒸散抑制効果及び使用感に優れた効果を得る点から、前記一般式(1)で表されるプロピレングリコールモノエステルのR1が炭素数15〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状の、飽和若しくは不飽和の炭化水素基のものが好ましく、イソステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコールが好適に挙げられる。
【0034】
これらの油分のO/V/W乳化組成物中における含有量は0.05〜60質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜40質量%、最も好ましくは0.1〜20質量%である。当該範囲内であれば、優れた水分蒸散抑制効果が得られ、乳化組成物の調製も容易であるため好ましい。
【0035】
尚、O/V/W乳化組成物中に(B)IOB値が0.20〜0.54で、融点が30℃以下の油分以外の油分を実質的に含有しないものが乳化組成物の調製上、好ましいが、成分(B)以外の油分も、成分(B)100質量部に対し、5質量部以下であれば含有していても構わない。
【0036】
本発明の(A)両親媒性物質と(B)IOB値が0.20〜0.54で、融点が30℃以下の油分の含有質量比率〔A/B〕は、優れた水分蒸散効果及び良好な使用感を得る点から、1/0.05〜1/2000が好ましく、さらに好ましくは1/0.1〜1/100であり、特に好ましくは1/0.5〜1/50である。
【0037】
本発明のO/V/W乳化組成物には、両親媒性物質の分散性を向上させ、使用感を向上させるため、(C)多価アルコールをさらに併用する。好ましい多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量1000未満)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(平均分子量:1000未満)、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、イソプレングリコール、1,2ペンタンジオール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等を挙げることができる。このうち、イソプレングリコール、1,2ペンタンジオール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコールが特に好ましい。
【0038】
(C)多価アルコールのO/V/W乳化組成物中における含有量は、1〜10質量%が好ましく、より好ましくは2〜9質量%であり、さらに好ましくは3〜8質量%である。当該範囲内であれば、ベシクルの分散性が良好で、分離・凝集等がなく、また使用感としてのび・なめらかさに優れる。
【0039】
本発明の乳化組成物における、(A)両親媒性物質と(C)多価アルコールの含有質量比率〔A/C〕は、O/V/W乳化組成物の分離・凝集等がなく、製造性の良さの点から、1:12000〜4:1が好ましく、さらに好ましくは1:5200〜1:3.5である。
【0040】
また、本発明の乳化組成物には、(D)水性成分(前記、(C)多価アルコールは除く)が含まれる。当該水性成分としては、水、アルコール、水溶性高分子、水酸化物等が挙げられる。水性成分の乳化組成物中における含有量は、20〜98.9499質量%が好ましく、より好ましくは、36〜97.8995質量%、さらに好ましくは62〜96.899質量%である。
【0041】
水性成分のアルコールは、前記(C)多価アルコールを除く、ヒドロキシル基を有する化合物であり、任意成分として配合することができる。好ましくは炭素数2〜8の低級アルコールが挙げられ、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、フェノール、クレゾール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール等が挙げられる。
当該アルコールを、O/V/W乳化組成物中に配合する場合、当該乳化組成物中における含有量は、5質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%以下である。当該範囲内であれば、本願の、O/V/W乳化組成物が形成に影響がなく、好ましい。
【0042】
水性成分の水溶性高分子は任意成分として配合することができ、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリルアミド、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ヒアルロン酸及びそのアルカリ金属塩等が挙げられる。
当該水溶性高分子を、O/V/W乳化組成物中に配合する場合、当該乳化組成物中における含有量は、0.1〜2質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1質量%である。当該範囲内であれば、使用感が良好で、水分蒸散抑制効果が得られ、好ましい。
【0043】
水性成分の水酸化物は任意成分として配合することができ、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化金属塩等が挙げられる。
当該水酸化物を、O/V/W乳化組成物中に配合する場合、当該乳化組成物中における含有量は、1質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以下である。当該範囲内であれば、本願の、O/V/W乳化組成物の形成に影響がなく、好ましい。
【0044】
本発明のO/V/W乳化組成物は、単に油分が両親媒性物質により乳化されている形態ではなく、水性成分が連続相であり、ベシクル被覆油性粒子が分散相となる乳化組成物である。ここで、ベシクル被覆油性粒子は、油分と水性成分との油水界面上で、(A)両親媒性物質と、界面近傍の(B)油分の一部等からベシクルが形成され、そのベシクルによって残りの(B)油分の表面が覆われた油性粒子である。
前記ベシクル被覆油性粒子を分散相に含有するO/V/W乳化系を採ることにより、多量の油分を安定に含有する乳化組成物となり、優れた水分蒸散抑制効果と、優れた使用感が得られるものと考えられる。このような乳化系を形成していることは、微分干渉顕微鏡像及び偏光顕微鏡像により確認することができる。
【0045】
本発明の油水界面上に形成されるベシクルの平均粒子径は、製造効率の点から0.5〜10μmの範囲が好ましく、より好ましく1〜5μmの範囲である。また、ベシクル被覆油性粒子の平均粒子径は、油分表面をベシクルが均一に被覆した状態であれば、特に制限されないが、製造効率の点から5〜80μmの範囲に調整することが好ましく、より好ましくは10〜60μm、最も好ましくは15〜40μmの範囲である。尚、平均粒子径は、任意の視野の任意の粒子20個について、微分干渉顕微鏡写真の同視野中の粒子径を読み取り、読み取れるすべての粒子の直径の算術平均より求め、小数点以下を四捨五入した値とした。
【0046】
本発明のO/V/W乳化組成物を製造するためには、油分と水性成分との油水界面上で、(A)両親媒性物質と、界面近傍の(B)油分の一部からなるベシクルを形成させる事が必要である。そのため、本発明のO/V/W乳化組成物を、(1)(A)両親媒性物質、(B)油分及び(C)多価アルコールを相転移温度以上に加熱し、均一に混合させた後、(2)相転移温度以上で水性成分と混合し、その後、(3)相転移温度以下に冷却して製造する方法が挙げられる。
【0047】
両親媒性物質として好ましいリン脂質を用いた場合、本発明のO/V/W乳化組成物を効率良く形成させるためには、(1)(A)両親媒性物質、(B)油分及び(C)多価アルコールを70〜90℃の範囲に加熱し、均一に混合させた後、70〜90℃の範囲(好ましくは、油性成分と同一温度)で水性成分と混合し、その後、(3)40℃以下に冷却して製造する方法が挙げられる。
【0048】
(A)両親媒性物質、(C)多価アルコール及び(D)水性成分を相転移温度以上で混合し、ベシクル(リポソーム)を作成した後、相転移温度以下で本発明に用いられる(B)油分を添加して混合させた場合、ベシクルと油分がそれぞれ単独に分散した組成物となり、ベシクルが油分を被覆した油性粒子を形成できない。
【0049】
特に両親媒性物質がリン脂質である場合、相転移温度はリン脂質を構成する脂肪酸鎖長、不飽和度、親水基の種類等によって大きく異なるが、相転移温度以下ではアシル鎖の運動が抑制され流動性がないゲル状であり、相転移温度以上では流動性の増した液晶状態となる。従って、相転移温度以上にすることで、効率良く、本発明のO/V/W乳化組成物を形成できるものと考えられる。
【0050】
尚、相転移温度とは、ゲル状態から液晶状態へ変化する際の温度であり、その測定は、示差走査熱量計(DSC)、具体的にはDSC120(セイコー電子工業株式会社製)等を用いて行い、得られたDSC昇温曲線において観測された吸熱ピークの頂点の温度を相転移温度とすることができる。
【0051】
ベシクル被覆油性粒子の製剤安定性は高く、ベシクル被覆油性粒子を形成した後であれば、本発明のO/V/W乳化組成物を、油分、有機酸類、アルカリ類、界面活性剤、紫外線吸収剤、粉体、顔料、染料、防腐・防カビ剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、香料、及び医薬品、医薬部外品、化粧料等に通常用いられる成分を含有する組成物中に、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。これらは、乳液、クリーム、ゲル等の皮膚外用剤として、特に化粧料、医薬品の用途に適用するのが好ましい。
【0052】
本発明のO/V/W乳化組成物を含有する化粧料の剤形は特に制限されないが、O/V/W乳化組成物が油分を安定に配合できる利点を考慮すると、水性化粧料、乳化化粧料(O/W型、W/O型、W/O/W型等)に好ましく利用できる。
【0053】
本発明のO/V/W乳化組成物を化粧料中に添加する場合、O/V/W乳化組成物の化粧料中の含有量は、使用感等を考慮し適宜選択することができるが、良好な使用性(べたつき感、保湿感)の点から、化粧料100質量部に対し、5〜95質量部が好ましく、より好ましくは20〜80質量部である。
【実施例】
【0054】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を詳細に説明する。尚、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0055】
実施例1〜21及び比較例1〜6
表1、表2及び表3に従い、下記の製法で作成したO/V/W乳化組成物の顕微鏡観察を行い、O/V/W乳化組成物の構造を確認した。また、乳化組成物の使用感について、下記評価基準に基づき、評価を行った。評価結果を合わせて、表1及び表2に記載する。
尚、水素添加大豆リン脂質は、ホスファチジルコリンを95質量%以上含有するコートソームNC−21(水素添加大豆レシチン;日油社製)を用いた。
【0056】
(組成物観察の評価方法)
微分干渉顕微鏡及び偏光顕微鏡(共にECLIPSE80i、ニコン社製)により組成物の観察を行い、ベシクルが油分を被覆した乳化組成物(具体的には図1又は図2に示す)が確認できるか否かにより判定を行なった。
【0057】
○:ベシクルが油分を被覆した組成物を確認できる。
×:ベシクルが油分を被覆した組成物を確認できない。
【0058】
(使用感の評価方法)
専門評価パネラー10名により、使用感及び保湿感に関する評価として、べたつきのなさ、しっとり感について5段階評価し、平均点を算出することにより判定した。
【0059】
(5段階評価)
5点:非常に良い。
4点:良い。
3点:普通。
2点:やや悪い。
1点:悪い。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

(調製方法)
A.成分(1)〜(17)を80℃に加熱し、均一溶解する。
B.成分(18)〜(21)を70℃に加熱し、均一溶解する。
C.BにAを添加して攪拌し、25℃に冷却後、組成物を得た。
【0063】
微分干渉顕微鏡による観察から、図1に示すように、本発明のO/V/W乳化組成物中には、粒子径3〜4μmのベシクルが、油分に被覆された粒子径が5〜40μmのベシクル被覆油性粒子が形成されていた。偏光顕微鏡による観察から、ベシクル中心部が明るく表示されており、ベシクルが形成されていることが分かる。
これは、油分と水性成分との油水界面上で、(A)両親媒性物質と、界面近傍の(B)油分の一部からベシクルが形成され、そのベシクルによって残りの(B)油分の表面が覆われることでベシクル被覆油性粒子が形成されているものと推測される。
【0064】
また、表1及び表2の結果より、O/V/W乳化組成物は、保湿感に優れ、さらに使用感(べたつき感のなさ)の良好なものであった。
【0065】
実施例8及び比較例7
下記製造方法にて作成した比較例7について、上記と同様に顕微鏡観察を行い、水相にベシクルと油分がそれぞれ分散し、ベシクルが油分を被覆した組成物ではないことを確認した。次に実施例8作成した組成物、及び比較例7の組成物の水分蒸散抑制効果について評価を行った。評価結果を図3に記載する。
尚、水素添加大豆リン脂質は、ホスファチジルコリンを95質量%以上含有するコートソームNC−21(水素添加大豆レシチン;日油社製)を用いた。
【0066】
(水分蒸散抑制効果の評価方法)
1.実施例8、及び比較例7のサンプル10μlを親水性メンブランフィルター(MF−ミリポア GSWP02500、日本ミリポア社製;孔径0.22μm、フィルター直径25mm)上に塗布し、32℃ホットプレート上で20分間乾燥させた。
2.フランツ拡散セル(有効面積:0.95cm2)に純水5mLを加え、試料の乾燥膜を形成させた各メンブランフィルター及び何も塗布していないメンブランフィルターにより蓋をし、室温32℃、湿度20%の恒温槽に移した。
3.6時間後にフランツ拡散セルを恒温槽より取り出し、重量変化(水分蒸散量)を測定した。
4.各サンプルの重量変化量を、何も塗布していないメンブランフィルターで蓋をした試料の重量変化量で割った値を水分蒸散抑制率として評価を行った。
【0067】
(調製方法)比較例7
実施例8の処方にて、成分(10)を添加するタイミングを変えた
A.成分(1)、(17)を80℃に加熱し、均一溶解する。
B.成分(18)〜(21)を70℃に加熱し、均一溶解する。
C.BにAを添加して攪拌し、室温まで冷却した。
D.Cに(10)を室温で加えて攪拌し、組成物を得た。
【0068】
図3に示すとおり、本発明のO/V/W乳化組成物は水分蒸散抑制効果に優れたものであった。すなわち、ベシクル被覆油性粒子を分散相とするO/V/W乳化組成物(実施例8)は、同一組成でベシクルと油分が独立に分散して存在するO/W乳化組成物(比較例7)と比べ、優れた水分蒸散抑制効果が得られることが分かった。
【0069】
また、実施例8のベシクル被覆水中油型乳化組成物を、半年間常温にて保管後、目視による外観変化、及び前記と同様に顕微鏡による組成物の構造確認を行ったが、O/V/W乳化組成物の分離、変色、変臭等もなく、ベシクル被覆油性粒子の構造変化もなく、安定に保持されていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)〜(D)からなる油/ベシクル/水型乳化組成物。
(A)両親媒性物質
(B)IOB値が0.2〜0.54で、融点が30℃以下の油分からなる群より選択される1種又は2種以上
(C)多価アルコール
(D)水性成分
【請求項2】
(A)両親媒性物質と(B)IOB値が0.20〜0.54で、融点が30℃以下の油分の含有質量比率〔A/B〕が、1/0.01〜1/200である請求項1記載の油/ベシクル/水型乳化組成物。
【請求項3】
(A)両親媒性物質が、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆レシチン水素添加物、卵黄レシチン水素添加物、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール及びスフィンゴリン脂質からなる群より選択される1種又は2種以上である請求項1又は2記載の油/ベシクル/水型乳化組成物。
【請求項4】
(B)IOB値が0.20〜0.54で、融点が30℃以下の油分が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1〜3のいずれか1項記載の油/ベシクル/水型乳化組成物。
【化1】

(式中、R1は、炭素数9〜23の直鎖状若しくは分岐鎖状の、飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す)
【請求項5】
(D)水性成分が、連続相であり、成分(A)と成分(B)の一部とから形成されたベシクルにより、当該ベシクルに含まれない成分(B)の表面が被覆されたベシクル被覆油性粒子が分散相である請求項1〜4のいずれか1項記載の油/ベシクル/水型乳化組成物。
【請求項6】
(A)両親媒性物質と、(B)IOB値が0.2〜0.54で、融点が30℃以下の油分からなる群より選択される1種又は2種以上の一部とからなるベシクルにより、当該ベシクルに含まれない成分(B)の表面が被覆されてなることを特徴とするベシクル被覆油性粒子。
【請求項7】
平均粒子径が1〜5μmの前記ベシクルにより、前記成分(B)の表面が被覆されてなる平均粒子径10〜60μmの請求項6に記載のベシクル被覆油性粒子。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項記載の油/ベシクル/水型乳化組成物を含有することを特徴とする化粧料。
【請求項9】
請求項6又は7に記載のベシクル被覆油性粒子を含有することを特徴とする化粧料。
【請求項10】
(1)下記成分(A)〜(C)を相転移温度以上に加熱し、均一に混合し、
(A)両親媒性物質
(B)IOB値が0.2〜0.54で、融点が30℃以下の油分からなる群より選択される1種又は2種以上
(C)多価アルコール
(2)水性成分を相転移温度以上に加熱し、
(3)前記(2)に、前記(1)を加えて均一に混合する
ことを特徴とする油/ベシクル/水型乳化組成物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−241175(P2011−241175A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114601(P2010−114601)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】