説明

治療システム、超音波照射システム、治療システムにおけるデータ管理方法

【課題】 操作者のデータ管理作業を簡略化でき、人為的な記憶や記録に頼ることなく確実で間違いのないデータ管理を実行できる治療システム等の提供。
【解決手段】 所定の条件に従って、被検体の患部に対し、超音波エネルギーを供給することで、患部を治療するためのエネルギー供給系と、前記患部をモニタリングするための画像を撮影する撮影系と、を具備する。エネルギー供給系又は撮影系の所定の動作に応答して、又は所定のタイミングにおいて、イベント信号を発生させ、このイベント信号をトリガとしてモニタリング画像を保存し、且つ同じイベント信号をトリガとして患部の治療情報を保存する。管理サーバは、同一のイベント信号をトリガとして保存された治療情報及びモニタリング画像の保存場所を、互いに対応付けて管理するための管理情報を生成し記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内の関心領域に向けて超音波、電磁波、マイクロ波その他の波動によって被検体の所定部位にエネルギーを印加することで、治療行為を行うための治療システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、癌治療としては外科的切除術が主な治療法であり、患者の肉体的及び精神的負担は大きいと言える。また、抗がん剤投与による薬物療法も発達してきたものの、その副作用が大きな問題となっている。
【0003】
近年、最小侵襲治療(Minimaly invasive treatment: MIT)と呼ばれる治療法が一つのキーワードとなっている。例えば、体外衝撃波結石破砕装置は、腎臓結石や胆石等の体内結石を体外から結石に向けて集束させた衝撃波により破砕治療するものであり、従来の切除術に比べて患者の肉体的負担が劇的に改善され、術後のQuality of Life向上に多大な貢献をした。この体外衝撃波結石破砕装置では、衝撃波の照射強度や照射回数をトレンド表示と呼ばれる表示法により容易に確認できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、同様な技術として生体外から癌領域に向けて超音波を集束させ、癌細胞を加熱し壊死に導くハイパーサーミア療法が開発されている。これは、腫瘍組織と正常組織の熱感受性の違いを利用して、患部を42.5℃以上に加温・維持することで癌細胞を選択的に死滅させる治療法である。
【0005】
特に、生体内深部の腫瘍に対しては、深達度の高い超音波エネルギーを利用する方法が考えられている(例えば、特許文献2参照)。また、上記加温治療法を更に進めて、凹面形状のピエゾ素子により発生した超音波を患部に集束させて加熱し熱変性壊死させる治療法も考えられている(例えば、特許文献3参照)。後者の治療法では、超音波のエネルギーを集束させることにより、幅1〜3mm程度の限局した領域のみを60℃以上に加温し、数秒以内で熱変性壊死に導くことが可能である。この技術は、主に、肝腫瘍、脳腫瘍、泌尿器科系の腫瘍、及び乳腺腫瘍や子宮筋腫等の婦人科領域への適応が検討されている。
【0006】
これらの治療装置では、超音波の照射対象部位をモニタリングするために、超音波診断装置、MRI、X線CT装置等を利用している。その際、モニタリングのための画像の撮像条件を、画像の隅の領域に表示すると共に記憶している。また、診断画像を基にして生体計測情報を画像と併せて記録したり、診断履歴情報を画像情報と対応付けて記録する手法が考案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0007】
しかしながら、従来の手法では、体外衝撃波結石破砕装置のトレンド表示により照射設定のトレンド情報は一目で確認できるものの、生体内のモニタリング画像との関係は全く不明である。従って、例えばトレンド情報とモニタリング画像との対応を事後的に調べる場合には、操作者の記憶に頼るか、人為的に記録を残すしか方法がない。また、従来のモニタリング装置におけるモニタ画像上に画像取得条件を表示する方法、診断装置による生体計測情報を画像と合わせて記録する方法、及び診断履歴情報と画像情報を関連付けて記録する方法では、画像診断情報と治療情報との関連性は全く不明である。
【0008】
これらの事情により、実際に画像診断情報と照射条件との対応付けをする場合、記憶やメモに基づいて行うしかなく、記憶違いやメモ忘れにより管理情報と画像との対応ができなくなる場合がある。さらに、情報の管理が個人によって任せられていたため、情報の紛失等が発生するおそれがある。
【特許文献1】特開平4−336060号公報
【特許文献2】特開昭61−13955号公報
【特許文献3】米国特許第5150711号
【特許文献4】特許第2983350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、操作者のデータ管理作業を簡略化でき、人為的な記憶や記録に頼ることなく確実で間違いのないデータ管理を実行することができる治療システム、超音波照射システム、治療情報保存管理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
【0011】
本発明の第1の視点は、所定の条件に従って、被検体の患部に対し、超音波、電磁場、マイクロ波、光波その他の物理的エネルギーを供給することで、前記患部を治療するためのエネルギー供給手段と、前記患部をモニタリングするための画像を撮影する撮影手段と、前記エネルギー供給手段又は前記撮影手段の所定の動作に応答して、又は前記患部の治療における所定のタイミングにおいて、イベント信号を発生するイベント信号発生手段と、前記イベント信号をトリガとして前記画像を記憶する画像記憶手段と、前記イベント信号をトリガとして前記患部の治療情報を記憶する治療情報記憶手段と、同一の前記イベント信号をトリガとして記憶された前記画像及び前記治療情報の保存場所を、互いに対応付けて管理するための管理情報を生成し記憶する管理手段と、を具備することを特徴とする治療システムである。
【0012】
本発明の第2の視点は、所定の条件に従って、被検体の患部に対し、超音波を照射することで、前記患部を治療するための超音波照射手段と、前記患部をモニタリングするための超音波画像を撮影する撮影手段と、前記超音波照射手段又は前記撮影手段の所定の動作に応答して、又は前記患部の治療における所定のタイミングにおいて、イベント信号を発生するイベント信号発生手段と、前記イベント信号をトリガとして前記超音波画像を記憶する画像記憶手段と、前記イベント信号をトリガとして前記患部の治療情報を記憶する治療情報記憶手段と、同一の前記イベント信号をトリガとして記憶された前記超音波画像及び前記治療情報の保存場所を、互いに対応付けて管理するための管理情報を生成し記憶する管理手段と、を具備することを特徴とする超音波照射システムである。
【0013】
本発明の第3の視点は、所定の条件に従って、被検体の患部に対し、超音波、電磁場、マイクロ波、光波その他の物理的エネルギーを供給することで、前記患部を治療するためのエネルギー供給手段と、前記患部をモニタリングするための画像を撮影する撮影手段と、を具備する治療システムにおけるデータ管理方法であって、前記エネルギー供給手段又は前記撮影手段の所定の動作に応答して、又は前記患部の治療における所定のタイミングにおいて、イベント信号を発生し、前記イベント信号をトリガとして前記画像を記憶し、前記イベント信号をトリガとして前記患部の治療情報を記憶し、同一の前記イベント信号をトリガとして記憶された前記画像及び前記治療情報の保存場所を、互いに対応付けて管理するための管理情報を生成して記憶すること、を具備することを特徴とする治療システムにおけるデータ管理方法である。
【発明の効果】
【0014】
以上本発明によれば、操作者のデータ管理作業を簡略化でき、人為的な記憶や記録に頼ることなく確実で間違いのないデータ管理を実行することができる治療システム、超音波照射システム、治療情報保存管理方法を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る治療システム及び治療情報保存管理方法を、図面に従って説明する。なお、説明の重複を避けるため、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0016】
また、以下の説明においては、説明を具体的にするため、超音波照射治療を行うための超音波照射装置と当該治療において患部をモニタリングするための超音波診断装置とからなる治療システム(以下、「超音波照射システム」と称する。)を例とする。
【0017】
しかしながら、これに限定する趣旨ではなく、電磁波、マイクロ波、光、磁場等によって物理的なエネルギーを印加することで治療を行う治療システムであれば、全て適用することができる。また、X線診断装置、X線CT装置、磁気共鳴イメージング装置等によって患部モニタリングを行うようにしてもよい。さらに、本実施形態において使用する「治療」という概念には、遺伝子導入治療において実行される超音波照射、RFA(アブレーション)治療等、間接的な治療行為も含むものとする。
【0018】
図1は、本実施形態に係る超音波照射システム10のブロック構成図を示している。同図に示す様に、超音波照射システム10は、超音波アプリケータ11、インピーダンス整合部13、駆動部15、位相制御部17、波形発生部19、中央制御部21、入力部22、イベント発生部23、記憶部24、表示部25、超音波イメージング装置30、管理サーバ40、画像サーバ42、治療情報サーバ44を具備している。
【0019】
超音波アプリケータ11は、超音波発生素子群111、カップリング材113、冷却部114、診断用超音波プローブ115、ケーブル117を有している。
【0020】
超音波発生素子群111は、周方向に分割された複数個の振動子をアニュラーリング状に2次元配列した超音波発生素子(ピエゾ素子)からなり、駆動部15からインピーダンス整合部13を介して供給される電気エネルギーにより、指定された周波数領域の超音波を生体P内部に向けて放射する。
【0021】
カップリング材113は、超音波発生素子群111の表面に配置されており、超音波が生体Pへ効率良く伝播していくように、超音波発生素子群111と生体Pとの音響インピーダンスを整合している。また、カップリング材113は、超音波発生素子群111で発生した熱を遮断し、生体Pへ伝えないようにするための断熱効果も併せ持っている。
【0022】
冷却部114は、超音波発生素子群111の超音波照射側と反対側(すなわち、カップリング剤13とは反対側)に設けられており、超音波発生素子群111で発生した熱を放熱させる。
【0023】
診断用超音波プローブ115は、超音波発生素子群111の中心孔に挿入配置されており、被検体Pに超音波画像を生成するための超音波を送信し、当該被検体Pから反射波を受信するための装置である。診断用超音波プローブ115は、圧電振動子、音響レンズ、音響インピーダンス整合層、バッキング材等からなる。
【0024】
インピーダンス整合部13は、超音波発生素子毎に設けられており、駆動部15から入力した電気信号のインピーダンス整合を行う。
【0025】
駆動部15は、超音波発生素子毎に設けられており、位相制御部17から入力した信号波形を増幅する。増幅された信号は、インピーダンス整合部13によってインピーダンス整合され、所定の振幅、初期位相等にて各超音波発生素子に印加される。
【0026】
位相制御部17は、指定された位置に焦点が形成されるように波形発生部19が発生する駆動信号の初期位相をチャンネル毎に調整し、当該信号を個々の駆動部15に出力する。
【0027】
波形発生部19は、中央制御部21の制御のもと、入力部24からの入力に従って、超音波発生素子群111に印加する駆動信号波形を所定の周波数、形状にて発生する。なお、波形発生部19においては、通常のアナログ発振回路やPLL回路を用いて発振回路を構成し、ゲート回路の組み合わせで信号周波数及び波形制御を行ってもよい。また、デジタル的に波形合成を行い、DAコンバータ、及び低域透過フィルタを用いて波形合成を行ってもよく、VFコンバータを用いる構成であってもよい。
【0028】
中央制御部21は、操作者によって入力された焦点位置、焦点サイズ、及び焦点圧力等に基づいて、指定された焦点位置等を設定するための管理情報(初期位相情報、出力レベル情報等)を記憶部22から読み出す。中央制御部21は、この管理情報に従って、位相制御部17、駆動部15等を制御する。
【0029】
入力部22は、キーボードや各種スイッチ、マウス等を備え、各種条件やパラメータ値を入力可能な装置である。
【0030】
イベント発生部23は、本超音波照射システム10が所定の動作をする際、又は患部の治療における所定のタイミングにおいて中央制御部21から出力される信号に応答して、当該所定の動作が記録対象となるイベントであることを示すイベント信号を発生し、管理サーバ40、画像サーバ42、治療情報サーバ44に出力する。
【0031】
なお、イベント発生部23がどの動作及びタイミングをイベント信号の発生対象とするかは、操作者が所望のものを事前に登録することができる。イベント信号の発生対象となる事項としては、例えば、電気メス、超音波振動に持続吸引及び電気メスを組み合わせた切開装置(CUSA(製品名)とも呼ばれる)、その他の使用する治療(手術)装置のオンオフ操作、出力電流が閾値を越えたタイミング、鉗子等の特定器具にスイッチやセンサ等を取り付け、その使用を検出する検出信号の発生等が考えられる。
【0032】
記憶部24は、超音波照射条件等の種々の情報を記憶する。
【0033】
表示部25は、CRT等からなるモニタであり、超音波イメージング装置30によって生成された、被検体組織形状を表す超音波画像を表示する。
【0034】
超音波イメージング装置30は、診断用超音波プローブ115から被検体Pに超音波を送信し、受信した反射波に基づいて当該被検体Pの体内組織の超音波画像を生成する。生成された超音波画像は表示部25に表示され、超音波照射位置の特定、確認等に利用される。
【0035】
管理サーバ40は、記憶された各治療情報の保存場所と、各治療情報に対応して記憶された(すなわち、同一のトリガ信号に応答して記憶された)モニタリング画像の保存場所とを関連付けて管理する管理情報を、生成して記憶する。後述する再生処理においては、当該管理情報に基づいて対応する治療情報及び画像情報が読み出され、再生される。
【0036】
画像サーバ42は、当該超音波照射治療における患部モニタリングに使用される画像(今の場合、超音波画像)を記憶する。この画像サーバ42への記憶は、イベント発生部23が発生するイベント信号をトリガとして実行される。
【0037】
治療情報サーバ44は、当該超音波照射治療に関する情報(治療情報)を記憶する。ここで、治療情報とは、疾患名、患部部位、治療対象部位、治療用超音波の被照射歴、治療用超音波の照射強度、治療用超音波の照射開始時刻、治療用超音波の照射終了時刻、治療用超音波の照射位置、治療用超音波の照射回数、その他患者の個人情報及び治療行為に関する情報を意味する。この治療情報サーバ44への治療情報の記憶についても、イベント発生部23が発生するイベント信号をトリガとして実行される。
【0038】
なお、画像サーバ42、治療情報サーバ44は、ストリーム保存機能を有している。これは、次のようなものである。すなわち、画像保存サーバ及び照射情報保存サーバには補助メモリ領域が確保されており、常に画像情報、治療情報がそれぞれ対応するサーバ内の補助メモリ領域に取り込まれる。この補助メモリ領域では、記憶領域がいっぱいになると、古い内容から順に消されていき、新しい内容が補助メモリに書き込まれる。よって、この補助メモリ内では、新しい内容を書き込むために、古いものから順に記憶内容が消される仕組みになっており、次に消される内容は、補助メモリ内に記憶されている最も古い内容である。このようにして、各サーバ内では、システムの動作が続く間は連続して記憶と消去が行われる。
【0039】
なお、本実施形態では、各サーバ内の補助メモリ領域により、一定期間において連続的に画像データ等を記憶するものとする。従って、例えば、補助メモリ領域によって記憶可能な時間が10秒である場合は、10秒間の動画情報として保存することになる。しかしながら、これに限定する趣旨ではなく、例えば1秒おき毎の離散的な静止画像を連続して記憶するようにしても良い。
【0040】
(治療情報及び診断情報の管理機能)
次に、本超音波照射システムが有する、治療情報及び診断情報の管理機能について説明する。本管理機能は、イベント発生部23が発生するイベント信号をトリガとして、治療情報及び診断情報の記録、及び同一のイベント信号に応答して記憶された治療情報の保存場所とモニタリング画像の保存場所とを関連付けて管理する管理情報を、生成して記憶するものである。以下、この機能によって実行される処理を管理処理と呼ぶ。なお、本実施形態では説明を具体的にするため、診断情報をモニタリング画像とした場合を例とする。
【0041】
図2(a)は、イベント信号をトリガとして実行される管理処理のタイミングチャートの一例を示した図である。当該例は、イベント発生部23が被検体への治療エネルギー印加開始、及び治療エネルギー印加停止をトリガとしてイベント信号を発生し、当該イベント信号をトリガとして記録処理が実行されるものである。なお、同タイミングチャートの矢印はイベント発生部23のイベント信号発生を、矩形領域は超音波照射期間をそれぞれ象徴的に示したものである。
【0042】
例えば、治療用の集束超音波の照射準備が完了し、照射開始ボタンが押されたとする。すると、図2(a)に示すように、被検体への超音波照射開始(例えば、照射開始ボタンの操作)をトリガとして、イベント発生部23がイベント信号を発生する。このイベント信号をトリガとして、画像サーバ42は、超音波イメージング装置30が現在取得している超音波画像を保存し、また、治療情報サーバ44は、中央制御部21から治療情報を受け取り保存する。さらに、管理サーバ40は、当該治療エネルギー印加開始に応答して記憶された画像データ、治療情報データのそれぞれの保存場所を、当該患者のIDと対応付けて記憶する。
【0043】
また、図2(b)は、当該イベント信号をトリガとして実行される管理処理のタイミングチャートの他の例を示した図である。当該例は、イベント発生部23がシーケンス全体における最初の超音波照射開始、及び最後の超音波手照射停止(終了)と、超音波照射のインターバル(超音波照射停止期間)とにおいてイベント信号を発生するものである。
【0044】
すなわち、図2(b)に示すように、超音波照射のインターバルは、一定の期間(例えば1分)となる様に予め設定されている。イベント発生部23は、当該インターバルの中間(同図の例では、直近の超音波照射終了から30秒後)において、イベント信号を発生する。このイベント信号をトリガとして、画像サーバ42は超音波画像を、治療情報サーバ4は治療情報を、管理サーバは管理情報を、それぞれ記憶する。
【0045】
なお、それぞれのサーバは、ストリーム保存機能を用いて、イベント発生時刻を中心に直近の超音波照射停止及び超音波照射開始が含まれる期間に対応する画像又は情報を記憶する構成であることが好ましい。従って、図2(b)の例においては、イベント発生時刻を中心に前後30秒間以上(合計1分以上)の画像又は情報を記憶する構成であることが好ましい。
【0046】
また、図2(c)は、当該イベント信号をトリガとして実行される画像データ等の記録処理のタイミングチャートの他の例を示した図である。当該例は、イベント発生部23が、イベント発生部23がシーケンス全体における最初の超音波照射開始、及び最後の超音波手照射停止(終了)と、超音波照射位置、強度、時間、対象部位その他の超音波照射条件の変更とに応答してイベント信号を発生するものである。
【0047】
すなわち、図2(c)に示すように、任意のタイミングにおいて実行される超音波照射条件の変更に応答して、イベント発生部23は、イベント信号を発生する。このイベント信号をトリガとして、画像サーバ42は超音波画像を、治療情報サーバ4は治療情報を、管理サーバは管理情報を、それぞれ記憶する。
【0048】
なお、本例においても、それぞれのサーバは、ストリーム保存機能を用いて、イベント発生時刻を中心に直近の超音波照射停止及び超音波照射開始が含まれる期間に対応する画像又は情報を記憶する構成であることが好ましい。
【0049】
以上、関連付けの記憶処理について、図2(a)乃至(c)のタイミングチャートを例に説明した。しかしながら、各タイミングチャートに示した例に限定する趣旨ではない。例えば、図2(a)乃至(c)を組み合わせたタイミングチャートに従う構成であってもよい。また、例えば、イベント発生部23によるイベント信号発生の対象となる動作や所定のタイミングは、上記各例に限定されない。さらに、イベント信号の発生対象となる所望の動作やタイミングを、自由に登録可能な構成としてもよい。
【0050】
(治療情報及び診断情報の再生機能)
次に、管理サーバ40が格納する管理情報に基づいて、同一のイベント信号をトリガとして収集された画像データ及び治療情報を関連付けて再生する再生機能について説明する。
【0051】
まず、操作者は、管理サーバ40内の所望の患者に関する管理情報を、当該患者のID(患者ID)を用いて検索する。当該患者の管理情報が得られると、この管理情報により、画像データ及び治療情報の保存場所を取得することができる。この場合、さらに、管理情報を用いて日時や照射部位等を検索キーワードで検索すれば、該当する画像データや治療情報にアクセスすることができることが好ましい。
【0052】
ここで、例えば、所定の画像データにアクセスし、当該画像データを再生表示したとする。当該画像データと同一のイベント信号をトリガとして収集された治療情報の所在は、管理情報によって把握することができる。この管理情報を用いることで、本超音波照射システム10では、再生された画像をダブルクリックすると、画面が変更、もしくはポップアップ画面が現れて、治療情報サーバ44内の対応する治療情報を呼び出して表示することができる。また、治療情報に先にアクセスした場合も同様であり、治療情報画面をダブルクリックすると、画面が変更、もしくはポップアップ画面が現れて、対応する画像データが呼び出され表示される。
【0053】
図3は、同一のイベント信号をトリガとして収集された画像データ及び治療情報を、同時に表示した画面の一例を示した図である。同図に示すように、呼び出された画像データ及び治療情報は、画面を上下又は左右に並列表示させたり、一方の情報表示ウィンドウのなかに小ウィンドウを設けてその中に他方の情報を表示させたりすることができる。さらに、印刷出力する場合は、画像情報もしくは照射情報のみだけではなく、両者を同時に表示して印刷出力することも可能である。
【0054】
(動作)
次に、図4及び図5のフローチャート図を用いて、本実施の形態における超音波照射の手順を詳細に説明する。なお、最初に、図4を用いて一連の超音波照射治療シーケンスを説明した後、図5に従って、治療シーケンスと管理処理との関係について説明する。
【0055】
まず、超音波照射対象(患部)の画像を、超音波照射システム10が具備する超音波イメージング装置30とは異なる、通常の超音波診断装置によって描出する場合を考え、当該装置においてイメージング条件(焦点深度、送信周波数等)の設定を行う(ステップS1)。超音波診断装置は、設定されたイメージング条件に従って超音波照射対象を含む領域の画像を収集し、当該装置のモニタリング画面上に表示する(ステップS2)。
【0056】
次に、本システム10が具備する診断用超音波プローブ115と超音波イメージング装置30とによって、超音波照射対象の描出を行う(ステップS3)。このとき、超音波アプリケータ11の中心軸上に配置された診断用超音波プローブ115をカップリング材113a及び膜113bを介して被検体Pに接触させる必要がある。この場合、ステップS2で用いた超音波診断装置を用いて照射対象を描出した際の超音波プローブの角度、向き、及び当該超音波プローブ先端と被検体Pとの接触位置等の条件とできるだけ同様になるように試みるのが一般的である。
【0057】
なお、被検体Pとの接触位置が、ステップS2において使用される超音波プローブと、ステップS3において使用される本システム10の超音波プローブ115との間で同一となるように、被検体Pの体表面にマジック等を利用してマーキングを用いたり、レーザー光などのナビゲーションを利用することが好ましい。また、診断時の超音波プローブの接触位置や角度の写真を記録しておき、超音波アプリケータ11内の超音波プローブ115を使用する際に、記録しておいた画像を見ることにより作業を効率化することが可能である。
【0058】
また、場合によっては、イメージング用超音波プローブ4の回転角度が膜13やカップリング材3を介しては確認しづらいことがある。これを回避するため、イメージング用超音波プローブ115の回転角度を表示する手段を設けても良い。例えば、回転角度を読み取ってデジタル的に表示部25または超音波アプリケータ11上の表示器により表示させる。また、例えば、単純にイメージング用超音波プローブ115の回転機構の先端部に回転を確認できるようなマーク等が記されており、このマーク等を、超音波アプリケータ11を使用しながら目視することで、回転角度を確認する構成であってもよい。
【0059】
モニタリング画像内に照射対象が描出されると、次に、操作者は、照射対象が明瞭に描出されるように、超音波アプリケータ11またはその中心孔に配置されたイメージング用超音波プローブ115の位置や角度、画質等の描出条件を微調整する(ステップS4)。この微調整により照射対象が明瞭に描出されると、以後の各処理と平行しながら継続的に又は断続的に、同じ状態で照射対象のモニタリング画像が取得されることになる。
【0060】
照射対象をモニタリング画面上に描出した後、操作者は、3次元的な超音波伝播経路の安全性を確認する作業に移る(ステップS5)。ここで、本実施形態の様にモニタリングに超音波画像を使用する場合には、一般的にBモード像が用いられるため、照射対象は2次元画面内に表される。この様な状況では、表示されている2次元画像に対して手前や奥側等の3次元的な超音波伝播経路領域の様子を、明確に確認できない場合がある。この様な場合には、超音波アプリケータ11の中心孔に配置されたイメージング用超音波プローブ115を、超音波アプリケータ11の中心軸に対して回転させる、若しくは超音波アプリケータ11自身を中心軸に対して回転させる、又は超音波アプリケータ11を前後左右に移動させることにより、3次元的な超音波伝播領域を確認することが可能となる。
【0061】
なお、この様なイメージング用超音波プローブ115の回転作業等を行なう際、
モニタリング画面上に超音波伝播領域を示すマーカーを表示することで、操作者に伝播経路を明示することが好ましい。伝播経路の表示方法としては、キャラクタ画面上に書き込む方法が一般的であるが、超音波伝播経路や焦点マーカー等を表示する専用ページを用意して、背景となるBモード画像等の超音波診断画像に重ね合せて表示するようにしても良い。この様な構成によれば、重要臓器等に傷害を与えることはないか等、3次元的に超音波伝播経路の安全確認をより高い視認性によって実現することができる。
【0062】
また、超音波アプリケータ11を前後左右に移動させて3次元的な超音波伝播領域を確認する手法は、得策ではない。この手法では、焦点位置そのものを再位置合わせする必要が生じるからである。
【0063】
次に、操作者は、照射対象の深さ、大きさ、癌種、及び肋骨等の遮蔽効果等を鑑みて照射強度、照射時間、照射領域、照射インターバルの時間等決定する(ステップS6)。照射領域等が決定されると、集束超音波の焦点を照射領域に一致させ、周辺の状況を確認したら、集束超音波の照射準備が完了する(ステップS7)。
【0064】
次に、操作者は、例えば、操作者が照射開始スイッチを押すことによって、適当なタイミングで集束超音波の照射を開始する(ステップS8)。超音波照射が開始されると、ステップS7において決定した時間が経過した後、自動的に照射が終了する(ステップS9)。
【0065】
次に、ステップS6において決定された条件に基づいて照射インターバルが存在するか否かが判定され(ステップS10)、照射インターバルが存在する場合には、一定期間の経過の後、再度超音波照射が開始される。一方、照射インターバルが存在しないと判定された場合には、モニタリング画像によって患部の治療状況を確認した後、一連の超音波照射治療シーケンスを終了する。
【0066】
次に、上記超音波照射治療において随時実行される管理処理について説明する。この管理処理は、上記一連の超音波照射治療シーケンスにおける所定の動作、所定のタイミングにおいて並列的に実行される。
【0067】
図5は、本管理処理の流れを示したフローチャートである。同図に示すように、所定の動作や所定のタイミングをトリガとしてイベント発生部23がトリガ信号を発生すると(ステップa)、画像サーバ42は画像データを、治療情報サーバ44は治療情報を、それぞれ記憶する(ステップb、c)。また、管理サーバ40は、画像データ、治療情報のそれぞれの保存場所を、当該患者IDと関連付ける管理情報を生成し、保存する(ステップd)。
【0068】
また、所定の操作により、状況に応じて、任意のタイミングで必要と思われる瞬間に画像データを保存することも可能である。このとき、当該所定の操作をイベント信号発生の対象となる操作として予め登録しておけば、当該画像データについても本関連付け記憶処理が適用され、管理されることになる。
【0069】
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
【0070】
本超音波照射システムにおいては、イベント信号をトリガとして、治療情報
と画像データとが自動的に保存されると共に、同一のトリガ信号に応答して保存された治療情報と画像データとを対応付け、その保存場所を患者IDと関連付けて管理する管理情報を自動的に生成し記憶する。従って、治療情報と画像データとの関係を人為的に記録、記憶、整理等する必要がなく、操作者の作業負担を軽減させることができる。
【0071】
また、本超音波照射システムにおいては、管理情報に基づいて、同一のトリガ信号に応答して保存された治療情報と画像データとを確認し、必要に応じて同時再生することができる。従って、操作者は、治療情報及びこれに対応する(同情報に従う治療実行時における)モニタリング画像を、事後であっても簡単且つ迅速に確認することができる。その結果、操作者の整理、検索に関する作業負担を軽減することができると共に、常に有効な治療情報及び診断情報を提供することが可能となる。
【0072】
また、本超音波照射システムにおいては、ストリーミング保存を利用して、所望の期間や時相に関する画像データ等を切り出して保存することができる。従って、必要な情報についてのみ関連付け記憶の対象とすることができ、操作者のデータ整理負担を軽減することができ、また、メモリ資源を有効に活用することができる。
【0073】
また、本超音波照射システムにおいては、関連付け記憶処理実行のトリガとなるイベント信号発生の対象動作等を、自由に登録することができる。従って、操作者は、必要な動作やタイミングについてのみ関連付け記憶の対象とすることができ、操作者のデータ整理負担を軽減することができ、また、メモリ資源を有効に活用することができる。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0075】
(1)上記実施形態においては、特定の動作、タイミング等をイベント信号発生の対象とした。これに対し、特にイベント信号発生対象を区別せず、例えば、治療用の超音波照射期間中の画像データを連続もしくは離散的に行うと共に、画像記録時に照射条件と併せて照射経過時間を記録しておくようにしてもよい。また、治療用超音波焦点近傍にて、超音波照射やモニタリング画像撮影以外の動作、例えば温度計測、弾性率計測、硬さ計測、超音波減衰率計測等を実行する場合には、これらの計測動作等をイベント信号発生対象とし、当該計測等に関する情報を、上記関連付け記憶処理の対象とする構成であってもよい。
【0076】
(2)上記実施形態においては、画像データ、治療情報、管理情報のそれぞれに対応する各サーバを設けた。しかしながら、必ずしも各保存対象に対応するサーバを設ける必要はなく、複数の保存対象に共通するサーバを設ける構成であってもよい。また、各種サーバは、治療装置本体とネットワークを介して接続されている構成であってもよい。
【0077】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上本発明によれば、照射対象の画像、その画像を取得したときの照射条件(治療条件)が関連付けて保存されるので、照射後(治療後)の操作者のデータ管理業務が簡略化されるとともに、記憶違いやメモ忘れによる情報の取り違いや紛失のリスクを減少させることができる治療システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1は、本実施形態に係る超音波照射システム10のブロック構成図を示している。
【図2】図2(a)乃至(c)は、イベント信号をトリガとして実行される管理処理のタイミングチャートの例を示した図である。
【図3】図3は、同一のイベント信号をトリガとして収集された画像データ及び治療情報を、同時に表示した画面の一例を示した図である。
【図4】図4は、一連の超音波照射治療シーケンスにおいて実行される処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】図5は、管理処理の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
10…超音波照射システム、11…超音波アプリケータ、13…インピーダンス整合部、15…駆動部、17…位相制御部、19…波形発生部、21…中央制御部、22…入力部、23…イベント発生部、24…記憶部、25…表示部、30…超音波イメージング装置、40…管理サーバ、42…画像サーバ、44…治療情報サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の条件に従って、被検体の患部に対し、超音波、電磁場、マイクロ波、光波その他の物理的エネルギーを供給することで、前記患部を治療するためのエネルギー供給手段と、
前記患部をモニタリングするための画像を撮影する撮影手段と、
前記エネルギー供給手段又は前記撮影手段の所定の動作に応答して、又は前記患部の治療における所定のタイミングにおいて、イベント信号を発生するイベント信号発生手段と、
前記イベント信号をトリガとして前記画像を記憶する画像記憶手段と、
前記イベント信号をトリガとして前記患部の治療情報を記憶する治療情報記憶手段と、
同一の前記イベント信号をトリガとして記憶された前記画像及び前記治療情報の保存場所を、互いに対応付けて管理するための管理情報を生成し記憶する管理手段と、
を具備することを特徴とする治療システム。
【請求項2】
前記治療情報は、疾患名、患部部位、治療対象部位、物理的ネルギーの被供給歴、供給する物理的ネルギーの強度、物理的エネルギーの供給開始時刻、物理的エネルギーの供給終了時刻、物理的エネルギーの供給位置、物理的エネルギーの供給回数のうち少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1記載の治療システム。
【請求項3】
所定の条件に従って、被検体の患部に対し超音波を照射することで、前記患部を治療するための超音波照射手段と、
前記患部をモニタリングするための超音波画像を撮影する撮影手段と、
前記超音波照射手段又は前記撮影手段の所定の動作に応答して、又は前記患部の治療における所定のタイミングにおいて、イベント信号を発生するイベント信号発生手段と、
前記イベント信号をトリガとして前記超音波画像を記憶する画像記憶手段と、
前記イベント信号をトリガとして前記患部の治療情報を記憶する治療情報記憶手段と、
同一の前記イベント信号をトリガとして記憶された前記超音波画像及び前記治療情報の保存場所を、互いに対応付けて管理するための管理情報を生成し記憶する管理手段と、
を具備することを特徴とする超音波照射システム。
【請求項4】
前記治療情報は、疾患名、患部部位、治療対象部位、治療用超音波の被照射歴、治療用超音波の照射強度、治療用超音波の照射開始時刻、治療用超音波の照射終了時刻、治療用超音波の照射位置、治療用超音波の照射回数のうち少なくとも一つを有することを特徴とする請求項3記載の超音波照射システム。
【請求項5】
前記管理手段は、前記画像及び前記治療情報の保存場所と、当該被検体のIDとを関連付けた前記管理情報を生成することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の治療システム又は超音波照射システム。
【請求項6】
前記イベント信号発生手段がイベント信号発生の対象とする前記治療装置の任意の動作、又は前記患部の治療における任意のタイミングを登録する登録手段をさらに具備し、
前記イベント信号発生手段は、登録された前記治療装置の所定の動作に応答して、又は前記患部の治療における所定のタイミングにおいて、前記イベント信号を発生すること、
を特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の治療システム又は超音波照射システム。
【請求項7】
前記画像記憶手段は、
一定期間に関する前記画像を時系列的に記憶する第1の補助記憶手段を有し、
前記イベント信号の発生時刻を基準点として、当該基準点より以前の一定期間、当該基準点より以後の一定期間、当該基準点の前後に亘るの一定期間のうち、いずれかの期間に関する前記画像を、前記第2の補助記憶手段から抽出して記憶すること、
を特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の治療システム又は超音波照射システム。
【請求項8】
前記治療情報記憶手段は、
一定期間に関する前記治療情報を時系列的に記憶する第2の補助記憶手段を有し、
前記イベント信号の発生時刻を基準点として、当該基準点より以前の一定期間、当該基準点より以後の一定期間、当該基準点の前後に亘るの一定期間のうち、いずれかの期間に関する前記治療情報を、前記第2の補助記憶手段から抽出して記憶すること、
を特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の治療システム又は超音波照射システム。
【請求項9】
前記画像記憶手段に記憶された所定の画像を再生した場合、当該再生された画像と同一の前記イベント信号をトリガとして記憶された前記治療情報を、前記管理情報に基づいて前記治療情報記憶手段から呼び出して再生し、
前記治療情報記憶手段に記憶された所定の治療情報を再生した場合、当該再生された利用情報と同一の前記イベント信号をトリガとして記憶された前記画像を、前記管理情報に基づいて前記画像記憶手段から呼び出して再生する再生手段をさらに具備すること、
を特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の治療システム又は超音波照射システム。
【請求項10】
前記エネルギー供給手段又は前記撮影手段の所定の動作、及び前記患部の治療における所定のタイミングの少なくとも一方を予め登録する登録手段をさらに具備し、
前記イベント信号発生手段は、前記登録手段によって登録された前記エネルギー供給手段又は前記撮影手段の所定の動作に応答して、及び前記患部の治療における所定のタイミングにおいて、前記イベント信号を発生すること、
を特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項記載の治療システム又は超音波照射システム。
【請求項11】
所定の条件に従って、被検体の患部に対し、超音波、電磁場、マイクロ波、光波その他の物理的エネルギーを供給することで、前記患部を治療するためのエネルギー供給手段と、前記患部をモニタリングするための画像を撮影する撮影手段と、を具備する治療システムにおけるデータ管理方法であって、
前記エネルギー供給手段又は前記撮影手段の所定の動作に応答して、又は前記患部の治療における所定のタイミングにおいて、イベント信号を発生し、
前記イベント信号をトリガとして前記画像を記憶し、
前記イベント信号をトリガとして前記患部の治療情報を記憶し、
同一の前記イベント信号をトリガとして記憶された前記画像及び前記治療情報の保存場所を、互いに対応付けて管理するための管理情報を生成して記憶すること、
を具備することを特徴とする治療システムにおけるデータ管理方法。
【請求項12】
前記治療情報は、疾患名、患部部位、治療対象部位、物理的ネルギーの被供給歴、供給する物理的ネルギーの強度、物理的エネルギーの供給開始時刻、物理的エネルギーの供給終了時刻、物理的エネルギーの供給位置、物理的エネルギーの供給回数のうち少なくとも一つを有することを特徴とする請求項11記載の治療システムにおけるデータ管理方法。
【請求項13】
前記管理情報は、前記画像及び前記治療に関する情報の保存場所と、当該被検体のIDとを関連付けることを特徴とする請求項11又は12記載の治療システムにおけるデータ管理方法。
【請求項14】
前記イベント信号発生の対象とする前記治療装置の任意の動作、又は前記患部の治療における任意のタイミングを登録し、
前記イベント信号は、前記登録された前記治療装置の所定の動作に応答して、又は前記患部の治療における所定のタイミングにおいて、発生されること、
を特徴とする請求項11乃至13のうちいずれか一項記載の治療システムにおけるデータ管理方法。
【請求項15】
前記画像記憶においては、前記イベント信号の発生時刻を基準点として、当該基準点より以前の一定期間、当該基準点より以後の一定期間、当該基準点の前後に亘るの一定期間のうち、いずれかの期間に関する前記画像を抽出して記憶することを特徴とする請求項11乃至14のうちいずれか一項記載の治療システムにおけるデータ管理方法。
【請求項16】
前記治療情報記憶においては、前記イベント信号の発生時刻を基準点として、当該基準点より以前の一定期間、当該基準点より以後の一定期間、当該基準点より以後の一定期間、当該基準点の前後に亘るの一定期間のうち、いずれかの期間に関する前記治療情報を抽出して記憶することを特徴とする請求項11乃至14のうちいずれか一項記載の治療システムにおけるデータ管理方法。
【請求項17】
前記画像記憶手段に記憶された所定の画像を再生した場合、当該再生された画像と同一の前記イベント信号をトリガとして記憶された前記治療情報を、前記管理情報に基づいて前記治療情報記憶手段から呼び出して再生し、
前記治療情報記憶手段に記憶された所定の治療情報を再生した場合、当該再生された利用情報と同一の前記イベント信号をトリガとして記憶された前記画像を、前記管理情報に基づいて前記画像記憶手段から呼び出して再生すること、
を特徴とする請求項11乃至16のうちいずれか一項記載の治療システムにおけるデータ管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−55403(P2006−55403A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−240861(P2004−240861)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】