説明

治療剤の粘膜吸収を増強するための伝達剤

温血動物に生物学的活性剤の粘膜吸収増強のために開発された伝達剤は、親水性部分と疎水性部分が化学的に共有結合された両親媒性物質である。疎水性部分は胆汁酸、ステロールまたは疎水性小分子化合物を含むことができる。親水性部分は、α-アミノ酸、ジペプチドまたはトリペプチドまたは親水性小分子化合物を含むことができる。伝達剤は、具体的に例を挙げると、Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステルを有することができる。粘膜吸収増強用伝達剤は、生物学的活性剤と物理的複合体を形成した後、温血動物に投与する。前記の伝達剤/生物学的活性剤複合体は、経口投与用として特に有用であるが他の経路による投与も可能である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、生物学的活性剤、特に薬物治療剤の効率的な薬物伝達のための組成物に関するものである。前記組成物は、経口または他の経路で生物学的活性剤を投与後、その粘膜吸収を増加させることができる合成薬物伝達剤を含む。また、本発明は前記組成物の製造方法及び投与方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景技術
一般的に生物学的活性剤は、生物学的、化学的または物理的な障壁によって薬物の効率的な伝達がとても難しい。一般的に、前記の障壁は伝達が発生する環境によって形成されたり、伝達標的環境または標的それ自体によって形成されたりする。生物学的活性剤は、前記の障壁に特に脆弱である。治療剤の伝達において身体が前記障壁として作用する。肌及び様々な器官膜等の物理的障壁に対して所定の活性剤は比較的非透過的であるが、循環系等の標的に到達する前に迂回して通過しなければならない。
【0003】
経口投与は、ヒトを含む動物に生物学的活性剤を投与する経路の中で一番理想的な経路であるが、大部分の活性剤が経口投与後、多様な障壁によって非常に制限的な吸収率を示していて、その効率的な伝達が難しいのが実情である。一般的に、経口投与が適切ではない多数の製剤の中には、例えば、インスリン、カルシトニン、成長ホルモン及びグルカゴン様ペプチド-1等の生物学的活性ペプチド;特別には限定されないが、ヘパリン及びヘパリノイドを含むムコポリサッカライド及びポリサッカライド;抗生剤;及びその他有機物質等を挙げることができる。前記の製剤は、胃腸管内(gastrointestinal;GI)で酸加水分解されまたは酵素に不安定で、または製剤自体の電荷によって経口投与後の吸収率が非常に低く、または製剤自体が胃腸内でまったく吸収されない構造を成している。
【0004】
多様な既存に開発された薬物伝達剤は、大部分が疎水性の物質である一方、大部分の生物学的活性剤は親水性を有している。このように、伝達剤と生物学的活性剤の溶解度の差が大きいと、商業的にも応用可能な剤形を開発するのには多くの難しさがある。そこで薬物伝達剤の溶解度を生物学的活性剤の溶解度に適切に合わせることができれば、その生物学的利用能は増加するだろう。
【0005】
多くの生物学的活性剤は、高い親水性を示すため経口投与後に胃腸内で低い吸収率を示し、結果的に低い生物学的利用能を示す。そこで、生物学的活性剤自体を化学的に改変して生物学的活性剤自体の疎水性を高めて、生物学的利用能を増加させることもできるが、それは物質の合成と製造工程に非常に多くの費用を要する。そこで化学的な改変ではない単純な物理的結合によって親水性の生物学的活性剤に疎水性を付与することができる薬物伝達剤が開発されれば、生物学的活性剤の高い生物学的利用能を得ることができるのと同時に、簡単な製造工程によって高い費用節減効果を期待することができるだろう。伝達剤を単純に前記生物学的活性剤と混合することによって天然生物学的活性剤の親油性を増加させる場合、生物学的利用能を高めることができると同時に製造工程が簡単であるので費用を節減することができる。
【0006】
一般的な経口用薬物伝達剤の1回の服用量は相当に多いので、経口投与後に相当量の伝達剤が生理学的な条件下で沈澱され、それ以上生物学的活性剤の経口吸収促進剤としての役割を遂行することができず、沈澱した伝達剤はややもすると深刻な毒性を示し得る。そこで服用量が非常に少ない薬物伝達剤を開発することができれば、より低い毒性とともに効率的な生物学的活性剤の伝達に貢献することができる。
【0007】
一般的に、生理学的な条件下で伝達剤は生物学的活性剤と反応をしないが、それは生物学的活性剤を伝達するためには相当量の伝達剤及び/または促進剤がいつも必要であるからである。伝達剤と生物学的活性剤の反応を増加させるようにする場合、ずっと低い伝達剤濃度で前記の伝達はより効果的に成り立つようになる。
【0008】
生物学的活性剤の膜透過性を増加させるためには、生物学的活性剤の有効電荷を保存したり調節することが重要である。伝達剤と生物学的活性剤を単純に混合することによって、生物学的活性剤の純電荷を伝達剤が制御することができれば、前記の伝達はより効果的になされるようになる。
【0009】
GI経路や組織表面でのタンパク質加水分解(proteolysis)において、生物学的活性剤の安定性は、伝達効能の重要な寄与因子である。ゆえに、タンパク質加水分解時の伝達剤が生物学的活性剤の安定性を増加させることができれば、前記の伝達はより効果的になされるようになる。
【0010】
生物学的活性剤(特にペプチド及びタンパク質医薬)の凝集度が高ければ、経口投与後の生物学的利用能は低くなる。ゆえに、伝達剤がこのような凝集度を変化させることができれば、前記の伝達はより効果的になされるようになる。
【0011】
上述したように、生物学的活性剤の分解(degradation)及び不活性化を抑制して、溶解度の問題点を減少させ、生物学的活性剤と伝達剤間の反応を増加させて、静電気的電荷を調節して、生物学的活性剤の親油性を増加させ、生物学的活性剤の凝集度を変化させるという点において、生物学的活性剤をより効果的に伝達するための組成物及び伝達方法を提供は、当該技術分野で重要な進歩であると、理解できるだろう。
【発明の開示】
【0012】
発明の開示
技術的解決手段
前記の目的を達成するために本発明は、生物学的活性剤の分解及び不活性化を抑制することを特徴とする生物学的活性剤伝達用組成物及びその方法を提供する。
【0013】
また、前記の目的を達成するために本発明は、溶解度の問題点を減少させて生物学的活性剤と伝達剤間の反応を増加させることを特徴とする生物学的活性剤伝達用組成物及びその方法を提供する。
【0014】
また、前記の目的を達成するために本発明は、生物学的活性剤の静電気的電荷を調節することができることを特徴とする生物学的活性剤伝達用組成物及びその方法を提供する。
【0015】
また、前記の目的を達成するために本発明は、生物学的活性剤の親油性が増加されたことを特徴とする生物学的活性剤伝達用組成物及びその方法を提供する。
【0016】
また、前記の目的を達成するために本発明は、生物学的活性剤の凝集度を変化させることができることを特徴とする生物学的活性剤伝達用組成物及びその方法を提供する。
【0017】
また、前記の目的及び他の目的は、生物学的活性剤を温血動物に伝達するための伝達剤を提供することにより達成され得るもので、前記伝達剤は、(a)胆汁酸、ステロール、それら胆汁酸及びステロール誘導体及び分子量が500ダルトン以下の小型の疎水性分子からなる群から選択された疎水性部分と、(b)前記疎水性部分と共有結合して陽電荷または陰電荷を帯びるかまたはそれらの塩の形態である親水性部分とを含んで成り立ったものであることを特徴とする。
【0018】
本発明による親水性部分は、具体的に例を挙げると、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸またはグルタミン酸等のα-アミノ酸;ジペプチドまたはトリペプチド;及び分子量が約100〜3,000程度の親水性小分子化合物を含むことができる。伝達剤は、具体的に例を挙げると、分子量が約400〜4,000ダルトンの分子を有することができる。本発明による伝達剤は、詳細には、Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステルである。
【0019】
本発明の他の例示的態様において、本発明は生物学的活性剤及び伝達剤の混合物を含んだ組成物を含み、ここで前記伝達剤は、(a)胆汁酸、ステロール、それら胆汁酸及びステロール誘導体及び分子量が500ダルトン以下の小型の疎水性分子からなる群から選択された疎水性部分と(b)前記疎水性部分と共有結合して陽電荷または陰電荷を帯びるか、またはそれらの塩の形態である親水性部分とを含んで成り立ったものであることを特徴とする。
【0020】
本発明による生物学的活性剤は、具体的に例を挙げると、ヒト成長ホルモン、組換えヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、ブタ成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、α-インターフェロン、β-インターフェロン、γ-インターフェロン、インターロイキン-1、インターロイキン-2、インスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ヒトインスリン、ヒト組換えインスリン、インスリン様成長因子(Insulin-like Growth Factor;IGF)、インスリン様成長因子-1 (IGF-1)、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、ヘパリン、未分画ヘパリン、ヘパリノイド、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、ペンタサッカライド、カルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、ヒトカルシトニン、エリスロポイエチン、心房利尿因子、抗原、単クローン抗体、ソマトスタチン、プロテアーゼ抑制剤、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、オキシトシン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、グルコサレブロシダーゼ、トロンボプロテイン、フグラスチム、プロスタグランジン、シクロスポリン、バソプレッシン、クロモリンナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、クロモグリク酸ジナトリウム、バンコマイシン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン断片、デスフェリオキサミン、抗菌剤、抗真菌剤及びビタミン;類似体、断片、模倣剤及びそれらのポリエチレングリコール改変誘導体;及びそれらの混合物等をあげることができるが、より好ましくはインスリン、低分子量ヘパリン及びカルシトニンである。また、本発明の組成物には賦形剤、希釈剤、崩解剤、潤滑剤、可塑剤、着色剤及びそれらの混合物を添加して調剤することができる。
【0021】
本発明のまた他の例示的態様は、温血動物に伝達することができる生物学的活性剤の剤形であり、前記剤形は前記生物学的活性剤及び伝達剤の混合物を含んだもので、前記伝達剤は、(a)胆汁酸、ステロール、それら胆汁酸及びステロール誘導体及び分子量が500ダルトン以下の小型の疎水性分子からなる群から選択された疎水性部分と(b)前記疎水性部分と共有結合して陽電荷または陰電荷を帯びるかまたはそれらの塩の形態である親水性部分とを含んで成り立ったものであることを特徴とする。
【0022】
本発明による好ましい投与経路は、経口投与及びジェジュ回腸内(intra-jeju-ileum)投与であることを特徴とする。
【0023】
本発明の形態
まず、治療剤伝達を目的にした本発明の組成物及び方法を開示及び記述する前に了解しなければならない点は、本発明が本発明に開示された構成、製造方法及び物質に特別に限定されるものではなく、それらを多少変形して応用することができるという点である。また、本発明の明細書に使用される用語は、具体的な実施例のみを記述する目的に使用されたもので、本発明を制限する目的に使用されたものではなく、すなわち、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物のみにより限定されると理解されなければならない。
【0024】
本発明の背景技術及びその実施例と関連して、詳細な説明を提供するために引用された刊行物及びその他参考資料は、引用によって本明細書に挿入される。本明細書に引用された参考資料は、本発明の出願日前に開示されたものだけを扱う。本発明者らの発明が開示された資料より先行して発明された先発明としての権利を有するものと理解されてはいけない。
【0025】
本明細書及び添付された請求の範囲に使用された単数型の「一つ(a/an)」、及び「前記(the)」は、該当の文段で特別に記述しない限り複数個の対象を指すものと解釈され得ることを念頭に留めなければならない。ゆえに、例えば、「一つの生物学的活性剤を含んだ剤形」の場合は、二つまたはその以上の生物学的活性剤を含んだ剤形を含むことができ、「一つのα-アミノ酸」の場合は、二つまたはそれ以上のα-アミノ酸を含むことができ、「一つの陽電荷を帯びた基」は、二つまたはその以上の陽電荷を帯びた基を含むことができるものと解釈され得る。
【0026】
本発明の明細書及び請求範囲で使用された用語は、下記の定義による。
【0027】
本明細書で使用された 「含む(comprising)」、「含む(including)」 「含有する(containing)」、「〜を特徴とする(characterized by)」及びそれらと文法的に同一性を有する用語は、追加的な要素、言及されない要素または方法的な工程を排除しない包括的(inclusive)または制限がない(open-ended)用語である。前記の「含む(comprising)」は、より限定的な用語である「構成される(consisting of)」及び「実質的に構成される(consisting essentially of)」を含むものと解釈される。
【0028】
本明細書で使用された「構成される」及びそれと文法的に同一性を有する用語は、特許請求の範囲で特定しない要素、工程または構成成分は排除されるという意味である。
【0029】
本明細書で使用された「実質的に構成される」及びそれと文法的に同一性を有する用語は、特定の物質や工程及び請求された発明の基本的で新規な特徴または特徴等に物質的に影響を及ぼさない物質や工程によってのみ発明の範囲が制限されるという意味である。
【0030】
本明細書で使用された「胆汁酸」は、特別に限定されないが、好ましくはコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソコール酸、ウルソデオキシコール酸、イソウルソデオキシコール酸、ラゴデオキシコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、グリコデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール酸、デヒドロコール酸、ヒオコール酸及びヒオデオキシコール酸を含む天然または合成のステロイド、コラン酸の誘導体を示す。
【0031】
本明細書で使用された「ステロール」は、特別に限定されないが、好ましくはコレステロール、コプロスタノール、コレステロール、エピコルレステロ−ル、エルゴステロール及びエルゴカルシフェロ−ルを含むステロイドと構造的に連関があるアルコールを示す。
【0032】
本明細書で使用された「改変されたペプチド (modified peptide)」は、合成されたジペプチドまたはトリペプチドで、生体活性物質と物理的イオン結合を成すことができ、生体内で高い溶解度を示すための陽電荷または陰電荷を有している。当技術分野の当業者に公知であるように、不必要な副反応を避けて、治療剤の伝達効率を高めるために保護基(protecting group)を使用することができる。また、改変されたタンパク質にペプチド等のエステル基を考慮することができる。
【0033】
本明細書で使用された「小分子の薬品(small chemical)」または「小分子化合物(small molecule)」は、適当な塩と電荷を帯びた官能基を含んだ100〜3,000程度の分子量を有する化学薬品を示す。
【0034】
本明細書で使用された「薬学的に許容可能な」は、生理学的耐性を有し、人体に投与時に一般的にアレルギーや胃酸逆流、めまい等の副作用が発生しない物質及び組成物を示す。また、本明細書で使用された「薬学的に許容可能な」は、連邦または州政府または米国薬局方に記載された機関またはその他通常的な薬局方規制機関によって動物用に、特に人体用に承認されたものを示す。
【0035】
本明細書で使用された「有効量」は、医学治療時に好ましい局所的なまたは体系的な効果及び効能を有意的な利得/危険の割合で提供する医薬または薬理学的活性剤の非毒性的な面でも十分な量を示す。
【0036】
本明細書で使用された「希釈剤」は、錠剤が投与され易い大きさに圧搾する目的に剤形の体積をふやすために添加される非揮発性物質を示す。一般的に使用される希釈剤は、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥澱粉、粉糖(powdered sugar)、シリカ等を挙げることができる。
【0037】
本明細書で使用された「崩解剤」または「賦形剤」は錠剤が投与された後、容易に解散したり分散する物質を示す。賦形剤として提供される物質は、化学的に澱粉、粘土、セルロース、アルギニンまたはガムに分類される。また、その他の賦形剤は、メチルセルロース、寒天(agar)、ベントナイト、セルロース及び毛製品(wool product)、天然スポンジ、陽イオン交換樹脂、アルギニン酸、グアールガム、シトラスパルプ、架橋ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。
【0038】
本明細書で使用された「潤滑剤(lubricant)」は、錠剤の製造時、多様な機能:錠剤顆粒化流速改善機能;ダイ(die)及びパンチ(punch)表面と前記錠剤との癒着防止機能;粒子間摩擦減少機能;及びダイキャビティ(die cavity)から錠剤の容易な排出機能を遂行する物質を示す。一般的に使用される潤滑剤は、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸及び水素化された植物性オイル等を挙げることができる。潤滑剤の適量は、約0.1重量%ないし約5重量%の範囲が適当である。
【0039】
本明細書で使用された「着色化製剤(coloring agent)」または「着色剤(colorant)」は、錠剤の見かけをよくするもので、製造者にはその製造時の製品管理に役に立ち、消費者には製品を認識するのに役立つ製剤を示す。認可を受けて認証を受けた水溶性FD&C染料、それらの混合物またはそれらに相当するレーキ(lake)を色相錠剤(color tablet)に使用することができる。レーキ色相(color lake)は、重金属の水和酸化物(hydrous oxide)に水溶性染料を吸着させた調合物で、染料の不溶性形態になる。
【0040】
本明細書で使用された「香味料(flavoring agent)」は、治療剤の不快な味を遮断するための製剤である。香味料は、簡単なエステル、アルコール及びアルデヒドから炭水化物及び複合体の揮発性オイルに至るまで、非常に多様な化学構造を有することができる。好ましくは、様々な種類があるが合成香味料が最近入手可能である。
【0041】
本発明に適当な生物学的活性剤としては特別に限定されないが、例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ホルモン、ポリサッカライド及びムコポリサッカライド及びそれらの混合物、炭水化物、脂肪、その他の有機化合物及び自体では胃腸管膜を通過することができず/または特異化合物で胃腸管経路中の酸及び酵素によって化学的及び/または酵素切断に敏感な化合物またはそれらの組み合わせからなる物質を挙げることができる。
【0042】
生物学的活性剤は、より具体的に例を挙げると、合成や天然のまたはそれらの組換え源:ヒト成長ホルモン(rGH)、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン及びブタ成長ホルモンを含む成長ホルモン;成長ホルモン放出ホルモン;α-、β-、及びγ-インターフェロンを含むインターフェロン;インターロイキン-1;インターロイキン-2;ウシ、ブタ、ヒト及びヒト組換えインスリンを含み、選択的には、ナトリウム、亜鉛、カルシウム及びアンモニウムイオンを含むインスリン;IGF-1を含むインスリン様成長因子;未分画ヘパリン、ヘパリノイド、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、極低分子量ヘパリン、及びペンタサカリイドを含む超低分子量ヘパリンを含むヘパリン;サケ、ウナギ及びヒトカルシトニンを含むカルシトニン;エリスロポイエチン;心房利尿因子;抗原;単クローン抗体;ソマトスタチン;プロテアーゼ阻害剤;副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン;オキシトシン;黄体形成ホルモン放出ホルモン;卵胞刺激ホルモン;グルコサレブロシダーゼ;トロンボプロテイン;フグラスチム;プロスタグランジン;シクロスポリン;バソプレッシン;クロモリンナトリウム(クロモグリク酸ナトリウムまたはクロモグリク酸ジナトリウム);バンコマイシン:副甲状腺ホルモン(DFO);断片を含む副甲状腺ホルモン(PTH);抗真菌剤を含む抗菌;ビタミン;類似体、断片、模倣薬;または前記治療剤の中でいずれか一つのポリエチレングリコール結合型(PEG化された)バージョン(version)を挙げられる。
【0043】
本発明による伝達剤は、具体的に例を挙げると、親水性部分と共有結合した疎水性部分を含む。前記疎水性部分は、胆汁酸残基、ステロール残基または疎水性小分子化合物を含む。前記疎水性部分は、(a)前記伝達剤と治療学的活性剤とイオン結合をした後、治療学上活性剤の親油性が増加されて複合体を形成し、(b)前記複合体の疎水性部分を提供することで前記複合体の微粒子構造を形成することを補助し、(c)高凝集性タンパク質形態を脱凝集させて、及び(d)胆汁酸輸送体等の所定の輸送体によって認識されることができ、前記複合体を容易に吸収することができるようにする。前記親水性部分は、改変されたペプチド、小型の電荷を帯びた分子、スポミジン誘導体及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等のキレート剤(chelating agent)等を含むことができるが、それに限定されない。前記親水性部分は、陽イオン性または陰イオン性及び/または両性イオンであり得る。前記親水性部分は、前記伝達剤の電荷を帯びた部位を提供することで前記治療学的活性剤と静電気的に相互作用することができ、(b)塩の形態を形成することで前記伝達剤の溶解度を増加することができ、(c)ジ(di-)及びトリ(tri-)ペプチド輸送体等の所定の輸送体によって認識されて前記複合体を容易に吸収することができるようになる。
【0044】
改変されたペプチドが前記小腸内で各種多様な経口型ペプチド類似医薬吸収効能を調節することができるジ-及びトリ-ペプチド輸送体(PEPT1及びPEPT2)によって認識される得る。
【0045】
胆汁酸と改変されたペプチド間の接合により製造された伝達剤は、ペプチド輸送体によって認識され、また胃腸管(GI)膜内の各種の伝達剤/生物学的活性剤複合体の効果的な吸収を調節する胆汁酸輸送体によって認識され得る。
【0046】
本発明による陽電荷を帯びた伝達剤は、具体的に水溶性でありながらプラスの電荷を帯びる。本発明に使用することができる陽電荷を帯びた伝達剤は、下記の式の製剤であるが、それに限定されない。
【0047】
X-Y-R
式中、Xは胆汁酸またはステロール残基または分子量が500ダルトン以下の小型の疎水性分子を含んだ疎水性部分を示し、Yは陽電荷を帯びた分子を含んだ親水性部分で、特別に制限されないが、例えば陽電荷を帯びたα-アミノ酸(Lys、Arg、及びHis);Lys、Arg、またはHisを含んだジ-またはトリ-ペプチド;スペルミジン及びスペルミン等のポリアミン;及びプラスの電荷を帯びたアルキル鎖誘導体;またはそれらの組み合わせを挙げることができる。ここで前記プラスの電荷は、1級、2級、3級及び/または適切な塩を有することができる4級アミンのような適切な官能基によって提供され得る。Rは、前記適切な官能基で、例えば、-OCH3、-OCH2CH3、-OH、-O-Na+、-SO3-、または適切な塩を有したNH2 を挙げることができるが、それに限定されない。
【0048】
本発明による陰電荷を帯びた伝達剤は、詳細には水溶性ながら陰電荷を帯びた製剤である。例えば、本発明に使用され得る陰電荷を帯びた製剤としては特別には制限されないが、下記の式を有する製剤を含む。
【0049】
X-Y'-R
式中、Xは胆汁酸またはステロール残基または分子量が500ダルトン以下の小型の疎水性分子を含んだ疎水性部分を示し、Y'は陰電荷を帯びた分子を含んだ親水性部分で、特別には限定されないが、例えば陰電荷を帯びたα-アミノ酸(Glu及びAsp);GluまたはAspを含んだジ-またはトリ-ペプチド;DTPAまたはEDTA等の陰電荷を帯びたキレート剤;またはそれらの組み合わせ、ここで前記陰電荷は、-COOHまたは適切な塩を有することができる-SO3-等の適切な官能基によって提供され、Rは前記適切な官能基で、例えば、-OCH3、-OCH2CH3、-OH、-O-Na+、-SO3-、またはNH2を挙げることができるが、それに限定されない。
【0050】
前記伝達剤は、前記疎水性及び親水性部分をお互いに接合させて合成することができる。例えば、前記疎水性部分または前記親水性部分が活性化された後、他の部位と反応することができる。前記した一連の過程を具体的に例を挙げると、胆汁酸のスクシンイミド誘導体を形成した後、前記活性胆汁酸とα-アミノ、ジペプチドまたはトリペプチドと反応し抱合体(conjugate)を形成するものである。親水性部分または疎水性部分を活性化させる工程について具体的に例を挙げると、チオニルクロライドを有するカルボン酸基を活性化させた後、前記酸クロライドを反応性アミン、アルコール、チオール、グリニャール(Grignard)試薬等と反応させてアミド、エステル、チオエステル、ケトンまたはその他前記抱合体と接合された結合を形成する。それと同様に、スルホン酸基がチオニルクルロライドとともに活性化されスルホニルクルロライド基を形成した後、アミン、アルコール等と反応してスルホンアミド、スルホネートエステルまたはその他の結合を形成することができる。米国特許第5,618,433号には前記結合を有する剤形に対して開示されている。当技術分野で周知の方法によって前記疎水性部分または親水性部分を反応性-NH2、-OH、-SHまたはMgX部位を含むように改造して、前記疎水性部分が前記親水性部分と容易に結合されるようにする。さらに、異形二重官能性接合基(heterobifunctional linker)等の接合基を前記疎水性部及び親水性部分を互いに接合させるのに使用することができる。前記接合基は、当技術分野で周知であり商業的に入手可能である。
【0051】
剤形
本発明の組成物は、一つまたはそれ以上の生物学的活性剤を含むことができる。本発明の例示的態様において、投与前に本発明の伝達剤を前記生物学的活性剤と簡単に混合して使用することができる。前記伝達剤の水溶液を前記活性成分の水溶液を投与する直前に混合して調剤することができる。
【0052】
また、前記伝達剤及び生物学的活性剤を前記剤形工程時に混合することもできる。前記溶液は、薬理学的に有用な添加剤を含むこともできる。
【0053】
安定化添加剤(stabilizing additive)を前記伝達剤溶液に添加することができる。いくつかの生物学的活性剤とともに前記添加剤を添加する場合、溶液内の前記製剤の安定性及び分散性を促進させることができる。前記安定化添加剤は、約0.1〜50%(w/v)範囲の濃度で使用することができるが、より好ましくは約1%(w/v)である。前記安定化添加剤としては、特別に制限されないが、好ましくはプロピレングリコール、Tween(商標)界面活性剤、ゼラチン、メチルセルロース、ポリエチレングリコール及びジメチルスルホキシド(DMSO)、アルコール、カルボキシル酸及びそれらの塩等の有機溶媒を挙げることができる。
【0054】
生物学的活性剤の一回投与量というのは、前記特定の生物学的活性剤の目的を果たすのに有効な量を示す。当業者は、前記有効量を容易に決めることができる。一般的に、前記組成物の量は、薬理学的または生物学的有効量である。しかし、前記組成物が例えば、固形剤、カプセル剤、錠剤または散剤、乳剤、または液剤等の単位剤形で使用される場合、前記量は薬理学的または生物学的有効量より少ない量であることがある。それは、前記単位剤形が様々な伝達剤または生物学的活性剤組成物を含むことができるか、別途の薬理学的または生物学的有効量を含むことができるからである。次に、前記有効全量を生物学的または薬理学的生物学的活性剤の薬理学的または生物学的活性量を含む累積単位剤形で投与することができる。
【0055】
当業者ならば生物学的活性剤の全量を決めることができる。しかし、現在まで開示された伝達剤が優秀な伝達効能を提供するため、従来の単位剤形または伝達体系で使用された量より少ない量の生物学的活性剤を個体に投与しても、同じ血液数値及び生物学的効果を達成することができる。
【0056】
本発明の組成物において伝達剤の量は、特定の生物学的活性剤の伝達に有効な量であって、当業者に公知の方法によって特定の伝達剤または生物学的活性剤に対する実験を遂行しないで決定することができる。ゆえに、本発明による組成物において伝達剤の量は、特定の伝達経路によって前記生物学的活性剤の伝達に有効な量であり得る。
【0057】
また、単位剤形は賦形剤、希釈剤、崩解剤、乳化剤、着色剤、香味料及びそれらの混合物を含むことができる。
【0058】
本発明の組成物または単位剤形は、経口、結腸内または十二指腸内投与され得る。特に、本発明の組成物は、普通経口伝達することができない経口投与活性剤に有用である。
【0059】
また、本発明の伝達組成物は、一つまたはそれ以上の酵素阻害剤を含むことができる。前記の酵素阻害剤は特別に制限されないが、アクチノニン (H. Umezawa et al. Production of actinonin、an inhibitor of aminopeptidase M、by atinomycetes、38 J. Antibiot (東京),1985年,1629-1630頁)、またはエピアクチノニン及びそれらの誘導体等の化合物を含む。
【0060】
本発明の組成物は、ヒトを含む動物に投与するための生物学的活性剤として有用である。前記体系は生物学的活性剤を伝達するのに特別な長所を有し、そうでなければ前記生物学的活性剤がその標的領域(例えば、上記伝達組成物の生物学的活性剤が放出される領域)及び投与を受けた動物の体内に到達する前に直面する条件によって、比較的に崩解が不足したり効果が微々になる。
【0061】
下記の実施例を通じて本発明をより詳しく説明するが、発明の範囲が下記の実施例によって制限されるものではなく、当業者なら本明細書に記述された内容を通じて本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で本発明を多様に変形及び変更することができる。
【0062】
実施例1
Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステルの合成
無水テトラヒドロフラン(20ml)にデオキシコール酸(200mg、0.5mmol)及びN-ヒドロキシスクシンイミド(76mg、067mmol)を溶解した。この溶液に、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(136mg、0.67mmol)を添加して 4℃で6時間撹拌した後、ろ過して尿素(urea)誘導体を除去し、前記ろ過液を冷却n-ヘキサン(120ml)に注いで沈澱させた後、減圧乾燥した。その後、生成物スクシンイミドデオキシコレート(230mg、0.48mmol)をトリエチルアミン(200μl、1.7mmol)を含んだジメチルホルムアミド(10ml)中のNα-tBOC-Lys-OCH3(150mg、0.58mmol)1次アミン基と室温で12時間反応させた。反応後、前記混合物をエチルアセテート(30ml)で希釈して、連続して0.5N HCL 10ml、蒸留水、0.5N NaOH及び蒸留水で水洗した。前記有機相を硫酸マグネシウムで乾燥して蒸発させて乾燥物を作った。前記リジン残基の保護ε-アミン基をトリフルオロアセト酸/ジクロロメタン(50/50、v/v)と室温で2時間混合して脱保護させた。前記反応体積を減圧蒸発させて最小化して減圧乾燥した。その次に、前記乾燥物を蒸留水に溶解してSep-Pak(登録商標)C18カラム(Waters、Milford、Messachusetts)で精製した。最後に、精製されたNα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル(DCK;図1)を凍結乾燥させて白粉末を収得した。
【0063】
実施例2
経口剤形の伝達剤/インスリンの生体内評価
ヒトインスリンと本発明による伝達剤、例えば実施例1の工程によって製造されたNα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステルを混合して製造した。亜鉛ヒトインスリンを5mmol/l HClの体積に溶解させて、PBS(10mM、pH7.4)に希釈して残存溶液で最終42U/mlの濃度になるようにした。伝達剤をPBS(1.5mg/ml)に溶解した。遠心分離する間、インスリン溶液に伝達剤溶液を既設定された投与量で添加して製造した。その次に、胃管(gavage)針を使用して液状形態でラットにインスリン複合体を経口投与した。
【0064】
メスのSprague-Dawleyラット(230〜250g)をステンレス鋼鉄製代謝オリ(metabolic cage)に収容して、げっ歯類用の食事(chow)を食べさせた。最初3日適応期間を経た後、糖尿病を誘発するために12時間飢えさせた。ストレブトゾトシン(STZ)溶液(60mg/ml)をアセテート緩衝溶液(pH4.5)で新しく製造して1時間以内に使用した。血糖値の基準を決めた後、ラットにSTZとともに60mg/kgずつ腹腔内(intraperitoneal;i.p.)注射した。STZ処理後、5日目、飢えたラットの中で血漿糖数値が300mg/dlより高いネズミを糖尿にかかったラットに選択してさらに調査した。
【0065】
前記糖尿ラットを12時間一晩中飢えさせた後、胃管(gavage)針を使用してPBS溶液(10mM、pH7.4)中のプラシーボ(PBS)または伝達剤と一緒にインスリンを経口投与した。それぞれの群をその平均体重と断食中の血糖値によって無作為抽出した。前記インスリン投与量を固定した(1.5mg/kgに相当する42U/kg)。しかし、伝達剤の量は、0.75、1.5及び3mg/kgの間で多様に変化させた。前記処理されたラットを代謝オリに閉じこめて水だけを自由に飲むようにした。既設定された時間(0、30、30、120、180、240、300及び360分)で眼窩筋(ocular orbital)の血液サンプルを収集した。ワンタッチ(ONETOUCH)血糖追跡計を使用して新鮮なサンプルからすぐ血糖値を決定して抗糖尿効果をmg/dl(図2A)で表現した。供給者の指示に従ってCoat-A-Tube(商標)ヒトインスリンRIAキット(Diagnostic Products、L.A.、California)で血漿インスリンを測定し、その結果をμU/ml(図2B)で示した。この結果から本発明による伝達剤が、血漿インスリン数値を増加させて、前記生物学的活性剤と共に経口投与される場合と比較して、血糖値を相当に減少させることが分かった。
【0066】
一晩中断食した二匹の他のラット群(プラシーボ及び経口インスリン)を無作為抽出した。投与時間0分で、プラシーボ(PBS)及び経口インスリン(PBS内の伝達剤の1.5mg/kg中の42U/kgのインスリン)を胃管針を使用して経口投与した。投与時間20分で、PBS中1.5g/kgのグルコース溶液を各群に経口投与した。血液サンプルを収集して上述したように0、40、60、90、120、180及び240 分ごとに血糖を測定した。前記実験結果を図3に示した。この結果から本発明による伝達剤とインスリンを共に投与した場合、前記伝達剤なしにインスリンを投与した場合と比較して血糖値が減少したことが分かった。
【0067】
実施例3
タンパク質加水分解安定性
インスリン(100μl、1mg/ml)と同量のインスリン/DCK(1:1、w/w)混合物をHEPES緩衝溶液(50mmol/l;pH7.4)中で合成した。その後、α-キモトリプシン(10μl、150μg/ml)を添加してその水溶液を37℃で保温した。前記指定時間で、アリコート(aliquot)を0.1%トリフルオロ酢酸890μlで酸性化させた。(t=0で100μgのタンパク質を含む)各サンプルを55分にわたって5%〜60%溶媒B (溶媒A:0.1%トリフルオロ酢酸;溶媒B:95%アセトニトリル中で0.1%トリフルオロアセト酸)勾配を有するC18 Bondapak(登録商標)カラム(Waters Associates、Milford、MA、米国)上の逆相高性能液体クロマトグラフィー(HPLC、Shimadzu、東京、日本)で分析した。t=0でのタンパク質ピーク面積を100%に設定した。前記試験結果を図4に図示した。この結果から、インスリンと本発明による伝達剤の混合物が、前記伝達剤がないものとは異なり、前記インスリンをタンパク質加水分解から保護するということが分かる。
【0068】
実施例4
高タンパク質凝集の崩解
インスリン凝集状態に対する伝達担体の効果を測定するために円二色性スペクトロポラリメータ(Jasco J-715、東京、日本)を使用した。0.18mMインスリン及び他の濃度のMP-DCK(0.18-37mM)を含む溶液を室温で50nm/分のスキャニング速度で0.1cmのパス長(pathlength)を持ったキュベットを使用して300から250nmまでスキャニングした。前記実験結果を図5に図示した。この結果から伝達剤の量を増加させれば、前記インスリンの凝集度が減少することが分かった。
【0069】
実施例5
経口剤形用伝達剤/低分子量ヘパリン(LMWH)の生体内測定
LMWH溶液及び伝達剤溶液、Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステルを混合して経口LMWH剤形を調剤した。Centaparinux(商標) LMWHを2% Tween(登録商標)80を含むPBS(10mM、pH7.4)に溶解して累積溶液として最終濃度が20mg/mlになるようにした。遠心分離する間、LMWH溶液に既設定された伝達剤溶液投与量を添加して、LMWH複合体を調剤した。その次に、LMWH複合体を胃管針を使用して液剤で動物に経口投与した。
【0070】
SDラット(オリ当たり4匹のラットを含んだ群)を一晩中飢えさせた。その次に、ジエチルエーテルで前記ラットを若干麻酔して、前記LMWH経口型剤形を胃の中に経口胃管注射した。全体投与用量は、0.4mlであった。前記眼窩神経叢(orbital plexus)から血液(450μl)を収集してクエン酸ナトリウム緩衝溶液50μlと混合した。前記血液サンプルを4℃で20分間2,500gで遠心分離した。前記血清内ヘパリン誘導体の濃度を抗FXa(antiFXa)定量分析で測定した。その結果を図6に示した。この結果から、低分子量ヘパリンと共に本発明による伝達剤を同時に投与する場合、前記伝達剤の非存在下でLMWHを投与した場合に比較して、抗FXa活性が有意に増加したことが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステルの化学構造式である。
【図2】図2A及びBは、Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル/インスリン複合体を12時間絶食した後、ストレブトゾシンに誘導された第 1型糖尿ネズミモデルに経口投与した後、疾病動物モデルの血糖値(ONETOUCH グルコースモニタリングカードで測定)と粘膜吸収された血漿インスリン数値 (インスリン RIA (radioimmuno assay)定量分析法で測定)変化を時間経過によって示したグラフである。グラフ中、 42U/kgヒトインスリン(○); 42U/kgヒトインスリン+0.75mg/kg Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル(●); 42U/kgヒトインスリン+1.5mg/kgNα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル(■); 42U/kgヒトインスリン+3.0mg/kgNα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル(□)で示した。
【図3】時間「0」でインスリンとNα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル/インスリン複合体をそれぞれ第1型糖尿ネズミモデルに経口投与後、1.5g/kgの液状グルコース(矢印)投与前後の時間による血糖数値変化を経口糖負荷試験 (Oral glucose tolerance test;OGTT)を通じて観察したグラフである。グラフ中、PBS中で42U/kg ヒトインスリン(●);42U/kgヒトインスリン+1.5mg/kg Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル(○)で示した。
【図4】天然インスリン(●)とNα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル/インスリン(○)複合体の分解酵素に対する安定性を観察したグラフである。
【図5】伝達剤、Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステルが、インスリン凝集度の変化に及ぼす影響を観察したグラフである。グラフ中、0.18mMインスリン(●);0.18mMインスリン+0.18mMNα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル(○);0.18mMインスリン+0.37mMNα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル(▼);0.18mMインスリン+0.55mMNα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル(▽);0.18mMインスリン+27mMNα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル(■);0.18mMインスリン+37mMNα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル(□)で示した。
【図6】Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステルが低分子量ヘパリン(LMWH)の経口投与後粘膜吸収増加に及ぼす影響を血漿低分子量ヘパリン(antiFXa kitを使用した定量分析)濃度を測定して観察したグラフである。グラフ中、LMWH20mg/kg(○);LMWH20mg/kg+Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステル20mg/kg(●)で示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)胆汁酸、ステロール、それら胆汁酸及びステロール誘導体及び分子量が500ダルトン以下の小型の疎水性分子からなる群から選択された疎水性部分と(b)前記疎水性部分と共有結合して陽電荷または陰電荷を帯びるかまたはそれらの塩の形態である親水性部分とを含んで成り立つ温血動物に生物学的活性剤を伝達するための伝達剤。
【請求項2】
前記疎水性部分が、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソコール酸、ウルソデオキシコール酸、イソウルソデオキシコール酸、ラゴデオキシコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、グリコデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール酸、デヒドロコール酸、ヒオコール酸及びヒオデオキシコール酸及びそれらの混合物からなる群から選択された胆汁酸であることを特徴とする請求項1に記載の伝達剤。
【請求項3】
前記疎水性部分が、デオキシコール酸を含むことを特徴とする請求項1に記載の伝達剤。
【請求項4】
前記疎水性部分が、コレスタノール、コプロスタノール、コレステロール、エピコレステロ−ル、エルゴステロール、エルゴカルシフェロ−ル及びそれらの混合物からなる群から選択されたステロールであることを特徴とする請求項1に記載の伝達剤。
【請求項5】
前記疎水性製剤が、コレステロールであることを特徴とする請求項4に記載の伝達剤。
【請求項6】
前記疎水性部分が、電荷を帯びたα-アミノ酸を含むことを特徴とする請求項1に記載の伝達剤。
【請求項7】
前記電荷を帯びたα-アミノ酸が、リジン、アルギニンまたはヒスチジンを含むことを特徴とする請求項6に記載の伝達剤。
【請求項8】
前記電荷を帯びたα-アミノ酸が、アスパラギン酸またはグルタミン酸を含むことを特徴とする請求項6に記載の伝達剤。
【請求項9】
前記親水性部分が、電荷を帯びたジペプチドまたはトリペプチドを含むことを特徴とする請求項1に記載の伝達剤。
【請求項10】
前記電荷を帯びたジペプチドまたはトリペプチドが、リジン、アルギニンまたはヒスチジンを含むことを特徴とする請求項9に記載の伝達剤。
【請求項11】
前記電荷を帯びたジペプチドまたはトリペプチドが、アスパラギン酸またはグルタミン酸を含むことを特徴とする請求項9に記載の伝達剤。
【請求項12】
前記親水性部分が、ポリアミンを含むことを特徴とする請求項1に記載の伝達剤。
【請求項13】
前記ポリアミンが、スペルミジンまたはスペルミンを含むことを特徴とする請求項12に記載の伝達剤。
【請求項14】
前記親水性製剤が、キレート剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の伝達剤。
【請求項15】
前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)を含むことを特徴とする請求項14に記載の伝達剤。
【請求項16】
前記親水性製剤が、電荷を帯びたアルキル誘導体を含むことを特徴とする請求項1に記載の伝達剤。
【請求項17】
前記親水性部分が、分子量が100〜3,000の親水性小分子化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の伝達剤。
【請求項18】
前記親水性部分が、1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基、4級アミン基及びそれらの混合物からなる群から選択された陽電荷を帯びた基を含むことを特徴とする請求項1に記載の伝達剤。
【請求項19】
前記伝達剤の分子量が、400〜4,000ダルトンであることを特徴とする請求項1に記載の伝達剤。
【請求項20】
前記伝達剤が、Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステルを含むことを特徴とする請求項1に記載の伝達剤。
【請求項21】
(a)胆汁酸、ステロール、それら胆汁酸及びステロール誘導体及び分子量が500ダルトン以下の小型の疎水性分子からなる群から選択された疎水性部分と(b)前記疎水性部分と共有結合して陽電荷または陰電荷を帯びるかまたはそれらの塩の形態である親水性部分とを含んで成り立った伝達剤、及び生物学的活性剤の混合物を含んで成り立った組成物。
【請求項22】
前記組成物が、温血動物に伝達した後、血流で脱複合体化される可塑性複合体を含むことを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記生物学的活性剤が、ヒト成長ホルモン、組換えヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、ブタ成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、α-インターフェロン、β-インターフェロン、γ-インターフェロン、インターロイキン-1、インターロイキン-2、インスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ヒトインスリン、ヒト組換えインスリン、インスリン様成長因子(Insulin-like Growth Factor;IGF)、インスリン様成長因子-1 (IGF-1)、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、ヘパリン、未分画ヘパリン、ヘパリノイド、デルマタン、コンドロイチン、低分子量ヘパリン、ペンタサッカライド、カルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、ヒトカルシトニン、エリスロポイエチン、心房利尿因子、抗原、単クローン抗体、ソマトスタチン、プロテアーゼ抑制剤、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、オキシトシン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、グルコセレブロシダーゼ、トロンボプロテイン、フグラスチム、プロスタグランジン、シクロスポリン、バソプレッシン、クロモリンナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、クロモグリク酸ジナトリウム、バンコマイシン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン断片、デスフェリオキサミン、抗菌剤、抗真菌剤及びビタミン;類似体、断片、模倣剤及びそれらのポリエチレングリコール改変誘導体;及びそれらの混合物からなる群から選択された製剤であることを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
前記生物学的活性剤が、インスリンを含むことを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項25】
前記生物学的活性剤が、低分子量のヘパリンを含むことを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項26】
前記生物学的活性剤が、カルシトニンを含むことを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項27】
前記疎水性部分が、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソコール酸、ウルソデオキシコール酸、イソウルソデオキシコール酸、ラゴデオキシコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、グリコデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール酸、デヒドロコール酸、ヒオコール酸及びヒオデオキシコール酸及びそれらの混合物からなる群から選択された胆汁酸であることを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項28】
前記疎水性部分が、デオキシコール酸を含むことを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項29】
前記疎水性部分が、コレスタノール、コプロスタノール、コレステロール、エピコレステロ−ル、エルゴステロール、エルゴカルシフェロ−ル及びそれらの混合物からなる群から選択されたステロールであることを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項30】
前記疎水性製剤が、コレステロールであることを特徴とする請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記疎水性部分が、電荷を帯びたα-アミノ酸を含むことを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項32】
前記電荷を帯びたα-アミノ酸が、リジン、アルギニンまたはヒスチジンを含むことを特徴とする請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記電荷を帯びたα-アミノ酸が、アスパラギン酸またはグルタミン酸を含むことを特徴とする請求項31に記載の組成物。
【請求項34】
前記親水性部分が、電荷を帯びたジペプチドまたはトリペプチドを含むことを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項35】
前記電荷を帯びたジペプチドまたはトリペプチドが、リジン、アルギニンまたはヒスチジンを含むことを特徴とする請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
前記電荷を帯びたジペプチドまたはトリペプチドが、アスパラギン酸またはグルタミン酸を含むことを特徴とする請求項34に記載の組成物。
【請求項37】
前記親水性部分が、ポリアミンを含むことを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項38】
前記ポリアミンが、スペルミジンまたはスペルミンを含むことを特徴とする請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記親水性製剤が、キレート剤を含むことを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項40】
前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)を含むことを特徴とする請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
前記親水性製剤が、電荷を帯びたアルキル誘導体を含むことを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項42】
前記親水性部分が、分子量が100〜3,000の親水性小分子化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項43】
前記親水性部分が、1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基、4級アミン基及びそれらの混合物からなる群から選択された陽電荷を帯びた基を含むことを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項44】
前記伝達剤の分子量が、400〜4,000ダルトンであることを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項45】
前記組成物が、賦形剤、希釈剤、崩解剤、乳化剤、可塑剤、着色剤及びそれらの混合物からなる群から選択された一つまたはそれ以上の製剤をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項46】
前記伝達剤が、Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステルを含むことを特徴とする請求項21に記載の組成物。
【請求項47】
(a)胆汁酸、ステロール、それら胆汁酸及びステロール誘導体及び分子量が500ダルトン以下の小型の疎水性分子からなる群から選択された疎水性部分と(b)前記疎水性部分と共有結合して陽電荷または陰電荷を帯びるかまたはそれらの塩の形態である親水性部分とを含んで成り立った伝達剤、及び生物学的活性剤の混合物を含んで成り立った温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項48】
前記剤形が、賦形剤、希釈剤、崩解剤、乳化剤、可塑剤、着色剤及びそれらの混合物からなる群から選択された一つまたはそれ以上の製剤をさらに含むことを特徴とする請求項47に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項49】
前記疎水性部分が、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソコール酸、ウルソデオキシコール酸、イソウルソデオキシコール酸、ラゴデオキシコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、グリコデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール酸、デヒドロコール酸、ヒオコール酸及びヒオデオキシコール酸及びそれらの混合物からなる群から選択された胆汁酸であることを特徴とする請求項47に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項50】
前記疎水性部分が、デオキシコール酸を含むことを特徴とする請求項47に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項51】
前記疎水性部分が、コレスタノール、コプロスタノール、コレステロール、エピコレステロ−ル、エルゴステロール、エルゴカルシフェロ−ル及びそれらの混合物からなる群から選択されたステロールであることを特徴とする請求項47に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項52】
前記疎水性製剤が、コレステロールであることを特徴とする請求項51に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項53】
前記疎水性部分が、電荷を帯びたα-アミノ酸を含むことを特徴とする請求項47に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項54】
前記電荷を帯びたα-アミノ酸が、リジン、アルギニンまたはヒスチジンを含むことを特徴とする請求項53に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項55】
前記電荷を帯びたα-アミノ酸が、アスパラギン酸またはグルタミン酸を含むことを特徴とする請求項53に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項56】
前記親水性部分が、電荷を帯びたジペプチドまたはトリペプチドを含むことを特徴とする請求項47に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項57】
前記電荷を帯びたジペプチドまたはトリペプチドが、リジン、アルギニンまたはヒスチジンを含むことを特徴とする請求項56に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項58】
前記電荷を帯びたジペプチドまたはトリペプチドが、アスパラギン酸またはグルタミン酸を含むことを特徴とする請求項56に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項59】
前記親水性部分が、ポリアミンを含むことを特徴とする請求項47に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項60】
前記ポリアミンが、スペルミジンまたはスペルミンを含むことを特徴とする請求項59に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項61】
前記親水性製剤が、キレート剤を含むことを特徴とする請求項47に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項62】
前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)を含むことを特徴とする請求項61に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項63】
前記親水性製剤が、電荷を帯びたアルキル誘導体を含むことを特徴とする請求項1に記載の伝達剤。
【請求項64】
前記親水性部分が、分子量が100〜3,000の親水性小分子化合物を含むことを特徴とする請求項47に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項65】
前記親水性部分が、1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基、4級アミン基及びそれらの混合物からなる群から選択された陽電荷を帯びた基を含むことを特徴とする請求項47に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項66】
前記伝達剤の分子量が、400〜4,000ダルトンであることを特徴とする請求項47に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項67】
前記剤形が、錠剤、カプセル剤、散剤、液剤または乳剤を含むことを特徴とする請求項47に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項68】
前記伝達剤が、Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステルを含むことを特徴とする請求項47に記載の温血動物に生物学的活性剤を伝達するための剤形。
【請求項69】
(a)胆汁酸、ステロール、それら胆汁酸及びステロール誘導体及び分子量が500ダルトン以下の小型の疎水性分子からなる群から選択された疎水性部分と(b)前記疎水性部分と共有結合して陽電荷または陰電荷を帯びるかまたはそれらの塩の形態である親水性部分とを含んで成り立った伝達剤、及び生物学的活性剤の混合物を含んで成り立った組成物を投与することを含み成り立つ生物学的活性剤を温血動物に投与する方法。
【請求項70】
前記組成物を投与することが、経口またはジェジュ回腸内(intra-jeju-ileum)投与であることを特徴とする請求項69に記載の生物学的活性制を温血動物に投与する方法。
【請求項71】
前記伝達剤が、Nα-デオキシコリル-L-リジンメチルエステルを含むことを特徴とする請求項69に記載の生物学的活性剤を温血動物に投与する方法。
【請求項72】
(a)胆汁酸、ステロール、それら胆汁酸及びステロール誘導体及び分子量が500ダルトン以下の小型の疎水性分子からなる群から選択された疎水性部分と(b)前記疎水性部分と共有結合して陽電荷または陰電荷を帯びるかまたはそれらの塩の形態で、電荷を帯びたα-アミノ酸、ポリアミン、キレート剤、電荷を帯びたアルキル誘導体及び分子量が100〜3,000ダルトンの親水性の小分子化合物からなる群から選択された親水性部分とを含んで成り立ち、前記伝達剤の分子量が400〜4,000ダルトンである生物学的活性剤を伝達するための伝達剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−500387(P2008−500387A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526975(P2007−526975)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【国際出願番号】PCT/KR2005/001359
【国際公開番号】WO2005/113008
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(503400581)メディプレックス コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】