説明

治療剤製品、その使用及び製剤形態

【課題】改良された治療剤製品を提供する。
【解決手段】第1治療剤形、第2治療剤形、及び第3治療剤形を含んでなる治療剤製品であって、前記第1、第2及び第3治療剤形のそれぞれが、少なくとも1種の治療剤と製薬的に許容できる担体を含み、前記3種の剤形は異なる放出プロフィールを有し、前記治療剤製品は約12時間未満でCmaxに達し、かつ前記治療剤が、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤又は抗新生物剤である、治療剤製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、治療剤製品、並びにその使用及び製剤形態に関する。
【背景技術】
【0002】
患者を治療するために、種々多様な抗生物質、抗菌、抗ウイルス及び抗新生物剤が使用されており、また使用されるだろう。一般的に、このような治療剤は、不十分なコンプライアンスとなる頻回用量の即時放出剤形によって、又はより高い投与量の制御放出剤形(遅い放出)として投与される。本発明は、改良された治療剤製品を提供することに関する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一観点により、少なくとも2種、好ましくは少なくとも3種の剤形が含まれ、それぞれ少なくとも1種の治療剤と、製薬的に許容できる担体が含まれる医薬品が提供される。このような剤形は、各剤形が異なる放出プロフィールを有するように処方される。この出願で使用する場合、用語“治療剤(therapeutic)”又は“治療剤(therapeutic agent)”は、抗生物質、又は抗真菌剤若しくは抗ウイルス剤若しくは抗新生物剤を意味する。
特に好ましい実施形態では、少なくとも2種、好ましくは少なくとも3種の剤形があり、それぞれ異なる放出プロフィールを有し、各剤形のプロフィールは、該剤形が、治療剤製品の投与後異なる時間で、該剤形に含まれる治療剤の放出を開始するようなプロフィールである。
【0004】
従って、本発明の一観点により、少なくとも2種、好ましくは少なくとも3種の剤形が含まれ、それぞれ異なる放出プロフィールを有し、それによって該剤形のそれぞれが異なる時間に放出される単一又は単位(unitary)治療剤製品が提供される。
本発明のさらなる観点により、少なくとも4種の異なる剤形が含まれる治療剤製品であって、各剤形が、該治療剤製品の投与後異なる時間に、該剤形に含まれる治療剤を放出し始める治療剤製品が提供される。
本治療剤製品は、一般的に異なる放出時間を有する5種より多くの剤形を含まない。
好ましい実施形態に従い、治療剤製品は、投与されると、12時間未満、好ましくは11時間未満で、該製品から放出される全治療剤の最大血清濃度が達せられるような全体的な放出プロフィールを有する。一実施形態では、該治療製品から放出される全治療剤の最大血清濃度は、投与後早くても4時間で達成される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の好ましい一実施形態に従い、少なくとも3種の剤形がある。この少なくとも3種の剤形の1つは、治療剤製品の投与後、該治療剤製品からの治療剤の放出の開始が実質的に遅延されない即時放出剤形である。少なくとも3種の剤形の第2及び第3は、遅延性剤形(pH感受性又は非pH感受性遅延性剤形でよく、治療剤製品のタイプによって決まる)であり、それによって該治療剤製品から放出される治療剤は、即時放出剤形から放出される治療剤の放出の開始後まで遅延される。さらに詳細には、少なくとも2種の剤形の第2剤形から放出される治療剤は、少なくとも3種の剤形の第1剤形から放出される治療剤が血清中Cmaxを達成した後、続けざまにCmax(血清中の最大血清濃度)を達成し、かつ第3剤形から放出される治療剤は、第2剤形から放出される治療剤のCmax後に血清中Cmaxを達成する。
【0006】
一実施形態では、少なくとも2種の剤形の第2剤形は、第1剤形後少なくとも1時間で第2剤形に含まれる治療剤の放出を開始し、第2剤形からの放出の開始は、通常、少なくとも3種の剤形の第1剤形からの治療剤の放出開始後長くても6時間で起こる。
一般的に、即時放出剤形は、約0.5〜約2時間以内で該剤形から放出される治療剤のCmaxを実現し、少なくとも3種の剤形の第2剤形は、長くても約4時間内で該剤形から放出される治療剤のCmaxを実現する。一般的に、該第2剤形のCmaxは、治療剤製品の投与後2時間より早くは達成されない;しかし、短時間でCmaxを達成することは、本発明の範囲内で実行できる。
【0007】
上述したように、本治療剤製品は、少なくとも3種又は少なくとも4種又はそれ以上の剤形を含むことができる。例えば、治療剤製品が第3剤形を含む場合、そこから放出される治療剤は、第1及び第2剤形のそれぞれから放出される治療剤についてCmaxが達成された後、続けざまにCmaxに達する。好ましい実施形態では、第3剤形からの治療剤の放出は、第1剤形と第2剤形の両方からの治療剤の放出開始後に開始する。一実施形態では、第3剤形から放出される治療剤のCmaxは、8時間以内で達成される。
別の実施形態では、治療剤製品は少なくとも4種の剤形を含み、この少なくとも4種の各剤形が異なる放出プロフィールを有することによって、少なくとも4種の異なる各剤形から放出される治療剤が異なる時間にCmaxを達成する。
【0008】
上述したように、好ましい実施形態では、治療剤が、それぞれ異なる放出プロフィールを有する少なくとも2種又は少なくとも3種又は少なくとも4種の異なる剤形を含むかとは関係なく、治療剤製品から放出される全治療剤のCmaxは、12時間未満、さらに好ましくは11時間未満で達成される。
好ましい実施形態では、治療剤製品は1日1回の製品であり、それによって、該治療剤製品の投与後、その日の間さらに製品が投与されない;すなわち、好ましい療法は、該製品が24時間に1回だけ投与されることである。従って、本発明は、治療剤製品の全Cmaxが12時間未満で達せられるよう、治療剤の放出の全体が異なる放出プロフィールで行われる、単一投与の治療剤製品を提供する。用語「単一投与」は、24時間の間に投与される全治療剤が同時に投与されることを意味し、それらが本質的に同時に投与されることを条件として、単一の錠剤若しくはカプセル又はその2種以上であり得る。
【0009】
本件出願人は、それぞれ異なる放出プロフィールを有する少なくとも3種の治療剤形が含まれる単一用量治療剤製品が、単一の放出プロフィールを有する治療剤形が含まれる単一用量治療剤製品を超える改良点があることを見出した。製薬的に許容できる担体中の各剤形の治療剤は、1種以上の同一タイプの治療剤を有してよく(例えば、1種以上の抗生物質;1種以上の抗ウイルス剤等)、かつ各剤形は、同一の治療剤又は同一タイプの異なる治療剤(同一又は異なる抗生物質;同一又は異なる抗ウイルス剤等)を有してよい。
本明細書で、ある剤形が別の剤形の後に放出を開始すると記載されている場合、このような用語は、該剤形が後開始型放出(later initiated release)を実現するように設計かつ意図されていることを意味するものと理解すべきである。しかし、このような設計及び意図にもかかわらず、治療剤の何らかの“漏れ”が生じうることは技術的に公知である。このような“漏れ”は、本明細書で使用される“放出”ではない。
【0010】
少なくとも4種の剤形が用いられる場合、その少なくとも4種の剤形の第4剤形は、持続性放出剤形又は遅延性放出剤形でよい。第4剤形が持続性放出剤形である場合、たとえ少なくとも4種の剤形の第4剤形のCmaxが他の各剤形のCmaxが達せられた後に達せられるとしても、該第4剤形からの治療剤放出は、第2又は第3剤形からの放出の前後に開始されてよい。
上述したように、本発明の治療剤製品は、種々の投与経路による投与用に処方することができる。例えば、治療剤製品は、局所投与;目又は耳内投与;直腸又は膣投与;点鼻薬として;吸入により;注射剤として;又は経口投与用に好適な方法で処方することができる。好ましい実施形態では、本治療剤製品は、経口投与に好適な様式で処方される。
【0011】
例えば、皮膚への適用等の局所投与用治療剤製品の処方では、それぞれ治療剤を含有する少なくとも2種の異なる剤形が、水中油エマルジョン又は油中水エマルジョンの該剤形を含むことによって局所投与用に処方することができる。このような製剤形態では、即時放出剤形が連続相内にあり、遅延性放出剤形が不連続相内にある。この製剤形態は、上述したように3剤形の送達用の様式で実現することもできる。例えば、即時放出成分を含有する連続相である油、第1遅延性放出剤形を含有する油中に分散される水、及び第3遅延性放出剤形を含有する水中に分散される油を有する油中水中油エマルジョンが提供されうる。
上述したように異なる放出プロフィールを有する治療剤形を含む、パッチの形態の治療剤製品を提供することも本発明の範囲内である。
【0012】
さらに、本治療剤製品は、目又は耳又は鼻に使用するため、例えば、液体エマルジョンとして処方することができる。例えば、疎水性ポリマーで被覆され、エマルジョンの油相状態である剤形、及び親水性ポリマーで被覆され、エマルジョンの水相状態である剤形でもよい。
さらに、異なる放出プロフィールを有する少なくとも3種の異なる剤形を有する治療剤製品は、直腸又は膣投与用に、技術的に公知のように処方することができる。これは、クリーム若しくはエマルジョン、又は局所投与用に使用される剤形と同様の他の溶解性剤形の形態を取りうる。
さらなる実施形態として、治療剤製品は粒子を被覆すること、及び吸入用粒子を微粉化することによって吸入療法で使用するために処方することができる。
【0013】
好ましい実施形態では、治療剤製品は、経口投与に適する様式で処方される。従って、例えば、経口投与のため、各剤形は、ペレット又は粒子として使用され、ペレット又は粒子が例えばカプセルに、又は錠剤に包埋され、又は経口投与用液体中に懸濁された単位医薬品に形成される。
また、経口送達システムの処方では、該製品の各剤形は、錠剤として処方され、各錠剤がカプセル中に詰められて単位治療剤製品を生成しうる。従って、例えば、治療剤製品は、即時放出錠剤である錠剤の形態の第1剤形を含み、かつ上述したように、それぞれ治療剤の遅延性放出を与える2種以上の追加の錠剤をも含むことによって、各錠剤から放出される治療剤のCmaxが異なる時間で達成され、該治療剤製品から放出される全治療剤のCmaxが12時間未満で達成されるうる。
異なる投与経路のための異なる放出プロフィールを有する少なくとも3種の剤形を含む治療剤製品を処方することは、本明細書の教示から当業界の技術の範囲内であると考えられる。当業界において知られているように、遅延性放出に関し、放出時間は、被覆剤中の治療剤の濃度及び/又は被覆剤の厚さによって制御することができる。
【0014】
本発明の治療剤製品を処方する際、一実施形態では、該製品の即時放出剤形は、通常、該製品によって送達される治療剤の総用量の約20%〜約50%を提供し、このような即時放出剤形は、通常、該製品によって送達される治療剤の総用量の少なくとも25%を提供する。多くの場合、即時放出剤形は、該製品によって送達される治療剤の総用量の約20%〜約30%を提供する;しかし、該製品によって送達される治療剤の総用量の約45%〜約50%を即時放出剤形に提供させることが望ましい場合もある。
残っている剤形が治療剤の残りを送達する。1種より多くの遅延性放出剤形が使用される場合、一実施形態では、各遅延性放出剤形は、ほぼ等量の治療剤を提供しうる;しかし、異なる量を提供するように処方してもよい。
本発明に従い、各剤形は同一の治療剤を含有する;しかし、各剤形が1種より多い治療剤を含有してもよい。
【0015】
一実施形態では、組成物が1種の即時放出成分と、2種の遅延性放出成分とを含有する場合、即時放出成分は、全治療剤の20質量%〜35質量%(好ましくは20質量%〜30質量%)を提供し;3種の遅延性放出成分がある場合、即時放出成分は、全治療剤の15質量%〜30質量%を提供し;かつ4種の遅延性放出成分がある場合、即時放出成分は、全治療剤の10質量%〜25質量%を提供する。
遅延性放出成分については、2種の遅延性放出成分がある場合、第1遅延放出成分(時間的に早く放出される成分)は、この2種の遅延性放出成分によって提供される全治療剤の30質量%〜60質量%を提供し、第2遅延性放出成分が治療剤の残りを提供する。
【0016】
3種の遅延性放出成分がある場合、最も早く放出される成分は、3種の遅延性放出成分によって提供される全治療剤の20質量%〜35質量%を提供し、時間的に次の遅延性放出成分は、3種の遅延性放出成分によって提供される全治療剤の20質量%〜40質量%を提供し、かつ時間的に最後の遅延性放出成分は、3種の遅延性放出成分によって提供される治療剤の残りを提供する。
4種の遅延性放出成分がある場合、この4種の遅延性放出成分によって提供される全治療剤の、最も早く放出される成分が15質量%〜30質量%を提供し、時間的に次の遅延性放出成分が15質量%〜30質量%を提供し、時間的に次の遅延性放出成分が20質量%〜35質量%を提供し、かつ時間的に最後の遅延性放出成分が20質量%〜35質量%を提供する。
【0017】
即時放出成分 この系の即時放出部分は、投与後急速に分解して治療剤を放出する成分の混合物でよい。これは、他の3成分と共に混合され、又は共に圧縮されている別々のペレット又は顆粒の形態を取りうる。
即時放出成分用に治療剤に添加される物質は、限定するものではないが、微結晶性セルロース、コーンデンプン、アルファ化デンプン、ポテトデンプン、ライスデンプン、グリコール酸ナトリウムデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、キトサン、ヒドロキシキトサン、ヒドロキシメチル化キトサン、架橋型キトサン、架橋型ヒドロキシメチルキトサン、マルトデキストリン、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、マルトース、フルクトース、グルコース、レブロース、スクロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、アクリル酸誘導体(Carbopol,Eudragit等)、低分子量PEGs(PEG2000-1000)及び20,000ダルトンを超える分子量を有する高分子量PEGs(Polyox)のようなポリエチレングリコールであり得る。
これら物質が1.0〜60%(W/W)の範囲で存在することが有用である。
【0018】
さらに、この系には、摂取又は投与後の該薬物の溶解、又は該成分の分解を助けるための他の配合剤があることが有用である。これら配合剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、ナトリウムモノグリセレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノブチレートのような界面活性剤、Pluronic系統の界面活性剤のような非イオン性界面活性剤、若しくは界面活性特性を有する他の物質、又は上記のいずれかの組合せであり得る。
これら物質は、0.05〜15%(W/W)の割合で存在しうる。
【0019】
非pH感受性遅延性放出成分 この組成物中の成分は、同一即時放出単位であるが、該組成物中に、又はペレット若しくは顆粒を覆う被覆剤としてさらにポリマーが含まれている。
本発明のこの成分に好適な、放出の遅延を得るために使用できる物質は、限定するものではないが、4,000ダルトンを超える分子量を有する(Carbowax, Polyox) ポリエチレングリコール(PEG)、白ロウ若しくはミツロウのようなロウ、パラフィン、アクリル酸誘導体(Eudragit)、プロピレングリコール、及びエチルセルロースであり得る。
典型的には、これら物質はこの成分の0.2〜25%(W/W)の範囲で存在しうる。
【0020】
pH感受性(腸溶性)放出成分 この組成物中のこの成分は、即時放出成分と同一であるが、該組成物中に、又はペレット若しくは顆粒を覆おう被覆剤としてさらにポリマーが含まれている。
この目的で有用な物質の種類は、限定するものではないが、酢酸フタル酸セルロース、Eudragit L、及びセルロース誘導体の他のフタル酸塩であり得る。
これら物質は、4〜20%(W/W)の濃度で存在しうる。
【0021】
持続性放出成分 この組成物中のこの成分は、即時放出成分と同一であるが、該組成物中に、又はペレット若しくは顆粒を覆おう被覆剤としてさらにポリマーが含まれている。
この目的で有用な物質の種類は、限定するものではないが、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、Eudragit R、及びEudragit RL、Carbopol、又は8,000ダルトンを超える分子量を有するポリエチレングリコールであり得る。
これら物質は、4〜20%(W/W)の濃度で存在しうる。
【0022】
上述したように、本発明の治療剤組成物を含む単位は、カプセル内に収容された別々のペレット若しくは粒子、又は錠剤内に包埋され若しくは液体緩衝液内に懸濁された粒子の形態であり得る。
本発明の治療剤組成物は、例えば、舌下、経粘膜、経皮、腸管外等のいずれの投与経路によっても投与することができ、好ましくは経口投与される。本組成物は治療的に有効量の治療剤を含み、その量は、用いる治療剤、治療する病気若しくは感染、及び該組成物が1日に送達される回数よって変わる。本組成物は、病気又は感染を治療するために有効な量で宿主に投与される。従って、本治療剤組成物又は製品は、細菌又はウイルス又は真菌によって引き起こされる宿主内の感染を治療するために使用することができ、かつ癌の治療に使用できる。
【0023】
このシステムは、特に20時間未満の排出半減期、さらに好ましくは12時間未満の排出半減期を有する抗生物質の実際の治療活性を拡張するのに有用であり、かつ特に2〜10時間の半減期を有する薬物に有用である。以下は、約1〜12時間の半減期を有するいくつかの抗生物質の例である:セファドロキシル、セファゾリン、セファレキシン、セファロチン、セファピリン、セファセロル、セファプロジル、セファドリン、セファマンドール、セフォニシド、セフォラニド、セフロキシム、セフィキシム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタキシジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェピム、セフメタゾール、セフォテタン、セフォキシチン、ロラカルベフ(loracarbef)、イミペネム、エリスロマイシン(及びエストレート、エチルスクシネート、グルセプテート、ラクトビオメート、スレアレートのようなエリスロマイシン塩)、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、トロエアノマイシン(troleanomycin)、ペニシリンV、ペニシリン塩、及び複合体、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、アモキシシリン、アモキシシリン及びクラブラン酸カリウム、アンピシリン、バカンピシリン、カルベニシリンインダニルナトリウム(及びカルベニシリンの他の塩)、メズロシリン、ピペラシリン、ピペラシリン及びタキソバクタム、チカルシリン、チカルシリン及びクラブラン酸カリウム、クリンダマイシン、バンコマイシン、ノボビオシン、アミノサリチル酸、カプレオマイシン、サイクロセリン、エタンブトールHCl及び他の塩、エチオナミド、及びイソニアジド、シプロフロキサシン(ciprofloxacin)、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシン、スルファシチン、スルファメラジン、スルファメタジン、スルファメトキソール、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、スルファピリジン、スルファジアジン、スルファメトキサゾール、スルファピリジン(sulfapyridine)、メトロニダゾール、メテナミン、ホスホマイシン、ニトロフラントイン、トリメトプリム、クロファジミン、コトリアモキサゾール(co-triamoxazole)、ペンタミジン、及びトリメトッレキセート(trimetrexate)。
【0024】
以下は、本発明の組成物に利用できるいくつかの抗真菌剤の代表例である:アンホテリシンB、フルシトシン、フルコナゾール、グリセオフルビン、硝酸ミコナゾール、塩酸テルビナフィン、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ウンデシレン酸及びクロロキシレノール、シクロピロックス、クロトリマゾール、塩酸ブテナフィン、ニスタチン、塩酸ナフチフィン、硝酸オキシコナゾール、硫化セレン、硝酸エコナゾール、テルコナゾール、硝酸ブトコナゾール、カルボール-フクシン、クリオキノール、塩酸メチルローザニリン、チオ硫酸ナトリウム、硝酸スルコナゾール、塩酸テルビナフィン、チオコナゾール、トルナフテート、ウンデシレン酸及びウンデシレン酸塩(ウンデシレン酸カルシウム、ウンデシレン酸銅(I)、ウンデシレン酸亜鉛)。
【0025】
以下は、本発明で使用できるいくつかの抗ウイルス剤の代表例である:アシクロビア、アマンタジン、アンプレナビア、シドフォビア、デラビルジン、ジダノシン、ファムシクロビア、フォスカーネット、ガンシクロビル、インジナビル、インターフェロン、ラミブジン、ネルフィナビル、ネビラピン、パリビズマブ(Palivizumab)、ペンシクロビル、リバビリン、リマンタジン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、トリフルイジン、バラシクロビル、ビダラビン、ザルシタビン、ジドブジン。
【0026】
以下は、本発明に従って使用できる癌の治療用薬剤の代表例である:カルボプラチン、ブスルファン、シスプラチン、チオテパ、塩酸メルファラン、シクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブシル、塩酸メクロレタミン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ポリフェプロザン20、デキシラゾキサン、ドエオナビノール、塩酸グラニセトロン、フルコナゾール、エリスロポイエチン、酢酸オクトレオチド、塩酸ピロカルピン、二ナトリウムエチドロン酸、二ナトリウムパミドロン酸、ナトリウムアロプリノール、アミホスチン、フィルグラスチム、メスナ、塩酸オンダンセトロン、ドラセトロンメシレート、ロイコボリンカルシウム、サルグラモスチン、塩酸レバミゾール、塩酸ドキソルビシン、塩酸イダルビシン、マイトマイシン、クエン酸ダウノルビシン、プリカマイシン、塩酸ダウノルビシン、硫酸ブレオマイシン、塩酸ミトキサントロン、バルルビシン、ダクチノマイシン、リン酸フルダラビン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、ナトリウムメトトレキセート、クラドリビン、フロキソウリジン(floxuridine)、カペシタビンン、アナストロゾール、ビカルタミド、クエン酸タモキシフェン、酢酸ゴセレリン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エチニルエストラジオール、エストロゲンエステル、酢酸ロイプロリド、接合エストロゲン、酢酸メゲストロール、アルデスロイキン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ダカルバジン、ヒドロキシ尿素、リン酸エトポシド、酢酸メゲストロール、パクリタキセル、エトポシド、テニポシド、トラスツズマブ(trasutuzumab)、リツキシマブ(rituximab)、酒石酸ビノレルビン、デニロイキン ジフチトックス(denileukin diftitox)、塩酸ゲムシタビンン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、アスパラギナーゼ、塩化エドロホニウム、バシラスカルメッテ及びグエリン、塩酸イリノテカン、ペガスパルガーゼ、ドセタキセール、インターフェロンアルファ-2a、組換え体、トレチノイン、ポルフィマーナトリウム、インターフェロンアルファ-2b、組換え体、塩酸プロカルバジン、塩酸トポテカン、アルトレタミン、フルオロウラシル、リン酸ブレドニゾロンナトリウム、酢酸コルチゾン、デキサメタゾン、硫酸デキサメタゾンナトリウム、酢酸デキサメタゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、クエン酸メチルプレドニゾロンナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム、酢酸ベタメタゾン、レトロゾール、ミトラマイシン、ミトタン、ペントスタチン、ペルフォスファミド、ラロキシフェン。
【0027】
本発明の別の観点により、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤又は抗新生物剤である治療剤を注射することにより、少なくとも2種、好ましくは少なくとも3種の剤形を含む既述の製品を使用することにより得られる結果と同様の結果が得られる、患者の治療方法又は療法を提供する。する少なくとも2種、好ましくは少なくとも3種の剤形を含む上述したような製品の使用によって達成されると同様の結果を与える、それらの注射によって患者を治療するための手順又は療法が提供される。
本発明のこの観点により、患者を治療剤で治療するための療法であって、該治療剤が注射によって投与され、1日の用量が11時間未満(1回目の注射から測定される時間)の時間にわたって送達され、かつ11時間未満の時間、好ましくは8時間未満の時間中、少なくとも2回の送達パルス、多くても32回の送達パルスがある療法が提供される。本明細書で使用する場合、“送達パルス”は、注射と注射の間に時間をあけた少なくとも2回の不連続注射であって、その間に本質的に宿主内に治療剤が注射されないか、又は不連続注射間に、不連続注射で注射される量と異なる量の治療剤で連続的に注射されることを意味し、かつそれによって実現される。さらに、少なくとも2回の送達パルスは、ある用量で薬剤を連続注射し、次いで異なる量で連続注射することによっても達成することができる。このような場合、経時的な第1の連続送達パルス、次いで経時的な第2の連続送達パルスがある。従って、例えば、後者の場合、治療剤が経時的に連続投与される最初の注射があり、次いで経時的に注射で投与される治療剤の用量を増やすと、治療剤の連続投与であるとしても、事実上2回の送達パルスがある。
【0028】
一実施形態では、11時間未満の時間内に、少なくとも2回の治療剤の不連続注射、通常多くても32回の治療剤の不連続注射がある。この不連続注射の間に該薬剤の連続注射があってもなくてもよく、かつこのような連続注射がある場合は、薬剤の用量は、不連続注射より少ないか又は多い。好ましい実施形態では、不連続注射の間に薬剤の注射はない。
治療剤の不連続注射がある好ましい一実施形態では、11時間未満の時間で注射される用量の約60%まで、好ましくは約50%までが、該時間の最初の4時間の間に注射される。
一実施形態では、6時間未満の時間内に2回の注射が与えられる。別の実施形態では、好ましくは6時間未満の時間内に多くても6回の注射が与えられる。さらに別の実施形態では、好ましくは6時間未満の間に少なくとも4回の注射が与えられる。
【0029】
好ましい実施形態では、送達パルスは、製薬的に許容できる担体中の治療剤の不連続注射によって達成される。少なくとも2回、かつ多くても32回の不連続注射があり、そのすべてが、第1注射の11時間以内、好ましくは8時間以内で送達される。1日の用量は、該11又は8時間以内で送達され、不連続注射は、送達すべき薬剤の少なくとも75%、好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも約100%を備える。
治療剤は、当業界で公知のいずれの手順によっても注射することができる。好ましい実施形態では、治療剤は、医薬品を注射するための当業界で公知のタイプの制御型ポンプを用いて注射することができる。
【0030】
これとは別に、本発明の療法は病院で利用することができ、制御注射剤がカテーテルを用いて投与される。注射は、静脈内、筋肉内、皮下、経皮、くも膜下腔内、腹腔内、関節内、眼内、又は注射送達が可能な他の経路のようないずれの体構造、器官若しくは血管中へも行うことができる。
本発明に従い、11時間未満、好ましくは8時間未満の時間内で治療剤を注射するための送達パルスを利用することによって、11時間未満の時間内で患者の血液中の治療剤の明確な最大血清濃度パルスが提供される。好ましい実施形態では、このような明確なCmaxパルスは、8時間未満の時間内、好ましくは6時間の時間内で生じる。
【0031】
好ましい実施形態により、すべてのCmaxパルスが11時間未満、好ましくは8時間未満の時間内で達成され、かつ該パルスは、治療剤の1日の用量を提供する:すなわち治療剤は、11時間以内に少なくとも2回の送達パルスで注射され、かつ24時間の残りの時間の間にはさらなる投与がない。
不連続注射によって送達される治療剤の送達パルスのすべて又は一部は、同一又は異なる用量の治療剤でよい。
一般的に、各不連続注射は、最小で治療剤の1日の総用量の少なくとも5%を提供する。
【0032】
各送達パルスが1種以上の異なる治療剤を含むことができ(例えば2種以上の異なる抗生物質)、かつ各送達パルスは、同一又は異なる治療剤を含むことができることを理解すべきである(例えば、ある送達パルスは2種以上の抗生物質を含み、かつある送達パルスはその2種以上の抗生物質の1種だけを含むことができる)。
上述したように、治療剤は、好ましくは抗生物質又は抗ウイルス剤又は抗真菌剤又は抗新生物剤である。
以下の実施例について本発明をさらに説明する;しかし、本発明の範囲は以下の実施例によっては限定されない。この明細書のすべてのパーセンテージは、特に言及しない限り質量%である。
【実施例】
【0033】
即時放出成分(抗生物質)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又は乾燥ブレンド状態で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物をふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0034】
【表1】

【0035】
【表2】

【0036】
【表3】

【0037】
非pH感受性遅延性放出成分(抗生物質)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又はホットメルト法で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物を冷却し、ふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0038】
【表4】

【0039】
【表5】

【0040】
【表6】

【0041】
腸溶性放出成分(抗生物質)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又はホットメルト法で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物を冷却し、ふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0042】
【表7】

【0043】
【表8】

【0044】
【表9】

【0045】
持続性放出成分(抗生物質)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又はホットメルト法で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物を冷却し、ふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0046】
【表10】

【0047】
【表11】

【0048】
即時放出成分(抗真菌)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又は乾燥ブレンド状態で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物をふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0049】
【表12】

【0050】
【表13】

【0051】
【表14】

【0052】
非pH感受性遅延性放出成分(抗真菌)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又はホットメルト法で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物を冷却し、ふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0053】
【表15】

【0054】
【表16】

【0055】
【表17】

【0056】
腸溶性放出成分(抗真菌)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又はホットメルト法で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物を冷却し、ふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0057】
【表18】

【0058】
【表19】

【0059】
【表20】

【0060】
持続性放出成分(抗真菌) 遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又はホットメルト法で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物を冷却し、ふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0061】
【表21】

【0062】
【表22】

【0063】
【表23】

【0064】
即時放出成分(抗ウイルス)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又は乾燥ブレンド状態で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物をふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0065】
【表24】

【0066】
【表25】

【0067】
【表26】

【0068】
【表27】

【0069】
非pH感受性遅延性放出成分(抗ウイルス)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又はホットメルト法で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物を冷却し、ふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0070】
【表28】

【0071】
【表29】

【0072】
【表30】

【0073】
【表31】

【0074】
腸溶性放出成分(抗ウイルス)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又はホットメルト法で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物を冷却し、ふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0075】
【表32】

【0076】
【表33】

【0077】
【表34】

【0078】
【表35】

【0079】
持続性放出成分(抗ウイルス)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又はホットメルト法で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物を冷却し、ふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0080】
【表36】

【0081】
【表37】

【0082】
【表38】

【0083】
即時放出成分(癌)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又は乾燥ブレンド状態で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物をふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0084】
【表39】

【0085】
【表40】

【0086】
【表41】

【0087】
非pH感受性遅延性放出成分(癌)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又はホットメルト法で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物を冷却し、ふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0088】
【表42】

【0089】
【表43】

【0090】
【表44】

【0091】
腸溶性放出成分(癌)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又はホットメルト法で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物を冷却し、ふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0092】
【表45】

【0093】
【表46】

【0094】
【表47】

【0095】
持続性放出成分(癌)
遊星ミキサー、高剪断造粒機、流動床造粒機、又は押出機のような適切な製薬ミキサー又は造粒機内で、水若しくは他の溶媒の存在下、又はホットメルト法で配合剤をミキシングすることによって組成物を調製する。水又は他の溶媒を使用する場合、真空乾燥機又は強制空気乾燥機のような適切な製薬乾燥機内でブレンドを乾燥する。生成物を冷却し、ふるい分け又は造粒し、回転式錠剤成形機のような適切な錠剤成形機を用いて圧縮することができる。
【0096】
【表48】

【0097】
【表49】

【0098】
【表50】

【0099】
3回のパルス
実施例230.1. メトロニダゾールマトリックスペレット製剤及び調製手順(即時放出)
A.ペレット製剤 メトロニダゾールマトリックスペレットの組成は表1に示される。
【0100】
【表51】

【0101】
B. メトロニダゾールマトリックスペレットの調製手順
1.2.1 ロボットクーペ高剪断造粒機を用いてメトロニダゾールとAvicel(登録商標)PH 101をブレンド。
1.2.2 連続的にミキシングしながら、その粉末ブレンド中に20%ポビドンK29/32バインダー溶液をゆっくり添加。
1.2.3 その湿潤塊をLCIベンチトップ造粒機で押し出し。ベンチトップ造粒機のスクリーンの直径は1.0mmだった。
1.2.4 その押出物をモデルSPH20 Calevaスフェロナイザー(Spheronizer)で球状化。
1.2.5 その球状化ペレットを50℃で一晩中乾燥。
1.2.6 16〜30メッシュのペレットをさらなる加工用に収集した。
【0102】
1.1 Eudragit(登録商標)L30D-55水性被覆剤分散系の調製
A. 分散系製剤 メトロニダゾールマトリックスペレットに塗布される水性Eudragit L30D-55分散系の組成は、下表2に示される。
【0103】
【表52】

【0104】
B. Eudragit(登録商標)L30D-55水性分散系の調製手順
1.2.7 クエン酸トリエチルとタルクを脱イオン水中に懸濁。
1.2.8 そのTEC/タルク懸濁液をPowerGen 700高剪断ミキサーで均質化する。
1.2.9 撹拌しながらTEC/タルク懸濁液をゆっくりEudragit(登録商標)L30D-55ラテックス分散系に添加。
1.2.10 その被覆剤分散系を1時間撹拌後、メトロニダゾールマトリックスペレット上に塗布。
【0105】
1.3 Eudragit(登録商標)S100水性被覆剤分散系の調製
A.分散系製剤 メトロニダゾールマトリックスペレットに塗布される水性Eudragit(登録商標)S100分散系の組成は、下表3に示される。
【0106】
【表53】

【0107】
B. Eudragit(登録商標)S100水性分散系の調製手順
パートI:
(i) Eudragit(登録商標)S100粉末を脱イオン水に撹拌しながら調剤。
(ii) その分散系中に撹拌しながら水酸化アンモニウム溶液を1滴ずつ添加。
(iii) その部分中和した分散系を60分間撹拌。
(iv) その分散系中に撹拌しながらクエン酸トリエチルを1滴ずつ添加。約2時間撹拌後部分Bを添加。
パートII:
(i) 必要量の水中にタルクを分散。
(ii) その分散系をPowerGen 700D高剪断ミキサーで均質化。
(iii) 部分Aのポリマー分散系に穏やかに撹拌しながら、ゆっくり部分Bを添加。
【0108】
1.4 水性被覆剤分散系塗布のコーティング条件 以下のコーティングパラメータを用いて、マトリックスペレットをEudragit(登録商標)L30D-55及びEudragit(登録商標)S100水性フィルム被覆剤のそれぞれで被覆した。
コーティング装置 STREA 1(商標)テーブルトップ実験室流動床コーター
スプレイノズル直径 1.0mm
材料充填 300グラム
入口空気温度 40〜45℃
出口空気温度 30〜33℃
噴霧空気圧 1.8バール
ポンプ速度 2グラム/分
(i) ペレットに12%の被覆質量増加を与えるようにL30D-55分散系でマトリックスペレットを被覆。
(ii) ペレットに20%の被覆質量増加を与えるようにS100分散系でマトリックスペレットを被覆。
【0109】
1.5 メトロニダゾールペレットのカプセル封入
非被覆の即時放出マトリックスペレット、L30D-55被覆ペレット及びS100被覆ペレットを、それぞれ30%:30%:40%の割合でサイズ00硬ゼラチンカプセル中に充填する。
3種の異なるペレットで充填し、375mg/カプセルの総用量を得る。
【0110】
3回のパルス
実施例231 アモキシシリンペレット製剤及び調製手順
231.1 次のコーティング用のペレット製剤
アモキシシリン三水化物マトリックスペレットの組成は表4に示される。
【0111】
【表54】

【0112】
231.2. アモキシシリンマトリックスペレットの調製手順
231.2.1 アモキシシリンとAvicel(登録商標)PH101を低剪断ブレンダーでブレンド。
231.2.2 連続的にミキシングしながら、その粉末ブレンド中にヒドロキシプロピルメチルセルロースバインダー溶液をゆっくり添加。
231.2.3 その湿潤塊をLCIベンチトップ造粒機で押し出し。ベンチトップ造粒機のスクリーンの直径は0.8mmだった。
231.2.4 その押出物を、QJ-230スフェロナイザーで、小断面プレートを用いて球状化。
231.2.5 その球状化ペレットを、流動床乾燥機を用いて排気温度が40℃に達するまで60℃で乾燥。
231.2.6 20〜40メッシュのペレットをさらなる加工用に収集した。
【0113】
231.3 Eudragit(登録商標)L30D-55水性被覆剤分散系の調製
231.3.1 分散系製剤
アモキシシリンマトリックスペレットに塗布される水性Eudragit L30D-55分散系の組成は、下表5に示される。
【0114】
【表55】

【0115】
231.4 Eudragit(登録商標)L30D-55水性分散系の調製手順
231.4.1 クエン酸トリエチルとタルクを脱イオン水中に懸濁。
231.4.2 そのTEC/タルク懸濁液を実験室ミキサーで混合する。
231.4.3 撹拌しながらTEC/タルク懸濁液をゆっくりEudragit(登録商標)L30D-55ラテックス分散系に添加。
231.4.4 その被覆剤分散系を1時間撹拌後、アモキシシリンマトリックスペレット上に塗布。
【0116】
231.5 Eudragit(登録商標)S100水性被覆剤分散系の調製
231.5.1 分散系製剤 アモキシシリンマトリックスペレットに塗布される水性Eudragit(登録商標)S100分散系の組成は、下表6に示される。
【0117】
【表56】

【0118】
B.Eudragit(登録商標)S100水性分散系の調製手順
部分A:
231.6.1 Eudragit(登録商標)S100粉末を脱イオン水に撹拌しながら調剤。
231.6.2 その分散系中に撹拌しながら水酸化アンモニウム溶液を1滴ずつ添加。
231.6.3 その部分中和した分散系を60分間撹拌。
231.6.4 その分散系中に撹拌しながらクエン酸トリエチルを1滴ずつ添加し、一晩中撹拌後、部分Bを添加。
部分B:
231.6.5 必要量の水中にタルクを分散。
231.6.6 その分散系をオーバーヘッド実験室ミキサーで撹拌。
231.6.7 部分Aのポリマー分散系に穏やかに撹拌しながら、ゆっくり部分Bを添加。
【0119】
231.7 水性被覆剤分散系塗布のコーティング条件 Eudragit(登録商標)L30D-55及びEudragit(登録商標)S100水性フィルムコーティングプロセスの両方で、以下のコーティングパラメータを使用した。
コーティング装置 STREA 1(商標)テーブルトップ実験室流動床コーター
スプレイノズル直径 1.0mm
材料充填 300グラム
入口空気温度 40〜45℃
出口空気温度 30〜33℃
噴霧空気圧 1.8バール
ポンプ速度 2〜6グラム/分
231.7.1 ペレットに20%の被覆質量増加を与えるようにL30D-55分散系でマトリックスペレットを被覆。
231.7.2 ペレットに37%の被覆質量増加を与えるようにS100分散系でマトリックスペレットを被覆。
【0120】
【表57】

【0121】
231.8.1 アモキシシリンとAvicel(登録商標)PH101を低剪断ブレンダーでブレンド。
231.8.2 その粉末ブレンド中に、連続的に撹拌しながらヒドロキシプロピルメチルセルロースバインダー溶液をゆっくり添加。
231.8.3 流動床乾燥機を用いて、その造粒物を排気温度が40℃に達するまで60℃で乾燥。
231.8.4 20〜40メッシュの顆粒をさらなる加工用に収集する。
【0122】
231.9 アモキシシリンペレットの錠剤化
【表58】

【0123】
231.9.1 アモキシシリン顆粒、Avicel PH-200、アモキシシリンペレット及びコロイド状二酸化ケイ素をタンブルブレンダー内で15分間ブレンド。
231.9.2 そのブレンダーにステアリン酸マグネシウムを添加し、5分間ブレンド。
231.9.3 そのブレンドを回転式錠剤成形機で圧縮。
231.9.4 充填質量を調節して、500mg用量錠剤を得た。
【0124】
3回のパルス
実施例232 クラリスロマイシンペレット製剤及び調製手順
232.1 ペレット製剤
クラリスロマイシンマトリックスペレットの組成は、表9に示される。
【0125】
【表59】

【0126】
232.2 クラリスロマイシンマトリックスペレットの調製手順
232.2.1 クラリスロマイシン、ケイ化微結晶性セルロース及びラクトース一水和物をロボットクーペ高剪断造粒機でブレンド。
232.2.2 撹拌時にポリオキシルを純水に添加することでバインダー溶液を調製。それを混合後、ゆっくりヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加し、溶液が得られるまで撹拌し続ける。
232.2.3 連続ミキシング下の粉末ブレンド中にバインダー溶液をゆっくり添加。
232.2.4 高剪断造粒機内で、バインダー溶液と共に粉末を造粒。
232.2.5 その湿潤塊をLCI ベンチトップ造粒機で押し出し。ベンチトップ造粒機のスクリーンの直径は1.2mmだった。
232.2.6 その押出物をモデルSPH20 Calevaスフェロナイザーで球状化。
232.2.7 その球状化ペレットを50℃で一晩中乾燥。
232.2.8 18〜30メッシュのペレットをさらなる加工用に収集した。
【0127】
232.3 Eudragit(登録商標)L30D-55水性被覆剤分散系の調製
232.3.1 分散系製剤 クラリスロマイシンマトリックスペレットに塗布される水性Eudragit L30D-55分散系の組成は、下表10に示される。
【0128】
【表60】

【0129】
232.4 Eudragit(登録商標)L30D-55水性分散系の調製手順
232.4.1 クエン酸トリエチルとタルクを脱イオン水中に懸濁。
232.4.2 そのTEC/タルク懸濁液をPowerGen700高剪断ミキサーで均質化する。
232.4.3 撹拌中のEudragit(登録商標)L30D-55ラテックス分散系に、4.2.2からの懸濁液をゆっくり添加。
232.4.4 その被覆剤分散系を1時間撹拌後、クラリスロマイシンマトリックスペレット上に塗布。
【0130】
232.5 Eudragit(登録商標)S100水性被覆剤分散系の調製
232.5.1 分散系製剤 クラリスロマイシンマトリックスペレットに塗布される水性Eudragit(登録商標)S100分散系の組成は、下表11に示される。
【0131】
【表61】

【0132】
232.6 Eudragit(登録商標)S100水性分散系の調製手順
部分A:
232.6.1 Eudragit(登録商標)S100粉末を脱イオン水に撹拌しながら調剤。
232.6.2 その分散系中に撹拌しながら水酸化アンモニウム溶液を1滴ずつ添加。
232.6.3 その部分中和した分散系を60分間撹拌。
232.6.4 その分散系中に撹拌しながらクエン酸トリエチルを1滴ずつ添加し、60分間撹拌後、部分Bを添加。
部分B:
232.6.5 必要量の水中にタルクを分散。
232.6.6 その分散系をPowerGen700D高剪断ミキサーで均質化。
232.6.7 部分Aのポリマー分散系に穏やかに撹拌しながら、ゆっくり部分Bを添加。
【0133】
232.7 水性被覆剤分散系塗布のコーティング条件 Eudragit(登録商標)L30D-55及びEudragit(登録商標)S100水性フィルム被覆剤のそれぞれによるマトリックスペレットのコーティングのため、以下のコーティングパラメータを使用した。
コーティング装置 STREA 1(商標)テーブルトップ実験室流動床コーター
スプレイノズル直径 1.0mm
材料充填 300グラム
入口空気温度 40〜45℃
出口空気温度 30〜33℃
噴霧空気圧 1.6バール
ポンプ速度 2グラム/分
232.7.1 ペレットに20%の被覆質量増加を与えるようにL30D-55分散系でマトリックスペレットを被覆。
232.7.2 ペレットに37%の被覆質量増加を与えるようにS100分散系でマトリックスペレットを被覆。
4.それぞれ、30%:30%:40%の質量%の非被覆ペレット、L30D-55被覆ペレット及びS100被覆ペレットでカプセルを充填し、250mgのカプセルを得た。
【0134】
4回のパルス
実施例233.1. メトロニダゾールマトリックスペレット製剤及び調製手順
233.1 ペレット製剤
メトロニダゾールマトリックスペレットの組成は表12に示される。
【0135】
【表62】

【0136】
233.2 メトロニダゾールマトリックスペレットの調製手順
232.2.1 ロボットクーペ高剪断造粒機を用いてメトロニダゾールとAvicel(登録商標)PH 101をブレンド。
232.2.2 連続的にミキシングしながら、その粉末ブレンド中に20%ポビドンK29/32バインダー溶液をゆっくり添加。
232.2.3 その湿潤塊をLCIベンチトップ造粒機で押し出し。ベンチトップ造粒機のスクリーンの直径は1.0mmだった。
232.2.4 その押出物をモデルSPH20 Calevaスフェロナイザーで球状化。
232.2.5 その球状化ペレットを50℃で一晩中乾燥。
232.2.6 16〜30メッシュのペレットをさらなる加工用に収集した。
【0137】
233.3 Eudragit(登録商標)L30D-55水性被覆剤分散系の調製
233.3.1 分散系製剤 メトロニダゾールマトリックスペレットに塗布される水性Eudragit L30D-55分散系の組成は、下表13に示される。
【0138】
【表63】

【0139】
233.4 Eudragit(登録商標)L30D-55水性分散系の調製手順
233.4.1 クエン酸トリエチルとタルクを脱イオン水中に懸濁。
233.4.2 そのTEC/タルク懸濁液をPowerGen 700高剪断ミキサーで均質化する。
233.4.3 撹拌中のEudragit(登録商標)L30D-55ラテックス分散系に、TEC/タルク懸濁液をゆっくり添加。
233.4.4 その被覆剤分散系を1時間撹拌後、メトロニダゾールマトリックスペレット上に塗布。
【0140】
233.5 Eudragit(登録商標)S100水性被覆剤分散系の調製
233.5.1 分散系製剤 メトロニダゾールマトリックスペレットに塗布される水性Eudragit(登録商標)S100分散系の組成は、下表14に示される。
【0141】
【表64】

【0142】
233.6 Eudragit(登録商標)S100水性分散系の調製手順
部分A:
233.6.1 Eudragit(登録商標)S100粉末を脱イオン水に撹拌しながら調剤。
233.6.2 その分散系中に撹拌しながら水酸化アンモニウム溶液を1滴ずつ添加。
233.6.3 その部分中和した分散系を60分間撹拌。
233.6.4 その分散系中に撹拌しながらクエン酸トリエチルを1滴ずつ添加。約2時間撹拌後部分Bを添加。
部分B:
233.6.5 必要量の水中にタルクを分散。
233.6.6 その分散系をPowerGen 700D高剪断ミキサーで均質化。
233.6.7 部分Aのポリマー分散系に穏やかに撹拌しながら、ゆっくり部分Bを添加。
【0143】
233.7 水性被覆剤分散系塗布のコーティング条件 Eudragit(登録商標)L30D-55及びEudragit(登録商標)S100水性フィルム被覆剤による各コーティングのため、以下のコーティングパラメータを用いた。
コーティング装置 STREA 1(商標)テーブルトップ実験室流動床コーター
スプレイノズル直径 1.0mm
材料充填 300グラム
入口空気温度 40〜45℃
出口空気温度 30〜33℃
噴霧空気圧 1.8バール
ポンプ速度 2グラム/分
233.7.1 ペレットに12%の被覆質量増加を与えるようにL30D-55分散系でマトリックスペレットを被覆。
233.7.2 ペレットに30%の被覆質量増加を与えるようにL30D-55分散系でマトリックスペレットを被覆。
233.7.3 ペレットに20%の被覆質量増加を与えるようにS100分散系でマトリックスペレットを被覆。
【0144】
1.5 メトロニダゾールペレットのカプセル封入 即時放出マトリックスペレット(非被覆)、L30D-55被覆ペレット12%質量増加、L30D-55被覆ペレット30%質量増加及びS100被覆ペレットを、それぞれ20%:30%:20%:30%の割合でサイズ00硬ゼラチンカプセル中に充填する。
4種の異なるペレットで充填し、総用量375mg/カプセルを得る。
【0145】
4回のパルス
実施例234 アモキシシリンペレット製剤及び調製手順
234.1 ペレット製剤
アモキシシリン三水化物マトリックスペレットの組成は表15に示される。
【0146】
【表65】

【0147】
234.2. アモキシシリンマトリックスペレットの調製手順
234.2.1 アモキシシリンとAvicel(登録商標)PH101を低剪断ブレンダーでブレンド。
234.2.2 連続的にミキシングしながら、その粉末ブレンド中にヒドロキシプロピルメチルセルロースバインダー溶液をゆっくり添加。
234.2.3 その湿潤塊をLCIベンチトップ造粒機で押し出し。ベンチトップ造粒機のスクリーンの直径は0.8mmだった。
234.2.4 その押出物を、QJ-230スフェロナイザーで、小断面プレートを用いて球状化。
234.2.5 その球状化ペレットを、流動床乾燥機を用いて排気温度が40℃に達するまで60℃で乾燥。
234.2.6 20〜40メッシュのペレットをさらなる加工用に収集した。
【0148】
234.3 Eudragit(登録商標)L30D-55水性被覆剤分散系の調製
234.3.1 分散系製剤 アモキシシリンマトリックスペレットに塗布される水性Eudragit L30D-55分散系の組成は、下表16に示される。
【0149】
【表66】

【0150】
234.4 Eudragit(登録商標)L30D-55水性分散系の調製手順
234.4.1 クエン酸トリエチルとタルクを脱イオン水中に懸濁。
234.4.2 そのTEC/タルク懸濁液を実験室ミキサーで混合する。
234.4.3 撹拌中のEudragit(登録商標)L30D-55ラテックス分散系に、そのTEC/タルク懸濁液をゆっくり添加。
234.4.4 その被覆剤分散系を1時間撹拌後、アモキシシリンマトリックスペレット上に塗布。
【0151】
234.5 Eudragit(登録商標)S100水性被覆剤分散系の調製
234.6 分散系製剤 アモキシシリンマトリックスペレットに塗布される水性Eudragit(登録商標)S100分散系の組成は、下表17に示される。
【0152】
【表67】

【0153】
234.7 Eudragit(登録商標)S100水性分散系の調製手順
部分A:
234.7.1 Eudragit(登録商標)S100粉末を脱イオン水に撹拌しながら調剤。
234.7.2 その分散系中に撹拌しながら水酸化アンモニウム溶液を1滴ずつ添加。
234.7.3 その部分中和した分散系を60分間撹拌。
234.7.4 その分散系中に撹拌しながらクエン酸トリエチルを1滴ずつ添加し、一晩中撹拌後、部分Bを添加。
部分B:
234.7.5 必要量の水中にタルクを分散。
234.7.6 その分散系をオーバーヘッド実験室ミキサーで撹拌。
234.7.7 部分Aのポリマー分散系に穏やかに撹拌しながら、ゆっくり部分Bを添加。
【0154】
234.8 水性被覆剤分散系の調製
234.8.1 分散系製剤 アモキシシリンL30D-55被覆ペレットに塗布される水性アクアコート分散系の組成は、下表18に示される。
【0155】
【表68】

【0156】
234.8.1.1 連続的に撹拌しながら水中で分散させてヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel E15)溶液を調製。
234.8.1.2 その分散系に撹拌しながらアクアコート及びセバシン酸ジブチルを添加し、一晩中撹拌。
【0157】
234.9 水性被覆剤分散系塗布のコーティング条件
Eudragit(登録商標)L30D-55及びEudragit(登録商標)S100水性フィルム被覆剤でそれぞれコーティングするため、以下のコーティングパラメータを使用した。
コーティング装置 STREA 1(商標)テーブルトップ実験室流動床コーター
スプレイノズル直径 1.0mm
材料充填 300グラム
入口空気温度 40〜45℃
出口空気温度 30〜33℃
噴霧空気圧 1.8バール
ポンプ速度 2〜6グラム/分
234.9.1 ペレットに20%の被覆質量増加を与えるようにL30D-55分散系でアモキシシリンマトリックスペレットを被覆。
234.9.2 アモキシシリンマトリックスペレットの別のバッチをL30D-55分散系で被覆して、20%の質量増加を得る。そのL30D-55ペレットをアクアコート分散系で被覆して、10%の被覆質量増加を得る。
234.9.3 アモキシシリンマトリックスペレットをS100分散系で被覆して、37%の被覆質量増加を得る。
【0158】
【表69】

【0159】
234.10.1 アモキシシリンとAvicel(登録商標)PH101を低剪断ブレンダーでブレンド。
234.10.2 その粉末ブレンド中に、連続的に撹拌しながらヒドロキシプロピルメチルセルロースバインダー溶液をゆっくり添加。
234.10.3 流動床乾燥機を用いて、その造粒物を排気温度が40℃に達するまで60℃で乾燥。
234.10.4 20〜40メッシュの顆粒をさらなる加工用に収集する。
【0160】
【表70】

【0161】
234.11.1 アモキシシリン顆粒、Avicel PH-200、アモキシシリンペレット及びコロイド状二酸化ケイ素をタンブルブレンダー内で15分間ブレンド。
234.11.2 そのブレンダーにステアリン酸マグネシウムを添加し、5分間ブレンド。
234.11.3 そのブレンドを回転式錠剤成形機で圧縮。
234.11.4 充填質量を調節して、500mg用量錠剤を得る。
【0162】
4回のパルス
実施例235 クラリスロマイシンペレット製剤及び調製手順
235.1 ペレット製剤
クラリスロマイシンマトリックスペレットの組成は、表21に示される。
【0163】
【表71】

【0164】
235.2 クラリスロマイシンマトリックスペレットの調製手順
235.2.1 クラリスロマイシン、ケイ化微結晶性セルロース及びラクトース一水和物をロボットクーペ高剪断造粒機でブレンド。
235.2.2 撹拌時にポリオキシルを純水に添加することでバインダー溶液を調製。それを混合後、ゆっくりヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加し、溶液が得られるまで撹拌し続ける。
235.2.3 連続ミキシング下の粉末ブレンド中にバインダー溶液をゆっくり添加。
235.2.4 高剪断造粒機内で、バインダー溶液と共に粉末を造粒。
235.2.5 その湿潤塊をLCIベンチトップ造粒機で押し出し。ベンチトップ造粒機のスクリーンの直径は1.2mmだった。
235.2.6 その押出物をモデルSPH20 Calevaスフェロナイザーで球状化。
235.2.7 その球状化ペレットを50℃で一晩中乾燥。
235.2.8 18〜30メッシュのペレットをさらなる加工用に収集した。
【0165】
235.3 Eudragit(登録商標)L30D-55水性被覆剤分散系の調製
235.3.1 分散系製剤 クラリスロマイシンマトリックスペレットに塗布される水性Eudragit L30D-55分散系の組成は、下表22に示される。
【0166】
【表72】

【0167】
235.4 Eudragit(登録商標)L30D-55水性分散系の調製手順
235.4.1 クエン酸トリエチルとタルクを脱イオン水中に懸濁。
235.4.2 そのTEC/タルク懸濁液をPowerGen700高剪断ミキサーで均質化する。
235.4.3 撹拌中のEudragit(登録商標)L30D-55ラテックス分散系に、4.2.2からの懸濁液をゆっくり添加。
235.4.4 その被覆剤分散系を1時間撹拌後、クラリスロマイシンマトリックスペレット上に塗布。
【0168】
235.5 Eudragit(登録商標)S100水性被覆剤分散系の調製
235.5.1 分散系製剤 クラリスロマイシンマトリックスペレットに塗布される水性Eudragit(登録商標)S100分散系の組成は、下表23に示される。
【0169】
【表73】

【0170】
235.6 Eudragit(登録商標)S100水性分散系の調製手順
部分A:
235.6.1 Eudragit(登録商標)S100粉末を脱イオン水に撹拌しながら調剤。
235.6.2 その分散系中に撹拌しながら水酸化アンモニウム溶液を1滴ずつ添加。
235.6.3 その部分中和した分散系を60分間撹拌。
235.6.4 その分散系にクエン酸トリエチルを1滴ずつ添加し、60分間撹拌後、部分Bを添加。部分B:
235.6.5 必要量の水中にタルクを分散。
235.6.6 その分散系をPowerGen700D高剪断ミキサーで均質化。
235.6.7 部分Aのポリマー分散系に穏やかに撹拌しながら、ゆっくり部分Bを添加。
【0171】
235.7 水性被覆剤分散系塗布のコーティング条件 Eudragit(登録商標)L30D-55及びEudragit(登録商標)S100水性フィルム被覆剤のそれぞれによるコーティングのため、以下のコーティングパラメータを使用した。
コーティング装置 STREA 1(商標)テーブルトップ実験室流動床コーター
スプレイノズル直径 1.0mm
材料充填 300グラム
入口空気温度 40〜45℃
出口空気温度 30〜33℃
噴霧空気圧 1.6バール
ポンプ速度 2グラム/分
235.7.1 ペレットに12%の被覆質量増加を与えるようにL30D-55分散系でマトリックスペレットを被覆。
235.7.2 ペレットに30%の被覆質量増加を与えるようにL30D-55分散系でマトリックスペレットを被覆。
235.7.3 ペレットに37%の被覆質量増加を与えるようにS100分散系でマトリックスペレットを被覆。
【0172】
235.8 クラリスロマイシンペレットのカプセル封入 即時放出マトリックスペレット(非被覆)、L30D-55被覆ペレット12%質量増加、L30D-55被覆ペレット30%質量増加及びS100被覆ペレットを、それぞれ20%:30%:20%:30%の割合でサイズ00硬ゼラチンカプセル中に充填する。
4種の異なるペレットで充填し、総用量250mg/カプセルを得る。
【0173】
実施例230〜235と同様の手順で、抗生物質の代わりに抗真菌又は抗ウイルス又は新生物剤を使うことで、抗真菌、抗ウイルス及び抗新生物剤形を単一製品(例えば、3又は4種の抗真菌剤形を含有する製品)に調製することができる。
本発明は、治療剤の1日2回投与を超える改良点及び治療剤の1日1回投与を超える改良点を与える治療剤製品が提供されるという点で特に有利である。
上記教示に鑑み、本発明の多くの変更及び変形が可能であり、従って、添付の特許請求の範囲内で、詳述したのと別の方法で本発明を実施できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1治療剤形、第2治療剤形及び第3治療剤形を含んでなる治療剤製品であって、前記第1治療剤形、第2治療剤形及び第3治療剤形のそれぞれが、少なくとも1種の治療剤と製薬的に許容できる担体とを含み、前記3種の剤形は異なる放出プロフィールを有し、前記治療剤製品は約12時間未満でCmaxに達し、かつ前記治療剤が、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤又は抗新生物剤である、前記治療剤製品。
【請求項2】
前記第1剤形が即時放出剤形である請求項1に記載の製品。
【請求項3】
該製品の血清中濃度が、投与後早くても4時間にCmaxに達する、請求項2に記載の製品。
【請求項4】
前記即時放出剤形が、治療剤の総用量の少なくとも20%かつ多くても50%を含有する、請求項2に記載の製品。
【請求項5】
前記製品が経口剤形である、請求項4に記載の製品。
【請求項6】
前記第2剤形から放出される治療剤の血清中濃度が、前記第1剤形から放出される治療剤の血清中濃度がCmaxに達した後にCmaxに達する、請求項5に記載の製品。
【請求項7】
前記第3剤形から放出される治療剤の血清中濃度が、前記第2剤形から放出される治療剤の血清中濃度がCmaxに達した後にCmaxに達する、請求項6に記載の製品。
【請求項8】
前記治療剤製品が、24時間の間有効である治療剤の総用量を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項9】
さらに、治療剤と製薬的に許容できる担体を含んでなる第4剤形であって、該第4剤形から放出される治療剤の血清中濃度が、前記第1、第2及び第3の各剤形から放出される治療剤の血清濃度がCmaxに達成した後に、Cmaxに達する第4剤形を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項10】
前記治療剤が抗生物質である請求項1に記載の製品。
【請求項11】
前記治療剤が抗真菌剤である請求項1に記載の製品。
【請求項12】
前記治療剤が抗ウイルス剤である請求項1に記載の製品。
【請求項13】
患者の病気又は感染を治療する方法であって、治療を必要とする患者に、請求項1に記載の製品の有効量を投与する工程を含む前記方法。
【請求項14】
病気又は感染の治療用の製品を調製するための治療剤の使用であって、該治療剤製品が請求項1の定義通りである前記使用。
【請求項15】
治療剤で患者を治療する方法であって、 長くても11時間内に、2回以上32回以下の送達パルスで治療剤を患者に注射することにより患者を治療する工程を含み、 前記治療剤が、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤及び抗新生物剤からなる群より選択されることを特徴とする前記方法。
【請求項16】
前記送達パルスが、不連続注射によって与えられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記不連続注射の少なくとも一部分の間に、本質的に、前記治療剤が投与されない、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記不連続注射の少なくとも一部の間に、前記不連続注射の用量とは異なる用量の前記治療剤を連続的に注射する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記不連続注射の少なくとも一部が、異なる用量の治療剤を送達する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも4回の送達パルスがある、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
多くても6回の送達パルスがある、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記治療剤の総用量が、長くても6時間内で注射される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
多くても11時間の時間内に、2回以上32回以下の送達パルスで、治療剤を患者に注射することで患者を治療するのに使用する製品を調製するための治療剤の使用であって、前記治療剤が、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤及び抗新生物剤からなる群より選択される前記使用。

【公開番号】特開2012−1528(P2012−1528A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260052(P2010−260052)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【分割の表示】特願2001−561296(P2001−561296)の分割
【原出願日】平成13年2月22日(2001.2.22)
【出願人】(511068751)ヴィクトリー ファーマ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】