説明

治療器

【課題】エネルギー出力部材を保持部で保持する治療器において、治療すべき患部に対して保持部を正確に位置決めすることが可能な治療器を提供する。
【解決手段】本発明に係る超音波治療器10は、超音波を照射する超音波振動子11と、この超音波振動子11が嵌合される嵌合溝121が形成された弾性部材であって、超音波振動子11を保持する保持部12と、この保持部12から延出して設けられ、身体に巻き付けられることにより保持部12を患部に固定する固定部13とを備え、嵌合溝121の断面形状が、超音波振動子11の断面形状より大きく形成され、固定部13の身体への巻き付け時に、保持部12が弾性変形することで、超音波振動子11が嵌合溝121の内壁面によって挟持されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体に装着されてエネルギーを出力することにより患部を治療する治療器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、身体の傷病部位の治療に際し、患部に対して何らかのエネルギーを出力することによって患部を治療する治療器が用いられる。そして、この治療器の一種としては、骨折等の治療において、患部に超音波振動を与えることで新しい生体組織や骨組織の形成を促進するようにした超音波治療器が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
このような超音波治療器としては、身体の傷病部位における患部に超音波を照射する振動子と、この振動子を保持する保持部と、この保持部から延出する一対のバンド部とを備えるものがある。このように構成される超音波治療器を身体に装着する際には、まず保持部に超音波振動子を取り付ける。そして、治療すべき患部に対し、超音波振動子を取り付けた保持部を位置決めして密着させた後、一対のバンド部を身体にそれぞれ巻き付けてその先端部同士を結束する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4224211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の超音波治療器によれば、まず超音波振動子を保持部に取り付けた後、この保持部を患部に対して位置決めして密着させるため、患部の位置を確認して微調整をしながら保持部を密着させることができない。従って、患部に対して保持部を正確に位置決めすることが難しいという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、エネルギー出力部材を保持部で保持する治療器において、治療すべき患部に対して保持部を正確に位置決めすることが可能な治療器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。すなわち、本発明に係る治療器は、患部を治療するためのエネルギーを出力するエネルギー出力部材と、該エネルギー出力部材が嵌合される嵌合溝が形成された弾性部材であって、前記エネルギー出力部材を保持する保持部と、該保持部から延出して設けられ、身体に巻き付けられることにより前記保持部を患部に固定する固定部と、を備え、前記嵌合溝の断面形状が、前記エネルギー出力部材の断面形状より大きく形成され、前記固定部の身体への巻き付け時に、前記保持部が弾性変形することで、前記エネルギー出力部材が前記嵌合溝の内壁面によって挟持されることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、エネルギー出力部材を、それより大きい断面形状を有する嵌合溝に対して容易に嵌合させることができる。そして、嵌合溝に嵌合されたエネルギー出力部材は、固定部の身体への巻き付け時に保持部に弾性力が生じることにより、嵌合溝の内壁面によって挟持される。また、嵌合溝を通して患部の位置を目視しながら保持部を患部に固定することができるので、エネルギー出力部材を患部に対して正確に密着させることができる。
【0009】
また、本発明に係る治療器は、前記エネルギー出力部材が、前記嵌合溝の内壁面によって前記固定部の延出方向に直交する方向から挟持されることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、固定部の身体への巻き付け時に保持部に生じる弾性力を利用することにより、保持部でエネルギー出力部材を確実に保持することができる。すなわち、固定部から引張り力を受けた保持部は、固定部の延出方向に直交する方向へ縮むように、すなわち対向する内壁面の間隔が狭まるように弾性変形する。そして、この時に保持部に対して固定部の延在方向に直交する方向に作用する弾性力を利用することにより、エネルギー出力部材を内壁面で挟持することができる。
【0011】
また、本発明に係る治療器は、前記保持部における前記嵌合溝の開口縁部に、前記嵌合溝の側へ突出してリブが設けられていることを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、固定部の身体への巻き付けに伴って弾性変形したリブがエネルギー出力部材を上方から押圧することにより、エネルギー出力部材が患部に密着する。また、リブがエネルギー出力部材の上方への移動を規制することにより、エネルギー出力部材の嵌合溝からの脱落が防止される。
【0013】
また、本発明に係る治療器は、前記固定部が、管状の弾性部材であって前記固定部に挿通される一対のチューブ部材と、前記チューブ部材それぞれの長手方向両端部をそれぞれ結束する一対の結束部材と、を備えることを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、長手方向両端部を結束部材で結束することによってループ状にした一方のチューブ部材に対し、同じく長手方向両端部を結束部材で結束した他方のチューブ部材を挿通させ、一方の結束部材と他方の結束部材とを互いに係合させる。これにより、一方のチューブ部材と他方のチューブ部材とを所定の長さ関係で移動不能に位置決めすることにより、保持部を患部に固定させることができる。
【0015】
また、本発明に係る治療器は、前記エネルギー出力部材が、患部に超音波を照射する超音波振動子であることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、エネルギー出力部材である超音波振動子から患部に向かって超音波を照射することにより、患部を治療することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る治療器によれば、エネルギー出力部材を取り外した状態の保持部を、患部に対して正確に位置決めして固定することができる。また、患部に固定した状態の保持部に対し、エネルギー出力部材を容易に取り付けることができる。更に、取り付けられたエネルギー出力部材は保持部によって確実に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る超音波治療器を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る超音波治療器を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る超音波治療器を示す底面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る超音波治療器を示す正面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る超音波治療器を示す右側面図である。
【図6】(a)は図1におけるA−A断面を示す概略断面図、(b)は図1におけるB−B断面を示す概略断面図である。
【図7】(a)は図1におけるC−C断面を示す概略断面図、(b)は図1におけるD−D断面を示す概略断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る超音波治療器の使用状態を示す概略斜視図である。
【図9】(a)は保持部に対して超音波振動子を取り付ける状態を示す概略断面図、(b)は保持部に対して超音波振動子を取り付けた状態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の実施形態に係る超音波治療器の構成について説明する。図1から図5は、本実施形態に係る超音波治療器10の外観を示す図であって、図1は概略斜視図、図2は平面図、図3は底面図、図4は正面図、図5は右側面図である。尚、超音波治療器10の背面図は正面図に同じであって、左側面図は右側面図に同じであるため、ここでは図示を省略する。
【0020】
超音波治療器10は、図1から図5に示すように、超音波を発する超音波振動子11(エネルギー出力部材)と、この超音波振動子11を保持するための保持部12と、この保持部12を不図示の患部に固定するための固定部13と、を備えるものである。
【0021】
(超音波振動子)
超音波振動子11は、図1に示すように、円盤形状に形成され、その底面11aから超音波を照射するように設定されている。この超音波振動子11は、図に詳細は示さないが、リード線を介して外部の超音波発生制御装置に接続されており、その出力レベルが適宜制御される。
【0022】
(保持部)
保持部12は、図1から図5に示すように、平面視で略楕円形状の外形を有し樹脂等からなる部材であって、その中心部を厚み方向に貫通して、保持部12の外形より若干小さい楕円形状の嵌合溝121が形成されている。これにより、保持部12は、平面視で略円環形状を有している。そして、嵌合溝121の開口縁部121aであって前記楕円の短軸方向で相対向する位置には、一対のリブ122が、嵌合溝121の側へ突出してそれぞれ設けられている。また、保持部12における楕円の長軸方向両端部には、一対のチューブ取付穴123が、楕円の短軸方向に貫通してそれぞれ設けられている。
【0023】
ここで、図6は、保持部12の断面形状を示す図であり、(a)は図1におけるA−A断面を示す概略断面図、(b)は図1におけるB−B断面を示す概略断面図である。図6(a)に示すように、保持部12に形成された嵌合溝121は、前記楕円の短軸方向への内径d1が、図1に示す断面略円形の前記超音波振動子11の外径D1より若干大きく形成されている。また、図6(b)に示すように、嵌合溝121の長軸方向への内径d2は、短軸方向への内径d1より大きく形成されている。また、図6(a)に示すように、嵌合溝121の深さF1は、図1に示す超音波振動子11の高さH1と略等しく形成されている。
【0024】
尚、保持部12の材質や外形は、本実施形態に限定されず適宜設計変更が可能である。また、保持部12に形成される嵌合溝121の形状は、超音波振動子11の形状に応じて適宜設計変更が可能である。また、保持部12に設けられるリブ122の形状や、個数や、形成位置等も、本実施形態に限定されず適宜設計変更が可能である。
【0025】
(固定部)
固定部13は、図1から図5に示すように、保持部12から延出する一対のチューブ部材14と、これらチューブ部材14の長手方向先端部をそれぞれ結束する一対の結束部材15と、を有している。
【0026】
チューブ部材14は、図1に示すように、シリコン等の弾性部材からなる管状の部材である。このチューブ部材14の外径D2は、前記保持部12に形成されたチューブ取付穴123の内径d3(図6に示す)より若干小さく形成されている。また、チューブ部材14の長さは、身体の顎部の周囲に巻き付けることが可能な長さに設定されている。このように構成される一対のチューブ部材14は、保持部12のチューブ取付穴123に対してそれぞれ挿通されている。
【0027】
尚、チューブ部材14の材質はシリコンに限定されず、弾性を有する任意の材質を用いることができる。また、チューブ部材14の外径D2は、保持部12のチューブ取付穴123の内径d3に応じて適宜設計変更が可能である。更に、チューブ部材14の長さは、巻き付けるべき身体の部位に応じて適宜設計変更が可能である。また、チューブ部材14は、中実のチューブ状に形成してもよい。しかし、本実施形態のように中空の管状に形成した方が、弾性が増すため身体に巻き付けた時にチューブ部材14の跡が残りにくいという利点や、チューブ部材14の軽量化を図ることができるという利点がある。
【0028】
結束部材15は、図1に示すように、シリコン等の弾性部材からなる略矩形の部材である。この結束部材15は、その中心部を貫通して形成されたチューブ挿通穴151と、このチューブ挿通穴151の貫通方向に向かって両側部をそれぞれ凹ませて形成した一対の把持部152とを有している。
【0029】
ここで、図7は、結束部材15の断面形状を示す図であり、(a)は図1におけるC−C断面を示す概略断面図、(b)は図1におけるD−D断面を示す概略断面図である。結束部材15は、図7(a)に示すように、断面で略楕円形状の外形を有するとともに、その中心部を貫通して形成された前記チューブ挿通穴151も、断面で略楕円形状を有している。そして、このチューブ挿通穴151は、その短軸方向の内径d4が、図1に示すチューブ部材14の外径D2より若干小さく設定されている。従って、このチューブ挿通穴151に対してチューブ部材14を挿通させた時に、図7(a)に示すようにチューブ部材14はチューブ挿通穴151の内部で押し潰された状態となる。これにより、チューブ部材14と結束部材15とが広い面積で接触し、両者の間に大きな摩擦力が作用することにより、チューブ部材14に沿った結束部材15の移動が拘束される。
【0030】
また、チューブ挿通穴151の長軸方向の内径d5は、図1に示すチューブ部材14の外径D2の2倍より大きく設定されている。従って、図7(a)に示すように、チューブ挿通穴151の内部は、その長軸方向にのみ、2本のチューブ部材14を相隣接した状態で収容可能となっている。これにより、チューブ挿通穴151の内部に2本のチューブ部材14を挿通させた時に、これらチューブ部材14は常に長軸方向に隣接する状態で収容され、短軸方向に隣接する状態にはならないため、チューブ部材14同士の絡み合いが生じない。
【0031】
把持部152は、結束部材15を変形させるために把持するための持ち手である。より詳細に説明すると、結束部材15に外力が作用しない状態では、前述のようにチューブ部材14と結束部材15との間に大きな摩擦力が作用することにより、チューブ部材14に沿った結束部材15の移動が拘束されている。一方、一対の把持部152を両側から掴んで押圧すると、図に詳細は示さないが、結束部材15が弾性変形することにより、その短軸方向の内径d4が拡大するとともに長軸方向の内径d5が縮小する。そうすると、結束部材15とチューブ部材14との接触面積が減少することにより、両者の間に作用する摩擦力が低減する。これにより、チューブ部材14に沿って結束部材15を容易に移動させることが可能となる。
【0032】
(使用手順)
次に、本発明の実施形態に係る超音波治療器10の使用手順、及びその作用効果について説明する。図8は、本実施形態に係る超音波治療器10の使用状態を示す概略斜視図である。本実施形態では、インプラント、すなわち欠損或いは外傷を受けた部位に義歯を埋め込む治療を行った後に、義歯と周囲の組織との融合を促進するために超音波治療器10を使用する場合について説明する。
【0033】
使用者は、まず、超音波振動子11が取り付けられていない状態の保持部12を顎部Gに装着する。すなわち使用者は、図8に示すように、インプラントを行った治療すべき患部Kに対して保持部12を密着させる。この時、保持部12には超音波振動子11が未だ取り付けられていないため、使用者は嵌合溝121を通して患部Kの位置を確認しながら、保持部12を患部Kに対して正確に位置決めすることができる。
【0034】
その後、使用者は、保持部12から延出する一対の固定部13を顎部Gの周囲にそれぞれ巻回させる。そして、図8に詳細は示さないが、この一対の固定部13の長さを調整した上で、その先端部同士を固定する。より詳細には、図1に示すように、固定部13を構成するチューブ部材14は、結束部材15によって長手方向先端部が互いに結束されてリング形状をなすことにより、通し穴16が形成されている。使用者は、一方のチューブ部材14の通し穴16に対して、他方のチューブ部材14の先端部を保持部12の底面側から挿通させる。
【0035】
そして使用者は、固定部13の長さを調節する。すなわち、使用者は、チューブ部材14それぞれに沿って結束部材15をそれぞれ移動させる。これにより、チューブ部材14それぞれについて通し穴16の大きさが調節されることにより、固定部13は顎部Gの周囲の長さに応じた長さに調節される。尚、この時、前述のように結束部材15に形成された一対の把持部152を掴んで結束部材15を弾性変形させることにより、チューブ部材14に沿って結束部材15をスムーズに移動させることができる。
【0036】
そして使用者は、固定部13の先端部同士を固定する。すなわち使用者は、一方の固定部13を構成する結束部材15と、他方の固定部13を構成する結束部材15とを互いに係合させる。そうすると、前述のようにこの結束部材15は共にシリコンで形成されているため、両者は摩擦力によって移動不能に固定される。
【0037】
次に使用者は、保持部12に対して超音波振動子11を取り付ける。すなわち使用者は、顎部Gに装着した保持部12の嵌合溝121に対し、超音波振動子11を嵌合させる。ここで、前述のように嵌合溝121の短軸方向への内径d1は、超音波振動子11の外径D1より若干大きく設定されている。しかし、顎部Gに装着された状態における保持部12は、一対の固定部13によって長軸方向に引っ張られ、短軸方向へ縮小することにより、短軸方向への内径d1が超音波振動子11の外径D1より小さくなっている。従って使用者は、保持部12の長軸方向両端部を掴んで、一対の固定部13による引っ張り方向とは逆向きに力を加えることにより、短軸方向へ縮小した保持部12を弾性変形前の元の形状に復元させる。
【0038】
そして使用者は、図9(a)に示すように、短軸方向への内径d1が超音波振動子11の外径D1より若干大きくなった嵌合溝121に対し、超音波振動子11を嵌合させる。この時、嵌合溝121の開口縁部121aには短軸方向に相対向してリブ122が設けられている。従って使用者は、一対のリブ122を外側へそれぞれ撓ませるようにして、超音波振動子11を一対のリブ122の間を通過させる。
【0039】
その後、使用者は、保持部12を掴んだ手を離す。そうすると、固定部13から引張り力が作用する保持部12は、図9(a)に示す状態から短軸方向へ縮小するように弾性変形する。これにより、図9(b)に示すように、嵌合溝121の内壁面が超音波振動子11に密着して押圧力Fをそれぞれ作用させることにより、超音波振動子11を挟持する。これにより、超音波振動子11が保持部12によって確実に保持される。以上により、超音波治療器10の顎部Gへの装着が完了する。
【0040】
その後、使用者は、不図示の超音波発生制御装置を適宜操作することにより、超音波振動子11から患部Kに対して超音波を照射する。これにより、インプラントを行った患部Kにおいて義歯と周囲の組織との融合が促進される。
【0041】
尚、上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ、或いは動作手順等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0042】
例えば、本実施形態では、患部Kを超音波で治療する場合を例に説明したが、患部Kの治療に用いるエネルギーとしては、超音波に代えて電流や電磁波や光等を用いることができる。この場合、本発明に係るエネルギー出力部材としては、本実施形態の超音波振動子11に代えて、電極や電磁波発生源や光源等を用いることができる。
【0043】
また、本実施形態では、インプラントを行った後の顎部Gの治療に超音波治療器10を使用する場合を例に説明したが、これに限られず、四肢の骨折等の治療に超音波治療器10を使用することも可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 超音波治療器
11 超音波振動子
11a 底面
12 保持部
121 嵌合溝
121a 開口縁部
122 リブ
123 チューブ取付穴
13 固定部
14 チューブ部材
15 結束部材
151 チューブ挿通穴
152 把持部
16 通し穴
d1 内径
d2 内径
d3 内径
d4 内径
d5 内径
D1 外径
D2 外径
F 押圧力
F1 深さ
G 顎部
H1 高さ
K 患部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患部を治療するためのエネルギーを出力するエネルギー出力部材と、
該エネルギー出力部材が嵌合される嵌合溝が形成された弾性部材であって、前記エネルギー出力部材を保持する保持部と、
該保持部から延出して設けられ、身体に巻き付けられることにより前記保持部を患部に固定する固定部と、
を備え、
前記嵌合溝の断面形状が、前記エネルギー出力部材の断面形状より大きく形成され、
前記固定部の身体への巻き付け時に、前記保持部が弾性変形することで、前記エネルギー出力部材が前記嵌合溝の内壁面によって挟持されることを特徴とする治療器。
【請求項2】
前記エネルギー出力部材が、前記嵌合溝の内壁面によって前記固定部の延出方向に直交する方向から挟持されることを特徴とする請求項1に記載の治療器。
【請求項3】
前記保持部における前記嵌合溝の開口縁部に、前記嵌合溝の側へ突出してリブが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の治療器。
【請求項4】
前記固定部が、管状の弾性部材であって前記固定部に挿通される一対のチューブ部材と、前記チューブ部材それぞれの長手方向両端部をそれぞれ結束する一対の結束部材と、を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の治療器。
【請求項5】
前記エネルギー出力部材が、患部に超音波を照射する超音波振動子であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の治療器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−111197(P2013−111197A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259503(P2011−259503)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(591032518)伊藤超短波株式会社 (69)
【Fターム(参考)】