説明

治療情報管理システム

【課題】治療情報管理システムにおいて、治療に係る経過観察のために行なわれる検査によって生成される画像情報を取得・表示する際のオペレータの作業性を軽減すること。
【解決手段】患者識別情報及び治療部位情報と、放射線治療の経過を観察するための検査の予定時情報を含む検査オーダ情報を発行する検査オーダ情報発行部11gと、検査オーダ情報に従った検査要求に対する検査の実施時情報を、検査オーダ情報に加入するDB管理部11aと、検査オーダ情報を記憶するオーダ情報DB11Bと、オーダ情報DB11Bに記憶されている検査オーダ情報の中から所要の患者識別情報及び所要の治療部位情報を含む検査オーダ情報を取得するオーダ情報取得部11jと、オーダ情報取得部11jによって取得される検査オーダ情報に含まれる検査の予定時情報又は実施時情報を基に、オーダ情報取得部11jによって取得される検査オーダ情報を時系列に並べて表示する表示装置11Dとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療情報を管理する技術に係り、特に、治療期間情報の範囲内の治療に加え、治療期間情報の範囲内外の治療経過を観察するための検査を実施してその情報を管理する治療情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータの処理速度が向上し、医療の分野において、X線CT(computed tomography)装置、MRI(magnetic resonance imaging)装置、X線診断装置、超音波診断装置、NM(nuclear medicine)装置等の種々の画像診断用のモダリティが出現するに至っている。
【0003】
このように、種々のモダリティが出現するに至ったことに伴い、形成される画像情報も多様化している。生成される画像情報等はそれぞれを比較して診断が行なわれるものであるため、病院等の医療機関内で共通に管理される。
【0004】
医療機関内で取扱われるデータを、各機器や各装置間でやりとりするネットワークとして、例えば、HIS(hospital information system)、RIS(radiology information system)及びPACS(picture archiving and communication system)等が形成されるようになっている。
【0005】
なお、本発明に関連する文献として、以下の文献が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−65688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
個々の放射線治療の治療オーダ情報の発行が治療プラン情報の設定後に治療プラン情報に準じて行なわれるので、RISが有する従来のアプリケーションでは、治療オーダを識別する治療オーダID等を基に治療プラン情報と治療オーダ情報との関連付けを行なうことができる。一方、治療期間情報の範囲内外の治療経過を観察するための検査(診断)の検査オーダ情報(放射線治療計画(シミュレーション)オーダ情報)の発行が治療プラン情報の設定とは別個独立(例えば、治療プラン情報の設定前)に行なわれるので、RISが有する従来のアプリケーションでは、治療プラン情報と検査オーダ情報との関連付けを行なうことがでないという欠点がある。
【0008】
よって、当該放射線治療における治療経過の観察として検査オーダ情報に従った検査によって生成される治療前、治療中及び治療後の画像情報を参照するためには、治療医等のオペレータがPACSにアクセスして、該当患者に係る大量の画像情報の中から目的の画像情報を目視で選択する必要がある。したがって、治療経過の観察に必要な画像情報を参照する手順が煩雑になっている。
【0009】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、治療に係る経過観察のために行なわれる検査によって生成される画像情報を取得・表示する際のオペレータの作業性を軽減することができる治療情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る治療情報管理システムは、上述した課題を解決するために、患者識別情報に該当する患者に対する治療部位情報及び治療期間情報を設定することで、前記患者識別情報、前記治療部位情報及び前記治療期間情報に従う治療プラン識別情報を設定する手段と、前記治療プラン識別情報と、前記治療期間情報の範囲内における放射線治療の予定時情報とを含む治療オーダ情報を記録する手段と、前記治療オーダ情報に従った治療要求に対する治療の実施時情報を、前記治療オーダ情報に含ませる手段と、前記患者識別情報及び前記治療部位情報と、前記放射線治療の経過を観察するための検査の予定時情報を含む検査オーダ情報を記録する手段と、前記検査オーダ情報に従った検査要求に対する検査の実施時情報を、前記検査オーダ情報に含ませる手段と、前記治療オーダ情報及び前記検査オーダ情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記治療オーダ情報の中から所要の患者識別情報及び所要の治療プラン識別情報を含む治療オーダ情報を取得すると共に、前記記憶手段に記憶されている前記検査オーダ情報の中から前記所要の患者識別情報及び所要の治療部位情報を含む検査オーダ情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得される前記治療オーダ情報に含まれる治療の予定時情報又は実施時情報、及び、前記取得手段によって取得される前記検査オーダ情報に対応する画像情報を取得する手段と、前記取得手段によって取得される前記治療オーダ情報に含まれる検査の予定時情報又は実施時情報を基に、前記取得手段によって取得される前記治療オーダ情報及び前記検査オーダ情報を時系列に並べて表示させ、且つ、当該検査オーダ情報に対応する前記画像情報の関連情報を表示させる表示手段と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態の治療情報管理システムと、その周辺システムとを示す概略図。
【図2】治療プラン情報と、治療期間情報の範囲内における個々の治療オーダ情報との関係の一例を示す図。
【図3】治療プラン情報の一例をテーブルとして示す図。
【図4】(a)は、治療の実施前の治療オーダ情報の一例をテーブルとして示す図、(b)は、治療の実施後の治療オーダ情報の一例をテーブルとして示す図。
【図5】(a)は、検査の実施前の検査オーダ情報の一例をテーブルとして示す図、(b)は、検査の実施後の検査オーダ情報の一例をテーブルとして示す図。
【図6】個々の治療オーダ情報と、個々の検査オーダ情報との関係の一例を時系列で示す図。
【図7】患者ID及び治療プラン情報を指定入力するための画面の一例を示す図。
【図8】指定入力される患者ID及び治療プラン情報に基づく治療オーダ情報及び検査オーダ情報を表示するための画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る治療情報管理システムの実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本実施形態の治療情報管理システムと、その周辺システムとを示す概略図である。
【0014】
図1は、HIS10、本実施形態の治療情報管理システム(例えば、RIS)11、放射線治療装置12、検査装置(モダリティ)13及びPACS14を示す。RIS11は、HIS10、放射線治療装置12、検査装置(モダリティ)13及びPACS14とそれぞれ病院基幹のLAN(local area network)等のネットワークによって相互接続されている。
【0015】
HIS10は、多数の患者の受付(総合受付)を行なうとともに、内科や外科等の担当診療科への受付の処理、患者識別情報(患者ID(identification)、氏名、性別、年齢、住所、来院履歴及び治療状況等)の管理、診療費の会計処理を行なっている。
【0016】
放射線治療装置12としては、コンピュータ制御されるコバルト照射装置(γ線)、ガンマナイフ(γ線)、リニアック(X線、電子線)、ノバリス(X線)及びサイバーナイフ(X線)等の装置が挙げられる。放射線治療装置12は、RIS11からの治療要求に従って、患者に治療部位に対して放射線治療を施すと共に、治療の実施時情報等の治療情報をRIS11に送信する。なお、患者の治療部位に対して施す治療は放射線治療に限定されるものではなく、例えば、超音波治療等であってもよい。
【0017】
検査装置13としては、コンピュータ制御されるX線CT装置、MRI装置、X線診断装置、超音波診断装置及びNM装置等が挙げられる。検査装置13は、RIS11からの検査要求に従って、治療部位に関する画像情報を生成すると共に、検査の実施時情報等の検査情報をRIS11に、画像情報をPACS14にそれぞれ送信する。
【0018】
PACS14は、検査装置13によって生成される画像情報を保有する画像情報DB(data base)14Aを備える。また、PACS14は、図示しないCPU(central processing unit)がプログラムを実行することによって、画像情報DB管理部14aとして機能する。
【0019】
画像情報DB管理部14aは、検査装置13からの記録要求に従って、検査装置13によって生成される画像情報の画像情報DB14Aへの記録処理を行なう機能と、RIS11からの読出要求に従って、画像情報DB14Aからの画像情報の読出処理を行なう機能とを有する。
【0020】
RIS11は、図示しないDBサーバの端末と図示しないクライアントの端末とがLAN等のネットワークによって相互接続されている。RIS11のDBサーバの端末は、後述する治療プラン情報を保有する治療プラン情報DB11Aと、後述するオーダ情報(治療オーダ情報及び検査オーダ情報)を保有するオーダ情報DB11Bを備える。一方、クライアントの端末は、入力装置11C及び表示装置11Dを備える。なお、図1には、便宜上、入力装置11Cを3つ示している。
【0021】
また、RIS11は、HIS10、放射線治療装置12、検査装置13及びPACS14等とオンラインで連携して、HIS10から受信する患者識別情報を基にオーダ情報を発行する機能を有する。さらに、RIS11は、オーダ情報としての治療オーダ情報を基に放射線治療装置12による放射線治療の予約、受付及び治療結果の管理等を行なう一方、オーダ情報としての検査オーダ情報を基に検査装置13による検査予約、検査受付、検査結果の管理等を行なう。また、RIS11は、PACS14によって管理される画像情報の表示要求を行なう機能を有する。
【0022】
具体的には、RIS11のDBサーバの端末は、その端末に備える図示しないCPUがプログラムを実行することによって、DB管理部11aとして機能する。
【0023】
DB管理部11aは、クライアントの端末からの要求に従って、後述する治療プラン情報の治療プラン情報DB11Aへの記録や治療プラン情報DB11Aからの治療プラン情報の読出処理を行なう機能と、クライアントの端末からの要求に従って、オーダ情報のオーダ情報DB11Bへの記録・更新処理やオーダ情報DB11Bからのオーダ情報の読出処理を行なう機能とを有する。
【0024】
また、RIS11のクライアントの端末は、その端末に備える図示しないCPUがプログラムを実行することによって、患者識別情報取得部11b、治療プラン情報設定部11c、治療オーダ情報発行部11d、治療要求部11e、治療情報取得部11f、検査オーダ情報発行部11g、検査要求部11h、検査情報取得部11i、オーダ情報取得部11j及び画像情報要求・取得部11kとして機能する。なお、各部11b乃至11kは、1つの端末で機能するものであってもよいし、多数の端末で分担して機能するものであってもよい。
【0025】
患者識別情報取得部11bは、治療プラン情報設定部11cによって治療プラン情報を設定するために、HIS10から患者識別情報、例えば患者IDを取得する機能と、検査オーダ情報発行部11gによって検査オーダ情報を発行するために、HIS10から患者IDを取得する機能とを有する。
【0026】
治療プラン情報設定部11cは、患者識別情報取得部11bによって取得される患者IDに該当する患者に対する治療部位(治療名又は放射線照射部位等)情報及び治療期間情報を設定することで、患者ID、治療部位情報及び治療期間情報を含む治療プラン情報を設定する機能と、設定される治療プラン情報を治療プラン情報DB11Aに記録するようにDB管理部11aに指示する機能とを有する。なお、患者識別情報、治療部位情報及び治療期間情報のうち1つでも異なる治療プラン情報には、異なる治療プラン識別情報、例えば治療プランIDが付される。また、治療プラン情報には、放射線の総線量[cGy]の情報等をさらに含んでもよい。
【0027】
治療オーダ情報発行部11dは、治療プラン情報の設定後に治療プラン情報に準じるように、治療プラン情報設定部11cによって設定される患者ID、治療プランID及び治療部位情報と、入力装置11Cによって入力される種別及び治療期間情報の範囲内における個々の治療の予定時情報とを含む治療オーダ情報を発行する機能と、発行される治療オーダ情報をオーダ情報DB11Bに記録するようにDB管理部11aに指示する機能とを有する。なお、治療オーダ情報には、治療依頼先の放射線治療装置12の情報等をさらに含んでもよい。
【0028】
図2は、治療プラン情報と、治療期間情報の範囲内における個々の治療オーダ情報との関係の一例を示す図である。
【0029】
図2に示すように、治療プラン情報(治療期間:2007.7.2〜2007.7.6)に対して、治療オーダ情報発行部11dによって、その治療期間情報の範囲内に5回の治療が予定されている。なお、図3は、治療プラン情報の一例をテーブルとして示す図であり、図4(a)は、治療の実施前の治療オーダ情報の一例をテーブルとして示す図である。治療オーダ情報の発行は治療プラン情報の設定後に治療プラン情報に準じて行なわれるので、治療オーダ情報には、図4(a)に示すように治療プランIDが含まれている。
【0030】
また、図1に示す治療要求部11eは、放射線治療装置12に、治療オーダ情報発行部11dによって発行される治療オーダ情報に従って、患者の治療部位について治療を要求する機能を有する。
【0031】
治療情報取得部11fは、治療オーダ情報に従った患者の治療部位について治療が実施されると、放射線治療装置12から治療の実施時情報等の治療情報を取得する機能と、取得される治療の実施時情報を、オーダ情報DB11Bに記憶される治療オーダ情報に加入するようにDB管理部11aに指示する機能とを有する。なお、図4(b)は、治療の実施後の治療オーダ情報、すなわち、治療の実施時情報の加入後における治療オーダ情報の一例をテーブルとして示す図である。図4(a)に示すテーブルでは、治療の予定時情報は含まれている一方、未だ治療は実施されていないので、治療の実施時情報は含まれていない。一方、図4(b)に示すテーブルでは、治療の予定時情報が含まれていると共に、治療情報取得部11fによって取得される治療の実施時情報が加入されているので、治療の実施時情報も含まれている(例えば、図4(b)では、治療の予定日と実施日とが一致している。)。
【0032】
また、図1に示す検査オーダ情報発行部11gは、治療プラン情報の設定とは別個独立に、患者識別情報取得部11bによって取得される患者IDと、入力装置11Cによって入力される検査部位情報(治療部位情報)、種別及び個々の検査の予定時情報とを含む検査オーダ情報を発行する機能と、発行される検査オーダ情報をオーダ情報DB11Bに記録するようにDB管理部11aに指示する機能とを有する。なお、検査オーダ情報には、検査依頼先の検査装置13の情報等をさらに含んでもよい。図5(a)は、検査の実施前の検査オーダ情報の一例をテーブルとして示す図である。検査オーダ情報の発行は治療プラン情報の設定とは別個独立に行なわれる場合が多いので、検査オーダ情報には、図5(a)に示すように治療プランIDが不明である。しかし、検査オーダ情報の発行が治療プラン情報の設定後に治療プラン情報に準じて行なわれる場合は、治療オーダ情報と同様に検査オーダ情報に治療プランIDが含まれてもよい。
【0033】
例えば、治療プラン情報設定部11cによる治療プラン情報の設定前に、検査オーダ情報が発行される場合がある。
【0034】
図6は、個々の治療オーダ情報と、個々の検査オーダ情報との関係の一例を時系列で示す図である。
【0035】
図6に示すように、治療プラン情報(治療期間:2007.7.2〜2007.7.6)には、その治療期間情報の範囲内に5つの治療オーダ情報に基づく5回の治療が予定(実施)されている。また、治療前、治療中及び治療後にそれぞれ1回ずつ検査オーダ情報が挿入され、3回の検査が予定(実施)されている。なお、治療前、治療中及び治療後にそれぞれ挿入される検査オーダ情報は、1回ずつに限定されるものではなく、複数回であってもよい。
【0036】
また、図1に示す検査要求部11hは、検査装置13に、検査オーダ情報発行部11gによって発行される検査オーダ情報に従って、患者の治療部位について検査を要求する機能を有する。
【0037】
検査情報取得部11iは、検査オーダ情報に従った患者の治療部位について検査が実施されると、検査装置13から検査の実施時情報等の検査情報を取得する機能と、取得される検査の実施時情報を、オーダ情報DB11Bに記憶される検査オーダ情報に加入するようにDB管理部11aに指示する機能とを有する。なお、図5(b)は、検査の実施後の検査オーダ情報、すなわち、検査の実施時情報の加入後における検査オーダ情報の一例をテーブルとして示す図である。図5(a)に示すテーブルでは、検査の予定時情報は含まれている一方、未だ検査は実施されていないので、検査の実施時情報は含まれていない。一方、図5(b)に示すテーブルでは、検査の予定時情報が含まれていると共に、検査情報取得部11iによって取得される検査の実施時情報が加入されているので、検査の実施時情報も含まれている(例えば、図5(b)では、検査の予定日と実施日とが一致していない。)。
【0038】
また、図1に示すオーダ情報取得部11jは、入力装置11Cを介して所望の患者ID及び治療プラン情報の指定入力が実行されると、DBとして記憶されている治療オーダ情報の中から、指定入力される患者ID及び治療プラン情報を含む治療オーダ情報を取得するようにDB管理部11aに指示する機能を有する。
【0039】
図7は、患者ID及び治療プラン情報を指定入力するための画面の一例を示す図である。
【0040】
オペレータは、表示装置11Dを介して図7に示すように表示される画面の入力ボックス(図7に示す画面の左上)に、入力装置11Cを用いて患者ID『AB1234』を入力して『検索』をクリックする。そのクリックによって、オーダ情報取得部11jは、オーダ情報DB11Bから患者ID『AB1234』と、種別『治療』とを共に含む治療オーダ情報を取得するようにDB管理部11aに指示する。そして、オーダ情報取得部11jは、取得される治療オーダ情報に含まれる治療プラン情報を全て表示装置11Dを介して表示する(図7に示す画面の右上)。例えば、図7では、患者ID『AB1234』であり、治療プランID『XY987』、『XY786』に係る2つの治療プラン情報を表示する場合を示している。
【0041】
また、オペレータは、表示装置11Dを介して図7に示すように表示される画面上のプルダウンメニューから、入力装置11Cを用いて2つの治療プラン情報のうち1つの治療プラン情報を選択する。1つの治療プラン情報、例えば治療プランID『XY9876』が選択されると、オーダ情報取得部11jは、治療プランID『XY9876』を含む治療オーダ情報を取得する。また、全ての治療プラン情報を表示してもよい。
【0042】
一方、1つの治療プラン情報、例えば治療プランID『XY9876』が選択されると、オーダ情報取得部11jは、オーダ情報DB11Bから患者ID『AB1234』と、治療部位情報『下咽頭』と、種別『検査』とを共に含む検査オーダ情報を取得するようにDB管理部11aに指示する。
【0043】
表示装置11Dは、オーダ情報取得部11jによって取得される異なる情報である治療オーダ情報及び検査オーダ情報を、治療オーダ情報に含まれる治療の予定時情報又は実施時情報、及び、検査オーダ情報に含まれる検査の予定時情報又は実施時情報を基に、時系列に並べて表示する。
【0044】
図8は、指定入力される患者ID及び治療プラン情報に基づく治療オーダ情報及び検査オーダ情報を表示するための画面の一例を示す図である。
【0045】
図8に示すように、5回の治療の予定(実施)に対して、3回の検査の予定(実施)が加入されて表示されている。ここで、第1の検査オーダ情報に基づく第1の検査は、治療期間以前に予定(実施)されているので、『治療前検査』と表示されてもよい。第2の検査オーダ情報に基づく第2の検査は、治療期間情報の範囲内に予定(実施)されているので、『治療中検査』と表示されてもよい。また、第3の検査オーダ情報に基づく第3の検査は、治療期間以後に予定(実施)されているので、『治療後検査』と表示されてもよい。
【0046】
図8に示すように、オーダ情報取得部11jによって取得される治療オーダ情報及び検査オーダ情報を時系列に並べて表示することで、各検査が治療前検査なのか、治療中検査なのか、又は、治療後検査なのかについて容易に識別できる。
【0047】
なお、図8の画面の最右上に示すように、治療オーダ情報及び検査オーダ情報の表示が表示時『2007.7.3,18:00』に行なわれているので、表示時以前の治療及び検査は『実施』されている一方、表示時以後の治療及び検査は『予定』されているままである。よって、表示時以前の治療に関する治療オーダ情報(図8中の第1及び第2の治療)には、予定時情報及び実施時情報が共に含まれているが、その場合、実施時情報を基に時系列表示を行なうものとする。同様に、表示時以前の検査に関する検査オーダ情報(図8中の第1及び第2の検査)には、予定時情報及び実施時情報が共に含まれているが、その場合、実施時情報を基に時系列表示を行なうものとする。
【0048】
また、図1に示す画像情報要求・取得部11kは、オーダ情報取得部11jによって取得される検査オーダ情報に対応する画像情報をPACS14に要求して取得する機能と、取得される画像情報を表示装置11Dを介して表示する機能とを有する。具体的には、オペレータは、入力装置11Cを用いて、図8に示す画面上に並べられる検査オーダ情報の位置に設けられる『ビューア』をクリックする。よって、本実施形態では、PACS14から、所望の患者IDに係る全ての検査オーダ情報に対応する画像情報を取得するのではなく、オーダ情報取得部11jによって取得される所望の患者ID及び治療部位情報に係る検査オーダ情報に対応する画像情報のみを取得できるので、取得後の画像情報の選別の手間が省ける。
【0049】
本実施形態の治療情報管理システム11によると、従来のDBを利用して表示側のアプリケーションを変更するのみで、治療オーダ情報を参照する際、多数の画像情報の中から当該治療に係る経過観察のために行なわれる検査によって生成される画像情報を正確に効率よく取得・表示することができる。よって、本実施形態の治療情報管理システム11によると、治療に係る経過観察のために行なわれる検査によって生成される画像情報を取得・表示する際のオペレータの作業性を軽減することができる。
【符号の説明】
【0050】
10 HIS
11 RIS
11A 治療プラン情報DB
11B オーダ情報DB
11a DB管理部
11b 患者識別情報取得部
11c 治療プラン情報設定部
11d 治療オーダ情報発行部
11e 治療要求部
11f 治療情報取得部
11g 検査オーダ情報発行部
11h 検査要求部
11i 検査情報取得部
11j オーダ情報取得部
11k 画像情報要求・取得部
12 放射線治療装置
13 検査装置
14 PACS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者識別情報に該当する患者に対する治療部位情報及び治療期間情報を設定することで、前記患者識別情報、前記治療部位情報及び前記治療期間情報に従う治療プラン識別情報を設定する手段と、
前記治療プラン識別情報と、前記治療期間情報の範囲内における放射線治療の予定時情報とを含む治療オーダ情報を記録する手段と、
前記治療オーダ情報に従った治療要求に対する治療の実施時情報を、前記治療オーダ情報に含ませる手段と、
前記患者識別情報及び前記治療部位情報と、前記放射線治療の経過を観察するための検査の予定時情報を含む検査オーダ情報を記録する手段と、
前記検査オーダ情報に従った検査要求に対する検査の実施時情報を、前記検査オーダ情報に含ませる手段と、
前記治療オーダ情報及び前記検査オーダ情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記治療オーダ情報の中から所要の患者識別情報及び所要の治療プラン識別情報を含む治療オーダ情報を取得すると共に、前記記憶手段に記憶されている前記検査オーダ情報の中から前記所要の患者識別情報及び所要の治療部位情報を含む検査オーダ情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得される前記治療オーダ情報に含まれる治療の予定時情報又は実施時情報、及び、前記取得手段によって取得される前記検査オーダ情報に対応する画像情報を取得する手段と、
前記取得手段によって取得される前記治療オーダ情報に含まれる検査の予定時情報又は実施時情報を基に、前記取得手段によって取得される前記治療オーダ情報及び前記検査オーダ情報を時系列に並べて表示させ、且つ、当該検査オーダ情報に対応する前記画像情報の関連情報を表示させる表示手段と、
を有することを特徴とする治療情報管理システム。
【請求項2】
前記検査オーダ情報は、X線CT装置、MRI装置、X線診断装置、超音波診断装置及びNM装置のうち少なくとも1つを用いる検査に関する情報であることを特徴とする請求項1に記載の治療情報管理システム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記治療オーダ情報に前記治療の予定時情報及び実施時情報が共に含まれる場合は前記治療の実施時情報に、前記検査オーダ情報に検査の予定時情報及び実施時情報が共に含まれる場合は前記検査の実施時情報にそれぞれ基づいて、前記取得手段によって取得される前記検査オーダ情報、又は、前記治療オーダ情報及び前記検査オーダ情報を時系列に並べて表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の治療情報管理システム。
【請求項4】
HIS(hospital information system)によって設定される前記患者識別情報を、当該HISより受信する手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の治療情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−16204(P2013−16204A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−224417(P2012−224417)
【出願日】平成24年10月9日(2012.10.9)
【分割の表示】特願2008−94869(P2008−94869)の分割
【原出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】