説明

治療手段に対する腫瘍疾患の応答を予測するための方法

本発明は、治療手段に対する、固形上皮腫瘍により引き起こされる腫瘍疾患の、患者における応答を予測するための方法であって、患者の体液からの上皮腫瘍細胞をそれぞれの場合において細胞培養培地中に取り込み、腫瘍細胞を含む細胞培養培地の試料からの腫瘍細胞を治療手段に曝露し、腫瘍細胞を含む細胞培養培地の対照試料からの腫瘍細胞には処置を施さないままとし、そして上皮腫瘍細胞の総計数における瀕死のおよび死滅した上皮腫瘍細胞の割合を試料および対照試料それぞれに対して決定し、応答の手段としての治療手段により引き起こされる上皮腫瘍細胞の瀕死率を決定するために用いる、前記方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形上皮腫瘍により引き起こされる、患者における腫瘍疾患の治療手段に対する応答を予測するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固形腫瘍は、その細胞が細胞集団において増殖し、固形で局所的に制限される組織を形成する腫瘍を意味すると理解されている。細胞がかかる腫瘍から離れ、血液またはリンパを介して体内に分配されると知られている。
【0003】
さらに、腫瘍は、治療手段、例えば化学療法または放射線治療などに対し、異なる感受性を有すると知られている。化学療法の場面において投与される、細胞増殖抑制剤(cytostatics)としてもまた知られる、増殖抑制化学療法剤に対する癌細胞の感受性は、化学療法感受性(chemosensitivity)と言及される。化学療法の成功は、とりわけ、癌細胞の化学療法感受性に依存する。例えば、腫瘍細胞の遺伝因子(hereditary material)の修飾を介して作用するアルキル化剤(alkylant)の群由来の細胞抑制剤に対する化学療法感受性は、腫瘍細胞におけるDNA修復酵素の活性化の結果として低下し得る。同様に、細胞抑制剤の細胞内部への輸送の低下、細胞抑制剤の不活化あるいは活性媒介受容体(activity-mediating receptors)の発現欠失の結果として、腫瘍細胞の化学療法感受性は低下し得る。腫瘍細胞の化学療法感受性が低下すると、治療の失敗につながり得る。
【0004】
それぞれの患者は、その遺伝的背景および腫瘍内のサブクローンの成長の結果として、ある化学療法剤に対して個々に反応すると考えられている。患者に対して最も効率的な化学療法剤を決定するために、現行の手順では、腫瘍を処置する前に、まずタンパク質分解活性を有する酵素で組織部分の腫瘍組織を消化させることにより、腫瘍組織部分から細胞を得る。そして、腫瘍組織から得られ、長期間にわたって培養された細胞の、さまざまな化学療法剤に対する化学療法感受性をin vitroで決定する。この目的を達成するために、培養細胞が特定の化学療法剤存在下で増殖するかどうか、またはそれらが後者の存在下で死滅するかどうかを試験する。手順は主として、患者が、この患者に対して活性がない、または乏しいだけである化学療法剤で治療されることを防ぐことを意図する。
【0005】
血液系腫瘍に対するin-vitro化学療法感受性試験は、Bird, M.C. et al., Leuk. Res. 1986, 10(4); 445-449から公知である。ここで、白血球が血液からまたは骨髄から単離され、治療剤に曝露され、そして4日間培養される。生細胞が形態学的に同定される、生細胞および死細胞の分染により、治療剤による腫瘍細胞の破壊が決定される。この方法の不利な点は、血液腫瘍の化学療法感受性試験のみに好適なことである。
【0006】
Pachmann, K. et al., J. Clin. Oncol. 2008, 26:1208-1215から、補助化学療法を受ける女性患者において再発する乳癌の危険性を、化学療法の間およびその終わりに、血液中を循環する上皮腫瘍細胞(CETCs)の数を決定することにより、ある程度の確率で予測できることが公知である。CTECsの数の増加は、血液循環へと細胞を放出する、すでに増殖している転移のためであると考えられる。CETCsの数をモニタリングすることは、治療をモニタリングするための有益な手段であると考えられる。
【0007】
Veneziani, B.M. et al., Mol. Cancer Ther. 2007, 6(12), 3091〜3099頁から、固形上皮腫瘍から組織を除去し、間質細胞および上皮細胞を単離し、そしてこれらの細胞を少なくとも15日間共培養することが公知である。細胞を継代させたのちに、後者をさまざまな治療剤に曝露し、腫瘍細胞増殖の阻害を調査し、そして治療剤の効率に関する指標を得る。この方法の不利な点は、実行に比較的長い時間がかかる。
【発明の概要】
【0008】
迅速に実行でき、そして、固形上皮腫瘍により引き起こされる腫瘍疾患に対する治療手段を実行する前に、腫瘍がかかる治療手段に対して感受性であるかどうかを予測できるようにするような代替手段を提供することが本発明の目的である。
【0009】
本目的は、請求項1に記載の方法により達成される。適合する構成が請求項2〜11の特徴から見ることができる。
【0010】
本発明により、患者において固形上皮腫瘍により引き起こされる腫瘍疾患の治療手段に対する応答を予測するための方法であって、患者の体液からの上皮腫瘍細胞が、それぞれの場合において、細胞培養培地中に取り込まれる前記方法が提供される。体液中に存在する上皮腫瘍細胞は、固形腫瘍から分離される細胞である。
【0011】
細胞培養培地は、細胞培養物中で腫瘍細胞の生存能力を保持する培地である。多数のかかる培地、例えばHam’s F12またはRPMIなどが公知である。好ましくは、細胞培養培地は、いかなる添加の増殖因子、あるいは増殖因子を含むいかなる血清、例えばウシ胎仔血清などをも含まない。これは、腫瘍細胞は、他の細胞とは対照的に、生存および/または増殖のためにいかなる外部の増殖因子をも必要としないため、存在し得る他の任意の細胞に対する上皮腫瘍細胞の選別がなされる。
【0012】
かかる方法において、腫瘍細胞を含む細胞培養培地の試料からの腫瘍細胞は治療手段へと曝露され、一方で腫瘍細胞を含む細胞培養培地の対照試料からの腫瘍細胞は処置しないままとする。そして、上皮腫瘍細胞の総計における瀕死の(dying-off)および死滅した(dead)上皮腫瘍細胞の割合を、試料および対照試料それぞれに対して決定し、そして応答手段としての治療手段により引き起こされる上皮腫瘍細胞の瀕死率(dying-off rate)を決定するために用いる。瀕死のおよび死滅した上皮腫瘍細胞の割合はまた、上皮腫瘍細胞の総計数における生存している(live)および瀕死でない(non-dying-off)上皮腫瘍細胞の割合を決定し、そして総計数に対応する総計(100%または1)からそれを減算することにより、間接的に決定することができる。瀕死のおよび死滅したおよび/または生存しているおよび瀕死でない上皮腫瘍細胞の割合は、サイトメトリー法または画像分析法を使って決定することができる。
【0013】
治療手段により引き起こされる上皮腫瘍細胞の瀕死率は、試料中における瀕死のおよび死滅した上皮腫瘍細胞の割合から対照試料中における瀕死のおよび死滅した上皮腫瘍細胞の割合を減算することにより決定する。瀕死率は、時間の関数としておよび/または化学療法剤の濃度または治療手段、例えば照射などの強度の関数として決定することができる。
【0014】
患者の曝露に関するおよび方法の迅速な実行に関する大きく有利な点は、方法の実行が固形上皮腫瘍から除去されるべきいかなる材料をも要しないということである。
【0015】
さらに、本発明の方法は、治療手段に曝露される前に、上皮腫瘍細胞の培養を要しない。腫瘍細胞は、細胞培養培地に取り込まれたのちに直接、治療手段へと曝露されることができる。
【0016】
1時間〜数日、とくに2時間、3時間、1日、2日または3日の期間が、治療手段と上皮腫瘍細胞の総計数における瀕死のおよび死滅した上皮腫瘍細胞の割合の決定の間に経過してもよい。この時間間隔の間に、腫瘍細胞を、治療手段なしに細胞培養培地において腫瘍細胞が生存できるようにする慣用の細胞培養条件下に保つ。通常、かかる細胞培養条件は、5%〜10%のCO含量および37℃の温度を含む。細胞培養培地は、好ましくは、いかなる添加の増殖因子をも含まず、および好ましくは増殖因子を含む血清は添加されない。
【0017】
本発明者らは、患者の体液に存在する固形上皮腫瘍細胞の治療手段に対する反応が、治療手段に対するこの腫瘍により引き起こされる腫瘍疾患の応答を予測するために好適であるということを見い出した。体液に存在する腫瘍細胞のほとんどは腫瘍の他の細胞に関連して増殖する能力を喪失しているため、体液中に存在するということが今までに想定されていたため、これは驚くべきことである。それゆえ、それらは固形腫瘍を示すものではないと想定された。しかし、本発明者らは、体液に存在する上皮腫瘍細胞は、細胞集団内で再び定着しそして増殖できるように、変化を受けることができることを見い出した。それゆえそれらは、頻繁に生命を脅かす転移の形成において決定的役割を果たす。
【0018】
腫瘍疾患はまた、原発腫瘍の完全除去後の転移の形態で、微少残存病変のまたは腫瘍疾患の再発の形態をとり得る。上皮腫瘍細胞は、しばしば、固形上皮原発腫瘍の除去の数年後でさえ、体液中になおもまた存在し得る。かかる場合において、Veneziani et al.により記載されるように、固形腫瘍から組織を除去することはそもそも不可能である。
【0019】
本発明の方法は、治療の開始時に、患者の固形腫瘍からの組織試料を取り出すことなく、想定される治療手段が腫瘍疾患の治療に好適であるかどうかを試験できるようにする。それは、問題の患者の応答が最良である治療手段を用いる個々の患者特定の治療を許容する。同時に、本発明の方法は、この患者に対し、活性を有しないか、またはごくわずかにしか有さず、多数の副作用を有する高価な治療により、患者が処置されることを避けることを可能とする。本発明の方法は、個々の患者に個々に有利であるだけでなく、医療制度において費用の節約を可能とする。
【0020】
本発明の方法は、上皮腫瘍細胞に特有な濃縮法を用いることなく、例えば抗体被覆磁性粒子により成し遂げられる。これにより、さまざまな細胞に対して異なる、または不完全な、濃縮法の結果として決定される瀕死率の歪曲が排除される。さらに、本発明の方法は、腫瘍細胞の性質を変化させ得る酵素消化により腫瘍組織から単離される細胞を用いることなく、および化学療法感受性試験において以前は慣習的であった腫瘍細胞の長期培養をすることなく成し遂げられる。例えば治療手段に対する腫瘍細胞の感度などの特性は、長期培養の間に変化し得る。それゆえ、細胞の単離および長期培養により、結果の歪曲が生じ得る。対照的に、本発明の方法は、治療手段に対する腫瘍の感受性が、体液から得られる上皮腫瘍細胞に対して特異的におよび選択的に決定されるようにできる。
【0021】
それゆえ、本発明の方法は、例えばVeneziani et al.から公知の方法よりもかなり迅速に実行でき、そしてより迅速に結果を導き出す。治療手段に曝露させる前に、患者から固形上皮腫瘍の組織を除去すること、またはそこから得られる細胞を培養することが不要である。本発明の方法においては、治療手段の有効性を評価するための増殖阻害を決定することが不要であるため、細胞を治療手段に曝露させたあとの細胞増殖を要しない。
【0022】
体液は、血液、腹水、リンパ、胸膜滲出液、液体(liquor)または尿の形態を取ってもよい。本文脈において上皮腫瘍細胞は、とくに、血液において生じる、循環上皮腫瘍細胞(CETCs)であってもよい。
【0023】
周囲の体液よりも比重が高いということをもっぱらうまく利用し、安定させるようにすることにより、または遠心分離により、培養培地に取り込む前に腫瘍細胞を濃縮してもよい。体液が血液の形態を取る場合、腫瘍細胞が濃縮される前に、存在する赤血球細胞を溶解してもよい。このようにすることにより、のちの時点において、とくに画像解析による上皮腫瘍細胞の光学的同定を容易にする。
【0024】
上皮腫瘍細胞を体液に存在する他の細胞から区別するために、前者を、腫瘍細胞を特異的に標識する物質、とくに上皮細胞に特異性を有する抗体に接触させてもよい。抗体は、例えば、ヒト上皮抗原、例えばモノクローナル抗体HEA−125を認識する抗体の形態をとってもよい。HEAとしてまたはCD326としてもまた言及されるヒト上皮抗原は、血液細胞上において発生しない。上皮細胞は通常は体液中に存在しないため、上皮細胞を特異的に標識する抗体、とくに染色抗体は、前者を上皮腫瘍細胞として同定するに十分である。腫瘍細胞を特異的に標識する物質は、上皮腫瘍細胞の生存能力に影響を及ぼさないか、または少なくとも本質的には影響を及ぼさない物質である。
【0025】
瀕死のおよび死滅した上皮腫瘍細胞ならびに/あるいは生存しているおよび瀕死でない腫瘍細胞を同定するために、瀕死のおよび/または死滅した細胞を特異的に指示する第1の指示薬、特にヨウ化プロピジウム、または生存している細胞を特異的に同定する第2の指示薬を、上皮腫瘍細胞に添加してもよい。ヨウ化プロピジウムを添加すると、生存している細胞はその細胞膜が損傷を受けていないおかげで染色されずにいるが、一方死滅したまたは瀕死の細胞は、かかる細胞にヨウ化プロピジウムが入るため、ヨウ化プロピジウムにより染色される。
【0026】
治療手段は照射または熱への曝露、あるいは細胞増殖抑制剤、とくに5−フルオロウラシルと、あるいは腫瘍を対象とする任意の他の治療剤と接触させることを含んでもよい。固形上皮腫瘍は、乳癌のまたは気管支癌の形態を取り得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は異なる培養時間後の異なる濃度の細胞増殖抑制剤5−フルオロウラシルに対する典型的なグラフである。
【0028】
本発明は本明細書中において、使用例および図1を参照にして説明される。
【0029】
図1は、5−フルオロウラシルとの培養およびヨウ化プロピジウムでの染色後の、ヒト上皮抗原(HEA)を有する細胞の瀕死率を、用いられる5−フルオロウラシルの濃度および培養時間の関数として示す。
【0030】
抗凝固剤としてのEDTAで処置された3mlの血液を、赤血球細胞に対する30mlの塩化アンモニウム溶解試薬(Qiagen, 40724 Hilden, Germany)で処置し、そして8〜12℃で10分間培養する。白血球と上皮腫瘍細胞は、7分間の700 x gでの遠心分離により沈降させる。溶解する赤血球細胞を含む上清をデカント分離させたのち、沈殿を50mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に再懸濁させ、700 x gで7分間、再び遠心分離する。そののちに、1mMのL−グルタミン、100単位/mlのペニシリン、100単位/mlのストレプトマイシン、50μg/mlのゲンタマイシンおよび1μg/mlのファンギゾン(=アンフォテリシンB)を添加する300μlのフェノールレッドを含まないHam’s F12培地、pH7.4中に取り込む。
【0031】
残存する血液細胞から腫瘍細胞を区別するために、30μlのすぐに使えるよう予め希釈された蛍光色素標識抗体、抗CD326−FITC(Miltenyi Biotec GmbH, 51429 Bergisch Gladbach, Germany)を細胞懸濁液に添加し、混合物を暗所で15分間、室温で培養する。そののちに、6mlのHam’s F12培地を上記の組成物とともに添加し、細胞を懸濁させる。それぞれの場合において、対照試料用の100μlのPBSまたは5ng/ml、50ng/mlおよび500ng/mlの濃度の試験治療剤5−フルオロウラシル(Medac Gesellschaft fuer klinische Spezialpraeparate mbH, Theaterstr. 6, 22880 Wedel, Germany)を含む100μlのPBSを、マイクロタイタープレートのウェル中に配置する。さらに、それぞれの場合において、10μlの5μg/mlのヨウ化プロピジウム溶液を添加し、死滅した細胞に対する指示薬として作用させる。そののちに、それぞれの場合において、100μlの細胞懸濁液を添加する。
【0032】
それぞれのウェルに存在する細胞懸濁液を、培養の開始時に、および1時間、3時間、24時間、48時間および72時間後に、サイトメトリーにより解析する。そのようにして、比容量において存在する合計の腫瘍細胞の数、および存在する合計の瀕死のおよび死滅した腫瘍細胞、つまりヨウ化プロピジウムにより細胞内に染色される腫瘍細胞の割合を、それぞれに場合において決定する。そののちに、対照試料に対して決定される死滅した細胞の割合を、それぞれの試料に対して決定される死滅した細胞の割合から減算し、そのようにして、治療剤が原因となり得る腫瘍細胞の時間および濃度依存性の瀕死率を決定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療手段に対する、固形上皮腫瘍により引き起こされる腫瘍疾患の、患者における応答を予測するための方法であって、患者の体液からの上皮腫瘍細胞をそれぞれの場合において細胞培養培地中に取り込み、腫瘍細胞を含む細胞培養培地の試料からの腫瘍細胞を治療手段に曝露し、腫瘍細胞を含む細胞培養培地の対照試料からの腫瘍細胞には処置を施さないままとし、そして上皮腫瘍細胞の総計数における瀕死のおよび死滅した上皮腫瘍細胞の割合を試料および対照試料それぞれに対して決定し、応答の手段としての治療手段により引き起こされる上皮腫瘍細胞の瀕死率を決定するために用いる、前記方法。
【請求項2】
1時間〜3日間、とくに2時間〜1日の時間間隔が、治療手段と、上皮腫瘍細胞の総計数における瀕死のおよび死滅した上皮腫瘍細胞の割合の決定との間に経過する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
時間間隔の間において、腫瘍細胞を、細胞培養培地中で、治療手段なしでの腫瘍細胞の生存を許容する細胞培養条件下に保持する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
体液が、血液、腹水、リンパ、胸膜滲出液、液体または尿である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
上皮腫瘍細胞が循環上皮腫瘍細胞(CETCs)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
腫瘍細胞を、培養培地中に取り込む前に、比重が周囲の体液のものよりも高いということを利用して、とくに安定させることにより、または遠心分離により濃縮する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
体液が血液であり、腫瘍細胞を濃縮する前にそこに存在する赤血球細胞を溶解させる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上皮腫瘍細胞を、腫瘍細胞を特異的に標識する物質と、とくに上皮細胞に対する特異性を有する抗体と接触させ、上皮腫瘍細胞を体液に存在する他の細胞から区別する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
瀕死のおよび/または死滅した細胞を特異的に指示する第1の指示薬、とくにヨウ化プロピジウム、または生存している細胞を特異的に指示する第2の指示薬を、上皮腫瘍細胞へと添加する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
治療手段が、放射線または熱への照射、あるいは細胞増殖抑制剤、とくに5−フルオロウラシルと、または腫瘍を対象とする任意の他の治療剤と接触させることを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
腫瘍が乳癌または気管支癌である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−511968(P2013−511968A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540434(P2012−540434)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068235
【国際公開番号】WO2011/064308
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(512136204)
【出願人】(512136226)
【Fターム(参考)】