説明

治療方法及び組成物

【課題】腫瘍及び繊維形成性疾患において、繊維形成と、繊維芽細胞の活性化とを減少させる方法及び組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る方法は、細胞外酵素リシルオキシダーゼLike2の活性を阻害することによって、腫瘍環境を調節する。本発明に係る方法は、腫瘍の成長を減少させること、腫瘍の細胞の増殖を減少させること、繊維芽細胞の活性化を減少させること、線維形成を減少させること、コラーゲン沈着を阻害すること、腫瘍の壊死及び核凝縮を増加させることに有効である。LOXL2活性の阻害剤の例は、抗体及びsiRNAである。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍環境における繊維芽細胞の活性化を阻害する方法であって、
リシルオキシダーゼlike2(LOXL2)の活性を阻害することを含む方法。
【請求項2】
前記繊維芽細胞の活性化が、トランスフォーミング成長因子−β(TGF−β)のシグナリングによって媒介されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
LOXL2の活性の阻害が、細胞外マトリックスの組織非形成をもたらすことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
細胞外マトリックスの組織非形成が、腫瘍ストロマ内の細胞の細胞骨格の崩壊をもたらすことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記繊維芽細胞が腫瘍関連性繊維芽細胞(TAFs)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
繊維芽細胞が筋繊維芽細胞であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
腫瘍環境における繊維形成を阻害する方法であって、リシルオキシダーゼlike2(LOXL2)の活性を阻害することを含む方法。
【請求項8】
腫瘍が転移性腫瘍であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
腫瘍環境における血管形成を阻害する方法であって、リシルオキシダーゼlike2(LOXL2)の活性を阻害することを含む方法。
【請求項10】
前記血管形成が、腫瘍環境への血管細胞又は血管前駆細胞の増殖(リクルートメント)を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記血管形成が、血管の枝状化を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記血管形成が、血管の長さの増加を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記血管形成が、血管の本数の増加を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
腫瘍ストロマ内の腫瘍関連性繊維芽細胞(TAFs)の細胞数を減少させるための方法であって、リシルオキシダーゼlike2(LOXL2)の活性を阻害することを含む方法。
【請求項15】
腫瘍環境におけるコラーゲン沈着を阻害する方法であって、
リシルオキシダーゼlike2(LOXL2)の活性を阻害することを含む方法。
【請求項16】
腫瘍環境を調節する方法であって、
リシルオキシダーゼlike2(LOXL2)の活性を阻害することを含む方法。
【請求項17】
前記調節が、繊維形成の減少を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記調節が、腫瘍関連性繊維芽細胞(TAFs)の細胞数の減少を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記調節が、筋繊維芽細胞の細胞数の減少を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記調節が、細胞の細胞骨格のリモデリング(再構築)を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記細胞が、腫瘍細胞であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記細胞が、繊維芽細胞であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記細胞が、内皮細胞であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記調節が、腫瘍血管系の減少を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記調節が、コラーゲン生成の減少を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項26】
前記調節が、繊維芽細胞の活性化の減少を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項27】
前記調節が、腫瘍環境への繊維芽細胞の増殖(リクルートメント)の阻害を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項28】
ストロマ成分をコードする遺伝子の発現の減少を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項29】
前記ストロマ成分が、α−平滑筋アクチン、タイプIコラーゲン、ビメンチン、マトリックスメタロプロテアーゼ9及びフィブロネクチンから成る群から選択されることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
腫瘍環境における成長因子の生成を調節する方法であって、リシルオキシダーゼlike2(LOXL2)の活性を阻害することを含む方法。
【請求項31】
成長因子が、血管内皮成長因子(VEGF)及びストロマ細胞由来因子1(SDF−1)から成る群から選択されることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
腫瘍の壊死を増加させる方法であって、
リシルオキシダーゼlike2(LOXL2)の活性を阻害することを含む方法。
【請求項33】
腫瘍における核凝縮を増加させる方法であって、
リシルオキシダーゼlike2(LOXL2)の活性を阻害することを含む方法。
【請求項34】
LOXL2の活性が、抗LOXL2抗体を使用して阻害されることを特徴とする請求項1、7、9、14、15、16、30、32又は33の何れか1項に記載の方法。
【請求項35】
抗体が、配列番号1に記載された重鎖配列及び配列番号2に記載された軽鎖配列を含むことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
抗体が、ヒトに適合化させた抗体(ヒト化抗体)であることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項37】
抗体が、配列番号3に記載された重鎖配列及び配列番号4に記載された軽鎖配列を含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
LOXL2の活性が、核酸を使用して阻害されることを特徴とする 請求項1、7、9、14、15、16、30、32又は33の何れか1項に記載の方法。
【請求項39】
核酸が、siRNAであることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
LOXL2の阻害剤を同定する方法であって、
腫瘍環境を調節する能力について、テスト分子を分析することを含む方法。
【請求項41】
前記調節が、繊維形成の減少を含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記調節が、腫瘍関連性繊維芽細胞(TAFs)の細胞数の減少を含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記調節が、筋繊維芽細胞の細胞数の減少を含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記調節が、細胞の細胞骨格のリモデリングを含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記細胞が、腫瘍細胞であることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記細胞が、繊維芽細胞であることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記細胞が、内皮細胞であることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記調節が、腫瘍血管系の減少を含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項49】
腫瘍血管系の減少が、CD31、及び/又は、血管内皮成長因子(VEGF)のレベルの減少によって証明されることを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記調節が、コラーゲン生成の減少、及び/又は、コラーゲンクロスリンキングの度合いの減少を含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項51】
前記調節が、繊維芽細胞の活性化の減少を含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項52】
前記調節が、腫瘍環境への繊維芽細胞の増殖(リクルートメント)の阻害を含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項53】
ストロマ成分をコードする遺伝子の発現の減少を含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項54】
ストロマ成分が、α−平滑筋アクチン、タイプIコラーゲン、ビメンチン、マトリックスメタロプロテアーゼ9及びフィブロネクチンから成る群から選択されることを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記調節が、腫瘍環境における ストロマ細胞由来因子1(SDF−1)のレベルの減少を含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項56】
前記調節が、腫瘍の細胞における、壊死及び/又は核凝縮の発生率の増加を含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項57】
テスト分子が、分子量1kD未満の小(Small)有機分子であることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項58】
テスト分子が、ポリペプチドであることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項59】
ポリペプチドが、抗体であることを特徴とする請求項58に記載の方法。
【請求項60】
テスト分子が、核酸であることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項61】
核酸が、siRNAであることを特徴とする請求項60に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−502437(P2013−502437A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525749(P2012−525749)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/046248
【国際公開番号】WO2011/022710
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(512043588)ギリアド バイオロジクス,インク. (7)
【氏名又は名称原語表記】GILEAD BIOLOGICS,INC.
【Fターム(参考)】