説明

治療用グアニジン類

【課題】治療的に有用である置換グアニジン類、ならびにそのようなグアニジン類1種以上を利用するか含む治療方法および医薬組成物の提供。
【解決手段】4−(4−sec−ブチルフェニル)−N−ベンジルグアニジン等で例示される式Iで示される化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本出願は、本明細書に引用例として含める同時係属中の米国特許出願第08/191,793号の一部継続出願である。
【0002】
1.発明の分野
本発明は、特定の置換グアニジン類、ならびにそのようなグアニジン類1種以上を用いる治療方法、およびそのようなグアニジン類1種以上を含む医薬組成物に関する。
【0003】
2.背景
成熟した中枢神経系(「CNS」)のニューロンは特異性が高く、一般にそれ自体を補充しない。したがって、神経系における細胞の死または変性は、他の器官における細胞の死または変性よりもはるかに深刻な結果をもたらしかねない。ニューロンの異常な死は、外傷性の脳傷害の場合のように急速かつ広範囲に及ぶこともあるし、慢性的な神経変性性疾患の場合のように、非常に特異的なニューロンの集団の中で、多くの年数をかけて起こることもある。
【0004】
今や、相当に多くの証拠が、病的なニューロン変性の多くの場合における寄与機構として、正常な神経伝達系の悪性の機能亢進を指摘している。特に、脳のもっとも優勢な興奮性アミノ酸(「EAA」)神経伝達物質であるL−グルタミン酸塩のニューロン受容体の過剰な刺激が、いくつかの急性神経障害における誘発要因または悪化要因と認められ、また、多数の慢性神経変性疾病の根源でもあると提されている。Choi, D.W., Neuron., 1:623(1988); Choi, D.W., Cerebrov. and Brain Metab. Rev., 2:105(1990); Albers, G.W.ら, Ann. Neurol., 25:398 (1989) 。実際には、発作、低酸素症、低血糖症および外傷の際に見られるような、神経系に対する急性傷害ならびに慢性変性疾患、たとえばハンチントン病、グルタミン酸デヒドロゲナーゼの欠乏およびグルタミン酸塩異化作用の低下に関連するオリーブ橋小脳萎縮症、筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニウム痴呆、パーキンソン病およびアルツハイマー病にはグルタミン酸塩の神経毒性が関与していると考えられる。Choi, D.W., Neuron, 1:623-634(1988); Choi, D.W., Cereb. Brain Met., Rev. 2:105-147 (1990); Courtierら, Lancet, 341:265-268 (1993); Appel, S.H., Trends Neurosci., 16:3-5 (1993) 。
【0005】
哺乳動物の脳においては、グルタミン酸塩が、受容体の3種の主要な分類、すなわちN−メチル−D−アスパラギン酸塩(「NMDA」)受容体、非NMDA受容体および代謝親和性受容体と相互作用する(Watkins, J.D. ら, Trends Neurosci., 10:265 (1987) およびSeeburg, TIPS, 141:297 (1993))。これら3分類すべてのグルタミン酸塩受容体は、独特のシナプス後反応を誘発しながらも、神経細胞中の遊離Ca2+の細胞内濃度を高めるように作用することができる(A.B. MacDermott, Nature 321:519 (1986))。このように、NMDA受容体へのグルタミン酸塩の結合が、Ca2+に対して顕著に透過性であるカチオン選択性チャネルを開いて、細胞内Ca2+の大幅かつ急速な増加をもたらす。非NMDA受容体は、たいてい、カルシウムをおよそ除外するカチオンチャネルに結合されているが、細胞膜を脱分極することにより、それが逆に電圧活性化Ca2+チャネルを開き、ニューロンへのCa2+の進入を間接的に促進することができる。他方、いわゆる「代謝親和性受容体」は、イオンチャネルとは関連がないが、第二メッセンジャであるイノシトール三リン酸を介する細胞内貯蔵からのCa2+の放出を促進することができる。
【0006】
誘発機構にかかわらず、シトソール性Ca2+の長期的増加が、ニューロン破壊の始まりにおける要因であると考えられる。細胞内Ca2+の増加の悪影響には、ミトコンドリア呼吸の障害、Ca2+依存性のプロテアーゼ、リパーゼおよびエンドヌクレアーゼの活性化、遊離基形成ならびに細胞膜脂質の過酸化がある[Choi, D.W., Neuron, 1:623-624 (1988)]。
【0007】
興奮性アミノ酸受容体のNMDAサブタイプは、脳または脊髄の虚血に続いて起こる神経細胞死に強く関与している。虚血性脳傷害、たとえば発作、心臓発作または外傷性の脳傷害が発生すると、内因性グルタミン酸塩の過剰な放出が起こり、NMDA受容体の過剰な刺激をもたらす。NMDA受容体にはイオンチャネルが関係している。認識部位、すなわちNMDA受容体は、このイオンチャネルに対して外側にある。グルタミン酸塩は、NMDA受容体と相互作用すると、イオンチャネルを開かせ、それにより、細胞膜を透過するカチオン、たとえばCa2+およびNa+ の細胞への流入を許し、K+ の細胞からの流出を許す。このイオンの流動、特にグルタミン酸塩とNMDA受容体との相互作用によって生じるCa2+イオンの流入が、神経細胞死に重要な役割を演じると考えられる。たとえば、Rothman, S.M. およびOlney, J.M., Trends in Neurosci., 10(7) :299-302 (1987) を参照されたい。さらに、てんかん発作においてニューロンの過剰な興奮が起こり、NMDA受容体の過剰な活性化が、てんかんの病態生理に寄与することが証明されている(Porter, R.J., Epilepsia, 30 (Suppl. 1):S29-S34 (1989)およびRogawski, M.A., ら, Pharmacol. Rev., 42:224-286 (1990))。
【0008】
非NMDA受容体は、NMDA受容体の場合のように、イオンチャネルに直接的に結合しているポストシナプス性受容体部位の広い範疇を構成する。具体的には、受容体部位は特定のイオンチャネルタンパク質の物理的な一部である。非NMDA受容体は、それらに対して選択的な化合物に基づいて、大まかに、二つの主要なサブクラス、すなわちカイニン酸塩受容体およびAMPA/キスカル酸塩受容体に特性決定されている。J.C. Watkinsら, Trends Neurosci., 10:265 (1987) を参照されたい。AMPAは、α−アミノ−3−ヒドロキシル−5−メチル−イソアゾールプロピオン酸の省略である。これらのサブクラスは、「非NMDA」受容体と分類することができる[J.C. Watkinsら, Trends Neurosci., 10:265 (1987) を参照されたい]。AMPAは、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソアゾールの略号である。これらのサブクラスは、「非NMDA」受容体として分類してよい。
【0009】
NMDA受容体に比較して、非NMDA受容体は、薬理的精査をそれほど受けておらず(既存の拮抗物質はすべての競合性である)、この分野のin vivo 研究は、血液脳関門を透過する薬物の欠如によって妨げられてきた。それにもかかわらず、in vivo 研究は、非NMDA受容体アゴニストが、より長い暴露が必要になるが、NMDAアゴニストと同じくらい興奮毒性となりうることを明確に実証した。加えて、動物実験およびヒトの疫学的実験による証拠が、非NMDA受容体によって媒介される興奮毒性が特定の病状において臨床的に重要であることを示唆している。M.D. Ginsberg ら, Stroke, 20:1627 (1989)を参照されたい。
【0010】
そのような障害の一つは、心臓発作、水溺および一酸化炭素中毒に続いて起こるような全体性大脳虚血である。実験動物における大脳血液供給の一過性の激しい遮断は、選択的ニューロン壊死の症候群を引き起こし、その際、抵抗力のないニューロンの特殊な集団(新皮質層3、5および6、海馬区域CA1およびCA3における錐体細胞ならびに小型および中型の線条体ニューロン)の中で変性が起こる。この変性の時間的経過もまた区域的に可変性であり、数時間(線条体)から数日(海馬)に及ぶこともある。
【0011】
NMDA拮抗物質は一般に全体性虚血の動物モデルにおいて高い有効性を証明していない。実際に、NMDA拮抗物質を用いて得られる肯定的な結果は主に人為的であるおそれがあると示唆されている。対照的に、競合性の非NMDA受容体拮抗物質である2,3−ジヒドロキシ−6−ニトロ−7−スルファモイル−ベンゾ(F)キノキサリン(「NBQX」)は、ジャービルおよびラットのいずれにおいても一過性の前脳虚血に続く遅延性のニューロン変性を防止するのに劇的な有効性を示す。M.J. Sheardownら, Science, 247:571-574 (1990) を参照されたい。
【0012】
現在、発作または外傷性脳傷害に続く神経細胞死の程度を抑制する効果的な治療に対する切迫した必要性がある。この神経細胞死の元になる機構の解明における最近の進歩が、薬物治療を開発しうるという希望につながった。この分野における研究および開発の努力は、NMDA受容体−チャネル錯体によって媒介されるグルタミン酸塩の作用の遮断に焦点を合わせてきた。二つの方法が開発されている。競争的NMDA受容体拮抗物質(Choi D.W., Cerebrov. Brain Metab., Rev. 1:165-211 (1990); Watkins, J.C. およびOlverman, H.J., Trends Neurosci., 10:265-272 (1987))およびNMDA受容体のイオンチャンネル複合体のイオンチャンネルの遮断薬(Meldrum, B., Cerebrovascular Brain Metab., Rev. 2: 27-57 (1987); Choi, D.W., Cerebrovascular Brain Metab., Rev. 2:105-147 (1987);およびKemp, J.A.ら, Trends Neurosci., 10:265-272 (1987))。しかしながら、前述の薬剤のいくつかについて、若干の毒性が報告された(Olney, J.W. ら, Science, 244:1360-1362 (1989); Koek, W. およびColpaert, J., J. Pharmacol. Exp. Ther., 252:349-357 (1990))。
【0013】
神経伝達物質放出の遮断物質、特にグルタミン酸塩放出の遮断物質が、潜在的な神経保護剤として、いくらか注目されている。Meldrum, B., Cerebrovascular and Brain Metab., Rev. 2:27-57 (1990); Dolphin, A.C. Nature, 316:148-150 (1985)); Evans, M.C.ら, Neurosci. Lett., 83:287-292 (1987); Ault, B.およびWang, C.M., Br.J. Pharmacol., 87:695-703 (1986); Kaneko, T. ら, Arzneim-Forsch./Drug Res., 39:445-450 (1989); Malgouris, C. ら, J. Neurosci., 9:3720-3727(1989); Jimonet, P. ら, Bio Organ. and Med. Chem. Lett., 983-988 (1993); Wahl, F. ら, Eur.J. Pharmacol., 230:209-214 (1993); Koek, J.W. およびColpaert, F.C., J. Pharmacol. Exp. Ther., 252:349-357 (1990); Kaneko, T.ら, Arzneim.-Forsch./Drug Res. 39:445-450 (1989)を参照されたい。グルタミン酸塩の放出を阻害する前記のある種の化合物もまた、抗けいれん活性を示すことが報告された。Malgouris, C. ら, J. Neurosci., 9:3720-3727 (1989); Millerら, New Anticonvulsant Drugs, Meldrum, B.S. およびPorter R.J. (eds), London:John Libbey, 165-177 (1986) 。
【0014】
ニモジピンのようなカルシウム拮抗物質が、大脳血管拡張薬としても作用するし(Wong, M.C.W.およびHaley, E.C. Jr., Stroke, 24:31-36(1989))、また、ニューロンへのカルシウム進入を遮断するようにも作用する(Scriabine, A., Adv. Neurosurg.(1990))ことが報告されている。発作の結果におけるいくらかの改善が臨床試験で観察されている。Gelmers, H. J.ら, N. Eng. J. Med., 318:208-207 (1988)。心臓血管に対する有意な副作用があるが、ニモジピンは、特定のNMDA拮抗物質よりも毒性が低いと思われる。
【0015】
電圧ゲート式Naチャネルの拮抗物質が神経保護性を示すことができる。Graham, S.H., J. Chen, F.H. Sharp およびR.P. Simon, J. Cereb. Blood Flow and Metab., 13:88-97 (1993)、Meldrum, B.S. ら, Brain Res., 593:1-6 ならびにStys, P.K.、S.G. Waxman およびB.R. Ransom, J. Neurosci., 12:430-439 (1992)。脳卒中の際には、凝塊による血液供給の閉塞から「コア領域」に持続性の低酸素症が発生する。低酸素症が発症すると、ATPの枯渇が、Na、K−ATPaseがイオン勾配を維持できなくなることを招き、それが、安静中の神経細胞の正常な膜電位を発生させる。細胞が脱分極し、作用電位点弧のしきい値に達すると、Naチャネルが活性化される。Stysら(Stys, P.K.、S.G. WaxmanおよびB.R. Ransom, J. Neurosci., 12:430-439 (1992))は、最近、中央白質の無酸素症におけるNaチャネル機能亢進の発現を報告し、Naチャネル遮断物質であるテトロドトキシン(TTX)およびサキシトキシン(STX)の神経保護効果をin vitroで実証している。
【0016】
発明の概要
本発明は、グルタミン酸塩のような神経伝達物質の放出を変調し、特に阻害する化合物を包含する、治療に有用である置換グアニジン化合物およびそのような化合物を含む治療方法を提供する。本発明の好ましい化合物は、虚血性ニューロン細胞、特にヒトニューロン細胞のような哺乳動物細胞からの神経伝達物質(たとえばグルタミン酸塩)の放出を変調し、特に阻害する。本発明の化合物は、特定の神経伝達系の変調から起こり、同じ分類または別の分類の神経伝達物質に対して作用する本発明の1種以上の置換グアニジン類によって対処することができる疾病の治療、ならびに神経系、心臓血管系および内分泌機能の多様な障害の治療をはじめとする多数の治療用途に有用である。
【0017】
第一の態様において、本発明は、式I
【0018】
【化8】

【0019】
(式中、RおよびR1 は、それぞれ独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキル、2〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルケニル、2〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアミノアルキル、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキルスルフィニル、少なくとも約5個の環原子を有する置換または非置換の炭素環式アリール、少なくとも約5個の環原子を有する置換または非置換のアラルキル、または1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有し、RおよびR1 の少なくとも一方が、炭素環式アリール、アラルキル、ヘテロ芳香族基もしくは複素環式基である置換または非置換のヘテロ芳香族もしくはヘテロ脂環式基であり;
2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素、1〜約20個の炭素原子を有する置換および非置換のアルキル、1〜約20個の炭素原子を有する置換および非置換のアルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換および非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換および非置換のアルキルスルフィニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換および非置換のアルキルスルホニルならびに置換および非置換のアミノアルキルからなる群より選択される)
のN,N′−二置換グアニジン類、およびそれらの薬理学的に許容される塩を提供する。
【0020】
式Iの化合物の好ましい群は、以下の式IA
【0021】
【化9】

【0022】
(式中、RおよびR1 は、式Iに対してさきに定義したとおりである)
のN,N′−二置換化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩である。
【0023】
式Iの化合物の他の好ましい群は、以下の式IB
【化10】

【0024】
(式中、RおよびR1 は、式Iに対してさきに定義したとおりであり、R2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素、1〜約20個の炭素原子を有する置換および非置換のアルキル、1〜約20個の炭素原子を有する置換および非置換のアルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換および非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換および非置換のアルキルスルフィニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換および非置換のアルキルスルホニルならびに置換および非置換のアミノアルキルからなる群より選択され、このとき、R2 およびR3 の少なくとも一方が水素以外である)
の化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩である。
【0025】
式I、IAまたはIBの好ましい化合物は、RおよびR1 の少なくとも一方、より好ましくは両方が、置換もしくは非置換の炭素環式アリールまたは置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のアルカリールである化合物を包含する。式I、IAおよびIBの好ましい化合物は、1〜約6個の炭素原子をもつ置換基、特に1〜6個の炭素原子を有するR2 および/またはR3 基を有するものである。式I、IAまたはIBの化合物の特に好ましいR2 およびR3 置換基は、非置換のアルキル、およびアルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルおよびアミノアルキルのような、ヘテロアルキルを含む。好ましいRおよびR1 基は、置換および非置換のアセナフチル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フルオレニルおよびベンジル、特にアルキル置換およびアルコキシ置換のフェニルおよびベンジルを含む。特に好ましいRおよびR1 基は、tert−ブチルフェニル、tert−ブチルベンジル、sec−ブチルフェニル、sec−ブチルベンジル、n−ブチルフェニル、n−ブチルベンジル、イソブチルフェニル、イソブチルベンジル、ペンチルフェニル、ペンチルベンジル、ヘキシルフェニル、ヘキシルベンジルなどのような、直鎖状および分岐鎖状のC1-8 アルキル置換フェニルおよびベンジル;ブトキシフェニル、ブトキシベンジル、ペントキシフェニル、ペントキシベンジル、ヘキソキシフェニル、ヘキソキシベンジル、トリフルオロメトキシフェニル、トリフルオロベンジル、フルオロなどのような、直鎖状および分岐鎖状のC1-18アルコキシ(ハロアルコキシ、すなわちF、Cl、Brおよび/またはIによって置換されたアルコキシを含む)置換フェニルおよびベンジル;アルカリール(アルコキシアリールを含む)置換フェニルおよびベンジル、特に置換および非置換のベンジルおよびベンジルオキシ(特に−OCH265)を含む。また、シクロアルキルおよびアリール(特に炭素環アリール)、たとえば置換フェニル、ベンジルおよびナフチル、たとえばビフェニル、フェニルベンジル(すなわち−CH26465)、シクロヘキシルフェニル、シクロヘキシルベンジルなどが好ましいRおよびR1 基である。また、ハロ置換フェニル、ナフチルおよびベンジルを包含するハロ(すなわちF、Cl、Brおよび/またはI)置換RおよびR1 基が好ましい。
【0026】
もう一つ態様において、本発明は、以下の式II
【0027】
【化11】

【0028】
(式中、Rは、フルオレニル、フェナントラセニル、アントラセニルおよびフルオランテニルの基から選択され;
1 は、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアミノアルキル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、少なくとも約5個の環原子を有する置換もしくは非置換の炭素環式アリール、少なくとも約5個の環原子を有する置換もしくは非置換のアラルキルまたは1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヘテロ芳香族もしくはヘテロ脂環式基であり;
2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素または上記R1 に対してさきに定義した基である)
の化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩を提供する。
【0029】
式IIの好ましい化合物は、N,N′−二置換化合物、すなわちR2 およびR3 がそれぞれ水素であるもの、ならびにR2 およびR3 の一方または両方が水素以外である三および四置換化合物を含む。好ましいR1 基は、シクロアルキル、特にアダマンチルおよび炭素環式アリール、特に置換もしくは非置換のフェニル、ナフチルまたはアセナフチル、より好ましくはアルキルもしくはアルコキシで置換されたフェニルまたはナフチルのような、置換もしくは非置換のフェニルまたはナフチルを含む。メチル、エチルまたはプロピルのようなアルキルが、好ましいR2 およびR3 基である。
【0030】
さらに他の態様においては、本発明は、以下の式III
【0031】
【化12】

【0032】
(式中、RおよびR1 は、それぞれ独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ、6〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ、6〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアラルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアミノアルキル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、少なくとも約5個の環原子を有する置換もしくは非置換の炭素環式アリール、少なくとも約5個の環原子を有する置換もしくは非置換のアラルキルまたは1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヘテロ芳香族もしくはヘテロ脂環式基であり;
2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素または上記RおよびR1 に関して定義した基、好ましくは、それぞれ置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノアルキル、アルキルチオまたはアルキルスルフィニルであり;またはR1 とR3 とが一緒になって5個以上の環員を有する環を形成し;
nおよびn′は、それぞれ独立して、1、2または3に等しく;
XおよびX′は、それぞれ独立して、化学結合(すなわちグアニジン窒素とRもしくはR1 との結合)、1〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキレン、2〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニレンまたは2〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニレン、1〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアルキレン、2〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアルケニレンおよび2〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアルキニレンであり、XおよびX′の少なくとも一方が結合以外である)
の化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩を提供する。
【0033】
式IIIの好ましい化合物は、以下の式IIIA
【0034】
【化13】

【0035】
(式中、基R、R1 、R2 およびR3 は、式IIIに対してさきに定義したとおり、値nは1、2または3に等しい)
によって特定されるような、Xが、1〜約3個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキレンまたはアルケニレンであるもの、特にXが、1〜約6個の炭素原子、より好ましくは1〜約4個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキレンであるもの;ならびにそれらの薬理学的に許容される塩を含む。
【0036】
式IIIの好ましい化合物は、RとR1 とが一緒になって5個以上の環原子を有する環を形成し、唯一のヘテロ原子としてのグアニジン窒素を有するか、グアニジンNに加えて1個以上の他のN、OもしくはS原子、通常は1個だけのN、OもしくはS環原子を環員として有するものを含む。一般に好ましいものは、RとR1 とが一緒になって5〜7個の環原子を有する環、たとえば以下の置換もしくは非置換の環:モルホリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニルおよびテトラヒドロキノリニルを形成するものである。このような環の好ましい置換基は、たとえばC1-8 アルキル、C1-8 アルコキシならびに置換および非置換のアルカリール、特に置換および非置換のベンジルを含む。
【0037】
特に好ましいそのような式IIIの化合物は、以下の式IIIB
【0038】
【化14】

【0039】
(式中、RおよびR2 は、それぞれ独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ、6〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ、6〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアラルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアミノアルキル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、少なくとも5個の環原子を有する置換もしくは非置換の炭素環式アリール、少なくとも5個の環原子を有する置換もしくは非置換のアラルキルまたは1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヘテロ芳香族もしくはヘテロ脂環式基であり;
nは1、2または3、好ましくは1または2、より好ましくは1であり;Wは炭素原子またはN、OもしくはSであり;mは0〜5の整数、好ましくは1、2または3、より好ましくは0、1または2であり、
Xは、1〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキレン、2〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニレンまたは2〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニレン、1〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアルキレン、2〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアルケニレンおよび2〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアルキニレンであり、好ましくは置換もしくは非置換のアルキレン、特に1〜2個の炭素原子を有するアルキレンであり;
各Y置換基は、独立して、ハロゲン、1〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、2〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニル、2〜約10個の炭素原子を有する非置換のアルキニル、1〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ、1〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルチオ、1〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアミノアルキルまたは約6個以上の環員を有する置換もしくは非置換の炭素環式アリールである)
の化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩である。
【0040】
式IIIBの特に好ましい化合物は、RおよびR2 がそれぞれ独立してアリール、特に、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のナフチルまたは置換もしくは非置換のアセナフチルのような、置換もしくは非置換の炭素環式アリールであるものである。
【0041】
式IIIBの特に好ましい化合物は、RおよびR2 が、それぞれ、sec−ブチルフェニルまたはtert−ブチルフェニル、特にp−sec−ブチルフェニルまたはp−tert−ブチルフェニルのような、置換または非置換のフェニルであり、nが1であり、Xが1または2個の炭素をもつアルキレンであるものである。特に好ましいものは、以下の式IIIBB
【0042】
【化15】

【0043】
(式中、Wは、炭素原子またはN、OもしくはSであり;
各Y、各Y′および各Y″は、それぞれ独立して、ハロゲン、1〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、2〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニル、2〜約10個の炭素原子を有する非置換のアルキニル、1〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ、1〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルチオ、1〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアミノアルキルまたは約6個以上の環員を有する置換もしくは非置換の炭素環式アリールであり;nは1または2であり、各m、m′およびm″は、独立して、0〜5の整数、好ましくは0、1、2または3、より好ましくは0、1または2である)
の化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩である。式IIIBおよびIIIBBの一般に好ましい化合物は、Y基がW環員に結合しているもの、特にWとYとが一緒になって、C1-8 アルキルまたはC1-8 アルコキシ置換の炭素または窒素環原子のような置換された炭素原子またはN原子を形成しているものである。当業者であれば当然に理解できるように、m、m′またはm″が0である場合、相当する環は「完全に」水素で置換されるであろう。具体的には、式IIIBBの好ましい化合物は、N−(4−ブトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−ピペリジニル)グアニジン;N−(4−ブトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−ベンジルピペリジニル)グアニジン;N−(4−ブトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−モルホリニル)グアニジンおよびN−(4−ブトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(3,5−ジメチル−4−モルホリニル)グアニジンを包含する。
【0044】
式IIIの好ましい化合物のさらに他の群は、上記式IIIBおよびIIIBBに定義したものと同じであるが、ただし、2個のY置換基が一緒になってアリールまたは脂環式縮合環を形成するものである。一般に好ましいものは、縮合環が複素環式アリールまたは炭素環式アリール、特にフェニル、ナフチル、1,2,3,6−テトラヒドロキノリニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、ピペラジニルなど、またはシクロヘキシルのようなシクロアルキルであるものである。具体的に好ましい化合物は、N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)グアニジンである。
【0045】
式III、IIIAおよびIIIBの好ましい化合物は、Rおよび/またはR1 が、置換もしくは非置換の炭素環式アリール、特に、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のナフチルまたは置換もしくは非置換のアセナフチルであるものを含む。特に好ましいものは、R、R1 およびR2 がそれぞれ、置換もしくは非置換の炭素環式アリール、特に置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のナフチルまたは置換もしくは非置換のアセナフチルである式IIIおよびIIIAの化合物である。特に好ましいものは、R、R1 およびR2 がそれぞれ、置換もしくは非置換の炭素環式アリールであり、R3 が水素、またはメチルもしくはエチルのようなC1-4 アルキルであり、Nが1または2であるIIIAの化合物である。これらのうち、特に好ましい化合物は、R、R1 およびR2 の一つ以上が、好ましくは、置換もしくは非置換のフェニル、たとえばsec−ブチルフェニル、tert−ブチルフェニルなどのようなC1-8 アルキル置換フェニル、ハロ置換フェニル、ブトキシフェニルもしくはペントキシフェニルのようなC1-8 アルコキシ置換フェニル、またはベンジルオキシフェニルのような炭素環式アルカリールオキシ置換フェニルであるものである。
【0046】
また、式IIIおよびIIIAの好ましい化合物は、N,N′−二置換化合物、すなわちR2 およびR3 がそれぞれ水素であるもの、ならびにR2 およびR3 の一方または両方が水素以外である三および四置換化合物を含む。好ましいR2 およびR3 基は、メチル、エチルまたはプロピルのようなアルキル、および置換アルキル、特に1個以上のF、ClもしくはBrによって置換されているC1 〜C6 もしくはC1 〜C4 アルキルのようなハロアルキルである。アルキレンおよびヘテロアルキレンが好ましいXまたはX′基であり、1または2個のN、OまたはS原子を鎖員として含むヘテロアルキレン基を含む。式III、IIIAおよびIIIBの化合物の特に好ましいXおよびX′基は、−CH2 −、−CH2 CH2 −、−CH(CH3)CH2 −および−CH2 CH(CH3)−を含む。式IIIおよびIIIAの好ましい化合物は、化合物の各RおよびR1 基がXまたはX′鎖の同じ炭素原子に結合しているものを包含する。
【0047】
さらに他の態様において、以下の式IV
【0048】
【化16】

【0049】
(式中、各Rは、独立して、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、3〜約10個、好ましくは4〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換のアラルコキシ、置換もしくは非置換のアミノアルキル、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、3〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の炭素環式アルケニルまたは3〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニルであり;
nは1〜5、好ましくは1〜3の整数であり;
1 は、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアミノアルキル、6〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、少なくとも5個の環原子を有する置換もしくは非置換の炭素環式アリール、少なくとも5個の環原子を有する置換もしくは非置換のアラルキルまたは1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヘテロ芳香族もしくはヘテロ脂環式基であり;
2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素または上記R1 に対して定義した基であるか;R2 とR3 とが一緒になって、2〜約6個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキレン結合を形成する)
の化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩が提供される。
【0050】
式IVの好ましい化合物は、1個以上のR置換基が、sec−ブチルまたはtert−ブチルのような分岐した基であるか、1個以上のR置換基が、置換もしくは非置換のアラルコキシ、特に置換もしくは非置換のベンジルオキシであるものを含む。値nは好ましくは1、2または3である。R置換基によるフェニル基のp−置換およびm−置換が好ましい。式IVの好ましい化合物は、N,N′−二置換化合物、すなわちR2 およびR3 がそれぞれ水素であるもの、ならびにR2 およびR3 の一方または両方が水素以外である三および四置換化合物を含む。メチル、エチルまたはプロピルのようなアルキルが、好ましいR2 またはR3 基である。置換もしくは非置換のフェニルまたはベンジルのような、置換もしくは非置換のアリールが、好ましいR1 基である。
【0051】
式IVの化合物の特に好ましい群は、以下の式IV(A)
【0052】
【化17】

【0053】
(式中、各R′およびR″は、それぞれ独立して、上記式IVのRに対して定義したものと同じ群より選ばれ;R2 およびR3 は、上記式IVと同じ定義であり;n′およびn″はそれぞれ1〜5の整数であり、好ましくはそれぞれ1または2である)
の化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩である。n′およびn″がそれぞれ1であり、R′およびR″がそれぞれメタまたはパラ置換基であることが好ましく、それぞれがパラ置換基であることがより好ましい。R′およびR″がそれぞれtert−ブチル、sec−ブチル、イソペンチルなどのような分岐した置換基であることがさらに好ましい。好ましくは、R2 およびR3 は水素またはメチルもしくはエチルのようなC1-4アルキルである。具体的に、式IV(A)の好ましい化合物は、N,N′−ビス(3−sec−ブチルフェニル)グアニジンおよびN,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)グアニジンを包含する。
【0054】
また、特に本発明の治療方法に使用するのに好ましい式IVの好ましい化合物は、R2 とR3 とが一緒になって、3〜約6個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキレン結合を形成する化合物、特に、以下の式IV(B)
【0055】
【化18】

【0056】
(式中、R、R1 およびnは、それぞれ、式IVに対してさきに定義したものと同じ意味である)
で示される、3個の炭素原子のアルキレン結合をもつ化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩を含む。式IV(B)の化合物の好ましいR1 基は、置換および非置換のアルカリール、特に置換および非置換のベンジルならびに置換および非置換の炭素環式アリール、特に置換および非置換のフェニル、置換および非置換のナフチルならびに置換および非置換のアセナフチルを含む。このような置換フェニル、ナフチルまたはアセナフチルR1 基の好ましい置換基は、C1-8 アルキル、C1-8 アルコキシ、C1-8(モノ−もしくはジアルキル)アミン、アルコキシアリールならびに炭素環式アリールオキシ、たとえばsec−ブチル、tert−ブチル、ヘキシル、ブチルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシなどを包含する。
【0057】
具体的には、本発明の治療方法に使用するのに特に好ましいものは、以下の式IV(BB)によって示される、R1 が置換もしくは非置換フェニルである上記式IV(B)の化合物である。
【0058】
【化19】

【0059】
(式中、RおよびR′は、それぞれ独立して、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、3〜約10個、好ましくは4〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換のアラルコキシ、置換もしくは非置換のアミノアルキル、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、3〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニルまたは3〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニルであり;
各nおよびn′は、独立して、0〜5、好ましくは1〜5、より好ましくは1、2または3の整数である。)特に好ましいものは、各nおよびn′が1であるものである。式IV(BB)の好ましい化合物は、1個以上のRまたはR′置換基が分岐した基、たとえばsec−ブチルもしくはtert−ブチルのような分岐状アルキル基、または1個以上のR置換基が置換もしくは非置換のアラルコキシ、特に置換もしくは非置換のベンジルオキシであるものを包含する。RおよびR′置換基によるフェニル基のパラ置換およびメタ置換が通常は好ましい。nおよびn′がそれぞれ1であり、RおよびR′がそれぞれパラ置換基であるものが、特に好ましい。好ましいRおよびR′置換基は、アルコキシおよびアルコキシアリール、たとえばブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、置換および非置換のベンジルオキシなどを包含する。具体的に、式IV(BB)の好ましい化合物は、N,N′−ビス−(ブチルフェニル)−2−イミノピリミダゾリジン、N,N′−ビス−(ペンチルフェニル)−2−イミノピリミダゾリジンおよびN,N′−ビス−(ヘキシルフェニル)−2−イミノピリミダゾリジンを含むN,N′−ビス−(アルキルフェニル)−2−イミノピリミダゾリジンを包含する。
【0060】
本発明はまた、2個のR置換基または2個のR′置換基が一緒になってフェニル環への縮合環を形成している式IV(B)またはIV(BB)の化合物を包含する。好ましい縮合環は、5〜約7または8個の環員を有し、炭素環式アリールまたは飽和炭素環であることもできるし、1または2個のN、OもしくはS原子を有するヘテロ芳香族もしくはヘテロ脂環式環であることもできる。縮合環の例は、たとえばテトラリニル、インダニルまたはテトラリニル縮合環を形成するための飽和した炭素6個の環を包含する。
【0061】
別の態様においては、以下の式V
【0062】
【化20】

【0063】
(式中、Rは、1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヘテロ芳香族であり;
1 およびR2 は、それぞれ独立して、水素、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアミノアルキル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、少なくとも5個の環原子を有する置換もしくは非置換の炭素環式アリール、少なくとも5個の環原子を有する置換もしくは非置換のアラルキルまたは1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヘテロ芳香族もしくはヘテロ脂環式基である)
のアセナフチル置換グアニジン類、およびそれらの薬理学的に許容される塩が提供される。
【0064】
式Vの好ましいR基は、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、インドリニル、ピペロニル、ベンズ[cd]インドリニルおよび[ベンズ[cd]インド−2[1H]−オンを包含する。上記のアセナフチル基は、グアニジン窒素によって3−位置または5−位置が置換されていることが好ましい。式Vの好ましい化合物は、N,N′−二置換化合物、すなわちR1 およびR2 がそれぞれ水素であるもの、ならびにR1 およびR2 の一方または両方が水素以外である三および四置換化合物を包含する。メチル、エチルまたはプロピルのようなアルキルが、式Vの化合物の好ましいR1 およびR2 基である。
【0065】
本発明の化合物の少なくともいくつかは、多数の互変異形態のいずれかとして存在することができる。そのような互変異形態は、本明細書に特定する式によって定義されるものを含め、いずれも本発明の範囲内である。
【0066】
本発明は、てんかん、神経退化性症状および/または低酸素症、低血糖症、脳もしくは脊髄の虚血症、脳もしくは脊髄の傷害、発作、心臓発作、水溺もしくは一酸化炭素中毒から生じる神経細胞壊死のような神経性症状の、治療および/または予防の方法を含む。これに関して、本発明の化合物はまた、発作または心臓発作を起こしやすいまたは被りやすい哺乳動物、特にヒトに対して投与するのに特に有用である。本発明の化合物はまた、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、ダウン症候群、コルサコフ病、オリーブ橋小脳萎縮症、HIV誘発性痴呆および失明もしくは多重梗塞性痴呆のような種々の神経退化性疾病を、治療および/または予防するのに有用である。本発明の化合物はまた、たとえば、全身性不安障害を受けやすい被検者への投与により、不安を治療するのに使用してもよい。本発明の化合物は、心臓発作、水溺および一酸化炭素中毒に続いて起こりうるような全体性大脳虚血症の治療に特に用途がある。本発明の化合物はまた、神経系統の他の障害、心臓血管系の障害、たとえば高血圧、心臓不整脈もしくは狭心症、内分泌障害、たとえば先端巨大症および尿崩症の治療ならびに慢性の痛みの治療に使用することもでき、局所麻酔として使用することもできる。本発明の化合物は、障害の病態生理が、過剰な、そうでなければ不適当な(たとえば分泌過多の)細胞分泌、たとえばカテコールアミン、ホルモンまたは成長因子のような内因性物質の分泌を伴う疾病の治療に、さらなる用途を有している。疾病の例は、以下に具体的に論じる。本発明の治療方法(予防的治療を含む)は、一般に、本発明の化合物1種以上の治療的に有効な量を、哺乳動物を包含する動物、特にヒトに投与することを含む。
【0067】
さらに提供されるものは、本発明の化合物の使用を含む診断方法である。より具体的には、本発明の化合物は、125I、トリチウム、32P、99Tcなど、好ましくは 125Iによって化合物を放射線標識するようなことにより、適当に標識することができる。標識した化合物を、ヒトのような被検者に投与し、その被検者を、イオンチャネル活性を伴う発作のような疾病または障害に関して画像処理することができる。
【0068】
本発明はまた、本発明の化合物1種以上と、適当な担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0069】
発明の詳細な説明
本発明の化合物は、神経伝達物質の放出を変調する、すなわち阻害または増強する能力、またはニューロン組織からの神経伝達物質の放出の経過時間を、短縮または延長する能力を有することが見出された。したがって、該化合物は、神経伝達物質の過剰または不十分な放出から生じる病態生理的症状を、治療または防止するのに有用性があることが見出された。本発明の置換グアニジン類は、シナプス前カルシウムチャネルおよび/またはナトリウムチャネルを遮断することにより、神経伝達物質放出の阻害を媒介する。したがって、本発明は、ニューロン細胞、特にヒトニューロン細胞のような、哺乳動物細胞の電圧活性化性カルシウムチャネルおよびナトリウムチャネルを遮断する方法であって、本発明の化合物の有効量を細胞に投与すること、特にそのような治療が必要である哺乳動物に対して投与することを含む方法を提供する。ニューロン細胞のカルシウムチャネルおよび/またはナトリウムチャネルのそのような遮断により、内因性神経伝達物質の過剰な放出に関連する症状を治療することができる。
【0070】
より特定的には、グルタミン酸塩のような興奮性アミノ酸類の放出を阻害することにより、発作におけるニューロン損傷のような障害を軽減することができる。うつ病のような障害は、γ−アミノ酪酸のような阻害性神経伝達物質の放出を阻害することによって、軽減することができる。理論によって束縛されることを望まないが、本発明の化合物の投与によってグルタミン酸塩のような興奮性神経伝達物質の放出を阻害すると、γ−アミノ酪酸のような阻害性伝達物質の放出、またはその後の作用を間接的に増強することができる。したがって、本発明の化合物は、阻害性神経伝達のより直接的な増強によって軽減されることが知られる障害、たとえば不安または不眠を治療することができる。
【0071】
本発明の化合物は、以下の実施例146に開示するプロトコルによって、約100μM の濃度で、グルタミン酸塩の放出のような神経伝達物質の放出を少なくとも約50%阻害するならば、神経伝達物質放出の効果的な阻害物質であるとみなすことができる。より好ましくは、該化合物は、以下の実施例146に開示するプロトコルによって、約30μM の濃度で、グルタミン酸塩のような神経伝達物質を、少なくとも約50%阻害する。本明細書に使用する「グルタミン酸塩放出の高い阻害」とは、特定された化合物が、以下の実施例146に開示するプロトコルによって、約100μM の濃度で、グルタミン酸塩放出を少なくとも50%阻害することをいう。
【0072】
本発明の化合物は、グルタミン酸塩、ドパミン、GABA(δ−アミノ酪酸)、ノルエピネフリン、グリシン、アスパラギン酸塩、セロトニン、アセチルコリン、アデノシン三リン酸およびエピネプリン、特にグルタミン酸塩を含む神経伝達物質の放出を変調することができる。本発明の化合物はまた、P物質およびk物質を包含するタキキニン、エンケファリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)またはその誘導体(Harrington's Principles of Internal Medicine, 1705 (McGraw Hill 1987)を参照されたい)、ボンベシン、コレシストキニン、ニューロペプチドY、ダイノルフィン、ガストリン放出ホルモン(GRH)、ニューロテンシン、ソマトスタチンおよび血管作動性腸内ペプチド(VIP)のようなペプチド類の放出を変調することができる。
【0073】
具体的には、本発明の化合物は、以下の実施例146に記載する高速超融合法によって試験されると、脳シナプトソームからの脱分極刺激されたカルシウム依存性のグルタミン酸塩放出を遮断する有意な能力を示す。該方法は、神経末端中の電圧活性化シナプス前Caチャネルを遮断するように作用する化合物を同定するが、Ca依存性グルタミン酸塩放出の制御に関与する他のプロセスを妨げることによってグルタミン酸塩放出を遮断する化合物をも同定する。本発明の化合物は、10μM 以下の濃度でグルタミン酸塩放出の有意な(≧50%)の減衰を実証し、多くが、3μM以下の濃度で有効である。たとえば、以下の実施例146の表Iを参照されたい。そのうえ、本発明のこれらの化合物は、グルタミン酸塩受容体のNMDAサブクラスのイオンチャネルおよびシグマ受容体に関連するジトリルグアニジン(DTG)結合サイトに対して、比較的低い結合親和性を示す。これは、本発明の化合物が、グルタミン酸塩受容体のNMDAサブクラスのイオンチャネルおよび/またはシグマ受容体のDTG結合サイトに対して高い親和性を示す公知の化合物と比べて、明らかに異なる治療の作用機構を有することを示す。
【0074】
より特定的には、本発明の多数の好ましい化合物は、式IVおよびIV(A)の化合物を含め、グルタミン酸塩放出の高い阻害(この語句は上記に定義される)を示すが、PCP受容体に対して比較的低い親和性、具体的には米国特許第4,906,779号明細書(10〜11欄を参照)に記載の典型的なPCP受容体検定において、5〜100μM 以上のIC50を示す。本発明の多数の好ましい化合物は、グルタミン酸塩放出の高い阻害を示すが、典型的なシグマ受容体結合検定、Weber らのProc. Natl. Acad. Sci. (USA) 83:8784-8788 (1986)に開示された検定では、シグマ受容体に対して比較的低い親和性、具体的には、Weber らのProc. Natl. Acad. Sci. (USA) 83:8784-8788 (1986)に開示されたDTGシグマ結合検定において、10〜200μM 以上のIC50を示す。本明細書に使用する「NMDA受容体に対する低い親和性」とは、特定された化合物が、米国特許第4,906,779号明細書に記載の前記PCP受容体検定において、5〜100μM 以上のIC50を示すことをいう。「シグマ受容体に対する低い親和性」とは、特定された化合物が、Weber らのProc. Natl. Acad. Sci. (USA) 83:8784-8788 (1986)に開示されたDTGシグマ結合検定において、10〜200μM 以上のIC50を示すことをいう。
【0075】
本発明の化合物が神経伝達物質の放出をin vivo で遮断する能力の元になる好ましい機構は、神経伝達物質放出を規制する電圧活性化Naチャネルおよび/またはCaチャネルの遮断である[McBurneyら, J. Neurotrauma, 9, suppl. 2:S531-S543(1992); Kattragadda, S. ら, Abs. Soc. for NeuroSci. Abs., 18:436(1992)]。以下の実施例146〜148は、本発明の化合物が前記電圧活性化NaおよびCaチャネルを遮断する能力を説明して、本発明の化合物が、ヒトを包含する哺乳動物に投与されると、多様な神経伝達物質の放出を効果的に遮断することをさらに示す。
【0076】
非ニューロン分泌細胞からの多様な物質の分泌は、Ca依存性神経伝達物質放出の機構に近似するCa依存性エキソサイトーシスのプロセスによって起こる[Rubin, R.P., Pharmacol. Rev., 22:389-428(1970)]。この例としては、副腎クロム親和性細胞からのノルエピネフリンの放出[Landsberg, L. ら, Harrington's Principles of Internal Medicine, 11th Ed., eds., New York, McGraw-Hill, pp. 358-370(1987); Neher, E.ら, Neuron, 10:21-30 (1993)]、下垂体からのペプチドホルモンの分泌[Tse ら, Science, 260:82-84 (1993); Chang, J.P.ら, Endocrinology, 123:87-94 (1988)]、膵臓腺房細胞からの消化酵素の分泌[Muallem, S., Ann. Rev. Physiol., 51:83-105 (1989)]および膵臓ベータ細胞からのインスリンの分泌[Larner, J., The Pharmacological Basis of Therapeutics, 7th Ed., eds., New York, MacMillan, pp. 1490-1503 (1985)]がある。前記プロセスを支配するのに大きな役割を演じる電圧活性化Caチャネルは、構造、薬理性および機構の点で、神経伝達物質の放出を支配するものに類似している[Bean, B.P., Ann. Rev. Physiol. 51:367-384 (1989); Hess, P., Ann. Rev. Neurosci. 13:337-56(1989); Cohen, C.J. ら, J. Physiol., 387:195-225(1987)]。したがって、以下の実施例146に記載するような本発明の化合物が神経伝達物質の放出を遮断する能力、ならびに以下の実施例147および148に記載するような前記化合物が電圧活性化Caチャネルの活性を遮断する能力は、本発明の化合物が、多様な非ニューロン細胞からの多様な物質のエキソサイトーシス性分泌の効果的な阻害剤であることの強力な証拠を構成する。特に、実施例148は、GH4C1クローン性下垂体細胞におけるCaチャネルを遮断する本発明の化合物の能力を実証する。前記下垂体細胞は、プロラクチンおよび成長ホルモンを分泌する[Tashjian, A.H. Meth. Enyzmol., 58:527-535, Acad. Press, N.Y.(1979)]。下垂体GH4C1細胞の電圧活性化Caチャネルの遮断は、前記ペプチドの分泌を阻害する[Tan, K.N. ら, J. Biol. Chem., 259:418-426 (1984)]。したがって、実施例148に開示される結果は、本発明の化合物が効果的な抗分泌剤として機能しうることを示す。
【0077】
以下の実施例147は、哺乳動物脳シナプトソームからの神経伝達物質の放出を規制するシナプス前電圧活性化Caチャネルを遮断する本発明の化合物のサブセットの能力を説明する。前記のシナプス前Caチャネルは、脳、中枢神経系のどこか、および末梢神経系におけるニューロンの細胞本体中に見出されるCaチャネルと構造的かつ機能的に関連し、場合によっては同一である[Zhang, J.F. ら, Neuropharmacol., 32:1075-1088 (1993); Snutch, T.P.ら, Curr. Opin. Neurobiol., 2:247-253(1992)]。したがって、実施例147に開示される結果は、ニューロンCaチャネルを遮断する本発明の化合物の一般的能力を示す。
【0078】
以下の実施例149は、哺乳動物脳シナプトソームからの神経伝達物質の放出を支配するシナプス前および軸索の電圧活性化Naチャネルと同一であるか、それと密接に関連しているタイプII(alias RII)電圧活性化Naチャネルを遮断する本発明の化合物のサブセットの能力を説明する[Westenbrook ら, Neuron, 3:695-704 (1989); Catterall, W.A., Physiolog. Rev., 72:S15-S48(1992)]。前記シナプス前および軸索のタイプIINaチャネルは、脳、中枢神経系のどこか、末梢神経系、Purkinje細胞ネットワークおよび心房束枝を含む心臓伝導系、ならびに心臓、骨格筋細胞および平滑筋細胞のニューロンの細胞本体中に見出されるNaチャネルと構造的かつ機能的に類似し、場合によっては同一である[Catterall, W.A.,上記; Trimmer, J.S. ら, Ann. Rev. Physiol., 51:401-418 (1989)]。
【0079】
以下の実施例148は、Lタイプ電圧活性化Caチャネルを遮断する本発明の化合物のサブセットの能力を説明する。LタイプCaチャネルは、哺乳動物脳神経末端からの特定のペプチド神経伝達物質の放出を規制し[Raneら, Pflugers Arch., 409:361-366]、また、下垂体のペプチドホルモンのような多様な物質の分泌を規制する[DeRiemer, S.A.ら, Exp. Brain Res. Suppl. 14:139-154 (1986)]。前記のLタイプCaチャネルは、脳、中枢神経系のどこか、末梢神経系、Purkinje細胞ネットワークおよび心房束枝を含む心臓伝導系、ならびに心臓、骨格筋細胞および平滑筋細胞のニューロンの細胞本体中に見出されるLタイプCaチャネルと構造的かつ機能的に関連し、場合によっては同一である[Bean, B.P., Ann. Rev. Physiol., 51:367-384(1989); Snutch, T.P. ら, Curr. Opin. Neurobiol., 2:247-253 (1992)]。したがって、実施例148に開示される結果は、前記組織中の前記チャネルを遮断する本発明の化合物の能力を示す。
【0080】
本発明の化合物は、以下の実施例146〜148に開示するプロトコルによって、約100μM の濃度で、前記電圧活性化NaおよびCaチャネルを通過するカチオンの流れを少なくとも50%減らすならば、前記電圧活性化NaおよびCaチャネルの効果的な遮断剤とみなすことができる。より好ましくは、本化合物は、以下の実施例146〜148のプロトコルによって、約10μM の濃度で、前記チャネルを通過するカチオンの流れを少なくとも50%阻害する。
【0081】
本発明の化合物はまた、以下の実施例150に開示するように、抗痙攣活性をin vivo で実証した。
【0082】
本発明の化合物(上記に特定した式I、IA、IB、II、III、IIIA、IIIB、IIIBB、IV、IV(A)、IV(B)、IV(BB)またはVの化合物を含む)の適当なハロゲン基は、F、Cl、BrおよびIである。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルなどのような、1〜約12個、より好ましくは1〜約10個の炭素原子を有するものを包含する。好ましいアルケニルおよびアルキニル基は、1個以上の不飽和結合、好ましくは1または2個の不飽和結合と、2〜約12個、より好ましくは2〜約8個の炭素原子とを有する基を包含する。本明細書に使用する「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」は、それぞれ、環式および非環式のいずれの基をもさす。ただし、通常は直鎖状または分岐鎖状の非環式基が一般により好ましい。本発明の化合物の好ましいアルコキシ基は、1個以上の酸素結合と、1〜約12個、より好ましくは1〜約8個、さらに好ましくは1〜約6個の炭素原子とを有する基を包含する。直鎖状または分岐鎖状のブトキシ、ペントキシおよびヘキソキシが特に好ましい。好ましいアリールオキシ基は、6〜約20個の炭素原子または6〜約12個の炭素原子を有し、酸素原子を含む。置換または非置換のフェノキシおよびナフトキシが好ましいアリールオキシ基である。好ましいアラルコキシ基は、6〜約20個の炭素原子を有し、上記に特定したように、1個以上のアリール置換基、特に1個以上の炭素環式アリール置換基を有するアルコキシ基を包含する。通常は酸素が置換基の末端基である。置換または非置換のベンジルオキシ(すなわちC65 CH2 O−)が好ましいアラルコキシ基である。好ましいアルキルチオ基は、1個以上のチオエーテル結合と、1〜約12個、より好ましくは1〜約8個、さらに好ましくは1〜約6個の炭素原子とを有する基を包含する。好ましいアミノアルキル基は、1個以上の第一級、第二級および/または第三級アミノ基と、1〜約12個、より好ましくは1〜約8個、さらに好ましくは1〜約6個の炭素とを有する基を包含する。一般に、第二級および第三級のアミノ基が、第一級アミン成分よりも好ましい。好ましいアルキルスルフィニル基は、1個以上、より典型的には1個のスルフィニル(SO)基と、1〜約12個、より好ましくは1〜約6個、さらに好ましくは1〜3個の炭素原子とを有する。好ましいアルキルスルホニル基は、1個以上、より典型的には1個のスルホノ(SO2)基と、1〜約12個、より好ましくは1〜約6個、さらに好ましくは1〜3個の炭素原子とを有する。式IIIおよびIIIAの化合物の好ましいアルケニレンおよびアルキニレンXおよびX′基は、1個または2個の炭素間多重結合を有する。式IIIおよびIIIAの化合物の好ましいヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレンおよびヘテロアルキニレンXおよびX′基は、N、Oおよび/またはS原子からなる1〜約3個のヘテロ原子を含有し、前記ヘテロ原子の1個以上がXまたはX′基の鎖員であり、より好ましくは、前記ヘテロ原子に加えて約1〜3個の炭素原子を含有する。本発明の化合物の適当なヘテロ芳香族およびヘテロ脂環式基は、1個以上のN、OまたはS原子を含有し、たとえば、8−キノリニルをはじめとするキノリニル、5−インドリニルをはじめとするインドリニル、フリル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリルおよびフタルイミド基(場合によっては、これらはすべて、独立して、1個以上の可能な位置で置換されていたり、ベンゼン環に縮合されていたりしてもよい)ならびに置換もしくは非置換のテトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ、ピロリジニル基、ピラジニル、クマリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリルおよびベンズイミダゾリルを包含する。好ましい炭素環式アリール基は、フェニル、ナフチル、アセナフチル、フェナントリル、アントラシルおよびフルオレニル基のような、約6〜約20個の炭素、より好ましくは約1〜3個の別個の環または縮合環と、6〜約18個の炭素原子とを有するものを包含する。
【0083】
本発明の化合物の前記置換成分は、1個以上の可能な位置が、1個以上の適当な基、たとえばF、Cl、BrもしくはIのようなハロゲン;シアノ;ヒドロキシル;ニトロ;アジド;カルボキシ;炭素環式アリール;1〜約12個または1〜約6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルキル基;1個以上の不飽和結合と、2〜約12個または2〜約6個の炭素原子とを有する基を含むアルケニルおよびアルキニル基;1個以上の酸素結合と、1〜約12個または1〜約6個の炭素原子とを有する基のようなアルコキシ基;1個以上のチオエーテル結合と、1〜約12個または1〜6個の炭素原子とを有する基のようなアルキルチオ基;1個以上のN原子と、1〜約12個または1〜約6個の炭素原子とを有する基のようなアミノアルキル基;1個以上のスルフィニル基と、1〜約12個または1〜約6個の炭素原子とを有する基のようなアルキルスルフィニル;1個以上のスルホノ基と、1〜約12個または1〜約6個の炭素原子とを有する基のようなアルキルスルホニルによって置換されていてもよい。
【0084】
具体的には、好ましい置換された基は、好ましくはアセチル、プロパノイル、イソプロパノイル、ブタノイル、sec−ブタノイル、ペンタノイルおよびヘキサノイル基のような、1〜約12個または1〜約6個の炭素原子を有するカルボキシルアシル基を含む。同様に好ましい置換された成分は、単環化合物ならびに別個および/または縮合アリール基を含む多環化合物をはじめとする多環化合物を含むアラルキル基、たとえば、1個以上のC3 〜C10アルキル基によって置換されている上記のアリール基、たとえばフェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチルおよびフェニルヘキシル基ならびにそれらの分岐鎖異性体、たとえばtert−ブチルフェニル、sec−ブチルフェニルなどである。また、ハロアルキルおよびハロアルコキシ、特にフルオロアルキルおよびフルオロアルコキシ、たとえばトリフルオロメチルおよびトリフルオロアルコキシが好ましい。また、アロイル基、たとえばフェニル、ナフチル、アセナフチル、フェナントリルおよびアントラシル基によって置換されたカルボニル、ならびに1個以上のアリール基によって置換されたカルボキシルアシル基、たとえばジフェニルアセトキシおよびフルオレンカルボキシ基が、好ましい置換された基である。また、アラルカノイル基が好ましく、上記のアラルキル基によって置換されたカルボニルを含む。また、アラルコキシ基が好ましい置換された基であり、フェニル、ナフチル、アセナフチル、フェナンチルおよびアントラシル基によって置換されたアルコキシ基を包含する。好ましい置換アリール基は、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミノ、アミノアルキル、アルキルチオなどによって置換された上記のアリール基を含む。
【0085】
上述した式Iの化合物の特に好ましいRおよびR1 置換基は、置換および非置換の炭素環式アリール、たとえばフェニル、tert−ブチルフェニルをはじめとするブチルフェニル、シクロヘキシルフェニル、ブトキシフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、ハロフェニル、メチルチオフェニル、アセナフチル、置換されたナフチル、たとえばメトキシ−1−ナフチルなどを含むナフチル;ならびに置換および非置換のベンジル基、たとえばtert−ブチルベンジル、イソプロピルベンジル、ハロベンジル、トリフルオロメトキシベンジル、シンナミルメチル、ナフチルメチル、ベンジルオキシなどを包含する。
【0086】
式Iの特に好ましい化合物は、次の化合物を包含する。
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−ベンジルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−ベンジルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N−ベンジルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(4−イソプロピルベンジル)グアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N−(4−イソプロピルベンジル)グアニジン;
N−(4−シクロヘキシルフェニル)−N−(4−イソプロピルベンジル)グアニジン;
N−(4−シクロヘキシルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(2−フルオレニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(シンナミルメチレン)グアニジン;
N−(4−n−ブトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−ビフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(5−インダニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(メトキシ−1−ナフチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(1−ナフチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−ヨードフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−クロロ−1−ナフチル)−N−(4−tert−ベンジル)グアニジン;
N−(4−tert−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−ヨードフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(1−ナフチルメチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(3−フェノキシベンジル)グアニジン;
N−(3−トリフルオロメチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−メチルチオフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(3−ヨードベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−シンナミルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(4−ヨードベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(4−トリフルオロメトキシベンジル)グアニジン;
およびこれらの薬理学的に許容される塩。
【0087】
式IIの特に好ましい化合物は、次の化合物を包含する。
N,N′−ジ(2−フルオレニル)グアニジン;
N,N′−ジ(2−フルオレニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ジ(2−フルオレニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ジ(アントラセニル)グアニジン;
N,N′−ジ(アントラセニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ジ(アントラセニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ジ(フェナントラセニル)グアニジン;
N,N′−ジ(フェナントラセニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ジ(フェナントラセニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ジ(フルオランテニル)グアニジン;
N,N′−ジ(フルオランテニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ジ(フルオランテニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−アントラセニル−N′−(1−アダマンチル)グアニジン;
N−アントラセニル−N′−(1−アダマンチル)−N−メチルグアニジン;
N−アントラセニル−N′−(1−アダマンチル)−N′−メチルグアニジン;
N−アントラセニル−N′−(1−アダマンチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−アントラセニル−N′−(2−アダマンチル)グアニジン;
N−アントラセニル−N′−(2−アダマンチル)−N−メチルグアニジン;
N−アントラセニル−N′−(2−アダマンチル)−N′−メチルグアニジン;
N−アントラセニル−N′−(2−アダマンチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(1−アダマンチル)グアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(1−アダマンチル)−N−メチルグアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(1−アダマンチル)−N′−メチルグアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(1−アダマンチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(2−アダマンチル)グアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(2−アダマンチル)−N−メチルグアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(2−アダマンチル)−N′−メチルグアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(2−アダマンチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(1−アダマンチル)グアニジン;
N−フルオレニル−N′−(1−アダマンチル)−N−メチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(1−アダマンチル)−N′−メチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(1−アダマンチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(2−アダマンチル)グアニジン;
N−フルオレニル−N′−(2−アダマンチル)−N−メチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(2−アダマンチル)−N′−メチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(2−アダマンチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(メトキシナフチル)グアニジン;
N−フルオレニル−N′−(メトキシナフチル)−N−メチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(メトキシナフチル)−N′−メチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(メトキシナフチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
およびこれらの化合物の薬理学的に許容される塩。
【0088】
上記で定義した式のような式IIIおよびIIIAの化合物の、特に好ましいR置換基は、フェニルおよびナフチルを包含する。式IIIおよびIIIAの化合物のn、n′およびmの好ましい値は、1および2である。nが1よりも大きい場合、R基は同じであることが適切である。式IIIおよびIIIAの化合物の炭素環式アリールは、特に置換および非置換のフェニル、ナフチルおよびアセナフチルが好ましいR1 基である。式IIIおよびIIIAの化合物の好ましいX基は、F、Cl、BrおよびIのハロゲン;置換および非置換のフェノキシのようなアリールオキシ;またはC1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルコキシ、F、Cl、BrもしくはIのようなハロゲンによって置換されたフェニルをはじめとする置換および非置換フェニルのようなアリールで置換されたアルケニレン基を包含する。
【0089】
式IIIおよび式IIIAの特に好ましい化合物は、次の化合物を包含する。
N−(5−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリル−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリル−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリル−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリル−N−メチルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリル−N′−メチルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリル−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−[(1−ナフチル)メチル]グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−[(1−ナフチル)メチル]−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−[(1−ナフチル)メチル]−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−[(1−ナフチル)メチル]−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−フェノキシエチル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−フェノキシエチル)−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−フェノキシエチル)−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−フェノキシエチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−(4−クロロフェニル)エチル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−(4−クロロフェニル)エチル)−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−(4−クロロフェニル)エチル)−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−(4−クロロフェニル)エチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2−ジフェニルエチル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2−ジフェニルエチル)−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2−ジフェニルエチル)−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2−ジフェニルエチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(3−フェニルプロピル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(3−フェニルプロピル)−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(2−メチル−2−フェニルエチル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(sec−ブチルフェニル)−N′−(2−フェノキシエチル)グアニジン;
N,N′−ビス(sec−ブチルフェニル)−N′−(2−フェノキシエチル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(sec−ブチルフェニル)−N′−(2−フェノキシエチル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(sec−ブチルフェニル)−N′−(2−フェノキシエチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−((4−tert−ブチルフェニル)(4−sec−ブチルフェニル)メチル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−((4−tert−ブチルフェニル)(4−sec−ブチルフェニル)メチル)−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−((4−tert−ブチルフェニル)(4−sec−ブチルフェニル)メチル)−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−((4−tert−ブチルフェニル)(4−sec−ブチルフェニル)メチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N,N′−ビス(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N,N′−ビス(4−tert−ブチルベンジル)−N−メチルグアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N,N′−ビス(4−tert−ブチルベンジル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N,N′−ビス(4−tert−ブチルベンジル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
およびこれらの化合物の薬理学的に許容される塩。
【0090】
上記で定義した式のような式IVの化合物の、特に好ましいR置換基は、ハロ、アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシ、アミノアルキル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホノ、アルケニルおよびアルキニルを包含する。さらに好ましいものは、R1 が炭素環式アリール、特に置換もしくは非置換のフェニル、ナフチルまたはアセナフチルである場合である。メチル、エチルおよびプロピルを含むアルキルが、好ましいR2 またはR3 基である。
【0091】
式IVの特に好ましい化合物は、次の化合物を包含する。
N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(2−ナフチル)−N′−(4−イソプロピルフェニル)グアニジン;
N−(2−ナフチル)−N′−(4−イソプロピルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N−(2−ナフチル)−N′−(4−イソプロピルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(2−ナフチル)−N′−(4−イソプロピルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−(2,3,4−トリクロロフェニル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−(2,3,4−トリクロロフェニル)−N−メチルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−(2,3,4−トリクロロフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−(2,3,4−トリクロロフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(4−メトキシ−1−ナフチル)−N′−(2,3,4−トクロロフェニル)グアニジン;
N−(4−メトキシ−1−ナフチル)−N′−(2,3,4−トクロロフェニル)−N−メチルグアニジン;
N−(4−メトキシ−1−ナフチル)−N′−(2,3,4−トクロロフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−メトキシ−1−ナフチル)−N′−(2,3,4−トクロロフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−2−イミノピリミダゾリジン;
N,N′−ビス(3−ビフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−ビフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−ビフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−ビフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−tert−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−tert−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−tert−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−メトキシ−1−ナフチル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−メトキシ−1−ナフチル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−メトキシ−1−ナフチル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−メトキシ−1−ナフチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−sec−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−sec−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−sec−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−sec−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−n−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−n−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−n−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−n−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(sec−ブチルフェニル)−N′−(n−ペンチル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−ベンジルオキシフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−ベンジルオキシフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−ベンジルオキシフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−ベンジルオキシフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−ベンジルオキシフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−ベンジルオキシフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)グアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−メチルグアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−2−イミノピリミダゾリジン;
N,N′−ビス(4−ペンチルフェニル)−2−イミノピリミダゾリジン;
N,N′−ビス(4−ヘキシルフェニル)−2−イミノピリミダゾリジン;
N,N′−ジナフチル−2−イミノピリミダゾリジン;
N,N′−ビス(5−アセナフチル)−2−イミノピリミダゾリジン;
N,N′−ジテトラリニル−2−イミノピリミダゾリジン;
およびこれらの化合物の薬理学的に許容される塩。
【0092】
さきに定義された式Vの特に好ましい化合物は、次の化合物を包含する。
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−インドリニルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−インドリニル−N−メチルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−インドリニル−N′−メチルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−インドリニル−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ピペロニルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ピペロニル−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ピペロニル−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ピペロニル−N,N′−ジメチルグアニジン;
およびこれらの化合物の薬理学的に許容される塩。
【0093】
本発明はまた、特にここに開示される治療法に用いるために、次の化合物を包含する。
N−(2−ナフチル)−N′−(2−アダマンチル)グアニジン;
N−(2−ナフチル)−N′−(2−アダマンチル)−N−メチルグアニジン;
N−(2−ナフチル)−N′−(2−アダマンチル)−N′−メチルグアニジン;
N−(2−ナフチル)−N′−(2−アダマンチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ジ(5−インダニル)グアニジン;
N,N′−ビス(6−ベンズ[cd]インドリニル−2[1H]−オン)グアニジン;
およびこれらの化合物の薬理学的に許容される塩。
【0094】
上記の式I〜Vに含まれる、本発明の特に好ましい他の化合物は、次の化合物を包含し、ここに記載された治療法に用いるのに特に好ましい。
N−(3−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−tert−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−ペントキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(4−ベンジルオキシベンジル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−ベンジルオキシベンジル)グアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−(4−ベンジルオキシベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(3−ベンジルオキシベンジル)グアニジン;
N−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−ヘキシルフェニル)−N−(4−tert−ヘキシルベンジル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−ピロリジニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−チオモルホリニル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−ピペリジニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−モルホリニル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−プロピルピペリジニル)グアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−ピペリジニル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−ベンジルピペリジニル)グアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−モルホリニル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)グアニジン;
N−(3−ブトキシ−4−メトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−モルホリニル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(3,5−ジメチル−4−モルホリニル)グアニジン;
N−(4−tert−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−フェニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−クロロフェニル)グアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−フェニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−フェニル−N′−メチルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(3,4−ジクロロフェニル)グアニジン;
N−(4−ヘキシルフェニル)−N−(4−tert−ヘキシルベンジル)−N′−フェニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−(1′−メチル−2′−フェニル)エチル)グアニジン;
N−メチル−N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−ヘキシルフェニル)グアニジン;
N−(3−(1−(4′−エトキシ)ベンジル)フェネチル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチル−N−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(3−(4−tert−ブチルベンジルオキシ)フェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(3−(1′−ベンジルブチル)フェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(3−ナフチルオキシフェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−ブチルフェニル)−N−ブチルグアニジン;
N−3−(ベンジルオキシメチル)フェニル−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(3,4−ジブトキシフェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(3−ベンジルオキシ)フェニル−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−ブトキシ−4−メトキシ)フェニルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−メチル−N′−(4−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチル−N′−(4−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ジ(6−テトラリニル)グアニジン;
N−(6−テトラリニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(6−ベンゾチオゾリル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(6−N−ベンジルインドリニル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(4−ベンゾ−2,1,3−チアジアゾール)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−[4−(6−メチルベンゾチアゾール)フェニル]グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−ベンズ[cd]インドリニル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(6−ベンズ[cd]インド−2[1H]−オン)グアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N′−(4−クロロフェニルエチル)グアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N,N′−ジフェニルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−ベンジル−N′−フェニルグアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−チオベンジルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−(フェニルチオ)フェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−(フェニルチオ)フェニル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(2−フェニルエチル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(3−ブトキシプロピル)グアニジン;
N,N′−ビス(2,2−ジフェニルエチル)グアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N−(4−クロロベンズヒドリル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(フェネチル)−N′−ベンジルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−クロロベンジル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−クロロベンジル)グアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−フェニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−(4−イソプロポキシフェニル)−N′−フェニルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−フェニルグアニジン;
N,N′−ビス(3−オクチルオキシフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−ブトキシフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−フェノキシフェニル)グアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−フェノキシフェニル)グアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−フェニルアゾフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N′−(4−イソプロポキシフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−(1−ヒドロキシブチル)フェニル)グアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N′−(3−メトキシフェニル)−N′−フェニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−フェニル−N′−(4−(2−イソプロポキシ)フェニル)グアニジン;
N−(4−n−ブトキシフェニル)−N′−(2−(4−クロロフェニル)エチル)グアニジン;
およびこれらの化合物の薬理学的に許容される塩。
【0095】
本発明の化合物は、アミン、典型的にはアミン塩酸塩のようなアミン塩を、あらかじめ形成されたアルキルまたはアリールシアナミド(S.R. Saferら, J. Org. Chem., 13:924 (1948)を参照されたい)、または対応するN−置換アルキルまたはアリールシアナミドと反応させることによって製造することができる。G.J. Durant ら, J. Med. Chem., 28:1414(1985); C.A. Maryanoff ら, J.Org. Chem., 51:1882(1986); M.P. Kavanaughら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:2844-2848(1988); E. Weber ら, Proc. Natl. Acad. Sci.USA, 83:8784-8788(1986); H.W.J. Cressman, Org. Syn. Coll.,3:608-609(1955);国際出願WO 91/12797およびPCT/US92/01050を参照されたい。
【0096】
より具体的には、式IのN,N−二置換化合物の合成は、二置換アミンとシアナミドとの縮合によって達成することができる。たとえば、式R−NH2 の第一級アミンを式R1 化合物と縮合させることにより、所望の置換基RおよびR1(上記式Iに定義された置換基)を有する二置換アミンを合成する(Lは脱離基であり、RおよびR1 は式Iに上記したとおりである)。適切な反応条件は、用いる構成成分に基づいて容易に決定することができる。たとえば、適切には、ハロゲン化ベンジルを、低温で、トリエチルアミンのような第三級アミンの存在においてアリールアミンに加え、添加が完了した後、混合物を室温で約15時間攪拌する。クロマトグラフィーのような従来の手段により、得られた第二級アミンを精製した後、メタンスルホン酸のような適切な酸と反応させて、アミン塩を形成することができる。このアミン塩を、メタノールのような適切な溶媒中で、N,N−二置換グアニジンを形成するのに十分な時間および温度において、大過剰モルのシアナミドと反応させる。
【0097】
本発明の対称なN,N′−二置換グアニジン類の合成は、以下の反応式Iの「方法A」に記すように、通常、エタノールのような適切な溶媒中で、2当量のアミンを1当量の臭化シアンと直接反応させることによって達成することができる。非対称N,N′−二置換グアニジン類は、以下の反応式Iの「方法B」に記すように、還流しているクロロベンゼンもしくはトルエンのような適切な溶媒中で、アリールシアナミド類のような置換シアナミドを、適切なアミンハロゲン化水素塩と反応させることによって、合成することができる。必要なシアナミド類は、相当するアミン類から、エーテルのような適切な溶媒中で、臭化シアンにより処理することによって合成することができる。
【0098】
【化21】

【0099】
本発明のN,N,N′−三置換またはN,N,N′,N′−四置換グアニジン類は、還流しているクロロベンゼンもしくはトルエンのような適切な溶媒中で、N−アルキル−N−アリールシアナミド類のような置換シアナミドを、適切なアミンハロゲン化水素塩と反応させることによって合成することができる(以下の反応式II、それぞれ方法CおよびD)。出発シアナミド類は、たとえば、テトラヒドロフランのような適切な溶媒中で、水素化ナトリウム/ハロゲン化アルキルによるアリールシアナミドのアルキル化によって合成することができる。
【0100】
【化22】

【0101】
適切な置換アミンおよびシアナミド試薬は、市販されているか、認められた手法によって合成することができる。1個以上のさらなる環置換基を有するニトロアセナフチル誘導体は、M.D. Varney,ら, J. Med. Chem., 35:671 (1992)によって記載されたように合成することができる。このような置換ニトロアセナフチル誘導体を、水素化により相当するアミンに還元して、上記に論じたようにアミンをBrCNと反応させる。アミンもしくはアミン先駆物質基および1個以上のさらなる環置換基を有する他のアセナフチル誘導体の合成のためには、以下を参照されたい。
【0102】
V.N. Komissarov, Zh. Org. Khim., 26 (5):1106-10 (1990); L. Skulskiら, Pol. J. Chem., 55 (9):1809-24 (1981); A.F. Pozharskii, Isobret. Prom. Obraztsy, Tovarnye Znaki, (3), 96-7 (1982); J.P. Li ら, US 78890736 (1978); N.S. Vorozhtsov, Zh. Org. Khim., 8 (2):353-7 (1972); J. Wolinskiら, Rocz. Chem., 44(9):1721-31 (1970); A.P. Karishin ら, Zh. Obshch. Khim., 39(9):2098-101 (1969);およびV.V. Mezheritskii ら, Zh. Org. Khim., 27 (10):2198-204 (1991) を参照されたい。
【0103】
2 とR3 とが一緒になって炭素原子2〜約6個の置換または非置換のアルキレン結合を形成する式IVの化合物は、以下の実施例8に開示する手法によって例示するように調製することができる。したがって、合成技術の当業者であれば明確に理解されるように、アルコールのような適切な溶媒中で、適切なN−置換ジアミンアルキレンを臭化シアンと好適に反応させ、反応を実行するのに十分な温度および時間で反応を実施する。環式反応生成物は、望むならば、クロマトグラフィーのような従来の技術によって、適切に精製することができる。
【0104】
これまでに述べたように、本発明のグアニジン類は、特有の神経伝達物質系の変性に起因する疾病の治療を含む多くの療法への適用に有用であり、この疾病は、本発明の1種以上の置換グアナジンで対応することができる。上述のように、神経伝達物質放出の変性は、神経伝達物質放出の阻害、神経伝達物質放出の強化、またはニューロン組織から神経伝達物質放出の経時的増加もしくは低減のいずれかを包含する。本発明の化合物によって変性されうる神経伝達物質は、前述のように特定された神経伝達物質を包含するが、これらに限定されない。当業者は、本明細書またはPCT/US92/01050に開示されている方法を単に定常的な実験方法とともに用いて、神経伝達物質の有効な、または特に有効な調整物であるこれらの化合物を選択することができる。たとえば、脳の虚血中のニューロン死の防止のための化合物は、ラットの中大脳動脈閉塞モデルの1種以上の変化において、生体内で評価することができる。このようなモデルは、通常、脳卒中において、特に神経保護的効果の前兆になるとみなされる。[Ginsburgら, Stroke, 20:1627-1642 (1989)]。本発明の化合物の効能についても、全般虚血の4管閉塞モデルで評価を行うことができる[Pulsinelliら、Stro :19:913-941 (1988)]。
【0105】
特に、本発明は、てんかんのような神経学的状態、神経変性症状および/またはたとえば低酸素症、低血糖症、脳もしくは脊髄の虚血、脳もしくは脊髄の損傷、脳卒中、心臓発作、水溺、もしくは一酸化炭素中毒に起因する神経細胞死の治療および/または予防のための方法を提供する。治療の典型的な候補としては、心臓発作、脳卒中、脳もしくは脊髄損傷の患者、脳虚血が潜在的合併症である重篤な外科手術を受けた患者、および血流中のガス塞栓による減圧病にかかっているダイバーのような患者が挙げられる。
【0106】
本発明は、また本発明の1種以上の化合物の治療的に有効量を投与することによって、動物、特にヒトのような対象の種々の神経変性症を治療および/または予防する方法を提供する。治療および/または予防することができる典型的な神経変性症は、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性外側硬化症、アルツハイマー病、ダウン症候群、コルサコフ病、オリーブ橋小脳萎縮症、HIV−誘発性痴呆および失明、または多梗塞性痴呆を包含する。Dreyerら, Science, 248:364-367(1990)に開示されているように、gp120神経毒性は、NMDA受容体部位で結合する興奮性アミノ酸によって明白に媒介されるCa2+の増加したレベルに関連づけられる。再び理論によって拘束されることを望むつもりはないが、本発明の化合物は、過剰のグルタミン酸塩の放出を予防することによってHIV誘発性痴呆および失明を治療することに利用性がある。
【0107】
上述したように、本発明は、コルサコフ病や慢性アルコール中毒誘発症状の治療において、本発明の1種以上の化合物の有効量を、哺乳動物、特にヒトを含む対象に投与することを特徴とする、このような疾病を治療する方法を提供する。NMDA拮抗物質MK−801(Merck Index, 専攻論文3392、11版、1989)を使用して動物に前処置を施すと、コルサコフ病のラットのモデルでは、細胞損失、出血およびアミノ酸変化の程度が顕著に減衰する。P.J. Langlais ら, Soc. Neurosci. Abstr., 14:774 (1988)を参照されたい。したがって、本発明の化合物は、コルサコフ病に関連づけられる細胞損失、出血およびアミノ酸変化に有用である。
【0108】
本発明の少なくとも数種の化合物は、電圧活性ナトリウムイオンチャネルの封鎖によって処置可能な症状を治療または予防することに有用であろう。したがって、本発明は、本発明の有効量の化合物、ニューロン細胞、特にヒトのニューロン細胞のような哺乳動物の細胞の電圧感受性ナトリウムチャネルを封鎖する方法において、細胞への有効量の化合物の投与、特にこのような治療を必要とする哺乳類への投与を含む方法を提供する。
【0109】
本発明はまた、哺乳動物の平滑筋または骨格筋肉細胞のナトリウムチャネルを遮断する方法であって、本発明の1種以上の化合物の有効量を、そのような細胞に投与することを含む方法を提供する。このような方法は、たとえば筋緊張症または高カリウム血性の定期的麻痺を起こす、または起こしやすいヒトのような哺乳動物の治療にも有用である[Cannon, S.C.ら, Neuron, 10:317-326 (1993)を参照]。
【0110】
そのうえ、本発明のいくつかの化合物は、ナトリウムチャネルおよびシナプス前カルシウムチャネルの両方を遮断する。この二重の作用は、神経保護治療に特に望ましい[Kucharczyk, J.ら, Radiology, 179:221-227 (1991)]。
【0111】
血液/脳関門を交差しないNMDA拮抗物質は、ガンの化学療法のある種の望ましくない副作用、たとえば悪心および嘔吐を緩和するために使用してもよいと報告されている(A. Fink-Jensenら, Neurosci. Lett., 137 (2):173(1992))。同様に、Price, M.T. ら, Soc. Neurosci. Abstr., 16:377, abstr. 161.16 (1990)も参照されたい。NMDAアンタゴニストのこれらの作用は、おそらくは、末梢神経系のニューロンから放出されるグルタミン酸塩のシナプス後活性の遮断によって媒介される。また、論理によって束縛されることを望まないが、これは、グルタミン酸塩の放出を遮断する化合物が、この治療の指示に有用であることを示す。本発明の化合物、特に、たとえば薬理学的に許容できる塩の形態で充填される化合物、およびそうでなければ、1種以上の極性官能性(たとえば、カルボキシ、アミノ、ヒドロキシなど)を含む化合物のような親水性である化合物は、血液/脳関門を交差する比較的限定された能力を有することができる。したがって、本発明の化合物、特に本発明の充填された、またはそうでなければ、制限された血液脳関門浸透性を有する、本発明の親水性化合物は、化学療法を受ける哺乳動物、特にヒトが経験する可能性がある化学療法、特にガンの化学療法に関連づけられる副作用を改善するのに臨床的に有用であるだろう。本発明の化合物は、典型的には化学療法養生法と組み合わせて対象に投与されるであろう。
【0112】
本発明の化合物は、他の薬剤とともに治療において使用してもよい。たとえば、脳卒中の犠牲者の治療には、1種以上の本発明の化合物を、ストレプトキナーゼ、TPAおよびウロキナーゼのような血液凝固において相互作用を目的とする医薬品と一緒に、好適に投与してもよい。VonKummer, R. ら, Stroke, 23:646-652(1992); Sereghy, T.ら, Stroke, 24:1702-1708 (1993)を参照されたい。
【0113】
本発明の化合物は、特に、分泌を規制するものと同一または密接に関連するCaチャネルを遮断する本化合物の実証された能力の観点から、分泌障害の治療に有用である。したがって、本発明は、哺乳動物分泌細胞の電圧活性化カルシウムチャネルを遮断する方法であって、本発明の化合物の遮断有効量をそのような細胞に投与することを含む方法を包含する。本発明はさらに、障害の病態生理が、カテコールアミン、成長因子もしくはその先駆物質(上記に具体的に論じた成長因子を含む)、ホルモンもしくはその先駆物質(上記に具体的に論じたホルモンを含む)またはグリア成長因子、heregulinsおよびneu 区別因子を含むタンパク質のneuregulinファミリーのメンバーの、不適切または過剰の細胞分泌を伴う疾病の治療方法を提供する。このような方法は、以下に論じる分泌過多障害を起こしている、または起こしやすいヒトのような哺乳動物を治療するのに、特に有用である。
【0114】
より具体的には、本発明の化合物は、副腎髄質におけるクロム親和性細胞の腫瘍の存在から起こる障害である褐色細胞腫のような、分泌過多障害の治療に使用することができる[Bravo, E.L. およびGifford, R.W. (1984) New Eng. J. Med. 311:1298-1300]。この障害は、カテコールアミン類の分泌過多を特徴として、発作性であり、動悸、頭痛、吐き気、呼吸困難および不安の発作を伴うことがある高血圧をもたらす。本発明の化合物はまた、膵臓の腺房細胞からのホルモンおよび酵素、とりわけ血管作動性腸内ペプチド(VIP)およびインスリン、消化酵素およびそれらの不活性先駆物質、とりわけリパーゼおよびプロテアーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼおよびアミラーゼの分泌過多に至らせる膵臓の炎症である膵臓炎の治療に使用することもできる[Greenberger, N.J. ら, Harrison's Principles of Internal Medicine, 11th Ed., New York, McGraw-Hill, pp. 1372-1380 (1987)]。膵臓炎のいくつかの症例では、前記消化酵素の分泌過多およびそれに続く活性化による膵臓の自己消化が致命的にもなりうる[Greenberger, N.J. ら, 上記]。これらおよび中枢神経系外の分泌過多活性によって媒介される他の症状の場合、本発明の化合物、特に電荷をもっていたり、親水性であったり、そうでなければ限られた血液/脳障壁透過性を有するものは、全身および/または局所的に投与されると、臨床的に有用である。
【0115】
ある種の分泌過多障害が、中枢神経系の細胞、とりわけ脳の底部に位置する、下垂体とも呼ばれる下垂体の細胞の異常活性から生じるおそれがある。腺下垂体の細胞からのホルモンおよび関連物質の分泌は、放出因子、主として、視床下部によって分泌されるものによって規制される[Cooper, P.E.ら, Diseases of the Nervous System: Clinical Neurobiology, eds, Saunders, Philadelphia, pp. 567-583 (1992)]。腺下垂体によって分泌される物質は、成長ホルモン、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)および副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を包含する。下垂体からのこれらの物質の分泌過多は、多様な成長障害(たとえば成長ホルモンの分泌過多による先端巨大症)および代謝障害(たとえば、TSHの分泌過多によって誘発される二次的な甲状腺機能亢進およびACTHを含有する先駆物質ペプチドの下垂体による過剰な分泌から起こるCushing 病)につながるおそれがある[Cooper, P.E.ら, 上記を参照]。これらの障害はしばしば下垂体分泌細胞の良性腫瘍によるものである。本発明の化合物、特に、比較的疎水性であったり、何らかの手段によって血液/脳障壁を透過するものは、被検者、特にヒトに適切に投与されることにより、このような障害の治療に用途を示す。場合によっては、本発明の化合物を用いる薬物治療は、そのような良性腫瘍を除去するために実施される神経手術の必要性、およびそれに伴う危険性を未然に防ぐことができる。上記に参照したように、本発明の疎水性化合物は、カルボキシなどのような極性の高い成分を含まない化合物を包含するであろう。
【0116】
本発明の化合物はまた、AVPに対する過敏性、またはAVPの過剰放出によって生じることのある尿崩症のような、視床下部によって生産される物質の分泌過多を伴う障害の治療に使用することもできる。AVPは、視床下部の視索上核および室傍核のニューロンにおいて合成され、そこから放出されるペプチドである[Cooper, P.E.ら, Diseases ofthe Nervous System: Clinical Neurobiology, eds, Saunders, Philadelphia, pp. 567-583 (1992)を参照]。尿崩症を治療するための現在の手段は、視索上核中の細胞の大部分の外科的破壊である。本発明の化合物を用いる薬物治療は、そのような神経外科の必要性を、少なくとも場合によっては避けることができる。
【0117】
下垂体は成長因子を分泌することが証明されている。証拠は、グリア成長因子(「GGF」)と呼ばれるタンパク質のファミリーが、下垂体によって分泌されるそのような成長因子の群であることを示す。GGFは、ミエリン形成性Schwann 細胞に関して分裂誘発性であり、そのようなものとして、神経系の発達および再生に重要な役割を演じることができる[Marchionniら, Nature, 362:312-318 (1993)]。ウシ下垂体がGGFに富む源として識別されており、Mr 31,000のGGFがウシ下垂体から精製されている[Lemke, G.E. ら, J. Neurosci., 4:75:83 (1984)]。GGFの多数の分子形態が、活性形または先駆物質のいずれかとして下垂体から分泌されることができる。ウシ下垂体抽出物からのGGFは、異なる分子質量をもつ少なくとも3種の活性、すなわちGGF−I(34,000)、GGFII(59,000)およびGGFIII(45,000)に分解することができる[Goodearlら, J. Biol Chem., 268:18095-18102 (1993)]。GGFは、heregulins[Holmes, W.E.ら, Science, 256:1205-1210(1992)]およびneu 区別因子[Wen, D. ら, Cell, 69:559-572 (1992)]をはじめとする、p185erB2受容体キナーゼを活性化することが知られるタンパク質のファミリーのメンバーに、構造的に関連している。
【0118】
神経系および筋肉の発達、維持および/または修復におけるGGFおよび前記の関連タンパク質の正確な役割はまだ解明されておらず、GGFおよび関連分子の分泌の機構はまだ確定されていないが、既存の証拠は、下垂体および/または他の分泌部位からのGGFおよび関連のタンパク質の分泌を規制することが望ましい、病態生理的環境が生じうることを示す。そのような環境の一つは、神経の衰退を伴う疾病、たとえば糖尿病性神経障害[Duchen, L.W.(1983)in Autonomic Failure: A Textbook ofClinical Disorder of the Nervous System, Bannister, R.編, N.Y., Oxford Univ. Press; Foster, D.W. (1987)in Harrison's Principles of Internal Medicine, 11th Ed., New York, McGraw-Hill, pp. 1788-1795]または筋肉の衰退を伴う疾病、とりわけ筋ジストロフィー[Brooke, M.H. (1985) A Clinician's View of Neuromuscular Disease, 2nd ed., Baltimore, Williams およびWilkins; Huges, S.M.およびBlau, H.M.(1990)Nature 345:350-352] であることもある。本発明の化合物は、神経または筋肉の衰退を伴うような疾病を治療するのに、治療的有用性を有するに違いない。論理によって束縛されることを望まないが、本発明の化合物は、それらがGGF、neuregulinファミリーの他のメンバーおよび血液中に分泌される、神経および/または筋肉の発達、維持もしくは修復に関与する他の因子から合成される、細胞からのエキソサイトーシスを変調することによって、そのような障害を治療するのに有用性を有すると考えられる。
【0119】
以下の実施例に実証するような、心臓血管機能を規制するものと同一であるか、それと密接に関連しているCaチャネルを遮断する本発明の化合物の前記の能力は、本発明の化合物が心臓血管の障害の治療に用途を見出すことを示す。ベラパミル、ジルチアゼムおよびニフェジピンのようなLタイプCaチャネルの阻害剤によって治療できることが現在知られる障害には、高血圧、狭心症、心臓不整脈がある。実施例148に示すように、本発明の化合物のサブセットは、同じ検定プロトコルを使用して、LタイプCaチャネルを遮断するベラパミルまたはジルチアゼムの能力と比較した場合、そのチャネルの遮断に関して同等以上の力を示す。
【0120】
以下の実施例149に示すような、心臓血管機能を規制するものと同一であるか、それと密接に関連しているNaチャネルを遮断する本発明の化合物の前記の能力は、本発明の化合物が、Naチャネルの遮断剤によって治療できる心臓血管障害の治療に用途を見出すことを示す。したがって、本発明は、哺乳動物心臓細胞の電圧活性化ナトリウムチャネルを遮断する方法であって、1種以上の本発明の化合物の遮断有効量を、そのような細胞に投与することを含む方法を包含する。そのようなNaチャネル遮断剤のための主要な症状は、現在、Naチャネルの遮断剤、とりわけキニジン、プロカインアミド、リドカインおよびジフェニルヒダントイン(フェニトイン)によって治療されている心臓不整脈である。前記Naチャネル遮断剤によって正しく治療することができる心臓不整脈には、心室性頻拍、心室期外脱分極、ジギタリス誘発性心房性頻拍ならびに心房および心室性頻拍、発作性上室性頻拍、心房細動、ならびに上室不整脈の発症に対する予防がある(Bigger, J.T.ら, The Pharmacological Basis of Therapeutics, 7th Ed., eds., New York, MacMillan, pp. 748-783 (1985)を参照)。したがって、本発明の化合物は、心臓Naチャネルの遮断剤によって治療することができる心臓不整脈の治療に、有用性を見出すに違いない。本発明の化合物は、心臓Naチャネルの遮断剤によって治療できる高血圧および/または狭心症の治療に、有用性を見出すに違いない。これらの症状および心臓Naチャネル活性を遮断することによって治療できる他の症状に関して、本発明の化合物、特に、電荷を帯びていたり、親水性であったり、そうでなければ、血液/脳の障壁を越えないものが、全身および/または局所投与されたときに、臨床的に有用であると考えられる。
【0121】
ある種の心臓不整脈、とりわけ、発作性の上室性頻拍および他の上室性不整脈は、心臓血管Lタイプチャネルの遮断剤と、心臓Naチャネルの遮断剤の、両方によって治療することができる。したがって、NaチャネルおよびCaチャネルに対して二重の作用をもつ本発明の化合物(たとえばN−(5−アセナフチル)−N−(4−イソプロピルベンジル)グアニジンおよびN−(4−メトキシナフチル)−N′−(2,3,4−トリクロロフェニル)グアニジン)は、前記不整脈の治療に特に用途を有しているべきである。
【0122】
上記に論じたように、本発明の化合物はまた、慢性の痛みの治療に有用であり、局所麻酔薬としても有用である。
【0123】
本発明の化合物は、鼻腔内、経口または注入、たとえば筋肉内、腹腔内、皮下もしくは静脈内注入、または経皮、眼内もしくは腸内投与を行うことができる。最適な服用量は、後述の実施例に記載されている検定を包含する従来の方法で決定できる。本発明のグアニジン類は、後述の実施例に記載の方法で製造した、たとえば有機酸もしくは無機酸の薬理学的に許容される塩、たとえば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、半硫酸塩、メタンスルホン酸塩(メシレート)、グルコン酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩などとして、プロトン化および水溶性の形態で、対象に、好適に投与される。
【0124】
本発明の化合物は、単独で、または上記の1種以上の治療薬剤と組合せて、通常の賦形剤、すなわち活性化合物と有害に反応せず、かつその受容体に有害でない、非経口、腸内または鼻腔内適用に好適な、製薬的に許容可能な有機もしくは無機担体物質と混合して、医薬組成物として使用することができる。好適な製薬的に許容可能な担体は、塩の溶液、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール類、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘着性パラフィン、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、石油エーテル脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンであるが、これらに限定されない。医薬品は滅菌することができ、そして所望ならば、活性化合物と有害に反応しない補助剤、たとえば滑剤、保存剤、安定剤、保湿剤、乳剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝剤、着色剤、調味料および/または芳香物質などと混合することができる。
【0125】
非経口適用には、溶液、好ましくは油性もしくは水性の溶液が、懸濁液、乳液、もしくは坐剤を含む埋没物と同様に特に好適である。アンプルは、好都合な単位投薬である。
【0126】
腸内投与には、タルクおよび/または炭水化物担体結合剤などを有する錠剤、糖剤またはカプセルが特に好適であり、この担体は、好ましくはラクトースおよび/もしくはトウモロコシデンプンおよび/もしくは馬鈴薯デンプンが好ましい。シロップ、エリキシル剤などは、甘味賦形剤を用いる場合に使用することができる。徐放組成物は、活性成分が、差別的に崩壊しうるコーティング、たとえばマイクロカプセル化、多重コーティングなどで保護されているように処方することができる。
【0127】
静脈内または非経口投与、たとえば皮下、腹腔内もしくは筋肉内投与が、一般に好ましい。
【0128】
部位特異的な薬物送達方法が、治療を要する組織に本発明の化合物を送達する好ましい方法を構成する場合が生じることがある[Tomlinson, E., Advanced Drug Delivery Reviews, 1:87-198 (1987)を参照されたい]。たとえば、骨格筋のNaチャネルの病態生理的状態、とりわけ高カリウム血性の定期的麻痺から生じる筋機能障害の場合、本発明の化合物を、リポソームのような送達担体のマイクロカプセルに詰めることが望ましいかもしれず[Yagi, K., Medical Applications of Liposomes, Japan Soc. Press, Tokyo(1986); Gregoriadis, G., ed. Liposome Technology, Vol. I-III, CRC press, Inc., Cleveland (1984)]、その場合、そのようなリポソームは、罹患した筋肉細胞の表面上またはその近くにある特定の抗原を標的にしたモノクロナール抗体を含有する。前記の薬物送達方法は、結果的に、標的組織に対するリポソームの選択的結合および異常に機能する骨格筋Naチャネルの近くで本発明の化合物の放出を与え、そこで、前記化合物が、疾患の元である分子異常を構成する筋Naチャネルの持続的な活性化を阻害する。
【0129】
本発明の1種以上の化合物の標的への送達はまた、クロム親和性細胞腫または血液中へのカテコールアミン類の分泌過多をもたらす他の異常の治療に対して好ましいことがある。クロム親和性細胞のCaチャネルは、神経、心臓細胞および筋肉のそれらの密接に関連しているため(Neher, E. ら, Neuron, 10:21-30(1993); Bean, B.P. Ann. Rev. Physiol., 51:367-384(1989); Hess, P., Ann, Rev. Neurosci., 13:337-56(1990))、クロム親和性細胞からのカテコールアミン類の放出を遮断するのに十分な濃度での本発明の化合物の全身的投与は、たとえば、ニューロンおよび心臓血管Caチャネルの遮断から生じるある種の副作用を起こすおそれがある。したがって、分泌過多の副腎髄質のクロム親和性細胞の、表面またはその近くの特定の抗原を標的にしたモノクロナール抗体を含有するリポソームに、本発明の化合物を組み込むことにより、本発明の化合物のクロム親和性細胞への送達を高め、前記の副作用を減らすことができる。
【0130】
このリポソームを媒介とする薬物標的方法は、がんのような症状の化学療法および腫瘍の破壊に使用される多様な薬剤の送達に関して報告されている[たとえば、Bassett, J.B. ら, J. Urol., 135:612-615 (1986)]。本発明の化合物の被検者への投与の場合、この方法の適切な改良、および新たな部位特定的な薬物送達方法が有用であろう。特に、本発明の化合物の部位特定的な送達に適切な方法は、部位特異的な徐放を許すポリマービーズへの前記化合物の組み入れ[Mathiowitz, E.ら, J. ControlledRelease, 5:13-18 (1987)]、および外科的に埋設されたポンプによる標的組織への送達を包含することができる。
【0131】
所与の治療に使用される活性化合物の実際の好ましい量は、使用する特定の化合物、配合される特定の組成物、適用形態、投与の具体的な部位などによって異なることが察知されよう。所与の投与プロトコルについて最適な投与率は、当業者であれば、前記の指針に関して実施される従来の用量決定試験を使用して容易に確定することができる。一般に、本発明の化合物1種以上の適切な有効量は、特に、本発明のより強力な化合物を使用する場合、1日あたり被投与者の体重1kgあたり0.1〜500mgの範囲であり、好ましくは、1日あたり被投与者の体重1kgあたり1〜100mgの範囲である。所望の用量を1日一回投与するか、いくつかのサブ用量、たとえば2〜4のサブ用量を、1日の適切な間隔または他の適切なスケジュールで投与する。このようなサブ用量は、たとえば、単位用量あたり本発明の化合物を0.25〜25mg、好ましくは0.5〜5mgを含有する単位用量形態で投与することができる。
【0132】
あるいはまた、本発明の化合物は、たとえば静脈注入によって、または本発明の化合物を組み入れ、放出する適切に配置された経皮パッチにより、一定期間にわたって連続的に投与してもよい。
【0133】
上記に開示したように、適切に標識された本発明の化合物を使用して、イオンチャネル(たとえばCaまたはNa)の活性を検出することができ、それが、本明細書に論じるような特定の人間の疾患を診断するのに役立つ。本発明の化合物は、適切に、たとえば125Iを用いて、たとえば化合物のアリール環で放射線標識することができ、標識した化合物を被検者に投与し、その被検者を、化合物のイオンチャネルへの結合に関して、適切な走査ツールを用いて走査することができる。たとえば、単一光子放出コンピュータトポグラフィー(「SPECT」)を適切に用いて、そのような結合を検出してもよい。本発明の適切な放射線標識した化合物は、公知の手法によって合成することができる。たとえば、ブロモもしくはクロロ環置換基を有するフェニルのような芳香族基を有する本発明の化合物を交換標識反応に用いて、125I環置換基を有する相当する化合物を得ることができる。
【0134】
米国特許第1,411,713号に記載されているような従来のグアニジン類と同様に、本発明のグアニジン類は、加硫促進剤として利用可能であろう。
【0135】
本明細書に記載されているすべての文書は、本明細書にその全体が参照として包含される。
【0136】
本発明は、下記の実施例によってさらに説明されるが、これらの実施例は本発明の理解を援助するものであって、それらを限定するものと解釈されるべきではない。
【0137】
一般的説明
後述の実施例において示されている百分率は、特に指示のない限り、すべて重量%である。温度はすべて摂氏で示されている。
【0138】
融点は、トーマス−フーバー(Thomas-Hoover)装置上の開放細管で測定を行い、修正を行わなかった。薄層クロマトグラフィーは、Merck シリカゲル60F254(0.2mm)またはBaker-flex1B2−Fシリカゲル板上で行った。グアニジン類は、254nM紫外線を用い、またはブロモクレゾール噴霧試薬(Sigma Chemical Co.)を用いて、青色の斑点としてTLC上で可視化された。分取用TLCは、あらかじめAnaltech GF で処理されたシリカゲル(1,000μm)のガラス裏打ち板(20×20cm)上で行った。全化合物のIR、 1Hおよび13C NMRスペクトルは、それらの定められた構造と一致した。NMRスペクトルは、GeneralElectric QE−300またはVarian Gemini 300で記録され、化学的移動は、重水素化溶媒(CHCl3 、δ7.26;CHD2 OD、δ3.30)の残留信号に対してppm(δ)で示した。赤外線スペクトルは、Nicolet 5DXB FT−IRまたはPerkin-Elmerモデル1420上で、(特に指示がなければ)CHCl3 中で記録をした。新規化合物のすべてについて、C、HおよびNの元素分析または正確な質量分析のいずれかで分析を行った。正確な質量分析が行われた化合物は、さらにHPLCおよび/または300MHz NMR分光計(1H)で純度を分析した。元素分析は、Galbraith Laboratories(テネシー州、Knoxville)またはMHW Analytics(アリゾナ州、Tucson)で行った。高分解質量スペクトル(HRMS)は、Finnegan MAT90に記録した。HPLCは、移動相として0.1%TFAを使用して、水/アセトニトリル(50:50)を用いたC18逆層カラムで行った。BrCNはAldrich ChemicalCo. から入手し、そのまま使用した。出発アミンはすべて、商業的供給源から入手し、使用前に標準的操作で精製するか、または指示されている場合には、公表されている操作で調製した。クロロベンゼンは、CaH2 から新たに蒸留するか、Aldrich から供給された無水の高級溶媒(Sure Seal) を使用した。エーテル(Et2 O)およびテトラヒドロフランは、使用の前に、ナトリウム/ベンゾフェノンケチル上で還流し、窒素下で新たに蒸留するか、Aldrich から供給された無水の高級溶媒(Sure Seal) を使用した。他のすべての溶媒は試薬級であった。アルキルおよびアリールシアナミドは、上述のようにして、そしてエーテル中のBrCNとアミンとの反応による、公開された方法(たとえば、PCT/US92/01050)によって調製した。
【0139】
実施例1:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HClの合成
第1部:N−(4−sec−ブチルフェニル)−4−tert−ブチルベンジルアミンの合成
トルエン(100ml)中の4−sec−ブチルアニリン(2.89g、20mmol)とトリエチルアミン(2.5g、25mmol)との混合物を、4℃で15時間攪拌し、沈殿物を形成させた。この沈殿物(トリエチルアミン・HBr)をろ別し、ろ液を乾燥状態まで濃縮した。次に、粗反応混合物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(SiO2 、ヘキサン/CH2 Cl2 =5/1)。N−(4−sec−ブチルフェニル)−4−tert−ブチルベンジルアミン(4.5g、油状物)を得た。
【0140】
第2部:N−(4−sec−ブチルフェニル)−4−tert−ブチルベンジルアミン・HClの合成
ジエチルエーテル(10ml)中のN−(4−sec−ブチルフェニル)−4−tert−ブチルベンジルアミン(4.5g)の溶液に、HClのエーテル溶液を4℃で加え、ついで反応混合物を、25℃で10分間攪拌した。得られた溶液を蒸発させ、減圧下に乾燥させて、N−(4−sec−ブチルフェニル)−4−tert−ブチルベンジルアミン・HCl 4.7gを得た。
【0141】
第3部:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HClの合成
メタノール中のN−(4−sec−ブチルフェニル)−4−tert−ブチルベンジルアミン・HCl(0.8g、2.7mmol)とシアナミド(2g)との混合物を、70℃で40時間加熱した。その40時間の間、シアナミドを別に2部(それぞれ0.5g)加えた。反応は完結せず、N−(4−sec−ブチルフェニル)−4−tert−ブチルベンジルアミン・HClのわずかな割合が混合物中に残った。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(SiO2 、CH2 Cl2 /MeOH=9/1)。次に、水(20ml)に溶解した精製した化合物(グアニジンといくらかのシアナミドとの混合物)を、pH14に塩基性化した。グアニジンを含まない塩基をCH2 Cl2(20ml、2回)で抽出し、合わせた抽出物を濃縮した。最後に、純粋なN−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジンを、メタノール性HClによる処理によって、そのHCl塩に転換した。減圧下に15時間乾燥させた後、純粋な生成物(0.6g)を白色固体として得た。
【0142】
【表1】

【0143】
実施例2:N−(5−アセナフチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジンの合成
第1部:5−アセナフチルアミンの合成
5−および3−ニトロアセナフテンの混合物を、酢酸エチル中で、水素下に40psi の圧力においてPd/Cによって還元し、得られたアミンをシクロヘキサン/酢酸エチルからの再結晶によって分離した。
【0144】
第2部:N−(5−アセナフチル)−4−tert−ブチルベンジルアミンの合成
トルエン(50ml)中の5−アセナフチルアミン(1.0g、6mmol)とトリエチルアミン(0.76g、7.5mmol)との混合物を、4℃で攪拌し、4−tert−ブチルベンジルブロミド(1.36g、6mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を23℃で15時間攪拌して、沈殿物を形成させた。この沈殿物(トリエチルアミン・HBr)をろ別した、ろ液を乾燥状態まで濃縮した。次に、粗反応混合物をカラムクロマトグラフィーによって精製して(SiO2 、ヘキサン/CH2 Cl2 =5/1)、N−(5−アセナフチル)−4−tert−ブチルベンジルアミン(1.67g、油状物)を得た。
【0145】
第3部:N−(5−アセナフチル)−4−tert−ブチルベンジルアミンメタンスルホン酸塩の合成
ジエチルエーテル(10ml)中のN−(5−アセナフチル)−4−tert−ブチルベンジルアミン(1.1g)の溶液に、メタンスルホン酸(0.8g)を4℃で加え、反応混合物を25℃で10分間攪拌した。次に、得られた溶液を蒸発させ、減圧下に乾燥させて、N−(5−アセナフチル)−4−tert−ブチルベンジルアミンメタンスルホン酸塩を得た。
【0146】
第4部:N−(5−アセナフチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジンの合成
メタノール中のN−(5−アセナフチル)−4−tert−ブチルベンジルアミンメタンスルホン酸塩(3.5mmol)とシアナミド(0.4g)との混合物を、70℃で40時間加熱した。その40時間の間に、別のシアナミドを2回(それぞれ0.5g)加えた。反応は完結せず、N−(5−アセナフチル)−4−tert−ブチルベンジルアミン・HClのわずかな割合が混合物中に残った。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(SiO2 、MeOH/CH2 Cl2 =0〜10%)。水(20ml)に溶解した精製した化合物(グアニジンといくらかのシアナミドとの混合物)を、pH14に塩基性化した。次に、グアニジンを含まない塩基をCH2 Cl2(20ml、2回)で抽出し、合わせた抽出物を濃縮した。最後に、純粋なN−(5−アセナフチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジンを、減圧下に15時間乾燥させて、純粋な生成物(0.6g)を白色固体として得た。
【0147】
【表2】

【0148】
実施例3:N−(5−アセナフチル)−N′−ベンズヒドロリルグアニジン・HClの合成
段階1.5−アセナフチルシアナミド
5−アミノアセナフテン(7.0g、41.4mmol)を、エーテル(100ml)と酢酸エチル(25ml)との混合物に溶解した。この溶液に対し、アセトニトリル中の臭化シアンの5M 溶液(臭化シアン25.6mmol)5.2mlを加えた。この溶液を一夜攪拌すると、灰色の沈殿物が徐々に現れた。固形物をろ過によって除去し(5−アミノアセナフテン臭化水素酸塩)、得られたろ液を減圧中に濃縮して半固形の残渣を得た。エーテル(60ml)を残渣に加え、混合物を一夜攪拌した。固体を除去し(さらなる5−アミノアセナフテン臭化水素酸塩)、ろ液を約20mlに濃縮した後、暖かいシクロヘキサン(15ml)で希釈した。室温で放置すると、帯黄白色の結晶が沈着した。これらを捕集し、シクロヘキサン−エーテル(1:1)で洗浄し、減圧中で乾燥させて、純粋な生成物1.5gを得た。融点163〜65℃
【0149】
段階2.N−(5−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリルグアニジン・HClの合成
5−アセナフチルシアナミド(0.194g、1mmol)と、ベンズヒドリルアミン塩酸塩(0.209g、0.95mmol、ベンズヒドリルアミンと1.0N HCl−エーテルから合成)との混合物を、クロロベンゼン10ml中、還流状態で加熱した。6時間還流させた後、混合物は明澄な溶液になり、還流をさらに12時間継続した。この混合物を20℃に冷却し、ロータベーパ上で濃縮して、褐色のシロップを得た。このシロップを、沸騰エタノール中でNorite−Aで20分間処理して、無色のガラス状物を得た。このガラス状物を、無水エーテル中で室温で10時間攪拌して、明るい白色の固体を得た。固体をろ過によって捕集し、過剰のエーテルで洗浄し、減圧中、40℃で乾燥させて、生成物(0.326g、79%)を白色固体として得た。
【0150】
【表3】

【0151】
実施例4:N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)グアニジン・HClの合成
臭化シアン(0.390g、3.7mmol)を一部づつ、攪拌中の4−sec−ブチルアニリン(0.746g、5mmol)に室温で加えた。エタノール(無水)を加え(4ml)、得られた明澄な反応混合物を、アルゴン下に約30時間、油槽(槽温度80〜85℃)上で還流させながら加熱した。反応混合物を室温まで冷まし、エタノール(15ml)で希釈し、Norite−A(木炭)で処理した後、10%NaOH溶液(4〜5ml)を加えた(pH>10)。得られた白色固体をろ過し、エタノール−水から結晶化させて、表題の化合物(0.204g、13%)を、明るい白色の固体として得た。
【0152】
【表4】

【0153】
実施例5:N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン・HClの合成
段階1.N−メチル−N−(4−sec−ブチルフェニル)シアナミドの合成
THF(33ml)中の4−sec−ブチルフェニルシアナミド(2.3g、13.56mmol)の溶液を、室温で、THF(12ml)中の水素化ナトリウム(1.08g、27mmol)の攪拌中の懸濁液にゆっくりと加えた。2時間還流させた後、反応混合物を20℃に冷却し、ヨウ化メチル(7.04g、49.6mmol)を加え、混合物を20℃で攪拌した。19時間後、メタノール(45ml)、次に水(100ml)を注意して加えることによって、反応を急冷した。水性混合物を塩化メチレン(3×90ml)で抽出し、MgSO4 上で乾燥させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、生成物(2.0g、79%)を橙色のシロップとして得た。TLC(CHCl3:CH3 OH;10:1);Rf =0.76
【0154】
段階2.N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン・HClの合成
塩化アルミニウム(0.42g、3.1mmol)を、145℃で、クロロベンゼン(15ml)中のN−(4−sec−ブチルフェニル)−N−メチルシアナミド(0.534g、2.84mmol)の攪拌中の溶液に加えた。10分後、4−sec−ブチルフェニルアミン塩酸塩(0.474g、2.56mmol、4−sec−ブチルアニリンと1.0M HCl−エーテルから合成)を加え、還流を続けた。2時間後、反応混合物を蒸発させ、生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題の化合物(0.45g、65%)をシロップとして得た。
【0155】
【表5】

【0156】
実施例6:N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン・HClの合成
段階1.N−メチル−N−(4−sec−ブチルフェニル)シアナミドの合成
上記の実施例5の段階1と同様にして合成した。
【0157】
段階2.N−メチル−N−(4−sec−ブチル)アニリンの合成
4−sec−ブチルアニリン(4.28g、28.7mmol)をギ酸(97%、1.85g、40.2mmol)に溶解させ、アルゴン下に100〜105℃で磁気的に攪拌した。6時間後、反応混合物を25℃に冷却し、ジクロロメタン(40ml)で希釈した。この混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(3×30ml)およびブライン(3×30ml)で洗浄し、有機相をMgSO4 上で乾燥させ、蒸発させてホルムアミド(3.85g、76%)をこはく色のシロップとして得た。これをさらに精製することなく、次の段階に使用した。
【0158】
氷槽温度のTHF(23ml)中のLiAIH4 −THF溶液(1.0M 、1.0g、26mmol)を調製した。内容物を25℃で20時間攪拌した後、反応混合物を硫酸ナトリウム飽和溶液(150ml)と合わせ、ろ過し、THFで洗浄した。ろ液を蒸発させ、残渣をシリカゲル上、ヘキサン/酢酸エチル(8:2)を溶離剤として使用して、クロマトグラフィーに付して、表題化合物(1.76g、50%)を液体として得た。
【0159】
段階3.N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン・HClの合成
塩化アルミニウム(0.39g、2.93mmol)を、145℃で、クロロベンゼン(14ml)中の4−sec−ブチルフェニル−N−メチルシアナミド(0.5g、2.66mmol)の攪拌した溶液に加えた。10分後、4−sec−ブチルフェニル−N−メチルアミン塩酸塩(0.466g、2.34mmol、4−sec−ブチルフェニル−N−メチルアミンと1.0M HCl−エーテルから合成)を加え、還流を続けた。5時間後、反応混合物をロータベーパ上で蒸発させ、クロロホルム/メタノール(10:1)を使用して生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題の化合物(0.34g、38%)を、極めて吸湿性の固体として得た。
【0160】
【表6】

【0161】
実施例7:N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の合成
第1部:5−アセナフチルシアナミドの合成
5−および3−ニトロアセナフテンの混合物を、酢酸エチル中で、水素下に40psi の圧力においてPd/Cによって還元し、得られたアミンをシクロヘキサン/酢酸エチルからの再結晶によって分離した。5−アセナフチルアミンを臭化シアンとさらに反応させて、5−アセナフチルシアナミドを得た。
【0162】
第2部:N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の合成
5−アセナフチルシアナミド(582mg、3mmol)、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルメタンスルホン酸塩(688mg、3mmol)およびクロロベンゼン(2ml)の混合物を、丸底フラスコ中、150〜160℃で1時間加熱し、沈殿物を形成させた。沈殿物をろ過によって捕集し、エーテルで洗浄し、減圧下に乾燥させて、純粋な生成物(1.25g)を白色固体として得た。
【0163】
【表7】

【0164】
実施例8:N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−2−イミノピリミダゾリジン・HBrの合成
第1部:N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)マロニルジアミドの合成
塩化メチレン(10ml)中のマロニルジクロリド(10mmol)を、10分かけて4℃で、塩化メチレン(30ml)中の4−sec−ブチルアニリン(52mmol)の溶液に滴下した。発熱が治まった後、溶液を氷槽から取り出し、25℃で2時間攪拌した。塩化メチレン溶液を乾燥状態まで濃縮した。粗生反応混合物をカラムクロマトグラフィーによって精製して(SiO2 、CH2 Cl2 /EtOAc=2/1)、純粋なN,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)マロニルジアミドを得た(収率75%)。
【0165】
第2部:N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−1,3−ジアミノプロパンの合成
THF中のジボラン(38.24mmol、38.24ml、1M)を、4℃で、N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)マロニルジアミド(9.56mmol)の乾燥THF溶液に、10分間かけて滴下した。15分後、反応混合物を還流温度で16時間加熱した。次に、反応混合物を0℃で水性HCl(1M)によって急冷した。次に、THFを蒸発させ、溶液をpH14に塩基性化し、CH2 Cl2 で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4 上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、純粋なN,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−1,3−ジアミノプロパンを黄色の液体として得た(収率78%)。
【0166】
第3部:N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル−2−イミノピリジダゾリジン・HBrの合成
EtOH(15ml)中のN,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−1,3−ジアミノプロパン(1.69g、5mmol)を臭化シアンに加えた後、溶液を16時間還流させた。反応後、混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製した(SiO2 、MeOH/CH2 Cl2 =0〜10%)。純粋なN,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−2−イミノピリジダゾリジン・HBrを、白色固体として得た(収率75%)。
【0167】
【表8】

【0168】
実施例9:N,N′−ジ(3−フルオランテニル)グアニジン臭化水素酸の合成
エタノール(100.0ml)中の3−アミノフルオランテン(1.95g、8.98mmol)の溶液に、フラスコを氷槽によって囲みながら、Ar下に、臭化シアン(0.922g、8.7mmol)をゆっくりと加えた。この溶液を9.5時間還流させた後、室温で18時間攪拌した。黄色の混合物を吸引ろ過し、黄色固体を、エーテルおよび少量の酢酸エチルで洗浄して、表題化合物を黄色固体として得た。1.53g、収率63.0%
【0169】
【表9】

【0170】
実施例10〜145
上記に示した方法により、適切に置換された試薬を用いて、指定された物理的特徴を有する以下の化合物を合成した。
実施例10:N−(5−アセナフチル)−N′−[(1−ナフチル)メチル]グアニジン・CH3 SO3
【0171】
【表10】

【0172】
実施例11:N−(2−ナフチル)−N′−(4−イソプロピルフェニル)グアニジン・HCl
【0173】
【表11】

【0174】
実施例12:N,N′−ジ(2−フルオレニル)グアニジン・HBr
【0175】
【表12】

【0176】
実施例13:N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン
【0177】
【表13】

【0178】
実施例14:N−(4−tert−ブチルフェニル)−N′−(2,3,4−トリクロロフェニル)グアニジン・HCl
【0179】
【表14】

【0180】
実施例15:N−(4−メトキシ−1−ナフチル)−N′−(2,3,4−トリクロロフェニル)グアニジン・HCl
【0181】
【表15】

【0182】
実施例16:N−(2−ナフチル)−N′−(2−アダマンチル)グアニジン・HCl
【0183】
【表16】

【0184】
実施例17:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−ベンジルグアニジン
【0185】
【表17】

【0186】
実施例18:N−(5−アセナフチル)−N−ベンジルグアニジン
【0187】
【表18】

【0188】
実施例19:N−(5−アセナフチル)−N−(4−イソプロピルベンジル)グアニジン
【0189】
【表19】

【0190】
実施例20:N−(4−シクロヘキシルフェニル)−N−(4−イソプロピルベンジル)グアニジン・HCl
【0191】
【表20】

【0192】
実施例21:N−(4−シクロロヘキシルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0193】
【表21】

【0194】
実施例22:N−(2−フルオレニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0195】
【表22】

【0196】
実施例23:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(trans −シンナミル)グアニジン・HCl
【0197】
【表23】

【0198】
実施例24:N−(4−n−ブトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0199】
【表24】

【0200】
実施例25:N−(3−ビフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0201】
【表25】

【0202】
実施例26:N−(5−インダニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0203】
【表26】

【0204】
実施例27:N−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0205】
【表27】

【0206】
実施例28:N−(メトキシ−1−ナフチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0207】
【表28】

【0208】
実施例29:N−(5−アセナフチル)−N′−(インドリニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0209】
【表29】

【0210】
実施例30:N,N′−ビス(3−ビフェニル)グアニジン・HBr
【0211】
【表30】

【0212】
実施例31:N,N′−ビス(3−tert−ブチルフェニル)グアニジン・HBr
【0213】
【表31】

【0214】
実施例32:N,N′−ビス(4−メトキシ−1−ナフチル)グアニジン・HBr
【0215】
【表32】

【0216】
実施例33:N,N′−ビス(5−インダニル)グアニジン・HBr
【0217】
【表33】

【0218】
実施例34:N,N′−ビス(3−sec−ブチルフェニル)グアニジン・HBr
【0219】
【表34】

【0220】
実施例35:N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン・HBr
【0221】
【表35】

【0222】
実施例36:N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン・HBr
【0223】
【表36】

【0224】
実施例37:N,N′−ビス(4−n−ブチルフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0225】
【表37】

【0226】
実施例38:N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−フェノキシエチル)グアニジン・HCl
【0227】
【表38】

【0228】
実施例39:N−(5−アセナフチル)−N′−(ピペロニル)グアニジン・HCl
【0229】
【表39】

【0230】
実施例40:N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−(4−クロロフェニル)エチル)グアニジン・HCl
【0231】
【表40】

【0232】
実施例41:N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2−ジフェニルエチル)グアニジン・HCl
【0233】
【表41】

【0234】
実施例42:N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)グアニジン・HCl
【0235】
【表42】

【0236】
実施例43:N−(5−アセナフチル)−N′−(3−フェニルプロピル)グアニジン・HCl
【0237】
【表43】

【0238】
実施例44:N−(5−アセナフチル)−N′−(2−メチル−2−フェニルエチル)グアニジン・HCl
【0239】
【表44】

【0240】
実施例45:N,N′−(sec−ブチルフェニル)−N′−(2−フェノキシエチル)グアニジン・HCl
【0241】
【表45】

【0242】
実施例46:N,N′−(sec−ブチルフェニル)−N′−(n−ペンチル)グアニジン・HCl
【0243】
【表46】

【0244】
実施例47:N−(1−ナフチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0245】
【表47】

【0246】
実施例48:N−(3−ヨードフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0247】
【表48】

【0248】
実施例49:N−(4−クロロ−1−ナフチル)−N−(4−tert−ベンジル)グアニジン・HCl
【0249】
【表49】

【0250】
実施例50:N−(4−tert−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0251】
【表50】

【0252】
実施例51:N−(4−ヨードフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0253】
【表51】

【0254】
実施例52:N−(1−ナフチルメチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0255】
【表52】

【0256】
実施例53:N−(5−アセナフチル)−N−(3−フェノキシベンジル)グアニジン・HCl
【0257】
【表53】

【0258】
実施例54:N−(3−トリフルオロメチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0259】
【表54】

【0260】
実施例55:N−(3−メチルチオフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0261】
【表55】

【0262】
実施例56:N−(5−アセナフチル)−N−(3−ヨードベンジル)グアニジン・HCl
【0263】
【表56】

【0264】
実施例57:N−(5−アセナフチル)−N−シンナミルグアニジン・HCl
【0265】
【表57】

【0266】
実施例58:N−(5−アセナフチル)−N−(4−ヨードベンジル)グアニジン・HCl
【0267】
【表58】

【0268】
実施例59:N−(5−アセナフチル)−N−(4−トリフルオロメトキシベンジル)グアニジン・HCl
【0269】
【表59】

【0270】
実施例60:N−(5−アセナフチル)−N′−((4−tert−ブチルフェニル)−(4−sec−ブチルフェニル)メチル)−N′−メチルグアニジン・HCl
【0271】
【表60】

【0272】
実施例61:N−(4−ブトキシフェニル)−N,N′−ビス(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0273】
【表61】

【0274】
実施例62:N−(3−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0275】
【表62】

【0276】
実施例63:N−(3−tert−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0277】
【表63】

【0278】
実施例64:N−(3−ペントキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0279】
【表64】

【0280】
実施例65:N−(5−アセナフチル)−N−(4−ベンジルオキシベンジル)グアニジン・HCl
【0281】
【表65】

【0282】
実施例66:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−ベンジルオキシベンジル)グアニジン・HCl
【0283】
【表66】

【0284】
実施例67:N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−(4−ベンジルオキシベンジル)グアニジン・HCl
【0285】
【表67】

【0286】
実施例68:N−(5−アセナフチル)−N−(3−ベンジルオキシベンジル)グアニジン・HCl
【0287】
【表68】

【0288】
実施例69:N−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0289】
【表69】

【0290】
実施例70:N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン・HCl
【0291】
【表70】

【0292】
実施例71:N−(4−ヘキシルフェニル)−N−(4−ヘキシルベンジル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0293】
【表71】

【0294】
実施例72:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−ピロリジニルグアニジン・HCl
【0295】
【表72】

【0296】
実施例73:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−チオモルホリニル)グアニジン・HCl
【0297】
【表73】

【0298】
実施例74:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−ピペリジニルグアニジン・HCl
【0299】
【表74】

【0300】
実施例75:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−モルホリニル)グアニジン・HCl
【0301】
【表75】

【0302】
実施例76:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−プロピルピペリジニル)グアニジン・HCl
【0303】
【表76】

【0304】
実施例77:N−(4−ブトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−ピペリジニル)グアニジン・HCl
【0305】
【表77】

【0306】
実施例78:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−ベンジルピペリジニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0307】
【表78】

【0308】
実施例79:N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−モルホリニル)グアニジン・HCl
【0309】
【表79】

【0310】
実施例80:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)グアニジン・HCl
【0311】
【表80】

【0312】
実施例81:N−(3−ブトキシ−4−メトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−モルホリニル)グアニジン・HCl
【0313】
【表81】

【0314】
実施例82:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(3,5−ジメチル−4−モルホリニル)グアニジン・HCl
【0315】
【表82】

【0316】
実施例83:N−(4−tert−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン・HCl
【0317】
【表83】

【0318】
実施例84:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン・HCl
【0319】
【表84】

【0320】
実施例85:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−フェニルグアニジン・HCl
【0321】
【表85】

【0322】
実施例86:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−クロロフェニル)グアニジン・HCl
【0323】
【表86】

【0324】
実施例87:N−(4−ブトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−フェニルグアニジン・HCl
【0325】
【表87】

【0326】
実施例88:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−フェニル−N′−メチルグアニジン・HCl
【0327】
【表88】

【0328】
実施例89:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(3,4−ジクロロフェニル)グアニジン・HCl
【0329】
【表89】

【0330】
実施例90:N−(4−ヘキシルフェニル)−N−(4−tert−ヘキシルベンジル)−N′−フェニルグアニジン・HCl
【0331】
【表90】

【0332】
実施例91:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0333】
【表91】

【0334】
実施例92:N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン・HBr
【0335】
【表92】

【0336】
実施例93:N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン・HCl
【0337】
【表93】

【0338】
実施例94:N,N′−ビス(3−(1′−メチル−2′−フェニル)エチル)グアニジン・HCl
【0339】
【表94】

【0340】
実施例95:N−メチル−N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0341】
【表95】

【0342】
実施例96:N,N′−ビス(4−ヘキシルフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0343】
【表96】

【0344】
実施例97:N−(3−(1−(4′−エトキシ)ベンジル)フェネチル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0345】
【表97】

【0346】
実施例98:N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチル−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0347】
【表98】

【0348】
実施例99:N−(3−(4−tert−ブチルベンジルオキシ)フェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0349】
【表99】

【0350】
実施例100:N−(3−(1′−ベンジルブチル)フェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0351】
【表100】

【0352】
実施例101:N,N′−ビス(4−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン・HCl
【0353】
【表101】

【0354】
実施例102:N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン・HCl
【0355】
【表102】

【0356】
実施例103:N−(3−ナフチルメトキシフェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0357】
【表103】

【0358】
実施例104:N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ブチルフェニル)グアニジン・HCl
【0359】
【表104】

【0360】
実施例105:N,N′−ビス(4−ブチルフェニル)−N−ブチルグアニジン・HCl
【0361】
【表105】

【0362】
実施例106:N−(3−ベンジルオキシメチル)フェニル−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0363】
【表106】

【0364】
実施例107:N−(3,4−ジブトキシフェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン・シュウ酸塩
【0365】
【表107】

【0366】
実施例108:N−(3−ベンジルオキシ)フェニル−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0367】
【表108】

【0368】
実施例109:N,N′−ビス((3−ブトキシ−4−メトキシ)フェニル)グアニジン・HBr
【0369】
【表109】

【0370】
実施例110:N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−メチル−N′−(4−ブチルフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0371】
【表110】

【0372】
実施例111:N,N′−ジ(6−テトラリニル)グアニジン・HBr
【0373】
【表111】

【0374】
実施例112:N−(6−テトラリニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0375】
【表112】

【0376】
実施例113:N−(5−アセナフチル)−N′−(6−ベンゾチオゾリル)グアニジン・HCl
【0377】
【表113】

【0378】
実施例114:N−(5−アセナフチル)−N′−(6−N−ベンジルインドリニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0379】
【表114】

【0380】
実施例115:N−(5−アセナフチル)−N′−(4−ベンゾ−2,1,3−チアジアゾール)グアニジン・HCl
【0381】
【表115】

【0382】
実施例116:N−(5−アセナフチル)−N′−[4−(6−メチル−ベンゾチアゾール)フェニルグアニジン]・HCl
【0383】
【表116】

【0384】
実施例117:N−(5−アセナフチル)−N′−(1−ベンズ[cd]インドリニル)グアニジン・HCl
【0385】
【表117】

【0386】
実施例118:N−(5−アセナフチル)−N′−(6−ベンズ[cd]インド−2[1H]−オン)グアニジン・HCl
【0387】
【表118】

【0388】
実施例119:N,N′−ビス(6−ベンズ[cd]インドリニル−2[1H]−オン)グアニジン・HBr
【0389】
【表119】

【0390】
実施例120:N−(4−ブトキシフェニル)−N′−(4−クロロフェニルエチル)グアニジン・HCl
【0391】
【表120】

【0392】
実施例121:N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N,N′−ジフェニルグアニジン・シュウ酸塩
【0393】
【表121】

【0394】
実施例122:N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−ベンジル−N′−フェニルグアニジン・シュウ酸塩
【0395】
【表122】

【0396】
実施例123:N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルチオフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0397】
【表123】

【0398】
実施例124:N,N′−ビス(4−(ペンチルチオ)フェニル)グアニジン・HBr
【0399】
【表124】

【0400】
実施例125:N,N′−ビス(3−(フェニルチオ)フェニル)グアニジン・シュウ酸塩
【0401】
【表125】

【0402】
実施例126:N−(5−アセナフチル)−N′−(2−フェニルエチル)グアニジン・HCl
【0403】
【表126】

【0404】
実施例127:N−(5−アセナフチル)−N′−(3−ブトキシプロピル)グアニジン・HCl
【0405】
【表127】

【0406】
実施例128:N,N′−ビス(2,2−ジフェニルエチル)グアニジン・HBr
【0407】
【表128】

【0408】
実施例129:N−(4−ブトキシフェニル)−N−(4−クロロベンズヒドリル)グアニジン・HCl
【0409】
【表129】

【0410】
実施例130:(5−アセナフチル)−N′−(フェネチル)−N′−ベンジルグアニジン・マレアート
【0411】
【表130】

【0412】
実施例131:N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−クロロベンジル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0413】
【表131】

【0414】
実施例132:N,N′−ビス(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチルグアニジン・メタンスルホン酸塩
【0415】
【表132】

【0416】
実施例133:N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−フェニルグアニジン・HCl
【0417】
【表133】

【0418】
実施例134:N−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−(4−イソプロポキシフェニル)−N′−フェニルグアニジン・HCl
【0419】
【表134】

【0420】
実施例135:N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−フェニルグアニジン・メタンスルホン酸塩
【0421】
【表135】

【0422】
実施例136:N,N′−ビス(3−オクチルオキシフェニル)グアニジン・HCl
【0423】
【表136】

【0424】
実施例137:N,N−ビス(4−ブトキシフェニル)グアニジン・HBr
【0425】
【表137】

【0426】
実施例138:N,N′−ビス(4−フェノキシフェニル)グアニジン・HBr
【0427】
【表138】

【0428】
実施例139:N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−フェノキシフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0429】
【表139】

【0430】
実施例140:N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−フェニルアゾフェニル)グアニジン・メタンスルホン酸塩
【0431】
【表140】

【0432】
実施例141:N,N−ビス(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチルグアニジン・HCl
【0433】
【表141】

【0434】
実施例142:N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチルグアニジン・メタンスルホン酸塩
【0435】
【表142】

【0436】
実施例143:N−(4−ブトキシフェニル)−N′−(4−イソプロポキシフェニル)−N′−フェニルグアニジン・HCl
【0437】
【表143】

【0438】
実施例144:N,N′−ビス(4−(4−ヒドロキシブチル)フェニル)グアニジン・HBr
【0439】
【表144】

【0440】
実施例145:N−(4−ブトキシフェニル)−N′−(3−メトキシフェニル)−N′−フェニルグアニジン・HCl
【0441】
【表145】

【0442】
実施例146:グルタミン酸塩放出の阻害
グルタミン酸塩放出の阻害に関して化合物を試験した。以下のデータが示すように、本発明の化合物は、グルタミン酸塩放出に対して効果的な遮断剤である。この検定は、脳神経末端からの脱分極誘発 3H−グルタミン酸塩放出を測定するための高速超融合システム(このシステムは、S. Goldin の米国特許第4,891,185号明細書(1990); Turner, T.J. ら, Anal. Biochem., 178:8-16 (1989)に開示されている)の適用を包含する。脱分極性の刺激が、グルタミン酸塩作動性シナプス小嚢のCa依存性エキソサイトーシスを開始するのに要する主要段階として、シナプス前電圧活性化イオンチャネルを開く。この方法は、Na依存性グルタミン酸塩取込み系を介してラット脳シナプトソームに 3H−グルタミン酸塩を前添加することを包含する。前添加された神経末端は、高速ソレノイド駆動弁によってアクセスされる超融合チェンバに保持される。マイクロコンピュータ作動回路が弁動作のタイミングを制御し、弁が、窒素圧のもと、脱分極緩衝剤、Caおよび/または薬物のパルスのシナプトソームへの送達を制御する。3H−グルタミン酸塩含有流出液を、30ミリ秒の短さのサブ秒時間スケールで、高速画分収集装置に連続的に捕集する(ここでは300ミリ秒の画分を使用する)。高い溶液流量および最小限の死空間が、急激な溶液変化および神経末端合成物の化学的ミクロ環境の正確な制御をもたらす。
【0443】
さらに具体的には、用いた検定方法は、GoldinらのPCT/US92/01050に記載され、以下の変更が加えられている。高い[K+ ]を含有する緩衝剤の導入は、脱分極を作り出すのに用いられる手段であった。この形態の脱分極は、シナプス前電圧活性化Caチャネルを開いて、グルタミン酸塩放出を誘発する好ましい方法である。また、さらなる脱分極方法、すなわちベラトリジンの導入を用い、そのようなベラトリジンに基づく並行実験を実施した。ベラトリジンは、電圧活性化Naチャネルを開き、それが神経末端血漿膜の脱分極をもたらし、それが逆に二次的にシナプス前Caチャネルを開いて、Ca依存性エキソサイトーシスを介して3H−グルタミン酸塩の放出を直接誘発することにより、神経伝達物質の放出を刺激することが知られている。ベラトリジン誘発性のグルタミン酸塩放出を使用して、電圧活性化シナプス前Naチャネルを遮断することによって神経伝達物質の放出を遮断する、本発明の化合物を検出することができる。タイプIおよびタイプIIニューロンNaチャネルの特異性の高い遮断剤であるテトロドトキシンが、ベラトリジン誘発 3H−グルタミン酸塩の放出を遮断し、高[K+ ]誘発 3H−グルタミン酸塩の放出に影響を加えないことが、すでに報告されている(Katragaddaら, Abs. Soc. for Neurosci. 19:1750 (1993))。ベラトリジン誘発酸塩の放出を測定する実験では、「ベース」緩衝剤中の50μM ベラトリジンを、PCT/US92/01050に記載のようにして用いられる「高K緩衝剤」に代えて用いた。それ以外、プロトコルは前記特許に記載されたものと同一であった。試験される化合物を含有する超融合溶液において、化合物をメタノール中の保存溶液として製造し、メタノールの最終濃度が0.3容量%を絶対に超えないように希釈した。化合物を含まない対照溶液を包含するすべての溶液は、同じ溶媒[メタノール]を含有するものであった。結果を、全体を、ともに表1として特定する以下の表(1a〜1f)に示す。この表および以下の他の実施例の表において、「FB」は、特定された化合物の遊離塩基形態を示す。
【0444】
【表146】

【0445】
【表147】

【0446】
【表148】

【0447】
【表149】

【0448】
【表150】

【0449】
【表151−1】

【0450】
【表151−2】

【0451】
【表151−3】

【0452】
実施例147:シナプス前Caチャネルを介する45Ca取込みの阻害
本発明の化合物を試験して、哺乳動物脳の神経末端における電圧活性化カルシウムチャネルを阻害するそれらの能力を決定した。前記電圧活性化カルシウムチャネルは、神経伝達物質の放出を直接制御する(Nachsen, D.A. ら, J. Gen Physiol., 79:1065-1087 (1982)を参照されたい)。前記[GoldinらのPCT/US92/01050]のように、Nachsen およびBlaustein の方法(J. Physiol., 361:251-258 (1985))の適用により、脳シナプトソームへの45Caの取込みを実施した。方法の原理は、シナプトソーム調製物の高K+ 誘発脱分極によって、シナプトソームカルシウムチャネルを通過するイオン透過を開くことを含む。この方法によって測定される45Ca取込みの急速な成分は、シナプス前カルシウムチャネルによって媒介される。
【0453】
簡単に述べると、シナプトソームは、Hajos (Brain Res., 93:485-489(1975))の方法によって調製される。調製したばかりのシナプトソーム(8μl)を、低カリウム「LK」緩衝剤(3ml KClを含有する)に懸濁した。最終濃度が0.3μM 〜100μM の範囲になるまで、8μlLK中の化合物をシナプトソームに加え、混合物を室温で5分、プレインキュベートした。そして、アイソトープをLKまたは高い[カリウム](150mM KCl)を含有する緩衝剤(「HK」)のいずれかに加えることにより、45Ca取込みを開始した。5秒後、急冷緩衝剤(LK+10mM EGTA)0.9mlを加えることによって45Ca取込みを中止した。そして、この溶液を減圧下にろ過し、フィルタを急冷緩衝剤15mlで洗浄した。
【0454】
洗浄したフィルタをシンチレーション分光光度測定にかけて、45Ca取込みの程度を測定した。試験した各化合物の濃度ごとに正味の脱分極誘発45Ca取込みを、HK緩衝剤中の45Ca取込みとLK緩衝剤中の45Ca取込みとの差として測定した。結果を、試験した各化合物の[化合物]に対する脱分極誘発45Ca取込みの阻害率としてプロットした。脱分極誘発45Ca取込みの阻害率の代表的なIC50を、全体を表2として特定する以下の表(2a〜2c)に示す。
【0455】
【表152】

【0456】
【表153】

【0457】
【表154】

【0458】
実施例148:Lタイプ(ジヒドロピリジン感知性)カルシウムチャネルを介する45Ca取込みの阻害
本明細書に特許請求する薬剤の大きな分類それぞれを表す本発明の化合物を試験して、クローン性GH4C1下垂体細胞における電圧活性化ジヒドロピリジン感知性Lタイプカルシウムチャネルを阻害する能力を測定した。前記電圧活性化Lタイプカルシウムチャネルは、心臓の筋肉、血管の平滑筋および心臓Purkije 細胞伝導系に見出される。これらは、高血圧、アンギナ、心臓不整脈および関連の障害を治療するのに用いられる主要な分類のCaアンタゴニストの作用部位である。LタイプCaチャネルはまた、ニモジピンのような特定の神経保護ジヒドロピリジンCaアンタゴニストの作用部位である。
【0459】
GH4C1細胞への45Caの取込みは、Tan, K. らの方法(J. Biol. Chem., 259:418-426 (1984))の適用によって実施した。方法の原理は、シナプトソーム調製物の高K+ 誘発脱分極によって、シナプトソームカルシウムチャネルを通過するイオン透過を活性化することを含む。この方法によって測定される45Caの取込みは、シナプス前Lタイプカルシウムチャネルによって媒介され、治療的に該当する濃度で、ジヒドロピリジン、フェニルアルキルアミンおよびベンゾチオアジピンCaアンタゴニストに対して感受性である[Tashjianら, 前出]。前記方法の適用は、96ウェルの培養皿でGH4C1細胞を増殖させることを包含し、種々の化合物がLタイプカルシウムチャネルを介する45Ca取込みを阻害する能力の、速やかな定量的な測定を提供するように設計されている。
【0460】
方法の詳細
液体窒素中に貯蔵したGH4細胞を、増殖培地(Ham のF−10培地プラス15%熱不活性化ウマ血清および2.5%熱不活性化ウシ胎児血清)15ml中に懸濁させる。細胞を遠心分離し、再び懸濁させ、増殖培地12〜15mlを含有するT−75フラスコに加え、37℃で約1週間インキュベートする。その後、Viocase 1mg/ml で37℃で5分間処理することによって細胞をフラスコの壁から解離させた後、細胞をT−75フラスコから取り出す。Viocase をデカントし、細胞を増殖培地〜200ml中に再懸濁させる。次に、細胞をいくつかの96ウェル培養皿のそれぞれの中に等分する(200μl/ウェル)。そして、前記条件下、増殖培地を週2回交換しながら細胞を3〜4週間増殖させる。45Ca取込み測定に使用する24時間前に、細胞に増殖培地を与える。
【0461】
検定時に、50μl の液体を各ウェルに残すように設計されたマニホルドを使用して、各96ウェル培養皿から培地を吸引する。各培養皿を洗浄し、低K+ 溶液「LKHBBS」(KCl 5mM、NaCl 145mM、Hepes 10mM、MgCl2 1mM、MgCl2 0.5mM、グルコース10mM、pH7.4)200μl/ウェルで2回吸引する。各培養皿を37℃で10分間インキュベートし、上記のように吸引する。各培養皿の各ウェルに対し、試験される薬物を最終濃度の2倍で含有するHBBS 50μl を加える。培養皿を室温で10分間インキュベートする。各培養皿の各ウェルに対し、二つの溶液のいずれか50μl を加える。
(a)担体を含まない45Ca1μCiを含有するLKHBBS、または
(b)HKHBBS(150mM KClを含有し、NaClを含有せず、それ以外はLKHBBSと同一である高K+ 緩衝剤)
【0462】
次に、各培養皿を室温で5分間インキュベートし、上記のように吸引し、急冷緩衝剤(10mM トリス−EGTAを含有するCaを含まないLKHBBS)200μl/ウェルで急冷する。各培養皿を吸引し、急冷緩衝剤で再びすすぎ、注意深く乾燥状態まで吸引する。各培養皿の各ウェルに対し、High Safe IIシンチレーション流体100μl を加える。培養皿をシールし、振り、Microbeta 96ウェルシンチレーションカウンタ(Wallac, Gaithersburg, MD, USA)上でシンチレーション分光光度測定にかける。
【0463】
試験した各化合物の濃度ごとに、正味の脱分極誘発45Ca取込みを、HKBBS緩衝剤中の45Ca取込みとLK緩衝剤中の45Ca取込みとの差として測定した。結果を、試験した各化合物の[化合物]に対する脱分極誘発45Ca取込みの阻害率としてプロットした。脱分極誘発45Ca取込みの阻害率の代表的なIC50を、全体を表3として特定する以下の表(3a〜3c)に示す。また、上記に指定した同じプロトコルによって、ベラパミルおよびジルチアゼムの既知の化合物を試験し、LタイプCaチャネルに対する以下の活性を観察した。ベラパミル:IC5045Ca取込みの遮断、μM)8.0+/−4(n=3);ジルチアゼム:IC5045Ca取込みの遮断、μM)19.7+/−6(n=3)
【0464】
【表155】

【0465】
【表156】

【0466】
【表157】

【0467】
実施例149:タイプIIニューロン電圧活性化ナトリウムチャネルを介する14Cグアニジン取込みの阻害
電圧ゲートされるNaチャネルのニューロン特異的タイプIIサブクラスのアンタゴニストは、神経保護性である(Stys, P.K.ら, J. Neurosci., 12:430-439 (1992))。本発明の化合物が電圧活性化タイプIINaチャネルを遮断する能力を、ラット脳から誘導されるクローンタイプIINaチャネルを発現するChinese Hamster Ovary(「CHO」)セルラインを用いる機能検定において測定した(West, J.W.ら, Neuron 8:59-70 (1992))。この検定は、アルカロイド神経毒であるベラトリジンが、ナトリウムチャネルの持続性活性化を引き起こし、ふぐから誘導される複素環式化合物であるテトロドトキシンが、前記タイプIIサブクラスを含む電圧感知性ナトリウムチャネルのいくつかの主要なサブクラスの強力で特異性の高い遮断剤であるという考察に基づく。さらに、それは、テトロドトキシン感知性Naチャネルが開くと、グアニジニウムカチオンが、膜脱分極(Hille, B., Ionic Channels of Excitable Membranes 2nd Edition, SinauerAssociates, Sunderland, MA, pp. 349-353 (1992))またはベラトリジンへの露出(Reith, M. E. A., Eur. J. Pharmacol., 188:33-41 (1990))のいずれかにより、テトロドトキシン感知性Naチャネルを透過するという発見を利用している。したがって、検定は、CHO細胞中で発現したクローンタイプIINaチャネルを通過する[14C]グアニジニウムイオンの、ベラトリジン刺激されたテトロドトキシン感知性流入を測定することを要する。検定のプロトコルは次のとおりである。
【0468】
検定プロトコル
前述のCHOセルラインを、5%ウシ胎児血清(Hyclone)、200μg /ml G418(Sigma)および5.75mg/ml プロライン(Sigma)で補足したRPMI1640培地(Media Tech)中、標準細胞培養技術によって増殖させる。細胞を、通常の方法で、in vitroで3〜4日間増殖させる。
【0469】
培養物を「プレインキュベーション緩衝剤」(KCl 5.4mM、MgSO4 0.8mM、Hepes 50mM、塩化コリン 130mM、BSA 0.1mg/ml 、グアニジンHCl 1mM、D−グルコース 5.5mM、pH7.4)200μl で3回すすぎ、プレインキュベーション緩衝剤200μl で37℃で10分間インキュベートする。96チャネルのマニホルドコネクタを使用して、すすぎの合間に、ウェルから緩衝剤を減圧吸引する。
【0470】
ベラトリジン(100μM)を含有する「取込み緩衝剤」(プレインキュベーション緩衝剤プラス〜2.5mCi/ml[14C]−グアニジニウムHCl、〜40mCi/mmol)中に希釈することにより、異なる濃度の被験化合物を調製する。これらの作業ストックのアリコート(50μl)を96ウェル培養皿に加え、室温で1時間インキュベートする。ベラトリジン誘導[14C]−グアニジニウム取込みは時間と正比例的であり、1時間のインキュベーション後に、良好な信号(ベース取込みの4〜8倍)が得られた。また、各96ウェル培養皿中で、以下の対照を実施する。すなわち、ベース取込み(CNS化合物およびベラトリジンの非存在において得られる)、ベラトリジンだけで誘発される取込み、および10μM テトロドトキシンの存在におけるベラトリジン誘発取込み(後者は、Naチャネル活性化から独立した非特異的取込みの測定である)である。
【0471】
インキュベーション期間の終了時に、氷冷「洗浄緩衝剤」(塩化コリン 163mM、MgSO4 0.8mM、CaCl2 1.8mM、Hepes 5mM、BSA 1mg/ml)200μl/ウェルを用いて、96ウェル培養皿を3回すすぐことにより、流入検定を終了させる。ウェル中の洗浄緩衝剤の残り50μl (すすぎの後)は、8チャネルのDrummond吸引装置を用いる減圧吸引によって除去する。High Safe IIシンチレーション流体100μl を各ウェルに加える。培養皿をシールした後、15分間振とうする。そして、培養皿を45分間放置した後、96ウェルシンチレーションカウンタ中でカウントする。
【0472】
試験した各化合物の濃度ごとに、正味のベラトリジン誘発[14C]グアニジニウム取込みを、テトロドトキシンの存在における[14C]グアニジニウム取込みと、テトロドトキシンの非存在における[14C]グアニジニウム取込みとの差として測定した。結果を、試験した各化合物の[化合物]に対するベラトリジン誘発[14C]グアニジニウム取込みの阻害率としてプロットした。ベラトリジン誘発[14C]グアニジニウム取込みの阻害率の代表的なIC50を、全体を表4として特定する以下の表(4a〜4d)に示す。
【0473】
【表158】

【0474】
【表159】

【0475】
【表160】

【0476】
【表161】

【0477】
実施例150:DBA/2マウスモデルにおけるin vivo 抗痙攣活性
以下の表5にまとめる、以下のプロトコルによって得られたデータにより、本発明の化合物のin vivo 能力を例示する。
【0478】
聴性刺激に対して独特な感度を有するDBA/2マウスにおいて、発作を防止する有効性に関して化合物を試験した。大きな高周波音声に対する暴露が、これらの動物において発作活性を誘発することができる。この感度は、生後12日目から発達し、21日目あたりでピークを迎え、成熟するにつれ徐々に減退する。この系統のマウスにおける聴性刺激に対する異常な応答は、早期の髄鞘形成(異常に低い刺激しきい値をもたらす)と、阻害機構の発達の遅れとの組合せによると考えられる。支配的な刺激神経伝達物質であるグルタミン酸塩が、この応答に関与している。NMDAおよびAMPAサブタイプのグルタミン酸塩受容体の遮断が、これらのマウスにおける聴原性発作を防ぐ。グルタミン酸塩の放出を遮断する化合物は、発作活性を防ぐように、同様に作用するはずであり、グルタミン酸塩に媒介された損傷を包含する、発作のような他の神経障害においても、治療効果をもつかもしれない。
【0479】
マウスに、以下の表5に指定する化合物または担体対照を腹腔内注射し、その30分後、ガラス鐘に配置し、聴性刺激をオンにした(110〜120dbの12KHz 正弦波)。投与量は、マウスの体重1キログラムあたりの化合物のミリグラムとして表5に示す。聴性刺激は、60秒間オンのままにしておき、マウスの反応を計時し、記録した。
【0480】
担体対照を参照しながら、阻害率を測定した。結果を以下の表5に示す。
【0481】
【表162】

【0482】
好ましい実施態様を参照しながら、本発明を詳細に説明した。しかし、当業者であれば、この開示を考察することにより、本発明の真髄および範囲内で変更および改良を加えるうることが察知されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


(式中、RおよびR1 は、それぞれ独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキル、2〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルケニル、2〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアミノアルキル、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキルスルフィニル、少なくとも約5個の環原子を有する置換または非置換の炭素環式アリール、少なくとも約5個の環原子を有する置換または非置換のアラルキルまたは1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有し、RおよびR1 の少なくとも一方が、炭素環式アリール、アラルキル、ヘテロ芳香族基もしくは複素環式基である置換または非置換のヘテロ芳香族もしくはヘテロ脂環式基であり;
2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素、置換および非置換のアルキル、置換および非置換のアルコキシ、置換および非置換のアルキルチオ、ならびに置換および非置換のアミノアルキルからなる群より選択される);
であり、かつグルタミン酸放出の高い阻害性を示す化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項2】
式IA:
【化2】


(式中、RおよびR1 は、それぞれ独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキル、2〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルケニル、2〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアミノアルキル、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキルスルフィニル、少なくとも約5個の環原子を有する置換または非置換の炭素環式アリール、少なくとも約5個の環原子を有する置換または非置換のアラルキルまたは1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有する)
を有する化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項3】
RおよびR1 の少なくとも1つが、置換もしくは非置換の炭素環式アリールまたは置換もしくは非置換のアラルキルである、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−ベンジルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−ベンジルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N−ベンジルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(4−イソプロピルベンジル)グアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N−(4−イソプロピルベンジル)グアニジン;
N−(4−シクロヘキシルフェニル)−N−(4−イソプロピルベンジル)グアニジン;
N−(4−シクロヘキシルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(2−フルオレニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(シンナミルメチレン)グアニジン;
N−(4−n−ブトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−ビフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(5−インダニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(メトキシ−1−ナフチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(1−ナフチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−ヨードフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−クロロ−1−ナフチル)−N−(4−tert−ベンジル)グアニジン;
N−(4−tert−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−ヨードフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(1−ナフチルメチル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(3−フェノキシベンジル)グアニジン;
N−(3−トリフルオロメチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−メチルチオフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(3−ヨードベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(シンナミル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(4−ヨードベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(4−トリフルオロメトキシベンジル)グアニジン;
およびこれらの薬理学的に許容される塩
からなる群より選ばれる、請求項2記載の化合物。
【請求項5】
式II:
【化3】


(式中、Rは、フルオレニル、フェナントラセニル、アントラセニルおよびフルオランテニルの基から選択され;
1 は、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアミノアルキル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、少なくとも約5個の環原子を有する置換もしくは非置換の炭素環式アリール、少なくとも約5個の環原子を有する置換もしくは非置換のアラルキルまたは1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヘテロ芳香族もしくはヘテロ脂環式基であり;
2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素または上記R1 に対してさきに定義した基である)
の化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項6】
1 が、置換もしくは非置換の炭素環式アリールである、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
N,N′−ジ(2−フルオレニル)グアニジン;
N,N′−ジ(2−フルオレニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ジ(2−フルオレニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ジ(アントラセニル)グアニジン;
N,N′−ジ(アントラセニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ジ(アントラセニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ジ(フェナントラセニル)グアニジン;
N,N′−ジ(フェナントラセニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ジ(フェナントラセニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ジ(フルオランテニル)グアニジン;
N,N′−ジ(フルオランテニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ジ(フルオランテニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−アントラセニル−N′−(1−アダマンチル)グアニジン;
N−アントラセニル−N′−(1−アダマンチル)−N−メチルグアニジン;
N−アントラセニル−N′−(1−アダマンチル)−N′−メチルグアニジン;
N−アントラセニル−N′−(1−アダマンチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−アントラセニル−N′−(2−アダマンチル)グアニジン;
N−アントラセニル−N′−(2−アダマンチル)−N−メチルグアニジン;
N−アントラセニル−N′−(2−アダマンチル)−N′−メチルグアニジン;
N−アントラセニル−N′−(2−アダマンチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(1−アダマンチル)グアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(1−アダマンチル)−N−メチルグアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(1−アダマンチル)−N′−メチルグアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(1−アダマンチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(2−アダマンチル)グアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(2−アダマンチル)−N−メチルグアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(2−アダマンチル)−N′−メチルグアニジン;
N−フェナントラセニル−N′−(2−アダマンチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(1−アダマンチル)グアニジン;
N−フルオレニル−N′−(1−アダマンチル)−N−メチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(1−アダマンチル)−N′−メチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(1−アダマンチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(2−アダマンチル)グアニジン;
N−フルオレニル−N′−(2−アダマンチル)−N−メチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(2−アダマンチル)−N′−メチルグアニジン;
N−フルオレニル−N′−(2−アダマンチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
およびこれらの薬理学的に許容される塩
からなる群より選ばれる、請求項5記載の化合物。
【請求項8】
式III:
【化4】


(式中、RおよびR1 は、それぞれ独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ、6〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ、6〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアラルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアミノアルキル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、少なくとも約5個の環原子を有する置換もしくは非置換の炭素環式アリール、少なくとも約5個の環原子を有する置換もしくは非置換のアラルキルまたは1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヘテロ芳香族もしくはヘテロ脂環式基であり;
2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素または上記RおよびR1 に関して定義した基であり;またはR1 とR3 とが一緒になって5個以上の環員を有する環を形成し;
nおよびn′は、それぞれ独立して、1、2または3に等しく;
XおよびX′は、それぞれ独立して、化学結合(すなわちグアニジン窒素とRもしくはR1 との結合)、1〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキレン、2〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニレンまたは2〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニレン、1〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアルキレン、2〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアルケニレンおよび2〜約8個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のヘテロアルキニレンであり、XおよびX′の少なくとも一方が化学結合以外である)
であり、かつグルタミン酸放出の高い阻害性を示す化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項9】
式IIIA:
【化5】


(式中、RおよびR1 は、それぞれ独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ、6〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ、6〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアラルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアミノアルキル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、少なくとも5個の環原子を有する置換もしくは非置換の炭素環式アリール、少なくとも5個の環原子を有する置換もしくは非置換のアラルキル、または1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヘテロ芳香族もしくはヘテロ脂環式基であり;
2 及びR3 は、それぞれ独立して、水素または、R及びR1 について上記で定義した基であり;またはR1 およびR3 は一緒になって5以上の環員を有する環を形成し;
nは1、2または3であり;
Xは、1〜約6個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキレンである)
で示される、請求項8記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項10】
N−(5−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリル−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリル−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリル−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリル−N−メチルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリル−N′−メチルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−ベンズヒドリル−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−[(1−ナフチル)メチル]グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−[(1−ナフチル)メチル]−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−[(1−ナフチル)メチル]−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−[(1−ナフチル)メチル]−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−フェノキシエチル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−フェノキシエチル)−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−フェノキシエチル)−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−フェノキシエチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−(4−クロロフェニル)エチル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−(4−クロロフェニル)エチル)−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−(4−クロロフェニル)エチル)−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−メチル−2−(4−クロロフェニル)エチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2−ジフェニルエチル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2−ジフェニルエチル)−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2−ジフェニルエチル)−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2−ジフェニルエチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(3−フェニルプロピル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(3−フェニルプロピル)−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(2−メチル−2−フェニルエチル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(sec−ブチルフェニル)−N′−(2−フェノキシエチル)グアニジン;
N,N′−ビス(sec−ブチルフェニル)−N′−(2−フェノキシエチル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(sec−ブチルフェニル)−N′−(2−フェノキシエチル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(sec−ブチルフェニル)−N′−(2−フェノキシエチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−((4−tert−ブチルフェニル)(4−sec−ブチルフェニル)メチル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−((4−tert−ブチルフェニル)(4−sec−ブチルフェニル)メチル)−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−((4−tert−ブチルフェニル)(4−sec−ブチルフェニル)メチル)−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−((4−tert−ブチルフェニル)(4−sec−ブチルフェニル)メチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N,N′−ビス(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N,N′−ビス(4−tert−ブチルベンジル)−N−メチルグアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N,N′−ビス(4−tert−ブチルベンジル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N,N′−ビス(4−tert−ブチルベンジル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
およびこれらの薬理学的に許容される塩
からなる群より選ばれる、請求項8記載の化合物。
【請求項11】
式IV:
【化6】


(式中、各Rは、独立して、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、3〜約10個、好ましくは4〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換のアラルコキシ、置換もしくは非置換のアミノアルキル、置換もしくは非置換のアルキルチオ、置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、3〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の炭素環式アルケニルまたは3〜約10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニルであり;
nは1〜5の整数であり;
1 は、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアミノアルキル、6〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアリールオキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、少なくとも5個の環原子を有する置換もしくは非置換の炭素環式アリール、少なくとも5個の環原子を有する置換もしくは非置換のアラルキルまたは1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヘテロ芳香族もしくはヘテロ脂環式基であり;
2 およびR3 は、それぞれ独立して、水素または上記R1 に対して定義した基であるか;R2 とR3 とが一緒になって、2〜約6個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキレン結合を形成する)
を有し、かつグルタミン酸放出の高い阻害性を示す化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項12】
N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(2−ナフチル)−N′−(4−イソプロピルフェニル)グアニジン;
N−(2−ナフチル)−N′−(4−イソプロピルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N−(2−ナフチル)−N′−(4−イソプロピルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(2−ナフチル)−N′−(4−イソプロピルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−(2,3,4−トリクロロフェニル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−(2,3,4−トリクロロフェニル)−N−メチルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−(2,3,4−トリクロロフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−(2,3,4−トリクロロフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(4−メトキシ−1−ナフチル)−N′−(2,3,4−トクロロフェニル)グアニジン;
N−(4−メトキシ−1−ナフチル)−N′−(2,3,4−トクロロフェニル)−N−メチルグアニジン;
N−(4−メトキシ−1−ナフチル)−N′−(2,3,4−トクロロフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−メトキシ−1−ナフチル)−N′−(2,3,4−トクロロフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−sec−ブチルフェニル)−2−イミノピリミダゾリジン;
N,N′−ビス(3−ビフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−ビフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−ビフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−ビフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−tert−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−tert−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−tert−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−メトキシ−1−ナフチル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−メトキシ−1−ナフチル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−メトキシ−1−ナフチル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−メトキシ−1−ナフチル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−sec−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−sec−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−sec−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−sec−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−n−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−n−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−n−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(sec−ブチルフェニル)−N′−(n−ペンチル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−ベンジルオキシフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−ベンジルオキシフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(3−ベンジルオキシフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−ベンジルオキシフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−ベンジルオキシフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−ベンジルオキシフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)グアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−メチルグアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
およびこれらの化合物の薬理学的に許容される塩
からなる群より選ばれる、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
式V:
【化7】


(式中、Rは、置換もしくは非置換のテトラヒドロキノリニル、インドリニルまたはピペロニルであり;
1 およびR2 は、それぞれ独立して、水素、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニル、2〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルコキシ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアミノアルキル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルチオ、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル、1〜約20個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、少なくとも5個の環原子を有する置換もしくは非置換の炭素環式アリール、少なくとも5個の環原子を有する置換もしくは非置換のアラルキルまたは1〜3個の環を有し、各環中に3〜8個の環員を有し、1〜3個のヘテロ原子を有する置換もしくは非置換のヘテロ芳香族もしくはヘテロ脂環式基である)
の化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項14】
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−インドリニルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−インドリニル−N−メチルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−インドリニル−N′−メチルグアニジン;
N−(3−アセナフチル)−N′−インドリニル−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ピペロニルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ピペロニル−N−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ピペロニル−N′−メチルグアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−ピペロニル−N,N′−ジメチルグアニジン;
およびこれらの化合物の薬理学的に許容される塩
からなる群より選ばれる、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
N−(3−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−tert−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(3−ペントキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(4−ベンジルオキシベンジル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−ベンジルオキシベンジル)グアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−(4−ベンジルオキシベンジル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N−(3−ベンジルオキシベンジル)グアニジン;
N−(4−イソプロピルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)グアニジン;
N−(4−ヘキシルフェニル)−N−(4−tert−ヘキシルベンジル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−ピロリジニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−チオモルホリニル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−ピペリジニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−モルホリニル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−プロピルピペリジニル)グアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−ピペリジニル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−ベンジルピペリジニル)グアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−モルホリニル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)グアニジン;
N−(3−ブトキシ−4−メトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−モルホリニル)グアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(3,5−ジメチル−4−モルホリニル)グアニジン;
N−(4−tert−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−フェニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−クロロフェニル)グアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−フェニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−フェニル−N′−メチルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(3,4−ジクロロフェニル)グアニジン;
N−(4−ヘキシルフェニル)−N−(4−tert−ヘキシルベンジル)−N′−フェニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N−(4−tert−ブチルベンジル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−(1′−メチル−2′−フェニル)エチル)グアニジン;
N−メチル−N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−ヘキシルフェニル)グアニジン;
N−(3−(1−(4′−エトキシ)ベンジル)フェネチル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチル−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(3−(4−tert−ブチルベンジルオキシ)フェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(3−(1′−ベンジルブチル)フェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−ブチルフェニル)−N−メチルグアニジン;
N,N′−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−N,N′−ジメチルグアニジン;
N−(3−ナフチルメチレンオキシフェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−ブチルフェニル)−N−ブチルグアニジン;
N−3−(ベンジルオキシメチル)フェニル−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(3,4−ジブトキシフェニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(3−ベンジルオキシ)フェニル−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−ブトキシ−4−メトキシ)フェニルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N−メチル−N′−(4−ブチルフェニル)グアニジン;
N,N′−ジ(6−テトラリニル)グアニジン;
N−(6−テトラリニル)−N′−(4−tert−ブチルフェニル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(6−ベンゾチオゾリル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(6−N−ベンジルインドリニル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(4−ベンゾ−2,1,3−チアジアゾール)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−[4−(6−メチルベンゾチアゾール)フェニル]グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(1−ベンズ[cd]インドリニル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(6−ベンズ[cd]インド−2[1H]−オン)グアニジン;
N,N′−ビス(6−ベンズ[cd]インドリニル−2[1H]−オン)グアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N′−(4−クロロフェニルエチル)グアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N,N′−ジフェニルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−ベンジル−N′−フェニルグアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−チオベンジルフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−(フェニルチオ)フェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−(フェニルチオ)フェニル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(2−フェニルエチル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(3−ブトキシプロピル)グアニジン;
N,N′−ビス(2,2−ジフェニルエチル)グアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N′−(4−クロロベンズヒドリル)グアニジン;
N−(5−アセナフチル)−N′−(フェネチル)−N′−ベンジルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−クロロベンジル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−クロロベンジル)グアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−フェニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−(4−イソプロポキシフェニル)−N′−フェニルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−フェニルグアニジン;
N,N′−ビス(3−オクチルオキシフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−ブトキシフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−フェノキシフェニル)グアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−フェノキシフェニル)グアニジン;
N−(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−フェニルアゾフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(3−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−(4−ベンジルオキシフェニル)−N′−メチルグアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N′−(4−イソプロポキシフェニル)グアニジン;
N,N′−ビス(4−(1−ヒドロキシブチル)フェニル)グアニジン;
N−(4−ブトキシフェニル)−N′−(3−メトキシフェニル)−N′−フェニルグアニジン;
N−(4−sec−ブチルフェニル)−N′−フェニル−N′−(4−(2−イソプロポキシ)フェニル)グアニジン;
N−(4−n−ブトキシフェニル)−N′−(2−(4−クロロフェニル)エチル)グアニジン;
およびこれらの化合物の薬理学的に許容される塩
からなる群より選ばれる化合物。
【請求項16】
障害の病態生理が、ニューロン細胞からの神経伝達物質の過剰な放出もしくは不適切な放出を伴う神経系の障害を治療する方法であって、前記障害の症状を示すか、前記障害を受けやすい哺乳動物に対し、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物の有効量を投与する方法。
【請求項17】
神経細胞死を治療する方法であって、神経細胞死の症状を示すか、神経細胞死を受けやすい哺乳動物に対し、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物の有効量を投与する方法。
【請求項18】
卒中発作を起こしたか、もしくは起こしている人、または卒中発作を起こしやすい人を治療する方法であって、上記の人に対し、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物の有効量を投与する方法。
【請求項19】
心臓血管系の疾病を治療する方法であって、心臓血管の疾病に罹患しているか、もしくは罹患しやすい哺乳動物に対し、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物の有効量を投与する方法。
【請求項20】
対象からの過剰な内因性神経伝達物質の放出を変調する方法であって、対象に対し、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物の有効量を投与する方法。
【請求項21】
疾病の病態生理が不適切な細胞分泌を伴う疾病を治療する方法であって、前記疾病に罹患しているか、もしくは罹患しやすい哺乳動物に対し、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物の有効量を投与する方法。
【請求項22】
(1)哺乳動物のニューロン細胞の電圧感知性カルシウムチャネルを遮断する;(2)哺乳動物のニューロン細胞の電圧感知性ナトリウムチャネルを遮断する;(3)哺乳動物の心臓細胞の電圧感知性カルシウムチャネルを遮断する;(4)哺乳動物の心臓細胞の電圧感知性ナトリウムチャネルを遮断する;(5)哺乳動物の平滑もしくは骨筋細胞の電圧感知性カルシウムチャネルを遮断する;または(6)哺乳動物の平滑もしくは骨筋細胞の電圧感知性ナトリウムチャネルを遮断する方法であって、該細胞に対し、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物の有効量を投与する方法。
【請求項23】
選択された疾病の病態生理がイオンチャネルの励起もしくは活性を伴う疾病を診断する方法であって、上記疾病に罹患している哺乳動物に対し、請求項1〜15のいずれか1項に記載の標識化合物の検知有効量を投与する方法。
【請求項24】
治療的に有効な量の、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物1種以上と、薬理学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。

【公開番号】特開2007−161725(P2007−161725A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−21455(P2007−21455)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【分割の表示】特願平7−520811の分割
【原出願日】平成7年2月3日(1995.2.3)
【出願人】(504181568)セネス・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】CeNes Pharmaceuticals,Inc.
【Fターム(参考)】