治療用マイクロフォームの生成
【課題】血管を含む様々な医学的状態の治療における、特に静脈瘤、及び静脈奇形を含む他の障害の治療における使用に適する、硬化材、特に硬化液を含むマイクロフォームの提供。
【解決手段】改良された治療用硬化マイクロフォームと、それらを作るための方法及び装置。方法及び装置は、高容量%の血液分散可能なガスを用いるので、潜在的に危険な量の窒素の使用を避けることができ、且つ医師による最少の投入量によって一定の分布の注射可能なマイクロフォームを製造できる利点を有する。
【解決手段】改良された治療用硬化マイクロフォームと、それらを作るための方法及び装置。方法及び装置は、高容量%の血液分散可能なガスを用いるので、潜在的に危険な量の窒素の使用を避けることができ、且つ医師による最少の投入量によって一定の分布の注射可能なマイクロフォームを製造できる利点を有する。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、血管を含む様々な医学的状態の治療における、特に静脈瘤、及び静脈奇形を含む他の障害の治療における使用に適する、硬化材、特に硬化液を含むマイクロフォームの生成に関する。
静脈瘤の硬化は、とりわけ局所的な炎症性反応を引き起こすことによって、これらの異常静脈の除去に寄与する液体硬化物質の静脈内への注入をベースとしている。硬化物質を液体形態で注射すると、静脈内に含まれている血液と混合され、未知の割合で希釈される。その結果は、過剰投与又は過小投与の故に、不確実であり、短い静脈瘤部分に限定される。注射される静脈瘤の大きさが小さくなるにつれて、血液による希釈はより少なくなり、得られる結果はより予想可能となる。
【0002】
最近まで、硬化療法は、小さい及び中程度の静脈瘤の場合に選択された(7mm以上の直径を有する静脈瘤は手術によって処置される)。硬化と手術は互いに補完し合っていたが、硬化治療は、大きな静脈瘤には適用できないままであった。これらの大きな静脈瘤では、硬化物質を注射する場合、静脈内における濃度、血液中における均一な分散、及び治療される血管の内壁と接触する時間が知られていなかった。
【0003】
1946年、Orbachは、小さな静脈瘤の中に数立法センチメートルの空気を注入し、注入空気によって占有された血管の内部にある血液が置換されることを確認した。血液中に硬化溶液を導入した場合に比べて、空気注入直後に導入された硬化溶液はより有効であった。しかしながら、太い静脈瘤では、空気を注入すると、注入空気による血液の置換について記載された現象が起こらず、空気は静脈内において気泡を形成するので、太い血管では前記方法は無効である。
【0004】
また、数年後に、Orbachは、良好な発泡性を有する陰イオン硬化洗浄剤であるテトラデシル硫酸ナトリウムを含む容器を撹拌することによって得られるフォームを注射することを考えた。その方法は、形成される気泡が大きく、また血液中にほんの僅か溶ける大気窒素の副作用が危険であったことから、ほとんど使用されなかった。前記2つの方法は、小さな静脈瘤でのみ用いられるので、その普及は限定的であった。
【0005】
今では、治療用途に適する注射可能なマイクロフォームが開発され、EP 0656203及びUS 5676962 (参照として本明細書に取り入れられる)に記載されている。これらの特許では、硬化物質によって製造されるマイクロフォームが記載されており、前記硬化物質は、静脈に注射すると、血液を置換し、且つ硬化剤を、公知の濃度で調節可能な時間、血管の内壁と接触させて、占有された全ての部分を確実に硬化させる。
【0006】
このフォームを用いる利点は、マイクロフォームが血液を置換するので血管中の硬化剤濃度が明確になり、単純な液体のように血管中で希釈されない点である。更に、このフォームは、静脈中における硬化物質の均一な分散を保証し、また、静脈の内壁と接触し続ける時間を制御することができる。単純な液体形態の硬化剤の使用では、いずれの要因も正確に知られていないか又は制御することができない。
【0007】
前記マイクロフォームの調製は、任意の硬化物質の溶液、特にポリドカノール(polidocanol)、テトラデシル硫酸アルカリ金属、例えばナトリウム塩、高張グルコースの溶液又はグルコ−生理食塩水の溶液、クロムグリセロール、エタノールアミンオレエート、モルイン酸ナトリウムの溶液又は沃素溶液を用いて行うことができる。
【0008】
しかしながら、この公知の方法では、患者に投与する直前に、医師、薬剤師又は助手が、マイクロフォームを製造する必要がある。前記手順で製造する場合、マイクロフォームを調製する人に依存して薬剤は変化し、ガスの含有量、気泡の大きさ及び安定性すべてにおいて、治療対象の状態を考慮して製造する必要がある。また、プレッシャーを受けている状況で複製することは難しいので、すなわちマイクロフォームを調製する時間が短いので、高度の注意と知識も必要である。
【0009】
上記特許で特に説明されている方法では、ブラシによる高速打撃作用を用いて、適切な特性を有するフォームを生成させる。他の報告されている使用中の技術では、そのような均一で、安定な又は注射可能なフォームは得られない。そのような他の技術としては、ガスを泡立てる技術、例えばシリンジプランジャーの側面から、硬化剤で充填されたシリンジ中へとリークさせることによって、ガスを硬化剤中に散布する技術を特に含む。
【0010】
更に、マイクロフォームを製造するためのガスとして空気を用いる場合の問題点は、大量の窒素を患者に対して不必要に導入してしまう点であり、特に大きな血管がフォームで満たされ、除去される場合には、問題となる。窒素によるガス栓塞の可能性がある。
【0011】
水性流体における、例えば血液における生理的ガスの溶解度は、かなり変化する。而して、STP(標準温度及び標準圧力)において、窒素は、水中において、酸素の殆ど2倍不溶性であり、二酸化炭素は、水性液中において、窒素の50倍超可溶性であり、酸素の25倍超可溶性である。
【0012】
【表1】
【0013】
現在、血液中に容易に分散されるガス、例えば二酸化炭素を高い割合で含有しているガスによる前記マイクロフォームの製造は、ガス栓塞を生じさせる可能性を最少にするので望ましいと考えられる。しかしながら、水中における溶解度が高いので、難しい仕事でもある。
その実行時間が特性に影響を及ぼす可能性がある高速の混合及び打撃を用いることを含む機構ではなく、比較的単純で信頼性が高い機構を用いることによって容易に製造される均一な特性を有する比較的安定なマイクロフォームを提供することも望ましいと考えられる。
【0014】
そのように製造されたマイクロフォームは、その分離したガス成分及び液体成分へと有意に逆変換されずに、及び/又は特性を変えずに、例えば有意に増大している気泡サイズを変えずに、血管中に注射するのに適する口径を有する注射針を通過できることが特に望ましい。
上記注射針は、非常に小さい直径、例えば30ゲージ注射針(内径0.14mm)あっても良い。更に典型的には、注射針は、より太い、例えば18 〜 22ゲージ注射針(内径0.838 〜 0.394mm)、更に好ましくは19 〜 21ゲージ注射針(内径0.686mm)である。
【0015】
マイクロフォームが注射針を通る速度は、任意のフォームが破壊されるような速度であっても良いが、通常の注射条件下で、すなわち静脈中へのフォームの注入の制御と両立できる速度で破壊しないフォームを製造することが望ましい。例えば、19 〜 21ゲージ注射針に関して、0.1 〜 0.5ml/秒、更に好ましくは0.3 〜 1ml/秒の速度の注射に耐えるべきである。
生成するフォームに関して、特に微生物及び発熱物質に関して滅菌タイプである装置を提供することはなお更に望ましい。
【0016】
処置を行う医師が技術的な入力を行わずとも、所定の医学的処置に適する永久歪特性(set property)を有するフォームを製造するように動作する又は補助する密封装置を提供することは特に望ましい。
これらの望ましい特性を潜在的に提供できる装置の1つの形態は、フォームを製造するタイプのエアロゾルディスペンサーであると考えられる。しかしながら、ヒト又は哺乳動物の身体中に注射されるマイクロフォームを生成させるためには、エアロゾルキャニスターにおいて通常用いられるタイプの噴射ガスを有することは望ましくない。故に、フォームを形成させるガスそれ自体が、フォームの製造を可能にするために加圧されなければならない。
【0017】
洗浄剤溶液を、例えばポリドカノール又はテトラデシル硫酸ナトリウムの溶液をフォームへと転化させることが期待される、加圧下で標準的なエアロゾルバルブに単に通すことによるフォームの生成では、水溶性ガス、例えば二酸化炭素は、安定なフォームを製造できないことを発明者は見出した。このガスを加圧下で用いて、従来のエアロゾルバルブ中に硬化剤溶液を噴射する場合、製造されるフォーム(初めに少なくともいくつかのマイクロフォーム構造を含む)は、EP 0656203及びUS 5676962に記載されているように、血管の治療に適用されるほど充分には安定ではないことを発明者は測定した。更に、前記フォームは、液相及び気相へと有意に逆戻りせずに、注射針の中を通過することができない。マイクロフォーム技術は、液相におけるような血液中における希釈を許さず、治療しようとする血管の壁に対して硬化溶液を送達するガスの能力を活用するということが当業者には理解されるだろう。
【0018】
フォームを製造することができるエアロゾルユニットは従来技術で説明されてきた。米国特許第3,471,064号には、エアロゾルユニットのディップ管における一連の小孔を通して、空気を、発泡可能な液体中に引き込む装置が記載されている。前記装置は、装置内容物が空気に対して開かれているので、動作時には滅菌されていない。そのようにして製造されたフォームは、どのくらいの量の空気が引き入れられるかによって特性が変化すると考えられる。米国特許第3,428,222号には、更なる装置が記載されており、再び空気を引き入れてフォームを製造する圧縮容器において吸上部材及び発泡部材を用いている。
【0019】
米国特許第3,970,219号には、薬理学的に不活性なガスを用いて液体組成物を発泡及び噴出させることができる密封されたエアロゾル装置が記載されている。前記特許は、下部噴射ガス保持チャンバーから上部フォーム保持チャンバーへと、直径0.01 〜 3mmの細孔を有する材料中を通して噴射ガスを通過させることによってフォームを製造する装置を説明している。発泡される液体は、上部チャンバーに位置するか、又は容器を振とうすることによって多孔性材料に吸収されるか、又は下部チャンバーから吸上げられる。この特許は、上部チャンバーにあるフォームからの液体は下部チャンバーへと排出され、その結果、最も薄い壁厚の気泡が噴射されることを教えており、また水性液を発泡させなければならない場合には、噴射ガスは「より溶解性が低く」なければならず、例えばフルオロカーボン又は炭化水素であることを教えている。
【0020】
同様なバブラー装置は、低圧下で、すなわち手押ポンプ条件下で、空気を用いて動作する「環境に優しい」エアロゾル装置と共に用いるための付属品において用いられる。2つの前記装置は、‘Airspray(登録商標) Finger Pump Foamer’及び‘Airspray Mini-Foamer’という名称でAirspray Internationalから供給される。前者は単純な水をベースとする製剤に適していると言われており、後者は化粧品、ヘアケア又はスキンケアの製剤用に提案されている。第二の前記装置は、発泡ノズルとしてのSwedspray/Eurospray(登録商標)手押ポンプ装置において、任意の追加の装置として提供される。この装置は、「自分用にクレンジングフォーム又はひげそり用の泡を作る」ための使用に適しているとして市販されている。
【0021】
しかしながら、本発明者は、いかなる場合でも滅菌されていない手押ポンプ装置それ自体の使用によっては、ガス放出の故に、二酸化炭素が高度に充填されている良質なマイクロフォームを製造することはできず、またマイクロフォームを安定化させるグリセロールの有意量を含有している良質なマイクロフォームも製造することがてきないことを見出した。更に、前記装置の出口に対して有意な背圧が、施用されるとき、例えばフォームを注射するために装填されるシリンジに前記背圧が施用されるとき、吃音が発生する。この装置に関して低い射出速度を用いると、ノズルが湿り、その結果、空気が閉じ込められて、大きな気泡が生じる。どんな場合でも、酸素又は二酸化炭素を用いているかにかかわらず、そのようにして製造されたフォームは、非常に乾燥している傾向があり、その結果、高濃度の硬化剤を含有させることが必要となり、且つ注射針を通過するときに、壊れてしまう傾向がある。
【0022】
過剰投与となり、計量分配装置が動作しなくなり、またより高密度のマイクロフォーム、すなわち意図していたよりも高い割合で液体を含むマイクロフォームを送達するので、溶液中で高濃度の硬化剤を不必要に用いないことが好ましい。
而して、揮発性液体噴射剤を用いずに、又はパラメーターの制御に直接関わる作業者を必要としない、比較的低濃度の硬化剤と、滅菌されている血液分散可能なガスの有意量とによって作られる均一な注射可能なマイクロフォームを製造することができる方法及び装置を提供する必要がある。
【0023】
本出願人は、上記ニーズの少なくともいくつかに対処する方法及び装置を提供し、また前記方法及び装置を用いて新規の安定な注射可能な硬化マイクロフォームを製造した。
従って、本発明は、以下の方法等を提供する。
1. 生理学的に許容し得る血液分散可能なガスと水性硬化液との混合物を、0.1〜30μmの少なくとも1つの断面寸法を有する1つ以上の流路に通す工程を含み、ガス対液体の割合が、0.07g/ml 〜 0.19g/mlの密度と少なくとも2分間の半減期とを有するマイクロフォームが製造されるように制御されることを特徴とする、血管の硬化療法で用いるのに適するマイクロフォームを製造するための方法。
2.マイクロフォームの密度が0.09g/ml〜0.16g/mlであるように、混合物におけるガス/液体の割合を制御する、1の方法。
3.直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも50%が直径200μm以下であり、これらの気泡の少なくとも95%が直径280μm以下である、1又は2の方法。
4.直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも50%が直径150μm以下であり、これらの気泡の少なくとも95%が直径250μm以下である、1〜3のいずれか一つの方法。
5.ガスと硬化液との混合物が、エアロゾル、液体中気泡分散液、又はマイクロフォームの形態である、1〜4のいずれか一つの方法。
6.混合物中に用いられるガス対液体の割合が、標準温度及び標準圧力において、硬化液1g対ガス6.25 〜14.3容量であることを特徴とする、1〜5のいずれか一つに記載の方法。
7.生理学的に許容し得る血液分散可能なガスが、二酸化炭素及び/又は酸素を過半量の割合で含むことを特徴とする、1〜6のいずれか一つの方法。
8.水性硬化液が、水性担体中ポリドカノール又はテトラデシル硫酸ナトリウム(STS)の溶液であることを特徴とする、1 〜 7のいずれか一つの方法。
9.担体が食塩水を含むことを特徴とする、8の方法。
10.断面寸法が直径であり、ガス及び液体混合物を通してマイクロフォームを製造する1つ以上の流路が、5μm〜25μmの直径を有することを特徴とする、1〜9のいずれか一つの方法。
11.流路が、直径10〜20μmであり、ガス/液体混合物の流れの方向に対して直角に配置されたメッシュ又はスクリーンにおける開口であることを特徴とする、10の方法。
12.流路を、混合物が流れる1つ以上の部材における複数の開口として提供することを特徴とする、10又は11の方法。
13.複数の開口が、1つ以上の部材において2%〜65%の開口面積を提供することを特徴とする、12の方法。
14.部材が多孔性材料を含み、多数の該部材を、ガス及び液体が各部材の流路を通過するように連続的に配置することを特徴とする、12の方法。
15.部材を、間隔を空けて配置し、混合物の流れの方向に沿って直列に配置することを特徴とする、14の方法。
16.ガス及び液体の混合物を、同じ流路(単数又は複数)中に何度も通すことを特徴とする、1〜15のいずれか一つの方法。
17.ガスを、大気圧を0.01〜9バール超えるまで加圧することを特徴とする、1〜16のいずれかに一つの方法。
18.ガスを、大気圧を0.1〜3バール超えるまで加圧することを特徴とする、17の方法。
19.血液の硬化療法で用いるのに適するマイクロフォームを製造するための装置であって、該装置が、水性硬化液を含む加圧可能なチャンバーが配置されているハウジングと;該液体が、1つ以上の出口オリフィスを通って、加圧可能なチャンバーから該装置の外部へと流れることができる1つ以上の出口オリフィスを有する経路と、該容器が加圧されるときに、該経路が開き、該チャンバー中の流体が、経路に沿って1つ以上の出口オリフィスを通って押し流されるように、該チャンバーから外部への経路を開けたり又は閉じたりできる機構とを含み、前記ハウジングが、(a)血液中に分散可能な生理学的に許容し得るガスの加圧供給源を1つ以上、及び(b)前記ガスの進入用の入口を1つ以上含み;該ガスが、機構の活性化時に溶液と接触して気液混合物を製造し、該ハウジングの外部への前記経路が、0.1 〜 30μmの断面寸法を有する1つ以上の流路を画定している1つ以上の部材を含み、該経路を通って気液混合物が流れて、該装置の外部に到達し、該経路を通る混合物の前記通過により、0.07〜0.19g/mlの密度と少なくとも2分間の半減期とを有するマイクロフォームが形成されることを特徴とする、前記装置。
20.気液界面接合部を更に含み、通過の前に、該接合部が、それを通過するガス対液体の割合を制御して、必要とされる密度のマイクロフォームを製造する、19の装置。
21.混合物におけるガス及び液体の割合を、マイクロフォームの密度が0.09〜0.16g/mlとなるように制御することを特徴とする、19又は20の装置。
22.ハウジングが、血液分散可能なガス及び硬化液で充填されるチャンバーを含み、経路が、該チャンバーにおける液体中において入口開口を有するディップ管を含む、20又は21の装置。
23.ガスが1つ以上の出口オリフィスへの経路に出入りできる気液界面接合部において、該ディップ管が出口開口を有する、22の装置。
24.押し下げるか又は傾斜させて外部へ経路を開けるアクチュエータ部材を有するバルブによって、経路が、開けられるか又は閉じられ、それによって、液体が、ガスの圧力下でディップ管中を上昇し、界面接合部においてガスと混合されて、エアロゾル、液体中気泡分散液、又はマクロフォームを製造する、19 〜 23のいずれか一つの装置。
25.0.1μm 〜 30μmの断面寸法の1つ以上の流路を有する1つ以上の部材を、気液混合物が流路(単数又は複数)中を流れてマイクロフォームが製造されるように、バルブへの経路におけるチャンバーの内部に取り付ける、19 〜 24のいずれか一つの装置。
26.0.1μm〜30μmの断面寸法の1つ以上の流路を有する1つ以上の部材を、気液混合物が流路(単数又は複数)中を流れてマイクロフォームが製造されるように、バルブの下流側に取り付ける、19〜24のいずれか一つの装置。
27.1つ以上の部材を、気液界面の上流において、バルブに取り付けられているキャップ中に配置する、26の装置。
28.1つ以上の部材を、気液界面とバルブとの間に取り付けられたハウジング内に配置する、25の装置。
29.気液界面接合部が、使用時の液体の表面より上に、ディップ管において孔を含むことを特徴とする、19〜28のいずれかに一つの装置。
30.チャンバーを、大気圧を0.01〜9バール超えるまで加圧することを特徴とする、22〜29のいずれかに一つの装置。
31.水性硬化液が、加圧可能なチャンバー内にいっぱいに入れられた第二の柔軟なガス及び液体内に含まれ、第二チャンバーが、ディップ管を取り囲み、密封されていることを特徴とする、19〜28のいずれか一つの装置。
32.ディップ管が、気液界面接合部と第二柔軟チャンバー内のディップ管開口との間に配置された一方向弁を有し、装置の外部への経路を閉じ、また閉じたままである場合に、該チャンバーにおいて、該経路の周囲にある生理学的に許容し得る血液分散可能なガスから液体を分離し、外部への経路を開けると、該一方向弁も開き液体を放出して気液界面接合部までディップ管の中を上昇させ、該気液界面接合部において、エアロゾル、液体中気泡分散液、又はマクロフォームを製造し、それらを、該経路を通過させてマイクロフォームへと転化することを特徴とする、31の装置。
33.1つ以上の出口オリフィスを有する加圧可能なチャンバーが配置されているハウジングと;該チャンバーの内容物を、該1つ以上の出口オリフィスを通して、該ハウジングの外部へと流すことができる経路と、該チャンバー中にある内容物が、該経路に沿って流れ、該1つ以上の出口オリフィスを通って外部へと流れるように、該チャンバーを加圧できる機構とを含む、血管の硬化療法において用いるのに適するマイクロフォームを製造するための装置であって、該ハウジング又は該チャンバーの外部への該経路が、該機構の活性化時に、該チャンバーの内容物が通る0.1μm〜30μmの断面寸法を有する1つ以上の流路を画定している1つ以上の部材を含む、前記装置。
34.チャンバーが、水性硬化液及び/又は生理学的に許容し得る血液分散可能なガスを含む、34の装置。
35.機構の活性化により、溶液とガスとの混合物が流路を流れて、0.07〜0.19g/mlと、少なくとも2分間の半減期とを有するマイクロフォームを形成する、34又は35の装置。
36.マイクロフォームの密度が0.09〜0.16g/mlであることを特徴とする、35の装置。
37.経路又はチャンバーにおいて流路を画定する部材を、該チャンバーの外側から操作することによって移動させることができる可動支持体上に取り付ける、33又は34の装置。
38.注射針又はカテーテルが固体されている末端を有するシリンジ筒と、該シリンジ筒と共にチャンバーを画定する機能的に協同動作するシリンジプランジャーとを含み、前記プランジャーが、使用時にガス及び液体を含むチャンバーを加圧するための機構である、33〜37のいずれか一つの装置。
39.流路が、シリンジ筒の注射針固定末端に隣接しているか又は該末端のところに存在する、38の装置。
40.寸法0.1μm〜30μmの1つ以上の流路を介して、互いに流体連絡している2つのチャンバーを含む、33〜39のいずれか一つの装置。
41.いずれかの方向に移動してチャンバー内容物を流路(単数又は複数)に流すことができるように、1つ以上の流路を画定する1つ以上の部材を、移動できるようにチャンバー内に取り付ける、40の装置。
42.1つ以上の部材を、シリンジプランジャーと同軸上にあるプランジャーに取り付ける、41の装置。
43.1つ以上の流路を画定する1つ以上の部材を、多孔性膜、メッシュ、スクリーン又は焼結物の形態で提供する、19〜42のいずれか一つの装置。
44.経路に対して直角な部材主面と平行に配置された、流路を画定する一連の部材を含むことを特徴とする、19〜43のいずれか一つの装置。
45.マイクロフォーム製造装置の出口を、マイクロフォームが漏れないように連結させるための入口導管を含み、該導管が、該導管を流れているマイクロフォームを指向するためのマルチパスバルブに接続されいて且つマルチパスバルブへと導き、該バルブが、第一及び第二出口導管のいずれかにマイクロフォームを流すように、又は入口導管を閉じるように設定することができ、シリンジルアー出口が、第一及び第二出口導管の1つによって受容されることを特徴とする、19 〜 44のいずれか一つのマイクロフォーム生成装置からシリンジへとマイクロフォームを送達するための装置。
46.出口ノズルとは別の方法によってマイクロフォーム製造装置を連結して堅く保持するための1つ以上の部材を更に含む、45の装置。
47.マルチパスバルブに隣接しているマイクロフォーム製造装置を取り付けるのに充分に安定な基礎部材を更に含み、入口が、該マイクロフォーム製造装置出口導管に取り付けることができる、42の装置。
48.マイクロフォーム製造装置内にある経路を、入口導管に対して開放するように動作する活性化部材を更に含む、47の装置。
49.マイクロフォームが、0.07〜0.19g/cmの密度を有し、非発泡液相に逆戻りしている液体含量を基準として10%を超えてガス及び液体に逆戻りすることなく21ゲージ注射針の中を通ることができることを特徴とする、血液中に分散可能な生理学的に許容し得るガスと水性硬化液とを含むマイクロフォーム。
50.マイクロフォームが、0.07〜0.19g/cmの密度を有し、少なくとも25μmの気泡の数を基準として50%以上が直径150μm以下であり、またこれらの気泡の少なくとも95%が直径280μm以下であることを特徴とする、血液中に分散可能な生理学的に許容し得るガスと水性硬化液とを含むマイクロフォーム。
51.ネック直径1cmの漏斗から排水して測定した場合に、少なくとも2分間、更に好ましくは2.5分間、及び最も好ましくは3分間の半減期を有することを特徴とする、請求項49又は50記載のマイクロフォーム。
52.ガスが40%v/v未満で窒素を含むことを特徴とする、44 〜 51のいずれか一つのマイクロフォーム。
53.密度が、0.09〜0.16g/mlであることを特徴とする、44 〜 52のいずれか一つのマイクロフォーム。
54.少なくとも直径25μmの気泡の数を基準として50%以上が直径120μm以下であり、これらの気泡の少なくとも95%が250μm以下であることを特徴とする、44〜53のいずれか一つに記載のマイクロフォーム。
55.マイクロフォームの密度が0.11〜0.14g/cmであることを特徴とする、44〜54のいずれか一つに記載のマイクロフォーム。
56.ガスが、酸素又は二酸化炭素を少なくとも50%含むことを特徴とする、44〜55のいずれか一つに記載のマイクロフォーム。
57.硬化液が、水性のポリドカノール又はテトラデシル硫酸ナトリウムであることを特徴とする、44〜56のいずれか一つに記載のマイクロフォーム。
58.硬化液が水性ポリドカノールであり、ポリドカノールの濃度が該液体において0.5〜4%v/vであることを特徴とする、57のマイクロフォーム。
59.硬化液を水又は食塩水で調製することを特徴とする、57又は58のマイクロフォーム。
60.食塩水が、pH6.0〜pH8.0の燐酸緩衝生理食塩水であることを特徴とする、59のマイクロフォーム。
61.水溶液が、アルコールを半量未満含むことを特徴とする、58,59又は60のマイクロフォーム。
62.グリセロールを1〜10%v/v含むことを特徴とする、44〜61のいずれか一つのマイクロフォーム。
63.請求項1〜18のいずれか一つの方法にしたがってマイクロフォームを製造することを特徴とする、19〜48のいずれか一つの装置。
64.49〜64のいずれか一つのマイクロフォームを製造することを特徴とする、19〜48のいずれか一つの装置。
65.血管に対して請求項49〜64のいずれか一つに記載されているマイクロフォームを投与することを含む、血管の硬化療法が必要な患者を治療する方法。
66.硬化療法のための薬剤を製造するための、19〜64のいずれか一つのマイクロフォーム又は装置の使用。
67.療法において使用するための、49〜64のいずれか一つのマイクロフォーム。
本出願のために、用語は、以下の定義を有する:すなわち、生理学的に許容し得る血液分散可能なガスは、実質的に完全に、血液中に溶解され得る又は血液によって吸収され得るガスである。硬化液は、血管内腔中に注射される場合に、血管を硬化させることができる液体である。スクレロパシー(scleropathy)又は硬化療法は、血管を処置して血管を除去することに関する。エアロゾルは、ガス中に液体が分散している状態である。ガスの過半量の割合とは、50%体積/体積超である。ガスの半量未満の割合とは、50%体積/体積未満である。別のガス中もう1つのガスの半量未満の割合とは、全体積の50%未満である。大気圧及びバールは、1000ミリバールゲージである。マイクロフォームの半減期は、マイクロフォーム中の液体の半分が非発泡の液相へと逆戻りするのにかかる時間である。
【0024】
本発明の第一の面では、生理学的に許容し得る血液分散可能なガスと水性硬化液との混合物を、0.1 〜 30μmの少なくとも1つの断面寸法を有する1つ以上の流路に通す工程を含み、且つガス対液体の割合が、0.07g/ml 〜 0.19g/mlの密度と少なくとも2分間の半減期とを有するマイクロフォームが製造されるように制御されることを特徴とする、血管の、特に静脈の硬化療法で用いるのに適するマイクロフォームを製造するための方法を提供する。
好ましくは、マイクロフォームは、直径25μm以上の気泡の数を基準として50%以上が直径200μm以下である。
【0025】
好ましくは、混合物におけるガス/液体の割合は、マイクロフォームの密度が0.09g/ml 〜 0.16g/mlであるように、更に好ましくは0.11g/ml 〜 0.14g/mlであるように制御する。
好ましくは、マイクロフォームは、少なくとも2.5分間の半減期、更に好ましくは少なくとも3分間の半減期を有する。半減期は、1又は2時間以上程度であっても良いが、好ましくは60分未満であり、更に好ましくは15分未満であり、最も好ましくは10分未満である。
【0026】
半減期は、公知の体積及び重量のフォームで容器を充填し、その容器から目盛容器中に排出し、所定の時間で排出された量から半減期を、すなわちマイクロフォームが、その成分である液体と気相へと逆転化する半減期を計算することによって簡便に測定される。この測定は、好ましくは、標準温度及び標準圧力で行うが、実際には、周囲診療チャンバー条件又は周囲実験チャンバー条件で充分である。
【0027】
有利には及び好ましくは、本方法は、直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも50%が、直径150μm以下であり、更に好ましくは少なくとも95%が直径280μm以下であることを特徴とするフォームを提供する。なお更に好ましくは、本方法は、これらの気泡の数を基準として、少なくとも50%が、直径130μm以下であり、なお更に好ましくは、少なくとも95%が直径250μm以下であることを特徴とするフォームを提供する。
【0028】
好ましくは、ガスと硬化液との混合物は、エアロゾル、液体中気泡分散系、又はマクロフォームの形態である。マクロフォームとは、最大寸法がミリメートル単位で測定される、例えば約1mm以上の気泡を有し、且つ振とうによって2つの相を軽く撹拌することによって製造できるフォームを意味している。好ましくは、ガス及び液体は、エアロゾルの形態で提供され、その場合、加圧ガス源と、ガス及び液体を混合する手段が使用点に提供される。最初にマクロフォームが製造され、液体とガスは使用点でのみ一緒になる。
【0029】
混合物で用いられるガス対液体の割合は、製造されるマイクロフォームの構造を制御して、処置及び処置が行われる環境に関してマイクロフォームの安定性を最適化するために重要である。最適なフォームにとって、1gの硬化液と、約6.25 〜 14.3容量(STP)、更に好ましくは7 〜 12容量(STP)のガスとを混合することが好ましい。
【0030】
好ましくは、生理学的に許容し得る血液分散可能なガスは、二酸化炭素及び/又は酸素を過半量の割合で含む。簡便には、前記ガスは、窒素又は他の生理学的に許容し得るガスを半量未満の割合で含んでいても良い。空気中の窒素として、ある割合で窒素が存在していても良いが、本発明は、窒素を存在させずに、二酸化炭素及び/又は酸素の使用を提供する。
1つの好ましい形態では、用いるガスは、二酸化炭素と他の生理的ガスとの混合物であり、特に二酸化炭素を3%以上、更に好ましくは10 〜 90%、最も好ましくは30 〜 50%含む。このガスの他の成分は、好ましくは酸素であり、窒素は半量未満の割合でのみ存在することが好ましい。最も好ましくは、他の成分は酸素である。
【0031】
ガスの更に好ましい形態は、酸素を50%v/v以上含み、残りは二酸化炭素であり、又は大気中で見出される割合の二酸化炭素、窒素及び微量ガスである。1つの好ましいガスは、酸素60 〜 90%v/v及び二酸化炭素40 〜 10%v/vであり、更に好ましくは酸素70 〜 80%v/v及び二酸化炭素30〜 20%v/vである。更に好ましくは酸素は99%以上である。
加圧下で硬化液とガスとの流れを、説明したように0.1μm 〜 30μmの1つ以上の流路に通すことによって、高速のブラシ及びブレンダーを用いて大量のエネルギーを供給することによってのみ製造可能であると従来考えられていた、安定な、血液分散可能ガスをベースとする硬化剤注射可能マイクロフォームが提供されることを見出した。
【0032】
好ましくは、硬化剤は、水性担体中、例えば水中、特に生理食塩水中ポリドカノール又はテトラデシル硫酸ナトリウムの溶液である。更に好ましくは、前記溶液は、好ましくは滅菌水中、又は生理学的に許容し得る生理食塩水中、例えば0.5 〜 1.5%v/v生理食塩水中ポリドカノール0.5 〜 5%v/v溶液である。溶液中の硬化剤の濃度は、有利には、例えばクリペル・トレノーネイ症候群(Klippel-Trenaunay syndrome)のようなある種の異常の場合には濃くする。
【0033】
ポリドカノールは、式C12C25(OCH2CH2)nOH(式中、nの平均値は9である)で表されるマクロゴールのモノラウリルエーテルの混合物である。他のアルキル鎖、オキシアルキル反復単位及び/又はnの平均値(例えば7 〜 11)を有する混合物を用いても良いことが理解されるが、nの平均値は、例えば独国にあるKreusslerから例えばAethoxyskierolとして得ることができるので、9が最も簡便に得られる。
【0034】
最も好ましくは、水性液中硬化剤の濃度は、水又は生理食塩水中ポリドカノール1 〜 3%v/v溶液であり、更に好ましくは約2%v/v溶液である。少なくともいくつかの場合では、水又は生理食塩水は、好ましくは、生理学的に許容し得るアルコール、例えばエタノールを2 〜 4%v/v含む。好ましい生理食塩水は緩衝される。好ましい緩衝された生理食塩水はリン酸塩で緩衝された生理食塩水である。前記緩衝液のpHは、好ましくは、生理学的であるように、例えばpH6.0 〜 pH8.0、更に好ましくは約pH7.0に調整される。
硬化剤は、追加の成分、例えば安定剤、例えばフォーム安定剤、例えばグリセロールを含んでいても良い。更なる成分として、アルコール、例えばエタノールが挙げられる。
【0035】
加圧下で、それぞれの流れからのガスと液体とを混合することによって、エアロゾル、分散系又はマクロフォームが製造される。混合は、エアロゾルキャニスターで見られるような気液界面部材(gas liquid interface element)で簡便に行われる。しかしながら、界面装置は、非常に単純であっても良く、例えばミリメートル寸法の、すなわち直径0.5 〜 20mm、好ましくは直径1 〜 15mmの単一のチャンバー又は流路であっても良く、ガス及び液体は、分離した入口から界面装置中へ流入する。簡便には、界面は、エアロゾルキャニスターにおいて普通に見られる設計であるが、ガス対液体の正確な割合を生じさせ、且つ上で定義した密度を有するフォームを生成するように設計を選択する。適当なインサート(insert)は、Ecosol という名称でPrecision Valves (ピーターバラ、英国)から市販されており、上記方法によって指定された割合が得られるように選択される。
【0036】
しかしながら、ガスと液体の混合は、加圧された容器の底部に配置された硬化溶液から延びているディップ管内で行っても良い。ガスは、該ディップ管にある孔から出て、ディップ管の底部から入る液体流の中に入ることができる。この場合、前記の孔は、Ecosol孔と同じ直径であっても良い。前記孔は、ディップ管をレーザーで孔をあけて簡便に作っても良い。
【0037】
そのようにして製造されたエアロゾル又はマクロフォームを通過させて安定なマイクロフォームを製造する1つ以上の流路は、好ましくは5μm 〜 25μmの直径、更に好ましくは10μm 〜 20μmの直径を有する。その場合、例えば金属又はプラスチックのメッシュ又はスクリーンに孔をあけることによって提供され、ガス/液体混合物の流れに対して直角に配置される単純な流路が提供される。前記流路は、簡便には断面が円形又は楕円であるが、それらに限定されない。多くの前記メッシュ又はスクリーンを、流れの方向に沿って用いても良い。
【0038】
最も好ましくは、流路は、流れを横断するように配置された1つ以上の部材中に存在する多数の孔として提供される。前記部材は、好ましくは直径2 〜 30mm、更に好ましくは直径6 〜 15mmであり、流れに直面していて、ウーブンメッシュ(woven mesh)では孔面積5 〜 65%、例えば2% 〜 20%であり、多孔性膜では孔面積20% 〜 70%である。有孔体(perforated body)において提供されるような、多孔性材料における孔は、好ましくは前記流路を数百以上、更に好ましくは何万又は何十万、例えば10,000 〜 500,000提供し、ガス液体混合物が流れるとき該混合物に対して呈示される。前記材料は、有孔シート又は有孔膜、メッシュ、スクリーン又は焼結物であっても良い。なお更に好ましくは、ガス及び液体が各セットの流路を通過するように多くの多孔性膜のセットが連続的に配置されて提供される。これにより、更に均質なフォームが製造される。
【0039】
いくつもの部材を直列で用いる場合、これらの部材は、好ましくは1 〜 5mm、更に好ましくは2 〜 4mm、例えば3 〜 3.5mm離して配置する。
本発明のいくつかの態様のために、流路は、ガス/液体流の流路を横断するように配置された繊維シート(fibrous sheet)において繊維間のギャップの形態を取っても良く、その直径は必ずしも最大直径でなくても良いが、ガス/液体エアロゾル又はマクロフォームが流れなければならないギャップ幅であることが認められる。
【0040】
別法として、ガスと液体との混合物を、同じ流路のセット、例えば1つ以上の前記多孔性体によって提供されるのと同じ流路のセット中を、何度も、例えば0
〜 10通過させる方法を提供する。多くの時間、例えば2 〜 2,000回、更に好ましくは4 〜 200回、又は上記の要求される密度を有するマイクロフォームが簡便に得られる回数通過させるための方法を提供する。マイクロフォームがメッシュを通過する回数が増えれば増えるほど、マイクロフォームは均質となる。
【0041】
流路を通過させるときに用いられるガスの圧力は、マイクロフォームを製造するために用いられる機構の性質に左右される。ガスが、液体と接触する状態で、例えばエアロゾル容器のような加圧チャンバー中に含まれる場合、適当な圧力は、典型的には、大気圧を0.01 〜 9バール超える圧力である。メッシュの使用に関しては、例えば直径10 〜 20μmの開口を有する直列に配置された1
〜 8メッシュの使用に関しては、特に1バールを0.1 〜 5気圧超える圧力が適当である。20μm開口の3 〜 5メッシュの使用に関しては、大気圧を1.5 〜 1.7バール超える圧力が良質なフォームを製造するのに充分であることを見出した。0.1μmの細孔サイズの膜に関しては、大気圧を5バール以上超える圧力が好ましい。
【0042】
本発明の1つの好ましい態様では、流路は膜の形態、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなポリマーの膜の形態であり、その場合、膜は、ランダムに接続された繊維から形成され、その見かけの細孔サイズに比べて何倍も小さい定格有効細孔サイズを有する。特に適当なこの形態は、標準定格が10 〜 20μmの多孔度(porosity)であるTetratex(登録商標)という商標で米国のTetratec(商標)によって供給される二軸延伸PTFEフィルムである。本発明の方法及び装置にとって好ましい細孔サイズは3 〜 7μmである。この材料は、強度を付与するために多孔性の裏付材料と積層しても良く、また、この材料は、一回通過(one pass through)が、安定性に関する上記使用要求条件を満足するフォームを製造するのに充分であるという利点を有する。しかしながら、直列に配置された1つ以上の前記膜を用いると、与えられる条件セット用のなお更に均質なフォームが得られることは当業者には明らかである。
【0043】
加圧下で溶液流とガス流とを組合わせてエアロゾルバルブに供給し、次に流路に流すことによって、例えばメッシュ、スクリーン、膜又は焼結物に存在する細孔中に流すことによって、適当な水性液溶解可能ガス、例えば二酸化炭素及び/又は酸素をベースとする硬化剤マイクロフォーム(該マイクロフォームは、従来技術で説明したように高速のブラシ及びブレンダーを用いて多量のエネルギーを供給することによってのみ製造可能であると従来考えられていた)を製造するのに充分なエネルギーが提供されると考えられる。
【0044】
好ましくは、本発明の方法は、直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも50%が直径120μm以下であるマイクロフォームを提供する。好ましくは、直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも95%が直径250μm以下である。前記気泡の直径は、本明細書実施例6に記載した方法によって測定しても良い。
【0045】
本発明の最も好ましい方法は、加圧可能なチャンバーが配置されているハウジングを提供する。滅菌供給のために、このハウジングは、生理学的に許容し得る水性溶媒中硬化剤の滅菌されていて発熱物質を有していない溶液で少なくとも部分的に充填するが、使用点において前記溶液を充填しても良い。この簡便な方法は、該溶液が、出口を通って、加圧可能なチャンバーからハウジングの外部に流れることができる経路を提供し、更に好ましくは、該チャンバーから外部への経路が、容器が加圧されるときに、流体が、経路に沿って押し流され、1つ以上の出口オリフィスを通るように開けたり又は閉じたりできる機構を提供する。
【0046】
特に、本方法は、ハウジングが、(a)血液中に容易に分散可能な生理学的に許容し得るガスの加圧された供給源と、(b)該ガス源の進入用の入口との1つ以上を含み;該ガスが、機構の活性化時に溶液と接触することを特徴とする。
ガス及び溶液を、経路に沿ってハウジングの外部へと、上で規定した寸法を有する1つ以上の、好ましくは多数の流路(溶液及びガスは外部に到達するためには前記流路を通らなければならない)を通して流れさせ、それにより、例えば流路を通る流れと接触するときに、溶液及びガスがマイクロフォームを形成する。
【0047】
好ましくは、ガス及び液体は、流路と1つ以上の隣接流路との接合部(junction)に典型的に存在している気液界面機構を通り、流路を通過する前に、気泡又はマクロフォームのエアロゾル分散系へと転化されるが、説明したように、例えば装置を振とうすることによって、例えば手動又は機械的振とう装置によって、ガス及び液体を、最初にマイクロフォームへと転化させても良い。
【0048】
本発明の第二の面では、血管、特に静脈の硬化療法で用いるのに適するマイクロフォームを製造するための装置を提供する。該装置は、第一の面で言及した生理学的に許容し得る溶媒中硬化剤溶液を含む加圧可能なチャンバーが配置されているハウジングと;該液体が、1つ以上の該出口オリフィスを通って、加圧可能なチャンバーから該装置の外部へと流れることができる1つ以上の出口オリフィスを有する経路と、該容器が加圧されるときに、該経路が開き、流体が、経路に沿って押し流され、1つ以上の出口オリフィスを通るように、該チャンバーから外部への経路を開けたり又は閉じたりできる機構とを含み、且つ
該ハウジングが、(a)血液中に分散可能な生理学的に許容し得るガスの加圧供給源を1つ以上、及び(b)該ガスの進入用の入口を1つ以上含み;該ガスが、機構の活性化時に溶液と接触してガス溶液混合物を製造し、
【0049】
該ハウジングの外部への該経路が、断面寸法、好ましくは0.1μm 〜 30μmの直径を有する1つ以上の流路を画定している1つ以上の部材を含み、該経路を通って気液混合物が流れて、装置の外部に到達し、該経路を通る該混合物の該通過により、0.07 〜 0.19g/mlの密度と少なくとも2分間の半減期とを有するマイクロフォームを製造することを特徴とする。
好ましくは、マイクロフォームは、直径25μm以上の気泡の数を基準として50%以上が直径200μm以下である。
【0050】
更に好ましくは、マイクロフォームは、0.09 〜 0.16g/mlの密度であり、最も好ましくは0.11 〜 0.14g/mlの密度である。
好ましくは、マイクロフォームは、少なくとも2.5分間の半減期を有し、更に好ましくは少なくとも3分間の半減期を有する。
有利には及び好ましくは、この装置は、直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも50%が直径150μm以下か又はそれ未満であり、更に好ましくはこれらの気泡の数を基準として少なくとも95%が直径280μm以下である。なお更に好ましくは、これらの気泡の数を基準として少なくとも50%が、直径120μm以下であり、なお更に好ましくは少なくとも95%が直径250μm以下である。
【0051】
好ましくは、装置は、例えば、単一チャンバーにおいて、血液分散可能なガスと硬化液とが充填されている密封されたキャニスター中にチャンバーを含み、装置経路は、装置が直立に置かれているときに、このチャンバーにおいて硬化液のレベルよりも下に入口開口を有するディップ管を含む。好ましくは、ディップ管は、チャンバー中において硬化液よりも上に存在するガスが、装置出口へと通ずる経路に出入りできる気液界面接合部において出口開口を有する。その経路は、押し下げられるか又は傾斜されるバルブ部材によって開けられたり又は閉じられたりして、装置の外部への経路を開放し、それにより、硬化液は、ガス圧力下でディップ管を上昇し、ガスと気液界面接合部で混合されて、エアロゾル、液体中気泡分散液、又はマイクロフォームを製造する。
【0052】
気液混合物、すなわち液体中気泡分散液、エアロゾル又はマイクロフォームが経路(単数又は複数)を通り、フォームを生じるように取り付けられた、第一の面で説明した1つ以上の経路を有する部材を、バルブへの経路に配置された加圧可能チャンバーの内側に、又はバルブの下流側上に、提供する。この部材は、バルブ取り付け部分と出口ノズルとの間にあるキャニスター上のキャップに簡便に配置しても良い。キャップを押し下げると、バルブが簡便に動作する。別法では、前記部材は、気液界面より上に取り付けられたキャニスター内にある。
【0053】
この装置の別の態様では、気液界面は、キャニスター内側のチャンバーにおいて、硬化液のレベルよりも上にあるディップ管中に孔を含んでいても良い。
用いるガス圧は、用いる材料、及びそれらの配置に左右されるが、簡便には大気圧を、0.01 〜 9バール超える圧力、更に好ましくは1.5 〜 1.7バール超える圧力である。
【0054】
本発明のこの面の好ましい装置は、「バック・オン・バルブ(bag-on-valve)」タイプである。前記装置は、ディップ管を取り囲み且つ密封されている、加圧可能チャンバー内に第二内室を形成している、柔軟な気液密着容器(flexible gas and liquid tight container)を含む。更に好ましくは、ディップ管は、硬化液中に配置されたディップ管末端と、気液界面接合部との間の位置に配置された一方向弁を有する。前記一方向弁は、外部への流路が閉じられると、チャンバーにおいて、取り囲んでいる生理学的に許容し得るガスから硬化液を分離するように閉じたままである。外部への経路が開くと、一方向弁も開き、液体が放出されて気液界面までディップ管を上昇し、その気液界面において、エアロゾルが、製造され、次に流路を通過して、マイクロフォームへと転化される。適当な一方向弁は、ダック・ビル(duck-bill)タイプのバルブであり、例えば米国オハイオ州イェロースプリングスにあるVernay Labs Incから市販されているバルブである。適当なバック・オン・バルブ缶構造は、英国スティーヴェネッジにあるCoster Aerosolsから市販されており、アルミニウムホイル/プラスチックラミネートを含む。
【0055】
簡便には、一方向弁は、ディップ管と気液界面接合部、すなわちEcosol装置との間にある、ディップ管の頂点に配置する。それにより、キャニスター中であろうとなかろうと、一方向弁を施工する前に、バックを充填し、続いてその内容物を滅菌することができる。
【0056】
そのような好ましい装置はいくつもの利点を有する。ガスが酸素である場合、使用前に、液体から分離しておくことができるので、例えば放射線照射のような滅菌プロセス中に、液体中の有機成分と酸素ラジカルが反応する可能性が低下する。ガスが二酸化炭素である場合、貯蔵中に、大量のガスが液体中に溶解することがあり、大気圧以下まで解放すると、ガス抜けし、マイクロフォームが非常に迅速に壊れ始めることがあると考えられる。また、分離することにより、貯蔵又は輸送している時に、特に直立させずに貯蔵又は輸送している時に、非使用缶における装置の寸法感受性オリフィス(dimension sensitive orifice)において、凝固した硬化剤が堆積するのが防止される。
【0057】
好ましくは、気液界面は、例えば英国ピーターボローにあるPrecision Valveによって製造されたEcosol装置のような、規定オリフィスサイズの装置として提供される。規定寸法の流路が、加圧チャンバーの外側にある装置、すなわちバルブステムに取り付けられる装置に関しては、ガス孔面積の液体孔面積に対する割合は、3:1 〜 5:1程度であるべきであり、好ましくは約4:1であるべきである。流路が加圧チャンバーの内側にある場合、前記の割合は、より高い。
【0058】
本発明の第三の面は、血管、特に静脈の硬化療法で用いるのに適するマイクロフォームを製造するための装置を提供する。該装置は、生理学的に許容し得る溶媒中硬化剤溶液及び/又は生理学的に許容し得る血液分散可能なガスで少なくとも一部分充填された又は充填可能な加圧チャンバーが配置されているハウジングと;該チャンバーの内容物が、1つ以上の出口オリフィスを通って、該ハウジングの外部へと流れることができる経路と、チャンバーの内容物が該経路に沿って、1つ以上の出口オリフィスを通って外部へと流れるように、該チャンバーを加圧できる機構とを含み、且つ
該ハウジング又は該チャンバーの外部への該経路が、断面寸法、好ましくは0.1μm 〜 30μmの直径を有する1つ以上の流路を画定している1つ以上の部材を含み、該経路を通って該チャンバーの該内容物が流れることができ、それによって、該流路を通過するときに、溶液及びガスが、0.07 〜 0.19g/mlの密度と少なくとも2分間の半減期とを有するマイクロフォームを形成することを特徴とする。
【0059】
好ましくは、マイクロフォームは、直径25μm以上の気泡の数を基準として50%以上が直径200μm以下である。
好ましくは、マイクロフォームは、0.09 〜 0.16g/mlの密度であり、更に好ましくは0.11 〜 0.14g/mlの密度である。気泡サイズに関する好ましい制限は、第一及び第二の面でも記載してある。
好ましくは、マイクロフォームは、少なくとも2.5分の半減期を有し、更に好ましくは少なくとも3分の半減期を有する。
経路又はチャンバーにおいて流路を画定している部材は、固定されていても良く、又は装置内室の外側から装置を操作することによって移動可能であっても良い。
【0060】
そのような装置は、シリンジ筒と、チャンバーを画定している機能的に協同動作するシリンジプランジャーとを含むシリンジ装置の形態で簡便に作っても良い。前記プランジャーは、使用時にガス及び液体を含むチャンバーを加圧するための手段であるが、シリンジ本体の注射針固定末端に隣接して又は該末端において、例えばルアー(luer)接続開口において、上記寸法の流路によって形成されることを特に特徴とする。
【0061】
使用時には、順番にそれぞれの供給源に対してルアー開口部を接続しながらシリンジプランジャーを引くことによって、上記装置を、必要な硬化液で、次に生理学的に許容し得るガスで、又はその逆の順序で部分的に充填する。別法として、それらを、マイクロフォームとして、又は本来破壊されるマイクロフォームとしてでも、前以て混合しても良い。ガス及び液体を分離相として充填する場合、シリンジ内容物を撹拌して、フォームを生成させても良い。次に、プランジャーをシリンジ本体の中に押し入れ、このフォームを流路に流し、治療処置に必要な安定性を有するマイクロフォームへと転化させる。ガス及び液体をフォームとして一緒に充填する場合、プランジャーの操作によってマイクロフォームが提供される。
【0062】
この装置の好ましい態様では、2つのチャンバーが、提供され、且つ、直径0.1μm 〜 30μmの1つ以上の流路を介して、流路によって、例えばシリンジ本体ルアーコネクターオリフィスを含む流路によって互いに結合される。この方式では、チャンバーの1つ又は両方におけるプランジャーの相反運動によって、ガス及び液体を、所望の回数、規定寸法の流路を通過させて、所望のフォームを生成させる。
【0063】
別の態様では、上記寸法の多くの流路を画定している部材が、チャンバー内に提供され、その流路中にチャンバー内容物を通すために、いずれかの方向に動かすことができる。簡便には、この部材は、支持体に対して、例えばシリンジプランジャーロッドと同軸上にある支持体プランジャーロッドに対して取り付けても良い。該部材は、上記した多孔性経路を画定するアイテムの任意のものを含んでいても良いが、簡便には、いずれかの長手方向への支持体ロッドの移動によって、部材がスイープ動作して、チャンバーの内容物を、すなわちガス及び液体を一緒に流路中を通過させるように、シリンジ筒/チャンバーの軸線に対して直角に配置された主面が取り付けられているメッシュ又は多孔性膜を含む。該装置を適当な割合のガス及び液体で充填したら、第一工程としてマイクロフォームを放出させるために振とうしても良いことが分かる。
【0064】
好ましくは、ハウジングは、加圧下で溶液及びガスが入れられているチャンバーを画定している容器であり、及び経路は、該容器の内部にある該チャンバーから、容器の壁にある開口部を閉じるバルブへと至る導管である。
本発明の装置で用いるための多くの流路を画定している1つ以上の部材の好ましい形態は、メッシュ、スクリーン又は焼結物である。而して、1つ以上のメッシュ又は有孔スクリーン又は焼結物が提供され、いくつかの好ましい態様は、溶液/ガス排除経路に対して直角な主面と平行に配置された一連の前記部材を用いる。
【0065】
臨界寸法(critical dimension)を有する、本発明にしたがう装置のいずれの装置におけるすべての部材は、水性材料に曝されたときに寸法が変化しない材料から作られることが好ましい。而して、例えば空気液体界面のような 前記機能を有する部材、及び寸法0.1μm 〜 30μmの流路を画定する部材は、好ましくは、数分間を超える時間、溶液に曝される可能性がある場合に、例えばナイロン66のような水で膨潤可能な材料であるべきではない。そのような曝露が起こり得る場合、これらの部品は、更に好ましくは、例えばポリプロピレン又はポリエチレンのようなポリオレフィンから作られる。
【0066】
キャニスター又はシリンジ装置は、マイクロフォームを、好ましくは最大500ml以下、更に好ましくは1ml 〜 200ml、及び最も好ましくは10 〜 60ml形成するのに充分なガス及び溶液を含む大きさにする。特に、前記キャニスターにおける加圧下でのガス量は、治療するのに、すなわち少なくとも1つの静脈瘤性ヒト伏在静脈(varicosed human saphenous vein)を満たす充分なフォームを製造するのに充分な量であるべきである。而して、本発明の好ましいキャニスターは、家庭用ムースタイプフォームを供給するのに現在用いられているキャニスターに比べて小さくても良い。最も好ましいキャニスター装置は、使用後に廃棄することができるか、又は無菌状態を保つ問題を回避するために一旦開けたら再使用できない。
【0067】
フォームが排出されるときにキャニスター中のガス圧を維持する装置が組み込まれていることが好ましい。適当な装置は、例えばPECAP及びAtmosolという商標名の装置である。しかしながら、ガスの有意なヘッドスペース又は圧力が提供される場合、この装置は必要ではない。
本発明の装置から送達されるマイクロフォームが規格「外」ではないこと、すなわち上記した所望の密度、気泡の大きさ及び半減期のパラメーターを有していることを保証するために、本発明は、本発明の第二及び第三の面の装置から生じるマイクロフォームを受容するために配置される装置を提供する更なる第四の面を提供する。該装置は、廃棄するマイクロフォームの第一部分を排出し、及びマイクロフォームの第二部分を、例えばシリンジのような送達装置に対して、滅菌状態で流すことができる。
【0068】
第四の面の装置は、第二及び第三の面のマイクロフォーム製造装置の出口を、マイクロフォームが漏れない状態で連結するように適合された導管を含み、該導管は、第一及び第二の隣接出口導管の1つ又は両方へと、導管を通るマイクロフォームを指向するように又は入口導管を閉じるように設定することができるマルチパスタップ(multipath tap)に接続されていて且つマルチパスタップ中を通過している。該第一及び第二出口導管の少なくとも1つは、シリンジのルアーコネクタ(luer connector)を受容するように適合されている。好ましくは、該装置は、それを強固に保持するために、例えばディップ管を有するキャニスターの場合には直立に保持するために、その出口ノズルとは別に、第二又は第三の面の装置を連結するための1つ以上の部材も含む。
【0069】
好ましくは、第四の面の装置は3方向タップを含む。更に好ましくは、第四の面の装置は、連結されるときに、第二又は第三の面のマイクロフォーム製造装置を取り付けるのに充分に安定な基礎部材を含む。好ましくは、マイクロフォーム製造装置は、入口導管をマイクロフォーム製造装置出口導管に対して結合させることができる3方向タップに隣接させて強固に配置されている弾性部材によって連結される。
【0070】
第四の面の特に好ましい装置は、マイクロフォーム分配装置と、経路を入口導管へと開放するように動作する活性化部材とが取り付けられるように適合された基礎部材を含む。この態様では、マルチ・ウェイタップ(multi-way tap)が閉じられると、分配装置の内容物はその中に留まるが、マルチ・ウェイタップが、その出口導管のいずれかに対して開かれると、該装置によって生成されたフォームが直ちに放出される。
【0071】
本発明の更なる面は、本発明の方法及び装置によって使用可能な、血管及び血管奇形の除去で用いるための改良されたマイクロフォームを提供する。前記マイクロフォームは、水性硬化液と一緒に血液中に容易に分散可能である生理学的に許容し得るガスを含み、且つ0.07 〜 0.19g/cmの密度を有し、且つ非発泡液相へと逆戻りする液体含量を基準として10%を超えてガス及び液体へと逆戻りしないで、21ゲージ注射針を通過できることを特徴とする。
好ましくは、該マイクロフォームは、該注射針を通過するときに、非発泡液体へと、液体含量を基準として5%を超えて逆戻りしない。なお更に好ましくは、2%を超えて逆戻りしない。
【0072】
好ましくは、該マイクロフォームは、少なくとも直径25μmの気泡の数を基準として少なくとも50%が直径200μm以下である状態を保ちながら注射針を通過することができる。それは、周囲条件下で、更に好ましくはSTPで、簡便に測定される。
【0073】
好ましくは、数を基準として、該気泡の少なくとも50%は直径150μm以下のままであり、少なくとも95%は直径280μm以下である。好ましくは、マイクロフォームは、ネック直径2cm及び排水路10cmの漏斗から排出させルことによって測定した場合、少なくとも2分間、更に好ましくは2.5分間、最も好ましくは3分間の半減期を有する。その測定は、周囲温度又はSTPで行っても良い。最も簡便には、漏斗は、水浴中で予備平衡させて、フォームを乾燥させ、適用する前に、25℃の温度にしておく。目盛の付いた受け器へと導く漏斗上に、プランジャーの無い、マイクロフォームで充填したシリンジを逆さまに置くと、このパラメーターを簡便に測定することができる。
【0074】
好ましくは、ガスは窒素を40%v/v未満含む。好ましくは、マイクロフォームの密度は0.09 〜 0.16g/mlであり、更に好ましくは0.11 〜 0.14g/mlである。
有利には及び好ましくは、直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも50%が直径120μm以下であり、なお更に好ましくは、これらの気泡の少なくとも95%が直径250μm以下である
好ましくは、液体/ガス比を測定して得られる、フォームの密度は0.13 〜 0.14g/cmであり、半減期は少なくとも2.5分である。更に好ましくは、フォームは、前記時間において上記した気泡サイズのパラメーターから逸脱しない。
【0075】
好ましくは、ガスは、少なくとも50%酸素又は二酸化炭素から成り、更に好ましくは75%以上、最も好ましくは少なくとも99%、例えば実質的には100%酸素又は二酸化炭素から成る。好ましくは、酸素又は二酸化炭素は医療用グレードである。
好ましくは、硬化剤は、水性のポリドカノール又はテトラデシル硫酸ナトリウムである。
硬化剤が、水性のポリドカノールである場合、ポリドカノールの濃度は液体中0.5 〜 4%v/vであり、好ましくは1 〜 3%v/vであり、最も好ましくは液体中2%v/vである。
【0076】
有利には、硬化剤は水中で調製されるが、更に好ましくは、生理食塩水中で、特に10 〜 70mM燐酸塩緩衝生理食塩水中で、例えば50mM燐酸塩緩衝生理食塩水中で、且つ好ましくはpH6 〜 pH8.0、例えば約pH7.0の前記生理食塩水中で調製される。有利には、前記水溶液は、アルコールを半量未満の量、好ましくは96%エタノールを半量未満、例えば2 〜 6%v/v含み、更に好ましくは96%エタノールを約4%v/v含む。
【0077】
上記硬化液にグリセロールを加えると、生成するフォームの半減期がより長くなる。しかしながら、グリセロールを添加することにより、上記メッシュ装置を用いる場合に、メッシュが塞がれる傾向が生じるので、そのような装置を何度も用いる場合は注意深く用いるべきか、又はバック・オン・バルブを用いる。
以下の図面及び実施例を参照しながら更に本発明を説明する。以下の図面及び実施例を考慮すれば、当業者には、本発明の範囲内にある更なる態様が考えられるだろう。
【0078】
実施例
実施例1
一方向に押し下げることができるバルブを有する、標準的なエアロゾルキャニスターを、滅菌水中3%v/vのポリドカノール溶液で半分満たして、二酸化炭素と酸素の50:50混合物で3気圧まで加圧する。そのバルブの軸上に、アクチュエーターと、20μm径の通路で孔をあけた、厚さがちょうど0.5mm未満の4つのプラスチック製スクリーンを有する送出ヘッドとを取り付ける。これらのスクリーンはSwedspray-Eurospray発泡アクチュエーターキャップApRisC(RTM)装置において供給される一般的なタイプのものである。そのバルブには、ディップ管及び周囲のチャンバーからEcosol気液界面インサートを通してフィードされる。Ecosol入口サイズを選択することにより制御すると、そのインサートへのガス入口サイズ(×2)は、0.006”×0.01”であり、一方、単一の液体入口は0.024”である。ヘッドを押し下げると、エアロゾルバルブにより、予め混合された溶液及びガスがスクリーン上に放出され、その上で、スクレロパシーに適し少なくとも2分間、好ましくは、5分間、寸法的に安定であるマイクロフォームが形成される。
【0079】
実施例2
図1は、気液混合物が通る通路を加圧されたチャンバー内に配置することにより、かかる装置の衛生を高める、本発明の更なるキャニスターの設計を示す。
かかるキャニスターは、アルミニウム製の壁(1)を有する標準的な500mlの設計であり、その内部の表面はポリドカノール及び酸素の作用に耐性のあるエポキシ樹脂(例えば、Hoba 7940-Holden UK)でコートされている。キャニスターの底(2)は、内側に向けて半球形である。キャニスター内部のチャンバー(4)は、2%vol/volのポリドカノール/20mmolリン酸緩衝生理食塩水(3)15mlを含有し、100%酸素で1分間予めパージしてから、2.7バールゲージ(大気と比較して1.7バール)の酸素を満たす。これは、ポリドカノール部が満たされた缶を1.7バールの酸素で過圧することによって与えられる。半球体は、その中に、半球体の頂部がもはや溶液で覆われなくなる場合に、ディップ管の底部開端をその中に沈めるのに充分なレベルのポリドカノール溶液が保持される、内部チャンバーの底部周辺の外辺域を規定する。
【0080】
半球体は、その半球体の頂部がもはや溶液で覆われない場合にディップ管の底部開端をその中に沈めるのに充分なレベルのポリドカノール溶液が保持された、内部チャンバーの底部周辺の境界域(perimeter area)を規定する。この様式において、キャニスター外部上のしるしを使用してディップ管の位置を知らせることにより、望ましければ、キャニスターの向きを変えて溶液の最後の画分を抜き取ることができる。実際には、垂直の位置づけで十分である。
【0081】
滅菌した部分に溶液を満たした後、標準的な1”径のエアロゾルバルブ(5)(Precision Valves, Peterborough)をキャニスターの頂部にかしめ、アクチュエーターキャップ(6)を押し下げることにより活性化して、注射器又は複数の通路を持つコネクター(示さず)のルアー取り付け部に係合する大きさに作られた出口ノズル(13)を介して内容物を放出することができる。更なるコネクター(7)はその標準的なバルブの下部に位置し、全て開端ポリプロピレン製ケーシング内にある、高密度ポリエチレン(HDPE)製リングに保持された4つのナイロン66メッシュ(8)が、好ましくは、締り嵌めによりその下に取り付けられる。これらのメッシュは直径8mmであり、20μm孔から構成される15%の開口域を有し、HDPEリングから3.5mmの距離を隔てている。
【0082】
更なるコネクター(9)はメッシュを保持するコネクターの下部に位置し、ディップ管(12)の上に取り付けられ、アクチュエーター(6)の操作によりディップ管を上昇する液体の流れ中にチャンバー(4)からのガスを受け入れるガス受容穴(11a,11b)を包含するハウジング(10)を支える。これらは、都合の良いことには、これまでのようなインサートを伴うEcosol装置とは明確に区別される。穴(11a,11b)は、ディップ管の断面積に対する全合計比を制御して必要とされる気/液の割合を供給するような断面積を有する。これは、例えば、0.040”の液受容穴に対して各々0.010”×0.013”の穴(11a,11b)である。
【0083】
実施例3
本発明の更なるキャニスターの態様を、変更された‘バッグ・オン・バルブ’配列の包含を除いては図1に示すようにおおまかに、図2に示す。本態様においては、ポリドカノール硬化液(3)を、気体の隙間のないようにディップ管(12)に密封されたアルミニウムホイル/プラスチック ラミネート(Coster Aerosols Stevenage UK)を含んでなるホイルバッグ(22)に封入する。ディップ管の頂部の端には、バルブ(5)が作動するまで、ポリドカノールとディップ管(12)及びチャンバー(4)の内容物との接触を防ぐのに役立つ一方向のダック・ビル バルブ(Vernay Labs Inc Ohio USA)がある。上述の操作においては、バルブ(21)が開き、ポリドカノール溶液(3)をディップ管(12)を上昇させることにより、穴(11a,11b)を通って入る空気/酸素ガス混合物と混ざるようになる。この様式において、かかる缶は、他に気体中のラジカル種とポリドカノール溶液の有機成分との相互作用を引き起こし得る、電離放射線で安全に滅菌することができる。また、そのような配列は、フォームに関するキャニスターの操作を改善することができる。バッグ(22)は、好ましくは、実質的に液体(3)を含有するのみであり、その上部にヘッドスペースの気体はない。
【0084】
実施例4
この実施例の装置は、液体中のポリドカノールを1%vol/volのテトラデシル硫酸ナトリウムで置き換えたことを除いては実施例3のものと同一であり、全ての他の成分は同じである。
【0085】
実施例5
図3は、本発明の方法を用いて本発明に従ったマイクロフォームを製造するために具体的に設計された注射器装置を示す。注射器筒(13)はルアー開口部(luer opening)(14)及び設置フランジ(15)を有し、プランジャー(16)と協同して、チャンバー(19)を規定する。チャンバー(19)は、硬化液(18)、この場合は前述のポリドカノールで予め満たされるか、又は使用する際に満たされる。プランジャーは、ポリドカノール溶液に関して不活性であり、それを押し下げてチャンバー(19)の内容物を加圧する場合に前記溶液がそのプランジャーの側面周辺に漏れないようにする、シール面(17)を有する。
【0086】
プランジャーシール面(17)とルアー開口部(14)の間には、実施例2において言及したタイプ及び構成の、一組の3つの間隔をあけたメッシュ(20)がある。この実施例においては、メッシュを、それらとルアー開口部の間に空間を残すように配置して、医師がガス/液体混合物のメッシュの通過により製造されるフォームを見ることができるようにする。
【0087】
操作においては、そのような注射器は、好ましくは、滅菌してシールされたルアー開口部を有する、硬化液で満たされたチャンバー(19)容積を、例えば、その外部に取り付けられるホイルシールキャップにより規定するように押し込まれるプランジャーを備える。キャップを外し、ルアーを必要とされる血液に望ましいガス源に接し、プランジャーを引っ張って、例えば、注射器を振ることにより攪拌して7:1〜12:1のガス対液体の割合を含有するマイクロフォームを製造するように、適するガス対液体の割合を与えるのに必要とされる量のガスを入れる。フォームの製造のためには、プランジャーを1ml/秒で押すように一様な圧力で押して、マクロフォームをマイクロフォームに変換する。
【0088】
かかるマイクロフォームは患者に直接適用することができるが、より都合の良いことには、大きな伏在静脈を排出するのに必要とされるような大きな体積のフォームをより容易にみることができるチャンバー、例えば、第二の注射器に直接移すことできるということが理解されるであろう。この様式においては、望ましければ、マイクロフォームを、更により均一にするために二つのチャンバーの間をメッシュを介して通過させることができる。
【0089】
実施例6
図4は、本発明の方法を用いて本発明に従ったマイクロフォームを製造するために設計された本発明の更なる注射器装置の態様を示す。注射器筒(13)はルアー開口部(14)及び設置フランジ(15)を有し、プランジャー(16)と協同して、チャンバー(19)を規定する。チャンバー(19)は、硬化液(18)、この場合は前述のポリドカノールで予め満たされるか、又は使用する際に満たされる。プランジャーは、ポリドカノール溶液に関して不活性であり、それを押し下げてチャンバー(19)の内容物を加圧する場合に前記溶液がそのプランジャーの側面周辺に漏れないようにする、シール面(17)を有する。
【0090】
プランジャーの中心長軸をたどると、約5μmの有効孔寸法をもつ多孔性Tetratex膜(22)をダブルリング取付けで上に取り付けたロッド(21)がある。ロッド(21)は、注射器チャンバーの外部に設置されたハンドル(23)を有し、チャンバー(19)の内容物がその孔を通るように、膜がプランジャーとは無関係に動くことを可能とする。
【0091】
操作においては、そのような注射器は、好ましくは、滅菌してシールされたルアー開口部を有する、硬化液で満たされたチャンバー(19)容積を、例えば、その外部に取り付けられるホイルシールキャップにより規定するように押し込まれるプランジャーを備える。キャップを外し、ルアーを必要とされる血液に望ましいガス源に接し、プランジャーを引っ張って、例えば、注射器を振ることにより攪拌して7:1〜12:1のガス対液体の割合を含有するマイクロフォームを製造するように、適するガス対液体の割合を与えるのに必要とされる量のガスを入れる。フォームの製造のためには、ロッド(21)上のハンドル(23)を操作して、膜を数回、例えば、2〜10回チャンバー内を上昇下降させて、ガス及び液体を混合させてフォームを製造する。フォームを患者、又は別の注射器若しくはコンテナに直接分散させるためには、ロッド(21)を、膜取付部(22)がプランジャーシール面に隣接するように引っ張り、プランジャーを一様な圧力、例えば、1ml/秒で押す。明らかに、フォームを直接患者に使用する場合には、適する注射針をルアー接合部に取り付ける。
【0092】
実施例6
本発明のマイクロフォームを、実施例2に示す臨界的流路(critical passage)及びガス混合寸法を有するが、メッシュをバルブの下流にある分散キャップ中に設置する一方、ガス/液体混合をバルブの上流にあるPrecision Valves Ecosolインサート装置において起こるという点でそれとは異なる、実施例1に説明した装置で製造する。チャンバー(500ml)に、100ml当たり、ポリドカノール(Kreussler-Germany)(2ml)、96%エタノール(4ml)及び55mmolリン酸緩衝液(pH7.0)(94ml)を含有する15mlの水溶液を充填し、気体を1.5バールの100%酸素で空気過圧する。バルブの操作で製造されるマイクロフォームの特徴を、図5及び6に示す。図5は、マイクロフォーム発生直後の気泡寸法分布を示し;フォーム密度は0.138g/mlである。図6は、ガス/液体境界の穴寸法(11a,11b)を変えて、0.09g/ml(黒塗りの菱形)及び0.16g/ml(白抜きの円)のフォームを与えることにより供給される、種々のガス対液体の割合で製造される気泡寸法を示す。図7は、21G注射針を通過した後の好ましいマイクロフォーム(0.13g/ml)の気泡寸法分布への効果を示し:白抜きの円は、新鮮なフォームを示し、十字は注入時間に適合して老化させた対照のフォームを示し、黒塗りの菱形は注射針を通過した後を示す。図8は、Swedspray装置密度0.045g/mlを用いて製造されたマイクロフォームが注射針を通過する効果を示す。黒塗りの菱形は老化させた対照であり、白抜きの円は注射針通過後である。
5%グリセロールを配合物中に加える場合、半減期はおよそ4分増加することに注目すべきである。
【0093】
フォームをそのルアー開口部を通して注射器中に取り込み、任意に21G注射針をくっ付け、23.25ミクロン径のビーズ(例えば、Park Labs USAから小球(microsphere)として入手可能である)を用いて分離される、二つのガラス製スライドの間にフォームを注入することにより、気泡寸法を計算する。Maxtascan/Grobal Lab Image法を使用して、気泡寸法を分析した。加圧されていない気泡の直径(Dr)を、スライドの間の気泡の直径(Df)から式
【0094】
【化1】
【0095】
(式中、xはスライド間の距離である)を用いて計算した。これらの測定は大気温度及び圧力で行う。
25μmよりはるかに小さい気泡が存在するが数えることができないことは理解されるであろう。従って、気泡に関して与えられた%の数字は、25μm及びそれより大きい範囲の気泡に関する。
【0096】
実施例7
注射器を本発明のマイクロフォームで満たすためには、図10及び平面(図11)において高さで示すように、実施例1、2又は3のキャニスターの底部を、注射器装置の基部における受容凹部中に置く。キャニスター(24)を、プラスチック製基部部材(26)において1cmの深さの凹部にはめ込み、凹部は、ぴったりとした嵌合が提供されるように直径でおよそ1mmキャニスターより大きい。キャニスターを、キャニスターの直径を受けるために変形する垂直支持ロッド(28)に固定された、二つの弾性固定アーム(27a,27b)により更に支持する。
【0097】
使用の際のキャニスターキャップ位置の頂部のすぐ上で、支持ロッド(28)が、第一の作動位置(実線)及びオフ位置(破線)の間に固定できるアクチュエータアームの上に取り付けられる。作動位置においては、アームはキャニスターアクチュエータキャップ(30)を押し下げるので、キャニスターバルブを開けて、マイクロフォームを放出させる。
また、基部(26)上には、それのプランジャーを有する注射器(34)をぴったり受けるような大きさに作られた凹部(32)がある。停止部材(33)が提供され、充填の際にプランジャーがその縦の動きの範囲を限定されて注射器を過剰に満たすことができないように、配置される。
【0098】
硬化フォームに対して不活性な、可撓性のある透明なプラスチック製チューブ(35)を、使用の際キャニスター出口ノズル(31)に取り付けて、基部(26)に取り付けられた三方バルブ(36)に固定する。バルブを、タップ(37)を三つの位置のうちの一つに回すことにより操作する:(a)バルブ閉−マイクロフォームの流路なし、(b)バルブを廃液(38)に開けることによって、チューブ(35)の内容物の視察により不適当と思われるあらゆるマイクロフォームを排出する、そして(c)バルブを注射器に開けることによって、注射器プランジャーが停止(33)に接触するまで、1セット量のマイクロフォームが注射器ルアーを通過してそれを満たす。
【0099】
実施例8
実施例6のマイクロフォーム20mlを実施例7の装置を用いて20ml注射器に充填し、その注射器を装置から外す。19ゲージ注射針を直接注射器ルアー接合部に取り付けるか、又はカテーテルを介して取り付ける。マイクロフォームを拡張蛇行静脈中に投与し、その進行と最終的な位置を手持ちの超音波スキャナーを用いてモニターして、処置する血管に対する位置に新鮮なフォームを制限する。1〜5分後に、血管は収縮し、その後繊維化するようになる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】上記実施例2で更に説明された本発明の第二の面のキャニスター装置に関する断面図である。
【図2】硬化剤のためのバック・オン・バルブレザバーが組み込まれていて、且つガスが外室中に存在していて、一方向ダック・ビルバルブによって該レザバーから分離されている、本発明の第二の面のキャニスター装置に関する断面図である。
【図3】分配チャンバーを横断するようにメッシュのセットを組み込んでいる第三の面のシリンジ様装置に関する断面図である。
【図4】シリンジチャンバー内容物中で往復運動できるように、内部プランジャーロッド上に支持された多孔性膜を組み込んでいる第三の面のシリンジ様装置に関する断面図である。
【図5】第四の面の好ましい0.13g/mlの酸素/空気/ポリドカノールマイクロフォームにおける気泡直径の分布を示している棒線図である。
【図6】第四の面の0.09g/ml及び0.16g/mlのマイクロフォームにおける気泡直径の分布を示している棒線図である。
【図7】対照の新鮮な及び同様に老化させたマイクロフォームと比較した、第四の面の好ましいフォームを21ゲージ注射針を通過させることの効果を示している図である。
【図8】従来技術のバブラー装置(Swedsprayバルブ, Ecosolインサート及びヘッド)を用いることによって製造可能な2体積%ポリドカノール溶液乾燥マイクロフォーム0.045g/mlを21ゲージ注射針に通すことの効果を示している図である。
【図9】従来技術のバブラー装置(Swedsprayバルブ, Ecosolインサート及びヘッド)を用いることによって製造可能な1体積%ポリドカノール溶液乾燥マイクロフォーム0.045g/mlを、21ゲージ注射針に通すことの効果を示している図である。
【図10】第四の面のシリンジ注入装置に関する側面図である。
【図11】図10の装置に関する平面図である。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、血管を含む様々な医学的状態の治療における、特に静脈瘤、及び静脈奇形を含む他の障害の治療における使用に適する、硬化材、特に硬化液を含むマイクロフォームの生成に関する。
静脈瘤の硬化は、とりわけ局所的な炎症性反応を引き起こすことによって、これらの異常静脈の除去に寄与する液体硬化物質の静脈内への注入をベースとしている。硬化物質を液体形態で注射すると、静脈内に含まれている血液と混合され、未知の割合で希釈される。その結果は、過剰投与又は過小投与の故に、不確実であり、短い静脈瘤部分に限定される。注射される静脈瘤の大きさが小さくなるにつれて、血液による希釈はより少なくなり、得られる結果はより予想可能となる。
【0002】
最近まで、硬化療法は、小さい及び中程度の静脈瘤の場合に選択された(7mm以上の直径を有する静脈瘤は手術によって処置される)。硬化と手術は互いに補完し合っていたが、硬化治療は、大きな静脈瘤には適用できないままであった。これらの大きな静脈瘤では、硬化物質を注射する場合、静脈内における濃度、血液中における均一な分散、及び治療される血管の内壁と接触する時間が知られていなかった。
【0003】
1946年、Orbachは、小さな静脈瘤の中に数立法センチメートルの空気を注入し、注入空気によって占有された血管の内部にある血液が置換されることを確認した。血液中に硬化溶液を導入した場合に比べて、空気注入直後に導入された硬化溶液はより有効であった。しかしながら、太い静脈瘤では、空気を注入すると、注入空気による血液の置換について記載された現象が起こらず、空気は静脈内において気泡を形成するので、太い血管では前記方法は無効である。
【0004】
また、数年後に、Orbachは、良好な発泡性を有する陰イオン硬化洗浄剤であるテトラデシル硫酸ナトリウムを含む容器を撹拌することによって得られるフォームを注射することを考えた。その方法は、形成される気泡が大きく、また血液中にほんの僅か溶ける大気窒素の副作用が危険であったことから、ほとんど使用されなかった。前記2つの方法は、小さな静脈瘤でのみ用いられるので、その普及は限定的であった。
【0005】
今では、治療用途に適する注射可能なマイクロフォームが開発され、EP 0656203及びUS 5676962 (参照として本明細書に取り入れられる)に記載されている。これらの特許では、硬化物質によって製造されるマイクロフォームが記載されており、前記硬化物質は、静脈に注射すると、血液を置換し、且つ硬化剤を、公知の濃度で調節可能な時間、血管の内壁と接触させて、占有された全ての部分を確実に硬化させる。
【0006】
このフォームを用いる利点は、マイクロフォームが血液を置換するので血管中の硬化剤濃度が明確になり、単純な液体のように血管中で希釈されない点である。更に、このフォームは、静脈中における硬化物質の均一な分散を保証し、また、静脈の内壁と接触し続ける時間を制御することができる。単純な液体形態の硬化剤の使用では、いずれの要因も正確に知られていないか又は制御することができない。
【0007】
前記マイクロフォームの調製は、任意の硬化物質の溶液、特にポリドカノール(polidocanol)、テトラデシル硫酸アルカリ金属、例えばナトリウム塩、高張グルコースの溶液又はグルコ−生理食塩水の溶液、クロムグリセロール、エタノールアミンオレエート、モルイン酸ナトリウムの溶液又は沃素溶液を用いて行うことができる。
【0008】
しかしながら、この公知の方法では、患者に投与する直前に、医師、薬剤師又は助手が、マイクロフォームを製造する必要がある。前記手順で製造する場合、マイクロフォームを調製する人に依存して薬剤は変化し、ガスの含有量、気泡の大きさ及び安定性すべてにおいて、治療対象の状態を考慮して製造する必要がある。また、プレッシャーを受けている状況で複製することは難しいので、すなわちマイクロフォームを調製する時間が短いので、高度の注意と知識も必要である。
【0009】
上記特許で特に説明されている方法では、ブラシによる高速打撃作用を用いて、適切な特性を有するフォームを生成させる。他の報告されている使用中の技術では、そのような均一で、安定な又は注射可能なフォームは得られない。そのような他の技術としては、ガスを泡立てる技術、例えばシリンジプランジャーの側面から、硬化剤で充填されたシリンジ中へとリークさせることによって、ガスを硬化剤中に散布する技術を特に含む。
【0010】
更に、マイクロフォームを製造するためのガスとして空気を用いる場合の問題点は、大量の窒素を患者に対して不必要に導入してしまう点であり、特に大きな血管がフォームで満たされ、除去される場合には、問題となる。窒素によるガス栓塞の可能性がある。
【0011】
水性流体における、例えば血液における生理的ガスの溶解度は、かなり変化する。而して、STP(標準温度及び標準圧力)において、窒素は、水中において、酸素の殆ど2倍不溶性であり、二酸化炭素は、水性液中において、窒素の50倍超可溶性であり、酸素の25倍超可溶性である。
【0012】
【表1】
【0013】
現在、血液中に容易に分散されるガス、例えば二酸化炭素を高い割合で含有しているガスによる前記マイクロフォームの製造は、ガス栓塞を生じさせる可能性を最少にするので望ましいと考えられる。しかしながら、水中における溶解度が高いので、難しい仕事でもある。
その実行時間が特性に影響を及ぼす可能性がある高速の混合及び打撃を用いることを含む機構ではなく、比較的単純で信頼性が高い機構を用いることによって容易に製造される均一な特性を有する比較的安定なマイクロフォームを提供することも望ましいと考えられる。
【0014】
そのように製造されたマイクロフォームは、その分離したガス成分及び液体成分へと有意に逆変換されずに、及び/又は特性を変えずに、例えば有意に増大している気泡サイズを変えずに、血管中に注射するのに適する口径を有する注射針を通過できることが特に望ましい。
上記注射針は、非常に小さい直径、例えば30ゲージ注射針(内径0.14mm)あっても良い。更に典型的には、注射針は、より太い、例えば18 〜 22ゲージ注射針(内径0.838 〜 0.394mm)、更に好ましくは19 〜 21ゲージ注射針(内径0.686mm)である。
【0015】
マイクロフォームが注射針を通る速度は、任意のフォームが破壊されるような速度であっても良いが、通常の注射条件下で、すなわち静脈中へのフォームの注入の制御と両立できる速度で破壊しないフォームを製造することが望ましい。例えば、19 〜 21ゲージ注射針に関して、0.1 〜 0.5ml/秒、更に好ましくは0.3 〜 1ml/秒の速度の注射に耐えるべきである。
生成するフォームに関して、特に微生物及び発熱物質に関して滅菌タイプである装置を提供することはなお更に望ましい。
【0016】
処置を行う医師が技術的な入力を行わずとも、所定の医学的処置に適する永久歪特性(set property)を有するフォームを製造するように動作する又は補助する密封装置を提供することは特に望ましい。
これらの望ましい特性を潜在的に提供できる装置の1つの形態は、フォームを製造するタイプのエアロゾルディスペンサーであると考えられる。しかしながら、ヒト又は哺乳動物の身体中に注射されるマイクロフォームを生成させるためには、エアロゾルキャニスターにおいて通常用いられるタイプの噴射ガスを有することは望ましくない。故に、フォームを形成させるガスそれ自体が、フォームの製造を可能にするために加圧されなければならない。
【0017】
洗浄剤溶液を、例えばポリドカノール又はテトラデシル硫酸ナトリウムの溶液をフォームへと転化させることが期待される、加圧下で標準的なエアロゾルバルブに単に通すことによるフォームの生成では、水溶性ガス、例えば二酸化炭素は、安定なフォームを製造できないことを発明者は見出した。このガスを加圧下で用いて、従来のエアロゾルバルブ中に硬化剤溶液を噴射する場合、製造されるフォーム(初めに少なくともいくつかのマイクロフォーム構造を含む)は、EP 0656203及びUS 5676962に記載されているように、血管の治療に適用されるほど充分には安定ではないことを発明者は測定した。更に、前記フォームは、液相及び気相へと有意に逆戻りせずに、注射針の中を通過することができない。マイクロフォーム技術は、液相におけるような血液中における希釈を許さず、治療しようとする血管の壁に対して硬化溶液を送達するガスの能力を活用するということが当業者には理解されるだろう。
【0018】
フォームを製造することができるエアロゾルユニットは従来技術で説明されてきた。米国特許第3,471,064号には、エアロゾルユニットのディップ管における一連の小孔を通して、空気を、発泡可能な液体中に引き込む装置が記載されている。前記装置は、装置内容物が空気に対して開かれているので、動作時には滅菌されていない。そのようにして製造されたフォームは、どのくらいの量の空気が引き入れられるかによって特性が変化すると考えられる。米国特許第3,428,222号には、更なる装置が記載されており、再び空気を引き入れてフォームを製造する圧縮容器において吸上部材及び発泡部材を用いている。
【0019】
米国特許第3,970,219号には、薬理学的に不活性なガスを用いて液体組成物を発泡及び噴出させることができる密封されたエアロゾル装置が記載されている。前記特許は、下部噴射ガス保持チャンバーから上部フォーム保持チャンバーへと、直径0.01 〜 3mmの細孔を有する材料中を通して噴射ガスを通過させることによってフォームを製造する装置を説明している。発泡される液体は、上部チャンバーに位置するか、又は容器を振とうすることによって多孔性材料に吸収されるか、又は下部チャンバーから吸上げられる。この特許は、上部チャンバーにあるフォームからの液体は下部チャンバーへと排出され、その結果、最も薄い壁厚の気泡が噴射されることを教えており、また水性液を発泡させなければならない場合には、噴射ガスは「より溶解性が低く」なければならず、例えばフルオロカーボン又は炭化水素であることを教えている。
【0020】
同様なバブラー装置は、低圧下で、すなわち手押ポンプ条件下で、空気を用いて動作する「環境に優しい」エアロゾル装置と共に用いるための付属品において用いられる。2つの前記装置は、‘Airspray(登録商標) Finger Pump Foamer’及び‘Airspray Mini-Foamer’という名称でAirspray Internationalから供給される。前者は単純な水をベースとする製剤に適していると言われており、後者は化粧品、ヘアケア又はスキンケアの製剤用に提案されている。第二の前記装置は、発泡ノズルとしてのSwedspray/Eurospray(登録商標)手押ポンプ装置において、任意の追加の装置として提供される。この装置は、「自分用にクレンジングフォーム又はひげそり用の泡を作る」ための使用に適しているとして市販されている。
【0021】
しかしながら、本発明者は、いかなる場合でも滅菌されていない手押ポンプ装置それ自体の使用によっては、ガス放出の故に、二酸化炭素が高度に充填されている良質なマイクロフォームを製造することはできず、またマイクロフォームを安定化させるグリセロールの有意量を含有している良質なマイクロフォームも製造することがてきないことを見出した。更に、前記装置の出口に対して有意な背圧が、施用されるとき、例えばフォームを注射するために装填されるシリンジに前記背圧が施用されるとき、吃音が発生する。この装置に関して低い射出速度を用いると、ノズルが湿り、その結果、空気が閉じ込められて、大きな気泡が生じる。どんな場合でも、酸素又は二酸化炭素を用いているかにかかわらず、そのようにして製造されたフォームは、非常に乾燥している傾向があり、その結果、高濃度の硬化剤を含有させることが必要となり、且つ注射針を通過するときに、壊れてしまう傾向がある。
【0022】
過剰投与となり、計量分配装置が動作しなくなり、またより高密度のマイクロフォーム、すなわち意図していたよりも高い割合で液体を含むマイクロフォームを送達するので、溶液中で高濃度の硬化剤を不必要に用いないことが好ましい。
而して、揮発性液体噴射剤を用いずに、又はパラメーターの制御に直接関わる作業者を必要としない、比較的低濃度の硬化剤と、滅菌されている血液分散可能なガスの有意量とによって作られる均一な注射可能なマイクロフォームを製造することができる方法及び装置を提供する必要がある。
【0023】
本出願人は、上記ニーズの少なくともいくつかに対処する方法及び装置を提供し、また前記方法及び装置を用いて新規の安定な注射可能な硬化マイクロフォームを製造した。
従って、本発明は、以下の方法等を提供する。
1. 生理学的に許容し得る血液分散可能なガスと水性硬化液との混合物を、0.1〜30μmの少なくとも1つの断面寸法を有する1つ以上の流路に通す工程を含み、ガス対液体の割合が、0.07g/ml 〜 0.19g/mlの密度と少なくとも2分間の半減期とを有するマイクロフォームが製造されるように制御されることを特徴とする、血管の硬化療法で用いるのに適するマイクロフォームを製造するための方法。
2.マイクロフォームの密度が0.09g/ml〜0.16g/mlであるように、混合物におけるガス/液体の割合を制御する、1の方法。
3.直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも50%が直径200μm以下であり、これらの気泡の少なくとも95%が直径280μm以下である、1又は2の方法。
4.直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも50%が直径150μm以下であり、これらの気泡の少なくとも95%が直径250μm以下である、1〜3のいずれか一つの方法。
5.ガスと硬化液との混合物が、エアロゾル、液体中気泡分散液、又はマイクロフォームの形態である、1〜4のいずれか一つの方法。
6.混合物中に用いられるガス対液体の割合が、標準温度及び標準圧力において、硬化液1g対ガス6.25 〜14.3容量であることを特徴とする、1〜5のいずれか一つに記載の方法。
7.生理学的に許容し得る血液分散可能なガスが、二酸化炭素及び/又は酸素を過半量の割合で含むことを特徴とする、1〜6のいずれか一つの方法。
8.水性硬化液が、水性担体中ポリドカノール又はテトラデシル硫酸ナトリウム(STS)の溶液であることを特徴とする、1 〜 7のいずれか一つの方法。
9.担体が食塩水を含むことを特徴とする、8の方法。
10.断面寸法が直径であり、ガス及び液体混合物を通してマイクロフォームを製造する1つ以上の流路が、5μm〜25μmの直径を有することを特徴とする、1〜9のいずれか一つの方法。
11.流路が、直径10〜20μmであり、ガス/液体混合物の流れの方向に対して直角に配置されたメッシュ又はスクリーンにおける開口であることを特徴とする、10の方法。
12.流路を、混合物が流れる1つ以上の部材における複数の開口として提供することを特徴とする、10又は11の方法。
13.複数の開口が、1つ以上の部材において2%〜65%の開口面積を提供することを特徴とする、12の方法。
14.部材が多孔性材料を含み、多数の該部材を、ガス及び液体が各部材の流路を通過するように連続的に配置することを特徴とする、12の方法。
15.部材を、間隔を空けて配置し、混合物の流れの方向に沿って直列に配置することを特徴とする、14の方法。
16.ガス及び液体の混合物を、同じ流路(単数又は複数)中に何度も通すことを特徴とする、1〜15のいずれか一つの方法。
17.ガスを、大気圧を0.01〜9バール超えるまで加圧することを特徴とする、1〜16のいずれかに一つの方法。
18.ガスを、大気圧を0.1〜3バール超えるまで加圧することを特徴とする、17の方法。
19.血液の硬化療法で用いるのに適するマイクロフォームを製造するための装置であって、該装置が、水性硬化液を含む加圧可能なチャンバーが配置されているハウジングと;該液体が、1つ以上の出口オリフィスを通って、加圧可能なチャンバーから該装置の外部へと流れることができる1つ以上の出口オリフィスを有する経路と、該容器が加圧されるときに、該経路が開き、該チャンバー中の流体が、経路に沿って1つ以上の出口オリフィスを通って押し流されるように、該チャンバーから外部への経路を開けたり又は閉じたりできる機構とを含み、前記ハウジングが、(a)血液中に分散可能な生理学的に許容し得るガスの加圧供給源を1つ以上、及び(b)前記ガスの進入用の入口を1つ以上含み;該ガスが、機構の活性化時に溶液と接触して気液混合物を製造し、該ハウジングの外部への前記経路が、0.1 〜 30μmの断面寸法を有する1つ以上の流路を画定している1つ以上の部材を含み、該経路を通って気液混合物が流れて、該装置の外部に到達し、該経路を通る混合物の前記通過により、0.07〜0.19g/mlの密度と少なくとも2分間の半減期とを有するマイクロフォームが形成されることを特徴とする、前記装置。
20.気液界面接合部を更に含み、通過の前に、該接合部が、それを通過するガス対液体の割合を制御して、必要とされる密度のマイクロフォームを製造する、19の装置。
21.混合物におけるガス及び液体の割合を、マイクロフォームの密度が0.09〜0.16g/mlとなるように制御することを特徴とする、19又は20の装置。
22.ハウジングが、血液分散可能なガス及び硬化液で充填されるチャンバーを含み、経路が、該チャンバーにおける液体中において入口開口を有するディップ管を含む、20又は21の装置。
23.ガスが1つ以上の出口オリフィスへの経路に出入りできる気液界面接合部において、該ディップ管が出口開口を有する、22の装置。
24.押し下げるか又は傾斜させて外部へ経路を開けるアクチュエータ部材を有するバルブによって、経路が、開けられるか又は閉じられ、それによって、液体が、ガスの圧力下でディップ管中を上昇し、界面接合部においてガスと混合されて、エアロゾル、液体中気泡分散液、又はマクロフォームを製造する、19 〜 23のいずれか一つの装置。
25.0.1μm 〜 30μmの断面寸法の1つ以上の流路を有する1つ以上の部材を、気液混合物が流路(単数又は複数)中を流れてマイクロフォームが製造されるように、バルブへの経路におけるチャンバーの内部に取り付ける、19 〜 24のいずれか一つの装置。
26.0.1μm〜30μmの断面寸法の1つ以上の流路を有する1つ以上の部材を、気液混合物が流路(単数又は複数)中を流れてマイクロフォームが製造されるように、バルブの下流側に取り付ける、19〜24のいずれか一つの装置。
27.1つ以上の部材を、気液界面の上流において、バルブに取り付けられているキャップ中に配置する、26の装置。
28.1つ以上の部材を、気液界面とバルブとの間に取り付けられたハウジング内に配置する、25の装置。
29.気液界面接合部が、使用時の液体の表面より上に、ディップ管において孔を含むことを特徴とする、19〜28のいずれかに一つの装置。
30.チャンバーを、大気圧を0.01〜9バール超えるまで加圧することを特徴とする、22〜29のいずれかに一つの装置。
31.水性硬化液が、加圧可能なチャンバー内にいっぱいに入れられた第二の柔軟なガス及び液体内に含まれ、第二チャンバーが、ディップ管を取り囲み、密封されていることを特徴とする、19〜28のいずれか一つの装置。
32.ディップ管が、気液界面接合部と第二柔軟チャンバー内のディップ管開口との間に配置された一方向弁を有し、装置の外部への経路を閉じ、また閉じたままである場合に、該チャンバーにおいて、該経路の周囲にある生理学的に許容し得る血液分散可能なガスから液体を分離し、外部への経路を開けると、該一方向弁も開き液体を放出して気液界面接合部までディップ管の中を上昇させ、該気液界面接合部において、エアロゾル、液体中気泡分散液、又はマクロフォームを製造し、それらを、該経路を通過させてマイクロフォームへと転化することを特徴とする、31の装置。
33.1つ以上の出口オリフィスを有する加圧可能なチャンバーが配置されているハウジングと;該チャンバーの内容物を、該1つ以上の出口オリフィスを通して、該ハウジングの外部へと流すことができる経路と、該チャンバー中にある内容物が、該経路に沿って流れ、該1つ以上の出口オリフィスを通って外部へと流れるように、該チャンバーを加圧できる機構とを含む、血管の硬化療法において用いるのに適するマイクロフォームを製造するための装置であって、該ハウジング又は該チャンバーの外部への該経路が、該機構の活性化時に、該チャンバーの内容物が通る0.1μm〜30μmの断面寸法を有する1つ以上の流路を画定している1つ以上の部材を含む、前記装置。
34.チャンバーが、水性硬化液及び/又は生理学的に許容し得る血液分散可能なガスを含む、34の装置。
35.機構の活性化により、溶液とガスとの混合物が流路を流れて、0.07〜0.19g/mlと、少なくとも2分間の半減期とを有するマイクロフォームを形成する、34又は35の装置。
36.マイクロフォームの密度が0.09〜0.16g/mlであることを特徴とする、35の装置。
37.経路又はチャンバーにおいて流路を画定する部材を、該チャンバーの外側から操作することによって移動させることができる可動支持体上に取り付ける、33又は34の装置。
38.注射針又はカテーテルが固体されている末端を有するシリンジ筒と、該シリンジ筒と共にチャンバーを画定する機能的に協同動作するシリンジプランジャーとを含み、前記プランジャーが、使用時にガス及び液体を含むチャンバーを加圧するための機構である、33〜37のいずれか一つの装置。
39.流路が、シリンジ筒の注射針固定末端に隣接しているか又は該末端のところに存在する、38の装置。
40.寸法0.1μm〜30μmの1つ以上の流路を介して、互いに流体連絡している2つのチャンバーを含む、33〜39のいずれか一つの装置。
41.いずれかの方向に移動してチャンバー内容物を流路(単数又は複数)に流すことができるように、1つ以上の流路を画定する1つ以上の部材を、移動できるようにチャンバー内に取り付ける、40の装置。
42.1つ以上の部材を、シリンジプランジャーと同軸上にあるプランジャーに取り付ける、41の装置。
43.1つ以上の流路を画定する1つ以上の部材を、多孔性膜、メッシュ、スクリーン又は焼結物の形態で提供する、19〜42のいずれか一つの装置。
44.経路に対して直角な部材主面と平行に配置された、流路を画定する一連の部材を含むことを特徴とする、19〜43のいずれか一つの装置。
45.マイクロフォーム製造装置の出口を、マイクロフォームが漏れないように連結させるための入口導管を含み、該導管が、該導管を流れているマイクロフォームを指向するためのマルチパスバルブに接続されいて且つマルチパスバルブへと導き、該バルブが、第一及び第二出口導管のいずれかにマイクロフォームを流すように、又は入口導管を閉じるように設定することができ、シリンジルアー出口が、第一及び第二出口導管の1つによって受容されることを特徴とする、19 〜 44のいずれか一つのマイクロフォーム生成装置からシリンジへとマイクロフォームを送達するための装置。
46.出口ノズルとは別の方法によってマイクロフォーム製造装置を連結して堅く保持するための1つ以上の部材を更に含む、45の装置。
47.マルチパスバルブに隣接しているマイクロフォーム製造装置を取り付けるのに充分に安定な基礎部材を更に含み、入口が、該マイクロフォーム製造装置出口導管に取り付けることができる、42の装置。
48.マイクロフォーム製造装置内にある経路を、入口導管に対して開放するように動作する活性化部材を更に含む、47の装置。
49.マイクロフォームが、0.07〜0.19g/cmの密度を有し、非発泡液相に逆戻りしている液体含量を基準として10%を超えてガス及び液体に逆戻りすることなく21ゲージ注射針の中を通ることができることを特徴とする、血液中に分散可能な生理学的に許容し得るガスと水性硬化液とを含むマイクロフォーム。
50.マイクロフォームが、0.07〜0.19g/cmの密度を有し、少なくとも25μmの気泡の数を基準として50%以上が直径150μm以下であり、またこれらの気泡の少なくとも95%が直径280μm以下であることを特徴とする、血液中に分散可能な生理学的に許容し得るガスと水性硬化液とを含むマイクロフォーム。
51.ネック直径1cmの漏斗から排水して測定した場合に、少なくとも2分間、更に好ましくは2.5分間、及び最も好ましくは3分間の半減期を有することを特徴とする、請求項49又は50記載のマイクロフォーム。
52.ガスが40%v/v未満で窒素を含むことを特徴とする、44 〜 51のいずれか一つのマイクロフォーム。
53.密度が、0.09〜0.16g/mlであることを特徴とする、44 〜 52のいずれか一つのマイクロフォーム。
54.少なくとも直径25μmの気泡の数を基準として50%以上が直径120μm以下であり、これらの気泡の少なくとも95%が250μm以下であることを特徴とする、44〜53のいずれか一つに記載のマイクロフォーム。
55.マイクロフォームの密度が0.11〜0.14g/cmであることを特徴とする、44〜54のいずれか一つに記載のマイクロフォーム。
56.ガスが、酸素又は二酸化炭素を少なくとも50%含むことを特徴とする、44〜55のいずれか一つに記載のマイクロフォーム。
57.硬化液が、水性のポリドカノール又はテトラデシル硫酸ナトリウムであることを特徴とする、44〜56のいずれか一つに記載のマイクロフォーム。
58.硬化液が水性ポリドカノールであり、ポリドカノールの濃度が該液体において0.5〜4%v/vであることを特徴とする、57のマイクロフォーム。
59.硬化液を水又は食塩水で調製することを特徴とする、57又は58のマイクロフォーム。
60.食塩水が、pH6.0〜pH8.0の燐酸緩衝生理食塩水であることを特徴とする、59のマイクロフォーム。
61.水溶液が、アルコールを半量未満含むことを特徴とする、58,59又は60のマイクロフォーム。
62.グリセロールを1〜10%v/v含むことを特徴とする、44〜61のいずれか一つのマイクロフォーム。
63.請求項1〜18のいずれか一つの方法にしたがってマイクロフォームを製造することを特徴とする、19〜48のいずれか一つの装置。
64.49〜64のいずれか一つのマイクロフォームを製造することを特徴とする、19〜48のいずれか一つの装置。
65.血管に対して請求項49〜64のいずれか一つに記載されているマイクロフォームを投与することを含む、血管の硬化療法が必要な患者を治療する方法。
66.硬化療法のための薬剤を製造するための、19〜64のいずれか一つのマイクロフォーム又は装置の使用。
67.療法において使用するための、49〜64のいずれか一つのマイクロフォーム。
本出願のために、用語は、以下の定義を有する:すなわち、生理学的に許容し得る血液分散可能なガスは、実質的に完全に、血液中に溶解され得る又は血液によって吸収され得るガスである。硬化液は、血管内腔中に注射される場合に、血管を硬化させることができる液体である。スクレロパシー(scleropathy)又は硬化療法は、血管を処置して血管を除去することに関する。エアロゾルは、ガス中に液体が分散している状態である。ガスの過半量の割合とは、50%体積/体積超である。ガスの半量未満の割合とは、50%体積/体積未満である。別のガス中もう1つのガスの半量未満の割合とは、全体積の50%未満である。大気圧及びバールは、1000ミリバールゲージである。マイクロフォームの半減期は、マイクロフォーム中の液体の半分が非発泡の液相へと逆戻りするのにかかる時間である。
【0024】
本発明の第一の面では、生理学的に許容し得る血液分散可能なガスと水性硬化液との混合物を、0.1 〜 30μmの少なくとも1つの断面寸法を有する1つ以上の流路に通す工程を含み、且つガス対液体の割合が、0.07g/ml 〜 0.19g/mlの密度と少なくとも2分間の半減期とを有するマイクロフォームが製造されるように制御されることを特徴とする、血管の、特に静脈の硬化療法で用いるのに適するマイクロフォームを製造するための方法を提供する。
好ましくは、マイクロフォームは、直径25μm以上の気泡の数を基準として50%以上が直径200μm以下である。
【0025】
好ましくは、混合物におけるガス/液体の割合は、マイクロフォームの密度が0.09g/ml 〜 0.16g/mlであるように、更に好ましくは0.11g/ml 〜 0.14g/mlであるように制御する。
好ましくは、マイクロフォームは、少なくとも2.5分間の半減期、更に好ましくは少なくとも3分間の半減期を有する。半減期は、1又は2時間以上程度であっても良いが、好ましくは60分未満であり、更に好ましくは15分未満であり、最も好ましくは10分未満である。
【0026】
半減期は、公知の体積及び重量のフォームで容器を充填し、その容器から目盛容器中に排出し、所定の時間で排出された量から半減期を、すなわちマイクロフォームが、その成分である液体と気相へと逆転化する半減期を計算することによって簡便に測定される。この測定は、好ましくは、標準温度及び標準圧力で行うが、実際には、周囲診療チャンバー条件又は周囲実験チャンバー条件で充分である。
【0027】
有利には及び好ましくは、本方法は、直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも50%が、直径150μm以下であり、更に好ましくは少なくとも95%が直径280μm以下であることを特徴とするフォームを提供する。なお更に好ましくは、本方法は、これらの気泡の数を基準として、少なくとも50%が、直径130μm以下であり、なお更に好ましくは、少なくとも95%が直径250μm以下であることを特徴とするフォームを提供する。
【0028】
好ましくは、ガスと硬化液との混合物は、エアロゾル、液体中気泡分散系、又はマクロフォームの形態である。マクロフォームとは、最大寸法がミリメートル単位で測定される、例えば約1mm以上の気泡を有し、且つ振とうによって2つの相を軽く撹拌することによって製造できるフォームを意味している。好ましくは、ガス及び液体は、エアロゾルの形態で提供され、その場合、加圧ガス源と、ガス及び液体を混合する手段が使用点に提供される。最初にマクロフォームが製造され、液体とガスは使用点でのみ一緒になる。
【0029】
混合物で用いられるガス対液体の割合は、製造されるマイクロフォームの構造を制御して、処置及び処置が行われる環境に関してマイクロフォームの安定性を最適化するために重要である。最適なフォームにとって、1gの硬化液と、約6.25 〜 14.3容量(STP)、更に好ましくは7 〜 12容量(STP)のガスとを混合することが好ましい。
【0030】
好ましくは、生理学的に許容し得る血液分散可能なガスは、二酸化炭素及び/又は酸素を過半量の割合で含む。簡便には、前記ガスは、窒素又は他の生理学的に許容し得るガスを半量未満の割合で含んでいても良い。空気中の窒素として、ある割合で窒素が存在していても良いが、本発明は、窒素を存在させずに、二酸化炭素及び/又は酸素の使用を提供する。
1つの好ましい形態では、用いるガスは、二酸化炭素と他の生理的ガスとの混合物であり、特に二酸化炭素を3%以上、更に好ましくは10 〜 90%、最も好ましくは30 〜 50%含む。このガスの他の成分は、好ましくは酸素であり、窒素は半量未満の割合でのみ存在することが好ましい。最も好ましくは、他の成分は酸素である。
【0031】
ガスの更に好ましい形態は、酸素を50%v/v以上含み、残りは二酸化炭素であり、又は大気中で見出される割合の二酸化炭素、窒素及び微量ガスである。1つの好ましいガスは、酸素60 〜 90%v/v及び二酸化炭素40 〜 10%v/vであり、更に好ましくは酸素70 〜 80%v/v及び二酸化炭素30〜 20%v/vである。更に好ましくは酸素は99%以上である。
加圧下で硬化液とガスとの流れを、説明したように0.1μm 〜 30μmの1つ以上の流路に通すことによって、高速のブラシ及びブレンダーを用いて大量のエネルギーを供給することによってのみ製造可能であると従来考えられていた、安定な、血液分散可能ガスをベースとする硬化剤注射可能マイクロフォームが提供されることを見出した。
【0032】
好ましくは、硬化剤は、水性担体中、例えば水中、特に生理食塩水中ポリドカノール又はテトラデシル硫酸ナトリウムの溶液である。更に好ましくは、前記溶液は、好ましくは滅菌水中、又は生理学的に許容し得る生理食塩水中、例えば0.5 〜 1.5%v/v生理食塩水中ポリドカノール0.5 〜 5%v/v溶液である。溶液中の硬化剤の濃度は、有利には、例えばクリペル・トレノーネイ症候群(Klippel-Trenaunay syndrome)のようなある種の異常の場合には濃くする。
【0033】
ポリドカノールは、式C12C25(OCH2CH2)nOH(式中、nの平均値は9である)で表されるマクロゴールのモノラウリルエーテルの混合物である。他のアルキル鎖、オキシアルキル反復単位及び/又はnの平均値(例えば7 〜 11)を有する混合物を用いても良いことが理解されるが、nの平均値は、例えば独国にあるKreusslerから例えばAethoxyskierolとして得ることができるので、9が最も簡便に得られる。
【0034】
最も好ましくは、水性液中硬化剤の濃度は、水又は生理食塩水中ポリドカノール1 〜 3%v/v溶液であり、更に好ましくは約2%v/v溶液である。少なくともいくつかの場合では、水又は生理食塩水は、好ましくは、生理学的に許容し得るアルコール、例えばエタノールを2 〜 4%v/v含む。好ましい生理食塩水は緩衝される。好ましい緩衝された生理食塩水はリン酸塩で緩衝された生理食塩水である。前記緩衝液のpHは、好ましくは、生理学的であるように、例えばpH6.0 〜 pH8.0、更に好ましくは約pH7.0に調整される。
硬化剤は、追加の成分、例えば安定剤、例えばフォーム安定剤、例えばグリセロールを含んでいても良い。更なる成分として、アルコール、例えばエタノールが挙げられる。
【0035】
加圧下で、それぞれの流れからのガスと液体とを混合することによって、エアロゾル、分散系又はマクロフォームが製造される。混合は、エアロゾルキャニスターで見られるような気液界面部材(gas liquid interface element)で簡便に行われる。しかしながら、界面装置は、非常に単純であっても良く、例えばミリメートル寸法の、すなわち直径0.5 〜 20mm、好ましくは直径1 〜 15mmの単一のチャンバー又は流路であっても良く、ガス及び液体は、分離した入口から界面装置中へ流入する。簡便には、界面は、エアロゾルキャニスターにおいて普通に見られる設計であるが、ガス対液体の正確な割合を生じさせ、且つ上で定義した密度を有するフォームを生成するように設計を選択する。適当なインサート(insert)は、Ecosol という名称でPrecision Valves (ピーターバラ、英国)から市販されており、上記方法によって指定された割合が得られるように選択される。
【0036】
しかしながら、ガスと液体の混合は、加圧された容器の底部に配置された硬化溶液から延びているディップ管内で行っても良い。ガスは、該ディップ管にある孔から出て、ディップ管の底部から入る液体流の中に入ることができる。この場合、前記の孔は、Ecosol孔と同じ直径であっても良い。前記孔は、ディップ管をレーザーで孔をあけて簡便に作っても良い。
【0037】
そのようにして製造されたエアロゾル又はマクロフォームを通過させて安定なマイクロフォームを製造する1つ以上の流路は、好ましくは5μm 〜 25μmの直径、更に好ましくは10μm 〜 20μmの直径を有する。その場合、例えば金属又はプラスチックのメッシュ又はスクリーンに孔をあけることによって提供され、ガス/液体混合物の流れに対して直角に配置される単純な流路が提供される。前記流路は、簡便には断面が円形又は楕円であるが、それらに限定されない。多くの前記メッシュ又はスクリーンを、流れの方向に沿って用いても良い。
【0038】
最も好ましくは、流路は、流れを横断するように配置された1つ以上の部材中に存在する多数の孔として提供される。前記部材は、好ましくは直径2 〜 30mm、更に好ましくは直径6 〜 15mmであり、流れに直面していて、ウーブンメッシュ(woven mesh)では孔面積5 〜 65%、例えば2% 〜 20%であり、多孔性膜では孔面積20% 〜 70%である。有孔体(perforated body)において提供されるような、多孔性材料における孔は、好ましくは前記流路を数百以上、更に好ましくは何万又は何十万、例えば10,000 〜 500,000提供し、ガス液体混合物が流れるとき該混合物に対して呈示される。前記材料は、有孔シート又は有孔膜、メッシュ、スクリーン又は焼結物であっても良い。なお更に好ましくは、ガス及び液体が各セットの流路を通過するように多くの多孔性膜のセットが連続的に配置されて提供される。これにより、更に均質なフォームが製造される。
【0039】
いくつもの部材を直列で用いる場合、これらの部材は、好ましくは1 〜 5mm、更に好ましくは2 〜 4mm、例えば3 〜 3.5mm離して配置する。
本発明のいくつかの態様のために、流路は、ガス/液体流の流路を横断するように配置された繊維シート(fibrous sheet)において繊維間のギャップの形態を取っても良く、その直径は必ずしも最大直径でなくても良いが、ガス/液体エアロゾル又はマクロフォームが流れなければならないギャップ幅であることが認められる。
【0040】
別法として、ガスと液体との混合物を、同じ流路のセット、例えば1つ以上の前記多孔性体によって提供されるのと同じ流路のセット中を、何度も、例えば0
〜 10通過させる方法を提供する。多くの時間、例えば2 〜 2,000回、更に好ましくは4 〜 200回、又は上記の要求される密度を有するマイクロフォームが簡便に得られる回数通過させるための方法を提供する。マイクロフォームがメッシュを通過する回数が増えれば増えるほど、マイクロフォームは均質となる。
【0041】
流路を通過させるときに用いられるガスの圧力は、マイクロフォームを製造するために用いられる機構の性質に左右される。ガスが、液体と接触する状態で、例えばエアロゾル容器のような加圧チャンバー中に含まれる場合、適当な圧力は、典型的には、大気圧を0.01 〜 9バール超える圧力である。メッシュの使用に関しては、例えば直径10 〜 20μmの開口を有する直列に配置された1
〜 8メッシュの使用に関しては、特に1バールを0.1 〜 5気圧超える圧力が適当である。20μm開口の3 〜 5メッシュの使用に関しては、大気圧を1.5 〜 1.7バール超える圧力が良質なフォームを製造するのに充分であることを見出した。0.1μmの細孔サイズの膜に関しては、大気圧を5バール以上超える圧力が好ましい。
【0042】
本発明の1つの好ましい態様では、流路は膜の形態、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなポリマーの膜の形態であり、その場合、膜は、ランダムに接続された繊維から形成され、その見かけの細孔サイズに比べて何倍も小さい定格有効細孔サイズを有する。特に適当なこの形態は、標準定格が10 〜 20μmの多孔度(porosity)であるTetratex(登録商標)という商標で米国のTetratec(商標)によって供給される二軸延伸PTFEフィルムである。本発明の方法及び装置にとって好ましい細孔サイズは3 〜 7μmである。この材料は、強度を付与するために多孔性の裏付材料と積層しても良く、また、この材料は、一回通過(one pass through)が、安定性に関する上記使用要求条件を満足するフォームを製造するのに充分であるという利点を有する。しかしながら、直列に配置された1つ以上の前記膜を用いると、与えられる条件セット用のなお更に均質なフォームが得られることは当業者には明らかである。
【0043】
加圧下で溶液流とガス流とを組合わせてエアロゾルバルブに供給し、次に流路に流すことによって、例えばメッシュ、スクリーン、膜又は焼結物に存在する細孔中に流すことによって、適当な水性液溶解可能ガス、例えば二酸化炭素及び/又は酸素をベースとする硬化剤マイクロフォーム(該マイクロフォームは、従来技術で説明したように高速のブラシ及びブレンダーを用いて多量のエネルギーを供給することによってのみ製造可能であると従来考えられていた)を製造するのに充分なエネルギーが提供されると考えられる。
【0044】
好ましくは、本発明の方法は、直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも50%が直径120μm以下であるマイクロフォームを提供する。好ましくは、直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも95%が直径250μm以下である。前記気泡の直径は、本明細書実施例6に記載した方法によって測定しても良い。
【0045】
本発明の最も好ましい方法は、加圧可能なチャンバーが配置されているハウジングを提供する。滅菌供給のために、このハウジングは、生理学的に許容し得る水性溶媒中硬化剤の滅菌されていて発熱物質を有していない溶液で少なくとも部分的に充填するが、使用点において前記溶液を充填しても良い。この簡便な方法は、該溶液が、出口を通って、加圧可能なチャンバーからハウジングの外部に流れることができる経路を提供し、更に好ましくは、該チャンバーから外部への経路が、容器が加圧されるときに、流体が、経路に沿って押し流され、1つ以上の出口オリフィスを通るように開けたり又は閉じたりできる機構を提供する。
【0046】
特に、本方法は、ハウジングが、(a)血液中に容易に分散可能な生理学的に許容し得るガスの加圧された供給源と、(b)該ガス源の進入用の入口との1つ以上を含み;該ガスが、機構の活性化時に溶液と接触することを特徴とする。
ガス及び溶液を、経路に沿ってハウジングの外部へと、上で規定した寸法を有する1つ以上の、好ましくは多数の流路(溶液及びガスは外部に到達するためには前記流路を通らなければならない)を通して流れさせ、それにより、例えば流路を通る流れと接触するときに、溶液及びガスがマイクロフォームを形成する。
【0047】
好ましくは、ガス及び液体は、流路と1つ以上の隣接流路との接合部(junction)に典型的に存在している気液界面機構を通り、流路を通過する前に、気泡又はマクロフォームのエアロゾル分散系へと転化されるが、説明したように、例えば装置を振とうすることによって、例えば手動又は機械的振とう装置によって、ガス及び液体を、最初にマイクロフォームへと転化させても良い。
【0048】
本発明の第二の面では、血管、特に静脈の硬化療法で用いるのに適するマイクロフォームを製造するための装置を提供する。該装置は、第一の面で言及した生理学的に許容し得る溶媒中硬化剤溶液を含む加圧可能なチャンバーが配置されているハウジングと;該液体が、1つ以上の該出口オリフィスを通って、加圧可能なチャンバーから該装置の外部へと流れることができる1つ以上の出口オリフィスを有する経路と、該容器が加圧されるときに、該経路が開き、流体が、経路に沿って押し流され、1つ以上の出口オリフィスを通るように、該チャンバーから外部への経路を開けたり又は閉じたりできる機構とを含み、且つ
該ハウジングが、(a)血液中に分散可能な生理学的に許容し得るガスの加圧供給源を1つ以上、及び(b)該ガスの進入用の入口を1つ以上含み;該ガスが、機構の活性化時に溶液と接触してガス溶液混合物を製造し、
【0049】
該ハウジングの外部への該経路が、断面寸法、好ましくは0.1μm 〜 30μmの直径を有する1つ以上の流路を画定している1つ以上の部材を含み、該経路を通って気液混合物が流れて、装置の外部に到達し、該経路を通る該混合物の該通過により、0.07 〜 0.19g/mlの密度と少なくとも2分間の半減期とを有するマイクロフォームを製造することを特徴とする。
好ましくは、マイクロフォームは、直径25μm以上の気泡の数を基準として50%以上が直径200μm以下である。
【0050】
更に好ましくは、マイクロフォームは、0.09 〜 0.16g/mlの密度であり、最も好ましくは0.11 〜 0.14g/mlの密度である。
好ましくは、マイクロフォームは、少なくとも2.5分間の半減期を有し、更に好ましくは少なくとも3分間の半減期を有する。
有利には及び好ましくは、この装置は、直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも50%が直径150μm以下か又はそれ未満であり、更に好ましくはこれらの気泡の数を基準として少なくとも95%が直径280μm以下である。なお更に好ましくは、これらの気泡の数を基準として少なくとも50%が、直径120μm以下であり、なお更に好ましくは少なくとも95%が直径250μm以下である。
【0051】
好ましくは、装置は、例えば、単一チャンバーにおいて、血液分散可能なガスと硬化液とが充填されている密封されたキャニスター中にチャンバーを含み、装置経路は、装置が直立に置かれているときに、このチャンバーにおいて硬化液のレベルよりも下に入口開口を有するディップ管を含む。好ましくは、ディップ管は、チャンバー中において硬化液よりも上に存在するガスが、装置出口へと通ずる経路に出入りできる気液界面接合部において出口開口を有する。その経路は、押し下げられるか又は傾斜されるバルブ部材によって開けられたり又は閉じられたりして、装置の外部への経路を開放し、それにより、硬化液は、ガス圧力下でディップ管を上昇し、ガスと気液界面接合部で混合されて、エアロゾル、液体中気泡分散液、又はマイクロフォームを製造する。
【0052】
気液混合物、すなわち液体中気泡分散液、エアロゾル又はマイクロフォームが経路(単数又は複数)を通り、フォームを生じるように取り付けられた、第一の面で説明した1つ以上の経路を有する部材を、バルブへの経路に配置された加圧可能チャンバーの内側に、又はバルブの下流側上に、提供する。この部材は、バルブ取り付け部分と出口ノズルとの間にあるキャニスター上のキャップに簡便に配置しても良い。キャップを押し下げると、バルブが簡便に動作する。別法では、前記部材は、気液界面より上に取り付けられたキャニスター内にある。
【0053】
この装置の別の態様では、気液界面は、キャニスター内側のチャンバーにおいて、硬化液のレベルよりも上にあるディップ管中に孔を含んでいても良い。
用いるガス圧は、用いる材料、及びそれらの配置に左右されるが、簡便には大気圧を、0.01 〜 9バール超える圧力、更に好ましくは1.5 〜 1.7バール超える圧力である。
【0054】
本発明のこの面の好ましい装置は、「バック・オン・バルブ(bag-on-valve)」タイプである。前記装置は、ディップ管を取り囲み且つ密封されている、加圧可能チャンバー内に第二内室を形成している、柔軟な気液密着容器(flexible gas and liquid tight container)を含む。更に好ましくは、ディップ管は、硬化液中に配置されたディップ管末端と、気液界面接合部との間の位置に配置された一方向弁を有する。前記一方向弁は、外部への流路が閉じられると、チャンバーにおいて、取り囲んでいる生理学的に許容し得るガスから硬化液を分離するように閉じたままである。外部への経路が開くと、一方向弁も開き、液体が放出されて気液界面までディップ管を上昇し、その気液界面において、エアロゾルが、製造され、次に流路を通過して、マイクロフォームへと転化される。適当な一方向弁は、ダック・ビル(duck-bill)タイプのバルブであり、例えば米国オハイオ州イェロースプリングスにあるVernay Labs Incから市販されているバルブである。適当なバック・オン・バルブ缶構造は、英国スティーヴェネッジにあるCoster Aerosolsから市販されており、アルミニウムホイル/プラスチックラミネートを含む。
【0055】
簡便には、一方向弁は、ディップ管と気液界面接合部、すなわちEcosol装置との間にある、ディップ管の頂点に配置する。それにより、キャニスター中であろうとなかろうと、一方向弁を施工する前に、バックを充填し、続いてその内容物を滅菌することができる。
【0056】
そのような好ましい装置はいくつもの利点を有する。ガスが酸素である場合、使用前に、液体から分離しておくことができるので、例えば放射線照射のような滅菌プロセス中に、液体中の有機成分と酸素ラジカルが反応する可能性が低下する。ガスが二酸化炭素である場合、貯蔵中に、大量のガスが液体中に溶解することがあり、大気圧以下まで解放すると、ガス抜けし、マイクロフォームが非常に迅速に壊れ始めることがあると考えられる。また、分離することにより、貯蔵又は輸送している時に、特に直立させずに貯蔵又は輸送している時に、非使用缶における装置の寸法感受性オリフィス(dimension sensitive orifice)において、凝固した硬化剤が堆積するのが防止される。
【0057】
好ましくは、気液界面は、例えば英国ピーターボローにあるPrecision Valveによって製造されたEcosol装置のような、規定オリフィスサイズの装置として提供される。規定寸法の流路が、加圧チャンバーの外側にある装置、すなわちバルブステムに取り付けられる装置に関しては、ガス孔面積の液体孔面積に対する割合は、3:1 〜 5:1程度であるべきであり、好ましくは約4:1であるべきである。流路が加圧チャンバーの内側にある場合、前記の割合は、より高い。
【0058】
本発明の第三の面は、血管、特に静脈の硬化療法で用いるのに適するマイクロフォームを製造するための装置を提供する。該装置は、生理学的に許容し得る溶媒中硬化剤溶液及び/又は生理学的に許容し得る血液分散可能なガスで少なくとも一部分充填された又は充填可能な加圧チャンバーが配置されているハウジングと;該チャンバーの内容物が、1つ以上の出口オリフィスを通って、該ハウジングの外部へと流れることができる経路と、チャンバーの内容物が該経路に沿って、1つ以上の出口オリフィスを通って外部へと流れるように、該チャンバーを加圧できる機構とを含み、且つ
該ハウジング又は該チャンバーの外部への該経路が、断面寸法、好ましくは0.1μm 〜 30μmの直径を有する1つ以上の流路を画定している1つ以上の部材を含み、該経路を通って該チャンバーの該内容物が流れることができ、それによって、該流路を通過するときに、溶液及びガスが、0.07 〜 0.19g/mlの密度と少なくとも2分間の半減期とを有するマイクロフォームを形成することを特徴とする。
【0059】
好ましくは、マイクロフォームは、直径25μm以上の気泡の数を基準として50%以上が直径200μm以下である。
好ましくは、マイクロフォームは、0.09 〜 0.16g/mlの密度であり、更に好ましくは0.11 〜 0.14g/mlの密度である。気泡サイズに関する好ましい制限は、第一及び第二の面でも記載してある。
好ましくは、マイクロフォームは、少なくとも2.5分の半減期を有し、更に好ましくは少なくとも3分の半減期を有する。
経路又はチャンバーにおいて流路を画定している部材は、固定されていても良く、又は装置内室の外側から装置を操作することによって移動可能であっても良い。
【0060】
そのような装置は、シリンジ筒と、チャンバーを画定している機能的に協同動作するシリンジプランジャーとを含むシリンジ装置の形態で簡便に作っても良い。前記プランジャーは、使用時にガス及び液体を含むチャンバーを加圧するための手段であるが、シリンジ本体の注射針固定末端に隣接して又は該末端において、例えばルアー(luer)接続開口において、上記寸法の流路によって形成されることを特に特徴とする。
【0061】
使用時には、順番にそれぞれの供給源に対してルアー開口部を接続しながらシリンジプランジャーを引くことによって、上記装置を、必要な硬化液で、次に生理学的に許容し得るガスで、又はその逆の順序で部分的に充填する。別法として、それらを、マイクロフォームとして、又は本来破壊されるマイクロフォームとしてでも、前以て混合しても良い。ガス及び液体を分離相として充填する場合、シリンジ内容物を撹拌して、フォームを生成させても良い。次に、プランジャーをシリンジ本体の中に押し入れ、このフォームを流路に流し、治療処置に必要な安定性を有するマイクロフォームへと転化させる。ガス及び液体をフォームとして一緒に充填する場合、プランジャーの操作によってマイクロフォームが提供される。
【0062】
この装置の好ましい態様では、2つのチャンバーが、提供され、且つ、直径0.1μm 〜 30μmの1つ以上の流路を介して、流路によって、例えばシリンジ本体ルアーコネクターオリフィスを含む流路によって互いに結合される。この方式では、チャンバーの1つ又は両方におけるプランジャーの相反運動によって、ガス及び液体を、所望の回数、規定寸法の流路を通過させて、所望のフォームを生成させる。
【0063】
別の態様では、上記寸法の多くの流路を画定している部材が、チャンバー内に提供され、その流路中にチャンバー内容物を通すために、いずれかの方向に動かすことができる。簡便には、この部材は、支持体に対して、例えばシリンジプランジャーロッドと同軸上にある支持体プランジャーロッドに対して取り付けても良い。該部材は、上記した多孔性経路を画定するアイテムの任意のものを含んでいても良いが、簡便には、いずれかの長手方向への支持体ロッドの移動によって、部材がスイープ動作して、チャンバーの内容物を、すなわちガス及び液体を一緒に流路中を通過させるように、シリンジ筒/チャンバーの軸線に対して直角に配置された主面が取り付けられているメッシュ又は多孔性膜を含む。該装置を適当な割合のガス及び液体で充填したら、第一工程としてマイクロフォームを放出させるために振とうしても良いことが分かる。
【0064】
好ましくは、ハウジングは、加圧下で溶液及びガスが入れられているチャンバーを画定している容器であり、及び経路は、該容器の内部にある該チャンバーから、容器の壁にある開口部を閉じるバルブへと至る導管である。
本発明の装置で用いるための多くの流路を画定している1つ以上の部材の好ましい形態は、メッシュ、スクリーン又は焼結物である。而して、1つ以上のメッシュ又は有孔スクリーン又は焼結物が提供され、いくつかの好ましい態様は、溶液/ガス排除経路に対して直角な主面と平行に配置された一連の前記部材を用いる。
【0065】
臨界寸法(critical dimension)を有する、本発明にしたがう装置のいずれの装置におけるすべての部材は、水性材料に曝されたときに寸法が変化しない材料から作られることが好ましい。而して、例えば空気液体界面のような 前記機能を有する部材、及び寸法0.1μm 〜 30μmの流路を画定する部材は、好ましくは、数分間を超える時間、溶液に曝される可能性がある場合に、例えばナイロン66のような水で膨潤可能な材料であるべきではない。そのような曝露が起こり得る場合、これらの部品は、更に好ましくは、例えばポリプロピレン又はポリエチレンのようなポリオレフィンから作られる。
【0066】
キャニスター又はシリンジ装置は、マイクロフォームを、好ましくは最大500ml以下、更に好ましくは1ml 〜 200ml、及び最も好ましくは10 〜 60ml形成するのに充分なガス及び溶液を含む大きさにする。特に、前記キャニスターにおける加圧下でのガス量は、治療するのに、すなわち少なくとも1つの静脈瘤性ヒト伏在静脈(varicosed human saphenous vein)を満たす充分なフォームを製造するのに充分な量であるべきである。而して、本発明の好ましいキャニスターは、家庭用ムースタイプフォームを供給するのに現在用いられているキャニスターに比べて小さくても良い。最も好ましいキャニスター装置は、使用後に廃棄することができるか、又は無菌状態を保つ問題を回避するために一旦開けたら再使用できない。
【0067】
フォームが排出されるときにキャニスター中のガス圧を維持する装置が組み込まれていることが好ましい。適当な装置は、例えばPECAP及びAtmosolという商標名の装置である。しかしながら、ガスの有意なヘッドスペース又は圧力が提供される場合、この装置は必要ではない。
本発明の装置から送達されるマイクロフォームが規格「外」ではないこと、すなわち上記した所望の密度、気泡の大きさ及び半減期のパラメーターを有していることを保証するために、本発明は、本発明の第二及び第三の面の装置から生じるマイクロフォームを受容するために配置される装置を提供する更なる第四の面を提供する。該装置は、廃棄するマイクロフォームの第一部分を排出し、及びマイクロフォームの第二部分を、例えばシリンジのような送達装置に対して、滅菌状態で流すことができる。
【0068】
第四の面の装置は、第二及び第三の面のマイクロフォーム製造装置の出口を、マイクロフォームが漏れない状態で連結するように適合された導管を含み、該導管は、第一及び第二の隣接出口導管の1つ又は両方へと、導管を通るマイクロフォームを指向するように又は入口導管を閉じるように設定することができるマルチパスタップ(multipath tap)に接続されていて且つマルチパスタップ中を通過している。該第一及び第二出口導管の少なくとも1つは、シリンジのルアーコネクタ(luer connector)を受容するように適合されている。好ましくは、該装置は、それを強固に保持するために、例えばディップ管を有するキャニスターの場合には直立に保持するために、その出口ノズルとは別に、第二又は第三の面の装置を連結するための1つ以上の部材も含む。
【0069】
好ましくは、第四の面の装置は3方向タップを含む。更に好ましくは、第四の面の装置は、連結されるときに、第二又は第三の面のマイクロフォーム製造装置を取り付けるのに充分に安定な基礎部材を含む。好ましくは、マイクロフォーム製造装置は、入口導管をマイクロフォーム製造装置出口導管に対して結合させることができる3方向タップに隣接させて強固に配置されている弾性部材によって連結される。
【0070】
第四の面の特に好ましい装置は、マイクロフォーム分配装置と、経路を入口導管へと開放するように動作する活性化部材とが取り付けられるように適合された基礎部材を含む。この態様では、マルチ・ウェイタップ(multi-way tap)が閉じられると、分配装置の内容物はその中に留まるが、マルチ・ウェイタップが、その出口導管のいずれかに対して開かれると、該装置によって生成されたフォームが直ちに放出される。
【0071】
本発明の更なる面は、本発明の方法及び装置によって使用可能な、血管及び血管奇形の除去で用いるための改良されたマイクロフォームを提供する。前記マイクロフォームは、水性硬化液と一緒に血液中に容易に分散可能である生理学的に許容し得るガスを含み、且つ0.07 〜 0.19g/cmの密度を有し、且つ非発泡液相へと逆戻りする液体含量を基準として10%を超えてガス及び液体へと逆戻りしないで、21ゲージ注射針を通過できることを特徴とする。
好ましくは、該マイクロフォームは、該注射針を通過するときに、非発泡液体へと、液体含量を基準として5%を超えて逆戻りしない。なお更に好ましくは、2%を超えて逆戻りしない。
【0072】
好ましくは、該マイクロフォームは、少なくとも直径25μmの気泡の数を基準として少なくとも50%が直径200μm以下である状態を保ちながら注射針を通過することができる。それは、周囲条件下で、更に好ましくはSTPで、簡便に測定される。
【0073】
好ましくは、数を基準として、該気泡の少なくとも50%は直径150μm以下のままであり、少なくとも95%は直径280μm以下である。好ましくは、マイクロフォームは、ネック直径2cm及び排水路10cmの漏斗から排出させルことによって測定した場合、少なくとも2分間、更に好ましくは2.5分間、最も好ましくは3分間の半減期を有する。その測定は、周囲温度又はSTPで行っても良い。最も簡便には、漏斗は、水浴中で予備平衡させて、フォームを乾燥させ、適用する前に、25℃の温度にしておく。目盛の付いた受け器へと導く漏斗上に、プランジャーの無い、マイクロフォームで充填したシリンジを逆さまに置くと、このパラメーターを簡便に測定することができる。
【0074】
好ましくは、ガスは窒素を40%v/v未満含む。好ましくは、マイクロフォームの密度は0.09 〜 0.16g/mlであり、更に好ましくは0.11 〜 0.14g/mlである。
有利には及び好ましくは、直径25μm以上の気泡の数を基準として少なくとも50%が直径120μm以下であり、なお更に好ましくは、これらの気泡の少なくとも95%が直径250μm以下である
好ましくは、液体/ガス比を測定して得られる、フォームの密度は0.13 〜 0.14g/cmであり、半減期は少なくとも2.5分である。更に好ましくは、フォームは、前記時間において上記した気泡サイズのパラメーターから逸脱しない。
【0075】
好ましくは、ガスは、少なくとも50%酸素又は二酸化炭素から成り、更に好ましくは75%以上、最も好ましくは少なくとも99%、例えば実質的には100%酸素又は二酸化炭素から成る。好ましくは、酸素又は二酸化炭素は医療用グレードである。
好ましくは、硬化剤は、水性のポリドカノール又はテトラデシル硫酸ナトリウムである。
硬化剤が、水性のポリドカノールである場合、ポリドカノールの濃度は液体中0.5 〜 4%v/vであり、好ましくは1 〜 3%v/vであり、最も好ましくは液体中2%v/vである。
【0076】
有利には、硬化剤は水中で調製されるが、更に好ましくは、生理食塩水中で、特に10 〜 70mM燐酸塩緩衝生理食塩水中で、例えば50mM燐酸塩緩衝生理食塩水中で、且つ好ましくはpH6 〜 pH8.0、例えば約pH7.0の前記生理食塩水中で調製される。有利には、前記水溶液は、アルコールを半量未満の量、好ましくは96%エタノールを半量未満、例えば2 〜 6%v/v含み、更に好ましくは96%エタノールを約4%v/v含む。
【0077】
上記硬化液にグリセロールを加えると、生成するフォームの半減期がより長くなる。しかしながら、グリセロールを添加することにより、上記メッシュ装置を用いる場合に、メッシュが塞がれる傾向が生じるので、そのような装置を何度も用いる場合は注意深く用いるべきか、又はバック・オン・バルブを用いる。
以下の図面及び実施例を参照しながら更に本発明を説明する。以下の図面及び実施例を考慮すれば、当業者には、本発明の範囲内にある更なる態様が考えられるだろう。
【0078】
実施例
実施例1
一方向に押し下げることができるバルブを有する、標準的なエアロゾルキャニスターを、滅菌水中3%v/vのポリドカノール溶液で半分満たして、二酸化炭素と酸素の50:50混合物で3気圧まで加圧する。そのバルブの軸上に、アクチュエーターと、20μm径の通路で孔をあけた、厚さがちょうど0.5mm未満の4つのプラスチック製スクリーンを有する送出ヘッドとを取り付ける。これらのスクリーンはSwedspray-Eurospray発泡アクチュエーターキャップApRisC(RTM)装置において供給される一般的なタイプのものである。そのバルブには、ディップ管及び周囲のチャンバーからEcosol気液界面インサートを通してフィードされる。Ecosol入口サイズを選択することにより制御すると、そのインサートへのガス入口サイズ(×2)は、0.006”×0.01”であり、一方、単一の液体入口は0.024”である。ヘッドを押し下げると、エアロゾルバルブにより、予め混合された溶液及びガスがスクリーン上に放出され、その上で、スクレロパシーに適し少なくとも2分間、好ましくは、5分間、寸法的に安定であるマイクロフォームが形成される。
【0079】
実施例2
図1は、気液混合物が通る通路を加圧されたチャンバー内に配置することにより、かかる装置の衛生を高める、本発明の更なるキャニスターの設計を示す。
かかるキャニスターは、アルミニウム製の壁(1)を有する標準的な500mlの設計であり、その内部の表面はポリドカノール及び酸素の作用に耐性のあるエポキシ樹脂(例えば、Hoba 7940-Holden UK)でコートされている。キャニスターの底(2)は、内側に向けて半球形である。キャニスター内部のチャンバー(4)は、2%vol/volのポリドカノール/20mmolリン酸緩衝生理食塩水(3)15mlを含有し、100%酸素で1分間予めパージしてから、2.7バールゲージ(大気と比較して1.7バール)の酸素を満たす。これは、ポリドカノール部が満たされた缶を1.7バールの酸素で過圧することによって与えられる。半球体は、その中に、半球体の頂部がもはや溶液で覆われなくなる場合に、ディップ管の底部開端をその中に沈めるのに充分なレベルのポリドカノール溶液が保持される、内部チャンバーの底部周辺の外辺域を規定する。
【0080】
半球体は、その半球体の頂部がもはや溶液で覆われない場合にディップ管の底部開端をその中に沈めるのに充分なレベルのポリドカノール溶液が保持された、内部チャンバーの底部周辺の境界域(perimeter area)を規定する。この様式において、キャニスター外部上のしるしを使用してディップ管の位置を知らせることにより、望ましければ、キャニスターの向きを変えて溶液の最後の画分を抜き取ることができる。実際には、垂直の位置づけで十分である。
【0081】
滅菌した部分に溶液を満たした後、標準的な1”径のエアロゾルバルブ(5)(Precision Valves, Peterborough)をキャニスターの頂部にかしめ、アクチュエーターキャップ(6)を押し下げることにより活性化して、注射器又は複数の通路を持つコネクター(示さず)のルアー取り付け部に係合する大きさに作られた出口ノズル(13)を介して内容物を放出することができる。更なるコネクター(7)はその標準的なバルブの下部に位置し、全て開端ポリプロピレン製ケーシング内にある、高密度ポリエチレン(HDPE)製リングに保持された4つのナイロン66メッシュ(8)が、好ましくは、締り嵌めによりその下に取り付けられる。これらのメッシュは直径8mmであり、20μm孔から構成される15%の開口域を有し、HDPEリングから3.5mmの距離を隔てている。
【0082】
更なるコネクター(9)はメッシュを保持するコネクターの下部に位置し、ディップ管(12)の上に取り付けられ、アクチュエーター(6)の操作によりディップ管を上昇する液体の流れ中にチャンバー(4)からのガスを受け入れるガス受容穴(11a,11b)を包含するハウジング(10)を支える。これらは、都合の良いことには、これまでのようなインサートを伴うEcosol装置とは明確に区別される。穴(11a,11b)は、ディップ管の断面積に対する全合計比を制御して必要とされる気/液の割合を供給するような断面積を有する。これは、例えば、0.040”の液受容穴に対して各々0.010”×0.013”の穴(11a,11b)である。
【0083】
実施例3
本発明の更なるキャニスターの態様を、変更された‘バッグ・オン・バルブ’配列の包含を除いては図1に示すようにおおまかに、図2に示す。本態様においては、ポリドカノール硬化液(3)を、気体の隙間のないようにディップ管(12)に密封されたアルミニウムホイル/プラスチック ラミネート(Coster Aerosols Stevenage UK)を含んでなるホイルバッグ(22)に封入する。ディップ管の頂部の端には、バルブ(5)が作動するまで、ポリドカノールとディップ管(12)及びチャンバー(4)の内容物との接触を防ぐのに役立つ一方向のダック・ビル バルブ(Vernay Labs Inc Ohio USA)がある。上述の操作においては、バルブ(21)が開き、ポリドカノール溶液(3)をディップ管(12)を上昇させることにより、穴(11a,11b)を通って入る空気/酸素ガス混合物と混ざるようになる。この様式において、かかる缶は、他に気体中のラジカル種とポリドカノール溶液の有機成分との相互作用を引き起こし得る、電離放射線で安全に滅菌することができる。また、そのような配列は、フォームに関するキャニスターの操作を改善することができる。バッグ(22)は、好ましくは、実質的に液体(3)を含有するのみであり、その上部にヘッドスペースの気体はない。
【0084】
実施例4
この実施例の装置は、液体中のポリドカノールを1%vol/volのテトラデシル硫酸ナトリウムで置き換えたことを除いては実施例3のものと同一であり、全ての他の成分は同じである。
【0085】
実施例5
図3は、本発明の方法を用いて本発明に従ったマイクロフォームを製造するために具体的に設計された注射器装置を示す。注射器筒(13)はルアー開口部(luer opening)(14)及び設置フランジ(15)を有し、プランジャー(16)と協同して、チャンバー(19)を規定する。チャンバー(19)は、硬化液(18)、この場合は前述のポリドカノールで予め満たされるか、又は使用する際に満たされる。プランジャーは、ポリドカノール溶液に関して不活性であり、それを押し下げてチャンバー(19)の内容物を加圧する場合に前記溶液がそのプランジャーの側面周辺に漏れないようにする、シール面(17)を有する。
【0086】
プランジャーシール面(17)とルアー開口部(14)の間には、実施例2において言及したタイプ及び構成の、一組の3つの間隔をあけたメッシュ(20)がある。この実施例においては、メッシュを、それらとルアー開口部の間に空間を残すように配置して、医師がガス/液体混合物のメッシュの通過により製造されるフォームを見ることができるようにする。
【0087】
操作においては、そのような注射器は、好ましくは、滅菌してシールされたルアー開口部を有する、硬化液で満たされたチャンバー(19)容積を、例えば、その外部に取り付けられるホイルシールキャップにより規定するように押し込まれるプランジャーを備える。キャップを外し、ルアーを必要とされる血液に望ましいガス源に接し、プランジャーを引っ張って、例えば、注射器を振ることにより攪拌して7:1〜12:1のガス対液体の割合を含有するマイクロフォームを製造するように、適するガス対液体の割合を与えるのに必要とされる量のガスを入れる。フォームの製造のためには、プランジャーを1ml/秒で押すように一様な圧力で押して、マクロフォームをマイクロフォームに変換する。
【0088】
かかるマイクロフォームは患者に直接適用することができるが、より都合の良いことには、大きな伏在静脈を排出するのに必要とされるような大きな体積のフォームをより容易にみることができるチャンバー、例えば、第二の注射器に直接移すことできるということが理解されるであろう。この様式においては、望ましければ、マイクロフォームを、更により均一にするために二つのチャンバーの間をメッシュを介して通過させることができる。
【0089】
実施例6
図4は、本発明の方法を用いて本発明に従ったマイクロフォームを製造するために設計された本発明の更なる注射器装置の態様を示す。注射器筒(13)はルアー開口部(14)及び設置フランジ(15)を有し、プランジャー(16)と協同して、チャンバー(19)を規定する。チャンバー(19)は、硬化液(18)、この場合は前述のポリドカノールで予め満たされるか、又は使用する際に満たされる。プランジャーは、ポリドカノール溶液に関して不活性であり、それを押し下げてチャンバー(19)の内容物を加圧する場合に前記溶液がそのプランジャーの側面周辺に漏れないようにする、シール面(17)を有する。
【0090】
プランジャーの中心長軸をたどると、約5μmの有効孔寸法をもつ多孔性Tetratex膜(22)をダブルリング取付けで上に取り付けたロッド(21)がある。ロッド(21)は、注射器チャンバーの外部に設置されたハンドル(23)を有し、チャンバー(19)の内容物がその孔を通るように、膜がプランジャーとは無関係に動くことを可能とする。
【0091】
操作においては、そのような注射器は、好ましくは、滅菌してシールされたルアー開口部を有する、硬化液で満たされたチャンバー(19)容積を、例えば、その外部に取り付けられるホイルシールキャップにより規定するように押し込まれるプランジャーを備える。キャップを外し、ルアーを必要とされる血液に望ましいガス源に接し、プランジャーを引っ張って、例えば、注射器を振ることにより攪拌して7:1〜12:1のガス対液体の割合を含有するマイクロフォームを製造するように、適するガス対液体の割合を与えるのに必要とされる量のガスを入れる。フォームの製造のためには、ロッド(21)上のハンドル(23)を操作して、膜を数回、例えば、2〜10回チャンバー内を上昇下降させて、ガス及び液体を混合させてフォームを製造する。フォームを患者、又は別の注射器若しくはコンテナに直接分散させるためには、ロッド(21)を、膜取付部(22)がプランジャーシール面に隣接するように引っ張り、プランジャーを一様な圧力、例えば、1ml/秒で押す。明らかに、フォームを直接患者に使用する場合には、適する注射針をルアー接合部に取り付ける。
【0092】
実施例6
本発明のマイクロフォームを、実施例2に示す臨界的流路(critical passage)及びガス混合寸法を有するが、メッシュをバルブの下流にある分散キャップ中に設置する一方、ガス/液体混合をバルブの上流にあるPrecision Valves Ecosolインサート装置において起こるという点でそれとは異なる、実施例1に説明した装置で製造する。チャンバー(500ml)に、100ml当たり、ポリドカノール(Kreussler-Germany)(2ml)、96%エタノール(4ml)及び55mmolリン酸緩衝液(pH7.0)(94ml)を含有する15mlの水溶液を充填し、気体を1.5バールの100%酸素で空気過圧する。バルブの操作で製造されるマイクロフォームの特徴を、図5及び6に示す。図5は、マイクロフォーム発生直後の気泡寸法分布を示し;フォーム密度は0.138g/mlである。図6は、ガス/液体境界の穴寸法(11a,11b)を変えて、0.09g/ml(黒塗りの菱形)及び0.16g/ml(白抜きの円)のフォームを与えることにより供給される、種々のガス対液体の割合で製造される気泡寸法を示す。図7は、21G注射針を通過した後の好ましいマイクロフォーム(0.13g/ml)の気泡寸法分布への効果を示し:白抜きの円は、新鮮なフォームを示し、十字は注入時間に適合して老化させた対照のフォームを示し、黒塗りの菱形は注射針を通過した後を示す。図8は、Swedspray装置密度0.045g/mlを用いて製造されたマイクロフォームが注射針を通過する効果を示す。黒塗りの菱形は老化させた対照であり、白抜きの円は注射針通過後である。
5%グリセロールを配合物中に加える場合、半減期はおよそ4分増加することに注目すべきである。
【0093】
フォームをそのルアー開口部を通して注射器中に取り込み、任意に21G注射針をくっ付け、23.25ミクロン径のビーズ(例えば、Park Labs USAから小球(microsphere)として入手可能である)を用いて分離される、二つのガラス製スライドの間にフォームを注入することにより、気泡寸法を計算する。Maxtascan/Grobal Lab Image法を使用して、気泡寸法を分析した。加圧されていない気泡の直径(Dr)を、スライドの間の気泡の直径(Df)から式
【0094】
【化1】
【0095】
(式中、xはスライド間の距離である)を用いて計算した。これらの測定は大気温度及び圧力で行う。
25μmよりはるかに小さい気泡が存在するが数えることができないことは理解されるであろう。従って、気泡に関して与えられた%の数字は、25μm及びそれより大きい範囲の気泡に関する。
【0096】
実施例7
注射器を本発明のマイクロフォームで満たすためには、図10及び平面(図11)において高さで示すように、実施例1、2又は3のキャニスターの底部を、注射器装置の基部における受容凹部中に置く。キャニスター(24)を、プラスチック製基部部材(26)において1cmの深さの凹部にはめ込み、凹部は、ぴったりとした嵌合が提供されるように直径でおよそ1mmキャニスターより大きい。キャニスターを、キャニスターの直径を受けるために変形する垂直支持ロッド(28)に固定された、二つの弾性固定アーム(27a,27b)により更に支持する。
【0097】
使用の際のキャニスターキャップ位置の頂部のすぐ上で、支持ロッド(28)が、第一の作動位置(実線)及びオフ位置(破線)の間に固定できるアクチュエータアームの上に取り付けられる。作動位置においては、アームはキャニスターアクチュエータキャップ(30)を押し下げるので、キャニスターバルブを開けて、マイクロフォームを放出させる。
また、基部(26)上には、それのプランジャーを有する注射器(34)をぴったり受けるような大きさに作られた凹部(32)がある。停止部材(33)が提供され、充填の際にプランジャーがその縦の動きの範囲を限定されて注射器を過剰に満たすことができないように、配置される。
【0098】
硬化フォームに対して不活性な、可撓性のある透明なプラスチック製チューブ(35)を、使用の際キャニスター出口ノズル(31)に取り付けて、基部(26)に取り付けられた三方バルブ(36)に固定する。バルブを、タップ(37)を三つの位置のうちの一つに回すことにより操作する:(a)バルブ閉−マイクロフォームの流路なし、(b)バルブを廃液(38)に開けることによって、チューブ(35)の内容物の視察により不適当と思われるあらゆるマイクロフォームを排出する、そして(c)バルブを注射器に開けることによって、注射器プランジャーが停止(33)に接触するまで、1セット量のマイクロフォームが注射器ルアーを通過してそれを満たす。
【0099】
実施例8
実施例6のマイクロフォーム20mlを実施例7の装置を用いて20ml注射器に充填し、その注射器を装置から外す。19ゲージ注射針を直接注射器ルアー接合部に取り付けるか、又はカテーテルを介して取り付ける。マイクロフォームを拡張蛇行静脈中に投与し、その進行と最終的な位置を手持ちの超音波スキャナーを用いてモニターして、処置する血管に対する位置に新鮮なフォームを制限する。1〜5分後に、血管は収縮し、その後繊維化するようになる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】上記実施例2で更に説明された本発明の第二の面のキャニスター装置に関する断面図である。
【図2】硬化剤のためのバック・オン・バルブレザバーが組み込まれていて、且つガスが外室中に存在していて、一方向ダック・ビルバルブによって該レザバーから分離されている、本発明の第二の面のキャニスター装置に関する断面図である。
【図3】分配チャンバーを横断するようにメッシュのセットを組み込んでいる第三の面のシリンジ様装置に関する断面図である。
【図4】シリンジチャンバー内容物中で往復運動できるように、内部プランジャーロッド上に支持された多孔性膜を組み込んでいる第三の面のシリンジ様装置に関する断面図である。
【図5】第四の面の好ましい0.13g/mlの酸素/空気/ポリドカノールマイクロフォームにおける気泡直径の分布を示している棒線図である。
【図6】第四の面の0.09g/ml及び0.16g/mlのマイクロフォームにおける気泡直径の分布を示している棒線図である。
【図7】対照の新鮮な及び同様に老化させたマイクロフォームと比較した、第四の面の好ましいフォームを21ゲージ注射針を通過させることの効果を示している図である。
【図8】従来技術のバブラー装置(Swedsprayバルブ, Ecosolインサート及びヘッド)を用いることによって製造可能な2体積%ポリドカノール溶液乾燥マイクロフォーム0.045g/mlを21ゲージ注射針に通すことの効果を示している図である。
【図9】従来技術のバブラー装置(Swedsprayバルブ, Ecosolインサート及びヘッド)を用いることによって製造可能な1体積%ポリドカノール溶液乾燥マイクロフォーム0.045g/mlを、21ゲージ注射針に通すことの効果を示している図である。
【図10】第四の面のシリンジ注入装置に関する側面図である。
【図11】図10の装置に関する平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液中に溶解され得るか又は血液によって吸収され得る生理学的に許容し得る血液分散可能なガス、及び水性硬化液を含むマイクロフォームであって、
該水性硬化液が水性担体中のポリドカノール又はテトラデシル硫酸ナトリウムの溶液であり、
該ガスが10〜90%v/vの二酸化炭素を含有し、
該マイクロフォームが0.07g/ml〜0.19g/mlの密度を有し、
STPにおいて、直径25μm以上のマイクロフォーム気泡の数の少なくとも50%が直径150μm以下であり、直径25μm以上のマイクロフォーム気泡の数の少なくとも95%が直径280μm以下であり、
該マイクロフォームが、STPにおいて、非発泡液相に逆戻する液体含量を基準として10%を超えてガス及び液体に逆戻りすることなく21ゲージ針の中を通ることができ、
そして
非発泡液としての該マイクロフォーム中の液体の半分が1cmネック直径及び10cm排水路の漏斗から排水される時間により測定した場合、該マイクロフォームが、STPにおいて少なくとも2分間の半減期を有する、マイクロフォーム。
【請求項2】
請求項1記載のマイクロフォームであって、50%v/v以上の酸素を含み、残りが二酸化炭素であるか、又は大気中で見出される割合の二酸化炭素、窒素及び微量ガスである、マイクロフォーム。
【請求項3】
請求項1記載のマイクロフォームであって、該ガスが、酸素60〜90%v/v及び二酸化炭素40〜10%v/vである、マイクロフォーム。
【請求項4】
請求項1又は2記載のマイクロフォームであって、該水性硬化液が0.5 〜 5%v/vポリドカノールである、マイクロフォーム。
【請求項5】
請求項1又は4記載のマイクロフォームであって、液中の硬化剤の濃度が1〜3%v/vである、マイクロフォーム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロフォームであって、少なくとも25μmのマイクロフォーム気泡の数の50%以上が直径150μm以下のままであり、それら気泡の数の少なくとも95%が直径280μm以下であるように、該マイクロフォームが21ゲージ針の中を通ることができる、マイクロフォーム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロフォームであって、0.09g/ml〜0.16g/mlの密度を有する、マイクロフォーム。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロフォームであって、0.11g/ml〜0.14g/mlの密度を有する、マイクロフォーム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のマイクロフォームであって、該水性硬化液が生理食塩水で調製され、該生理食塩水がpH6.0〜pH8.0のリン酸塩緩衝生理食塩水である、マイクロフォーム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のマイクロフォームであって、該水性硬化液が少量のアルコールを含有する、マイクロフォーム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のマイクロフォームであって、1〜10%v/vのグリセロールを含有する、マイクロフォーム。
【請求項12】
治療に使用するための請求項1〜12のいずれか1項に記載のマイクロフォーム。
【請求項13】
硬化療法のための医薬品の製造のための請求項1〜12のいずれか1項に記載のマイクロフォームの使用。
【請求項14】
硬化療法のための請求項1〜12のいずれか1項に記載のマイクロフォーム。
【請求項1】
血液中に溶解され得るか又は血液によって吸収され得る生理学的に許容し得る血液分散可能なガス、及び水性硬化液を含むマイクロフォームであって、
該水性硬化液が水性担体中のポリドカノール又はテトラデシル硫酸ナトリウムの溶液であり、
該ガスが10〜90%v/vの二酸化炭素を含有し、
該マイクロフォームが0.07g/ml〜0.19g/mlの密度を有し、
STPにおいて、直径25μm以上のマイクロフォーム気泡の数の少なくとも50%が直径150μm以下であり、直径25μm以上のマイクロフォーム気泡の数の少なくとも95%が直径280μm以下であり、
該マイクロフォームが、STPにおいて、非発泡液相に逆戻する液体含量を基準として10%を超えてガス及び液体に逆戻りすることなく21ゲージ針の中を通ることができ、
そして
非発泡液としての該マイクロフォーム中の液体の半分が1cmネック直径及び10cm排水路の漏斗から排水される時間により測定した場合、該マイクロフォームが、STPにおいて少なくとも2分間の半減期を有する、マイクロフォーム。
【請求項2】
請求項1記載のマイクロフォームであって、50%v/v以上の酸素を含み、残りが二酸化炭素であるか、又は大気中で見出される割合の二酸化炭素、窒素及び微量ガスである、マイクロフォーム。
【請求項3】
請求項1記載のマイクロフォームであって、該ガスが、酸素60〜90%v/v及び二酸化炭素40〜10%v/vである、マイクロフォーム。
【請求項4】
請求項1又は2記載のマイクロフォームであって、該水性硬化液が0.5 〜 5%v/vポリドカノールである、マイクロフォーム。
【請求項5】
請求項1又は4記載のマイクロフォームであって、液中の硬化剤の濃度が1〜3%v/vである、マイクロフォーム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロフォームであって、少なくとも25μmのマイクロフォーム気泡の数の50%以上が直径150μm以下のままであり、それら気泡の数の少なくとも95%が直径280μm以下であるように、該マイクロフォームが21ゲージ針の中を通ることができる、マイクロフォーム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロフォームであって、0.09g/ml〜0.16g/mlの密度を有する、マイクロフォーム。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロフォームであって、0.11g/ml〜0.14g/mlの密度を有する、マイクロフォーム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のマイクロフォームであって、該水性硬化液が生理食塩水で調製され、該生理食塩水がpH6.0〜pH8.0のリン酸塩緩衝生理食塩水である、マイクロフォーム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のマイクロフォームであって、該水性硬化液が少量のアルコールを含有する、マイクロフォーム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のマイクロフォームであって、1〜10%v/vのグリセロールを含有する、マイクロフォーム。
【請求項12】
治療に使用するための請求項1〜12のいずれか1項に記載のマイクロフォーム。
【請求項13】
硬化療法のための医薬品の製造のための請求項1〜12のいずれか1項に記載のマイクロフォームの使用。
【請求項14】
硬化療法のための請求項1〜12のいずれか1項に記載のマイクロフォーム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−6930(P2012−6930A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151241(P2011−151241)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【分割の表示】特願2000−620933(P2000−620933)の分割
【原出願日】平成12年5月26日(2000.5.26)
【出願人】(500431508)ビーティージー・インターナショナル・リミテッド (41)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【分割の表示】特願2000−620933(P2000−620933)の分割
【原出願日】平成12年5月26日(2000.5.26)
【出願人】(500431508)ビーティージー・インターナショナル・リミテッド (41)
【Fターム(参考)】
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