説明

治療用抗体の精製法および使用法

pH10.25〜11.75などのアルカリ性条件下で、ジエチルアミンHClを使用してヒト血漿抗βアミロイド免疫グロブリンを処置し、βアミロイドタンパク質をそれから解離させるステップを伴う、抗βアミロイド免疫グロブリンを調製する方法。典型的に抗bアミロイド免疫グロブリンは、血漿または血清から得られるヒト免疫グロブリン製剤中に存在する。方法によって調製される抗βアミロイド免疫グロブリンは実質的にβアミロイドタンパク質を含まず、アルツハイマー病などのβアミロイド斑に付随する疾患または病状を処置するための組成物および/または方法において治療活性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫グロブリンの調製に関する。より詳しくは、本発明はアルツハイマー病の免疫療法に適し得る抗βアミロイド免疫グロブリンの調製に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病は神経変性疾患であり、その最も一般的な形態では65歳を超えた人々に見られる。世界的におよそ1500万人の人々が、アルツハイマー病に罹患している。
アルツハイマー病の臨床徴候は、日常生活に付随する活動の低下、および神経精神症状または行動上の変化と共に、進行性の認知衰退によって特徴づけられる。
アルツハイマー病は、βアミロイドペプチドから構成される脳組織内の斑の蓄積によって特徴づけられる。アルツハイマー病のマウスモデルへの抗βアミロイド抗体の投与は、マウス脳内のβアミロイド沈着を減少させて認知機能を復元または増大させる、または少なくとも認知衰退速度を低下させるようである。
【0003】
βアミロイドペプチドに対する天然抗体はヒト血清中に存在する。ヒト血清から得られるヒト免疫グロブリン製剤のヒトへの投与は、脳脊髄液中のβアミロイド−ペプチドレベルの低下と関連付けられている[US2002/0009445]。最近の臨床試験データは、静脈内免疫グロブリン(「IVIg」)で治療されたアルツハイマー病患者の行動および認知力の双方における有益な結果を示す(http://www.news-medical.net/?id=40383)。
しかしこのようなIVIg製剤は顕著な量の神経毒性βアミロイドペプチドを含有し、抗体親和性および力価に顕著な多様性を示す。
【発明の概要】
【0004】
抗βアミロイド免疫グロブリン製剤はアルカリ性条件下で提供され、βアミロイドタンパク質はやや溶けにくいため、抗βアミロイド免疫グロブリンとの再結合が低下する。
一態様では、抗βアミロイド免疫グロブリンを調製する方法は、βアミロイドタンパク質、またはその断片を初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンから解離させるのに十分なアルカリ性条件下で、前記初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンを処置するステップを伴う。
適切には、方法に従って調製された抗βアミロイド免疫グロブリンは、結合したβアミロイドタンパク質を実質的に含まない。
【0005】
別の態様では、前記組成物を調製する方法は、βアミロイドタンパク質、またはその断片を初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンから解離させるのに十分なアルカリ性条件下で、前記初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンを処置することによって抗βアミロイド免疫グロブリンを調製するステップと、抗βアミロイド免疫グロブリンと許容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを合わせるステップとを伴う。
【0006】
さらに別の態様では、βアミロイドタンパク質、またはその断片を初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンから解離させるのに十分なアルカリ性条件下で、前記初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンを処置することによって調製される、単離または精製された抗βアミロイド免疫グロブリンが提供される。
なおもさらに別の態様では、組成物は、βアミロイドタンパク質、またはその断片を初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンから解離させるアルカリ性条件下で、前記初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンを処置することによって調製される抗βアミロイド免疫グロブリンと、許容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを含んでなる。
一実施態様では、組成物は、アルツハイマー病などのβアミロイド斑に付随する疾患または病状を処置するのに適する。
さらなる態様では、哺乳類においてβアミロイド斑に付随する疾患または病状を処置する方法は、βアミロイドタンパク質、またはその断片を初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンから解離させるアルカリ性条件下で、前記初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンを処置することによって調製される抗βアミロイド免疫グロブリンを前記哺乳類に投与することで、前記哺乳類において前記疾患または病状を処置するステップを伴う。
【0007】
一実施態様では、βアミロイド斑に付随する疾患または病状はアルツハイマー病である。
その他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。当業者には、この詳細な説明から本発明の趣旨と範囲内の様々な変更および修正が明らかになるので、詳細な説明および具体例は例示のためにのみ提供される。さらに実施例は本発明の原理を実証するものであり、先行技術に係る技術者にとって明らかに有用である全ての実施例に対する本発明の応用を具体的に例示することは期待できない。
本明細書全体を通じて特に断りのない限り、「含む(comprise)(comprises)」、および「含んでなる(comprising)」という単語は、述べられた整数または整数群の包含を意味するが、あらゆるその他の整数または整数群の排除を意味しないものと理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(A)グリシンHCl(pH2.5)、グリシンNaOH(pH10.25)、グリシンNaOH(pH10.75)、グリシンNaOH(pH11.25)、およびグリシンNaOH(pH11.75)のグリシン緩衝液存在下で、抗βアミロイド免疫グロブリン製剤を比較するELISAである。
【図2】グリシンHCl(pH2.5)の対照と共に、pH10.25、pH10.75、pH11.25、およびpH11.75のジエチルアミンHCl緩衝液の存在下で、抗βアミロイド免疫グロブリン製剤を比較するELISAである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特異的に結合したβアミロイドタンパク質は、抗βアミロイド免疫グロブリン製剤からアルカリ性条件下で除去できる。酸性条件(例えばpH約2)下におけるIVIg抗βアミロイド免疫グロブリンの精製は、特に中性に戻し始めると抗βアミロイド免疫グロブリンに再結合できる可溶性βアミロイドタンパク質をもたらす。
抗βアミロイド免疫グロブリンのアルカリ処置は、pH約10.5程度に低くあってもβアミロイドタンパク質を抗βアミロイド免疫グロブリンから解離させ、その条件下ではβアミロイドタンパク質は実質的に不溶性のままであり抗βアミロイド免疫グロブリンは再結合できない。本方法は、特にヒトIVIgからの抗βアミロイド免疫グロブリンの大規模調製および/または工業的調製に適している。
工業規模でのアルカリ性条件下における処理後の抗βアミロイド免疫グロブリンの改善された効率は、抗βアミロイド免疫グロブリンを生産するためのより商業的に実現可能な方法を提供する。
【0010】
一態様では、抗βアミロイド免疫グロブリンを調製する方法は、免疫グロブリン−結合βアミロイドタンパク質、またはその断片を初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンから解離させるのに十分なアルカリ性条件下で、前記初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンを処置するステップを伴う。
他の態様では、上で述べられている方法によって調製される単離または精製された抗βアミロイド免疫グロブリンが提供される。
【0011】
「単離された」とは、自然状態から離れた環境中に存在する、または人的操作を受けていることを意味する。単離された物質は、常態ではその自然状態でそれに伴う構成要素を実質的または本質的に含まなくてもよく、または常態ではその自然状態でそれに伴う構成要素と共に人工的状態にあるように操作されてもよい。
「精製された」とは、富化され、濃縮されまたは他のやり方で初期状態または形態を超える比活性、量または濃度を有することを意味する。
単離または精製された抗βアミロイド免疫グロブリンは、実質的にβアミロイドタンパク質を含まなくてもよい。
【0012】
「実質的に含まない」とは、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95〜99%の抗βアミロイド免疫グロブリン分子が、βアミロイドタンパク質またはその断片に結合しておらず、またはそれによって結合されていないことを意味する。
【0013】
本明細書では「タンパク質」は、ペプチドまたはポリペプチドであってもよいアミノ酸ポリマーである。一般に「ペプチド」という用語は、ここでの用法では60個を超えない連続アミノ酸を有するタンパク質である。
【0014】
「βアミロイドタンパク質」という用語は、例えば米国公開公報2006/0099211で述べられているペプチド断片を含む、アミロイド前駆体タンパク質(APP)およびその断片をその範囲内に含むが、これに限定されるものではない。
【0015】
ここでの用法では、「免疫グロブリン」という用語は、ヒト免疫グロブリンアイソタイプIgA、IgD、IgM、IgG、およびIgEとその抗原結合断片をはじめとするヒト免疫グロブリン遺伝子複合体のあらゆる抗原結合タンパク質生成物を含むことが理解されるであろう。抗原結合断片の例としては、Fab、F(ab)2、Fv、scFvなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
好ましくは、上で述べられているように調製される抗βアミロイド免疫グロブリンはIgGであり、またはそれを含んでなる。
【0016】
初期段階、すなわち出発抗βアミロイド免疫グロブリンの好ましい原料は、ヒト血清または血漿である。この原料から得られる免疫グロブリン製剤は、典型的に筋肉内、静脈内、および皮下をはじめとする様々な経路によって投与され、したがって「IMIg」、「IVIg」、「SCIg」またはこれと類似に称されることが多い。方法で使用するための原料の1つの特定の非制限的例は、血漿、またはコーン分画法によって得られる、コーン上清I(フィブリノーゲン枯渇血漿)または可溶化清澄画分II+IIIなどの血漿画分である。
IVIg形態などの初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンは、後で実施例で述べられるように、当該技術分野でよく理解されている方法によって脱脂できおよび/または真性グロブリンを除去できる。
【0017】
初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンは、アルカリ処置前に、少なくとも1つのアニオン交換クロマトグラフィーステップを施すことができる。特定の実施態様では、第1および第2の逐次アニオン交換クロマトグラフィーステップを使用してもよい。別の実施態様では、アニオンおよびカチオン交換クロマトグラフィーステップの組み合わせを使用してもよい。
抗βアミロイド免疫グロブリンからのβアミロイドタンパク質の解離のためのアルカリ性pHを達成するために、典型的に緩衝溶液形態のあらゆる適切なアルカリを使用してもよい。このようなアルカリ性緩衝液については当該技術分野で良く知られており、当業者によって容易に選択されるであろう。
【0018】
ほんの一例として、アルカリ性緩衝液としては、炭酸塩緩衝液、ホウ酸塩緩衝液、リン酸水素三ナトリウム緩衝液、ジエチルアミンHCl、トリエチルアミンHCl、グリシンNaOH、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、N−tris(ヒドロキシメチル)メチル−4−アミノブタンスルホン酸(TABS)、3−[(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)アミノ]−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、2−(N−シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、3−シクロヘキシルアミノ−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、および4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ブタンスルホン酸(CABS)が挙げられる。
【0019】
好ましいアルカリ性緩衝液は、ジエチルアミンHClである。
好ましいアルカリ性条件としては、8.5〜11.75の範囲のpHが挙げられる。
より好ましくは、pHは10.75〜11.75の範囲である。
有利には、pHは11.25〜11.75の範囲である。
アルカリ性pH(例えばpH約11以上)における溶出は、抗βアミロイド免疫グロブリンと再結合できないβアミロイドタンパク質の不溶性凝集体を生じる。次に可溶性βアミロイドタンパク質を形成することなく、pHを中和してより低いpH(例えばpH約9)にすることができる。典型的には、そのpHで不溶性のβアミロイドタンパク質を除去してからpH4.0〜7.4の範囲である適切な製剤pHにさらに中和することができる。非限定的例は、IVIg製剤についてはpH約4.8である。より低いpHは二量体/凝集体形成を最小化するのを助けるので、IVIg製剤のためには、pH4.8などのより低いpH条件が典型的に使用されることが理解されるであろう。しかしIMIg製剤(より高い二量体/凝集体レベルが許容できる)は、中性pH(例えばpH約6.5)により近くあってもよいと諒解される。
【0020】
次に当該技術分野で知られているあらゆる方法によって、βアミロイドタンパク質の除去を実施してもよい。このような方法の非限定的例としては、ナノ濾過などの濾過、および例えば疎水性相互作用クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーが挙げられる。あるいはβアミロイド凝集体は、連続流遠心分離などの遠心分離によって除去できる。βアミロイドタンパク質の可溶性形態もまた、例えば約10〜30kDaカットオフの適切な分画分子量メンブレンを使用して、ダイアフィルトレーションによって除去されてよいものと理解される。
【0021】
非限定的な一実施態様では、抗βアミロイド免疫グロブリンを調製する方法は、
(i)10.75〜11.75の範囲のpHにおいてジエチルアミンHCl緩衝液で初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンを処置し、それによって結合βアミロイドタンパク質を前記抗βアミロイド免疫グロブリンから実質的に解離させるステップと、
(ii)(i)のpHを部分的に中和してpH約9にするステップと、
(iii)βアミロイドタンパク質を除去するステップと、
(iv)(ii)のpHを中和してpH約4.0〜7.4の範囲にするステップと、
(v)抗βアミロイド免疫グロブリンを収集するステップ
を含んでなる。
【0022】
さらなる一実施態様では、抗βアミロイド免疫グロブリン製剤にウィルス不活性化が施される。好ましくはウィルス不活性化は、エンベロープウイルスおよび非エンベロープウイルスの双方を除去する。非限定的な一実施態様では、サイズ排除を使用しておよそ20ナノメートル程度に小さいウィルスを除去してもよい。
いくつかの実施態様ではウィルスとβアミロイドタンパク質またはその断片の双方を除去できるようにする条件下で、βアミロイド沈殿物にウィルス濾過ステップを施す。
上で述べられるようにして調製される抗βアミロイド免疫グロブリンは、アルツハイマー病、およびβアミロイド斑に付随するその他の疾患または病状を処置するための組成物および/または方法において特に有効かもしれない。
したがって一態様では、哺乳類においてβアミロイド斑に付随する疾患または病状を処置する方法は、βアミロイドタンパク質、またはその断片を初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンから解離させるアルカリ性条件下で、前記初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンを処置することによって調製される抗βアミロイド免疫グロブリンを前記哺乳類に投与するステップを伴う。
【0023】
他の態様では、組成物を調製する方法は、βアミロイドタンパク質またはその断片を初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンから解離させるのに十分なアルカリ性条件下で、前記初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンを処置するステップと、抗βアミロイド免疫グロブリンと許容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを合わせるステップを含む、抗βアミロイド免疫グロブリンを調製するステップとを伴う。
さらに別の態様では、組成物は、βアミロイドタンパク質、またはその断片を初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンから解離させるアルカリ性条件下で、前記初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンを処置することによって調製される抗βアミロイド免疫グロブリンと、許容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを含んでなる。
キャリア、希釈剤、および賦形剤は、当該技術分野でよく理解されているように、薬学的、獣医学的および/または免疫学的に許容可能であってもよい。
一般に「キャリア、希釈剤または賦形剤」という用語は、動物、好ましくはヒトに安全に投与されてもよい、固体または液体増量剤、バインダー、希釈剤、封入物質、コーティングまたは潤滑剤を意味する。特定の投与経路に応じて、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.N.J.USA,1991)で述べられているような、当該技術分野で良く知られている多様な許容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を使用してもよい。
ほんの一例として、これらは糖、デンプン、セルロースおよびその誘導体、モルト、ゼラチン、滑石、硫酸カルシウム、植物油、合成油、低級アルコール、ポリオール、アルギン酸、リン酸緩衝溶液、乳化剤、湿潤剤、ステアリン酸ナトリウムまたはマグネシウムなどの潤滑剤、等張食塩水、および発熱物質非含有水を含む群から選択されてもよい。
【0024】
抗βアミロイド免疫グロブリン製剤は、アルツハイマー病がある患者に投与した場合、治療効果の改善および/またはβアミロイドタンパク質毒性リスクの低下を有する。
非限定的な一実施態様では、本発明の抗βアミロイド免疫グロブリン製剤を患者に静脈内または皮下に投与して、アルツハイマー病を予防または治療できる。
抗βアミロイド免疫グロブリン製剤は、単回投与で、または特定期間にわたって1回または数回繰り返される用量で投与できる。適切な投薬量は様々なパラメーターに応じて変動する。このようなパラメーターとしては、治療される個人の生理学的状態、免疫グロブリン製剤、投与様式、および投与頻度などが挙げられる。
抗βアミロイド免疫グロブリン製剤の投薬量は、患者の年齢、体重、および生理学的状態に応じて変動し得る。ほんの一例として、本発明に従って調製される免疫グロブリンは、週に1回、または2週間毎に1回、または4、5、6週間以上毎に1回投与してもよい。投与される免疫グロブリンの量は変動でき、免疫グロブリン製剤の純度、親和力、および結合活性に左右されるかもしれない。
【0025】
ほんの一例として、量は、患者への1回あたりの投与量が、体重1kgあたり約0.001g〜約10g、体重1kgあたり約0.01g〜約5g、体重1kgあたり約0.1g〜約3g、体重1kgあたり約0.5g〜約2g、または体重1kgあたり約0.8〜約1.5gの抗βアミロイド免疫グロブリンであってもよい。
臨床的に効果的なヒト投薬計画の非限定的な例は、2週間毎に1回約0.2g/kg、または4週間毎に1回0.8g/kgである。
ヒトにおけるアルツハイマー病以外にも、免疫グロブリン製剤は、家畜、飼育ペット、演技動物などの非ヒト哺乳類の免疫療法に関連した多様な獣医学用途で使用できる。
【実施例】
【0026】
結合βアミロイドを除去するように処理されたIVIgの大規模調製
抗βアミロイド免疫グロブリン製剤は、下述の工程に従って製造できる。
本発明の方法で使用するのに特に好ましい出発原料は、血漿、またはコーン分画法によって得られる、コーン上清I(フィブリノーゲン欠失血漿)または可溶化清澄画分II+IIIなどの血漿画分である。
典型的に1,250kg〜10,000kgの血漿/血漿同等物(6,250〜50,000 全血献血)である凍結血漿を12〜24時間かけて解凍する直前に、−5℃の温度で軟化させる。解凍された血漿は、寒冷沈殿物および免疫グロブリン含有寒冷上清を形成する。寒冷上清は典型的に、溶出物温度が5℃を超えない連続流遠心分離によって寒冷沈殿物から分離される。
次にフィブリノーゲン(画分I)を沈殿させるため、−2℃でインキュベートする前に、寒冷上清溶液を4〜6%w/vに希釈して、十分な冷エタノール(95%v/v)を中性pHで添加し、8%v/vのエタノール濃度を達成してもよい。画分Iは、遠心分離および/または濾過によって免疫グロブリン含有上清(上清I)から除去できる。
【0027】
代案の実施態様では、免疫グロブリン構成要素を画分II+IIIとして沈殿させるために上清Iをより高濃度のエタノールに曝露してもよい。次に出発原料を調製するために画分II+IIIを再度可溶化し、濾過によって清澄化できる。
出発原料が、上清Iなどのリポタンパク質を含有する血漿またはその他の免疫グロブリン含有材料である場合、免疫グロブリンの損失を回避また最小化するために、リポタンパク質は好ましくは適切な条件下での吸着または沈殿によって出発原料から除去される。本発明に従って使用するための特に好ましい吸着材は、例えば5〜50nmの範囲の粒度を有するAerosilなどの超微粒子二酸化ケイ素(シリカ)吸着材である。
上清Iは、Aerosilが添加される前に、2〜8℃でDiacel 150などの濾過助剤と混合される。圧搾濾過器装置を使用して濾過する前に、DiacelおよびAerosilが分散するまで混合物を撹拌する。圧搾濾過器装置中に保持される容積は、0.5MのNaClを使用してフラッシングによって回収してもよい。
【0028】
アニオン交換クロマトグラフィーのための溶液を調製するために、脱脂上清Iの導電率を低下させる。これは10,000ダルトン以上の名目上のカットオフがある限外濾過膜を使用して達成されてもよい。この後、真性グロブリン様タンパク質を沈殿させるために、pHをpH5.2に調節する。圧搾濾過器装置を使用して濾過する前に、Diacelなどの濾過助剤を混合物に添加して、真性グロブリン含有沈殿物を除去する。圧搾濾過器装置中に保持される容積は、0.5MのNaClを使用してフラッシングによって回収してもよい。
上述のようにして調製された脱脂真性グロブリン欠失材料をアニオン交換クロマトグラフィーによって分画し、第1の免疫グロブリン含有画分を精製する。第2のアニオン交換クロマトグラフィーのステップによる第1の免疫グロブリン含有画分の精製は、精製免疫グロブリン含有溶液を提供する。
【0029】
好ましくは、このステップで得られる免疫グロブリン(粗製IgG)の純度を最大化する、装入、pH、およびイオン強度条件下における、DEAE−セファロースFFを使用したアニオン交換クロマトグラフィーによる分画前に、脱脂材料をダイアフィルター処理してpH調節し、真性グロブリンを欠失させた。好ましくは脱脂真性グロブリン欠失材料の分画は、pH5.2および導電率0.5〜1.0mS/cmにおいてDEAE−セファロースFFカラム上で行われる。トランスフェリンの物理化学的特性は免疫グロブリンと酷似しているにも関わらず、特にこれらの条件は免疫グロブリンからのトランスフェリンの最大の分離を確実にする。このステップにおける比較的純粋な免疫グロブリン製剤の産生は、実用的な商業的プロセスのために樹脂の装填量が適切であり、サブクラス回収率が適切であることを確実にするpH条件下において、純粋な最終製品を作り出す引き続く第2のアニオン交換ステップの使用を容易にする。
【0030】
第2のアニオン交換クロマトグラフィーのステップは、完全なサブクラス分布、低IgAおよびIgM濃度、および容認された薬局方制限内の抗Aおよび抗Bレベルがある、高度に精製された産物を作り出すような装入、イオン強度、およびpH条件下における、マクロ孔質アニオン交換樹脂による、免疫グロブリン含有画分の精製を含んでなる。具体的には、孔径が100nmを超えるマクロ孔質樹脂(Macro−Prep HQ、MacroPrep Q、Poros HQ、Q Hyper DMなど)の使用は、6.0〜6.6のpHおよび0.7〜1.5mS/cmの導電率で使用して、汚染タンパク質を除去し、純粋免疫グロブリンG(純粋IgG)含有製剤を提供するのに適した吸着能力を提供できる。
【0031】
出発原料が、再度可溶化された画分II+III、または既にリポタンパク質が欠失して部分的に精製されたその他の免疫グロブリン含有材料である別の実施態様では、材料は上述のようなマクロ孔質アニオン交換樹脂カラムに単に通過させることで最終精製される。
次に純粋IgG溶液を限外濾過によって約2%w/vに濃縮し、適切な緩衝剤(グリシン−NaOH、エタノールアミン−HClまたはリン酸水素二ナトリウムなど)を添加する。2〜8℃における連続的混合下で、約2時間かけて0.2MジエチルアミンHClを使用してpHを11.75に調節することで、純粋IgG溶液中に含有される抗βアミロイド免疫グロブリンからβアミロイドを解離させる。pH調節された純粋IgGをpH11.75で少なくとも30分間、混合しながらインキュベートする。次に可溶性βアミロイドタンパク質を形成することなく、pHをより低いpH(例えばpH約9)に中和できる。
1Lの樹脂あたり40g未満のタンパク質で、溶液を疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)カラム(Toyopearl 650C、Sepharose Fast Flow HIC、Source HICまたはMacroPrep HICなど)に装荷することで、βアミロイドを含有する不溶性沈殿物を純粋IgGから除去する。カラムはpH約9.0、1.5MのNaCl存在下でリン酸緩衝液などの適切な緩衝液で事前平衡化される。60〜200cm/時間の流速で、1.5Mから0MのNaClへの60分間直線濃度勾配を使用して、IgGをHICカラムから引き続いて溶出する。次に0.1M塩酸または0.1M水酸化ナトリウムを使用して溶出タンパク質をpH4.8に調節し、さらなる処理の前に2〜8℃で保存する。
【0032】
代案の実施態様では、1Lの樹脂あたり20g未満のタンパク質で、溶液を疎水性電荷誘導クロマトグラフィー(HCIC)カラム(MEP Hypercelなど)に装荷することで、βアミロイドを含有する不溶性の沈殿物を純粋IgGから除去する。カラムは中性または塩基性pHで、リン酸またはトリス緩衝液などの適切な緩衝液で事前平衡化される。pH4.8で20mM酢酸ナトリウム緩衝液を使用して、IgGを引き続いて溶出する。溶出したIgG含有調製品はさらなる処理の前に2〜8℃で保存することもある。
代案の実施態様では、濾過助剤(Diacelなど)、および任意に2MのNaClおよびHIC樹脂(Toyopearl 650C、Sepharose Fast Flow HIC、Source HICまたはMacroPrep HICなど)の添加によって、βアミロイドを含有する不溶性の沈殿物を純粋IgGから除する。HIC樹脂は1Lのタンパク質あたり40mg未満の樹脂で添加される。混合物を遠心分離および/または濾過によって清澄化する前に、2〜8℃で少なくとも30分間撹拌する。次に0.1M塩酸または0.1M水酸化ナトリウムを使用して清澄化溶液をpH4.8に調節し、さらなる処理の前に2〜8℃で保存する。
【0033】
さらに別の実施態様では、溶液をSephacryl S400HRなどの樹脂を含有するサイズ排除カラムに装入することで、βアミロイドを含有する不溶性の沈殿物を純粋IgGから除去する。pH4.8、10〜50cm/時間で、50mM酢酸ナトリウムなどの緩衝液を使用して、免疫グロブリン画分をカラムから溶出する。次に0.1M塩酸または0.1M水酸化ナトリウムを使用して溶出タンパク質をpH4.8に調節し、さらなる処理の前に2〜8℃で保存する。
さらに別の実施態様では、連続流遠心分離によってβアミロイドを含有する不溶性沈殿物を純粋IgGから除去する。
【0034】
好ましくは抗βアミロイド免疫グロブリン製剤には、例えばエンベロープウィルスを不活性化するpH4、37℃で10時間のインキュベーション、およびおよそ20ナノメートル程度に小さいエンベロープおよび非エンベロープウィルスの双方をサイズ排除によって除去するウィルス濾過の2つの専用ウィルス除去ステップにより、ウィルス不活性化が施される。
いくつかの実施態様では、βアミロイド沈殿物を含有する純粋IgGには、ウィルスとβアミロイド双方を除去できるようにする条件下でウィルス濾過ステップが施される。
次に0.1M水酸化ナトリウムおよび0.1M塩酸を使用して、ウィルス不活性化抗βアミロイド免疫グロブリン製剤をpH4.8にpH調節し、少なくとも30,000ダルトンの名目上のカットオフがある膜を使用して、限外濾過によりおよそ12%w/vに濃縮する。0.1M塩酸または0.1M水酸化ナトリウムの添加によってpHを4.8に保ちながら、溶液を少なくとも6容積の水中でダイアフィルター処理する。安定剤としておよそ250mmol/LのL−プロリンを添加し、希釈して最終生成物中に10%w/vの濃度をもたらして最終調合物を得る。浄化用フィルターの通過に続いて、調合されたバルク免疫グロブリンを0.22μm以下の孔径を有する予め滅菌されたオートクレーブ滅菌膜カートリッジに通過させて容器に入れ、定量供給する前に2〜8℃で保存してもよい。生成物は、無菌の1mL、5mL、10mL、および50mLバイアルに無菌的に分注される。
【0035】
IVIgのpH処理のELISA分析
本明細書でAβ1−40と称されるアミロイドβ−タンパク質断片1−40アミド(SIGMA,MO)1μg/mlのリン酸緩衝食塩水(PBS)溶液により、96ウェルNunc MaxiSorbプレート(Thermo Fisher Scientific,NY)をウェルあたり50μl、4℃で一晩被覆した。ウェルを350μlの0.05%Tween−20(Sigma,MO)、PBS(TPBS)で洗浄して、非結合抗原を除去した。抗原被覆プレートおよび空試験未被覆プレートを2%ウシ血清アルブミン(BSA)(Sigma,MO)、PBS、ウェル当たり50μlで2時間室温でブロックした。ウェルを350μlのTPBSで洗浄して、非結合BSAを除去した。
本明細書でIVIgと称されるIntragamP(CSL Limited,Parkville,Australia)をPBS中で20mg/mlに希釈し、次にpH2.5、10.25、10.75、11.25、および11.75において0.2Mグリシン(Sigma,MO)中で1/5に、またはpH10.25、10.75、11.25、および11.75において0.2Mジエチルアミン(Sigma,MO)中で1/5に希釈した。室温で20分間のインキュベーション後、pH処理されたIVIgを等容積の2.0M Tris−HCl、pH8.0(Sigma,MO)で中和し、次に1%BSA、TPBS中で1/2に希釈した。96ウェルNunc V−bottomプレート(Thermo Fisher Scientific,NY)内でIVIgを1%BSA、TPBSで3倍に段階希釈して、100μlをBSAブロックプレートに移した。ウェルを350μlのTPBSで2回洗浄して非結合IVIgを除去する前に、プレートを室温で1時間インキュベートした。
【0036】
ヒツジで生じさせアフィニティー単離された二次抗体抗ヒトIgG(γ鎖)HRPコンジュゲート(Millipore,MA)を1%BSA、TPBS中で1/2000に希釈し、ウェルあたり50μlを移して室温で20分間インキュベートした。ウェルを350μlのTPBSで2回洗浄して、非結合二次抗体を除去した。ウェルあたり50μlのTMB/E溶液(Millipore,MA)でアッセイを発色させ、発色させるために室温で10分間インキュベートして、ウェルあたり25μlの2.0Mリン酸で停止させた。発色したプレートをWallac Victor 2(Perkin Elmer,MA)プレートリーダーで450nmの吸光を0.1秒間スキャンした。結果を図1および図2に示す。
図1および図2について述べると、グリシンNaOHおよびジエチルアミンHClアルカリ性緩衝液は、どちらも抗βアミロイドIgGを初期段階IVIgサンプルから解離させた。ジエチルアミンHClは、特に11.25を超えるpHでグリシンNaOHよりも優れていた。これらのデータは、ジエチルアミンHClアルカリ性緩衝液が11.25を超えるpH(特にpH11.75)で、初期段階IVIgサンプルからの抗βアミロイドIgGの解離において、グリシンHCl pH2.5緩衝液よりも優れていることもまた実証する。
【0037】
したがって抗βアミロイド免疫グロブリンをβアミロイドタンパク質から解離させるのに、アルカリ性緩衝液が適することが提案される。
特に注目すべきなのは、ジエチルアミンHClのアルカリ性緩衝液がpH11.25〜11.75の範囲のpHにおいて、これらの実験で試験されたグリシンHCl pH2.5酸性緩衝液よりも良く機能することである。
前述される範囲(例えばpH、投薬量など)に関して、ここで述べられる範囲内のあらゆる表示値が、必要に応じて別の範囲を構築するための上限または下限値としてとして使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0038】
本明細書全体を通じて、目的は、本発明をいかなる1つの実施態様または特定の特徴群にも限定することなく、本発明の好ましい実施態様について述べることである。本発明から逸脱することなく、記述され例示されている実施態様に様々な変更と修正がなされてもよい。
各特許および科学文献の開示、本明細書で参照されるコンピュータプログラムおよびアルゴリズムは、参照によってその全体を援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
βアミロイドタンパク質、またはその断片を初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンから解離させるのに十分なアルカリ性条件下で、前記初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンを処置するステップを含んでなる、抗βアミロイド免疫グロブリンを調製する方法。
【請求項2】
初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンがヒト血漿中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルカリ性条件がpH10.25〜11.75を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
アルカリ性条件がpH11.25〜11.75を含んでなる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
可溶性βアミロイドタンパク質を形成することなく、少なくとも部分的に中和してより低いpHにするステップをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
不溶性βアミロイドタンパク質を除去するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
不溶性のβアミロイドタンパク質の除去が、濾過、クロマトグラフィーまたは遠心分離によって実施される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
pH約4.8に中和するステップをさらに含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
(i)10.75〜11.75の範囲のpHにおいてジエチルアミンHCl緩衝液で初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンを処置し、それによって結合βアミロイドタンパク質を前記抗βアミロイド免疫グロブリンから実質的に解離させるステップと、
(ii)(i)のpHを部分的に中和してpH約9にするステップと、
(iii)βアミロイドタンパク質を除去するステップと、
(iv)(ii)のpHを中和してpH約4.0〜7.4の範囲にするステップと、
(v)抗βアミロイド免疫グロブリンを収集するステップ
を含んでなる、抗βアミロイド免疫グロブリンを調製する方法。
【請求項10】
調製される抗βアミロイド免疫グロブリンが実質的にβアミロイドタンパク質を含まない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
抗βアミロイド免疫グロブリンが、βアミロイド斑に付随する疾患または病状に対して治療活性を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ウィルス不活性化ステップをさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
βアミロイドタンパク質、またはその断片を初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンから解離させるのに十分なアルカリ性条件下で、前記初期段階抗βアミロイド免疫グロブリンを処置するステップと、前記抗βアミロイド免疫グロブリンと許容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを合わせるステップとを含む、抗βアミロイド免疫グロブリン組成物を調製する方法。
【請求項14】
組成物が、哺乳類においてβアミロイド斑に付随する疾患または病状を処置するのに適する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
哺乳類がヒトである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
疾患または病状がアルツハイマー病である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法によって調製される、実質的にβアミロイドタンパク質を含まない単離された抗βアミロイド免疫グロブリン。
【請求項18】
請求項17に記載の抗βアミロイド免疫グロブリン、および許容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含んでなる組成物。
【請求項19】
哺乳類においてβアミロイド斑に付随する疾患または病状を処置するのに適する、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
哺乳類がヒトである、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
疾患または病状がアルツハイマー病である、請求項19または20に記載の組成物。
【請求項22】
請求項1〜12のいずれか一項に従って生成される抗βアミロイド免疫グロブリン、または請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法に従って生成される組成物、請求項17に記載の単離された抗βアミロイド免疫グロブリン、または請求項18〜21のいずれか一項に記載の組成物を哺乳類に投与し、それによって前記哺乳類においてβアミロイド斑に付随する疾患または病状を処置するステップを含んでなる、前記哺乳類において前記疾患または病状を処置する方法。
【請求項23】
哺乳類がヒトである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
疾患または病状がアルツハイマー病である、請求項22または23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−540567(P2010−540567A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527292(P2010−527292)
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際出願番号】PCT/AU2008/001466
【国際公開番号】WO2009/043103
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(500021413)シーエスエル、リミテッド (28)
【Fターム(参考)】