治療用組成物

本願は、治療用組成物、治療用組成物の調製方法、及び治療用組成物を用いて皮膚を処置する方法を開示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して皮膚の処置及び治療用組成物に関する。本開示は特に、クリーム、ゲル、ペースト等の形態で調剤可能な改善された治癒及び治療用組成物に関する。
【背景】
【0002】
皮膚は、最も頻繁に傷害を受ける身体の器官である。皮膚は常に外部環境と接触しているので、この器官は、絶えず傷害を受ける危険に曝されている。皮膚への傷害は、多くの異なる事象及び疾患から生じ得る。かかる損傷は、傷害を受けた器官又は組織の機能を損なうか完全に破壊するおそれがあり、かかる損傷の転帰は、罹患した組織又は器官の性質及び役割に依存する。創傷治癒応答は、最も一般的には、皮膚の創傷治癒に関連して記述される。創傷は有痛性であるので、創傷形成に関連する事象は別としても、創傷治癒の遅れは患者又は動物の痛み発生の延長をもたらす可能性がある。
【0003】
したがって、皮膚の損傷又は創傷を治療するための改善された技術が常に必要とされている。また、皮膚及び皮膚創傷を処置・治療するための改善された組成物が必要とされている。本開示が対象とするのは、とりわけこのような必要性である。
【概要】
【0004】
本願は、治療用組成物、治療用組成物の調製方法、及び治療用組成物を用いて種々の皮膚の創傷、疾患及び不快を治療する方法を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】ホホバ油中プランタゴの例示的な抽出物の、波長210nmでのUPLCクロマトグラムを示す図である。
【図1B】ホホバ油中プランタゴの例示的な抽出物の、波長254nmでのUPLCクロマトグラムを示す図である。
【図1C】ホホバ油中プランタゴの例示的な抽出物の、波長280nmでのUPLCクロマトグラムを示す図である。
【図1D】ホホバ油中プランタゴの例示的な抽出物の、波長330nmでのUPLCクロマトグラムを示す図である。
【図1E】ホホバ油中プランタゴの例示的な抽出物の、波長450nmでのUPLCクロマトグラムを示す図である。
【図2】ホホバ油中プランタゴの例示的な抽出物の、異なるピークの種々の質量スペクトル(ESI−陽イオンモード)を示す図である。
【定義】
【0006】
本明細書において、種々の用語は、以下のように定義される。特に断らない限り、本明細書で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本開示が属する分野の当業者によって通常理解されている意味と同じ意味を有する。
【0007】
組成物及びその使用方法は、本明細書を通して開示される任意の成分「を含む」、「から本質的になる」、又は「からなる」ことができる。
【0008】
本明細書で検討される任意の実施形態は、本開示のいずれかの方法又は組成物に関して実施できることを企図しており、その逆も同様である。さらに、組成物は、本明細書に開示される方法を達成するために使用し得る。
【0009】
「局所適用」は、組成物を角質組織の表面に適用する、又は広げることを意味する。「局所皮膚用組成物」は、角質組織上への局所適用に適した組成物を含む。かかる組成物は、皮膚に適用したときに、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー応答などを有しないという点において、一般に皮膚科学的に許容可能なものである。局所スキンケア用組成物は、皮膚に適用した後の著しい液だれ又は貯留を回避するために選択された粘性を有し得る。
【0010】
「皮膚科学的に許容可能な担体、ビヒクル又は媒体」は、その中に活性成分が効果的に組み込まれ得る担体、ビヒクル又は媒体を意味する。皮膚科学的に許容可能な担体は、皮膚に適用したときに、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー応答などが減少し又は回避されるように設計することができる。
【0011】
「不揮発性油」は、通常の温度又は室温でさほど蒸発しない物質を含む。
【0012】
「無毒」は、一般に、ヒト又は動物によって摂取、吸入又は皮膚を介して吸収された際に、急性的又は慢性的に、生体組織の損傷、中枢神経系の障害、重篤な疾病、又は死を引き起こさない物質を指す。また、「無毒」は、無害に、かつ周囲環境に危害を加えることなく組み込むことのできる化合物又は代謝物も指し得る。「無毒」の反対は、「有毒」と定義される。
【0013】
特許請求の範囲及び/又は明細書において、「混合物」、「混合する」、「混合」又はこれらの用語の任意の変形は、撹拌、混和、分散、摩砕、均質化、及び他の類似の方法を含む。開示された組成物の構成要素又は成分の混合により、溶液を形成することができる。他の実施形態において、混合物は、溶液を形成しない場合がある。成分/構成要素は、また、不溶性のコロイド状懸濁物として存在し得る。
【0014】
「約」又は「およそ」は、当業者に理解されるように、近傍にあることと定義され、非限定的な一実施形態では、10%以内、好ましくは5%以内、より好ましくは1%以内、最も好ましくは0.5%以内と定義される。
【0015】
「実質的に」及びその変形は、当業者によって理解されるように、特定されるものの大部分であるが必ずしも全部でないとして定義され、特定の一実施形態において、「実質的に」とは、10%以内、5%以内、1%以内、又は0.5%以内の範囲を指す。
【0016】
特許請求の範囲及び/又は明細書において、「治療する」、「阻害する」、「減少する」又はこれらの用語の任意の変形は、所望の結果を達成するための任意の測定可能な低下又は完全な阻害を含む。
【0017】
明細書及び/又は特許請求の範囲において、「有効」は、所望の、予期される又は意図される結果を達成するために十分であることを意味する。
【0018】
特許請求の範囲における「又は」との文言は、選択肢のみを指すことが明示されている場合又は選択肢が相互に排他的である場合でない限り、「及び/又は」を意味するものとして使用される(ただし、本開示は、選択肢のみと「及び/又は」を指す定義を支持する)。
【0019】
「皮膚」は、哺乳類(例えば、ヒト、ウマ)の表皮、真皮、角質層又はそれらの組み合わせを含む。
【0020】
「創傷」は、主に皮膚の創傷に関して記述され得る。皮膚の創傷は、放射線治療、傷害、疾病及び疾患を含む一連の状況から生じ得るものである。当業者は、本開示に従った創傷治癒の加速が表面的な皮膚の創傷に限定されるべきでないことを認識し得る。
【詳細な説明】
【0021】
特定の実施形態は、治療用組成物、治療用組成物の調製方法、及び治療用組成物を用いて皮膚又は創傷を処置・治療する方法を含む。一実施形態において、組成物は、プランタゴ・ランセオラタ(Plantago lanceolata)、プランタゴ・マヨール(Plantago major)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物材料から担体油(例えば、ホホバエステル、ホホバ油)に抽出される少なくとも1種の成分を含む。本発明者は、組成物の局所適用は治癒又は創傷治癒速度の加速を補助し得ると考えている。
【0022】
特定の一実施形態において、治療用組成物は、(1)担体油(例えばホホバ油)又はホホバエステル、(1)植物材料(例えば、プランタゴ・ランセオラタ、イングリッシュ・プランテイン(English plantain)とも称される)から担体油又はホホバエステルへの植物抽出物、及び(3)皮膚科学的に許容可能な担体を含む。本治療用組成物は、精油(例えばフレンチ・ラベンダー(French lavender))をさらに含むことができ、保存剤(例えばビタミンE油)を用いて保存することができる。また、特別の必要性や結果に組成物を適応させるために、約1.5%までの他の治療用精油を組成物に添加することもできる。
【0023】
特定の実施形態に使用するための植物材料及び油は、伝統的供給資源から収集することができる。幾つかの例では、プランタゴ・ランセオラタ(イングリッシュ・プランテインとも称される)材料は、通常の技術を用いて収集することができ、皮針形(開張性又は直立性)の根出葉を、本実施形態に使用することができる。さらに、プランタゴ・マヨールは、オオバコ科(Plantaginaceae)プランタゴの一種であり、通常の技術を用いて収集し得る。全ての植物は、所望であれば、有機物であってもよい。植物材料は、所望の結果を得るために、担体油、ホホバエステル又はシリコーン流体に抽出し得る。
【0024】
ホホバエステル又はホホバ油は、種々の実施形態に適しており、ホホバ油の水素化物又はエステル交換生成物であってもよい。実際、ホホバ油には、多くの機能特性を有する天然の長鎖線状エステルの複雑な混合物がなり得る。一実施形態では、ホホバ油の97%超が、一連の液体ワックスエステルで構成されており、混合トコフェロール、遊離ステロール及び他の不鹸化材料の組み合わせが残部を形成していた。ホホバエステルはワックスであってもよく、ホホバエステルのトリグリセリド成分が存在しなくてもよい。化学的には、ホホバエステルには、長鎖(C36〜C46)脂肪酸と脂肪アルコールとがエステル結合によって連結された複雑な混合物がなり得る。ホホバエステルは、ホホバ油、水素化ホホバ油、又はこれら2つの混合物のエステル交換によって製造し得る。特定の一実施形態において、ホホバエステルは、トランス不飽和部を全く含有しない。
【0025】
植物材料は、所望の利益を達成するために変化させてもよいことが理解される。例えば、カレンデュラ(calendula)を組成物に添加することができ、これにより組織の成長が刺激されると考えられる。他の植物材料の例としては、打撲傷に対するウサギギク属植物、創傷治癒のためのカレンデュラ、鎮痛のためのカモミールが挙げられる。幾つかの抽出物を、組成物の香りを改善させるために添加してもよい。他の植物材料をその公知の特性に基づいて添加することができ、そのような特性は種々の研究材料において容易に見出される。
【0026】
いかなる特定の理論にも拘束されないが、本発明者は、植物材料からの少なくとも1種の活性剤又は活性要素が、担体油又はホホバ油若しくはホホバエステルに抽出されると理論立てている。幾つかの実施形態において、該要素は容易には同定し得ないが、本明細書の種々な方法に従って、予測可能に調製することができる。治療用組成物を調製するための多くの方法があるが、特定の一実施形態において、治療用組成物は、
a)ホホバエステル又はホホバ油の一部を、プランタゴ・ランセオラタ、プランタゴ・マヨール又はそれらの組み合わせを含む群から選択される植物材料と混合するステップと、
b)混合物を所定期間加熱するステップ(幾つかの場合には、エステルを融解させることができ、エステルを液状に保つために十分な温度で約6時間浸漬することができる)と、
c)混合物を冷却するか、放置して冷却させるステップと、
d)植物材料を(例えば混合物内で)粉砕するステップと、
e)任意選択で、混合物をより長い期間(例えば、約1週間〜約1カ月間以上)浸漬するステップと、
f)植物材料を混合物から物理的に除去するステップと、
によって調製することができる。
【0027】
任意選択で、上記方法は、混合物を送達可能な形態(例えば、ゲル、香油、クリーム)に混合物を製剤化するステップを含むことができる。また、エステル又は油中への要素の収率を改善するために、いずれかのステップ[例えば、ステップa)及びステップb)]を繰り返すことも可能である。
【0028】
組成物におけるホホバエステル又はホホバ油の植物材料(例えばプランタゴ)に対する比率は、約2.0%〜約50.0%の範囲とし得る。一実施形態において、ホホバエステルの植物材料に対する比率は、約4.25であった。他の実施例において、ホホバエステルの植物材料に対する比率は、約5%〜約25%の範囲であった。幾つかの実施例において、ホホバエステル及び植物の部分は、組成物の約2〜約20%の範囲であった。当業者は、ホホバエステル又はホホバ油の植物材料に対する適切な比率を、抽出の規模に基づいて選択することができる。例示的な担体油としてホホバ油を用いたが、担体油は、植物由来の油を含む商業的に入手可能な任意の油でもよいことが理解される。例えば植物油(ヒマシ油、綿実油、コーン油)も使用し得る。鉱油又は他の合成油も使用し得る。
【0029】
植物材料の担体油又はホホバ油への抽出に必要な時間は、反応の規模に依存し得る。150オンスの反応混合物の場合には、加熱期間は4〜24時間の範囲とし得る。抽出は、24時間を超える及び24時間未満の各時間の間に生じる場合もあり、所望の結果を得るための適切な時間は、過度の実験を行うことなく決定し得る。当業者は、抽出時間が、一連の条件に依存し得るものであり、また一連の条件と共に変動し得ることを認識するであろう。
【0030】
植物材料の担体油又はホホバ油への抽出を改善するために、担体油は加熱(例えば摂氏80度超)及び冷却することができ、植物は粉砕することができ、並びに/又は植物は担体油中に浸漬することができる。一実施例においては、植物材料を、約1カ月間、80度で浸漬した。この後、油は水切りをし、又は別の油、例えばフレンチ・ラベンダー精油と混合(例えば5%まで)することができる。約1%以下の少なくとも1種の成分がホホバ油又は担体油に抽出されると考えられる。
【0031】
「精油」には、香草、花、樹木、及び他の植物由来の油が含まれる。かかる油は、当業者に公知の幾つかの方法(例えば、水蒸気蒸留、冷浸法(脂肪を使用した抽出)、浸軟、溶媒抽出、機械的圧縮)により抽出し得る。この種の油は、空気に曝されたとき、蒸発する傾向がある(揮発性油)。結果として、多くの精油が無色であるが、経時的に酸化され、色が濃くなる可能性がある。精油は、水に不溶性であり、アルコール、エーテル、固定油(植物性)及び他の有機溶媒に可溶性である。精油に見出せる典型的な物理的特性としては、摂氏約160度〜240度で変動する沸点が挙げられる。
【0032】
精油は、典型的には、油が見出される植物に基づいて命名される。例えば、バラ油又はペパーミント油は、それぞれ、バラ植物又はペパーミント植物に由来する。本発明に関して使用できる精油の非限定的な例としては、チャノキ油、マツヨイグサ油、スペイン産セージ油、スペイン産ローズマリー油、コリアンダー油、タイム油、ピメントベリー油、バラ油、アニス油、バルサム油、ベルガモット油、ローズウッド油、シーダー油、カモミール油、セージ油、クラリセージ油、クローブ油、イトスギ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、シーフェンネル油、乳香油、ゼラニウム油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ジャスミン油、ビャクシン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、マンダリン油、マヨラナ油、ミルラ油、ネロリ油、オレンジ油、パチョリ油、コショウ油、黒コショウ油、プチグレイン油、マツ油、ローズオット油、ローズマリー油、サンダルウッド油、スペアミント油、カンショウ油、ベチバー油、ウィンターグリーン油、又はイランイランが挙げられる。当業者に公知の他の精油も、本発明に関する限り有用であることを企図している。
【0033】
特定の一実施形態において、組成物は、ラノリンなどのワックスを含み得る。化学的に、ラノリンは、脂肪酸と高分子量アルコールとのエステルの混合物であるワックスである。例えば、典型的な高純度ラノリンは、長鎖ワックス性エステルから主に構成され(約97重量%)、残りはラノリンアルコール、ラノリン酸及びラノリン炭化水素である。180種を超える異なる酸及び80種のアルコールが同定されている。融点は、摂氏約40度である。ラノリンは、水に不溶性であるが、水と非常に安定なエマルジョンを形成する。ラノリンが、ヒトの皮膚の脂質の多くの機能を模倣及び増強できる医用材料として機能し得ることは公知である。一実施例においては、低アレルギー性ラノリンを用いて、植物材料、例えばプランタゴ・マヨールから構成物質を抽出した。ラノリンは、組成物の約10〜約30%でもよい。
【0034】
さらに、1種又は複数の抗菌剤又は酸化防止剤を、本組成物の製造及び貯蔵時における保存及び/又は安定化のために使用してもよい。例えば、薬学的に許容可能な多数の保存剤の1種又は複数を、本発明の種々の実施形態に使用し得る。かかる保存剤としては、限定されないが、エタノール、パルチミン酸アスコルビル、エチルパラベン及びメチルパラベン、ブチルアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、クロロブタノール、エチレンジアミン、エチルバニリン、モノチオグリセロール、フェネチルアルコール、安息香酸及びその塩が挙げられる。一実施例では、組成物を、ビタミンE油を用いて保存した。当業者は、過度の実験を伴うことなく、1種又は複数の保存剤を選択し得る。
【0035】
治療用組成物は、送達のために、種々の液体、固体、及びゲル様材料に製剤化し得る。組成物は、水性及び油性エマルジョン、無水製剤として調製し得る。例えば、これらの形態としては、軟膏、クリーム、ゲル、ペースト及び他の形態などの液体が挙げられる。組成物には、酸化防止剤、芳香剤/香料、ビタミン類、乳化剤、化粧水、血清、ローション、エリキシル剤、日焼け防止剤などをさらに含め得る。また、抗菌剤、殺菌剤、及び粘稠化剤を組成物に含めてもよい。特定の一実施形態においては、組成物は軟膏として形成される。
【0036】
特定の実施形態において、シリコーン含有化合物及びシリコーンワックス化合物は、分子の主鎖が交互するケイ素原子及び酸素原子からなり、側基が主鎖とケイ素原子に結合している、高分子製品群の任意の一員を含む。−Si−O−鎖の長さ、側基、及び架橋を変化させることで、シリコーンは、広範な種類の材料に合成され得る。シリコーンは、液体からゲル、固体まで、コンシステンシーを変化させ得る。本発明に関して使用できるシリコーン含有化合物としては、本明細書に記載するもの又は当業者に公知のものが挙げられる。非限定的な例としては、シリコーン油(例えば、揮発性油及び不揮発性油)、ゲル、及び固体が挙げられる。ある種の態様において、シリコーン含有化合物には、ポリオルガノシロキサンなどのシリコーン油が含まれる。ポリオルガノシロキサンの非限定的な例としては、ジメチコン、シクロメチコン、ポリシリコーン−11、フェニルトリメチコン、トリメチルシリルアモジメチコン、ステアロキシトリメチルシラン、又は、意図する適用(例えば、皮膚、毛髪、眼などの特定部位に対する適用)に応じた所望のコンシステンシー及び適用特性の達成を目的とした、任意の所与の比率での上記ポリオルガノシロキサンと他のオルガノシロキサン材料との混合物が含まれる。「揮発性シリコーン油」としては、気化熱の低いシリコーン油(シリコーン油1グラムあたり通常約50カロリー未満の気化熱を有するシリコーン油)が挙げられる。揮発性シリコーン油の非限定的な例としては、シクロメチコン(例えば、ダウコーニング(Dow Corning)344フルイド(Fluid)、ダウコーニング345フルイド、ダウコーニング244フルイド、及びダウコーニング245フルイド、揮発性シリコーン7207(Union Carbide Corp.、Danbury、Conn.)、並びに低粘性ジメチコン(約50cst以下の粘性を有するジメチコン)が挙げられる。ダウコーニングフルイドは、Dow Corning Corporation、Midland、Mich.から入手可能である。シクロメチコン及びジメチコンは、CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary、第3版(参照により組み込まれる)において、環状ジメチルポリシロキサン化合物、及び、トリメチルシロキシ単位で末端がブロックされた完全メチル化線状シロキサンポリマーの混合物として、それぞれ記載されている。
【0037】
一実施例では、ジメチコンを用いてゲル様材料が調製可能であった。ジメチコンは、軟膏基剤として使用される商業的に入手可能なシリコーン剤である。ジメチコンは、約0.5〜約95容積%の範囲で存在させることができた。幾つかの実施例では、ジメチコンを、組成物の約2.5〜約88.5%の範囲とした。幾つかの実施形態では、ジメチコンをラノリンと共に使用し得る。当業者は、過度の実験を伴うことなく、ゲルとして治療用組成物を製剤化し得る。
【0038】
他の実施形態において、治療用組成物には、硫黄(例えば、火山灰、シルト)、クレー(例えばカオリンクレー)及び他の成分(例えば、酸化亜鉛、カレンデュラを煎じたグリセリン及びポリソルベート)を配合することができる。組成物は、動物(例えばウマ)でよくみられる真菌感染などの感染を治癒し死滅させ得ることが見出された。
【0039】
使用及び適用において、治療用組成物を用いる治療を受けた皮膚では、治癒の改善及び治癒の加速化が示された。処置された創傷の再上皮形成速度の増加及び創傷治癒の加速化は、創傷の再上皮形成速度の増加によって、最も容易に実証し得る。かかる上皮被覆(例えば表皮)が修復又は再生される速度の増加は、問題となっている創傷の治癒が加速されていることを示すものである。また加速された創傷治癒は、肉芽組織の生成を通して生じ得る創傷の「充填」とは区別し得るものである。加速された創傷治癒では、処置された創傷の治癒速度が、未処置の創傷よりも少なくとも5%速く、又は少なくとも10%速く、又は少なくとも15%若しくは100%(若しくはそれ以上)速くなり得る。また、ある種の実施形態では、動物における真菌感染を減少又は除去し得ることも見出された。
【0040】
さらに、治療用組成物による治療では、外観の改善がもたらされ得る。かかる改善には、炎症、瘢痕外観、非炎症性にきび、外科的瘢痕、荒れた皮膚若しくはきめの粗い皮膚、しみが多い皮膚状態、又は日光により損傷を受けた皮膚の外観の改善が含まれる。組成物は、内部又は表面に組成物が配置される動物に対して、実質的に無毒であった。
【0041】
治療用組成物は、効果の奏功を意図する部位に適用し得るので「局所医薬」として適用し得る。本発明に従った使用に適する局所医薬としては、限定されないが、軟膏、クリーム、ローション、ゲル、スプレー、活性剤を身体に放出し得る創傷包帯、及び局注(例えば皮内注射)により投与される注射性溶液が挙げられる。投与経路は、治療有効量の活性化合物を、治癒が加速される創傷の周囲又は下部の結合組織(例えば、皮膚の創傷の場合は真皮)に供給することを可能にするものである。
【0042】
適用される治療用組成物の量は、処置される部位によって決定することができ、この量は治療有効量とし得る。治療用組成物を皮膚又は皮膚創傷に適用する場合、罹患した部位を覆うように十分な材料を分配することができる。塗布具を備えた器具又は装置を、本明細書に開示される種々の実施形態の組成物を適用するために使用することができる。かかる器具又は装置は、組成物の均一な被膜の形成に役立つように、皮膚全面に一定の圧力を適用することができる。かかる装置は動力付きであってもよく、手動であってもよい。皮膚の傷害の場合には、組成物を手動で適用することが適切となり得る。さらに、リップバームとしての組成物は手動で適用し得る。
【0043】
本発明の組成物はまた、多くの化粧用製品で使用することができる。化粧用製品としては、限定されないが、日焼け止め製品、サンレス皮膚タンニング製品、毛髪用製品、爪用製品、保湿クリーム、皮膚栄養クリーム、及びローション、軟化剤、日中用ローション、ゲル、軟膏、ファンデーション、夜用クリーム、リップスティック、クレンザー、化粧水、マスク、皮膚美白剤/ブライトナー、又は他の公知の化粧用製品及び適用品が挙げられる。さらに、化粧用製品は、洗い流し不要製品又は洗い流しが必要な製品として製剤化し得る。ある種の態様において、本発明の組成物は単独使用型の製品である。
【0044】
組成物の切り傷、創傷、火傷及び潰瘍への適用は、感染の治療又は感染からの皮膚の保護という両方の点で有益である。すべてのかかる事例において、本発明の組成物は使用が容易であって、適用時は半固体であるが皮膚に擦り込むとすぐに液状となる。
【0045】
組成物の特定の例は創傷の治療に使用され得る。本発明の組成物を用いて治療し得る皮膚創傷としては、火傷、日焼け、切り傷、擦り傷、急性及び慢性の創傷などが挙げられる。火傷、潰瘍、急性及び慢性の創傷の治療は、典型的には、創傷をできるだけ清潔に保つこと、及び、患者をできるだけ快適にさせることに向けられている。この点に関して、創傷の保湿は患者を快適にさせる利点があることが認識されている。保湿環境の維持には、組織を冷却する効果がある一方で、火傷の皮内温度を低下させ得る利点があり、組織内の熱による組織損傷の進行を変更させることに役立つであろう。
【0046】
本発明のある種の態様に使用されるものとしてキットも企図される。例えば、本発明の組成物はキットに含めることができる。キットには容器を含めてもよい。容器には、瓶、金属管、ラミネート管、プラスチック管、ディスペンサ、圧力容器、遮断容器、包装、仕切り、リップスティック容器、加圧容器、化粧用組成物を保持可能な化粧用皿、又は他の種類の容器、例えば、分散液若しくは組成物又は所望の瓶、ディスペンサ若しくは包装を中に保持する射出成形又はブロー成形プラスチック容器などを挙げることができる。キット及び/又は容器はその表面に印を含んでもよい。印は、例えば、単語、句、略称、絵又は記号でもよい。
【0047】
容器は、所定量の組成物を分配することができる。他の実施形態において、容器は、所望量の組成物を分配するために絞り出し得る(例えば、金属管、ラミネート管、プラスチック管)。組成物は、スプレー、エアロゾル、液体、流体、又は半固体として分配され得る。容器は、噴霧器、ポンプ又は絞り出し機構を有し得る。またキットには、キットの構成要素を利用するための指示書及び容器に含まれる任意の他の組成物を使用するための指示書を含め得る。指示書には、組成物の適用、使用及び維持の仕方についての説明を含めることができる。
【実施例】
【0048】
以下の実施例は、本発明の種々の特定の実施形態を例証することを意図したものである。
【0049】
1.治療用組成物の調製
植物材料(プランタゴ・ランセオラタ及び/又はプランタゴ・マヨール)を、暗室において72度で約2週間かけて脱水した。ホホバエステル又はホホバ油を水なしで植物材料と混合した。ホホバエステル又はホホバ油の植物に対する比率は約4.25であった。すなわち、1ガロンのホホバエステルを約30ozの植物材料と混合した。混合物を摂氏約90度に20分かけて加熱した。次いで、植物を粉砕し、覆いをかけずに放置してさらに冷却させ、次いで約1週間、高温(摂氏約80度)で浸漬した。植物材料を浸漬した後、植物材料を混合物から除去し、皮膚科学的に許容可能な担体を混合物に配合した。
【0050】
他の実施例において、ラノリン抽出物を、ラノリン及び植物材料を、摂氏約80〜90度の高温で加熱することによって調製し得る。植物材料をミキサーで粉砕し、約12時間以上放置した。加熱ステップにより、植物材料をラノリンに分離させた。ラノリンの植物に対する比率は、1ガロンのラノリンに対して約30oz乾燥植物材料であった。
【0051】
2.例示組成物
各実施例において、最初にホホバ油又はホホバエステルを用いて植物材料を抽出した。その後、油又はエステルに他の材料を配合して局所皮膚用組成物を製剤化した。
【0052】
組成物Iの配合は次の通りであった。
【表1】

【0053】
組成物IIの配合は次の通りであった。
【表2】

【0054】
組成物IIIの配合は次の通りであった。
【表3】

【0055】
組成物IVの配合は次の通りであった。
【表4】

【0056】
組成物Vの配合は次の通りであった。
【表5】

【0057】
組成物VIの配合は次の通りであった。
【表6】

【0058】
5.ホホバ油中への抽出
植物材料をホホバ油に浸して、活性成分を吸収させた。次いで、混合物を加熱し、冷却した。ホホバ油(1ml)中の生成物を、4mlのメタノールで抽出し、抽出物を蒸発により乾燥し、1mlのメタノールで再溶解し、再溶解液を分析のためにUPLC/UV及びUPLC/MSにかけた。UPLC/UV及びUPLC/MSを用いてすべての抽出物を分析した。アクイティ(Acquity)UPLC BEH Shield RP18 1.7μm,100×2.1mmカラムを40度で使用した。全操作時間は20分であった。表1にUPLCの移動相を示す。
【0059】
【表7】

【0060】
図1A〜1Eから明らかなように、油は、異なる波長(210nm、254nm、280nm、330nm、450nm)のUPLCクロマトグラムから同定可能な内容物を含有する。この知見は、ホホバ油の抽出物であるプランタゴ抽出物の異なるピークの質量(ESI−陽イオンモード)スペクトルを示す図2によって、さらに支持される。
【0061】
6.多段階の治癒的治療
ホホバ油を、プランタゴ・ランセオラタ植物及び/又はプランタゴ・マヨール植物と混合し、植物中に含有される活性成分を吸収させた。植物を暗室中72度で、すべての水が枯渇するまで約2週間かけて脱水した。シリコーン中に配置した植物の量は、シリコーンで植物材料を覆うことができないので少量とした。植物材料は、葉を柔らかくする(すなわち熱する)ために少しずつ追加しながら配置し、次いで、より多くの植物材料を油に添加し得るように粉砕することができる。この適用に必要な濃度を得るために、すべての植物材料を一度には添加しなかった。10オンスのプランタゴ・ランセオラタ及び/又はプランタゴ・マヨール材料をステンレスポットの中に配置し、約5000mlのジメチコンで覆った。次いで、ポットにフタをし、室温で一晩静置した。
【0062】
抽出プロセスを完了させ、植物材料を除去し、ホホバ油とシリコーンを合わせた。混合物を担体油と合わせ、次いで洗浄して植物材料を除去した。材料を治療用ゲルとした。
【0063】
7.組成物の有効性を例示する実施例
組成物の有効性又は所与の組成物内の活性成分の有効性は、当業者に公知の方法によって決定した。以下は、種々の実施形態の内容で使用し得る非限定的な結果である。
【0064】
毒ツタウルシ皮膚炎及び毒ウルシ皮膚炎:
一症例研究では、35歳近くの女性患者が、両腕の手からひじまでの掌側表面に毒ウルシによる接触性皮膚炎を被っていた。患者は、コルチゾン及びカラミンを含む種々の局所治療を受けていたが、軽減されていなかった。組成物Iを両腕に適用したところ、約10秒以内に患者は痒みを全く感じなくなった。患者は組成物Iの1日3回(毎日3回の服用)の適用を続け、4日までに皮膚は治癒した。
【0065】
他の症例研究では、男性患者が、毒ツタウルシに組成物Iの適用を受けた。患者の報告によれば、15秒未満で痒みが完全に緩和された。
【0066】
昆虫刺咬症:
一症例研究では、55歳の女性がスズメバチに手を刺されていた。女性の反応は、激しい痛みと即時の腫れを伴う典型的なものであった。女性が組成物Iの適用を手に受けたところ、1分以内に痛みが和らぎ、2分までに痛みを全く感じなくなった。腫れは5分までに消失し、刺傷の部位は10分までに完全に治癒した。
【0067】
他の症例研究では、60歳近くの女性が両上腕に黄蜂による刺傷を有していた。翌朝も痛みは続き、痛みは相当なものであった。患者が両方の罹患部位に組成物Iの適用を受けたところ、10秒以内に痛みは完全に軽減した。
【0068】
他の症例研究では、65歳の男性がサソリに親指を刺されていた。刺された後、傷から多量の出血があり、痛みは激しかったと説明された。患者が組成物Iの適用を受けたところ、痛みはすぐに軽減した。
【0069】
日焼け:
一症例研究では、22歳の男性が中等度の日焼けを有しており、この日焼けに組成物Iの適用を受けた。皮膚の堅さは軽減されなかったが、日焼けの刺痛は5〜10分以内に完全に軽減した。患者は、必要に応じ、大方は約4時間ごとに、生成物の適用を続けた。
【0070】
湿疹及び乾癬:
一研究では、少なくとも10人の患者が、組成物I又は組成物IIIを皮膚の罹患部位に適用した後に、湿疹の症候が軽減したことを報告した。痒みは数分以内に軽減し、鱗状赤みは多くの場合に数日以内に治癒した。
【0071】
1人の患者は、首の後ろの毛の生え際における乾癬病変に組成物Iの適用を受けた。患者の報告によれば、その部位に1日中激しい痒みを有していたが、組成物Iの適用後、痒みはすぐに軽減した。しかし、患者の痒みは完全に軽減され続けたものの、上皮はきれいにはならなかった。
【0072】
II期の褥瘡:
一研究では、組成物はII期褥瘡に対する効果を示した。介護施設で寝たきりの年配の女性は、仙骨領域に約4×5cmのII期の褥瘡を2年余にわたって有していた。多数の製品が先に使用されてきたが成功しないものばかりであった。組成物IIIを含む種々の組成物を適用後、褥瘡は14日未満で閉じた。
【0073】
II期の褥瘡を3年間有している年配の男性は、先に種々の製品及び包帯による治療を受けてきた(限定された成功なし)。また、健康管理専門家が他の方法を試したが、褥瘡は治癒しなかった。組成物IIIを1日2回、罹患部位に適用したところ、11日以内に傷が閉じた。
【0074】
前腕に広範な上皮裂傷を有する年配の女性は組成物IIの治療を受けた。数日以内に上皮は完全に治癒した。
【0075】
別の男性は、激しい灼熱感を生じる、広く行き渡った失禁皮膚炎を訴えていた。組成物Iの適用後、2分以内に患者の痛みは完全に軽減し、24時間以内に発疹は解消した。
【0076】
小児おむつ皮膚炎:
約40人の、軽度から上皮が剥げ水泡が生じた状態まで種々の程度のおむつ皮膚炎を有する乳児に対して、組成物IVによる治療が成功を収めてきた。通常、痛みは数秒以内に軽減され、発疹は24時間未満に解消される。
【0077】
放射線及び内科的腫瘍学:
多数の患者は、放射線皮膚炎の予防及び治療の両方で組成物Iを使用してきた。患者が組成物Iの適用を模擬実験で受ける場合、多くの例で、放射線皮膚炎が予防されるか又は有意に遅延する。対症療法的手法では、組成物Iの適用後すぐに痛み及び灼熱感が軽減する。
【0078】
転移性乳癌又は結腸癌のためにゼローダ(Xeloda)(登録商標)(カペシタビン)を使用した結果として手足症候群に罹っている患者では、組成物Iの使用により、亀裂した手及び足がうまく治療された。痛みは数分以内に軽減され、上皮の修復は通常10日未満で生じる。
【0079】
上記の実施形態の詳細な説明及び実施例はもっぱら例証を目的としたものであり、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲及び趣旨並びにその均等物を制限することを意図したものではない。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく本明細書に開示の発明に多くの変更を加え得ることは、当業者には認識されよう。
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して皮膚の処置及び治療用組成物に関する。本開示は特に、クリーム、ゲル、ペースト等の形態で調剤可能な改善された治癒及び治療用組成物に関する。
【背景】
【0002】
皮膚は、最も頻繁に傷害を受ける身体の器官である。皮膚は常に外部環境と接触しているので、この器官は、絶えず傷害を受ける危険に曝されている。皮膚への傷害は、多くの異なる事象及び疾患から生じ得る。かかる損傷は、傷害を受けた器官又は組織の機能を損なうか完全に破壊するおそれがあり、かかる損傷の転帰は、罹患した組織又は器官の性質及び役割に依存する。創傷治癒応答は、最も一般的には、皮膚の創傷治癒に関連して記述される。創傷は有痛性であるので、創傷形成に関連する事象は別としても、創傷治癒の遅れは患者又は動物の痛み発生の延長をもたらす可能性がある。
【0003】
したがって、皮膚の損傷又は創傷を治療するための改善された技術が常に必要とされている。また、皮膚及び皮膚創傷を処置・治療するための改善された組成物が必要とされている。本開示が対象とするのは、とりわけこのような必要性である。
【概要】
【0004】
本願は、治療用組成物、治療用組成物の調製方法、及び治療用組成物を用いて種々の皮膚の創傷、疾患及び不快を治療する方法を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】ホホバ油中プランタゴの例示的な抽出物の、波長210nmでのUPLCクロマトグラムを示す図である。
【図1B】ホホバ油中プランタゴの例示的な抽出物の、波長254nmでのUPLCクロマトグラムを示す図である。
【図1C】ホホバ油中プランタゴの例示的な抽出物の、波長280nmでのUPLCクロマトグラムを示す図である。
【図1D】ホホバ油中プランタゴの例示的な抽出物の、波長330nmでのUPLCクロマトグラムを示す図である。
【図1E】ホホバ油中プランタゴの例示的な抽出物の、波長450nmでのUPLCクロマトグラムを示す図である。
【図2】ホホバ油中プランタゴの例示的な抽出物の、異なるピークの種々の質量スペクトル(ESI−陽イオンモード)を示す図である。
【定義】
【0006】
本明細書において、種々の用語は、以下のように定義される。特に断らない限り、本明細書で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本開示が属する分野の当業者によって通常理解されている意味と同じ意味を有する。
【0007】
組成物及びその使用方法は、本明細書を通して開示される任意の成分「を含む」、「から本質的になる」、又は「からなる」ことができる。
【0008】
本明細書で検討される任意の実施形態は、本開示のいずれかの方法又は組成物に関して実施できることを企図しており、その逆も同様である。さらに、組成物は、本明細書に開示される方法を達成するために使用し得る。
【0009】
「局所適用」は、組成物を角質組織の表面に適用する、又は広げることを意味する。「局所皮膚用組成物」は、角質組織上への局所適用に適した組成物を含む。かかる組成物は、皮膚に適用したときに、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー応答などを有しないという点において、一般に皮膚科学的に許容可能なものである。局所スキンケア用組成物は、皮膚に適用した後の著しい液だれ又は貯留を回避するために選択された粘性を有し得る。
【0010】
「皮膚科学的に許容可能な担体、ビヒクル又は媒体」は、その中に活性成分が効果的に組み込まれ得る担体、ビヒクル又は媒体を意味する。皮膚科学的に許容可能な担体は、皮膚に適用したときに、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー応答などが減少し又は回避されるように設計することができる。
【0011】
「不揮発性油」は、通常の温度又は室温でさほど蒸発しない物質を含む。
【0012】
「無毒」は、一般に、ヒト又は動物によって摂取、吸入又は皮膚を介して吸収された際に、急性的又は慢性的に、生体組織の損傷、中枢神経系の障害、重篤な疾病、又は死を引き起こさない物質を指す。また、「無毒」は、無害に、かつ周囲環境に危害を加えることなく組み込むことのできる化合物又は代謝物も指し得る。「無毒」の反対は、「有毒」と定義される。
【0013】
特許請求の範囲及び/又は明細書において、「混合物」、「混合する」、「混合」又はこれらの用語の任意の変形は、撹拌、混和、分散、摩砕、均質化、及び他の類似の方法を含む。開示された組成物の構成要素又は成分の混合により、溶液を形成することができる。他の実施形態において、混合物は、溶液を形成しない場合がある。成分/構成要素は、また、不溶性のコロイド状懸濁物として存在し得る。
【0014】
「約」又は「およそ」は、当業者に理解されるように、近傍にあることと定義され、非限定的な一実施形態では、10%以内、好ましくは5%以内、より好ましくは1%以内、最も好ましくは0.5%以内と定義される。
【0015】
「実質的に」及びその変形は、当業者によって理解されるように、特定されるものの大部分であるが必ずしも全部でないとして定義され、特定の一実施形態において、「実質的に」とは、10%以内、5%以内、1%以内、又は0.5%以内の範囲を指す。
【0016】
特許請求の範囲及び/又は明細書において、「治療する」、「阻害する」、「減少する」又はこれらの用語の任意の変形は、所望の結果を達成するための任意の測定可能な低下又は完全な阻害を含む。
【0017】
明細書及び/又は特許請求の範囲において、「有効」は、所望の、予期される又は意図される結果を達成するために十分であることを意味する。
【0018】
特許請求の範囲における「又は」との文言は、選択肢のみを指すことが明示されている場合又は選択肢が相互に排他的である場合でない限り、「及び/又は」を意味するものとして使用される(ただし、本開示は、選択肢のみと「及び/又は」を指す定義を支持する)。
【0019】
「皮膚」は、哺乳類(例えば、ヒト、ウマ)の表皮、真皮、角質層又はそれらの組み合わせを含む。
【0020】
「創傷」は、主に皮膚の創傷に関して記述され得る。皮膚の創傷は、放射線治療、傷害、疾病及び疾患を含む一連の状況から生じ得るものである。当業者は、本開示に従った創傷治癒の加速が表面的な皮膚の創傷に限定されるべきでないことを認識し得る。
【詳細な説明】
【0021】
特定の実施形態は、治療用組成物、治療用組成物の調製方法、及び治療用組成物を用いて皮膚又は創傷を処置・治療する方法を含む。一実施形態において、組成物は、プランタゴ・ランセオラタ(Plantago lanceolata)、プランタゴ・マヨール(Plantago major)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物材料から担体油(例えば、ホホバエステル、ホホバ油)に抽出される少なくとも1種の成分を含む。本発明者は、組成物の局所適用は治癒又は創傷治癒速度の加速を補助し得ると考えている。
【0022】
特定の一実施形態において、治療用組成物は、(1)担体油(例えばホホバ油)又はホホバエステル、(1)植物材料(例えば、プランタゴ・ランセオラタ、イングリッシュ・プランテイン(English plantain)とも称される)から担体油又はホホバエステルへの植物抽出物、及び(3)皮膚科学的に許容可能な担体を含む。本治療用組成物は、精油(例えばフレンチ・ラベンダー(French lavender))をさらに含むことができ、保存剤(例えばビタミンE油)を用いて保存することができる。また、特別の必要性や結果に組成物を適応させるために、約1.5%までの他の治療用精油を組成物に添加することもできる。
【0023】
特定の実施形態に使用するための植物材料及び油は、伝統的供給資源から収集することができる。幾つかの例では、プランタゴ・ランセオラタ(イングリッシュ・プランテインとも称される)材料は、通常の技術を用いて収集することができ、皮針形(開張性又は直立性)の根出葉を、本実施形態に使用することができる。さらに、プランタゴ・マヨールは、オオバコ科(Plantaginaceae)プランタゴの一種であり、通常の技術を用いて収集し得る。全ての植物は、所望であれば、有機物であってもよい。植物材料は、所望の結果を得るために、担体油、ホホバエステル又はシリコーン流体に抽出し得る。
【0024】
ホホバエステル又はホホバ油は、種々の実施形態に適しており、ホホバ油の水素化物又はエステル交換生成物であってもよい。実際、ホホバ油には、多くの機能特性を有する天然の長鎖線状エステルの複雑な混合物がなり得る。一実施形態では、ホホバ油の97%超が、一連の液体ワックスエステルで構成されており、混合トコフェロール、遊離ステロール及び他の不鹸化材料の組み合わせが残部を形成していた。ホホバエステルはワックスであってもよく、ホホバエステルのトリグリセリド成分が存在しなくてもよい。化学的には、ホホバエステルには、長鎖(C36〜C46)脂肪酸と脂肪アルコールとがエステル結合によって連結された複雑な混合物がなり得る。ホホバエステルは、ホホバ油、水素化ホホバ油、又はこれら2つの混合物のエステル交換によって製造し得る。特定の一実施形態において、ホホバエステルは、トランス不飽和部を全く含有しない。
【0025】
植物材料は、所望の利益を達成するために変化させてもよいことが理解される。例えば、カレンデュラ(calendula)を組成物に添加することができ、これにより組織の成長が刺激されると考えられる。他の植物材料の例としては、打撲傷に対するウサギギク属植物、創傷治癒のためのカレンデュラ、鎮痛のためのカモミールが挙げられる。幾つかの抽出物を、組成物の香りを改善させるために添加してもよい。他の植物材料をその公知の特性に基づいて添加することができ、そのような特性は種々の研究材料において容易に見出される。
【0026】
いかなる特定の理論にも拘束されないが、本発明者は、植物材料からの少なくとも1種の活性剤又は活性要素が、担体油又はホホバ油若しくはホホバエステルに抽出されると理論立てている。幾つかの実施形態において、該要素は容易には同定し得ないが、本明細書の種々な方法に従って、予測可能に調製することができる。治療用組成物を調製するための多くの方法があるが、特定の一実施形態において、治療用組成物は、
a)ホホバエステル又はホホバ油の一部を、プランタゴ・ランセオラタ、プランタゴ・マヨール又はそれらの組み合わせを含む群から選択される植物材料と混合するステップと、
b)混合物を所定期間加熱するステップ(幾つかの場合には、エステルを融解させることができ、エステルを液状に保つために十分な温度で約6時間浸漬することができる)と、
c)混合物を冷却するか、放置して冷却させるステップと、
d)植物材料を(例えば混合物内で)粉砕するステップと、
e)任意選択で、混合物をより長い期間(例えば、約1週間〜約1カ月間以上)浸漬するステップと、
f)植物材料を混合物から物理的に除去するステップと、
によって調製することができる。
【0027】
任意選択で、上記方法は、混合物を送達可能な形態(例えば、ゲル、香油、クリーム)に混合物を製剤化するステップを含むことができる。また、エステル又は油中への要素の収率を改善するために、いずれかのステップ[例えば、ステップa)及びステップb)]を繰り返すことも可能である。
【0028】
組成物におけるホホバエステル又はホホバ油の植物材料(例えばプランタゴ)に対する比率は、約2.0%〜約50.0%の範囲とし得る。一実施形態において、ホホバエステルの植物材料に対する比率は、約4.25であった。他の実施例において、ホホバエステルの植物材料に対する比率は、約5%〜約25%の範囲であった。幾つかの実施例において、ホホバエステル及び植物の部分は、組成物の約2〜約20%の範囲であった。当業者は、ホホバエステル又はホホバ油の植物材料に対する適切な比率を、抽出の規模に基づいて選択することができる。例示的な担体油としてホホバ油を用いたが、担体油は、植物由来の油を含む商業的に入手可能な任意の油でもよいことが理解される。例えば植物油(ヒマシ油、綿実油、コーン油)も使用し得る。鉱油又は他の合成油も使用し得る。
【0029】
植物材料の担体油又はホホバ油への抽出に必要な時間は、反応の規模に依存し得る。150オンスの反応混合物の場合には、加熱期間は4〜24時間の範囲とし得る。抽出は、24時間を超える及び24時間未満の各時間の間に生じる場合もあり、所望の結果を得るための適切な時間は、過度の実験を行うことなく決定し得る。当業者は、抽出時間が、一連の条件に依存し得るものであり、また一連の条件と共に変動し得ることを認識するであろう。
【0030】
植物材料の担体油又はホホバ油への抽出を改善するために、担体油は加熱(例えば摂氏80度超)及び冷却することができ、植物は粉砕することができ、並びに/又は植物は担体油中に浸漬することができる。一実施例においては、植物材料を、約1カ月間、80度で浸漬した。この後、油は水切りをし、又は別の油、例えばフレンチ・ラベンダー精油と混合(例えば5%まで)することができる。約1%以下の少なくとも1種の成分がホホバ油又は担体油に抽出されると考えられる。
【0031】
「精油」には、香草、花、樹木、及び他の植物由来の油が含まれる。かかる油は、当業者に公知の幾つかの方法(例えば、水蒸気蒸留、冷浸法(脂肪を使用した抽出)、浸軟、溶媒抽出、機械的圧縮)により抽出し得る。この種の油は、空気に曝されたとき、蒸発する傾向がある(揮発性油)。結果として、多くの精油が無色であるが、経時的に酸化され、色が濃くなる可能性がある。精油は、水に不溶性であり、アルコール、エーテル、固定油(植物性)及び他の有機溶媒に可溶性である。精油に見出せる典型的な物理的特性としては、摂氏約160度〜240度で変動する沸点が挙げられる。
【0032】
精油は、典型的には、油が見出される植物に基づいて命名される。例えば、バラ油又はペパーミント油は、それぞれ、バラ植物又はペパーミント植物に由来する。本発明に関して使用できる精油の非限定的な例としては、チャノキ油、マツヨイグサ油、スペイン産セージ油、スペイン産ローズマリー油、コリアンダー油、タイム油、ピメントベリー油、バラ油、アニス油、バルサム油、ベルガモット油、ローズウッド油、シーダー油、カモミール油、セージ油、クラリセージ油、クローブ油、イトスギ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、シーフェンネル油、乳香油、ゼラニウム油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ジャスミン油、ビャクシン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、マンダリン油、マヨラナ油、ミルラ油、ネロリ油、オレンジ油、パチョリ油、コショウ油、黒コショウ油、プチグレイン油、マツ油、ローズオット油、ローズマリー油、サンダルウッド油、スペアミント油、カンショウ油、ベチバー油、ウィンターグリーン油、又はイランイランが挙げられる。当業者に公知の他の精油も、本発明に関する限り有用であることを企図している。
【0033】
特定の一実施形態において、組成物は、ラノリンなどのワックスを含み得る。化学的に、ラノリンは、脂肪酸と高分子量アルコールとのエステルの混合物であるワックスである。例えば、典型的な高純度ラノリンは、長鎖ワックス性エステルから主に構成され(約97重量%)、残りはラノリンアルコール、ラノリン酸及びラノリン炭化水素である。180種を超える異なる酸及び80種のアルコールが同定されている。融点は、摂氏約40度である。ラノリンは、水に不溶性であるが、水と非常に安定なエマルジョンを形成する。ラノリンが、ヒトの皮膚の脂質の多くの機能を模倣及び増強できる医用材料として機能し得ることは公知である。一実施例においては、低アレルギー性ラノリンを用いて、植物材料、例えばプランタゴ・マヨールから構成物質を抽出した。ラノリンは、組成物の約10〜約30%でもよい。
【0034】
さらに、1種又は複数の抗菌剤又は酸化防止剤を、本組成物の製造及び貯蔵時における保存及び/又は安定化のために使用してもよい。例えば、薬学的に許容可能な多数の保存剤の1種又は複数を、本発明の種々の実施形態に使用し得る。かかる保存剤としては、限定されないが、エタノール、パルチミン酸アスコルビル、エチルパラベン及びメチルパラベン、ブチルアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、クロロブタノール、エチレンジアミン、エチルバニリン、モノチオグリセロール、フェネチルアルコール、安息香酸及びその塩が挙げられる。一実施例では、組成物を、ビタミンE油を用いて保存した。当業者は、過度の実験を伴うことなく、1種又は複数の保存剤を選択し得る。
【0035】
治療用組成物は、送達のために、種々の液体、固体、及びゲル様材料に製剤化し得る。組成物は、水性及び油性エマルジョン、無水製剤として調製し得る。例えば、これらの形態としては、軟膏、クリーム、ゲル、ペースト及び他の形態などの液体が挙げられる。組成物には、酸化防止剤、芳香剤/香料、ビタミン類、乳化剤、化粧水、血清、ローション、エリキシル剤、日焼け防止剤などをさらに含め得る。また、抗菌剤、殺菌剤、及び粘稠化剤を組成物に含めてもよい。特定の一実施形態においては、組成物は軟膏として形成される。
【0036】
特定の実施形態において、シリコーン含有化合物及びシリコーンワックス化合物は、分子の主鎖が交互するケイ素原子及び酸素原子からなり、側基が主鎖とケイ素原子に結合している、高分子製品群の任意の一員を含む。−Si−O−鎖の長さ、側基、及び架橋を変化させることで、シリコーンは、広範な種類の材料に合成され得る。シリコーンは、液体からゲル、固体まで、コンシステンシーを変化させ得る。本発明に関して使用できるシリコーン含有化合物としては、本明細書に記載するもの又は当業者に公知のものが挙げられる。非限定的な例としては、シリコーン油(例えば、揮発性油及び不揮発性油)、ゲル、及び固体が挙げられる。ある種の態様において、シリコーン含有化合物には、ポリオルガノシロキサンなどのシリコーン油が含まれる。ポリオルガノシロキサンの非限定的な例としては、ジメチコン、シクロメチコン、ポリシリコーン−11、フェニルトリメチコン、トリメチルシリルアモジメチコン、ステアロキシトリメチルシラン、又は、意図する適用(例えば、皮膚、毛髪、眼などの特定部位に対する適用)に応じた所望のコンシステンシー及び適用特性の達成を目的とした、任意の所与の比率での上記ポリオルガノシロキサンと他のオルガノシロキサン材料との混合物が含まれる。「揮発性シリコーン油」としては、気化熱の低いシリコーン油(シリコーン油1グラムあたり通常約50カロリー未満の気化熱を有するシリコーン油)が挙げられる。揮発性シリコーン油の非限定的な例としては、シクロメチコン(例えば、ダウコーニング(Dow Corning)344フルイド(Fluid)、ダウコーニング345フルイド、ダウコーニング244フルイド、及びダウコーニング245フルイド、揮発性シリコーン7207(Union Carbide Corp.、Danbury、Conn.)、並びに低粘性ジメチコン(約50cst以下の粘性を有するジメチコン)が挙げられる。ダウコーニングフルイドは、Dow Corning Corporation、Midland、Mich.から入手可能である。シクロメチコン及びジメチコンは、CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary、第3版(参照により組み込まれる)において、環状ジメチルポリシロキサン化合物、及び、トリメチルシロキシ単位で末端がブロックされた完全メチル化線状シロキサンポリマーの混合物として、それぞれ記載されている。
【0037】
一実施例では、ジメチコンを用いてゲル様材料が調製可能であった。ジメチコンは、軟膏基剤として使用される商業的に入手可能なシリコーン剤である。ジメチコンは、約0.5〜約95容積%の範囲で存在させることができた。幾つかの実施例では、ジメチコンを、組成物の約2.5〜約88.5%の範囲とした。幾つかの実施形態では、ジメチコンをラノリンと共に使用し得る。当業者は、過度の実験を伴うことなく、ゲルとして治療用組成物を製剤化し得る。
【0038】
他の実施形態において、治療用組成物には、硫黄(例えば、火山灰、シルト)、クレー(例えばカオリンクレー)及び他の成分(例えば、酸化亜鉛、カレンデュラを煎じたグリセリン及びポリソルベート)を配合することができる。組成物は、動物(例えばウマ)でよくみられる真菌感染などの感染を治癒し死滅させ得ることが見出された。
【0039】
使用及び適用において、治療用組成物を用いる治療を受けた皮膚では、治癒の改善及び治癒の加速化が示された。処置された創傷の再上皮形成速度の増加及び創傷治癒の加速化は、創傷の再上皮形成速度の増加によって、最も容易に実証し得る。かかる上皮被覆(例えば表皮)が修復又は再生される速度の増加は、問題となっている創傷の治癒が加速されていることを示すものである。また加速された創傷治癒は、肉芽組織の生成を通して生じ得る創傷の「充填」とは区別し得るものである。加速された創傷治癒では、処置された創傷の治癒速度が、未処置の創傷よりも少なくとも5%速く、又は少なくとも10%速く、又は少なくとも15%若しくは100%(若しくはそれ以上)速くなり得る。また、ある種の実施形態では、動物における真菌感染を減少又は除去し得ることも見出された。
【0040】
さらに、治療用組成物による治療では、外観の改善がもたらされ得る。かかる改善には、炎症、瘢痕外観、非炎症性にきび、外科的瘢痕、荒れた皮膚若しくはきめの粗い皮膚、しみが多い皮膚状態、又は日光により損傷を受けた皮膚の外観の改善が含まれる。組成物は、内部又は表面に組成物が配置される動物に対して、実質的に無毒であった。
【0041】
治療用組成物は、効果の奏功を意図する部位に適用し得るので「局所医薬」として適用し得る。本発明に従った使用に適する局所医薬としては、限定されないが、軟膏、クリーム、ローション、ゲル、スプレー、活性剤を身体に放出し得る創傷包帯、及び局注(例えば皮内注射)により投与される注射性溶液が挙げられる。投与経路は、治療有効量の活性化合物を、治癒が加速される創傷の周囲又は下部の結合組織(例えば、皮膚の創傷の場合は真皮)に供給することを可能にするものである。
【0042】
適用される治療用組成物の量は、処置される部位によって決定することができ、この量は治療有効量とし得る。治療用組成物を皮膚又は皮膚創傷に適用する場合、罹患した部位を覆うように十分な材料を分配することができる。塗布具を備えた器具又は装置を、本明細書に開示される種々の実施形態の組成物を適用するために使用することができる。かかる器具又は装置は、組成物の均一な被膜の形成に役立つように、皮膚全面に一定の圧力を適用することができる。かかる装置は動力付きであってもよく、手動であってもよい。皮膚の傷害の場合には、組成物を手動で適用することが適切となり得る。さらに、リップバームとしての組成物は手動で適用し得る。
【0043】
本発明の組成物はまた、多くの化粧用製品で使用することができる。化粧用製品としては、限定されないが、日焼け止め製品、サンレス皮膚タンニング製品、毛髪用製品、爪用製品、保湿クリーム、皮膚栄養クリーム、及びローション、軟化剤、日中用ローション、ゲル、軟膏、ファンデーション、夜用クリーム、リップスティック、クレンザー、化粧水、マスク、皮膚美白剤/ブライトナー、又は他の公知の化粧用製品及び適用品が挙げられる。さらに、化粧用製品は、洗い流し不要製品又は洗い流しが必要な製品として製剤化し得る。ある種の態様において、本発明の組成物は単独使用型の製品である。
【0044】
組成物の切り傷、創傷、火傷及び潰瘍への適用は、感染の治療又は感染からの皮膚の保護という両方の点で有益である。すべてのかかる事例において、本発明の組成物は使用が容易であって、適用時は半固体であるが皮膚に擦り込むとすぐに液状となる。
【0045】
組成物の特定の例は創傷の治療に使用され得る。本発明の組成物を用いて治療し得る皮膚創傷としては、火傷、日焼け、切り傷、擦り傷、急性及び慢性の創傷などが挙げられる。火傷、潰瘍、急性及び慢性の創傷の治療は、典型的には、創傷をできるだけ清潔に保つこと、及び、患者をできるだけ快適にさせることに向けられている。この点に関して、創傷の保湿は患者を快適にさせる利点があることが認識されている。保湿環境の維持には、組織を冷却する効果がある一方で、火傷の皮内温度を低下させ得る利点があり、組織内の熱による組織損傷の進行を変更させることに役立つであろう。
【0046】
本発明のある種の態様に使用されるものとしてキットも企図される。例えば、本発明の組成物はキットに含めることができる。キットには容器を含めてもよい。容器には、瓶、金属管、ラミネート管、プラスチック管、ディスペンサ、圧力容器、遮断容器、包装、仕切り、リップスティック容器、加圧容器、化粧用組成物を保持可能な化粧用皿、又は他の種類の容器、例えば、分散液若しくは組成物又は所望の瓶、ディスペンサ若しくは包装を中に保持する射出成形又はブロー成形プラスチック容器などを挙げることができる。キット及び/又は容器はその表面に印を含んでもよい。印は、例えば、単語、句、略称、絵又は記号でもよい。
【0047】
容器は、所定量の組成物を分配することができる。他の実施形態において、容器は、所望量の組成物を分配するために絞り出し得る(例えば、金属管、ラミネート管、プラスチック管)。組成物は、スプレー、エアロゾル、液体、流体、又は半固体として分配され得る。容器は、噴霧器、ポンプ又は絞り出し機構を有し得る。またキットには、キットの構成要素を利用するための指示書及び容器に含まれる任意の他の組成物を使用するための指示書を含め得る。指示書には、組成物の適用、使用及び維持の仕方についての説明を含めることができる。
【実施例】
【0048】
以下の実施例は、本発明の種々の特定の実施形態を例証することを意図したものである。
【0049】
1.治療用組成物の調製
植物材料(プランタゴ・ランセオラタ及び/又はプランタゴ・マヨール)を、暗室において72度で約2週間かけて脱水した。ホホバエステル又はホホバ油を水なしで植物材料と混合した。ホホバエステル又はホホバ油の植物に対する比率は約4.25であった。すなわち、1ガロンのホホバエステルを約30ozの植物材料と混合した。混合物を摂氏約90度に20分かけて加熱した。次いで、植物を粉砕し、覆いをかけずに放置してさらに冷却させ、次いで約1週間、高温(摂氏約80度)で浸漬した。植物材料を浸漬した後、植物材料を混合物から除去し、皮膚科学的に許容可能な担体を混合物に配合した。
【0050】
他の実施例において、ラノリン抽出物を、ラノリン及び植物材料を、摂氏約80〜90度の高温で加熱することによって調製し得る。植物材料をミキサーで粉砕し、約12時間以上放置した。加熱ステップにより、植物材料をラノリンに分離させた。ラノリンの植物に対する比率は、1ガロンのラノリンに対して約30oz乾燥植物材料であった。
【0051】
2.例示組成物
各実施例において、最初にホホバ油又はホホバエステルを用いて植物材料を抽出した。その後、油又はエステルに他の材料を配合して局所皮膚用組成物を製剤化した。
【0052】
組成物Iの配合は次の通りであった。
【表1】

【0053】
組成物IIの配合は次の通りであった。
【表2】

【0054】
組成物IIIの配合は次の通りであった。
【表3】

【0055】
組成物IVの配合は次の通りであった。
【表4】

【0056】
組成物Vの配合は次の通りであった。
【表5】

【0057】
組成物VIの配合は次の通りであった。
【表6】

【0058】
5.ホホバ油中への抽出
植物材料をホホバ油に浸して、活性成分を吸収させた。次いで、混合物を加熱し、冷却した。ホホバ油(1ml)中の生成物を、4mlのメタノールで抽出し、抽出物を蒸発により乾燥し、1mlのメタノールで再溶解し、再溶解液を分析のためにUPLC/UV及びUPLC/MSにかけた。UPLC/UV及びUPLC/MSを用いてすべての抽出物を分析した。アクイティ(Acquity)UPLC BEH Shield RP18 1.7μm,100×2.1mmカラムを40度で使用した。全操作時間は20分であった。表1にUPLCの移動相を示す。
【0059】
【表7】

【0060】
図1A〜1Eから明らかなように、油は、異なる波長(210nm、254nm、280nm、330nm、450nm)のUPLCクロマトグラムから同定可能な内容物を含有する。この知見は、ホホバ油の抽出物であるプランタゴ抽出物の異なるピークの質量(ESI−陽イオンモード)スペクトルを示す図2によって、さらに支持される。
【0061】
6.多段階の治癒的治療
ホホバ油を、プランタゴ・ランセオラタ植物及び/又はプランタゴ・マヨール植物と混合し、植物中に含有される活性成分を吸収させた。植物を暗室中72度で、すべての水が枯渇するまで約2週間かけて脱水した。シリコーン中に配置した植物の量は、シリコーンで植物材料を覆うことができないので少量とした。植物材料は、葉を柔らかくする(すなわち熱する)ために少しずつ追加しながら配置し、次いで、より多くの植物材料を油に添加し得るように粉砕することができる。この適用に必要な濃度を得るために、すべての植物材料を一度には添加しなかった。10オンスのプランタゴ・ランセオラタ及び/又はプランタゴ・マヨール材料をステンレスポットの中に配置し、約5000mlのジメチコンで覆った。次いで、ポットにフタをし、室温で一晩静置した。
【0062】
抽出プロセスを完了させ、植物材料を除去し、ホホバ油とシリコーンを合わせた。混合物を担体油と合わせ、次いで洗浄して植物材料を除去した。材料を治療用ゲルとした。
【0063】
7.組成物の有効性を例示する実施例
組成物の有効性又は所与の組成物内の活性成分の有効性は、当業者に公知の方法によって決定した。以下は、種々の実施形態の内容で使用し得る非限定的な結果である。
【0064】
毒ツタウルシ皮膚炎及び毒ウルシ皮膚炎:
一症例研究では、35歳近くの女性患者が、両腕の手からひじまでの掌側表面に毒ウルシによる接触性皮膚炎を被っていた。患者は、コルチゾン及びカラミンを含む種々の局所治療を受けていたが、軽減されていなかった。組成物Iを両腕に適用したところ、約10秒以内に患者は痒みを全く感じなくなった。患者は組成物Iの1日3回(毎日3回の服用)の適用を続け、4日までに皮膚は治癒した。
【0065】
他の症例研究では、男性患者が、毒ツタウルシに組成物Iの適用を受けた。患者の報告によれば、15秒未満で痒みが完全に緩和された。
【0066】
昆虫刺咬症:
一症例研究では、55歳の女性がスズメバチに手を刺されていた。女性の反応は、激しい痛みと即時の腫れを伴う典型的なものであった。女性が組成物Iの適用を手に受けたところ、1分以内に痛みが和らぎ、2分までに痛みを全く感じなくなった。腫れは5分までに消失し、刺傷の部位は10分までに完全に治癒した。
【0067】
他の症例研究では、60歳近くの女性が両上腕に黄蜂による刺傷を有していた。翌朝も痛みは続き、痛みは相当なものであった。患者が両方の罹患部位に組成物Iの適用を受けたところ、10秒以内に痛みは完全に軽減した。
【0068】
他の症例研究では、65歳の男性がサソリに親指を刺されていた。刺された後、傷から多量の出血があり、痛みは激しかったと説明された。患者が組成物Iの適用を受けたところ、痛みはすぐに軽減した。
【0069】
日焼け:
一症例研究では、22歳の男性が中等度の日焼けを有しており、この日焼けに組成物Iの適用を受けた。皮膚の堅さは軽減されなかったが、日焼けの刺痛は5〜10分以内に完全に軽減した。患者は、必要に応じ、大方は約4時間ごとに、生成物の適用を続けた。
【0070】
湿疹及び乾癬:
一研究では、少なくとも10人の患者が、組成物I又は組成物IIIを皮膚の罹患部位に適用した後に、湿疹の症候が軽減したことを報告した。痒みは数分以内に軽減し、鱗状赤みは多くの場合に数日以内に治癒した。
【0071】
1人の患者は、首の後ろの毛の生え際における乾癬病変に組成物Iの適用を受けた。患者の報告によれば、その部位に1日中激しい痒みを有していたが、組成物Iの適用後、痒みはすぐに軽減した。しかし、患者の痒みは完全に軽減され続けたものの、上皮はきれいにはならなかった。
【0072】
II期の褥瘡:
一研究では、組成物はII期褥瘡に対する効果を示した。介護施設で寝たきりの年配の女性は、仙骨領域に約4×5cmのII期の褥瘡を2年余にわたって有していた。多数の製品が先に使用されてきたが成功しないものばかりであった。組成物IIIを含む種々の組成物を適用後、褥瘡は14日未満で閉じた。
【0073】
II期の褥瘡を3年間有している年配の男性は、先に種々の製品及び包帯による治療を受けてきた(限定された成功なし)。また、健康管理専門家が他の方法を試したが、褥瘡は治癒しなかった。組成物IIIを1日2回、罹患部位に適用したところ、11日以内に傷が閉じた。
【0074】
前腕に広範な上皮裂傷を有する年配の女性は組成物IIの治療を受けた。数日以内に上皮は完全に治癒した。
【0075】
別の男性は、激しい灼熱感を生じる、広く行き渡った失禁皮膚炎を訴えていた。組成物Iの適用後、2分以内に患者の痛みは完全に軽減し、24時間以内に発疹は解消した。
【0076】
小児おむつ皮膚炎:
約40人の、軽度から上皮が剥げ水泡が生じた状態まで種々の程度のおむつ皮膚炎を有する乳児に対して、組成物IVによる治療が成功を収めてきた。通常、痛みは数秒以内に軽減され、発疹は24時間未満に解消される。
【0077】
放射線及び内科的腫瘍学:
多数の患者は、放射線皮膚炎の予防及び治療の両方で組成物Iを使用してきた。患者が組成物Iの適用を模擬実験で受ける場合、多くの例で、放射線皮膚炎が予防されるか又は有意に遅延する。対症療法的手法では、組成物Iの適用後すぐに痛み及び灼熱感が軽減する。
【0078】
転移性乳癌又は結腸癌のためにゼローダ(Xeloda)(登録商標)(カペシタビン)を使用した結果として手足症候群に罹っている患者では、組成物Iの使用により、亀裂した手及び足がうまく治療された。痛みは数分以内に軽減され、上皮の修復は通常10日未満で生じる。
【0079】
上記の実施形態の詳細な説明及び実施例はもっぱら例証を目的としたものであり、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲及び趣旨並びにその均等物を制限することを意図したものではない。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく本明細書に開示の発明に多くの変更を加え得ることは、当業者には認識されよう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランタゴ・ランセオラタ(Plantago lanceolata)、プランタゴ・マヨール(Plantago major)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物材料からホホバエステル又はホホバ油中に抽出された少なくとも1種の成分を含む組成物。
【請求項2】
ホホバエステルは、エステル結合により連結された長鎖脂肪酸及び脂肪アルコールを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
酸化亜鉛をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
クレーをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
薬学的に許容可能な添加剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
実質的に無水である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
硫黄又は硫黄含有物質をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
オレンジ、レモン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される果実抽出物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
種子油からなる群から選択される精油をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
a)(i)ホホバエステル又はホホバ油と、(ii)プランタゴ・ランセオラタ(Plantago lanceolata)、プランタゴ・マヨール(Plantago major)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物材料と、の混合物を調製するステップと、
b)混合物を第1の所定加熱期間、ある温度で加熱するステップと、
c)混合物を第2の所定期間冷却するステップと、
d)混合物から植物材料を物理的に除去することによって少なくとも1種の成分を単離するステップと、
を含む方法によって調製された組成物。
【請求項11】
混合物を浸漬して、植物材料からの少なくとも1種の成分の抽出を改善するステップをさらに含む請求項10に記載の方法を用いて調製された組成物。
【請求項12】
さらに混合物を送達可能な形態に製剤化することによって調製された組成物。
【請求項13】
混合物を複数期間加熱するステップ及び混合物を複数期間冷却するステップをさらに含む、請求項10に従って調製された組成物。
【請求項14】
精油を混合物と合わせるステップをさらに含む、請求項10に従って調製された組成物。
【請求項15】
クレーを混合物と合わせるステップをさらに含む、請求項10に従って調製された組成物。
【請求項16】
植物材料を混合物内で粉砕するステップをさらに含む、請求項10に従って調製された組成物。
【請求項17】
エージングステップは、混合物を暗所で少なくとも所定期間貯蔵するステップを含む、請求項10に従って調製された組成物。
【請求項18】
混合物は局所用に製剤化される、請求項10に従って調製された組成物。
【請求項19】
請求項1に記載の組成物を皮膚に適用するステップを含む、皮膚の処置方法。
【請求項20】
前記組成物は、皮膚の創傷を治療するための植物抽出物を治療有効量含有する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の組成物の治療有効量を皮膚に適用するステップを含む、皮膚の疾患の治療方法。
【請求項22】
(a)(i)プランタゴ・ランセオラタ(Plantago lanceolata)、プランタゴ・マヨール(Plantago major)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物材料からホホバエステル中に抽出される少なくとも1種の成分、(ii)種子油、及び(iii)精油、からなる群から選択される抽出物の組み合わせと、
(b)皮膚科学的に許容可能な担体と、
を含む局所皮膚用組成物。
【請求項23】
皮膚科学的に許容可能な担体は(i)ラノリン及び(ii)保存剤を含む、請求項22に記載の局所皮膚用組成物。
【請求項24】
実質的に無水である局所皮膚用組成物。
【請求項25】
皮膚科学的に許容可能な担体は(i)1〜51重量%のシリコーンと(ii)1〜3重量%のジメチコンとを含む、請求項22に記載の局所皮膚用組成物。
【請求項26】
(a)(i)ホホバエステル又はホホバ油と、(ii)プランタゴ・ランセオラタ(Plantago lanceolata)、プランタゴ・マヨール(Plantago major)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物材料と、の混合物を調製するステップと、
(b)混合物を第1の所定加熱期間、ある温度で加熱するステップと、
(c)混合物を第2の所定期間冷却するステップと、
(d)混合物から植物材料を物理的に除去することによって少なくとも1種の成分を単離するステップと、
を含む、組成物の調製方法。
【請求項27】
前記組成物は、皮膚の創傷を治療するための植物抽出物を治療有効量含有する、請求項26に記載の方法。
【請求項1】
プランタゴ・ランセオラタ(Plantago lanceolata)、プランタゴ・マヨール(Plantago major)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物材料からホホバエステル又はホホバ油中に抽出された少なくとも1種の成分を含む組成物。
【請求項2】
ホホバエステルは、エステル結合により連結された長鎖脂肪酸及び脂肪アルコールを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
酸化亜鉛をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
クレーをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
薬学的に許容可能な添加剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
実質的に無水である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
硫黄又は硫黄含有物質をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
オレンジ、レモン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される果実抽出物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
種子油からなる群から選択される精油をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
a)(i)ホホバエステル又はホホバ油と、(ii)プランタゴ・ランセオラタ(Plantago lanceolata)、プランタゴ・マヨール(Plantago major)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物材料と、の混合物を調製するステップと、
b)混合物を第1の所定加熱期間、ある温度で加熱するステップと、
c)混合物を第2の所定期間冷却するステップと、
d)混合物から植物材料を物理的に除去することによって少なくとも1種の成分を単離するステップと、
を含む方法によって調製された組成物。
【請求項11】
混合物を浸漬して、植物材料からの少なくとも1種の成分の抽出を改善するステップをさらに含む請求項10に記載の方法を用いて調製された組成物。
【請求項12】
さらに混合物を送達可能な形態に製剤化することによって調製された組成物。
【請求項13】
混合物を複数期間加熱するステップ及び混合物を複数期間冷却するステップをさらに含む、請求項10に従って調製された組成物。
【請求項14】
精油を混合物と合わせるステップをさらに含む、請求項10に従って調製された組成物。
【請求項15】
クレーを混合物と合わせるステップをさらに含む、請求項10に従って調製された組成物。
【請求項16】
植物材料を混合物内で粉砕するステップをさらに含む、請求項10に従って調製された組成物。
【請求項17】
エージングステップは、混合物を暗所で少なくとも所定期間貯蔵するステップを含む、請求項10に従って調製された組成物。
【請求項18】
混合物は局所用に製剤化される、請求項10に従って調製された組成物。
【請求項19】
請求項1に記載の組成物を皮膚に適用するステップを含む、皮膚の処置方法。
【請求項20】
前記組成物は、皮膚の創傷を治療するための植物抽出物を治療有効量含有する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の組成物の治療有効量を皮膚に適用するステップを含む、皮膚の疾患の治療方法。
【請求項22】
(a)(i)プランタゴ・ランセオラタ(Plantago lanceolata)、プランタゴ・マヨール(Plantago major)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物材料からホホバエステル中に抽出される少なくとも1種の成分、(ii)種子油、及び(iii)精油、からなる群から選択される抽出物の組み合わせと、
(b)皮膚科学的に許容可能な担体と、
を含む局所皮膚用組成物。
【請求項23】
皮膚科学的に許容可能な担体は(i)ラノリン及び(ii)保存剤を含む、請求項22に記載の局所皮膚用組成物。
【請求項24】
実質的に無水である局所皮膚用組成物。
【請求項25】
皮膚科学的に許容可能な担体は(i)1〜51重量%のシリコーンと(ii)1〜3重量%のジメチコンとを含む、請求項22に記載の局所皮膚用組成物。
【請求項26】
(a)(i)ホホバエステル又はホホバ油と、(ii)プランタゴ・ランセオラタ(Plantago lanceolata)、プランタゴ・マヨール(Plantago major)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物材料と、の混合物を調製するステップと、
(b)混合物を第1の所定加熱期間、ある温度で加熱するステップと、
(c)混合物を第2の所定期間冷却するステップと、
(d)混合物から植物材料を物理的に除去することによって少なくとも1種の成分を単離するステップと、
を含む、組成物の調製方法。
【請求項27】
前記組成物は、皮膚の創傷を治療するための植物抽出物を治療有効量含有する、請求項26に記載の方法。
【図1A】


【図1B】


【図1C】


【図1D】


【図1E】


【図2】




【図1B】


【図1C】


【図1D】


【図1E】


【図2】


【公表番号】特表2013−508389(P2013−508389A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535342(P2012−535342)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/053427
【国際公開番号】WO2011/050099
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(512103457)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/053427
【国際公開番号】WO2011/050099
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(512103457)

【Fターム(参考)】
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