説明

治療的な関心対象のタンパク質に対する遅延分子の選択的な化学物質接合のためのガラクトースオキシダーゼの使用

【課題】非接合体糖タンパク質と比較して増大したインビボ血漿半減期を有し、且つ少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体と、これに対して共有結合した遅延基とを有する糖タンパク質を含んでなる糖タンパク質接合体の提供。
【解決手段】(a)少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を有する糖タンパク質をガラクトースオキシダーゼと接触させて、反応性アルデヒド官能基を有する酸化された末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を含む糖タンパク質を形成する工程と(b)工程(a)で生成された糖タンパク質生成物を、アルデヒド基と反応することができ且つ遅延基を含む反応体Xと接触させて、式(糖タンパク質)-(遅延基)によって表される接合体を形成する工程とを含んでなる方法。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接合体糖タンパク質と比較して増大したインビボ血漿半減期を有し、且つ少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体と、これに対して共有結合した遅延基とを有する糖タンパク質を含んでなる糖タンパク質接合体を製造するための方法であって:
(a)少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を有する糖タンパク質をガラクトースオキシダーゼと接触させて、反応性アルデヒド官能基を有する酸化された末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を含む糖タンパク質を形成する工程と;
(b)工程(a)で生成された糖タンパク質生成物を、アルデヒド基と反応することができ且つ遅延基を含む反応体Xと接触させて、式(糖タンパク質)-(遅延基)によって表される接合体を形成する工程と;
を含んでなる方法。
【請求項2】
非接合体糖タンパク質と比較して増大したインビボ血漿半減期を有し、且つ少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体と、これに対して共有結合した遅延基とを有する糖タンパク質を含んでなる糖タンパク質接合体を製造するための方法であって:
(a)少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を有する糖タンパク質をガラクトースオキシダーゼと接触させて、反応性アルデヒド官能基を有する酸化された末端ガラクトースまたはこれらの誘導体を含む糖タンパク質を形成する工程と;
(b)工程(a)で生成された糖タンパク質生成物を、アルデヒド基と反応することができ、且つ任意に保護された第二の反応性基を更に含む連結部分を含んでなる反応体Xと接触させて、糖タンパク質と連結部分との接合体を形成する工程と;
(c)工程(b)の生成物を、連結部分の第2の反応基と反応することができる遅延基と接触させて、式(糖タンパク質)-(連結部分)-(遅延基)によって表される接合体を形成する工程と;
を含んでなる方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の方法であって、前記工程(a)または前記工程(c)の前にそれぞれ行われる、以下の工程(a1)および工程(a2)を更に含んでなる方法:
(a1) 糖タンパク質を、シアリダーゼ、ガラクトシダーゼ(galacosidases)、N-アセチルヘキソサミニダーゼ、フコシダーゼ(fucosidases)、マンノシダーゼ、エンドH、およびエンドF3の一以上と接触させて、グリカン構造の一部が除去されている糖タンパク質を形成する工程;
(a2) 工程(a1)の生成物をガラクトシルトランスフェラーゼおよびガラクトース基質と接触させて、少なくとも一つの末端ガラクトースまたはその誘導体を備えた糖タンパク質を形成する工程。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の方法であって、前記工程(a)の前に行われる下記第1の工程(a3)を更に含んでなる方法:
(a3) 少なくとも1つの末端シアル酸残基を有する糖タンパク質を、グリカンからシアル酸を除去できるシアリダーゼまたは別の試薬と接触させて、少なくとも1つの末端ガラクトースまたはその誘導体を含むアシアロ糖タンパク質を形成する工程。
【請求項5】
請求項1、3、または4の何れか1項に記載の方法であって、前記反応体Xは式nuc-Rを有し、ここでのnucは、アルデヒドと反応して共有結合を形成できる官能基であり、Rは遅延基である方法。
【請求項6】
請求項2、3、または4の何れか1項に記載の方法であって、前記反応体Xは式nuc-L1-Rを有し、ここでのnucは、アルデヒドと反応して共有結合を形成できる官能基であり、Rは遅延基であり、L1は連結部分である方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法であって:前記反応体Xは、H2N-R、HR1N-R、H2N-O-R、HR1N-O-R、H2N-NH-COR、H2N-CHR1-CHR-SH、H2N-CHR-CHR1-SH、H2N-NH-SO2R、およびZ'-CH2-Z''-Rからなる群より選択され;ここで、Rは遅延基であり;R1は、Hまたは第2の遅延基であり;Z'およびZ''は、例えばCOOEt、CN、NO2などの電子吸引基を表し;またZ基の一方または両方がR基に結合することができる方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって:前記反応体Xは、H2N-L1-R、HR1N-L1-R、H2N-O-L1-R、HR1N-O-L1-R、H2N-NH-CO-L1-R、H2N-CHR1-CH(L1-R)-SH、H2N-CH(L1-R)-CHR1-SH、H2N-NH-SO2-L1-R、Z'-CH2-Z''-L1-Rからなる群より選択され;ここで、L1は連結部分であり、Rは遅延基であり、R1はHまたは第2の遅延基であり;Z'およびZ''は、例えばCOOEt、CN、NO2などの電子吸引基を表し、またZ基の一方または両方がR基に接続することができる方法。
【請求項9】
請求項2、3、または4の何れか1項に記載の方法であって:前記反応体Xは、式nuc-L1-Rnを有し、ここでのnucは、アルデヒドと反応して共有結合を形成することができる官能基であり、Rは遅延基であり、L1は、1以上の遅延基(R)を反応性官能基(nuc)に結合する多官能性連結部分であり、並びにL1は、遅延(protraction)に寄与してもよく、または寄与しなくてもよく;nは、n=1〜10のような1〜25の整数を表す。
【請求項10】
請求項1〜11の何れか1項に記載の方法であって、前記遅延基は下記からなる群より選択される方法:デンドリマー、ポリアルキレンオキシド(PAO)、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、分枝のPEG、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン-co-マレイン酸無水物、ポリスチレン-co-マレイン酸無水物、デキストラン、カルボキシメチルデキストラン;脂肪酸、C5-C24脂肪酸、脂肪族二酸(例えばC5-C24)などの、アルブミンに結合する化合物などの血清タンパク結合性リガンド、グリカンが受容体(例えばアシアロ糖タンパク質受容体およびマンノース受容体)に結合するのを阻害する構造(例えばシアル酸誘導体または擬態)、カルボン酸またはアミンなどの生理学的条件下で電荷特性を変更する部分か、または小さなアルキル置換基(例えば、C1-C5アルキル)等の、グリカン特異的な認識を防げる中性置換基を含む小有機分子、1以上のカルボン酸、スルホ基のアミン、ホスホン酸、またはこれらの組み合わせを含んでもよい低分子有機荷電ラジカル(例えばC1-C25);シクロデキストリン等の低分子中性親水性分子(例えばC1-C25)、または任意に分枝していてもよいポリエチレン鎖;2〜40 KDaの平均分子量をもつポリエチレングリコール;700〜20.000 Da、またはより好ましくは700〜10.000 Daの間の範囲の正確な分子量をもつデンドリマー等の十分に定義された正確な重合体;並びにアルブミンまたは抗体もしくは任意にFc-ドメインを含む抗体の部分等の実質的に非免疫原性のポリペプチド。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1項に記載の方法であって、前記糖タンパク質は、以下からなる群より選択される方法:FVII、FVIII、FIX、FX、FII、FV、プロテインC、プロテインS、tPA、PAI-1、組織因子、FXI、FXII、FXIII、並びにこれらの配列変異体;免疫グロブリン、インターロイキン、α-、β-、およびγ-インターフェロン、顆粒球コロニー刺激因子を含むコロニー刺激因子、血小板由来成長因子、およびホスホリパーゼ活性化タンパク質(PUP)、等のサイトカイン、インスリン、レクチンおよびリシン等の植物タンパク質、腫瘍壊死因子および関連した対立遺伝子、腫瘍壊死因子受容体の可溶性形態、インターロイキン受容体およびインターロイキン受容体の可溶性形態、TGFa'sまたはTGFpsおよび上皮細胞成長因子等の組織成長因子等の成長因子の、ホルモン、ソマトメジン、エリスロポエチン、色素性ホルモン、視床下部放出因子、抗利尿ホルモン、プロラクチン、絨毛膜ゴナドトロピン、濾胞刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、組織プラスミノーゲンアクティベーター、などを含む一般的な生物学的および治療的な関心対象のその他のタンパク質およびペプチド、IgG、IgE、IgM、IgA、IgD、およびこれらの断片を含む関心対象の免疫グロブリン。
【請求項12】
非接合体糖タンパク質と比較して、増大したインビボ血漿半減期を有する糖タンパク質の接合体であって、少なくとも1つの末端ガラクトースまたはこれらの誘導体と、任意に連結部分を介して、これに対して共有結合した遅延基とを有する糖タンパク質を含む接合体。
【請求項13】
請求項12に記載の糖タンパク質接合体であって、前記遅延基は、以下からなる群より選択される接合体:デンドリマー、ポリアルキレンオキシド(PAO)、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、分枝のPEG、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン-co-マレイン酸無水物、ポリスチレン-co-マレイン酸無水物、デキストラン、カルボキシメチルデキストラン;アルブミンに結合する化合物のような血清タンパク結合性リガンド、例えば脂肪酸、C5-C24脂肪酸、脂肪族二酸(例えばC5-C24)、グリカンが受容体(例えばアシアロ糖タンパク質受容体およびマンノース受容体)に結合するのを阻害する構造(例えばシアル酸誘導体または擬態)、カルボン酸またはアミンなどの生理学的条件下で電荷特性を変更する部分か、または小さなアルキル置換基(例えば、C1-C5アルキル)などのグリカン特異的な認識を防げる中性置換基を含む小有機分子、1以上のカルボン酸、スルホ基のアミン、ホスホン酸、またはこれらの組み合わせを含んでもよい低分子有機荷電基(例えばC1-C25);シクロデキストリンなどの低分子中性親水性分子(例えばC1-C25)、または任意に分枝していてもよいポリエチレン鎖;2〜40 KDaの平均分子量をもつポリエチレングリコール;700〜20.000 Da、またはより好ましくは700〜10.000 Daの間の範囲の正確な分子量をもつデンドリマーなどの十分に定義された正確な重合体;並びにアルブミンまたは抗体もしくは任意にFc-ドメインを含む抗体の部分などの実質的に非免疫原性ポリペプチ。
【請求項14】
請求項12または13の何れか1項記載の糖タンパク質接合体であって、前記糖タンパク質は、以下の群より選択される接合体:FVII、FVIII、FIX、FX、FII、FV、プロテインC、プロテインS、tPA、PAI-1、組織因子、FXI、FXII、FXIII、並びにこれらの配列変異体;免疫グロブリン、インターロイキン、α-、β-、およびγ-インターフェロン、顆粒球コロニー刺激因子を含むコロニー刺激因子、血小板由来成長因子、およびホスホリパーゼ活性化タンパク質(PUP)等のサイトカイン、インスリン、レクチンおよびリシンなどの植物タンパク質、腫瘍壊死因子および関連した対立遺伝子、腫瘍壊死因子受容体の可溶性形態、インターロイキン受容体およびインターロイキン受容体の可溶性形態、TGFa'sまたはTGFpsおよび上皮細胞成長因子などの組織成長因子などの成長因子の、ホルモン、ソマトメジン、エリスロポエチン、色素性ホルモン、視床下部放出因子、抗利尿ホルモン、プロラクチン、絨毛膜ゴナドトロピン、濾胞刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、組織プラスミノーゲンアクティベーターなどを含む一般的な生物学的および治療的な関心対象のその他のタンパク質およびペプチド、IgG、IgE、IgM、IgA、IgD、およびこれらの断片を含む関心対象の免疫グロブリン。
【請求項15】
請求項1〜11の何れか1項に記載の方法によって入手できる糖タンパク質接合体。
【請求項16】
請求項12〜15の何れか1項に記載の糖タンパク質接合体を含む薬学的組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−157365(P2011−157365A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−51681(P2011−51681)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【分割の表示】特願2006−522893(P2006−522893)の分割
【原出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【出願人】(501497563)ノボ ノルディスク ヘルス ケア アクチェンゲゼルシャフト (58)
【Fターム(参考)】