説明

治療的有用性を有する受容体調節物質としての新規化合物

本発明は、新規の環状アミン誘導体およびシクロアルキル誘導体、それらを調製する工程、それらを含有する医薬組成物、およびスフィンゴシン−1−リン酸受容体の調節物質としての医薬品としてのそれらの利用法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2009年11月24日に提出された米国特許仮出願第61/264038号の利益を主張し、該仮出願の全体を参照によって本明細書に取り入れる。
【0002】
本発明は、新規の環状アミン誘導体およびシクロアルキル誘導体、それらを調製する工程、それらを含有する医薬組成物、およびスフィンゴシン−1−リン酸受容体の調節物質としての医薬品としてのそれらの使用に関する。本発明は具体的に、スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)受容体調節に関連した障害を処置するために、これらの化合物およびそれらの医薬組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
スフィンゴシン−1−リン酸は、その異化作用の原因である酵素がないヒト血小板中に比較的高濃度で貯蔵されており、かつ増殖因子、サイトカイン、および受容体アゴニストと抗原などの生理的刺激が活性化されると血流に放出される。S1Pはまた、血小板凝集および血栓症において重要な役割を有する可能性があり、かつ循環器疾患を悪化させることもある。一方では、高密度リポタンパク質(HDL)中の比較的高い濃度の代謝物は、アテローム発生のための有益な意味を有する可能性がる。例えば、スフィンゴシルホスフォリルコリンおよびリゾスルファチドなどの他のリゾ脂質とともにスフィンゴシン−1−リン酸が、血管内皮によって強力な抗動脈硬化作用性シグナル伝達分子一酸化窒素の産生を刺激することによってHDLの有益な臨床効果の原因となることが近年、示唆されている。加えて、リゾホスファチジン酸の様に、S1Pは癌の特定種類の標識であり、および細胞分裂または細胞増殖でのその役割が癌の発症に影響を及ぼす可能性があるという証拠がある。現在、これらは、医学研究者の間では大きな関心を引きつけている主題であり、かつスフィンゴシン−1−リン酸代謝の治療介入の可能性は調査進行中である。
【発明の概要】
【0004】
我々は、現在、強力で選択的なスフィンゴシン−1−リン酸調節物質である新規の一群の化合物を発見した。そのようなものとして、本明細書に記述される化合物は、スフィンゴシン−1−リン酸受容体の調節に関連する種々の障害を処置するのに有用である。用語「調節物質」とは、本明細書で用いる場合、以下を含むがこれらに限定されるものでない:受容体アゴニスト、アンタゴニスト、インバースアゴニスト、インバースアンタゴニスト、部分アゴニスト、部分アンタゴニスト。
【0005】
本発明は、スフィンゴシン−1−リン酸受容体生物活性を有する、式Iの化合物を説明する。本発明による化合物は、このように、医学、例えば、S1P調節によって軽減される疾患および症状を有するヒトの処置において有用である。一態様では、本発明は、式Iを有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩もしくはその立体異性体、または幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、双性イオンおよびその薬学的に許容される塩を提供する:
【0006】
【化1】

式I

式中:
1は、NまたはC−R11であり;
2は、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールであり;
3は、O、N−R12、CH−R13、S、−CR14=CR15−、−C≡C−または−C(O)−であり;
4は、H、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルケニル、シクロアルキルまたはアリールであり;
5は、H、ハロゲン、−OC1-3アルキル、C1-3アルキルまたはヒドロキシルであり;
6は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルである;
7は、HまたはC1-6アルキルであり;
8は、HまたはC1-6アルキルであり;
9は、−CHまたはNであり;
10は、−OPO32、カルボン酸、PO32、C3-6アルキル、−S(O)2OH、−P(O)MeOH、−P(O)(H)OHまたはOR16であり;
11は、H、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルであり;
12は、HまたはC1-3アルキルであり;
13は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、−CO1-3アルキルまたはアミノであり;
14は、HまたはC1-3アルキルであり;
15は、HまたはC1-3アルキルであり;
16は、Hまたは−C1-6アルキルであり;
aは、0、1、2、3または4であり;
bは、0、1、2、3または4であり;
cは、0または1であり;
dは、0または1であり;
eは、0、1、2または3であり;
fは、0、1、2または3であり;
gは、0、1、2または3であり;
Lは、CHR17、O、S、NR16または−C(O)−であり;
17は、H、C1-3アルキル、−OC1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノであり、および
18は、HまたはC1-3アルキルである;
ただし:
3がO、N−R12、またはSであり、およびbが0または1であるとき、LはO、S、NR18でない。
【0007】
用語「アルキル」は、本明細書で用いる場合、直鎖基もしくは分岐基またはその組み合わせを有し、かつ1〜6の炭素原子を含む飽和、一価、または二価の炭化水素基を指す。アルキルの1メチレン(−CH2−)基は、酸素、硫黄、スルホキシド、窒素、カルボニル、カルボキシル、スルホニルによって、または二価C3-6シクロアルキルによって置換されることができる。アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シクロアルキル、アミノ、非芳香族複素環、カルボン酸、ホスホン酸基、スルホン酸性基、リン酸によって置換されることができる。
【0008】
用語「シクロアルキル」とは、本明細書で用いる場合、飽和環状炭化水素に由来する3〜8の炭素原子、好ましくは3〜5の炭素原子からなる一価または二価の基を指す。シクロアルキル基は、単環式または多環式でありえる。シクロアルキルは、1〜3のC1-3アルキル基または1もしくは2のハロゲンによって置換されることができる。通常、この場合、シクロアルキル基はシクロペンタンである。
【0009】
用語「シクロアルケニル」とは、本明細書で用いる場合、二重結合を1つ有する飽和シクロアルキルに由来する3〜8の炭素原子、好ましくは3〜6の炭素原子からなる一価または二価の基を指す。シクロアルケニル基は、単環式または多環式でありえる。シクロアルケニル基は、1〜3のC1-3アルキル基または1もしくは2のハロゲンによって置換されることができる。通常、この場合、シクロアルケニル基はシクロペンテンである。
【0010】
用語「ハロゲン」とは、本明細書で用いる場合、塩素、ブロム、フッ素、ヨウ素の原子を指す。
【0011】
用語「アルケニル」とは、本明細書で用いる場合、二重結合を少なくとも1つ有する飽和アルキルに由来する2〜6の炭素原子を有する一価または二価の炭化水素ラジカルを指す。C2-6アルケニルは、EまたはZ配置でありえる。アルケニル基は、1〜2のC1-3アルキルによって置換されることができる。
【0012】
用語「アルキニル」とは、本明細書で用いる場合、三重結合を少なくとも1つ有する飽和アルキルに由来する2〜6の炭素原子を有する一価または二価の炭化水素ラジカルを指す。
【0013】
用語「複素環」とは、本明細書で用いる場合、OもしくはNもしくはSまたはそれらのうちの少なくとも2つの組み合わせから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含み、環状炭素構造を中断する、芳香族または非芳香族、飽和型または不飽和型でありえる、3〜10員環を指す。複素環は、飽和型または不飽和型でありえる。複素環は、C=Oによって中断されることができ;Sヘテロ原子は、酸化されることができる。複素環は、単環式または多環式でありえる。複素環基は、ヒドロキシル、1〜2のC1-3アルキルまたは1もしくは2のハロゲンによって置換されることができる。通常、この場合、ヘテロ環基は5員環または6員環である。通常、この場合、ヘテロ環基は、ピリジン、アゼチジン、ピラゾリジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、ピラゾリン、チアゾリン、オキサゾリン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、フラン、ジヒドロフラン、ピロール、ピロリジン、オキサゾール、オキサゾリン、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラゾリン、イソキサゾール、イソチアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、ピロリジノン、ピロール−2(3H)−オン、イミダゾリジン−2−オン、または1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンである。
【0014】
用語「アリール」とは、本明細書で用いる場合、1水素を除去することによって6〜10の炭素原子を含む環からなる芳香族炭化水素に由来する有機部分を指し、これは1〜3のハロゲン原子または1〜2のC1-3アルキル基によって置換されることができる。通常、アリールはフェニルである。
【0015】
式「−CR14=CR15」の基は、本明細書で用いる場合、アルケニルラジカルを表す。
式「−C≡C−」の基は、本明細書で用いる場合、アルキニルラジカルを表す。
用語「ヒドロキシル」とは、本明細書で用いる場合、式「−OH」の群を表す。
用語「カルボニル」とは、本明細書で用いる場合、式「−C(O)」の群を表す。
用語「カルボキシル」とは、本明細書で用いる場合、式「−C(O)O−」の群を表す。
用語「スルホニル」とは、本明細書で用いる場合、式「−SO2」の群を表す。
用語「硫酸」とは、本明細書で用いる場合、式「−O−S(O)2−O−」の群を表す。
用語「カルボン酸」とは、本明細書で用いる場合、式「−C(O)OH」の群を表す。
用語「スルホキシド」とは、本明細書で用いる場合、式「−S=O」の群を表す。
用語「ホスホン酸」とは、本明細書で用いる場合、式「−P(O)(OH)2」の群を表す。
用語「リン酸」とは、本明細書で用いる場合。式「−(O)P(O)(OH)2」の群を表す。
用語「ボロン酸」とは、本明細書で用いる場合、式「−B(OH)2」の群を表す。
用語「スルホン酸」とは、本明細書で用いる場合、式「−S(O)2OH」の群を表す。
本明細書で用いる場合、式「H」は、水素原子を表す。
本明細書で用いる場合、式「O」は、酸素原子を表す。
本明細書で用いる場合、式「N」は、窒素原子を表す。
本明細書で用いる場合、式「S」は、イオウ原子を表す。
【0016】
通常、R1はNまたはC−R11である。通常、この場合、R1はC−R11である。
通常、R2は芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールである。通常、この場合、R2は芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールである。好ましいR2の群は、シクロペンタン、シクロペンテン、ピラゾリジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、ピラゾリン、チアゾリン、オキサゾリン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、フラン、ジヒドロフラン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、オキサゾール、オキサゾリン、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラゾリン、イソキサゾール、イソチアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、ピロリジノン、ピロール−2(3H)−オン、イミダゾリジン−2−オン、または1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンである。
通常、R3はO、N−R12、CH−R13もしくはS;−CR14=CR15−、−C≡C−である。通常、この場合、R3はOまたはSである。
通常、R4は、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルケニル、シクロアルキルまたはアリールである。通常、この場合、R4はアリールである。
通常、R5はH、ハロゲン、−OC1-3アルキルまたはC1-6アルキルである。通常、この場合、R5はH、ハロゲンまたは−OC1-3アルキルである。
通常、R6は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルである。通常、この場合、R6はHである。
通常、R7は、HまたはC1-6アルキルである。
通常、R8は、HまたはC1-6アルキルである。通常、この場合、R8はHである。
通常、R9は、CHまたはNである。
通常、R10は、OPO32、COOH、PO32、C1-6アルキル、−S(O)2OH−、−P(O)MeOH、−P(O)(H)OHまたは−OR16である。通常、この場合、R10はCOOHである。
通常、R11は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC1-3アルキルである。通常、この場合、R11はHである。
通常、R12は、HまたはC1-3アルキルである。
通常、R13はH、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、−C1-3アルキルまたはアミノである。
通常、R14は、HまたはC1-3アルキルである。
通常、R15は、HまたはC1-3アルキルである。
通常、R16は、HまたはC1-6アルキルである。
通常、aは、0、1、2、3または4である。通常、この場合、aは0、1、2または3である。
通常、bは、0、1、2、3または4である。通常、この場合、bは1、2または3である。
通常、cは、0または1である。
通常、dは、0または1である。通常、この場合、dは0または1である。
通常、eは、0から3である。通常、この場合、eは0または1である。
通常、fは、0から3である。通常、この場合、fは1である。
通常、gは、0から3である。通常、この場合、gは0である。
通常、Lは、CHR17、O、S、−C(O)またはNR18である。通常、この場合、LはCHR17またはOである。
通常、R17は、H、C1-3アルキル、−OC1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノである。通常、この場合、R17はHまたはC1-3アルキルである。
通常、R18は、HまたはC1-3アルキルである。
【0017】
本発明のR1の一実施形態では、
1は、NまたはC−R11であり;
2は、5員芳香族複素環または5員シクロアルケニルであり;
3は、O、N−R12、CH−R13、S、−CR14=CR15−、−C≡C−または−C(O)−であり;
4は、H、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールであり;
5は、H、ハロゲン、−OC1-3アルキル、C1-3アルキルまたはヒドロキシルであり;
6は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルであり;
7は、HまたはC1-6アルキルであり;
8は、HまたはC1-6アルキルであり;
9は、CHまたはNであり;
10は、OPO32、カルボン酸、−PO32、−C1-6アルキル、−S(O)2OH、−P(O)MeOH、−P(O)(H)OHまたは−OR16であり;
11は、H、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルであり;R12は、HまたはC1-3アルキルであり;
13は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-3アルキルまたはアミノであり;
14は、HまたはC1-3アルキルであり;
15は、HまたはC1-3アルキルであり;
16は、HまたはC1-6アルキルであり;
aは、0、1、2、3または4であり;
bは、0、1、2、3または4であり;
cは、0または1であり;
dは、0または1であり;
eは、0、1、2または3であり;
fは、0、1、2または3であり;
gは、0、1、2または3であり;
Lは、CHR17、O、S、NR18または−C(O)−であり;
17は、H、C1-3アルキル、−OC1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノであり、および
18は、HまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がO、N−R12、Sであり、およびbが0または1であるとき、LはO、SまたはNR18でない。
【0018】
本発明の別の一実施形態では、
1は、NまたはC−R11であり;
2は、シクロペンタン、シクロペンテン、プラゾリジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、ピラゾリン、チアゾリン、オキサゾリン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、フラン、ジヒドロフラン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、オキサゾール、オキサゾリン、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラゾリン、イソキサゾール、イソチアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、ピロリジノン、ピロール−2(3H)−オン、イミダゾリジン−2−オン、または1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンであり;
3は、O、N−R12、CH−R13、S、−CR14=CR15−、−C≡C−または−C(O)−であり;
4は、H、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールであり;
5は、H、ハロゲン、−OC1-3アルキル、C1-3アルキルまたはヒドロキシルであり;
6は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルであり;
7は、HまたはC1-6アルキルであり;
8は、HまたはC1-6アルキルであり;
9は、CHまたはNであり;
10は、OPO32、カルボン酸、−PO3OH2、−C1-6アルキル、−S(O)2OH、−P(O)MeOH、−P(O)(H)OHまたは−OR16であり;
11は、H、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルであり;
12は、HまたはC1-3アルキルであり;
13は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-3アルキルまたはアミノであり;
14は、HまたはC1-3アルキルであり;
15は、HまたはC1-3アルキルであり;
16は、HまたはC1-6アルキルであり;
aは、0、1、2、3または4であり;
bは、0、1、2、3または4であり;
cは、0または1であり;
dは、0または1であり;
eは、0、1、2または3であり;
fは、0、1、2または3であり;
gは、0、1、2または3であり;
Lは、CHR17、O、S、NR18または−C(O)−であり;
17は、H、C1-3アルキル、−OC1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノであり、および
18は、HまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がO、N−R12、Sであり、およびbが0または1であるとき、LはO、S、NR18でない。
【0019】
本発明の別の一実施形態では、
1は、Nであり;
2は、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールであり;
3は、O、N−R12、CH−R13、S、−CR14=CR15−、−C≡C−または−C(O)−であり;
4は、H、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールであり;
5は、H、ハロゲン、−OC1-3アルキル、C1-3アルキルまたはヒドロキシルであり;
6は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルであり;
7は、HまたはC1-6アルキルであり;
8は、HまたはC1-6アルキルであり;
9は、CHまたはNであり;
10は、OPO32、カルボン酸、−PO32、C1-6アルキル、−S(O)2OH、−P(O)MeOH、−P(O)(H)OHまたは−OR16であり;
12は、HまたはC1-3アルキルであり;
13は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-3アルキルまたはアミノであり;
14は、HまたはC1-3アルキルであり;
15は、HまたはC1-3アルキルであり;
16は、HまたはC1-6アルキルであり;
aは、0、1、2、3または4であり;
bは、0、1、2、3または4であり;
cは、0または1であり;
dは、0または1であり;
eは、0、1、2または3であり;
fは、0、1、2または3であり;
gは、0、1、2または3であり;
Lは、CHR17、O、S、NR18または−C(O)−であり;
17は、H、C1-3アルキル、−OC1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノであり、および
18は、HまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がO、N−R12、Sであり、およびbが0または1であるとき、LはO、S、NR18でない。
【0020】
本発明の別の一実施形態では、
1は、C−R11であり;および
2は、芳香族複素環、非芳香族複素環またはシクロアルケニルであり;および
3は、OまたはSであり;および
4は、アリールであり;および
5は、H、−OC1-3アルキルまたはハロゲンであり;および
6は、Hであり;および
7は、HまたはC1-6アルキルであり;および
8は、Hであり;および
9は、CHまたはNであり;および
10は、COOHであり;および
11は、Hであり;および
aは、0、1、2または3であり;および
bは、1、2または3であり;および
cは、0または1であり;および
dは、0または1であり;および
eは、0または1であり;および
fは、1であり;および
gは、0であり;および
Lは、CHR17またはOであり;および
17は、HまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がOまたはSであり、およびbが1であるとき、LはOでない。
【0021】
本発明別の一実施形態では、
1は、C−R11であり;および
2は、芳香族複素環、非芳香族複素環またはシクロアルケニルであり;および
3は、Oであり;および
4は、アリールであり;および
5は、H、C1-3アルキルまたはハロゲンであり;および
6は、Hであり;および
7は、HまたはC1-6アルキルであり;および
8は、Hであり;および
9は、CHであり;および
10は、COOHであり;および
11は、Hであり;および
aは、0、1、2または3であり;および
bは、1、2または3であり;および
cは、1であり;および
dは、1であり;および
eは、0または1であり;および
fは、1であり;および
gは、0であり;および
Lは、CHR17であり;
17は、Hである。
【0022】
本発明の別の一実施形態では、
1は、C−R11であり;および
2は、芳香族複素環、非芳香族複素環またはシクロアルケニルであり;および
3は、Sであり;および
4は、アリールであり;および
5は、H、C1-3アルキルまたはハロゲンであり;および
6は、Hであり;および
7は、HまたはC1-6アルキルであり;および
8は、Hであり;および
9は、CHまたはNであり;および
10は、COOHであり;および
11は、Hであり;および
aは、0、1、2または3であり;および
bは、1、2または3であり;および
cは、0または1であり;および
dは、0または1であり;および
eは、0または1であり;および
fは、1であり;および
gは、0であり;および
Lは、CHR17またはOであり;
17は、HまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がSであり、およびbが1であるとき、LはOでない。
【0023】
本発明の別の一実施形態では、
1はC−R11であり;および
2は、芳香族複素環、非芳香族複素環またはシクロアルケニルであり;および
3は、Oであり;および
4は、アリールであり;および
5は、H、−OC1-3アルキルまたはハロゲンであり;および
6は、Hであり;および
7は、HまたはC1-6アルキルであり;および
8は、Hであり;および
9は、CHまたはNであり;および
10は、COOHであり;および
11は、Hであり;および
aは、0、1、2または3であり;および
bは、1、2または3であり;および
cは、0または1であり;および
dは、0または1であり;および
eは、0または1であり;および
fは、1であり;および
gは、0であり;および
Lは、CHR17またはOであり;および
17は、HまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がOであり、およびbが1であるとき、LはOでない。
【0024】
本発明の別の一実施形態では、
1はC−R11であり;および
2は、芳香族複素環、アリールまたはシクロアルケニルであり;および
3は、Oであり;および
4は、アリールであり;および
5は、Hまたはハロゲンであり;および
6は、Hであり;および
7は、HまたはC1-6アルキルであり;および
8は、Hであり;および
9は、CHまたはNであり;および
10は、COOHであり;および
11は、Hであり;および
aは、0、1、2または3であり;および
bは、1、2または3であり;および
cは、0または1であり;および
dは、0または1であり;および
eは、0または1であり;および
fは、1であり;および
gは、0であり;および
Lは、CHR17であり;および
17は、Hである。
【0025】
本発明の別の一実施形態では、
1はC−R11であり;および
2は、芳香族複素環またはシクロアルケニルであり;および
3は、OまたはSであり;および
4は、アリールであり;および
5は、H、−OC1-3アルキルまたはハロゲンであり;および
6は、Hであり;および
9は、Nであり;および
10は、COOHであり;および
11は、Hであり;および
aは、0、1、2または3であり;および
bは、1、2または3であり;および
cは、0であり;および
dは、0であり;および
eは、1であり;および
fは、1であり;および
gは、0であり;および
Lは、CHR17またはOであり;および
17は、HまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がOまたはSであり、およびbが1であるとき、LはOでない。
【0026】
本発明の化合物は、以下の通りである:
1−{3−(3−フリル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−メトキシ−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−5−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(6−フェニルヘキシル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[3−(ベンジルオキシ)プロポキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[3−(4−イソブチルフェニル)プロポキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−[4−(2−ビフェニル−4−イルエオキシ)−3−(2−チエニル)ベンジル]アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−クロロ−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−5−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−クロロ−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−5−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(3−メチル−5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(5−メチル−2−チエニル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(4−メチル−2−チエニル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(3−メチル−2−チエニル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−5−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−4−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−シクロペンタ−1−エン−1−イル−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−5−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−ピリジン−4−イルベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(3−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−({6−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ビフェニル−3−イル}メチル)アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(2−フリル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−2−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(1,3−オキサゾール−2−イル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)チオ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−シクロペンタ−1−エン−1−イル−4−[(5−フェニルペンチル)チオ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
3−({4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アミノ)シクロブタンカルボン酸;
3−[(1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)フェニル}エチル)アミノ]シクロブタンカルボン酸。
【0027】
本発明の好ましい化合物は以下のとおりである:
1−{3−(3−フリル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−クロロ−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−5−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−5−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−4−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−シクロペンタ−1−エン−1−イル−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−5−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(3−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(2−フリル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−2−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(1,3−オキサゾール−2−イル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
3−({4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アミノ)シクロブタンカルボン酸;
3−[(1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)フェニル}エチル)アミノ]シクロブタンカルボン酸。
【0028】
式Iの一部の化合物およびそれらの一部の中間体は、それらの構造に少なくとも1つの不斉中心を有する。この不斉中心は、RまたはSの配置に存在することが可能であり、前述のRおよびSの表記法は、Pure Appli.Chem.(1976),45,11−13に記載されている規則に応じて用いられる。
【0029】
用語「薬学的に許容される塩」とは、上記の同定された化合物の所望の生物活性を保持し、かつ望ましくない毒性影響をごくわずかに示すまたは少しも示さない塩類または錯体を指す。本発明による「薬学的に許容される塩」には、式Iの化合物が形成することができる、治療上有効な、非毒性の塩基性塩または酸性塩の形が含まれる。
【0030】
塩基としてその遊離型で生じる式Iの化合物の酸付加塩の形は、例えば無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸などのハイドロゲン化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など;または例えば、酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸、クエン酸、メチルスルホ酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ギ酸などの有機酸の適切な酸で遊離塩基を処理することによって得られることができる(Handbook of Pharmaceutical Salts, P.Heinrich Stahal& Camille G. Wermuth(編), Verlag Helvetica Chemica Acta−Zurich, 2002,329−345)。
【0031】
式Iの化合物およびそれらの塩類は、溶媒和化合物の型でありえ、これは本発明の範囲内に含まれる。そのような溶媒和化合物には、例えば水和物、アルコラートなどが含まれる。
【0032】
本発明に関して、特定の異性体が具体的に参照されない限り、ある化合物または複数の化合物への参照は、その可能な異性体のそれぞれにおける化合物およびその混合物を包含することを意図される。本発明による化合物は、異なる多形型に存在しうる。上記の式に明示的に示されていないが、そのような形状が本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0033】
本発明の化合物は、スフィンゴシン−1−リン酸受容体に関わる成分が存在する可能性がある症状を処置する、または予防する用途で示される。
【0034】
別の一実施形態では、薬学的に許容される担体中に本発明の少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0035】
発明のさらなる実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸受容体の調節に関連する障害を処置する方法が提供される。そのような方法は、例えば、それを必要とする患者に、本発明の少なくとも1つの化合物の治療有効量を含む医薬組成物を投与することによって実行されることができる。
【0036】
これらの化合物は、S1P調節によって軽減される一連の症状および疾患を有する、ヒトを含む哺乳類の処置に有用であり、これらの処置は、糖尿病性網膜症、他の網膜変性症状、ドライアイ、血管新生および創傷の処置を含むがこれらに限定されない。
【0037】
S1P受容体に関連している治療的有用性は、以下を含むがこれらに限定されない眼疾患:湿性および乾性の加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜浮腫、地図状萎縮、緑内障性視神経症、網脈絡膜症、高血圧性網膜症、眼虚血症候群、眼底の炎症によって誘発される線維症の予防、ブドウ膜炎、強膜炎、角膜炎と網膜血管炎を含む種々の眼炎症疾患;または以下を含むがこれらに限定されない全身の血管バリア関連疾患:急性肺損傷、その予防、敗血症、腫瘍転移、アテローム性動脈硬化、肺水腫、および人工呼吸によって誘発される肺損傷を含む種々の炎症性疾患;または以下を含むがこれらに限定されない自己免疫疾患および免疫抑制:関節リウマチ、クローン病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、潰瘍性大腸炎、自己免疫性ブドウ膜炎、腎乏血/灌流損傷、接触過敏症、アトピー性皮膚炎、および臓器移植;または以下を含むがこれらに限定されないアレルギーおよび他の炎症性疾患:蕁麻疹、気管支喘息、および肺気腫と慢性閉塞性肺疾患を含む他の気道炎;または以下を含むがこれらに限定されない心筋保護:虚血再灌流障害およびアテローム性動脈硬化;または以下を含むがこれらに限定されない創傷治癒:美容皮膚手術、眼手術、GI手術、一般外科、口腔損傷、種々の機械的損傷、熱傷および火傷からの創傷の瘢痕を作らない治癒、光老化および皮膚老化の予防と処置、ならびに放射線による損傷の予防;または以下を含むがこれらに限定されない骨形成:骨粗鬆症の処置、腰と足首とを含む種々の骨折の処置;または以下を含むがこれらに限定されない抗侵害受容活性:内臓痛、糖尿病性神経障害関連疼痛、関節リウマチ痛、慢性の膝関節痛および関節痛、腱炎、変形性関節症、神経因性疼痛;またはアルツハイマー病における中枢神経系神経活性、加齢に関連した神経損傷;または腎臓、角膜、心臓などの臓器移植または脂肪組織移植にある。
【0038】
本発明のさらに別の一実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸受容体の調節に関連する障害を処置する方法が提供される。そのような方法は、それを必要とする患者に、本発明の少なくとも1つの化合物、もしくはその任意の組み合わせ、または薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和化合物、結晶形および個々の異性体、エナンチオマー、およびそのジアステレオマーの治療有効量を投与することによって実行されることができる。
【0039】
本発明は、式Iの化合物、その薬学的に許容される塩を以下の処置のための薬物を製造するために用いることに関する:眼疾患、湿性および乾性の加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜浮腫、地図状萎縮、緑内障性視神経症、網脈絡膜症、高血圧性網膜症、眼虚血症候群、眼底の炎症によって誘発される線維症の予防、ブドウ膜炎、強膜炎、角膜炎および網膜血管炎を含む種々の眼炎症性疾患;または全身の血管バリア関連疾患、急性肺損傷、その予防、敗血症、腫瘍転移、アテローム性動脈硬化、肺水腫、および人工呼吸によって誘発される肺損傷を含む種々の炎症性疾患;または自己免疫疾患および免疫抑制、関節リウマチ、クローン病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、潰瘍性大腸炎、自己免疫性ブドウ膜炎、腎乏血/灌流損傷、接触過敏症、アトピー性皮膚炎、および臓器移植;またはアレルギーおよび他の炎症性疾患、蕁麻疹、気管支喘息、および肺気腫と慢性閉塞性肺疾患を含む他の気道炎;または心筋保護、虚血再灌流障害およびアテローム性動脈硬化;または創傷治癒、美容皮膚手術、眼手術、GI手術、一般外科、口腔損傷、種々の機械的損傷、熱傷および火傷からの創傷の瘢痕を作らない治癒、光老化および皮膚老化の予防と処置、ならびに放射線による損傷の予防;または骨形成、骨粗鬆症の処置、腰と足首とを含む種々の骨折の処置;または抗侵害受容活性、内臓痛、糖尿病性神経障害関連疼痛、関節リウマチ痛、慢性の膝関節痛および関節痛、腱炎、変形性関節症、神経因性疼痛;またはアルツハイマー病における中枢神経系神経活性、加齢に関連した神経損傷;または腎臓、角膜、心臓などの臓器移植または脂肪組織移植。
【0040】
いずれの所定の症例での投与されるべき化合物の実際の量は、患者の症状の重症度、年齢および体重、患者の全身健康状態、症状の原因、および投与経路などの関連する状況を考慮に入れて医師によって決定されることになる。
【0041】
患者は、錠剤、液剤、カプセル剤、散剤などのいずれの許容される形状で該化合物を経口的に投与される。または、特に患者が嘔気に苦しむ場合、他の経路が望ましい、または必要なことがある。そのような他の経路としては、例外なく、経皮的、非経口、皮下、鼻腔内、インプラントステントを介して、くも膜下腔内、硝子体内、眼への局所、眼底、筋肉内、静脈内、および直腸内の送達様式を含むことがある。さらに、これらの製剤は、所定の期間にわたって活性化合物の放出を遅延させるように、または治療の過程において、所定の時間で放出される薬物の量を慎重に制御するようにデザインされることが可能である。
【0042】
本発明の別の一実施例では、その薬学的に許容される担体中に本発明の少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物が提供される。表現「薬学的に許容される」とは、その担体、希釈剤または賦形剤が、製剤の他の成分に適合し、かつそのレシピエントにとって有害であってはならないことを意味する。
【0043】
本発明の医薬組成物は、固形物、溶液、乳濁液、分散液、パッチ、ミセル、リポソームなどの形状で使用されることができ、結果としてもたらされる組成物は、有効成分として本発明の1つまたは複数の化合物を、経腸または非経口使用に適した有機もしくは無機の担体または賦形剤との混合で含む。発明化合物は、例えば、錠剤、ペレット剤、カプセル剤、坐薬、溶液剤、乳剤、懸濁剤、および使用に適した他のいかなる形状のための、通常無毒の薬学的に許容される担体と組み合せてもよい。用いることができる担体としては、グルコース、ラクトース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプンのり、三珪酸マグネシウム、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド状シリカ、ジャガイモデンプン、尿素、中鎖長のトリグリセリド、デキストラン、および固体、半固体、または液体形状で、製剤の製造での使用に適した他の担体が挙げられる。加えて、助剤、安定化剤、増粘剤と着色剤および香料が用いられてもよい。発明化合物は、過程または疾患状態に所望の効果をもたらすのに十分な量で医薬組成物に含まれる。
【0044】
発明化合物を含む医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ、トローチ剤、水性もしくは油性の懸濁剤、分散粉末剤もしくは顆粒剤、乳剤、ハードもしくはソフトカプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤として、経口使用に適した形状であってもよい。経口使用を目的とする組成物は、医薬組成物の製造での当技術分野で既知の任意の方法によって調製されることが可能であり、薬学的に優雅で美味な製剤を提供するために、そのような組成物は、ショ糖、ラクトースまたはサッカリンなどの甘味剤、ペパーミント、ウィンターグリーン油またはチェリーなどの香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1つまたは複数の薬剤を含んでもよい。無毒の薬学的に許容される賦形剤との混合で本発明の化合物を含む錠剤は、既知の方法によって製造されことが可能である。使用される賦形剤は、例えば、(1)炭酸カルシウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;(2)コーンスターチ、ジャガイモンデンプンまたはアルギン酸などの造粒剤および崩壊剤;(3)トラガカントガム、コーンスターチ、ゼラチンまたはアカシアなどの結合剤、および(4)ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクのなどの潤滑剤であってもよい。錠剤は、コーティングされてなくてもよく、または消化管での崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長時間にわたって持続作用をもたらすために、錠剤は既知の技術によってコーティングされることも可能である。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延物質が使用されてもよい。
【0045】
場合によっては、経口使用のための製剤は、硬ゼラチンカプセル剤の形状であってもよく、本発明化合物は、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンなどの不活性固体希釈剤と混合される。該製剤は、軟ゼラチンカプセル剤の形状であってもよく、本発明化合物は、例えばピーナッツ油、流動パラフィンまたはオリーブ油などの水性溶媒または油性溶媒と混合される。
【0046】
該医薬組成物は、無菌の注射用懸濁液剤の形状であってもよい。この懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いる既知の方法によって製剤化されることも可能である。該無菌注射用製剤は、無毒の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の溶剤または懸濁剤、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶剤として無菌注射用溶剤または懸濁剤であってもよい。無菌の不揮発油は、従来から溶媒または懸濁化剤として使用されている。この目的のために、合成のモノグリセリドもしくはジグリセリド、脂肪酸類(オレイン酸を含む)、ゴマ油、ココナッツ油、ピーナッツ油、綿実油などの天然由来の植物油、またはオレイン酸エチルなどの合成脂肪性溶媒を含み、任意の無刺激の不揮発油を用いてもよい。緩衝剤、保存剤、抗酸化剤などは、必要に応じて取り入れることができる。
【0047】
発明化合物は、薬物の直腸内投与のための坐薬の形状で投与されることもありえる。これらの組成物は、本発明化合物と、適切な非刺激性賦形剤、例えばカカオバター、ポリエチレングリコールの合成グリセリドエステル(常温で固体だが、直腸腔内で液化しおよび/または溶解して、薬物を放出する)とを混合することによって調製されることが可能である。
【0048】
個々の患者は、症状の重症度を幅広いバリエーションで示すこともあり、および各薬物にはその独自の治療特性があるので、各患者に対して用いられる的確な投与様式および投与量は、医師の裁量に任せられている。
【0049】
本明細書に記述される化合物および医薬組成物は、ヒトを含む哺乳類において、スフィンゴシン−1−リン酸受容体のアゴニストまたは機能的アンタゴニストによる処置に応答性である、疾患の処置または症状の軽減のための薬物として有用である。このように、本発明のさらなる実施形態では、スフィンゴシン−1−リン酸受容体の調節に関連する障害を処置する方法が提供される。そのような方法は、例えば、それを必要とする患者に、少なくとも1つの本発明化合物の治療有効量を含む医薬組成物を投与することによって実行されることができる。本明細書で用いる場合、用語「治療有効量」とは、それを必要とする患者の生物学的反応または医学的反応を誘発する医薬組成物の量を意味し、研究者、獣医師、医師または他の臨床医が模索するものである。一部の実施形態では、それを必要とする患者は、哺乳類である。一部の実施形態では、該哺乳類はヒトである。
【0050】
本発明はまた、式Iの化合物を調製する工程に関する。本発明による式Iの化合物は、合成有機化学の技術分野における当業者が理解する従来の方法と同じように調製されることができる。以下に記載する合成スキームは、本発明による化合物の製造方法を説明する。当業者は、以下のスキームをいつものように修正しおよび/または適応させて、式Iによって包含される本発明のいずれの化合物を合成することができるであろう。
【0051】
スキーム1では、ヒドロキシベンズアルデヒドは、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルの存在下で、ヒドロキオシル化化合物と反応して、対応するエーテル中間体をもたらす。この中間体は、対応するR2基のボロン酸またはスズ酸塩と共役して、対応する中間体を与える。この中間体は、還元的アミノ化条件でアゼチジン−3−カルボン酸と反応して、式Iの中間体を与える。
【0052】
【化2】

【0053】
スキーム2では、メルカプトベンズアルデヒドは、トリエチルアミンの存在下でブロム化化合物と反応して、対応するチオ中間体を与える。この中間体は、対応するR2基のボロン酸またはスズ酸塩と共役して、対応する中間体を与える。該対応する中間体は、還元的アミノ化条件でアゼチジン−3−カルボン酸と反応して、式Iの誘導体を与える。
【0054】
【化3】

【0055】
スキーム3では、スキーム1または2で記述したように得られた、エーテル中間体またはチオ中間体は、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドの存在下で、エチル 3−アミノシクロブタンカルボン酸−HCl塩と反応して、式1の誘導体を与える。
【0056】
【化4】

【0057】
スキーム4では、スキーム1または2で記述したように得られた、エーテル中間体またはチオ中間体は、酸化マグネシウムの存在下で、アルキルマグネシウムプロミド誘導体およびエチル 3−アミノシクロブタンカルボン酸−HCl塩と反応して、式1の誘導体を与える。
【0058】
【化5】

【発明を実施するための形態】
【0059】
前述の概要および以下の詳細な説明の双方は、代表的かつ説明的だけあり、請求される本発明を限定するものでないことを理解すべきである。本明細書で用いる場合、具体的に記述されてない限り、単数形の使用は複数形を含む。
【0060】
本発明の化合物の一部は、該化合物がエナンチオマー型ならびにジアステレオマー型で存在できるように1つまたは複数の不斉中心を含みうることは、当業者にとって容易に明らかであろう。具体的に記述されない限り、本発明の範囲は、すべてのエナンチオマー、ジアステレオマーおよびラセミ混合物を含む。本発明の化合物の一部は、薬学的に許容される酸または塩基とともに塩類を形成することが可能であり、および本明細書に記述される化合物のそのような薬学的に許容される塩も、本発明の範囲内である。
【0061】
本発明は、すべて薬学的に許容される同位体的に濃縮された化合物を含む。本発明のいずれの化合物も、プロチウム1H(もしくはH)の代わりにジュウテリウム2H(もしくはD)、または12Cなどの代わりに13C濃縮物質の使用などの濃縮されたまたは天然の割合とは異なる1つまたは複数の同位体原子を含むこともある。同様の置換は、N、OおよびSについて用いられることができる。同位体の使用は、本発明の分析的態様ならびに治療的態様に役立つこともある。例えば、ジュウテリウムを使用することで、本発明の化合物の代謝(速度)を変えることによって、in vivo半減期を増加させることも可能であるこれらの化合物は、同位元素的に濃縮された試薬を使用することで、記述される製剤と合せて調製されることができる。
【0062】
以下の実施例は、説明目的だけのものであり、本発明をいかなる方法で限定することを意図するものではなく、または限定すると解釈されてはならない。当業者は、以下の実施例のバリエーションおよび修正が本発明の精神または範囲を超えることなくなされることができることを認識するであろう。
【0063】
当業者にとって明らかであるように、個々の異性体は、従来の方法でそれらの混合物を分離することによって得られることができる。例えば、ジアステレオマー異性体の場合、クロマトグラフィー分離が使用されこともある。化合物名は、ACD8版によって作成され;実施例で用いた中間体および試薬名は、Chem Bio Draw Ultra第12.0版またはMDL ISIS Draw第2.5 SP1からのAuto Nom2000などのソフトウェアで作成された。一般に、化合物の特徴づけは、以下の方法によって行われる:
【0064】
核磁気共鳴スペクトルは、300および/または600MHz Varian上で記録させて、室温で得られる。化学シフトは、内部TMSまたは溶媒シグナルのいずれかを参照してppmで与えられる。
【0065】
合成が記述されていないすべての試薬、溶媒、触媒は、Sigma Aldrich、Fluka、Bio−Blocks、Combi−blocks、TCI、VWR、Lancaster、Oakwood、Trans World Chemical、Alfa、Fisher、Maybridge、Frontier、Matrix、Ukrorgsynth、Toronto、Ryan Scientific、SiliCycle、Anaspec、Syn Chem、Chem−Impex、MIC−scientific, Ltdなどの化学薬品ベンダーから購入されるが、しかし、知られている中間体の一部は、公表されている方法にしたがって調製された。
【0066】
通常、特に明記しない限り、本発明の化合物は、二酸化ケイ素カラムを用いるTeledyne−ISCO CombiFlash上でカラムクロマトグラフィー(自動カラム)によって精製された。
【0067】
実施例では以下の化学略語を用いる:
s、m、h、d 秒、分、時間、日
NH3 アンモニア
CH3CN アセトニトリル
PSI 平方インチあたりのポンド
DCM ジクロロメタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
NaOH 水酸化ナトリウム
MeOH メタノール
CD3OD 重水素化メタノール
NH3 アンモニア
HCl 塩酸
Na2SO4 硫酸ナトリウム
Si−CBH シリカ結合シアノ水素化ホウ素
rt 室温
MgSO4 硫酸マグネシウム
EtOAc 酢酸エチル
CDCl3 重水素化クロロホルム
DMSOd6 重水素化ジメチルスルホキシド
自動カラム 自動式フラッシュ液体クロマトグラフィー
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
NaHB(OAc)3 ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド
DEAD アゾジカルボン酸ジエチル
Na2CO3 炭酸ナトリウム
Cs2CO3 炭酸セシウム
M モル
PdCl2(PPh32 ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド
AcOH 酢酸
2CO3 炭酸カリウム
CuI ヨウ化銅
MnO2 酸化マグネシウム
MgCl2 塩化マグネシウム
NaCl 塩化ナトリウム
Ti(OEt)4 チタンエトキシド
MeMgBr メチルマグネシウムブロミド
CHCl3 クロロホルム
【0068】
以下の合成スキームは、本発明による化合物が作製されることができる方法を説明する。式Iによって包含される本発明のいずれの化合物を合成するために、当業者は以下のスキームを日常的に修正および/または適応させることができるであろう。
【実施例】
【0069】
実施例1
化合物1
1−{3−(3−フリル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸
【0070】
ステップ−1: THF(100mL)中の、5−フェニル−ペンタン−1−オール[CAS10521−91−2](4.50mL、26.6mモル)、3−ブロモ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド[CAS2973−78−6](5.36g、26.7mモル)、トリフェニルホスフィン(9.1g、34.6mモル)およびDEAD(14.5mL、トルエン中40%、およそ1.2当量)の溶液を1時間、室温で反応させ、続いて2日間、60℃まで加熱した。シリカゲルを加えて、該溶媒を減圧下で取り除いた。シリカカラム(自動カラム)を用いるTeledyne−ISCOCombiFlash上で、9.5ヘキサン/0.5EtOAcから9ヘキサン/1EtOAcへのクロマトグラフィーによって、静置直後凝固した透明な油として中間体1:3−ブロモ−4−(5−フェニル−ペンチルオキシ)−ベンズアルデヒド、5.38g(58%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3);δ9.83(s、1H)、8.07(d、J=2.1Hz、1H)、7.78(dd、J=8.7、2.1Hz、1H)、7.28−7.18(m、5H)、6.96(d、J=8.4Hz、1H)、4.11(t、J=6.3Hz、2H)、2.67(t、J=7.2Hz、2H)、1.92−1.55(m、6H)。
【0071】
ステップ−2: DMF(12mL)中の中間体1(290mg、0.87mモル)を、フラン−3−イル ブロン酸[CAS5552−70−0](195mg、1.74mモル)Na2CO3(2.8mL、2M)およびPdCl2(PPh32(69mg、約11モル%)と、MWI(マイクロ波照射、Biotage Initiator2.5)を用いて120℃で20分間反応させた。該反応混合物を水で希釈し、次いで1:1のEtOAc:ヘキサン(200mL)で抽出(2回)した。該有機層を水で洗浄し(3回)、MgSO4上で乾燥させ、濾過してシリカゲル上に濃縮した。自動カラム(9ヘキサン/1EtOAc)により中間体2:3−(フラン−3−イル)−4−((5−フェニルペンチル)オキシ)ベンズアルデヒド、230mg(29%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3):δ9.92(s、1H)、8.03(d、J=2.4Hz、1H)、7.75−7.72(m、1H)、7.48(s、15H)、7.30−7.16(m、3H)、7.19−7.16(m、3H)、7.02(d、J=8.7Hz、1H)、6.85(d、J=1.2Hz、1H)、4.14(t、J=6.3Hz、2H)、2.70−2.60(m、2H)、2.01−1.50(series of m、6H)。
【0072】
ステップ3: AcOH(0.2mL)、THF(2mL)およびMeOH(10mL)中、中間体2(230mg、0.66mモル)およびアゼチジン−3−カルボン酸[CAS36476−78−5](66mg、0.65mモル)の溶液をSi−CBH、すなわちシリカ結合シアノ水素化ホウ素(0.71g、シリカゲル担体上で0.93mモル/g)で処理して、該混合物を室温で約16〜18時間反応させた。該混合物をシリカゲル上に濃縮して、該溶媒を減圧下で除去した。自動カラム(25→40%MeOH:CH2Cl2)によって、表題化合物1−{3−(3−フリル)−4−[(5−フェンルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸、189mg(69%)を白色固体として得た。
1H NMR (300MHz、CD3OD):δ8.02(s、1H)、7.64(d、J=2.4Hz、1H)、7.53(t、J=1.8Hz、1H)、7.30−7.20(m、3H)、7.16−7.0(m、3H)、7.06(d、J=8.7Hz、1H)、6.90(d、J=1.2Hz、1H)、4.26(s、2H)、4.14−4.07(m、6H)、3.40−3.33(m、1H)、2.63(t、J=7.8Hz、2H)、1.94−1.84(m、2H)、1.75−1.65(m、2H)、1.58−1.48(m、2H)。
【0073】
実施例1で化合物1について記述した方法と同様の方法で、化合物2〜21を対応するベンズアルデヒドおよびアゼチジン−3−カルボン酸から調製した。使用した試薬およびその結果を以下の表1に記載する。
【0074】
【表1】















【0075】
実施例2
化合物22
1−{3−(2−フリル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−カルボン酸
【0076】
ステップ−1: DMF(14mL)中の中間体1(0.65g、1.87mモル)をトリブチル(フラン−2−イル)スタンナン[CAS118486−94−5](1.2mL、3.70mモル)およびPdCl2(PPh32(0.197g、約15モル%)と、MWI(マイクロ波照射、Biotage Initiator2.5)を用いて160℃で15分間反応させた。該反応混合物を2:1のEtOAc/ヘキサン(約150mL)で希釈して、水で洗浄し(3回)、次いでMgSO4上で乾燥させて、濾過し、シリカゲル上に濃縮した。自動カラム(9.5ヘキサン/0.5EtOAc)によって、中間体3:3−フラン−2−イル−4−(5−フェニル−ペンチルオキシ)−ベンズアルデヒド、0.44g(70%)を白色固体として得た。

1H NMR(300MHz、CD3OD):δ9.94(s、1H)、8.37(d、J=2.1Hz、1H)、7.77−7.74(m、1H)、7.49(d、J=1.2Hz、1H)、7.30−7.10(m、5H)、7.04−6.90(m、2H)、6.50(brs、1H)、4.21−4.05(m、2H)、2.70−2.60(m、2H)、2.10−1.50(series m、6H)。
【0077】
ステップ−2: 表題化合物;1−{3−(2−フリル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸を生成するために、実施例1の方法で記述したように中間体3をアゼチジン−3−カルボン酸と反応させた。
1H NMR(300MHz、CD3OD):δ7.90(s、1H)、7.53(s、1H)、7.28(t、J=8.1Hz、1H)、7.21(d、J=6.9Hz、2H)、7.16−7.12(m、3H)、7.06(d、J=8.7Hz、1H)、6.92(d、J=3.3Hz、1H)、6.48(s、1H)、4.28(s、2H)、4.15−4.07(s、2H)、3.40−3.33(m、1H)、2.62(t、J=7.2Hz、2H)、1.93−1.84(m、2H)、1.75−1.65(m、2H)、1.58−1.48(m、2H)。
【0078】
実施例2で化合物22について記述した方法と同様の方法で、化合物23および24を対応するスズ酸塩およびアゼチジン−3−カルボン酸から調製した。使用した試薬およびその結果を以下の表2に記載する。
【0079】
【表2】

【0080】
実施例3
化合物25
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸
【0081】
ステップ−1: ジオキサン中の中間体1(0.41g、1.18mモル)、K2CO3(0.49g、3.54mモル)、CuI(0.23g、2.39mモル)、ピラゾール[CAS288−13−1](0.18g、2.64mモル)およびN,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(0.1mL、0.93mモル)の溶液を105℃まで16〜18時間加熱した。該混合物に、Cs2CO3(1.0g、3.07mモル)Cu−Sn合金(500mg、200メッシュ)およびDMF(約15mL)を加えて160℃での加熱を16〜18時間継続させた。該混合物を室温まで冷却して、標準的水性後処理を施した。この未精製材料を自動カラム(8:2のヘキサン/EtOAc)上で精製して、中間体4:4−(5−フェニルペンチルオキシ)−3−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンズアルデヒド、120mg(51%)を白色固体として得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD):δ9.94(s、1H)、8.31(d、J=1.8Hz、1H)、8.05(d、J=1.8Hz、1H)、7.84−7.80(m、1H)、7.79(s、1H)、7.29−7.24(m、2H)、7.78−7.11(m、4H)、6.42(s、1H)、4.14(t、J=6.3Hz、2H)、2.63(t、J=7.8Hz、2H)、1.83−1.39(series of m、6H)。
【0082】
ステップ−2: 表題化合物:1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸を生成するために、実施例1の方法で記述したように中間体4をアゼチジン−3−カルボン酸と反応させた。
1H NMR(300MHz、CD3OD):δ8.01(d、J=2.1Hz、1H)、7.68(dd、J=2.1、7.8Hz、2H)、7.43(dd、J=2.1、8.4Hz、1H)、7.25−7.20(m、3H)、6.44(t、J=2.4Hz、1H)、4.26(s、2H)、4.16−4.04(m、6H)、3.40−3.32(m、1H)、2.58(t、J=7.5Hz、2H)、1.83−1.74(m、2H)、1.68−1.58(m、2H)、1.47−1.39(m、2H)。
【0083】
実施例4
化合物26
1−{4−[(5−フェニルペンチル)チオ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸
【0084】
ステップ−1: DMF(25mL)中のブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド[CAS77771−02−9](5.1g、24.6mモル)の混合物を硫化ナトリウムNa2S9H2O(6.80g、27.7mモル)で処置し、次いで該混合物を室温で9日間攪拌した。酸性仕上げ処理およびヘキサン/EtOAc(1:1)による抽出の後、プールした有機層を水で洗浄し(3回)、次いでMgSO4上で乾燥させて、濾過し、シリカゲル上に濃縮した。自動カラム(9:1のヘキサン/EtOAc)によって、中間体5:3−ブロモ−4−メルカプトベンズアルデヒド、3.07g(58%)を固体として得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD):δ9.86(s、1H)、7.98(d、J=1.5Hz、1H)、7.64(d、J=1.8Hz、1H)、7.47(d、J=7.8Hz、1H)、4.31(s、1H)。
【0085】
ステップ−2: THF(30mL)中、中間体5(2.80g、11.3mモル)および(5−ブロモペンチル)ベンゼン[CAS14469−83−1](2.61g、11.5モル)の溶液をトリエチルアミン(3.1mL)とともに室温で18時間、攪拌した。該溶媒を減圧下で除去して、残留物をEtOAc/ヘキサン(200mL、1:1)に溶解させ、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、シリカゲル上に濃縮した。自動カラム(9.5ヘキサン/0.5EtOAc)によって、中間体6:3−ブルモ−4−((5−フェニルペンチル)チオ)ベンズアルデヒド、1.74g(42%)を油として得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3):δ9.86(s、1H)、7.98(d、J=1.8Hz、1H)、7.72(dd、J=8.4、1.2Hz、1H)、7.28−7.15(m、6H)、2.97(t、J=7.5Hz、2H)、2.63(t、J=7.5Hz、2H)、1.79−1.54(series of m、6H)。
【0086】
ステップ−3: 表題化合物:1−{4−[(5−フェニルペンチル)チオ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−カルボン酸を生成するために、中間体6およびチオフェン−2−イル ボロン酸を、実施例1の方法で記述したようにアゼチジン−3−カルボン酸と反応させた。
1H NMR(600MHz、CD3OD):δ7.48−7.47(m、1H)、7.46−7.45(m、2H)、7.36(dd、J=2.4、8.4Hz、1H)、7.26−7.25(m、1H)、7.23−7.21(m、2H)、7.13−7.11(m、3H)、7.10(dd、J=4.2、5.4Hz、1H)、4.26(s、2H)、4.14−4.08(m、4H)、3.39−3.34(m、1H)、2.86(t、J=7.8Hz、2H)、2.56(t、J=7.8Hz、2H)、1.64−1.56(m、4H)、1.44−1.39(m、2H)。
【0087】
実施例5
化合物27
1−{3−シクロペント−1−エン−1−イル−4−[(5−フェニルペンチル)チオ]ベンジル}ゼチジン−3−カルボン酸
【0088】
実施例4で記述した方法によって表題の化合物を合成し、中間体6をステップ3でシクロペント−1−イル ボロン酸と反応させた。
1H NMR(600MHz、CD3OD):δ7.34(d、J=8.4、1H)、7.26−7.21(m、4H)、7.14−7.11(m、3H)、5.91(pentet、J=2.4Hz、1H)、4.23(s、2H)、4.13−4.08(m、4H)、3.39−3.33(m、1H)、2.90(t、J=7.8Hz、2H)、2.73−2.70(m、2H)、2.58(t、J=7.2Hz、2H)、2.54−2.50(m、2H)、2.03−1.98(m、2H)、1.66−1.59(m、4H)、1.48−1.43(m、2H)。
【0089】
実施例6
化合物28
3−({4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アミノ)シクロブタンカルボン酸
【0090】
ステップ−1: THF(11mL)、酢酸(1.2mL)およびEtOH(6mL)中、中間体7;4−((5−フェニルペンチル)オキシ)−3−(チオフェン−2−イル)ベンズアルデヒド[化合物16の合成の間に、中間体1およびチオフェン−2−イル ボロン酸から生成された](230mg、0.66mモル)およびエチル3−アミノシクロブタンカルボン酸−HCl塩[CAS957793−35−0](150mg、0.84mモル)を室温で1時間攪拌した。
中間体7:1H NMR(300MHz、CDCl3):δ9.92(s、1H)、8.17(d、J=2.1Hz、1H)、7.75(dd、J=9.9、2.1Hz、1H)、7.56(dd、J=3.6、1.2Hz、1H)、7.37−7.02(series of m、8H)、4.16(t、J=6.6Hz、2H)、2.66(t、J=7.2Hz、2H)、2.01−1.54(series of m、6H)。NaBH(OAc)3(320mg、1.43mモル)を加えて、該混合物を室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去して、該混合物をNaOH(1M)で処理してpH>7に調整した。該混合物をEtOAcで抽出し、次いで有機層を合わせて、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、シリカゲル上に濃縮した。自動カラム(EtOAc)によって、中間体8:エチル3−((4−((5−フェニルペンチル)オキシ)−3−(チオフェン−2−イル)ベンジル)アミノ)シクロブタンカルボン酸塩を透明な油として得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3):δ7.57(d、J=1.8Hz、1H)、7.50(dd、J=0.9、2.7Hz、1H)、7.31−7.14(m、7H)、7.06(dd、J=3.9、1.5Hz、1H)、6.90(d、J=8.4Hz、1H)、4.15−4.03(m、4H)、3.69(s、2H)、3.29−3.18(m、1H)、2.78−2.46(m、5H)、2.01−1.49(series of m、8H)、1.24(t、J=6.9Hz、3H)。
【0091】
ステップ−2: ジオキサン(10mL)中の中間体8(200mg、0.42mモル)をNaOH(3.5mL、1M)で、室温で1時間処理した。溶媒を減圧下で除去し、次いでHCl(1M)でそのpHを3〜4に調整した。該溶液をCHCl3:イソプロパノール(3:1)で抽出した。有機溶媒を減圧下で除去して、表題化合物:3−({4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アミノ)シクロブタンカルボン酸を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD):δ7.83(d、J=2.1Hz、1H)、7.58(dd、J=0.9、3.9Hz、1H)、7.41(d、J=5.4Hz、1H)、7.35(dd、J=2.1、8.4Hz、1H)、7.25−7.20(m、2H)、7.16−7.13(m、3H)、7.10−7.06(m、2H)、4.15−4.09(m、4H)、3.77(pentet、J=8.4Hz、1H)、3.02(pentet、J=9.0Hz、1H)、2.65−2.56(m、4H)、2.45−2.35(m、2H)、1.95−1.86(m、2H)、1.75−1.65(m、2H)、1.62−1.52(m、2H)。
【0092】
実施例7
化合物29
3−[(1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−チエニル}フェニル)エチル]アミノ]シクロブタンカルボン酸
【0093】
ステップ−1: THF(15mL)中、中間体7(600mg、1.71mモル)の混合物を−78℃で、MeMgBr(2.0mL、ジエチルエーテル中3.0M)と反応させ、次いで0℃まで3時間、温めた。該混合物を水でクエンチし、次いで減圧下でTHFを除去した。水層をEtOAcで抽出した。プールした有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濾過して、シリカゲル上に濃縮した。自動カラム(8.5ヘキサン/1.5EtOAc)によって、中間体9:1−(4−((5−フェニルペンチル)オキシ)−3−(チオフェン−2−イル)フェニル)エタノール、450mg(72%)を油として得た。
1H NMR(600MHz、CDCl3):δ7.63(d、J=4.2Hz、1H)、7.49(dd、J=1.2、4.2Hz、1H)、7.29−7.16(series of m、7H)、7.05(dd、J=3.6、4.8Hz、1H)、6.87(d、J=9.0Hz、1H)、4.83(q、J=6.0Hz、1H)、4.02(d、J=6.0Hz、2H)、2.63(t、J=7.8Hz、2H)、1.91−1.54(series of m、6H)、1.48(d、J=6.6Hz、3H)。
【0094】
ステップ−2: ジオキサン(20mL)中、中間体9(450mg、1.23mモル)およびMnO2(1.1g、10.7mモル(85%))の混合物を100℃で18時間加熱した。該混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をクロロホルムで溶解させて、減圧下でシリカゲル上に濃縮した。自動カラム(9ヘキサン:1EtOAc)によって中間体10:1−(4−((5−フェニルペンチル)オキシ)−3−(チオフェン−2−イル)フェニル)エタノン、350mg(78%)を白色固体として得た。MS[M+23]+387.19
【0095】
ステップ−3: THF(8mL)中、アミノシクロブタンカルボン酸−HCl塩(260mg、1.45mモル)をトリエチルアミン(0.185mL、1.33mモル)で1時間、室温で処理した。Ti(OEt)4(0.32mL)を加え、続いてTHF(6mL)中の中間体10(350mg、0.96mモル)で2.5時間、室温で処理した。水素化ホウ素ナトリウム(190mg)を加えて、該混合物を室温で約18時間攪拌した。水酸化アンモニウム(2.5mL)を加え、次いで該混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を除去し、該混合物をEtOAc、水で希釈し、次いでセライトを通して濾過した。有機層を分離して、水層をEtOAcで抽出した。有機層を合わせて、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、シリカゲル上に濃縮した。自動カラム(8EtOAc:2ヘキサン)によって、中間体11:エチル 3−((1−(4−((5−フェニルペンチル)オキシ)−3−(チオフェン−2−イル)フェニル)エチル)アミノ)シクロブタンカルボン酸塩、100mg(21%)を透明な油として得た。
1H NMR(600MHz、CDCl3):δ7.56(d、J=2.4Hz、1H)、7.51−7.50(m、1H)、7.31−7.25(m、3H)、7.19−7.15(m、4H)、7.06(dd、J=3.6、5.4Hz、1H)、6.89(d、J=8.4Hz、1H)、4.11−4.05(m、4H)、3.08(m、1H)、2.66−2.62(m、3H)、2.60−2.30(series of m、2H)、1.94−1.22(series of m、12H)。
【0096】
ステップ−4: 中間体11の混合物を実施例6のステップ2で記述した方法によって加水分解ざせて、表題化合物3−[(1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)フェニル}エチル)アミノ]シクロブタンカルボン酸、81mgを得た。
1H NMR(600MHz、CD3OD):δ7.76(d、J=2.4Hz、1H)、7.56(dd、J=1.2、4.2Hz、1H)、7.41(dd、J=1.2,5.4Hz、1H)、7.31(dd、J=2.4、9.0Hz、1H)、7.23(t、J=7.8Hz、2H)、7.16(d、J=7.8Hz、2H)、7.14−7.12(m、2H)、7.08(dd、J=3.6、5.4Hz、1H)、4.32(q、J=7.2Hz、1H)、4.14(t、J=6.0Hz、2H)、3.50(t、J=7.8Hz、1H)、2.81−2.75(m、1H)、2.64(t、J=7.8Hz、2H)、2.56−2.53(m、1H)、2.35−2.27(m、2H)、2.14−2.11(m、1H)、1.93−1.89(m、2H)、1.74−1.66(m、2H)、1.65(d、J=6.6Hz、3H)、1.61−1.57(m、2H)。
【0097】
実施例8
生物学データ
【0098】
化合物を合成して、GTPγ35S結合アッセイを用いて、S1P1活性を試験した。これらの化合物は、S1P1受容体を安定して発現する細胞においてヒトS1P1受容体の活性を活性化するまたはブロックするそれらの能力に関して評価されることが可能である。
【0099】
GTPγ35S結合を、150μLの容量中に、25mMのHEPES(pH7.4)、10mMのMgCl2、100mMのNaCl、0.5mMのジチオスレイトール、0.003%ジギトニン、0.2nMのGTPγ35S、および5μgの膜タンパク質を含む培地で測定した。試験化合物は、特に明記しない限り、0.08から5,000nMまでの濃度範囲で含まれた。膜は、100μMの5’−アデニリルイミドリン酸とともに30分間インキュベートし、その後、10μMのGDPとともに氷上で10分間インキュベートした。薬液と膜を混合し、次いでGTPγ35Sを加えることによって反応を開始させ、25℃で30分間継続させた。反応混合物を、減圧下で、Whatmanガラス繊維フィルター上で濾過して、3mLの氷冷の緩衝液(25mMのHEPES(pH7.4)、10mMのMgCl2および100mMのNaCl)で3回洗浄した。フィルターを乾燥させて、シンチラントと混合して、β−カウンターを用いて、35Sの活性を測定した。アゴニストに誘発されたGTPγ35S結合を、アゴニストの非存在下でのその結合を差し引くことによって得た。結合データを、非線形回帰法を使用して分析した。アンタゴニストアッセイの場合、該反応混合物は、試験アンタゴニストの存在下で0.08から5000nMにわたる濃度で、10nMのS1Pを含んでいた。
【0100】
表3は、活性効力:GTPγ35S由来のS1P1受容体:nM、(EC50)、%刺激を示す。
活性効力:GTPγ35S由来のS1P1受容体:nM(EC50
【0101】
【表3】

【0102】
実施例9
マウスにおけるリンパ球減少症アッセイ
【0103】
試験薬を3%(w/v)の2−ヒドロキシプロピルβ−シクロデクストリン(HPBCD)と、1mg/mLの最終濃度に対する1%DMSOとを含む溶液で調製し、続いて、体重20〜25gの雌C57BL6マウス(CHARLES RIVERS)に、10mg/Kgの用量で注入した。薬物投与から5、24、48、72および96時間後に、Goldenrod動物用ランセットを用いて下顎皮膚を穿刺することによって血液試料を採取した。EDTA三カリウム塩を含有するマイクロベット(SARSTEDT)に血液を採取する。血液試料中のリンパ球を、HEMAVET Multispecies Hematology System(HEMAVET HV950FS(Drew Scientific Inc.)を用いて、計数する。(Hale,J.らBioorg.&Med. Chem. Lett.14(2004)3351)。
【0104】
マウスにおいてS1P1アゴニストによって誘発されたリンパ球減少症:時間経過
(10mg/Kg ip)
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}
アゼチジン−3−カルボン酸
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I、
【化1】

式I
(式中:
1は、NまたはC−R11であり;
2は、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールであり;
3は、O、N−R12、CH−R13、S、−CR14=CR15−、−C≡C−または−C(O)−であり;
4は、H、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールであり;
5は、H、ハロゲン、−OC1-3アルキル、C1-3アルキルまたはヒドロキシルであり;
6は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは、−OC1-3アルキルであり;
7は、HまたはC1-6アルキルであり;
8は、HまたはC1-6アルキルであり;
9は、CHまたはNであり;
10は、OPO32、カルボン酸、−PO32、C1-6アルキル、−S(O)2OH、−P(O)MeOH、−P(O)(H)OHまたは−OR16であり;
11は、H、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルであり;
12は、HまたはC1-3アルキルであり;
13は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-3アルキルまたはアミノであり;
14は、HまたはC1-3アルキルであり;
15は、HまたはC1-3アルキルであり;
16は、HまたはC1-6アルキルであり;
aは、0、1、2、3または4であり;
bは、0、1、2、3または4であり;
cは、0または1であり;
dは、0または1であり;
eは、0、1、2または3であり;
fは、0、1、2または3であり;
gは、0、1、2または3であり;
Lは、CHR17、O、S、NR18または−C(O)−であり;
17は、H、C1-3アルキル、−OC1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノであり、および
18は、HまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がO、N−R12、Sであり、およびbが0または1であるとき、LはO、S、またはNR18でない)
を有する化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、溶媒和化合物、結晶形および個々の異性体、互変異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
1がNまたはC−R11であり;
2が5員芳香族複素環または5員シクロアルケニルであり;
3がO、N−R12、CH−R13、S、−CR14=CR15−、−C≡C−または−C(O)−であり;
4がH、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールであり;
5がH、ハロゲン、−OC1-3アルキル、C1-3アルキルまたはヒドロキシルであり;
6がH、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルであり;
7がHまたはC1-6アルキルであり;
8がHまたはC1-6アルキルであり;
9がCHまたはNであり;
10がOPO32、カルボン酸、−PO32、C1-6アルキル、−S(O)2OH、−P(O)MeOH、−P(O)(H)OHまたは−OR16であり;
11がH、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルであり;R12がHまたはC1-3アルキルであり;
13がH、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-3アルキルまたはアミノであり;
14がHまたはC1-3アルキルであり;
15がHまたはC1-3アルキルであり;
16がHまたはC1-6アルキルであり;
aが0、1、2、3または4であり;
bが0、1、2、3または4であり;
cが0または1であり;
dが0または1であり;
eが0、1、2または3であり;
fが0、1、2または3であり;
gが0、1、2または3であり;
LがCHR17、O、S、NR18または−C(O)−であり;
17がH、C1-3アルキル、−OC1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノであり、および
18がHまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がO、N−R12、Sであり、およびbが0または1であるとき、LはO、S、またはNR18でない、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1がNまたはC−R11であり;
2がシクロペンタン、シクロペンテン、ピラゾリジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、ピラゾリン、チアゾリン、オキサゾリン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、フラン、ジヒドロフラン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、オキサゾール、オキサゾリン、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラゾリン、イソキサゾール、イソチアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、ピロリジノン、ピロール2(3H)−オン、イミダゾリジン−2−オン、または1,2,4−トリアゾール−5(4H)−オンであり;
3がO、N−R12、CH−R13、S、−CR14=CR15−、−C≡C−または−C(O)−であり;
4がH、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールであり;
5がH、ハロゲン、−OC1-3アルキル、C1-3アルキルまたはヒドロキシルであり;
6がH、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは、−OC1-3アルキルであり;
7がHまたはC1-6アルキルであり;
8がHまたはC1-6アルキルであり;
9がCHまたはNであり;
10がOPO32、カルボン酸、−PO32、C1-6アルキル、−S(O)2OH、−P(O)MeOH、−P(O)(H)OHまたは−OR16であり;
11がH、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルであり;
12がHまたはC1-3アルキルであり;
13がH、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-3アルキルまたはアミノであり;
14がHまたはC1-3アルキルであり;
15がHまたはC1-3アルキルであり;
16がHまたはC1-6アルキルであり;
aが0、1、2、3または4であり;
bが0、1、2、3または4であり;
cが0または1であり;
dが0または1であり;
eが0、1、2または3であり;
fが0、1、2または3であり;
gが0、1、2または3であり;
LがCHR17、O、S、NR18または−C(O)−であり;
17がH、C1-3アルキル,−OC1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノであり、および
18がHまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がO、N−R12、Sであり、およびbが0または1であるとき、LはO、S、NR18でない、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1がNであり;
2が芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールであり;
3がO、N−R12、CH−R13、S、−CR14=CR15−、−C≡C−または−C(O)−であり;
4がH、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールであり;
5がH、ハロゲン、−OC1-3アルキル、C1-3アルキルまたはヒドロキシルであり;
6がH、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、または−OC1-3アルキルであり;
7がHまたはC1-6アルキルであり;
8がHまたはC1-6アルキルであり;
9がCHまたはNであり;
10がOPO32、カルボン酸、−PO32、C1-6アルキル、−S(O)2OH、−P(O)MeOH、−P(O)(H)OHまたは−OR16であり;
12がHまたはC1-3アルキルであり;
13がH、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-3アルキルまたはアミノであり;
14がHまたはC1-3アルキルであり;
15がHまたはC1-3アルキルであり;
16がHまたはC1-6アルキルであり;
aが0、1、2、3または4であり;
bが0、1、2、3または4であり;
cが0または1であり;
dが0または1であり;
eが0、1、2または3であり;
fが0、1、2または3であり;
gが0、1、2または3であり;
LがCHR17、O、S、NR18または−C(O)−であり;
17がH、C1-3アルキル、−OC1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノであり、および
18がHまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がO、N−R12、Sであり、およびbが0または1であるとき、LはO、S、NR18でない、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
1がC−R11であり;および
2が芳香族複素環、非芳香族複素環またはシクロアルケニルであり;および
3がOまたはSであり;および
4がアリールであり;および
5がH、−OC1-3アルキルまたはハロゲンであり;および
6がHであり;および
7がHまたはC1-6アルキルであり;および
8がHであり;および
9がCHまたはNであり;および
10がCOOHであり;および
11がHであり;および
aが0、1、2または3であり;および
bが1、2または3であり;および
cが0または1であり;および
dが0または1であり;および
eが0または1であり;および
fが1であり;および
gが0であり;および
LがCHR17またはOであり;および
17がHまたはC1-3アルキルある;
ただし、R3がOまたはSであり、およびbが1であるとき、LはOでない、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
1がC−R11であり;および
2が芳香族複素環、非芳香族複素環またはシクロアルケニルであり;および
3がOであり;および
4がアリールであり;および
5がH、−OC1-3アルキルまたはハロゲンであり;および
6がHであり;および
7がHまたはC1-6アルキルであり;および
8がHであり;および
9がCHであり;および
10がCOOHであり;および
11がHであり;および
aが0、1、2または3であり;および
bが1、2または3であり;および
cが1であり;および
dが1であり;および
eが0または1であり;および
fが1であり;および
gが0であり;および
LがCHR17であり;および
17がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
1がC−R11であり;および
2が芳香族複素環、非芳香族複素環またはシクロアルケニルであり;および
3がSであり;および
4がアリールであり;および
5がH、−OC1-3アルキルまたはハロゲンであり;および
6がHであり;および
7がHまたはC1-6アルキルであり;および
8がHであり;および
9がCHまたはNであり;および
10がCOOHであり;および
11がHであり;および
aが0、1、2または3であり;および
bが1、2または3であり;および
cが0または1であり;および
dが0または1であり;および
eが0または1であり;および
fが1であり;および
gが0であり;および
LがCHR17またはOであり;および
17がHまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がSであり、およびbが1であるとき、LはOでない、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
1がC−R11であり;および
2が芳香族複素環、非芳香族複素環またはシクロアルケニルであり;および
3がOであり;および
4がアリールであり;および
5がH、−OC1-3アルキルまたはハロゲンであり;および
6がHであり;および
7がHまたはC1-6アルキルであり;および
8がHであり;および
9がCHまたはNであり;および
10がCOOHであり;および
11がHであり;および
aが0、1、2または3であり;および
bが1、2または3であり;および
cが0または1であり;および
dが0または1であり;および
eが0または1であり;および
fが1であり;および
gが0であり;および
LがCHR17またはOであり;および
17がHまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がOであり、およびbが1であるとき、LはOでない、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
1がC−R11であり;および
2が芳香族複素環、アリールまたはシクロアルケニルであり;および
3がOであり;および
4がアリールであり;および
5がHまたはハロゲンであり;および
6がHであり;および
7がHまたはC1-6アルキルであり;および
8がHであり;および
9がCHまたはNであり;および
10がCOOHであり;および
11がHであり;および
aが0、1、2または3であり;および
bが1、2または3であり;および
cが0または1であり;および
dが0または1であり;および
eが0または1であり;および
fが1であり;および
gが0であり;および
LがCHR17であり;および
17がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
1がC−R11であり;および
2が芳香族複素環またはシクロアルケニルであり;および
3がOまたはSであり;および
4がアリールであり;および
5がH、−OC1-3アルキルまたはハロゲンであり;および
6がHであり;および
9がNであり;および
10がCOOHであり;および
aが0、1、2または3であり;および
bが1、2または3であり;および
cが0であり;および
dが0であり;および
eが1であり;および
fが1であり;および
gが0であり;および
LがCHR17またはOであり;および
17がHまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がOまたはSであり、およびbが1であるとき、LはOでない、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
1−{3−(3−フリル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−メトキシ−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−5−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(6−フェニルヘキシル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[3−(ベンジルオキシ)プロポキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[3−(4−イソブチルフェニル)プロポキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−[4−(2−ビフェニル−4−イルエトキシ)−3−(2−チエニル)ベンジル]アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−クロロ−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−5−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−クロロ−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−5−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(3−メチル−5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(5−メチル−2−チエニル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(4−メチル−2−チエニル」−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル)アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(3−メチル−2−チエニル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−5−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−4−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−シクロペンタ−1−エン−1−イル−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−5−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−ピリジン−4−イルベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルルペンチル)オキシ]−3−(3−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−({6−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ビフェニル−3−イル}メチル)アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(2−フリル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−2−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(1,3−オキサゾール−2−イル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)チオ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−シクロペンタ−1−エン−1−イル−4−[(5−フェニルペンチル)チオ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
3−({4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アミノ)シクロブタンカルボン酸;
3−[(1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)フェニル}エチル)アミノ]シクロブタンカルボン酸から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
1−{3−(3−フリル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−クロロ−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−5−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−5−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−4−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−シクロペンタ−1−エン−1−イル−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−5−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(3−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(2−フリル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−2−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(1,3−オキサゾール−2−イル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
3−({4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アミノ)シクロブタンカルボン酸;
3−[(1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)フェニル}エチル)アミノ]シクロブタンカルボン酸から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
医薬組成物であって、有効成分として請求項1による化合物の治療有効量および薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を含む医薬組成物。
【請求項14】
前記化合物が、1−{3−(3−フリル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−メトキシ−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−5−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(6−フェニルヘキシル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[3−(ベンジルオキシ)プロポキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[3−(4−イソブチルフェニル)プロポキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−[4−(2−ビフェニル−4−イルエトキシ)−3−(2−チエニル)ベンジル]アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−クロロ−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−5−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−クロロ−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−5−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(3−メチル−5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(5−メチル−2−チエニル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(4−メチル−2−チエニル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(3−メチル−2−チエニル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−5−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−4−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−シクロペンタ−1−エン−1−イル−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−5−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−4−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−ピリジン−4−イルベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(3−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−({6−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ビフェニル−3−イル}メチル)アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(2−フリル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1,3−チアゾール−2−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−(1,3−オキサゾール−2−イル)−4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{4−[(5−フェニルペンチル)チオ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
1−{3−シクロペンタ−1−エン−1−イル−4−[(5−フェニルペンチル)チオ]ベンジル}アゼチジン−3−カルボン酸;
3−({4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)ベンジル}アミノ)シクロブタンカルボン酸;
3−[(1−{4−[(5−フェニルペンチル)オキシ]−3−(2−チエニル)フェニル}エチル)アミノ]シクロブタンカルボン酸から選択される請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項15】
スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)受容体調節に関連する障害を処置する方法であって、それを必要とする哺乳類に、式I
【化2】


式I
(式中:
1は、NまたはC−R11であり;
2は、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアリールであり;
3は、O、N−R12、CH−R13、S、−CR14=CR15−、−C≡C−または−C(O)−であり;
4は、H、芳香族複素環、非芳香族複素環、シクロアルケニル、シクロアルキルまたはアリールであり;
5は、H、ハロゲン、−OC1-3アルキル、C1-3アルキルまたはヒドロキシルであり;
6は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルであり;
7は、HまたはC1-6アルキルであり;
8は、HまたはC1-6アルキルであり;
9は、CHまたはNであり;
10は、OPO32、カルボン酸、PO32、C1-6アルキル、−S(O)2OH、−P(O)MeOH、−P(O)(H)OHまたは−OR16であり;
11は、H、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたは−OC1-3アルキルであり;
12は、HまたはC1-3アルキルであり;
13は、H、C1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-3アルキルまたはアミノであり;
14は、HまたはC1-3アルキルであり;
15は、HまたはC1-3アルキルであり;
16は、HまたはC1-6アルキルであり;
aは、0、1、2、3または4であり;
bは、0、1、2、3または4であり;
cは、0または1であり;
dは、0または1であり;
eは、0、1、2または3であり;
fは、0、1、2または3であり;
gは、0、1、2または3であり;
Lは、CHR17、O、S、NR18または−C(O)−であり;
17は、H、C1-3アルキル、−OC1-3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシルまたはアミノであり、および
18は、HまたはC1-3アルキルである;
ただし、R3がO、N−R12、またはSであり、およびbが0または1であるとき、LはO、S、NR18でない)
のうちの少なくとも1つの化合物の治療有効量を含む医薬組成物を投与することを含む方法。
【請求項16】
前記医薬組成物が、眼疾患、湿性および乾性の加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜浮腫、地図状萎縮、緑内障性視神経症、網脈絡膜症、高血圧性網膜症、眼虚血症候群、眼底の炎症によって誘発される線維症の予防、ブドウ膜炎、強膜炎、角膜炎、および網膜血管炎を含む種々の眼炎症性疾患;または全身の血管バリア関連疾患、急性肺損傷、その予防、敗血症、腫瘍転移、アテローム性動脈硬化、肺水腫、および人工呼吸によって誘発される肺損傷を含む種々の炎症性疾患;または自己免疫疾患および免疫抑制、関節リウマチ、クローン病、グレーブス病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、潰瘍性大腸炎、自己免疫性ブドウ膜炎、腎乏血/灌流損傷、接触過敏症、アトピー性皮膚炎、および臓器移植;またはアレルギーおよび他の炎症性疾患、蕁麻疹、気管支喘息、および肺気腫と慢性閉塞性肺疾患を含む他の気道炎;または心筋保護、虚血再灌流障害およびアテローム性動脈硬化;または創傷治癒、美容皮膚手術、眼手術、GI手術、一般外科、口腔損傷、種々の機械的損傷、熱傷および火傷からの創傷の瘢痕を作らない治癒、光老化および皮膚老化の予防と処置、ならびに放射線による損傷の予防;または骨形成、骨粗鬆症の処置および腰と足首とを含む種々の骨折の処置;または抗侵害受容活性、内臓痛、糖尿病性神経障害関連疼痛、関節リウマチ痛、慢性の膝関節痛および関節痛、腱炎、変形性関節症、神経因性疼痛を処置するために前記哺乳類に投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記哺乳類がヒトである請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2013−512243(P2013−512243A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541122(P2012−541122)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/057336
【国際公開番号】WO2011/066179
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】