説明

治療薬としての置換ガンマラクタム類

本明細書においては、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグを開示する。
【化1】


Y、AおよびBは、本明細書において記載したとおりである。また、これらの化合物に関連する方法、組成物および医薬品も開示する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の開示)
本明細書において、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグを開示する:
【化1】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子は、SまたはOによって置換し得;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインター(中間)アリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得;
Uは、O、S、NR1であり;R1は、H、C1-6アルキル、C1-7アシル、ベンゾイル、ビフェニルアシル、C1-6スルホニル、フェニルスルホニル、ビフェニルスルホニル、トリフルオロメチルアシルまたはトリフロイルであり;そして、
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【0002】
Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基である。
有機酸官能基は、有機分子上の酸性官能基である。限定するつもりはないが、有機酸官能基は、炭素、イオウまたはリンの酸化物を含み得る。従って、本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、ある種の化合物においては、Yは、カルボン酸、スルホン酸またはホスホン酸官能基、即ち、下記に示す構造の1つである:
【化2】

また、任意の製薬上許容し得る形の任意のこれらの酸の塩も意図する。
さらに、上記で示した有機酸の1つの12個までの炭素原子を含むアミドまたはエステルもまた意図する。エステルにおいては、ヒドロカルビル成分により、カルボン酸エステル、例えば、CO2Me、CO2Et等におけるような酸の水素原子を置換する。
アミドにおいては、アミン基により、上記酸のOHを置換する。アミドの例としては、CON(R2)2、CON(OR2)R2、CON(CH2CH2OH)2およびCONH(CH2CH2OH)があり、R2は、個々に、H、C1〜C6アルキル、フェニルまたはビフェニルである。また、CONHSO2R2のような成分は、スルホン酸R2-SO3Hのアミドであるとみなし得るという事実にもかかわらずカルボン酸のアミドである。
【0003】
また、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであり得る。即ち、下記に示す構造を有する化合物が可能である。
【化3】

さらに、これらの化合物のエーテルも可能である。エーテルは、ヒドロキシルの水素が炭素原子によって置換されている官能基であり、例えば、Yは、CH2OCH3、CH2OCH2CH3等である。
最後に、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、Yは、下記の式に従う構造を有する化合物のようなテトラゾリル官能基であり得る。
【化4】

非置換テトラゾリル官能基は、2つの互変異性形を有し、水性または生物学的媒質中で急速に相互転換し得、従って、互いに等価である。これらの互変異性体を、下記を示す。
【化5】

さらに、R2がC1〜C6アルキル、フェニルまたはビフェニルである場合、下記に示すもののような他の異性体形のテトラゾリル官能基も可能であり、C12までの非置換およびヒドロカルビル置換テトラゾリルは、用語“テトラゾリル”の範囲内であるとみなす。
【化6】

本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、1つの実施態様においては、Yは、CO2R2、CON(R2)2、CON(OR2)R2、CON(CH2CH2OH)2、CONH(CH2CH2OH)、CH2OH、P(O)(OH)2、CONHSO2R2、SO2N(R2)2、SO2NHR2、およびテトラゾリル-R2である、R2は、個々に、H、C1〜C6アルキル、フェニルまたはビフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Yは、CONH-フェニルまたはCONH-シクロフェニルではない。
【0004】
本明細書において示す化学構造において開示するAの属性に関しては、Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
限定するつもりはないが、Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり得る。
また、Aは、炭素のいずれかがSおよび/またはOによって置換されているこれら3つの成分の1つに関連する基であり得る。例えば、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、Aは、下記の1つ等のようなS置換成分であり得る。
【化7】

【0005】
また、本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、Aは、下記の1つ等のようなS置換成分であり得る。
【化8】

また、本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、Aは、下記の1つ等のように、鎖中に置換させたOおよびSの双方を有し得る。
【化9】

【0006】
また、本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、ある種の実施態様においては、Aは-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。換言すれば、本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、1つの実施態様においては、Aは、1〜4個のCH2成分とAr、例えば、-CH2-Ar-、-(CH2)2-Ar-、-CH2-Ar-CH2-、-CH2Ar-(CH2)2-、-(CH2)2-Ar-(CH2)2-等を含み;或いは、Aは、O、0〜3個のCH2成分およびAr、例えば、-O-Ar-、Ar-CH2-O-、-O-Ar-(CH2)2-、-O-CH2-Ar-、-O-CH2-Ar-(CH2)2等を含み;或いは、Aは、S、0〜3個のCH2成分およびAr、例えば、-S-Ar-、Ar-CH2-S-、-S-Ar-(CH2)2-、-S-CH2-Ar-、-S-CH2-Ar-(CH2)2、-(CH2)2-S-Ar等を含む。
もう1つの実施態様においては、mとoの和は2〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、mとoの和は3であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、mとoの和は2であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、mとoの和は4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
【0007】
インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンとは、分子の2つの他の部分を連結しているアリール環もしくは環系またはヘテロアリール環もしくは環系を称する、即ち、上記2つの部分は、環に2つの異なる環位置において結合している。インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンは、置換してもまたは置換しなくてもよい。非置換インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンは、これらのアリーレンが結合している分子の2つの部分以外の置換基を有さない。置換インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンは、これらのアリーレンが結合している分子の2つの部分以外の1個以上の置換基を有する。
1つの実施態様においては、Arは、置換または非置換のインターフェニレン、インターチエニレン、インターフリレン、インターピリジニレン、インターオキサゾリレンおよびインターチアゾリレンである。もう1つの実施態様においては、Arは、インターフェニレン(Ph)である。もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)2-Ph-である。本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、置換基は、4個以下の重原子を有し得る、換言すれば水素原子を有しない。また、特定の置換基において必要な任意の数の水素原子も含ませ得る。従って、置換基は、ヒドロカルビル、即ち、C4までのアルキル、アルケニル、アルキニル等のような、4個までの炭素原子を有する、アルキルのような炭素と水素のみからなる成分;C3までのヒドロカルビルオキシ;CF3;F、ClまたはBrのようなハロヒドロキシルNH2およびC3までのアルキルアミン官能基;他のNまたはS含有置換基等であり得る。
【0008】
置換インターアリーレンまたはインターヘテロアリーレンは、その環または環系が担持する限りまでの1個以上の置換基を有し得、これらの置換基は同一または異なるものであり得る。従って、例えば、インターアリーレン環またはインターヘテロアリーレン環は、クロロとメチル;メチル、OHおよびF;CN、NO2およびエチル等によって置換し得、本開示に照らして可能性のある任意の考えられる置換基または置換基の組合せを含み得る。
1つの実施態様においては、Aは-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターフェニレンである、mとoの和は1〜3であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2-Ar-OCH2-である。もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ar-OCH2-であり、Arはインターフェニレンである。もう1つの実施態様においては、Arは、1および3位置で結合しており、或いは、Aが下記に示す構造を有するときのような1,3 インターアリールまたはインターヘテロアリールである。
【化10】

1,3 インターアリールまたはインターヘテロアリールの他の例は、下記のA-Yの例において例示される。
【化11】

【0009】
もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得る;或いは、Aは-(CH2)2-Ph-であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、-(CH2)2-Ph-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)6-ではない。
もう1つの実施態様においては、Aは下記の構造の1つを有し、Yはオキサゾリルまたはチアゾリル環に結合している。
【化12】

もう1つの実施態様においては、Aは下記に示す構造の1つを有し、Yはフェニルまたはヘテロアリール環に結合している。
【化13】

【0010】
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2OCH2Arである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2SCH2Arである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)3Arである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2O(CH2)4である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2S(CH2)4である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-S(CH2)3S(CH2)2-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)4OCH2-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、シス-CH2CH=CH-CH2OCH2-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2CH≡CH-CH2OCH2-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)2S(CH2)3-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2-O-(CH2)4-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは、2,5-インターフリレンである。
【0011】
Uは、O、S、NR1であり;R1は、H、C1-6アルキル、C1-7アシル、ベンゾイル、ビフェニルアシル、C1-6スルホニル、フェニルスルホニル、ビフェニルスルホニル、トリフルオロメチルアシルまたはトリフロイルである。
アシル、ベンゾイル、ビフェニルアシル、スルホニル、フェニルスルホニルおよびビフェニルスルホニルは、下記に示す構造を有し;Nは、Uの窒素原子を示す。
【化14】

【0012】
従って、下記に示す式に従う化合物、製薬上許容し得る塩またはそのプロドラッグが、可能であり;R7は、HまたはC1-6アルキルである。
【化15】

1つの実施態様においては、R7はHである。もう1つの実施態様においては、R7はメチルである。もう1つの実施態様においては、R7はエチルである。もう1つの実施態様においては、R7はプロピル異性体である。もう1つの実施態様においては、R7はHまたはC1-3アルキルである。
【0013】
Bは、アリールまたはヘテロアリールである。
アリールは、フェニル、ナフチル、ビフェニル等のような置換されていないまたは置換された芳香族環または環系である。
ヘテロアリールは、環中に1個以上のN、OまたはS原子を有するアリールである、即ち、1個の環炭素は、N、OまたはSによって置換されている。限定するつもりはないが、ヘテロアリールの例としては、置換されていないまたは置換されたチエニル、ピリジニル、フリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、イミジゾールオリル(imidizololyl)、インドリル等がある。
アリールまたはヘテロアリール置換基は、各々12個までの非水素原子と必然なだけの水素原子を有し得る。従って、本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、置換基は、ヒドロカルビル、即ち、線状、枝分れまたは環状のヒドロカルビルを含むアルキル、アルケニル、アルキニル等およびこれらの組合せのような炭素と水素のみからなる成分;OCH3、OCH2CH3、O-シクロヘキシル等のようなO-ヒドロカルビルを意味する、11個までの炭素原子のヒドロカルビルオキシ;CH2OCH3、(CH2)2OCH(CH3)2等のような他のエーテル置換基;S-ヒドロカルビルおよび他のチオエーテル置換基のようなチオエーテル置換基;CH2OH、C(CH3)2OH等のようなヒドロカルビル-OHを意味する、11個までの炭素原子のヒドロキシヒドロカルビル;NO2、CN等のような、また、NH2、NH(CH2CH3OH)、NHCH3等のようなアミノも包含する、11個までの炭素原子の窒素置換基;CO2H、エステル、アミド等のようなカルボニル置換基;クロロ、フルオロ、ブロモ等のようなハロゲン;CF3、CF2CF3等のようなフルオロカルビル;PO32-等のようなリン置換基;S-ヒドロカルビル、SH、SO3H、SO2-ヒドロカルビル、SO3-ヒドロカルビル等のようなイオウ置換基であり得る。
【0014】
ある種の実施態様においては、非水素原子の数は、置換基において6個以下である。他の実施態様においては、非水素原子の数は、置換基において3個以下である。他の実施態様においては、置換基上の非水素原子の数は、1個である。
ある種の実施態様においては、置換基は、水素、炭素、ハロゲン、窒素およびイオウのみを含有する。他の実施態様においては、水素、炭素、酸素およびハロゲンのみを含有する。
特に断らない限り、アリール、ヘテロアリール、フェニル、チエニル、ベンゾチエニル等に関しては、置換および非置換成分の双方を意味するものとする。
置換アリールまたはヘテロアリールは、その環または環系が担持する限りまでの1個以上の置換基を有し得、これらの置換基は同一または異なるものであり得る。従って、例えば、アリール環またはヘテロアリール環は、クロロとメチル;メチル、OHおよびF;CN、NO2およびエチル等によって置換し得、本開示に照らして可能性のある任意の考えられる置換基または置換基の組合せを含み得る。
従って、Bが、上記の群または種類のアリールまたはヘテロアリールのいずれかである化合物を本明細書において意図する。
さらに、本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、1つの実施態様においては、Bはフェニルである。もう1つの実施態様においては、Bは、1個以上のクロロ置換基を有するフェニルを意味するクロロフェニルである。もう1つの実施態様においては、Dは3,5-ジクロロフェニルである。もう1つの実施態様においては、Bは非置換フェニルである。もう1つの実施態様においては、Bはアルキルフェニルである。もう1つの実施態様においては、Bはt-ブチルフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、Ph-CH(OH)C(CH3)3のようなヒドロキシアルキル置換基を有するフェニルを意味するヒドロキシアルキルフェニルである。
【0015】
また、Bは、分子の残余がフェニル環に結合している下記に示す基のいずれかであり得る。これら成分の名称は、構造の右側に示している。
【化16】

【0016】
【化17】

【0017】
他の実施態様においては、Bは、分子の残余がフェニル環に結合している下記の構造の1つを有し;xは、5、6または7であり;y + zは、2x + 1である。
【化18】

1つの実施態様においては、xは5であり、y + zは11である。
もう1つの実施態様においては、xは6であり、y + zは13である。
もう1つの実施態様においては、xは7であり、y + zは15である。
【0018】
化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化19】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Rは、1〜12個の炭素原子を有するヒドロカルビルまたはヒドロキシヒドロカルビルである)。
他の化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化20】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
R3、R4およびR5は、個々に、HまたはC1-6アルキルである)。
【0019】
点線は結合の存在または不存在を示すので、R4およびR5は、2つの別個の成分であり得る。例えば、限定するつもりはないが、1つの実施態様においては、R4およびR5は、メチルであり、点線によって示される結合は存在しない。
例えば、下記の式に従う化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグを意図する:
【化21】

また、本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、R4とR5は、環を形成し得る。換言すれば、下記に示す1つのような化合物が可能であり、xは1〜6である:
【化22】

また、その製薬上許容し得る塩、プロドラッグまたは代謝産物も意図する。
【0020】
もう1つの実施態様は、下記の式を有する:
【化23】

また、その製薬上許容し得る塩、プロドラッグまたは代謝産物も意図する。
他の有用な化合物は、下記の式を有する:
【化24】

また、その製薬上許容し得る塩、プロドラッグまたは代謝産物も意図する。
【0021】
化合物の他の有用な例は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである。
【化25】

他の化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化26】

(式中、R6は、3〜10個の炭素原子を含むシクロアルキルである)。
【0022】
他の化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化27】

他の化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化28】

【0023】
他の化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩、プロドラッグもしくは代謝産物である:
【化29】

もう1つの有用な化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化30】

もう1つの有用な化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化31】

【0024】
Eは、非置換フェニル、クロロフェニル、フルオロフェニルまたはジメチルアミノフェニルである。
他の化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化32】

(式中、Gは、1,3-インターアリールもしくはインターヘテロアリール、または-(CH2)3-である)。
他の化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化33】

(式中、Gは、1,3-インターアリールもしくはインターヘテロアリール、または-(CH2)3-である)。
【0025】
他の化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化34】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Rは、1〜12個の炭素原子を有するヒドロカルビルまたはヒドロキシヒドロカルビルであり;
Xは、CH2、OまたはSであり;そして、
Gは、1,3-インターアリールもしくはインターヘテロアリール、または-(CH2)3-である)。
【0026】
本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、有用な化合物およびその製薬上許容し得る塩またはプロドラッグの例を、下記に示す。
【化35】

【0027】
【化36】

【0028】
1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bはフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bはフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bはフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bはフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bはフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bはフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bはフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bはフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bはフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bはフェニルである。
前述したように、上記の各実施態様におけるフェニルは、特に断らない限り、置換または非置換フェニルを意味する。
【0029】
1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bは(1-ヒドロキシヘキシル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシヘキシル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシヘキシル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシヘキシル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bは(1-ヒドロキシヘキシル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bは(1-ヒドロキシヘキシル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bは(1-ヒドロキシヘキシル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bは(1-ヒドロキシヘキシル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bは(1-ヒドロキシヘキシル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bは(1-ヒドロキシヘキシル)フェニルである。
【0030】
もう1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bは(1-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bは(1-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bは(1-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bは(1-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bは(1-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルである。
【0031】
もう1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bは(1-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bは(1-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bは(1-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bは(1-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bは(1-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニルである。
【0032】
1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bは(ヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bは(ヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bは(ヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bは(ヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bは(ヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bは(ヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bは(ヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bは(ヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bは(ヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bは(ヒドロキシメチル)フェニルである。
【0033】
もう1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bは[(1-プロピルシクロブチル)ヒドロキシメチル]フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bは[(1-プロピルシクロブチル)ヒドロキシメチル]フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bは[(1-プロピルシクロブチル)ヒドロキシメチル]フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bは[(1-プロピルシクロブチル)ヒドロキシメチル]フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)2S(CH2)3であり、Bは、[(1-プロピルシクロブチル)ヒドロキシメチル]フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bは[(1-プロピルシクロブチル)ヒドロキシメチル]フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bは[(1-プロピルシクロブチル)ヒドロキシメチル]フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bは[(1-プロピルシクロブチル)ヒドロキシメチル]フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bは[(1-プロピルシクロブチル)ヒドロキシメチル]フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bは[(1-プロピルシクロブチル)ヒドロキシメチル]フェニルである。
【0034】
もう1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bはt-ブチルフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bはt-ブチルフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bはt-ブチルフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bはt-ブチルフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bはt-ブチルフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bはt-ブチルフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bはt-ブチルフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bはt-ブチルフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bはt-ブチルフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bはt-ブチルフェニルである。
【0035】
もう1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bは(シクロヘキシルヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bは(シクロヘキシルヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bは(シクロヘキシルヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bは、(シクロヘキシルヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bは(シクロヘキシルヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bは(シクロヘキシルヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bは(シクロヘキシルヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bは(シクロヘキシルヒドロキシルメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bは、(シクロヘキシルヒドロキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bは(シクロヘキシルヒドロキシメチル)フェニルである。
【0036】
もう1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bは(シクロヘキシルメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bは(シクロヘキシルメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bは(シクロヘキシルメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bは(シクロヘキシルメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bは(シクロヘキシルメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bは(シクロヘキシルメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bは(シクロヘキシルメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bは(シクロヘキシルメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bは(シクロヘキシルメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bは(シクロヘキシルメチル)フェニルである。
【0037】
もう1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bはインダニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bはインダニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bはインダニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bはインダニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bはインダニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bはインダニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bはインダニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bはインダニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bはインダニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bはインダニルである。
【0038】
もう1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bはインダノリルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bはインダノリルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bはインダノリルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bはインダノリルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bはインダノリルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bはインダノリルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bはインダノリルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bはインダノリルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bはインダノリルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bはインダノリルである。
【0039】
もう1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bはインダノニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bはインダノニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bはインダノニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bはインダノニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bはインダノニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bはインダノニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bはインダノニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bはインダノニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bはインダノニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bはインダノニルである。
【0040】
もう1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bは(1-ヒドロキシシクロブチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシシクロブチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシシクロブチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシシクロブチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bは(1-ヒドロキシシクロブチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bは(1-ヒドロキシシクロブチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bは(1-ヒドロキシシクロブチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bは(1-ヒドロキシシクロブチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bは(1-ヒドロキシシクロブチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bは(1-ヒドロキシシクロブチル)フェニルである。
【0041】
もう1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bは(2-メチル-3-ヒドロキシプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bは(2-メチル-3-ヒドロキシプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bは(2-メチル-3-ヒドロキシプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bは(2-メチル-3-ヒドロキシプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bは(2-メチル-3-ヒドロキシプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bは(2-メチル-3-ヒドロキシプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bは(2-メチル-3-ヒドロキシプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bは(2-メチル-3-ヒドロキシプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bは(2-メチル-3-ヒドロキシプロピル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bは(2-メチル-3-ヒドロキシプロピル)フェニルである。
【0042】
1つの実施態様においては、Aは-S(CH2)3S(CH2)2-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)4OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aはシス-CH2CH=CH-CH2OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2CH≡CH-CH2OCH2-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-(CH2)2S(CH2)3であり、Bは(1-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンであり、Bは(1-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンであり、Bは(1-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-(CH2)4-であり、Bは(1-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンであり、Bは(1-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンであり、Bは(1-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)フェニルである。
【0043】
化合物例
化合物例1:下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩、プロドラッグもしくは代謝産物:
【化37】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得;
Uは、O、S、NR1であり;R1は、H、C1-6アルキル、C1-7アシル、ベンゾイル、ビフェニルアシル、C1-6スルホニル、フェニルスルホニル、ビフェニルスルホニル、トリフルオロメチルアシルまたはトリフロイルであり;そして、
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
化合物例2:Bがフェニルである、化合物例1の化合物。
化合物例3:Bがアルキルフェニルである、化合物例2の化合物。
化合物例4:Bがp-t-ブチルフェニルである、化合物例2の化合物。
【0044】
化合物例5:下記の式を有する化合物例1の化合物、またはその製薬上許容し得る塩、プロドラッグもしくは代謝産物:
【化38】

(式中、Gは、1,3-インターアリールもしくはインターヘテロアリール、または-(CH2)3-である)。
化合物例6:Bがフェニルである、化合物例5の化合物。
化合物例7:Bがヒドロキシアルキルフェニルである、化合物例6の化合物。
【0045】
化合物例8:下記の式を有する化合物例1の化合物、またはその製薬上許容し得る塩、プロドラッグもしくは代謝産物:
【化39】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Rは、1〜12個の炭素原子を有するヒドロカルビルまたはヒドロキシヒドロカルビルであり;
Xは、CH2、OまたはSであり;そして、
Gは、1,3-インターアリールもしくはインターヘテロアリール、または-(CH2)3-である)。
【0046】
化合物例9:下記の式を有する化合物例1の化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグ:
【化40】

化合物例10:下記の式を有する化合物例1の化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグ:
【化41】

【0047】
化合物例11:下記の式を有する化合物例1の化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグ:
【化42】

化合物例12:下記の式を有する化合物例1の化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグ:
【化43】

化合物例13:下記の式を有する化合物例1の化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグ:
【化44】

【0048】
化合物例14:下記から選ばれる化合物:
(S)-メチル 5-(((3-(4-(1-ヒドロキシヘキシル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-4-イル)メトキシ)メチル)チオフェン-2-カルボキシレート;
(S)-メチル 5-(((3-(4-(1-フルオロヘキシル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-4-イル)メトキシ)メチル)チオフェン-2-カルボキシレート;
(S)-5-(((3-(4-(1-ヒドロキシヘキシル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-4-イル)メトキシ)メチル)チオフェン-2-カルボン酸;および、
(S)-5-(((3-(4-(1-フルオロヘキシル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-4-イル)メトキシ)メチル)チオフェン-2-カルボン酸。
【0049】
本明細書において開示する化合物は、哺乳類の緑内障または高眼圧症の予防または治療において、或いは緑内障または高眼圧症の治療用医薬品の製造において有用である。また、これらの化合物は、プロスタグランジンEP2選択性作用薬による治療に従うものであると当該技術において開示されている以下のような疾患の治療においても有用である:例えば、関節および筋肉の炎症および疼痛(例えば、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風性関節炎、若年性関節炎等)、炎症性皮膚症状(例えば、日焼け、火傷、湿疹、皮膚炎等)、炎症性眼症状(例えば、結膜炎等)、炎症に関与する肺疾患(例えば、喘息、気管支炎、ハト病(pigeon fancier's desease)、農夫肺等)、炎症に関連する胃腸管症状(例えば、アフター性潰瘍、クローン病、萎縮性胃炎、ガストリチス バリアロフォーム(gastritis varialofome)、潰瘍性大腸炎、セリアック病、限局性回腸炎、過敏性腸症候群等)、歯肉炎、炎症、術後または負傷後の疼痛および腫れ、発熱、炎症に関連する疼痛および他の症状、アレルギー性疾患、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、腱炎、滑液包炎、結節性動脈周囲炎、リウマチ熱、シェーグレン症候群、ベーチェット病、甲状腺炎、I型糖尿病、糖尿病性合併症(糖尿病性細小血管症、糖尿病性網膜症、糖尿病性ネフロパシー等)、ネフローゼ症候群、再生不良性貧血、重症筋無力症、ブドウ膜炎接触性皮膚炎、乾癬、川崎病、サルコイドーシス、ホジキン病、アルツハイマー病、腎臓機能障害(腎炎、腎炎症候群等)、肝機能障害(肝炎、肝硬変等)、胃腸障害(下痢、炎症性腸疾患等)、ショック、骨粗しょう症のような異常骨代謝に特徴を有する骨疾患(とりわけ閉経後骨粗しょう症)、高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症、骨パジェット病、骨溶解、骨への転移を有するまたは有さない悪性腫瘍の高カルシウム血症、関節リウマチ、歯周炎、骨関節炎、骨痛、骨減少症、癌悪液質、結石症(calculosis)、結石症(lithiasis) (とりわけ、尿石症)、固形癌、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、浮腫(例えば、心臓性浮腫、脳水腫等)、悪性高血圧症、肺高血圧症等のような高血圧症、月経前緊張症等、尿石、急性または慢性不全に起因する疾患のような乏尿症、高リン酸塩尿症、便秘、腎障害、性機能障害、脱毛症(はげ頭症)、癌、免疫調節障害、急性心筋梗塞、血管内血栓、虚血性心疾患、うっ血性心不全および狭心症等の治療および予防。“製薬上許容し得る塩”とは、親化合物の活性を保持し、親化合物と比較して、投与する対象者に対してまた投与するのに関連して何ら有害または厄介な作用を与えない任意の塩である。また、製薬上許容し得る塩は、酸、他の塩、または酸もしくは塩に転換するプロドラッグの投与の結果として生体内で生じ得る任意の塩も称する。
【0050】
酸性官能基の製薬上許容し得る塩類は、有機または無機塩基から誘導し得る。塩は、一価または多価イオンを含み得る。とりわけ興味あるのは、無機イオンのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムである。有機塩は、アミン類、とりわけモノ-、ジ-およびトリアルキルアミンまたはエタノールアミンのようなアンモニウム塩によって製造し得る。また、塩は、カフェイン、トロメタミンおよび同様な分子によっても形成し得る。塩酸またはある種の他の製薬上許容し得る酸は、アミンまたはピリジン環のような塩基性基を含有する化合物と塩を形成し得る。
“プロドラッグ”は、投与後に治療活性化合物に転換する化合物であり、この用語は、当該技術において一般に理解されているように本明細書においても広く解釈すべきである。本発明の範囲を限定するつもりはないが、転換は、エステル基またはある種の他の生物学的に不安定な基の加水分解によって生じ得る。一般的には(必然的ではなく)、プロドラッグは、転換する治療活性化合物よりも不活性であるかまたはあまり活性でない。本明細書において開示する化合物のエステルプロドラッグを、とりわけ意図する。エステルは、C1のカルボン酸(即ち、天然プロスタグランジンの末端カルボン酸)から誘導し得、或いはエステルは、フェニル環のような分子の他の部分のカルボン酸官能基から誘導し得る。限定するつもりはないが、エステルは、アルキルエステル、アリールエステルまたはヘテロアリールエステルであり得る。用語アルキルとは、当業者が一般的に理解している意味を有し、線状、枝分れまたは環状アルキル成分を称する。エステルのアルキル成分が1〜6個の炭素原子を有するC1-6アルキルエステルは、とりわけ有用であり、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、t-ブチル、ペンチル異性体、ヘキシル異性体、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび1〜6個の炭素原子を有するこれらの組合せ等がある。
代謝産物は、開示した化合物から生体内で形成される化合物として広く定義される。
【0051】
当業者であれば、医薬品の投与または製造に当っては、本明細書において開示する化合物を当該技術においてそれ自体周知である製薬上許容し得る賦形剤と混合し得ることは容易に理解し得るであろう。とりわけ、全身投与すべき薬物は、経口投与または非経口投与または吸入に適する粉末、ピル、錠剤等として、或いは、溶液、エマルジョン、懸濁液、エアゾール、シロップまたはエリキシル剤として調合し得る。
固形の投与剤形または医薬品用には、無毒性固形担体として、限定するものではないが、製薬級のマンニトール、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリン酸ナトリウム、ポリアルキレングリコール、タルカム、セルロース、グルコース、スクロースおよび炭酸マグネシウムがある。固形投与剤形は、コーティーングしてなくてもよく、或いは、既知の方法によってコーティーングして胃腸管内での崩壊および吸収を遅延させ、それによって、長期に亘る持続作用を付与し得る。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を使用し得る。また、固形投与剤形は、米国特許第4,256,108号、第4,166,452号および第4,265,874号に記載された方法によってコーティーングして、制御放出用の浸透性治療用錠剤を調製することもできる。薬物投与可能な液体投与剤形は、例えば、例えば水、生理食塩水、含水デキストロース、グリセリン、エタノール等のような担体中の1種以上の現在有用な化合物および任意成分としての製薬用アジュバントの溶液または懸濁液を含み、それによって、溶液または懸濁液を調製することができる。必要に応じて、投与すべき製薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤等のような少量の無毒性補助物質もまた含有し得る。そのような助剤の典型的な例は、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等である。そのような投与剤形の実際の調製方法は、既知であり、当業者にとっては明白であろう;例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 16th Edition, 1980を参照されたい。投与すべき製剤組成物は、いずれにしても、一定量の1種以上の現在有用な化合物を所望する治療効果を与える有効量で含有する。
【0052】
非経口投与は、一般的には、皮下、筋肉内または静脈内のいずれかの注射に特徴を有する。注射物質は、通常の剤形で、液体の溶液または懸濁液、注入前に液体中溶液または懸濁液にするのに適する固形剤形、またはエマルジョンのいずれかとして調製し得る。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセリン、エタノール等である。さらに、必要に応じて、投与する注射用製薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤等のような少量の無毒性補助物質も含有し得る。
投与する現在有用な化合物(1種以上)の量は、勿論、所望する治療効果(単数または複数の)、治療する特定の哺乳類、哺乳類症状の重篤度および性質、投与方式、使用する特定化合物(1種以上)の有効性および薬力学、並びに処方医師の判断による。現在有用な化合物(1種以上)の製薬上有効な投与量は、好ましくは約0.5または約1〜約100mg/kg/日の範囲内であり得る。
眼科的に許容し得る液体を、眼に局所投与し得るように調合する。快適性を可能な限り最大限にするべきであるが、場合によっては、製剤検討事項(例えば、薬物安定性)は、最適よりも低い快適性を必要とする。快適性を最大限にできない場合、液体は、液体が患者にとって局所眼科使用において寛容であるように調合すべきである。さらに、眼科的に許容し得る液体は、単回使用用に包装するか、或いは、多数回使用における汚染を防止するために防腐剤を含有しなければならない。
眼科用途においては、液剤または医薬品は、多くの場合、主ビヒクルとして生理食塩水を使用して調製し得る。眼科用液剤は、好ましくは、適切な緩衝系によって快適なpHに維持すべきである。また、製剤は、通常の製薬上許容し得る防腐剤、安定剤および界面活性剤も含有し得る。
本発明の製薬組成物において使用し得る防腐剤は、限定するものではないが、塩化ベンズアルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀がある。有用な界面活性剤は、例えば、Tween 80である。同様に、各種の有用なビヒクルを、本発明の眼科用調製物において使用し得る。これらのビヒクルとしては、限定するものではないが、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよび精製水がある。
【0053】
張度調節剤は、必要に応じてまたは便宜上添加し得る。張度調節剤としては、限定するものではないが、塩類、とりわけ塩化ナトリウム、塩化カリウム;マンニトールまたはグリセリン;或いは任意の他の適切な眼科的に許容し得る張度調節剤がある。
pHを調整するための種々の緩衝液および手段は、得られる製剤が眼科的に許容し得る限り使用し得る。従って、緩衝液としては、酢酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液、リン酸塩緩衝液およびホウ酸塩緩衝液がある。酸または塩基類は、これらの製剤のpHを必要に応じて調整するのに使用し得る。
同様な趣旨において、本発明において使用する眼科的に許容し得る酸化防止剤としては、限定するものではないが、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチル化ヒドロキシトルエンがある。
眼科用製剤に含ませ得る他の賦形剤成分は、キレート剤である。有用なキレート剤は、エデト酸二ナトリウムであるが、他のキレート剤もエデト酸二ナトリウムの代りにまたは一緒に使用し得る。
上記の各成分は、通常、下記の量で使用する:

成分 量(質量/容量%)
活性成分 約0.001〜5
防腐剤 0〜0.10
ビヒクル 0〜40
張度調節剤 1〜10
緩衝液 0.01〜10
pH調節剤 適量 pH 4.5〜7.5
酸化防止剤 必要に応じて
界面活性剤 必要に応じて
精製水 100%にするための必要量
【0054】
局所用途においては、本明細書において開示する化合物を含有するクリーム、軟膏、ゲル、液剤または懸濁液等を使用する。局所製剤は、一般に、製薬用担体、共溶媒、乳化剤、浸透促進剤、防腐剤系および皮膚軟化剤からなり得る。
本発明の活性化合物の実際の投与量は、特定の化合物および治療すべき症状による;適切な投与量の選択は、明らかに熟練技術者の知識範囲内である。
また、本明細書において開示する化合物は、緑内障または他の症状の治療において有用な他の薬物との併用においても有用である。
緑内障の治療においては、下記の群の薬物との併用治療を意図する:
カルテオロール、レボブノロール、メチパラノロール(metiparanolol)、チモロール半水和物、マレイン酸チモロール、ベタキソロールのようなβ1-選択性拮抗薬等のようなβ-遮断薬(またはβ-アドレナリン拮抗薬)、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ;
下記のようなアドレナリン作用薬
ホウ酸エピネフリン、塩酸エピネフリンおよびジピベフリン等のような非選択的アドレナリン作用薬、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ;および、
アプラクロニジン、ブリモニジン等のようなα2-選択性アドレナリン作用薬、またはその製薬上許容し得る塩またはそのプロドラッグ;
アセタゾラミド、ジクロフェナミド、メタゾラミド、ブリンゾラミド、ドルゾラミド等のような炭酸脱水酵素阻害薬、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ;
下記のようなコリン作用薬:
カルバコール、塩酸ピロカルピン、硝酸ピロカルビン、ピロカルピン等のような直接作用性コリン作用薬、またはその製薬上許容し得る塩、またはプロドラッグ;
デメカリウム、エコチオフェート、フィゾスチグミン等のようなコリンエステラーゼ抑制剤、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ;
メマンチン、アマンタジン、リマンタジン、ニトログリセリン、デキストロファン、デトロメトルファン、CGS-19755、ジヒドロピリジン、ベラパミル、エモパミル、ベンゾチアゼピン、ベプリジル、ジフェニルブチルピペリジン、ジフェニルピペラジン、HOE 166および関連薬、フルスピリレン、エリプロジル、イフェンプロジル、CP-101、606、チバロシン、2309BTおよび840S、フルナリジン、ニカルジピン、ニフェジンピン(nifedimpine)、ニモジピン、バルニジピン、ベラパミル、リドフラジン、乳酸プレニラミン、アミロリド等のようなグルタミン酸拮抗薬およびCa2+チャンネル遮断薬のような他の神経保護薬、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ;
ビマトプロストのようなプロスタミド類、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ;および、
トラボプロスト、UFO-21、クロプロステノール、フルプロステノール、13,14-ジヒドロ-クロプロステノール、イソプロピルウノプロストン、ラタノプロスト等のようなプロスタグランジン類。
WIN-55212-2およびCP-55940等のようなCB1作用薬を含むカンナビノイド類、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ。
緑内障のような眼に影響を与える疾患の治療においては、これらの化合物は、局所、眼周囲、眼内または当該技術において既知の任意の他の有効な手段により投与し得る。
【0055】
炎症性腸疾患の治療は、本明細書において説明する化合物を患っている哺乳類に投与することによって達成し得る。炎症性腸疾患は、限定するものではないが潰瘍性大腸炎およびクローン病のような腸の炎症に特徴を有する種々の疾患を説明している。治療は、経口投与により、座薬または非経口投与或いはある種の他の適切な方法により達成し得る。
本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、本明細書において開示する化合物の経口投与剤形による直腸への伝達は、当該技術において既知の任意の多くの方法によって達成し得る。例えば、J Pharm Pharmaceut Sci 6 (1): 33-66, 2003におけるChourasiaおよびJain並びにShareef等(AAPS PharmSci 2003; 5 (2) Article 17)による概説は、多くの有用な方法を説明している。本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、これらの方法は、1) アゾまたは炭水化物系プロドラッグのようなプロドラッグの投与;2) 薬物の結腸への伝達用に設計したポリマーによるコーティーング或いは薬物のそのようなポリマー中への封入または含浸;3) 薬物の徐放性伝達;4) 生体接着剤系の使用等を含む。
何ら理論によって拘束するつもりはないが、腸管微生物叢がアゾ結合の還元的開裂を可能にし、2個の窒素原子をアミン官能基として残存させるものと信じている。本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、アゾプロドラッグ法は、炎症性腸疾患の治療のための臨床試験において、5-アミノサリチル酸をヒトの結腸に伝達するのに使用されている。また、下部GIの細菌がグリコシド、グルクロニド、シクロデキストリン、デキストランおよび他の炭水化物を消化し得る酵素を有することも信じられており、これらの炭水化物から調製したエステルプロドラッグは、親活性薬物を結腸に選択的に伝達することが証明されている。例えば、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾンおよびフルドロコルチゾンのプロドラッグによるラットまたはモルモットにおける生体内および生体外試験は、グリコシド接合体がステロイド類のヒト結腸への伝達において有用であり得ることを示唆している。他の生体内試験は、ステロイドまたは非ステロイド抗炎症薬のグルクロニド、シクロデキストリンおよびデキストランプロドラッグがこれらの薬物の下部GI管への伝達において有用であることを示唆している。サリチル酸およびグルタミン酸のアミドは、サリチル酸のウサギまたはイヌの結腸への伝達において有用であることが証明されている。
【0056】
本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、アミラーゼ、アラビノガラクタン、キトサン、コンドロイチン硫酸、デキストラン、グアーゴム、ペクチン、キシリン等のような炭水化物ポリマーまたはアゾ基含有ポリマーを使用して薬物化合物をコーティーングすることができ、或いは、薬物を上記ポリマー中に含浸または封入させることもできる。経口投与した後、上記ポリマーは、上部GI管内では安定なままであるが、下部GIの微生物叢によって消化され、そのようにして薬物を治療のために放出するものと信じている。
また、pHに対して感受性であるポリマーも、 結腸が上部GI管よりも高いpHを有するので使用し得る。そのようなポリマーは、商業的に入手可能である。例えば、Rohm Pharmaceuticals社(ドイツ国ダルムシュタット)は、ポリマー中の遊離カルボン酸基の数に基づき種々のpH範囲に亘って多様な溶解性を有するpH依存性メタクリレート系ポリマーおよびコポリマーを、商品名EudragitRとして商業的に提供している。数種のEudragitR投与剤形が、潰瘍性大腸炎およびクローン病の治療のためにサルサラジン(salsalazine)を伝達するのに現在使用されている。また、時間放出系、生体接着系および他の伝達系も研究されている。
【0057】
他の実施態様は、炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における化合物の使用であり、該化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化45】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得;
Uは、O、S、NR1であり;R1は、H、C1-6アルキル、C1-7アシル、ベンゾイル、ビフェニルアシル、C1-6スルホニル、フェニルスルホニル、ビフェニルスルホニル、トリフルオロメチルアシルまたはトリフロイルであり;そして、
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【0058】
もう1つの実施態様は、炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における化合物の使用であり、該化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化46】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得;
Uは、O、S、NR1であり;R1は、H、C1-6アルキル、C1-7アシル、ベンゾイル、ビフェニルアシル、C1-6スルホニル、フェニルスルホニル、ビフェニルスルホニル、トリフルオロメチルアシルまたはトリフロイルであり;そして、
Bは、フェニルである)。
【0059】
もう1つの実施態様は、炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における化合物の使用であり、該化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化47】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得;
Uは、O、S、NR1であり;R1は、H、C1-6アルキル、C1-7アシル、ベンゾイル、ビフェニルアシル、C1-6スルホニル、フェニルスルホニル、ビフェニルスルホニル、トリフルオロメチルアシルまたはトリフロイルであり;そして、
Bは、アルキルフェニルである)。
【0060】
もう1つの実施態様は、炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における化合物の使用であり、該化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化48】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得;
Uは、O、S、NR1であり;R1は、H、C1-6アルキル、C1-7アシル、ベンゾイル、ビフェニルアシル、C1-6スルホニル、フェニルスルホニル、ビフェニルスルホニル、トリフルオロメチルアシルまたはトリフロイルであり;そして、
Bは、p-t-ブチルフェニルである)。
【0061】
もう1つの実施態様は、炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における化合物の使用であり、該化合物は、下記、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグを含む:
【化49】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Gは、1,3-インターアリールもしくはインターヘテロアリール、または-(CH2)3-であり;そして、
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【0062】
もう1つの実施態様は、炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における化合物の使用であり、該化合物は、下記、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグを含む:
【化50】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Gは、1,3-インターアリールもしくはインターヘテロアリール、または-(CH2)3-であり;そして、
Bは、フェニルである)。
【0063】
もう1つの実施態様は、炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における化合物の使用であり、該化合物は、下記、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグを含む:
【化51】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Gは、1,3-インターアリールもしくはインターヘテロアリール、または-(CH2)3-であり;そして、
Bは、ヒドロキシアルキルフェニルである)。
【0064】
もう1つの実施態様は、炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における化合物の使用であり、該化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化52】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Rは、1〜12個の炭素原子を有するヒドロカルビルまたはヒドロキシヒドロカルビルであり;
Xは、CH2、OまたはSであり;そして、
Gは、1,3-インターアリールもしくはインターヘテロアリール、または-(CH2)3-である)。
【0065】
もう1つの実施態様は、炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における化合物の使用であり、該化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化53】

(式中、A、YおよびUは、本明細書において開示しているとおりである)。
もう1つの実施態様は、炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における化合物の使用であり、該化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化54】

(式中、A、YおよびUは、本明細書において開示しているとおりである)。
【0066】
もう1つの実施態様は、炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における化合物の使用であり、該化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化55】

(式中、A、YおよびR1は、本明細書において開示しているとおりである)。
もう1つの実施態様は、炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における化合物の使用であり、該化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化56】

(式中、AおよびYは、本明細書において開示しているとおりである)。
もう1つの実施態様は、炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における化合物の使用であり、該化合物は、下記の式を有し、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化57】

(式中、AおよびYは、本明細書において開示しているとおりである)。
【0067】
1つの実施態様は、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化58】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得;
Uは、O、S、NR1であり;R1は、H、C1-6アルキル、C1-7アシル、ベンゾイル、ビフェニルアシル、C1-6スルホニル、フェニルスルホニル、ビフェニルスルホニル、トリフルオロメチルアシルまたはトリフロイルであり;そして、
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【0068】
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化59】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得;
Uは、O、S、NR1であり;R1は、H、C1-6アルキル、C1-7アシル、ベンゾイル、ビフェニルアシル、C1-6スルホニル、フェニルスルホニル、ビフェニルスルホニル、トリフルオロメチルアシルまたはトリフロイルであり;そして、
Bは、フェニルである)。
【0069】
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化60】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得;
Uは、O、S、NR1であり;R1は、H、C1-6アルキル、C1-7アシル、ベンゾイル、ビフェニルアシル、C1-6スルホニル、フェニルスルホニル、ビフェニルスルホニル、トリフルオロメチルアシルまたはトリフロイルであり;そして、
Bは、アルキルフェニルである)。
【0070】
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化61】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得;
Uは、O、S、NR1であり;R1は、H、C1-6アルキル、C1-7アシル、ベンゾイル、ビフェニルアシル、C1-6スルホニル、フェニルスルホニル、ビフェニルスルホニル、トリフルオロメチルアシルまたはトリフロイルであり;そして、
Bは、p-t-ブチルフェニルである)。
【0071】
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化62】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Gは、1,3-インターアリールもしくはインターヘテロアリール、または-(CH2)3-であり;そして、
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【0072】
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化63】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Gは、1,3-インターアリールもしくはインターヘテロアリール、または-(CH2)3-であり;そして、
Bは、フェニルである)。
【0073】
もう1つの実施態様は、下記を含む化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化64】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Gは、1,3-インターアリールもしくはインターヘテロアリール、またはは-(CH2)3-であり;そして、
Bは、ヒドロキシアルキルフェニルである)。
【0074】
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化65】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Rは、1〜12個の炭素原子を有するヒドロカルビルまたはヒドロキシヒドロカルビルであり;
Xは、CH2、OまたはSであり;そして、
Gは、1,3-インターアリールもしくはインターヘテロアリール、または-(CH2)3-である)。
【0075】
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化66】

(式中、A、YおよびUは、本明細書において開示しているとおりである)。
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである。
【化67】

【0076】
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化68】

(式中、Y、AおよびR1は、本明細書において開示しているとおりである)。
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化69】

(式中、YおよびAは、本明細書において開示しているとおりである)。
もう1つの実施態様は、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩もしくはプロドラッグである:
【化70】

(式中、YおよびAは、本明細書において開示しているとおりである)。
【0077】
本明細書において開示した各化合物について意図する実施態様は、該化合物の緑内障および高眼圧症の治療用医薬品の製造における使用である。
本明細書において開示した各化合物について意図する実施態様は、該化合物の炎症性腸疾患の治療用医薬品の製造における使用である。
本明細書において開示した各化合物について意図する実施態様は、有効量の該化合物を緑内障および高眼圧症の治療のために哺乳類に投与することを含む方法である。
本明細書において開示した各化合物について意図する実施態様は、有効量の該化合物を炎症性腸疾患の治療のために哺乳類に投与することを含む方法である。
本明細書において開示した各化合物について意図する実施態様は、該化合物を含む組成物であり、該組成物は眼科的に許容し得る液体である。
【0078】
(実施例)
合成方法
図式1:
【化71】

【0079】
実施例1
5-{(S)-3-[4-(1-ヒドロキシヘキシル)-フェニル]-2-オキソ-オキサゾリジン-4-イルメトキシメチル}-チオフェン-2-カルボン酸(5)
工程1:2を得るための1のアルキル化
炭酸カリウム(730mg、5.28ミリモル)を、MeCN(6mL)中の(S)-4-ヒドロキシメチル-オキサゾリジン-2-オン(1、SibiおよびRenhoweの手順(Tetrahedron Lett. 1990, 31, 7407-7410)に従いD-セリンメチルエステルヒドロクロライドから調製、371mg、3.17ミリモル)と臭化アリールA(980mg、2.64ミリモル)との溶液に添加した(2005年12月6日に出願された仮特許出願第60/742,779号を参照されたい;該出願は、参考として本明細書に明確に合体させる)。その後、ヨウ化銅(I)とN,N'-ジメチルエチレンジアミンを添加し、反応フラスコに還流コンデンサーを取付けた。反応混合物を還流下で3時間加熱し、その後、室温に冷却した。混合物をEtOAcで希釈して、セライトで濾過し、過剰のEtOAcにより洗浄した。濾液を真空中で濃縮した。粗残留物を40gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、363mg(34%)の所望アルコール2を得た。
工程2:3を得るための2のアルキル化
水素化ナトリウム(60%オイル分散液、26mg、0.65ミリモル)を、0℃のDMF(1.1mL)中のアルコール2(180mg、0.44ミリモル)の溶液に添加した。5分後、反応物を室温に温めた。室温で30分後、混合物を−40℃に冷却し、DMF(1.1mL)中の臭化物Bの溶液(調製物1、125mg、0.53ミリモル)をカニューレによって添加した。−40℃で3時間後、反応物を1N HCl(10mL)によって失活させ、EtOAcで抽出した(3×30mL)。混ぜ合せた抽出物を、H2O(2×15mL)と塩水(20mL)で洗浄し、次いで、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を12gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して97mg(39%)の所望生成物3を得た。
【0080】
工程3:4および5を得るための3の脱保護
HF-ピリジン(0.25mL)を、プラスティックシンチレーションバイアル内で、0℃のMeCN(3.4mL)中のシリルエーテル3(97mg、0.17ミリモル)の溶液に添加した。0℃で1時間後、反応混合物を室温に温めた。室温で30分後、反応物を飽和NaHCO3水溶液で失活させ、EtOAcで抽出した(3×30mL)。混ぜ合せた抽出物を塩水(10mL)で洗浄し、次いで、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して3mg(3%)の3、6mg(8%)のフッ化物5および62mg(80%)のアルコール4を得た。
工程4:6を得るための4の鹸化
水酸化リチウム水溶液(1N、0.3mL、0.3ミリモル)を、THF(0.6mL)中のエステル4(26mg、0.058ミリモル)の溶液に添加した。室温で18時間後、反応物を1.0M HCl(2mL)で酸性化し、その後、EtOAcで抽出した(3×10mL)。混ぜ合せた抽出物を塩水(5mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2→10%MeOH/CH2Cl2、勾配)により精製して、24mg(95%)の標示化合物(6)を得た。
【0081】
実施例2
5-{(S)-3-[4-(1-フルオロ-ヘキシル)-フェニル]-2-オキソ-オキサゾリジン-4-イルメトキシメチル}-チオフェン-2-カルボン酸(7)
水酸化リチウム水溶液(1N、0.075mL、0.075ミリモル)を、THF(0.15mL)中のエステル5(6mg、0.013ミリモル)の溶液に添加した。室温で18時間後、溶媒を窒素流下に除去し、残留物を1.0M HCl(1mL)で酸性化し、混合物をEtOAcで抽出した(3×5mL)。混ぜ合せた抽出物を塩水(5mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2→10%MeOH/CH2Cl2、勾配)により精製して、2.5mg(43%)の標示化合物(8)を得た。
調製1
メチル 5-ブロモメチル-チオフェン-2-カルボキシレート(B)
臭化物(0.47mL、9.12ミリモル)を、室温のCH2Cl2(30mL)中のイミダゾール(617mg、9.06ミリモル)とトリフェニルホスフィン(2.40g、9.15ミリモル)との溶液に添加した。その後、CH2Cl2(10mL)中のメチル 5-ヒドロキシメチル-チオフェン-2-カルボキシレート(WO 2004/037808号に記載された手順に従い調製;1.30g、7.59ミリモル)の溶液を添加した。室温で10分後、反応混合物を真空中で濃縮した。粗残留物を80gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、1.70g(95%)の標示化合物(B)を得た。
【0082】
2のような化合物が、α鎖酸素原子を炭素原子で置換する化合物6および7のアナログに対するプレカーサーとして機能するかも意図する。このことは、2006年2月28日に出願された米国仮特許出願第60/777,506号の手順を使用して達成し得るであろう;該出願は、参考として本明細書に明確に合体させる。また、α鎖チオフェンを種々のアリールまたはヘテロアリール基によって置換する他のアナログも意図する。
さらにまた、中心環酸素原子をイオウ原子または窒素原子によって置換する化合物6および7のアナログも意図する。これらの化合物を調製するのに使用し得る1の出発物質アナログは、(S)-4-ヒドロキシメチルチアゾリジン-2-オンおよび(R)-2-オキソ-イミダゾリジン-1,4-ジカルボン酸 1-ベンジルエステル 4-メチルエステルである。(S)-4-ヒドロキシメチルチアゾリジン-2-オンは、D-システインからHan等のWO2004/019938号に記載された手順に従って調製する。(R)-2-オキソ-イミダゾリジン-1,4-ジカルボン酸 1-ベンジルエステル 4-メチルエステルは、(R)-N-Cbz-アスパラギン(D-アスパラギンから誘導)からSaijo et al., Chem. Pharm. Bull. 1980, 28, 1459-1467に記載された手順に従って調製する。チアゾリジノンの場合は、オキサゾリジノンの場合について説明された手順を直接応用する。また、パラジウム複合体により触媒作用させる条件のような他のアリール化条件も意図する。さらに、アリール化反応の前の(S)-4-ヒドロキシメチルチアゾリジン-2-オンの遊離アルコールを、おそらくはそのシリルエーテルとして保護することも有利であり得る。これらの条件は、既に開示されている(現在、2006年3月6日に出願されたPCT出願第2006/007797号に対する優先権書面である2005年3月10日に出願された米国仮特許出願第60/660,740号(両出願とも参考として本明細書に明確に合体させる);および、2006年2月28日に出願された米国仮特許出願第60/777,506号(該出願も参考として本明細書に明確に合体させる))。イミダゾリジノンの場合は、多少のさらなる手順も必要とするであろう。即ち、コア環窒素のアリール化後に、メチルエステル成分を、EtOH中のNaBH4を使用して、ヒドロキシメチル誘導体に選択的に還元する。また、α鎖を生成させた後、C-1エステル成分をアルカリ加水分解して、Cbz基をコア環窒素原子から除去すべきである。その後、C-1酸のジアゾメタンによる再エステル化は、コア環窒素原子の選択的アルキル化またはアシル化またはスルホニル化を可能にする。その後、再加水分解(必要に応じて選択性のためにエステラーゼを使用する)により、所望のC-1酸を得る。
【0083】
結合性データ
Ki
競合結合試験を、300μlの総容量中にハンクス緩衝塩溶液、Hepes 20mM、pH7.3、ヒトEP2レセプターを安定発現するHEK293細胞由来の膜(約60μgタンパク質)または2×105細胞、[3H]PGE2 (10nM)および各濃度の試験化合物を含有する培地中で実施した。反応混合物を23℃で60分間インキュベートし、Whatman GF/Bフィルター上で真空下に濾過した。フィルターを、50mM Tris/HClを含有する5mlの氷冷緩衝液(pH7.3)で3回洗浄した。非特異結合性は、過剰のラベル化していないPGE2(10μM)の存在下に評価した。結合性データを、非線形回帰分析を使用して、単一群の結合部位に対する結合性モデルに適合させた。そのようにして得られたIC50値を、Ki = (IC50/(1+[L]/KD)の等式 (式中、[L]はPGE2濃度(10nM)を示し、KDはヒトEP2レセプター(40nM)における[3H]PGE2の解離定数を示す)を使用してKiに変換した。
放射性リガンド結合性
EP1、EP2、EP4およびFPレセプターを安定発現する細胞
ヒトまたはネコFPレセプター、或いはEP1、EP2またはEP4レセプターを安定発現するHEK-293細胞を、TME緩衝液で洗浄し、フラスコ底部からすくい取り、ブリンクマン(Brinkman)PT 10/35ポリトロンを使用して30秒間均質化した。TME緩衝液を添加して、遠心分離チューブ内で最終の40ml容量を得た(TMEの組成は、100mM TRIS塩基、20mM MgCl2、2M EDTAである;10N HClを添加して7.4のpHを得る)。
細胞ホモジネートを、Beckman Ti-60ローターを使用して19000rpmにて4℃で20分間遠心分離した。得られたペレットを、TME緩衝液中に再懸濁させて、Bioradアッセイにより測定したときに1mg/mlの最終タンパク質濃度を得た。[3H-]17-フェニルPGF(5nM)に対する放射性リガンド結合性競合アッセイを、100μl容量で60分間実施した。結合反応は、原形質膜画分を添加することによって開始させた。反応を、4mlの氷冷TRIS-HCl緩衝液を添加し、Brandel細胞ハーベスターを使用してガラス繊維GF/Bフィルターにより急速濾過することによって終了させた。フィルターを氷冷緩衝液で3回洗浄し、1時間オーブン乾燥させた。
[3H-]PGE2(特異性活性180Ciミリモル)を、各EPレセプターに対する放射性リガンドとして使用した。[3H]17-フェニルPGFを、FPレセプター結合性試験において使用した。EP1、EP2、EP4およびFPレセプターを使用する結合性試験を、少なくとも3回の別々の試験において正副二通りで実施した。200μlのアッセイ容量を使用した。インキュベーションは、25℃で60分間であり、4mlの氷冷50mM TRIS-HClを添加することによって終了させ、その後、WhatmanGF/Bフィルターによる急速濾過および細胞ハーベスター(Brandel)内での3回のさらなる4ml洗浄を行った。競合試験は、5nM [3H]-PGE2または5nM [3H]17-フェニルPGFの最終濃度を使用して実施し、非特異結合性は、試験するレセプターサブタイプに応じて10-5Mのラベル化していないPGE2または17-フェニルPGFによって測定した。
【0084】
FLIPRTM試験方法
(a) 細胞培養
組換えヒトプロスタグランジンレセプターの1つのタイプまたはサブタイプを安定発現するHEK-293(EBNA)細胞(発現させるプロスタグランジンレセプター:hDP/Gqs5;hEP1;hEP2/Gqs5;hEP3A/Gqi5;hEP4/Gqs5;hFP;hIP;hTP)を、100mm培養皿内で、10%ウシ胎仔血清、2mMのl-グルタミン、選択的マーカーとして250μg/mlのジェネティシン(G418)および200μg/mlのハイグロマイシンB、並びに100単位/mlのペニシリンG、100μg/mlストレプトマイシンおよび0.25μg/mlのアンフォテリシンBを含有する高グルコースDMEM培地中で培養した。
(b) FLIPRTM上のカルシウムシグナル試験
細胞を、ウェル当り5×104個の細胞数密度でBiocoatR Poly-D-リシンコーティーング黒壁透明底96-ウェルプレート(Becton-Dickinson社)中に接種し、37℃のインキュベーター内で1夜結合させた。その後、細胞を、Denley Cellwashプレート洗浄器(Labsystems社)を使用して、HBSS-HEPES緩衝液(重炭酸塩とフェノールレッドを含まないハンクス平衡塩溶液、20mM HEPES、pH7.4)で2回洗浄した。カルシウム感受性染料Fluo-4 AMを2μMの最終濃度で使用して暗中で45分間染料を負荷させた後、プレートを、HBSS-HEPES緩衝液によって4回洗浄して過剰の染料を除去し、各ウェル中に100μlを残存させた。プレートを数分間37℃に再平衡化させた。
細胞を488nmのアルゴンレーザーで励起し、発光を、510〜570nm帯域幅発光フィルター(FLIPRTM;Molecular Devices社、カリフォルニア州サニーベール)により測定した。薬物溶液を50□lの容量で各ウェルに添加して、所望の最終濃度を得た。蛍光強度のピーク上昇を各ウェルにおいて記録した。各プレートにおいて、各々4個のウェルが、陰性対照(HBSS-HEPES緩衝液)および陽性対照(標準作用薬:レセプターに応じてのBW245C(hDP);PGE2(hEP1;hEP2/Gqs5;hEP3A/Gqi5;hEP4/Gqs5);PGF(hFP);カルバサイクリン(hIP);U-46619(hTP))として機能した。その後、各薬物含有ウェルのピーク蛍光変化を、対照と対比して表した。
化合物を、高スループット(HTS)または濃度応答(CoRe)フォーマットで試験した。HTSフォーマットにおいては、プレート当り44種の化合物を、10-5M濃度で正副二通り試験した。濃度応答曲線を描くためには、プレート当り4種の化合物を、10-5〜10-11M範囲の濃度で正副二通り試験した。正副値を平均した。HTSまたはCoReフォーマットのいずれにおいても、各化合物を、種々の継代に由来する細胞を使用して少なくとも3つの別々のプレート上で試験して、n≧3を得た。
【0085】
実施例化合物についての結果を下記に示す。
【表1】

【0086】
眼内圧(IOP)
イヌにおける眼内圧試験は、両性の意識あるビ−グル犬(10〜15kg)において行う空気噴流式眼圧測定法(pneumatonometry)を含む。各動物は、試験全体に亘って意識を有し、手で優しく拘束する。薬物を片方の目に25μL容量の液滴として局所投与し、他方の眼は、対照としての25μLのビヒクル(0.1%ポリソルベート 80:10mM TRIS)を受ける。プロパラカイン(0.1%)を、眼圧測定中の角膜麻酔のために使用する。眼内圧は、5日間試験の毎日において薬物投与直前およびその後の2、4および6時間で測定する。薬物は、最初のIOP測定直後に投与する。
開示した化合物は、緑内障、高眼圧症、炎症性腸疾患および本明細書において開示した他の疾患または症状に対して有用である。
【0087】
上記の説明は、本発明を実施するのに使用し得る特定の方法および組成物を詳述しており、意図する最良の形態を示している。しかしながら、当業者にとっては、所望の薬理特性を有するさらなる化合物を同様な方法で調製し得ること、また、開示した化合物は種々の出発化合物から種々の化学反応を介しても得ることができることが明白である。同様に、種々の製薬組成物も、実質的に同じ結果でもって調製し使用することができる。従って、詳細ではあるが、上記は、明細書に示されており、本発明の範囲全体を限定するものと解釈すべきではなく、むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲の法的解釈によってのみ決定すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩、そのプロドラッグまたはその代謝産物:
【化1】

(式中、Yは、有機酸官能基またはその12個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその12個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換し得;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1〜4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得;
Uは、O、S、NR1であり、R1はH、C1-6アルキル、C1-7アシル、ベンゾイル、ビフェニルアシル、C1-6スルホニル、フェニルスルホニル、ビフェニルスルホニル、トリフルオロメチルアシルまたはトリフロイルであり;そして、
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【請求項2】
Bが、フェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Bが、アルキルフェニルである、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
Bが、p-t-ブチルフェニルである、請求項2記載の化合物。
【請求項5】
下記の式を有する請求項1記載の化合物、またはその製薬上許容し得る塩、プロドラッグまたは代謝産物:
【化2】

(式中、Gは、1,3-インターアリーレンもしくはインターヘテロアリーレン、または-(CH2)3-である)。
【請求項6】
Bが、フェニルである、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
Gが、インターチエニレンである、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
Bが、ヒドロキシアルキルフェニルである、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
下記の式を有する請求項1記載の化合物、またはその製薬上許容し得る塩、そのプロドラッグまたはその代謝産物の使用:
【化3】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Rは、1〜12個の炭素原子を含むヒドロカルビルまたはヒドロキシヒドロカルビルであり;
Xは、CH2、OまたはSであり;そして、
Gは、1,3-インターアリーレンもしくはインターヘテロアリーレン、または-(CH2)3-である)。
【請求項10】
Gが、インターチエニレンである、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
Xが、CH2である、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
Xが、Oである、請求項10記載の化合物。
【請求項13】
下記の式を有する請求項1記載の化合物、またはその製薬上許容し得る塩またはそのプロドラッグ:
【化4】

【請求項14】
下記の式を有する請求項1記載の化合物、またはその製薬上許容し得る塩またはそのプロドラッグ:
【化5】

【請求項15】
下記の式を有する請求項1記載の化合物、またはその製薬上許容し得る塩またはそのプロドラッグ:
【化6】

【請求項16】
下記の式を有する請求項1記載の化合物、またはその製薬上許容し得る塩またはそのプロドラッグ:
【化7】

【請求項17】
下記の式を有する請求項1記載の化合物、またはその製薬上許容し得る塩またはそのプロドラッグ:
【化8】

【請求項18】
下記から選ばれる請求項1記載の化合物:
(S)-メチル 5-(((3-(4-(1-ヒドロキシヘキシル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-4-イル)メトキシ)メチル)チオフェン-2-カルボキシレート;
(S)-メチル 5-(((3-(4-(1-フルオロヘキシル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-4-イル)メトキシ)メチル)チオフェン-2-カルボキシレート;
(S)-5-(((3-(4-(1-ヒドロキシヘキシル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-4-イル)メトキシ)メチル)チオフェン-2-カルボン酸;および、
(S)-5-(((3-(4-(1-フルオロヘキシル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-4-イル)メトキシ)メチル)チオフェン-2-カルボン酸。
【請求項19】
治療上有効量の請求項1〜18のいずれか1項記載の化合物を、必要とする哺乳類の目に投与することを特徴とする眼内圧の降下方法。
【請求項20】
請求項1〜18のいずれか1項記載の化合物の、哺乳類の眼内圧降下用の医薬品の製造における使用。
【請求項21】
治療上有効量の請求項1〜18のいずれか1項記載の化合物を含み、眼科的に許容し得る組成物。

【公表番号】特表2009−540009(P2009−540009A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515582(P2009−515582)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/070831
【国際公開番号】WO2007/146856
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】