説明

治療薬のパルス放出組成物

所定の遅延時間後に内容物を急速に放出するパルス放出組成物であって、コアを有し、pH感受性グラフト共重合体で被覆された薬物を含むパルス放出組成物。被膜は、胃内で一般的な酸性pHでの薬物の放出を抑制し、腸内領域において、直ちに、または、遅延時間後に、薬物を放出する。複数の被覆ユニットまたは未被覆ユニットを組合せることにより、同一または異なる治療薬を連続的にパルス放出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個のユニットを含み、そのユニットの少なくとも1つがpH感受性グラフト共重合体により被覆されている経口投与用パルス放出組成物に関する。該ユニットは治療活性薬と薬学的に許容される成分とを含有する。
本発明はまた、遅延時間後に治療薬をパルス放出させる医薬組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
持続性薬物送達システムは、1日の複数回投与を回避し、薬物の毒性を低減させるので好適である。しかし、一部の事例では、例えば、薬物が急速な代謝分解を受けるため、望ましくない。この作用は薬物の放出が緩慢に起こる場合により顕著となる。同様に、吸収部位に長く留まるために副作用を惹き起こす薬物は、徐放性投与形態として提供されるべきではない。部位特異的時間制御パルス薬物送達システムはこれらの類の薬物にとって望ましいものである。
【0003】
パルス薬物送達システムは、概日性リズムに付随する疾患の治療にも有用である。例えば、心臓停止、気管支喘息およびリウマチ性関節炎などの事例においては、発作が早朝の覚醒期間後に起こり易い。予め決められた遅延時間後に薬物を放出させる1日1回の就寝時投与は、かかる類の疾患の治療に好適である。これらの投与により、その日の早い時間帯に有効な薬物濃度を維持し、身体への薬物の連続的接触を回避することができる。
【0004】
パルス放出薬物送達システムの殆どは貯蔵体システムであり、障壁を含む。有核薬剤からの障壁の侵食、溶解または遊離が、薬物の迅速な放出をもたらす。
【0005】
参考文献としての国際特許出願WO90/09168には、薬物投与デバイスが開示されている。そのデバイスは、薬物を詰めた不溶性不透過性カプセルと栓で閉鎖されたカプセルの開口部を含む。栓は水性媒体と接触すると膨潤するヒドロゲルであり、所定の遅延時間後にカプセルから排出され、これにより即座に薬物を放出させる。
【0006】
参考文献としての国際特許出願WO91/12795には、同様のデバイスが開示されている。そのデバイスは、栓として水溶性または分散性成分を含む。水性媒体と接触して、栓が遅延時間後に溶解または分散して、薬物をパルス放出する。開示されているように、該カプセルは熱可塑性ポリマー、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレンなどを用いて、または、当該熱可塑性ポリマーで被覆した水溶性ポリマーを使用することにより作製された。上記のポリマーは体液に溶解せず、あるいは分解しないので、これらのポリマーに基づく送達システムは生物適合性ではない場合があり、これらのポリマーが長時間体内に存在するのは望ましくない。
【0007】
参考文献としての米国特許出願US4,865,849には、多層錠剤組成物が開示されており、そこには連続的なパルスでの薬物放出が請求項に記載されている。該錠剤は3層からなり、その外側の2層は障壁層により隔離されていた。薬物は崩壊力を生じ得る親水性膨潤性ポリマーを含んでなる外層に組み込まれていた。障壁層は、ゲル化可能ポリマーまたは可溶性ポリマーとその他の成分で構成されていた。外層の一方と障壁層は、水不溶性非浸透性ポリマーから構成される疎水性外被内に封入されていた。水性媒体と接触すると、外被から外れた層が即座に薬物を放出した。二度目の薬物のパルス放出は、障壁層の溶解または崩壊後に起こった。
【0008】
参考文献としての米国特許出願US5,387,421には、多段式薬物送達デバイスが開示された。該デバイスは、薬物の一部を組み込んだ外部貯蔵部から構成されていた。内部貯蔵部は、薬物の他の部分、浸透剤と内部圧を上昇させ得る反応薬とを組み込んでいた。内部貯蔵部は、水不溶性浸透性ポリマーで被覆されており、その開放端は栓で封止されていた。この内部貯蔵部は、内部貯蔵部の封止端が外部貯蔵部の内側に来るように外部貯蔵部の口に差し込まれていた。内部貯蔵部の排出直後に最初のパルス放出が起こり、外部貯蔵部内に存在する薬物を露出させる。水性媒体の浸透により、内部貯蔵部内に生成する浸透圧が栓を押出し、別のパルスで薬物を放出させた。内部貯蔵部に設けられる被覆の厚さは、内部貯蔵部への水性媒体浸透速度に影響を与え、それが第一のパルスと第二のパルスの間の遅延時間を決定した。
【0009】
参考文献としての米国特許出願US5,017,381には、複数の活性薬のユニットを順次配置して構成される調剤デバイスが開示されている。該調剤器の一端は拡張可能なユニットを含み、そのユニットは反対端に向けて活性薬ユニットを直線的に押すものであった。該ユニットは、調剤器から出て、周囲の液体にその内容物を放出した。パルス間の遅延時間は、薬物投与ユニットの長さに依存し、調剤器内の移動に影響を与えた。上記の開示に記載されているように、投与形態の製作は、多層構造を含む。このことは、投与形態の製造に特別であり高価な装置を必要とした。また、多層投与形態は、放出挙動が予測できず、またしばしば不完全な薬物放出を生じるために、その性能に信頼性がない。
【0010】
参考文献としての定期刊行物“M.E. Sangalli, A. Maroni, A. Foppoli, L. Zema, F. Giordano and A. Gazzaniga, Journal of Controlled Release, 68, 215-223, 2000”には、ジルチアゼム塩酸塩の圧縮被覆徐放型組成物が記載されている。この組成物は、障壁として種々の粘度のヒドロキシプロピルセルロースで圧縮被覆した有核錠剤を含む。薬物放出の遅延時間は、ヒドロキシプロピルセルロースの粘度と被覆の厚さが増すにつれて増大した。
【0011】
参考文献としての定期刊行物“Shan-Yang Lin, Kung-Hsu Lin and Mei-Jane Li, Journal of Controlled Release, 70, 321-328, 2001”には、ジクロフェナックナトリウムの乾燥被覆組成物が記載されている。様々な粒径のエチルセルロースが有核錠剤に乾燥被覆されている。粒径が小さい場合に、遅延時間は長くなった。このことは、液体浸透速度を低下させるシステムがより良好に圧縮されたことに起因するものであった。種々の粒径のエチルセルロースで錠剤を被覆することにより、種々の遅延時間を持つ錠剤が得られた。
【0012】
参考文献としての定期刊行物“M. Efentakis, S. Koligliati, and M. Vlachou, International Journal of Pharmaceutics, 311, 147-156, 2006”には、パルス放出組成物が記載されている。このシステムは、錠剤の一面のみを露出することにより非透過性ポリマーで乾燥被覆した有核錠剤を含む。錠剤の非被覆面は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレンオキシドおよびアルギン酸ナトリウムを含む親水性膨潤性ポリマーを含んでなる上面層で封をされていた。上面層の溶解/浸食により、組み込まれた薬物が放出された。薬物放出前の遅延時間は、上面層の厚さと性質に影響された。遅延時間は上面層の厚さと共に増大した。しかし、より厚い上面層を有するシステムは、パルス送達システムでは期待されない遅延時間で徐放した。
【0013】
参考文献としての米国特許出願US4,871,549には、Uedaらが、薬物層、膨潤ポリマー層および水不溶性浸透性ポリマー層の順の多重層で被覆した糖コアを含む多粒子パルス放出組成物について記載している。液体の浸透により膨潤層が拡大し、その結果、外層が崩壊して薬物が急速に放出された。外層の厚さは遅延時間に影響を与えた。被覆の厚さの増加と共に遅延時間が増大した。被覆ユニットの適切に組合せて混合し、それらを充填して単一のユニットとすることで、多重パルス放出システムとした。
【0014】
参考文献としての定期刊行物“Andrei Dashevsky and Ahmad Mohamad, International Journal of Pharmaceutics, 318, 124-131, 2006”には、外側の被覆が有機溶液に代えて水性分散液の形状で塗布された同様のシステムが記載されている。遅延時間後の薬物放出速度は、膨潤性ポリマーの性質に左右された。例えば、架橋カルボキシメチルセルロースはより急速に放出した。置換度の低いヒドロキシプロピルセルロースおよびデンプングリコール酸ナトリウムなどは、遅延時間後に徐放した。
【0015】
上記の開示から、粒子の適切な組合せを選択することにより、多粒子システムの場合に一連のパルスを調整できることが明らかである。しかし、所望の遅延時間を達成するには、より厚い被覆が必要である。かかる被覆が崩壊しそこなうと、体内での薬物放出が不完全となり、望ましくない。最も重要なことは、これらのタイプの時間制御pH非依存性パルス放出組成物は、胃内が空になる時間が人によって幅広く変化することが知られているので、信頼性に欠けることである。投与形態が長時間胃内に留まるならば、薬物は胃内で放出され得る。このことは、特に胃内に炎症を誘発する薬物の場合には、深刻な副作用の原因となり得る。同様に、胃の酸性pHで分解を受け易い薬物は、pH非依存性パルス放出システムにより送達すべきでない。
【0016】
pH依存性アニオン性ポリマーに基づくパルス放出組成物の場合は、中性またはアルカリ性に近いpHとなるまで、薬物放出が起こらない。Chenは米国特許USP5,260,069において、このようなpH依存性多重層組成物を開示しており、この組成物は、糖シード上に被覆した薬物の内層と膨潤性ポリマー層とを含む。上記のシードは、外部層として、さらに水不溶性浸透性ポリマー、アルカリ可溶性ポリマーおよび浸透性低減剤からなる混合物により被覆されていた。組成と被覆の厚さを変えることにより、遅延時間を変化させることができた。USP5,508,040は、内層に膨潤性ポリマーの代わりに浸透剤を含む同様の組成物を記載していた。また、外層のアルカリ可溶性ポリマーは除かれていた。水性媒体中の浸透剤が溶解することにより、外層が崩壊し薬物が放出した。
【0017】
参考文献としての米国特許出願US6,627,223B2Aには、糖球体と薬物とを含む多重パルス放出組成物が開示されている。これらの球体は、第一の障壁膜としての腸溶性ポリマーにより被覆されていた。第一の膜の上に、水不溶性ポリマーと腸溶性ポリマーとの混合物を含む第二膜の層が塗布された。多重パルス投与形態は、未被覆糖球体と膜被覆球体との混合物を含み、その被覆球体間の被覆の厚さが異なるものであった。
【0018】
参考文献としての米国特許USP6,500,457Bには、Midhaらが抗不整脈剤のパルス放出組成物を開示している。この投与形態は、薬物と内層としての膨潤性ポリマーで被覆した複数の錠剤、顆粒またはビーズを含む。外層は、水溶性ポリマー、水浸透性ポリマーもしくはアルカリ可溶性ポリマーのいずれか、またはそれらの組合せを含む。外層の厚さは、製剤の各成分で異なっていた。被覆ユニットの適切な組合せを選択することにより、一連のパルス放出プロフィールが達成され得ることが請求項されている。
【0019】
参考文献としての定期刊行物“T.Y. Fan, S.L. Wei, W.W. Yan, D.B. Chen and J. Li, Journal of Controlled Release, 77, 245-251, 2001”には、pH依存性パルス放出組成物が開示された。薬物、膨潤剤およびその他の成分を含む有核錠は、エチルセルロースとオイドラギットLの混合物(1:2)で被覆されており、その被覆厚は多様であった。架橋ポリビニルピロリドンをコア中の膨潤剤として使用した場合に、遅延時間は被覆厚と共に増大した。しかし、ナトリウムカルボキシメチルデンプンをコア中の膨潤剤として使用した場合に、遅延時間後に薬物の徐放が起こった。
【0020】
参考文献としての米国特許出願US6,531,152B1には、パルス放出組成物が開示されている。その組成物は、第一層としての水不溶性浸透性ポリマーとペクチン酸カルシウムなどの親水性金属塩の混合物で被覆したコア中に薬物と膨潤剤を含むものであった。このシステムはさらに、第二層として腸溶性ポリマーで被覆されていた。得られた投与形態は、遅延時間後に薬物のパルス放出を一回行った。上記のシステムを少し改変すると、Penhasiらが米国特許USP6,632,451B2に開示しているように、2回パルス薬物送達システムとなる。上記の組成物に、さらなる薬物層が第一層と第二層の間の中間層として加えられた。腸溶性被覆のために投与形態は酸性pH条件ではそのままであるが、次いで中性のpH条件下に置かれた直後に、第一のパルス放出が起こることが請求された。第一層はゆっくりと液体を吸い込み、コアを膨潤させ、破裂させた。これにより、遅延時間後に第二のパルス放出が起こった。
【0021】
上記の開示から、副作用は最少として、種々の疾患を効果的に治療するパルス放出組成物を設計する必要があることは明らかである。pH依存性パルス放出組成物は腸内領域を標的とすることが望ましい。現在入手可能な製剤の殆どは、それらを製造するために特別の高価な装置を必要とする。従って、性能を損なわずに比較的容易に製造し得るpH依存性パルス放出組成物が必要とされている。本発明はかかる組成物を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の主目的は、複数のユニットを含み、少なくとも1個のユニットはpH感受性グラフトポリマーで被覆されている経口投与用パルス放出組成物を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、複数のユニットを含み、各ユニットは治療活性薬および薬学的に許容される成分を含む経口投与用パルス放出組成物を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、遅延時間後に治療薬をパルス放出する医薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
従って、本発明は、コアユニットとして治療活性薬および薬学的に許容される成分を含み、当該コアユニットが式1で示されるpH感受性グラフト共重合体及び可塑剤で被覆されている経口投与用パルス放出組成物であって、
【化1】

該式が、
a.ジオール(A)、ジカルボン酸または酸無水物(B)および側鎖不飽和を含むモノマー(C)を含み、(x)=39〜45モル%、(y)=49〜53モル%、(z)=5〜8モル%である式P[A(x)(y)(z)]を有する骨格;
b.酸性モノマー(D)のポリマーであるグラフトであり、当該グラフト共重合体の総重量の‘w’重量パーセントを含み、‘w’が27〜56%であるグラフト;
を含む組成物を提供する。
【0026】
本発明の一実施態様においては、各ユニットが治療活性薬と薬学的に許容される成分とを含む。
【0027】
本発明のさらに別の実施態様においては、該骨格がポリ(エステル−エーテル)またはポリエステルである。
【0028】
本発明のさらに別の実施態様においては、該ジオールが脂肪族ジオール、環状脂肪族ジオールおよび芳香族ジオールからなる群より選択される。
【0029】
本発明のさらに別の実施態様においては、該脂肪族ジオールが、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(Mn〜200)、ポリエチレングリコール(Mn〜400)、ポリエチレングリコール(Mn〜1000)、ポリエチレングリコール(Mn〜2000)、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールおよび1,12−ドデカンジオールからなる群より選択される。
【0030】
本発明のさらに別の実施態様においては、該環状脂肪族ジオールが1,4−シクロヘキサンジメタノールである。
【0031】
本発明のさらに別の実施態様においては、該芳香族ジオールが、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートである。
【0032】
本発明のさらに別の実施態様においては、該ジカルボン酸が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびドデカン二酸からなる群より選択される。
【0033】
本発明のさらに別の実施態様においては、該酸無水物が、無水コハク酸および無水フタル酸から選択される。
【0034】
本発明のさらに別の実施態様においては、側鎖不飽和を含むモノマーが、エポキシモノマーまたはジオールモノマーである。
【0035】
本発明のさらに別の実施態様においては、該エポキシモノマーが、メタクリル酸グリシジルおよびアクリル酸グリシジルから選択される。
【0036】
本発明のさらに別の実施態様においては、該ジオールモノマーが、トリメチロールプロパンモノメタクリレートおよびトリメチロールプロパンモノアクリレートから選択される。
【0037】
本発明のさらに別の実施態様においては、該酸性モノマー(D)がアクリル酸およびメタクリル酸から選択されるカルボン酸である。
【0038】
本発明のさらに別の実施態様においては、該可塑剤がフタル酸ジ−n−ブチルである。
【0039】
本発明のさらに別の実施態様において、該治療活性薬は、抗炎症薬、心血管系薬、抗生物質、鎮痛剤および抗喘息薬からなる群より選択されるが、これらに限定されない。
【0040】
本発明のさらに別の実施態様においては、該抗炎症薬が、イブプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナックおよびナプロキセンなどの薬物からなる群より選択されるが、これらに限定されない。
【0041】
本発明のさらに別の実施態様においては、該心血管系薬が、ベラパミル、ニフェジピン、カプトプリル、プロプラノロール、アテノロールおよびジルチアゼムからなる群より選択されるが、これらに限定されない。
【0042】
本発明のさらに別の実施態様においては、該抗生物質が、アンピシリンおよびセファレキシンからなる群より選択されるが、これらに限定されない。
【0043】
本発明のさらに別の実施態様においては、該鎮痛剤が、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、オキシコドンおよびモルヒネからなる群より選択されるが、これらに限定されない。
【0044】
本発明のさらに別の実施態様においては、該抗喘息薬が、アミノフィリン、テオフィリンおよびサルブタモールからなる群より選択されるが、これらに限定されない。
【0045】
本発明のさらに別の実施態様において、複数ユニットは同じ治療活性薬を含む。
【0046】
本発明のさらに別の実施態様において、複数ユニットは異なる治療活性薬を含む。
【0047】
本発明のさらに別の実施態様において、薬学的に許容される成分は、充填剤、結合剤、潤滑剤および滑剤、保存剤、着色剤、香料からなる群より選択されるが、これらに限定されない。
【0048】
本発明のさらに別の実施態様において、充填剤は微結晶性セルロースおよびラクトース一水和物から選択され、結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンから選択され、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムおよびタルクから選択され、滑剤はアエロジルである。
【0049】
本発明のさらに別の実施態様において、該pH感受性グラフト共重合体被覆は、各被覆ユニットの総重量の7〜25%である。
【0050】
本発明のさらに別の実施態様において、該可塑剤は本発明のpH感受性グラフト共重合体の重量の5〜30%である。
【0051】
本発明のさらに別の実施態様において、該治療活性薬は各ユニットの総重量の20〜70%を含む。
【0052】
本発明のさらに別の実施態様において、該薬学的に許容される成分は各ユニットの総重量の20〜60%を含む。
【0053】
本発明のさらに別の実施態様において、該薬学的に許容される成分は、各ユニット総重量の9〜54%の充填剤、5〜15%の結合剤、0.5〜2%の潤滑剤および0.2〜1%の滑剤を含む。
【0054】
本発明のさらに別の実施態様において、該ユニットは錠剤である。
【0055】
本発明のさらに別の実施態様において、パルス放出組成物の製造方法は、
I.治療活性薬および薬学的に許容される成分を乾燥造粒し、混合して、顆粒状混合物を得る工程と、
II.工程(I)で得られる前記顆粒状混合物を圧縮して錠剤とする工程と、
III.pH感受性グラフト共重合体および可塑剤を溶媒混合物に溶解し、10%溶液を得る工程と、
IV.工程(II)で得られる錠剤を、工程(III)で得られるpH感受性グラフト共重合体と可塑剤の10%溶液で被覆して、被覆錠剤を得る工程と、
V.工程(IV)で得られる被覆錠剤を乾燥して、経口投与用パルス放出組成物を得る工程とを含む。
【0056】
本発明のさらに別の実施態様においては、パルス状で、直ちにまたは遅延時間後に薬物を放出し得るパルス放出組成物が提供される。
【0057】
本発明のさらに別の実施態様においては、1種以上の治療薬のパルス放出組成物が提供される。
【0058】
本発明のさらに別の実施態様においては、酸性環境条件から薬物を保護し得るパルス放出組成物が提供される。
【0059】
本発明のさらに別の実施態様においては、胃炎を回避し得るパルス放出組成物が提供される。
【発明の効果】
【0060】
開示された製剤は、腸内領域において一般的なpHで、遅延時間後に治療薬をパルス放出する。
開示された製剤は、上記の放出を得るために、1種を超えるポリマーを必要としない。
開示された製剤は、1種を超える薬物をパルス状で送達することができる。
本組成物は、製剤化および嚥下が困難であるといった多層の投与形態の不利益を克服する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1はインドメタシンを含有する製剤の連続パルス放出プロフィールを示す。
【図2】図2はアセトアミノフェンおよびジクロフェナックナトリウムを含有する製剤の連続パルス放出プロフィールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明はパルス放出組成物であって、
(a)少なくとも1個のユニットが式1で示されるpH感受性グラフト共重合体で被覆されている複数個のユニット;
【化2】

(i)ジオール(A)、ジカルボン酸または酸無水物(B)および側鎖不飽和を含むモノマー(C)を含み、(x)=39〜45モル%、(y)=49〜53モル%、(z)=5〜8モル%である式P[A(x)(y)(z)]を有する骨格;および
(ii)酸性モノマー(D)のポリマーであるグラフトであり、当該グラフト共重合体の総重量の‘w’重量パーセントを含み、‘w’が27〜56%であるグラフト;
を含んでなる
(b)治療活性薬;および
(c)任意に薬学的に許容される成分;
を含む組成物を提供する。
【0063】
骨格はポリ(エステル−エーテル)またはポリエステルである。
【0064】
ジオール(A)は、脂肪族ジオール、環状脂肪族ジオールおよび芳香族ジオールからなる群より選択される。脂肪族ジオールは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(Mn〜200)、ポリエチレングリコール(Mn〜400)、ポリエチレングリコール(Mn〜1000)、ポリエチレングリコール(Mn〜2000)、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールおよび1,12−ドデカンジオールからなる群より選択される。環状脂肪族ジオールは、1,4−シクロヘキサンジメタノールである。芳香族ジオールは、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートである。
【0065】
ジカルボン酸または酸無水物(B)は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、無水コハク酸および無水フタル酸から選択される。
【0066】
側鎖不飽和を含むモノマー(C)は、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、トリメチロールプロパンモノメタクリレートおよびトリメチロールプロパンモノアクリレートから選択される。
【0067】
酸性モノマー(D)は、アクリル酸およびメタクリル酸から選択される。
【0068】
パルス放出組成物は少なくとも1種の治療薬を含み、治療薬は、イブプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナックおよびナプロキセンなどの抗炎症薬、ベラパミル、ニフェジピン、カプトプリル、プロプラノロール、アテノロールおよびジルチアゼムなどの心血管系薬、アンピシリンおよびセファレキシンなどの抗生物質、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、オキシコドンおよびモルヒネなどの鎮痛剤、および、アミノフィリン、テオフィリンおよびサルブタモールなどの抗喘息薬からなる群より選択されるが、これらに限定されない。
【0069】
パルス放出組成物はさらに、充填剤、結合剤、潤滑剤および滑剤からなる群より選択される薬学的に許容される成分を含むが、これらに限定されない。
【0070】
パルス放出組成物の経口投与形態は錠剤である。錠剤は、錠剤の総重量の20〜70%の範囲の治療活性薬と20〜60%の範囲の薬学的に許容される成分を含む。薬学的に許容される成分は、錠剤の総重量の9〜54%の充填剤(例えば、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物)、5〜15%の結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース5Cps、ポリビニルピロリドンK30)、0.5〜2%の潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク)、および、0.2〜1%の滑剤(例えば、アエロジル)を含有する。
【0071】
パルス放出組成物の開発は、上記の組成物を用いる錠剤の調製とその錠剤を上記pH感受性グラフト共重合体で被覆することを含む。錠剤は、薬物の乾燥造粒などの適切な造粒方法により調製される。これに、潤滑剤および滑剤を加えて、十分に混合した。顆粒状混合物は、圧縮されて所望のサイズの錠剤、例えば、8mm径の錠剤とされた。この錠剤を、上記pH感受性グラフト共重合体(各被覆錠剤総重量の7〜25%)で被覆した。被覆組成物は、被覆重量に対して15%の可塑剤(例えば、フタル酸ジ−n−ブチル)を含む。
【0072】
被覆錠剤のそれぞれは、遅延時間後にパルス放出する。複数個の被覆錠剤と任意の未被覆錠剤との組合せにより、連続的なパルス放出をし得る組成物が提供される。このような組合せの一つは、治療薬が同じである一方、被覆するpH感受性グラフト共重合体の組成が錠剤間で異なっている複数個の錠剤を含む。別の組合せは、治療薬が異なるが、被覆するpH感受性グラフト共重合体の組成が錠剤間で同じものである複数個の錠剤を含む。この組成物は、1種を越える薬物を連続的にパルス放出する。
【0073】
実施例においては、ジオール、二塩基酸、不飽和モノマーおよび酸性モノマーの記載のために、以下の略号を使用する。
【0074】
1,4BD:1,4−ブタンジオール;1,6HD:1,6−ヘキサンジオール;EG:ジエチレングリコール;1,4CD:1,4−シクロへキサンジメタノール;BHET:テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル);SA:コハク酸;SEB:セバシン酸;AA:アジピン酸;DDA:ドデカン二酸;PA:無水フタル酸;GMA:メタクリル酸グリシジル;TMPMA:モノメタクリル酸トリメチロールプロパン;MAA:メタクリル酸。
【0075】
上記モノマーに基づくpH感受性グラフト共重合体の合成については、本出願人の継続中の出願0452DEL2009に記載されているが、ここでは全文が参考として含まれる。
【0076】
以下の実施例は説明のためにのみ示されるものであって、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでない。
【0077】
(実施例1)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化3】

(ただし、MAA含量は35wt%である)を含むジルチアゼム塩酸塩錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0078】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。ジルチアゼム塩酸塩、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表1に示す。
【0079】
【表1】

【0080】
(b)被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。該ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表2に示す。
【0081】
【表2】

【0082】
(c)被覆錠剤からのジルチアゼム塩酸塩の溶解
被覆錠剤からのジルチアゼム塩酸塩の溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。ジルチアゼム塩酸塩の累積パーセント放出を表3に示す。
【0083】
【表3】

【0084】
(実施例2)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化4】

(ただし、MAA含量は42wt%である)を含むジルチアゼム塩酸塩錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0085】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。ジルチアゼム塩酸塩、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表4に示す。
【0086】
【表4】

【0087】
(b)被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表5に示す。
【0088】
【表5】

【0089】
(c)被覆錠剤からのジルチアゼム塩酸塩の溶解
被覆錠剤からのジルチアゼム塩酸塩の溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。ジルチアゼム塩酸塩の累積パーセント放出を表6に示す。
【0090】
【表6】

【0091】
(実施例3)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化5】

(ただし、MAA含量は47wt%である)を含むジルチアゼム塩酸塩錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0092】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。ジルチアゼム塩酸塩、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表7に示す。
【0093】
【表7】

【0094】
被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表8に示す。
【0095】
【表8】

【0096】
(c)被覆錠剤からのジルチアゼム塩酸塩の溶解
被覆錠剤からのジルチアゼム塩酸塩の溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。ジルチアゼム塩酸塩の累積パーセント放出を表9に示す。
【0097】
【表9】

【0098】
(実施例4)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化6】

(ただし、MAA含量は36wt%である)を含むインドメタシン錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0099】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。インドメタシン、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表10に示す。
【0100】
【表10】

【0101】
(b)被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表11に示す。
【0102】
【表11】

【0103】
(c)被覆錠剤からのインドメタシンの溶解
被覆錠剤からのインドメタシンの溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。インドメタシンの累積パーセント放出を表12に示す。
【0104】
【表12】

【0105】
(実施例5)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化7】

(ただし、MAA含量は41wt%である)を含むインドメタシン錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0106】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。インドメタシン、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表13に示す。
【0107】
【表13】

【0108】
(b)被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表14に示す。
【0109】
【表14】

【0110】
(c)被覆錠剤からのインドメタシンの溶解
被覆錠剤からのインドメタシンの溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。インドメタシンの累積パーセント放出を表15に示す。
【0111】
【表15】

【0112】
(実施例6)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化8】

(ただし、MAA含量は33wt%である)を含むジクロフェナックナトリウム錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0113】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。ジクロフェナックナトリウム、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表16に示す。
【0114】
【表16】

【0115】
(b)被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表17に示す。
【0116】
【表17】

【0117】
(c)被覆錠剤からのジクロフェナックナトリウムの溶解
被覆錠剤からのジクロフェナックナトリウムの溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。ジクロフェナックナトリウムの累積パーセント放出を表18に示す。
【0118】
【表18】

【0119】
(実施例7)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化9】

(ただし、MAA含量は42wt%である)を含むジクロフェナックナトリウム錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0120】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。ジクロフェナックナトリウム、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表19に示す。
【0121】
【表19】

【0122】
(b)被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表20に示す。
【0123】
【表20】

【0124】
(c)被覆錠剤からのジクロフェナックナトリウムの溶解
被覆錠剤からのジクロフェナックナトリウムの溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。ジクロフェナックナトリウムの累積パーセント放出を表21に示す。
【0125】
【表21】

【0126】
(実施例8)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化10】

(ただし、MAA含量は34wt%である)を含むテオフィリン錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0127】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。テオフィリン、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表22に示す。
【0128】
【表22】

【0129】
(b)被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表23に示す。
【0130】
【表23】

【0131】
(c)被覆錠剤からのテオフィリンの溶解
被覆錠剤からのテオフィリンの溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。テオフィリンの累積パーセント放出を表24に示す。
【0132】
【表24】

【0133】
(実施例9)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化11】

(ただし、MAA含量は44wt%である)を含むテオフィリン錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0134】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。テオフィリン、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表25に示す。
【0135】
【表25】

【0136】
(b)被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表26に示す。
【0137】
【表26】

【0138】
(c)被覆錠剤からのテオフィリンの溶解
被覆錠剤からのテオフィリンの溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。テオフィリンの累積パーセント放出を表27に示す。
【0139】
【表27】

【0140】
(実施例10)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化12】

(ただし、MAA含量は34wt%である)を含むアセトアミノフェン錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0141】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。アセトアミノフェン、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表28に示す。
【0142】
【表28】

【0143】
(b)被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表29に示す。
【0144】
【表29】

【0145】
(c)被覆錠剤からのアセトアミノフェンの溶解
被覆錠剤からのアセトアミノフェンの溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。アセトアミノフェンの累積パーセント放出を表30に示す。
【0146】
【表30】

【0147】
(実施例11)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化13】

(ただし、MAA含量は55wt%である)を含むアセトアミノフェン錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0148】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。アセトアミノフェン、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表31に示す。
【0149】
【表31】

【0150】
(b)被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表32に示す。
【0151】
【表32】

【0152】
(c)被覆錠剤からのアセトアミノフェンの溶解
被覆錠剤からのアセトアミノフェンの溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。アセトアミノフェンの累積パーセント放出を表33に示す。
【0153】
【表33】

【0154】
(実施例12)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化14】

(ただし、MAA含量は46wt%である)を含むセファレキシン一水和物錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0155】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。セファレキシン一水和物、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表34に示す。
【0156】
【表34】

【0157】
(b)被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を当該錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表35に示す。
【0158】
【表35】

【0159】
(c)被覆錠剤からのセファレキシン一水和物の溶解
被覆錠剤からのセファレキシン一水和物の溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。セファレキシン一水和物の累積パーセント放出を表36に示す。
【0160】
【表36】

【0161】
(実施例13)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化15】

(ただし、MAA含量は47wt%である)を含むセファレキシン一水和物錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0162】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。セファレキシン一水和物、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表37に示す。
【0163】
【表37】

【0164】
(b)被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表38に示す。
【0165】
【表38】

【0166】
(c)被覆錠剤からのセファレキシン一水和物の溶解
被覆錠剤からのセファレキシン一水和物の溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。セファレキシン一水和物の累積パーセント放出を表39に示す。
【0167】
【表39】

【0168】
(実施例14)
本実施例は、被覆中にpH感受性グラフト共重合体
【化16】

(ただし、MAA含量は34wt%である)を含むジルチアゼム塩酸塩錠剤の調製と溶解プロフィールを説明する。
【0169】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。ジルチアゼム塩酸塩、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表40に示す。
【0170】
【表40】

【0171】
(b)被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表41に示す。
【0172】
【表41】

【0173】
(c)被覆錠剤からのジルチアゼム塩酸塩の溶解
被覆錠剤からのジルチアゼム塩酸塩の溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。ジルチアゼム塩酸塩の累積パーセント放出を表42に示す。
【0174】
【表42】

【0175】
(実施例15)
本実施例では、治療薬が同じであるが、被覆したpH感受性グラフト共重合体が錠剤間で異なっている、連続パルスをし得るパルス放出組成物について説明する。
【0176】
錠剤1:被覆がpH感受性グラフト共重合体(A)、すなわち
【化17】

(ただし、MAA含有率は57wt%である)を含む;
【0177】
錠剤2:被覆がpH感受性グラフト共重合体(B)、すなわち
【化18】

(ただし、MAA含有率は49wt%である)を含む;
【0178】
錠剤3:被覆がpH感受性グラフト共重合体(C)、すなわち
【化19】

(ただし、MAA含有率は38wt%である)を含む。
【0179】
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。インドメタシン、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。錠剤の組成を表43に示す。
【0180】
【表43】

【0181】
(b)被覆錠剤の調製
錠剤1、2および3を、それぞれpH感受性グラフト共重合体A、BおよびCで被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表44に示す。
【0182】
【表44】

【0183】
(II)パルス放出組成物からのインドメタシンの溶解
パルス放出組成物の溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。調製した錠剤ユニットを0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。インドメタシンの累積パーセント放出を表45に示す。
【0184】
【表45】

【0185】
インドメタシンを含む製剤の連続するパルス放出プロフィールを図1に示す。
【0186】
(実施例16)
本実施例では、pH感受性グラフト共重合体が同じであるが、治療薬が錠剤間で異なっている、連続パルスをし得るパルス放出組成物の調製について説明する。該pH感受性グラフト共重合体は、
【化20】

(ただし、MAA含有率は36wt%である)である。
【0187】
I.パルス放出組成物の調製
(a)錠剤の調製
乾燥造粒法により錠剤を調製した。アセトアミノフェン、ラクトース一水和物およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(5Cps)を乾燥造粒した。これにステアリン酸マグネシウムおよびアエロジルを加え、十分に混合した。この組成物を圧縮して錠剤とした。錠剤の直径は8.0mmであった。同様に、ジクロフェナックナトリウムを含有する別の2種の錠剤を調製した。錠剤の組成を表46に示す。
【0188】
【表46】

【0189】
(b)ジクロフェナックナトリウム含有被覆錠剤の調製
pH感受性グラフト共重合体で錠剤を被覆した。ポリマーとフタル酸ジ−n−ブチルをクロロホルム/メタノール溶媒混合物(7:3容量比)に溶解することにより、10%ポリマー溶液を調製した。この溶液を上記ジクロフェナックナトリウム含有錠剤に被覆し、室温で乾燥させた。被覆錠剤の組成を表47に示す。
【0190】
【表47】

【0191】
(II)アセトアミノフェンおよびジクロフェナックナトリウム含有パルス放出組成物の溶解
パルス放出組成物の溶解は、USP(米国薬局方)の溶解装置にてパドル法により実施した。パドル回転速度は50rpmとし、温度は37±0.5℃に維持した。錠剤を0.1N−HClの溶解媒体に最初の2時間接触させ、次いで、pH6.8のリン酸緩衝液に接触させた。アセトアミノフェンおよびジクロフェナックナトリウムの累積パーセント放出を表48に示す。
【0192】
【表48】

【0193】
アセトアミノフェンおよびジクロフェナックナトリウムを含む製剤の連続するパルス放出プロフィールを図式として図2に示す。
【0194】
本発明が上記の詳細な説明例に限定されるものではなく、本発明がその本質的な特質から乖離することなく他の特定の形態にも具現化されることは、当業者にとって明らかである。従って、本発明の実施態様および実施例は、あらゆる観点で説明のためのものであって限定するものではないことが望まれる。上記の説明よりもむしろ添付の請求項を参照され、このため、請求項と等価の意味と範囲に入るすべての変更は、その中に包含されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアユニットとして治療活性薬および薬学的に許容される成分を含み、当該コアユニットが式1で示されるpH感受性グラフト共重合体及び可塑剤で被覆されている経口投与用パルス放出組成物であって、
【化21】

該式が、
a.ジオール(A)、ジカルボン酸または酸無水物(B)および側鎖不飽和を含むモノマー(C)を含み、(x)=39〜45モル%、(y)=49〜53モル%、(z)=5〜8モル%である式P[A(x)(y)(z)]を有する骨格;
b.酸性モノマー(D)のポリマーであるグラフトであり、当該グラフト共重合体の総重量の‘w’重量パーセントを含み、‘w’が27〜56%でグラフト;
を含む組成物。
【請求項2】
前記骨格が、ポリ(エステル−エーテル)またはポリエステルである請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項3】
前記ジオールが、脂肪族ジオール、環状脂肪族ジオールおよび芳香族ジオールからなる群より選択される請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項4】
前記脂肪族ジオールが、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(Mn〜200)、ポリエチレングリコール(Mn〜400)、ポリエチレングリコール(Mn〜1000)、ポリエチレングリコール(Mn〜2000)、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールおよび1,12−ドデカンジオールからなる群より選択される請求項3記載のパルス放出組成物。
【請求項5】
前記環状脂肪族ジオールが、1,4−シクロヘキサンジメタノールである請求項3記載のパルス放出組成物。
【請求項6】
前記芳香族ジオールが、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)である請求項3記載のパルス放出組成物。
【請求項7】
前記ジカルボン酸が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびドデカン二酸からなる群より選択される請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項8】
前記酸無水物が、無水コハク酸および無水フタル酸から選択される請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項9】
前記側鎖不飽和を含むモノマーが、エポキシモノマーまたはジオールモノマーである請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項10】
前記エポキシモノマーが、メタクリル酸グリシジルおよびアクリル酸グリシジルから選択される請求項9記載のパルス放出組成物。
【請求項11】
前記ジオールモノマーが、トリメチロールプロパンモノメタクリレートおよびトリメチロールプロパンモノアクリレートから選択される請求項9記載のパルス放出組成物。
【請求項12】
前記酸性モノマー(D)が、アクリル酸およびメタクリル酸から選択されるカルボン酸である請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項13】
前記可塑剤が、好ましくはフタル酸ジ−n−ブチルである請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項14】
前記治療活性薬が、限定されるものではないが、抗炎症薬、心血管系薬、抗生物質、鎮痛剤および抗喘息薬からなる群より選択される請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項15】
前記抗炎症薬が、限定されるものではないが、イブプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナックおよびナプロキセンからなる群より選択される請求項14記載のパルス放出組成物。
【請求項16】
前記心血管系薬が、限定されるものではないが、ベラパミル、ニフェジピン、カプトプリル、プロプラノロール、アテノロールおよびジルチアゼムからなる群より選択される請求項14記載のパルス放出組成物。
【請求項17】
前記抗生物質が、限定されるものではないが、アンピシリンおよびセファレキシンからなる群より選択される請求項14記載のパルス放出組成物。
【請求項18】
前記鎮痛剤が、限定されるものではないが、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、オキシコドンおよびモルヒネからなる群より選択される請求項14記載のパルス放出組成物。
【請求項19】
前記抗喘息薬が、限定されるものではないが、アミノフィリン、テオフィリンおよびサルブタモールからなる群より選択される請求項14記載のパルス放出組成物。
【請求項20】
前記コアユニットが同じ治療活性薬を含む請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項21】
前記コアユニットが異なる治療活性薬を含む請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項22】
前記薬学的に許容される成分が、限定されるものではないが、充填剤、結合剤、潤滑剤および滑剤、保存剤、着色剤および香料からなる群より選択される請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項23】
前記充填剤が、微結晶性セルロースおよびラクトース一水和物から選択され、前記結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンから選択され、前記潤滑剤がステアリン酸マグネシウムおよびタルクから選択され、前記滑剤がアエロジルである請求項22記載のパルス放出組成物。
【請求項24】
前記pH感受性グラフト共重合体被覆が、前記被覆されたユニットの各々の総重量の7〜25%である請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項25】
前記可塑剤が、前記被覆の重量のうち、請求項1のpH感受性グラフト共重合体の重量の5〜30%である請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項26】
前記治療活性薬が、前記ユニットの各々の総重量の20〜70%を含む請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項27】
前記薬学的に許容される成分が、前記ユニットの各々の総重量の20〜60%を含む請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項28】
前記薬学的に許容される成分が、前記ユニットの各々の総重量の9〜54%の充填剤、5〜15%の結合剤、0.5〜2%の潤滑剤および0.2〜1%の滑剤を含む請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項29】
前記ユニットが錠剤である請求項1記載のパルス放出組成物。
【請求項30】
請求項1乃至請求項29のいずれか1項に記載のパルス放出組成物であって、前記組成物の調整方法が、
I.前記治療活性薬および前記薬学的に許容される成分を乾燥造粒し、混合して顆粒状混合物を得る工程と、
II.前記工程(I)で得られる前記顆粒状混合物を圧縮して錠剤とする工程と、
III.前記pH感受性グラフト共重合体および前記可塑剤を溶媒混合物に溶解し、10%溶液を得る工程と、
IV.前記工程(II)で得られる前記錠剤を、前記工程(III)で得られる前記pH感受性グラフト共重合体及び前記可塑剤の10%溶液で被覆して、被覆錠剤を得る工程と、
V.前記工程(IV)で得られる前記被覆錠剤を乾燥して、前記経口投与用パルス放出組成物を得る工程とを含むパルス放出組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2012−519726(P2012−519726A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553541(P2011−553541)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000465
【国際公開番号】WO2010/103367
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(511219191)カウンシル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ (2)
【Fターム(参考)】