説明

治療薬の全身性送達のための中央部気道投与

本発明は、経上皮的な治療薬の全身性送達のための方法および生成物に関する。具体的には、本発明は、抗体または治療剤とFcRn結合パートナーとの抱合体を含有するエアロゾルを、肺の中央部気道の上皮に対して投与することにより、治療薬の全身性送達のための方法および組成物に関する。この方法および生成物は、タンパク質類 およびポリペプチド類、核酸、薬物、およびその他のものを含む幅広い範囲の治療剤に対して適用可能である。この方法および生成物は、全身的送達をもたらすために、深部肺に対して投与することが必要ないという利点を有する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療剤を全身性送達するための方法であって、以下の工程:
治療剤とFcRn結合パートナーの抱合体の有効量のエアロゾルを肺に投与し、その結果中央部肺領域/末梢部肺領域沈着比(C/P比)が少なくとも0.7になるようにする
ことを含む、前記方法。
【請求項2】
C/P比が少なくとも1.0である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
C/P比が少なくとも1.5である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
C/P比が少なくとも2.0である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
治療剤がポリペプチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
治療剤が抗原である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
抗原が腫瘍抗原である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
治療剤がオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
治療剤がエリスロポエチン(EPO)、成長ホルモン、インターフェロンα(IFN-α)、インターフェロンβ(IFN-β)、または濾胞刺激ホルモン(FSH)である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
治療剤がEPOである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
治療剤を全身性送達するための方法であって、以下の工程:
治療剤とFcRn結合パートナーの抱合体の有効量のエアロゾルを肺に投与することを含み、ここでエアロゾル中の粒子が少なくとも3μmの空気動力学的粒径(MMAD)を有する、
前記方法。
【請求項13】
粒子のMMADが3μm〜約8μmのあいだである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
粒子のMMADが4μmより大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
粒子の大部分が、呼吸に適していない、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
治療剤がポリペプチドである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
治療剤が抗原である、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
抗原が腫瘍抗原である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
治療剤がオリゴヌクレオチドである、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
治療剤がEPO、成長ホルモン、IFN-α、IFN-β、またはFSHである、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
治療剤がEPOである、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
エアロゾル中の粒子が、少なくとも3μmのMMADを有する、治療剤とFcRn結合パートナーとの抱合体のエアロゾル。
【請求項24】
粒子のMMADが、3μm〜約8μmである、請求項23に記載のエアロゾル。
【請求項25】
粒子のMMADが4μmよりも大きい、請求項23に記載のエアロゾル。
【請求項26】
粒子の大部分が呼吸に適していない、請求項23に記載のエアロゾル。
【請求項27】
治療剤がポリペプチドである、請求項23に記載のエアロゾル。
【請求項28】
治療剤が抗原である、請求項23に記載のエアロゾル。
【請求項29】
抗原が腫瘍抗原である、請求項28に記載のエアロゾル。
【請求項30】
治療剤がオリゴヌクレオチドである、請求項23に記載のエアロゾル。
【請求項31】
オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項30に記載のエアロゾル。
【請求項32】
治療剤がEPO、成長ホルモン、IFN-α、IFN-β、またはFSHである、請求項23に記載のエアロゾル。
【請求項33】
治療剤がEPOである、請求項23に記載のエアロゾル。
【請求項34】
容器、容器に連結されたエアロゾル発生器、そして容器内部に配置された治療剤とFcRn結合パートナーとの抱合体を含む、エアロゾル送達系であって、ここで、エアロゾル発生器が、少なくとも3μmのMMADを有する粒子を有する抱合体のエアロゾルを発生させるように構築されそして配置される、前記エアロゾル送達系。
【請求項35】
粒子のMMADが4μmよりも大きい、請求項34のエアロゾル送達系。
【請求項36】
粒子の大部分が呼吸に適していない、請求項34のエアロゾル送達系。
【請求項37】
エアロゾル発生器が抱合体を含有する溶液と液体連通している振動性エレメントを含む、請求項34のエアロゾル送達系。
【請求項38】
エアロゾル発生器がネブライザーである、請求項34のエアロゾル送達系。
【請求項39】
エアロゾル発生器が機械的ポンプである、請求項34のエアロゾル送達系。
【請求項40】
容器が加圧容器である、請求項34のエアロゾル送達系。
【請求項41】
請求項34のエアロゾル送達系を製造する方法であって、以下の工程:
容器を用意し;
容器に連結したエアロゾル発生器を用意し;そして
有効量の抱合体を容器中に配置する;
ことを含む、前記方法。
【請求項42】
エアロゾル発生器が抱合体を含有する溶液と液体連通している振動性エレメントを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
エアロゾル発生器がネブライザーである、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
エアロゾル発生器が機械的ポンプである、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
容器が加圧容器である、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
被検体に対して抗体を全身性送達するための方法であって、以下の工程:
中央部肺領域/末梢部肺領域沈着比(C/P比)が少なくとも0.7であるエアロゾル中の被検抗体を、中央部気道に対して、被検体に対する抗体の全身性送達を達成するために有効な量で投与することを含む、
前記方法。
【請求項47】
C/P比が少なくとも1.0である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
C/P比が少なくとも1.5である、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
C/P比が少なくとも2.0である、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
全身性送達が、少なくとも0.5μg/mlの抗体のピーク血清濃度である、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
抗体がFcRn結合ドメインを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
抗体がヒトFcフラグメントを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項53】
抗体がヒトIgG1 Fcフラグメントを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項54】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項46に記載の方法。
【請求項55】
抗体が免疫グロブリンまたはハイパー免疫グロブリンである、請求項46に記載の方法。
【請求項56】
抗体が治療用抗体である、請求項46に記載の方法。
【請求項57】
治療用抗体が抗-CD52、抗-CD25、抗-TNF-α、抗-RSV、抗-CD20、抗-HER2、抗-CEAから選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
抗体がCAMPATH(登録商標)、SIMULECT(登録商標)、ZENAPAX(登録商標)、REMICADE(登録商標)、HUMIRA(登録商標)、SYNAGIS(登録商標)、RITUXAN(登録商標)、HERCEPTIN(登録商標)、およびCEA-CIDE(登録商標)から選択される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
抗体がCAMPATH(登録商標)である、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
抗体がSIMULECT(登録商標)である、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
抗体がZENAPAX(登録商標)である、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
抗体がREMICADE(登録商標)である、請求項57に記載の方法。
【請求項63】
抗体がHUMIRA(登録商標)である、請求項57に記載の方法。
【請求項64】
抗体がSYNAGIS(登録商標)である、請求項57に記載の方法。
【請求項65】
抗体がRITUXAN(登録商標)である、請求項57に記載の方法。
【請求項66】
抗体がHERCEPTIN(登録商標)である、請求項57に記載の方法。
【請求項67】
抗体がCEA-CIDE(登録商標)である、請求項57に記載の方法。
【請求項68】
抗体が診断用抗体である、請求項46に記載の方法。
【請求項69】
被検体の中央部気道に投与することが、被検体による周期的な呼吸を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項70】
エアロゾルの粒子の大部分が呼吸に適していない粒子である、請求項46に記載の方法。
【請求項71】
被検体に受動免疫を付与するための方法であって、以下の工程:
抗原に対する受動免疫を必要としている被検体の中央部気道に対して、中央部肺領域/末梢部肺領域沈着比(C/P比)が少なくとも0.7であるエアロゾル中の抗原-特異的抗体を、被検体における抗原を中和するために有効な量で投与すること、
を含む、前記方法。
【請求項72】
C/P比が少なくとも1.0である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
C/P比が少なくとも1.5である、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
C/P比が少なくとも2.0である、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
抗体がFcRn結合ドメインを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
抗体がヒトFcフラグメントを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項77】
抗体がヒトIgG1 Fcフラグメントを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項78】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項71に記載の方法。
【請求項79】
抗体が免疫グロブリンまたはハイパー免疫グロブリンである、請求項71に記載の方法。
【請求項80】
被検体の中央部気道に対して投与することが、被検体による周期的な呼吸を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項81】
エアロゾルが呼吸に適していない粒子を優先的に含む、請求項71に記載の方法。
【請求項82】
被検体における深部肺疾患を治療するための方法であって、以下の工程:
深部肺疾患を治療するために抗体を必要としている被検体の中央部気道に対して、中央部肺領域/末梢部肺領域沈着比(C/P比)が少なくとも0.7であるエアロゾル中の抗体を、被検体の深部肺疾患を治療するために有効な量で投与すること、
を含む、前記方法。
【請求項83】
C/P比が少なくとも1.0である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
C/P比が少なくとも1.5である、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
C/P比が少なくとも2.0である、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
抗体がFcRn結合ドメインを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項87】
抗体がヒトFcフラグメントを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項88】
抗体がヒトIgG1 Fcフラグメントを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項89】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項82に記載の方法。
【請求項90】
抗体が免疫グロブリンまたはハイパー免疫グロブリンである、請求項82に記載の方法。
【請求項91】
被検体の中央部気道へ投与することが、被検体による周期的な呼吸を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項92】
エアロゾルが呼吸に適していない粒子を優先的に含む、請求項82に記載の方法。
【請求項93】
深部肺疾患が、RSV肺炎、CMV肺炎、原発性肺癌、外来性の肺非-Hodgkinリンフォーマ、および癌の肺転移から選択される、請求項82に記載の方法。
【請求項94】
抗体が抗-RSV、抗-CMV、抗-CD52、抗-CD20、抗-HER2、および抗-CEAから選択される、請求項82に記載の方法。
【請求項95】
抗体がSYNAGIS(登録商標)、CAMPATH(登録商標)、RITUXAN(登録商標)、HERCEPTIN(登録商標)、およびCEA-CIDE(登録商標)から選択される、請求項82に記載の方法。
【請求項96】
抗体がSYNAGIS(登録商標)である、請求項82に記載の方法。
【請求項97】
抗体がCAMPATH(登録商標)である、請求項82に記載の方法。
【請求項98】
抗体がRITUXAN(登録商標)である、請求項82に記載の方法。
【請求項99】
抗体がHERCEPTIN(登録商標)である、請求項82に記載の方法。
【請求項100】
抗体がCEA-CIDE(登録商標)である、請求項82に記載の方法。
【請求項101】
被検体における肺外疾患を治療するための方法であって、以下の工程:
肺外疾患を治療するために抗体を必要としている被検体の中央部気道に対して、中央部肺領域/末梢部肺領域沈着比(C/P比)が少なくとも0.7であるエアロゾル中の抗体を、被検体の肺外疾患を治療するために有効な量で投与すること、
ことを含む、前記方法。
【請求項102】
C/P比が少なくとも1.0である、請求項96に記載の方法。
【請求項103】
C/P比が少なくとも1.5である、請求項96に記載の方法。
【請求項104】
C/P比が少なくとも2.0である、請求項96に記載の方法。
【請求項105】
抗体がFcRn結合ドメインを含む、請求項96に記載の方法。
【請求項106】
抗体がヒトFcフラグメントを含む、請求項96に記載の方法。
【請求項107】
抗体がヒトIgG1 Fcフラグメントを含む、請求項96に記載の方法。
【請求項108】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項96に記載の方法。
【請求項109】
被検体の中央部気道へ投与することが、被検体による周期的な呼吸を含む、請求項96に記載の方法。
【請求項110】
エアロゾルが、呼吸に適していない粒子を優先的に含む、請求項96に記載の方法。
【請求項111】
肺外疾患が癌である、請求項96に記載の方法。
【請求項112】
抗体が抗-CD52、抗CD25、抗-CD20、抗-HER2、および抗-CEAから選択される、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
抗体がCAMPATH(登録商標)、SIMULECT(登録商標)、ZENAPAX(登録商標)、RITUXAN(登録商標)、HERCEPTIN(登録商標)、およびCEA-CIDE(登録商標)から選択される、請求項111に記載の方法。
【請求項114】
抗体がCAMPATH(登録商標)である、請求項111に記載の方法。
【請求項115】
抗体がSIMULECT(登録商標)である、請求項111に記載の方法。
【請求項116】
抗体がZENAPAX(登録商標)である、請求項111に記載の方法。
【請求項117】
抗体がRITUXAN(登録商標)である、請求項111に記載の方法。
【請求項118】
抗体がHERCEPTIN(登録商標)である、請求項111に記載の方法。
【請求項119】
抗体がCEA-CIDE(登録商標)である、請求項111に記載の方法。
【請求項120】
肺外疾患が自己免疫疾患である、請求項96に記載の方法。
【請求項121】
自己免疫疾患が、リウマチ様関節炎およびCrohn病から選択される、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
抗体が抗-TNF-αである、請求項120に記載の方法。
【請求項123】
抗体がREMICADE(登録商標)である、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
抗体がHUMIRA(登録商標)である、請求項122に記載の方法。
【請求項125】
肺外疾患が、肺以外の同種移植片拒絶である、請求項96に記載の方法。
【請求項126】
抗体が抗-CD25である、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
抗体がSIMULECT(登録商標)およびZENAPAX(登録商標)から選択される、請求項126に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−A】
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【図3−B】
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【図4−A】
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【図4−B】
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【図4−C】
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【図5−A】
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【図5−B】
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【図5−C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2006−513139(P2006−513139A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−519544(P2004−519544)
【出願日】平成15年5月9日(2003.5.9)
【国際出願番号】PCT/US2003/014428
【国際公開番号】WO2004/004798
【国際公開日】平成16年1月15日(2004.1.15)
【出願人】(501368643)ザ・ブリガーム・アンド・ウーメンズ・ホスピタル・インコーポレーテッド (10)
【出願人】(501442345)ブランディーズ・ユニバーシティ (4)
【出願人】(596115687)チルドレンズ メディカル センター コーポレーション (25)
【出願人】(505007364)シントニックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】