説明

治療薬を輸送するための組成物と方法

本発明は、輸送ベクターに結合したポリペプチドを含むコンジュゲートであって、前記ポリペプチドは血液脳関門を横切るかまたは1以上の細胞型に進入することができ、前記輸送ベクターは薬剤(例えば、治療薬)を輸送することができる組成物である前記コンジュゲートに関する。ある特定の事例においては、ポリペプチドを脂質またはポリマーベクターと直接コンジュゲートして、例えば、癌、神経変性疾患、またはリソソーム蓄積症を治療する治療薬の標的化した施用を可能にする。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリペプチドと輸送ベクターを含む化合物であって、該ポリペプチドが(a)配列番号97の配列とまたは配列番号1〜93、98〜105および107〜116に記載のいずれかの配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;そして(b)該輸送ベクターとコンジュゲートされている、上記化合物。
【請求項2】
式:
A-X-B
[式中、AはAngiopep-2(配列番号97)の配列または配列番号1〜93、98〜105、および107〜116の配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであり;Xはリンカーであり;そしてBは輸送ベクターである]を含む化合物。
【請求項3】
前記アミノ酸の配列同一性が少なくとも90%である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
前記ポリペプチドが配列番号1〜93、97〜105および107〜116に記載のいずれかのアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
前記ポリペプチドが配列番号67、97、107、108、109、111、および112のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
前記ポリペプチドまたは前記化合物が哺乳動物の血液脳関門を横切ることができる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
前記ポリペプチドが長さで10〜50個のアミノ酸残基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
前記輸送ベクターが脂質ベクター、ナノ粒子、ポリプレックス、またはデンドリマーである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
前記輸送ベクターが脂質ベクターであり、該脂質ベクターはミセル、リポソーム、リポプレックス、またはナノ粒子である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
前記ポリペプチドが前記輸送ベクターと繋索分子を介してコンジュゲートされている、請求項1および3〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
Xが繋索分子である、請求項2〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
前記繋索分子が親水性ポリマーである、請求項10または11に記載の化合物。
【請求項13】
前記親水性ポリマーがポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアスパルトアミド、および親水性ペプチド配列からなる群より選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
前記親水性ポリマーがPEGである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記ポリペプチドが前記輸送ベクターと疎水性結合または共有結合によりコンジュゲートされている、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項16】
前記輸送ベクターが治療薬と結合されているかまたは治療薬を含有する、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項17】
前記治療薬がポリヌクレオチド、小分子、抗癌薬、ポリペプチド、または疎水性薬剤である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
前記抗癌薬がパクリタキセル、エトポシド、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、タキソテール、メルファラン、クロランブシル、またはそれらの類似体である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
前記ポリヌクレオチドがRNAi剤であるかまたはRNAi剤をコードする、請求項17に記載の化合物。
【請求項20】
前記RNAi剤がショート干渉RNA分子(siRNA)、ショートヘアピンRNA分子(shRNA)、二本鎖RNA分子(dsRNA)、またはマイクロRNA分子(miRNA)である、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
前記RNAi剤が癌または神経変性疾患に関わるタンパク質の発現を抑制することができる、請求項19または20に記載の化合物。
【請求項22】
前記神経変性疾患がパーキンソン病、レビ小体による認知症、または多系統萎縮症である、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
前記RNAi剤がα-シヌクレインの発現を抑制する、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
前記神経変性疾患がアルツハイマー病である、請求項21に記載の化合物。
【請求項25】
前記RNAi剤がα-セクレターゼ、BACE-1、γ-セクレターゼ、またはアミロイド前駆体タンパク質(APP)の発現を抑制する、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
神経変性疾患に関わる前記タンパク質がスーパーオキシドジスムターゼ1(SOD-1)またはハンチントン(Htt)である、請求項21に記載の化合物。
【請求項27】
前記RNAi剤が哺乳動物の上皮成長因子受容体(EGFR)、血管内皮成長因子(VEGF)、VEGF受容体(VEGFR)、ソーティングネキシン-6(SNX6)、LINGO-1、Nogo-A、Nogo受容体1(NgR-1)、または血小板由来成長因子受容体(PDGFR)をサイレンシングする、請求項20に記載の化合物。
【請求項28】
前記siRNA分子が配列番号117〜129に記載のいずれかの配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む、請求項20に記載の化合物。
【請求項29】
前記siRNA分子が配列番号117〜129に記載のいずれかの配列を有するヌクレオチド配列を含む、請求項20に記載の化合物。
【請求項30】
前記ポリヌクレオチドがリソソーム蓄積症で欠乏するタンパク質をコードする、請求項17に記載の化合物。
【請求項31】
前記ポリヌクレオチドがα-L-イズロニダーゼ、イズロネートスルファターゼ、ヘパランN-スルファターゼ、α-N-アセチルグルコサミニダーゼ、アセチル-CoA:α-グルコサミニドアセチルトランスフェラーゼ、N-アセチルグルコサミン6-スルファターゼ、N-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ、β-グルクロニダーゼ、スフィンゴミエリナーゼ、グルコセレブロシダーゼ、α-ガラクトシダーゼ-A、セラミダーゼ、ガラクトシルセラミダーゼ、アリールスルファターゼA、グリア細胞の繊維状酸性タンパク質、アスパルトアシラーゼ、フィタノイル-CoAヒドロキシラーゼ、ペルオキシン-7、β-ガラクトシダーゼ、β-ヘキソサミニダーゼA、アスパルチルグルコサミニダーゼ(AGA)、フコシダーゼ、α-マンノシダーゼ、およびシアリダーゼからなる群より選択されるタンパク質をコードする、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
前記ポリペプチドがGLP-1アゴニスト、レプチン、ニューロテンシン、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、および脳由来神経栄養因子(BDNF)、またはその類似体からなる群より選択される、請求項17に記載の化合物。
【請求項33】
前記化合物が精製されている、請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項34】
前記ポリペプチドが組換え遺伝子技術によりまたは化学合成により作製された、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項35】
請求項1または2の化合物および製薬上許容される担体を含む組成物。
【請求項36】
神経変性疾患を有する被験体を治療する方法であって、該被験体に治療上有効な量の請求項1〜17、19〜26、33および34のいずれか1項に記載の化合物または請求項35に記載の組成物を投与することを含む、上記方法。
【請求項37】
前記神経変性疾患が多発性硬化症、統合失調症、癲癇、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、または脳卒中である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
リソソーム蓄積症を有する被験体を治療する方法であって、該被験体に治療上有効な量の請求項1〜17、30、31、33、および34のいずれか1項に記載の化合物または請求項35に記載の組成物を投与することを含む、上記方法。
【請求項39】
前記リソソーム蓄積症がムコ多糖症(MPS-I;すなわち、フルラー症候またはシャイエ症候)、MPS-II(ハンター症候)、MPS-IIIA(サンフィリポ症候A)、MPS-IIIB(サンフィリポ症候B)、MPS-IIIC(サンフィリポ症候C)、MPS-IIID(サンフィリポ症候D)、MPS-VII(スライ症候)、ゴーシェ病、ニーマン-ピック病、ファブリー病、ファーバー病、ウォルマン病、テイ-サックス病、サンドホッフ病、異染性白質委縮症、またはクラッベ病である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
癌を有する被験体を治療する方法であって、該被験体に治療上有効な量の請求項1−21、27−29、33、および34のいずれか1項に記載の化合物または請求項35に記載の組成物を投与するステップを含む、上記方法。
【請求項41】
前記癌が脳または中枢神経系(CNS)に存在する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記癌が脳腫瘍、脳腫瘍転移、または脳へ転移した癌である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記癌が神経膠腫またはグリア芽細胞腫である、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記癌が肝細胞癌である、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記癌が肺癌である、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
配列番号97とまたは配列番号1〜93、98〜105および107〜116に記載のいずれかの配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを輸送ベクターとコンジュゲートするステップを含み、該ポリペプチドを該輸送ベクターの外側表面上に曝す、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物を合成する方法。
【請求項47】
前記輸送ベクターが治療薬を細胞中にまたはBBBを横切って輸送することができる、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
さらに、前記コンジュゲーションの前または後のどちらかに、治療薬を前記ベクターと結合し、複合化し、封入するステップを含む、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
前記輸送ベクターはその外側表面上に繋索分子を含み、そして前記コンジュゲーションステップは前記ポリペプチドを該繋索分子とコンジュゲートすることを含む、請求項46〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
配列番号97とまたは配列番号1〜93、98〜105および107〜116のいずれかの配列と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを、輸送ベクターの一成分とまたは前記成分にコンジュゲートした繋索分子とコンジュゲートし、それによりコンジュゲートを形成し、そして該コンジュゲートを含む輸送ベクターを形成するステップを含むものである、請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物を合成する方法。
【請求項51】
前記繋索分子が親水性ポリマーまたは親水性ペプチド配列である、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
前記親水性ポリマーがポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、およびポリアスパルトアミドからなる群より選択される、請求項51に記載の方法。

【公表番号】特表2013−506697(P2013−506697A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532429(P2012−532429)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001596
【国際公開番号】WO2011/041897
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(511093410)アンジオケム インコーポレーテッド (9)
【Fターム(参考)】