説明

治療装置

治療装置であって、撮像ゾーン内の磁気共鳴撮像データの組を獲得するよう適合された磁気共鳴撮像システムであって、上記磁気共鳴撮像システムは、磁場を発生させる手段を備える磁気共鳴撮像システムと、被験者内の標的ゾーンに荷電粒子ビームを誘導するよう適合された誘導手段であって、上記撮像ゾーンが上記標的ゾーンを含む誘導手段と、磁気共鳴撮像データの組を使用して、上記被験者内の上記標的ゾーンの位置を判定するよう適合されたゾーン判定手段と、算出された軌道が上記標的ゾーンに達するように上記磁場を表す磁場データを使用して上記ビームの軌道を算出するよう適合された軌道算出手段と、上記ビームが上記算出された軌道をたどるように、上記算出された軌道を使用して上記誘導手段を制御するよう適合された制御手段とを備える治療装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者内の標的ゾーンへの荷電粒子の誘導に関する。
【背景技術】
【0002】
荷電粒子ビーム治療では、高エネルギ荷電粒子ビームが被験者の標的ゾーンに向けられる。物質と、荷電粒子を備えたビームとの相互作用の主要な機構は、クーロン力による。クーロン衝突の断面は、2つの粒子の相対速度が減少するにつれて増加する。荷電粒子ビームは、被験者を通って進むにつれ、エネルギを一層速く喪失する。この効果は、粒子ビームのエネルギの大半が、ビーム経路の終端近くに付与されるということである。したがって、ブラッグ・ピークと呼ばれるビーム経路の終端に付与された大きなエネルギ・ピークが存在している。
【0003】
この理由で、荷電粒子ビーム治療は、患者に対する総線量を最小にする一方で、腫瘍標的に対する高線量の非常に高い精度の供給を可能にする。しかし、ビームの経路内の解剖学的構造のわずかな移動も、元の線量計画からの、供給された線量のかなりの逸脱につながり得る。したがって、リアルタイム撮像を使用して、標的を追跡し、標的及び器官の動きにビームを適合させることが望ましい。
【0004】
荷電粒子ビーム治療の場合、ビームの供給中のリアルタイムMRIは実行できない。MRIに関連付けられた強い磁場が、荷電粒子の経路を標的に向けて劇的に影響を及ぼすからである。
【0005】
静的磁場が、患者の体内の画像を生成するための手順の一部として原子の核スピンをアラインさせるために磁気共鳴撮像(MRI)スキャナによって使用される。MRIスキャンの間、送信器コイルによって生成される無線周波数(RF)パルスは、局所磁場に対する擾乱をもたらし、核スピンによって発せられるRF信号は受信器コイルによって検出される。前述のRF信号は、MRI画像を構成するために使用される。前述のコイルはアンテナと表すことも可能である。更に、送信器及び受信器コイルは、両方の機能を行う単一のトランシーバ・コイルに一体化することも可能である。トランシーバ・コイルという語の使用は、更に、別個の送信器コイル及び受信器コイルが使用されるシステムを表す。
【0006】
米国特許第6675078号明細書及び対応する欧州特許出願公開第1121957(A2)号明細書は、プロトン・ビーム治療をMRIと組み合わせる治療装置を開示している。MRIは、プロトン・ビーム治療を標的化し、ゲート制御するために使用される。
【0007】
PCT特許出願第99/32189号は、MRI及び放射線治療を組み合わせたシステムに関する。前述の開示されたシステムは、磁気共鳴撮像システム、放射線治療ビームの誘導システムとともに回転する磁場を発生させるガントリ搭載コイル組を有しており、照射領域に対する放射線治療の影響を検出するために上記システムはMRIを使用する。
【0008】
PCT特許出願第2006/130659(A2)号は、画像スキャナを使用して放射線治療を誘導するための、方法及びシステムに関し、特に、コンピュータ・プログラム・プロダクトに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、独立請求項に記載の、治療装置、及び治療装置を制御するためのコンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。本発明の実施例は従属請求項に記載されている。
【0010】
本発明の実施例は、磁場によって生じる荷電粒子の軌道偏差を考慮に入れたやり方で線量計画を行い、プロトン・ビームを標的に向けるやり方でビーム・パラメータを補正することにより、上記課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施例によれば、線量計画及びビーム・パラメータの定義は、MRIスキャナの磁場を考慮に入れる。磁気共鳴(MR)スキャナに関連付けられた場の知見は、(撮像ボリュームから更に離れた場を歪ませる磁性材料の何らかの影響を考慮に入れて)プロトン・ビーム施設におけるスキャナの最終的な設定上の実際の3次元(3D)測定値及び/又はマグネットの設計に基づいて得ることが可能である。プロトン経路に対する前述の場の影響を算出することが可能である。前述の算出が線量計画及びビーム・パラメータ判定ソフトウェアに一体化された場合、プロトンは体内の所望の場所においてエネルギを供給する。
【0012】
本発明の実施例は、撮像ゾーンにおける磁気共鳴撮像データの組を獲得するよう適合された磁気共鳴撮像システムと、被験者内の標的ゾ―ンに荷電粒子ビームを誘導するよう適合された誘導手段とを備える治療装置を提供し、撮像ゾーンは標的ゾーンを備える。治療装置は、磁気共鳴撮像データの組を使用して被験者内の標的ゾーンの位置を判定するよう適合されたゾーン判定手段と、算出された軌道が標的ゾーンに達するように磁場を表す磁場データを使用してビームの軌道を算出するよう適合された算出手段と、ビームが、算出された軌道をたどるように、算出された軌道を使用して誘導手段を制御するよう適合された制御手段とを更に備える。
【0013】
磁気共鳴撮像システムは、磁場を発生させる手段を備える。これは超伝導マグネットであり得る。磁気共鳴撮像に使用される大きな磁場の影響は、磁場が、磁場内の荷電粒子の軌道を偏向するということである。しかし、磁場データを使用すれば、磁場内の荷電粒子ビームの軌道は厳密に算出することが可能である。これは、誘導手段が、被験者内の標的ゾーンに向けて荷電粒子のビームを誘導することを可能にする。
【0014】
誘導手段は、粒子加速器からの荷電粒子のビームを誘導することが可能である。使用することが可能な荷電粒子加速器の例には、サイクロトロン、シンクロトロン、又は線形加速器がある。誘導手段は、磁気共鳴撮像システムに向けて高エネルギ粒子を誘導するためのシステムを備え得る。誘導手段は、荷電粒子のビームを備える荷電粒子の軌道を変えるための荷電粒子光学系も備え得る。ゾーン判定手段は、磁気共鳴撮像データをセグメント化し、標的ゾーンの位置、及び、標的ゾーンを囲み、ビ―ム経路に存在している被験者内の構造の位置を判定することができるコンピュータ・プログラム・プロダクトとして実現することが可能である。
【0015】
磁気共鳴撮像データを獲得するために使用されるパルス系列は、標的ゾーンを位置特定するよう合わせ、更に、荷電粒子ビームによって容易に損傷し得る高リスク器官を位置特定するよう合わせ得る。軌道算出手段も、コンピュータ・プログラム・プロダクトとして実現し得る。
【0016】
磁場データは、磁場を発生させる手段の設計の知識から算出される磁場データであり得るか、又は、直接測定し、後に再び呼び出すために、例えば、ルックアップ・テーブルに記憶し得る。これは、磁場データを使用し、次いで、小さな時間ステップでビーム内の荷電粒子の軌道を算出することによって実現することが可能である。基本的には、粒子の動きの式は時間上で積分される。
【0017】
誘導手段は、荷電粒子ビームの軌道を偏向するために、荷電粒子ミラーを含み得、帯電板及び帯電物体を含み得る。軌道が軌道算出手段によって算出された後、標的ゾーンに達するために、ビームが標的ゾーンで終わらない場合には、軌道算出手段は、荷電粒子ビームに対する軌道の影響を確かめるために誘導手段に対する調節を行うことの影響を算出することが可能である。これは、標的ゾーンへの荷電粒子ビームの軌道をもたらすのみならず、標的ゾーンへの軌道をビームがたどるために誘導手段が必要とする設定ももたらす。
【0018】
制御手段はコンピュータとして、又はコントローラとして実現することが可能であり、算出手段によって算出された軌道をビームの軌道がたどるように誘導手段を制御するよう適合させることが可能である。
【0019】
別の実施例では、誘導手段は、ビーム軌道を調節する荷電粒子光学系、及びビームを備える荷電粒子のエネルギを調節する調節可能な減衰器を備える。荷電粒子光学系は、大きな電圧電位まで増加させることが可能な磁石、電磁石、電極及び構造を含み得る。これらは、荷電粒子ビームの軌道を偏向又は調節するために使用することが可能な磁場又は電場を発生させる。
【0020】
調節可能な減衰器は、ビームを含む荷電粒子の経路を中断する物体として実現することが可能である。荷電粒子は主に、クーロン力を使用して通って進む物質と相互作用する。その結果、荷電粒子の速度が遅くなるにつれ、囲んでいる物質とのその相互作用は、より可能性が高くなる。減衰器の効果は、ビームを含む荷電粒子のエネルギを低減することである。この効果は、荷電粒子ビームが被験者に入り込むことが可能な深さを低減することである。減衰器は、荷電粒子ビーム源と、ビームが被験者に入る直前との間のどこにでも配置し得る。減衰器が、誘導手段の前、又は誘導手段内にある場合、荷電粒子ビームのエネルギは変動し、エネルギにおけるこの変動は、補償する必要があり、誘導手段は、荷電粒子のビームがそれを通る正しい軌道を有していることを確実にするためにエネルギの変動に適合することができる必要がある。
【0021】
減衰器を被験者の近くに配置することは、誘導手段の多くの部分が、変動する粒子ビーム・エネルギに適合可能でなくてよいという利点を有する。欠点は、プロトンなどの荷電粒子が、減衰器が放射性を有することになる核反応をもたらし得る確率が存在していることである。しかし、これは、使用されている荷電粒子のタイプに依存し、減衰器として使用される材料にも依存する。
【0022】
別の実施例では、軌道算出手段は、被験者内のビームを備える荷電粒子のエネルギ喪失を算出するよう適合され、軌道算出手段は、エネルギ喪失を使用して、算出された軌道を調節する。これは効果的である。荷電粒子ビームは、物質を通って流れるにつれ、徐々にエネルギを喪失するからである。エネルギの変動は、磁場内の荷電粒子の軌道に影響を及ぼす。粒子の速度が遅いほど、一定の磁場内に、より大きな曲率が存在し、これを考慮に入れると、軌道が高精度で算出されることを可能にする。
【0023】
別の実施例では、ビームを備えた荷電粒子は、粒子ビームのブラッグ・ピークが標的ゾーン内にあることが必要である運動エネルギ以上の動的エネルギを有する。ブラッグ・ピークは、荷電粒子ビームからのエネルギの大半が付与される場所である。この実施例は効果的である。荷電粒子は、標的ゾーンに達するために十分なエネルギを有しているからである。
【0024】
別の実施例では、ビーム制御手段は、ブラッグ・ピークが標的ゾーン内にあるようにビームのブラッグ・ピークの位置を調節するために、調節可能な減衰器を更に備える。この実施例は効果的である。減衰器は、荷電粒子ビームを備える粒子のエネルギを変えることができるからである。これは、粒子がどの程度深く、被験者に入り込むことが可能であるかに影響を及ぼし、エネルギの大半がどこに付与されるかを定める。減衰器を使用することは効果的である。荷電粒子ビームのエネルギを非常にすばやく調節することが可能であり、被験者の外部の動き及び内部の動きを補償するために使用することが可能であるからである。標的ゾーン内のエネルギの大半を付与することは重要である。粒子ビームによるエネルギの付与は局所化され、標的ゾーンの外部の領域にビームが向けられた場合、被験者は傷つき得るからである。
【0025】
別の実施例では、MRIシステムは、周期的な間隔で磁気共鳴撮像データの組を獲得するよう適合される。このことは効果的である。MRIデータは、反復して獲得し、標的ゾーンの動き、被験者の動き、及び被験者内の内部の動きを追跡するために使用することが可能であるからである。この実施例では、ゾ―ン判定手段は、周期的な間隔で獲得された磁気共鳴撮像データの組を使用して標的ゾーンの動きを監視するよう更に適合される。これは、荷電粒子ビームによって損傷し得る周囲の器官の位置、及びゾーン判定手段の位置を検出することができるセグメンテーション・アルゴリズムによって実現することが可能である。
【0026】
ゾーン判定手段は、周期的な間隔で獲得される磁気共鳴撮像データの組を使用してビーム軌道に沿って被験者の内部の動きを監視するよう更に適合される。これは、ビーム軌道に対して垂直及び並列の内部の動きを含む。これは効果的である。粒子ビームの軌道に影響を及ぼし得る被験者内の内部の動きが存在し得るからである。例えば、粒子ビームが軟組織、又は肋骨などの骨材を通って進んでいる場合、粒子ビームの減衰は異なる。軌道算出手段は次いで、この情報を使用して、粒子ビームを標的ゾーンに向ける軌道を適切に算出することが可能である。この理由で、軌道算出手段は、軌道の算出中に使用されるビーム軌道に沿った被験者の動き、及び標的ゾーンの動きを補償するよう適合される。MRIデータが獲得される間隔は、補償すべき移動の速度によって求められる。例えば、膀胱の充満を補償するために、MRIデータは、呼吸が補償される場合よりも遅い速度で獲得される。
【0027】
別の実施例では、磁気共鳴撮像システムは、画像ゾーン内の荷電粒子の軌道を測定するよう適合される。ビーム制御手段は、測定された軌道を使用してビーム軌道を調節するよう適合される。この実施例は特に効果的である。磁気共鳴撮像システムは、荷電粒子ビームがとる経路を直接、測定することができるからである。この情報は次いで、ビーム軌道を調節するためにビーム制御手段によって使用される。これは、算出された軌道の検証を提供し、更に、被験者の標的ゾーン外の領域が粒子ビームによって照射されない可能性を低減する。粒子ビームの軌道は、別々のいくつかの手法を使用して磁気共鳴撮像によって測定することが可能である:
手法1:MRラーモア周波数、又はラーモア周波数の副高調波でビームを律動的に送ることにより、MR励起の手段として治療プロトン・ビームを使用する。
【0028】
手法2:BOLDに似たMR系列との組合せで、二乗平均平方根(RMS)ビーム電流のディフェージング効果を使用する。
【0029】
手法3:ビーム相互作用生成物の常磁性挙動によるディフェージング効果を使用する。
【0030】
プロトン・ビームを検出することの実現可能性を表す推定が、以下の前提条件を使用して行われる。
【0031】
プロトン・ビームは非常に狭く、側方寸法は最大、1mm未満のブラッグ・ゾーンになり、好ましくは、0.1mm未満のブラッグ・ゾーンになる。
【0032】
ビームは、100マイクロアンペア程度のピーク・ビーム電流、及び50乃至100MHzの範囲の反復周波数を備えた短パルスを含む。
【0033】
RMSビーム電流は0.1マイクロアンペアのレベルに達し得る(臨床治療システムにおける電流レベルは0.01−0.02マイクロアンペアである)。
【0034】
一治療セッションに必要なプロトン・パルスの列の持続時間は、数分程度である。
【0035】
前述の前提条件を使用すれば、ビーム電流は、その軌道の周りで循環する磁場を発生させる。磁場は、1/rで低下する(rは、ビームの中心までの距離である)。半径0.1mmでは、0.1マイクロアンペアの電流によるB場は1.3ナノテスラである。100マイクロアンペアの場合、0.1mmでの磁場は1.3マイクロテスラである。
【0036】
手法1の例
プロトン加速器からくるパルスは、100MHz程度の非常に安定した高い反復周波数を有する(これは、プロトンを生成するサイクロトン又はシンクロトンの設計パラメータである)。MRIシステム及びプロトン加速器は、ビーム・パルス反復周波数がMR共鳴周波数にちょうど等しいように互いにマッチングすることが可能である、その場合、プロトン・ビーム周りの磁場は、定常MR励起パルスとして組織プロトンに作用する。ビームRF場のMR効果は、加速器のパルス反復周波数をわずかに修正することにより、又は、(勾配コイル・システムに組み入れられたB0コイルを使用して)MRバックグランド・マグネットの場にわずかなオフセット場を加えることによって、オン及びオフに切り換えることが可能である。ビーム場のMR励起効果は、多くのやり方で画像における可視の効果に変換することが可能である。1つのやり方は、唯一のMR励起としてビーム場を使用し、結果として生じるMR信号を使用して画像を作成することである。前述の撮像は非常にすばやく行うことが可能である。ビームに非常に近いボクセルのみが信号を発するからである。基本的には、ビームは3つの投影から再構成することが可能である。あるいは、ビーム関連RF場の効果は、ビームが通って進むボクセルからくる信号を変調して、(逆回復系列などにおいて)RFプレパルスとして使用することが可能である。ビームが通って進むボクセルからのRF信号の生成を抑制して、飽和パルスとしてビームRF場を使用することも考えられる。MR励起効果は、プロトン・パルスの反復周波数がラーモア周波数の位相同期副高調波である場合にも生じる。一般に、プロトン・パルスの列の周波数スペクトルは、ラーモア周波数における周波数成分を含み、このプロトン・パルス列はMR励起をもたらす。
【0037】
ビームを撮像するよう適合された治療装置は、
MR共鳴及びプロトン・ビーム・パルス反復に対して同一の周波数、
サブシステム間の正確な周波数ロック、及び
MRスキャナの合計B0場、又は加速器周波数を変調することにより、MR共鳴とオフ共鳴との間で切り換えるための手段
という設計上の構成のうちの1つ又は複数を有し得る。
【0038】
手法2の例
RMSビーム電流は、ビームが通って進むボクセル内の共鳴周波数を変調するビーム周りにRMS磁場を発生させる。平均ビーム電流0.1マイクロアンペアでは、ビームの中心から0.1mmにおける周波数オフセットは約0.05Hzである。血中酸素濃度依存(BOLD)コントラスト・ファンクショナル撮像などのMR検出手法を使用して、この周波数オフセットを可視化することが可能である。この手法を使用したビームの可視化には、周期的にプロトン・ビームの送信を中断し、送信されるプロトン・ビームがあるMR画像、及び送信されるプロトン・ビームがないMR画像を比較することが関係する。プロトン・ビームの可視性を向上させるために、MRディフェージング効果が必要な時間中にRMSビーム電流を増加させることが可能である。例えば、平均電流を、大半の時間の間、0.02マイクロアンペアのレベルに維持する一方、MR獲得ウィンドウの開始と、RF励起パルスとの間の間隔において0.2−1.0マイクロアンペアに増加させることが可能である。この場合、ビーム電流の増加させた振幅の部分のデューティ・サイクルは5%程度であり得る。プロトン供給システムの前述の制限された高振幅動作は、構成部分の加熱により、電流が制限される場合、おそらく許容可能であろう。
【0039】
手法3の例
プロトンは組織のイオン化をもたらす。そうして形成されたフリー・ラジカルは常磁性を有するようになり、組織のT2緩和時間における局所の減少をもたらす。したがって、この効果は、T2感応性撮像系列を使用して可視化することが可能である。
【0040】
別の実施例では、荷電粒子ビームは、プロトン、炭素核、及び原子核のうちの少なくとも1つを備える。プロトン、炭素核、及び別の原子核の使用は有益である。荷電粒子ビームが、十分なエネルギを有している場合に、それらの大きな質量で被験者に深く入り込むことができるからである。
【0041】
別の実施例では、ゾーン判定手段は、治療を計画するための計画データを受け取るよう更に適合される。ゾーン判定手段は、更に、磁気共鳴撮像データの組を使用して所定の基準を計画データが満たしているかを確認するよう適合される。荷電粒子ビームによって治療が行われる場合、医師は、通常、X線によるコンピュータ断層撮像や磁気共鳴撮像などの医療撮像システムを使用して被験者の3次元画像を得て、次いで、この3次元データに基づいて被験者の治療を計画する。この実施例は、計画データが所定の基準を満たしているかを確認し、被験者の解剖学的構造が、計画データが生成された際に使用された解剖学的構造に実際に近いかを判定する。
【0042】
粒子加速器の費用が高いことにより、治療装置の一部である別の医療撮像システムを使用して1つの場所において計画データを生成することが可能である場合がある。更に、被験者の内部の解剖学的構造が変わっていることがあり得る。計画は医師によって行われたからである。例えば、個人が、より多くの脂肪を有し得る。又は、前立腺を治療する場合、計画中よりも多くの液体又は少ない液体で前立腺を満たし得る。計画データは、所定の基準との比較によって検証することが可能である。計画データが所定の基準を満たさなかった場合、荷電粒子ビームの生成の停止、計画データが正確でない旨のオペレータへの警告、計画データの調節、オペレータからの、計画データに対する訂正の受け取りという動作のうちの少なくとも1つを行うことが可能である。計画データが正確でない場合、荷電粒子ビームの生成を停止させることが有益である。このことは、荷電粒子が、意図されていない被験者の部位を横切ることを妨げるからである。計画データが正確でない旨をオペレータに警告することは効果的である。治療が適切に進まないほど、被験者の解剖学的構造と、計画中に使用される解剖学的構造との間に十分な相違が存在しているということをオペレータが分かっているからである。ゾーン判定手段はセグメンテーション・アルゴリズムを使用して実現することが可能であり、計画データは、セグメント化されたMRI画像を使用して調節することが可能である。これは効果的である。解剖学的構造におけるわずかな変動は、システムにより、自動的に補償することが可能であるからである。更に、運動及び呼吸は、治療計画において補償することが可能である。例えば、呼吸による、ビーム経路内外の肋骨の運動は、治療中にエラーをもたらし得る。しかし、MRI画像を使用すれば、この運動は補償することが可能であり、治療計画を調節することが可能である。
【0043】
計画データに対する訂正を受け取ることは効果的である。熟練オペレータ又は医師は次いで、計画データに対して訂正を手作業で行うことが可能であるからである。
【0044】
別の実施例では、磁場を発生させる手段は、円筒形状の2つのサブマグネットを含むスプリット型マグネットを備える。この実施例は効果的である。粒子ビームは、円筒形状の2つのサブマグネット間に向けることが可能であり、更に、磁気共鳴撮像データは円筒形状の2つのマグネット間の領域内で獲得することが可能であるからである。しかし、撮像ボリュームは、円筒形状の2つのサブマグネット間の領域に必ずしも制限される訳でない。撮像ボリュームは、更に、円筒形状の2つのサブマグネットによって囲まれた領域に、円筒形状のサブマグネットの対称の軸に沿って延在し得るからである。
【0045】
別の実施例では、磁場を発生させる手段は、円筒形状の少なくとも2つのサブマグネットを備えるスプリット型マグネットを備え、2つのサブマグネットの円筒の対称軸はアラインされ、スプリット型マグネットの中央面は少なくとも2つのサブマグネットを分け、スプリット型マグネットは、その円筒の対称軸を中心とした中央領域を有し、撮像ゾーンが中央領域内に位置し、中央面上でセンタリングされ、2つのサブマグネット間にスプリット・ゾーンが存在する円筒対称性を有し、誘導手段は、ビームがスプリット・ゾーンを横断するように適合され、誘導手段は、スプリット型マグネットの円筒の対称軸を中心として回転するよう適合される。この実施例は効果的である。円筒形状の少なくとも2つのサブマグネット間の磁場は、磁気共鳴撮像データを獲得するのに十分均一であり、更に、円筒形状の2つのサブマグネット間の粒子ビームのための隙間が存在するからである。
【0046】
別の実施例では、磁場共鳴システムの無線周波数コイルは、スプリット型マグネットの中央面に沿って分けられる。このことは効果的である。標的ゾーンへのビームの横断を可能にするからである。
【0047】
本発明の実施例によれば、磁気共鳴システムの無線周波数コイルは、標的ゾーンへのビームの横断を可能にするためにスプリット型マグネットの中央面に沿って分けられる。
【0048】
本発明の実施例によれば、磁気共鳴システムの勾配コイルは、標的ゾーンへのビームの横断を可能にするためにスプリット型マグネットの中央面に沿って分けられる。
【0049】
本発明の実施例によれば、2つのサブマグネットは相互接続され、好ましくは、2つのサブマグネットは少なくとも2つのコールド・サポートと接続される。コールド・サポートは、2つのサブマグネット間の機械的であり、超伝導の電気的剛接続を提供するよう適合される。
【0050】
本発明の実施例によれば、治療装置は、被験者を支持するための被験者サポートを更に備え、コールド・サポートは、撮像ゾーンの矢状対称面又は冠状対称面に対してミラー対称でない角配置で配置される。
【0051】
別の実施例では、誘導手段は、荷電粒子生成手段からのビームを誘導するよう適合されたビーム・ガイドを更に備え、ビーム・ガイドは、スプリット型マグネットの対称軸を中心として回転するよう適合される。この実施例は効果的である。ビーム・ガイドはスプリット型マグネットの対称軸を中心に回転させられ、この設計の構成は、ビーム・ガイドが回転させられるにつれ、ビーム・ガイドを通って進む際に荷電粒子が受ける磁場が変動しないという効果を有するからである。
【0052】
本発明の実施例によれば、ビーム・ガイドは少なくとも第1、第2、及び第3の偏向マグネットを有し、第1の偏向マグネットはマグネットの対称面に配置され、第2の偏向マグネットはスプリット型マグネットの対称軸に配置され、第3の偏向マグネットは、好ましくは、マグネットの中央面から2メートル未満の距離で、第1の偏向マグネットと第2の偏向マグネットとの間のビームの経路に沿って配置される。
【0053】
別の実施例では、スプリット型マグネットは、被験者を受容するよう適合された被験者トンネルを備え、治療装置は明らかに、被験者を支持する被験者サポートを備え、被験者サポートは被験者トンネル内に配置され、誘導手段は更にビーム・パイプを備え、ビーム・パイプは排気管を備え、ビーム・パイプは、誘導手段から被験者トンネルの表面に延びる。この実施例は効果的である。排気ビーム・パイプは、粒子ビームからエネルギを奪うか、イオン化し得る空気を含んでいないからである。
【0054】
別の実施例では、スプリット型マグネットは、スプリット型マグネットの浮遊磁場を低減させる遮蔽コイルを有し、遮蔽コイルは、荷電粒子光学系に対するスプリット型マグネットの磁場の影響を低減させるために用いられる、スプリット型マグネットを取り囲むゼロの磁場の領域が存在しているように構成される。この実施例は効果的である。荷電粒子光学系は、粒子ビームを偏向させるために使用される磁場を発生させるために使用される種々の材料を含み得るからである。
【0055】
磁場は、荷電粒子光学系の動作を損ない得る。低磁場又はゼロ磁場の領域を設けることにより、荷電粒子ビームの軌道を調節するよう適合された荷電粒子光学系の開発は、より簡単になり、その費用が低くなる。
【0056】
ゼロ磁場の領域とは、事実上、粒子ビームの軌道に影響を及ぼさないほど低いことをいう。マグネットの設計又は製造における不具合により、前述の領域には低い場が存在し得、接地による磁場も存在し得る。しかし、遮蔽コイルの適切な配置により、非常に低い磁場を有する領域がマグネットの周りに発生し得る。更に、前述の領域の周りでは、磁場は、マグネットを囲む他の領域よりも低い。ゼロ磁場の領域を囲む領域では、よって、荷電粒子に対する磁場の影響も削減される。
【0057】
別の局面では、本発明は、治療装置を制御するためのコンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。コンピュータ・プログラム・プロダクトは、磁気共鳴撮像システムを使用して磁気共鳴撮像データの組を獲得する工程、及び被験者内の標的ゾーンに、誘導手段を使用して荷電粒子ビームを誘導する工程を行うための実行可能な命令を備える。撮像ゾーンは標的ゾーンを含む。上記工程を行うための命令は更に、磁気共鳴撮像データを使用し、ゾーン判定手段を使用して、標的ゾーンの位置を判定する機能と、算出された軌道が標的ゾーンに達するように磁場を表す磁場データを使用し、軌道算出手段を使用してビームの軌道を算出する機能と、荷電粒子生成手段を使用して標的ゾーンにビームを送出する機能とを更に備える。治療装置などのコンピュータ・プログラム・プロダクト制御を有することが効果的である。コンピュータは、人間よりも速く、必要な算出を行い、装置を制御することが可能であるからである。このコンピュータ・プログラム・プロダクトの更なる効果は、上述の治療装置と同様である。
【0058】
別の実施例では、コンピュータ・プログラム・プロダクトは、被験者内のビームのエネルギ損失を算出する工程、及びエネルギ損失を使用して、算出された軌道を調節する工程を更に備える実行可能な命令を備える。この効果は上述している。
【0059】
別の実施例では、コンピュータ・プログラム・プロダクトは更に、被験者の動きを監視するために十分速い速度で、周期的な間隔で磁気共鳴撮像データを使用して、磁気共鳴撮像データの組を獲得する工程と、周期的な間隔で獲得された磁気共鳴撮像データの組を使用してゾーン判定手段により、ビーム軌道に沿った被験者の内部の動き、及び標的ゾーンの動きを監視する工程と、ビーム軌道に沿った被験者の内部の動き、及び標的ゾーンの動きが補償されるように、磁場データを使用して軌道算出手段を使用してビームの軌道を算出する工程と、被験者内の標的ゾーンに、誘導手段を使用して荷電粒子ビームを誘導する工程と、ビーム軌道に沿った標的ゾーン及び他の被験者の動きを補償するために、制御手段により、ビーム軌道を制御する工程とを行うための実行可能な命令を備える。この場合も又、このことは効果的である。コンピュータにより、人間が行うことが可能であるよりも速くかつ効率的に行うことが可能であるからである。更に、このことの効果は、治療装置について上述したものと同様である。
【0060】
別の実施例では、実行可能な命令は、磁気共鳴撮像システムを使用して撮像ゾーン内の荷電粒子の軌道を測定する工程と、測定された軌道を使用してビーム制御手段により、ビームの方向を調節する工程とを更に含む。この効果及び方法は上述している。
【0061】
別の実施例では、コンピュータ・プログラム・プロダクトは、治療装置を使用して治療を計画するための計画データを受け取る工程と、磁気共鳴撮像データの組を使用して、所定の基準を計画データが満たしているかを確認する工程と、計画データが、所定の規準を満たしていない場合に、荷電粒子ビームの生成の停止、計画データが正確でない旨のオペレータへの警告、計画データの調節、及び、オペレータからの、計画データに対する訂正の受け取りのうちの少なくとも1つを行う工程とを行うための実行可能な命令を更に備える。この効果は上述している。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施例による、治療装置の実施例を示す、理想化した断面図である。
【図2】本発明の実施例による、治療装置の実施例を示す断面透視図である。
【図3】本発明の実施例による、治療装置を制御するためのコンピュータ・プログラム・プロダクトの工程の実施例を示す図である。
【図4】本発明の実施例による、治療装置を制御するためのコンピュータ・プログラム・プロダクトの工程の実施例を示す図である。
【図5】1.5テスラ磁気共鳴撮像システムの場内の算出されたプロトン・ビーム軌道を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本発明の好適な実施例を以下に、例示の目的でのみ、かつ、図面を参照して説明する。
【0064】
同一の構成部分であるか、又は、同じ機能を行う図1中、及び図2中の構成要素は、最後の2桁が同一であるように番号付けされる。図1に記載された図2中の構成要素は、機能が同一の場合、必ずしも、再び、記載しない。
【実施例】
【0065】
図1は、本発明の実施例による、治療装置の実施例の、理想化した断面図を示す。この図は、2つのサブマグネット102を含むスプリット型マグネットを備える磁気共鳴撮像システム100を示す。サブマグネット102の穴の中には、被験者104を受容するよう適合された被験者サポート106用の空間が存在している。2つのサブマグネット102間には、磁気共鳴撮像データを獲得することが可能であるほど磁場が十分均一な撮像ゾーン112が存在している。撮像ゾーン112内には、標的ゾーン110が存在している。磁気共鳴撮像データは、この実施例では、スプリット・トランシーバ・コイル116を使用して獲得される。情報の空間符号化は、スプリット勾配コイル160によって行われる。この実施例では、勾配コイル160は、マグネット102の穴内に配置される。
【0066】
この実施例では、スプリット・トランシーバ・コイル116は、被験者104上に直接設定される。他の実施例では、磁気共鳴撮像データを獲得するために使用されるコイルはマグネット102の穴内に搭載し得、サポート上に搭載し得、又は勾配コイル160に搭載し得る。磁気共鳴撮像データは粒子ビーム108を誘導するために使用されるので、誘導手段134に対する勾配コイル160の位置が分かっていることが必要である。
【0067】
トランシーバ・コイル116はトランシーバ118に接続される。トランシーバは、無線周波数信号を発出し、更に受け取ることができる。トランシーバは次いで、ハードウェア・インタフェース122を介してコンピュータ120とインタフェースする。勾配コイルは、ハードウェア・インタフェース122を介して制御される勾配増幅器162によって給電される。勾配増幅器162は、勾配コイル160に電流を供給することができる電力増幅器である。コンピュータは、トランシーバ118によって得られるデータから画像を構成するよう適合されたコンピュータ・プログラム・プロダクト126を有するマイクロプロセッサ124を有する。コンピュータ・プログラム・プロダクト126は更に、ゾーン判定手段128及び軌道算出手段130を備える。
【0068】
ゾーン判定手段128は、MRI画像の解剖学的領域をセグメント化するよう適合されたセグメンテーション・モジュールとして実現することが可能である。軌道算出手段は、小時間ステップで粒子の位置の動きの式を積分するための粒子積分器、及びマグネットを囲む磁場を表す磁場データを使用して実現することが可能である。コンピュータは、更に、操作者からの命令を受け取るよう構成されたユーザ・インタフェース132を備える。コンピュータ120のハードウェア・インタフェース122は更に、制御手段114に接続される。制御手段114は、誘導手段134を制御するよう適合される。誘導手段134は、標的ゾーン110に粒子ビーム108を向けるよう適合される。この実施例では、トランシーバ・コイル116及び勾配コイル160は、粒子ビームがトランシーバ・コイル116にも勾配コイル160にも交差しないようなスプリット設計を有する。
【0069】
図2は、本発明の実施例による、治療装置の実施例の断面透視図を示す。この実施例におけるMRIシステム200は、2つのサブマグネット202を含むスプリット型マグネットを含む。被験者を受容するよう適合された被験者トンネル248が存在している。この実施例では、被験者トンネル248は勾配コイルを備える。勾配コイルは被験者トンネル内に埋め込み得る。他の実施例では、勾配コイル及び被験者トンネルは別個であり得る。被験者コイル内に勾配コイルを埋め込むことにより、誘導手段134に対する勾配コイルの位置が明確に画定されるので、MRI画像の位置は、誘導手段134に対して明確に画定される。
【0070】
被験者トンネル248内には、被験者を受容するよう適合された被験者サポート206がある。各サブマグネット202は、放射線遮蔽236及び極低温チェンバ258を含む。極低温チェンバ258内には、磁場を発生させるよう適合された超伝導遮蔽コイル248及び超伝導コイル238がある。超伝導遮蔽コイル248は、サブマグネット102を囲むゼロ磁場の領域242が存在しているように適合される。プロトン・ビームを走査するために使用されるパルス電磁石は、好ましくは、この低場リング242内に配置される。これは、強磁性主磁極を備えた効率的な走査マグネットの使用を可能にする。
【0071】
2つのサブマグネット202間には、ビーム・パイプ246、及び荷電粒子ビーム208が横断し得る空間が存在している。MRIシステム200を囲む回転可能なサポートが存在している。回転可能なサポートは、ビーム・ガイド244及び誘導手段234を保持する。誘導手段234は、粒子ビーム208の軌道を調節するよう適合される。ビーム・パイプ246は、粒子ビーム208が通って進むことを可能にするよう適合された排気管であり、この実施例では、被験者トンネル248内まで延びるものでない。
【0072】
ビーム・ガイド244は、荷電粒子源から誘導手段234に粒子ビーム208を誘導するよう適合される。この実施例では、ビーム・ガイド244は、ちょうど、MRIシステム200の対称軸を中心に回転することができる。このことは、ビーム・ガイド244及び誘導手段234がサブマグネット202を中心に回転するにつれ、粒子が感知する磁場が変動しないという利点を有する。このことは、ビーム・ガイド244及び誘導手段234が回転するにつれ、磁場における変動を補償する必要なく、移動させることが可能であるという利点を有する。回転可能なサポート250を、MRIシステム200を中心として回転させるにつれ、粒子ビーム208は、被験者に対する別の軌道をとる。被験者サポート206は、治療中の動きに対しても適合される。患者サポート206、回転可能なサポート250を調節し、誘導手段234を制御することにより、被験者のどの領域も粒子ビーム208で治療することが可能である。
【0073】
ビーム・ガイド244は、更に、第1の偏向マグネット、第2の偏向マグネット、及び第3の偏向マグネットを含む。この実施例では、第1の偏向マグネットは、2つのサブマグネット102間の平面に配置される(252)。ビーム・ガイドは次いで、2つのサブマグネットから離れた方向に延在し、ここでは、第2の偏向マグネットが配置される(254)。第3の偏向マグネットは、次いで、MRIシステム200の対称軸上にビームを偏向させるように配置される(256)。
【0074】
MRIマグネットの浮遊場を、等中心から3メートルを超える距離で小さくすることが可能であるが、残りの場は、旋回点と、90度偏向マグネットとの間でビーム・ガイド244に沿った荷電粒子ビームの許容できない偏向をもたらすのに十分大きいことがあり得る。前述の浮遊場を補償するために、ビーム・ガイド244は、好ましくは、ビーム・ガイド244に沿って分散させた永久マグネット及び/又は電磁石のアセンブリによってアクティブに遮蔽される。前述の補償マグネットの分布及び強度は、ビーム経路を介する平面内の磁場の構成部分と、ビーム経路に垂直であり、マグネットの等中心が打ち消されるようなものであり得る。サブマグネット202の浮遊場の影響は、少なくとも2つの偏向マグネットを使用することによって削減することも可能であり、これは、MRIマグネットの高い場のゾーンから更に離れたビーム・ガイド244の配置を可能にする。
【0075】
2つのサブマグネット202は、適切な極冷温絶縁体を有する、少なくとも2つのコールド・サポート部材によって相互接続することが可能である。前述のサポート部材の角位置は、隣接するサポート・エレメント間で少なくとも90度の自由開口部を設けるために必要なプロトン・ビーム・システムの回転により、干渉が何ら生じないように選ぶことが可能である。
【0076】
スプリット型MRIシステムにおいて使用される、この実施例248における、被験者トンネルに埋め込まれた勾配コイルは、一体化された全身PET/MRシステムの有間隙勾配コイルと設計上、同様であり得る。このタイプの勾配コイルの主な特徴は、中央間隙の両側のフランジが、コイル構造の外部表面上の導体及びコイルの内部表面上の導体を相互接続し得るx勾配コイル及びy勾配コイルに属する導体を収容するという点である。PET/MR勾配コイルと対照的に、治療装置のコイルの2つの半分は、閉じた薄壁の中心円筒によって相互接続することが可能でない。前述の円筒はプロトン・ビームをブロックするからである。その代わりに、コイルの2つの半分はそれぞれ、マグネット・システムに別個に取り付けることが可能である。マグネットは、(相互接続ポストを除き、)ほぼ完全に分離しているので、効果的には、勾配コイル上の横力に反応するために使用することが可能な、中央間隙に近い堅い取り付け表面を有する。あるいは、勾配コイルの2つの半分は、プロトン・ビーム・システムの許容された角位置がシステムの水平対称平面の上の領域に制限されると仮定すると、マグネットの間隙の下方の部分に配置された取り付け構造により、フロアに取り付けることが可能である。しかし、システム構成部分の放射線活性化を避けるために、できる限り、マグネットの間隙内の建材を避けることが好ましい。
【0077】
トランシーバ・コイル216の品質係数を大きく低下させる、トランシーバ・コイル216と勾配コイルとの間のRF結合を避けるために、MRシステムは一般に、勾配コイルの内部表面を覆うRFシールドを特徴とする。勾配コイル内の分離が理由で、好ましくは、シールドが、マグネットの孔と電気接続するように、中央間隙に面する勾配コイルのフランジにわたり、この円筒RFシールドを延ばすことが必要である。(バードケージ又はTEM共振器であり得る)トランシーバ・コイル216の桟は、中央間隙と交差しないように分離することが可能である。半ロッドはそれぞれ、RFシールドのフランジ部分に直接、又はキャパシタによって電気接続し得る。
【0078】
サブマグネット202を取り囲むゼロ磁場ゾーン242は効果的には、磁性を有するプロトン・ビーム・システムの構成部分を位置特定するために使用することが可能である。このゾーンに配置された磁性材料は、磁化されず、よって、MRIスキャナ内の磁場の歪みにつながらない。低磁場領域242は、磁場に露出されると機能停止するプロトン・ビーム・システムの部品を位置特定するために使用することも可能である。例には、高透磁率の磁気シールド、場感受性センサ、及びトランスデューサ又は高真空構成部分を有するデバイスがある。
【0079】
図3は、本発明の実施例による、治療装置を制御するためのコンピュータ・プログラム・プロダクトの工程の実施例を示す。第1の工程は、磁気共鳴撮像システム300を使用して磁気共鳴撮像データの組を獲得する。第2の工程は、被験者302内の標的ゾーンに向けて、誘導手段を使用して荷電粒子ビームを誘導する。第3の工程は、磁気共鳴撮像データ304の組を使用してゾーン判定手段を使用して標的ゾーンの位置を判定する。第4の工程は、磁場データ306を使用して、軌道算出手段を使用してビームの軌道を算出する。最後に、荷電粒子のビームは、標的ゾーン308に向けて送出される。
【0080】
図4は、本発明の実施例による、治療装置を制御するためのコンピュータ・プログラム・プロダクトの工程の実施例を示す。工程は、腫瘍400に対する、望ましい線量を規定する工程を含む。これは、医師又は熟練した操作者からの所望の線量計画を受け取る工程である。次に、磁気共鳴撮像システムの周りの磁場が、腫瘍404に至る荷電粒子の軌道を算出する場合に考慮に入れられる。ビーム・パラメータは、標的内の線量投与が、直線でなく曲線経路を有するビームによって実現されるように計算される。次に、適切なビーム・パラメータが規定されるか、又は再規定される(406)。これは、ビームの軌道を制御するために使用されるパラメータである。このことから、線量分布が計算される(408)。線量分布は、CTスキャナ410を使用して3D組織減衰マップから取得し得る更なる情報を使用して計算される(410)。
【0081】
前述の組織減衰マップを使用して、ボクセル毎のプロトン阻止能が導き出される(412)。これは、CTスキャンからのデータを相関し、プロトン阻止能を求めることができる較正曲線又はテーブル414によっても行われる。この情報は、結果として生じる線量分布408を計算している間に使用される。計算された線量分布は次いで、所望の線量分布402と比較される。所望の線量分布402が所定の規準の組を満たさなかった場合、処理は再び開始する。この処理は、計算された線量分布が、規定された線量分布に十分近くなるまで反復的に繰り返される。
【0082】
図5は、1.5テスラ磁気共鳴撮像システムの場内の算出されたプロトン・ビーム軌道を示す。これは、マグネットの断面図であり、スプリット型マグネットMRIシステムとの間の空間であるものとする。x軸500はマグネットの対称軸からの距離を規定し、y軸は対称軸の中心からの距離を規定する。z軸は、対称軸に沿って位置する。この図は、マグネット504の内径及びマグネット506の外径を示す。磁場は、この図に示されておらず、軌道のみが示されている。この図は、10MeVプロトン508、30MeVプロトン510、100MeVプロトン512、及び300MeVプロトン514の軌道を示す。
【0083】
図5は、磁場がない状態においてたどる直線から、荷電粒子軌道経路がどれだけ大きく逸脱するかを表す。この図中の算出は、前述のエネルギの場合、特に、標的が被験者内のより深い所に配置されているほど、治療に使用されるエネルギは大きくなることを考慮すると、経路を治療に使用することが可能である。これは、実用的なケース全てにおいて、エネルギがそれに沿って付与される、被験者内の実際のその経路の長さは、磁場が存在している状態において、MRIシステムがない状態で発生する直線経路よりもわずかに長いに過ぎない。
【0084】
図5に示す相対論的な算出は、経路に沿ったエネルギ損失を考慮に入れていない。体内に深く入り込んだ後、プロトンのエネルギは徐々にゼロまで減少し、MRスキャナの磁場では、これは、体内のプロトン経路の曲線の半径の減少をもたらす。しかし、患者内の経路の位置の関数としてのプロトン・エネルギは高精度で知られている。この情報は更に、主要な治療効果が生じるブラッグ・ピークの位置を定めるために必要であるからである。したがって、ビームの厳密な曲線は、患者内及び患者内で厳密に予測可能である。プロトン・エネルギは通常10mmの距離にわたり、30MeVからゼロに減少するので、曲線が大きなプロトン軌道の部分は小さい状態に留まる。
【0085】
参照符号リスト
100 磁気共鳴撮像システム
102 サグマグネット
104 被験者
106 被験者サポート
108 荷電粒子ビーム
110 標的ゾーン
112 撮像ゾーン
114 制御手段
116 スプリット型トランシーバ・コイル
118 トランシーバ
120 コンピュータ
122 ハードウェア・インタフェース
124 マイクロプロセッサ
126 コンピュータ・プログラム・プロダクト
128 ゾーン判定手段
130 軌道算出手段
132 ユーザ・インタフェース
134 誘導手段
160 勾配コイル
162 勾配増幅器
200 磁気共鳴撮像システム
202 サグマグネット
206 被験者サポート
208 荷電粒子ビーム
216 スプリット型トランシーバ・コイル
234 誘導手段
236 放射線遮蔽
238 超伝導コイル
240 超伝導遮蔽コイル
242 ゼロ磁場領域
244 ビーム・ガイド
246 ビーム・パイプ
248 被験者トンネル
250 回転可能なサポート
252 第1の偏向マグネットの位置
254 第2の偏向マグネットの位置
256 第3の偏向マグネットの位置
258 極低温チェンバ
300 磁気共鳴撮像システムを使用して磁気共鳴撮像データの組を獲得する
302 被験者内の標的ゾーンに向けて、誘導手段を使用して荷電粒子ビームを誘導する
304 磁気共鳴撮像データの組を使用してゾーン判定手段を使用して標的ゾーンの位置を判定する
306 磁場データを使用して軌道算出手段を使用してビームの軌道を算出する
308 標的ゾーンに荷電粒子ビームを送出する
400 腫瘍に対する所望の線量を規定する
402 所望の線量分布と比較する
404 MRI場の影響を考慮に入れる
406 適したビーム・パラメータを(再)規定する
408 結果として生じる線量分布を計算する
410 CTスキャンから3D組織減衰マップを求める
412 ボクセル毎にプロトン阻止能を導き出す
414 較正曲線(表)
500 x座標のマグネットの中心からの距離
502 y座標のマグネットの中心からの距離
504 マグネットの内径
506 マグネットの外径
508 10MeVプロトンの軌道
510 30MeVプロトンの軌道
512 100MeVプロトンの軌道
514 300MeVプロトンの軌道

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療装置であって、
撮像ゾーン内の磁気共鳴撮像データの組を獲得するよう適合された磁気共鳴撮像システムであって、前記磁気共鳴撮像システムが、磁場を発生させる磁気共鳴撮像システムと、
被験者内の標的ゾーンに荷電粒子ビームを誘導するよう適合された誘導手段であって、前記撮像ゾーンが前記標的ゾーンを含む誘導手段と、
前記磁気共鳴撮像データの組を使用して、前記被験者内の前記標的ゾーンの位置を判定するよう適合されたゾーン判定手段と、
算出された軌道が前記標的ゾーンに達するように前記磁場を表す磁場データを使用して前記ビームの軌道を算出するよう適合された軌道算出手段と、
前記ビームが前記算出された軌道をたどるように、前記算出された軌道を使用して前記誘導手段を制御するよう適合された制御手段と
を備える治療装置。
【請求項2】
請求項1記載の治療装置であって、前記誘導手段は、ビーム軌道を調節するための荷電粒子光学系を備え、前記誘導手段は、前記ビームを備える荷電粒子のエネルギを調節する調節可能な減衰器を更に備える治療装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の治療装置であって、前記軌道算出手段は、前記被験者内の前記ビームのエネルギ損失を算出するよう適合され、前記軌道算出手段は、前記エネルギ損失を使用して、前記算出された軌道を調節する治療装置。
【請求項4】
請求項3記載の治療装置であって、前記誘導手段は、前記粒子ビームのブラッグ・ピークが前記標的ゾーン内にあるように、必要な運動エネルギ以上の運動エネルギを有する荷電粒子を備える荷電粒子ビームを誘導するよう適合され、前記ビーム誘導手段は、前記ブラッグ・ピークが前記標的ゾ―ン内にあるように前記ビームの前記ブラッグ・ピークの位置を調節するための、調節可能な減衰器を更に備える治療装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の治療装置であって、MRIシステムは、周期的な間隔で前記磁気共鳴撮像データの組を獲得するよう適合され、前記ゾーン判定手段は、周期的な間隔で獲得された前記磁気共鳴撮像データの組を使用して前記標的ゾーンの動きを監視するよう更に適合され、前記ゾーン判定手段は、周期的な間隔で獲得された前記磁気共鳴撮像データの組を使用して前記ビーム軌道に沿って前記被験者の内部の動きを監視するよう更に適合され、前記軌道算出手段は、前記軌道の算出中のビーム軌道に沿った前記被験者及び前記標的ゾーンの動きを補償するよう適合された治療装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の治療装置であって、前記磁気共鳴撮像システムは、前記撮像ゾーン内の荷電粒子の前記軌道を測定するよう適合され、前記ビーム制御手段は、前記測定された軌道を使用してビーム軌道を調節するよう適合された治療装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の治療装置であって、前記誘導手段は、プロトン、炭素核、及び原子核のうちの少なくとも1つを備える荷電粒子ビームを誘導するよう適合された治療装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の治療装置であって、前記ゾーン判定手段は、治療を計画するための計画データを受け取るよう更に適合され、前記ゾーン判定手段は、前記磁気共鳴撮像データの組を使用して所定の規準を前記計画データが満たすかを確認するよう適合され、前記ゾーン判定は、前記計画データが前記所定の規準を満たさない場合に前記荷電粒子ビームの生成の停止、前記計画データが正確でない旨のオペレータへの警告、前記計画データの調節、及び、操作者からの、前記計画データに対する訂正の受け取りのうちの少なくとも1つを行うよう適合された治療装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の治療装置であって、前記磁場を発生させる手段は、円筒形状の少なくとも2つのサブマグネットを備えるスプリット型マグネットを備え、前記2つのサブマグネットの円筒の対称軸はアラインされ、前記スプリット型マグネットの中央面は前記少なくとも2つのサブマグネットを分け、前記スプリット型マグネットは、その円筒の対称軸を中心とした中央領域を有し、前記撮像ゾーンは、前記中央領域内に位置し、前記中央面上でセンタリングされ、前記2つのサブマグネット間にスプリット・ゾーンが存在しており、前記誘導手段は、前記ビームが前記スプリット・ゾーンを横断するように適合され、前記誘導手段は、前記スプリット型マグネットの円筒の対称軸を中心として回転するよう適合された治療装置。
【請求項10】
請求項9記載の治療装置であって、前記誘導手段は、荷電粒子生成手段からのビームを誘導するよう適合されたビーム・ガイドを更に備え、前記ビーム・ガイドは、前記スプリット型マグネットの対称軸を中心として回転するよう適合された治療装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の治療装置であって、前記スプリット型マグネットは、被験者を受容するよう適合された被験者トンネルを備え、前記治療装置は、前記被験者を支持するための被験者サポートを更に備え、被験者サポートは前記被験者トンネル内に配置され、前記誘導手段はビーム・パイプを更に備え、前記ビーム・パイプは排気管を備え、前記ビーム・パイプは、前記誘導手段から前記被験者トンネルの表面に延在する治療装置。
【請求項12】
請求項9、10、又は11に記載の治療装置であって、前記スプリット型マグネットは、前記スプリット型マグネットの浮遊磁場を低減させる遮蔽コイルを有し、前記遮蔽コイルは、荷電粒子光学系に対する前記スプリット型マグネットの前記磁場の影響を削減するために使用される前記中央領域の外のゼロ磁場領域が存在しているように配置される治療装置。
【請求項13】
治療装置を制御するためのコンピュータ・プログラム・プロダクトであって、
磁気共鳴撮像システムを使用して撮像ゾーン内の磁気共鳴撮像データの組を獲得する工程であって、前記磁気共鳴撮像システムが磁場を発生させる手段を備える工程と、
被験者内の標的ゾーンに誘導手段を使用して荷電粒子ビームを誘導する工程であって、前記撮像ゾーンが前記標的ゾーンを含む工程と、
前記磁気共鳴撮像データの組を使用して、ゾーン判定手段を使用して前記標的ゾーンの位置を判定する工程と、
算出された軌道が前記標的ゾーンに達するように前記磁場を表す磁場データを使用して、軌道算出手段を使用して前記ビームの軌道を算出する工程と、
荷電粒子生成手段を使用して前記標的ゾーンに前記ビームを送出する工程と
を行うための実行可能な命令を備えるコンピュータ・プログラム・プロダクト。
【請求項14】
請求項13記載のコンピュータ・プログラム・プロダクトであって、
前記実行可能な命令は、
前記被験者内の前記ビームのエネルギ損失を算出する工程、及び
前記エネルギ損失を使用して、前記算出された軌道を調節する工程
を更に含むコンピュータ・プログラム・プロダクト。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクトであって、前記実行可能な命令は、
被験者の動きを監視するために十分速い速度で、周期的な間隔で前記磁気共鳴撮像システムを使用して、磁気共鳴撮像データの組を獲得する工程と、
周期的な間隔で獲得された前記磁気共鳴撮像データの組を使用して前記ゾーン判定手段により、ビーム軌道に沿った前記被験者の内部の動き、及び前記標的ゾーンの動きを監視する工程と、
前記ビーム軌道に沿った前記被験者の前記内部の動き及び前記標的ゾーンの動きが補償されるように、前記磁場データを使用して前記軌道算出手段を使用して前記ビームの軌道を算出する工程と、
前記被験者内の標的ゾーンに、前記誘導手段を使用して荷電粒子ビームを誘導する工程と、
前記ビーム軌道に沿った前記被験者及び前記標的ゾーンの動きを補正するために、制御手段により、前記ビーム軌道を制御する工程と
を更に含むコンピュータ・プログラム・プロダクト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−511382(P2012−511382A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540293(P2011−540293)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055509
【国際公開番号】WO2010/067287
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】