説明

治療計画装置及び治療計画システム

【課題】患者支持装置位置決め用画像撮像装置が患部に付与する線量を勘案した治療計画を立案可能とし、放射線治療計画の精度を向上させることができる放射線治療計画装置及びシステムを提供する。
【解決手段】治療計画装置100はデータサーバ104から患者支持装置位置決め用画像撮像装置151,152が付与する線量分布の線量データを読み込み、治療計画演算装置101の主記憶装置111に保存する。治療計画装置100は、計算した関心領域へ付与される放射線の線量分布と位置決め用画像撮像装置151,1512が付与する線量分布とを足し合わせ、表示する。これにより位置決め用画像撮像装置が患部に付与する線量分布を勘案した治療計画が立案可能となり、放射線治療計画の精度を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線又は陽子線をはじめとする粒子線等の各種放射線を患者の患部(照射標的)に照射して治療を行う放射線治療装置用の治療計画装置及び治療計画システムに関する。
【背景技術】
【0002】
がん治療に用いられる放射線(本明細書ではX線と粒子線を合わせて放射線と呼ぶことにする)治療では、治療装置を用いて患者の患部(照射標的)を照射する前に事前に治療計画が立案される。治療計画は、コンピュータを用いて立案され、一般的には専用のソフトウェアプログラムが使用される。治療計画の機能としては、腫瘍の領域(患部)やその周辺臓器を指定するための領域入力機能、治療装置の装置パラメータを用いて患部への放射線線量分布(以下、線量分布と略す)をコンピュータの演算装置を用いて計算する機能等があり、これらの情報は治療装置に伝達される。
【0003】
治療計画システムでは、一般的に放射線治療装置から患部へと照射される線量分布を解析対象とする。しかしながら、近年、治療計画後、治療室内での放射線照射直前に実施される患者支持装置位置決めに用いられる手段が多様化している。患者支持装置位置決めとは、治療計画で指定された患部の中心と放射線治療装置の照射中心(アイソセンタ)とを一致させる作業を指す。この際、患者支持装置上に横たわっている患者の患部中心を照射中心に移動させるために、X線透視装置等を用いて画像を撮影し、予め治療計画装置にて準備していた模擬X線透視画像と撮影した画像とを比較し支持装置の移動量を求めることが行われている(非特許文献1)。
【0004】
患者支持装置位置決めのために使用される画像撮像装置としては、X線透視装置、X線CT(Computed Tomography)装置(非特許文献2)や超音波装置(非特許文献3)がある。これらは、超音波装置を除き放射線を照射する撮像装置である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“A portal image alignment and patient setup verification procedure using moments and correlation techniques”, Lei Dong et al, 1996, Phys. Med. Biol. Vol.41 697-723
【非特許文献2】“Commissioning experience with cone-beam computed tomography for image-guided radiation therapy”, Joerg Lehmann et al., Journal of AppliedClinical Medical Physics, VOLUME 8, NUMBER 3, SUMMER 2007
【非特許文献3】“3D ultrasound for prostate localization in radiation therapy: a comparison with implanted fiducial markers”, Johnston H et al., Med Phys. 2008 vol. 35(6), 2403-13
【非特許文献4】“Multimodality Image Registration by Maximization of Mutual Information”, F. Maes et al., IEEE Transactions on Medical Imaging, VOL. 16, NO. 2, APRIL 1997
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
放射線治療の目標は、患部のみに線量を集中させ、その他の部分には極力放射線を照射しないようにすることである。従来の放射線治療計画システムは、放射線治療装置からの線量分布のみを勘案するシステムである。一方、近年患者支持装置位置決め用の画像としてCT装置等が使用されるようになってきている。
【0007】
放射線治療は数十回の照射を実施することが多い。そのため、患者支持装置位置決め用の画像も毎回撮影する。この位置決め用画像撮影装置が患部に付与する線量を放射線治療計画時に勘案し、総合的な患部への線量を把握することができれば、従来よりもより高精度に患部に付与される線量を把握することが可能となるが、そのような放射線治療計画装置及びシステムは提供されていないため、従来困難であった。
【0008】
本発明の目的は、患者支持装置位置決め用画像撮像装置が患部に付与する線量を勘案した治療計画を立案可能とし、放射線治療計画の精度を向上させることができる放射線治療計画装置及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明では、より高精度に患部へ付与される線量を把握する機能を実現する放射線治療計画装置及びシステムを提供する。そのために、治療計画システムは治療計画装置とネットワークで接続された患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布の線量データを保持するデータサーバ(位置決めX線データサーバ)を備えている。治療計画装置はデータサーバから線量データを読み込み、治療計画演算装置の主記憶装置に保存する。そして、治療計画装置は、線量計算手段が計算した関心領域(患部)へ付与される放射線の線量分布と患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布とを足し合わせる線量合成手段を備える。これにより、患者支持装置位置決め用画像撮像装置が患部に付与する線量分布を勘案した治療計画が立案可能となり、放射線治療計画の精度を向上させることができる。
【0010】
放射線治療は多数回照射することが多い。このため、本発明の治療計画装置は、関心領域の照射計画の分割回数を設定する分割回数設定手段を備える。線量合成手段は、分割回数設定手段によって分割回数が設定されている場合は、その分割回数の分だけ、患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を線量計算手段が計算した放射線の線量分布に足し合わせる。これにより、放射線治療は多数回照射する場合でも、患者支持装置位置決め用画像撮像装置が患部に付与する線量を勘案した治療計画が立案可能となり、放射線治療計画の精度を向上させることができる。
【0011】
患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類が治療の状況に応じて異なることがある。そのため、本発明の治療計画装置は、患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類を指定する撮像装置指定手段と、患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類毎に患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を保存した記憶装置を更に備える。線量合成手段は、撮像装置指定手段によって指定された患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を前記記憶装置から取得し、この線量分布を線量計算手段が計算した放射線の線量分布に足し合わせる。これにより患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類が治療の状況に応じて異なる場合でも、きめ細かい線量の合成が可能となり、放射線治療計画の精度を向上させることができる。
【0012】
放射線治療で多数回照射をする場合は、患者支持装置位置決めに用いる撮像装置が毎回異なることもある。そのため、本発明の治療計画装置は、分割回数の各回毎に患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類を指定する撮像装置指定手段と、患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類毎に患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を保存した記憶装置とを更に備え、線量合成手段は、分割回数設定手段によって分割回数が設定されている場合は、その分割回数の分だけ、撮像装置指定手段によって指定された患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を前記記憶装置から取得し、これらの線量分布を線量計算手段が計算した放射線の線量分布に足し合わせる。これにより放射線治療で多数回照射をする場合で、患者支持装置位置決めに用いる撮像装置が毎回異なる場合でも、きめ細かい線量の合成が可能となり、放射線治療計画の精度を向上させることができる。
【0013】
また、治療計画装置の操作者が効率良く患部に付与される線量分布を把握できるようにするために、本発明の治療計画装置は、線量合成手段によって足し合わせた線量分布を画面上に表示する表示手段を更に備える。この表示手段は患者支持装置位置決め用撮像装置の線量分布を、患部を含む断層画像(X線CT画像)上で線量計算手段が計算した放射線の線量分布に重ねて表示する。また、より詳細な線量付与量の把握を可能とするために、表示手段は、足し合わせた線量分布をドーズ ボリューム ヒストグラム(DVH ( Dose Volume Histogram ) )によっても表示可能とする。これにより、従来よりも精度よく患部への線量付与量を評価することができる。
【0014】
更に、操作者に対し患部に付与される線量情報を的確に把握させるため、本発明の治療計画装置は、線量合成手段によって足し合わせた線量分布が目標値を超えているかどうかを判定し、目標値を超えている場合はその旨を操作者に通知する通知手段を備える。線量合成手段によって足し合わせた線量分布が目標値を超えている旨の通知があった場合は、操作者は、適宜、治療計画の変更を実施する。これにより放射線治療計画の精度をより向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、患者支持装置位置決め用画像撮像装置が患部に付与する線量分布を勘案した放射線治療計画を立案することができるようになり、放射線治療計画の精度を向上させることができる。
【0016】
また、放射線治療で多数回照射をする場合は、患者支持装置位置決め用画像撮像装置が患部に付与する線量分布を照射回数に応じて足し合わせた治療計画が立案可能となり、放射線治療計画の精度を更に向上させることができる。
【0017】
また、治療の状況に応じて位置決め用画像撮像装置を変更することを考慮し、撮像装置指定手段によって指定された位置決め用画像撮像装置の線量分布を足し合わせることにより、きめ細かい線量の合成が可能となり、放射線治療計画の精度を向上させることができる。
【0018】
更に、多数回に渡って放射線治療を実施する場合にも、位置決め撮像装置を変更することを考慮し、照射回数の回次毎に撮像装置指定手段によって指定された位置決め用画像撮像装置の線量分布を足し合わせることにより、きめ細かい線量の合成が可能となり、放射線治療計画の精度を向上させることができる。
【0019】
また、位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を、患部を含む断層画像(X線CT画像)上に線量計算手段が計算した放射線の線量分布に重ね合わせて表示できること、更にはDVH によっても合成された線量分布を表示できることも放射線治療計画の精度向上に寄与する。
【0020】
また、位置決め用画像撮像装置の線量分布を足し合わた線量分布が目標値を超えている場合は、そのことが操作者に通知されるので、操作者は、治療計画の変更を実施することで、放射線治療計画の精度をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例に係わる治療計画装置を含む治療計画システムの全体構成を示す図である。
【図2】治療計画装置のモニタに表示される治療計画演算装置画面を示す図である。
【図3】図2に示す治療計画演算装置画面の一部を示す図である。
【図4】関心領域種類指定ダイアログを示す図である。
【図5】治療計画中の治療計画演算装置画面の一部を示す図である。
【図6】治療計画演算装置が行う照射計画の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】計画作成編集ダイアログを示す図である。
【図8】詳細情報設定ダイアログを示す図である。
【図9】門情報設定ダイアログを示す図である。
【図10】分割数設定ダイアログを示す図である。
【図11】治療用放射線のみを照射計画表示領域に表示した例を示す図である。
【図12】治療計画演算装置画面の一部であって、DVH表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
<システム概略構成>
図1に本発明の一実施例に係わる治療計画装置を含む治療計画システムの全体構成を示す図である。
【0023】
図1において、治療計画システムは、治療計画装置100、位置決めX線データサーバ104、画像データサーバ105及び治療計画データサーバ107から構成され、いずれもネットワーク106に接続されており、ネットワーク106を通してのデータ交換が可能である。また、ネットワーク106には、放射線治療装置、例えば粒子線治療装置の各種制御装置が接続されている。この各種制御装置は、例えば、照射制御装置、加速器制御装置、患者支持装置位置決め制御装置等であり、図1には、患者支持装置位置決め制御装置150のみが点線で示されている。患者支持装置位置決め制御装置150は、患者支持装置位置決め用画像撮像装置により撮影した画像を用いて患者支持装置の駆動機構を制御し、患者支持装置上の患者の患部(照射標的)を照射ヘッド(ノズル)の照射中心であるアイソセンタに一致させるためのものである。図1の例では、患者支持装置位置決め用画像撮像装置としてX線撮像装置151とCT装置152が制御装置150に接続されている。制御装置150及びX線撮像装置151、CT装置等の画像撮像装置は、患者支持装置の駆動機構と共に患者支持装置位置決めシステムを構成する。さらに、ネットワーク106には、照射した線量値や患者情報を管理する治療管理サーバ等も接続されている。
【0024】
本実施例の治療計画システムを構成する治療計画装置101及びサーバ104,105,107について以下説明する。
<画像データサーバの構成>
画像データサーバ105は、通信装置116、記憶装置117、主記憶装置119及び、データ演算処理装置118から構成される。もちろんキーボードやマウス等の入力手段及び、サーバのステータスを表示するためのモニタ等の文字及び画像情報表示手段を備えていても良い。通信装置116はネットワークを通しての他の装置及びデータサーバとのデータ交換等に使用する。また、記憶装置117はたとえば磁気記憶装置であり一般に大容量の記憶装置である。長期的なデータおよびプログラムの保存に用いる。主記憶装置119は、たとえばランダムアクセスメモリであり、高速なアクセスが可能であるため、主に一時的なデータの保持及び、実行中プログラムの保持に使用する。データ演算処理装置118は、画像データサーバの記憶装置117や主記憶装置119に保管されているプログラムを実行し、数値的演算やデータ処理、通信等のプログラムに記述されている手続を実行する装置である。本画像データサーバには、図1に図示されていないX線CT画像装置や磁気共鳴撮像装置(MRI)等にて撮影された患者の画像データが格納されている。これらの画像データは、一般的にはDICOM(ダイコム)形式(フォーマット)と呼ばれている画像フォーマットで格納され、また他のサーバ間との通信にもダイコム規格で決められている通信プロトコルが用いられる。ダイコム規格は、放射線医療システムにおいて標準的に用いられる規格である。もちろん、他の通信規格や画像フォーマットを用いても良い。
<位置決めX線データサーバの構成>
位置決めX線データサーバ107も通信装置120、記憶装置123、主記憶装置122及び、データ演算処理装置121から構成される。画像データサーバ105と同様にもちろん入力手段やモニタを備えていても良い。通信装置120はネットワーク106を通しての他の装置及びデータサーバとのデータ交換等に使用する。また、記憶装置123はたとえば磁気記憶装置であり一般に大容量の記憶装置である。長期的なデータおよびプログラムの保存に用いる。主記憶装置122は、たとえばランダムアクセスメモリであり、高速なアクセスが可能であるため、主に一時的なデータの保持及び、実行中プログラムの保持に使用する。データ演算処理装置121は、位置決めX線データサーバ107の記憶装置123や主記憶装置122に保管されているプログラムを実行し、数値的演算やデータ処理、通信等のプログラムに記述されている手続を実行する装置である。
【0025】
位置決めX線データサーバ107には、患者支持装置位置決めに用いるX線透視画像撮影装置やX線CT装置等の患者支持装置位置決め用放射線画像撮影装置が患部に付与する線量の測定データが格納されている。
<治療計画装置の構成>
治療計画装置100は、X線CT画像やMR画像及び線量分布を表示するモニタ102、キーボードやマウス等の入力手段103、治療計画演算装置101から構成される。治療計画演算装置101は、治療計画を立案するための画像データ及び線量分布データの蓄積、線量計算演算の実施を司る部分であり、通信装置108、記憶装置110、主記憶装置111、治療計画演算処理装置109から構成される。通信装置108はネットワーク106を通しての他の装置及びデータサーバとのデータ交換等に使用する。また、記憶装置110はたとえば磁気記憶装置であり一般に大容量の記憶装置である。長期的なデータおよびプログラムの保存に用いる。主記憶装置111は、たとえばランダムアクセスメモリであり、高速なアクセスが可能であるため、主に一時的なデータの保持及び、実行中プログラムの保持に使用する。治療計画演算処理装置109は、治療計画演算装置101の記憶装置110や主記憶装置111に保管されているプログラムを実行し、数値的演算やデータ処理、通信等のプログラムに記述されている手続を実行する装置である。
【0026】
治療計画装置100は、医師等の治療計画装置操作者(以下、操作者と略す)の指示に基づき、主記憶装置111に記憶装置110からロードされたプログラムモジュールを治療計画演算処理装置109が実行することにより、事前に取得済みの治療計画用CT画像データを用いて照射標的への線量分布を計算し、モニタ102上にその結果である線量分布を表示する装置である。
<治療計画データサーバの構成>
治療計画データサーバ107は、通信装置120、記憶装置123、主記憶装置122、データ演算処理装置121から構成される。もちろんキーボードやマウス等の入力手段及び、サーバのステータスを表示するためのモニタ等の文字及び画像情報表示手段を備えていても良い。通信装置120はネットワーク106を通しての他の装置及びデータサーバとのデータ交換等に使用する。また、記憶装置123はたとえば磁気記憶装置であり一般に大容量の記憶装置である。長期的なデータおよびプログラムの保存に用いる。主記憶装置122は、たとえばランダムアクセスメモリであり、高速なアクセスが可能であるため、主に一時的なデータの保持及び、実行中プログラムの保持に使用する。データ演算処理装置121は、治療計画データサーバ107の記憶装置123や主記憶装置122に保管されているプログラムを実行し、数値的演算やデータ処理、通信等のプログラムに記述されている手続を実行する装置である。
【0027】
治療計画データサーバ107は、治療計画装置100で生成された治療計画データを保管するサーバである。また、治療計画装置100の問い合わせに応じ、指定された治療計画データを記憶装置123内からデータ演算処理装置121を用いて検索し、通信装置120を通して治療計画演算装置101に送信する。
<治療計画装置の機能概要>
治療計画装置100が持つ機能について簡単に説明する。詳細は、その後の段落にて各々説明する。治療計画装置100の機能は大きく4つに分類できる。
【0028】
第1には、操作者が腫瘍領域(患部)を指定するための領域指定機能であり、多くはモニタ102上に映し出されているCT画像上に入力手段を用いて輪郭線を入力する機能を提供する(腫瘍領域指定機能)。また、この機能は腫瘍領域の入力だけではなく腫瘍の周辺に存在する臓器等を指定するためにも使用される。
【0029】
第2には、放射線が指定された腫瘍領域を覆うように放射線の腫瘍領域での線量の分布を計算する機能である(線量計算機能)。この機能には、腫瘍領域に照射する予定の目標線量を設定する機能が付随している。
【0030】
第3の機能として、治療計画装置は、照射回数を何回に分割するかを指定する機能を操作者に提供する(照射分割機能)。
【0031】
第4の機能として、治療計画装置は、患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類を指定し、この指定された患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を第2の機能で計算した放射線の線量分布に足し合わせ、画面上に表示する機能を操作者に提供する(線量合成・表示機能)。
<腫瘍領域指定機能>
[CT画像の読込み]
治療計画装置100は、操作者の指示により画像データサーバ105からCT画像を治療計画演算装置101の通信装置108を通し、主記憶装置111及び記憶装置110に保存する。これらの処理は、治療計画演算処理装置109の指令のもとに実施される。なお操作者による治療計画演算処理装置109への指令は、入力手段を通して伝達される。また、CT画像とともに例えばMR画像や核医学画像を参照画像として同時に読み込んでもよいし、必要になった時点で操作者の指示に基づき画像データサーバ105より読み込んでも良い。これらの画像は、予めそれぞれCT装置、MR装置、核医学装置により撮像された後、画像データサーバ105に格納されているものである。
【0032】
[CT画像の表示]
治療計画装置100に読み込まれたCT画像は、治療計画演算処理装置109にロードされているプログラムモジュールにより記憶装置110に保管され主記憶装置111にコピーされる。主記憶装置111に保管されたCT画像は、プログラムモジュールの指示によりモニタ上に表示される。ここで、モニタへの表示対象としているCT画像について説明する。CT画像は撮像対象内部の電子密度を可視化したものであり、一般的には水をゼロ、骨をおおよそ1000の値としたCT値と呼ばれる数値で構成され、撮影対象の断面が一つのファイルとなっており、断面内は2次元の配列のようになっており配列一つ一つにCT値が与えられている。CT画像ファイル、CT画像スライスまたはCT画像データと呼ぶことがある。
【0033】
一般には、撮像対象の断面に垂直な方向にもある程度の範囲に渡って撮影するため、これらのCT画像ファイルは数十枚程度存在する。画像データサーバ105から読み込まれたこれらの複数枚のCT画像ファイルは、治療計画演算処理装置109によって主記憶装置111にコピーされる際にボクセルデータと呼ばれるデータ表現に変換される。ボクセルデータは、1枚1枚のファイルであったCT画像ファイルからCT値のみを取り出し断面に垂直な方向に積み上げたデータ表現形式である。1枚のCT画像ファイルでは2次元配列だったものが3次元配列となる。モニタ上に表示されるCT画像は、ボクセル形式のデータの一つの断面を表しており、スライス断面と呼ぶことにする。
【0034】
[CT画像を表示し領域入力するためのGUI]
図2に治療計画装置100のモニタ102に表示され、CT画像が表示される治療計画演算装置画面を示す。図2には、モニタ102の外枠と共にモニタ内に表示される部分のみを示す。主記憶装置111にロードされ、治療計画演算処理装置109により実行されるプログラムモジュールはモニタ内に操作者からの指示を受け取るためのグラフィカル ユーザー インターフェース(GUI)を表示する。GUIは、ウィンドウ201を備え、ウィンドウ201内に画像の表示をする部分やボタンやメニュー等の操作者の指示を受けるコマンド部分等の各種領域を持ち、具体的には、タイトルバー202、メニュー領域203、治療計画構造表示領域204、画像表示領域205、治療計画操作領域206を有している。
【0035】
タイトルバー202は、プログラム(ソフトウェア)の名称やバージョンの表示やウィンドウの移動や最大化の機能を持つ。メニュー領域203には操作者がプログラムモジュールに対し与えることのできる指示(命令)が用意されている。例えば、最左列のファイルメニュー208には、画像データサーバ105や治療計画データサーバ107への接続命令を表すオープン(Open)メニューアイテムや治療計画データの保存、プログラムの終了を意味するメニューアイテムがある。編集メニュー209には、操作者が入力したデータのコピーや切り取り、貼り付け等の編集を表すメニューアイテムやプログラムの設定項目を設定するためのメニューアイテムが用意されている。領域入力メニュー210には、操作者が領域を指定するために必要な命令が提供されている。例えば、ポリゴン入力やフリーハンド入力等である。ヘルプメニュー211には、プログラムモジュールの使用方法の説明を表示するためのヘルプメニューアイテム、プログラムモジュールのバージョンを表示するためのバージョンメニューアイテムが用意されている。
【0036】
[治療計画構造表示領域]
さらにメニュー領域203の下には、治療計画構造表示領域204、画像表示領域205、治療計画操作領域206がある。これらの領域のみを図2より抜き出し図3に示す。治療計画構造表示領域204は、操作者により入力された腫瘍領域や操作者により計算指示され治療計画演算処理装置109にて演算された体内の線量分布をそれぞれツリー形式等で表示する領域である。腫瘍領域を表示する部分は、関心領域ノード300以下にまとめて表示される。関心領域とは、腫瘍領域(ターゲットととも呼ぶ)や腫瘍領域周辺の臓器等の領域であるOAR (Organ At Risk)を含む言葉であり、図3における関心領域ノードでは、Target1、OAR1、OAR2が操作者により入力された状態を示している。線量分布ノード302については、後述する。関心領域ノードの下層に表示されるTarget1等を関心領域リーフと呼ぶ。関心領域リーフ301を入力手段、例えばマウスのクリックにより選択することにより関心領域リーフ302の名称の変更やCT画像上での該当する関心領域の輪郭を他の関心領域よりも太く表示する等の機能を提供する。入力手段103により関心領域リーフ302を選択することを関心領域の選択と呼び、その後の関心領域の編集等の作業結果は、選択した関心領域が対象となる。
【0037】
[画像表示領域]
画像表示領域205には、体軸方向のスライス断面が表示されている。後述する治療計画操作領域のGUI部品を操作することにより表示断面を変更することができる。スライス断面は照射対象の輪郭および内部構造を反映しており、モニタ上にも表示されている。図3においては、照射対象の中にターゲット(Target1)、OAR1、OAR2が表示されている。今、治療計画構造表示領域204においてTarget1が選択されているとすると、図3に示すようにTarget1が他の関心領域に比べ太線で表示される。
【0038】
[治療計画操作領域]
治療計画操作領域206は、腫瘍領域指定機能を含め治療計画装置100が持つ上記4つの機能を実行するために操作者により操作される領域であり、画像操作303、領域入力304、フュージョン305、照射計画設定306、分割設定307、線量表示308の各種領域を有している。また、画像操作303は、拡大ボタン1A、縮小ボタン1B、移動ボタン1C、スライス移動ボタン1D、3Dボタン1E、複数枚ボタン1Fの各種ボタンを有している。領域入力304は、多角形入力ボタン2A、削除ボタン2B、コピーボタン2C、貼り付けボタン2D、点追加ボタン2E、点削除ボタン2F、種別指定ボタン2Gの各種ボタンを有している。フュージョン305は、フュージョンボタン3A、Overlap表示ボタン3Bの各種ボタンを有している。照射計画設定306は、計画作成編集ボタン4A、門情報設定ボタン4B、計算開始ボタン4Cの各種ボタンを有している。分割設定307は分割設定ボタン5Aを有している。線量表示308は、表示ON/OFFボタン6A、DVH表示ボタン6B、位置決め線量ON/OFFボタン6Cの各種ボタンを有している。
[腫瘍領域指定操作]
新しく関心領域を入力する場合を想定し、治療計画操作領域206のGUI部品を用いつつ領域入力を実施する手順について説明する。
【0039】
治療計画操作領域206では、領域入力のために使用するいくつかの機能が提供されている。まず操作者は、入力手段を用いて多角形入力ボタン2Aを押下することにより治療計画演算処理装置109に対し、関心領域の入力を開始することを伝達する。治療計画演算処理装置109は、この指令を受けプログラムモジュールの関心領域サブモジュールの実行を開始する。操作者は、画像表示領域上に入力手段を用いて矢印型等で表現されているポインタを移動し、例えばマウスクリック等の確定操作を繰り返しながら多角形の図形を入力し、例えばダブルクリックによる多角形入力操作の終了操作を実施し、関心領域入力を終了させる。すると画像表示領域上205には、閉じた多角形が表示される。この段階では、入力した関心領域が腫瘍領域であるのか、またOARであるのかは決定されていない。
【0040】
操作者は、次に一般的な操作としては入力した関心領域の種類を指定する。種類の指定は、関心領域種別指定ボタン2Gを押下することでなされる。操作者が関心領域種別指定ボタン2Gを押下すると、治療計画演算処理装置109のプログラムモジュールは関心領域種類指定サブモジュールを実行する。サブモジュールが実行されると、図4に示すようにモニタ上に関心領域種類指定ダイアログが表示される。操作者はまず、関心領域種類指定リストボックス401から関心領域の種類を選択する。本実施例では、腫瘍領域及び、OARが選択可能である。関心領域の種類が操作者により選択されると詳細指定リストボックス402が必要に応じ選択可能となる。詳細指定リストボックス402は、ダイアログが表示された時点では、操作不可(不活性)であるが、関心領域指定リストボックス401において腫瘍領域が指定された場合、詳細指定リストボックスが操作可能となる。詳細指定リストボックス402では、例えば本実施例では、CTV (Clinical Tumor Volume) 、PTV (Planning Target Volume)が指定可能である。CTV、PTVは腫瘍領域の定義を意味し、ICRU Report 62にて定義されている。詳細指定が終了すると操作者は、関心領域の名称を設定する。設定した名称は、治療計画構造表示領域204の関心領域ノード300に表示される。
【0041】
関心領域の入力途中、または関心領域の設定後に関心領域を編集する機能を治療計画演算装置は操作者に提供する。例えば、操作者が入力した関心領域を消去したい場合は、消去対象の関心領域を選択した後、削除ボタン2Bを押下する。関心領域の選択は、治療計画構造表示領域204の関心領域リーフ301を入力手段を用いて選択するか、画像表示領域上の関心領域を入力手段を用いて選択する。
【0042】
同様に、関心領域をコピー及び、貼り付けする場合は、対象となる関心領域を選択の後、コピーボタン2C、貼り付けボタン2Dを押下する。また、関心領域は、多角形であり、複数の頂点と頂点間を結ぶ直線により構成されている。操作者が頂点を追加または削除したい場合は、対象の関心領域を前述の方法により選択の後、点追加ボタン2Eを押下し、画像表示領域205上の頂点を追加したい個所にて入力手段を用いて指定をする。また、頂点を削除する場合は同様に点削除ボタン2Fを押下する。
【0043】
1つのスライス断面での関心領域の入力が終了すると、スライス移動スライダまたはスライス移動ボタン1D(後述)を用いて現在表示されているスライス断面を別のスライス断面に変更し、上記と同様に関心領域を入力する。この操作を全てのスライス断面について実行する。
【0044】
[画像表示操作]
操作者は、画像表示領域205に表示されているCT画像のスライス断面上に治療計画操作領域206や治療計画構造表示領域204を操作しながら関心領域を入力するが、その前に関心領域を入力するスライス断面を選択したり、入力しやすいようにスライス断面を拡大したりする。このような操作は、治療計画操作領域206の画像操作303のボタンを操作者が操作しその指令が治療計画演算処理装置109に伝えられ、プログラムモジュールがサブモジュールを実行することで実現される。
【0045】
例えば、画像の拡大は、治療計画操作領域206の拡大ボタン1Aを押下することでなされる。縮小は、同様に縮小ボタン1Bを押下する。また画像を移動させるには、移動ボタン1Cを押下後、入力手段のモニタ上の位置を表現しているポインタを画像表示領域に移動させ例えばマウスの場合には、マウスボタンを押下しそのまま画像を移動させたい方向にポインタを移動させる。再び移動ボタン1Cを押下すると、画像移動機能が解除される。現在表示されているスライス断面を別のスライス断面に変更するには、スライス移動スライダまたは、スライス移動ボタン1Dを用いる。スライダを左右に移動させるか、スライス移動ボタン1Dを押下することでモニタ上に表示するスライス断面を変更する。
【0046】
また、入力した関心領域の3次元的な位置関係を把握したい場合がある。そのために、治療計画演算装置101は画像表示領域205のCT画像表示方法を断面表示から3次元表示に切り替える機能を操作者に提供する。表示方法の切り替えは、治療計画操作領域206の3Dボタン1Eを押下する。そうすると、例えばボリュームレンダリングによりCT画像及び、関心領域を表示する。さらに、スライス断面の前後のつながりをより良く把握するために、複数枚のCT画像断面を並べて表示したいことがある。そのために、複数枚表示にも画像表示を切り替えることが可能である。表示の切り替えは、複数枚ボタン1Fを押下することでなされる。
[MR画像、核医学画像の参照とレジストレーション]
治療計画演算装置101は、MR画像や核医学画像の表示機能も提供する。操作者は、これらの画像を参照しながらCT画像上に関心領域を設定することがある。しかしながら、CT画像と操作者が参照するMR画像等は異なる撮像装置にて撮影されており単純に重ね合わせただけでは二種類の画像間にずれが生じる。そのため、治療計画演算装置101は、2種類の画像の同一箇所が同じ座標系になるようにレジストレーションと呼ばれる機能を提供する。レジストレーションはフュージョンとも呼ばれる。操作者は、フュージョン機能を使用するために治療計画操作領域206のフュージョンボタン3Aを押下する。フュージョン機能を使用する指令が入力手段を通して治療計画演算処理装置109に伝達されると、プログラムモジュールはフュージョン機能を提供するサブモジュールを起動し、図示しないがその後モニタにフュージョンウインドウが表示される。
【0047】
操作者は、フュージョンウインドウを使用しCT画像とたとえばMR画像とをレジストレーションする。フュージョンウインドウは、レジストレーションをプログラムにより実行する機能、CT画像とMR画像との位置を微調整するために操作者がMR画像を平行移動させたり回転させたりするための微調整機能を提供する。また、CT画像とMR画像の両方の画像の表示機能を提供する。
【0048】
フュージョンウインドウではまず、操作者はレジストレーション開始ボタンを押下し、プログラムモジュールを用いたレジストレーション演算を実施する。レジストレーション演算に用いるアルゴリズムは例えば、非特許文献4に記載のあるような相互情報量を用いる手法である。相互情報量は、画像の類似度の一つであり、CT画像とMR画像とを平行移動及び、回転させる度に相互情報量を計算し、相互情報量が最大になった時を最も画像が一致しているとみなす。アルゴリズムによるレジストレーションが終了すると操作者は、さらに平行移動等の微調整が必要であるかを検討し、必要であれば微調整ボタンを使用しレジストレーションを実施する。これらの過程において、フュージョンウインドウにはCT画像とMR画像とが表示されている。レジストレーションが完了すると、操作者はフュージョンウインドウに用意されているOKボタンを押下する。すると、図3の画像表示領域205に例えば、CT画像とともにMR画像が重なって表示される。MR画像の表示は治療計画操作領域206におけるOverlap表示ボタン3BをON/OFFすることで切り替えることができる。
【0049】
治療計画操作領域206の領域入力304、画面操作303及びフュージョン305における各種ボタンと治療計画演算処理装置109における対応する処理機能は、患部を含むCT画像(断層画像)を表示し、CT画像(断層画像)に関心領域を設定する関心領域設定手段を構成する。
<照射計画(線量計算機能)>
図5に照射計画中の治療計画演算装置画面を示す。照射計画はターゲットに向けて照射する放射線の方向や門数を設定し、ターゲットやOARに付与される放射線量を計算するものである。また、図6に照射計画の処理手順のフローチャートフローを示す。操作者は、まず計画作成編集ボタン4Aを押下し、図7に示す計画作成編集ダイアログを表示し計画データを設定する(ステップ1201)。
【0050】
計画作成編集ダイアログには、作成済み計画の名称を一覧表示する計画名表示領域601、計画名表示領域601上で入力手段により選択された計画名を変更または、新規計画名を入力するための計画名入力領域602がある。さらに、計画名入力領域602の入力内容を確定させるためのボタン類を備える。新規ボタン603を押下すると、計画名入力領域602に入力された名称が計画名表示領域601に表示される。変更ボタン604を押下すると、計画名表示領域601で操作者により入力手段を用いて選択された計画名称が、計画名入力領域602の内容に置き換えられダイアログが閉じられる。Cancelボタン605を押下すると、ダイアログが閉じられる。また、ダイアログ表示中に詳細ボタン606を押下すると図8に示す詳細情報設定ダイアログが表示されより詳細な計画情報を設定できる。詳細情報設定ダイアログでは、ターゲットやOARに対し照射する予定の目標線量を設定できる。操作者がOKボタン1001を押下すると図8のダイアログは閉じられ、設定した情報は治療計画演算装置101の主記憶装置111または記憶装置110に保存される。操作者がCancelボタン1002を押下した場合は設定した情報は主記憶装置111や記憶装置110に保存されず、図8のダイアログは閉じられる。
【0051】
計画作成編集ダイアログにて設定された計画名称は、図5の治療計画構造表示領域204に計画ノード501として表示される。計画ノード501は、照射計画の管理単位であり、複数作成することができる。個々の計画ノードに対し、照射方向等の設定をした門を複数作成できる。操作者は、計画ノードを作成すると、治療計画演算装置101に対し門の作成を指示する(ステップ1202)。指示は、門情報設定ボタン4Bを押下することでなされる。図9に門情報設定ダイアログを示す。
【0052】
操作者が図5の治療計画構造表示領域204の計画ノードを選択した後に門情報設定ボタン4Bを押下すると、図9に示す門情報設定ダイアログ中の計画選択領域702が選択された状態で表示される。次に操作者は、情報を設定する門を選択する。選択した計画に門が作成されていれば、その門名称の一覧が門選択領域703に表示される。新たに門を追加したい場合は、門名称入力領域704に名称を入力し、門追加ボタン705を押下する。すると、門選択領域703に名称が反映される。操作者が門選択領域703から門名称を選択すると、ダイアログ右側の照射パラメータ設定領域701に各種パラメータの設定情報が表示される。照射パラメータ設定領域701に情報が設定されていない場合、または設定されている情報を変更したい場合は数値を入力することで設定できる。操作者が、門情報OKボタン706を押下すると、門情報設定ダイアログは閉じられ、設定した照射パラメータが主記憶111に記憶される。操作者が門情報Cancelボタン707を押下すると今までの設定情報は主記憶から破棄され、門情報設定ダイアログを表示する以前の状態に戻る。
【0053】
図5に示す画面に戻ると操作者は、線量分布を計算するために計算開始ボタン4Cを押下する(ステップ1203)。計算開始ボタンが押下されると、治療計画演算処理装置109は、主記憶装置111にロードされている線量計算モジュールを用いて照射標的に対する線量分布を計算する。この際、計画ノード内に複数の門が設定されていれば、門毎に線量を計算し、門ごとの線量を足し合わせた合成線量も計算する(ステップ1204)。
【0054】
治療計画操作領域206の照射計画設定306における各種ボタン4A〜4Cと治療計画演算処理装置109における図6に示すステップ1201〜1204の処理機能は、関心領域に照射パラメータを設定し、関心領域に照射される放射線の照射線量を計算する線量計算手段を構成する。
<分割設定(照射分割機能)>
照射計画が終了すると操作者は、分割回数を設定するために図5の分割設定ボタン5Aを押下し、図10に示す分割設定ダイアログを表示する(ステップ1205)。分割回数とは、照射計画で立案した計画を何回に分けて照射するかを表す回数であり1回以上に分割できる。一般に十数回から数十回に分割される。操作者は、図10のダイアログを使用しまず分割回数指定領域801に総分割回数を入力する。総分割回数が入力されると治療計画演算処理装置109は、図10の分割設定ダイアログの位置決め方式指定領域802に回数に応じ行を追加する。追加された行には、放射線治療において使用可能なベッド位置決め方式がプルダウンで表示されており、操作者は、位置決め方式指定領域802を用いて各回次に使用するベッド位置決め方式を選択することができる(ステップ1206)。例えば、図10ではベッド位置決め方式としてCT装置を用いた方式、超音波撮像装置を用いた方式、X線透視画像を用いた方式が選択されている例を示している。
【0055】
ここで、既定として用いる位置決め方式がある場合、事前に設定することで治療計画演算処理装置109はプルダウンの最初にそれを表示する。また、選択できる位置決め方式も事前設定ができる。これらの設定は、設定ファイルとして記憶装置110に格納されており、治療計画演算処理装置109は記憶装置110から設定ファイルに記載のリストを読み込み、主記憶装置111に保持し、演算処理に利用する。
【0056】
操作者が、分割数OKボタン803を押下すると分割設定ダイアログは閉じられ、設定結果が主記憶装置111に保持される。操作者が、分割数Cancelボタン804を押下すると設定結果は主記憶111に保持されず、分割設定ダイアログが閉じられる。
【0057】
治療計画操作領域206の分割設定307におけるボタン5Aと治療計画演算処理装置109における図6に示すステップS1205の処理機能は、関心領域の照射計画の分割回数を設定する分割回数設定手段を構成し、同分割設定ボタン5Aと治療計画演算処理装置109における図6に示すステップS1206の処理機能は、患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類を指定する撮像装置指定手段、或いは分割回数の各回毎に患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類を指定する撮像装置指定手段を構成する。
<線量表示(線量合成・表示機能)>
分割数と位置決め方式の設定の後に操作者が図5に示した治療計画操作領域206にて表示ON/OFFボタン6Aを押下てONにすると、治療計画演算処理装置109は照射計画表示領域505の照射対象輪郭(CT画像)309、ターゲット、OARの上にステップ1204で線量計算した線量分布を表示する(ステップ1207)。また、治療計画演算処理装置109は、分割設定で操作者が設定した位置決め方式に放射線を使用するものがあるかどうかを判定し(ステップ1208)、放射線を使用するものがあれば、線量計算した線量分布と位置決め方式(装置)の線量分布を足し合わせる(ステップ1209)。放射線を使用する位置決め装置が複数回用いられる場合は、各々の線量分布を足し合わせた上で、その線量分布を更にステップ1204で計算した線量分布に足し合わせる。そして、治療計画演算処理装置109は、照射計画表示領域505の照射対象輪郭(CT画像)309、ターゲット、OARの上に表示されている線量計算した線量分布に位置決め方式(装置)の線量分布を重ねて表示する(ステップ1210)。このときも、放射線を使用する位置決め装置が複数回用いられる場合は、各々の線量分布を足し合わせた上で、その線量分布を照射計画表示領域505に重ねて表示する。
【0058】
すなわち、治療計画操作領域206の線量表示308における表示ON/OFFボタン6Aと治療計画演算処理装置109における図6に示すステップS1207〜1209の処理機能は、前記線量計算手段が計算した放射線の線量分布と患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布とを足し合わせる線量合成手段を構成し、同表示ON/OFFボタン6Aと治療計画演算処理装置109における図6に示すステップS1210の処理機能は、前記線量合成手段によって足し合わせた線量分布を画面上に表示する表示手段を構成する。
【0059】
位置決め装置の線量分布はあらかじめ測定されており、線量のデータは位置決め装置の種類毎に位置決めX線データサーバ104の記憶装置114に格納されている。治療計画装置100は、主記憶装置111にロードされた治療計画プログラムにより、プログラムの起動時に通信装置108を通して位置決めX線の線量データを位置決めX線データサーバ104からダウンロードし、主記憶装置111に保存する。ステップS1209では、主記憶装置111に保存した線量データの中から分割設定で操作者が設定した位置決め方式に該当するものを検索し、その検索で取得した位置決め方式(装置)の線量分布をステップS1204で計算した線量分布に足し合わせる。なお、線量データは、あらかじめ用意する以外に治療計画演算装置101の治療計画演算処理装置109を用いて線量分布を計算し生成しても良い。この場合、主記憶装置111にロードされる治療計画プログラムに演算機能がある。
【0060】
図11に治療用放射線のみを照射計画表示領域505に表示した例を示す。図11では、線量分布は線量の大きさにしたがい等高線で表示されている。等高線表示以外でも例えば、線量値の高いほうを赤、低いほうを青としたグラデーションを用いて線量分布を表示することもできる。
【0061】
また、治療計画演算処理装置109は、ターゲットやOARに付与される線量が図8の詳細情報設定ダイアログで設定した目標値を超えているかどうかを判定し(ステップ1211)、超えている場合、治療計画演算装置101は図11に示す照射計画表示領域505や図12のDVH表示領域901(後述)に目標値を超えていることを表示し、操作者に通知する(ステップ1212)。表示の手段としては、例えば目標値を超えているOARやターゲットの輪郭やDVH上の線の色や太さを変更したり、照射計画表示領域505及びDVH表示領域901上の左上等にテキスト情報を表示したりする。
【0062】
治療計画操作領域206の線量表示308における表示ON/OFFボタン6Aと治療計画演算処理装置109における図6に示すステップS1211,1212の処理機能は、前記線量合成手段によって足し合わせた線量分布が目標値を超えているかどうかを判定し、目標値を超えている場合はその旨を操作者に通知する通知手段を構成する。
【0063】
目標値が操作者により設定されていない場合は、これらの通知手段は動作しない。
【0064】
操作者はより詳細に線量分布を評価するために図5のDVH表示ボタン6Bを押下しDVHを表示することができる(ステップ1207、1210)。DVHとは、Dose Volume Histogramの略であり、ある領域のある線量以上の体積が例えば、何立方センチメートルであるかを示すグラフである。縦軸は該当領域の体積、横軸は線量であることが一般的である。図12にDVH表示画面の例を示す。図5に示す照射計画表示領域の部分がDVH表示領域901に切り替わる。DVH表示を用いることで、操作者はCT画像上にスーパーインポーズされた線量分布を観察する場合よりも的確にターゲットやOARの線量を把握することが可能となる。DVHデータの作成は治療計画演算装置101の治療計画演算処理装置109内の治療計画演算処理装置109にてなされる。
【0065】
DVHの表示においても、線量分布表示と同様に、分割設定で操作者が設定した位置決め方式に放射線を使用するものがあれば、ステップ1204で線量計算した線量分布と位置決め方式(装置)の線量分布を足し合わせたもののDVHを表示する(ステップ1208〜1210)。さらに目標線量値を超えていれば、操作者に通知する(ステップ1211,1212)。
【0066】
また、操作者は位置決め線量ON/OFFボタン6Cを押下することで、照射計画表示領域505に表示している位置決め線量分布やDVH表示領域901に表示している位置決め線量分布のDVH曲線を切り替えることができる。すなわち、放射線照射装置より患部に照射される放射線の線量分布のみを表示することが可能となる。
<効果>
本実施例の放射線治療計画装置及びシステムは、従来の放射線治療計画システムでは放射線治療装置より照射される放射線の分布を把握するのみだったことと比較し、ベッド位置決め時の放射線分布を勘案できるようにするために、線量計算手段(ボタン4A〜4C、図6のステップ1201〜1204)が計算した患部及び周辺臓器へ付与される放射線の線量分布と患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布とを足し合わせる線量合成手段(ボタン6A、図6のステップS1207〜1209)と、線量合成手段によって足し合わせた線量分布を画面上に重ね合わせ或いはDVHにて表示する表示手段(ボタン6A、図6のステップS1210)と、線量合成手段によって足し合わせた線量分布が目標値を超えているかどうかを判定し、目標値を超えている場合はその旨を操作者に通知する通知手段(図6のステップS1211,1212)を備えている。
【0067】
これにより、操作者に対し患部及び周辺臓器に照射される線量情報を従来と比べより総合的に提供することができ、より精度の高い放射線治療計画の立案が可能となる。
【0068】
例えば、治療計画装置操作者は線量計算及び分割回数の設定後、図11または図12に表示される患部及び周辺臓器に照射された線量情報に基づきOAR1やOAR2に予め決められた値以上の放射線量が照射されている場合には、図10の分割数設定ダイアログを再度表示しある特定の分割回次の位置決め方式を例えばCT装置からDR装置に変更するといった治療計画の変更を実施し再び線量計算を実施することでOAR1やOAR2に照射される線量を予め決められた値以上の値以下にすることができる(ステップ1211)。ここで、予め決められた値とは治療計画を立案する部門等で決めている値を指す。また、線量値の変更は放射線治療装置より照射される放射線の照射パラメータ(照射角度やエネルギー等)を図9の門情報設定ダイアログで変更することや門数を増減させることでも実現できる。
【0069】
また、一般に放射線治療は1回で終了するわけではなく、数十回に分けて実施されることが多い。そのため、例えば1週間の最初の日はCT装置で位置決めをし、残りの日はX線透視画像装置を用いて位置決めをするという運用も考えられる。本実施例では、そのような場合にも的確に線量情報を操作者に提供するために、分割回数の各回毎患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類を指定する撮像装置指定手段(ボタン5A、図6のステップS1206)と、患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類毎に患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を保存した記憶装置(主記憶装置111)を更に備えている。
【0070】
これによりきめ細かい線量の合成が可能となり、操作者は実情にあった線量情報を的確に把握することが可能となる。
【符号の説明】
【0071】
100 治療計画装置
101 治療計画演算装置
102 モニタ
103 入力手段
104 位置決めX線データサーバ
105 画像データサーバ
106 ネットワーク
107 治療計画データサーバ
108 治療計画演算装置の通信装置
109 治療計画演算装置の演算処理装置
110 治療計画演算装置の記憶装置
111 治療計画演算装置の主記憶装置
112 位置決めX線データサーバの通信装置
113 位置決めX線データサーバのデータ演算処理装置
114 位置決めX線データサーバの記憶装置
115 位置決めX線データサーバの主記憶装置
116 画像データサーバの通信装置
117 画像データサーバの記憶装置
118 画像データサーバのデータ演算処理装置
119 画像データサーバの主記憶装置
120 治療計画データサーバの通信装置
121 治療計画データサーバのデータ演算処理装置
122 治療計画データサーバの主記憶装置
123 治療計画データサーバの記憶装置
150 患者支持装置位置決め制御装置
151 X線撮像装置151
152 CT装置
201 ウィンドウ
202 タイトルバー
203 メニュー領域
204 治療計画構造表示領域
205 画像表示領域
206 治療計画操作領域
208 ファイルメニュー
209 編集メニュー
210 領域入力
211 ヘルプ
300 関心領域ノード
301 関心領域リーフ
302 線量分布ノード
303 画像操作
1A 拡大ボタン
1B 縮小ボタン
1C 移動ボタン
1D スライス移動ボタン
1E 3Dボタン
1F 複数枚ボタン
304 領域入力
2A 多角形入力ボタン
2B 削除ボタン
2C コピーボタン
2D 貼り付けボタン
2E 点追加ボタン
2F 点削除ボタン
2G 種別指定ボタン
305 フュージョン
3A フュージョンボタン
3B Overlap表示ボタン
306 照射計画設定
4A 計画作成編集ボタン
4B 門情報設定ボタン
4C 計算開始ボタン
307 分割設定
5A 分割設定ボタン
308 線量表示
6A 表示ON/OFFボタン
6B DVH表示ボタン
6C 位置決め線量ON/OFFボタン
309 照射対象輪郭
310 Target1
311 OAR1
312 OAR2
401 関心領域種類指定リストボックス
402 詳細指定リストボックス
403 関心領域指定リストボックス
404 OKボタン
405 Cancelボタン
501 計画ノード
505 照射計画表示領域
601 計画名表示領域
602 計画入力領域
603 新規ボタン
604 変更ボタン
605 Cancelボタン
701 照射パラメータ設定領域
702 計画選択領域
703 門選択領域
704 門名称入力領域
705 門追加ボタン
706 門情報OKボタン
707 門情報Cancelボタン
801 分割回数指定領域
802 位置決め方式指定領域
803 分割数OKボタン
804 分割数Cancelボタン
901 DVH表示領域
1001 関心領域名称領域
1002 目標線量値設定領域
1003 OKボタン
1004 Cancelボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の患部に放射線を照射して治療を行う放射線治療装置用の治療計画装置において、
患部を含む断層画像を表示し、前記断層画像に関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記関心領域に照射パラメータを設定し、前記関心領域に照射される放射線の照射線量を計算する線量計算手段と、
前記線量計算手段が計算した放射線の線量分布と患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布とを足し合わせる線量合成手段とを備えることを特徴とする放射線治療計画装置。
【請求項2】
請求項1記載の放射線治療計画装置において、
前記関心領域の照射計画の分割回数を設定する分割回数設定手段を更に備え、
前記線量合成手段は、前記分割回数設定手段によって分割回数が設定されている場合は、前記分割回数の分だけ、前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を前記線量計算手段が計算した放射線の線量分布に足し合わせることを特徴とする放射線治療計画装置。
【請求項3】
請求項1記載の放射線治療計画装置において、
前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類を指定する撮像装置指定手段と、
前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類毎に前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を保存した記憶装置とを更に備え、
前記線量合成手段は、前記撮像装置指定手段によって指定された患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を前記記憶装置から取得し、この線量分布を前記線量計算手段が計算した放射線の線量分布に足し合わせることを特徴とする放射線治療計画装置。
【請求項4】
請求項1記載の放射線治療計画装置において、
前記関心領域の照射計画の分割回数を設定する分割回数設定手段と、
前記分割回数の各回毎に前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類を指定する撮像装置指定手段と、
前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類毎に前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を保存した記憶装置とを更に備え、
前記線量合成手段は、前記分割回数設定手段によって分割回数が設定されている場合は、前記分割回数の分だけ、前記撮像装置指定手段によって指定された患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を前記記憶装置から取得し、これらの線量分布を前記線量計算手段が計算した放射線の線量分布に足し合わせることを特徴とする放射線治療計画装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の放射線治療計画装置において、
前記線量合成手段によって足し合わせた線量分布を画面上に表示する表示手段を更に備えることを特徴とする放射線治療計画装置。
【請求項6】
請求項5記載の放射線治療計画装置において、
前記表示手段は、前記足し合わせた線量分布をドーズ ボリューム ヒストグラム(DVH)によって表示可能であることを特徴とする放射線治療計画装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載の放射線治療計画装置において、
前記線量合成手段によって足し合わせた線量分布が目標値を超えているかどうかを判定し、目標値を超えている場合はその旨を操作者に通知する通知手段を更に備えることを特徴とする放射線治療計画装置。
【請求項8】
患者の患部に放射線を照射して治療を行う放射線治療装置用の治療計画システムにおいて、
患者の患部を撮影した画像データが格納された画像データサーバと、
患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布の線量データが格納された位置決めX線データサーバと、
前記画像データ及び前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置の線量データに基づいて治療計画データを作成する治療計画装置と、
前記治療計画データを格納する治療計画データサーバとを備え、
前記治療計画装置は、
前記画像データに基づいて患部を含む断層画像を表示し、前記断層画像に関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記関心領域に照射パラメータを設定し、前記関心領域に照射される放射線の照射線量を計算する線量計算手段)と、
前記線量計算手段が計算した放射線の線量分布と前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布とを足し合わせる線量合成手段とを備えることを特徴とする放射線治療計画システム。
【請求項9】
請求項8記載の放射線治療計画システムにおいて、
前記治療計画装置は、前記関心領域の照射計画の分割回数を設定する分割回数設定手段を更に備え、
前記線量合成手段は、前記分割回数設定手段によって分割回数が設定されている場合は、前記分割回数の分だけ、前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を前記線量計算手段が計算した放射線の線量分布に足し合わせることを特徴とする放射線治療計画装置。
【請求項10】
請求項8記載の放射線治療計画システムにおいて、
前記治療計画装置は、前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類を指定する撮像装置指定手段と、前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類毎に前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を保存した記憶装置とを更に備え、
前記線量合成手段は、前記撮像装置指定手段によって指定された患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を前記記憶装置から取得し、この線量分布を前記線量計算手段が計算した放射線の線量分布に足し合わせることを特徴とする放射線治療計画システム。
【請求項11】
請求項8記載の放射線治療計画システムにおいて、
前記治療計画装置は、前記関心領域の照射計画の分割回数を設定する分割回数設定手段と、前記分割回数の各回毎に前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類を指定する撮像装置指定手段と、前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置の種類毎に前記患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を保存した記憶装置とを更に備え、
前記線量合成手段は、前記分割回数設定手段によって分割回数が設定されている場合は、前記分割回数の分だけ、前記撮像装置指定手段によって指定された患者支持装置位置決め用画像撮像装置が付与する線量分布を前記記憶装置から取得し、これらの線量分布を前記線量計算手段が計算した放射線の線量分布に足し合わせることを特徴とする放射線治療計画システム。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか1項記載の放射線治療計画システムにおいて、
前記治療計画装置は、前記線量合成手段によって足し合わせた線量分布を画面上に表示する表示手段を更に備えることを特徴とする放射線治療計画システム。
【請求項13】
請求項12記載の放射線治療計画システムにおいて、
前記表示手段は、前記足し合わせた線量分布をドーズ ボリューム ヒストグラム(DVH)によって表示可能であることを特徴とする放射線治療計画システム。
【請求項14】
請求項8〜13のいずれか1項記載の放射線治療計画システムにおいて、
前記治療計画装置は、前記線量合成手段によって足し合わせた線量分布が目標値を超えているかどうかを判定し、目標値を超えている場合はその旨を操作者に通知する通知手段を更に備えることを特徴とする放射線治療計画システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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