説明

治療計画装置

【課題】迅速かつ柔軟な線量制御領域と目標線量値の変更を実現することにより、作業効率の大幅な向上を図ることのできる治療計画装置を提供する。
【解決手段】核医学データ302の画素値のうち所定の閾値に相当する複数個の画素から腫瘍輪郭形状線101が生成され、第1腫瘍領域102aと第2腫瘍領域102bとがモニタ202上に表示される。メニュー画面から第1腫瘍領域102aを選択し、さらに、核医学データ302を目視しながら、マウス201を用いて第1腫瘍領域102a内にサブ領域輪郭形状線103を2つ並べて描画すると、第1腫瘍領域102aと第1サブ領域104aと第2サブ領域104bが線量制御領域100として設定される。目標線量値入力画面600の線量制御領域に対応するブランクに目標線量値入力により、線量分布が作成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線及び粒子線を照射対象に照射するための治療計画装置に係り、特に、機能画像に基づいて目標線量値を設定する治療計画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PET(Positron Emission Tomography)画像やSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)画像に代表される核医学画像やファンクショナルMR (Magneto Resonance) 画像のような機能画像の放射線治療計画装置や粒子線治療計画装置への応用が進んでいる。なお、一般に粒子線治療計画装置も放射線治療計画装置と呼ばれるため、本明細書でも放射線治療装置の名称を用いることにする。
【0003】
機能画像は、X線CT(Computed Tomography)画像のような形態画像とは異なり、腫瘍の活性度を示すことができるという特徴を有する。この特徴を活かし、放射線治療計画において、機能画像は腫瘍の輪郭形状線の入力を支援するために用いられている。
【0004】
具体的には、非特許文献1に示されているように、核医学画像(機能画像)とX線CT画像(形態画像)とをレジストレーションし機能画像より得られる腫瘍の輪郭形状線に係る図形情報を参照し、形態画像上に定義する腫瘍の輪郭とあわせて利用する。なお腫瘍の輪郭形状線を含む内部の閉領域を腫瘍領域と呼ぶ。
【0005】
この技術により、形態画像から得られる腫瘍の輪郭と腫瘍の活性度に基づく機能画像から得られる輪郭形状線とを合わせて活用することで、放射線または粒子線治療における治療計画の腫瘍輪郭形状定義がより高精度になった。
【0006】
また、腫瘍の活性度を可視化できるという機能画像のもつ特徴をさらに活かし、非特許文献2に示されているように、核医学画像の一つであるPET画像を用いて、PET画像の画素値に比例して腫瘍に対し照射する放射線の強度を高めようという技術もある。例えば腫瘍領域の中に耐放射線性があると言われている低酸素の状態があった場合などに、それがPET画像の画素値の強弱として表れていると考えられる。そこで、画素値に比例させて放射線の線量を多くすることを実現するような治療計画が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「Biological imaging in radiation therapy: role of positron emission tomography」、Ursula Nestle他、Physics in Medicine and Biology、2009年、Vol.54、 p.R1- R25
【非特許文献2】「[18F]fluoro-deoxy-glucose positron emission tomography ([18F]FDG-PET) voxel intensity-based intensity-modulated radiation therapy (IMR) for head and neck cancer」、 Barbara Vanderstraeten 他、Radiotherapy and Oncology、2006年、vol.79、pp.249−258
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
機能画像の画素値に応じ腫瘍に照射する放射線量に強弱を設けることのできる治療計画装置を使用し、操作者(医療関係者)が治療計画を立案する場合、従来技術の治療計画装置は治療計画装置内部の演算装置を用いて機能画像の各画素値に対応させた放射線線量値を設定し、線量分布を作成する。しかしながら、線量分布作成後に、操作者はこれまでの経験や知見を治療計画に反映させたいなど、様々な理由により線量分布を変更したい場合がある。たとえば低酸素の状態と考えられる場合、ある部分(領域)の線量値を演算結果よりも大きくするなどの変更を施す。
【0009】
このような場合に、機能画像の各画素値に線量値を対応させる従来技術の治療計画装置において、線量値を変更するには、機能画像上の該当する画素値を画素値毎に変更するか、または画素値と線量値とを対応づける関係式を変更する。画素値毎に変更すると、手間がかかり、作業効率が著しく悪い。また、画素値と線量値とを対応付ける関係式を変更すると、関係式が画素値と線量値との1対1対応の関係になっているため、腫瘍領域内の一部分の線量値だけを変更したい場合でも、画像上の同じ画素値を持つ腫瘍領域の他の部分や腫瘍領域以外の線量値まで変わってしまい、操作者の意図する線量分布の変更ができず柔軟性に欠ける。
【0010】
本発明の目的は、迅速かつ柔軟な線量制御領域と目標線量値の変更を実現することにより、作業効率の大幅な向上を図ることのできる治療計画装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、放射線及び粒子線を照射対象に照射するための治療計画装置であって、入力装置と、機能画像および形態画像を記憶する記憶装置と、機能画像および形態画像を表示する表示装置と、演算処理装置とを備え、前記演算処理装置は、前記機能画像に基づいて、少なくとも1以上の腫瘍領域を設定する腫瘍領域設定機能と、前記少なくとも1以上の腫瘍領域から対象となる腫瘍領域を選択し、線量制御領域を設定する線量制御領域設定機能と、前記線量制御領域に対応する目標線量値を設定する目標線量値設定機能と、を有する。
【0012】
このように構成した本発明においては、従来技術に係る機能画像の各画素値のみに基づく腫瘍領域設定から、操作者のこれまでの経験や知見を反映させ、操作者の意図する腫瘍領域の範囲設定に変更できる。また、複数の腫瘍領域がある場合、対象となる腫瘍領域のみを選択し、線量制御領域として設定することができる。さらに、この線量制御領域に対応する目標線量値を設定することができる。このように、従来技術に係る線量制御領域と目標線量値から、操作者の意図を反映させた線量制御領域と目標線量値への変更が迅速かつ柔軟にできる。その結果、作業効率の大幅な向上を図ることができる。
【0013】
(2)上記(1)において、前記演算処理装置は、前記腫瘍領域内に、前記機能画像に基づいて、少なくとも1以上のサブ領域を設定するサブ領域設定機能を更に有し、前記線量制御領域設定機能は、前記選択した腫瘍領域とこの腫瘍領域に内包されるサブ領域とを合わせて線量制御領域として設定し、前記目標線量値設定機能は、前記サブ領域に対応する目標線量値を設定する。
【0014】
このように、サブ領域を設定することにより、機能画像の各画素値を反映させるとともに、操作者の意図を反映させて、腫瘍領域内に目標線量値の強弱をつけることができる。また、サブ領域と対応する目標線量値の変更が迅速かつ柔軟にできる。その結果、作業効率の大幅な向上を図ることができる。
【0015】
(3)上記(1)において、前記腫瘍領域設定機能は、前記機能画像の有する画素値に係る閾値に基づいて、輪郭形状線を生成し、前記腫瘍領域を設定する。
【0016】
適切な閾値を設定することにより、操作者の意図を反映した腫瘍領域の設定が、迅速かつ柔軟にできる。
【0017】
(4)上記(2)において、前記サブ領域設定機能は、前記機能画像の有する画素値に係る第2閾値に基づいて、輪郭形状線を生成し、前記サブ領域を設定する。
【0018】
適切な第2閾値を設定することにより、操作者の意図を反映したサブ領域の設定が、迅速かつ柔軟にできる。
【0019】
(5)上記(4)において、前記サブ領域設定機能は、前記機能画像の画素を前記選択した腫瘍領域内の画素に制限する。
【0020】
これにより、腫瘍領域以外に意図しないサブ領域を生成することを回避し、かつ効率的にサブ領域を生成できる。
【0021】
(6)上記(1)において、前記腫瘍領域設定機能は、前記機能画像に重ねて輪郭形状線を描画するように、前記入力装置より入力された図形情報に基づいて、前記腫瘍領域を設定する。
【0022】
適切に腫瘍領域の輪郭形状線を描画することにより、操作者の意図を反映した腫瘍領域の設定が、迅速かつ柔軟にできる。
【0023】
(7)上記(2)において、前記サブ領域設定機能は、前記機能画像に重ねて輪郭形状線を描画するように、前記入力装置より入力された図形情報に基づいて、前記サブ領域を設定する。
【0024】
適切にサブ領域の輪郭形状線を描画することにより、操作者の意図を反映したサブ領域の設定が、迅速かつ柔軟にできる。
【0025】
(8)上記(1)において、前記演算処理装置は、前記腫瘍領域設定機能により設定された腫瘍領域を変更する腫瘍領域変更機能を更に有する。
【0026】
(9)上記(2)において、前記演算処理装置は、前記サブ領域設定機能により設定されたサブ領域を変更するサブ領域変更機能を更に有する。
【0027】
(10)上記(8)において、前記腫瘍領域変更機能は、前記腫瘍領域の輪郭形状線に対応する前記機能画像の画素値に係る閾値を変更するように、前記入力装置より入力された数値情報に基づいて、前記腫瘍領域を変更する。
【0028】
(11)上記(8)において、前記腫瘍領域変更機能は、前記腫瘍領域の輪郭形状線を形成する図形を変形するように前記入力装置より入力された図形変形情報に基づいて、前記腫瘍領域を変更する。
【0029】
(12)上記(9)において、前記サブ領域変更機能は、前記サブ領域の輪郭形状線に対応する前記機能画像の画素値に係る第2閾値を変更するように、前記入力装置より入力された数値情報に基づいて、前記サブ領域を変更する。
【0030】
(13)上記(9)において、前記サブ領域変更機能は、前記サブ領域の輪郭形状線を形成する図形を変形するように前記入力装置より入力された図形変形情報に基づいて、前記サブ領域を変更する。
【0031】
このように、線量制御領域設定後においても、腫瘍領域やサブ領域を迅速かつ柔軟に変更できる。
【0032】
(14)上記(1)において、前記目標線量値設定機能は、前記記憶装置に予め記憶された初期値に基づいて、前記線量制御領域に対応する目標線量値を設定する。
【0033】
これにより、目標線量値設定が迅速にできる。
【0034】
(15)上記(1)において、前記目標線量値設定機能は、前記入力装置より入力された数値情報に基づいて、前記線量制御領域に対応する目標線量値を設定する。
【0035】
これにより、目標線量値設定が柔軟にできる。
【0036】
(16)上記(1)において、前記機能画像は核医学画像または磁気共鳴画像である。
【0037】
(17)上記(1)において、前記機能画像は複数種類である。
【0038】
(18)上記(2)において、前記機能画像は第1機能画像と第2機能画像とを含む複数種類であり、前記演算処理装置は、この複数種類の機能画像を選択する機能画像選択機能を更に有し、前記腫瘍領域設定機能は、第1機能画像に基づいて、腫瘍領域を設定し、前記サブ領域設定機能は、第2機能画像に基づいて、サブ領域を設定する。
【0039】
このように、複数種類の機能画像から選択し、第1機能画像に基づいて腫瘍領域を設定し、第2機能画像に基づいてサブ領域を設定することにより、1種類の機能画像を用いるときに比べ、より的確な線量制御領域設定ができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、迅速かつ柔軟な線量制御領域と目標線量値の変更を実現することにより、作業効率の大幅な向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】腫瘍領域、サブ領域、線量制御領域の模式図である。
【図2】治療計画装置のシステム構成図である。
【図3】演算処理装置(第1実施形態)の処理フローである。
【図4】X線CTデータと核医学データとを重ね合わせてモニタ上に表示した例である。
【図5】目標線量値入力画面の模式図である。
【図6】線量制御領域の模式図(別例)である。
【図7】演算処理装置(第2実施形態)の処理フローである。
【図8】腫瘍領域設定に用いる機能画像選択画面の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。
【0043】
〜構成〜
図2に本実施形態に係る治療計画装置のシステム構成図を示す。治療計画装置200は、操作者が治療計画装置に対し指示を入力するための入力装置201と、画像や演算結果を表示するためのモニタ202と、演算プログラムや画像データ等を記憶するための記憶装置203と、演算プログラムを実施したり、画像データ等の処理を実施するために一時的に使用する主記憶装置204と、演算プログラムの指令により画像表示処理などの演算処理をおこなう演算処理装置205とを備える。
【0044】
また、治療計画装置200の外部には、画像データサーバー210と呼ばれるX線CT画像のような形態画像や核医学画像をはじめとする機能画像を保管するサーバーがある。これらの画像(形態画像・機能画像)は、X線CT画像撮影装置(図示省略)や核医学画像撮影装置(図示省略)により撮影され、ネットワーク220等を経由して画像データサーバー210に蓄積され保管される。
【0045】
〜制御〜
図3に、演算処理装置205の処理フローを示す。本実施形態に係る治療計画装置の制御を、演算処理装置205の処理フローと伴に説明する。
【0046】
(1)画像データ読込とレジストレーション
治療計画装置200は、操作者の指示を入力装置201を介して入力する。演算処理装置205は、読込指示に基づき画像データサーバー210より治療計画の立案に使用するX線CT画像のような形態画像及び、たとえば核医学画像のような機能画像をネットワーク220経由で記憶装置203に読み込む(ステップ100)。これらの画像データは記憶装置203に記憶される。
【0047】
演算処理装置205は、記憶装置203に記憶された画像データを更に、主記憶装置204に読込み、演算処理装置205にロードされた表示プログラムによりモニタ202上に表示する(ステップ110)。例えば、モニタ202上にX線CTデータ及び、核医学データを並べて表示したり、重ね合わせて表示したりする。ここで、主記憶装置204に読み込まれた後のX線CT画像の画像データをX線CTデータ301と呼び、核医学画像の画像データを核医学データ302と呼ぶ。図4に、X線CTデータ301(人体の輪郭のみ表示する)と核医学データ302とを重ね合わせてモニタ202上に表示した例を示す。
【0048】
X線CTデータ301および核医学データ302がモニタ202上に表示されると、演算処理装置205は、操作者の入力指示に基づき、2種類の画像データの空間的位置関係を一致させるためのレジストレーション演算を実施する(ステップ120)。レジストレーションには、演算処理装置205にあらかじめ用意されている相互情報量等の良く知られている演算アルゴリズムが使用される。なお、操作者の判断により一見してX線CTデータ301と核医学データ302が一致していることが分かる場合は、このステップ120の処理は省略されることもある。レジストレーション処理の結果をモニタ202上に表示する(ステップ130)。操作者は、モニタ202上においてレジストレーション処理結果を確認する。
【0049】
(2)腫瘍領域、サブ領域、線量制御領域の設定
レジストレーション処理の結果が確認されると、演算処理装置205は、腫瘍領域の設定を開始する。図1に腫瘍領域、サブ領域、線量制御領域の模式図を示す。演算処理装置205は、腫瘍の外部形状に相当する腫瘍輪郭形状線101を生成し、この腫瘍輪郭形状線101内部にある閉領域を腫瘍領域102に設定する(ステップ140)。
【0050】
腫瘍輪郭形状線101生成は、下記2つの処理のうち選択的に行なわれる。
【0051】
その一方の処理について説明する。演算処理装置205は予め適切な閾値を設定しており、核医学データ302の画素値のうち閾値に相当する複数個の画素から腫瘍輪郭形状線101を生成する(ステップ140A)。この際、一般的な細線化アルゴリズム等が用いられる。なお、閾値は操作者がテンキー等の入力装置201を用いて設定してもよい。
【0052】
その他方の処理について説明する。操作者はモニタ202上に表示されている核医学データ302を目視し、マウス等の入力装置201を用いて腫瘍輪郭形状線101を描くように図形入力する。演算処理装置205は入力された図形情報に基づいて腫瘍輪郭形状線101を生成する(ステップ140B)。
【0053】
演算処理装置205は、腫瘍領域102を複数設定でき、複数の腫瘍領域102に対し番号を付す。図1に第1腫瘍領域102aと第2腫瘍領域102bとを設定した例を示す。
【0054】
更に本実施形態では必要に応じて、サブ領域の設定を開始する。演算処理装置205は、腫瘍領域102内にサブ領域輪郭形状線103を生成し、このサブ領域輪郭形状線103内部にある閉領域をサブ領域104に設定する(ステップ150)。
【0055】
サブ領域輪郭形状線103生成は、腫瘍輪郭形状線生成処理(ステップ140A,B)と同様の2つの処理のうち選択的に行なわれる。すなわち、サブ領域に係る適切な第2閾値に基づいてサブ領域輪郭形状線103を生成する処理(ステップ150A)または入力装置201より入力された図形情報に基づいてサブ領域輪郭形状線103を生成する処理(ステップ150B)のいずれかが選択される。
【0056】
演算処理装置205は、サブ領域104を複数設定でき、複数のサブ領域104に対し番号を付す。複数のサブ領域104は、並んでも、重なって(サブ領域に別のサブ領域が内包される)もよい。複数のサブ領域104が重なる場合は、第2閾値とは異なる第3閾値が設定される。
【0057】
第2閾値に基づいてサブ領域輪郭形状線103を生成する処理(ステップ150A)が選択された場合、核医学データ302の画素のうち腫瘍領域102内の画素のみを対象とする。特に、後述する線量制御領域100として第1腫瘍領域102aが選択された場合、第1腫瘍領域102a内の画素のみを対象とする。これにより、腫瘍領域102以外に意図しないサブ領域104を生成することを回避し、かつ効率的にサブ領域104を生成できる。
【0058】
図1に第1腫瘍領域102a内に第1サブ領域104aと第2サブ領域104bとを並べて設定した例を示す。
【0059】
なお、操作者の判断によりサブ領域を設定する必要がない場合は、このステップ150の処理は省略される。
【0060】
線量制御領域の設定について説明する。演算処理装置205は、複数の腫瘍領域102を設定した場合、複数の腫瘍領域102から対象となる腫瘍領域を選択し、線量制御領域100を設定する。このとき、対象となる腫瘍領域102内にサブ領域104を設定した場合、選択した腫瘍領域102とこの腫瘍領域102に内包されるサブ領域104とを合わせて線量制御領域100として設定する(ステップ160)。
【0061】
線量制御領域100とは、次ステップにおいて目標線量の設定対象および線量計算対象となる領域である。
【0062】
腫瘍領域選択は、モニタ202上に表示されたメニュー画面(図示せず)より対象となる腫瘍領域が選択されると、演算処理装置205が選択情報を入力することにより行なわれる。腫瘍領域選択されると、演算処理装置205は、選択された腫瘍領域の腫瘍輪郭形状線101を太線で表示する。これにより、操作者は腫瘍領域選択されたことを明確に認識できる。
【0063】
図1に、複数の腫瘍領域から第1腫瘍領域102a選択した例を示す。第1腫瘍領域102aと、これに内包される第1サブ領域104aと第2サブ領域104bが合わせて線量制御領域100として設定される。
【0064】
一方、演算処理装置205は、1つの腫瘍領域102を設定した場合、その腫瘍領域102を線量制御領域100として設定する(後述する図6参照)。
【0065】
(3)腫瘍領域、サブ領域の変更
線量制御領域設定後においても、操作者は腫瘍領域またはサブ領域を更に変更したい場合もある。
【0066】
演算処理装置205は、腫瘍輪郭形状線101を変更することで、腫瘍領域102を変更する(ステップ170)。腫瘍輪郭形状線101変更は、腫瘍輪郭形状線生成処理(ステップ140A,B)と同様の2つの処理のうち選択的に行なわれる。すなわち、閾値変更に基づいて腫瘍輪郭形状線101を変更する処理(ステップ170A)または入力装置201より変形された図形変形情報に基づいて腫瘍輪郭形状線101を変更する処理(ステップ170B)のいずれかが選択される。
【0067】
演算処理装置205は、サブ領域輪郭形状線103を変更することで、サブ領域104を変更する(ステップ180)。サブ領域輪郭形状線103変更は、第2閾値変更に基づいてサブ領域輪郭形状線103を変更する処理(ステップ180A)または入力装置201より変形された図形変形情報に基づいてサブ領域輪郭形状線103を変更する処理(ステップ180B)のいずれかが選択され、行なわれる。
【0068】
なお、操作者の判断により腫瘍領域102を変更する必要がない場合は、このステップ170の処理は省略される。サブ領域104を変更する必要がない場合は、このステップ180の処理は省略される。
【0069】
(4)目標線量値の設定と線量計算
演算処理装置205は、線量制御領域100設定完了後、線量制御領域に対し、目標線量値を設定する(ステップ190)。目標線量値設定は、下記2つの処理のうち選択的に行なわれる。
【0070】
演算処理装置205は予め目標線量値に係る適切な初期値を設定しており、指示入力がなければこの初期値に基づいて目標線量値を設定する(ステップ190A)。テンキー等の入力装置201を介して、目標線量値に係る指示入力があれば、入力された数値情報に基づいて目標線量値を設定する(ステップ190B)。この数値入力は、モニタ202上に表示された目標線量値入力画面600のブランクに適切な数値が入力されることにより行なわれる。図5に、目標線量値入力画面の模式図を示す。本実施形態では例えば、線量値の単位として吸収線量値を表すグレイを用いる。まず線量制御領域全体(第1腫瘍領域102a)に係るブランク601に目標線量値として20グレイを入力し、さらに、第1サブ領域104aに係るブランク602に目標線量値として25グレイを入力し、第2サブ領域104bに係るブランク603に目標線量値として30グレイを入力した例を示す。
【0071】
演算処理装置205は、線量制御領域100設定および目標線量値設定に基づき、予め主記憶装置に204にロードされている線量分布予測モジュールを用い体内の線量分布演算をおこなう(ステップ200)。
【0072】
〜請求項との対応関係〜
以上において、演算処理装置205のステップ140の処理は、核医学データ302(機能画像)に基づいて、少なくとも1以上の腫瘍領域102を設定する腫瘍領域設定機能を構成し、ステップ150の処理は、腫瘍領域102内に、核医学データ302に基づいて、少なくとも1以上のサブ領域104を設定するサブ領域設定機能を構成し、ステップ160の処理は、少なくとも1以上の腫瘍領域から対象となる腫瘍領域102を選択し、この腫瘍領域102とこれに内包されるサブ領域104とを合わせて線量制御領域100として設定する線量制御領域設定機能を構成し、ステップ190の処理は、線量制御領域100に対応する目標線量値を設定する目標線量値設定機能を構成する。
【0073】
ステップ140Aの処理は、核医学データ302の有する画素値に係る閾値に基づいて、腫瘍輪郭形状線101を生成し、腫瘍領域102を設定する腫瘍領域設定機能を構成し、ステップ150Aの処理は、核医学データ302の有する画素値に係る第2閾値に基づいて、サブ領域輪郭形状線103を生成し、サブ領域104を設定するサブ領域設定機能を構成する。
【0074】
ステップ140Bの処理は、核医学データ302に重ねて腫瘍輪郭形状線101を描画するように、入力装置201より入力された図形情報に基づいて、腫瘍領域102を設定する腫瘍領域設定機能を構成し、ステップ150Bの処理は、核医学データ302に重ねてサブ領域輪郭形状線103を描画するように、入力装置201より入力された図形情報に基づいて、サブ領域104を設定するサブ領域設定機能を構成する。
【0075】
ステップ170の処理は、ステップ140の処理により設定された腫瘍領域102を変更する腫瘍領域変更機能を構成し、ステップ180の処理は、ステップ150の処理により設定されたサブ領域104を変更するサブ領域変更機能を構成する。
【0076】
ステップ170Aの処理は、腫瘍輪郭形状線101に対応する核医学データ302の画素値に係る閾値を変更するように、入力装置201より入力された数値情報に基づいて、腫瘍領域102を変更する腫瘍領域変更機能を構成し、ステップ180Aの処理は、サブ領域輪郭形状線103に対応する核医学データ302の画素値に係る第2閾値を変更するように、入力装置201より入力された数値情報に基づいて、サブ領域104を変更するサブ領域変更機能を構成する。
【0077】
ステップ170Bの処理は、腫瘍輪郭形状線101を形成する図形を変形するように入力装置201より入力された図形変形情報に基づいて、腫瘍領域102を変更する腫瘍領域変更機能を構成し、ステップ180Bの処理は、サブ領域輪郭形状線103を形成する図形を変形するように入力装置201より入力された図形変形情報に基づいて、サブ領域104を変更するサブ領域変更機能を構成する。
【0078】
ステップ190Aの処理は、記憶装置203に予め記憶された初期値に基づいて、線量制御領域100に対応する目標線量値を設定する目標線量値設定機能を構成し、ステップ190Bの処理は、入力装置201より入力された数値情報に基づいて、線量制御領域100に対応する目標線量値を設定する目標線量値設定機能を構成する。
【0079】
〜操作〜
操作者による治療計画装置200の操作の一例について説明する。
【0080】
操作者は入力装置201を操作して一連の指示を入力する。まず、画像データサーバー210からX線CTデータ301と核医学データ302を読み込み、モニタ202上に表示し、レジストレーション処理を行い、処理結果を確認する(S100→S110→S120→S130)。
【0081】
操作者が、閾値に基づく腫瘍領域設定を選択すると、第1腫瘍領域102aと第2腫瘍領域102bとがモニタ202上に表示される。メニュー画面から第1腫瘍領域102aを選択し、さらに、核医学データ302を目視しながら、マウス201を用いて第1腫瘍領域102a内にサブ領域輪郭形状線103を2つ並べて描画すると、第1腫瘍領域102aと第1サブ領域104aと第2サブ領域104bが線量制御領域100として設定される(S140A→S150B→S160)(図1参照)。操作者は、線量制御領域設定後においても、マウス201を用いて腫瘍輪郭形状線101やサブ領域輪郭形状線103の形状を変更することで、適宜、線量制御領域100の設定を変更できる(S170B→S180B)。
【0082】
操作者は、モニタ202上に表示された目標線量値入力画面600の線量制御領域に対応するブランクに目標線量値を入力し、線量分布を作成する(S190B→S200)。
【0083】
操作者による治療計画装置200の操作の最も簡単な別の例について説明する。レジストレーション処理結果確認までの操作は共通する。操作者が、腫瘍輪郭形状線101に相当する適切な閾値を設定すると、腫瘍領域102がモニタ202上に表示される。更に操作者がサブ領域設定や腫瘍領域変更の必要なしと判断すると、腫瘍領域102が線量制御領域100として設定される。図6に線量制御領域の模式図を示す。これにより、線量制御領域に対応する適切な目標線量値(初期値)が設定され、線量分布が作成される。(S100→S110→S120→S130→S140A→S160→S190A→S200)。
【0084】
〜効果〜
従来技術に係る治療計画装置は、目標線量値が機能画像の画素値との関係式により設定されており、操作者の意図を反映した変更をするときに、迅速性、柔軟性の点で課題があった。
【0085】
本実施形態の治療計画装置は、操作者の意図を反映した線量制御領域100(腫瘍領域102やサブ領域104を含む)の設定や、線量制御領域100に対応する目標線量値の設定および設定後の再変更が、迅速かつ柔軟にできる。
【0086】
とくに、腫瘍領域102やサブ領域104の設定および設定後の再変更は、腫瘍輪郭形状線101に相当する閾値やサブ領域輪郭形状線103に相当する第2閾値を変更するか、腫瘍輪郭形状線101やサブ領域輪郭形状線103の図形を変形するか、選択的に行うことにより、迅速かつ柔軟にできる。
【0087】
その結果、作業効率の大幅な向上を図ることができる。
【0088】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、1種類の機能画像(核医学画像)を用いたが、複数種類の機能画像を用いてもよい。たとえば、2種類の薬剤を使用した核医学画像を用いた場合について説明する。腫瘍の低酸素状態を把握するためにFMISO([18F]fluoromisonidazole)を放射性薬剤として使用し、腫瘍の周辺領域の浸潤を把握するためにFLT([18F]-fluorine labelled thymidine analogue 3-deoxy-3-[18F]-fluorothymidine)を用いて2種類の核医学画像を撮像する。ここで、FMISOの核医学画像をFMISO画像、FLTの核医学画像をFLT画像と呼ぶ。
【0089】
第2実施形態に係る治療計画装置のシステム構成は第1実施形態と同じである(図1参照)。図7に、演算処理装置205の処理フローを示す。図3に示す、第1実施形態における処理フローにステップ135の処理とステップ145の処理を付加したものである。
【0090】
(1)画像データ読込とレジストレーションに係る処理(S100→S110→S120→S130)と、(4)目標線量値の設定と線量計算に係る処理(S190→S200)は、第1実施形態と同様である。
【0091】
(2)腫瘍領域、サブ領域、線量制御領域の設定および(3)腫瘍領域、サブ領域の変更について説明する。
【0092】
核医学画像が複数の場合は、どの核医学画像を用いるのかの選択する必要がある。演算処理装置205は、腫瘍領域設定に先立って、腫瘍領域設定に用いる第1機能画像を選択する(ステップ135)。第1機能画像選択は、モニタ202上に表示された機能画像選択画面700より対象となる機能画像が選択される(例えば、チェックボックスにチェック挿入)と、演算処理装置205が選択情報を入力することにより行なわれる。図8に、腫瘍領域設定に用いる機能画像選択画面700の模式図を示す。本実施形態では例えば、第1機能画像として、FLT画像を選択した例を示す。
【0093】
演算処理装置205は、FLT画像(第1機能画像)に基づいて、腫瘍領域102を設定する(ステップ140)。詳細は第1実施形態と同様である。
【0094】
次に、演算処理装置205は、サブ領域設定に先立って、サブ領域設定に用いる第2機能画像を選択する(ステップ145)。第2機能画像選択は、モニタ202上に表示された機能画像選択画面(図8と同様)より対象となる機能画像が選択されると、演算処理装置205が選択情報を入力することにより行なわれる。一般に、第2機能画像として、FMISO画像が選択されることが多い。
【0095】
演算処理装置205は、FMISO画像(第2機能画像)に基づいて、サブ領域104を設定する(ステップ150)。詳細は第1実施形態と同様である。
【0096】
これにより、演算処理装置205は線量制御領域100を設定する(ステップ160)。
【0097】
演算処理装置205は、既に、ステップ135の処理により第1機能画像としてFLT画像を選択し、第2機能画像として、FMISO画像を選択している。線量制御領域設定後において、必要に応じ、演算処理装置205は、FLT画像(第1機能画像)に基づいて、腫瘍領域102を変更し(ステップ170)、FMISO画像(第2機能画像)に基づいて、サブ領域104を変更する(ステップ180)。
【0098】
このように、2種類の放射性薬剤による核医学画像(機能画像)から選択し、腫瘍領域設定・変更とサブ領域設定・変更とに別々に用いることにより、1種類の機能画像を用いるときに比べ、より的確な線量制御領域設定ができる。
【0099】
本実施形態の演算処理装置205の処理は、第1実施形態における処理に、機能画像選択処理(ステップ135,ステップ145)を付加したのみであり、線量制御領域設定が迅速かつ柔軟にできるという第1実施形態の効果も同様に得られる。
【符号の説明】
【0100】
100 線量制御領域
101 腫瘍輪郭形状線
102 腫瘍領域
103 サブ領域輪郭形状線
104 サブ領域
200 治療計画装置
201 入力装置
202 モニタ
203 記憶装置
204 主記憶装置
205 演算処理装置
301 X線CTデータ
302 核医学データ
600 目標線量値入力画面
601〜603 ブランク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線及び粒子線を照射対象に照射するための治療計画装置であって、入力装置と、機能画像および形態画像を記憶する記憶装置と、機能画像および形態画像を表示する表示装置と、演算処理装置とを備え、
前記演算処理装置は、
前記機能画像に基づいて、少なくとも1以上の腫瘍領域を設定する腫瘍領域設定機能と、
前記少なくとも1以上の腫瘍領域から対象となる腫瘍領域を選択し、線量制御領域を設定する線量制御領域設定機能と、
前記線量制御領域に対応する目標線量値を設定する目標線量値設定機能と、
を有することを特徴とする治療計画装置。
【請求項2】
請求項1に記載の治療計画装置において、
前記演算処理装置は、
前記腫瘍領域内に、前記機能画像に基づいて、少なくとも1以上のサブ領域を設定するサブ領域設定機能を更に有し、
前記線量制御領域設定機能は、前記選択した腫瘍領域とこの腫瘍領域に内包されるサブ領域とを合わせて線量制御領域として設定し、
前記目標線量値設定機能は、前記サブ領域に対応する目標線量値を設定する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項3】
請求項1に記載の治療計画装置において、
前記腫瘍領域設定機能は、前記機能画像の有する画素値に係る閾値に基づいて、輪郭形状線を生成し、前記腫瘍領域を設定する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項4】
請求項2に記載の治療計画装置において、
前記サブ領域設定機能は、前記機能画像の有する画素値に係る第2閾値に基づいて、輪郭形状線を生成し、前記サブ領域を設定する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項5】
請求項4に記載の治療計画装置において、
前記サブ領域設定機能は、前記機能画像の画素を前記選択した腫瘍領域内の画素に制限する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項6】
請求項1に記載の治療計画装置において、
前記腫瘍領域設定機能は、前記機能画像に重ねて輪郭形状線を描画するように、前記入力装置より入力された図形情報に基づいて、前記腫瘍領域を設定する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項7】
請求項2に記載の治療計画装置において、
前記サブ領域設定機能は、前記機能画像に重ねて輪郭形状線を描画するように、前記入力装置より入力された図形情報に基づいて、前記サブ領域を設定する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項8】
請求項1に記載の治療計画装置において、
前記演算処理装置は、
前記腫瘍領域設定機能により設定された腫瘍領域を変更する腫瘍領域変更機能を
更に有することを特徴とする治療計画装置。
【請求項9】
請求項2に記載の治療計画装置において、
前記演算処理装置は、
前記サブ領域設定機能により設定されたサブ領域を変更するサブ領域変更機能を
更に有することを特徴とする治療計画装置。
【請求項10】
請求項8に記載の治療計画装置において、
前記腫瘍領域変更機能は、前記腫瘍領域の輪郭形状線に対応する前記機能画像の画素値に係る閾値を変更するように、前記入力装置より入力された数値情報に基づいて、前記腫瘍領域を変更する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項11】
請求項8に記載の治療計画装置において、
前記腫瘍領域変更機能は、前記腫瘍領域の輪郭形状線を形成する図形を変形するように前記入力装置より入力された図形変形情報に基づいて、前記腫瘍領域を変更する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項12】
請求項9に記載の治療計画装置において、
前記サブ領域変更機能は、前記サブ領域の輪郭形状線に対応する前記機能画像の画素値に係る第2閾値を変更するように、前記入力装置より入力された数値情報に基づいて、前記サブ領域を変更する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項13】
請求項9に記載の治療計画装置において、
前記サブ領域変更機能は、前記サブ領域の輪郭形状線を形成する図形を変形するように前記入力装置より入力された図形変形情報に基づいて、前記サブ領域を変更する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項14】
請求項1に記載の治療計画装置において、
前記目標線量値設定機能は、前記記憶装置に予め記憶された初期値に基づいて、前記線量制御領域に対応する目標線量値を設定する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項15】
請求項1に記載の治療計画装置において、
前記目標線量値設定機能は、前記入力装置より入力された数値情報に基づいて、前記線量制御領域に対応する目標線量値を設定する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項16】
請求項1に記載の治療計画装置において、
前記機能画像は核医学画像または磁気共鳴画像である
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項17】
請求項1に記載の治療計画装置において、
前記機能画像は複数種類である
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項18】
請求項2に記載の治療計画装置において、
前記機能画像は第1機能画像と第2機能画像とを含む複数種類であり、
前記演算処理装置は、
この複数種類の機能画像を選択する機能画像選択機能を更に有し、
前記腫瘍領域設定機能は、第1機能画像に基づいて、腫瘍領域を設定し、
前記サブ領域設定機能は、第2機能画像に基づいて、サブ領域を設定する
ことを特徴とする治療計画装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−212078(P2011−212078A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80743(P2010−80743)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】