説明

泡・湯水用吐出具

【課題】一つの吐出具から入浴用泡と泡より流量の多い湯水を選択的に吐出させる吐出パターンを安定させる。
【解決手段】泡を供給する泡供給路3a及び泡より流量の多い湯水を供給する湯水供給路4aにノズル流路32の上流側32aを連通させて、ノズル流路32の下流端に吐出口33を開設したノズル31を備え、ノズル流路32は、上流側から吐出口へ向かう縦方向を横断する横方向に沿った幅寸法を厚み寸法より大きく形成した全体領域Eを横方向でスリット領域Fと拡大領域Gとに区分し、スリット領域Fがその幅寸法をその厚み寸法より大きくし、拡大領域Gがその厚み寸法をスリット領域の厚み寸法より大きくし且つその幅寸法をその厚み寸法と同等又はそれ以上とし、選択的に供給される湯水を全体領域Eから吐出させると共に泡を拡大領域Gから吐出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入浴用泡又は泡より流量の多い湯水を吐出させる吐出具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、泡で入浴ができる泡式入浴システムとしては、浴槽と、浴槽に温かな泡(以下、「温泡」と言う。)を供給する温泡供給装置と、浴槽内に向けて温泡を吐出させる吐出口と、温泡供給装置と吐出口を連通させる温泡供給路(ダクト)とを備えたものがある(特許文献1,特許文献2)。
【0003】
また、湯水を浴槽内に向けて吐出させる温水用吐水具としては、湯水を供給する湯水供給路に上流側を連通させると共に湯水を滝状に浴槽内に向けて吐出させる幅広の吐水口へ至る下流側の吐水路を設けた温水用吐水具が知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−116730号公報
【特許文献2】特開2002−78770号公報
【特許文献3】特開2001−231700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、泡及び湯水の一方を選択的に浴槽内へ吐出させる入浴システムを得るために、泡用吐出具と温水用吐水具を別個に設けることは、浴槽の回りが煩雑となって使い勝手が非常に悪くなる。そこで、何れか一方の吐出具を設けて兼用させることが考えられる。しかし、泡供給装置の大きさ及びコストを考慮すると、供給する泡の流量を湯水より少なくするのが一般的な仕様となるため、泡用吐出具で流量の多い湯水を吐出させることは流量的に難しく、また、幅広の吐水口を有する温水用吐水具で流量の少ない泡を吐出させることは、吐水口から滝状に泡が吐出することなく複数の筋状となって吐出する等して吐出パターンが安定しない。
【0006】
そこで、本発明は、幅広の吐水口を有する一つの吐出具から入浴用泡又は泡より流量の多い湯水を吐出させるときの吐出パターンを安定させることができる泡・湯水用吐出具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの吐出具から入浴用泡と泡より流量の多い湯水を選択的に吐出させるときの吐出パターンを安定させるために請求項1記載の本発明が採用した手段は、入浴用泡を供給する泡供給路及び泡より流量の多い湯水を供給する湯水供給路にノズル流路の上流側を連通させると共にノズル流路の下流端に吐出口を開設したノズルを備え、選択的に供給される泡又は湯水を吐出口から吐出させるようにした泡・湯水吐出具であって、ノズル流路は、上流側から吐出口へ向かう縦方向を横断する横方向に沿った幅寸法を厚み寸法より大きく形成した全体領域を横方向でスリット領域と拡大領域とに区分し、スリット領域がその幅寸法をその厚み寸法より大きくし、拡大領域がその厚み寸法をスリット領域の厚み寸法より大きくし且つその幅寸法をその厚み寸法と同等又はそれ以上とし、湯水を全体領域から吐出させると共に、泡を拡大領域から吐出させるようにしたことを特徴とする泡・湯水用吐出具である。
【0008】
泡を吐流路の中央寄りから吐出させるために請求項2記載の本発明が採用した手段は、両側のスリット領域の間に拡大領域を形成した請求項1記載の泡・湯水用吐出具である。
【0009】
なお、入浴者の両肩近辺へ吐出できるようにするために、枕を横方向から挟む両側の各々に、泡・湯水用吐出具を配置することもある。また、湯水及び/又は泡の流量を変更する仕様に対応できるようにするために、泡・湯水用吐出具は、泡供給路及び湯水供給路に連通させた凹部を形成した吐水具本体部と、吐水具本体部の凹部へ着脱自在に挿着したノズルとで構成することもある。更に、泡・湯水吐出具は、吐出位置を任意に調整できるように、吐出方向を下向きから上向きまでの範囲で自在に動かすことができるように構成することもある。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の本発明に係る泡・湯水用吐出具は、流量の多い湯水をスリット領域及び拡大領域からなる全体領域から幅方向全域にわたって連続に吐出せると共に、流量の少ない泡を拡大領域から吐出させることで、吐出パターンを安定させることができる。
【0011】
請求項2記載の本発明に係る泡・湯水用吐出具は、泡を吐水路の中央寄りとなる拡大領域から吐出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る泡・湯水用吐出具を備えた入浴システムの実施の形態を示すものであって、図(A)は浴槽を断面して示す概略図、図(B)は浴槽を示す平面図である。
【図2】本発明に係る泡・湯水用吐出具の実施の形態を示すものであって、図(A)は断面した右側面図、図(B)は図(A)のb−bで部分断面した平面図、図(C)は図(A)の矢符cから見た正面図である。
【図3】同実施の形態において、泡・湯水用吐出具の吐水具本体部からノズルを分離した状態を示すものであって、図(A)は部分断面した右側面図、図(B)は図(A)のb−bで断面した平面図である。
【図4】同実施の形態における分離したノズルを示すものであって、図(A)は正面図、図(B)は平面図、図(C)は背面図、図(D)は右側面図、図(E)は断面した平面図、図(F)は断面した右側面図である。
【図5】入浴システムに備えた泡供給装置を示す断面図である。
【図6】本発明に係る泡・湯水用吐出具を備えた入浴システムにおける湯水供給装置の別態様を示す概略図である。
【図7】本発明に係る泡・湯水用吐出具の異なる実施の形態を示すものであって、図(A)は断面した平面図、図(B)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る泡・湯水用吐出具(以下、「本発明吐出具」と言う。)を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1乃至図6は本発明吐出具の第1の実施の形態を示すものであり、本発明吐出具1(本例は二組の本発明吐出具1,1)を備えた入浴システムは、図1に示す如く、本発明吐出具1,1の他に、浴槽2と、入浴に適した温度の泡を供給する泡供給装置3と、適温の湯水を供給する湯水供給装置4と、本発明吐出具1,1の上流側に泡供給装置3及び湯水供給装置4を切替可能に接合する切替装置5とを備え、切替装置5の切替で本発明吐出具1,1から浴槽2の槽内2aへ泡のみ又は湯水のみを吐出Jできるようにしてあり、湯水供給装置4の湯水供給路4aから本発明吐出具1,1へ供給される湯水の総流量Qwが泡供給装置3の泡供給路3aから本発明吐出具1,1へ供給される泡の総流量Qbより多くなるように設定してある。設定する流量は、例えば、湯水供給路4aから供給される湯水の総流量Qwを10リッター/分で、泡供給路3aから供給される泡の総流量Qbを5リッター/分としてある。
【0015】
前記泡供給装置3は、図5に示す如く、泡発生部10、空気供給部11及び泡剤供給部12から構成されている。泡発生部10は、泡剤入りの湯水13を貯溜する容器体14と、湯水13をバブリングするためのノズル15と、湯水13を設定温度に加熱する電気ヒータ等からなる加熱具16と、容器体14内の湯水13の液量(水位)を検知する液面センサ17とを備えている。泡剤供給部12は、湯水供給装置4の後述する第3湯水供給路4cから供給される湯水に、泡の発生を促進すると共に消泡し難くして泡の維持を図るための泡剤(例えば、糖質液,オイル又は洗剤液等)を設定割合で混入して泡剤入りの湯水13を調製しつつ、液面センサ17の検出信号に基づいて湯水13を容器体14内に供給して、湯水13の水面WLが設定水位となるようにしてある。容器体14は、その上部に、発生した泡Hb(泡の平均外径が100〜300μm)を放出する泡放出口14aを有し、泡放出口14aに泡供給路3aが接続されている。バブリング用ノズル15は、空気噴出孔15aが分散して設けられ、空気供給部11のコンプレッサから供給された圧縮空気を空気噴出孔15aから噴出する際に、泡剤入りの湯水13内に泡を発生させる(バブリング)。泡供給装置3は、泡剤供給部12における第3湯水供給路4cとの接合部に設けた湯水用開閉弁18及びノズル15と空気供給部11の間に設けた圧縮空気用開閉弁19の開閉操作で泡Hbの発生又は停止を行なうようにしてある。
【0016】
前記湯水供給装置4は、本例では、図1(A)に示す如く、浴槽2に設けた吸引口具21から浴槽内2aの湯水Hwをポンプ23でポンプアップして、本発明吐出具1,1へ通じる第1湯水供給路4a、浴槽2に設けた噴出口具22に通じる第2湯水供給路4b及び泡供給装置3に通じる第3湯水供給路4cヘ湯水を供給するようにしてある。湯水供給装置4は、本発明吐出具1,1に直結する第1湯水供給路4aへ供給する湯水の流量を、泡供給装置3に通じる第3湯水供給路4cへ供給する湯水の流量に比べて多くしてある。湯水供給装置4は、浴槽内2aの湯水をポンプアップして供給する態様の他に、図6に示す如く、給湯器から出湯する設定温度の湯水を第1湯水供給路4a及び第3湯水供給路4cの選択された一方ヘ供給するように構成することもある。
【0017】
前記切替装置5は、図1(A)に示す如く、湯水供給路4aに設けた第1開閉弁24と、泡供給路3aに設けた第2開閉弁25とを備え、湯水供給路4a及び泡供給路3aの選択した一方と本発明吐出具1,1の上流側とを連通させるように第1開閉弁24及び第2開閉弁25を電磁操作具又は手動操作具で開閉操作するようにしてある。第2開閉弁25は、閉じることで、湯水供給路4aから供給される湯水が泡供給装置3へ逆流するのを阻止することができる。
【0018】
前記二組の本発明吐出具1,1は、図1及び図2に示す如く、泡を供給する泡供給路3a及び泡より流量の多い湯水を供給する第1湯水供給路4aに切替具5を介してノズル流路32の上流側32aを連通させると共に、ノズル流路32(図2参照)の下流端に開設した吐出口33から選択的に供給される泡又は湯水を浴槽2の槽内2aへ吐出させるようにしてある。各組の本発明吐出具1は、図2(A)に示す如く、泡供給路3a及び第1湯水供給路4aに連通する流路34a−1とノズル挿着域34a−2とを有する凹部34aを形成した吐水具本体部34と、ノズル挿着域34a−2へ着脱自在に挿着するノズル31とを備え、凹部34aの流路34a−1へ供給される泡又は湯水をノズル31のノズル流路32へ導いて吐出口33から吐出すようにしてある。各組の本発明吐出具1は、吐水具本体部34の配管を兼ねた脚部34bを備え、浴槽リム部2bの挿通孔2cへ脚部34bを挿通させて、脚部34bに形成したフランジ34cと脚部34bに螺着したナット35で挿通孔2cの周縁を挟圧した状態で固定配置されている。脚部34bは、切替装置5を介して泡供給路3a及び第1湯水供給路4aと凹部34aの流路34a−1とを連通する流路34b−1が形成されている。吐水具本体部34に形成した凹部34aの流路34a−1は、脚部34bの流路34b−1から供給された湯水又は泡の流速を一旦減速させて静圧を高め、ノズル31のノズル流路32の左右幅方向へ分散させて円滑に供給できる大きさに形成してある。本発明吐出具1は、本例では、図1に示す如く、枕28を横方向(本例は左右方向)から挟むようにして左右両側に一組づつ配置してあるが、枕28と切り離して一組だけを備えることもある(図示略)。
【0019】
前記ノズル31のノズル流路32は、図2に示す如く、上流側32aから吐出口33へ向かう縦方向を横断する横方向(左右方向)に沿った幅寸法Ewを厚み寸法(最大寸法である後述する拡大領域Gの厚み寸法Gtとなる。)より大きいく形成した全体領域Eを、横方向でスリット領域F(本例ではスリット領域Fは左右の領域F1,F2に分割されている。)と拡大領域Gとに区分し、スリット領域Fがその幅寸法Fw(本例では、幅寸法Fwは、各領域F1,F2の幅寸法F1w,F2wの総和となる。)をその厚み寸法Ftより大きくし、拡大領域Gがその厚み寸法Gtをスリット領域Fの厚み寸法Ftより大きくし且つその幅寸法Gwをその厚み寸法Gtと同等又はそれ以上とし、湯水Hwを全体領域E(スリット領域F及び拡大領域G)から吐出させると共に、泡Hbを拡大領域Gのみから吐出させるようにスリット領域F及び拡大領域Gの幅寸法及び厚み寸法を設定してある。吐出口33は、全体領域Eをスリット領域Fと拡大領域Gとに区画することにより、スリット領域Fの吐出口33a及び拡大領域Gの吐出口33bに区画されることになる。拡大領域Gには、案内片36が必要に応じて設けられ、通過する泡を拡大領域Gの吐出口33bへ向かう流れを安定させるようにしてある。
【0020】
図1(B)に示す枕28の左右両側に本発明吐出具1を一組づつ配置した本例において、各組の本発明吐出具1が分担して吐出する湯水の流量を5.0リッター/分で、泡の流量を2.5リッター/分としたとき、各組の本発明吐出具1のノズル31におけるノズル流路32の寸法は、図2に示す如く、次の通りに設定される。スリット領域Fの左右の領域F1,F2は、湯水及び泡の供給圧力並びに泡の流動のし易さ等によって異なるが、流入側の幅寸法F1wi及びF2wiの各々が16〜20mm(一般的には18mm)、流出側(吐出口側)の幅寸法F1wo及びF2woの各々が20〜24mm(一般的には22mm)であって、厚み寸法Ftが全域で1.3〜1.7mm(一般的には1.5mm)である。また、拡大領域Gは、幅み寸法Gwが全域で17〜21mm(一般的には19mm)であって、厚み寸法Gtが全域で3.3〜3.7mm(一般的には3.5mm)である。ノズル流路32の上流側32aから吐出口33へ向かう縦方向に沿った奥行き寸法Dは、40〜50mm(一般的には45mm)としてある。スリット領域Fの左右の領域F1(F2)は、末広がりとすることなく、流入側の幅寸法F1wi(F2wi)と流出側(吐出口側)の幅寸法F1wo(F2wo)を同一とすることも可能である。
【0021】
本発明吐出具1における吐水具本体部34に対するノズル31の着脱構造は、図2及び図3に示す如く、吐水具本体部34に設けた凹部34aにノズル31を着脱自在に挿着できるようにすると共に、吐水具本体部34の内側面に設けた前後方向(ノズル31の抜差し方向)の切込み凹部39(本例では4箇所)にノズル34の外側面に突設した差込片40(本例では4箇所)を無理バメ状態で差し込むこようにして、ノズル34に加わる水圧でノズル34が離脱しないようにしてある。なお、本発明吐出具1は、無理バメ状態で差し込んでノズル34を離脱させないようにする以外に、吐水具本体部34の外側からねじ込んだビスをノズル34に連結させる離脱防止構造を採用することも可能である。本発明吐出具1は、ノズル31にシールリング37を外嵌挿着させ、吐水具本体部34の凹部34aの内周面にシールリング37を密着させて、吐水具本体部34とノズル31の隙間から液漏れしないようにしてある。
【0022】
本発明吐出具1は、ノズル34の離脱を容易にするために、図2(A)に示す如く、吐水具本体部34に工具挿入用開口部34dを開設すると共にノズル31に引掛け凹部41を凹設し、ドライバー等からなる引抜き工具42を工具挿入用開口部34dを介して引掛け凹部41に引掛けて、ノズル34を離脱方向である手前側へ引抜き工具42で引き抜いて離脱させるようにしてある。
【0023】
本発明吐出具1は、本例では吐水具本体部34の凹部34aにノズル31を着脱自在に挿着する構造にしてあるが、吐水具本体部34とノズル31を一体に形成した構造(図示略)とすることも可能である。
【0024】
次に、本発明吐出具1,1から浴槽内2aへ湯水Hwのみ又は泡Hbのみを吐出Jさせるときの動作態様を説明する。
(湯水Hwのみを吐出させる動作態様)
図1及び図2に示す如く、湯水供給装置4の第1湯水供給路4aの第1開閉弁24を開くと共に泡供給装置3の泡供給路3aの第2開閉弁25を閉じ、起動中のポンプ23でポンプアップした浴槽内2aの湯水Hwの一部を、第1湯水供給路4a及び吐水具本体部34の流路34b−1,34a−1を通過させてノズル流路31のスリット領域F(F1及びF2)及び拡大領域Gからなる全体領域Eへ導き、吐出口33から浴槽内2aへ湯水Hwを吐出Jさせる。起動中のポンプ23でポンプアップした湯水Hwの残部は、噴出口具22から浴槽内2aへ噴出される。
【0025】
(泡Hbのみを吐出させる態様)
湯水供給装置4の第1湯水供給路4aの第1開閉弁24を閉じると共に泡供給3aの泡供給路3aの第2開閉弁25を開き、起動中のポンプ23でポンプアップした浴槽内2aの湯水Hwの一部を第3湯水供給路4cから泡供給装置3へ供給し、泡供給装置3で発生した泡Hbを、泡供給路3a,吐水具本体部34の流路34b−1,34a−1を通過させてノズル流路31の拡大領域Gへ順次導き、拡大領域Gの吐出口33から浴槽内2aへ湯水Hwを吐出させる。少量の泡は、通過するときの圧力損失がスリット領域F(F1及びF2)に比べて小さい拡大領域Gを通過することになる。拡大領域Gを通過する泡は、スリット領域F(F1及びF2)へ流れようとする泡を、その動圧により拡大領域Gへ引き込むことになる。なお、起動中のポンプ23でポンプアップした湯水Hwの残部は、噴出口具22から浴槽内2aへ噴出される。
【0026】
本発明吐出具1は、流量の多い湯水Hwをスリット領域F(F1及びF2)及び拡大領域Gからなる全体領域Eから幅方向全域にわたって連続に吐出せると共に、流量の少ない泡Hbを拡大領域Gのみから吐出させることで、一つの吐出口33から入浴用泡Hbと泡より流量の多い湯水Hwを選択的に吐出させるときの吐出パターンを安定させることができる。
【0027】
(第2の実施の形態)
図7は第2の実施の形態を示すものであって、本実施の形態に係る本発明吐出具51は、ノズル31のノズル流路32の全体領域Eを、一つのスリット領域Fと拡大領域Gとに区分した点が前記第1の実施の形態に係る本発明吐出具1と大きく異なり、その他の部分については第1の実施の形態と実質的に同一であり、図7において図1乃至図6と同一符号は相当部分を示す。
【符号の説明】
【0028】
1…本発明吐出具、3…泡供給装置、3a…泡供給路、4…湯水供給装置、4a…第1湯水供給路、5…切替具、31…ノズル、32…ノズル流路、32a…上流側、33…吐出口、34…吐水具本体部、34a…凹部、34a−1…流路、34a−2…ノズル挿着域、34b…脚部、34b−1…流路、34c…フランジ、D…ノズル流路の奥行き寸法、E…全体領域、Ew…幅寸法、F…スリット領域、Fw…幅寸法、Ft…厚み寸法、F1…一方(左)の領域、F1w…幅寸法、F2…他方(右)の領域、F2w…幅寸法、G…拡大領域、Gw…幅寸法、Gt…厚み寸法、Hb…泡、Hw…湯水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入浴用泡を供給する泡供給路及び泡より流量の多い湯水を供給する湯水供給路にノズル流路の上流側を連通させると共にノズル流路の下流端に吐出口を開設したノズルを備え、選択的に供給される泡又は湯水を吐出口から吐出させるようにした泡・湯水吐出具であって、ノズル流路は、上流側から吐出口へ向かう縦方向を横断する横方向に沿った幅寸法を厚み寸法より大きく形成した全体領域を横方向でスリット領域と拡大領域とに区分し、スリット領域がその幅寸法をその厚み寸法より大きくし、拡大領域がその厚み寸法をスリット領域の厚み寸法より大きくし且つその幅寸法をその厚み寸法と同等又はそれ以上とし、湯水を全体領域から吐出させると共に、泡を拡大領域から吐出させるようにしたことを特徴とする泡・湯水用吐出具。
【請求項2】
両側のスリット領域の間に拡大領域を形成した請求項1記載の泡・湯水用吐出具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−130911(P2011−130911A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292900(P2009−292900)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】