説明

泡吐出器

【課題】メッシュ等で構成される起泡部材の洗浄が可能で、その操作も容易に行なうことができる泡吐出器を提案する。
【解決手段】大径の空気用シリンダ20及び小径の液用シリンダ21を上下に連設してなるシリンダ部材Bと、液用ピストンC1をステムC2外周下部より突設するとともに、空気用ピストンC3をステムC2外周上部に連携させ、ステムC2上端に吐出ヘッドC5を嵌着して上方付勢状態で上下動可能に装着した作動部材Cとを備え、作動部材Cの上下動により液用シリンダ21内の液と空気用シリンダ20内の空気を合流させて起泡部材76を介して起泡させ、吐出ヘッドC5の吐出口より吐出する如く構成した泡吐出器であって、起泡部材76を、ステムC2上端に嵌着させた連結部材C4に気密・液密且つ着脱可能に螺合させた吐出ヘッドC5内に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は泡吐出器に関し、詳しくは起泡構造を構成するメッシュ等の起泡部材の洗浄を簡単に行なうことができる泡吐出器に関する。
【背景技術】
【0002】
泡吐出器として、大径の空気用シリンダと小径の液用シリンダを上下に同心円状に連設したシリンダ部材と、液用シリンダ内を摺動する液用ピストンをステム外周下部より突設するとともに、空気用シリンダ内を摺動する空気用ピストンをステム外周上部に連繋させ、ステム上端に吐出ヘッドを嵌着して上方付勢状態で上下動可能に装着した作動部材とを備え、作動部材の上下動により液用シリンダ内の液と空気用シリンダ内の空気を合流させて起泡部材を介して起泡させ、吐出ヘッドの吐出口より吐出する如く構成したものが知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
特許文献1に記載されている泡吐出器では、ステムの外周上端部に吐出ヘッドの縦筒を嵌着し、この縦筒内のステム直上部からステム内上端部にわたり嵌着させた筒部材内に起泡部材を嵌着している。起泡部材はメッシュを一端面に張設した筒体を一対筒部材内に嵌着することで構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−202122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のこの種の泡吐出器では、吐出ヘッドが簡単に離脱しないように、嵌合強度を大きくしてステムに対して吐出ヘッドの強固な嵌合を行なっている。その結果起泡部材を構成するメッシュの洗浄が事実上できないように構成されている。メッシュを通過する起泡性の液体或いはメッシュで起泡された泡は一般に乾燥固化しやすく長期の使用でメッシュに目詰まりを生じる虞もある。
【0006】
本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、メッシュ等で構成される起泡部材の洗浄が可能で、その操作も容易に行なうことができる泡吐出器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の手段として、以下の通り構成した。即ち、容器体100の口頸部101外周に嵌合させる装着キャップAに上端部を固定して容器体100内に垂下するとともに、大径の空気用シリンダ20及び小径の液用シリンダ21を上下に同心円状に連設してなるシリンダ部材Bと、液用シリンダ21内を摺動する液用ピストンC1をステムC2外周下部より突設するとともに、空気用シリンダ20内を摺動する空気用ピストンC3をステムC2外周上部に連携させ、ステムC2上端に吐出ヘッドC5を嵌着して上方付勢状態で上下動可能に装着した作動部材Cとを備え、作動部材Cの上下動により液用シリンダ21内の液と空気用シリンダ20内の空気を合流させて起泡部材76を介して起泡させ、吐出ヘッドC5の吐出口より吐出する如く構成した泡吐出器であって、ステムC2の上端部に基端部を嵌着してステムC2内と連通する螺筒62を起立した連結部材C4を設け、内部を吐出口と連通する縦筒70を螺筒62内に気密・液密に螺着させて着脱可能に吐出ヘッドC5を装着し、縦筒70内下端部に起泡部材76を嵌着固定した。
【0008】
第2の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、作動部材Cが、下端部内周に環状凹部58を凹設した嵌着筒55をステムC2外周上端部に嵌着し、嵌着筒55の上端より内方に延設したフランジ56を介してステムC2内周上端部に嵌合する内筒57を垂設し、フランジ56上に螺筒62を起立した連結部材C4と、下端をステムC2外周に突設した空気吐出弁用の弁座39とで空気吐出弁49を構成し、上端を環状凹部58外周面に摺動可能に嵌合させてステムC2外周に上下動可能に嵌合させた筒状弁部45を備え、筒状弁部45の外面より突設した隔壁46を介して空気用シリンダ20に摺動する摺動部47を備えた空気用ピストンC3と、螺筒62内に気密・液密に螺合させた縦筒70の上部に基端を開口してノズル74を延設した吐出ヘッドC5とを備え、起泡部材76として吐出ヘッドC5の縦筒70内下端部に嵌着した筒体76bの端面にメッシュ76aを張設した。
【0009】
第3の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段又は第2の手段のいずれかの手段に於いて、装着キャップAの頂壁11上に可撓性のガイド筒12を起立するとともに、ガイド筒12内面と連結部材C4の外面下部とに、ガイド筒12を内方へ押し潰した際に互いに係合する係合手段を設けた。
【0010】
第4の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第3の手段に於いて、ガイド筒12外周に着脱可能に嵌合させた嵌合部85を備えるスペーサーEを設け、連結部材C4の螺筒62上端より外方へ延設したフランジ部63を介して、嵌合部85の上面に下面を当接する外筒部64を垂設した。
【0011】
第5の手段とて、以下の通り構成した。即ち、前記第3の手段に於いて、ガイド筒12外周に着脱可能に嵌合させた嵌合部85を備えるスペーサーEを設け、嵌合部85の上面に下面を当接する内側の垂壁部73を吐出ヘッドC5の頂壁11裏面より垂設した。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ステムC2の上端部に基端部を嵌着してステムC2内と連通する螺筒62を起立した連結部材C4を設け、内部を吐出口と連通する縦筒70を螺筒62内に気密・液密に螺着させて着脱可能に吐出ヘッドC5を装着し、縦筒70内下端部に起泡部材76を嵌着固定したので、必要に応じて吐出ヘッドC5を連結部材C4から螺脱することで起泡部材76の洗浄を容易に行うこができる。しかも、洗浄に当たっては単に吐出ヘッドC5を螺脱するという簡単な操作で行うことができ、また、洗浄後は螺着するだけでもとの状態に戻すことができる。更に、従来品と比較しても部材数を増加することなく製造できる利点がある。
【0013】
作動部材Cが、下端部内周に環状凹部58を凹設した嵌着筒55をステムC2外周上端部に嵌着し、嵌着筒55の上端より内方に延設したフランジ56を介してステムC2内周上端部に嵌合する内筒57を垂設し、フランジ56上に螺筒62を起立した連結部材C4と、下端をステムC2外周に突設した空気吐出弁用の弁座39とで空気吐出弁49を構成し、上端を環状凹部58外周面に摺動可能に嵌合させてステムC2外周に上下動可能に嵌合させた筒状弁部45を備え、筒状弁部45の外面より突設した隔壁46を介して空気用シリンダ20に摺動する摺動部47を備えた空気用ピストンC3と、螺筒62内に気密・液密に螺合させた縦筒70の上部に基端を開口してノズル74を延設した吐出ヘッドC5とを備え、起泡部材76として吐出ヘッドC5の縦筒70内下端部に嵌着した筒体76bの端面にメッシュ76aを張設した場合には、相互の組み付け操作を容易に行えるという特徴を備え、各部材をコンパクトに効率良く組み付けることができる利点がある。
【0014】
装着キャップAの頂壁11上に可撓性のガイド筒12を起立するとともに、ガイド筒12内面と連結部材C4の外面下部とに、ガイド筒12を内方へ押し潰した際に互いに係合する係合手段を設けた場合には、吐出ヘッドC5の螺脱或いは螺着を容易に行えるという特徴がある。この種の泡吐出器では、作動部材Cは装着キャップAやシリンダ部材Bに対して回動可能に装着されているのが一般的であるが、本発明では、吐出ヘッドC5の螺脱或いは螺着の際に作動部材Cと装着キャップAとを一体に抑えておくことができ、容易な螺着、螺脱が可能となる。
【0015】
ガイド筒12外周に着脱可能に嵌合させた嵌合部85を備えるスペーサーEを設け、連結部材C4の螺筒62上端より外方へ延設したフランジ部63を介して、嵌合部85の上面に下面を当接する外筒部64を垂設した場合には、ガイド筒12の存在で不使用時の作動部材Cの誤った押し下げを確実に防止できる。
【0016】
ガイド筒12外周に着脱可能に嵌合させた嵌合部85を備えるスペーサーEを設け、嵌合部85の上面に下面を当接する内側の垂壁部73を吐出ヘッドC5の頂壁11裏面より垂設した場合には、同様にガイド筒12の存在で不使用時の作動部材Cの誤った押し下げを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】泡吐出器の縦断面図である。(第1実施例)
【図2】泡吐出器の吐出ヘッドを外した状態の縦断面図である。(第1実施例)
【図3】係合手段を説明する説明図である。(第1実施例)
【図4】泡吐出器の縦断面図である。(第2実施例)
【図5】泡吐出器の吐出ヘッドを外した状態の縦断面図である。。(第2実施例)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1乃至図3は本発明の泡吐出器の第1実施例を示す。泡吐出器1は、装着キャップAと、シリンダ部材Bと、作動部材Cと、ポペット弁体Dと、スペーサーEとを備えている。
【0020】
装着キャップAは、泡吐出器1を容器体100に固定するためのもので、容器体100の口頸部101外周に嵌合させる周壁10の上端縁より、中央に作動部材Cを貫通させる窓孔を開口した頂壁11を延設し、窓孔周縁より上方へガイド筒12を立設している。このガイド筒12は可撓性で、外方からの押圧で内方へ弾性変形可能に形成されており、内面上端部には係合手段を構成するための係合凹部13を周方向多数凹設している。本例に於ける係合凹部13はガイド筒12の内周上端部に周方向等間隔に多数突設した縦突条形態の突部14間にそれぞれ形成している。
【0021】
シリンダ部材Bは、大径の空気用シリンダ20の下部に、小径の液用シリンダ21を同心円状に延設している。液用シリンダ21は、空気用シリンダ20の底壁部内周縁に周壁部の上端縁を連結して下方へ垂設し、周壁部の下端縁より中央を開口したテーパ状の底壁部を延設し、底壁部の上面を吸込み弁用の弁座22として構成している。また、底壁部の中央開口縁よりパイプ嵌合筒23を一体に垂設し、パイプ嵌合筒23に吸い上げ用のパイプ24の上端を嵌着しその下端を容器体100内下端部に垂下させている。更に、液用シリンダ21内面の底壁部外縁部から周壁部下端部に至る部分に、周方向複数の係止リブ25を突設している。各係止リブ25の上下中間部には上向き段部を設けている。
【0022】
作動部材Cは、シリンダ部材Bに対して上方付勢状態で上下動可能に組み付けしたもので、液用ピストンC1と、ステムC2と、空気用ピストンC3と、連結部材C4と、吐出ヘッドC5とを備えている。
【0023】
液用ピストンC1は、ステムC2内下部に嵌着した嵌合筒部30の下端外周より外方へ上下スカート状の摺動部31を突設し、摺動部31を液用シリンダ21内周に液密摺動可能に嵌合させている。また、嵌合筒部30の上端部はステムC2内の上下方向中間部に於いて突条形態の逆止弁用の弁座32を形成している。そして、液用ピストンC1の嵌合筒部30下面と各係止リブ25の上向き段部との間にコイルスプリングsを介在させて作動部材Cを常時上方へ付勢させている。
【0024】
ステムC2は、上下端を開口した筒状をなし、液用シリンダ21に摺動する液用ピストンC1を下部外周に突設するとともに、空気用シリンダ20内を摺動する空気用ピストンC3を外周上部に連携させて、液用シリンダ21内及び空気用シリンダ20内を上下動可能に装着されている。ステムC2内上部には吐出弁用の弁座35を形成し、玉状弁体36とで吐出弁37を形成しており、また、吐出弁用の弁座35の下面から逆止弁用の弁座32の直上までの間に周方向複数の縦突条38を突設している。更に、外面上下方向中間部にはフランジ状に突設した空気吐出弁用の弁座39を突設しており、その上方の筒壁外周には周方向複数の縦突条40を突設している。
【0025】
空気用ピストンC3は、内周縁の筒状弁部45をステムC2外周に小幅の上下動が可能に嵌合させ、筒状弁部45外周より延設した階段状の隔壁46を介して、空気用シリンダ20内周に液密摺動可能に嵌合した上下スカート状の摺動部47延設している。筒状弁部45はステムC2外周の縦突条40外面に上下動可能に嵌合させている。また,空気用シリンダ20の階段状の隔壁46には外気を導入するための外気導入弁48を設けている。外気導入弁48は、下降した作動部材Cが上昇する際に空気用シリンダ20内が負圧となることで開弁し、外気を導入する。
【0026】
また、後述する如く、ステムC2の外周上端部には内周下端部に環状凹部58を凹設した連結部材C4の嵌着筒55を嵌合しており、筒状弁部45はその環状凹部の頂面と、空気吐出弁用の弁座39との間を上下動可能に装着しており、筒状弁部45の下端部と空気吐出弁用の弁座39とで空気吐出弁49を構成している。そして、ステムC2と筒状弁部45との間に、空気吐出弁49から環状凹部58内に連通し、空気用シリンダ20内からステムC2内へ連通する空気供給路pを構成する通気路を備えている。この空気吐出弁49は、図1に示す作動部材Cが最上方へ押し上げられている場合には閉塞しており、作動部材Cを押し下げた際には開弁し、更に押し下げ状態から上方付勢力により上昇する際には閉塞する如く構成している。
【0027】
連結部材C4は、ステムC2の外周上端部に嵌着させた嵌着筒55の上端より内方へフランジ56を延設し、フランジ56の内周縁よりステムC2の内周上端部に嵌着させた内筒57を垂設し、その下方の吐出弁37下流位置に気液混合室Rを画成している。嵌着筒55の下端内周には環状凹部58を凹設しており、環状凹部58の外周面に空気用ピストンC3の筒状弁部45上端縁を気密・液密に摺動させている。嵌着筒55の外周には係合手段を構成する係合凸部59が等間隔に4カ所突設されている。また、内筒57の下面からは玉状弁体36の上昇幅を規制する規制突起60を複数突設している。更に、フランジ56の上からは内周下端部にシール突条61突周設し、その上方に螺状を周設した螺筒62を立設している。また、螺筒62の上端縁より外方へ延設したフランジ部63を介して外筒部64を垂設している。
【0028】
そして、環状凹部58からステムC2と嵌着筒55との間、ステムC2とフランジ56との間、ステムC2と内筒57との間を通り、連結部材C4の下方のステムC2内に連通する通気路を設けており、ステムC2と筒状弁部45との間の通気路とあわせて、空気用シリンダ20から空気吐出弁49を介して気液混合室Rに至る空気供給路pとして構成している。
【0029】
吐出ヘッドC5は連結部材C4のシール突条61に外周下端部を気密・液密に嵌合させるとともに、その上部の螺状を螺筒62内面の螺状に螺合させた縦筒70を頂板71裏面より垂設し、頂板71の周縁部からは外側の垂壁部72を垂設し、また、縦筒70と外側の垂壁部72との中間に内側の垂壁部73を垂設しており、更に、縦筒70の上端に基端を開口して、内側の垂壁部73、外側の垂壁部72を貫通して前方へ突設したノズル74を延設し、その先端に吐出口を開口している。内側の垂壁部73と縦筒70との間には補強用リブ75を掛け渡している。また、縦筒70内下端部には起泡部材76を設けている。起泡部材76は、メッシュ76aを張設した筒体76bを一対用意して、メッシュ76aが上端及び下端になる如く縦筒70内に嵌着させて構成している。尚、図示例では筒体を一対設けているが、メッシュを張設した筒体を一つ嵌着することも、三個以上嵌着することも可能であり、適宜選択することが可能である。
【0030】
ポペット弁体Dは、下端部外面に、それぞれ液用シリンダ21の係止リブ25間に位置させる、周方向複数の係止突部80を突設しており、液用シリンダ21内からステムC2内下部に至る長さを有しており、吸込み弁用の弁座22と下面が当接する位置から、各係止突部80がコイルスプリングs下面に当接する位置までの上下動が可能に装着している。各係止突部80上方は、下部を大径部に上部を小径部に形成しており、小径部の上端にはテーパ筒状に拡開する逆止弁体81を形成し、この逆止弁体81と逆止弁用の弁座32とで逆止弁82を形成している。また、ポペット弁体Dの下端部と吸込み弁用の弁座22とで吸込み弁83を構成している。
【0031】
スペーサーEはガイド筒12外周に着脱可能に嵌合させた円弧板状の嵌合部85と、嵌合部85の後面より後方へ突設した板状の摘まみ部86とから構成している。装着したスペーサーEの嵌合部85上面は連結部材C4の外筒部64下面に当接して作動部材Cの押し下げを防止する。また、装着にあたっては嵌合部85を弾性的に開く如く強制的にガイド筒12外周に嵌合させる。
【0032】
上記泡吐出器Bは、図1の状態からスペーサーEを外して吐出ヘッドC5を押し下げると、空気用ピストンC3がステムC2に対して相対的に上昇して空気吐出弁49が開き、下降する空気用ピストンC3により空気用シリンダ20内の空気が加圧されて空気供給路pを介して気液混合室R内に導入される。一方、液用シリンダ21が下降してポペット弁体Dを吸込み弁用の弁座22に当接させるまで下降させるとともに、ポペット弁体DがステムC2に対して相対的に上昇して逆止弁82が開き、液用シリンダ21内の加圧液を吐出弁37を介して気液混合室Rに導入させ、ここで気液を混合する。この際ポペット弁体DはステムC2に対して相対的に上昇する。気液混合室Rで混合された気液はメッシュ76aを通過して発泡し、吐出ヘッドC5のノズル74から外部へ吐出される。
【0033】
吐出ヘッドC5の押圧を解除すると、コイルスプリングsの付勢力により作動部材Cが上昇し、その際空気用ピストンC3がステムC2に対して相対的に下降して空気吐出弁49が閉じ、空気用シリンダ20内の負圧化によって外気導入弁48が開いて外気が空気用シリンダ20内に導入される。一方、ステムC2の上昇によりポペット弁体Dは、逆止弁82と各縦突条38の摩擦力で上昇し、吸込み弁83が開いて負圧化した液用シリンダ21内に容器体100内の液が導入され、その際吐出弁37は閉じる。ポペット弁体Dはその係止突部80がコイルスプリングsの下面に当接するまで上昇するが、その後はステムC2に対して、逆止弁体81が逆止弁用の弁座32に当接するまで相対的に下降する。
【0034】
本発明では、吐出ヘッドC5を連結部材C4に螺着しているため、必要に応じて図2に示す如く、螺脱することが可能であり、その際、例えば図3に示す如く、可撓性のガイド筒12を両側から押圧することで両側の係合凹部13が連結部材C4の嵌着筒55外周の係合凸部59に嵌合し、装着キャップAに対して作動部材Cが回動しないように押さえることができ、簡単に吐出ヘッドC5を螺脱させることができる。同様に螺着する場合も装着キャップAに対して作動部材Cが固定され容易な螺着が可能となる。
【0035】
図4及び図5は、第2実施例を示し、本例では、図1の例に於いて、連結部材C4が、フランジ部63及び外筒部64が形成されていない構成となっている。即ち、連結部材C4は、ステムC2の外周上端部に嵌着させた嵌着筒55の上端より内方へフランジ56を延設し、フランジ56の内周縁よりステムC2の内周上端部に嵌着させた内筒57を垂設し、その下方の吐出弁37下流位置に気液混合室Rを画成している。嵌着筒55の下端内周には環状凹部58を凹設しており、環状凹部58の外周面に空気用ピストンC3の筒状弁部45上端縁を気密・液密に摺動させている。嵌着筒55の外周には係合手段を構成する係合凸部59が等間隔に4カ所突設されている。また、内筒57の下面からは玉状弁体36の上昇幅を規制する規制突起60を突設している。更に、フランジ56の上からは内周下端部にシール突条61を突周設し、その上方に螺状を周設した螺筒62を立設している。
【0036】
また、吐出ヘッドC5は、図1の例に於いて、内側の垂壁部73を長く垂設した形態をなしている。即ち、吐出ヘッドC5は連結部材C4のシール突条61に外周下端部を気密・液密に嵌合させるとともに、その上部の螺状を螺筒62内面の螺状に螺合させた縦筒70を頂板71裏面より垂設し、頂板71の周縁部からは外側の垂壁部72を垂設し、また、縦筒70と外側の垂壁部72との中間に内側の垂壁部73を垂設しており、内側の垂壁部73はガイド筒12の外周上端部まで下端を垂下し、長く形成している。更に、縦筒70の上端に基端を開口して、内側の垂壁部73、外側の垂壁部72を貫通して前方へ突設したノズル74を延設し、その先端に吐出口を開口している。内側の垂壁部73上部と縦筒70上部との間には補強用リブ75を掛け渡している。また、縦筒70内下端部には起泡部材76を設けている。起泡部材76は、メッシュ76aを張設した筒体76bを一対用意して、メッシュ76aが上端及び下端になる如く縦筒70内に嵌着させて構成している。
【0037】
本例の場合には、内側の垂壁部73の下面がスペーサーEの上面に当接して作動部材Cの押し下げを防止する如く構成している。その他の構成、作用は図1の例と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
【符号の説明】
【0038】
1:泡吐出器
A:装着キャップ
10…周壁、11…頂壁、12…ガイド筒、13…係合凹部、14…突部
B:シリンダ部材
20…空気用シリンダ、21…液用シリンダ、22…吸込み弁用の弁座、
23…パイプ嵌合筒、24…吸い上げ用のパイプ、25…係止リブ
C:作動部材
C1:液用ピストン
30…嵌合筒部、31…摺動部、32…逆止弁用の弁座
C2:ステム
35…吐出弁用の弁座、36…玉状弁体、37…吐出へン、38…縦突条、
39…空気吐出弁用の弁座、40…縦突条、
C3:空気用ピストン
45…筒状弁部、46…階段状の隔壁、47…摺動部、48…外気導入弁、
49…空気吐出弁、50…隙間
C4:連結部材
55…嵌着筒、56…フランジ、57…内筒、58…環状凹部、59…係合凸部、
60…規制突起、61…シール突条、62…螺筒、63…フランジ部、64…外筒部、
65…通気路
C5:吐出ヘッド
70…縦筒、71…頂板、72…外側の垂壁部、73…内側の垂壁部、74…ノズル、
75…補強用リブ、76…起泡部材、76a…メッシュ、76b…筒体
D:ポペット弁体
80…係止突部、81…逆止弁体、82…逆止弁、83…吸込み弁
E:スペーサー
85…嵌合部、86…摘まみ部
s:コイルスプリング
p:空気供給路
R:気液混合室
100:容器体
101…口頸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体(100)の口頸部(101)外周に嵌合させる装着キャップ(A)に上端部を固定して容器体(100)内に垂下するとともに、大径の空気用シリンダ(20)及び小径の液用シリンダ(21)を上下に同心円状に連設してなるシリンダ部材(B)と、液用シリンダ(21)内を摺動する液用ピストン(C1)をステム(C2)外周下部より突設するとともに、空気用シリンダ(20)内を摺動する空気用ピストン(C3)をステム(C2)外周上部に連携させ、ステム(C2)上端に吐出ヘッド(C5)を嵌着して上方付勢状態で上下動可能に装着した作動部材(C)とを備え、作動部材(C)の上下動により液用シリンダ(21)内の液と空気用シリンダ(20)内の空気を合流させて起泡部材(76)を介して起泡させ、吐出ヘッド(C5)の吐出口より吐出する如く構成した泡吐出器であって、ステム(C2)の上端部に基端部を嵌着してステム(C2)内と連通する螺筒(62)を起立した連結部材(C4)を設け、内部を吐出口と連通する縦筒(70)を螺筒(62)内に気密・液密に螺着させて着脱可能に吐出ヘッド(C5)を装着し、縦筒(70)内下端部に起泡部材(76)を嵌着固定したことを特徴とする泡吐出器。
【請求項2】
作動部材(C)が、下端部内周に環状凹部(58)を凹設した嵌着筒(55)をステム(C2)外周上端部に嵌着し、嵌着筒(55)の上端より内方に延設したフランジ(56)を介してステム(C2)内周上端部に嵌合する内筒(57)を垂設し、フランジ(56)上に螺筒(62)を起立した連結部材(C4)と、下端をステム(C2)外周に突設した空気吐出弁用の弁座(39)とで空気吐出弁(49)を構成し、上端を環状凹部(58)外周面に摺動可能に嵌合させてステム(C2)外周に上下動可能に嵌合させた筒状弁部(45)を備え、筒状弁部(45)の外面より突設した隔壁(46)を介して空気用シリンダ(20)に摺動する摺動部(47)を備えた空気用ピストン(C3)と、螺筒(62)内に気密・液密に螺合させた縦筒(70)の上部に基端を開口してノズル74を延設した吐出ヘッド(C5)とを備え、起泡部材(76)として吐出ヘッド(C5)の縦筒(70)内下端部に嵌着した筒体(76b)の端面にメッシュ(76a)を張設した請求項1に記載の泡吐出器。
【請求項3】
装着キャップ(A)の頂壁(11)上に可撓性のガイド筒(12)を起立するとともに、ガイド筒(12)内面と連結部材(C4)の外面下部とに、ガイド筒(12)を内方へ押し潰した際に互いに係合する係合手段を設けた請求項1又は請求項2に記載の泡吐出器。
【請求項4】
ガイド筒(12)外周に着脱可能に嵌合させた嵌合部(85)を備えるスペーサーEを設け、連結部材(C4)の螺筒(62)上端より外方へ延設したフランジ部(63)を介して、嵌合部(85)の上面に下面を当接する外筒部(64)を垂設した請求項3に記載の泡吐出器。
【請求項5】
ガイド筒(12)外周に着脱可能に嵌合させた嵌合部(85)を備えるスペーサーEを設け、嵌合部(85)の上面に下面を当接する内側の垂壁部(73)を吐出ヘッド(C5)の頂壁(11)裏面より垂設した請求項3に記載の泡吐出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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