説明

泡吐出用アダプタ及び泡吐出装置

【課題】簡便且つ安価な構成でありながら、商品の差別化を図ることによって、その商品価値を大幅に向上させることを可能とした泡吐出用アダプタ及び泡吐出装置を提供する。
【解決手段】ノズル104bが設けられたノズルヘッド104を押圧操作することによって容器本体101に収容された内容液をノズル104bから泡状に吐出させる泡吐出装置100のノズルヘッド104に装着される泡吐出用アダプタ1であって、ノズル104bに接続されて、泡状の内容液を吐出させる複数の吐出口2を有し、且つ、ノズルヘッド104の1回の押圧操作で、ある形態を模した泡の造形物を形成するように、各吐出口2の位置及び径が設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルヘッドを押圧操作することによって容器本体に収容された内容液を泡状に吐出させる泡吐出装置に装着可能な泡吐出用アダプタ、並びに泡吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ポディソープや、ハンドソープ、洗顔料、シャンプー、整髪剤などを内容液として容器本体に収容し、この容器本体に装着された泡ポンプディスペンサーのノズルヘッドを押圧出操作することによって、内容液を泡状にして吐出させる泡吐出容器がある(例えば、特許文献1〜6を参照。)。
【特許文献1】特開2005−187411号公報
【特許文献2】特開2005−154651号公報
【特許文献3】特開2003−206499号公報
【特許文献4】特開2002−47172号公報
【特許文献5】特開2005−23282号公報
【特許文献6】特開2005−162666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、例えばハンドソープを内容液として収容した泡吐出容器は、吐出されたハンドソープを使用者が泡立てる必要がないため、特に泡立てが上手にできない小さな子供にとって使い易い商品として人気を集めている。
【0004】
しかしながら、このような従来の泡吐出容器は、泡立てる手間を省き、小さな子供でも簡単に使用できる一方、他社との商品の差別化が難しく、商品の差別化による市場シェアの拡大を図るために、更なる工夫が求められている。
【0005】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、簡便且つ安価な構成でありながら、商品の差別化を図ることによって、その商品価値を大幅に向上させることを可能とした泡吐出用アダプタ及び泡吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、泡の見た目の楽しさを向上させることで、商品の差別化を図りつつ、その商品価値を大幅に向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本願の請求項1に係る発明は、ノズルが設けられたノズルヘッドを押圧操作することによって容器本体に収容された内容液をノズルから泡状に吐出させる泡吐出装置のノズルヘッドに装着される泡吐出用アダプタであって、ノズルに接続されて、泡状の内容液を吐出させる複数の吐出口を有し、且つ、ノズルヘッドの1回の押圧操作で、ある形態を模した泡の造形物を形成するように、各吐出口の位置及び径が設定されていることを特徴とする泡吐出用アダプタである。
【0008】
また、本願の請求項2に係る発明は、複数の吐出口の、それぞれ先端が下向きに突出されたノズル形状を有することを特徴とする請求項1に記載の泡吐出用アダプタである。
【0009】
また、本願の請求項3に係る発明は、ノズルヘッドに対して着脱自在とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の泡吐出用アダプタである。
【0010】
また、本願の請求項4に係る発明は、ノズルが設けられたノズルヘッドを押圧操作することによって容器本体に収容された内容液をノズルから泡状に吐出させる泡吐出装置であって、請求項1〜3の何れか一項に記載の泡吐出用アダプタを備えることを特徴とする泡吐出装置である。
【0011】
また、本願の請求項5に係る発明は、複数のノズルが設けられたノズルヘッドを押圧操作することによって容器本体に収容された内容液を各ノズルから泡状に吐出させる泡吐出装置であって、ノズルヘッドの1回の押圧操作で、ある形態を模した泡の造形物を形成するように、各ノズルの位置及び径が設定されていることを特徴とする泡吐出装置である。
【0012】
また、本願の請求項6に係る発明は、複数のノズルの、それぞれ先端が下向きに突出された形状を有することを特徴とする請求項5に記載の泡吐出装置である。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、簡便且つ安価な構成でありながら、泡の見た目の楽しさを向上させることによって、商品の差別化を図りつつ、その商品価値を大幅に向上させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば図1及び図2に示す本発明を適用した泡吐出用アダプタ1を備える泡吐出容器100について説明する。
【0015】
泡吐出容器100は、図1及び図2に示すように、例えば内容液としてハンドソープが収容された容器本体101と、この容器本体101に収容されたハンドソープを泡状に吐出させる泡ポンプディスペンサー(泡吐出機構)102とを備えている。また、この泡ポンプディスペンサー102は、例えば容器本体2の口頸部に螺合により装着された装着キャップ103を介して容器本体2に取り付けられている。本発明を適用した泡吐出装置は、このような泡ポンプディスペンサー102が装着された容器本体101によって、いわゆる縦型手動式の泡ポンプ付き容器(泡吐出容器)を構成している。
【0016】
具体的に、容器本体101は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂材料をブロー成形によりボトル状に成形したものからなる。容器本体2の形状については、特に限定されないものの、この容器本体101の上端部には、略円筒状に縮径された口頸部が設けられ、この口頸部の外周面に装着キャップ103を螺合により装着するためのネジ部が形成されている。
【0017】
泡ポンプディスペンサー102は、装着キャップ103の中央に設けられた筒状部103aから上方に向かって突出されると共に、上方に付勢された状態で上下方向に移動可能に支持されたステム(図示せず。)の上端部に取り付けられたノズルヘッド104を備えている。
【0018】
ノズルヘッド104は、ステムの上端部に位置するヘッド部104aと、このヘッド部104aの側面から延長されたノズル部104bとを有している。このうち、ヘッド部104aは、使用者に押圧操作される部分であり、その内側には、後述する泡ポンプ機構により圧送されたハンドソープをステムからノズル部104bへと導く流路(図示せず。)が設けられている。一方、ノズル部104bは、先端から泡状のハンドソープを吐出させる部分であり、ヘッド部104の流路と連通されると共に、ヘッド部104aの側方からほぼ水平方向に突出された先細形状を有している。
【0019】
また、泡ポンプディスペンサー102は、このノズルヘッド104を押圧操作してステムを付勢力に抗して押し下げることにより、容器本体101に収容されたハンドソープを空気と混合して泡状としながら、ステムを通じてノズルヘッド104側へと圧送する泡ポンプ機構を備えている。
【0020】
この泡ポンプ機構には、従来公知の泡ポンプ機構を用いることができ、例えば、泡ポンプディスペンサー102が備える泡ポンプ機構は、図示を省略するものの、内部を液用ピストンが摺動する液用シリンダと、内部を空気用ピストンが摺動する空気用シリンダと、ステムの下端部に接続されて、このステムと共にコイルスプリング(付勢手段)により上方に付勢された状態の液用ピストン及び空気用ピストンを一体的に押し下げる筒状のピストンガイドと、液用シリンダから供給されるハンドソープ(内容液)と空気用シリンダから供給される空気とが混合される混合室と、ステムと混合室との間の流路に配置されたメッシュリング(発泡用部材)とを概略備えている。
【0021】
そして、この泡吐出容器100は、ノズルヘッド104を押圧操作して、ステム及びピストンガイドと共に、液用ピストン及び空気用ピストンをコイルスプリングの付勢力に抗して押し下げることにより、混合室内で空気と混合されたハンドソープをメッシュリングにより発泡させながら、この泡状のハンドソープをピストンガイド及びステムを通してノズルヘッド104側へと圧送し、ノズルヘッド104のノズル部104bから泡状のハンドソープ(以下、単に泡という。)を吐出させる構造となっている。
【0022】
本発明を適用した泡吐出用アダプタ1は、上記泡吐出容器100のノズルヘッド104に取り付けて使用されるものであり、この泡吐出用アダプタ1が取り付けられた泡吐出容器100では、上述したノズルヘッド104の1回の押圧操作で定量吐出される泡から、ある形態を模した泡の造形物(第1の実施形態では、子熊のキャラクタを模した泡の造形物。)を形成することが可能となっている。
【0023】
具体的に、この泡吐出用アダプタ1は、図3(a)〜(c)に示すように、複数の吐出口2a〜2c(図1及び図2においては吐出口2で示す。)が設けられた泡造形部3と、上記ノズルヘッド104に装着される装着部4とを備えている。
【0024】
泡造形部3は、子熊の顔を象った泡の造形物を形成するように、その位置及び径が設定された3つの吐出口2a〜2cを有している。すなわち、これら3つの吐出口2a〜2cは、泡造形部3の下面3aにおいて三角形の各頂点に位置するように配置され、そのうち1つの吐出口2aが残りの2つの吐出口2b,2cよりも大きい径を有している。なお、泡造形部3は、吐出される泡の形状が子熊のキャラクタを模したことを使用者に認識し易くするために、子熊の顔を象った外観形状を有している。
【0025】
また、これら3つの吐出口2a〜2cは、それぞれ先端が泡造形部3の下面3aから鉛直下向きに円筒状に突出されたノズル形状を有している。各吐出口2a〜2cは、このようなノズル形状を有することで、各吐出口2a〜2cから吐出された泡が泡造形部3の下面3aで一塊の泡となることを防止している。すなわち、本発明を適用した泡吐出用アダプタ1では、各吐出口2a〜2cから吐出された泡が泡造形部3の下面3aで一塊とならないように、各吐出口2a〜2cを下向きに突出されたノズル形状とすることが好ましい。
【0026】
また、泡造形部3は、上記ノズルヘッド104のノズル部104bと接続される接続部5と、この接続部5に接続されたノズル部104bから吐出された泡を各吐出口2a〜2cへと導く流路6とを有している。
【0027】
接続部5は、ノズル部104bの先端が嵌合される部分であり、泡造形部3の装着部4側の側面に位置して設けられている。また、接続部5には、ノズル部104bの先端に臨む導入口5aが設けられ、この導入口5aの周囲には、ノズル部104bとの間から泡が漏れ出さないようにリング状のパッキン7が配置されている。流路6は、泡造形部3内で分岐しながら、導入口5aと各各吐出口2a〜2cとの間を連結している。
【0028】
装着部4は、上記ノズルヘッド104のヘッド部104aの側面を覆う側壁部8と、ヘッド部104aの上面を覆う上壁部9とを有し、ノズル部104bの先端を接続部5の内側に嵌合させた状態で、ヘッド部104aに被せることが可能となっている。
【0029】
なお、この泡吐出用アダプタ1は、2ピース構造を有しており、泡造形部3の本体部分と装着部4とが一体に成形されたプラスチック製のアダプタ本体1Aに、泡造形部3の下面3a側を構成するプラスチック製のパーツ1Bを嵌め込むことによって形成されている。
【0030】
また、このような泡吐出用アダプタ1に使用されるプラスチック材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、飽和ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、プロピオン酸セルロース、ポリウレタン、ポリアミド、ABS(アクロル二トリル・ブタジエン・スチレン)などの熱可塑性樹脂材料を挙げることができ、その中でもポリプロピレンやポリエチレンを好適に用いることができるが、これらのプラスチック材料に必ずしも限定されるものではない。
【0031】
以上のような構造を有する泡吐出用アダプタ1は、図1及び図2に示すように、ノズルヘッド104に対して着脱自在に装着することが可能である。そして、この泡吐出用アダプタ1が装着された泡吐出容器100を使用する場合には、図4に示すように、泡吐出用アダプタ1の泡造形部3の下方に使用者の片方の手を配置した状態から、図5に示すように、もう片方の手でノズルヘッド104を押圧操作する。
【0032】
これにより、泡造形部3の3つの吐出口2a〜2cから鉛直下向きに泡が吐出される。このとき、各吐出口2a〜2cから吐出された泡は、使用者の手の上で膨出しながら互いに結合して1つの泡の塊を形成する。
【0033】
そして、図6に示すように、各吐出口2a〜2cから泡が定量吐出された後に、押し下げられたノズルヘッド104に対する押圧を解除する。このとき、使用者の手の上の泡は、各吐出口2a〜2cに対応した位置にて隆起した状態となる。これにより、使用者の手の上には、子熊のキャラクタを模した泡の造形物Bが形成される。
【0034】
以上のように、本発明を適用した泡吐出用アダプタ1が装着された泡吐出容器100では、子熊のキャラクタを模した泡の造形物Bを形成することができるため、泡の見た目の形状を楽しむことができる。特に、この泡吐出用アダプタ1が装着された泡吐出容器100を使用することで、小さな子供に手洗いを楽しんでもらうことができる。
【0035】
一方、このような泡吐出用アダプタ1を装着する前の泡吐出容器100では、通常は使用者の手の上で丸い一塊の泡が形成されるだけである。本発明では、このような泡吐出用アダプタ1を泡吐出容器100のノズルヘッド104に装着するだけで、泡の見た目の楽しさを向上させることが可能である。
【0036】
したがって、この泡吐出用アダプタ1が装着された泡吐出容器100では、簡便且つ安価な構成でありながら、泡の見た目の楽しさを向上させることによって、商品の差別化を図りつつ、その商品価値を大幅に向上させることが可能である。
【0037】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば図7及び図8に示す本発明を適用した泡吐出用アダプタ51を備える泡吐出容器100について説明する。なお、以下の説明では、上記泡吐出容器100については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0038】
本発明を適用した泡吐出用アダプタ51は、上記泡吐出容器100のノズルヘッド104に取り付けて使用されるものであり、この泡吐出用アダプタ51が取り付けられた泡吐出容器100では、上述したノズルヘッド104の1回の押圧操作で定量吐出される泡から、ある形態を模した泡の造形物(第2の実施形態では、花びらのキャラクタを模した泡の造形物。)を形成することが可能となっている。
【0039】
具体的に、この泡吐出用アダプタ51は、図9(a)〜(c)に示すように、複数の吐出口52a〜52f(図7及び図8においては吐出口52で示す。)が設けられた泡造形部53と、上記ノズルヘッド104に装着される装着部54とを備えている。
【0040】
泡造形部53は、花びらの形状を象った泡の造形物を形成するように、その位置及び径が設定された6つの吐出口52a〜52fを有している。すなわち、これら6つの吐出口2a〜2cは、泡造形部53の下面53aにおいて五角形の中心及び各頂点に位置するように配置され、各吐出口52a〜52fは何れも同一径を有している。なお、泡造形部53は、吐出される泡の形状が花びらのキャラクタを模したことを使用者に認識し易くするために、花びらの形状を象った外観形状を有している。
【0041】
また、これら6つの吐出口52a〜52fは、それぞれ先端が泡造形部53の下面53aから鉛直下向きに円筒状に突出されたノズル形状を有している。各吐出口52a〜52fは、このようなノズル形状を有することで、各吐出口52a〜52fから吐出された泡が泡造形部53の下面53aで一塊の泡となることを防止している。すなわち、本発明を適用した泡吐出用アダプタ51では、各吐出口52a〜52fから吐出された泡が泡造形部53の下面53aで一塊とならないように、各吐出口52a〜52fを下向きに突出されたノズル形状とすることが好ましい。
【0042】
また、泡造形部53は、上記ノズルヘッド104のノズル部104bと接続される接続部55と、この接続部55に接続されたノズル部104bから吐出された泡を各吐出口2a〜2cへと導く流路56とを有している。
【0043】
接続部55は、ノズル部104bの先端が嵌合される部分であり、泡造形部53の装着部54側の側面に位置して設けられている。また、接続部55には、ノズル部104bの先端に臨む導入口55aが設けられ、この導入口55aの周囲には、ノズル部104bとの間から泡が漏れ出さないようにリング状のパッキン57が配置されている。流路56は、泡造形部53内で分岐しながら、導入口55aと各各吐出口52a〜52fとの間を連結している。
【0044】
装着部54は、上記ノズルヘッド104のヘッド部104aの側面を覆う側壁部58と、ヘッド部104aの上面を覆う上壁部59とを有し、ノズル部104bの先端を接続部55の内側に嵌合させた状態で、ヘッド部104aに被せることが可能となっている。
【0045】
なお、この泡吐出用アダプタ51は、2ピース構造を有しており、泡造形部53の本体部分と装着部54とが一体に成形されたプラスチック製のアダプタ本体51Aに、泡造形部53の下面53a側を構成するプラスチック製のパーツ51Bを嵌め込むことによって形成されている。また、このような泡吐出用アダプタ51に使用されるプラスチック材料については、上記泡吐出用アダプタ1と同様である。
【0046】
以上のような構造を有する泡吐出用アダプタ51は、図7及び図8に示すように、ノズルヘッド104に対して着脱自在に装着することが可能である。そして、この泡吐出用アダプタ51が装着された泡吐出容器100を使用する場合には、図10に示すように、泡吐出用アダプタ51の泡造形部53の下方に使用者の片方の手を配置した状態から、図11に示すように、もう片方の手でノズルヘッド104を押圧操作する。
【0047】
これにより、泡造形部53の3つの吐出口52a〜52fから鉛直下向きに泡が吐出される。このとき、各吐出口52a〜52fから吐出された泡は、使用者の手の上で膨出しながら互いに結合して1つの泡の塊を形成する。
【0048】
そして、図12に示すように、各吐出口52a〜52fから泡が定量吐出された後に、押し下げられたノズルヘッド104に対する押圧を解除する。このとき、使用者の手の上の泡は、各吐出口52a〜52fに対応した位置にて隆起した状態となる。これにより、使用者の手の上には、花びらのキャラクタを模した泡の造形物Bが形成される。
【0049】
以上のように、本発明を適用した泡吐出用アダプタ51が装着された泡吐出容器100では、花びらのキャラクタを模した泡の造形物Bを形成することができるため、泡の見た目の形状を楽しむことができる。特に、この泡吐出用アダプタ51が装着された泡吐出容器100を使用することで、小さな子供に手洗いを楽しんでもらうことができる。
【0050】
一方、このような泡吐出用アダプタ51を装着する前の泡吐出容器100では、通常は使用者の手の上で丸い一塊の泡が形成されるだけである。本発明では、このような泡吐出用アダプタ51を泡吐出容器100のノズルヘッド104に装着するだけで、泡の見た目の楽しさを向上させることが可能である。
【0051】
したがって、この泡吐出用アダプタ51が装着された泡吐出容器100では、簡便且つ安価な構成でありながら、泡の見た目の楽しさを向上させることによって、商品の差別化を図りつつ、その商品価値を大幅に向上させることが可能である。
【0052】
なお、上記本発明を適用した泡吐出用アダプタ1,51が装着された泡吐出容器100では、上記ノズルヘッド104の1回の押圧操作で泡造形部3,53の各吐出口2a〜2c,52a〜52fから定量吐出された泡から、使用者の手の上に泡の造形物Bを形成するためには、泡造形部3,53の下方に位置する使用者の手の高さも考慮する必要があるが、本発明では、通常使用される使用者の手の高さ位置(装着キャップ103付近)において泡の造形物Bが形成されるように、上記各吐出口2a〜2c,52a〜52fの位置及び径が設定されている。
【0053】
なお、本発明は、上記第1及び第2の実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、図13に示すような泡吐出用アダプタ70を上記泡吐出容器100のノズルヘッド104に装着することも可能である。
【0054】
具体的に、この泡吐出用アダプタ70は、ノズルヘッド104のノズル部104と接続される接続部71と、この接続部71から延長された複数のノズル72a〜72cとを有している。また、複数のノズル72a〜72cは、ノズルヘッド7の側面部からほぼ水平方向に延長され、その先端部が下方に向かって屈曲した細長形状を有している。
【0055】
ここで、泡吐出用アダプタ70は、例えば子熊の顔を象った泡の造形物を形成するように、その位置及び径が設定された3つのノズル72a〜72cを有している。すなわち、これら3つのノズル72a〜72cは、それぞれの先端が三角形の各頂点に位置するように下向きに突出して配置され、そのうち1つのノズル72aが残りの2つの吐出口72b,72cよりも大きい径を有している。
【0056】
以上のような泡吐出用アダプタ70が装着された泡吐出容器100では、上記泡吐出用アダプタ1と同様に、子熊のキャラクタを模した泡の造形物を形成することができ、泡の見た目の形状を楽しむことができる。
【0057】
また、上記本発明を適用した泡吐出用アダプタ1,51を上記泡吐出容器100のノズルヘッド104に取り付けるための構造については、上述した装着部4,54のような構成に必ずしも限定されるものではない。例えば、上記ノズルヘッド104のノズル部104bに嵌合や螺合等により取り付けるタイプや、上下や左右に分割されたパーツを組み合わせて上記ノズルヘッド104に取り付けるタイプ、ストッパーなどの締結手段を用いて上記ノズルヘッド104に取り付けるタイプなど様々な取付方法を用いることができる。
【0058】
また、本発明を適用した泡吐出装置は、上記泡吐出容器100のノズルヘッド104に上記泡吐出用アダプタ1,51,71を取り付ける構成に限らず、上記泡吐出用アダプタ1,51と上記ノズルヘッド104が一体化されたものであってもよい。
【0059】
すなわち、本発明は、上記泡吐出容器100のノズルヘッド104において、上記ノズル部104bを上記泡造形部3,53と同じ構成としたり、上記ヘッド部104aから上記複数のノズル72a〜72bが延長して設けられた構成としたりすることが可能である。
【0060】
なお、本発明では、ある形態を模した泡の造形物として、子熊の顔や花びらを模した泡の造形物(立体的形状)を例示したが、それらに限定されるものではなく、例えばネズミや雪ダルマなど造形される泡のキャラクタやデザイン等については適宜変更して実施することができる。
【0061】
また、上記泡吐出容器100に収容される内容液については、特に限定されるものではなく、上述したハンドソープ以外にも、泡の見た目の形状を楽しむことができるものとして、例えば、ポディソープや、洗顔料、シャンプー、整髪剤、台所洗剤などを挙げることができる。
【0062】
また、本発明は、泡の見た目の楽しさを向上させる以外にも、例えば泡が塗布される対象物に合わせて最適な形状の泡の造形物を形成する場合にも適用可能である。
【実施例】
【0063】
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
【0064】
(実施例1)
実施例1では、上記第1の実施形態で示した泡吐出用アダプタ1と同様の構成を有する泡吐出用アダプタ実際に作製した。具体的には、ポリプロポレン製であり、子熊の顔のキャラクタを模した泡の造形物を形成するため、泡造形部の下面には、底辺18mmとし、その他の辺を16mmとする二等辺正三角形の各頂点に位置するように3つの吐出口が配置され、そのうち1つの吐出口は、内径が5mm、長さが5mmのノズル形状を有し、残りの2つの吐出口は、内径が3mm、長さが5mmのノズル形状を有している。
【0065】
そして、この実施例1の泡吐出用アダプタを泡吐出容器(ライオン社製、商品名:キレイキレイ泡ハンドソープ)のノズルヘッドに装着した後、ノズルヘッドを押圧操作して、泡を吐出させたところ、図14に示すように、子熊の顔を模した泡の造形物が形成された。
【0066】
(実施例2)
実施例2では、上記第2の実施形態で示した泡吐出用アダプタ51と同様の構成を有する泡吐出用アダプタ実際に作製した。具体的には、ポリプロポレン製であり、花びらのキャラクタを模した泡の造形物を形成するため、泡造形部の下面には、一辺が12mmである正五角形の中心及び各頂点に位置するように6つの吐出口が配置され、これら6つの吐出口は、内径が3mm、長さが5mmのノズル形状を有している。
【0067】
そして、この実施例2の泡吐出用アダプタを泡吐出容器(ライオン社製、商品名:キレイキレイ泡ハンドソープ)のノズルヘッドに装着した後、ノズルヘッドを押圧操作して、泡を吐出させたところ、図15に示すように、花びらを模した泡の造形物が形成された。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、第1の実施形態として本発明を適用した泡吐出用アダプタが装着された泡吐出容器の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す泡吐出用アダプタ及び泡吐出容器の分解斜視図である。図である。
【図3】図3は、図1に示す泡吐出用アダプタの構成を説明するための図であり、(a)はその上面図、(b)はその下面図、(c)はその側面図である。
【図4】図4は、図1に示す泡吐出用アダプタが装着された泡吐出容器のノズルヘッドを押圧操作する前の状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、図1に示す泡吐出用アダプタが装着された泡吐出容器のノズルヘッドを押圧操作した状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、図1に示す泡吐出用アダプタが装着された泡吐出容器のノズルヘッドに対する押圧を解除した状態を示す斜視図である。
【図7】図7は、第2の実施形態として本発明を適用した泡吐出用アダプタが装着された泡吐出容器の外観を示す斜視図である。
【図8】図8は、図7に示す泡吐出用アダプタ及び泡吐出容器の分解斜視図である。図である。
【図9】図9は、図7に示す泡吐出用アダプタの構成を説明するための図であり、(a)はその上面図、(b)はその下面図、(c)はその側面図である。
【図10】図10は、図7に示す泡吐出用アダプタが装着された泡吐出容器のノズルヘッドを押圧操作する前の状態を示す斜視図である。
【図11】図11は、図7に示す泡吐出用アダプタが装着された泡吐出容器のノズルヘッドを押圧操作した状態を示す斜視図である。
【図12】図12は、図7に示す泡吐出用アダプタが装着された泡吐出容器のノズルヘッドに対する押圧を解除した状態を示す斜視図である。
【図13】図13は、本発明を適用した泡吐出用アダプタの別の構成を示す斜視図である。
【図14】図14は、実施例1の泡吐出用アダプタが装着された泡吐出容器のノズルヘッドを押圧操作したときに吐出された泡を示す写真である。
【図15】図15は、実施例2の泡吐出用アダプタが装着された泡吐出容器のノズルヘッドを押圧操作したときに形成された泡を示す写真である。
【符号の説明】
【0069】
1…泡吐出用アダプタ(第1の実施形態) 2(2a〜2c)…吐出口 3…泡造形部 4…装着部 5…接続部 6…流路 7…パッキン 8…側壁部 9…上壁部
51…泡吐出用アダプタ(第2の実施形態) 52(52a〜52f)…吐出口 53…泡造形部 54…装着部 55…接続部 56…流路 57…パッキン 58…側壁部 59…上壁部
70…泡吐出用アダプタ 71…接続部 72a〜72b…ノズル
100…泡吐出容器 101…容器本体 102…泡ポンプディスペンサー 103…装着キャップ 104…ノズルヘッド 104a…ヘッド部 104b…ノズル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルが設けられたノズルヘッドを押圧操作することによって容器本体に収容された内容液を前記ノズルから泡状に吐出させる泡吐出装置の前記ノズルヘッドに装着される泡吐出用アダプタであって、
前記ノズルに接続されて、前記泡状の内容液を吐出させる複数の吐出口を有し、且つ、前記ノズルヘッドの1回の押圧操作で、ある形態を模した泡の造形物を形成するように、各吐出口の位置及び径が設定されていることを特徴とする泡吐出用アダプタ。
【請求項2】
前記複数の吐出口は、それぞれ先端が下向きに突出されたノズル形状を有することを特徴とする請求項1に記載の泡吐出用アダプタ。
【請求項3】
前記ノズルヘッドに対して着脱自在とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の泡吐出用アダプタ。
【請求項4】
ノズルが設けられたノズルヘッドを押圧操作することによって容器本体に収容された内容液を前記ノズルから泡状に吐出させる泡吐出装置であって、
請求項1〜3の何れか一項に記載の泡吐出用アダプタを備えることを特徴とする泡吐出装置。
【請求項5】
複数のノズルが設けられたノズルヘッドを押圧操作することによって容器本体に収容された内容液を前記各ノズルから泡状に吐出させる泡吐出装置であって、
前記ノズルヘッドの1回の押圧操作で、ある形態を模した泡の造形物を形成するように、前記各ノズルの位置及び径が設定されていることを特徴とする泡吐出装置。
【請求項6】
前記複数のノズルは、それぞれ先端が下向きに突出された形状を有することを特徴とする請求項5に記載の泡吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−149060(P2010−149060A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330919(P2008−330919)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】