説明

泡状マスカー

【課題】 塗装の準備工程で、被塗物の非塗装部分に施すマスキングの方法は、従来、主に紙製、プラスチック製のシートを紙テープ等で固定し、余分な長さを調整したりしながら時間をかけて行っていた。又作業終了後の後かたづけでは多量の廃棄物が発生して、この廃棄物の処理も大変であった。
【解決手段】泡状マスカーはこれらの工程を省略し、ただ細かい泡状液体を被塗物に塗布するだけであるため作業時間を大いに短縮できる。そして被塗物に塗料を塗布後、泡状マスカーの回収は乾湿両用集塵機によって行う。このことにより多量の廃棄物を排出してきたこの作業は、ほとんど廃棄物をださないことになり、環境対策に大いに貢献することになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塗装の準備工程であるマスキングの簡略化と、その工程において最終的にでる廃棄物をほとんど無くし、環境対策にも貢献しようとするものである。
【技術背景】
【0002】
塗料を塗布するとき、従来のマスキングの方法は主に紙製およびプラスチック製のシートを紙テープ等で固定し、余分な長さを調整するなどし時間をかけて行ってきた。
【0003】
泡状マスカーはこれらの工程を省略し、ただ細かい泡にした液体を塗布するだけである。
【0004】
泡状マスカーを吹き付ける方法としては、従来よく実施されている液体原料となる界面活性剤を容器に入れそれをハンドスプレーガン等で、被塗物に吹き付ければできあがる。
【0005】
泡の粘度は原料となる液体の粘度、又は界面活性剤の量によってことなるが、塗装時の環境、風圧をうける、うけないかにより、その粘度を調整し、使い分けするほうが作業性がよくなります。
【0006】
風圧をうけない場合は、ひげ剃り用のシェービングクリームにちかい粘度の泡にし、被塗物の非塗装面を薄く覆います。
【0007】
風圧をうける場合は、モリアオガエルの卵をつつむ泡にちかい状態の粘度にします。
【0008】
被塗物に塗料を塗布後、泡状マスカーの回収は機械を使用するのであれば、乾湿両用集塵機にて吸い込ませて行い、手作業で行うのであれば、吸い込み性のよい布地にてふきあげることになります。
【0009】
この際、作業性は泡状マスカーの粘度が低ければ低いほど、作業性はよくなります。
【0010】
このように作業終了後、そこには従来の方法とは違い、廃棄物がほとんど存在しません。
【特許文献1】特許公開2003−41204号公報
【特許文献2】特許公開平10−249254号公報
【特許文献3】特許公開平5−123636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1、特許文献2、特許文献3にある従来のマスカーは固形物のため、被塗物の非塗装面へ形状を調整することがたいへんであった。
【0012】
特許文献1、特許文献2、特許文献3にある従来のマスカーは固形物のため、多量の廃棄物となり、環境上も好ましくなかった。
【課題を解決しようとする手段】
【0013】
マスカーを泡状の液体にすることにより、被塗物の非塗装面に馴染みやすくなり、簡単に覆うことができる。
【0014】
マスカーを泡状にすることにより、泡の中に紛れ込んだ塗料ミスト、塗料カスといっしょに乾湿両用集塵機により吸い込むことができ、後には廃棄物が一切残らない。
【発明の効果】
【0015】
上述したように、塗装工程のマスキングの際、手間、暇がかからなくなった。
【0016】
マスキング後の後かたづけの際、廃棄物がなく、環境対策に大いに貢献することとなる。
【発明の実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0017】
図1において1、はこれから塗装をしようとする被塗物(2)は塗装面、(3)は非塗装面である。
【0018】
図2においては(3)の上にハンドスプレーガンにより5、の泡状マスカーを塗布した状態である。このとき(6)のボカシ領域を必ず設ける。
【0019】
図3においては(2)に4、の塗装を施し、(6)のボカシ領域を設けて、終了した状態である。
【0020】
図4においてはボカシ領域を設けないで塗装を施した状態であるが、この場合は塗装域との境には、従来どおり7、のマスキングテープで仕切ることとする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】被塗物の立面図
【図2】被塗物に泡状マスカーを塗布したときの立面図
【図3】被塗物に塗装を施したときの立面図と平面図
【図4】被塗物にマスキングテープを使用して塗装したときの立面図
【符号の説明】
1、被塗物
(2)塗装面
(3)非塗装面
4、塗膜
5、泡状マスカー
(6)ボカシ領域
7、マスキングテープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗装の準備工程で、被塗物の非塗装部分に施すマスキングに、泡状液体を使用する。
【請求項2】
本発明の被塗物からの回収作業は、乾湿両用集塵機により吸い込むことにより行い、このことにより廃棄物はほとんどでない。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−43676(P2006−43676A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−254980(P2004−254980)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(504332779)
【Fターム(参考)】