説明

泡状物質噴出チューブ容器

【課題】内容物を確実に泡状に発泡して注出でき、片手でワンタッチで開閉でき、持ち運びに便利な泡状物質噴出チューブ容器。
【解決手段】弾性復元力を有するチューブ容器1の口部2に、開口端部の外周面にディップチューブ5が嵌合された泡発生装置3が装着され、ディップチューブ5にメッシュ5aが設けられると共に外気流入路4を形成し、ディップチューブ5を介して、メッシュ5aとチューブ容器1内とを連通する、内流路6を設けたことを特徴とする泡状物質噴出チューブ容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は泡状物質噴出チューブ容器に関し、さらに詳しくは確実に内容物を泡状に発泡して注出でき、片手のワンタッチ操作で開閉できると共に、持ち運びに便利な泡状物質噴出チューブ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弾性復元が可能な胴部を有するチューブ容器の口部に、泡状物質注出機構を有する蓋体が螺合されたチューブ容器が市場で販売されている。このようなチューブ容器内には、ヘアークリーム、ヘアームース等の化粧品、消毒液等の薬剤、シェービングクリーム等のビューティケア製品又は食品等の内容物が充填され、使用時に空気と内容物を多孔性部材内に供給して混合し、この多孔性部材内で泡状物質に発泡させて泡状物質を注出するものである。このような従来の泡状物質噴出チューブ容器としては、図9〜図11に示すようなものがある。
【0003】
図9中、50は、圧搾及び弾性復元力が可能な胴部を有するチューブ容器であり、51は、外周に雄ねじが形成された口部である。このチューブ容器50は、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂等の単層又は多層構造の材料で造られている。チューブ容器50の胴部を押圧状態から解放すると、エアーバックすることにより、外気流入路52から空気が流入する。そして、空気が内容液53内を通過する際に、内容液53と混合し、その上部空間54で発泡して泡状物質を形成する。発泡した泡状物質は、泡発生装置57の開口端部57aの外周に嵌合された、ディップチューブ55の内流路56を通り、泡発生装置57に供給される。そして、泡発生装置57に設けられたメッシュ58によりさらに大きく発泡され、外部に注出される。このようなチューブ容器の従来の特許文献としては、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−98777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような従来のチューブ容器50は、メッシュ58が、泡発生装置57の開口部に設けられているため、図10に示すように、チューブ容器50を横にした場合、ディップチューブ55の内流路56内に内容液53が入り込み、水溶液のまま、泡発生装置57に供給される。そのため、最初の噴出時及び再噴出時の際、泡発生装置57から水溶液状の内容物が流出するという欠点があった。これは、ディップチューブ55の内流路56内に溜まった空気又は泡状物質と、内容液53が接したとき、両者が置換することが原因と考えられる。
この発明は、このような課題に着目してなされたものであり、チューブ容器に泡状物質噴出機能を取り付け、最初から泡状物質を確実に注出できる泡状物質噴出チューブ容器を提供することを目的とし、さらに、片手でワンタッチ操作で開閉することができ、バッグ等の中に入れて持ち運びができる、便利な泡状物質噴出チューブ容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するため、請求項1記載の発明の解決手段は、弾性復元力を有するチューブ容器の口部に、開口端部の外周面にディップチューブが嵌合された泡発生装置が装着され、ディップチューブにメッシュが設けられると共に外気流入路を形成し、ディップチューブを介して、メッシュとチューブ容器内とを連通する、内流路を設けたことを特徴とする泡状物質噴出チューブ容器である。
【0007】
この課題を解決するため、請求項2記載の発明の解決手段は、泡発生装置の先端に、鍔部を形成することを特徴とする泡状物質噴出チューブ容器である。
【0008】
この課題を解決するため、請求項3記載の発明の解決手段は、泡状物質噴出チューブ容器の口部に、ヒンジキャップが螺合又は嵌合されることを特徴とする泡状物質噴出チューブ容器である。
【0009】
この課題を解決するため、請求項4記載の発明の解決手段は、ヒンジキャップは、チューブ容器の口部に装着される基幹筒体と、該基幹筒体とヒンジを介して連結される蓋体からなり、(a)基幹筒体は、蓋体を開けるために押圧操作されうる弾片部及び係止片を有する外筒と、外筒の内側に形成され、チューブ容器の口部に螺合又は嵌合される内筒と、内筒の天面に形成され泡状物質を噴出する注出口とからなり、(b)蓋体は、外筒の係止片と係脱自在に係合する係止片及び蓋体を一定角度押し上げる三角片を有し、嵌合筒が基幹筒体の注出口に係脱自在に係合することを特徴とする泡状物質墳出チューブ容器である。
【0010】
この課題を解決するため、請求項5記載の発明の解決手段は、弾性復元力を有するチューブ容器と、該チューブ容器の口部に装着されるヒンジキャップとを備え、該ヒンジキャップには、チューブ容器内に外気を取り込む外気流入筒と泡状物質を噴出する注出口とが形成され、かつ該注出口に連通するディップチューブが接続されており、該ディップチューブにメッシュが設けられ、ディップチューブを介して、メッシュとチューブ容器内とを連通する内流路を設けたことを特徴とする泡状物質墳出チューブ容器である。
【0011】
この課題を解決するため、請求項6記載の発明の解決手段は、注出口の上端が、外気流入筒の上端よりも高く形成されている請求項5記載の泡状物質墳出チューブ容器である。
【0012】
この課題を解決するため、請求項7記載の発明の解決手段は、外気流入筒内に球状弁が挿入された泡状物質墳出チューブ容器である。
【0013】
この課題を解決するため、請求項8記載の発明の解決手段は、ヒンジキャップは、チューブ容器の口部に装着される基幹筒体と、該基幹筒体とヒンジを介して連結される蓋体からなり、(a)基幹筒体は、蓋体を開けるために押圧操作されうる弾片部及び係止片を有する外筒と、外筒の内側に形成され、チューブ容器の口部に螺合又は嵌合される内筒と、内筒の天面に形成された前記注出口と外気流入筒とからなり、(b)蓋体は、外筒の係止片と係脱自在に係合する係止片及び蓋体を一定角度押し上げる三角片を有し、嵌合筒が前記基幹筒体の注出口及び外気流入筒に係脱自在に係合する泡状物質墳出チューブ容器である。
【0014】
この課題を解決するため、請求項9記載の発明の解決手段は、メッシュに代えて、発泡体、焼結体、不織布のいずれかからなる多孔質部材とした泡状物質墳出チューブ容器である。
【0015】
この課題を解決するため、請求項10記載の発明の解決手段は、チューブ容器に代えて、ボトル容器とした泡状物質噴出チューブ容器である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る泡状物質噴出チューブ容器によれば、内容物を使用する場合に、最初から泡状物質を確実に注出でき、初めに、水溶液状の内容物が流出するのを防止できる効果を有する。又片手でワンタッチで口部を開閉できると共に、チューブ容器の容積を小さくすることで、バッグ等の中に入れて持ち運びができ、持ち運びに便利である効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る泡状物質噴出チューブ容器の実施例1を示す正面断面図。
【図2】本発明に係る泡状物質噴出チューブ容器の実施例1の部分拡大断面図。
【図3】本発明に係る泡状物質噴出チューブ容器にヒンジキャップを取付けた実施例2を示す拡大断面図。
【図4】本発明に係る泡状物質噴出チューブ容器の側面図(a)及び正面図(b)。
【図5】本発明に係る泡状物質噴出チューブ容器のヒンジキャップの開閉状態を示す拡大断面図(a)(b)(c)。
【図6】本発明に係る泡状物質噴出チューブ容器の実施例3を示す一部を省略した部分拡大断面図。
【図7】実施例3における泡状物質の注出状態を示す正面断面図。
【図8】実施例3におけるエアーバック現象を示す部分拡大断面図。
【図9】従来の泡状物質噴出チューブ容器を示す正面断面図。
【図10】従来の泡状物質噴出チューブ容器を横に倒した状態を示す断面図。
【図11】従来の泡状物質噴出チューブ容器の泡発生装置の先端に、メッシュが設けられた状態を示す部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例の一例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0019】
図1〜図3は、この発明に係る泡状物質噴出チューブ容器の実施例1を示す図面である。1は泡状物質噴出チューブ容器のチューブ容器であり、チューブ容器1の胴部1aは、圧搾及び弾性復元力が可能なように構成されている。そして、チューブ容器1の口部2には、漏斗状の泡発生装置3が装着されている。この泡発生装置3の開口端部3bの外周には、ディップチューブ5が嵌合され、このディップチューブ5は内流路6を構成している。図1は実施例1を倒立状態で使用している図面であり、チューブ容器1の胴部1aを押圧状態から解放すると、エアーバックすることにより、ラバー弁3cを開口して、外気流入路4から空気が流入する。そして、空気が内容液7内を通過する際に内容液7と混合し、その上部空間8で発泡して泡状物質を形成する。発泡した泡状物質は、ディップチューブ5の内流路6を通り、泡発生装置3に供給され外部に注出される。この実施例1は、口部2に通常のキャップが螺合されている(図示せず)。
【0020】
実施例1は、泡発生装置3内に多孔性部材を設けないで、メッシュ5aをディップチューブ5の端部に設けたので、図7に示すように、従来、チューブ容器1を横にした場合、ディップチューブ5の内流路6内に内容液が入り込まない。そして、水溶液のまま、泡発生装置に供給されるのを防止できる。そのため、最初、噴出時又は再噴出時の際、泡発生装置から泡状の内容物が噴出される。又泡発生装置内に多孔性部材を設けた場合に比べ、泡状物質を噴出する際の押圧の抵抗感が少ない。又よりきめ細かい泡状物質を発生させることができる。さらに、メッシュ5aを使用することで、泡になり難い内容物であっても、より効果的に大きく発泡した泡状物質を作ることができる。メッシュ5aの材質としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の合成樹脂が好ましい。メッシュの目開きは1〜500μが適し、50〜200μがより好ましい。
【0021】
次に、実施例1は、泡発生装置3の先端に鍔部9が形成されている。この鍔部9は、チューブ容器1がエアーバックする際に、泡発生装置3から注出した泡状物質を外気流入路4から吸い込まないように、遮断する機能を有する。外気流入路4から泡状物質が吸い込まれると、チューブ容器1のエアーバックが妨げられるからである。図1に示すように、鍔部9の突出寸法Tは、2mm≦T≦6mmが適し、3mm≦T≦5mmがより好ましい。
【実施例2】
【0022】
図3は、本発明の実施例2である。実施例2は、チューブ容器1の口部2に、ヒンジキャップ10が螺合されている実施例である。チューブ容器1の口部2には、ヒンジキャップ10の基幹筒体10aが螺合されている。ヒンジキャップ10は、基幹筒体10aの内側に形成され、雌ねじを有する内筒12と、この内筒12の天面に形成される頂壁13と、この頂壁13に形成される注出口14と、この注出口14に開閉自在に嵌合する嵌合筒15を下面に有する蓋体16とから構成されている。そして、図4(a)(b)に示すように、この基幹筒体10aの正面には、弾片部17が形成されており、この弾片部17に連続して係合片18が形成されている。一方蓋体16には、係合片18と係脱自在に係合する係合片19と、蓋体16を一定の角度αだけ開くための断面三角片21が形成され、一端がヒンジ10bによって基幹筒体10aと連結されている。このヒンジ10bは、実施例2では引張帯付のヒンジが用いられている。
【0023】
図5は、ヒンジキャップ10の蓋体16が、基幹筒体10aの操作により、一定角αだけ開く状態を示す図面である。図5(a)は、蓋体16が基幹筒体10aに嵌合している状態を示す図面である。すなわち、基幹筒体10aの係合片18の頭部18aと、蓋体16の係合片19の頭部19aが係合している状態を示している。図5(b)は、弾性部17を少し押圧し、係合片18の頭部18aと、係合片19の頭部19aの係合が外れる状態を示した図面である。図5(c)は、弾性部17をさらに押圧し、係合片18の頭部18aが、蓋体16の断面三角片21の斜面部を滑ることにより、蓋体16を上方に押し上げる状態を示した図面である。これにより、注出口14と嵌合筒15は嵌合が解除され、注出口14は開放され泡状物質が注出できる。図4に示すように、一定角αまで蓋体16が開いた後、親指で蓋体16を持ち上げると、蓋体16は、引張帯付ヒンジ10bの作用により、自動的に120度以上開く。すなわち、ワンタッチ操作で開くことができる。蓋体16を閉める場合は、蓋体16を手で押圧すると、係合片18の頭部18aと、蓋体16の係合片19の頭部19aがクリック感を生じて係合し、蓋体16は基幹筒体10aと係合すると同時に、注出口14と嵌合筒15は嵌合し、注出口14は閉鎖される。
【0024】
チューブ容器1から泡状物質を注出する場合は、ヒンジキャップ10の蓋体16を、基幹筒体10aから外し、基幹筒体10aの注出口14を開口し、倒立状態でチューブ容器1の胴部1aを押圧すると、メッシュ5aによって発泡された内容物が、発泡した状態でディップチューブ5の内流路6を通過して泡発生装置3内に送られ、注出口14から外部に注出される。チューブ容器1内に、空気がなくなり減圧化した場合、ラバー弁3cが開口し、外気は、外気流入路4を通りチューブ容器1内に流入する。これによりチューブ容器1の内部には外気が流入し、内容物と空気が混合し発泡する。そして再度押圧可能となる。なお、口部2と泡発生装置3との嵌合が堅固であり、又外気流入路4は、ラバー弁3cにより密閉されているため、通常の状態で内容物が口部2から漏洩することがない。そして、従来、泡発生装置から水溶液状の内容物が注出されるという欠点があったが、ディップチューブ55の内流路56内に溜まった空気又は泡状物質と内容液が接したとき、両者が置換しない。したがって、水溶液のまま、最初の噴出時及び再噴出時の際、泡発生装置から水溶液状の内容物が抽出されるという欠点は解消される。
【実施例3】
【0025】
図6〜図8は、本発明の実施例3である。この実施例に係る容器は、チューブ容器31と、ヒンジキャップ40と、ディップチューブ35とを備えている。ヒンジキャップ40は、基幹筒体40aと、基幹筒体40aとヒンジ40bを介して連結された蓋体46とを備えている。この基幹筒体40aは、外筒41と、外筒の内側に形成された雌ねじを有する内筒42とを備え、内筒42がチューブ容器31の口部32に螺合される。この内筒42は、その天面に注出口44a及び外気流入筒44bを備えた頂壁43を有している。これら注出口44aと外気流入筒44bは、実施例1と異なり、同心円状に設けられていない。さらに、注出口44aは、その上端が外気流入筒44bの上端よりも高く形成されており、又その位置が外気流入筒44bの位置よりも基幹筒体40a(外筒41)の外周寄りに形成されている。一方、外筒41には、実施例2(図3〜図5)と同様に、蓋体46をワンタッチで開く機構を設けることができる。また、蓋体46は、閉蓋状態において、注出口44a及び外気流入筒44bを密閉する嵌合筒45a、45bを備えている。
【0026】
このように構成されたヒンジキャップ40には、内流路36を構成するディップチューブ35が頂壁43の裏面に接続され、注出口44aに連通している。このディップチューブ35の下端には、実施例1と同様のメッシュ35aが設けられている。また、外気流入筒44b内には球状弁44cが挿入されているのが好ましい。この球状弁44cは、後述するように、開口が狭くされた上部弁座44dと複数の突起で構成された下部弁座44eとの間を移動可能にされている。このように構成することで、全体の部品点数を減らすことができると共に、実施例1のラバー弁3cよりも安価な球状弁44cによって、製造コストをより一層低く抑えることができる。
【0027】
次に、チューブ容器31から泡状物質を注出する方法について説明する。まず、ヒンジキャップ40の蓋体46を実施例2と同様に開放し(図5)、注出口44a及び外気流入筒44bを開口させる。そして、図7のようにチューブ容器31を倒立状態にして、チューブ容器31の胴部31aを押圧する。そうすると、メッシュ35aによってきめ細かく発泡された内容物が、矢印で示すように、ディップチューブ35の内流路36を通って注出口44aから注出される。このとき、水溶液状の内容物が注出されてしまうのを効果的に防ぐことができる。一方、外気流入筒44bは、上部弁座44dに当接した球状弁44cによって塞がれているため、内容液37が外気流入筒44bから漏れ出すことはない。
【0028】
そして、胴部31aの押圧をやめると、図8のようにエアーバック現象が生じる。すなわち、上部弁座44dに当接していた球状弁44cが下部弁座44e側に移動することにより、外気が、矢印で示すように外気流入筒44bを通ってチューブ容器31内に流入する。このエアーバック現象によって、チューブ容器31の胴部31aが復元すると共に、チューブ容器31内の内容液37が空気と混合し、容器の上部空間38に泡状物質を形成する。そして、チューブ容器31の胴部31aを再び押圧することができる。
【0029】
一方、エアーバック現象が生じると、注出後の泡状物質を外気流入筒44bへ引き込む力が作用する。もし泡状物質が外気流入筒44bに付着し、後に乾燥、固化するようなことがあると、チューブ容器31内へ外気を流入させることができなくなる虞がある。しかしながら、本実施例では、注出口44aの上端が外気流入筒44bよりも高く形成されており、しかもこれらが同心円状に設けられていないため、そのような不具合を防ぐことができる。
【0030】
また、本発明に係る泡状物質噴出チューブ容器は、チューブ容器1、31の容積を小さくすることで、バック等の中に入れて持ち運びができる。携帯用チューブとして、バックに入れて持ち歩く場合には、チューブ容器1、31の丈寸法は、59mm≦A≦182mm、好ましくは72mm≦A≦164mmである。又チューブ容器1、31の胴部1a、31aの外径寸法は、19mm≦B≦40mm、好ましくは25mm≦B≦35mmである。もちろん、チューブ容器1、31の丈、外径を大きくすることにより、一般家庭用、一般業務用として用いることもできる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明はこれら実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施の形態では、メッシュ5a、35aが、ディップチューブ5、35の端部に直接設けられているが、別途用意した部材、例えば筒状部材に1つ又は複数のメッシュを設け、この部材をディップチューブの端部に嵌合させたものであってもよい(図示せず)。また、メッシュ5a、35aに限らず、合成樹脂等の発泡体や焼結体、あるいは不織布のような多孔質部材であってもよく、これら多孔質部材とメッシュを組み合わせたものであってもよい(図示せず)。さらに、本発明の実施の形態では、チューブ容器1、31を例に挙げて説明してきたが、チューブ容器に代えて、弾性復元力を有するボトル容器とした場合にも本発明と同様の効果を得ることができる(図示せず)。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明に係る泡状物質噴出チューブ容器は、消毒液等の薬剤、ヘアークリーム等の化粧品、シェービングクリーム、ハンドソープ等のビューティケア製品又は食品等を充填して、使用時に、初めから確実に泡状物質を注出できるので、泡状物質噴出チューブ容器として、広く利用することができる。特にチューブ容器のサイズを小さくすることで、バッグ等の中に携帯用として持ち運びが便利である。さらに一般家庭、会社等で使用されてもよく、一般家庭、会社等の洗面場に常時載置されてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1,31 チューブ容器
2,32 口部
3 泡発生装置
4 外気流入路
5,35 ディップチューブ
5a,35a メッシュ
6,36 内流路
9 鍔部
10,40 ヒンジキャップ
10a,40a 基幹筒体
10b,40b ヒンジ
11,41 外筒
12,42 内筒
14,44a 注出口
15,45a,45b 嵌合筒
16,46 蓋体
17,47 弾片部
18,19,48,49 係合片
21,51 三角片
44b 外気流入筒
44c 球状弁
44d 上部弁座
44e 下部弁座

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性復元力を有するチューブ容器の口部に、開口端部の外周面にディップチューブが嵌合された泡発生装置が装着され、ディップチューブにメッシュが設けられると共に外気流入路を形成し、ディップチューブを介して、メッシュとチューブ容器内とを連通する、内流路を設けたことを特徴とする泡状物質噴出チューブ容器。
【請求項2】
泡発生装置の先端に、鍔部を形成することを特徴とする請求項1記載の泡状物質噴出チューブ容器。
【請求項3】
泡状物質噴出チューブ容器の口部に、ヒンジキャップが螺合又は嵌合されることを特徴とする請求項1又は2記載の泡状物質噴出チューブ容器。
【請求項4】
前記ヒンジキャップは、チューブ容器の口部に装着される基幹筒体と、該基幹筒体とヒンジを介して連結される蓋体からなり、(a)基幹筒体は、蓋体を開けるために押圧操作されうる弾片部及び係止片を有する外筒と、外筒の内側に形成され、チューブ容器の口部に螺合又は嵌合される内筒と、内筒の天面に形成され泡状物質を噴出する注出口とからなり、(b)蓋体は、外筒の係止片と係脱自在に係合する係止片及び蓋体を一定角度押し上げる三角片を有し、嵌合筒が基幹筒体の注出口に係脱自在に係合することを特徴とする請求項3記載の泡状物質墳出チューブ容器。
【請求項5】
弾性復元力を有するチューブ容器と、該チューブ容器の口部に装着されるヒンジキャップとを備え、
該ヒンジキャップには、チューブ容器内に外気を取り込む外気流入筒と泡状物質を噴出する注出口とが形成され、かつ該注出口に連通するディップチューブが接続されており、
該ディップチューブにメッシュが設けられ、ディップチューブを介して、メッシュとチューブ容器内とを連通する内流路を設けたことを特徴とする泡状物質墳出チューブ容器。
【請求項6】
前記注出口の上端が、外気流入筒の上端よりも高く形成されている請求項5記載の泡状物質墳出チューブ容器。
【請求項7】
前記外気流入筒内に球状弁が挿入された請求項5又は6記載の泡状物質墳出チューブ容器。
【請求項8】
前記ヒンジキャップは、チューブ容器の口部に装着される基幹筒体と、該基幹筒体とヒンジを介して連結される蓋体からなり、(a)基幹筒体は、蓋体を開けるために押圧操作されうる弾片部及び係止片を有する外筒と、外筒の内側に形成され、チューブ容器の口部に螺合又は嵌合される内筒と、内筒の天面に形成された前記注出口と外気流入筒とからなり、(b)蓋体は、外筒の係止片と係脱自在に係合する係止片及び蓋体を一定角度押し上げる三角片を有し、嵌合筒が前記基幹筒体の注出口及び外気流入筒に係脱自在に係合する請求項5〜7記載の泡状物質墳出チューブ容器。
【請求項9】
前記メッシュに代えて、発泡体、焼結体、不織布のいずれかからなる多孔質部材とした請求項1〜8記載の泡状物質墳出チューブ容器。
【請求項10】
前記チューブ容器に代えて、ボトル容器とした請求項1〜9記載の泡状物質噴出チューブ容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−158391(P2012−158391A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253984(P2011−253984)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000238614)武内プレス工業株式会社 (72)
【Fターム(参考)】