説明

泡生成キット

【課題】高濃度界面活性剤組成物から泡を生成することができる泡生成ディスペンサーで、さらに、必要以上の肉体労作なしに及び/又はエアゾール噴射剤を使用する必要性なしに、このような泡を生成できる泡生成ディスペンサーを提供する。
【解決手段】泡生成キットは、泡生成ディスペンサー10を備えた非エアゾール容器と、好ましくはその容器内に存在する高濃度界面活性剤組成物とを備える。高濃度界面活性剤組成物は、この高濃度界面活性剤組成物の少なくとも20重量%の界面活性剤系を含む。泡生成ディスペンサーは、高濃度界面活性剤組成物と共に使用される時、約2mL/gより大きい泡対重量の比を有する泡を生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡生成キットに関する。
【背景技術】
【0002】
濃縮食器洗い組成物、ハンドソープ組成物、シャンプー組成物、洗濯組成物、磨き組成物などのような高濃度の界面活性剤を含有する組成物(高濃度界面活性剤組成物)は、周知であり、典型的には、液体、ゲル又はペーストで提供される。液体及びペーストは、種々の状況で有用なこともあるが、このような物理形態は、もはや新しいとも刺激的とも考えられていない。また、新しい及び興味ある物理形態を提供することは望ましいが、上記組成物の使用は、典型的には、そのような液体、ゲル及びペーストを基材へ塗布又は予め塗布して、次に追加段階で所望の表面へ直接塗布することに限定されている。
【0003】
低濃度の界面活性剤組成物の泡(すなわち、>12%の界面活性剤を含有するボディウォッシュ)を製造するために泡生成ディスペンサーを使用することは既知であるが、典型的には、界面活性剤濃度の増大と粘度増大との間には直接的な相関関係があるので、この手法は、今日まで高濃度界面活性剤組成物には成功していなかった。特に高濃度界面活性剤組成物のレオロジーは、激しい乱流特性及び激流特性をもたない許容可能な泡を達成するのを困難にしている。そのような乱流特性は、必要以上の肉体労作又は高圧容器を必要とすることが多いので、実際的結果としては、現在市販されている泡生成ディスペンサーの制約に合うように、配合者は製品の粘度を低下させる必要があることが多い。そのため、この手法は、泡生成が所望される場合に最良の性能及び/又は最も低コストの組成物を得るという配合者の特権に、人為の物理的な制限を与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故に、高濃度界面活性剤組成物から泡を生成することができる泡生成ディスペンサーが必要とされている。さらに、必要以上の肉体労作なしに及び/又はエアゾール噴射剤を使用する必要性なしに、このような泡を生成できる泡生成ディスペンサーが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、泡生成ディスペンサーを備える非エアゾール容器と、好ましくはその容器内に存在する高濃度界面活性剤組成物とを含む泡生成キットに関する。高濃度界面活性剤組成物は、この高濃度界面活性剤組成物の少なくとも約20重量%の界面活性剤系を含有する。この泡生成ディスペンサーは、高濃度界面活性剤組成物と共に使用される時、約2mL/gより大きい泡(すなわち容積)対重量の比を有する泡を生成することができる。
【0006】
今般、泡生成ディスペンサー及び高濃度界面活性剤組成物を組み合わせることにより、必要以上の肉体労作なしに、またエアゾール噴射剤を使用することなく、許容可能な泡を同時に形成できることが見出された。理論に制限されることは意図しないが、次第に乱流路が生成される場合に、高濃度界面活性剤組成物であっても許容可能な泡を製造できると考えられる。
【0007】
さらに、本発明による泡生成ディスペンサーから分配される洗浄組成物は、別の様式で分配される同一組成物よりも、良好に及び/又はより素早く洗浄できると考えられている。理論に制限されることは意図しないが、物理的な泡生成は、高濃度界面活性剤組成物の全表面積を増大した状態にすると考えられている。油乳化の速度及び完全性のような大部分の洗浄相互作用は覆われる表面積に直接関連しているので、本発明者らは、本発明の形態が洗浄性全体を顕著に改善できると考える。さらに、マイクロエマルション及び/又はプロトマイクロエマルションの場合、意外なことに、泡を物理的に生成させることにより、本発明は、空気−水界面で界面活性剤を化学的に拘束することなく、物理的な泡の審美利益を達成することが見出された。それよりも、たとえ泡が存在しても、より大きいパーセンテージの界面活性剤が、界面活性剤と水とを混合するような通常の方法によって泡が形成される場合よりも、汚れ、油などとの結合に化学的に利用可能になる。
【0008】
本発明のこれら及び他の特徴、観点、利点、及び変更、並びに本明細書記載の実施形態は、付随する請求項と共に本開示内容を読むことにより、当業者には明白になるであろう。また、これらは請求項の範囲内に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】泡生成ディスペンサーの好ましい実施形態の切り欠き図である。
【図2】成形アプリケータの好ましい実施形態の上部斜視切り欠き図である。
【図3】成形アプリケータの好ましい実施形態の斜視切り欠き図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書は、本発明を特定して指摘し明確に請求する請求項をもって結論とするが、本発明は、添付図面の次の説明からよりよく理解されるものと考えられ、図中、同じ参照数字は同じ要素を指す。
本明細書の図面は、必ずしも一定の比率の縮尺で描かれてはいない。
特に指定されない限り、本明細書のパーセンテージ、比率、割合はすべて最終の高濃度界面活性剤組成物の重量によるものとする。温度は、特に指定しない限り、すべて摂氏(℃)で示す。
【0011】
本明細書で使用する時、用語「含む」は、最終結果に影響を及ぼさない他の工程、成分、要素などを追加できることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。
【0012】
用語「食器」は、本明細書において使用する時、食物と接触する前又は後で洗われ、食物準備プロセス及び/又は食物給仕の際に使用される、いずれかの食器、卓上食器、調理食器、ガラス食器、食事器具、まな板、食物準備設備などを意味する。
【0013】
用語「泡」及び「石鹸泡」は、本明細書において使用する時、互換的に使用され、液相で境界を定められて液相中に浮遊する、分離性のガス気泡を表わす。
【0014】
本明細書で使用する時、用語「マイクロエマルション」は、油を乳化させて目に見えない液滴にする能力を有する、水中油型エマルションを意味する。このような目に見えない液滴は、典型的には、波長880nmにおける濁度を測定するISO7027のような当該技術分野において既知の方法によって測定した時に、約100オングストローム(Å)未満、好ましくは50Å未満の最大直径を有する。濁度測定機器は、例えば、米国コネチカット州スタンフォードのオメガ・エンジニアリング社(Omega Engineering,Inc.)から容易に入手可能である。
【0015】
用語「プロトマイクロエマルション」は、本明細書において使用する時、水で希釈されてマイクロエマルションを形成可能な組成物を意味する。
【0016】
(容器)
本明細書に有用な容器は、非エアゾール容器であり、典型的には、高濃度界面活性剤組成物、好ましくは食器洗い組成物を保持するための中空体を有し、当該技術分野において既知の他の材料を使用してもよいが、プラスチック、ガラス及び/又は金属、好ましくはポリマー又は樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、エチルビニルアルコール、ポリビニルアルコール、熱可塑性エラストマー、及びこれらの混合物から形成される瓶又は缶であることが最も多い。そのような容器は、典型的には、約100ミリリットル〜約2リットル、好ましくは約150ミリリットル〜約1.2リットル、より好ましくは約200ミリリットル〜約1リットルの液体を保持し、液体消費者製品の保持用として周知である。そのような容器は、多数の包装供給元から広範囲に入手可能である。
【0017】
直接的又は間接的のいずれかで容器に操作可能に取り付けられているのは、泡を生成するための泡生成ディスペンサーである。泡生成ディスペンサーは、作動されると泡を生成し、同時に、容器から泡立った組成物を分配する。泡生成ディスペンサーは、容器と一体に形成されても又は別個に形成されてもよい。別個に形成される場合、泡生成ディスペンサーは、トランジションピース、対応するねじ付きの雄及び雌部材、加圧及び無加圧封止、型締め及びスナップ留め部品、及び/又は当該技術分野で既知の他の方法の採用など、当該技術分野で既知の方法により容器に取り付けることができる。好ましくは、泡生成ディスペンサーは、トランジションピース及び/又は対応するねじ付きの容易に再充填が可能な雄及び雌部材で容器に取り付けられる。
【0018】
泡生成ディスペンサーは、泡を生成するためのいずれかの方法によって、例えば化学反応、酵素反応及び/又は機械的動作によって高濃度界面活性剤組成物と相互作用し得る。しかしながら本明細書においては、機械的な作用が好ましく、また典型的には、食器洗い組成物を分配する時に空気、窒素、二酸化炭素などのガスを乱流方法でその中へ直接付与するか又は混合して、泡を物理的に形成する目的の機構を含む。好ましくは、泡生成ディスペンサーは、大気から食器洗い組成物中へ空気を注入又は付与する、空気注入ピストン、泡生成開口、衝突表面、メッシュ又はネット、ポンプ、及び/又は噴霧器、より好ましくは、空気注入ピストン、ポンプ、衝突表面、複数のメッシュ又はネット、及び/又は噴霧器の、空気から泡を形成するためのガスを付与する機構を含む。きわめて好ましい実施形態において、前記泡生成ディスペンサーは、少なくとも3つ、好ましくは3〜5つのメッシュを用い、ここで高濃度界面活性剤組成物は、泡を生成するように、これらのメッシュを連続的に流れて通る。理論に制限されることは意図しないが、連続的に上記メッシュを通ることによって、高濃度界面活性剤組成物は、空気と繰返し乱流混合され、それによって泡生成効果が単一メッシュを用いた場合よりも数倍増加すると考えられている。高濃度界面活性剤組成物の界面活性剤系のパーセンテージが増大するにつれて、さらなるメッシュを追加し、所望のレベルの泡立ち及び/又は泡の質をもたらしてもよい。
【0019】
泡生成ディスペンサーはまた、典型的には、アクチベータ、好ましくは、例えば、引き金、圧力で活性化されるポンプ作用機構、ボタン、及び/又はスライダー、より好ましくは、単一の指で活性化可能な、ボタン及び/又は圧力で作動させるポンプ作用機構などの手動のアクチベータを含む。アクチベータは、食器手洗いプロセス中のように、手が濡れている及び/又は滑りやすい時に消費者が容易に活性化可能であるように設計されるのが殊に好ましい。そのようなアクチベータは、分配速度及び分配量の両方をユーザーが容易に及び便利に制御できるようになっているべきである。産業又は公共施設などのある種の用途の場合、電子アクチベータ、計算機制御アクチベータ、光電管又は赤外線検知アクチベータ、手動レバー補助アクチベータなどの、他のアクチベータも有用であり得る。本明細書で有用な泡生成ディスペンサーは、約2ml/gより大きい、より好ましくは約3ml/g〜約10ml/g、さらにより好ましくは約4ml/g〜約8ml/gの泡対重量の比を有する泡を生成する。さらに、本明細書で有用な泡生成ディスペンサーは、食器洗い組成物1ml当り少なくとも約2ml、好ましくは約3ml〜約10ml、より好ましくは約4ml〜約8mlの泡を生成する。全体にわたって比較的均一に分散された微細気泡を有する「クリームのような」及び「滑らかな」泡が、その審美的及び/又は性能特性のために特に好まれることがある。ある場合には、好ましい気泡は、3分間以上も液体には顕著に戻らないものが特に好まれる。具体的には、泡をきれいなガラス表面(例えば、パイレックス(登録商標)板)上に分配して25℃で3分間放置する時、表れる液体は1mm未満であるべきである。好ましくは、3分間後に、泡の縁部に液体は見られない。しかしながら別の場合には、ある量の液体(すなわち、泡なし)もまた好ましいことも判明したが、これは、次にこの液体がアプリケータ(例えば、スポンジ)の中へ浸透して、例えば食器洗浄に使用される時に、高濃度界面活性剤組成物の使用距離をさらに延ばすからである。
【0020】
図1は、好ましい実施形態の切り欠き図であるが、泡生成ディスペンサー10がノズル12を有し、これから泡立った食器洗い組成物が分配される。食器洗い組成物は、浸漬管14を通って泡生成ディスペンサーへ入り、ボール16を過ぎてシリンダー18へ流れ込む。プラグ20が、ボール16の逃げを防ぐと共に、コイルばね22及び内側ロッド24を支持する。液体ピストン26が吸引を作り出して、これが、食器洗い組成物をボール16及びプラグ20を過ぎて液体チャンバ28の中へ引張り、これにより、泡生成ディスペンサー10の準備がなされる。一方、空気チャンバ30及び空気ピストン31も準備され、アクチベータ32が押し下げられると、空気チャンバ30からの空気と液体チャンバ28からの食器洗い組成物との両方が、乱流状態でミキシングチャンバ34の中へ押し込まれ、メッシュホルダー40により適正な位置に両方が保持されている、第一のメッシュ36と第二のメッシュ38とを通過する。乱流空気/食器洗い組成物の混合物が第一のメッシュ36を通ると、第一の粗い泡が生成されるが、これが、第二のメッシュ38及び第三のメッシュ41を通過後に、より微細及び均一になる。これらのメッシュは、同一又は異なる孔径を有していてもよい。また、所望により、追加メッシュを採用してもよい。
【0021】
好ましい実施形態において、泡生成ディスペンサーは、1つ以上のメッシュの代わりに又はそれに加えて、ディスペンサーの中に又はディスペンサーに取り付けられたスポンジを備える。スポンジはまた、高濃度界面活性剤組成物が乱流によりその連続気泡構造に通される時に泡を生成する。このようなスポンジは、泡生成ディスペンサーの内部に備えられてもよいし、及び/又は所望によりノズルの末端部に配置されてもよい。理論に制限されることは意図しないが、ノズルの先端部のわずかに内側及び/又はその先端部にある追加のメッシュ及び/又はスポンジは、分配直前に泡を生成するように作用するので、本明細書に特に有用であることが見出された。そのため、ユーザーは、泡が最後の乱流領域を通った時、又は通った直後の所望の泡を見ることになるが、その泡の質は、顕著に劣化及び/又は質が変化する前の最良のものである。
【0022】
図1は、ベースキャップ42も示すが、これが、高濃度界面活性剤組成物を保持する容器44に泡生成ディスペンサーを固定する。
本明細書で有用な好ましい泡生成ディスペンサーには、オランダ(Helmond,The Netherlands)のアファポリテーク(Afa-Polytek)からのT8900、OpAd FO、8203及び7512シリーズ泡生成器;オランダ(Alkmaar,The Netherlands)又は米国フロリダ州(North Pompano Beach,Florida)のエアスプレーインターナショナル社(Airspray International,Inc.)からのT1、F2、及びWR−F3シリーズ泡生成器;米国カリフォルニア州(City of Industry,California)のセントゴバンカルマー社(Saint-Gobain Calmar,Inc.)からのTS−800及びミクサー(Mixor)シリーズ泡生成器;日本東京の大和製罐株式会社(Daiwa Can Company,Tokyo,Japan)からのポンプ泡生成器及び絞り泡生成器;米国ニュージャージー州(Hillsborough,New Jersey)のグアラディスペンシングUSA社(Guala Dispensing USA,Inc.)からのTS1及びTS2シリーズ泡生成器;並びに日本東京の株式会社吉野工業所(Yoshino Kogyosho Co.,Ltd.,Tokyo,Japan)からのYT−87L−FP、YT−87L−FX、及びYT−97シリーズ泡生成器が挙げられる。泡生成ディスペンサーについては、日本語出版物、食品と容器(2001年)、第42巻、第10号、609〜613ページ、食品と容器(2001年)、第42巻、第11号、676〜679ページ、及び食品と容器(2001年)、第42巻、第12号、732〜735ページにても検討されており、参照されたい。既存の泡生成ディスペンサーの変形及び修正が、特に空気ピストン対製品ピストン容積比、メッシュ/ネットの穴の大きさ、衝突角度などの修正と同様に、シリンダー、ロッド、浸漬管、ノズルなどの大きさ及び寸法の最適化により、本明細書において特に有用である。
【0023】
引き金型の泡生成ディスペンサーは本明細書の特定の実施形態に好ましいが、指及び/又は掌作動型のポンプ(例えば、図1参照)が審美的な理由で好ましいことが多い。これは、泡生成キットが、典型的な硬質面クレンザー及び/又は同様の頑固な汚れ製品の「過酷な」イメージとは区別される場合に特にあてはまる。
【0024】
(高濃度界面活性剤組成物)
本明細書の高濃度界面活性剤組成物は、典型的には、洗浄組成物、磨き組成物、加湿組成物、及び/又は着色/染色組成物、好ましくは食器洗い組成物、ヘアケア組成物、洗濯組成物、ボディケア組成物、及び/又は硬質面洗浄組成物、より好ましくは食器手洗い組成物、洗濯組成物、スキンケア組成物、及び/又はシャンプー組成物からなる群から選択される。そのため、このような高濃度界面活性剤組成物は、典型的には、界面活性剤系、溶媒、並びに染料、酵素、香料、増粘剤、pH調整剤、還元又は酸化漂白剤、臭い制御剤、酸化防止剤、及び遊離ラジカル阻害物質などの当該技術分野において既知の1つ以上の任意成分、並びにこれらの混合物を含む。
【0025】
本明細書の界面活性剤システムには、典型的に、陰イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、又はこれらの混合物、好ましくはアルキルスルフェート、アルコキシスルフェート、アルキルスルホネート、アルコキシスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アミンオキシド、ベタイン又は脂肪族若しくは複素環式二級及び三級アミン誘導体、四級アンモニウム界面活性剤、アミン、単一又は多重アルコキシル化アルコール、アルキルポリグリコシド、脂肪酸アミド界面活性剤、C8〜C20のアンモニアアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、イソプロパノールアミド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド及びこれらの混合物が挙げられる。陰イオン性及び非イオン性界面活性剤の混合物が特に好ましい。本明細書で有用な界面活性剤はさらに、所望により、分枝状及び/又は直鎖状であっても、置換されていても又は非置換であってもよい。「表面活性物質及び洗剤(Surface Active Agents and Detergents)」(第1巻及び第2巻、シュワルツ(Schwartz)、ペリー(Perry)、及びバーチ(Berch)による)も参照されたい。
【0026】
本明細書で有用な陰イオン性界面活性剤には、式ROSO3Mの水溶性塩又は酸が挙げられ、式中、Rは、好ましくはC6〜C20の直鎖又は分枝状ヒドロカルビル、好ましくはC10〜C20のアルキル成分を有するアルキル又はヒドロキシアルキル、より好ましくはC10〜C14のアルキル又はヒドロキシアルキルであり、Mは、H、又は陽イオン、例えば、アルカリ金属陽イオン、アンモニウム若しくは置換アンモニウム、好ましくはナトリウム及び/又はカリウムである。
【0027】
本明細書に用いるのに好適な他の陰イオン性界面活性剤は、式RO(A)mSO3Mの水溶性塩又は酸であり、式中、Rは、非置換の直鎖又は分枝状C6〜C20のアルキル、又はC10〜C20のアルキル成分を有するヒドロキシアルキル基であり、好ましくはC12〜C20のアルキル又はヒドロキシアルキルであり、より好ましくはC12〜C14のアルキル又はヒドロキシアルキルであり、Aは、エトキシ又はプロポキシ単位であり、mは、0より大きく、典型的には約0.5〜約5の間であり、より好ましくは約0.5〜約2の間であり、Mは、H又は陽イオンであり、この陽イオンは、例えば、金属陽イオン、アンモニウム若しくは置換アンモニウム陽イオンであることができる。したがって、アルキルエトキシル化サルフェート類(本明細書では、CX-YmS(式中、X−Yはアルキル基の鎖長を表し、mは前述したのと同じである)と略記される)、並びにアルキルプロポキシル化サルフェート類が、本明細書で好ましい。代表的な界面活性剤は、C10〜C14のアルキルポリエトキシレート(1.0)サルフェート、C10〜C14のポリエトキシレート(1.0)サルフェート、C10〜C14のアルキルポリエトキシレート(2.25)サルフェート、C10〜C14のポリエトキシレート(2.25)サルフェート、C10〜C14のアルキルポリエトキシレート(3.0)サルフェート、C10〜C14のポリエトキシレート(3.0)サルフェート、及びC10〜C14のアルキルポリエトキシレート(4.0)サルフェート、C10〜C18のポリエトキシレート(4.0)サルフェートである。好ましい実施形態では、陰イオン性界面活性剤は、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化サルフェート界面活性剤と、非アルコキシル化サルフェート界面活性剤との混合物である。このような好ましい実施形態では、好ましい平均アルコキシル化度は、約0.4〜約0.8である。
【0028】
本明細書に用いるのにとりわけ好適な他の陰イオン性界面活性剤は、式RSO3Mの水溶性塩又は酸を含めた、アルキルスルホネート類及びアルキルアリールスルホネート類であり、式中、Rは、C6〜C20の直鎖又は分枝状、飽和又は不飽和のアルキル基又はアリール基、好ましくはC10〜C20のアルキル基又はアリール基、より好ましくはC10〜C14のアルキル基又はアリール基であり、MはH又は陽イオン、例えばアルカリ金属陽イオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム)、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えば、メチル−、ジメチル−、及びトリメチルアンモニウム陽イオン、並びにテトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペリジニウム陽イオンのような四級アンモニウム陽イオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物のようなアルキルアミン類由来の四級アンモニウム陽イオンなど)である。また、きわめて好ましいのは、直鎖及び分枝状アルキルベンゼンスルホネート類であり、より好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホネートである。
【0029】
他の好ましい実施形態では、陰イオン性界面活性剤の炭素鎖は、1つ以上のアルキル、好ましくはC14のアルキル分枝単位を含む。このような場合、陰イオン性界面活性剤の平均分枝パーセンテージは、当該陰イオン性界面活性剤の約30重量%を超え、より好ましくは約35重量%〜約80重量%、最も好ましくは約40重量%〜約60重量%である。このような平均分枝パーセンテージは、そのすべてが好ましくは約30%を超える分枝、より好ましくは約35%〜約80%、最も好ましくは約40%〜約60%分枝状である、1つ以上の陰イオン性界面活性剤を用いてPMEを配合することによって、達成することができる。あるいは、そしてより好ましくは、PMEが、分枝状陰イオン性界面活性剤と直鎖状陰イオン性界面活性剤との組み合わせを、この陰イオン性界面活性剤の組み合わせ全体の平均分枝パーセンテージが約30%を超え、より好ましくは約35%〜約80%、最も好ましくは約40%〜約60%になるように、含んでもよい。
【0030】
本明細書の両性界面活性剤は、PME、又は適用可能であればMEのPHに応じて電荷が変化する界面活性剤であり、好ましくは、様々なアミンオキシド界面活性剤から選択される。アミンオキシド類は、半極性の界面活性剤であり、これには、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基からなる群から選択される部分2個とを含有する、水溶性アミンオキシド類;約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基からなる群から選択される部分2個とを含有する、水溶性ホスフィンオキシド類;並びに約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子のアルキル及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される部分1個とを含有する、水溶性スルホキシド類が含まれる。
【0031】
好ましいのは、次式:
【0032】
【化1】

のアミンオキシド類であって、式中、R1はC1014のアルキルであり、R2及びR3はメチル又はエチルであり、並びに米国特許第4,316,824号(パンチェリ(Pancheri)、1982年2月23日付与)、米国特許第5,075,501号(ボーランド(Borland)及びスミス(Smith)、1991年12月24日付与)、米国特許第5,071,594号(ボーランド(Borland)及びスミス(Smith)、1991年12月10日付与)に記載のものである。
【0033】
好ましいアミンオキシド界面活性剤は、次式:
【0034】
【化2】

を有し、式中、R3は、約8〜約22個の炭素原子を含有する、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルフェニル基、又はこれらの混合物であり;R4は、約2〜約3個の炭素原子を含有する、アルキレン基若しくはヒドロキシアルキレン基、又はこれらの混合物であり;xは、0〜約3であり;R5はそれぞれ、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基、又は約1〜約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基である。R5基を、例えば酸素又は窒素原子を介して互いに結合させて、環状構造を形成することができる。好ましいアミンオキシド界面活性剤には、C10〜C18のアルキルジメチルアミンオキシド類及びC8〜C12のアルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシド類が挙げられる。
【0035】
また、次式:
【0036】
【化3】

で表される、プロピルアミンオキシド類のようなアミンオキシド類も好適であり、式中、R1は、アルキル、2−ヒドロキシアルキル、3−ヒドロキシアルキル、又は3−アルコキシ−2−ヒドロキシプロピル基であって、アルキル及びアルコキシはそれぞれ約8〜約18個の炭素原子を含有し、R2及びR3はそれぞれ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、又は3−ヒドロキシプロピルであり、nは、0〜約10である。
【0037】
さらに好適な種類のアミンオキシド半極性界面活性剤は、次式:
【0038】
【化4】

を有する化合物及び化合物の混合物を含み、式中、R1は、アルキル、2−ヒドロキシアルキル、3−ヒドロキシアルキル、又は3−アルコキシ−2−ヒドロキシプロピル基であって、アルキル及びアルコキシはそれぞれ約8〜約18個の炭素原子を含有し、R2及びR3はそれぞれ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、又は3−ヒドロキシプロピルであり、nは、0〜約10である。
【0039】
本発明で有用な両性界面活性剤の他の好適な非限定例には、アミドプロピルベタイン類、並びに脂肪族又は複素環式の二級及び三級アミン類の誘導体であって、その脂肪族部分が直鎖又は分枝鎖であることができ、その脂肪族置換基の1つが約8〜約24個の炭素原子を含有し、その脂肪族置換基の少なくとも1つが陰イオン性水溶性基を含有するものが挙げられる。
【0040】
好適な両性界面活性剤のさらなる例は、「界面活性剤及び洗剤(Surface Active Agents and Detergents)」(第巻及び第II巻、シュワルツ(Schwartz)、ペリー(Perry
)、及びベルク(Berch))に開示されている。
【0041】
本明細書で有用な陽イオン性界面活性剤には、塩化物イオンのような陰イオンによって電荷が釣り合わされた、少なくとも1つのC10〜C14のアルキル鎖を有する四級アンモニウム塩が挙げられる。好ましい陽イオン性界面活性剤には、アルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物のようなアンモニウム界面活性剤、並びに次式:
[R2(OR3y][R4(OR3y25+-
を有する界面活性剤が挙げられ、式中、R2は、アルキル鎖の中に約8〜約18個の炭素原子を有するアルキル又はアルキルベンジル基であり、R3はそれぞれ、−CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH3CH(CH2OH)−、−CH2CH2CH2−、及びこれらの混合物からなる群から選択され;R4はそれぞれ、C1〜C4のアルキル、C1〜C4のヒドロキシアルキル、ベンジル、2つのR4基を接合させることによって形成される環状構造、−CH2CHOHCHOHCOR6CHOH−CH2OH(ここで、R6は、分子量約1000未満のヘキソース若しくはヘキソースポリマー、yがOでない時には水素)からなる群から選択され;R5は、R4と同一、又はR2の炭素原子とR5の炭素原子とを加えた総数が約18以下であるアルキル鎖であり;yは、それぞれ0〜約10であり、yの値の合計は0〜約15であり;Xは、いずれか適合性のある陰イオンである。
【0042】
本明細書で有用なその他の陽イオン性界面活性剤はまた、米国特許第4,228,044号(カンブル(Cambre)1980年10月14日発行)に記載され、モノアルコキシル化された、及びジアルコキシル化されたアンモニウム塩類もまた本明細書で使用してもよく、クラリアント社(Clariant Corporation)(米国ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte))及びアクゾノベル(Akzo Nobel nv)(オランダ、アルンヘム(Arnhem))のような供給元から一般に入手可能である。
【0043】
また、双極性界面活性剤も、本明細書で有用なことがあり、二級及び三級アミンの誘導体、複素環式の二級及び三級アミンの誘導体、又は四級アンモニウム、四級ホスホニウム若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体として広く記述することができる。双極性界面活性剤の例については、米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)の19段38行〜22段48行を参照のこと。本明細書で特に有用な双極性界面活性剤には、一般に入手可能なベタイン界面活性剤、特にラウリルアミドプロピルベタイン、C12〜C16のココアミドプロピルベタイン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0044】
本明細書のPMEはまた、約10%未満、好ましくは約0%〜約10%、より好ましくは約0%〜約5%、さらに好ましくは約0%〜約3%の非イオン性界面活性剤を含有する。本明細書で有用な非イオン性界面活性剤は、米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)の13段14行〜16段6行に概ね開示されている。本明細書で有用な他の非イオン性界面活性剤には、脂肪族アルコール類と約1〜約25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は分枝状、一級又は二級のいずれかであることができ、一般に約8〜約22個の炭素原子を含有する。特に好ましいのは、約10〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルコール類と、アルコール1モル当り約2〜約18モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。このタイプの市販の非イオン性界面活性剤の例には、タージトール(TERGITOL)(登録商標)15−S−9(C11〜C15の直鎖二級アルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、タージトール(登録商標)24−L−6NMW(狭い分子量分布をもつ、C12〜C14の一級アルコールと6モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)(いずれもユニオン・カーバイド社(Union Carbide Corporation)から販売);ネオドール(NEODOL)(登録商標)45−9(C14〜C15の直鎖アルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、ネオドール(登録商標)23−6.5(C12〜C13の直鎖アルコールと6.5モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)(シェル・ケミカル社(Shell Chemical Company)から販売)、並びにキロ(KYRO)(登録商標)EOB(C13〜C15のアルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)(米国オハイオ州シンシナティのプロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)から販売)が挙げられる。その他の市販されている非イオン性界面活性剤としては、シェル・ケミカル社(Shell Chemical Co.)より販売されているドバノール(Dobanol)91−8(登録商標)及びヘキスト(Hoechst)より販売されているゲナポール(Genapol)UD−080(登録商標)が挙げられる。この部類の非イオン性界面活性剤は、一般に「アルキルエトキシレート類」と呼ばれる。
【0045】
また、アルキルポリグリコシド界面活性剤、脂肪酸アミド界面活性剤、C8〜C20のアンモニアアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、イソプロパノールアミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される非イオン性界面活性剤も、本明細書で有用である。このような非イオン性界面活性剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。本明細書で有用な特に好ましい非イオン性界面活性剤は、米国オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)のコグニス社(Cognis Corp.)からのC9〜C12のアルキルポリグリコシドである。好ましいアルキルポリグリコシド類は、次式:
2O(Cn2nO)t(グリコシル)x
を有し、式中、R2は、アルキル、アルキルフェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルフェニル、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記アルキル基は10〜18、好ましくは12〜14個の炭素原子を含有し;nは2又は3、好ましくは2であり;tは0〜10、好ましくは0であり;xは1.3〜10、好ましくは1.3〜3、最も好ましくは1.3〜2.7である。グリコシルは、好ましくはグルコースから誘導される。これらの化合物を調製するには、初めにアルコール又はアルキルポリエトキシアルコールを形成し、次いでグルコース又はグルコース源と反応させて、グルコシドを形成する(1位で結合)。これで、追加のグリコシル単位を、それらの1位と先行のグリコシル単位の2、3、4、及び/又は6位、好ましくは主に2位との間で、結合させることができる。
【0046】
脂肪酸アミド界面活性剤には、次式:
【0047】
【化5】

を有するものが挙げられ、式中、R6は、約7〜約21個(好ましくは約9〜約17個)の炭素原子を含有するアルキル基であり、R7はそれぞれ、水素、C1〜C4のアルキル、C1〜C4のヒドロキシアルキル、及び−(C24O)xHからなる群から選択され、ここでxは、約1〜約3で変化する。
【0048】
好ましいアミド類は、C8〜C20のアンモニアアミド類、モノエタノールアミド類、ジエタノールアミド類、及びイソプロパノールアミド類である。
【0049】
本明細書の組成物は、約20%まで、好ましくは約2%〜約10%のポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤を含んでよい。存在する場合、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤成分は、典型的には、次式:
【0050】
【化6】

であり、式中、R1は、H、C1〜C4のヒドロカルビル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、又はこれらの混合物、好ましくはC1〜C4のアルキル、より好ましくはC1若しくはC2のアルキル、さらに好ましくはC1のアルキル(すなわちメチル)であり;R2は、C5〜C31のヒドロカルビル、好ましくは直鎖C7〜C19のアルキル若しくはアルケニル、より好ましくは直鎖C9〜C17のアルキル若しくはアルケニル、さらに好ましくは直鎖C11〜C15のアルキル若しくはアルケニル、又はこれらの混合物であり;Zは、少なくとも3個のヒドロキシルが鎖に直接結合した、直鎖のヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル、又はそれらのアルコキシル化誘導体(好ましくは、エトキシル化若しくはプロポキシル化)である。R2−C(O)−N<は、好ましくは、コカミド、ステアルアミド、オレアミド、ラウロアミド、ミリスタミド、カプリカミド、パルミトアミド、タロウアミド、及びこれらの混合物から選択される。Zは、好ましくは還元型アミノ化反応において還元糖から誘導され、より好ましくは、Zはグリシチルである。好適な還元糖には、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、及びキシロースが挙げられる。上記で列挙した個々の糖類に加えて、原材料として、高級デキストロースコーンシロップ、高級フルクトースコーンシロップ、及び高級マルトースコーンシロップを利用することができる。これらのコーンシロップは、Zの糖成分の混合物を生じることがある。これが決して他の好適な原材料を排除しようとするものではないことを理解すべきである。Zは、好ましくは、−CH2−(CHOH)n−CH2OH、−CH(CH2OH)−(CHOH)n-1−CH2OH、−CH2−(CHOH)2(CHOR')(CHOH)−CH2OH、及びこれらのアルコキシル化誘導体からなる群から選択され、ここで、nは、3〜5(5を含む)の整数であり、R'は、H又は環式若しくは脂肪族単糖類である。さらに好ましいのは、nが4であるグリシチル類、特に−CH2−(CHOH)4−CH2OHである。
【0051】
高濃度界面活性剤組成物は、この高濃度界面活性剤組成物の少なくとも約20重量%の界面活性剤系;好ましくは約20重量%〜約100重量%の界面活性剤系;より好ましくは約30重量%〜約99重量%の界面活性剤系;さらにより好ましくは約35重量%〜約98重量%の界面活性剤系;なおさらにより好ましくは約40重量%〜約98重量%の界面活性剤系を含有する。
【0052】
本明細書で有用な溶媒は、典型的には、水、アルコール類、グリコール類、エーテルアルコール類、及びこれらの組み合わせからなる群、より好ましくは、水、グリコール、エタノール、グリコールエーテル類、水、及びこれらの組み合わせからなる群、さらにより好ましくは、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、水、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。本明細書の溶媒は、溶液の好ましくは少なくとも約12重量%、より好ましくは少なくとも約50重量%の水中溶解度を有する。
【0053】
製品粘度の減少及び/又は組成物にずり減粘若しくは非ニュートンレオロジー特性を付与可能な溶媒は、このような溶媒が典型的には高価であり、顕著な非剪断力関連利益をもたらさないので、存在していてもよいが、本明細書では好ましくない。それ故に、好ましい実施形態では、本明細書の高濃度界面活性剤組成物は、泡生成ディスペンサーでの使用中に関連する剪断力範囲にわたってニュートン流体として作用する。
【0054】
ニュートン流体挙動を付与する本明細書に有用な好ましい溶媒としては、モノ、ジ及びポリヒドロキシアルコール類、エーテル類、及びこれらの混合物が挙げられる。プロピレンカーボネートのようなアルキルカーボネート類も好ましい。
【0055】
本明細書で有用な酵素には、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、グルコ−アミラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、及びこれらの混合物が含まれる。好ましい組み合わせは、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素のカクテルを有する洗剤組成物である。酵素は、典型的には、約0.0001重量%〜約5重量%の活性酵素で存在する。好ましいタンパク質分解酵素は、アルカラーゼ(ALCALASE;登録商標、ノボインダストリ社(Novo Industri A/S))、BPN'、プロテアーゼA及びプロテアーゼB(ジェネンコア(Genencor))、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。プロテアーゼBがより好ましい。好ましいアミラーゼ酵素には、テルマミール(TERMAMYL;登録商標)、デュラミール(DURAMYL;登録商標)、並びに国際公開第94/18314A1号(アントリム(Antrim)ら、1994年8月18日公開、ジェネンコア・インターナショナル(Genencor International)に譲渡)、及び国際公開第94/02597A1号(スベンセン(Svendsen)及びビスガード−フランツェン(Bisgard-Frantzen)、1994年2月3日公開、ノボノルディスク社(Novo Nordisk A/S)に譲渡)に記載されるアミラーゼ酵素が含まれる。好ましい酵素の更なる非限定例が、国際公開第99/63034A1号(ビンソン(Vinson)ら、1999年12月9日公開)に開示されている。
【0056】
マイクロエマルション又はプロトマイクロエマルション組成物、特に食器洗い組成物はまた、低水溶性油の重量で典型的には約5,000ppm未満、好ましくは100万当り約0部(ppm)〜約1,500ppm、より好ましくは1兆当り約1部〜約100ppmの水溶解度を有する、低水溶性油を含有する。本明細書で有用な好ましい低水溶性の油には、テルペン類、イソパラフィン類、前述の溶解度を有する他の油、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
泡生成ディスペンサーなしでは、本明細書の食器洗い組成物は、希釈範囲の典型的には約50%未満、好ましくは約0%〜約40%、より好ましくは約0%〜約35%の有効泡立ち希釈範囲を有する。しかしながら、本明細書における本発明の実施形態では、食器洗い組成物は、泡生成ディスペンサーと共に使用される時、少なくとも約50%、好ましくは約50%〜約100%、より好ましくは約75%〜約100%、さらにより好ましくは約85%〜約100%の有効泡立ち希釈範囲を有する。有効な泡形成希釈範囲は次のように計算される:グラフIの石鹸泡生成曲線は、本明細書の石鹸泡シリンダー試験による食器洗い組成物の種々の希釈液を試験することによって得られる。そのような曲線は、泡生成ディスペンサーからシリンダー内への分配があるか又はないかのいずれかで作り出すことができる。本明細書において、「有効泡」は、所与の食器洗い組成物に対して生成される泡の、石鹸泡生成曲線による最大容積の少なくとも半分(50%)の泡として定義される。それ故に、泡生成ディスペンサーが使用されない時についてのグラフIでは、有効泡は、製品濃度約28%〜約2%で形成されるが、これは26%の有効泡立ち希釈範囲(すなわち、28%〜2%)に換算される。しかしながら、同一食器洗い組成物が泡生成ディスペンサーと共に使用される(すなわち、ディスペンサーから分配される)時、分配される点(100%製品濃度)から約3%の製品濃度に到達するまで、有効泡が生成されるのが見られる。これは、食器洗いキットが、石鹸泡シリンダー試験による最大容積の泡が形成される希釈とはかなり異なる食器洗い組成物の水に対する希釈で泡を生成するからである。したがって、グラフIの食器洗い組成物が泡立ちディスペンサーから分配される時の有効泡立ち希釈範囲は、97%(すなわち、100%〜3%)である。
【0058】
【表1】

【0059】
本明細書で有用な食器洗い組成物は、本明細書で定義される油可溶化試験により作り出される油可溶化曲線を有する。「有効油可溶化量」は、本明細書において、製品濃度(すなわち、希釈)の関数としてプロットされた油可溶化曲線により、所与の食器洗い組成物に対する最大油可溶化量の少なくとも20%の油可溶化量として定義される。したがって、グラフIでは、最大油可溶化量は、70%製品濃度において約4.7であり、したがって、有効油可溶化量は、少なくとも約0.94の大きさである。有効油可溶化量は、約96%〜約42%の希釈範囲で生じるが、これは、約54%の有効油可溶化希釈範囲に換算される。
【0060】
グラフIで見ることができるように、泡生成ディスペンサーのない石鹸泡生成曲線と有効油可溶化希釈範囲の間には、実質上重なり合いがない。同様に、泡生成ディスペンサーがなければ、有効泡立ち希釈範囲(28%〜2%)と有効油可溶化希釈範囲(42%〜96%)の間にも重なり合いがないのを見ることができる。対照的に、泡生成ディスペンサーが採用される時には、有効泡立ち希釈範囲(3%〜100%)は、有効油可溶化希釈範囲(42%〜96%)全体に完全に(100%)重なり合う。好ましい実施形態では、有効泡立ち希釈範囲は、有効油可溶化希釈範囲に重なり合い、好ましくは少なくとも10%だけ、より好ましくは約25%〜約100%だけ、特にマイクロエマルション又はプロトマイクロエマルションの場合に、さらにより好ましくは約50%〜約100%だけ有効油可溶化希釈範囲に重なり合う。さらに、有効泡立ち希釈範囲は、油可溶化曲線中の油可溶化が最大の点と重なり合うのが殊に好ましい。したがって、本発明はユーザーに、油をより有効に可溶化する、ひいては洗浄を最適化する濃度/製品希釈において、その製品を使用するよう勧める。
【0061】
油可溶化曲線がより有効になる、好ましくは最大限になる希釈において、消費者に受入れられ得る泡立ちを達成するために、そのような食器洗い組成物、特にマイクロエマルション及びプロトマイクロエマルション食器洗い組成物は、容器と本明細書の泡生成ディスペンサーとを必要とすることが、本発明で認識された。したがって、食器洗い組成物が容器及び泡生成ディスペンサーと共に使用される時、有効泡立ちは、容器及び泡生成ディスペンサーが使用されない時の石鹸泡生成曲線とは著しく異なる希釈ファクターにおいて生成されることが好ましい。
【0062】
本発明で有用な食器手洗い組成物、洗浄組成物、プロトマイクロエマルション組成物、及びマイクロエマルション組成物は、例えば、国際公開第96/01305A1号(ファーンフォース(Farnworth)及びマーチン(Martin)、1996年1月18日公開);米国特許第5,854,187号(ブルム(Blum)ら、1998年12月29日発行);米国特許第6,147,047号(ロビンス(Robbins)ら、2000年11月14日発行);国際公開第99/58631A1号(ロビンス(Robbins)ら、1999年11月18日公開);米国特許第4,511,488号(マッタ(Matta)、1985年4月16日発行);米国特許第5,075,026号(ロス(Loth)ら、1991年12月24日発行);米国特許第5,076,954号(ロス(Loth)ら、1991年12月31日発行);米国特許第US05082584号(ロス(Loth)ら、1992年1月21日発行);米国特許第5,108,643号(ロス(Loth)ら、1992年4月28日発行);同時係属米国特許出願番号60/451064(P&G件名番号AA614FP)名称「プロトマイクロエマルション、プロトマイクロエマルション含有クリーニング器具、及びその使用法(Protomicroemulsion,Cleaning Implement Containing Same,And Method Of Use Therefor)」(フォード(Ford)ら、2003年2月28日出願);同時係属米国特許出願番号60/472941(P&G件名番号AA614P2)名称「プロトマイクロエマルション、プロトマイクロエマルション含有クリーニング器具、及びその使用法(Protomicroemulsion,Cleaning Implement Containing Same,And Method Of Use Therefor)」(フォード(Ford)ら、2003年5月23日出願);同時係属米国特許出願番号○○/○○○○○○(P&G件名番号AA614P3)名称「プロトマイクロエマルション、プロトマイクロエマルション含有クリーニング器具、及びその使用法(Protomicroemulsion,Cleaning Implement Containing Same,And Method Of Use Therefor)」(フォード(Ford)ら、○○○○年○○月○○日出願);及び同時係属米国特許出願番号○○/○○○○○○(P&G件名番号AA633FP)名称「プロトマイクロエマルション、プロトマイクロエマルション含有クリーニング器具、及びその使用法(Protomicroemulsion,Cleaning Implement Containing Same,And Method Of Use Therefor)」(ハットン(Hutton)及びフォレイ(Foley)、○○○○年○○月○○日出願)に記載されるように、当該技術分野において既知である。上記参考文献に記される食器洗い組成物又は上記組成物の変形物は、本明細書で説明する容器及び泡生成ディスペンサーと組み合わせて使用するのが特に好ましい。
【0063】
本明細書の高濃度界面活性剤組成物は、典型的には、少なくとも約0.05Pa・s、好ましくは約0.05Pa・s〜約10Pa・s、より好ましくは約0.1Pa・s〜約7Pa・s、さらにより好ましくは約0.2Pa・s〜約5Pa・s、なおさらにより好ましくは約0.3Pa・s〜約4Pa・sの粘度を有する。
【0064】
高濃度界面活性剤組成物は単一品として容器内にて販売されるのが好ましいが、これは必須ではなく、再充填品として、同一キット内の別個の構成要素も本明細書にて想到している。
【0065】
(成形アプリケータ)
成形アプリケータは、標準的なアプリケータと比較して、意外な程顕著に改善された結果と使用の容易さとを提供できることがさらに見出された。成形アプリケータは、容易に手に持って、泡立った食器洗い組成物を洗浄する表面、すなわち食器に塗り付けるのに使用するように設計され、また大きさも決められている。泡立った食器洗い組成物が平らなアプリケータに適用される場合には、泡立った食器洗い組成物が最初に接触する食器の上で急速にぬぐい取られて、次の食器を洗浄するための、泡立った食器洗い組成物が平らなアプリケータ上に少ししか残らないことが判明した。これにより、泡立った食器洗い組成物の使用は、組成物の使用距離が著しく減少するので費用増となると共に、新しい泡立った食器洗い組成物を平らなアプリケータ上に常に適用させる必要があるので面倒である。対照的に、泡立った食器洗い組成物のための防護付き窪み及び/又はポケットのような受入れ領域を保有する成形アプリケータは、泡立った食器洗い組成物をより有効に保持して長時間にわたり配分する。
【0066】
成形アプリケータは、擦り洗いに使用されることが多いので、少なくともその表面の1つは、研磨表面を含むのが好ましい。成形アプリケータは、典型的には、天然又は人造スポンジ、ブラシ、金属磨き具、織布材料、不織布材料、研磨材料、プラスチック材料、布地材料、マイクロファイバー洗浄材料、ポリマー材料、樹脂材料、ゴム材料、又はこれらの組み合わせ、好ましくは天然又は人造スポンジ、ブラシ、金属磨き具、研磨材料、発泡ゴム材料、機能性吸収性材料(FAM)、ポリウレタン発泡体、及びこれらの組み合わせ、並びにより好ましくは、天然又は人造スポンジ、ブラシ、研磨材料、発泡ゴム材料、及びこれらの組み合わせなどの多孔質材料から選定され、全てのタイプとも連続気泡構造が殊に好ましい。そのような成形アプリケータは、多様な販売元から入手可能であり、例えば、米国ミネソタ州(St.Paul,Minnesota)のミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company;3M)などがある。成形アプリケータが比較的華奢な材料又は壊れやすい材料で形成される場合には、その材料は、不織布材料などの透水性でより堅固な材料で部分的又は完全に覆われるのが好ましい。やはり有用であるのは、プラスチック又はポリマー材料で形成された表面であり、例えば、米国ミネソタ州(St.Paul,Minnesota)のミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company;3M)から入手可能なもの、及び例えば、スコッチブライト(Scotch-Brite;商標)汎用磨きパッドに見られるものなどがある。
【0067】
本明細書で有用なFAMは、FAMの重量基準で好ましくは約20gH2O/gを超える、より好ましくは40gH2O/gを超える吸収能力を有する。そのような好ましいFAMが、米国特許第5,260,345号(デマレーズ(DesMarais)ら、1993年11月9日発行)、又は米国特許第5,889,893号(ダイヤー(Dyer)ら、1999年5月4日発行)に記載されている。好ましいポリウレタンの例が、米国特許第5,089,534号(トーエン(Thoen)ら、1992年2月18日発行);米国特許第4,789,690号(ミロバノビック−レリック(Milovanovic-Lerik)ら、1988年12月6日発行);日本特許10−182780(Japanese Patent Publication No.10-182780)(花王(株)(Kao Corporation)、1998年7月7日公開);日本特許9−30215(Japanese Patent Publication No.9-30215)(横浜ゴム(株)(Yokohama Gum)、1997年2月4日公開);日本特許5−70544(Japanese Patent Publication No.5-70544)(ダウケミカル社(The Dow Chemical Company)、1993年3月23日公開);及び日本特許10−176073(Japanese Patent Publication No.10-176073)((株)ブリヂストン(Bridgestone Company)、1998年6月30日公開)に記載されている。
【0068】
好ましくは、成形アプリケータは硬質ではなく、むしろ少なくとも1つの弾力性部分、好ましくは研磨表面で覆われた弾力性部分を有する。そのような任意の弾力性部分によって、ユーザーは、こすり面と食器の間の接触量、圧力などを変化させることができる。したがって、泡立った食器洗い組成物は、泡生成ディスペンサーから直接成形アプリケータの中又は上に適用されるのが好ましい。
【0069】
図2を参照すると、本明細書の好ましい実施形態の成形アプリケータ12の上部斜視切り欠き図が示されているが、スポンジタイプの成形アプリケータ12が受入れ領域50を含み、これに泡立った食器洗い組成物が適用されて使用される。したがって、受入れ領域50は、典型的には、壁52によって境界を設けられ、これが、泡立った組成物が成形アプリケータ12から急速にこすり取られるのを防ぐ。受入れ領域は、成形アプリケータと接触している泡立った食器洗い組成物を保持するいかなる形状及びデザインのものでもよいが、成形アプリケータ中の凹面窪みであるのが好ましい。好ましい実施形態では、受入れ領域は、泡立った洗剤を受入れ領域内に有効に保持して通常の使用時間にわたって分配する、比較的急勾配の凹面壁又は他の構造を含む。受入れ領域は、泡立った食器洗い組成物を、典型的には約1ml〜約200ml、好ましくは約2ml〜約150ml、より好ましくは約5ml〜約100ml保持する。
【0070】
図2では、成形アプリケータ12はさらに、食器を擦るための複数の研磨表面54を含む。少なくとも1つの研磨表面が、成形アプリケータ上に設けられているのが殊に好ましい。
【0071】
図3は、成形アプリケータ12の好ましい実施形態の斜視切り欠き図を示しているが、これは、ポケットのような受入れ領域50を有するスポンジタイプのアプリケータ12として形成され、その内部寸法が破線で示されている。泡立った食器洗い組成物は、口56を通して受入れ領域50へ加えられるが、口は、所望により、永久的に開いたままでもよいし又は閉止可能であってもよい。研磨表面54が、成形アプリケータ12の実質的に外側全体を覆って、食器から汚れを落とすのを助ける。
【0072】
(試験方法)
本明細書の粘度は、ブルックフィールド粘度計モデル番号LVDVII+で20℃にて測定する。これらの測定に使用されるスピンドルは、様々な粘度の製品を測定するのに適した速度をもつS31スピンドルであり、例えば、粘度が1Pa・sを超える製品の測定には12rpm、粘度が0.5Pa・s〜1Pa・sの製品には30rpm、粘度が0.5Pa・s未満の製品の測定には60rpmである。
【0073】
可溶化能力を測定するために、試験すべき製品10.0g(特定の希釈で試験が実施される場合、この量には水が含まれる)が、25mLシンチレーション・バイアル瓶に入れられる。これに、0.045%のピラクローム・レッド(Pylakrome RED)−LX1903(ソルベント・レッド(SOLVENT RED)24CAS#85−83−6及びソルベント・レッド(SOLVENT RED)26CAS#4477−79−6の混合物、米国アリゾナ州テンピー(Tempe)のピラム・プロダクツ社(Pylam Products)から入手可能)染料で染められた食品用キャノーラ油0.1gが加えられ、バイアル瓶に蓋が付けられる。バイアル瓶は、手で5秒間激しく振盪され、ISO7027濁度測定手順によって透明になるまで、又は5分経過するまでの、いずれか早い方の時点まで置かれる。ISO7027方法は、米国コネチカット州(Stamford,Connecticut)のオメガ・エンジニアリング社(Omega Engineering,Inc.)から入手可能なものなどの、濁度測定設備で波長880ナノメートルにおいて濁度を測定する。バイアル瓶が透明になったら、さらなる油が、そのバイアル瓶が規定の時間内に透明にならなくなるまで、0.1gずつの増分で加えられる。油溶解のパーセンテージは、製品10.0gによってうまく可溶化した(すなわち、バイアル瓶が透明になる)油の最大量として記録される。本明細書の食器洗い組成物は、製品濃度75%で試験する時、好ましくは少なくとも約1gの染色したキャノーラ油、より好ましくは少なくとも約3gの染色したキャノーラ油、さらにより好ましくは少なくとも約4gの染色したキャノーラ油を可溶化する。
【0074】
泡立ち特性は、石鹸泡シリンダー試験機(SCT)を採用し、そのデータを使用して石鹸泡生成曲線をプロットすることにより、測定可能である。SCTは、シリンダー4つの組を有する。各シリンダーは、典型的には、長さ30cm、直径10cmである。シリンダー壁は、厚さ0.5cmであり、シリンダー底は、厚さ1cmである。SCTは、密閉シリンダー、典型的には複数の透明プラスチックシリンダー内の試験溶液を、毎分約21回転の速度で2分間回転させ、その後、泡の高さが測定される。次いで、その試験溶液に汚れを加え、再び攪拌し、得られる泡の高さを再び測定してもよい。このような試験を使用して、組成物の初期の泡立ち特性、並びに洗浄される表面からより多くの汚れが取り込まれる使用時の泡立ち特性をシミュレートすることができる。
【0075】
泡立ち特性の試験は、次の通りである:
1.乾燥したきれいな目盛り付きシリンダーを1セットと、水の硬度136.8ppm(1リットル当り2.1グレイン)及び温度25℃を有する水とを準備する。
2.各シリンダーに適切な量の試験組成物を加え、水を加えて、各シリンダー内の組成物+水の合計を500mLにする。
3.シリンダーを密封し、それらをSCTに入れる。
4.SCTを作動させ、シリンダーを2分間回転させる。
5.1分以内に、泡の高さをセンチメートルで測定する。
6.泡立ち特性は、組成物によって生み出される泡の平均高さ(センチメートル)である。
【0076】
本発明による組成物は、好ましくは少なくとも約2cm、より好ましくは少なくとも約3cm、さらにより好ましくは少なくとも約4cmの泡立ち特性最大値を有する。
【0077】
泡対重量の比は、製品(グラム)当りの生成された泡(mL)の測定値である。泡対重量の比は、次のように測定する。メスシリンダーなどの容積測定器具の重量を測定して、自重を得る。次に、適切な場合には泡生成ディスペンサーを使用して(非連続ディスペンサー具については設定ストローク数、又は連続ディスペンサー具については設定時間)、製品をメスシリンダーの中へ分配する。推奨持続時間は、非連続器具(ポンプ、噴霧器)については10ストローク、連続器具については10秒間である。試験中の分配速度は、標準的な使用シナリオの間の分配速度と一致しているべきである。例えば、引き金噴霧器については1分当り120ストローク、又は掌ポンプについては1分当り45ストロークである。
【0078】
生成された泡の容積は、容積測定器具を使用してmlで測定する。
分配された製品を含む容積測定器具の重量をグラムで測定する。この重量から容積測定器具の自重を引く。結果が分配された製品のグラムである。最後に、泡対重量の比(ml/g)を、生成された泡の容積(ml)を分配された製品の重量(g)で割ることにより、計算する。
泡対重量の比mL/gは、高濃度界面活性剤組成物の密度を掛けることにより、製品1mL当りの泡mLに容易に換算される。
【0079】
本発明の実施例を以下の実例によって示すが、これによって本発明をいかなる方法においても限定することは意図していない。これらの実施例は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その多くの変形例が可能であるので、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0080】
(実施例1)
泡生成キットは、マイクロエマルション食器洗い組成物で満たされた300mLの中空プラスチック容器と、図1に示されるものと同様な、取り付けられたエアスプレー(Airspray)からのT1シリーズ泡生成器とを含む。T1泡生成器は、図1に見られるように、41にてノズルの先端部に第三のメッシュを備える。図3による成形アプリケータも含まれる。分配されると、泡立った食器洗い組成物は、約3mL/gの泡対重量の比を有し、泡は、クリームのような均一な見かけ及び感触を有する。泡立った食器洗い組成物は、泡生成ディスペンサーのノズルを成形アプリケータの口の中へ突き刺してアクチベータの上に押し下げることにより、泡生成ディスペンサーからポケットタイプの成形アプリケータの中へ分配される。上述のように使用される時、食器洗いキットは、良好な使用距離と、食器を洗浄する標準的な使用の間中続く泡とを提供する。しかしながら、泡生成ディスペンサーが使用されない(すなわち、食器洗い組成物が容器から単に注がれる)場合、有効泡立ち希釈範囲は、有効油可溶化希釈範囲にはっきりとは重なり合わない。
【0081】
(実施例2)
次の配合物A〜Gによるイオン系マイクロエマルションは、実施例1の泡生成ディスペンサーで包装されて、提供される。配合物Fはゲルであるが、他の配合物はすべて液体である。
【0082】
【表2】

【0083】
(実施例3)
T1泡生成器が先端部に第三のメッシュの代わりにスポンジに変更されていることを除いて、実施例1によって泡生成キットを調製する。スポンジは、特定の形状に切断された人造スポンジであり、ノズルのすぐ内部にしっかり取り付けられている。生成した泡は、クリームのような審美的に好ましいものである。
【0084】
「発明を実施するための最良の形態」において引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0085】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々なその他の変形及び変更が可能であることは、当業者に明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A.泡を生成するための泡生成ディスペンサーを備える非エアゾール容器と、
B.少なくとも35重量%の界面活性剤系を含む高濃度界面活性剤組成物と
を備え、
前記泡生成ディスペンサーは、前記高濃度界面活性剤組成物と共に使用される時、2mL/gより大きい泡対重量の比を有する泡を生成し、
前記高濃度界面活性剤組成物は、マイクロエマルションまたはプロトマイクロエマルションからなる洗浄組成物である泡生成キット。
【請求項2】
前記泡生成ディスペンサーが少なくとも3つのメッシュを備え、
前記高濃度界面活性剤組成物は、前記泡を生成するように、前記3つのメッシュを連続して流れて通る請求項1に記載の泡生成キット。
【請求項3】
前記高濃度界面活性剤組成物がニュートン流体である請求項1に記載の泡生成キット。
【請求項4】
前記高濃度界面活性剤組成物が酵素をさらに含む請求項1に記載の泡生成キット。
【請求項5】
前記泡生成ディスペンサーがスポンジを備える請求項1に記載の泡生成キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−18806(P2010−18806A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179427(P2009−179427)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【分割の表示】特願2005−518147(P2005−518147)の分割
【原出願日】平成16年3月1日(2004.3.1)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】