説明

泡発生浴用剤

【課題】 炭酸ガスの気泡と石鹸性泡との違いに着目し、二種類の泡の発生にてマッサージ効果等を向上した固形浴用剤とその製造方法を提供することにある。
【解決手段】 固形浴用剤は、浴用主成分2と浴用補助成分3と界面活性剤4との混合粉体10を加圧し、常温で固形化している立体物5であり、立体物は柱状体5aと多面体5b、及び球状体5cとキャラクタ体5dの1つであり、一定以上の衝撃で粉砕が可能であると共に、水からお湯までの液体により溶けて炭酸ガスの気泡Bと石鹸性泡Sの二様の泡を発生することを特徴とする。
また、立体物の肉厚tが1〜10cmで、その表面5aより内部に食い込む凹部6を備え、凹部によって表面積を増大すると共に、全体の密度を均一化したこと、及び立体物の表面側に外部より目視可能な装飾物7を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な泡発生浴用剤とその製造方法に関するものであり、特に、二種類の泡によってマッサージ効果と保温効果等を改善した泡発生浴用剤(バブルバス)とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の入浴剤として、身体の洗浄、保湿、保温等の入浴効果を高めるために各種の成分を配合した浴用剤が数多く市販されている。代表的なものとしては、炭酸水素ナトリウム、無水硫酸ナトリウム、硼砂等の浴用成分に、色素、香料、安定剤、殺菌剤等を加えたものが一般に知られている。
また、泡によるマッサージ効果を得るために、発泡効果を増進させる成分として上記浴用原料にポリエチレングリコールを配合した発泡性浴用剤も使用されている。
【0003】
従来の発泡性浴用剤は、炭酸塩/重炭酸塩及び酸、好ましくはクエン酸- 又は酒石酸、結合剤(セルロース誘導体、でんぷん)、砕解- 及び滑沢剤(タルク、マクロゴル(ポリエチレングリコール))並びにエーテル性油- 添加物、香料、染料及び界面活性剤等から構成され、浴液中で炭酸ガスを放出するものである。
この炭酸ガスは、皮膚血管を拡張し、血液循環(血行)を促進し、保温効果を高めると共に、マッサージ効果があるとされている。
【0004】
従来の粉体固形物の内、口腔から体内に飲み込む錠剤やタブレット型サプリメントにあっては、打錠機、圧縮ロール、ブリケティングロール等を用いて個体化されていた。これらの打錠機による薬剤等の大きさは、直径8mm前後、錠厚さ4.0mm前後、打錠圧は最大3トンであり、通常1,000〜3,000Kg/cmであった。
発泡性浴用剤にあっては、口腔から体内に飲み込む必要がないので、直径40mm前後、錠厚さ20mm前後に打錠されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭58−105910号公報、
【特許文献2】特公昭63−28409号公報
【特許文献3】特許第2609816号
【特許文献4】特許第3900245号
【特許文献5】特許第4181238号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在知られている発泡性浴用剤の多くは、浴湯に入れると炭酸ガスの気泡を発生するものであるから、入浴の最初の時点では十分な気泡を形成するが、入浴が終了するまで十分な量の気泡を維持することができず、気泡発生の低下は急激で、気泡の発生は早々と終了してしまう問題点があった。即ち、気泡の破裂によるマッサージ効果等が不充分となり、且つ、炭酸ガスによる保湿性の向上が不充分になるなどの問題点があった。
成形型を用いて打錠する浴用剤は、成形型に面する表面側で最も硬く、内部に至るに従って硬度が低下し、中心部で最も柔らかくなるため、これを浴湯に投入した場合、溶け具合が硬度の低下に伴い早まり、均等な溶解が望めなかった。また、発泡性浴用剤は打錠された状態で販売されているのみであるから、美観に乏しかった。
そこでこの発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とは、製造工程や流通過程で崩れない程度の硬度を有し、浴湯に投入した際には均等に崩壊し、且つ炭酸ガスの気泡と共に石鹸性泡を発生することで、独特の効果を発揮する泡発生浴用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の泡発生浴用剤は、請求項1として、浴用主成分と浴用補助成分と界面活性剤との混合粉体を加圧し、常温で固化している立体物であり、立体物は一定以上の衝撃で粉砕が可能であると共に、水からお湯までの液体により溶けて炭酸ガスの気泡と石鹸性泡の二様の泡を発生することを特徴とする。
請求項2は、請求項1記載の泡発生浴用剤において、浴用主成分は少なくとも基材と有機酸と炭酸塩からなり、浴湯にて溶けて炭酸ガスの気泡を発生することを特徴とする。
請求項3は、請求項1または2項記載の泡発生浴用剤において、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウムとラウリルエーテル硫酸ナトリウムとポリエチレングリコールの少なくとも一方を全重量に対して0.5〜50重量%含有しており、この界面活性剤によって石鹸性泡を発生することを特徴とする。
【0008】
ここで泡発生浴用剤とは、常温で固体形状を成し、浴湯中で溶けて炭酸ガスの気泡と、概気泡より小泡のクリーミーな石鹸性泡を発生させ、石鹸性泡で湯面を覆うことで、炭酸ガスによる効果を向上し得るものである。
ここで炭酸ガスの気泡とは、主に浴用主成分が溶けて発生する炭酸ガスから成る泡を言い、石鹸性泡とは、主に界面活性剤が溶けて発生する泡を言う。
ここで浴用主成分の有機酸とは、炭酸塩と反応して炭酸ガスを発生させるために配合されるものであり、具体的には、クエン酸、コハク酸、フマール酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられ、炭酸塩とは、入浴剤の十分な錠剤硬度を得るための成分であり、具体的には炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられる。
ここで混合粉体とは、常温で粉状を成すものであり、本発明では浴用主成分と界面活性剤、及び浴用補助成分の一部を言い、一定以上の衝撃で粉砕とは、通常の製造工程及び流通過程で摩損することがなく、また、欠けたり割れたりしないものを言う。
ここで浴用補助成分とは、乳白剤、増粘剤、保湿剤、吸湿剤、保存料、pH調整剤、金属イオン封鎖剤、着色料、香料および香料希釈剤等を言う。
ここで界面活性剤とし、ラウリル硫酸ナトリウムとラウリルエーテル硫酸ナトリウムとポリエチレングリコール以外に、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノールアミド等を、単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
ここで全重量とは、本発明による泡発生浴用剤の重さを言い、採用し得る重さとして20〜300g、望ましくは50〜200gである。
【0009】
請求項4は、請求項1,2または3記載の泡発生浴用剤において、立体物は柱状体と多面体と球状体とキャラクタ体から選ばれた1つの形状を成し、少なくとも浴湯中で溶け得る硬度であることを特徴とする。
請求項5は、請求項1,2,3または4記載の泡発生浴用剤において、立体物の表面側に外部より目視可能な装飾物を備えていることを特徴とする。
請求項6は、請求項1,2,3,4または5記載の泡発生浴用剤において、立体物の肉厚が1〜10cmで、その表面より内部に食い込む凹部を備え、凹部によって表面積を増大すると共に、全体の密度を均一化したことを特徴とする。
【0010】
ここで立体物の柱状体とは、断面が三角形〜八角形、又は円形、半円形、三日月形、楕円形、或は任意形状を成し、一定の長さを有するものを言い、多面体とは、4面以上の面を有するもので、例えば三角推、サイコロ体、8面体、14面体等を言い、球状体とは、球体、楕円体、ラクビーボール、円盤体等を言い、キャラクタ体とは、果物、乗物、フィギュア等を言い、その形状は上記例に限定されるものではない。
ここで装飾物とは、立体物の加圧方向側と、加圧方向の反対側に埋設する押し花、植物の葉、切り絵、キャラクタシール、キャラクタカード等と、混合粉体に添加する金粉、銀粉等の金属粉を言いうが、食しても害にならなず、略平面的な物が好ましい。
ここで凹部とは、立体物の表面から内部に食い込む凹みを言い、多面体立体物にあっては、少なくとも一表面の略中央部に形成され、その大きさと深さは、表面積と肉厚、及び硬度に左右される。例えば、凹部の大きさは、表面積に略比例し、凹部の食い込み深さは、浴用剤の肉厚が増大するに従って深くなる。尚、表面積が広く、肉厚が薄い立体物にあっては、表面に複数の凹部を分散して形成することも可能である。
また、浴湯中で溶け得る硬度とは、浴湯内に投入してから1〜10分、好ましくは3〜10分、更に好ましくは5〜10分で全量が溶ける程度の硬度を言い、硬度を高くするほど溶けにくくなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明による泡発生浴用剤は上記のとおりであるから、次に記載する効果を奏する。
請求項1の泡発生浴用剤は、浴湯中に投入して溶けた時、自発的に炭酸ガスの気泡と石鹸性泡の二様の泡を発生する。即ち、炭酸ガスの気泡は、人体に触れ、強くはじけ割れるか、浴湯面まで上昇した後、はじけ割れて消滅するが、石鹸性泡は、人体に触れても破裂することがなく、浴湯面の全域にわたって消えることなく漂う。
そのことにより、炭酸ガスの気泡の一部は、浴湯面を漂う石鹸性泡によって空中への放出が妨げられ、石鹸性泡の下に留まり、人体に触れて強くはじけ割れる。その結果、炭酸ガスの気泡の多くが人体に適度のマッサージ効果を与える。
一方、石鹸性泡は、人体に付着するが、やわらかく、滑りがよく、粘着性が無く、皮膚に優しく、簡単に洗い落とすことができる。
【0012】
請求項2の泡発生浴用剤は、請求項1の特徴に加えて、浴用主成分として少なくとも基材と有機酸と炭酸塩を含有するので、従来の発泡性浴用剤と同様に、浴湯にて溶けて炭酸ガスの気泡を発生する。この炭酸ガスの気泡は、弾け割れるときの弾発力が強く、マッサージ効果を発揮する。
請求項3の泡発生浴用剤は、請求項1,2記載の特徴に加えて、界面活性剤が浴湯にて溶けて石鹸性泡を発生する。この石鹸性泡は、本来有している洗浄性、保湿性、乳化性が皮膚に作用するので、垢や毛穴の汚れが落ち易く、湯上り後の肌にしっとり感となめらかさを与える。即ち、肌を良く洗浄しながら、しかも肌のなめらかさ、しっとり感を与えるので、浴用剤としての効果が総合的に向上する。特に石鹸性泡は、炭酸ガスの気泡と異なり破裂することがなく湯面に漂い、炭酸ガスの気泡の上昇を阻止し、湯面での破裂を防ぎ、人体に触れた時にのみに破裂するため、マッサージ効果が向上する。
請求項4の泡発生浴用剤は、請求項1,2,3記載の特徴に加えて、立体物が種々の形状に形成し得るので、ニーズに応じた形態の泡発生浴用剤を提供し得る。しかも、形態が異なっても、浴湯中で溶け得る特徴を有している。
【0013】
請求項5の泡発生浴用剤は、請求項1,2,3,4記載の特徴に加えて、立体物の表面側に押花等の装飾物を埋設すれば、浴用剤の美観を向上し得るし、金属粉等の装飾物を表面に出現するようにすれば、高級感を与えることができる。また、非水溶性の装飾物は、固形物が溶けた時、浴湯面に浮遊するので、装飾物として押花やキャラクタカード等を埋設すれば、それらを回収して収集することも可能である。
請求項6の泡発生浴用剤は、請求項1,2,3,4,5記載の特徴に加えて、立体物に表面より内部に食い込む凹部を備えることで、凹部の大きさや数によって表面積を調整し、溶け具合(溶ける時間)を加減し得るばかりか、浴用剤全体の密度を均一化し、均等に溶けるようにし得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による泡発生浴用剤の混合粉体の製造例を示す概略図である。
【図2】混合粉体の加圧前(イ)と加圧後(ロ)の断面図である。
【図3】本発明による泡発生浴用剤の第一実施形態を示す多面体の斜視図である。
【図4】泡発生浴用剤の浴用主成分(イ)と浴用補助成分(ロ)、及び界面活性剤(ハ)の類例図である。
【図5−1】泡発生浴用剤の溶け具合を示す初期作用図である。
【図5−2】泡発生浴用剤の溶け具合を示す中期作用図である。
【図6】立体物の形状を示す斜視図で、(イ)は柱状体を、(ロ)は球状体、(ハ)はキャラクタ体を示す。
【図7】本発明による泡発生浴用剤の第二実施形態を示す一部切欠斜視図である。
【図8】本発明による泡発生浴用剤の第三実施形態を示す一部切欠斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明による泡発生浴用剤の第一実施形態を図1乃至図3に基づき説明すれば、浴用主成分2と浴用補助成分3と界面活性剤4との混合粉体10を5〜70トンで加圧し、常温で固化している立体物5を形成する。
図の立体物5は6面体のサイコロ状多面体52を成し、浴用主成分2は少なくとも基材2aと有機酸2bと炭酸塩2cからなり、浴湯Wに溶けて泡の一つである炭酸ガスの気泡Bを生じ、界面活性剤4はラウリル硫酸ナトリウム4aとラウリルエーテル硫酸ナトリウム4bとポリエチレングリコール4cの少なくとも一方を全重量に対して0.5〜50重量%含有し、浴湯Wに溶けて泡の一つである石鹸性泡Sを生じ、全体として二様の泡を発生する。
【0016】
浴用補助成分3として、乳白剤、増粘剤、保湿剤、吸湿剤、保存料、pH調整剤、金属イオン封鎖剤、着色料、香料および希釈剤から選択される少なくとも1種を添加する。
立体物5の形状は、柱状体51と多面体52と球状体43とキャラクタ体54とに大別した場合、柱状体51として、例えば三角柱〜八角柱、円柱、楕円柱、任意形状断面柱とがあり、多面体52として、例えば三角推4面、サイコロ状6面、8面体、14面体等があり、球状体43として、例えば楕円体、ラクビーボール、円盤等があり、キャラクタ体54として、例えば果物、乗物、フィギュア等がある。
泡発生浴用剤1の全重量は20〜300g、望ましくは50〜200gである。
【実施例1】
【0017】
本発明による泡発生浴用剤は、以下の手順で製造する。
先ず、浴用主成分2と浴用補助成分3と界面活性剤4から、各々から少なくとも1成分を選択し、その浴用主成分2と浴用補助成分3と界面活性剤4を図1の如く一つの器に入れ、これを攪拌混合し、pH4.5〜7.5の混合粉体10を得る。
次いで、その混合粉体10を雌金型9のキャビティ9a内に入れ、これを雄金型8にて30〜60トンの力で加圧し、サイコロ状多面体52を形成する。
具体的には、約200gの混合粉体10を50,000kg/cm2で加圧し、縦50mm、横50mm、高さ40mmのサイコロ状多面体52(以下、本発明試料とする。)を形成する。
サイコロ状多面体52は、通常の浴用剤と同様に、包装して販売される。
【0018】
評価法1
ガラス製又はアクリル製の透明水槽(310×180×26mm、13リットル入り)に41゜Cのお湯Wを10リットル入れ、お湯W内に本発明試料を投入し、泡立ち状態を観察した所、本発明試料から炭酸ガスの気泡Bと石鹸性泡Sの二種類の泡が発生することが確認できた。
炭酸ガスの気泡Bは、図5(イ)の如く本発明試料の投入初期にはそのまま湯面まで上昇して弾け、浴湯W内に留まることがなかった。
石鹸性泡Sは、湯面まで上昇しても弾けることがなく、図5(ロ)の如く湯面に留まり、やがて湯面を覆うため、炭酸ガスの気泡Bは、湯面を覆う石鹸性泡Sによって浴湯内に留まった。
【0019】
評価法2
本発明による泡発生浴用剤は、浴槽のお湯Wに投入するだけで自然に泡立つが、お湯Wを人手等で撹拌することにより泡立たちが増大するし、湯循環装置を使用するとなお一層優れた効果が得られる。
そこで、ヒトが入浴する状態での泡立ち状態を観察するために、気泡発生装置を作動させて泡立たせた。
浴槽に温度:38℃の浴湯Wを100リットル入れ、その浴湯W内に本発明試料を入れた後、気泡発生装置を作動させた所、数秒で高さ18cm程度に達する泡が形成され、その多くが石鹸性泡Sであった。その結果、炭酸ガスの気泡Bが湯面まで上昇して弾けること少なくなり、石鹸性泡Sの下に留まっている。
【0020】
評価法3
テスト日から前2ケ月の間に病気をしたことのない健康な男性パネラーと女性パネラーを年代別に2名づつ募集した。男女パネラーの構成は表1の通りである。
浴槽に40℃の浴湯Wを100リットル入れ、その浴湯W内に本発明試料を入れた後、各パネラーに各々10分間入浴してもらい、泡が弾け割れるときのマッサージ効果、入浴中の肌のなめらかさ、入浴後の肌のしっとり感、体臭除去感等を下記の基準で評価した。
【表1】

【0021】
「マッサージ効果」(肌に付着した泡の弾け方)についての基準を、
+2: 泡が多く、マッサージ幸かが強い。
+1: 泡がやや少なく、僅かにマッサージ効果がある。
0:泡が少なく、マッサージ効果が弱い。
-1:マッサージ効果がない。
の4区分で評価する。
【0022】
「入浴後の肌のなめらかさ」及び「入浴後の肌のしっとり感」についての基準を、
+2:非常に優れている。
+1:かなり優れている。
0:やや劣る。
−1: 非常に劣る。
の4区分で評価する。
【0023】
「体臭除去感」についての基準を、
+2:無臭。
+1:臭気を感じない。
0: 僅かに臭気を感じる。
−1: 臭気を感じる。
の4区分で評価する。
【0024】
以上の結果を男女別に平均値で表2と表3に示す。
その結果、マッサージ効果等を期待する場合、炭酸ガスの気泡Bが湯面まで上昇して弾けるまでの間に、身体を炭酸ガスの気泡Bに触れるようにする必要があるも、多数の炭酸ガスの気泡Bは、湯面まで上昇して弾ける。
石鹸性泡Sは、特に浴湯W内で身体を動かす程に多く発生する。
【表2】


【表3】

【0025】
本発明による泡発生浴用剤の第二実施形態を、第一実施形態と相違する点について説明すると、第二実施形態の泡発生浴用剤1は図7の如く、立体物5の表面側に外部より目視可能な装飾物7を備えるもので、立体物5がサイコロ状多面体52である場合、先ず雌金型8のキャビティ9aの底に装飾物7を配置し、次いで混合粉体10を入れ、混合粉体10の上に装飾物7を配置し、加圧を行う。即ち、装飾物7を、加圧方向側と、加圧方向の反対側に配置する。
装飾物7として、加圧に耐え、非水溶性で、食しても害にならない物が好ましい。例えば押し花、切り絵、切り文字、キャラクタカード、金属粉等。
【0026】
本発明による泡発生浴用剤の第三実施形態を、第一・第二実施形態と相違する点について説明すると、第三実施形態の泡発生浴用剤1は図8の如く、立体物5がサイコロ状多面体52であり、その肉厚tが3〜10cmである場合、サイコロ状多面体52の表面5aより内部に食い込む凹部6を備えている。
凹部6はサイコロ状多面体52を形成する6面に総て設けることが好ましいが、6面の少なくとも1箇所以上に設けることも可能である。
この凹部6の形成によってサイコロ状多面体52の表面積を増大すると共に、全体の密度を均一化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は実施例に限定されるものではない。例えば乳白剤、増粘剤、植物性または鉱物性のオイルのような肌のコンディショナー、ワックスやセラミド、カチオン性または両性のポリマー、シリコーン、ソルビトールのような保湿剤、保存料、pH調整剤、金属イオン封鎖剤、着色料、香料および香料の希釈剤から選択される少なくとも1つの添加剤を含有するのが好ましい。また、界面活性剤4としてラウリルエーテル硫酸ナトリウムを使用するのが好ましい。
更に、乳白剤として、例えば長鎖の脂肪アルコール、ポリオールの脂肪エステル、ジステアリルエーテルのような脂肪ジエーテルを挙げることができる。
また、白濁させるために酸化チタン(TiO2)を適量配合してもよいし、増粘剤として、非イオン性のセルロース系増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、組成物の全重量に対して1から2重量%使用するのが好ましい。
浴用主成分は、浴剤として使用可能なものであればいかなるものでもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 泡発生浴用剤
2 浴用主成分、2a 基材、2b 有機酸、2c 炭酸塩
3 浴用補助成分
4 界面活性剤、4a ラウリル硫酸ナトリウム
4b ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、4c ポリエチレングリコール
5 立体物、5a 表面
51 柱状体、52 多面体、53 球状体、54 キャラクタ体
6 凹部
7 装飾物(押花、カード、シール、金粉)
8 雄金型
9 雌金型
10 混合粉体
t 立体物の肉厚
W 浴湯(お湯)
B 炭酸ガスの気泡
S 石鹸性泡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴用主成分と浴用補助成分と界面活性剤との混合粉体を加圧し、常温で固化している立体物であり、立体物は一定以上の衝撃で粉砕が可能であると共に、水からお湯までの液体により溶けて炭酸ガスの気泡と石鹸性泡の二様の泡を発生することを特徴とする泡発生浴用剤。
【請求項2】
浴用主成分は少なくとも基材と有機酸と炭酸塩からなり、浴湯にて溶けて炭酸ガスの気泡を発生することを特徴とする請求項1記載の泡発生浴用剤。
【請求項3】
界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウムとラウリルエーテル硫酸ナトリウムとポリエチレングリコールの少なくとも一方を全重量に対して0.5〜50重量%含有しており、この界面活性剤によって石鹸性泡を発生することを特徴とする請求項1または2項記載の泡発生浴用剤。
【請求項4】
立体物は柱状体と多面体と球状体とキャラクタ体から選ばれた1つの形状を成し、少なくとも浴湯中で溶け得る硬度であることを特徴とする請求項1,2または3記載の泡発生浴用剤。
【請求項5】
立体物の表面側に外部より目視可能な装飾物を備えていることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の泡発生浴用剤。
【請求項6】
立体物の肉厚が1〜10cmで、その表面より内部に食い込む凹部を備え、凹部によって表面積を増大すると共に、全体の密度を均一化したことを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の泡発生浴用剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−87105(P2013−87105A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231292(P2011−231292)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成23年9月25日 インターネットアドレス「http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110925/biz11092518280004−nl.htm」に発表
【出願人】(592008756)五洲薬品株式会社 (19)
【出願人】(511255409)株式会社三協製作所 (1)
【Fターム(参考)】