波エネルギー変換装置
【課題】波エネルギーの変換効率を向上できる波エネルギー変換装置を提供すること。
【解決手段】この波エネルギー変換装置1は、波エネルギーを空気エネルギーに変換する。また、波エネルギー変換装置1は、波エネルギーを水柱振動に変換するための空気室Rを有するケーソン2と、このケーソン2に波を誘導するための水路Wを区画するプロジェクティングウォール3と、水路W内に配置されて水路Wの一部を閉塞する閉塞部4とを備える。
【解決手段】この波エネルギー変換装置1は、波エネルギーを空気エネルギーに変換する。また、波エネルギー変換装置1は、波エネルギーを水柱振動に変換するための空気室Rを有するケーソン2と、このケーソン2に波を誘導するための水路Wを区画するプロジェクティングウォール3と、水路W内に配置されて水路Wの一部を閉塞する閉塞部4とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、波エネルギー変換装置に関し、さらに詳しくは、波エネルギーの変換効率を向上できる波エネルギー変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
波エネルギー変換装置は、波エネルギーを、例えば、空気タービンを駆動するエネルギーに変換する装置である。近年の波エネルギー変換装置は、波エネルギーを水柱振動に変換するための空気室を有するケーソンと、このケーソンに波を誘導するための水路を区画するプロジェクティングウォールとを備えている。かかる構成を採用する従来の波エネルギー変換装置として、特許文献1、2に記載される技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−142273号公報
【特許文献2】特開2002−147329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、波エネルギーの変換効率を向上できる波エネルギー変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、この発明にかかる波エネルギー変換装置は、波エネルギーを空気エネルギーに変換する波エネルギー変換装置であって、波エネルギーを水柱振動に変換するための空気室を有するケーソンと、前記ケーソンに波を誘導するための水路を区画するプロジェクティングウォールと、前記水路内に配置されて前記水路の一部を閉塞する閉塞部とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、この発明にかかる波エネルギー変換装置は、前記水路を底上げする底上部を備えることが好ましい。
【0007】
また、この発明にかかる波エネルギー変換装置は、前記空気室の壁面の角部あるいは隅部が傾斜面形状あるいは曲面形状を有することが好ましい。
【0008】
また、この発明にかかる波エネルギー変換装置は、前記空気室内の流体を鉛直方向に整流する整流部を備えることが好ましい。
【0009】
また、この発明にかかる波エネルギー変換装置は、前記空気室あるいは前記水路に圧電素子を備えることが好ましい。
【0010】
また、この発明にかかる波エネルギー変換装置は、前記ケーソンと前記プロジェクティングウォールとが別体構造を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
この発明にかかる波エネルギー変換装置では、閉塞部が引き波に対して反射壁として機能し、波が多重反射あるいは多重共振して、波の周期が多様化する。これにより、波の周期帯が拡幅されて透過波および反射波が小さくなり、波エネルギーの一次変換効率が向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、この発明の実施の形態にかかる波エネルギー変換装置を示す構成図である。
【図2】図2は、図1に記載した波エネルギー変換装置を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に記載した波エネルギー変換装置を示す平面図である。
【図4】図4は、図1に記載した波エネルギー変換装置を示すA視断面図である。
【図5】図5は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図6】図6は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図7】図7は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図8】図8は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図9】図9は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図10】図10は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図11】図11は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図12】図12は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図13】図13は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図14】図14は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図15】図15は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図16】図16は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図17】図17は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図18】図18は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図19】図19は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図20】図20は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図21】図21は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図22】図22は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
【0014】
[波エネルギー変換装置]
図1は、この発明の実施の形態にかかる波エネルギー変換装置を示す構成図である。図2〜図4は、図1に記載した波エネルギー変換装置を示す斜視図(図2)、平面図(図3)およびA視断面図(図4)である。これらの図において、図1は、波エネルギー変換装置の設置状態を示し、図2〜図4は、波エネルギー変換装置の単体を示している。
【0015】
波エネルギー変換装置1は、波エネルギーを空気エネルギーに変換する装置であり、例えば、空気タービンを用いた波力発電システムに適用される(図1参照)。この実施の形態では、一例として、湾岸海域に固定設置される振動水柱式の波エネルギー変換装置1について説明する。なお、波エネルギー変換装置1は、防波堤などの護岸用構造物としての役割も有する。
【0016】
波エネルギー変換装置1は、ケーソン2と、PW(プロジェクティングウォール)3とを備え、海底に施工された基礎マウンド10の上に設置される(図1〜図4参照)。
【0017】
ケーソン2は、波エネルギーを水柱振動に変換して空気エネルギーを取得する箱型構造物であり、空気室Rを区画する。このケーソン2は、コンクリート製あるいは鋼製であり、開口部21と、ノズル22とを有する。空気室Rは、水柱を鉛直方向に昇降させて空気を圧縮できるシリンダ形状を有する。開口部21は、波を空気室Rに導入するための出入口であり、ケーソン2の下部側面に形成されて空気室Rと外部とを連通させる。ノズル22は、空気の出入口であり、ケーソン2の頂部に形成されて空気室Rと外部とを連通させる。ケーソン2は、空気室Rの下部と開口部21とを水没させ、空気室Rの上部とノズル22とを水面上に位置させて配置される。また、ケーソン2は、開口部21を波の入射側に向けて配置される。
【0018】
PW3は、ケーソン2に波を誘導するための水路Wを区画する壁である。このPW3は、コンクリート製あるいは鋼製であり、ケーソン2の開口部21側の外壁面から延出して開口部21の前方に水路Wを形成する。また、PW3に囲まれた水路Wは、ケーソン2の開口部21を介して空気室Rに連通する。また、PW3は、水路Wを波の入射側に向けて配置される。例えば、この実施の形態では、PW3が一対の壁体から成り、これらの壁体がケーソン2の開口部21側の外壁面の両端部から波の入射側にそれぞれ延在している。これにより、空気室Rの開口部21の前方に、直線的な水路Wが区画されている。また、PW3がケーソン2に一体形成されている。
【0019】
また、波エネルギー変換装置1は、タービン11に連結される。タービン11は、空気タービンであり、ケーソン2の上部に設置される。具体的には、ケーソン2の上部にタービン室12が形成され、このタービン室12にタービン11が収容される。また、ケーソン2の空気室Rがノズル22を介してタービン11に接続される。
【0020】
この波エネルギー変換装置1では、水面に波が発生すると、波エネルギーがケーソン2に取り込まれて空気室R内の水柱振動に変換される(図1参照)。このとき、PW3が波をケーソン2に誘導することにより、波エネルギーが水柱振動に効率的に変換される。次に、空気室R内の空気が水柱振動に伴って脈動して、空気流が発生する。そして、この空気流がノズル22を介してタービン11に供給されて、タービン11が駆動される(一次変換)。なお、タービン11が発生した動力は、例えば、タービン11に連結された発電機(図示省略)に供給されて発電に用いられる(二次変換)。
【0021】
なお、PW3の長さLpおよび高さ、水路Wの長さ、幅および深さなどは、波エネルギー変換装置1の設置海域における波の周期帯に応じて適宜設計変更できる。例えば、PW3の長さLpは、波(規則波)の想定入射波長λに対してLp=0.25×λの関係を有することが好ましい。このとき、PW3における波の固有周期帯が空気室Rにおける波の固有周期帯よりも短くなるように、PWの長さLpと空気室Rの寸法とが調整される。
【0022】
[水路の閉塞部]
また、この波エネルギー変換装置1は、閉塞部4を備える(図1〜図4参照)。
【0023】
閉塞部4は、水路W内に配置されて水路Wの一部を閉塞して水路Wの幅を狭める部材である。この閉塞部4は、PW3に一体形成されても良いし、PW3から分離した別体構造物であっても良い。また、閉塞部4は、例えば、コンクリート製あるいは鋼製とすることもできる。また、閉塞部4は、水路Wの一部を閉塞して水路Wの幅を狭めれば良く、水路W内のいずれの位置に配置されても良いし、任意の形状および大きさを有し得る。
【0024】
例えば、この実施の形態では、一対の閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面にそれぞれ一体形成されている。また、これらの閉塞部4、4が、角柱形状を有し、その長手方向を鉛直に向けて水路Wに立設されている。また、閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出して水路Wの幅を狭めている。また、閉塞部4、4が、水路Wの入口部(波の入射側開口部)とケーソン2の開口部21との中間に配置されることにより、水路Wの長手方向の中間部にて水路Wの幅を狭めている。
【0025】
ここで、振動水柱型の波エネルギー変換装置1は、上記のように、波エネルギーを空気室R内の水柱振動に変換して空気流を形成することにより、空気エネルギーを取得する(図1参照)。このとき、水柱振動の振幅を大きくして、空気室R内の空気圧を増加させることにより、より大きな空気エネルギーを取得できる。
【0026】
ところで、自然界の波は、多様な周期の波が混在して構成され、また、海域によっても異なる周期を有する。一方で、空気室Rにおける水柱振動の振幅は、波の周期と空気室の固有周期とが一致するときに最大となる。このため、一般的な波エネルギー変換装置(閉塞部を有さない波エネルギー変換装置)では、波エネルギーの変換特性が空気室の固有周期に依存した単峰型となり、この固有周期を外れた波に対して、波エネルギーの一次変換効率が低いという課題がある。
【0027】
この点において、この波エネルギー変換装置1では、閉塞部4が水路W内に配置されて水路Wの一部を水路Wの幅方向に閉塞するので、この閉塞部4が引き波に対して反射壁として機能する(図1参照)。具体的には、引き波により、ケーソン2の空気室Rの水面が下降して海水が開口部21から排出されたときに、この海水が閉塞部4にて反射してケーソン2の開口部21側に押し戻される。すると、波が多重反射あるいは多重共振して、波の周期が多様化する。すると、波の周期帯が拡幅されて透過波および反射波が小さくなり、波エネルギーの逸散が低減される。これにより、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0028】
[水路の底上部]
また、この波エネルギー変換装置1は、底上部5を備える(図1〜図4参照)。
【0029】
底上部5は、水路Wを底上げする部材である。この底上部5は、例えば、鋼板を水路Wの床面から浮かせて配置しても良いし、鋼柱あるいはコンクリートブロックなどを水路の床面に設置しても良い。また、底上部5は、少なくとも閉塞部4とケーソン2の開口部21との間の領域に配置されることが好ましい。
【0030】
例えば、この実施の形態では、底上部5が鋼製の平板から成り、水路Wの床面との間に隙間をあけて支持される。また、底上部5が水路Wの床面の全域に渡って配置される。また、底上部5が縁部に切欠部を有し、この切欠部にて閉塞部4に嵌め合わされる。これにより、底上部5が水路Wの全域を底上げしている。
【0031】
この波エネルギー変換装置1では、底上部5が水路Wを底上げするので、この底上部5上方における海水の流速が増加する。これにより、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0032】
[閉塞部の変形例]
図5〜図13は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。これらの図は、閉塞部の変形例を示している。
【0033】
図1の波エネルギー変換装置1では、閉塞部4、4が、角柱形状を有し、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出して水路Wの幅方向を狭める形状を有している(図3参照)。しかし、これに限らず、閉塞部4、4が以下の構成を有しても良い。
【0034】
例えば、図5の変形例では、閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出してケーソン2側に傾斜しつつ水路Wの幅を狭める形状を有する。したがって、閉塞部4、4がいわゆるラッパ形状を有する。かかる構成では、水路Wの流路断面積が水路Wの入口部からケーソン2側に向かうに連れて減少する。これにより、海水の流速が確保されるので、波エネルギーの一次変換効率が向上する。一方で、引き波時には、ケーソン2から水路Wの入口部に向かう水流に対して、閉塞部4、4が抵抗となる。これにより、閉塞部4の反射壁としての機能が向上して、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0035】
同様に、図6の変形例では、閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出して水路Wの幅を狭め、且つ、ケーソン2側に鈎状(L字状)に屈曲する形状を有する。また、図7の変形例では、図6における閉塞部4の屈曲部が、水路Wの幅方向に対して所定の角度でケーソン2側に傾斜する。また、図8の変形例では、閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出してケーソン2側に円弧状に湾曲しつつ水路Wの幅を狭める形状を有する。これらの構成としても、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0036】
また、図1の波エネルギー変換装置1では、閉塞部4、4が、水路Wの入口部とケーソン2の開口部21との中間に配置されて、水路Wの長手方向の中間部にて流路幅を狭める形状を有している。しかし、これに限らず、閉塞部4、4が以下の構成を有しても良い。
【0037】
例えば、図9の変形例では、閉塞部4、4が、水路Wの入口部の縁部に配置されて、水路Wの入口部の開口幅を狭める形状を有する。かかる構成としても、波エネルギーの一次変換効率が向上する。なお、図9の変形例において、閉塞部4、4が、図6〜図8に示す形状を有しても良い。
【0038】
また、図1の波エネルギー変換装置1では、閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出して水路Wの幅を狭める形状を有している(図3参照)。しかし、これに限らず、閉塞部4、4が以下の構成を有しても良い。
【0039】
例えば、図10の変形例では、1つの閉塞部4が水路Wの中央部に配置されて水路Wの幅を狭める形状を有する。また、この閉塞部4とケーソン2の外壁面との間に介在して閉塞部4を支持する支持部41が設けられる。かかる構成としても、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0040】
また、図11の変形例では、1つの閉塞部4が水路Wの入口部に配置されて水路Wの幅を狭める形状を有する。また、この閉塞部4とケーソン2の外壁面との間に介在して閉塞部4を支持する支持部41が設けられる。また、閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出して配置される。かかる構成では、複数の閉塞部4が水路W内にラビリンス構造を形成するので、閉塞部4の反射壁としての機能が向上して、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0041】
また、図12の変形例では、1つの閉塞部4が水路Wの中央部に配置されて水路Wの幅を狭める形状を有する。また、この閉塞部4とケーソン2の外壁面との間に介在して閉塞部4を支持する支持部41が設けられる。また、一対の閉塞部4、4が、PW3の入口部の左右の縁部から水路Wの幅方向に突出して水路Wの入口部の幅を狭める形状を有する。すなわち、図12の変形例では、図11の変形例において、水路Wの中央部にある閉塞部4と、PW3の壁面にある閉塞部4、4との配置が逆転している。かかる構成としても、図11の変形例と同様の効果が得られる。
【0042】
なお、図10〜図12の変形例において、支持部41が省略され、閉塞部4が独立して立設されても良い(図示省略)。また、図11および図12の変形例において、PW3の左右の壁面にある閉塞部4、4が、図6〜図8に示す形状を有しても良い(図示省略)。
【0043】
また、図1の波エネルギー変換装置1では、閉塞部4、4が、底上部5を貫通して水路Wの床面まで延在している(図3参照)。しかし、これに限らず、閉塞部4、4が、底上部5の上方にのみ設置されても良い(図13参照)。
【0044】
なお、閉塞部4の形状、位置、大きさなどは、波エネルギー変換装置1の設置海域における波の周期帯に応じて適宜設計変更できる。
【0045】
[底上部の変形例]
図14および図15は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。これらの図において、図14は、底上部の変形例を示し、図15は、底上部を省略した例を示している。
【0046】
図1の波エネルギー変換装置1では、底上部5が、平板から成り、水路Wの床面の上方に浮かせて配置されている(図4参照)。しかし、これに限らず、底上部5が、水路Wの入口側にて水路Wの床面側に傾斜した形状を有しても良い(図14参照)。例えば、図14の変形例では、底上部5が、閉塞部4を起点として水路Wの入口側で屈曲して水路Wの床面側に傾斜した形状を有している。かかる構成では、底上部5が、水路Wの入口側にてラッパ形状を有するので、水路Wの流路断面積が水路Wの入口部からケーソン2側に向かうに連れて減少する。これにより、海水の流速が確保されて、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0047】
なお、図1の波エネルギー変換装置1は、閉塞部4および底上部5の双方を備えている。しかし、これに限らず、底上部5が省略されて、閉塞部4のみが設置されても良い(図15参照)。
【0048】
[空気室の壁面角部の傾斜面形状あるいは曲面形状]
図16は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。同図は、空気室の変形例を示している。
【0049】
図1の波エネルギー変換装置1では、ケーソン2の空気室Rが立方形状を有し、側壁面が床面に対して垂直となっている(図3および図4参照)。しかし、これに限らず、空気室Rの壁面の角部あるいは隅部が傾斜面形状あるいは曲面形状を有しても良い(図16参照)。例えば、図16の変形例では、空気室Rの床面と側壁面との角部であって開口部21側から見て奥側の角部が、断面円弧状の曲面形状を有している。かかる構成では、開口部21から空気室Rに流入した海水が角部の曲面形状にガイドされて鉛直上方に向かう。これにより、空気室R内の流水抵抗が減少して、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0050】
[空気室の水面安定化部材]
図17および図18は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。これらの図において、図17は、空気室の変形例を示し、図18は、図17におけるB−B視断面図を示している。
【0051】
また、この波エネルギー変換装置1は、空気室R内の流体(海水および空気)を鉛直方向に整流する整流部6を備えても良い(図17および図18参照)。かかる構成では、整流部6が空気室R内の流体を鉛直方向に整流するので、水柱の振動時にて、空気室R内における海水流れおよび空気流れが良好となる。これにより、波エネルギーの一次変換効率が向上する。なお、整流部6には、公知のものが採用され得る。
【0052】
例えば、図17および図18の変形例では、整流部6が、一対の鋼板を十字状に組み合わせて成り、その板面を鉛直にして空気室R内に配置される。また、整流部6が、海水の平均水面高さに取り付けられ、上方と下方に空間をあけて配置される。これにより、水柱の振動時における水面の動きが安定して、波エネルギーの一次変換効率が向上する。特に、かかる構成は、整流部6が消波作用を有するので、多様な周期帯の波を平滑化できる点で好ましい。
【0053】
[圧電素子]
図19は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【0054】
また、この波エネルギー変換装置1は、空気室Rあるいは水路Wに圧電素子7を備えても良い(図19参照)。この圧電素子7は、空気室Rあるいは水路Wの水流により振動して発電する。これにより、波エネルギーを電気エネルギーに変換して取得できる。なお、圧電素子7には、公知のものが採用され得る。
【0055】
例えば、図19の変形例では、圧電素子7を貼り付けて成る複数かつ板状の弾性体が、空気室Rの床面および水路Wの床面に海水の流れ方向に沿って配列される。これにより、圧電素子7が海水流れにより揺動して発電できる。なお、水路Wの圧電素子7は、底上部5の上面に配置されても良い(図示省略)。
【0056】
[既存設備に対する適用例]
図20は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。同図は、既存設備を実線で示し、後付けとなるPW、閉塞部および底上部を仮想線で示している。
【0057】
図1の波エネルギー変換装置1では、ケーソン2とPW3が一体構造を有している(図2〜図4参照)。しかし、これに限らず、ケーソン2とPW3とが別体構造を有しても良い(図20参照)。かかる構成では、ケーソン2、タービン11およびタービン室12から成る既存の波エネルギー変換装置に対して、PW3、閉塞部4および底上部5を後付けで増設できる。
【0058】
例えば、図20の変形例では、ケーソン2、タービン11およびタービン室12から成る既存の波エネルギー変換装置に対して、まず、基礎マウンド10が増設され、この基礎マウンド10上にPW3、閉塞部4および底上部5が設置される。このとき、水路Wの長さおよび幅、閉塞部4の大きさ、形状および位置、底上部5の高さなどが、波エネルギー変換装置1の設置海域の波周期に応じて適宜選択される。これにより、既存設備を有効利用でき、さらに、設置海域に応じた最適設計を実現できる。
【0059】
[既存の躯体構造物に対する適用例]
図21は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。同図は、既存の躯体構造物を実線で示し、後付けとなるPW、閉塞部、底上部および空気室を仮想線で示している。
【0060】
図20の波エネルギー変換装置1では、ケーソン2、タービン11およびタービン室12から成る既存の波エネルギー変換装置に対して、PW3、閉塞部4および底上部5を後付けで増設される。これに対して、さらに、既存の躯体構造物を基礎として、他の構成要素が後付けで設置されても良い。
【0061】
例えば、図21の波エネルギー変換装置1では、既存の躯体構造物として、基礎マウンド10および枠状の壁体(空気室Rを有さないケーソン)のみが設置されている。そして、この躯体構造物に対して、まず、壁体の上部にノズル22を有する天井部が追設されて、空気室Rを有するケーソン2が構成される。次に、このケーソン2にタービン11が設置されてタービン室12が追設され、その後に、PW3、閉塞部4および底上部5が追設される。これにより、既存の躯体構造物を波エネルギー変換装置1として活用できる。
【0062】
[浮体式に対する適用例]
図22は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。同図は、浮体式の波エネルギー変換装置を示している。
【0063】
図1の波エネルギー変換装置1は、固定式であり、下部を水没させて水底に固定されて設置される。一般に、湾岸に設置される波エネルギー変換装置1では、このような固定式が採用される。しかし、これに限らず、沖合に設置される波エネルギー変換装置1では、水面に浮遊できる浮体式が採用され得る(図22参照)。
【0064】
例えば、図22の変形例では、波エネルギー変換装置1が、海上に浮遊できる浮体構造物8上に設置される。この波エネルギー変換装置1は、図1の波エネルギー変換装置1とほぼ同一原理の構造を有するが、単一かつ大型のケーソン2に対して複数のPW3、閉塞部4および底上部5が環状かつ周方向に配置されて連結される点で相異する。これにより、任意の平面方向から入射する波をエネルギー源とできるので、エネルギーを効率的に取得できる。
【0065】
[効果]
以上説明したように、この波エネルギー変換装置1は、波エネルギーを空気エネルギーに変換する(図1〜図4参照)。また、波エネルギー変換装置1は、波エネルギーを水柱振動に変換するための空気室Rを有するケーソン2と、このケーソン2に波を誘導するための水路Wを区画するプロジェクティングウォール(PW)3と、水路W内に配置されて水路Wの一部を閉塞する閉塞部4とを備える。
【0066】
かかる構成では、閉塞部4が引き波に対して反射壁として機能し、波が多重反射あるいは多重共振して、波の周期が多様化する。これにより、波の周期帯が拡幅されて透過波および反射波が小さくなり、波エネルギーの一次変換効率が向上する利点がある。また、かかる構成では、透過波および反射波が小さくなるので、消波ブロックの設置数を低減できる或いは消波ブロックを省略できる利点がある。
【0067】
また、この波エネルギー変換装置1は、水路Wを底上げする底上部5を備える(図1〜図4参照)。かかる構成では、底上部5が水路Wを底上げするので、この底上部5上方における海水の流速が増加する。これにより、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0068】
また、この波エネルギー変換装置1は、空気室Rの壁面の角部あるいは隅部が傾斜面形状あるいは曲面形状を有する(図16参照)。これにより、空気室R内の流水抵抗が減少して、波エネルギーの一次変換効率が向上する利点がある。
【0069】
また、この波エネルギー変換装置1は、空気室R内の流体を鉛直方向に整流する整流部6を備える(図17および図18参照)。かかる構成では、水柱の振動時にて、空気室R内における海水流れおよび空気流れが良好となる。これにより、波エネルギーの一次変換効率が向上する利点がある。
【0070】
また、この波エネルギー変換装置1は、空気室Rあるいは水路Wに圧電素子7を備える(図19参照)。かかる構成では、圧電素子7が空気室Rあるいは水路Wの水流により振動して発電するので、波エネルギーを電気エネルギーに変換して取得できる利点がある。
【0071】
また、この波エネルギー変換装置1は、ケーソン2とプロジェクティングウォール3とが別体構造を有する(図20参照)。かかる構成では、ケーソン2のみを有する既存の波エネルギー変換装置に対して、PW3、閉塞部4および底上部5を後付けで増設できる利点がある。
【符号の説明】
【0072】
1 波エネルギー変換装置
2 ケーソン
21 開口部
22 ノズル
3 プロジェクティングウォール(PW)
4 閉塞部
41 支持部
5 底上部
6 整流部
7 圧電素子
8 浮体構造物
10 基礎マウンド
11 タービン
12 タービン室
R 空気室
W 水路
【技術分野】
【0001】
この発明は、波エネルギー変換装置に関し、さらに詳しくは、波エネルギーの変換効率を向上できる波エネルギー変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
波エネルギー変換装置は、波エネルギーを、例えば、空気タービンを駆動するエネルギーに変換する装置である。近年の波エネルギー変換装置は、波エネルギーを水柱振動に変換するための空気室を有するケーソンと、このケーソンに波を誘導するための水路を区画するプロジェクティングウォールとを備えている。かかる構成を採用する従来の波エネルギー変換装置として、特許文献1、2に記載される技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−142273号公報
【特許文献2】特開2002−147329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、波エネルギーの変換効率を向上できる波エネルギー変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、この発明にかかる波エネルギー変換装置は、波エネルギーを空気エネルギーに変換する波エネルギー変換装置であって、波エネルギーを水柱振動に変換するための空気室を有するケーソンと、前記ケーソンに波を誘導するための水路を区画するプロジェクティングウォールと、前記水路内に配置されて前記水路の一部を閉塞する閉塞部とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、この発明にかかる波エネルギー変換装置は、前記水路を底上げする底上部を備えることが好ましい。
【0007】
また、この発明にかかる波エネルギー変換装置は、前記空気室の壁面の角部あるいは隅部が傾斜面形状あるいは曲面形状を有することが好ましい。
【0008】
また、この発明にかかる波エネルギー変換装置は、前記空気室内の流体を鉛直方向に整流する整流部を備えることが好ましい。
【0009】
また、この発明にかかる波エネルギー変換装置は、前記空気室あるいは前記水路に圧電素子を備えることが好ましい。
【0010】
また、この発明にかかる波エネルギー変換装置は、前記ケーソンと前記プロジェクティングウォールとが別体構造を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
この発明にかかる波エネルギー変換装置では、閉塞部が引き波に対して反射壁として機能し、波が多重反射あるいは多重共振して、波の周期が多様化する。これにより、波の周期帯が拡幅されて透過波および反射波が小さくなり、波エネルギーの一次変換効率が向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、この発明の実施の形態にかかる波エネルギー変換装置を示す構成図である。
【図2】図2は、図1に記載した波エネルギー変換装置を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に記載した波エネルギー変換装置を示す平面図である。
【図4】図4は、図1に記載した波エネルギー変換装置を示すA視断面図である。
【図5】図5は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図6】図6は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図7】図7は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図8】図8は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図9】図9は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図10】図10は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図11】図11は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図12】図12は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図13】図13は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図14】図14は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図15】図15は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図16】図16は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図17】図17は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図18】図18は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図19】図19は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図20】図20は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図21】図21は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【図22】図22は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
【0014】
[波エネルギー変換装置]
図1は、この発明の実施の形態にかかる波エネルギー変換装置を示す構成図である。図2〜図4は、図1に記載した波エネルギー変換装置を示す斜視図(図2)、平面図(図3)およびA視断面図(図4)である。これらの図において、図1は、波エネルギー変換装置の設置状態を示し、図2〜図4は、波エネルギー変換装置の単体を示している。
【0015】
波エネルギー変換装置1は、波エネルギーを空気エネルギーに変換する装置であり、例えば、空気タービンを用いた波力発電システムに適用される(図1参照)。この実施の形態では、一例として、湾岸海域に固定設置される振動水柱式の波エネルギー変換装置1について説明する。なお、波エネルギー変換装置1は、防波堤などの護岸用構造物としての役割も有する。
【0016】
波エネルギー変換装置1は、ケーソン2と、PW(プロジェクティングウォール)3とを備え、海底に施工された基礎マウンド10の上に設置される(図1〜図4参照)。
【0017】
ケーソン2は、波エネルギーを水柱振動に変換して空気エネルギーを取得する箱型構造物であり、空気室Rを区画する。このケーソン2は、コンクリート製あるいは鋼製であり、開口部21と、ノズル22とを有する。空気室Rは、水柱を鉛直方向に昇降させて空気を圧縮できるシリンダ形状を有する。開口部21は、波を空気室Rに導入するための出入口であり、ケーソン2の下部側面に形成されて空気室Rと外部とを連通させる。ノズル22は、空気の出入口であり、ケーソン2の頂部に形成されて空気室Rと外部とを連通させる。ケーソン2は、空気室Rの下部と開口部21とを水没させ、空気室Rの上部とノズル22とを水面上に位置させて配置される。また、ケーソン2は、開口部21を波の入射側に向けて配置される。
【0018】
PW3は、ケーソン2に波を誘導するための水路Wを区画する壁である。このPW3は、コンクリート製あるいは鋼製であり、ケーソン2の開口部21側の外壁面から延出して開口部21の前方に水路Wを形成する。また、PW3に囲まれた水路Wは、ケーソン2の開口部21を介して空気室Rに連通する。また、PW3は、水路Wを波の入射側に向けて配置される。例えば、この実施の形態では、PW3が一対の壁体から成り、これらの壁体がケーソン2の開口部21側の外壁面の両端部から波の入射側にそれぞれ延在している。これにより、空気室Rの開口部21の前方に、直線的な水路Wが区画されている。また、PW3がケーソン2に一体形成されている。
【0019】
また、波エネルギー変換装置1は、タービン11に連結される。タービン11は、空気タービンであり、ケーソン2の上部に設置される。具体的には、ケーソン2の上部にタービン室12が形成され、このタービン室12にタービン11が収容される。また、ケーソン2の空気室Rがノズル22を介してタービン11に接続される。
【0020】
この波エネルギー変換装置1では、水面に波が発生すると、波エネルギーがケーソン2に取り込まれて空気室R内の水柱振動に変換される(図1参照)。このとき、PW3が波をケーソン2に誘導することにより、波エネルギーが水柱振動に効率的に変換される。次に、空気室R内の空気が水柱振動に伴って脈動して、空気流が発生する。そして、この空気流がノズル22を介してタービン11に供給されて、タービン11が駆動される(一次変換)。なお、タービン11が発生した動力は、例えば、タービン11に連結された発電機(図示省略)に供給されて発電に用いられる(二次変換)。
【0021】
なお、PW3の長さLpおよび高さ、水路Wの長さ、幅および深さなどは、波エネルギー変換装置1の設置海域における波の周期帯に応じて適宜設計変更できる。例えば、PW3の長さLpは、波(規則波)の想定入射波長λに対してLp=0.25×λの関係を有することが好ましい。このとき、PW3における波の固有周期帯が空気室Rにおける波の固有周期帯よりも短くなるように、PWの長さLpと空気室Rの寸法とが調整される。
【0022】
[水路の閉塞部]
また、この波エネルギー変換装置1は、閉塞部4を備える(図1〜図4参照)。
【0023】
閉塞部4は、水路W内に配置されて水路Wの一部を閉塞して水路Wの幅を狭める部材である。この閉塞部4は、PW3に一体形成されても良いし、PW3から分離した別体構造物であっても良い。また、閉塞部4は、例えば、コンクリート製あるいは鋼製とすることもできる。また、閉塞部4は、水路Wの一部を閉塞して水路Wの幅を狭めれば良く、水路W内のいずれの位置に配置されても良いし、任意の形状および大きさを有し得る。
【0024】
例えば、この実施の形態では、一対の閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面にそれぞれ一体形成されている。また、これらの閉塞部4、4が、角柱形状を有し、その長手方向を鉛直に向けて水路Wに立設されている。また、閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出して水路Wの幅を狭めている。また、閉塞部4、4が、水路Wの入口部(波の入射側開口部)とケーソン2の開口部21との中間に配置されることにより、水路Wの長手方向の中間部にて水路Wの幅を狭めている。
【0025】
ここで、振動水柱型の波エネルギー変換装置1は、上記のように、波エネルギーを空気室R内の水柱振動に変換して空気流を形成することにより、空気エネルギーを取得する(図1参照)。このとき、水柱振動の振幅を大きくして、空気室R内の空気圧を増加させることにより、より大きな空気エネルギーを取得できる。
【0026】
ところで、自然界の波は、多様な周期の波が混在して構成され、また、海域によっても異なる周期を有する。一方で、空気室Rにおける水柱振動の振幅は、波の周期と空気室の固有周期とが一致するときに最大となる。このため、一般的な波エネルギー変換装置(閉塞部を有さない波エネルギー変換装置)では、波エネルギーの変換特性が空気室の固有周期に依存した単峰型となり、この固有周期を外れた波に対して、波エネルギーの一次変換効率が低いという課題がある。
【0027】
この点において、この波エネルギー変換装置1では、閉塞部4が水路W内に配置されて水路Wの一部を水路Wの幅方向に閉塞するので、この閉塞部4が引き波に対して反射壁として機能する(図1参照)。具体的には、引き波により、ケーソン2の空気室Rの水面が下降して海水が開口部21から排出されたときに、この海水が閉塞部4にて反射してケーソン2の開口部21側に押し戻される。すると、波が多重反射あるいは多重共振して、波の周期が多様化する。すると、波の周期帯が拡幅されて透過波および反射波が小さくなり、波エネルギーの逸散が低減される。これにより、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0028】
[水路の底上部]
また、この波エネルギー変換装置1は、底上部5を備える(図1〜図4参照)。
【0029】
底上部5は、水路Wを底上げする部材である。この底上部5は、例えば、鋼板を水路Wの床面から浮かせて配置しても良いし、鋼柱あるいはコンクリートブロックなどを水路の床面に設置しても良い。また、底上部5は、少なくとも閉塞部4とケーソン2の開口部21との間の領域に配置されることが好ましい。
【0030】
例えば、この実施の形態では、底上部5が鋼製の平板から成り、水路Wの床面との間に隙間をあけて支持される。また、底上部5が水路Wの床面の全域に渡って配置される。また、底上部5が縁部に切欠部を有し、この切欠部にて閉塞部4に嵌め合わされる。これにより、底上部5が水路Wの全域を底上げしている。
【0031】
この波エネルギー変換装置1では、底上部5が水路Wを底上げするので、この底上部5上方における海水の流速が増加する。これにより、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0032】
[閉塞部の変形例]
図5〜図13は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。これらの図は、閉塞部の変形例を示している。
【0033】
図1の波エネルギー変換装置1では、閉塞部4、4が、角柱形状を有し、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出して水路Wの幅方向を狭める形状を有している(図3参照)。しかし、これに限らず、閉塞部4、4が以下の構成を有しても良い。
【0034】
例えば、図5の変形例では、閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出してケーソン2側に傾斜しつつ水路Wの幅を狭める形状を有する。したがって、閉塞部4、4がいわゆるラッパ形状を有する。かかる構成では、水路Wの流路断面積が水路Wの入口部からケーソン2側に向かうに連れて減少する。これにより、海水の流速が確保されるので、波エネルギーの一次変換効率が向上する。一方で、引き波時には、ケーソン2から水路Wの入口部に向かう水流に対して、閉塞部4、4が抵抗となる。これにより、閉塞部4の反射壁としての機能が向上して、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0035】
同様に、図6の変形例では、閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出して水路Wの幅を狭め、且つ、ケーソン2側に鈎状(L字状)に屈曲する形状を有する。また、図7の変形例では、図6における閉塞部4の屈曲部が、水路Wの幅方向に対して所定の角度でケーソン2側に傾斜する。また、図8の変形例では、閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出してケーソン2側に円弧状に湾曲しつつ水路Wの幅を狭める形状を有する。これらの構成としても、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0036】
また、図1の波エネルギー変換装置1では、閉塞部4、4が、水路Wの入口部とケーソン2の開口部21との中間に配置されて、水路Wの長手方向の中間部にて流路幅を狭める形状を有している。しかし、これに限らず、閉塞部4、4が以下の構成を有しても良い。
【0037】
例えば、図9の変形例では、閉塞部4、4が、水路Wの入口部の縁部に配置されて、水路Wの入口部の開口幅を狭める形状を有する。かかる構成としても、波エネルギーの一次変換効率が向上する。なお、図9の変形例において、閉塞部4、4が、図6〜図8に示す形状を有しても良い。
【0038】
また、図1の波エネルギー変換装置1では、閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出して水路Wの幅を狭める形状を有している(図3参照)。しかし、これに限らず、閉塞部4、4が以下の構成を有しても良い。
【0039】
例えば、図10の変形例では、1つの閉塞部4が水路Wの中央部に配置されて水路Wの幅を狭める形状を有する。また、この閉塞部4とケーソン2の外壁面との間に介在して閉塞部4を支持する支持部41が設けられる。かかる構成としても、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0040】
また、図11の変形例では、1つの閉塞部4が水路Wの入口部に配置されて水路Wの幅を狭める形状を有する。また、この閉塞部4とケーソン2の外壁面との間に介在して閉塞部4を支持する支持部41が設けられる。また、閉塞部4、4が、PW3の左右の壁面から水路Wの幅方向に突出して配置される。かかる構成では、複数の閉塞部4が水路W内にラビリンス構造を形成するので、閉塞部4の反射壁としての機能が向上して、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0041】
また、図12の変形例では、1つの閉塞部4が水路Wの中央部に配置されて水路Wの幅を狭める形状を有する。また、この閉塞部4とケーソン2の外壁面との間に介在して閉塞部4を支持する支持部41が設けられる。また、一対の閉塞部4、4が、PW3の入口部の左右の縁部から水路Wの幅方向に突出して水路Wの入口部の幅を狭める形状を有する。すなわち、図12の変形例では、図11の変形例において、水路Wの中央部にある閉塞部4と、PW3の壁面にある閉塞部4、4との配置が逆転している。かかる構成としても、図11の変形例と同様の効果が得られる。
【0042】
なお、図10〜図12の変形例において、支持部41が省略され、閉塞部4が独立して立設されても良い(図示省略)。また、図11および図12の変形例において、PW3の左右の壁面にある閉塞部4、4が、図6〜図8に示す形状を有しても良い(図示省略)。
【0043】
また、図1の波エネルギー変換装置1では、閉塞部4、4が、底上部5を貫通して水路Wの床面まで延在している(図3参照)。しかし、これに限らず、閉塞部4、4が、底上部5の上方にのみ設置されても良い(図13参照)。
【0044】
なお、閉塞部4の形状、位置、大きさなどは、波エネルギー変換装置1の設置海域における波の周期帯に応じて適宜設計変更できる。
【0045】
[底上部の変形例]
図14および図15は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。これらの図において、図14は、底上部の変形例を示し、図15は、底上部を省略した例を示している。
【0046】
図1の波エネルギー変換装置1では、底上部5が、平板から成り、水路Wの床面の上方に浮かせて配置されている(図4参照)。しかし、これに限らず、底上部5が、水路Wの入口側にて水路Wの床面側に傾斜した形状を有しても良い(図14参照)。例えば、図14の変形例では、底上部5が、閉塞部4を起点として水路Wの入口側で屈曲して水路Wの床面側に傾斜した形状を有している。かかる構成では、底上部5が、水路Wの入口側にてラッパ形状を有するので、水路Wの流路断面積が水路Wの入口部からケーソン2側に向かうに連れて減少する。これにより、海水の流速が確保されて、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0047】
なお、図1の波エネルギー変換装置1は、閉塞部4および底上部5の双方を備えている。しかし、これに限らず、底上部5が省略されて、閉塞部4のみが設置されても良い(図15参照)。
【0048】
[空気室の壁面角部の傾斜面形状あるいは曲面形状]
図16は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。同図は、空気室の変形例を示している。
【0049】
図1の波エネルギー変換装置1では、ケーソン2の空気室Rが立方形状を有し、側壁面が床面に対して垂直となっている(図3および図4参照)。しかし、これに限らず、空気室Rの壁面の角部あるいは隅部が傾斜面形状あるいは曲面形状を有しても良い(図16参照)。例えば、図16の変形例では、空気室Rの床面と側壁面との角部であって開口部21側から見て奥側の角部が、断面円弧状の曲面形状を有している。かかる構成では、開口部21から空気室Rに流入した海水が角部の曲面形状にガイドされて鉛直上方に向かう。これにより、空気室R内の流水抵抗が減少して、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0050】
[空気室の水面安定化部材]
図17および図18は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。これらの図において、図17は、空気室の変形例を示し、図18は、図17におけるB−B視断面図を示している。
【0051】
また、この波エネルギー変換装置1は、空気室R内の流体(海水および空気)を鉛直方向に整流する整流部6を備えても良い(図17および図18参照)。かかる構成では、整流部6が空気室R内の流体を鉛直方向に整流するので、水柱の振動時にて、空気室R内における海水流れおよび空気流れが良好となる。これにより、波エネルギーの一次変換効率が向上する。なお、整流部6には、公知のものが採用され得る。
【0052】
例えば、図17および図18の変形例では、整流部6が、一対の鋼板を十字状に組み合わせて成り、その板面を鉛直にして空気室R内に配置される。また、整流部6が、海水の平均水面高さに取り付けられ、上方と下方に空間をあけて配置される。これにより、水柱の振動時における水面の動きが安定して、波エネルギーの一次変換効率が向上する。特に、かかる構成は、整流部6が消波作用を有するので、多様な周期帯の波を平滑化できる点で好ましい。
【0053】
[圧電素子]
図19は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。
【0054】
また、この波エネルギー変換装置1は、空気室Rあるいは水路Wに圧電素子7を備えても良い(図19参照)。この圧電素子7は、空気室Rあるいは水路Wの水流により振動して発電する。これにより、波エネルギーを電気エネルギーに変換して取得できる。なお、圧電素子7には、公知のものが採用され得る。
【0055】
例えば、図19の変形例では、圧電素子7を貼り付けて成る複数かつ板状の弾性体が、空気室Rの床面および水路Wの床面に海水の流れ方向に沿って配列される。これにより、圧電素子7が海水流れにより揺動して発電できる。なお、水路Wの圧電素子7は、底上部5の上面に配置されても良い(図示省略)。
【0056】
[既存設備に対する適用例]
図20は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。同図は、既存設備を実線で示し、後付けとなるPW、閉塞部および底上部を仮想線で示している。
【0057】
図1の波エネルギー変換装置1では、ケーソン2とPW3が一体構造を有している(図2〜図4参照)。しかし、これに限らず、ケーソン2とPW3とが別体構造を有しても良い(図20参照)。かかる構成では、ケーソン2、タービン11およびタービン室12から成る既存の波エネルギー変換装置に対して、PW3、閉塞部4および底上部5を後付けで増設できる。
【0058】
例えば、図20の変形例では、ケーソン2、タービン11およびタービン室12から成る既存の波エネルギー変換装置に対して、まず、基礎マウンド10が増設され、この基礎マウンド10上にPW3、閉塞部4および底上部5が設置される。このとき、水路Wの長さおよび幅、閉塞部4の大きさ、形状および位置、底上部5の高さなどが、波エネルギー変換装置1の設置海域の波周期に応じて適宜選択される。これにより、既存設備を有効利用でき、さらに、設置海域に応じた最適設計を実現できる。
【0059】
[既存の躯体構造物に対する適用例]
図21は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。同図は、既存の躯体構造物を実線で示し、後付けとなるPW、閉塞部、底上部および空気室を仮想線で示している。
【0060】
図20の波エネルギー変換装置1では、ケーソン2、タービン11およびタービン室12から成る既存の波エネルギー変換装置に対して、PW3、閉塞部4および底上部5を後付けで増設される。これに対して、さらに、既存の躯体構造物を基礎として、他の構成要素が後付けで設置されても良い。
【0061】
例えば、図21の波エネルギー変換装置1では、既存の躯体構造物として、基礎マウンド10および枠状の壁体(空気室Rを有さないケーソン)のみが設置されている。そして、この躯体構造物に対して、まず、壁体の上部にノズル22を有する天井部が追設されて、空気室Rを有するケーソン2が構成される。次に、このケーソン2にタービン11が設置されてタービン室12が追設され、その後に、PW3、閉塞部4および底上部5が追設される。これにより、既存の躯体構造物を波エネルギー変換装置1として活用できる。
【0062】
[浮体式に対する適用例]
図22は、図1に記載した波エネルギー変換装置の変形例を示す説明図である。同図は、浮体式の波エネルギー変換装置を示している。
【0063】
図1の波エネルギー変換装置1は、固定式であり、下部を水没させて水底に固定されて設置される。一般に、湾岸に設置される波エネルギー変換装置1では、このような固定式が採用される。しかし、これに限らず、沖合に設置される波エネルギー変換装置1では、水面に浮遊できる浮体式が採用され得る(図22参照)。
【0064】
例えば、図22の変形例では、波エネルギー変換装置1が、海上に浮遊できる浮体構造物8上に設置される。この波エネルギー変換装置1は、図1の波エネルギー変換装置1とほぼ同一原理の構造を有するが、単一かつ大型のケーソン2に対して複数のPW3、閉塞部4および底上部5が環状かつ周方向に配置されて連結される点で相異する。これにより、任意の平面方向から入射する波をエネルギー源とできるので、エネルギーを効率的に取得できる。
【0065】
[効果]
以上説明したように、この波エネルギー変換装置1は、波エネルギーを空気エネルギーに変換する(図1〜図4参照)。また、波エネルギー変換装置1は、波エネルギーを水柱振動に変換するための空気室Rを有するケーソン2と、このケーソン2に波を誘導するための水路Wを区画するプロジェクティングウォール(PW)3と、水路W内に配置されて水路Wの一部を閉塞する閉塞部4とを備える。
【0066】
かかる構成では、閉塞部4が引き波に対して反射壁として機能し、波が多重反射あるいは多重共振して、波の周期が多様化する。これにより、波の周期帯が拡幅されて透過波および反射波が小さくなり、波エネルギーの一次変換効率が向上する利点がある。また、かかる構成では、透過波および反射波が小さくなるので、消波ブロックの設置数を低減できる或いは消波ブロックを省略できる利点がある。
【0067】
また、この波エネルギー変換装置1は、水路Wを底上げする底上部5を備える(図1〜図4参照)。かかる構成では、底上部5が水路Wを底上げするので、この底上部5上方における海水の流速が増加する。これにより、波エネルギーの一次変換効率が向上する。
【0068】
また、この波エネルギー変換装置1は、空気室Rの壁面の角部あるいは隅部が傾斜面形状あるいは曲面形状を有する(図16参照)。これにより、空気室R内の流水抵抗が減少して、波エネルギーの一次変換効率が向上する利点がある。
【0069】
また、この波エネルギー変換装置1は、空気室R内の流体を鉛直方向に整流する整流部6を備える(図17および図18参照)。かかる構成では、水柱の振動時にて、空気室R内における海水流れおよび空気流れが良好となる。これにより、波エネルギーの一次変換効率が向上する利点がある。
【0070】
また、この波エネルギー変換装置1は、空気室Rあるいは水路Wに圧電素子7を備える(図19参照)。かかる構成では、圧電素子7が空気室Rあるいは水路Wの水流により振動して発電するので、波エネルギーを電気エネルギーに変換して取得できる利点がある。
【0071】
また、この波エネルギー変換装置1は、ケーソン2とプロジェクティングウォール3とが別体構造を有する(図20参照)。かかる構成では、ケーソン2のみを有する既存の波エネルギー変換装置に対して、PW3、閉塞部4および底上部5を後付けで増設できる利点がある。
【符号の説明】
【0072】
1 波エネルギー変換装置
2 ケーソン
21 開口部
22 ノズル
3 プロジェクティングウォール(PW)
4 閉塞部
41 支持部
5 底上部
6 整流部
7 圧電素子
8 浮体構造物
10 基礎マウンド
11 タービン
12 タービン室
R 空気室
W 水路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波エネルギーを空気エネルギーに変換する波エネルギー変換装置であって、
波エネルギーを水柱振動に変換するための空気室を有するケーソンと、前記ケーソンに波を誘導するための水路を区画するプロジェクティングウォールと、前記水路内に配置されて前記水路の一部を閉塞する閉塞部とを備えることを特徴とする波エネルギー変換装置。
【請求項2】
前記水路を底上げする底上部を備える請求項1に記載の波エネルギー変換装置。
【請求項3】
前記空気室の壁面の角部あるいは隅部が傾斜面形状あるいは曲面形状を有する請求項1または2に記載の波エネルギー変換装置。
【請求項4】
前記空気室内の流体を鉛直方向に整流する整流部を備える請求項1〜3のいずれか一つに記載の波エネルギー変換装置。
【請求項5】
前記空気室あるいは前記水路に圧電素子を備える請求項1〜4のいずれか一つに記載の波エネルギー変換装置。
【請求項6】
前記ケーソンと前記プロジェクティングウォールとが別体構造を有する請求項1〜5のいずれか一つに記載の波エネルギー変換装置。
【請求項1】
波エネルギーを空気エネルギーに変換する波エネルギー変換装置であって、
波エネルギーを水柱振動に変換するための空気室を有するケーソンと、前記ケーソンに波を誘導するための水路を区画するプロジェクティングウォールと、前記水路内に配置されて前記水路の一部を閉塞する閉塞部とを備えることを特徴とする波エネルギー変換装置。
【請求項2】
前記水路を底上げする底上部を備える請求項1に記載の波エネルギー変換装置。
【請求項3】
前記空気室の壁面の角部あるいは隅部が傾斜面形状あるいは曲面形状を有する請求項1または2に記載の波エネルギー変換装置。
【請求項4】
前記空気室内の流体を鉛直方向に整流する整流部を備える請求項1〜3のいずれか一つに記載の波エネルギー変換装置。
【請求項5】
前記空気室あるいは前記水路に圧電素子を備える請求項1〜4のいずれか一つに記載の波エネルギー変換装置。
【請求項6】
前記ケーソンと前記プロジェクティングウォールとが別体構造を有する請求項1〜5のいずれか一つに記載の波エネルギー変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−36363(P2013−36363A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171376(P2011−171376)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(506122246)三菱重工鉄構エンジニアリング株式会社 (111)
【出願人】(504194878)独立行政法人海洋研究開発機構 (110)
【出願人】(000219406)東亜建設工業株式会社 (177)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(506122246)三菱重工鉄構エンジニアリング株式会社 (111)
【出願人】(504194878)独立行政法人海洋研究開発機構 (110)
【出願人】(000219406)東亜建設工業株式会社 (177)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】
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