説明

波数推定装置

【課題】従来の波数推定装置では、目標の固有値と雑音の固有値との差が小さくなる低SNRの場合、誤った波数推定を行う問題があった。
【解決手段】目標からの反射信号を、アンテナのビーム指向方向に高利得を得るようビーム合成して、ビーム合成信号をパルス間積分し、パルス間積分信号から目標信号が検出された場合、目標からの反射信号の相関行列を相関行列算出手段で算出し、固有値・固有ベクトル算出手段で固有値・固有ベクトルを算出し、この固有ベクトルにより固有ビーム形成手段でビーム形成して、ビーム形成出力に対しコヒーレント積分手段がコヒーレント積分を行い、コヒーレント積分値を所定の基準で抽出して、波数推定手段で波数を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レーダやソーナーなど複数のパルスを送受信するセンサアレーシステムにおいて、受信した信号に含まれている目標数を推定する波数推定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の波数推定装置としては、例えば非特許文献「M. Wax、 T. Kailath、 “Detection of signals by information theoretic criteria、” IEEE Trans. Acoustics、 Speech、 and Signal Processing、 Vol.33、 No.2、 pp.387-392、 Apr. 1985」に示されたものがある。
【0003】
上記文献では、受信信号の相関行列より固有値・固有ベクトルを求め、降順に並べた固有値よりAIC(Akaike Information Criterion)に基づく規範値を求めて、最小となる規範値より波数推定を行うようにしている。また、上記文献では、同様に固有値よりMDL(Minimum Description Length)に基づく規範値を求めて、最小となる規範値より波数推定を行うようにしている。
【0004】
【非特許文献1】M. Wax、 T. Kailath、 “Detection of signals by information theoretic criteria、” IEEE Trans. Acoustics、 Speech、 and Signal Processing、 Vol.33、 No.2、 pp.387-392、 Apr. 1985
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の波数推定装置では、上記いずれの方法も、目標の固有値と雑音の固有値との差が小さくなるような低SNR(Signal to Noise Ratio)の場合には、誤った波数推定を行うという問題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、低SNRでの波数推定性能を改善する波数推定装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る波数推定装置は、複数のセンサにより複数のパルス波の送受信を行い、目標からの反射信号を取得する目標信号取得手段と、上記目標信号取得手段の出力に対して和ビームを形成する和ビーム形成手段と、上記和ビームの出力の積分を行うパルス間積分手段と、上記パルス間積分手段の出力の振幅検波を行う振幅検波手段と、上記振幅検波手段の出力の信号検出を行う信号検出手段と上記信号検出手段にて信号が検出された場合に、上記目標信号取得手段の出力より、目標信号の相関行列を算出する相関行列算出手段と、上記相関行列より固有値・固有ベクトルを算出する固有値・固有ベクトル算出手段と、上記固有ベクトルと上記目標信号取得手段の出力より固有ビーム形成を行う固有ビーム形成手段と、上記固有ビーム形成手段による各ビーム出力をコヒーレント積分するコヒーレント積分手段と、上記コヒーレント積分の値より所定のコヒーレント積分値を抽出する積分値抽出手段と、上記積分値抽出手段の出力により目標信号の波数を推定する波数推定手段とから構成される。
【発明の効果】
【0007】
この発明の波数推定装置によれば、目標からの反射信号をビーム指向方向に高利得を得るようビーム合成して、ビーム合成信号をパルス間積分し、パルス間積分信号から目標信号の検出処理をし、目標信号が検出された場合、目標からの反射信号の相関行列を算出して、固有値・固有ベクトルを算出し、この固有ベクトルによりビーム形成を行い、ビーム形成出力に対してコヒーレント積分を行う。コヒーレント積分値を所定の基準で抽出して、波数を推定しているので、低SNRでの波数推定性能を改善できる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1〜図3は、レーダシステムに組み込んだこの発明の波数推定装置の実施の形態1を示す構成図である。
図1において送信機1は、予め設定された諸元に基づいて送信波を生成し、その送信波を複数のサーキュレータ2に出力する。
サーキュレータ2は、送信機1から出力された送信波をそれぞれ対応する複数の移相器4に出力し、また、移相器4からの目標で反射し対応する複数のセンサとしてのアンテナ5で受信した受信信号をそれぞれ対応する複数の受信機6に出力する。
移相値計算手段3は、予め設定されたセンサとしてのアンテナ5のビーム指向方向に応じた移相値を算出し、その移相値を複数の移相器4に出力する。
移相器4は、移相値算出手段3により設定された移相値だけサーキュレータ2から出力された送信波の位相を移相し、また、アンテナ5により受信された受信波の位相を移相する。なお、アンテナ5より受信された受信波の位相を移相しなくてもよい。
【0009】
センサとしてのアンテナ5は、素子アンテナもしくはサブアレーアンテナであり、移相器4から出力された送信波を予め設定されたビーム指向方向に放射し、目標で反射された送信波を目標信号として受信する。このとき、合わせて不要波であるクラッタや妨害波を受信する場合もある。
受信機6は、サーキュレータ2から出力された受信波を受信し、その受信波の周波数をダウンコンバートして、ベースバンドの受信信号に変換する。
AD(Analog to Digital)変換器7は、受信機6から出力されたアナログの受信信号をディジタルの受信信号に変換する。
なお、送信機1、複数のサーキュレータ2、移相値計算手段3、複数の移相器4、複数のアンテナ5、複数の受信機6、複数のAD変換器7から、目標信号取得手段が構成されている。
【0010】
クラッタ抑圧手段8は、クラッタのドップラ周波数にヌルを有するドップラフィルタを用いて、AD変換器7より出力される受信信号に含まれるクラッタ電力を抑圧する。具体的なドップラフィルタとしてはMTI(Moving Target Indicator)やAMTI(Adaptive Moving Target Indicator)がある。
妨害波抑圧手段9は、妨害波の到来方向にヌルを有する空間フィルタを用いて、クラッタ抑圧部8より出力されるクラッタ抑圧後の受信信号に含まれる妨害波電力を抑圧する。具体的な空間フィルタとしては、SMI(Sample Matrix Inverse)やPCI(Principal Component Inverse)がある。
【0011】
和ビーム形成手段10は、妨害波抑圧手段9より出力される妨害波抑圧後の受信信号を、予め設定されたビーム指向方向に高利得を有するようにビーム合成を行う。
パルス間積分手段11は、和ビーム形成手段10より出力される受信信号のパルス間積分を行う。具体的なパルス間積分としては、NCI(Noncohernet Integration)やCI(Coherent Integration)がある。
信号検出手段12は、パルス間積分手段11より出力される受信信号に対して振幅検波してから閾値処理による信号検出が行われる。具体的な閾値処理としてはCFAR(Constant False Alarm Ratio)処理がある。
【0012】
以上に説明したレーダでは、複数の目標信号が受信された場合、これらが互いにレーダの距離分解能あるいはドップラ分解能以上に離れていれば、別々に検出することが可能であり、その検出数が目標数となる。しかしながら、複数の目標信号が距離分解能およびドップラ分解能以下の場合には、検出数をそのまま目標数として扱うと、目標数を誤ってしまう問題点がある。複数目標にもかかわらず1目標として扱うと、オペレータがレーダ周囲の状況を誤って認識してしまうほか、モノパルス測角や超分解能測角等による目標の角度等の推定が正しく行えないといったシステム的な問題に発展する。このため、距離およびドップラ分解能以下の複数目標数を正しく知ることが重要な課題である。
【0013】
この発明では、目標信号を距離方向およびドップラ方向で分離することが困難な場合に備え、上記レーダ構成に、相関行列算出手段、固有値・固有ベクトル算出手段、固有ビーム形成手段、コヒーレント積分手段、積分値抽出手段、波数推定手段を加えることで、目標信号の波数推定機能を付与する。
相関行列算出手段13は、信号検出有りの場合、その検出レンジビンにおいて、妨害波抑圧手段9より出力される目標信号の相関行列を算出する。
固有値・固有ベクトル算出手段14は、相関行列算出手段13より出力された相関行列の固有値・固有ベクトルを算出する。
【0014】
固有ビーム形成手段15は、妨害波抑圧手段9より出力される目標信号に対して、固有値・固有ベクトル算出手段14にて算出した固有ベクトルによるビーム形成を行う。
コヒーレント積分手段16は、固有ビーム形成手段15からのビーム出力に対してコヒーレント積分を行う。
積分値抽出手段17は、コヒーレント積分手段16の出力であるコヒーレント積分値より所定の積分値を抽出する。
波数推定手段21は、積分値抽出手段17からの出力である積分値により、目標数を推定する。
【0015】
図2は、この発明の実施の形態1における積分値抽出手段17を示す構成図であり、積分値抽出手段17は第1の最大値抽出手段18で形成され、第1の最大値抽出手段18は、コヒーレント積分手段16の出力であるコヒーレント積分値の最大値を抽出する。
図3は、この発明の実施の形態1における積分値抽出手段17の他の実施例を示す構成図であり、積分値抽出手段17は移動平均手段19と第2の最大値抽出手段20で形成される。
移動平均手段19は、複数のコヒーレント積分手段16からの出力であるコヒーレント積分値の移動平均を行い、第2の最大値抽出手段20は、移動平均手段19からの出力より最大値を抽出する。
【0016】
相関行列算出手段13では、次の式(1)ように目標信号の相関行列RXXを求める。
【0017】
【数1】

【0018】
ただし、N (n=1,・・・,N)はパルスヒット数、x(n)はアンテナ数M(m=1,・・・,M)のアレーアンテナにおける目標信号ベクトル、H はエルミート転置である。
【0019】
ここで目標信号ベクトルx(n)は式(2)のように表される。
【0020】
【数2】

【0021】
ただし、AはK 個のステアリングベクトル a(θk) を列ベクトルとする行列であり、Aは式(3)、a(θk)は式(4)のように表される。
【0022】
【数3】

【0023】
mk)は、第k波の到来方向θk に対する第nアンテナの複素ゲイン、Ψmk)は第k波の到来方向θk に対する第nアンテナの位相である。
また、式(2)における s(n) は互いに完全相関ではないK個の目標信号の複素振幅ベクトルであり、次式(5)で表される。
【0024】
【数4】

【0025】
同じく、式(2)におけるn(n) はアンテナ以降の受信系チャネル間で無相関な受信機雑音ベクトルであり、式(6)で表される。
【0026】
【数5】

【0027】
固有値・固有ベクトル算出手段14では、次式(7)のように目標信号の相関行列RXXの固有値・固有ベクトルを求める。
【0028】
【数6】

【0029】
ここで相関行列RXXはエルミート行列であることから、ΛはM 個の固有値による対角行列であり式(8)のように表される。なお、E は固有値λm に対応する固有ベクトル em を列ベクトルとする行列である。さらに固有ベクトル em については式(9)が成り立つ。なお、固有ベクトル em のノルムについては式(10)を満たすものとする。
【0030】
【数7】

【0031】
【数8】

【0032】
【数9】

【0033】
固有ビーム形成手段15では、次のようにして目標信号ベクトルx(n)に対する固有ビーム出力ym(n)を求める。
初めに、K 個の目標信号がそれぞれ異なる正規化ドップラ周波数を有する場合、目標信号sk(n) は次式(11)のように表わすことができる。
【0034】
【数10】

【0035】
ただし、Akは振幅、fkは正規化ドップラ周波数、φkは初期位相である。
よって、目標信号ベクトルx(n)は次式(12)のようになる。
【0036】
【数11】

【0037】
目標信号ベクトルx(n)の相関行列RXXから求まる固有ベクトルem をビームウェイトとするM 本の固有ビームを考えると、各ビーム出力は以下のように表すことができる。
【0038】
まず、固有ベクトルem が目標固有値λm に対応する場合、目標固有値λmに対応する固有ベクトルemが張る部分空間には目標信号のステアリングベクトルa(θk)も含まれるので、emHa(θk)=cmk)と表すことができる。すなわち、以降に示すようにビーム出力ym(n)は各目標のドップラ周波数信号および受信機雑音が合成されたものとなる。
【0039】
【数12】

【0040】
一方、固有ベクトルemが雑音固有値λmに対応する場合、雑音固有値λmに対応する固有ベクトルemが張る部分空間に目標信号のステアリングベクトルa(θk)は直交するため、emHa(θk)=0となる。すなわち、以降に示すようにビーム出力ym(n)は受信機雑音のみが合成されたものとなる。
【0041】
【数13】

【0042】
ここで、コヒーレント積分はノンコヒーレント積分に比べて積分効率がよい。このため目標信号がそれぞれ異なるドップラ周波数信号で表される場合には、固有ビーム出力をコヒーレント積分した場合の積分値を求めることにより、目標信号によるコヒーレント積分値と雑音によるコヒーレント積分値との差がより明確になる。したがって、このコヒーレント積分値を利用して目標数の推定を行うことで、低SNRでの目標数の推定精度を改善できる。
【0043】
そこでコヒーレント積分手段16では、第m 固有ビーム出力に対して次のようにコヒーレント積分を行う。
【0044】
【数14】

【0045】
ただし、Lはドップラ周波数ビン数、l(l=0、・・・、L-1)はドップラ周波数ビン番号である。
ここでk 波の各ドップラ周波数の差が互いにドップラ周波数分解能以下であり、かつ同じドップラビンに存在するとすれば、コヒーレント積分値Zm(l)のうち高々1つのドップラビンに信号成分が積分される。
【0046】
よって、積分値抽出手段17では信号成分が雑音成分よりも大きいものとして、以降に示すいずれかの手段により、コヒーレント積分値Zm(l)より特定の積分値を抽出する。
【0047】
図2は積分値抽出手段17の1つの実施例に関する構成図である。
図2の第1の最大値抽出手段18は、コヒーレント積分値Zm(l)を入力とし、次式のとおり、その最大値 Zmax(m)を出力する。
【0048】
【数15】

【0049】
図3は積分値抽出手段17の他の実施例に関する構成図である。
図3の移動平均手段19は、コヒーレント積分値Zm(l)を入力とし、次式(21)のとおり、その移動平均値 Zm-MA(l)を出力する。
【0050】
【数16】

【0051】
第2の最大値抽出手段20は、移動平均値Zm-MA(l)を入力とし、次式(22)のとおり、その最大値Zmax(m)を出力する。
【0052】
【数17】

【0053】
波数推定手段21では、積分抽出手段17の出力である最大値Zmax(m)に対して、スレッショルド検定、あるいは最大値Zmax(m)を降順に並びかえてAICやMDLを適用することにより、目標数を推定する。
【0054】
以上に説明したとおり、本実施の形態の波数推定装置では、相関行列算出手段13、固有値・固有ベクトル算出手段14、固有ビーム形成手段15、コヒーレント積分手段16、積分値抽出手段17、波数推定手段21を加えることで、低SNRでの波数推定性能を改善できる効果を有する。
【0055】
実施の形態2.
図4は、レーダシステムに組み込んだこの発明の波数推定装置の実施の形態2を示す構成図である。
本実施の形態2は、実施の形態1とは波数推定手段21の構成が異なるものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同一である。そこで、本実施の形態2の波数推定手段21についてのみ説明する。
【0056】
実施の形態2における波数推定手段21では、積分抽出手段17の出力である Zmax(m) を降順に並びかえ、これに固有値・固有ベクトル算出手段の出力 λ1,・・・,λk,・・・,λM を加算した値に対してAICやMDLを適用することにより、目標数を推定する
【0057】
以上に説明したとおり、本実施の形態の波数推定装置では、相関行列算出手段13、固有値・固有ベクトル算出手段14、固有ビーム形成手段15、コヒーレント積分手段16、積分値抽出手段17、波数推定手段21を加えることで、低SNRでの波数推定性能を改善できる効果を有する。
【0058】
実施の形態3.
図5は、レーダシステムに組み込んだこの発明の波数推定装置の実施の形態3を示す構成図である。
同図は、測角手段22を除いた構成については、実施の形態1と同一である。そこで、本実施の形態の測角手段22についてのみ説明する。
【0059】
測角手段22では、波数推定手段の波数推定値に応じて測角を行い、測角値を出力する。測角アルゴリズムとしては、モノパルス測角法、あるいはMUSIC(Multiple Signal Classification)やMLE(Maximum Likelihood Estimator)に代表されるような超分解能測角法がある。
例えば波数推定値が1の場合には、モノパルス測角法を実施することにより、超分解能測角法に比べて低い演算量により高精度な測角値を得ることができる。波数推定値が複数の場合には、超分解能測角法を用いることにより、波数推定値に一致した複数の高精度な測角値を得ることができる。
もちろん、演算量に制約がない場合には、波数推定値が1の場合でも超分解能測角法を用いて測角値を得ることができる。
【0060】
以上に説明したとおり、本実施の形態の波数推定装置では、相関行列算出手段13、固有値・固有ベクトル算出手段14、固有ビーム形成手段15、コヒーレント積分手段16、積分値抽出手段17、波数推定手段21、測角手段22を加えることで、低SNRでの波数推定性能が改善された波数推定値に基づいた測角が行え、測角性能を改善できる効果を有する。
【0061】
実施の形態4.
図6は、レーダシステムに組み込んだこの発明の波数推定装置の実施の形態4を示す構成図である。
同図は、測角手段22を除いた構成については、実施の形態2と同一である。また、測角手段22の機能・性能については、実施の形態3で示したとおりである。
【0062】
以上に説明したとおり、本実施の形態の波数推定装置では、相関行列算出手段13、固有値・固有ベクトル算出手段14、固有ビーム形成手段15、コヒーレント積分手段16、積分値抽出手段17、波数推定手段21、測角手段22を加えることで、低SNRでの波数推定性能が改善された波数推定値に基づいた測角が行え、測角性能を改善できる効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0063】
この発明による波数推定装置は、複数のパルスを送受信するセンサアレーシステムにおいて、受信した信号に含まれている目標数を推定するに関するものであり、レーダやソーナーなどで目標数推定に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】この発明の波数推定装置の実施の形態1を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1における積分値抽出手段の一実施例を示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1における積分値抽出手段の他の実施例を示す構成図である。
【図4】この発明の波数推定装置の実施の形態2を示す構成図である。
【図5】この発明の波数推定装置の実施の形態3を示す構成図である。
【図6】この発明の波数推定装置の実施の形態4を示す構成図である。
【符号の説明】
【0065】
1;送信機、2;サーキュレータ、3;移相値計算手段、4;移相器、5;アンテナ、6;受信機、7;AD変換器、8;クラッタ抑圧手段、9;妨害波抑圧手段、10;和ビーム形成手段、11;パルス間積分手段、12;信号検出手段、13;相関行列算出手段、14;固有値・固有ベクトル算出手段、15;固有ビーム形成手段、16;コヒーレント積分手段、17;積分値抽出手段、18;最大値抽出手段、19;移動平均手段、20;第2の最大値抽出手段、21;波数推定手段、22;測角手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサにより複数のパルス波の送受信を行い、目標からの反射信号を取得する目標信号取得手段と、上記目標信号取得手段の出力に対して和ビームを形成する和ビーム形成手段と、上記和ビームの出力の積分を行うパルス間積分手段と、上記パルス間積分手段の出力の振幅検波を行い、振幅検波後の出力の信号検出を行う信号検出手段と、上記信号検出手段にて信号が検出された場合に、上記目標信号取得手段の出力より、目標信号の相関行列を算出する相関行列算出手段と、上記相関行列より固有値・固有ベクトルを算出する固有値・固有ベクトル算出手段と、上記固有ベクトルと上記目標信号取得手段の出力より固有ビーム形成を行う固有ビーム形成手段と、上記固有ビーム形成手段による各ビーム出力をコヒーレント積分するコヒーレント積分手段と、上記コヒーレント積分の値より所定のコヒーレント積分値を抽出する積分値抽出手段と、上記積分値抽出手段の出力により目標信号の波数を推定する波数推定手段とから構成されることを特徴とする波数推定装置。
【請求項2】
上記波数推定手段は、上記積分値抽出手段の出力に加え、上記固有値・固有ベクトル算出手段の出力を用いて目標信号の波数を推定する構成にされることを特徴とする請求項1記載の波数推定装置。
【請求項3】
上記波数推定手段による波数推定結果に基づき目標信号の到来角を求める測角手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の波数推定装置。
【請求項4】
積分値抽出手段は、上記コヒーレント積分値の最大値を抽出する第1の最大値抽出手段から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の波数推定装置。
【請求項5】
積分値抽出手段は、上記コヒーレント積分値の移動平均を行う移動平均手段と、上記移動平均手段の出力の最大値を抽出する第2の最大値抽出手段とから構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の波数推定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−25576(P2010−25576A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183843(P2008−183843)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】