説明

波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び光分析装置

【課題】基板に生じる撓みを低減して、分解能を向上させた波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び光分析装置を提供する。
【解決手段】波長可変干渉フィルター5は、第1基板51の第2基板52との対向面に設けられた第1反射膜56と、第2基板52の第1基板51との対向面に設けられ第1反射膜56と対向する第2反射膜57と、第1基板51の第2基板52との対向面に設けられた第1電極53と、第2基板52の第1基板51との対向面に設けられた第2電極54とを備え、第2基板52は、第2反射膜57を設けた可動部522と、可動部522を基板厚み方向に移動可能に保持する連結保持部523とを備え、連結保持部523は可動部522を囲んで連続して、かつ可動部522より厚み寸法が小さく形成され、第2電極54は第2基板52の連結保持部523より厚み寸法が大きい部分に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射光から所望の目的波長の光を選択して出射する波長可変干渉フィルター、この波長可変干渉フィルターを備えた光モジュール、及びこの光モジュールを備えた光分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の基板の互いに対向する面に、所定寸法を有するギャップを介して、反射膜が対向配置された波長可変干渉フィルターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の波長可変干渉フィルターでは、一対の基板の互いに対向する面に、駆動電極が対向配置されており、各駆動電極に駆動電圧を印加することで、静電引力によりギャップ間隔を調整することができる。ここで、一方の基板は、反射膜の周辺部分の厚さが他の部分に比べて薄く形成された低剛性部を有し、この低剛性部にも駆動電極が設けられている。そして、低剛性部の変形によって、一方の基板における反射膜の平坦性が確保される。このような構成により、波長可変干渉フィルターは、ギャップ間隔に応じた特定波長の光を透過させることが可能となる。
このように、波長可変干渉フィルターは、ギャップ間隔を調整することで、所望の波長の光を透過させるものであるため、高いギャップ精度が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−286809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、基板に駆動電極を成膜形成する際、駆動電極の面方向(基板表面に沿う方向)には、内部応力が作用する。この内部応力は、駆動電極の成膜方法や膜材質などにより、その大きさや応力が作用する方向が決定される。ここで、一方の基板に形成される駆動電極に圧縮応力が作用する場合、基板は、他方の基板に向かって凸状に撓む。反対に、一方の基板に形成される駆動電極に引張応力が作用する場合、基板は、他方の基板から離れる方向に凸状に撓む。特に、基板の低剛性部は他の部分に比べて剛性が低いため、低剛性部に駆動電極を形成すると、基板の撓み量が大きくなるおそれがある。
このように、駆動電極の内部応力により、基板が撓んでしまうと、駆動電極に駆動電圧が印加されていない初期状態において、反射膜にも撓みが生じ、波長可変干渉フィルターの分解能が低下してしまうという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、基板に生じる撓みを低減して分解能を向上させた波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び光分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の波長可変干渉フィルターは、透光性を有する第1基板と、前記第1基板と対向する透光性の第2基板と、前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1反射膜と、前記第2基板の前記第1基板に対向する面に設けられ、前記第1反射膜とギャップを介して対向する第2反射膜と、前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1電極と、前記第2基板の前記第1基板に対向する面に設けられ、前記第1電極に対向する第2電極とを備え、前記第2基板は、前記第2反射膜が設けられた可動部と、前記可動部を基板厚み方向に移動可能に保持する連結保持部とを備え、前記連結保持部は、前記可動部を囲んで連続して形成され、かつ前記可動部よりも厚み寸法が小さく形成され、
前記第2電極は、前記第2基板の前記連結保持部より厚み寸法が大きい部分に設けられていることを特徴とする。
【0007】
ここで、第2基板の連結保持部は、可動部に比べて厚みが薄く形成されているため、連結保持部の剛性は、可動部の剛性よりも低くなっている。
本発明では、第2電極が第2基板における連結保持部の厚み寸法より大きい部分に設けられている。よって、連結保持部には第2電極(膜)が形成されていないため、連結保持部には第2電極の内部応力が作用しない。このため、内部応力により生じる基板の撓みを低減することができる。従って、基板の撓みによる反射膜の反りを抑制できるので、波長可変干渉フィルターの分解能を向上させることができる。
【0008】
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記第2電極は前記可動部に設けられていることが好ましい。
【0009】
本発明によれば、基板厚み方向に移動可能に保持された可動部に第2電極が設けられているため、第1電極および第2電極への電圧の印加により発生する静電引力が小さい場合でも、静電引力により可動部を第1基板側に移動させることができる。このため、各電極に印加する電圧が小さくてすみ、波長可変干渉フィルターの消費電力を抑制することができる。
【0010】
本発明の波長可変干渉フィルターは、前記連結保持部よりも厚み寸法が大きく形成され、前記連結保持部を支持する支持部を備え、前記第2電極は、前記第2反射膜を囲んで形成された内側電極と、前記内側電極を囲んで形成された外側電極とを備え、前記内側電極は前記可動部に設けられ、前記外側電極は前記支持部に設けられていることが好ましい。
【0011】
本発明によれば、第2電極の内側電極が可動部に設けられ、第2電極の外側電極が支持部に設けられているため、両方の電極を可動部に設けた場合に比べ、第2電極が可動部に与える内部応力を小さくすることができる。このため、基板の撓みをさらに低減することができる。
また、第2電極の内側電極のみが可動部に設けられているため、内側電極および外側電極を可動部に設けた場合に比べ、可動部に加わる重量を抑制することができる。従って、可動部の慣性を小さくすることができるので、駆動時の反射膜の応答性を向上させることができる。
【0012】
本発明の波長可変干渉フィルターは、前記第2基板の前記第1基板と対向する面とは反対側の面に設けられた撓み防止膜を備え、前記撓み防止膜の面方向に作用する内部応力の方向と、前記第2反射膜および前記第2電極の面方向に作用する内部応力の方向とは、同一方向であることが好ましい。
【0013】
本発明では、撓み防止膜が第2基板の第1基板と対向する面とは反対側の面に形成されており、この撓み防止膜の内部応力が第2反射膜や第2電極の内部応力と同一方向となる。例えば、撓み防止膜の圧縮応力により第2基板に作用する曲げモーメントは、第2基板を第1基板に向かって凸状に撓ませようとする第2反射膜や第2電極の圧縮応力により作用する曲げモーメントと打ち消し合う。従って、第2基板の撓みをさらに低減させることができるので、波長可変干渉フィルターの分解能をより一層向上させることができる。
【0014】
本発明の光モジュールは、上述の波長可変干渉フィルターと、前記波長可変干渉フィルターを透過した検査対象光を受光する受光手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明では、上述した発明と同様に、第2基板の撓みによる第2反射膜の反りが低減されるため、波長可変干渉フィルターの分解能を向上させることができる。これに伴って、所望波長の光を精度良く分光させることができる。従って、このような波長可変干渉フィルターから出射される光を受光手段により受光することで、光モジュールは、検査対象光に含まれる所望波長の光成分の正確な光量を測定することができる。
【0016】
本発明の光分析装置は、上述の光モジュールと、前記光モジュールの前記受光手段により受光された光に基づいて、前記検査対象光の光特性を分析する分析処理部とを備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明では、上述した波長可変干渉フィルターを有する光モジュールを備えるので、精度の高い光量の測定を実施でき、この測定結果に基づいて光分析処理を実施することで、正確な光学特性の分析を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る第1実施形態の測色装置の概略構成を示す図。
【図2】前記第1実施形態のエタロンの概略構成を示す平面図。
【図3】前記第1実施形態のエタロンの概略構成を示す断面図。
【図4】前記第1実施形態の第1基板を第2基板側から見た平面図。
【図5】前記第1実施形態の第2基板を第1基板側から見た平面図。
【図6】本発明に係る第2実施形態のエタロンの概略構成を示す断面図。
【図7】本発明に係る変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔1.測色装置の概略構成〕
図1は、本発明に係る第1実施形態の波長可変干渉フィルターを備える測色装置(光分析装置)の概略構成を示す図である。
この測色装置1は、図1に示すように、検査対象Aに光を射出する光源装置2と、本発明の光モジュールである測色センサー3と、測色装置1の全体動作を制御する制御装置4とを備えている。そして、この測色装置1は、光源装置2から射出される光を検査対象Aにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー3にて受光し、測色センサー3から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち検査対象Aの色を分析して測定する装置である。
【0020】
〔2.光源装置の構成〕
光源装置2は、光源21、複数のレンズ22(図1には1つのみ記載)を備え、検査対象Aに対して白色光を射出する。また、複数のレンズ22には、コリメーターレンズが含まれており、光源装置2は、光源21から射出された白色光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから検査対象Aに向かって射出する。
【0021】
〔3.測色センサーの構成〕
測色センサー3は、図1に示すように、本発明の波長可変干渉フィルターを構成するエタロン5と、エタロン5を透過する光を受光する受光手段としての受光素子31と、エタロン5で透過させる光の波長を可変する電圧制御部6とを備えている。また、測色センサー3は、エタロン5に対向する位置に、検査対象Aで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー3は、エタロン5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光を分光し、分光した光を受光素子31にて受光する。
受光素子31は、複数の光電交換素子により構成されており、受光量に応じた電気信号を生成する。そして、受光素子31は、制御装置4に接続されており、生成した電気信号を受光信号として制御装置4に出力する。
【0022】
(3−1.エタロンの構成)
図2は、エタロン5の概略構成を示す平面図であり、図3は、エタロン5の概略構成を示す断面図である。なお、図3では、検査対象光が図中下側から入射するものとする。
エタロン5は、図2に示すように、平面正方形状の板状の光学部材であり、一辺が例えば10mmに形成されている。このエタロン5は、図3に示すように、第1基板51、及び第2基板52を備えている。これらの2枚の基板51,52は、本実施形態では、SiO(二酸化珪素)から構成される石英ガラス基材を用いている。なお、各基板51,52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成されていてもよい。また、これらの中でも、各基板51,52の構成材料としては、例えばナトリウム(Na)やカリウム(K)などのアルカリ金属を含有したガラスを用いてもよく、このようなガラスにより各基板51,52を形成することで、後述するミラー56,57や各電極53,54の密着性、基板51,52同士の接合強度を向上させることが可能となる。そして、これらの2つの基板51,52は、後述する接合面513,524が接合されることで、一体的に構成されている。
【0023】
第1基板51と第2基板52との間には、第1反射膜としての固定ミラー56、及び第2反射膜としての可動ミラー57が設けられる。ここで、固定ミラー56は、第1基板51の第2基板52に対向する面に固定され、可動ミラー57は、第2基板52の第1基板51に対向する面52Aに固定されている。また、これらの固定ミラー56及び可動ミラー57は、ミラー間ギャップGを介して対向配置されている。
さらに、第1基板51と第2基板52との間には、固定ミラー56及び可動ミラー57の間のミラー間ギャップGの寸法を調整するための第1静電アクチュエーター55Aおよび第2静電アクチュエーター55Bが設けられている。
【0024】
(3−1−1.第1基板の構成)
第1基板51は、厚みが例えば500μmの石英ガラス基材(SiO:二酸化珪素)をエッチングにより加工することで形成される。具体的には、図3および図4に示すように、第1基板51には、エッチングにより、電極形成溝511とミラー固定部512とが形成される。
電極形成溝511は、図4に示すようなエタロン5を厚み方向から見た平面視(以降、エタロン平面視と称す)において、平面中心点を中心とした円形に形成されている。
ミラー固定部512は、エタロン平面視において、電極形成溝511の中心部から第2基板52側に突出して形成される。
【0025】
電極形成溝511には、図3および図4に示すように、ミラー固定部512の外周縁から電極形成溝511の内周壁面までの間に、リング状の電極固定面511Aが形成され、電極固定面511Aに、第1電極53が形成される。この第1電極53は、内側第1電極531および外側第1電極532を備えている。内側第1電極531は、図4に示すエタロン平面視(第1基板51を第2基板52側から見た平面視)において、固定ミラー56の中心を中心点とするリング状に形成されている。外側第1電極532は、エタロン平面視において、内側第1電極531と同軸上で、内側第1電極531より径寸法が大きいC字状に形成されている。
ここで、第1電極53は、導電性を有し、後述する第2基板52の第2電極54との間で電圧を印加することで、第1電極53及び第2電極54間に静電引力を発生させることが可能なものであれば、特に限定されないが、本実施形態では、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)を用いる。また、Au/Cr膜(クロム膜を下地とし、その上に金膜を形成した膜)などの金属積層体を用いてもよい。
【0026】
そして、第1電極53の上面には、絶縁膜58が形成されている。絶縁膜58としては、SiOやTEOS(Tetra Ethoxy Silane)などを用いることができ、特に第1基板51を形成するガラス基板と同一光学特性を有するSiOが好ましい。絶縁膜58として、SiOを用いる場合、第1基板51及び絶縁膜58の間での光の反射等がないため、例えば図3に示すように、第1基板51上に第1電極53を形成した後、第1基板51の第2基板52に対向する側の面の全面に絶縁膜58を形成することができる。なお、この絶縁膜58は、第1電極53及び第2電極54の間の放電等によるリークを防止するために設けられる膜であり、透光性を有さない膜により構成されていてもよく、この場合は、ミラー固定面512A上の絶縁膜58を除去すればよい。
【0027】
内側第1電極531の外周縁の一部からは、図4に示すエタロン平面視において、エタロン5の左上方向に向かって、内側第1電極引出部531Lが延出して形成されている。また、外側第1電極532の外周縁の一部からは、エタロン平面視において、エタロン5の右下方向に向かって、外側第1電極引出部532Lが延出して形成されている。内側第1電極引出部531Lおよび外側第1電極引出部532Lの先端には、内側第1電極パッド531Pまたは外側第1電極パッド532Pが形成され、内側第1電極パッド531Pおよび外側第1電極パッド532Pが電圧制御部6(図1参照)に接続される。各静電アクチュエーター55A,55Bを駆動させる際には、電圧制御部6(図1参照)により、内側第1電極パッド531Pおよび外側第1電極パッド532Pに電圧が印加される。
【0028】
ミラー固定部512は、上述したように、電極形成溝511と同軸上で、電極形成溝511よりも小さい径寸法となる円柱状に形成されている。なお、本実施形態では、図3に示すように、ミラー固定部512の第2基板52に対向するミラー固定面512Aが、電極固定面511Aよりも第2基板52に近接して形成される例を示すが、これに限らない。電極固定面511A及びミラー固定面512Aの高さ位置は、ミラー固定面512Aに固定される固定ミラー56、及び第2基板52に形成される可動ミラー57の間のミラー間ギャップGの寸法、第1電極53及び第2電極54の間の寸法、固定ミラー56や可動ミラー57の厚み寸法により適宜設定されるものであり、上記のような構成に限られない。例えばミラー56,57として、誘電体多層膜ミラーを用い、その厚み寸法が増大する場合、電極固定面511Aとミラー固定面512Aとが同一面に形成される構成や、電極固定面511Aの中心部に、円柱凹溝上のミラー固定溝が形成され、このミラー固定溝の底面にミラー固定面512Aが形成される構成などとしてもよい。また、ミラー固定部512のミラー固定面512Aは、エタロン5を透過させる波長域をも考慮して、溝深さが設計されることが好ましい。
【0029】
そして、ミラー固定面512Aには、直径が約3mmの円形状の固定ミラー56が固定されている。この固定ミラー56は、TiO膜とSiO膜とが積層されたTiO−SiO系の誘電体多層膜により形成されるミラーであり、スパッタリングなどの手法により、ミラー固定面512Aに形成された絶縁膜58上に形成されている。
なお、本実施形態では、固定ミラー56として、TiO−SiO系の誘電体多層膜のミラーを用いる例を示すが、分光可能な波長域として可視光全域をカバーできるAg合金単層のミラーを用いる構成としてもよい。
【0030】
ここで、第1基板51において、電極形成溝511及びミラー固定部512が形成されていない部分が第1基板51の接合面513となる。この接合面513に形成された絶縁膜58上には、それぞれ、図3に示すように、接合用の第1接合膜514が膜状に形成されている。この第1接合膜514には、主材料としてポリオルガノシロキサンが用いられたプラズマ重合膜などを用いることができる。
【0031】
(3−1−2.第2基板の構成)
第2基板52は、厚みが例えば200μmの石英ガラス基材(SiO:二酸化珪素)をエッチングにより加工することで形成される。
また、第2基板52には、図2および図3に示すように、エタロン平面視において、基板中心点を中心とした円形の変位部521が形成される。この変位部521は、円柱状の可動部522と、可動部522と同軸であり可動部522を保持する連結保持部523とを備えている。
【0032】
この変位部521は、第2基板52の形成素材である平板状のガラス基材をエッチングにより溝を形成することで形成される。すなわち、変位部521は、第2基板52の第1基板51に対向しない面に、連結保持部523を形成するための円環状の凹溝部523Aをエッチング形成することで形成されている。
【0033】
可動部522は、連結保持部523よりも厚み寸法が大きく形成され、例えば、本実施形態では、第2基板52の厚み寸法と同一寸法である200μmに形成されている。また、可動部522は、第1基板51に対向する側の面52Aにミラー固定部512に平行な可動面522Aを備え、この可動面522Aに可動ミラー57が固定されている。
ここで、この可動ミラー57は、上述した固定ミラー56と同一の構成のミラーであり、例えば直径が3mmの円形状で、TiO−SiO系の誘電体多層膜のミラーが用いられる。
【0034】
可動部522の可動面522Aには、図3および図5に示すように、所定の間隔を介して第1電極53と対向する、二重リング状の第2電極54が形成されている。この第2電極54は、可動ミラー57を囲んで形成された内側電極としての内側第2電極541と、内側第2電極541を囲んで形成された外側電極としての外側第2電極542とを備えている。ここで、内側第1電極531と内側第2電極541とにより第1静電アクチュエーター55Aが構成され、外側第1電極532と外側第2電極542とにより第2静電アクチュエーター55Bが構成される。
【0035】
内側第2電極541は、図5に示すエタロン平面視(第2基板52を第1基板51側から見た平面視)において、可動ミラー57の中心を中心点とするリング状に形成されている。外側第2電極542は、エタロン平面視において、内側第2電極541と同軸上で、内側第2電極541より径寸法が大きいリング状に形成され、かつ内側第2電極541に接続されている。
なお、第2電極54は、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)または、Au/Cr膜などの金属積層体が用いられる。
【0036】
また、外側第2電極542の外周縁の一部からは、一対の第2電極引出部542Lが互いに反対方向に延出して形成され、これらの第2電極引出部542Lの先端には第2電極パッド542Pが形成されている。より具体的には、第2電極引出部542Lは、図5に示すエタロン平面視において、エタロン5の左上方向及び右下方向に向かって延出し、第2基板52の平面中心に対して点対称に形成されている。
また、第2電極パッド542Pは、内側第1電極パッド531Pおよび外側第1電極パッド532Pと同様に、電圧制御部6に接続され、静電アクチュエーター55Aの駆動時には、第2電極パッド542Pに電圧が印加される。
【0037】
連結保持部523は、可動部522の周囲を囲う環状のダイアフラムであり、例えば厚み寸法が可動部522の厚み寸法よりも薄い30μmに形成されている。ここで、連結保持部523には、図3に示すように、第2電極54などの膜は形成しておらず、連結保持部523には、膜の内部応力が作用しないようになっている。
【0038】
このような第2基板52の面52Aにおいて、第1基板51の接合面513と対向する領域が、第2基板52における接合面524となる。この接合面524には、第1基板51の接合面513と同様に、主材料としてポリオルガノシロキサンを用いた第2接合膜525が設けられている。
【0039】
(3−2.電圧制御部の構成)
電圧制御部6は、制御装置4からの入力される制御信号に基づいて、各静電アクチュエーター55A,55Bの第1電極53及び第2電極54に印加する電圧を制御する。
【0040】
〔4.制御装置の構成〕
制御装置4は、測色装置1の全体動作を制御する。この制御装置4としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。
そして、制御装置4は、図1に示すように、光源制御部41、測色センサー制御部42、及び測色処理部43(分析処理部)などを備えて構成されている。
【0041】
光源制御部41は、光源装置2に接続されている。そして、光源制御部41は、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置2に所定の制御信号を出力し、光源装置2から所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部42は、測色センサー3に接続されている。そして、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー3に出力する。これにより、測色センサー3の電圧制御部6は、制御信号に基づいて、利用者が所望する光の波長を透過させるよう、各静電アクチュエーター55A,55Bへの印加電圧を設定する。
測色処理部43は、測色センサー制御部42を制御して、エタロン5のミラー間ギャップを変動させて、エタロン5を透過する光の波長を変化させる。また、測色処理部43は、受光素子31から入力される受光信号に基づいて、エタロン5を透過した光の光量を取得する。そして、測色処理部43は、上記により得られた各波長の光の受光量に基づいて、検査対象Aにより反射された光の色度を算出する。
【0042】
〔5.第1実施形態の作用効果〕
上述の第1実施形態に係るエタロン5によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、第2電極54が、第2基板52における連結保持部523以外の部分に設けられているため、連結保持部523には、第2電極54の内部応力が作用しない。このため、第2基板52の中でも剛性が低い連結保持部523が、第2電極54の内部応力の影響を受けることを防止でき、内部応力により生じる第2基板52の撓みを低減することができる。従って、基板の撓みによる反射膜の反りを抑制できるので、エタロン5の分解能を向上させることができる。
【0043】
連結保持部523には、第2電極54を含め成膜形成がされていないので、可動部522の周囲を囲う連結保持部523であるダイアフラムが撓み易くなり、駆動電圧を第1電極53及び第2電極54に印加する際のダイアフラムの駆動制御を容易にできる。
【0044】
また、第1電極53が絶縁膜58で覆われているため、第1電極53及び第2電極54間で、放電等による電流のリークを確実に防止でき、第1電極53及び第2電極54に設定電圧に応じた所望の電荷を保持させることができる。これにより、固定ミラー56及び可動ミラー57の間のギャップGの間隔を精度良く制御することができ、エタロン5から所望の波長の光を精度良く取り出すことができる。
さらに、電圧制御部6により各静電アクチュエーター55A,55B毎に印加電圧を制御できるため、より精度の高いギャップの設定が可能となる。
【0045】
[第2実施形態]
以下、本発明に係る第2実施形態について、図6に基づき説明する。
前記第1実施形態のエタロン5が備える第2電極54は、可動部522に形成されていた。
これに対し、本実施形態のエタロンが備える第2電極54は、内側第2電極541が連結保持部523の内側、つまり可動部522に形成され、外側第2電極542が連結保持部523の外側に形成されている。また、第2基板52の第1基板51と反対側の面52Bには、透光性を有する撓み防止膜59が設けられている。
なお、以下の説明では、前記第1実施形態と同一構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0046】
図6は、本実施形態におけるエタロンの概略構成を示す断面図である。
このエタロン5Aにおいて、第2基板52の変位部521は、図6に示すように、可動部522と、可動部522を保持する連結保持部523と、連結保持部523の外側から連結保持部523を支持する支持部526とを備えている。
可動部522および連結保持部523は、前記第1実施形態と同様に構成されている。すなわち、連結保持部523は、可動部522の周囲を囲う環状のダイアフラムであり、可動部522は、連結保持部523よりも厚み寸法が大きく形成されている。
支持部526は、第2基板52における連結保持部523の外側の部分であって、第1基板51の電極固定面511Aと対向する部分で構成される。この支持部526は、連結保持部523よりも厚み寸法が大きく形成され、その厚み寸法が、例えば第2基板52の厚み寸法と同一寸法である200μmに形成されている。
【0047】
第2電極54は、可動部522に設けられたリング状の内側第2電極541と、支持部526に設けられ、連結保持部523の周囲を囲うリング状の外側第2電極542とを備えている。このような第2電極54に対応して、第1電極53は、内側第1電極531が内側第2電極541と対向する位置に設けられ、外側第1電極532が外側第2電極542と対向する位置に設けられている。
【0048】
撓み防止膜59は、第2基板52の面52Bのうち、可動ミラー57および第2電極54を覆う位置(可動部522の上面および支持部526の上面)に形成されている。撓み防止膜59は、第2基板52と同一の屈折率を有する材質で構成されており、本実施形態では第2基板52と同一材質の石英ガラス材(SiO:二酸化珪素)で構成されている。この撓み防止膜59は、可動ミラー57及び第2電極54が第2基板52の第1基板51と対向する側の面に成膜形成される際に、可動ミラー57及び第2電極54の面方向に作用する内部応力(本実施形態では圧縮応力)により第1基板51に向けて凸状に撓む第2基板52の撓みを低減するものである。
すなわち、第2基板52の第1基板51に対向する面52Aに第2電極54や可動ミラー57を成膜する際、第2電極54や可動ミラー57の内部応力(圧縮応力)により、第2基板52は、第1基板51側に撓もうとする。
【0049】
ここで、可動ミラー57がTiO−SiO系の誘電体多層膜である場合、可動ミラー57の各層(TiO層及びSiO層)の内部応力、厚み寸法、及び各層の平面視における面積の積の和が曲げモーメントとして第2基板52に作用する。可動ミラー57の第2基板52に作用する曲げモーメントがM1、可動ミラー57全体の内部応力がσ1、可動ミラー57の総厚み寸法がT1、エタロン平面視における可動ミラー57の面積がS1、各TiO層の内部応力がσ11、TiO層の厚み寸法がT11、TiO層の層数がN11、各SiO層の内部応力がσ12、SiO層の厚み寸法がT12、SiO層の層数がN12であるとすると、以下の関係式(1)が成立する。
【0050】
[数1]
M1∝σ1×T1×S1=(σ11×T11×N11×S1)+(σ12×T12×N12×S1)・・・(1)
【0051】
本実施形態では、可動ミラー57、第2電極54、及び撓み防止膜59の内部応力は、それぞれ圧縮応力となるように設定されており、例えば可動ミラー57のTiO層及びSiO層の内部応力がそれぞれ引張応力及び圧縮応力である場合でも、可動ミラー57の全体としての内部応力σ1が圧縮応力となるように設定されていればよい。そして、上記式(1)から求められる曲げモーメントM1が可動ミラー57により第2基板52を撓ませる力として作用する。
同様に、第2基板52に作用する第2電極54の曲げモーメントがM2、第2電極54の内部応力がσ2、第2電極54の厚み寸法がT2、エタロン平面視における第2電極54の面積がS2であるとすると、以下の関係式(2)が成立する。
【0052】
[数2]
M2∝σ2×T2×S2・・・(2)
【0053】
そして、上記式(2)から求められる曲げモーメントM2が第2電極54により第2基板52を撓ませる力として作用する。
上記のように、可動ミラー57の内部応力σ1と、第2電極54の内部応力σ2とが同一方向であり、圧縮応力となる場合、第2基板52には、下記式(3)に示すような曲げモーメントM3が作用し、第2基板52を第1基板51側に撓ませようとする力となる。
【0054】
[数3]
M3=M1+M2・・・(3)
【0055】
撓み防止膜59は、第2基板52に作用する上記式(3)で求められる曲げモーメントM3を打ち消すために設けられた膜であり、第2電極54及び可動ミラー57の面方向に作用する内部応力(圧縮応力)の方向と同一方向となる内部応力(圧縮応力)を有している。また、撓み防止膜59は、上記のように、第2電極54及び可動ミラー57が設けられる面52Aとは反対側の面52Bに設けられている。このため、撓み防止膜59の内部応力により第2基板52に作用する曲げモーメントは、第2基板52を第1基板51から離間する方向に働く。
【0056】
ここで、撓み防止膜59の第2基板52に作用する曲げモーメントがM4、撓み防止膜59の内部応力(圧縮応力)がσ4、撓み防止膜59の厚み寸法がT4、エタロン平面視におけるギャップ形成部に重なる部分の面積がS4である場合、第2基板52には、以下の式(4)で求められる曲げモーメントM4が第2基板52に作用する。従って、この曲げモーメントM4が、以下の式(5)の関係を有するように撓み防止膜59を形成することで、第2電極54及び可動ミラー57により第2基板52に作用する曲げモーメントM3が打ち消され、第2基板52の撓みを無くすことができる。
【0057】
[数4]
M4∝σ4×T4×S4・・・(4)
【0058】
[数5]
M4=M3・・・(5)
【0059】
上述の第2実施形態に係るエタロン5によれば、前記第1実施形態の効果の他、以下の効果を奏する。
すなわち、第2電極54のうちの内側第2電極541のみが可動部522に設けられているため、第2電極54の内側第2電極541および外側第2電極542を可動部522に設けた場合に比べ、可動部522に加わる重量を抑制することができる。従って、可動部522の慣性を小さくすることができるので、駆動時の可動ミラー57の応答性を向上できる。
また、内側第2電極541が可動部522に設けられ、外側第2電極542が支持部526に設けられているため、両方の電極541,542を可動部522に設けた場合に比べ、第2電極54が可動部522に与える内部応力を小さくすることができる。従って、可動部522の反りを防止でき、可動ミラー57の平坦性を確保することができる。
【0060】
ここで、撓み防止膜59が第2基板52の第1基板51と対向する側と反対側の面に成膜形成されており、この成膜形成の際に、撓み防止膜59の面方向に圧縮応力が作用する。このため、撓み防止膜59の面方向に作用する圧縮応力により、第2基板52が第1基板51と反対側に向けて凸状に撓むようになり、第2基板52の第1基板51に向かう凸状の撓みを低減できる。
【0061】
また、第2電極54及び可動ミラー57が第2基板52に成膜形成される際に第2基板52に作用する曲げモーメントM3は、撓み防止膜59が第2基板52に成膜形成される際に第2基板52に作用する曲げモーメントM4と同一となるように設定されている(式(5)参照)。このため、第2電極54及び可動ミラー57を第2基板52に成膜形成する際に第2基板52に作用する曲げモーメントM3を、撓み防止膜59の第2基板52に作用する曲げモーメントM4により打ち消すことができる。従って、初期状態における第2基板52の撓みを確実に防止でき、固定ミラー56及び可動ミラー57の間のギャップGの間隔をより高精度に設定できるので、エタロン5Aの分解能を一層向上させることができる。
【0062】
撓み防止膜59は第2基板52と同じ光学特性を有する材質である石英ガラス材(SiO)で形成されているので、第2基板52に入射された光が撓み防止膜59と第2基板52との接合面で反射されることを防止できる。従って、入射光から特定波長の光を良好に透過させることができる。
また、撓み防止膜59が形成されている分、可動部522の厚み寸法が増大するため、可動部522の剛性が大きくなり撓みにくくなる。このため、より確実に可動ミラー57の撓みを防止することができる。
【0063】
第2基板52の連結保持部523には、第2電極54を含む成膜がなされていない。このため、第2電極54、可動ミラー57、および撓み防止膜59の厚さや内部応力のバラツキにより、応力の釣り合いバランスが崩れた場合でも、連結保持部523には、成膜による内部応力が作用しない。従って、第2電極54、可動ミラー57、および撓み防止膜59の内部応力による第2基板52の撓みを最小限に抑制することができる。
【0064】
[実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記第1実施形態では、第2電極54を構成する内側第2電極541および外側第2電極542は可動部522に設けられ、前記第2実施形態では、内側第2電極541が可動部522に、外側第2電極542が支持部526にそれぞれ設けられていたが、これに限られない。例えば、図7に示すように、エタロン5Bにおいて、内側第2電極541および外側第2電極542を支持部526に設けてもよい。
また、前記各実施形態では、第1電極53および第2電極54は、それぞれ二重リング状に形成されていたが、これら電極53,54の形状としては、これに限られない。第1電極53および第2電極54は、単一のリング状であってもよく、三重以上の多重リング状であってもよい。
【0065】
前記第2実施形態では、第2電極54、可動ミラー57、及び撓み防止膜59に作用する内部応力は圧縮応力が作用するように第2基板52に成膜形成されていたが、引張応力が作用するように成膜形成されていてもよい。この場合でも、第2電極54、可動ミラー57、及び撓み防止膜59に作用する内部応力の方向がそれぞれ同方向となるように成膜形成されていればよい。
【0066】
前記第2実施形態では、撓み防止膜59が第2基板52の第1基板51とは反対側の面52Bのうち、可動ミラー57および第2電極54を覆う位置に形成されていたが、撓み防止膜59は、連結保持部523を除く第2基板52の面52Bの全面に形成されていてもよい。
【0067】
前記各実施形態では、第1電極53のみに絶縁膜58が形成されていたが、第2電極54にも絶縁膜58を形成してもよい。この場合、第2電極54、可動ミラー57、絶縁膜58、及び撓み防止膜59に作用する内部応力の方向がそれぞれ同方向となるように、かつそれぞれの曲げモーメントがつりあうように、第2電極54、可動ミラー57、絶縁膜58、及び撓み防止膜59を形成すればよい。
第2電極54にも絶縁膜58を形成することにより、第1電極53及び第2電極54間で、放電等による電流のリークを確実に防止できる。このため、第1電極53及び第2電極54に、設定電圧に応じた所望の電荷を保持させることができる。これにより、固定ミラー56及び可動ミラー57の間のギャップ間隔を精度良く制御することができ、エタロン5から所望の波長の光を精度良く取り出すことができる。
【0068】
前記各実施形態では、固定ミラー56および可動ミラー57は円形状に形成されていたが、固定ミラー56および可動ミラー57の形状としては、これに限られない。固定ミラー56および可動ミラー57は、用途に応じた形状とすることができ、例えば、矩形状に形成してもよい。
【0069】
前記各実施形態において、接合面513,524では、第1接合膜514及び第2接合膜525により接合されるとしたが、これに限られない。例えば、第1接合膜514及び第2接合膜525が形成されず、接合面513,524を活性化し、活性化された接合面513,524を重ね合わせて加圧することにより接合する、いわゆる常温活性化接合により接合させる構成などとしてもよく、いかなる接合方法を用いてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…測色装置(光分析装置)、3…測色センサー(光モジュール)、5,5A,5B…エタロン(波長可変干渉フィルター)、31…受光素子(受光手段)、43…測色処理部(分析処理部)、51…第1基板、52…第2基板、53…第1電極、54…第2電極、56…固定ミラー(第1反射膜)、57…可動ミラー(第2反射膜)、59…撓み防止膜、522…可動部、523…連結保持部、526…支持部、541…内側第2電極(内側電極)、542…外側第2電極(外側電極)、G…ギャップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する第1基板と、
前記第1基板と対向する透光性の第2基板と、
前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1反射膜と、
前記第2基板の前記第1基板に対向する面に設けられ、前記第1反射膜とギャップを介して対向する第2反射膜と、
前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1電極と、
前記第2基板の前記第1基板に対向する面に設けられ、前記第1電極に対向する第2電極とを備え、
前記第2基板は、前記第2反射膜が設けられた可動部と、前記可動部を基板厚み方向に移動可能に保持する連結保持部とを備え、
前記連結保持部は、前記可動部を囲んで連続して形成され、かつ前記可動部よりも厚み寸法が小さく形成され、
前記第2電極は、前記第2基板の前記連結保持部より厚み寸法が大きい部分に設けられている
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
【請求項2】
請求項1に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記第2電極は前記可動部に設けられている
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
【請求項3】
請求項1に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記連結保持部よりも厚み寸法が大きく形成され、前記連結保持部を支持する支持部を備え、
前記第2電極は、前記第2反射膜を囲んで形成された内側電極と、前記内側電極を囲んで形成された外側電極とを備え、
前記内側電極は前記可動部に設けられ、
前記外側電極は前記支持部に設けられている
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記第2基板の前記第1基板と対向する面とは反対側の面に設けられた撓み防止膜を備え、
前記撓み防止膜の面方向に作用する内部応力の方向と、前記第2反射膜および前記第2電極の面方向に作用する内部応力の方向とは、同一方向である
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の波長可変干渉フィルターと、
前記波長可変干渉フィルターを透過した検査対象光を受光する受光手段とを備えた
ことを特徴とする光モジュール。
【請求項6】
請求項5に記載の光モジュールと、
前記光モジュールの前記受光手段により受光された光に基づいて、前記検査対象光の光特性を分析する分析処理部とを備えた
ことを特徴とする光分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−168362(P2012−168362A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29490(P2011−29490)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】