説明

波長変換構造体および光源装置

【課題】人間の目に対する安全性が確保されたいわゆるアイセーフ機能を有する光源装置および光源装置に用いられる波長変換構造体を提供する。
【解決手段】波長変換構造体20は、レーザ光を導入し、レーザ光の波長とは異なる波長の光を放射する。波長変換構造体20は、レーザ光の入射を許容するレーザ入射口25を有する光透過性部材からなる導光部22と、導光部22の表面の少なくとも一部を覆う蛍光体含有層24と、を含み、導光部22は、レーザ入射口25を有するレーザ入射面を除く表面に形成された凹凸と、レーザ入射口25および蛍光体含有層24で覆われた部分を除く表面に凹凸に沿って形成された光反射膜26と、からなる光拡散構造を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を用いた光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザは、発光ダイオードと比較して電気−光変換効率が高く、高出力化が可能であるため、プロジェクタ用の光源や自動車用のヘッドライトなど高輝度な白色光源としての利用が期待されている。
【0003】
特許文献1には、レーザダイオードから出射されたレーザ光を蛍光体に集光し、蛍光体からインコヒーレントな自然放出光を得るようにした光源装置が開示されている。かかる光源装置は、所定の方向に開口した放物反射面を有する可視光反射鏡と、可視光反射鏡の焦点に設けられ、蛍光体を透過したレーザ光を蛍光体に向けて反射させるレーザ光反射鏡とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4054594号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レーザ光は出力が高く且つスポットサイズが小さいため、光エネルギー密度が高い。このため、レーザ光は人間の目にダメージを与える危険性を有する。スポットサイズが小さい通常の半導体レーザからの光は、網膜上で微小スポットに集光されて網膜上の局部的な発熱を引き起こす。なお可視光レーザの場合、眼球や網膜組織と生化学反応を引き起こすおそれもある。従ってトータルの光パワーが小さくても網膜損傷につながる可能性がある。
【0006】
青色レーザと蛍光体とを組み合わせた白色光源装置において、蛍光体は通常シリコーン樹脂等のバインダー内に分散される。蛍光体含有樹脂の表面は通常滑らかであり、樹脂表面において反射面を形成する。蛍光体に向けて出射されたレーザ光は、蛍光体に吸収されることなくバインダー樹脂の表面で反射され得る。かかる反射光を光学系で結像するとレーザ出射口のスポットサイズに絞られる可能性があり、人間の目にダメージを与える可能性がある。
【0007】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、人間の目に対する安全性が確保されたいわゆるアイセーフ機能を有する光源装置および光源装置に用いられる波長変換構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る波長変換構造体は、レーザ光を導入し、前記レーザ光の波長とは異なる波長の光を放射する波長変換構造体であって、前記レーザ光の入射を許容するレーザ入射口を有する光透過性部材からなる導光部と、前記導光部の表面の少なくとも一部を覆う蛍光体含有層と、を含み、前記導光部は、前記レーザ入射口を有するレーザ入射面を除く表面に形成された凹凸と、前記レーザ入射口および前記蛍光体含有層で覆われた部分を除く表面に前記凹凸に沿って形成された光反射膜と、からなる光拡散構造を有することを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る光源装置は、上記波長変換構造体を備えた光源装置であって、前記波長変換構造体に隣接して設けられた半導体レーザを有し、前記半導体レーザは、レーザ出射面が前記レーザ入射口と対向するように配置されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る波長変換構造体および光源装置によれば、人間の目に対する危険性を排除することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例1に係る光源装置の構成を示す斜視図である。
【図2】(a)および(b)は、それぞれ本発明の実施例1に係る波長変換構造体の構成を示す斜視図および上面図である。
【図3】(a)および(b)は、それぞれ図2(b)における3a−3a線および3b−3b線に沿った断面図である。
【図4】本発明に実施例1に係る光源装置によるアイセーフ化の原理を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例1に係る波長変換構造体の断面図である。
【図6】本発明の実施例1に係る波長変換構造体の製造工程を示す断面図である。
【図7】(a)および(b)は、本発明の実施例2に係る波長変換構造体の構成を示す断面図である。
【図8】(a)は本発明の実施例3に係る波長変換構造体の構成を示す斜視図、(b)は、本発明の実施例3に係る光源装置の構成を示す断面図である。
【図9】本発明の実施例4に係る光源装置の構成を示す断面図である。
【図10】本発明の実施例4に係る光源装置を備えた車両用灯具の構成を示す断面図である。
【図11】本発明の実施例5に係る光源装置を構成する波長変換構造体の構成を示す断面図である。
【図12】(a)は、本発明の実施例5に係る光源装置を備えた車両用灯具の構成を示す正面図である。(b)は図12(a)の車両用灯具により形成される配光パターンの例である。
【図13】本発明の実施例6に係る光源装置の構成を示す断面図である。
【図14】(a)は、本発明の実施例6に係る光源装置を備えた車両用灯具の構成を示す正面図である。(b)は図14(a)の車両用灯具により形成される配光パターンの例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例に係る光源装置について図面を参照しつつ説明する。尚、各図において、実質的に同一又は等価な構成要素、部分には同一の参照符を付している。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明の実施例1に係る光源装置について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る光源装置1の構成を示す斜視図、図2(a)および図2(b)は、それぞれ光源装置1を構成する波長変換構造体20の構成を示す斜視図および平面図である。図3(a)および図3(b)は、それぞれ、図2(b)における3a−3a線および3b−3b線に沿った断面図である。
【0014】
レーザダイオード10は、例えばGaN等の窒化物系半導体層を含み、波長450nm前後の青色光を半導体チップの端面から放射する端面発光型の半導体レーザである。レーザダイオード10は、その主面に全域に亘り表面電極が設けられており、主面からはレーザ光が放射されないようになっている。レーザダイオード10は、セラミックス等からなるサブマウント12上に搭載される。レーザダイオード10を搭載したサブマウント12は、ヒートシンク台30の上面に搭載される。サブマウント12の表面には、レーザダイオード10の裏面電極に電気的に接続された導体配線(図示せず)が形成されており、かかる導体配線とヒートシンク台30上に設けられた第1電極32aは、ボンディングワイヤ34により電気的に接続されている。レーザダイオード10の主面全域に設けられた表面電極とヒートシンク台30上に設けられた第2電極32bもボンディングワイヤ34により電気的に接続されている。第1電極32aおよび第2電極32bは、それぞれ、レーザダイオード10のp電極およびn電極に対応している。第1電極32aおよび第2電極32bの終端部には、リードワイヤ35を固定するための固定示治具33が設けられている。リードワイヤ35は、レーザダイオード10に給電を行うための配線である。ヒートシンク台30は熱伝導率の高いCuやAl等により構成される。第1電極32aおよび第2電極32bは、絶縁膜を介してヒートシンク台30の上に設けられている。
【0015】
波長変換構造体20は、レーザダイオード10に隣接して設けられる。波長変換構造体20は、光透過性を有する円柱形のガラス材からなる導光部22と、導光部22の側面を部分的に覆う蛍光体含有樹脂24とを含んでいる。蛍光体含有樹脂24は、導光部22内に導入されたレーザ光を波長変換して外部に放射する光取り出し面を形成する。
【0016】
波長変換構造体20は、レーザ入射口25を有するレーザ入射端面23がレーザダイオード10のレーザ出射端面と対向するように配置される。すなわち、波長変換構造体20は、導光部22の長手方向(円柱の高さ方向、円柱軸方向)とレーザ光の光軸方向が一致するように配置される。特に、光源装置1から放射される光を反射鏡および/または投影レンズを用いて所定の配光パターンを形成する灯具を構成する場合においては、光源装置1と反射鏡および/または投影レンズを用いた光学系の寸法が小さい方が小型化できる。また、波長変換構造体20とレーザダイオード10とを隣接配置することにより、公言装置1をコンパクトにすることができ、レーザ光が波長変換構造体20に到達するまでの飛翔時間も小さくすることができる。具体的にはヒートシンク台30のサイズを横20mm程度、縦30mm以上40mm以下とし、レーザダイオード10の出射端面と波長変換構造体20が接触もしくはこれらの間隔を5mm以下にするとよい。
【0017】
導光部22は、レーザ入射端面23を除く表面に微細な凹凸を有する。凹凸は例えばブラスト処理等によるランダムな粗し加工により形成される。尚、凹凸は、フォトリソグラフィー技術を用いて形成された規則的な形状、例えば円錐形状、角錐形状等であってもよい。凹凸の深さは100nm以上5μm以下、好ましくはレーザ波長と同等の500nmである。導光部22表面の凹凸を構成する1つの突起の大きさは、レーザ波長の10倍以内であり、アスペクト比は0.5以上であることが好ましい。
【0018】
導光部22の表面は、レーザ入射口25を形成する部分および蛍光体含有樹脂24を形成する部分を除き、光反射膜26で覆われている。光反射膜26は、高反射率および高熱伝導率を有する材料、例えば、Ag、Al等の金属またはBa系酸化物等により構成される。光反射膜26は導光部22の表面の凹凸に沿って形成され、これにより、凹凸面に沿った光反射面が形成される。導光部22は、レーザ入射端面23の中央部において、光反射膜で被覆されず、ガラス材が露出したレーザ入射口25を有する。レーザダイオード10から出射されるレーザ光は、レーザ入射口25を介して導光部22内に導入される。レーザ入射口25の位置、形状および寸法はレーザ光のスポットサイズや、レーザダイオード10と導光部22との相対位置等を考慮して適宜設定することができる。
【0019】
光反射膜26は、導光部22との界面において光反射面を形成し、導光部22内に導入されたレーザ光が蛍光体含有樹脂24の表面以外の部分から外部に放射されるのを防止する。すなわち、導光部22内に導入されたレーザ光は、蛍光体含有樹脂24の内部を経由してのみ外部に放射される。導光部22の表面に形成された凹凸と光反射膜26との組み合わせによって導光部22の表面には光拡散構造が形成される。
【0020】
蛍光体含有樹脂24は、シリコーン樹脂等の光透過性樹脂にYAG:Ce蛍光体を分散させたものである。蛍光体は、レーザダイオード10から出射される波長450nm程度の青色光を吸収してこれを例えば波長560nm前後に発光ピークを持つ黄色光に変換する。蛍光体により波長変換された黄色光と、波長変換されずに蛍光体含有樹脂24を透過した青色光が混ざることにより、蛍光体含有樹脂24の表面からは白色光が得られるようになっている。尚、蛍光体の粒径は10μm以下、好ましくは5μm以下である。
【0021】
蛍光体含有樹脂24は、導光部22の側面の湾曲形状に沿うように形成される。蛍光体含有樹脂24は、図3(b)に示すように、導光部22の側面上の中心角180°の範囲に形成される。すなわち、導光部22の側面の連続する約半分の領域が蛍光体含有樹脂24で覆われており、かかる範囲において白色光が放射される。蛍光体含有樹脂24の厚さは、例えば100μm程度である。
【0022】
次に、本実施例に係る光源装置1によるアイセーフ化の原理について図4を参照しつつ説明する。一対のリードワイヤ35を介してレーザダイオード10に給電を行うと、レーザダイオード10のレーザ出射面からは、波長450nm前後の青色のレーザ光が放射される。レーザ光は、レーザ入射口25を介して導光部22内に導入される。
【0023】
導光部22内に導入されたレーザ光は、導光部22の表面の凹凸および光反射膜26により構成される光拡散構造によりランダムな方向に拡散・散乱され、蛍光体含有樹脂24に導かれる。導光部22がかかる光拡散構造を有することにより導光部22内におけるレーザ光の反射回数を低減することができ、高効率を実現できる。また、かかる光拡散構造により、導光部22内においてレーザ光はランダムな方向に拡散・散乱されるので、レーザ光を蛍光体含有樹脂24の全面に亘って入射させることが可能となる。すなわち、蛍光体含有樹脂24の全面から光を取り出すことができ、発光部面積を拡大させるとともに輝度むらの発生を防止することが可能となる。特に導光部22の表面に1単位の大きさがレーザ波長の10倍以下であり、アスペクト比が0.5以上である凹凸を形成することにより、輝度むらの発生を効果的に防止することができる。さらに、1単位の大きさまたはアスペクト比が互いに異なる凹凸を導光部22の表面に設けたり、または、導光部22の表面において凹凸の密度を変化させたりすることで、光取り出し面上における輝度分布を調整することができる。
【0024】
仮に導光部22の表面が平坦である場合、導光部22内に導入されたレーザ光は導光部22内において反射を繰り返すことにより減衰し、発光効率が低下する。また、この場合、蛍光体含有樹脂24の特定の部位にレーザ光が集中し、発光部面積が小さくなる。更に、平坦面で反射した光が干渉波を発生させる確率が高く、光取り出し面において輝度むらを生じる場合がある。
【0025】
導光部22の露出面は、レーザ入射口25を除き全面に亘って光反射膜26で覆われているので、導光部22内に導入されたレーザ光は全て蛍光体含有樹脂24内部に導入される。すなわち、レーザ入射口25を介して導光部22内に導入されたレーザ光は必ず蛍光体含有樹脂24を経由して外部に放射されることとなる。尚、レーザ入射口25の大きさは、レーザダイオード10のレーザ出射端面の大きさと等しいか、これより小さいことが好ましい。このようにすることで、導光部22の表面の凹凸および光反射膜26により構成される光拡散構造によりランダムな方向に拡散・散乱された光のレーザ入射口25からの漏出を低減することができる。
【0026】
蛍光体含有樹脂24内に導入されたレーザ光は、蛍光体粒子との衝突により回折を生じ、新たな波面を生じさせる。すなわち、蛍光体粒子の各々を新たな光源とみなすことができる。蛍光体粒子による回折を受けた光はインコヒーレント光となり、いかなる光学系をもってしてもレーザダイオード10から出射されたレーザ光のスポット径に復元することは不可能となる。つまり、レーザ光が蛍光体含有樹脂24を経由することにより、ビームスポットサイズは蛍光体含有樹脂24のサイズに拡大される。ビームスポットサイズが十分に大きい場合には、人間の目に対する危険性は排除され、アイセーフ化が達成される。
【0027】
蛍光体は、上記したように、レーザダイオード10から出射される波長450nm程度の青色光を吸収してこれを例えば波長560nm前後に発光ピークを持つ黄色光に変換する。蛍光体により波長変換された黄色光と、波長変換されずに蛍光体含有樹脂24を透過した青色光が混ざることにより蛍光体含有樹脂24の表面から放射される光は白色光として認識される。すなわち、レーザダイオード10から出射された青色のレーザ光は、蛍光体含有樹脂24の表面全体からインコヒーレントな白色光として取り出される。
【0028】
図5に導光部22と蛍光体含有樹脂24の界面近傍の拡大図を示す。導光部22の表面に凹凸を形成することにより、導光部22の表面積が増加して、導光部22と蛍光体含有樹脂24との密着性が向上する。
【0029】
一方、蛍光体含有樹脂24は、波長変換を行う際に光エネルギーを吸収して発熱するため温度変化が大きい。このため、蛍光体含有樹脂24は、温度変化による膨張と収縮を繰り返す。仮に導光部22の表面が平坦である場合、導光部22と蛍光体含有樹脂24の熱膨張係数差に起因して蛍光体含有樹脂24の剥離が起こりやすくなる。すなわち、導光部22の表面が平坦である場合、導光部22と蛍光体含有樹脂24の界面に生じる熱応力は、各部分において互いに強め合う向きに作用するので、熱衝撃に対して脆弱となる。
【0030】
本実施例のように、導光部22の表面に凹凸を設け、これを覆うように蛍光体含有樹脂24を形成した場合、導光部22と蛍光体含有樹脂24の界面に生じる熱応力は、図5において矢印で示すように、凹凸面に沿った方向に作用する。すなわち、熱応力は界面の各部分において互いに干渉するようには働かず、その結果、蛍光体含有樹脂24の剥離が生じにくくなる。特に、凹凸面を構成する複数の突起の各々の形状が円錐状又は角錐状等の規則的な形状を有しており、各突起の頂角Aが90°以下である場合、熱応力は界面の各部において完全に分離され、熱衝撃に対する耐性が極めて高くなる。
【0031】
このように、導光部22の表面に凹凸を形成し、この凹凸を覆うように蛍光体含有樹脂24を形成することにより、導光部22と蛍光体含有樹脂24の密着性と、熱衝撃に対する耐性を向上させることができる。
【0032】
次に、本発明の実施例に係る波長変換構造体20の製造方法について説明する。図6は、波長変換構造体20の製造工程毎の断面図である。
【0033】
はじめに、導光部22を構成するガラス材21を用意する。ガラス材21は、直径0.2〜1.0mm、高さ1.0〜5.0mmの円柱形状を有する。ガラス材21の形状は、円柱に限らず角柱であってもよい。また、導光部22は、ガラス材以外の他の材料、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の光透過性樹脂により構成されていてもよい。また導光部22は内部が空洞である筒状構造を有するものであってもよい(図6(a))。光源装置1を車両用の前照灯に用いる場合には、ガラス材21の直径を0.3〜2.0mm、高さを0.3〜0.6mmとし、且つ高さが直径よりも大きい(直径<高さ)円柱形状とすることが好ましい。これにより、前照灯用の光源として従来使用されているハロゲン電球、HIDランプと比べてより小型且つ高輝度の発光部を構成することができる。さらに、ガラス材21は、すれ違いビーム用では直径:高さ=1:2〜1:6とし、走行ビーム用では直径:高さ=1:2〜1:4とすることが望ましい。すれ違いビーム用では走行ビーム用よりもガラス材21の直径を小さくすることで明暗境界をスムーズに形成することができるからである。
【0034】
次に、ガラス材21のレーザ入射端面23を除く表面に粗し加工を施す。具体的には、ガラス材21のレーザ入射端面23を覆うマスクを形成しておき、金属粒子やセラミック粒子からなる投射体をガラス材21に衝突させガラス材21の表面にランダムな形状の凹凸を形成する。かかる凹凸面においてレーザ光を効果的に拡散・散乱させるため、凹凸深さはレーザ光の波長と概ね一致していることが好ましい。青色レーザを使用する場合、凹凸深さは500nm程度、アスペクト比は0.5以上であることが好ましい。尚、公知のフォトリソグラフィー技術を用いて、規則的な形状および配列を有する凹凸を形成してもよい(図6(b))。粗し加工処理を複数回に分けて実施したり、領域毎に異なる処理条件としたり、フォトリソグラフィー技術で用いるマスクに分布を設けたりすることで、ガラス材21の表面に不均一な大きさまたはアスペクト比を持つ凹凸を形成することとしてもよい。
【0035】
次に、レーザ入射口25を形成する部分および蛍光体含有樹脂24を形成する部分をマスクで覆った後、ガラス材21の表面にAgまたはAl等の金属膜を蒸着する。これにより、ガラス材21の表面に光反射膜26およびレーザ入射口25が形成される。光反射膜26は、ガラス材21の表面の凹凸に沿って形成され、これにより光拡散構造が形成される。マスクで保護されたレーザ入射口形成部および蛍光体含有樹脂形成部には光反射膜26は形成されず、ガラス材21が露出している。尚、ガラス材21の表面にBa系酸化物を選択塗布することにより光反射膜26を形成してもよい(図6(c))。
【0036】
次に、シリコーン樹脂にYAG:Ce蛍光体を分散した蛍光体含有樹脂24をガラス材21の表面の光反射膜26が形成されていない蛍光体含有樹脂形成部に塗布する。蛍光体含有樹脂24は、円柱形をなす導光部22の側面の湾曲形状に沿って形成される。蛍光体含有樹脂24は、例えばガラス材21の側面上の中心角180°の範囲に形成される。その後、熱処理を行って、蛍光体含有樹脂24を硬化させる。蛍光体含有樹脂24は、ガラス材21表面の凹凸上に形成されるので、ガラス材21と蛍光体含有樹脂24との密着性が確保される(図6(d))。
【0037】
以上の各工程を経ることにより、波長変換構造体20が完成する。波長変換構造体20は、レーザ入射口25を有するレーザ入射端面23がレーザダイオード10のレーザ出射面と対向するようにヒートシンク台30上に搭載される。
【0038】
以上の説明から明らかなように、本発明の実施例に係る光源装置によれば、レーザダイオード10より出射されるレーザ光は、導光部22内に導入され、必ず蛍光体含有樹脂24内を通過して外部に放射されることとなる。すなわち、蛍光体含有樹脂24の表面で反射されたレーザ光がそのまま外部に放射されることはない。蛍光体含有樹脂24内を通過するレーザ光は、蛍光体粒子による回折を受けて新たな波面を生じさせる。すなわち、蛍光体粒子の各々を新たな光源とみなすことができる。蛍光体粒子による回折を受けた光はインコヒーレント光となり、いかなる光学系をもってしてもレーザダイオード10から出射されたレーザ光のスポット径に復元することは不可能となる。つまり、レーザ光が蛍光体含有樹脂24を経由することにより、人間の目に対する危険性は排除される。
【0039】
また、導光部22の表面には、凹凸面と光反射膜26とからなる光拡散構造が形成されるので、導光部22内に導入されたレーザ光が導光部22内において繰り返し反射するのを防止することができ、高い発光効率を得ることができる。また、かかる光拡散構造により、レーザ光はランダムな方向に拡散・散乱するので、導光部22内に導入されたレーザ光を蛍光体含有樹脂24の全面から取り出すことが可能となり、発光部面積を増大させるとともに輝度むらの発生を防止することが可能となる。
【0040】
また、蛍光体含有樹脂24は導光部22の凹凸面上に形成されるので、蛍光体含有樹脂24の密着性が確保され、熱衝撃に対する耐性を向上させることができる。
【実施例2】
【0041】
図7(a)は、本発明の実施例2に係る波長変換構造体20aの構成を示す断面図である。波長変換構造体20aは、レーザダイオード10への戻り光を遮断するための偏光フィルタ40が導光部22のレーザ入射端面23に隣接して設けられている点が上記した実施例1に係る波長変換構造体20と異なる。
【0042】
偏光フィルタ40は、特定の方向の振幅成分を持つ光のみを通過させる。偏光フィルタ40は、レーザダイオード10から出射され導光部22に向かう直線偏光のレーザ光を透過させるように設計されている。導光部22内に導入されたレーザ光は、導光部22の表面に形成された光拡散構造により拡散・散乱して振動方向が変化する。振動方向が変化したレーザ光は、偏光フィルタ40を透過することができないので、これによりレーザダイオード10への戻り光を抑制することができる。戻り光がレーザダイオード10に入射すると、レーザ発振が不安定になり、出力変動が起こり得るが、本実施例のように導光部22のレーザ入射端面23に偏光フィルタ40を取り付け、戻り光を遮断することによりレーザダイオード10の出力安定性を保つことが可能となる。
【0043】
図7(b)は、戻り光の遮断機能と導光部22へ向かうレーザ光の透過率が更に改善された波長変換構造体20bの構成を示す断面図である。波長変換構造体20bは、導光部22のレーザ入射端面23に隣接して設けられた偏光フィルタ40と、偏光フィルタ40に隣接して設けられた反射防止膜50を有する。反射防止膜50は、屈折率が互いに異なる2種類の層を交互に繰り返して積層することにより構成される。反射防止膜50は、レーザ光の波長に応じて各層の層厚を設定することにより、低屈折率層と高屈折率層との各界面で発生する反射光が互いに打ち消し合い且つ導光部22に向かう透過光が互いに強め合うように作用する。低屈折率層は例えばSiO膜により構成され、高屈折率層は例えばTiO膜により構成される。これらの膜は、いずれも真空蒸着法やスパッタ法により成膜することができる。尚、反射防止膜50を、偏光フィルタ40と組み合わせることなく、単独で使用することも可能である。この場合、反射防止膜50は、導光部22のレーザ入射端面23に隣接して設けられる。
【実施例3】
【0044】
図8(a)は、本発明の実施例3に係る波長変換構造体20cの構成を示す斜視図、図8(b)は、波長変換構造体20cを備えた本発明の実施例3に係る光源装置2の構成を示す断面図である。波長変換構造体20cは、円柱形の導光部22と、導光部22の側面を周方向の全域に亘って覆う蛍光体含有樹脂24cとを含んでいる。すなわち、蛍光体含有樹脂24cは円筒形状を有し、その内部に導光部22を収容している。換言すれば、蛍光体含有樹脂24cは、導光部22の側面上の中心角360°の範囲に形成される。導光部22は、レーザ入射端面23を除く面に微細な凹凸を有し、レーザ入射口形成部および蛍光体含有樹脂形成部を除き、表面に光反射膜26が形成されている。このように、本実施例に係る波長変換構造体20cは、円柱形の導光部22の側面の周方向に沿った全方位に白色光を放出し得る構造を有する。波長変換構造体20cは、レーザ入射端面23側が固定リング31に挿入され、レーザ入射口25がレーザ出射端面と対向するようにレーザダイオード10に隣接させた状態で片持ち梁状に固定されている。尚、波長変換構造体20cを両持ち梁状に固定してもよい。
【0045】
光源装置2は、波長変換構造体20cの下方に光反射膜61を備えたリフレクタ60を有する。光反射膜61は、波長変換構造体20cの外周面(導光部22の側面を覆う蛍光体含有樹脂24cの表面)から距離をおいて設けられ、波長変換構造体20cから放射された光を上方に導く。図8に示すように、リフレクタ60は、ヒートシンク台30と一体的に形成することができる。
【0046】
本実施例に係る光源装置2によれば、アイセーフ化を達成し得るのみならず、従来の白熱電球を用いた光源装置とほぼ同様な配光を実現することが可能となる。
【実施例4】
【0047】
図9は、本発明の実施例4に係る光源装置3の構成を示す断面図である。波長変換構造体20cは、上記した実施例3で示したものと同一である。すなわち、図8(a)に示すように、波長変換構造体20cは、円柱形の導光部22と、導光部22の側面を周方向の全域に亘って覆う蛍光体含有樹脂24cとを含む。蛍光体含有樹脂24cは円筒形状を有し、その内部に導光部22を収容している。換言すれば、蛍光体含有樹脂24cは、導光部22の側面上の中心角360°の範囲に形成される。導光部22は、レーザ入射端面23を除く面に微細な凹凸を有し、レーザ入射口形成部および蛍光体含有樹脂形成部を除き、表面に光反射膜26が形成されている。このように、本実施例に係る波長変換構造体20cは、円柱形の導光部22の側面の周方向に沿った全方位に白色光を放出し得る構造を有する。波長変換構造体20cは、レーザ入射端面23側が固定リング31に挿入され、レーザ入射口25がレーザ出射端面と対向するようにレーザダイオード10に隣接させた状態で片持ち梁状に固定されている。本実施例に係る光源装置3は、上記した実施例3に係る光源装置2と異なり、波長変換構造体20cの側面に対峙するリフレクタを備えていない。本実施例に係る光源装置3によれば、アイセーフ化を達成し得るのみならず、従来の白熱電球を用いた光源装置とほぼ同様な配光を実現することが可能となる。
【0048】
図10は、実施例4に係る光源装置3を備えたリフレクタタイプの車両用灯具90の概略の構成を示す断面図である。車両用灯具90は灯具光軸AX上に配置された光源装置3、上方の反射面91、下方の反射面92、灯具光軸AX上に配置され且つ光源装置3を搭載するヒートシンク基板73および灯具筐体61を有する。
【0049】
上方の反射面91は、光源装置3の上方から放射された光が入射するように光源装置3の上方に設けられている。反射面91は、例えば焦点F91が光源装置3の光放射領域の後端部近傍に設定された回転放物面系の反射面である。
【0050】
下方の反射面92は、光源装置3の下方から放射された光が入射するように光源装置3の下方に設けられている。反射面92は、例えば焦点F92が光源装置3の光放射領域の前端部近傍に設定された回転放物面系の反射面である。
【0051】
上記構成の車両用灯具90によれば、光源装置3から放射された光は、反射面91および反射面92で反射され、投光方向前方に向けて照射される。これにより、仮想鉛直スクリーン上に走行ビーム用配光パターンが形成される。また、上記構成の車両用灯具90によれば、波長変換構造体20cとレーザダイオード10とを隣接して配置したコンパクトな光源装置3を用いているため、光軸方向寸法が短い車両用灯具を構成することが可能となる。
【0052】
また、上記構成の車両用灯具90によれば、波長変換構造体20cにおける、凹凸と光反射膜との組み合わせによって構成される光拡散構造の作用により光源装置3において発光輝度分布および発光色の均一性が高められる故、輝度むらや色むらの少ない配光を実現することが可能となる。また、光源装置3を構成するレーザダイオードは端面発光型とされ、その表面は表面電極で覆われており、レーザ出射端面以外の表面からレーザ光が出射しないものとなっている。レーザ出射端面から放出されたレーザ光は、必ず蛍光体含有樹脂24cを通過して外部に放射される故、アイセーフに優れた車両用灯具を提供することが可能となる。
【実施例5】
【0053】
図11は本発明の実施例5に係る光源装置を構成する波長変換構造体20dを示す図であり、導光部22の円柱軸に垂直な断面を示す断面図である。波長変換構造体20dは、導光部22の側面上であって、導光部22の円中軸AXを含む第1平面P1(水平面)と、導光部22の円柱軸AXを含み且つ第1平面P1に対して所定の角度傾斜した第2平面P2とで囲まれた領域に形成された蛍光体含有樹脂24dを有する。実施例1では導光部22の側面上の中心角180°の範囲に蛍光体含有樹脂を形成する場合(すなわち、第1平面P1と第2平面P2のなす角を180°とした場合)を例示したが、本実施例では、導光部22の側面上の中心角195°の範囲に蛍光体含有樹脂を形成している(すなわち、第1平面P1と第2平面のなす角θ1は195°である)。すなわち、蛍光体含有樹脂24dは、水平面から下側に15°の範囲にも設けられている。また、本実施例の波長変換構造体20dを備えた光源装置は、図8(b)または図9に示されるような波長変換構造体を片持ち梁状に固定する構成とされている。他の構成部分は、実施例1と同様であるので、ここでの説明は省略する。尚、なす角θ1を195°としたのは、すれ違いビームの配光パターンの規格において定められている、左または右側において水平面より斜め15°までの範囲に対応する形状としたものである。尚、θ1の大きさは、車両用灯具のすれ違いビーム配光に適した角度範囲内において適宜変更することが可能である。
【0054】
図12(a)は、波長変換構造体20dを有する光源装置を備えたリフレクタタイプ(図10参照)の車両用灯具90dを投光方向からみた平面図である。蛍光体含有樹脂24dの形成範囲に対応する第1平面P1と第2平面P2とのなす角θ1(=195°)の範囲から放射された光は、反射面91、92に照射され、投光方向前方に導かれる。蛍光体含有樹脂24dが形成されていない領域は、光反射膜26が形成されていることから、波長変換構造体20dから放射され、反射面91、92に照射される光の像B1(図12(a)においてハッチングで示されている)は、蛍光体含有樹脂24dの形成領域に対応した形状となる。反射面91および92で反射された光は、図12(b)に示すように、光の像B1が上下左右において反転した状態で仮想鉛直スクリーン上に投影される。このようにして、水平カットオフCLおよび斜め15°カットオフCL15を含むすれ違いビーム用配光パターンPB1が形成される。
【0055】
上記構成を有する車両用灯具90dによれば、波長変換構造体20dとレーザダイオード10とをヒートシンク台30上に隣接して配置したコンパクトな光源装置を用いているため、従来と比べて光軸方向の寸法を短くしたコンパクトな車両用灯具を構成することが可能となるとともにアイセーフ化が達成される。
【実施例6】
【0056】
図13は、本発明の実施例6に係る光源装置4の構成を示す図であり、導光部22の円柱軸に垂直な断面を示す断面図である。光源装置4は、実施例3に係る光源装置2(図8(b)参照)と同様、ヒートシンク台30と一体的に形成され且つ波長変換構造体20cの下方に配置されたリフレクタ60を有する。リフレクタ60は、波長変換構造体20cの外縁に沿った湾曲面上に光反射膜61を形成することにより構成される。ヒートシンク台30は、導光部22の円柱軸AXを含む第3平面P3(水平面)でカットされた水平面38と、導光部22の円柱軸AXを含み且つ第3平面P3に対してθ2(=195°)傾斜した第4平面P4でカットされた斜面39を含んでいる。リフレクタ60を構成する光反射膜61は、水平面38と傾斜面39との間に設けられている。光反射膜61は、波長変換構造体20cの外周面(導光部22の側面を覆う蛍光体含有樹脂24cの表面)から距離をおいて設けられ、波長変換構造体20cから放射された光を上方に導く。
【0057】
波長変換構造体20cは、実施例3の場合と同様、導光部22の側面上の中心角360°の範囲に形成された蛍光体含有樹脂24cを有する。波長変換構造体20cは、レーザ入射端面側が固定リングに挿入され、レーザ入射口がレーザ出射端面と対向するようにレーザダイオードに隣接させた状態で片持ち梁状に固定されている。
【0058】
本実施例に係る光源装置4の構成によれば、リフレクタ60が波長変換構造体20cの光放射面と対峙する範囲において、波長変換構造体20cから下方に向けて照射される光が遮断される。光源装置4を備えた車両用灯具においては、遮光範囲を画定する第3平面P3と第4平面P4とのなす角θ2を変化させることにより配光を制御することが可能となる。
【0059】
図14(a)は、光源装置4を備えたリフレクタタイプ(図10参照)の車両用灯具90eを投光方向からみた平面図である。波長変換構造体20cから放射され、反射面91、92に照射される光の像B2(図14(a)においてハッチングで示されている)は、第3平面P3と第4平面P4とのなす角θ2(=195°)に対応した形状となる。反射面91および92で反射された光は、図14(b)に示すように、光の像B2が上下左右において反転した状態で仮想鉛直スクリーン上に投影される。このようにして水平カットオフCLおよび斜め15°カットオフCL15を含むすれ違いビーム用配光パターンPB2が形成される。斜め15°カットオフCL15のように、導光部22の円柱軸AXを通る水平面よりも下方に向かう光も生じるが、導光部22およびリフレクタ60は図1にあるように、一部が凸状になっているヒートシンク台30の凸部上面に配置されることで、光源装置自身が遮光してしまうのを防ぐことができる。また、蛍光体含有樹脂24cは円柱軸を中心とした360°の範囲に形成すればよいので、その塗布範囲を厳密に制御する必要がなく、光源装置の製造を容易にすることができる。
【0060】
尚、上記各実施例においては、蛍光体含有樹脂の形成範囲を限定的に記載したが、かかる場合に限らない。蛍光体含有樹脂の形成範囲すなわち発光部の範囲は光源装置の配光設計に応じて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1、2、3、4 光源装置
10 レーザダイオード
20、20a、20b、20c、20d 波長変換構造体
22 導光部
23 レーザ入射端面
24、24c、24d 蛍光体含有樹脂
25 レーザ入射口
26 光反射膜
30 ヒートシンク台
P1 第1平面
P2 第2平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を導入し、前記レーザ光の波長とは異なる波長の光を放射する波長変換構造体であって、
前記レーザ光の入射を許容するレーザ入射口を有する光透過性部材からなる導光部と、
前記導光部の表面の少なくとも一部を覆う蛍光体含有層と、を含み、
前記導光部は、前記レーザ入射口を有するレーザ入射面を除く表面に形成された凹凸と、前記レーザ入射口および前記蛍光体含有層で覆われた部分を除く表面に前記凹凸に沿って形成された光反射膜と、からなる光拡散構造を有することを特徴とする波長変換構造体。
【請求項2】
前記導光部は、前記蛍光体含有層で覆われた表面に凹凸を有し、
前記凹凸を構成する複数の突起の各々の頂角が90°以下であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換構造体。
【請求項3】
前記導光部は円柱形状を有し、
前記蛍光体含有層は、前記円柱形状の側面に沿って設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の波長変換構造体。
【請求項4】
前記導光部の前記レーザ入射面に隣接して設けられた偏光フィルムを更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の波長変換構造体。
【請求項5】
前記導光部の前記レーザ入射面に隣接して設けられた反射防止膜を更に有し、
前記反射防止膜は、屈折率の互いに異なる2つの層が交互に積層されて構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の波長変換構造体。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の波長変換構造体を備えた光源装置であって、
前記波長変換構造体に隣接して設けられた半導体レーザを有し、
前記半導体レーザは、レーザ出射面が前記レーザ入射口と対向するように配置されることを特徴とする光源装置。
【請求項7】
請求項1に記載の波長変換構造体の製造方法であって、
前記導光部を構成する光透過性部材を用意する工程と、
前記光透過性部材の前記レーザ入射面となる面を除く表面に凹凸を形成する工程と、
前記レーザ入射口および前記蛍光体含有層を形成する部分を除く表面に前記凹凸に沿って光反射膜を形成する工程と、
前記光反射膜で覆われていない前記光透過性部材の露出面を覆うように前記蛍光体含有層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項8】
請求項3に記載の波長変換構造体を備えた光源装置であって、
前記波長変換構造体と半導体レーザとを互いに隣接した状態で搭載したヒートシンク台を有し、
前記ヒートシンク台は、前記波長変換構造体の側面との間に間隔をおいて設けられた光反射面を有することを特徴とする光源装置。
【請求項9】
請求項3に記載の波長変換構造体を備えた光源装置であって、
前記波長変換構造体に隣接して設けられた半導体レーザを有し、
前記半導体レーザは、レーザ出射面が前記レーザ入射口と対向するように配置され、
前記導光部は、直径が0.3mm以上2.0mm以下、高さが0.3mm以上6.0mm以下であり且つ前記高さが前記直径よりも大きい円柱形状を有し、
前記蛍光体含有層が前記導光部の側面を覆う範囲が、前記導光部の円柱軸を含む第1平面と前記導光部の円柱軸を含み且つ前記第1平面に対して所定角度傾斜した第2平面とで囲まれた範囲であり、
前記所定角度が195°であることを特徴とする光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−69908(P2012−69908A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127327(P2011−127327)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】