波長選択性多モード干渉導波路デバイス
【課題】波長選択機能を有する多モード干渉導波路デバイスを得る。
【解決手段】波長選択性多モード干渉導波路デバイス(10)は、多モード干渉導波路部(3)と、多モード干渉導波路部(3)の一端の中心に接続される第1の導波路(1)と、多モード干渉導波路部(3)の一端に対向する他端の中心に接続される第2の導波路(2)とを備え、第1の導波路(1)から入射し多モード干渉導波路部(3)を伝搬して第2の導波路(2)に出射する光波であって、所定の波長を有する光波の透過率が、多モード干渉導波路部(3)と第2の導波路(2)との接続部において当該デバイスの使用目的によって決まる要求仕様を満たすように、多モード干渉導波路部(3)の幅及び長さが決定されている。
【解決手段】波長選択性多モード干渉導波路デバイス(10)は、多モード干渉導波路部(3)と、多モード干渉導波路部(3)の一端の中心に接続される第1の導波路(1)と、多モード干渉導波路部(3)の一端に対向する他端の中心に接続される第2の導波路(2)とを備え、第1の導波路(1)から入射し多モード干渉導波路部(3)を伝搬して第2の導波路(2)に出射する光波であって、所定の波長を有する光波の透過率が、多モード干渉導波路部(3)と第2の導波路(2)との接続部において当該デバイスの使用目的によって決まる要求仕様を満たすように、多モード干渉導波路部(3)の幅及び長さが決定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の波長の伝搬を阻止する帯域阻止フィルタとして機能し得る、波長選択性多モード干渉導波路デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複数の波長を用いて、波長ごとに独立した信号を伝送する波長多重通信システムでは、特定の波長成分を選択的に分離することは、必須の要素技術として位置づけられる。波長成分を選択的に分離する代表的な素子として、従来、次の素子が知られている。
a.干渉膜フィルタ
b.回折格子
c.マッハツェンダ干渉計形フィルタ
d.分布反射形(DFB)導波路フィルタ
e.導波路アレイ回折格子(AWG)
【0003】
上記a及びbは、いわゆるバルク形光学素子(非導波路形)であり、空間を伝搬する空間ビーム光で光入出力を行い、波長に応じて出力方向が変わることで波長成分を選択するものである。一方、c〜eは導波路形光学素子で、光導波路を伝搬する光に対して波長によって出力ポートが選択されて、波長成分が分離されるものである。
【0004】
ここで、b及びeでは、波長成分ごとに異なる方向あるいは異なる出力ポートに出力されるため、特定の波長成分を光路から伝搬阻止するという本発明の目的とは異なる使い方になる。また、cは波長成分ごとに異なる二つのポートに出力を分離する素子であるが、分離特性は波長に対して周期的に現れるため、狭い波長範囲の光波の伝搬を阻止するという目的には不適当である。したがって、特定の波長成分を光路から伝搬阻止する目的に合致する従来技術としては、a及びdが相当する。
【0005】
aは、支持体となる透明板の表面に、異なる屈折率をもつ2種類の薄膜をある定められた周期で交互に積層することで、透過及び反射の波長特性に所望の特性を与える。薄膜の積層の仕方によって、様々な波長特性を実現することができる。(例えば、http://www.nitto−optical.co.jp/products/optical_coating/index.html、http://www.mgkk.com/products/pdf/01−13−filters/0113−4647.pdf参照。)
【0006】
この中で、「帯域阻止」特性をもつフィルタは、ノッチフィルタとも呼ばれる。このデバイスを導波路で構成される光集積回路中に用いるためには、導波路を横断する溝を形成し、その溝にフィルタチップを挿入する必要があり、通常の導波路デバイス製造工程とは異なる工程が必要となる。特に、多くのフィルタチップを挿入する場合には、この製造工程の複雑化の問題が顕在化する。
【0007】
一方、本発明と同様に導波路形デバイスに位置付けられるdは、導波路中、あるいは導波路の表面もしくは側面に、光波の伝搬方向に沿って周期的な屈折率変化(回折格子)を形成することで実現される。すなわち、導波路を伝搬してきた光波が周期的屈折率変化部分に入射すると、屈折率変化の周期と導波路の実効屈折率で決まる特定の波長の光波成分のみが入射導波路側に反射されるため、導波路の透過出力側にはこの波長成分が出力されない(=分布反射器)。すなわち、特定の波長成分の伝搬を阻止する帯域阻止フィルタとして機能する。
【0008】
このdにおいては、所望の阻止波長幅と阻止レベルを実現するためには、導波路の形状、導波路に形成する屈折率変化の大きさなどを正確に制御する必要がある。また、導波路と屈折率変化を形成するためには、一般に複数回のパターン形成やエッチング工程などが必要となり、製造工程の複雑化という問題が発生する。
【0009】
なお、分布反射器の帯域阻止フィルタとしての機能を記述した代表的な文献として、以下の非特許文献1があり、また、導波路形デバイスの代表例である多モード干渉結合器(MMIカプラ)の文献として、非特許文献2が挙げられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】K. Wagatsuma, H. Sakaki, and S. Saito, “Mode conversion and optical filtering of obliquely incident waves in corrugated waveguide filters,” IEEE Journal of Quantum Electronics, vol. QE−15, no. 7, pp.632−637, 1979.
【非特許文献2】L. B. Soldano and E. C. M. Pennings, “Optical multi−mode interference devices based on self−imaging: principles and applications,” Journal of Lightwave Technology, vol. 13, pp. 615−627, no. 4, 1995.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明は、特定の波長の伝搬を阻止する帯域阻止フィルタとしての機能を備えかつ製造が容易な、波長選択性多モード干渉導波路デバイスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様では、多モード干渉導波路部と、前記多モード干渉導波路部の一端の中心に接続される第1の導波路と、前記多モード干渉導波路部の前記一端に対向する他端の中心に接続される第2の導波路と、を備える、多モード干渉導波路導波路デバイスにおいて、前記第1の導波路から入射し前記多モード干渉導波路部を伝搬して前記第2の導波路に出射する光波であって、所定の波長を有する光波の透過率が、前記多モード干渉導波路部と前記第2の導波路との接続部において当該デバイスの使用目的によって決まる要求仕様を満たすように、前記多モード干渉導波路部の幅及び長さが決定されていることを特徴とする、波長選択性多モード干渉導波路デバイスを提供する。
【0013】
上記第1の態様において、上記要求仕様を少なくとも10dBとしても良い。また、第1の導波路から入射する前記光波の透過率を−10dB以下とすることによって、当該デバイスを、前記波長における帯域阻止フィルタとして機能させるようにしても良い。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の第2の態様では、多モード干渉導波路部と、前記多モード干渉導波路部の一端の中心に接続される第1の導波路と、前記多モード干渉導波路部の前記一端に対向する他端の中心から一定の距離に、互いに対称となるように配置された第2及び第3の導波路と、を備える、多モード干渉導波路導波路デバイスにおいて、前記第1の導波路から入射し前記多モード干渉導波路部を伝搬して前記第2の導波路と第3の導波路に出射する光波であって、所定の波長を有する前記光波の透過率が、前記多モード干渉導波路部と前記第2及び第3の導波路との接続部において当該デバイスの使用目的によって決まる要求仕様を満たすように、前記多モード干渉導波路部の幅及び長さ、さらに前記一定の距離が決定されていることを特徴とする、波長選択性多モード干渉導波路デバイスを提供する。
【0015】
上記態様において、前記要求仕様は、少なくとも10dB以上としても良い。また、前記第1の導波路から入射する前記光波の透過率を−10dB以下とすることによって、当該デバイスを、前記波長における帯域阻止フィルタとして機能させるようにしても良い。
【発明の効果】
【0016】
多モード干渉導波路を伝搬する光波では、入射光の波長に依存して多モード干渉が現れる周期が変化する。即ち、入射光の波長によって、多モード干渉の周期が異なる。この周期の違いを利用し、多モード干渉導波路を、その出射端で特定の波長を有する光波の透過率(出力光パワー/入射光パワー)が、例えば−10dB以下となるような構造とすることによって、入射光から特定の波長成分のみを阻止するデバイスを作成することが出来る。
【0017】
複数の波長を用いて、波長ごとに独立した信号を伝送する波長多重通信システムでは、特定の波長を選択的に分離することは、必要な要素技術と位置づけられている。その中で、本発明に係る、特定の波長の伝搬を阻止するデバイスは、不要波長成分を阻止する波長フィルタとして用いることができる。例えば、伝送システムの動作を監視するために、監視用の光として信号光とは異なる波長の光を用いるが、信号光に混じって監視用の光を受信すると困るので、受信端では監視用の波長成分を阻止する必要がある。本発明に係る波長選択性デバイスは、このような用途に対して有用である。
【0018】
なお、本発明の多モード干渉導波路デバイスは、導波路を形成する工程で帯域阻止機能を実現する多モード干渉導波路も同時に形成されるため、背景技術の項で説明した、dの分布反射形(DFB)導波路フィルタで発生する、製造工程の複雑化という問題は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る、1入力1出力導波路形デバイスの概略構成を示す斜視図。
【図2】図1に示すデバイスの上面図。
【図3】図1及び2に示すデバイスの、多モード干渉導波路部における光波伝搬に伴って生じる光パワー分布を示す図。
【図4】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係るデバイスの構成原理を説明するための図。
【図5】(a)は、本発明の第1の実施形態に係るデバイスにおいて、多モード干渉導波路部の幅を1.0μmとした場合の、多モード干渉導波路部の長さに対する透過率の関係を示し、(b)は、幅を1.6μmとした場合の、多モード干渉導波路部の長さに対する透過率の関係を示す図。
【図6】(a)は、本発明の第1の実施形態に係るデバイスにおいて、多モード干渉導波路部の幅を1.0μmとしその長さを変化させた場合の、波長に対する透過率の関係を示し、(b)は、多モード干渉導波路部の幅を1.6μmとしその長さを変化させた場合の、波長に対する透過率の関係を示す図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る、1入力2出力デバイスの概略構造を示す斜視図。
【図8】図7に示すデバイスの上面図。
【図9】図7及び8に示すデバイスの、多モード干渉導波路部における光波伝搬にともなって生じる光パワー分布を示す図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るデバイスの構成原理を説明するための図。
【図11】(a)は、本発明の第2の実施形態に係るデバイスにおいて、多モード干渉導波路部の幅を1.0μmとした場合の、多モード干渉導波路部の長さに対する透過率の関係を示し、(b)は、幅を1.6μmとした場合の、多モード干渉導波路部の長さに対する透過率の関係を示す図。
【図12】(a)は、本発明の第2の実施形態に係るデバイスにおいて、多モード干渉導波路部の幅を1.0μmとしその長さを変化させた場合の、波長に対する透過率の関係を示し、(b)は、多モード干渉導波路部の幅を1.6μmとしその長さを変化させた場合の、波長に対する透過率の関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の種々の実施形態を、図面を参照して説明するが、これらの実施形態は単に一例であって本発明を限定するものでは無い。また、全図面を通して、同じ符号は同一又は類似の構成要素を示すので、重複した説明は行わない。更に、各図は本発明の実施形態の説明のみを目的としており、従って各部分の図面上の大きさが実際の縮尺に対応するものではない。
【0021】
<第1の実施形態:1入力1出力導波路デバイス>
以下に、本発明の第1の実施形態に係る、1入力1出力導波路形の波長選択性多モード干渉導波路デバイスについて説明する。このデバイスは、特定の波長の入射光を、当該デバイスの使用目的によって決まる要求仕様を満たす程度、例えば、入射光のパワー(強度)と出射光のパワー(強度)の比(出射光パワー/入射光パワー)を−10dB程度まで低下させることが可能な、波長帯域阻止特性を有する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る多モード干渉デバイス10の概略構造を示す斜視図である。このデバイス10は、1入力導波路1出力導波路形のデバイスであり、後述するように、特定の波長の光の通過を阻止する、波長選択性デバイスである。波長選択性多モード干渉導波路デバイス10は、SOI(Silicon On Insulator)ウェーハのシリコン層に形成される多モード干渉導波路部3とシングルモードの入力導波路1、出力導波路2とで構成されている。4はシリコン基板、5はSiO2クラッド層を示す。図示はしていないが、多モード干渉導波路デバイス10を構成する多モード干渉導波路部3と入力導波路1、出力導波路2はSiO2のクラッド層5によって埋設されている。
【0023】
図2に、デバイス10の構造を定義するためのパラメータを示す。多モード干渉導波路部3の幅方向の端部に沿ってx軸を設定し、長さ方向にz軸を設定している。これによって、入力導波路1、出力導波路2は、x方向に対称な位置(x=0)に配置される。入出力導波路1、2の断面の幅をWで示し、多モード干渉導波路部3の幅をWMMI、長さをLMMI、厚さをWT(図1参照)で示す。入出力導波路1、2及び多モード干渉導波路部3の厚さWTは、通常、同じとされている。
【0024】
本発明者等は既に、多モード干渉導波路部3におけるこのような光強度分布の周期、即ち、多モード干渉の周期が、多モード干渉導波路部3の幾何学的構造(幅、長さ、厚さ)、材料、更に入射する光の偏波に基づいて変化することを報告している(特願2011−130093)が、その中で、多モード干渉の周期がさらに波長に基づいて変化することにも言及している。本実施形態では、このような多モード干渉周期の波長依存性を利用して、特定の波長の光を阻止することが可能な、1入力1出力導波路デバイスを構成する。
【0025】
図3は、図1及び図2に示す構造の波長選択性多モード干渉導波路デバイス10において、導波路1からある波長を有する光波を入力した場合の、多モード干渉導波路部3における光波分布のシミュレーション結果を示す。このシミュレーション結果は、TEモードの偏波に対するものである。また、シミュレーションはモード整合法を用いて行っている。図3において、3aで示した部分は光強度が高い部分、3bで示した部分は光強度が最も高い部分であり、3cで示す部分は光強度が最も低い部分を示す。図示するように、光波の伝搬にともなって、x方向の光強度分布が周期性を持って変化する様子が理解される。
【0026】
図4(a)、(b)は、図3に示すような光強度分布を有する多モード干渉導波路デバイスを、特定の波長λを遮断する波長選択性導波路デバイスとして機能させるための原理を説明する図である。図4(a)は、多モード干渉導波路部3を、図3の伝搬距離z=z1の位置で切断し、x=0の位置に出力導波路2を接続した場合を示す。この位置では、x=0に光波パワーはほとんど存在しないため、x=0に出力導波路2を設置しても出力導波路2からは光波が出力されない。この状態の多モード干渉導波路部3の長さを、LMMIとする。
【0027】
一方、z=z1の位置で切断した場合であっても、入力導波路1から、波長λ以外の波長の光波を入力した場合、その波長での多モード干渉の周期は波長λの周期とは異なるため、図4(b)に示すように、出力導波路2に光出力が現れるようになる。これにより、図3の伝搬距離z=z1の位置で多モード干渉導波路部3を切断したデバイスを、波長λの入射光の伝搬を阻止する波長選択素子として機能させることが出来る。なお、このような波長帯域阻止特性は、多モード干渉導波路長が長い方が透過率の変化が急峻となる。即ち、入射光の波長がλから僅かに相違すると、透過率が急激に高くなる。従って、透過率の変化において必要な急峻さが得られるように、多モード干渉導波路部3の長さLMMIを選択する。
【0028】
なお、図3及び図4の光波分布は、TEモードに対するシミュレーションに基づいているが、TMモードの場合も、TEモードとは長さ方向の周期が変化するだけで、殆ど同じ分布傾向を有する。従って、多モード干渉導波路デバイス10を波長λの遮断デバイスとして機能させるための定性的議論には、TEモードとTMモードを区別して考える必要はない。
【0029】
次に、図1に示す多モード干渉導波路デバイス10を、波長λの遮断デバイスとして機能させるための設計手順について、以下に説明する。
【0030】
1)先ず、遮断波長λを決定し、多モード干渉導波路部3の材料と高さWTを設定する。高さWTは通常、入出力導波路1、2の高さと同じであり、また、デバイスの常識的な値として選択可能である。
【0031】
2)多モード干渉導波路部3の幅WMMIを設定し、多モード干渉導波路部3の長さに対する透過率をシミュレーションによって計算する。図5(a)は、多モード干渉導波路部3の幅WMMI=1.0μmに設定し、図5(b)はWMMI=1.6μmに設定してシミュレーションを行った結果を示している。これらの図から明らかなように、多モード干渉導波路部3の長さ(LMMI)に対して透過率は周期的に変化する。即ち、図5(a)の、WMMI=1.0μmに設定した場合は、周期1.25μmの奇数倍で、図5(b)のWMMI=1.6μmに設定した場合は、周期3.16μmの奇数倍で、透過率が周期的に変化することが分かる。また、図5(a)と図5(b)を比較することによって、得られる遮断レベル(最小の透過率)が、多モード干渉導波路部3の幅によって変化することが理解される。具体的には、図5(a)に示すように、多モード干渉導波路部3の幅WMMIが1.0μmの場合は、遮断レベルが−5.5dBであり、図5(b)に示すように幅WMMIが1.6μmの場合は、遮断レベルは少なくとも(最低)−15dBとなる。従って、デバイスを設計する場合、必要な遮断レベルに応じて多モード干渉導波路部3の幅を決定すれば良い。
【0032】
3)次に、多モード干渉導波路部3の長さ(LMMI)を変化させて、透過率の波長特性をシミュレーションによって求める。図6(a)は、多モード干渉導波路部3の幅WMMIが1.0μmである場合に、多モード干渉導波路部3の長さ(LMMI)を、29,6μm、51.0μm及び98.4μmとして、透過率の波長依存性を計算したグラフである。同様に、図6(b)は、多モード干渉導波路部3の幅WMMIが1.6μmの場合に、多モード干渉導波路部3の長さ(LMMI)を40.7μm、91.6μm及び275.2μmとして、透過率の波長依存性を計算したグラフである。これらの図からわかるように、多モード干渉導波路部3の長さ(LMMI)が長くなると、遮断する波長幅が狭くなる。従って、デバイス設計の目的とする遮断波長幅に応じて、適切に、多モード干渉導波路部の長さを決定すれば良い。
【0033】
なお、図5(a)、(b)および図6(a)、(b)は、1)の段階で決定される遮断波長λを、TEモードに対して1.27μmとし、多モード干渉導波路部3の高さWTを0.3μmとし、多モード干渉導波路部3をSiで構成した場合の、シミュレーション結果を示している。
【0034】
以上の手順により、設定された波長λの光波成分を、所望の遮断レベルでかつ所望の遮断波長幅で遮断することが可能な、1入力1出力デバイスを設計することができる。例えば、多モード干渉導波路部3の高さWT(=入力導波路の高さ)を0.3μmとし、幅WMMIを1.6μm、長さLMMIを91.6μmとした1入力1出力デバイスによって、図6(b)から明らかなように、TEモードの遮断中心波長λが1.272μmで、かつ、波長1.272μmの±4nmの波長幅で透過率が−10dB以下となるフィルタ特性を備えた、通過帯域阻止形フィルタを構成することができる。
【0035】
以下の表1に、1入力1出力デバイスで構成した、通過帯域阻止形フィルタの構造の一例を要約する。
【表1】
【0036】
<第2の実施形態:1入力2出力デバイス>
図7及び8に、本発明の第2の実施形態に係る波長選択型の1入力2出力デバイスを示す。本実施形態に係るデバイス20は、シングルモードの導波路21、22、23と多モード干渉導波路部24とを備えており、これらは、シリコン基板25上に形成したSiO2クラッド層26中に埋め込まれている。なお、図7及び8では、導波路21、22、23及び多モード干渉導波路部24を被覆するクラッド層を省略して示している。このデバイス20は、導波路21から入力し、導波路22及び23に出力する分岐動作、逆に、導波路22及び23から入力し、導波路21に出力する結合動作を行う、MMI結合器を構成する。光波伝搬の相反性から、分岐動作と結合動作は同じように動作するので、以下においては分岐動作のみについてその構成を説明する。
【0037】
図9は、図7及び8の構成を有するデバイス20において、導波路21から波長λの光波を入力した場合の、多モード干渉導波路部24における光波分布のシミュレーション結果を示す。シミュレーションはモード整合法を用いて行った。光波の伝搬にともなって、x方向の光強度分布が周期的に変化する様子が図から読み取れる。
【0038】
ここで、適当な位置で多モード干渉導波路を切断し、2本の出力導波路(導波路22及び23)を接続する。例えば、図9の伝搬距離z=z2で多モード干渉導波路部24を切断して、Px=±x1の位置に出力導波路22及び23を接続すると、z=z2では、ほとんどの光波パワーがx=0の位置に集中しているので、図10に示すように、出力導波路22及び23には多モード干渉導波路部24から殆ど光波が出力されない。一方、デバイス20に、λ以外の波長を有する光波を入射すると、図9の光波パターンが入射光波長の変化に対応してずれるため、出力導波路22、23には多モード干渉導波路部24から光波の出力が現れるようになる。
【0039】
従って、波長λの入射光を遮断し、それ以外の波長の入射光を透過する多モード干渉導波路デバイスの構造を特定できれば、帯域阻止型のフィルタとして機能する1入力2出力デバイスを得ることが出来る。以下に、図7に示す多モード干渉導波路デバイス20を、波長λの帯域阻止型のフィルタとして機能させるための設計手順を説明する。
【0040】
1)先ず、遮断波長λを決定し、多モード干渉導波路部24の厚さを常識的なデバイスの値として設定する。
2)多モード干渉導波路部24の幅WMMIを設定し、多モード干渉導波路部24の長さLMMIに対する透過率を計算する。図11(a)及び図11(b)は、この計算結果をグラフに表したものであって、横軸は多モード干渉導波路部24の長さL(MMI)をμm単位で示し、縦軸は透過率をdBで示している。図11(a)の計算結果は、多モード干渉導波路部24の幅WMMIを1.0μmとして得たものであり、図11(b)は1.6μmとして得たものである。これらの図から明らかなように、多モード干渉導波路部24の長さ(LMMI)に対して透過率は周期的に変化する。即ち、図11(a)に示すように、多モード干渉導波路部24の幅がWMMI=1.0μmの場合は、周期2.3μmの偶数倍で、図11(b)に示すように、多モード干渉導波路部24の幅がWMMI=1.6μmの場合は、周期6.2μmの偶数倍で、透過率が最小となる。
【0041】
ここで、1入力2出力デバイスの場合には、透過状態における透過率(出力が大きくなる長さLMMIにおける透過率)が最大になるように出力導波路の位置Pxを決める。多モード干渉導波路部24の幅がWMMI=1.0μmの場合(図11(a))は、Px=0.3μm、幅WMMI=1.6μmの場合(図11(b))は、Px=0.44μmとなる。
【0042】
図11(a)と図11(b)を比較することによって、1入力1出力デバイスの場合と同様に、得られる遮断レベル(最小の透過率)が多モード干渉導波路部24の幅WMMIによって変化することが理解される。即ち、多モード干渉導波路の幅WMMI=1.0μmの場合(図11(a))は−9.8dB、WMMI=1.6μmの場合(図11(b))は最低−15dBの遮断レベルが決まる。したがって、デバイスを設計にあたって、必要な遮断レベルに応じて多モード干渉導波路部24の幅WMMIを決定すれば良い。
【0043】
3)次に、多モード干渉導波路部24の長さを変化させて透過率の波長特性をシミュレーションによって求める。図12(a)は、多モード干渉導波路部24の幅WMMIが1.0μmの場合に、多モード干渉導波路部24の長さ(LMMI)を、30.8μm、54.4μm、94.7μmとして、透過率の波長依存性を計算したグラフである。同様に、図12(b)は、多モード干渉導波路部24の幅WMMIが1.6μmの場合に、多モード干渉導波路部24の長さ(LMMI)を31.6μm、126.4μm、252.9μmとして、透過率の波長依存性を計算したグラフである。これらの図からわかるように、1入力1出力デバイスと同様に、多モード干渉導波路部24の長さ(LMMI)が長くなると遮断する波長幅が狭くなる。例えば、図12(b)のWMMI=1.6μmの場合、透過率が−10dB以下となる波長幅は、LMMI=31.6μmの場合に31nm、LMMI=126.4μmの場合に9nm、LMMI=252.9μmの場合に5nmとなる。これによって、デバイス設計の目的とする遮断波長幅に応じて、適切に、多モード干渉導波路部の長さを決定すれば良い。
【0044】
以下の表2に、1入力2出力デバイスで構成した通過帯域阻止形フィルタの構造の一例を示す。このフィルタは、波長幅5nmに渡って透過率が−10dB以下を確保することができるように設計された帯域阻止フィルタである。
【表2】
【0045】
上記実施形態1及び2は、シリコンを導波層として用い、その周りをSiO2クラッドで囲んだ導波路構造において、導波層厚300nmの導波路部構造で、TEモードの特定の波長を遮断する多モード干渉導波路デバイスを設計する事例に関しているが、TMモードの特定の波長を遮断する多モード干渉導波路デバイスに対しても、この設計手法を同様に適用することができる。また、他の導波路厚、多モード干渉導波路幅に対しても、この設計手法を同様に適用することができる。さらに、シリコンを導波層として用い、その周りをSiO2クラッドで囲んだ導波路構造以外の、任意の導波路部構造に対しても、この設計手法を同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 入力導波路
2 出力導波路
3 多モード干渉導波路部
4 シリコン基板
5 SiO2クラッド層
10 1入力1出力導波路デバイス
20 1入力2出力導波路デバイス
21 入力導波路
22、23 出力導波路
24 多モード干渉導波路部
25 シリコン基板
26 SiO2クラッド層
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の波長の伝搬を阻止する帯域阻止フィルタとして機能し得る、波長選択性多モード干渉導波路デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複数の波長を用いて、波長ごとに独立した信号を伝送する波長多重通信システムでは、特定の波長成分を選択的に分離することは、必須の要素技術として位置づけられる。波長成分を選択的に分離する代表的な素子として、従来、次の素子が知られている。
a.干渉膜フィルタ
b.回折格子
c.マッハツェンダ干渉計形フィルタ
d.分布反射形(DFB)導波路フィルタ
e.導波路アレイ回折格子(AWG)
【0003】
上記a及びbは、いわゆるバルク形光学素子(非導波路形)であり、空間を伝搬する空間ビーム光で光入出力を行い、波長に応じて出力方向が変わることで波長成分を選択するものである。一方、c〜eは導波路形光学素子で、光導波路を伝搬する光に対して波長によって出力ポートが選択されて、波長成分が分離されるものである。
【0004】
ここで、b及びeでは、波長成分ごとに異なる方向あるいは異なる出力ポートに出力されるため、特定の波長成分を光路から伝搬阻止するという本発明の目的とは異なる使い方になる。また、cは波長成分ごとに異なる二つのポートに出力を分離する素子であるが、分離特性は波長に対して周期的に現れるため、狭い波長範囲の光波の伝搬を阻止するという目的には不適当である。したがって、特定の波長成分を光路から伝搬阻止する目的に合致する従来技術としては、a及びdが相当する。
【0005】
aは、支持体となる透明板の表面に、異なる屈折率をもつ2種類の薄膜をある定められた周期で交互に積層することで、透過及び反射の波長特性に所望の特性を与える。薄膜の積層の仕方によって、様々な波長特性を実現することができる。(例えば、http://www.nitto−optical.co.jp/products/optical_coating/index.html、http://www.mgkk.com/products/pdf/01−13−filters/0113−4647.pdf参照。)
【0006】
この中で、「帯域阻止」特性をもつフィルタは、ノッチフィルタとも呼ばれる。このデバイスを導波路で構成される光集積回路中に用いるためには、導波路を横断する溝を形成し、その溝にフィルタチップを挿入する必要があり、通常の導波路デバイス製造工程とは異なる工程が必要となる。特に、多くのフィルタチップを挿入する場合には、この製造工程の複雑化の問題が顕在化する。
【0007】
一方、本発明と同様に導波路形デバイスに位置付けられるdは、導波路中、あるいは導波路の表面もしくは側面に、光波の伝搬方向に沿って周期的な屈折率変化(回折格子)を形成することで実現される。すなわち、導波路を伝搬してきた光波が周期的屈折率変化部分に入射すると、屈折率変化の周期と導波路の実効屈折率で決まる特定の波長の光波成分のみが入射導波路側に反射されるため、導波路の透過出力側にはこの波長成分が出力されない(=分布反射器)。すなわち、特定の波長成分の伝搬を阻止する帯域阻止フィルタとして機能する。
【0008】
このdにおいては、所望の阻止波長幅と阻止レベルを実現するためには、導波路の形状、導波路に形成する屈折率変化の大きさなどを正確に制御する必要がある。また、導波路と屈折率変化を形成するためには、一般に複数回のパターン形成やエッチング工程などが必要となり、製造工程の複雑化という問題が発生する。
【0009】
なお、分布反射器の帯域阻止フィルタとしての機能を記述した代表的な文献として、以下の非特許文献1があり、また、導波路形デバイスの代表例である多モード干渉結合器(MMIカプラ)の文献として、非特許文献2が挙げられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】K. Wagatsuma, H. Sakaki, and S. Saito, “Mode conversion and optical filtering of obliquely incident waves in corrugated waveguide filters,” IEEE Journal of Quantum Electronics, vol. QE−15, no. 7, pp.632−637, 1979.
【非特許文献2】L. B. Soldano and E. C. M. Pennings, “Optical multi−mode interference devices based on self−imaging: principles and applications,” Journal of Lightwave Technology, vol. 13, pp. 615−627, no. 4, 1995.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明は、特定の波長の伝搬を阻止する帯域阻止フィルタとしての機能を備えかつ製造が容易な、波長選択性多モード干渉導波路デバイスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様では、多モード干渉導波路部と、前記多モード干渉導波路部の一端の中心に接続される第1の導波路と、前記多モード干渉導波路部の前記一端に対向する他端の中心に接続される第2の導波路と、を備える、多モード干渉導波路導波路デバイスにおいて、前記第1の導波路から入射し前記多モード干渉導波路部を伝搬して前記第2の導波路に出射する光波であって、所定の波長を有する光波の透過率が、前記多モード干渉導波路部と前記第2の導波路との接続部において当該デバイスの使用目的によって決まる要求仕様を満たすように、前記多モード干渉導波路部の幅及び長さが決定されていることを特徴とする、波長選択性多モード干渉導波路デバイスを提供する。
【0013】
上記第1の態様において、上記要求仕様を少なくとも10dBとしても良い。また、第1の導波路から入射する前記光波の透過率を−10dB以下とすることによって、当該デバイスを、前記波長における帯域阻止フィルタとして機能させるようにしても良い。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の第2の態様では、多モード干渉導波路部と、前記多モード干渉導波路部の一端の中心に接続される第1の導波路と、前記多モード干渉導波路部の前記一端に対向する他端の中心から一定の距離に、互いに対称となるように配置された第2及び第3の導波路と、を備える、多モード干渉導波路導波路デバイスにおいて、前記第1の導波路から入射し前記多モード干渉導波路部を伝搬して前記第2の導波路と第3の導波路に出射する光波であって、所定の波長を有する前記光波の透過率が、前記多モード干渉導波路部と前記第2及び第3の導波路との接続部において当該デバイスの使用目的によって決まる要求仕様を満たすように、前記多モード干渉導波路部の幅及び長さ、さらに前記一定の距離が決定されていることを特徴とする、波長選択性多モード干渉導波路デバイスを提供する。
【0015】
上記態様において、前記要求仕様は、少なくとも10dB以上としても良い。また、前記第1の導波路から入射する前記光波の透過率を−10dB以下とすることによって、当該デバイスを、前記波長における帯域阻止フィルタとして機能させるようにしても良い。
【発明の効果】
【0016】
多モード干渉導波路を伝搬する光波では、入射光の波長に依存して多モード干渉が現れる周期が変化する。即ち、入射光の波長によって、多モード干渉の周期が異なる。この周期の違いを利用し、多モード干渉導波路を、その出射端で特定の波長を有する光波の透過率(出力光パワー/入射光パワー)が、例えば−10dB以下となるような構造とすることによって、入射光から特定の波長成分のみを阻止するデバイスを作成することが出来る。
【0017】
複数の波長を用いて、波長ごとに独立した信号を伝送する波長多重通信システムでは、特定の波長を選択的に分離することは、必要な要素技術と位置づけられている。その中で、本発明に係る、特定の波長の伝搬を阻止するデバイスは、不要波長成分を阻止する波長フィルタとして用いることができる。例えば、伝送システムの動作を監視するために、監視用の光として信号光とは異なる波長の光を用いるが、信号光に混じって監視用の光を受信すると困るので、受信端では監視用の波長成分を阻止する必要がある。本発明に係る波長選択性デバイスは、このような用途に対して有用である。
【0018】
なお、本発明の多モード干渉導波路デバイスは、導波路を形成する工程で帯域阻止機能を実現する多モード干渉導波路も同時に形成されるため、背景技術の項で説明した、dの分布反射形(DFB)導波路フィルタで発生する、製造工程の複雑化という問題は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る、1入力1出力導波路形デバイスの概略構成を示す斜視図。
【図2】図1に示すデバイスの上面図。
【図3】図1及び2に示すデバイスの、多モード干渉導波路部における光波伝搬に伴って生じる光パワー分布を示す図。
【図4】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係るデバイスの構成原理を説明するための図。
【図5】(a)は、本発明の第1の実施形態に係るデバイスにおいて、多モード干渉導波路部の幅を1.0μmとした場合の、多モード干渉導波路部の長さに対する透過率の関係を示し、(b)は、幅を1.6μmとした場合の、多モード干渉導波路部の長さに対する透過率の関係を示す図。
【図6】(a)は、本発明の第1の実施形態に係るデバイスにおいて、多モード干渉導波路部の幅を1.0μmとしその長さを変化させた場合の、波長に対する透過率の関係を示し、(b)は、多モード干渉導波路部の幅を1.6μmとしその長さを変化させた場合の、波長に対する透過率の関係を示す図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る、1入力2出力デバイスの概略構造を示す斜視図。
【図8】図7に示すデバイスの上面図。
【図9】図7及び8に示すデバイスの、多モード干渉導波路部における光波伝搬にともなって生じる光パワー分布を示す図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るデバイスの構成原理を説明するための図。
【図11】(a)は、本発明の第2の実施形態に係るデバイスにおいて、多モード干渉導波路部の幅を1.0μmとした場合の、多モード干渉導波路部の長さに対する透過率の関係を示し、(b)は、幅を1.6μmとした場合の、多モード干渉導波路部の長さに対する透過率の関係を示す図。
【図12】(a)は、本発明の第2の実施形態に係るデバイスにおいて、多モード干渉導波路部の幅を1.0μmとしその長さを変化させた場合の、波長に対する透過率の関係を示し、(b)は、多モード干渉導波路部の幅を1.6μmとしその長さを変化させた場合の、波長に対する透過率の関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の種々の実施形態を、図面を参照して説明するが、これらの実施形態は単に一例であって本発明を限定するものでは無い。また、全図面を通して、同じ符号は同一又は類似の構成要素を示すので、重複した説明は行わない。更に、各図は本発明の実施形態の説明のみを目的としており、従って各部分の図面上の大きさが実際の縮尺に対応するものではない。
【0021】
<第1の実施形態:1入力1出力導波路デバイス>
以下に、本発明の第1の実施形態に係る、1入力1出力導波路形の波長選択性多モード干渉導波路デバイスについて説明する。このデバイスは、特定の波長の入射光を、当該デバイスの使用目的によって決まる要求仕様を満たす程度、例えば、入射光のパワー(強度)と出射光のパワー(強度)の比(出射光パワー/入射光パワー)を−10dB程度まで低下させることが可能な、波長帯域阻止特性を有する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る多モード干渉デバイス10の概略構造を示す斜視図である。このデバイス10は、1入力導波路1出力導波路形のデバイスであり、後述するように、特定の波長の光の通過を阻止する、波長選択性デバイスである。波長選択性多モード干渉導波路デバイス10は、SOI(Silicon On Insulator)ウェーハのシリコン層に形成される多モード干渉導波路部3とシングルモードの入力導波路1、出力導波路2とで構成されている。4はシリコン基板、5はSiO2クラッド層を示す。図示はしていないが、多モード干渉導波路デバイス10を構成する多モード干渉導波路部3と入力導波路1、出力導波路2はSiO2のクラッド層5によって埋設されている。
【0023】
図2に、デバイス10の構造を定義するためのパラメータを示す。多モード干渉導波路部3の幅方向の端部に沿ってx軸を設定し、長さ方向にz軸を設定している。これによって、入力導波路1、出力導波路2は、x方向に対称な位置(x=0)に配置される。入出力導波路1、2の断面の幅をWで示し、多モード干渉導波路部3の幅をWMMI、長さをLMMI、厚さをWT(図1参照)で示す。入出力導波路1、2及び多モード干渉導波路部3の厚さWTは、通常、同じとされている。
【0024】
本発明者等は既に、多モード干渉導波路部3におけるこのような光強度分布の周期、即ち、多モード干渉の周期が、多モード干渉導波路部3の幾何学的構造(幅、長さ、厚さ)、材料、更に入射する光の偏波に基づいて変化することを報告している(特願2011−130093)が、その中で、多モード干渉の周期がさらに波長に基づいて変化することにも言及している。本実施形態では、このような多モード干渉周期の波長依存性を利用して、特定の波長の光を阻止することが可能な、1入力1出力導波路デバイスを構成する。
【0025】
図3は、図1及び図2に示す構造の波長選択性多モード干渉導波路デバイス10において、導波路1からある波長を有する光波を入力した場合の、多モード干渉導波路部3における光波分布のシミュレーション結果を示す。このシミュレーション結果は、TEモードの偏波に対するものである。また、シミュレーションはモード整合法を用いて行っている。図3において、3aで示した部分は光強度が高い部分、3bで示した部分は光強度が最も高い部分であり、3cで示す部分は光強度が最も低い部分を示す。図示するように、光波の伝搬にともなって、x方向の光強度分布が周期性を持って変化する様子が理解される。
【0026】
図4(a)、(b)は、図3に示すような光強度分布を有する多モード干渉導波路デバイスを、特定の波長λを遮断する波長選択性導波路デバイスとして機能させるための原理を説明する図である。図4(a)は、多モード干渉導波路部3を、図3の伝搬距離z=z1の位置で切断し、x=0の位置に出力導波路2を接続した場合を示す。この位置では、x=0に光波パワーはほとんど存在しないため、x=0に出力導波路2を設置しても出力導波路2からは光波が出力されない。この状態の多モード干渉導波路部3の長さを、LMMIとする。
【0027】
一方、z=z1の位置で切断した場合であっても、入力導波路1から、波長λ以外の波長の光波を入力した場合、その波長での多モード干渉の周期は波長λの周期とは異なるため、図4(b)に示すように、出力導波路2に光出力が現れるようになる。これにより、図3の伝搬距離z=z1の位置で多モード干渉導波路部3を切断したデバイスを、波長λの入射光の伝搬を阻止する波長選択素子として機能させることが出来る。なお、このような波長帯域阻止特性は、多モード干渉導波路長が長い方が透過率の変化が急峻となる。即ち、入射光の波長がλから僅かに相違すると、透過率が急激に高くなる。従って、透過率の変化において必要な急峻さが得られるように、多モード干渉導波路部3の長さLMMIを選択する。
【0028】
なお、図3及び図4の光波分布は、TEモードに対するシミュレーションに基づいているが、TMモードの場合も、TEモードとは長さ方向の周期が変化するだけで、殆ど同じ分布傾向を有する。従って、多モード干渉導波路デバイス10を波長λの遮断デバイスとして機能させるための定性的議論には、TEモードとTMモードを区別して考える必要はない。
【0029】
次に、図1に示す多モード干渉導波路デバイス10を、波長λの遮断デバイスとして機能させるための設計手順について、以下に説明する。
【0030】
1)先ず、遮断波長λを決定し、多モード干渉導波路部3の材料と高さWTを設定する。高さWTは通常、入出力導波路1、2の高さと同じであり、また、デバイスの常識的な値として選択可能である。
【0031】
2)多モード干渉導波路部3の幅WMMIを設定し、多モード干渉導波路部3の長さに対する透過率をシミュレーションによって計算する。図5(a)は、多モード干渉導波路部3の幅WMMI=1.0μmに設定し、図5(b)はWMMI=1.6μmに設定してシミュレーションを行った結果を示している。これらの図から明らかなように、多モード干渉導波路部3の長さ(LMMI)に対して透過率は周期的に変化する。即ち、図5(a)の、WMMI=1.0μmに設定した場合は、周期1.25μmの奇数倍で、図5(b)のWMMI=1.6μmに設定した場合は、周期3.16μmの奇数倍で、透過率が周期的に変化することが分かる。また、図5(a)と図5(b)を比較することによって、得られる遮断レベル(最小の透過率)が、多モード干渉導波路部3の幅によって変化することが理解される。具体的には、図5(a)に示すように、多モード干渉導波路部3の幅WMMIが1.0μmの場合は、遮断レベルが−5.5dBであり、図5(b)に示すように幅WMMIが1.6μmの場合は、遮断レベルは少なくとも(最低)−15dBとなる。従って、デバイスを設計する場合、必要な遮断レベルに応じて多モード干渉導波路部3の幅を決定すれば良い。
【0032】
3)次に、多モード干渉導波路部3の長さ(LMMI)を変化させて、透過率の波長特性をシミュレーションによって求める。図6(a)は、多モード干渉導波路部3の幅WMMIが1.0μmである場合に、多モード干渉導波路部3の長さ(LMMI)を、29,6μm、51.0μm及び98.4μmとして、透過率の波長依存性を計算したグラフである。同様に、図6(b)は、多モード干渉導波路部3の幅WMMIが1.6μmの場合に、多モード干渉導波路部3の長さ(LMMI)を40.7μm、91.6μm及び275.2μmとして、透過率の波長依存性を計算したグラフである。これらの図からわかるように、多モード干渉導波路部3の長さ(LMMI)が長くなると、遮断する波長幅が狭くなる。従って、デバイス設計の目的とする遮断波長幅に応じて、適切に、多モード干渉導波路部の長さを決定すれば良い。
【0033】
なお、図5(a)、(b)および図6(a)、(b)は、1)の段階で決定される遮断波長λを、TEモードに対して1.27μmとし、多モード干渉導波路部3の高さWTを0.3μmとし、多モード干渉導波路部3をSiで構成した場合の、シミュレーション結果を示している。
【0034】
以上の手順により、設定された波長λの光波成分を、所望の遮断レベルでかつ所望の遮断波長幅で遮断することが可能な、1入力1出力デバイスを設計することができる。例えば、多モード干渉導波路部3の高さWT(=入力導波路の高さ)を0.3μmとし、幅WMMIを1.6μm、長さLMMIを91.6μmとした1入力1出力デバイスによって、図6(b)から明らかなように、TEモードの遮断中心波長λが1.272μmで、かつ、波長1.272μmの±4nmの波長幅で透過率が−10dB以下となるフィルタ特性を備えた、通過帯域阻止形フィルタを構成することができる。
【0035】
以下の表1に、1入力1出力デバイスで構成した、通過帯域阻止形フィルタの構造の一例を要約する。
【表1】
【0036】
<第2の実施形態:1入力2出力デバイス>
図7及び8に、本発明の第2の実施形態に係る波長選択型の1入力2出力デバイスを示す。本実施形態に係るデバイス20は、シングルモードの導波路21、22、23と多モード干渉導波路部24とを備えており、これらは、シリコン基板25上に形成したSiO2クラッド層26中に埋め込まれている。なお、図7及び8では、導波路21、22、23及び多モード干渉導波路部24を被覆するクラッド層を省略して示している。このデバイス20は、導波路21から入力し、導波路22及び23に出力する分岐動作、逆に、導波路22及び23から入力し、導波路21に出力する結合動作を行う、MMI結合器を構成する。光波伝搬の相反性から、分岐動作と結合動作は同じように動作するので、以下においては分岐動作のみについてその構成を説明する。
【0037】
図9は、図7及び8の構成を有するデバイス20において、導波路21から波長λの光波を入力した場合の、多モード干渉導波路部24における光波分布のシミュレーション結果を示す。シミュレーションはモード整合法を用いて行った。光波の伝搬にともなって、x方向の光強度分布が周期的に変化する様子が図から読み取れる。
【0038】
ここで、適当な位置で多モード干渉導波路を切断し、2本の出力導波路(導波路22及び23)を接続する。例えば、図9の伝搬距離z=z2で多モード干渉導波路部24を切断して、Px=±x1の位置に出力導波路22及び23を接続すると、z=z2では、ほとんどの光波パワーがx=0の位置に集中しているので、図10に示すように、出力導波路22及び23には多モード干渉導波路部24から殆ど光波が出力されない。一方、デバイス20に、λ以外の波長を有する光波を入射すると、図9の光波パターンが入射光波長の変化に対応してずれるため、出力導波路22、23には多モード干渉導波路部24から光波の出力が現れるようになる。
【0039】
従って、波長λの入射光を遮断し、それ以外の波長の入射光を透過する多モード干渉導波路デバイスの構造を特定できれば、帯域阻止型のフィルタとして機能する1入力2出力デバイスを得ることが出来る。以下に、図7に示す多モード干渉導波路デバイス20を、波長λの帯域阻止型のフィルタとして機能させるための設計手順を説明する。
【0040】
1)先ず、遮断波長λを決定し、多モード干渉導波路部24の厚さを常識的なデバイスの値として設定する。
2)多モード干渉導波路部24の幅WMMIを設定し、多モード干渉導波路部24の長さLMMIに対する透過率を計算する。図11(a)及び図11(b)は、この計算結果をグラフに表したものであって、横軸は多モード干渉導波路部24の長さL(MMI)をμm単位で示し、縦軸は透過率をdBで示している。図11(a)の計算結果は、多モード干渉導波路部24の幅WMMIを1.0μmとして得たものであり、図11(b)は1.6μmとして得たものである。これらの図から明らかなように、多モード干渉導波路部24の長さ(LMMI)に対して透過率は周期的に変化する。即ち、図11(a)に示すように、多モード干渉導波路部24の幅がWMMI=1.0μmの場合は、周期2.3μmの偶数倍で、図11(b)に示すように、多モード干渉導波路部24の幅がWMMI=1.6μmの場合は、周期6.2μmの偶数倍で、透過率が最小となる。
【0041】
ここで、1入力2出力デバイスの場合には、透過状態における透過率(出力が大きくなる長さLMMIにおける透過率)が最大になるように出力導波路の位置Pxを決める。多モード干渉導波路部24の幅がWMMI=1.0μmの場合(図11(a))は、Px=0.3μm、幅WMMI=1.6μmの場合(図11(b))は、Px=0.44μmとなる。
【0042】
図11(a)と図11(b)を比較することによって、1入力1出力デバイスの場合と同様に、得られる遮断レベル(最小の透過率)が多モード干渉導波路部24の幅WMMIによって変化することが理解される。即ち、多モード干渉導波路の幅WMMI=1.0μmの場合(図11(a))は−9.8dB、WMMI=1.6μmの場合(図11(b))は最低−15dBの遮断レベルが決まる。したがって、デバイスを設計にあたって、必要な遮断レベルに応じて多モード干渉導波路部24の幅WMMIを決定すれば良い。
【0043】
3)次に、多モード干渉導波路部24の長さを変化させて透過率の波長特性をシミュレーションによって求める。図12(a)は、多モード干渉導波路部24の幅WMMIが1.0μmの場合に、多モード干渉導波路部24の長さ(LMMI)を、30.8μm、54.4μm、94.7μmとして、透過率の波長依存性を計算したグラフである。同様に、図12(b)は、多モード干渉導波路部24の幅WMMIが1.6μmの場合に、多モード干渉導波路部24の長さ(LMMI)を31.6μm、126.4μm、252.9μmとして、透過率の波長依存性を計算したグラフである。これらの図からわかるように、1入力1出力デバイスと同様に、多モード干渉導波路部24の長さ(LMMI)が長くなると遮断する波長幅が狭くなる。例えば、図12(b)のWMMI=1.6μmの場合、透過率が−10dB以下となる波長幅は、LMMI=31.6μmの場合に31nm、LMMI=126.4μmの場合に9nm、LMMI=252.9μmの場合に5nmとなる。これによって、デバイス設計の目的とする遮断波長幅に応じて、適切に、多モード干渉導波路部の長さを決定すれば良い。
【0044】
以下の表2に、1入力2出力デバイスで構成した通過帯域阻止形フィルタの構造の一例を示す。このフィルタは、波長幅5nmに渡って透過率が−10dB以下を確保することができるように設計された帯域阻止フィルタである。
【表2】
【0045】
上記実施形態1及び2は、シリコンを導波層として用い、その周りをSiO2クラッドで囲んだ導波路構造において、導波層厚300nmの導波路部構造で、TEモードの特定の波長を遮断する多モード干渉導波路デバイスを設計する事例に関しているが、TMモードの特定の波長を遮断する多モード干渉導波路デバイスに対しても、この設計手法を同様に適用することができる。また、他の導波路厚、多モード干渉導波路幅に対しても、この設計手法を同様に適用することができる。さらに、シリコンを導波層として用い、その周りをSiO2クラッドで囲んだ導波路構造以外の、任意の導波路部構造に対しても、この設計手法を同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 入力導波路
2 出力導波路
3 多モード干渉導波路部
4 シリコン基板
5 SiO2クラッド層
10 1入力1出力導波路デバイス
20 1入力2出力導波路デバイス
21 入力導波路
22、23 出力導波路
24 多モード干渉導波路部
25 シリコン基板
26 SiO2クラッド層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多モード干渉導波路部と、
前記多モード干渉導波路部の一端の中心に接続される第1の導波路と、
前記多モード干渉導波路部の前記一端に対向する他端の中心に接続される第2の導波路と、を備える、多モード干渉導波路デバイスにおいて、
前記第1の導波路から入射し前記多モード干渉導波路部を伝搬して前記第2の導波路に出射する光波であって、所定の波長を有する前記光波の透過率が、前記多モード干渉導波路部と前記第2の導波路との接続部において当該デバイスの使用目的によって決まる要求仕様を満たすように、前記多モード干渉導波路部の幅及び長さが決定されていることを特徴とする、波長選択性多モード干渉導波路デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記要求仕様が少なくとも10dBである、波長選択性多モード干渉導波路デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記第1の導波路から入射する前記光波の透過率を−10dB以下とすることによって、当該デバイスを前記波長における帯域阻止フィルタとして機能させることを特徴とする、波長選択性多モード干渉導波路デバイス。
【請求項4】
多モード干渉導波路部と、
前記多モード干渉導波路部の一端の中心に接続される第1の導波路と、
前記多モード干渉導波路部の前記一端に対向する他端の中心から一定の距離に、互いに対称となるように配置された第2及び第3の導波路と、を備える、多モード干渉導波路導波路デバイスにおいて、
前記第1の導波路から入射し前記多モード干渉導波路部を伝搬して前記第2の導波路と第3の導波路に出射する光波であって、所定の波長を有する前記光波の透過率が、前記多モード干渉導波路部と前記第2及び第3の導波路との接続部において当該デバイスの使用目的によって決まる要求仕様を満たすように、前記多モード干渉導波路部の幅及び長さ、さらに前記一定の距離が決定されていることを特徴とする、波長選択性多モード干渉導波路デバイス。
【請求項5】
前記請求項4に記載のデバイスにおいて、前記要求仕様は少なくとも10dBである、波長選択性多モード干渉導波路デバイス。
【請求項6】
請求項4に記載のデバイスにおいて、前記第1の導波路から入射する前記光波の透過率を−10dB以下とすることによって、当該デバイスを前記波長における帯域阻止フィルタとして機能させることを特徴とする、波長選択性多モード干渉導波路デバイス。
【請求項1】
多モード干渉導波路部と、
前記多モード干渉導波路部の一端の中心に接続される第1の導波路と、
前記多モード干渉導波路部の前記一端に対向する他端の中心に接続される第2の導波路と、を備える、多モード干渉導波路デバイスにおいて、
前記第1の導波路から入射し前記多モード干渉導波路部を伝搬して前記第2の導波路に出射する光波であって、所定の波長を有する前記光波の透過率が、前記多モード干渉導波路部と前記第2の導波路との接続部において当該デバイスの使用目的によって決まる要求仕様を満たすように、前記多モード干渉導波路部の幅及び長さが決定されていることを特徴とする、波長選択性多モード干渉導波路デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記要求仕様が少なくとも10dBである、波長選択性多モード干渉導波路デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記第1の導波路から入射する前記光波の透過率を−10dB以下とすることによって、当該デバイスを前記波長における帯域阻止フィルタとして機能させることを特徴とする、波長選択性多モード干渉導波路デバイス。
【請求項4】
多モード干渉導波路部と、
前記多モード干渉導波路部の一端の中心に接続される第1の導波路と、
前記多モード干渉導波路部の前記一端に対向する他端の中心から一定の距離に、互いに対称となるように配置された第2及び第3の導波路と、を備える、多モード干渉導波路導波路デバイスにおいて、
前記第1の導波路から入射し前記多モード干渉導波路部を伝搬して前記第2の導波路と第3の導波路に出射する光波であって、所定の波長を有する前記光波の透過率が、前記多モード干渉導波路部と前記第2及び第3の導波路との接続部において当該デバイスの使用目的によって決まる要求仕様を満たすように、前記多モード干渉導波路部の幅及び長さ、さらに前記一定の距離が決定されていることを特徴とする、波長選択性多モード干渉導波路デバイス。
【請求項5】
前記請求項4に記載のデバイスにおいて、前記要求仕様は少なくとも10dBである、波長選択性多モード干渉導波路デバイス。
【請求項6】
請求項4に記載のデバイスにおいて、前記第1の導波路から入射する前記光波の透過率を−10dB以下とすることによって、当該デバイスを前記波長における帯域阻止フィルタとして機能させることを特徴とする、波長選択性多モード干渉導波路デバイス。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図12】
【図3】
【図4】
【図9】
【図10】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図12】
【図3】
【図4】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−41146(P2013−41146A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178379(P2011−178379)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】
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