説明

注入システム、およびそのような注入システムを形成するようにペン型注入器に取り付けるための作動デバイス

【課題】注入システム、およびそのような注入システムを形成するようにペン型注入器に取り付けるための作動デバイスを提供すること。
【解決手段】注入システム(1)は、
− 細長い外側表面、ならびに近位区分および遠位区分を有する胴(3)と、
− 胴(3)の近位区分上に摺動可能に取り付けられた作動装置(10)とを含むペン型注入器(2)を備え、
前記注入システムは、
− 胴(3)の近位区分に枢動可能に接続され、患者によって作動されると作動装置(10)の少なくとも一部を覆って押すように適合されたレバー(30)と、
− 胴(3)の外側表面から放射状に突出し、患者の指(61)に支えられながら、患者に別の指(62)でレバー(30)を作動させることを可能にするように適合された保持部材(50)とを備える作動デバイス(15)をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注入システム、およびそのような注入システムを形成するようにペン型注入器に取り付けるための作動デバイスに関する。
詳細には、本発明は、患者によって製品、特に治療薬または医薬品を患者へ容易に注入するために使用されるペン型注入器を備える注入システムに関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、
− 注入すべき製品の容器と、作動時に前記容器から1回分の製品を排出する注入機構とを収容する胴であって、中心軸に沿って延びる細長い外側表面を有し、近位区分および遠位区分を有する胴と、
− 前記注入機構を作動させる作動装置であって、胴の近位区分上で中心軸に沿って摺動可能に取り付けられた作動装置とを含むペン型注入器を備える注入システムに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に知られているペン型注入器は、器用さが制限された患者、具体的には関節炎、特にリューマチ性関節炎を患う患者、または子供が取り扱って作動させることはほとんど不可能である。その上、そのような患者が、従来のペン型注入器を使用して製品を自身で注入することは、不可能ではない場合でも、非常に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この点で、第1の態様によれば、本発明は、
− 胴の中心軸に対して実質的に垂直な枢動軸を有する枢動接続部によって、胴の近位区分に枢動可能に接続されたレバーであって、患者によって作動されると作動装置の少なくとも一部を覆って押すように適合されたレバーと、
− 枢動接続部から軸方向に距離を空けて胴の外側表面から放射状に突出する保持部材であって、患者の指に支えられながら、患者に別の指でレバーを作動させることを可能にするように適合された保持部材とを備える作動デバイスをさらに備える前述のタイプの注入システムを実現する。
【0006】
したがって、ペン型注入器は、患者の開いた手、特に患者の手のひらの中で保持することができ、保持部材は1本の指に支えられ、レバーは、別の指、特に親指によって、力の量が制限されながら動かされる。作動デバイスは、器用さが制限された患者でもペン型注入器を容易に保持および作動できるようにし、それによって患者は、注入すべき製品を自身で注入することができる。
【0007】
保持部材は、遠位方向へ曲がった凹面を有する湾曲したタブを備えることができる。
レバーは、中心軸を含む放射面内で、保持部材が延びる方向に動くことができ、枢動接続部と保持部材は、前記放射面内で中心軸の同じ側に位置する。
【0008】
一実施形態では、レバーは、胴の近位区分上に直接枢動可能に取り付けることができ、保持部材は、胴と一体形成することができる。
別の実施形態では、作動デバイスは、長手方向軸に沿って延び胴の外側表面に同軸で取り付けられた本体をさらに備えることができ、レバーは、本体の近位部分上に枢動可能に取り付けられる。
【0009】
作動デバイスの本体は、胴に取外し可能に取り付けることができる。
具体的には、本体には、胴の近位区分に係合する取外し可能な取付け手段が設けられてもよい。
【0010】
たとえば、取外し可能な取付け手段は、ペン型注入器の胴の外側表面上へ同軸でスナップ嵌合されたつばを備える。
さらに、保持部材は、作動デバイスの本体と一体形成することができる。
【0011】
さらに、先に定義した注入システムは、注入すべき製品の容器と、前記胴内に収容された注入機構とをさらに備えることができ、前記容器は、関節炎の治療のための薬剤を含む。
【0012】
第2の態様によれば、本発明は、中心軸に沿って延びる細長い外側表面を有する胴と、胴の近位区分上で中心軸に沿って摺動可能に取り付けられた作動装置とを有するペン型注入器に取り付けるための作動デバイスであって、
− 長手方向軸を有し、胴の外側表面に同軸で取り付けられるように適合された本体と、
− 長手方向軸に対して実質的に垂直な枢動軸を有する枢動接続部によって、本体の近位部分上に枢動可能に取り付けられたレバーであり、患者によって作動されるとペン型注入器の作動装置の少なくとも一部を覆って押すように適合されたレバーと、
− 枢動接続部から軸方向に距離を空けて本体から放射状に突出する保持部材であり、患者の指に支えられながら、患者に別の指でレバーを作動させることを可能にするように適合された保持部材とを備える作動デバイスを提案する。
【0013】
保持部材は、遠位方向へ曲がった凹面を有する湾曲したタブを備えることができる。
本体には、ペン型注入器の胴の近位区分に係合するように適合された取外し可能な取付け手段が設けられてもよい。
【0014】
たとえば、取外し可能な取付け手段は、ペン型注入器の胴の外側表面上へ同軸でスナップ嵌合するように適合されたつばを備える。
さらに、保持部材は、本体と一体形成することができる。
【0015】
本発明の他の目的および利点は、非限定的な例として与えられる本発明の特定の実施形態の以下の開示から明らかになるであろう。本開示は、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】注入システムがペン型注入器および作動デバイスを備え、作動デバイスが、レバーと、ペン型注入器上へ嵌合された本体に取り付けられた保持部材とを備える、本発明の第1の実施形態による注入システムの斜視図である。
【図2】図1の注入システムの長手方向の断面図である。
【図3】図1の注入システムの作動デバイスの横方向の図である。
【図4】図1の注入システムの分解図である。
【図5】作動デバイスのレバーがペン型注入器に直接取り付けられ、作動デバイスの保持部材がペン型注入器と一体化された、本発明の第2の実施形態による注入システムの長手方向の断面図である。
【図6】図6aは、保持部材が患者の中指に支えられながら、患者に親指でレバーを作動させることを可能にする、患者の手によって保持された注入システムを示す、図1の注入システムの使用の斜視図である。図6bは、保持部材が患者の中指に支えられながら、患者に親指でレバーを作動させることを可能にする、患者の手によって保持された注入システムを示す、図1の注入システムの使用の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図では、同じ参照番号は同じまたは類似の要素を指す。
図1〜4は、薬品または薬物など、1回分の治療薬または医薬品を注入するために、具体的には患者自身によって使用される注入システム1の第1の実施形態を表す。
【0018】
図1および2で、注入システム1は、中心軸Aの周りで概ね円筒形の形状のペン型注入器2を備える。
ペン型注入器2は、横断面が円形である円筒形の中空の胴3を備える。胴3は、対向する近位区分4と遠位区分5の間を中心軸Aに沿って延び、筐体7を画定する細長い内側表面6と、内側表面6に対向する細長い外側表面8とを提示する。筐体7は、注入すべき製品の容器(図示せず)と、容器から1回分の製品を排出する注入機構(同じく図示せず)とを収容するように適合される。たとえば、容器と注入機構はともに注射器を形成し、筐体7内で受け取られて保持され、したがって注射器の針の少なくとも一部は、胴3の遠位区分5から外へ延びる。代替手段として、注入機構は、胴3上で中心軸に沿って摺動可能に取り付けられたピストンと、少なくとも一部が胴3の遠位区分5から外へ延びるように胴3に固定された針とを備えることができる。この代替手段では、容器は、胴3上に取り付けられた注入機構と協働するように、筐体7内に配置することができる。
【0019】
注入機構を作動させるために、横断面が円形である円筒形の作動装置10が、胴3の近位区分4上に取り付けられる。作動装置10は、筐体7内に構成された下部表面11と、胴3の近位区分4から突出する上部表面12との間を、中心軸Aに沿って延びる。作動装置10は、中心軸Aに沿って延びる行程に沿って摺動するように取り付けられる。ペン型注入器2を作動させるために、作動装置10は、上部表面12上に圧力を作用させることによって下げられる。次いで作動装置10は、次の作動のために直立した位置に弾性的に偏らせ、または他の方法で動かすことができる。
【0020】
横断面が円形である概ね円筒形の形状を有するペン型注入器2に関連して開示する本発明は、それに限定されるものではなく、楕円形または多角形などの任意の他の横断面、およびより一般には任意の他の形状を有することができる。
【0021】
ペン型注入器2を容易に保持および作動できるように、注入システムは、作動デバイス15を備える。
図1〜4の第1の実施形態では、作動デバイス15は、別個の構成要素として形成されており、ペン型注入器2の胴3上に取り付けられた本体16を備える。
【0022】
図3では、本体16は、長手方向軸Bの周りにつば17を備える。図示の実施形態では、つば17は、長手方向軸Bの周りで円筒形、特に環状である。つば17は、外側表面19と、ペン型注入器2を受け取って胴3の外側表面8上へつば17を嵌合させるように適合された開口を画定する内側表面18とを有する。胴3上へのつば17の保持を改善するために、つば17の内側表面18および胴3の外側表面8は、図示の実施形態ではつば17の内側表面18上の環状ビード20および胴3の外側表面8上の環状溝21の形で、相補型の保持部材を有することができる。
【0023】
当然ながら、つば17、特に内側表面18の形状および寸法は、ペン型注入器2の胴3の外側表面8の形状および寸法に適合するように異なってもよい。さらに、図示の円筒形のつば17は、ペン型注入器2の中心軸Aに沿って嵌合された取付け要素を形成するように継続しているが、円筒形のつば17は不連続でもよく、すなわち中心軸Aに沿って嵌合され、または中心軸Aに対して垂直な方向に締め付けられた取付け要素を形成するように、長手方向軸Bに対して垂直な方向に開かれてもよい。
【0024】
本体16はまた、長手方向軸Bから長手方向軸Bに対して横断方向に測定した距離を空けて構成された壁25を備える。具体的には、壁25は、つば17と一体化されており、つば17から近位部分26へ実質的に長手方向軸Bに沿って延びる。壁25は、長手方向軸Bから離れて、長手方向軸Bに対して傾斜される。他の実施形態では、壁25は、長手方向軸Bに沿ってまっすぐにすることができ、または壁25は、近位部分26が形成されるつば17の一部とすることができることに留意されたい。
【0025】
壁25の近位部分26は、レバー30を支持する。
レバー30は、接続端部31および自由端部32を有し、これらの接続端部31と自由端部32の間に長さを呈する。説明を読めば明らかになる理由のため、レバー30の長さは、図示の実施形態ではつば17の外側表面19の直径に対応する、長手方向軸Bに対して垂直に測定したつば17の横方向の寸法より大きい。図3に示す実行可能な位置では、それによってレバー30は、長手方向軸Bに対して横断方向に長手方向軸Bの方へ延び、長手方向軸Bと交差する。したがって、レバー30の長さは、図示の実施形態では胴3の外側表面8の直径に対応する、ペン型注入器2の中心軸Aに対して垂直に測定したペン型注入器2の横方向の寸法より大きい。
【0026】
図3では、レバー30は、接続端部31と自由端部32の間で湾曲しており、図3の実行可能な位置でつば17の方へ向けた凹面を呈する。レバー30は、実行可能な位置でつば17の開口に面する下部表面33と、下部表面33に対向する上部表面34とを呈する。下部表面33は、中心のつまみ36の形の突起35を備える。上部表面34は、レバー30の自由端部32に近接して構成された横方向のリブ38の形の把持部分37を備える。
【0027】
レバー30は、枢動接続部によって壁25の近位部分26上に枢動可能に取り付けられる。図示の実施形態では、枢動接続部は、長手方向軸Bに対して実質的に垂直な枢動軸Pに沿って延びるソケット41と、ソケット41内を延びるピン42とを含む蝶番40である。図示の実施形態では、ソケット41は、壁25の近位部分26に取り付けられ、ピン42は、レバー30の接続端部31に取り付けられる。代替手段として、ソケット41とピン42の取付けを逆にすることもできる。
【0028】
変形形態として、レバー30は、レバー30と壁25の両方と一体化された弾性的に変形可能な部分から形成された枢動接続部によって、本体16の近位部分26に接続することができる。
【0029】
本体16は、壁25に対向するつば17から長手方向軸Bに対して平行に延びるアーム43をさらに備える。アーム43は、ペン型注入器2の胴3と接触するものであり、したがって、胴3の外側表面8と整合するように共形である。具体的には、アーム43は、長手方向軸Bの周りで湾曲した内側表面44と、内側表面44に対向する外側表面45とを有する。
【0030】
作動デバイス15がペン型注入器2上に取り付けられたときに患者がペン型注入器2を保持できるように、本体16のアーム43と一体化された保持部材50が提供される。
保持部材50は、枢動接続部40から長手方向軸Bに沿って軸方向に距離を空けて構成され、アーム43の外側表面45から突出する。具体的には、保持部材50は、長手方向軸Bの反対側で、長手方向軸Bに対して放射方向に延びる。図示の実施形態では、保持部材50は、アーム43に取り付けられた端部を有し、この端部は、長手方向軸Bに沿ってレバー30および枢動接続部40の接続端部31と実質的に位置合わせされるように構成される。この構成で、レバー30および保持部材50は、長手方向軸Bと保持部材50が延びる放射方向とを含む同じ放射面内を延び、枢動接続部40および保持部材50は、放射面内で長手方向軸Bの同じ側に構成される。さらに、図3に示す実行可能な位置にあるレバー30、および保持部材50は、長手方向軸Bに対して反対の方向に延びる。しかし、レバー30および保持部材50の任意の他の適した相対的な向き提供することができ、それに応じて本体16、特にアーム43が適合されることに留意されたい。
【0031】
保持部材50は、患者の指に支えられながら、患者に別の指でレバー30を作動させることを可能にするように成形および構成される。「指」とは、親指を含む手の5本の指のうちの1本を意味する。この点で、保持部材50は、長手方向軸Bに対して実質的に横断方向に延びる対向する上部接触表面52および下部接触表面53を有する湾曲したタブ51を備える。タブ51は、患者の指の湾曲に実質的に整合する湾曲を有する。タブ51の湾曲は、レバー30が押し下げられるとてことして働くように、レバー30とは反対側へ向けた凹面53Aであると有利である。
【0032】
本発明は、湾曲したタブ51の形の保持部材50に限定されるものではない。保持部材に対して任意の他の適した形状を提供することができ、たとえば保持部材は、弧状のタブ51が一部を形成する1つまたはいくつかのループを備えることができる。
【0033】
図4でわかるように、作動デバイス15の本体16は、ペン型注入器2の胴3の外側表面8に同軸で取り付けられる。具体的には、つば17は、ペン型注入器2の胴3上へスナップ嵌合され、つば17の内側表面19は胴3の外側表面8と接触し、つば17のビード20は胴3の溝21内に係合される。本体16の長手方向軸Bは、ペン型注入器2の中心軸Aに対して同軸であり、本体16の近位部分26は、胴3の近位区分4の近傍に構成される。
【0034】
図示の実施形態では、つば17は、その近位区分4上で胴3へスナップ嵌合されるが、別法として、胴3の任意の他の部分上で嵌合させることもでき、それに応じて壁25の寸法は、胴3の近位区分4の近傍に構成された近位部分26を有するように適合される。
【0035】
図1および2からわかるように、作動デバイス15が取り付けられた後、レバー30は、つば17、壁25、および枢動接続部40を通じて、胴3の近位区分4上に枢動可能に取り付けられる。枢動接続部40と保持部材50は、放射面のうち、保持部材50およびレバー30が延びるのと同じ側に位置する。この放射面は中心軸Aを含み、枢動軸Pは、ペン型注入器2の中心軸Aに対して垂直である。実行可能な位置では、レバー30は、中心軸Aの方へ中心軸Aに対して横断方向に延びる。レバー30の接続端部31は、作動装置10の第1の側に取り付けられ、レバー30の自由端部32は、中心軸Aに関して第1の側とは反対側である作動装置10の第2の側に対して横断方向に突出する。レバー30は、ペン型注入器2の作動装置10を覆い、つまみ36は、作動装置10の上部表面12と接触し、自由端部32は、作動装置10から中心軸Aに対して横断方向に測定した距離を空けて構成される。レバー30は、作動装置10を作動させるように、放射面内で動かすことができる。
【0036】
作動デバイス15のアーム43の内側表面44は、胴3の外側表面8と接触する。湾曲したタブ51の上部接触表面52および下部接触表面53は、ペン型注入器2の中心軸Aに対して実質的に横断方向に延び、凹面は、遠位方向へ、すなわち胴3の遠位区分5の方へ曲がっている。
【0037】
図6aおよび6bに表すように、ペン型注入器2の筐体7内に構成された容器内に含まれる製品を注入するために、注入システム1は、患者によって自身の開いた手60で保持することができる。作動デバイス15の湾曲したタブ51は、中指61に支えられ、レバー30は、レバー30の把持部分37上に配置された患者の別の指、たとえば親指62によって、胴3の近位区分4の方へ押される。これらを提供することで、患者は、手60を閉じることによってペン型注入器2をしっかりと把持する必要がなくなる。さらに、作動装置10から距離を空けてレバー30の自由端部31を構成することで、作動装置10を動かすために作用させる力を低減させる。
【0038】
本発明について、ペン型注入器2上へスナップ嵌合された作動デバイス15に関連して開示したが、他の実施形態では、作動デバイス15は、任意の他の適当な方法で、たとえば胴3の外側表面8へ本体16を締め付け、接着し、または溶接することによって、ペン型注入器2に永久的にまたは着脱可能に取り付けることができる。さらに、保持部材50は、本体16とは別個のものとし、レバー30が接合された本体16から離して胴3上に取り付けることができる。
【0039】
図5は、注入システム1’の第2の実施形態を表す。
第2の実施形態では、ペン型注入器2’は、第1の実施形態のペン型注入器に類似しており、詳細に開示しない。図5では、第1の実施形態の要素に類似している第2の実施形態の要素は、「‘」の印を追加した同じ参照番号で参照する。これらの要素の説明は繰り返さないので、より詳細には、すでに述べた説明を参照されたい。
【0040】
第2の実施形態による注入システム1’は、第1の実施形態の注入システムに対して、組込み構成要素として形成された作動デバイス15’の実現の点で、主に異なる。実際には、第2の実施形態では、レバー30’は、ペン型注入器2’の胴3’の近位区分4’上に直接取り付けられ、同じく弧状のタブ51’の形で表す保持部材50’は、ペン型注入器2’の胴3’と一体化される。
【0041】
レバー30’の接続端部31’は、壁25’上に枢動可能に取り付けられ、壁25’は、胴3’の近位区分4’上に構成され、胴3’の近位部分26’まで延びる。作動デバイス15’は、枢動接続部として蝶番40’を備え、蝶番40’は、枢動軸P’に沿って延びるソケット41’と、ソケット41’内を延びるピン42’とを含む。ソケット41’は、胴3’の近位部分26’上に取り付けられ、ピン42’は、レバー30’の接続端部31’上に取り付けられる。ソケット41’とピン42’の取付けを逆にすることもできる。
【0042】
タブ51’は、胴3’の外側表面8’から突出し、上部接触表面52’および下部接触表面53’は、中心軸A’に対して横断方向に延びる。
第2の実施形態の注入システム1’は、第1の実施形態の注入システム1と同様に機能する。
【符号の説明】
【0043】
1 注入システム
1’ 注入システム
2 ペン型注入器
2’ ペン型注入器
3 胴
3’ 胴
4 近位区分
4’ 近位区分
5 遠位区分
8 外側表面
8’ 外側表面
10 作動装置
15 作動デバイス
15’ 作動デバイス
16 本体
17 つば
26 近位部分
26’ 近位部分
30 レバー
30’ レバー
31 接続端部
31’ 接続端部
32 自由端部
35 突起
36 つまみ
37 把持部分
38 リブ
40 蝶番、枢動接続部
40’ 蝶番
50 保持部材
50’ 保持部材
51 タブ
51’ タブ
53A 凹面
60 手
61 中指
62 親指
A 中心軸
A’ 中心軸
B 長手方向軸
P 枢動軸
P’ 枢動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 注入すべき製品の容器と、作動時に前記容器から1回分の前記製品を排出する注入機構とを収容する胴(3、3’)であって、中心軸(A、A’)に沿って延びる細長い外側表面(8、8’)を有し、近位区分(4、4’)および遠位区分(5、5’)を有する胴(3、3’)と、
− 前記注入機構を作動させる作動装置(10、10’)であって、前記胴(3、3’)の前記近位区分(4、4’)上で前記中心軸(A、A’)に沿って摺動可能に取り付けられた作動装置と
を含むペン型注入器(2、2’)を備える注入システム(1、1’)において、
− 前記胴(3、3’)の前記中心軸(A、A’)に対して実質的に垂直な枢動軸(P、P’)を有する枢動接続部(40、40’)によって、前記胴(3、3’)の前記近位区分(4、4’)に枢動可能に接続されたレバー(30、30’)であって、患者によって作動されると前記作動装置(10、10’)の少なくとも一部を覆って押すように適合されたレバー(30、30’)と、
− 前記枢動接続部(40、40’)から軸方向に距離を空けて前記胴の前記外側表面(8、8’)から放射状に突出する保持部材(50、50’)であって、患者の指(61)に支えられながら、前記患者に別の指(62)で前記レバー(30、30’)を作動させることを可能にするように適合された保持部材(50、50’)と
を備える作動デバイス(15、15’)をさらに備えることを特徴とする注入システム。
【請求項2】
前記保持部材(50)が、遠位方向へ曲がった凹面(53A、53A’)を有する湾曲したタブ(51、51’)を備える、請求項1に記載の注入システム。
【請求項3】
前記レバー(30、30’)が、前記中心軸(A、A’)を含む放射面内で、前記保持部材(50、50’)が延びる方向に動くことができ、前記枢動接続部(40、40’)と前記保持部材(50、50’)が、前記放射面内で前記中心軸(A、A’)の同じ側に位置する、請求項1または2に記載の注入システム。
【請求項4】
前記レバー(30’)が、前記胴(3’)の前記近位区分(4’)上に直接枢動可能に取り付けられ、前記保持部材(50’)が、前記胴(3’)と一体形成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の注入システム。
【請求項5】
前記作動デバイス(15)が、長手方向軸(B)を有し前記胴(3)の前記外側表面(8)に同軸で取り付けられた本体(16)をさらに備え、前記レバー(30)が、前記本体(16)の近位部分(26)上に枢動可能に取り付けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の注入システム。
【請求項6】
前記作動デバイス(15)の前記本体(16)が、前記胴(3)に取外し可能に取り付けられる、請求項5に記載の注入システム。
【請求項7】
前記本体(16)には、前記胴(3)の前記近位区分(4)に係合する取外し可能な取付け手段(17)が設けられる、請求項5または6に記載の注入システム。
【請求項8】
前記取外し可能な取付け手段が、前記胴(3)の前記外側表面(8)上へ同軸でスナップ嵌合されたつば(17)を含む、請求項7に記載の注入システム。
【請求項9】
前記保持部材(50)が、前記作動デバイス(15)の前記本体(16)と一体形成される、請求項5から8のいずれか一項に記載の注入システム。
【請求項10】
注入すべき製品の容器と、前記胴(3、3’)内に収容された注入機構とをさらに備え、前記容器が、関節炎の治療のための薬剤を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の注入システム。
【請求項11】
中心軸(A)に沿って延びる細長い外側表面(8)を有する胴(3)と、前記胴(3)の近位区分(4)上で前記中心軸(A)に沿って摺動可能に取り付けられた作動装置とを有するペン型注入器(2)に取り付けるための作動デバイスであって、
− 長手方向軸(B)を有し、前記胴(3)の前記外側表面(8)に同軸で取り付けられるように適合された本体(16)と、
− 前記長手方向軸(B)に対して実質的に垂直な枢動軸(P)を有する枢動接続部(40)によって、前記本体(16)の近位部分(26)上に枢動可能に取り付けられたレバー(30)であり、患者によって作動されると前記ペン型注入器(2)の前記作動装置(10)の少なくとも一部を覆って押すように適合されたレバー(30)と、
− 前記枢動接続部(40)から軸方向に距離を空けて前記本体(16)から放射状に突出する保持部材(50)であり、患者の指(61)に支えられながら、前記患者に別の指(62)で前記レバー(30)を作動させることを可能にするように適合された保持部材(50)とを備える作動デバイス。
【請求項12】
前記保持部材(50)が、遠位方向へ曲がった凹面(53A)を有する湾曲したタブ(51)を備える、請求項11に記載の作動デバイス。
【請求項13】
前記本体(16)には、前記ペン型注入器(2)の前記胴(3)の前記近位区分(4)に係合するように適合された取外し可能な取付け手段(17)が設けられる、請求項11または12に記載の作動デバイス。
【請求項14】
前記取外し可能な取付け手段が、前記ペン型注入器(2)の前記胴(3)の前記外側表面(8)上へ同軸でスナップ嵌合するように適合されたつば(17)を備える、請求項13に記載の作動デバイス。
【請求項15】
前記保持部材(50)が、前記本体(16)と一体形成される、請求項11から14のいずれか一項に記載の作動デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−200601(P2012−200601A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−63877(P2012−63877)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(597014501)ファイザー・リミテッド (107)
【氏名又は名称原語表記】Pfizer Limited
【住所又は居所原語表記】Ramsgate Road, Sandwich, Kent, England
【Fターム(参考)】