説明

注出容器

【課題】使用者に煩雑な操作を強要することなく、1回の操作により確実な注出を可能にする使い勝手の良好な、新規な注出容器を提供する。
【解決手段】口部を有しその内側に内容物が充填される容器本体と、容器本体の口部に装着されるシェル部材を有し、シェル部材から露出する可動栓の引き上げで、容器本体からの内容物をシェル部材の内側に供給可能とすることにより、内容物の注出を可能にする注出器と、容器本体の口部に着脱可能に取り付けられるキャップとを備え、キャップの内装体31の天壁31aからキャップを閉じたときに可動栓13を取り囲む周壁31bを垂下させると共に、周壁の内面に、キャップを閉じたときに可動栓の外面から膨出するリップ13hに着脱可能に係合する複数のリブ31c1〜31c3を設け、リブを上下方向に沿って間隔を空けて複数設け、その高さを下方に向かうに従って順次低くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体の口部に装着されたシェル部材から露出する可動栓の引き上げで、容器本体からの内容物をシェル部材の内側に供給することにより、当該内容物の注出を可能にする注出器を備え、当該可動栓の引き上げをキャップの取り外しに同期させた注出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
注出容器では、可動栓の先端周りに、外向きに環状に膨出する係合部(第一係合部)を設け、この係合部をキャップの裏面に設けた被係合部(第二係合部)に着脱可能に係合させることで、キャップの取り外しと同時に、可動栓を引き上げるように構成するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3759428号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記係合は一般的に、可動栓に設けた係合部に対してキャップに設けた被係合部をアンダーカット嵌合(段差による引っ掛かりを伴う嵌合)させる構成によって実現されるものであるところから、可動栓の被係合部からキャップの係合部が外れるときには、互いを弾くように外れるため、その反力によって折角引き上げた可動栓を再び押し下げてしまうことがあった。
【0004】
こうした可動栓の下げ戻しは、可動栓を確実に押し上げることで実現される流路形成を妨げるため、折角、キャップを開けると同時に可動栓を引き上げたにもかかわらず、それとは別に再度の引き上げという煩雑な操作を使用者に強制することになる。
【0005】
これに対し、可動栓に対してシェル部材で抵抗を与えて当該可動栓の上下動を規制する方法も考えられるが、この場合、可動栓本来の動作(内容物の貯留及び注出の切り換えを司る上下動)が損なわれてしまうという新たな問題が生じる。
【0006】
また、物を製造するのに際して、寸法誤差等の製品バラツキを免れ得ないが、係合部に対して被係合部を着脱可能に係合させるような構成の場合、そのバラツキが大きく影響することがある。このため、同一規格品として生産したものであっても、被係合部が係合部に掛かり過ぎて互いの係合が解除され難い製品や、反対に、係合部に対する被係合部の掛かりが小さくて互いの係合が解除され易い製品が混在する場合がある。
【0007】
特に、嵌合強度が高く係合を解除し難い製品では、キャップを取り外した後に生じる反力も大きいため、それに起因する可動栓の押し下げも起こり易い。このため、可動栓を引き上げつつも、製造バラツキに関係なく、一定の適切な力で係合を解除することができる製品の需要が高まっている。
【0008】
本発明の目的とするところは、可動栓に設けた第一係合部にキャップの裏側に設けた第二係合部を着脱可能に係合させることで、キャップの取り外しと同時に可動栓を引き上げる構成の注出容器において、使用者に煩雑な操作を強要することなく、1回の操作により確実な注出を可能にする使い勝手の良好な、新規な注出容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の注出容器は、口部を有しその内側に内容物が充填される容器本体と、
この容器本体の口部に装着されるシェル部材を有し、当該シェル部材から露出する可動栓の引き上げで、容器本体からの内容物をシェル部材の内側に供給可能とすることにより、当該内容物の注出を可能にする注出器と、
この注出器の上側に配置される天壁を有し、容器本体の口部に着脱可能に取り付けられるキャップとを備え、
このキャップの天壁から当該キャップを閉じたときに可動栓を取り囲む周壁を垂下させると共に、当該周壁の内面に、当該キャップを閉じたときに可動栓の外面から膨出する第一係合部に着脱可能に係合する第二係合部を設け、キャップの取り外しと同時に、可動栓を引き上げる注出容器であって、
前記第二係合部を上下方向に沿って間隔を空けて複数設け、当該第二係合部の高さを下方に向かうに従って順次低くすることを特徴とするものである。
【0010】
可動栓に設ける第一係合部としては、先端注出口(軸線)周りに環状に膨出させたものや、先端注出口(軸線)周りに間隔を空けて膨出させ、間欠に形成されたもの等が挙げられる。但し、先端注出口(軸線)周りに間隔を空けて膨出させる場合には、キャップに設けた第二係合部との係合が確実に実現されるように配置するのは勿論である。
【0011】
これに対し、キャップに設けた第二係合部も、可動栓を取り囲むように周壁の内面に沿って軸線周りに環状に膨出させたリブや、当該周壁の内面に沿って軸線周りに間隔を空けて膨出させ、間欠に形成された複数のリブ等が挙げられる。第二係合部を間欠のリブとした場合、当該リブ(間欠部分)を、軸線方向に隣り合うリブ(間欠部分)と、軸線周りに互い違いになるように配置できる。但し、周壁の内面に沿って軸線周りに間隔を空けて膨出させる場合にも、可動栓に設けた第一係合部との係合が確実に実現されるように配置するのは勿論である。
【0012】
第二係合部の高さを下方に向かうに従って順次低くするときには、例えば、上下の中間に位置する第二係合部の高さを基準寸法とし、上側にある第二係合部程、その高さを高くする一方、下側にある第二係合部程、その高さを低くする方法が挙げられる。また、当該第二係合部を上下(軸線)方向に設けるに際し、その間隔は、適宜調整できるが、各第二係合部が可動栓の第一係合部との係合を、各々解除し得る間隔を採ることが好ましい。
【0013】
キャップは、単一部材で構成することも、内装体と外装体との二重壁構造からなり、第二係合部を内装体に設けてなるものとすることもできる。キャップは、容器本体から上向きに外す構成であれば、容器本体に対しては、螺着させたものでも、着脱可能にアンダーカット嵌合させたものでもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、キャップの天壁から垂下する周壁の内面に、上下方向(キャップ軸線方向)に沿って間隔を空けて複数の第二係合部を設けたことで、キャップを閉めた状態では、複数の第二係合部のうち、最上段にある第二係合部を可動栓に設けた第一係合部に係合させる。しかも、当該第二係合部の高さは、下方に向かうに従って順次低くなるため、最上段にある第二係合部は、第一係合部に対して最も高い係合力(嵌合強度)を発揮し、他の第二係合部は、下方に向かって順次、その嵌合強度が弱まる構成となる。
【0015】
このため、キャップを引き上げた当初は、複数の第二係合部のうち、最上段にある第二係合部が可動栓の第一係合部に引っ掛かった状態で可動栓を引き上げるが、その嵌合強度を越える力が加わると、当該係合が解除される。このとき、最上段にある第二係合部の高さが可動栓に設けた第一係合部との関係で適正であれば、当該第二係合部と第一係合部との嵌合強度も適正であるため、可動栓の第一係合部が最上段の第二係合部を乗り越えて互いの係合が解除されるときに、可動栓が下向きに弾かれることで、再び押し下げられることはない。
【0016】
これに対し、最上段にある第二係合部の高さが可動栓に設けた第一係合部との関係で適正ではなく、当該第二係合部と第一係合部との嵌合強度が過度である場合には、可動栓は、その第一係合部が最上段の第二係合部との係合の解除に伴い当該最上段の第二係合部によって下向きに弾かれる場合がある。この場合であっても、最上段の第二係合部の下に存在する他の第二係合部が第一係合部と係合することで、再度可動栓を引き上げることが可能である。
【0017】
しかも、当該他の第二係合部は、最上段の第二係合部よりも嵌合強度が弱いため、当初の嵌合強度よりも弱い力で、当該係合が解除される。かかる構成によれば、第二係合部との係合の解除に伴い当該第二係合部によって下向きに弾かれる力(第一係合部に加わる反力)が弱まることで、可動栓の押し下げを抑制することができる。
【0018】
即ち、本発明によれば、キャップの第二係合部を可動栓の第一係合部に係合させることでキャップの取り外しと同時に可動栓を引き上げても、当該係合の解除に伴い可動栓が再び押し下げられることがないため、可動栓を使用者に再び引き上げさせるような煩雑な操作を強要することなく、1回の操作により確実な注出を可能にすることができる。従って、本発明によれば、使い勝手の良好な、新規な注出容器を提供することができる。
【0019】
しかも、キャップの第二係合部又は可動栓の第一係合部に製造バラツキが生じても、キャップに設けた複数の第二係合部のうちのいずれかが、当該係合に係る第一、第二係合部における寸法誤差等のバラツキを補完するため、製造バラツキに関係なく、一定の適切な力で係合を解除することができる。
【0020】
なお、本発明に従えば、キャップに係る第二係合部は、少なくとも上下方向に二段あればよいが、好適には三段以上あれば、より確実にキャップの第二係合部に係合させた可動栓の第一係合部を緩やかに解除することができる。
【0021】
特に、第二係合部を軸線方向に間隔を空けて三段に設ければ、中段に存在する第二係合部での第一係合部との引っ掛かりを基準とすることで、上段に存在する第二係合部では、中段に存在する第二係合部よりも大きく引っ掛かり、下段に存在する第二係合部では、中段に存在する第二係合部よりも小さく引っ掛かる。
【0022】
即ち、少なくとも、第二係合部を軸線方向に間隔を空けて三段に設ければ、寸法公差が大きいときと、小さいときの両方を考慮することができるので、最も単純な構造で、寸法公差の大小を考慮に入れた可動栓の押し下げ防止を実現することができる。また、かかる構成によれば、大量生産を安価に実現することができる。
【0023】
また、第二係合部を、軸線周りに形成された間欠のリブとすれば、係合面積が効率的に削減されるため、係合が外れるに際に生じる弾きの抑制に更に有効である。
【0024】
更に、第二係合部を間欠のリブとした場合には、当該リブを、軸線方向に隣り合う間欠部分が軸線周りに互い違いになるように配置すれば、キャップとの係合機能を確保しつつも軸線方向に隣り合うリブを効率的に接近させることができるので、キャップの設計自由度を高めつつ係合が外れるに際に生じる弾きを抑制することができる。
【0025】
加えて、本発明に係るキャップを、内装体と外装体との二重壁構造とし、第二係合部を内装体に設ければ、内装体を交換するだけで済むため、既存の外装体を流用することで汎用性の高い注出容器とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の注出容器を詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一形態である計量注出容器を側面から示す要部断面図である。また、図2は、同形態に係る計量注出器10を、キャップ30を取り外した状態で示す要部断面図である。更に、図3は、容器本体20の口部21を省略して示す図2のX−X断面図である。なお、図2は、本発明に従う計量注出容器を図3のY−Y断面に相当する断面にて示す。加えて、図4(a),(b)はそれぞれ、同形態に係る計量注出器からの注出が可能な状態及び、その注出時の状態を示す要部断面図である。図5は、キャップ30の内装体31を一部断面で示す正面図である。
【0028】
符号11は、図1に示すように、容器本体20の口部21の外側に装着される装着筒11aを有し当該装着筒11aから上方に膨出するドーム部11b及び当該ドーム部11bから起立する筒状部11cが形成されたシェル部材である。
【0029】
符号12は、シェル部材11の内側に嵌合して当該シェル部材11と口部21とを仕切る仕切壁12aを有する中栓である。仕切壁12aからは、シャフト部12bが軸線Oに沿って起立する。
【0030】
また、仕切壁12aには、図2に示すように、軸線O(シャフト部12b)周りに下向きに窪んだ環状凹部12cが形成されている。環状凹部12cには、図3に示すように、軸線O周りに間隔を空けて、容器本体20の倒立によって当該容器本体20の内容物をシェル部材11の内側に供給する3つの貫通孔(以下、「供給孔」という)A1が形成されている。本形態の供給孔A1は、図2に示すように、環状凹部12cを形作る内筒部12c1と底部12c2との間の領域に形成されている。
【0031】
なお、本形態では、仕切壁12aの裏面(下面)に、口部21の内側を垂下する筒状部12dが一体に設けられている。この筒状部12dの外面には更に、当該外面の一部から膨出し、口部21の内面を液密状態に保持する環状のシール部12eが一体に設けられている。
【0032】
また、本発明によれば、中栓12がシェル部材11の内側に嵌合することで、シェル部材11と中栓12とを一体化させているが、本形態では、仕切壁12aの外縁上部に軸線O周りに環状の嵌合膨出部12fを形成し、この嵌合膨出部12fを、シェル部材11の装着筒11aとドーム部11bとの連結部内側に環状に設けられた嵌合溝部11dにアンダーカット嵌合(段差による引っ掛かりを伴う嵌合)させることで、かかる一体化を実現している。
【0033】
符号13は、シャフト部12bに沿って上下に移動可能に支持される可動栓である。可動栓13は、その内側に貫通孔が形成された筒体からなる。可動栓13を形作る周壁13aは、シャフト部12bを取り囲む大径の可動栓基部13a1と、この可動栓基部13a1と一体に繋がり、当該可動栓基部13a1よりも小径な可動栓本体部13a2とからなる。
【0034】
周壁13aのうち、可動栓基部13a1の内面には、シャフト部12bに摺動可能に接触する内面シール部13bを備える。また、内面シール部13bよりも上方の貫通孔によって先端注出口A2に通じる流路Cが形成される。内面シール部13bは、可動栓基部13a1の内面からシャフト部12bを取り囲むように環状に膨出することで、シャフト部12bとの間の液密性を確保すると共に、シャフト部12bに沿った可動栓13のスムースな上下動も確保する。
【0035】
可動栓13の流路Cには、可動栓基部13a1と可動栓本体部13a2との内径差によって、軸線O周りに内向きに突出する環状段差13cが形成されている。
【0036】
これに対し、シャフト部12bには、その先端外縁を軸線O周りに環状に窪ませてなる環状段差12gが形成されている。この環状段差12gは、可動栓13の環状段差13cと接触することで、可動栓13の下死点を規定する。可動栓13の先端(以下、「可動栓先端」という)13eは、当該可動栓13が下死点にある状態でも、図1等に示すように、シェル部材11の筒状部11cを通って外界に露出する。
【0037】
また、可動栓13には、図2に示すように、可動栓基部13a1と可動栓本体部13a2との外径差によって、軸線O周りに外向きに突出する環状段差13dが形成されている。
【0038】
これに対し、筒状部11cには、その下端内縁を軸線O周りに環状に窪ませてなる環状段差11eが形成されている。この環状段差11eは、可動栓13の環状段差13dと接触することで、可動栓13の上死点を規定する。これにより、可動栓13が上死点に達しても、当該可動栓13は、図2等に示すように、シェル部材11から抜け落ちることがない。
【0039】
なお、筒状部11cの内面には、可動栓本体部13a2を取り囲んで当該内面の一部から一体に膨出する環状のシール部11fが一体に形成されている。シール部11fは、可動栓本体部13a2に摺動可能に接触することで、可動栓本体部13a2との間の液密性を確保すると共に、シャフト部12bに沿った可動栓13のスムースな上下動も確保する。
【0040】
これに対し、中栓12の環状凹部12cは、図1等に示すように、可動栓13を押し下げたときに、その可動栓基部13a1の下端部を収納するように形成されている。このため、本発明では、可動栓13の下端部外面を、環状凹部12cを形作る外筒部12c3の側面fに摺動可能に接触して当該供給孔A1を閉じるシール部として機能させる。
【0041】
特に、本形態では、図2に示すように、可動栓基部13a1の下端部外面の一部を、その軸線O周りに環状に膨出させ、膨出部13fを設け、この膨出部13fを外面シール部(以下、「外面シール部13f」という)とする。これにより、後述のキャップ30の取り外しに伴う可動栓13の引き上げで、図2に示すように、供給孔A1を開いてシェル部材11の内側に容器本体20からの内容物を供給する一方、当該キャップ30の取り付けに伴う可動栓13の押し下げで、図1に示すように、供給孔A1を閉じてシェル部材11の内側に容器本体20からの内容物が供給されることを阻止する。
【0042】
これに対し、可動栓本体部13a2を形作る周壁には、図4に示すように、シェル部材11と中栓12との間に形成された貯留空間Rを流路Cに通じさせる複数の連通孔A3が形成されている。連通孔A3は、可動栓13の引き上げで、図2に示すように、筒状部11cの内面で閉じられるときには、貯留空間R内の内容物を流路Cに導くことなく封止される一方、可動栓13の押し下げで、図4に示すように、貯留空間R内の内容物を当該流路Cに導く。これにより、可動栓13の引き上げで、先端注出口A2に通じる連通孔A3を筒状部11cで閉じる一方、当該可動栓13の押し下げで、連通孔A3を筒状部11cから開くことでシェル部材11内の内容物を先端注出口A2から注出することができる。
【0043】
符号14は、図4に示すように、シャフト部12bの先端に、可動栓13を押し下げたときに、先端注出口A2を流路Cから開閉可能に封止する弾性弁である。弾性弁14は、弁体14aを有し、この弁体14aが波形の弾性部14bを介して一体成形されている。
【0044】
弁体14aは、図4(a)に示すように、先端注出口A2を形作る先端注出口縁部13gに抜け止め保持されるフランジ部14a1と、このフランジ部14a1に一体に繋がり先端注出口A2から露出する押圧部14a2とからなる。
【0045】
押圧部14a2には、その軸線O周りに複数の切り欠き14a3が形成されている。これにより、弁体14aが弾性部14bからの付勢力に抗して可動栓13の流路C内に押し込まれて、フランジ部14a1が先端注出口縁部13gから離間すると、図4(b)に示すように、流路C内の内容物は、先端注出口A2と切り欠き14a3との間の隙間を経て外界に注出することができる。逆に、弁体14aの押し込みを解除すれば、図4(a)に示すように、弁体14aは弾性部14bからの付勢力により先端注出口A2を封止する。
【0046】
また、可動栓13には、その先端注出口A2周りに、外向きに環状に膨出する第一係合部たるリップ13hが設けられている。本形態では、リップ13hをキャップ30の裏側から垂下された周壁31b内面に設けた第二係合部たるリブ31cに着脱可能にアンダーカット嵌合させることで、図2に示すように、キャップ30の取り外しと同時に、可動栓13を引き上げるように構成している。
【0047】
キャップ30は、内装体31と外装体32との二重壁構造である。内装体31は、図1に示すように、計量注出器10の上側に配置される天壁31aを有し、この天壁31aからは、同図に示すように、当該キャップ30を閉じたときに可動栓13を取り囲む周壁31bが一体に垂下している。
【0048】
周壁31bの内面には、図5に示すように、当該内面の一部を軸線O周りに間隔を空けて膨出させ、間欠に形成されてなる複数のリブ31cが一体に設けられている。本形態のリブ31cは、後述のように、軸線O方向に三段に配置され、図1に示すように、キャップ30を閉じたときに可動栓13のリップ13hに着脱可能にアンダーカット嵌合する。
【0049】
図6(a),(b)はそれぞれ、図5に示すキャップ30に係るリブ31cを示す要部断面図及び、リブ31cを有する周壁31bをその内側から展開した状態で示す要部展開図である。
【0050】
リブ31cは、図6に示すように、上下方向(軸線O)に沿って間隔を空けて三段に設けられている。更に詳細には、図6(a)に示すように、最上段に存在するリブ(以下、「第1リブ」という)31c1は、その突出高さH1が最も高く、それから下方に向かって順次、低くなっている。即ち、中段に存在するリブ(以下、「第2リブ」という)31c2は、その高さH2が第1リブ31c1よりも低く(H2<H1)、最下段に存在するリブ(以下、「第3リブ」という)31c3は、その高さH3が第2リブ31c2よりも低く(H3<H2)構成されている。従って、各リブ先端によって形成されるキャップ周壁の内径は、第1リブ31c1<第2リブ31c2<第3リブ31c3の関係となっている。
【0051】
符号L1,L2はそれぞれ、第1リブ31c1と第2リブ31c2との軸線O方向での間隔(以下、「軸線方向間隔」という)及び、第2リブ31c2と第3リブ31c3との軸線O方向での間隔(以下、「軸線方向間隔」という)である。なお、本形態では、軸線方向間隔L1及びL2を等しく構成している。
【0052】
第1リブ31c1は、図6(b)に示すように、周壁31bの内面に沿って、軸線O周りに間隔D1を空けて断続的に設けられている。また、第3リブ31c3も、同図に示すように、周壁31bの内面に沿って、軸線O周りに間隔D1を空けて断続的に設けられている。特に、本形態では、同図に示すように、第1リブ31c1及び第3リブ31c3を軸線Oに沿って整列する位置に設けている。
【0053】
これに対し、第2リブ31c2も、図6(b)に示すように、周壁31bの内面に沿って、軸線O周りに間隔D2を空けて断続的に設けられているが、本形態では、第2リブ31c2を、同図に示すように、第1リブ31c1及び第3リブ31c3に対して軸線O周りに互い違いとなるように設けている。なお、本形態では、第2リブ31c2を、第1リブ31c1と第3リブ31c3との中間の位置に配置している。
【0054】
ここで、図7(a)〜(c)はそれぞれ、リブ31cとリップ13hとの関係を模式的に示す作用図である。なお、以下の説明では、第2リブ31c2の高さH2を基準寸法として第2リブ31c2がリップ13hと係合すべきところ、リップ13hが第2リブ31c2に引っ掛からない状態を「掛り小」の状態と、また、リップ13hが第2リブ31c2に引っ掛かる状態を「中心値」の状態とし、更に、リップ13hが第2リブ31c2に対して過度に引っ掛かる状態を「掛り大」の状態とする。
【0055】
図7(a)は、「掛り小」状態での作用図である。この場合、キャップ30と可動栓13との係合は、製品バラツキ等の影響により実質、第1リブ31c1がリップ13hに対して引っ掛かり代ΔC1をもってアンダーカット嵌合していることで達成されている。このため、キャップ30を引き上げた当初は、複数のリブ31cのうち、第1リブ31c1がリップ13hに引っ掛かった状態で可動栓13を引き上げるが、その嵌合強度を越える力が加わると、当該引っ掛かりが解除される。
【0056】
この場合、従来のように、リブ31cが第2リブ31c2のみの単体構造であれば、そもそもキャップ30の取り外しに伴い可動栓13を引き上げることができないところ、本発明に従えば、第1リブ31c1がリップ13hに引っ掛かるため、キャップ30の取り外しに伴い可動栓13を引き上げることができる。
【0057】
加えて、そもそもの引っ掛かり代ΔC1が小さく、第1リブ31c1とリップ13hとの嵌合強度も適正であるため、第1リブ31c1からリップ13hの引っ掛かりが解除されても、可動栓13の押し下げを生起させる程の反力は生じない。また、キャップ30の取り外しに伴い第1リブ31c1の下に存在する第2リブ31c2が上昇しても、リップ13hを掠める程度で通過し、可動栓13に押し下げ方向の反力を生じさせない。
【0058】
従って、製品バラツキ等の影響により、第2リブ31c2がリップ13hに対して「掛り小」の状態であっても、キャップ30の取り外しと同時に可動栓13を引き上げることができ、しかも、当該係合の解除に伴い可動栓13が再び押し下げられることがない。
【0059】
図7(b)は、「中間値」の状態での作用図である。この場合、キャップ30と可動栓13との係合は、第2リブ31c2がリップ13hに対して引っ掛かり代ΔC2をもって適正にアンダーカット嵌合できる状態であるが、実際にキャップ30を閉じた状態では、第1リブ31c1がリップ13hに対して引っ掛かり代ΔC1をもってアンダーカット嵌合していることで達成されている。
【0060】
このため、キャップ30を引き上げた当初は、第1リブ31c1がリップ13hに引っ掛かった嵌合強度が高めの状態で可動栓13を引き上げるが、その嵌合強度を越える力が加わると、当該引っ掛かりが解除される。この場合、可動栓13は、そのリップ13hが第1リブ31c1との係合の解除に伴い当該第1リブ31c1に下向きに弾かれることで、再び押し下げられる場合がある。しかし、第1リブ31c1の下に存在する第2リブ31c2が再度リップ13hと係合することで、適正な嵌合強度での可動栓13の引き上げを達成する。
【0061】
つまり、第2リブ31c2は、第1リブ31c1よりも可動栓13のリップ13hに対する嵌合強度が弱く、可動栓13の押し下げを生起させない程度の嵌合強度であるため、第1リブ31c1よりも弱い力(適正な引っ掛かり代ΔC2)で、当該係合が解除される。また、キャップ30の取り外しに伴い第2リブ31c2の下に存在する第3リブ31c3が上昇しても、リップ13hを掠める程度で通過し、可動栓13に押し下げ方向の反力を生じさせない。
【0062】
従って、製品バラツキ等の影響により、第1リブ31c1がリップ13hに対して「中間値」の状態であっても、キャップ30の取り外しと同時に可動栓13を適正に引き上げることができ、しかも、当該係合の解除に伴い可動栓13が再び押し下げられることがない。
【0063】
図7(c)は、「掛り大」の状態での作用図である。この場合、キャップ30と可動栓13との係合は、第3リブ31c3がリップ13hに対して引っ掛かり代ΔC3をもってアンダーカット嵌合できる状態であるが、この場合も、実際にキャップ30を閉じた状態では、第1リブ31c1がリップ13hに対して引っ掛かり代ΔC1をもってアンダーカット嵌合していることで達成されている。
【0064】
このため、嵌合強度が過度に高く、キャップ30を引き上げた当初は、複数のリブ31cのうち、第1リブ31c1がリップ13hに引っ掛かった状態で可動栓13を引き上げるが、その嵌合強度を越える力が加わると、当該引っ掛かりが解除される。
【0065】
この場合、可動栓13は、そのリップ13hが第1リブ31c1との係合の解除に伴い当該第1リブ31c1に下向きに弾かれることで、再び押し下げる場合がある。これは、第2リブ31c2とリップ13hとの係合でも同様である。
【0066】
更に、キャップ30を引き上げると、第3リブ31c3がリップ13hに引っ掛かった状態で可動栓13を引き上げるが、その嵌合強度を越える力が加わると、当該引っ掛かりが解除される。
【0067】
この場合、第3リブ31c3は、第1リブ31c1、第2リブ31c2よりも嵌合強度が弱いため、これらよりも弱い力で、当該係合が解除される。ここで、引っ掛かり代ΔC3が適正であれば、当該リブ31c3とリップ13hとの嵌合強度も適正であるため、第3リブ31c3からリップ13hの引っ掛かりが解除されても、可動栓13の押し下げを生起させる程の反力は生じないので、可動栓13の押し下げを抑制することができる。
【0068】
従って、製品バラツキ等の影響により、第2リブ31c2がリップ13hに対して「掛り大」の状態であっても、キャップ30の取り外しと同時に可動栓13を適正に引き上げることができ、しかも、当該係合の解除に伴い可動栓13が再び押し下げられることがない。
【0069】
なお、本形態では、キャップ30を内装体31と外装体32との二重壁構造とし、この内装体31に、リブ31c及び押圧用突起31dを設けているが、キャップ30は単一部材からなるキャップであってもよい。
【0070】
また、本形態では、可動栓13の押し下げに関しても、キャップ30の裏側に押圧用の突起31dを設けることで、キャップ30を閉めたときに、図1に示すように、この押圧用突起31dが可動栓13の先端13eを押し下げるように構成している。
【0071】
次に、本形態の作用を説明する。
【0072】
本形態では、図1に示す状態からキャップ30を外すべく、当該キャップ30を回して引き上げると、キャップ30に三段に設けたリブ31c1〜31c3のうち、いずれかのリブ31cが可動栓13のリップ13hに引っ掛かっているため、可動栓13もいっしょに引き上がる。リブ31cとリップ13hとの引っ掛かりは、リブ31c1〜31c3のうちのいずれか、好適な係合時(適正な嵌合強度)において外れるため、最終的には、図2に示すように、可動栓13を上死点まで引き上げた後、当該係合が解除されることに伴い可動栓13が押し戻されることなく、キャップ30は容器本体20の口部21から外れる。
【0073】
この引き上げで、当該可動栓13は、図2に示すように、連通孔A3を筒状部11cで閉じると共に供給孔A1を開く。これにより、その先端注出口A2が下向きになるように、容器本体20ごと倒立させれば、容器本体20の内容物は、その口部21から供給孔A1を経てシェル部材11と中栓12との間に形成された貯留空間R内に供給される。
【0074】
次いで、可動栓13を頭皮等に当てる等して再び押し込めば、可動栓13は、その外面シール部13fを介して中栓12の環状凹部12cの外筒部12c3との気密性を確保しながら下降することで、図4(a)に示すように、シェル部材11に押し込まれた状態になり、供給孔A1は、同図に示すように封止されるものの、連通孔A3は、貯留空間Rを流路Cに連通させる。
【0075】
しかしながら、本形態では、図4(a)に示すように、弁体14aが弾性部14bからの付勢力により先端注出口A2を封止し続ける。これにより、シェル部材11と中栓12との間の貯留空間に一定量の内容物を閉じ込めることができる。即ち、本形態では、従来と同様の操作で、常に一定量の内容物を計量することができる。
【0076】
しかも、可動栓13を押し込んだ状態でも、当該可動栓13の先端注出口A2は、図4(a)に示すように弾性弁14で封止されるため、計量を行ったり、注出対象物まで移動させても、内容物が先端注出口A2から飛散することがない。
【0077】
内容物の注出に際しては、図4(b)に示すように、可動栓13から突出する弁体14aを被注出部(被塗布面)に押し当てて押し込めば、従来と同様、かかる計量済みの内容物を、その押し込み時間に応じた小出しの注出が可能となる。
【0078】
本発明では、キャップ30の天壁31aから垂下する周壁31bの内面に、上下方向に沿って間隔を空けて複数のリブ31c1〜31c3を設けたことで、キャップ30を閉めた状態では、複数のリブ31c1〜31c3のうち、第1リブ31c1を可動栓13に設けたリップ13hに係合させる。しかも、当該リブ31cの高さH1〜H3は、下方に向かうに従って順次低くなるため、第1リブ31c1は、リップ13hに対して最も高い係合力(嵌合強度)を発揮し、他のリブ31c2,31c3は、下方に向かって順次、その嵌合強度が弱まる構成となる。
【0079】
このため、キャップ30を引き上げることによって、最終的には適正な嵌合強度のリブ31c1〜31c3と、リップ13hとの係合によって可動栓13を引き上げることになり、当該リップ13hに対する前記係合の解除によって、可動栓13が再び押し下げられることはない。
【0080】
即ち、本発明によれば、キャップ30のリブ31cを可動栓13のリップ13hに係合させることでキャップ30の取り外しと同時に可動栓13を引き上げても、当該係合の解除に伴い可動栓13が再び押し下げられることがないため、可動栓13を使用者に再び押し上げさせるような煩雑な操作を強要することなく、1回の操作によって確実な注出を可能にすることができる。従って、本発明によれば、使い勝手の良好な、新規な計量注出容器を提供することができる。
【0081】
しかも、キャップ30のリブ31c又は可動栓13のリップ13hに製造バラツキが生じても、キャップ30に設けた複数のリブ31c1〜31c3によって、当該係合部分に係る寸法誤差等のバラツキを補完するため、製造バラツキに関係なく、一定の適正な力で係合を解除することができる。
【0082】
なお、本発明に従えば、キャップ30に係るリブ31cは、少なくとも二段であればよいが、好適には三段以上であれば、キャップ30のリブ31cに係合させた可動栓13のリップ13hを更に緩やかに解除することができる。
【0083】
但し、本形態の如く、第二係合部を軸線O方向に間隔を空けて三段に設ければ、中段に存在する第二係合部31c2でのリップ13hとの引っ掛かりを基準とすることで、上段に存在する第二係合部31c1では、第二係合部31c2よりも大きく引っ掛かり、下段に存在する第二係合部31c3では、第二係合部31c2よりも小さく引っ掛かる。
【0084】
即ち、少なくとも、第二係合部を軸線O方向に間隔を空けて三段に設ければ、寸法公差が大きいときと、小さいときの両方を考慮することができるので、最も単純な構造で、寸法公差の大小を考慮に入れた可動栓13の押し下げ防止を実現することができる。また、かかる構成によれば、大量生産を安価に実現することができる。
【0085】
また、第二係合部を、軸線O周りに形成された間欠のリブ31c1〜31c3とすれば、係合面積が効率的に削減されるため、係合が外れるに際に生じる弾きの抑制に更に有効である。
【0086】
更に、第二係合部を間欠のリブ31cとした場合には、当該リブ31cを、軸線O方向に隣り合う間欠部分が軸線周りに互い違いになるように配置すれば、キャップ30との係合機能を確保しつつも軸線O方向に隣り合うリブ31c1〜31c3を効率的に接近させることができるので、キャップ30の設計自由度を高めつつ係合が外れるに際に生じる弾きを抑制することができる。
【0087】
加えて、本形態の如く、キャップ30を、内装体31と外装体32との二重壁構造とし、第二係合部を内装体に設ければ、内装体31を交換するだけで済むため、既存の外装体32を流用することで汎用性の高い注出容器20とすることができる。
【0088】
上述したところは、本発明の一形態を示したに過ぎず、特許請求の範囲内において、種々の変更を加えることができる。例えば、可動栓のリップは、その先端周りに設けられているが、その位置は適宜変更することができる。また、キャップに配置されるリブの個数やその配置間隔も適宜変更することができる。更に、可動栓の外観形状は、本形態の如くの円筒形状ではなく、角形状とすることもできる。
【実施例】
【0089】
下記の表1は、第二係合部が単一の環状リブからなる従来の注出容器(比較例)と、第二係合部が軸線周りに形成された間欠のリブとしてなり、かかる第二係合部を軸線方向に互い違いになるように三段に配置した上述した本発明の実施形態に従う注出容器(実施例)との比較結果を示す。
【0090】
【表1】

【0091】
表1の「アンダーカット」の項目は、リブ及びリップの構成を示す。同項目中の「形状」では、比較例である単一リブを「ノーマル」として示し、また、本実施例の三段構造を「複数」として示す。
【0092】
更に、「掛り代(片側)」とは、第一係合部であるリップと第二係合部であるリブとを係合させたときの、図7にて示すところの引っ掛かり代ΔC1〜ΔC3(設計値)であり、その単位系はmm(ミリメートル)である。なお、表1中、上段のリブは、「1段目」として、また、下段のリブは、「3段目」として示す。
【0093】
また、本実施例の比較では、「サンプル」の項目に示すように、比較例及び実施例共に、掛り代毎にそれぞれ、1番〜3番(表中は、「#1」〜「#3」として表記)の3つのサンプルを用いた。
【0094】
更に、「開閉スピード」とは、キャップの回転速度ではなく、軸線O方向に沿った上昇速度である。軸線方向に沿って、30mm/秒で上昇する場合を基準(普通)とし、3mm/秒で上昇する場合及び60mm/秒で上昇する場合をそれぞれ、「ゆっくり」、「早く」と定義する。
【0095】
「○」は、試験の結果、可動栓が押し下がることなく、最適な状態でキャップを開けることができた場合を示し、また、「△」は、可動栓が僅かに押し下がるものの、密閉性の確保には何ら問題なく、定量注出を支障なく実現できた場合を示す。但し、「×」は、可動栓が押し下がって密閉性そのものを維持できずに、定量注出に支障がでる場合を示す。
【0096】
表1に示す結果からも明らかなように、比較例では、いずれの掛り代の場合も、可動栓の押し下げが生じているのに対し、実施例は、そのいずれの掛り代の場合でも、キャップの引き上げ速度を問わず、可動栓の押し下げを生じることがない。従って、本発明によれば、可動栓を再度、引き上げることなく、定量注出を行うことができることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、一定量だけ計量した後、かかる計量済みの内容物を小出しに注出することが求められるものに採用することができ、その内容物には、例えば、育毛剤等の薬液や化粧液等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の一形態である計量注出容器を側面から示す要部断面図である。
【図2】同形態を、キャップを取り外した状態で示す要部断面図である。
【図3】図2のX−X断面図である。
【図4】(a),(b)はそれぞれ、同形態からの注出が可能な状態及び、その注出時の状態を示す要部断面図である。
【図5】同形態に係るキャップの内装体を一部断面で示す正面図である。
【図6】(a),(b)はそれぞれ、同形態に係るキャップに係るリブを示す要部断面図及び、同リブを有する周壁をその内側から展開した状態で示す要部展開図である。
【図7】(a)〜(c)はそれぞれ、本発明に従うリブとリップとの関係を模式的に示す作用図である。
【符号の説明】
【0099】
10 計量注出器
11 シェル部材
11a 装着筒
11b ドーム部
11c 筒状部
11d 嵌合溝部
11e 環状段差
11f 環状シール部
11g 係止段部
12 中栓
12a 仕切壁
12b シャフト部
12c 環状凹部
12c1 凹部内筒部
12c2 凹部底部
12c3 凹部外筒部
12e 環状シール部
12f 嵌合膨出部
12g 環状段差
13 可動栓
13a 可動栓周壁
13a1 可動栓基部
13a2 可動栓本体部
13b 内面シール部
13c 内側環状段差
13d 外側環状段差
13e 可動栓先端
13f 外面シール部
13g 先端注出口縁部
13h リップ(第一係合部)
14 弾性弁
14a 弁体
14a1 フランジ部
14a2 押圧部
14a3 注出用切り欠き
14b 弾性部
20 容器本体
21 容器本体口部
22 係止突起
30 キャップ
31 キャップ内装体
32 キャップ外装体
31a 天壁
31b 周壁
31c リブ(第二係合部)
31c1 第1リブ
31c2 第2リブ
31c3 第3リブ
31d 押圧用突起
1 供給孔
2 先端注出口
3 連通孔
C 流路
h 貫通孔
R 貯留空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部を有しその内側に内容物が充填される容器本体と、
この容器本体の口部に装着されるシェル部材を有し、当該シェル部材から露出する可動栓の引き上げで、容器本体からの内容物をシェル部材の内側に供給可能とすることにより、当該内容物の注出を可能にする注出器と、
この注出器の上側に配置される天壁を有し、容器本体の口部に着脱可能に取り付けられるキャップとを備え、
このキャップの天壁から当該キャップを閉じたときに可動栓を取り囲む周壁を垂下させると共に、当該周壁の内面に、当該キャップを閉じたときに可動栓の外面から膨出する第一係合部に着脱可能に係合する第二係合部を設け、キャップの取り外しと同時に、可動栓を引き上げる注出容器であって、
前記第二係合部を上下方向に沿って間隔を空けて複数設け、当該第二係合部の高さを下方に向かうに従って順次低くすることを特徴とする、注出容器。
【請求項2】
請求項1において、第二係合部を軸線方向に間隔を空けて三段に設けたことを特徴とする、注出容器。
【請求項3】
請求項1又は2において、第二係合部は、軸線周りに形成された間欠のリブであることを特徴とする、注出容器。
【請求項4】
請求項3において、軸線方向に隣り合う間欠部分を軸線周りに互い違いになるように前記リブを配置したことを特徴とする、注出容器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項において、キャップは、内装体と外装体との二重壁構造からなり、第二係合部を内装体に設けてなることを特徴とする、注出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−95308(P2010−95308A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270034(P2008−270034)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】