説明

注射器、注射器群および計量装置

【課題】注射器シリンダ用収容部中に軸方向通気経路を有する心出し素子と注射器ピストン用の軸方向に変位可能なピストン収容部からなる計量装置と共に使用するための注射器を提供する。
【解決手段】注射器は、注射器ピストンと、底部に出口を含む注射器シリンダと、収容部中に挿入するための外周上の頂部にある心出しフランジと、注射器ピストンが密閉して案内される、第1内径を有する出口に接続された円筒状ピストン運動領域と、少なくとも注射器シリンダの上端から少なくとも3mmの距離において、第1内径を超えて第2内径を有し、少なくとも16.2mmの心出し素子を挿入するための心出し領域を含み、また上端にある注射器ピストンは、ピストン収容部中に挿入するための連結片を持っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量装置と共に使用するための注射器および注射器群に関し、注射器または注射器群と共に使用するための計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ピペット類は、液体を計量し、移動するための計量装置である。それらは、液体を注射器中に引き込むために、また該液体を注射器から徐々に排出させるために、注射器と共に使用される反復ピペットまたはマルチピペットとして、しばしば設計されている。反復ピペットは、特に、反復ピペットの反復機構を開示している特許文献1および特許文献2から公知である。この公報では、注射器を反復ピペットに固定することも開示している。この目的のために、該注射器には、側部において開口し、ピペットのほぼU字形の溝の中へ側部から挿入可能とした注射器フランジを備えている。前記注射器は、軸方向の圧力ばねにより、この挿入された注射器フランジを、溝に固定している。前記注射器には、注射器ピストンを、ピペットのピストン調節装置に接続させるために、2個の顎部間で注射器ピストンの端部を受け入れる挿入要素が存在する。各顎部は、作動レバーがハウジングから開口を介して突出されているフラップ形状の締め付け部材によって、注射器ピストンに対して押しつけることができる。この注射器を固定する方法は、注射器をピストン調節装置に挿入し、連結するために、および/または分離して取り除くために、注射器を取り扱わなければならないという欠点を有する。
【0003】
特許文献3および特許文献4は、ピペット中に軸方向に容易に挿入可能であり、および/またはピペットから取り外しされる注射器を用いる手動操作により適したピペットシステムを提案している。このピペットシステムは、締め付け部と注射器ピストンを含む注射器と、ピペットとを備え、このピペットは、ピペットハウジングに、締め付け部の収容部と、注射器ピストンおよび/またはそこへ接続されたピストン棒を有する収容体を含む。さらに、前記ピペットは、締め付け部と注射器ピストンをそれぞれの収容部に可逆的におよび/または取り外し可能に固定するための締め付け装置が存在しており、ピペットハウジング中に収容体を変位させるためのピストン調節装置が存在している。締め付け部および注射器ピストンは、各収容部の軸方向の開口部を介して、それぞれの締め付け位置に押し込むことができる。
【0004】
締め付け装置は、締め付け部と注射器ピストンを締め付け位置に固定するために、半径方向に配置することが可能な保持装置を有する。保持装置は、ピペットハウジング内に回転可能に取り付けられている注射器保持レバーと、収容体内に回転可能に取り付けられているピストン保持レバーを有する。注射器保持レバーとピストン保持レバーは、保持アームおよび操作アームとを有する2本アーム式に設計され、前記注射器保持レバーは、それらの操作アームの内面上に接触点を含み、それらは、それらの操作アームの作動により、ピストン保持レバーの操作アームに対して、外側に回転可能になり、ピストン保持レバーを作動させる。
【0005】
結果として、注射器とピペットとは、純粋に軸方向の相対移動により、互いに接続され、また操作アームを作動することにより、互いから離れる事ができる。1つの実施形態によれば、締め付け部は、注射器フランジであり、またさらなる実施形態によれば、注射器ピストンは、保持装置のかげで噛み合うためのピストンフランジを有している。
【0006】
特許文献5および特許文献6からは、単一アクチュエータの作動だけで、注射器をピペットから解放することが可能である特許文献3によるピペットの実施形態が知られている。
【0007】
エッペンドルフ社からこの計量システムの市販のマルチピペット(登録商標)(プラス/ストリーム/X−ストリーム)の実施形態は、コムビチプス(登録商標)(プラス)注射器を含み、このコムビチプスは、内側に、ピストン運動領域を持つシリンダと該シリンダの上端における注射器フランジを有する。この注射器には、種々の充填体積(0.1ml、0.2ml、0.5ml、1ml、2.5ml、5mlおよび10ml)が提供されている。充填体積が、注射器中に受けられるようにおよび/または数ミリメートルのオーバーストロークプラス50mmのエッペンドルフ社のマルチピペット(登録商標)の最大ピストン調節経路を用いてそこから排出されるように、ピストン運動領域の内径が寸法決めされている。したがって、10mlの名目上の体積を持つ注射器において、ピストン運動領域の内径は15.96mmである。より小さい注射器の場合には、ピストン運動領域の内径はそれに対応してより小さい。小さい注射器のシリンダは、ピストン運動領域の上端において円筒形の広がりを持ち、いずれの場合にもその内径は、15.96mmよりもかなり小さく、全てより小さくなると、注射器の充填体積はより小さくなる。円筒状広がりに対する1つの理由は、結果として、ピストンの深さ停止がシリンダ中で作られ、これによって、シーリングリップをシリンダの低い前面上に配置することにより、ピストンシーリングリップに対する損傷が起きることを避けられるということである。さらなる理由は、小さい注射器では、計量システム中に挿入された連結片の下にあるピストン領域は厚くなるように設計されており、特に、収納状態におけるピストン棒の坐屈に対する抵抗を結果として増加させるために、羽片として設計されているということである。
【0008】
フランジから進行して、シリンダは、その周囲に外側に突出した4つの軸方向に伸びたリブを有し、それらは、周囲に亘って、均一に分配されている。底部において、リブは、トレーまたは箱の先端の穴上に、支持用の各1つの肩を持っている。異なる充填体積の注射器が、トレーまたは箱の均一な穴中に挿入可能とされるように、異なる充填体積を有する注射器の肩が、シリンダの軸から同じ距離にある。
【0009】
公知の計量システムは、低い測定偏差で、正確な計量を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】ドイツ特許第2926691C2号
【特許文献2】米国特許第4406170号
【特許文献3】ドイツ特許第4341229C2号
【特許文献4】米国特許第5620660号
【特許文献5】ドイツ特許出願第102005023203号
【特許文献6】米国特許出願第2006263261A1号
【特許文献7】欧州特許第0657216B1号
【特許文献8】米国特許第5620661号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこから進行して、本発明の目的は、計量装置と共に使用するための注射器および注射器群、注射器または注射器群と共に使用するためのさらにより正確な計量を可能にする計量装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、請求項1の特徴を持つ注射器によって達成される。
【0013】
注射器シリンダ用収容部中に軸方向通気経路を持った心出し素子と注射器ピストン用の軸方向に変位可能なピストン収容部を備える本発明による計量装置と共に使用される注射器は、注射器ピストンと、底部に出口を備える注射器シリンダと、収容部中に挿入するための外周上の頂部にある心出しフランジと、注射器ピストンが密閉して導かれる、第1内径を有する出口に接続された円筒状ピストン運動領域と、少なくとも注射器シリンダの上端から少なくとも3mmの距離において、第1内径を超えて第2内径を有し16.2mm以上および17.7mm以下の心出し素子を挿入するための心出し領域とを含み、および上端にある注射器ピストンは、ピストン収容部中に挿入するための連結片を有する。
【0014】
上記目的は、請求項8の特徴を有する注射器群によってさらに達成される。
【0015】
注射器シリンダ用収容部中に軸方向通気経路を持った心出し素子と注射器ピストン用の軸方向に変位可能なピストン収容部とを備える本発明による計量装置と共に使用される注射器群は、異なる充填体積を有する複数の注射器であって、いずれの場合にも、注射器シリンダと注射器ピストンとを含む注射器と、注射器シリンダは、底部に出口と、外周上の頂部には収容部への挿入用の心出しフランジと、注射器ピストンが密封して導かれる出口に接続された円筒状ピストン運動領域と、少なくとも注射器シリンダの上端から少なくとも3mmの距離において、心出し素子を挿入するための心出し領域とを含む注射器シリンダと、ピストン収容部中に挿入するための連結片を含む上端における注射器ピストンと、内部に適合する輪郭を有する異なる充填体積を備えた注射器の心出し領域とを含む。
【0016】
複数の注射器は、10ml、5ml、2.5ml、1ml、0.5ml、0.2mlおよび0.1mlの充填体積を持つ注射器の群から選択されるのが好ましい。
【0017】
異なる充填体積を有する注射器の心出し領域は、適合する輪郭を持っている。所定の同一の心出し輪郭に調整された同一および/または異なる形状が、心出し領域における“適合する輪郭”によって理解される。したがって、適合する輪郭を有する注射器は、心出し輪郭を有する計量システムの1つおよび同一の心出し素子と共に、協働するのに適している。
【0018】
上記目的は、請求項11の特徴を有する計量装置によって、さらに達成される。
【0019】
注射器シリンダと注射器ピストンとを備える注射器と共に使用するための本発明による計量装置であって、注射器シリンダは、底部に出口と、外周上の頂部に心出しフランジと、注射器ピストンが密封して案内される出口に接続された円筒状ピストン運動領域と、さらに、注射器ピストンの上端において、心出し領域と連結片を含み、または複数の注射器を含む注射器群と共に使用することを特徴とする計量装置は、心出しフランジを締め付け位置中に軸方向に挿入するために、軸方向に開口部を備える注射器シリンダの心出しフランジ用の収容部と、注射器シリンダを、心出し領域中に軸方向に挿入するために、軸方向の通気経路を有する軸方向開口部と並列された収容部中に配列された心出し素子と、連結片を締め付け位置に軸方向で挿入するために、ピストン収容部を有する収容体と、収容部内およびピストン収容部内のそれらの締め付け位置で、心出しフランジおよび連結片を解放可能に保持するための締め付け装置と、心出しフランジおよび連結片を締め付け位置に保持するための半径方向に位置決め可能な保持装置を含む締め付け装置と、収容体をハウジング中で変位させるためのピストン調節装置とを備えるハウジングを有する。
【0020】
注射器、注射器群および計量装置の有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0021】
“頂部における”および“底部における”という用語は、計量時に、注射器が底部において出口とまた頂部において心出しフランジと垂直に保持される、注射器の好ましい配列を指している。
【0022】
計量装置は、特に手動でおよび/またはモータで駆動される、操作可能な計量装置および/または静的な計量装置であってもよい。特に、それは、ピペット、反復ピペット、ディスペンサ、計量台または自動計量装置であってもよい。好ましくは、それは、ディスペンサである。
【0023】
本発明による注射器は、本発明による計量装置に可逆的な方法で容易に固定できる。この目的のために、注射器を、軸方向で、計量装置中に挿入し、計量装置の収容部中の心出しフランジを保持するために、半径方向に位置決めできる保持装置により心出しフランジを保持し、またピストンロッドを保持するために、半径方向に位置決めできる保持装置によりピストン収容部中の連結片上で注射器ピストンを保持する。保持装置による心出しフランジの保持および連結片の保持は、計量装置の収容部中に注射器を軸方向に挿入することにより、制御してもよい。この目的のために、特許文献3および特許文献4に開示されているように、計量装置を設計してもよい。前述の特許の計量装置に関する実施形態は、本願に組み入れられている。
【0024】
計量装置の中に注射器を挿入する場合に、心出し素子は、心出し領域を軸方向に貫通し、心出し領域の内側に対して半径方向に位置する。心出し素子および心出し領域のそれぞれの寸法および配列は、注射器シリンダが、挿入された心出し素子によって心出しされるように、互いに調整される。結果として、心出し領域を有する注射器シリンダは、それが保持装置によって容易にかつ確実に保持されるように、収容部の中に正確に案内される。
【0025】
心出し素子上への心出し領域の位置付により、注射器シリンダの心出し領域における変形を修正してもよい。特に、心出し素子は、非円形状の注射器シリンダを修正して、理想的な円形を形成する。心出し領域は、正確な計量に決定的なピストン運動領域のすぐ近くに、またはピストンの密封縁への損傷を緩和する遷移領域のすぐ近くに置かれているので、心出し領域の修正は、計量精度に積極的に作用する。非円形シリンダは、円形シリンダとは異なる断面積を持っており、結果として計量誤差につながる。特に、円形形状により、シリンダにおける注射器ピストンの密閉の堅固さひいては計量の精度が改善される。改変された断面積による非円形注射器シリンダは、特に、収容ストロークの最後においてまた初期放出ストロークの間では、注射器ピストンを通って空気が流れ、また少量の液体が受け取られかつ/または放出されるという結果をも有することになる。この欠点は本発明により克服される。
【0026】
さらに、心出し素子上への心出し領域の導入が、計量装置に対する注射器の誤った配置と装填下の計量装置に対する注射器の傾きを抑制する。計量システムの保持装置により、注射器が傾いた配置で保持されるときには、誤った配置が、従来の計量システムの場合に起こりうる。計量中に出口近傍の注射器が接触力によって壁に触れるとすれば、装填下の傾きが、従来の計量システムの場合に起こりうる。このタイプの放出は、壁放出として知られている。特に、注射器からの落下破壊による一様でない誤差を避けるために、それは小さな放出体積で使用される。結果として、注射器シリンダは注射器ピストンに対して回転され、それにより液体が放出され、計量誤差が生じる。さらに、傾いた注射器シリンダの中のピストンの密閉の減少した堅牢度は、計量の精度を損なうおそれがある。以前に公知の注射器および計量装置の不利な特徴も同様に本発明により克服される。
【0027】
注射器の心出しに際して、心出し素子は、注射器シリンダの上端から離れたところで心出し領域に対して位置付けされることが重要である。心出し素子が、注射器ピストン中に対応して深く噛み合うときにのみ、全てを心出し領域の周りに位置付けかつ注射器シリンダの非円形状を修正し、それを配置しかつ支持することが可能となり、このようにして、傾きを避けることができる。注射器の上端において心出しフランジにより注射器シリンダを強固にすることは、ピストン運動領域における非円形断面の修正に対して作用する。このようにして、本発明による注射器の心出し領域の少なくとも16.2mmの第2の内径および/または本発明による注射器群の注射器の心出し領域が、少なくとも注射器シリンダの上端から少なくとも3mmの距離、すなわち、ピストン運動領域および/または遷移領域のすぐ近くに存在する。このようにして、心出し領域は、ピストン運動領域に極近接して特徴づけられる。
【0028】
注射器ピストンは、心出し素子の軸方向流入経路を経由して、連結片を用いて挿入され、その結果、注射器ピストンは、注射器シリンダから引き抜かれる。状況に応じて、ピストン収容部は、連結片と連結するために、心出し素子の軸方向通気経路中で噛み合う。
【0029】
心出し領域における内径が少なくとも16.2mmであることは、15.96mmまでのピストン運動領域の内径を用いて、10mlまでの充填体積を持つ注射器が、50mmの最大ピストン調整経路プラス数ミリメートルのオーバーストロークを持つ計量装置中に、挿入されることが確かなものとなる。このようにして、全ての現在の充填体積の注射器は、本発明によってカバーされることになる。より大きな充填体積(例えば、25〜50ml)は、注射器シリンダの大きな径を、計量装置の収容部の小さな径に減少させるアダプタを使用するときには可能となる。アダプタは、把握されるまた処理される小さな注射器の可能性を手助けするから、小さな体積の注射器の場合でも有用である。アダプタは、心出し領域を有することが好ましい。結果として、このアダプタも計量装置中で心出しされ、したがって、注射器を配置させ、それを支持し、また特に壁放出の間に、注射器の傾きを避けることになる。
【0030】
本発明は、注射器シリンダが、一体となっている注射器を含む。さらに、本発明は、注射器シリンダが、幾つかの部分に分かれる注射器を含む。特に、本発明は、注射器シリンダが、ピストン運動領域と低い部分上での出口と心出しフランジおよび、例えば、差し込み、スクリューおよび/またはスナップ接続により、低い部分に接続されていてもよい上部の心出し領域を有する注射器を含む。上部は特に、アダプタであってもよい。
【0031】
本発明による注射器の心出し領域の内径は、ピストン運動領域の内径を超え、その結果、射出成形する間、注射器シリンダは、より均一にプラスチック材料で充填され、したがって、寸法的にもより安定させることが可能である。すなわちピストン運動領域と心出し領域の間の内径の工程変化は、流下制動を生じ、それは、心出し領域の下に注入された熱いプラスチックの塊を、最初は注射器シリンダの下部を充填し、またピストン運動領域を均一に、続いて心出し領域および心出しフランジを充填するように強制することが好ましい。結果として、ピストン運動領域中での注射器シリンダの寸法安定性ひいては計量の精度が改善される。
【0032】
さらに、ピストン運動領域および心出し領域の間の内径における工程変化により、注射器が計量装置に接続されていないときには、注射器シリンダ中に完全に挿入された注射器ピストンを、ピストン運動領域中の頂部に案内することができる。この目的のために、連結片の下に配置された注射器ピストンの案内領域の外径は、ピストン運動領域の内径にほぼ対応してもよい。案内領域の外径は、少なくとも注射器ピストン(例えば0.1mm)および注射器シリンダ(例えば、0.1mm)の許容範囲の合計だけ、ピストン運動領域の内径未満であるべきである。心出し領域におけるより大きい内径により、注射器ピストンと心出し領域の間に、ギャップが残り、そこへ、心出し素子を挿入してもよい。このようにして、注射器が計量装置に接続され、心出し素子が広げられた心出し領域中において噛み合いそして該領域を充填するときには、ピストン運動領域における内径に対して、心出し領域中の内径を広げることにより、注射器中の注射器ピストンの心出しが確保される。計量装置から離れた注射器中の注射器ピストンの心出しおよび案内は、十分に挿入された注射器ピストンの案内領域がピストン運動領域に対して位置付けられ、案内されるので、広げられた心出し領域にもかかわらず、および/または遷移領域に対して小さな体積を持つ注射器(例えば、1mlおよびそれ以下)中で設けられる。
【0033】
計量装置から離れた注射器中の案内領域による注射器ピストンの心出しは、注射器シリンダ中の注射器ピストンの傾きと部分的不可逆拡大による注射器ピストンおよび/または注射器シリンダの密封領域中での変形を回避し、これにより計量誤差が回避される。
【0034】
ピストン運動領域中での頂部における注射器ピストンの案内は、外側に突出しかつ軸方向に伸びた注射器ピストンのウィングにより、および/または注射器ピストンの連結片の下のディスクにより、行われてもよい。該ディスクは、さらに、ピストン運動領域の被覆を行ってもよく、それは、ピストンのシールを破壊し、かつ/または計量される液体を汚染するおそれのある埃の注射器シリンダの中への貫通を抑制する。
【0035】
さらに、心出し領域とピストン運動領域の間における内径における工程変化は、注射器ピストンと注射器シリンダが製造時に共に接合されるとき、力の測定により、許容範囲が簡単な方法でモニタ可能となる。注射器ピストンの直径が大きすぎると、接合工程の間、すなわち、注射器ピストンが密封領域を有する心出し領域を貫通するとき、またその後、密封領域がピストン運動領域を貫通するときには、2つの力の増加が測定される。ピストンの直径が許容範囲の上限を超えない場合には、力の増加は、密封領域がピストン運動領域を貫通するときにのみ測定される。単純で明瞭な測定により、注射器ピストンの直径が、許容範囲の上限を超えるかどうかおよび注射器ピストンを放棄しなければならないかどうかということがこのように確立される。注射器ピストンの非真円度が直径の拡大として確立されているので、許容範囲の上限が維持されたことをモニタすることが特に重要である。このようにして、非円形密封領域のために、計量誤差を生じる注射器ピストンの使用を回避してもよい。注射器ピストンおよび注射器シリンダの許容範囲がテストされるので、許容範囲の上限を超える場合には、全注射器を廃棄することが好ましい。したがって、本発明は、許容範囲をテストする方法も含んでいる。
【0036】
第1内径を有する円筒形ピストン運動領域と第1内径を超える第2内径を有する心出し領域を備える注射器の許容範囲をテストする本発明の方法によれば、注射器ピストンを注射器シリンダの中に挿入するとき、注射器ピストンを注射器シリンダの中に挿入するための力を測定し、また注射器ピストンを心出し領域の中に挿入する力が許容範囲の上限を超える場合に、注射器ピストンおよび/または注射器シリンダを廃棄する。
【0037】
使用後、保持装置を作動させることにより、計量システムから注射器を容易に分離することが可能である。分離は、軸方向運動で行ってもよい。心出しの結果として、分離をより容易に行うことが可能なように、収容部の中の注射器シリンダの締め付けを回避する。特に、保持装置を取り外した後、注射器はそれ自身の重みにより計量システムから脱落する。このことは、状況に応じて、弾性的停止部により補助されてもよく、また該停止部に対して注射器シリンダの心出しフランジを固定してもよい。
【0038】
本発明による注射器の心出し領域の中での内径は、ほぼ17.7mmである。心出し領域における内径を17.7mmの最大値に限定することにより、注射器を受け皿の中に保持するとき、エッペンドルフ社からマルチピペット(登録商標)タイプの従来のディスペンサにより注射器を保持可能であることが達成される。これらの計量システムにおいては、保持装置は、注射器フランジを取り外し可能に固定するためのフック形状の保持端部を有し、共に回転する状態におけるその内部縁は、互いから20.8mmの間隔を有している。注射器には、受け皿中で、板から突出している支持スリーブが設けられてよい。注射器を、支持スリーブの穴の中に挿入し、注射器シリンダを、支持スリーブ中の心出し領域の外周上に導く。注射器保持レバーが、支持スリーブ上にしっかりと固定されないように、支持スリーブの外径を、それが、共に回転する保持端部間の距離未満になるように選択する。支持スリーブの最少壁厚みと、注射器シリンダを支持スリーブ中に挿入するためのクリアランスと心出し領域中の注射器シリンダ用の最少壁厚みを考慮に入れて、心出し領域中での内径は、17.7mm程度である。
【0039】
注射器は、プラスチック材料、特に熱可塑性材料から製造されることが好ましい。好ましくは、熱可塑性材料は、ポリオレフィン群から選択される。好ましいポリオレフィンは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)のみならず、COCまたはCOPと略される環状オレフィン(共)重合体である。1つのプラスチック材料および同一のプラスチック材料または異なるプラスチック材料から、注射器およびピストンを製造してもよい。特に、改善された摩擦組み合わせにより、ピストンはPEで作られ、シリンダはPPで作られており、逆でもよい。
【0040】
本発明による注射器は、心出し素子を持っていないエッペンドルフ社からのマルチピペット(登録商標)タイプの従来のディスペンサ中に使用してもよいように、設計されている。
【0041】
本発明による注射器の有利な効果は、原理的には、本発明による注射器群の中の注射器の中に設けられている。注射器群の異なる充填体積を持つ注射器において、心出し領域は、それらが同一の計量装置を用いて使用されるように、同一の所定の心出し輪郭に形成される輪郭を有しており、その心出し素子は、心出し輪郭を含んでいる。いずれの応用においても、ユーザは、適当な充填体積を持つ注射器を使用することができ、その計量精度は、常に計量装置中での各注射器の心出しによって改善される。
【0042】
この目的のために、好ましくは、注射器群の異なる充填体積を持つ注射器が、心出し領域において同一輪郭を有する。しかし、該輪郭が1つのおよび同一の心出し輪郭に沿うように作られるという条件で、それらは少なくとも部分的に異なる輪郭をも有してよい。例えば、円筒状の輪郭および多角形の輪郭が同一の円筒状心出し素子に沿うように作られ、その結果、これらの異なる輪郭が設けられている心出し領域が1つおよび同一の心出し素子によって心出しされてよい。このようにして、注射器群の異なる充填体積を持つ注射器の心出し領域が、同一の所定の心出し輪郭に沿うように作られる機能的に適合する輪郭を有している。したがって、心出し領域における“適合する輪郭”により、所定の心出し輪郭、すなわちそれに補完するものを有する計量装置の同一心出し素子と協働する同一のおよび/または異なる輪郭および/または形状が理解される。特に、このことは、異なる充填体積(例えば、10ml、5ml、2.5ml、1ml、0.5ml、0.2mlおよび0.1ml)を持つ個々の部材間で、異なる充填体積を持つ複数の注射器を備える注射器群において、異なる輪郭および/または形状が心出し領域に存在し、それらは、いずれにせよ、計量システムの同じ心出し素子がそこで噛み合い、それに対して耐え、かつこのようにして、注射器シリンダの起こりうる非真円度を修正するのみならず、注射器を配列させかつ支持するということに特性づけられた全てのものであるということを意味している。
【0043】
本発明の1つの実施形態によると、群の個々の部材に対する注射器群内において、心出し領域中での適合する輪郭および/または形状は、円錐形中空体、凸状中空体、ピラミッド状中空体、楕円形外部ベースおよび/または断面積を持つ円柱状中空体、多角形円柱、特に円柱状8角形中空体、周辺のおよび/または部分的に周辺のリブまたは突起を持つ中空体、少なくとも2つの平坦な内面を持つ中空体、および/または少なくとも2つの割線により交差している中空体、突起、飾り鋲、突出を持つ中空体、および楕円形中空体、またそれらの組み合わせの群から選択される。好ましい組み合わせは、周辺ビーズを持つ円錐形、例えば円環面として、突起または円形の隆起した部分を有する円錐形と円筒形のみならず円錐形との組み合わせである。
【0044】
本発明の1つの実施形態によると、心出し素子の所定の心出し輪郭も、前記の群から選択される。
【0045】
好ましい実施形態によると、心出し領域中の注射器群の注射器は、16.2mm以上および17.7mm以下の内径を有する。
【0046】
原理上、注射器群は、10mlの充填体積を持つ注射器を有してよく、この注射器は、ピストン運動領域および心出し領域において、15.96mmの同じ内径を有する。16.2mm以上の第2内径は、本発明による注射器群の注射器の有利な実施形態であり、またそれは、10mlの充填体積を持つ注射器も、ピストン運動領域中におけるよりも大きな内径を持つ心出し領域の利点を有することを確証している。
【0047】
1つの実施形態によると、円筒形のピストン運動領域中の注射器シリンダは、心出し領域中よりも壁厚みが大きい。結果として、特に有効な流れ制動が、直径工程変更の領域における熱いプラスチック塊の流れの偏向のために流れ抵抗を増加させるために、流下減少断面による流れ抵抗の増加という結果として達成される。
【0048】
さらなる実施形態によると、注射器シリンダは、心出し領域の上端において円錐形の挿入領域、および/または心出し領域と円筒状ピストン運動領域の間に円錐形の遷移領域を有する。円錐形の挿入領域および/または円錐形の遷移領域は、ピストン運動領域に挿入される場合に、注射器ピストンを案内し、その結果、ピストンの密閉領域は正しく挿入されかつ損傷がない。好ましくは、挿入領域および/または遷移領域は、注射器シリンダの軸に対して15〜30°の角度である。特に好ましくは、挿入領域角度が、ほぼ15°で遷移領域の角度が、ほぼ25°であるのが好ましい。より小さい注射器(例えば、最大5mlの充填体積を持つ)においては、心出し領域中での内径が、注射器ピストンの無接触での挿入に対し十分大きくまた注射器ピストンが、単に遷移領域のみを通してピストン運動領域中に正確に挿入されるので、挿入領域を無しとしてもよい。
【0049】
様々な方法で心出し領域を設計してもよい。自由形状面または制御面として、内部上にそれを設計してもよい。“自由形状面”によれば、数学的には正確に記述されない面が、理解されるが、制御面は、数学的に正確に記述される。好ましくは、それは、内部上に、回転面の輪郭および/または形状(例えば、円筒状面、球状面、双曲線面、放物線面)を持っている。好ましくは、心出し領域は、注射器の垂直軸から0.5〜5°、特に2°の円錐角を持つわずかに円錐状である。心出し領域の輪郭および/または形状は、内部にスムースに形成してもよい。本発明の1つの代替実施形態によると、心出し領域は、内部上で、突起および/または凹所を持つ輪郭を持っており、輪郭中に刻まれたより大きな仮想円は、第2の内径を含んでいる。より大きな刻まれた仮想円は、心出し素子の外径に相当する。心出し素子の補完的心出し輪郭および/または形状と協働して、心出し領域の輪郭および/または形状は、注射器シリンダの潜在的に非円形形状を修正し、また注射器ピストンの配置および支持を行い、またそれにより、注射器シリンダ中のピストンの傾きを抑制する。さらに、心出し領域の輪郭および/または形状と心出し素子の補完的心出し輪郭および/または形状との協働により、注射器番号および/または反捩じり防御を感知するセンサに対して、注射器番号の正確な配置を可能にする。反捩じり防御は、注射器番号を感知するためのセンサを損傷するかもしれない計量装置中の注射器の回転を抑制する。該輪郭は、心出し領域中への心出し素子のスムースな挿入に役立てるために、注射器シリンダと心出し素子の間の摩擦を減少させるために、さらに役立っている。
【0050】
輪郭および/または形状は、正反対に互いに対抗する2つの点上でのみ、より大きな刻まれた/投影された仮想円に対し接線となり、それにより、心出しは、既に達成されている。好ましくは、それが、2点以上で円に対して接線となる。好ましくは、点は円の円周に亘り均一に分配されている。
【0051】
注射器群の注射器と協働する計量システムの心出し素子は、16.2〜17.7mmの外径および/または0.4〜2.5mmの壁厚みを持ち、および/または心出しフランジの上面に対する停止部に対して、2.2〜6mmだけ突出している。
【0052】
1つの実施形態によると、心出しフランジは、21〜24.2mmの外径および/または3.2〜5.4mmの高さを有しており、および/または心出し領域は、少なくとも注射器シリンダの上端から最少3mmおよび最大6mmの距離で置かれている。このことにより、エッペンドルフ社からのマルチピペット(登録商標)タイプの市販のディスペンサ中に、注射器を挿入できる。
【0053】
1つの実施形態によれば、注射器は、体積10ml、5ml、2.5ml、1ml、0.5ml、0.2mlおよび0.1mlから選択される充填体積を持つ。心出し領域は、検量システムの心出し素子上への正確な心出しを常に確保している。
【0054】
1つの実施形態によれば、注射器ピストンは、連結片の下にディスクおよび/または軸方向に伸びるウィングを持っており、またディスクおよび/またはウィングおよび心出し領域の間に、0.5〜2.5mmのギャップ幅を持つ環状ギャップが存在している。ディスクは、注射器シリンダ中への埃の貫通を抑制し、またディスクおよび/またはウィングは、ピストン運動領域中での頂部に注射器シリンダを案内している。ギャップ幅0.5〜2.5mmを持つ環状ギャップにより、心出し素子がディスクおよび/またはウィングと注射器シリンダの間に配置されることが、確かなものとなり、ディスクおよび/またはウィングが、心出し素子中に挿入される。
【0055】
特に、心出し素子は、低分子量の円環面または中空円筒であってもよい。さらに、線形接触または表面接触が心出し領域で可能になるように、それは、大きい高さの中空円筒として、または中空球として、またはさらに連続回転体として形成されていてもよい。もちろん、多点接触が好都合である。このように、心出し素子は、特に、ピラミッド状、または多角形円筒であってもよく、該ピラミッドまたは多角形円筒は、如何なる数の隅を持つこともできる(例えば、8)。好ましくは、心出し素子は、円筒状、特に円形円筒状、または特に、0.1〜2.5°、特にほぼ1°の円錐角を持つわずかに円錐状である。さらに、好ましくは、下端における心出し素子は、円錐状挿入領域を持っている。
【0056】
さらなる実施形態によると、心出し素子は、外側上に、突起および/または凹所を持つ輪郭を有し、また輪郭が囲む最少の円が第2内径を含んでいる。この輪郭は、注射器の補完的輪郭を用いて連結してもよい。結果として、注射器番号は、計量装置のセンサを用いて直接に配列される。さらに、結果として、符号化装置中で注射器が捩れるのを防ぐ反捩じり防御が行われる。さらに、スムースな心出し領域との協働により、心出し素子を注射器中に挿入するときに該輪郭は摩擦を削減する。
【0057】
1つの実施形態によると、心出し素子は、収容部に対して強固に、または収容部に対して弾性的に軸方向に配列される。強固な配置は、弾性的配置に比べ、計量装置に対して注射器のより強固な導入を生み出す。強固な配置は、心出しフランジがその上面と共に運ぶ弾性的停止部が、計量装置からの注射器の取り外しを補助するという利点を持っている。強固な配置の利点は、注射器が、基板上、例えば容器の端にある力を用いて置かれるとき、例えば、既に考察した壁放出のピペット採取技術の場合に通常であるように、傾きを防ぐということである。弾性的心出し素子は、心出しチューブを収容部中に挿入するときに、配置エラーを補完する。好ましい実施形態によると、心出し素子は、心出しフランジに対する弾性的停止部に固定されることにより、収容部に対して弾性的となる。
【0058】
1つの実施形態によると、心出し領域と接触領域を持つ心出し素子は、16.2〜17.7mmの外径および/または0.4〜2.5mmの壁厚みを持ち、および/または心出しフランジの上面に対する停止部に対して、2.2〜6mmだけ突出している。この情報は、注射器が挿入されていないときの計量装置の状態に言及しているのであり、また互いに対して弾性的でありまた互いに対して強固である心出し素子と停止部の両配置を含んでいる。もし停止部が、センサプレートとして形成されるときには、情報は、状況に応じて接触素子が突出しているセンサプレートのベースに言及している。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1a】10mlの充填体積を持つ注射器の側面図。
【図1b】図1aの注射器の上面図。
【図1c】図1aの注射器の下面図。
【図1d】図1aにおけるA−A線に沿った縦断面図。
【図1e】図1dの拡大詳細図。
【図1f】図1aにおける注射器ピストンおよび注射器シリンダへの解体図。
【図1g】図1dにおける注射器シリンダを示す図。
【図1h】図1d、図1eにおける注射器シリンダを示す図であり、心出し領域の変異体を説明する図。
【図2a】0.1mlの充填堆積を持つ注射器の側面図。
【図2b】図2aの注射器の上面図。
【図2c】図2aの注射器の下面図。
【図2d】図2aにおけるA−A線に沿った縦断面図。
【図2e】図2dの拡大詳細図。
【図2f】図1aにおける注射器ピストンおよび注射器シリンダへの分解図。
【図3a】注射器の側面図であり、上領域での断面構造を示す図。
【図3b】図3aの拡大詳細図。
【図4a】0.1mlの充填容積をもつ注射器の注射器シリンダを射出成型するための射出成型機を示す図であり、注射器シリンダを射出成型中の状態を示す図。
【図4b】図4aの射出成型機を示す図であり、注射器シリンダを取り出す際の状態を示す図。
【図5】2つの異なる挿入位置で注射器ピストンを有する10mlの充填体積を持つ注射器の縦断面図。
【図6】力/経路図中の挿入経路に依存して、生産変化により異なる寸法を持つ2つの注射器ピストンを、図5の注射器シリンダの中に挿入するための力を示すグラフ。
【図7】4つの異なる挿入位置で、テスト径および注射器ピストンとして使用される3つの実質的に円筒状の心出し部分からなる心出し領域を持つ注射器の縦断面図。
【図8】力/経路図中の挿入経路に依存して、生産変化により異なる寸法を持つ4つの注射器ピストンを、図7の注射器の注射器シリンダ中に挿入するための力を示すグラフ。
【図9】図1〜図8により説明した注射器を使用するのための計量装置を示す図であり、特にディスペンサを、下からまた横から斜めに見た斜視図。
【図10】図9に示す計量装置の軸方向流入経路を持つ心出し素子を有する弾性的上部停止部の拡大斜視図。
【図11】注射器シリンダの拡大斜視図であり、隣接注射器と軸方向流入経路で結ばれた心出し素子を有する図10に示す弾性的上部停止部を示す図。
【図12】注射器が挿入されて保持している図9に示す計量装置を、注射器シリンダと共に、下からまた横から斜めに見た斜視図であり、一部断面構造を示す図。
【図13】別の計量装置の収容部に対して強固に配置された軸方向流入経路を持つ心出し素子を有する弾力的上部停止部の拡大斜視図。
【図14a】心出し領域中の軸方向伸展凹所を持つ注射器の平面図。
【図14b】図14aの注射器の縦断面図。
【図14c】図14aの凹所に対応する補完である隆起した部分を持つ心出し素子を示す図であり、下からまた横から斜めに見た斜視図。
【図15】注射器用受け皿上に配置された異なる注射器の縦断面。
【図16a】アダプタを含む注射器の側面図。
【図16b】図16aの注射器の平面図。
【図16c】図16aの注射器の上面図。
【図16d】図16aの注射器の縦断面図。
【図17a】保持板に接続された非弾性心出しリングを持つ計量装置の説明図。
【図17b】支持板を用いて飛び出した弾性力のある心出しリングを持つ計量装置の説明図。
【図18a】従来のディスペンサを用いたテストおよび弾性力のあるおよび/または非弾性的心出し素子を用いたテストの測定結果を示す表。
【図18b】図18aの測定結果を示すグラフ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下の記述では、互いに対応する異なる例示的実施形態の一部に、点によって分離される複数の参照番号、すなわち、点が一致する前に位置付けられる数字および点が、それぞれの例示的実施形態を示した後に、位置付けられる数字が与えられる。まとめると、互いに対応する異なる例示的実施形態の一部が、一致する数字によって単純に示される。
【0061】
図1a〜図1hにより、10mlの注射器1.1は、注射器ピストン3.1が配置されている注射器シリンダ2.1を有する。注射器シリンダ2.1は、形状の観点において、厳密には決して円筒型ではない。注射器シリンダ2.1は、内側に円筒状ピストン運動領域5.1を持つ円筒状シリンダ部分4.1を外側に有する。
【0062】
シリンダ部分4.1は、中央穴7.1を持つベース6.1を、底部に持っている。穴7.1の端は、内側も外側も小さな円錐形の角度を持つ円錐である注射器部分8.1に接続されており、またそれは、底部には、内部および外部にもより円錐形である円錐部分9.1を持っている。注射器部分8.1および注射器部分8.1は、下方に向けて徐々に先細りになっている。
【0063】
シリンダ部分4.1は、内部および外部にも円筒形であるかまたはわずかに円錐形である心出し領域11.1に対して、内部および外部にも円錐形である短い遷移領域10.1を通して頂部に接続されている。
【0064】
心出し領域11.1は、実質的に円形のディスク形状のベアリング部13.1と実質的に円筒形の周辺部分14.1を持っている心出しフランジ12.1に頂部で接続されている。ベアリング部13.1は、ベアリング表面15.1を持っている。このことは、1つ以上の決められた位置に配置されている軸方向に配列された走査表面の形状で、符号化を持っている。この符号化は、特許文献7および特許文献8に記載されているように設計してもよい。上で示された公告された特許の明細書からそれに関係する例示的実施形態の説明は、本特許出願中に含まれている。
【0065】
さらに、心出し領域11.1の上の注射器シリンダ2.1は、上方に向けて広がる円錐形挿入領域16.1を持っている。
【0066】
シリンダ部分4.1と、ベース部分6.1と、注射器部分8.1と遷移領域中において、注射器シリンダ2.1は、ほぼ均一な壁厚みを持っている。
【0067】
注射器シリンダ2.1は、プラスチック材料から1片で製造されている。好ましくは、熱可塑性プラスチックを射出成形することによって製造される。熱可塑性プラスチックは、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンまたは環状オレフィン(共)重合体であり、ポリプロピレンが、安定性の特性により好ましい。
【0068】
注射器ピストン3.1は、周辺密閉リップ18.1を円周上に持つ平面状円筒形および/または円形ディスク形状のピストン部分17.1を持っている。底部では、ピストン部分17.1が、それと共に円錐形状に、または注射器部分8.1のような類似の小さな円錐形角を持って形成されるピストン注射器部分19.1に接続されている。
【0069】
注射器ピストン3.1は、ピストンロッド20.1を用いて、頂部に設けられている。ピストンロッド20.1は、頂部に連結片21.1を持っている。連結片21.1は、半径方向に突出している複数の周辺ピストンフランジ22.1を持っており、その間には、周辺溝23.1が、存在している。
【0070】
ピストンロッド20.1上の連結片21.1の下には、円形ディスク形状に形成されたディスク24.1が、配置されている。
【0071】
ピストンロッド20.1上のディスク24.1の下には、ピストンロッド20.1の周辺に亘り均一に分配されている4つの半径方向に突出したウィング25.1が、置かれている。頂部では、ウィング25.1は、ディスク24.1に接続されまた底部では、ピストン部分17.1に接続されている。ウィング25.1は、ピストンロッド20.1に平行な外部端26.1を、ディスク24.1に隣接して持っている。ここで、ウィング25.1は、最も幅広い。第1斜面27.1は、ウィング25.1の幅が減少する内側に続く。入れ替わって、ピストンロッド20.1に平行な外部端28.1が続く。底部では、ウィング25.1は、さらなる斜面29.1を持ち、その中では、ウィング25.1の幅がさらに減少する。
【0072】
注射器ピストン3.1は、プラスチック材料で継ぎ目なしで製造されることが好ましい。さらに好ましくは、熱可塑性プラスチックから射出成型される。例えば、それは、ポリエチレンまたはポリプロピレンから製造されるが、ピストン中のポリエチレンとシリンダ中のポリプロピレンの対をなす材料は、低い摩擦力であるから、ポリエチレンが、好ましい。ポリプロピレンは、その高い強度のためにシリンダ用に好ましい。
【0073】
注射器シリンダ2.1のおよび注射器ピストン3.1のそれぞれの円筒部分および領域は、円形で円筒状である。
【0074】
もし注射器ピストン3.1が、注射器シリンダ2.1中に完全に挿入されると、ピストン部分17.1が、ベース6.1上に置かれ、またピストン注射器部分19.1と注射器部分8.1との間には、小さな環状のギャップが残る。外部端26.1は、遷移領域10.1を経由して、ピストン運動領域5.1の上端から、心出し領域11.1中へと伸びている。ディスク24.1は、心出し領域11.1中の底部で噛み合っている。外部端26.1とピストン運動領域5.1の間には、小さな環状ギャップが残り、その結果、注射器ピストン3.1が、注射器シリンダ2.1中へ傾くのを、外部端26.1が防ぐ。ディスク24.1および/または外部端26.1および心出し領域11.1の間には、わずかに大きい環状ギャップ290.1が存在する。連結片21.1は、心出し領域11.1中に部分的に配列され、また頂部において、心出しフランジ12.1を超えて突出する。
【0075】
上記の情報も、原理上は、異なる充填体積を持つ注射器1.2〜1.7に対して適応される。注射器1.2〜1.7の特異性は、次の記述から明らかとなる。
【0076】
図2a〜図2fにより、0.1mlの注射器1.2は、注射器シリンダ2.2および注射器ピストン3.2を持っている。注射器シリンダ2.2は、形状の観点からは、厳密には、決して円筒形ではない。それは、底部には、内部も外部も円筒形である円筒部分4.2を持っており、それは、円筒形ピストン運動領域5.2を内側に持っている。
【0077】
円筒形部分4.2の下端は、内側および外側で円錐形である注射器部分8.2に接続されており、それは、より円錐形の円錐部分9.2として形成されている。円筒形部分4.2の上端は、内側および外側で円錐形である遷移領域10.2に接続されている。遷移部分10.2の上端は、内側および外側で円筒形である心出し領域11.2に接続されている。
【0078】
心出し領域11.2は、同様に、上端で心出しフランジ12.2に接続されている。心出しフランジ12.2は、内部端で心出し領域11.2に接続されている実質的に円形のディスク形状ベアリング部13.2を持っている。さらに、心出しフランジ12.2は、上端でベアリング部13.2の外端に接続されている実質的に円筒状の周辺部分14.2を持っている。
【0079】
ベアリング部13.2は、ベアリング表面15.1に対応するベアリング表面15.2を、頂部で持っている。
【0080】
注射器ピストン3.2は、長い円筒状のピストン部分17.2を持っており、またそれは、周辺上の底部において、周辺密封リップ18.2を持っている。ピストン部分17.2は、底部において、ピストン注射器部分19.2に接続され、それは、頂部で、円筒部分を持ちまた底部で円錐形部分を持っている。
【0081】
ピストン部分17.2には、頂部で連結片21.2を持っているピストンロッド20.2が設けられ、また該連結片は、連結片21.1に従って形成される。
【0082】
ディスク24.2は、ピストンロッド20.2上で連結片21.2の下に配置される。ディスク24.2の下には、4つのウィング25.2が、ピストンロッド20.2から、半径方向に突出しており、それらは、ピストンロッド20.2の周囲を超えて均等に分配されている。ウィング25.2は、頂部において、ディスク24.2の下側に接続されており、丁度ピストン部分17.2上で底部において終了している。それらは、各場合において、頂部では、ピストンロッド20.2に平行な外端26.2を持っており、また各場合において、底部では、斜面27.2を持っている。
【0083】
ピストン3.2を、完全に注射器シリンダ2.2中に挿入すると、斜面27.2は、遷移領域10.2上の内側に置かれる。注射器シリンダ2.2のピストン注射器部分19.2と円錐部分9.2の間には、小さな環状のギャップが残る。ディスク24.2を、心出し領域11.2中の底部に配置する。心出し領域11.2とディスク24.2の間には、小さな環状のギャップ290.2が存在する。連結片21.2は、心出し領域11.2中に部分的に配置されまた心出しフランジ12.2の先の頂部において、突出している。
【0084】
図1aおよび図2aにより、注射器1.1,1.2は、心出しフランジ12.1,12.2上に、上方に次第に先細りになっている半径方向で外側に突出している配置突起30.1,30.2を持っている。配置突起30.1,30.2は、頂部において放物線輪郭を持っている。例中では、各場合において、配置突起30.1,30.2が、心出しフランジ12.1,12.2の周囲を超えて均一に分配されている。
【0085】
図1eおよび図2eにより、頂部にある心出し領域11.1,11.2は、16.2〜17.7mmの内径を持ち、また6mmの深さdまで伸びている。さらに、ピストン運動領域5.1,5.2は、15.96および/または1.60mmの内径bを持っている。心出しフランジ12.1,12.2は、3.2〜5.4mmの高さeのみならず21〜24.2mmの外径bを持っている。連結片21.1,22.2は、心出しフランジ12.1,12.2に対してほぼ13.5mmだけ突出している。ピストンフランジ22.1,22.2の領域において、連結片21.1,21.2は、7〜7.2mmの直径gを持ち、また溝23.1,23.2の領域においては、好ましくは5mm未満の直径を持っている。この領域が、好ましくは、交差した突出構造として、量を削減するために設計されている。
【0086】
図1gにおいて、10ml注射器1.1の心出し領域11.1の特別な寸法が与えられている。したがって、心出し領域11.1は、16.2mmの最小直径と17.7mmの最大直径とを持っている。心出し領域11.1は、心出しフランジ12.1の上面から3mmの距離でスタートし、また3mmの軸方向長さに亘り伸びている。図1g中では、注射器シリンダ2.1も、心出し領域11.1中で垂直に区切られているが、心出し領域11.1は、平行線模様も無く示されている。
【0087】
図1hも、縦断面の注射器シリンダ2.1を示しており、そこでは、心出し領域11.1が、原理的には異なる幾何学的配置を採用しているので、心出し領域11.1は、平行線模様も無く示されている。この自由形状表面または形状制御表面の好ましい実施形態は、全注射器シリンダ2.1を経由して縦断面に近接して、右への部分断面で示されている。全体で、6個の幾何学的配置が設けられ、そのうち3個が、部分的縦断面で図示されており、またさらに3個が、心出し領域11.1を経由して、半断面で図示されている。
【0088】
最上の部分縦断面は、円錐形で形成された心出し領域11.11を示している。第2の縦部分断面は、凸として示される心出し領域11.12を示している。第3の縦部分断面は、(状況により円形)リブまたは突起が設けられている周辺のおよび/または部分的に周辺の心出し領域11.13を示している。この最後のタイプの実施形態も、離型補助として役立つ。
【0089】
最低の空欄縦部分断面は、注射器シリンダ2.1を経由して心出し領域11.1に向けて、下から眺める方向を図示しており、それは、異なる幾何学的配置で形成してもよい。このようにして、異なる実施形態は、半横断面ではるか右に示されている。横断面が、左に隣接して示された注射器シリンダ2.1を経由した縦断面で示されるように、半横断面は示されている。
【0090】
最上の半横断面は、複数の割線で交差された扁平な心出し領域11.14を示している。中央の半横断面は、突起および/または飾り鋲および/または突出が設けられた心出し領域11.15を示している。最低の半横断面は、楕円形に区分された心出し領域11.16を示している。
【0091】
少なくとも3mmの距離がありまた好ましくは、心出しフランジ12.1の上面の下で最大6mmになる最少直径が、最大16.2mm〜17.7mmであることが、心出し領域11.1の全ての実施形態における場合である。そうでなければ、心出しリングは、心出し領域には適合しないであろうし、またその機能を実行できなくなるので、心出し領域を心出しするための心出しリング(さらに以下に説明する)の外径は、これらの寸法を取らなければならない。このことは、そこに図示されている半径により、心出し領域11.14上に示されている。
【0092】
これらの実施形態および寸法は、以下に説明する注射器群のさらなる全ての注射器1.3〜1.7に適用される。
【0093】
図3aおよび図3bによれば、5ml、2.5ml、1ml、0.5mlおよび0.2mlの充填体積を持つ注射器群のさらなる注射器1.3〜1.7は、対応する構成である。上述した注射器1.1,1.2のこれらに対応するさらなる注射器1.3〜1.7の部分には、対応する参照数字、すなわち点が一致する前に与えられた数字および点が各注射器を示した後に与えられた数字が、設けられている。
【0094】
図3bにおいて、心出し領域11.1,11.2,11.3以下の流れ制動が、図示されている。したがって、心出し領域11.1,11.2,11.3と遷移領域10.11,10.2,10.3の間には、射出成型の間、プラスチックの塊が偏向されるコーナー(隅)が存在し、その結果プラスチックが、流れ制動を形成する。さらに、心出し領域11.1,11.2,11.3は、隣接する遷移領域10.1,10.2,10.3より薄い壁厚みを持っている。10ml注射器においては、心出し領域11.1は、ピストン運動領域5.1よりも大きな内径を持っている。結果として、射出成型の間、熱プラスチック塊を用いてシリンダ部分4.1,4.2,4.3を均一に充填する結果を得る圧力損失が、生じる。
【0095】
図4aおよび図4b中では、射出成型工具31は、熱経路ノズル33を持つ工具板32と、工具カバー板34とストリッパー板35とを持っている。さらに、それは、工具挿入36を持っている。上に示した部品の間に、0.1ml注射器シリンダ2.2の輪郭を記述する中空空間37が、形成されている。
【0096】
熱プラスチック塊は、熱経路ノズル33を経由して、中空空間37中に射出される。遷移領域10.2と心出し領域11.2の間の流れ制動により、遷移領域10.2および注射器シリンダ2.2のシリンダ部分4.2は、均一に充填され、その結果、注射器シリンダ2.2は、その点で、非常に良好な寸法安定性を持っている。工具挿入36が、相対的に大きな径を持っているので、遷移領域10.2が、射出成型されるという事実は、それに対して貢献し、その結果、不均一な壁厚みを引き起こす工具挿入36の不利な側面偏向が、起らない。
【0097】
図4bによると、射出成型された注射器シリンダ2.2は、工具板32から除去されるストリッパー板35および偏向板35から引き抜かれる工具挿入36によって、射出成型工具36から離型される。その後成形された部分2.2は、工具31から落下する。
【0098】
図5および図6は、心出し領域11.1と10ml注射器1.1のピストン運動領域5.1の間の工程変化が、如何に非寸法的に安定な注射器ピストン3.1を検出するために使用されているかを示しており、その中では、密封リップ18.1の領域中にあるピストン部17.1の外径が、許容範囲の上限を超えている。心出し領域11.1の内径は、それが、密封リップ18.1の外径の許容範囲の上限に対応するように設計されている。ピストン運動領域5.1の内径は15.96mmである。これ以後、異なる注射器ピストン3.1の部分に対応して、生産許容範囲により異なるそれらの寸法は、点後の第2位置においては異なる数字を持つ参照数字により識別される。
【0099】
図5の左手位置に図示されている密封リップ18.11の直径は大きすぎる。図6によると、このピストン部17.11を挿入するときに、2つの力の増大が、挿入機構に組み込まれている動力計(ロードセル)によって検出される。結果として、大きすぎる注射器ピストン3.1が、存在することが明白に示される。特に、寸法安定性の欠如は、ピストン部17.11の非真円性に基づいており、またそれは、上記したテスト方法により達成される密封リップ18.11の過剰な外径を生じることになる。図5の右手位置に示されるピストン部17.12は、密封リップ18.12と共に、許容範囲内であるか、または小さすぎる。図6により、1つの単一力の増大が、この注射器ピストン3.1中で測定される。
【0100】
図7および図8は、ピストン部17.1が、許容範囲の限界内に落ちるかどうかが、容易に確立されるさらなる実施形態を示している。この実施形態は、3つの心出し部11.11,11.12,11.13、心出し部11.11の内径よりも小さな心出し部11.12の内径および心出し部11.12の内径より小さな心出し部11.13の内径からなる心出し領域を持っている。心出し部11.13に隣接して、ピストン運動領域5.1があり、順番にピストン運動領域5.1の内径は、心出し部11.13の内径よりも小さい。
【0101】
内径は、心出し部11.11の内径が、密封リップ18.1の外径の許容範囲の上限に対応するように設計されている。心出し部11.12の内径は、ピストン部17.1の密封リップ18.1の外径の低い噛み合わせ限界に、また密封リップ18.1用低許容範囲限界に対する心出し部11.13の内径に対応する。
【0102】
図7の左に示されたピストン部17.11は、あまりに大きすぎる外径を、密封リップ18.1上に持っている。結果として、ピストン部17.11を挿入するときに、4つの力の増大が、力/経路図中に確立される。
【0103】
図7の左から第2の位置に示されているピストン部17.12は、許容範囲の上限にある外径を持つ密封リップ18.12を持っている。このピストン部17.12を挿入するとき、図8によると、3つの力の増大が、測定される。この注射器ピストン3.1は、許容範囲内にある。
【0104】
図7の左から第3位置に示されるピストン部17.13は、密封リップ18.13上で、許容範囲の低い限界にある外径を持っている。図8によると、このピストン部17.13を挿入するときには、2つの力の増大が見られる。この注射器ピストン3.1は、まだ許容範囲内にある。
【0105】
図7中の右に示されたピストン部17.14は、密封リップ18.14上に、小さすぎるが、ピストン運動領域5.1中の内径を超える外径を持っている。図8によると、このピストン部17.14を挿入するときには、単一力の増大が、測定されよう。この注射器ピストン3.1は小さすぎる。
【0106】
心出し部11.11〜11.13も、テスト部分として示してもよい。特に、これは、心出し部11.11〜11.13の唯1つの部分のみが、心出しに使用される。しかし、原理上は、全ての心出し部11.11〜11.13を、心出しに使用してもよい。心出しをより詳細に、以下に説明する。
【0107】
図9によれば、本発明による計量装置370は、長いハンドルとして形成されたハウジング38を持っている。ハウジング38の低い端において、実質的に円筒形の収容部39が、注射器シリンダ2の心出しフランジ12に対して存在している。収容部39は、低い端において、円形開口部40を経由して外側から接近できる。複数の軸方向に配置された案内突起41が、収容部39の周辺上において、半径方向で内側に突出している。
【0108】
さらに、ハウジング38中では、収容体42が、注射器ピストン3の連結片21に対する実質的に円筒形のピストン収容部43と共に存在する。ピストン収容部43は、低い端において、さらなる円形開口部44を経由して、外側から接近可能である。
【0109】
収容体42は、示されていない反復機構により、ハウジング38中で軸方向に置換可能である。この反復機構は、特に、特許文献1と特許文献2または特許文献3および特許文献4に開示されているように設計できる。公告された異なる特許の明細書からの例示的実施形態のそれに関する説明は、本特許出願中に含まれている。
【0110】
反復機構はリフトレバー440を含み、それは、ハウジング38の外側上で軸方向に置換され、また図9では、リフトレバー440は最低位の位置に示されている。したがって、収容体42も、最低位の位置に置かれており、その中では、その低い端は、収容部39のベースとほぼ同じレベルで配置されている。
【0111】
さらに、反復機構は、頂部においてハウジング38から突出しまたハウジング38中に回転可能に搭載される計量レバー45を含んでいる。計量レバー45は、それが、強制的に最高位置になるように、バネ装置により搭載される。計量レバー45を下向けに回転させることにより、収容体42は、計量台によって下方へ置き換えられる。ハウジング38の上端に置かれたギザギザのある調節輪46によって、計量台の増大は調節可能である。
【0112】
さらに、2つの正反対に対抗する注射器保持レバー47は、ハウジング38中の底部に配置されている。注射器保持レバー47は、ハウジング38中に回転可能に搭載される。注射器保持レバー47は、ハウジング38から外に向けて突出する駆動ボタン48を持っている。それらは、ハウジング38内の貫通孔を貫通し、また収容部39中に突出している鍵のようなシリンダ保持端49を持っている。
【0113】
さらに、ピストン保持レバー50が、収容体42中で、互いに正反対に対抗して搭載されている。ピストン保持レバー50は、それらが、ピストン収容部43中で鍵状ピストン保持端51と噛み合うように、収容体42中の貫通孔を貫通する。
【0114】
注射器保持レバー47およびピストン保持レバー50は、各場合において、保持アームおよび駆動アームと、2重に武装できるように設計されており、また保持アームおよび駆動アームの接続領域中で回転可能に搭載されるように設計されている。さらに、駆動アームの内面上の注射器保持レバー47は、ロックを解除するカムを持っており、また駆動アーム上のピストン保持レバー50は、カムのような突起を持っている。各場合のレバーが、それらのシリンダ保持端49および/またはピストン保持端51と共に、互いに向けて回転されるように、示されていないバネ素子は、注射器保持レバー47およびピストン保持レバー50を搭載している。その構成は、特許文献3および特許文献4による例示的実施形態に対応している。上で示した公告された特許明細書からのそれに対する実施形態は、本特許出願中に含まれている。
【0115】
収容部39のベースにおいて、センサ装置52.1は、図10および図11中に示されている注射器1の心出しフランジ12に対する符号化のために存在している。センサ装置52.1は、中央穴54を持つ環状円盤形状のセンサ板53と該センサ板53の下側に亘り均一に分配されている7つの軸方向に突出した突起55とを持っている。各突起は、センサ板53中に配列されたマイクロスイッチに、操作可能に接続されている。突起55の作動の結果として、そこに操作可能に接続されたマイクロスイッチは作動される。
【0116】
さらに、センサ装置52.1は、センサ板53用の支持板56を含む。センサ板53は、センサ板53の穴58を貫通するボルト57により、支持板56に固定可能である。
【0117】
支持板56は中央穴59を持ち、その直径はセンサ板53の穴54の直径に対応する。支持板56の穴59の内周上では、円形の中空円筒形心出し素子60.1(“心出しチューブ”としても知られている)は、下端上で外側に小さな溝61を持つ軸方向通気経路で固定されている。心出し素子60.1は、センサ板53が、ボルト57により支持板56に固定されるとき、センサ板53の穴54を経由して噛み合う。
【0118】
支持板56の上面から、ピン62は、突出し、各場合に、コーナー上に配列される。ピン62は、支持板56に強固に接続される。
【0119】
らせん状バネ63は、ピン62上に導かれる。
【0120】
さらに、中央穴65をも持っている保持板64が存在し、その直径は穴54,59の直径にほぼ対応している。保持板64は、各場合において、支持板56のピン62が挿入される穴66を各場合においてコーナーに持っている。
【0121】
ピン62を、穴66中に挿入すると、らせん状バネ63は、支持板56と保持板64の間で、わずかに引っ張って配列される。この状態を図11に示す。
【0122】
さらに、保持板64は、各場合にフック端64を持つ軸方向に配向されたバネフック67を、反対側に持っており、またそれは、一緒に結合するときに、支持板56と保持板64が、支持板56の側面の溝69を経由してスライドし、また最後に、支持板56の下側を超えてフック端68と噛み合う。これは、図11にも示されている。バネフック67は、共に支持板56と保持板64からなる配列を保持する。
【0123】
図11に示された配列により、支持板56と保持板64は、共に跳ね飛ばされる。
【0124】
センサ板53の詳細は、特許文献7と特許文献8の例示的実施形態に開示されている。前述の公告された特許の明細書中のそれらに関係する実施形態は、本特許出願中に含まれている。
【0125】
図11によると、注射器1が、センサ装置52.1上に置かれる。注射器1は、センサ板53に対して、心出しフランジ12の上面に耐えている。このようにして、ベアリング表面上に配列された符号を、突起55によって検出する。
【0126】
軸方向の通気経路を持つ心出し素子60.1は、心出しフランジ12中で噛み合う。このようにして、心出し素子60.1は、円筒形の心出し領域11に対して軸方向の通気経路に耐えている。
【0127】
センサ板53と、支持板56と、軸方向の通気経路を持つ心出し素子60.1と保持板64とからなる上述した配置は、図9中の計量装置370のハウジング38中に適合される。このようにして、保持板64は、ハウジング38中に固定される。センサ板53は収容部39のベースを形成する。このベースから、心出し素子60.1は収容部39中に突出する。収容体42は、収容部の開口部40および検出装置52.1の穴59および65を経由して、外側から接近できる。
【0128】
図12は、挿入される注射器1を持つ計量装置370を示している。注射器1は、開口部40を経由して、心出しフランジ12を用いて、収容部39中に挿入される。この接続において、注射器1は、配置突起30によって案内突起41上に導かれ、その結果、ベアリング表面15上の符号は、突起55に正確に関連付けられる。注射器保持レバー47は、それらの円筒形保持端49を用いたバネ作用により、それらが、それらの下側に切れるまで、心出しフランジ12の端を超えてスライドする。ベアリング表面15が、センサ板53に対して進むとき、心出しフランジ12は、注射器保持レバー47の円筒形保持端49によって、下側に遅れて噛み合わされる。
【0129】
注射器1を挿入すると、受け取り体42は、その最下位位置に配置される。この位置では、連結片21は、ピストン収容部43中で噛み合う。ピストン保持レバー50は、それらが、ピストンフランジ22の後ろで、溝23中に切り込むまで、連結片21を超えてそれらの保持端51と共にスライドする。
【0130】
さらに、注射器1を挿入するときに、軸方向通気経路60.1を持つ心出し素子は、心出し領域11を貫通し、その結果注射器1は、計量装置370中に固定される。心出し素子60.1は、弾性的に搭載されるので、注射器1が心出し素子60.1上にわずかに傾斜して置かれるときでさえも、注射器1は心出し領域11を容易に貫通する。
【0131】
この心出しによって、注射器1は、収容部39およびピストン収容部43中の席に正確に置かれ、その結果注射器1は、保持装置47,50により、正確に保持される。さらに、軸方向通気経路を持つ心出し素子60.1は、注射器シリンダ2の可能な非真円性を修正する。さらに、注射器1の注射器端8が、置かれ、かつ注射器1中に横力が、導入されたときでも、心出し素子60.1は、注射器1を正しい配置に保持する。
【0132】
図13は、心出し素子60.2が保持板64に固定される別の検知器52.2を示している。検知器52.1の代わりに、検知器52.2を、計量装置370中に搭載してもよい。これに関しては、保持板64は、ハウジング38中に固定される。本実施形態において、注射器1は、横力による負荷の下に、より小さな偏向を受けている。
【0133】
図14a〜図14cにより、注射器1は、心出し領域11中で、軸方向に伸びた溝70を持っている。さらに、軸方向通気経路60.3を持つ心出し素子は、円周上で外側に、溝70中に適合する軸方向に伸びたリブ71を持っている。注射器1が、心出し素子60.3上に押されるとき、溝70とリブ71の連動が収容部39に対する注射器1の捩れを防ぐ。結果として、センサ板53への損傷を避けられる。
【0134】
図15によれば、示されていないが、箱および/あるいはトレイのカバー72は、上方に向かって突出する複数の支持スリーブ74を持っている板73を持っている。異なる大きさの注射器1.1,1.2,1.4は、支持スリーブ74の端の頂部で、それらの心出しフランジ12.1,12.2,12.4と共に置かれる。これに関連して、それらは、支持スリーブ74中の心出し領域11.1,11.2,11.4の外周上に導かれる。外面的に円錐形の遷移領域10.1,10.2,10.4は、注射器1.1,1.2,1.4が、正しい保持位置中に、正確に導かれる。
【0135】
図16a〜図16dによると、注射器1.8は、シリンダ部4.8を持つ注射器シリンダ2.8を持っており、それは、内部上で、円筒形ピストン移動領域5.8を持っている。シリンダ部4.8は、中央穴7.8を持つベース6.8を、底部に持っており、その端は、下端においてより円錐形の円錐部9.8を有する円錐形注射器部8.8を持っている。
【0136】
シリンダ部4.8は、半径方向に外側に突出しているバイオネット接続の2つの正反対に対抗する突起75を上端上に持っている。
【0137】
さらに、注射器シリンダ2.8は、実質的にスリーブ形状の構造をしているアダプタ76を持っている。アダプタ76は、下端から進行するバイオネット接続の軸方向溝77を、内側上に持っており、それらは、下端からある軸方向の距離で停止している。軸方向溝77は、アダプタ76の2つの正反対に対抗する内面上に配列されている。頂部においては、軸方向溝77は,バイオネット接続の周辺溝78中に開口している。
【0138】
注射器シリンダ2.8は、軸方向溝77を経由して、突起75を用いて、図16a〜図16d中に挿入され、また周辺溝78において、各周辺溝78の端の範囲内で回転する。このバイオネット接続75,77,78によって、注射器シリンダ2.8は、アダプタ76に接続される。
【0139】
アダプタ76は、頂部において周辺溝78を定める中間ベース79上に、心出し領域11.8を持っている。アダプタ76は、半径方向外側に突出する心出しフランジ12.8を、上端上に持ち、それは、頂部において、符号化を持つベアリング表面15.8を持っている。
【0140】
中間ベース79は、大きな通気開口部80を持っており、それを経由して注射器ピストン3.8は、注射器シリンダ2.8中に挿入される。注射器ピストン3.8は、周辺上に周辺密封リップ18.8を持つピストン部17.8を持っている。底部では、ピストン部17.8は、ピストン注射器部19.8に接続され、かつ頂部には、ピストンロッド20.8が設けられている。ピストンロッド20.8は、頂部に連結片21.8をもっている。連結片21.8の下では、ピストンロッド20.8にディスク24.8が設けられ、また半径方向に突出するウィング25.8が、ピストンロッド3.8上で、その下に置かれている。
【0141】
図12を参照して、注射器1に関して上述したように、この注射器1.8は、アダプタ76を用いて、収容部39中に挿入できて、また連結片21.8を用いて、計量装置370の受け取り体42中に挿入できる。この関連において、注射器1.8が、心出しされるように、心出し領域中の心出し素子60.1によって、アダプタが導かれる。
【実施例】
【0142】
以下のテスト報告によると、負荷の下にある計量装置370(図12を参照のこと)中に保持されている注射器1の偏向は、注射器の心出しを持たない計量装置に比較して、非常に小さい。
【0143】
本報告においては、テストされる注射器は、“コムビチップ(登録商標)”としても表示され、テストされる計量装置は、“マルチペット(登録商標)”として表示され、また心出し素子を、“心出し素子チューブ”あるいは“心出し素子スリーブ”あるいは“心出しリング”と表示する。
【0144】
目的:
本テストの目的は、マルチペット(登録商標)に対するコムビチップ(登録商標)の傾斜が、マルチペット(登録商標)上への心出しリングによって、どの程度削減されるかということである。
【0145】
先行技術:
もし、容器壁に対してある体積を放出するときには、該容器は、強く圧力を受けて、コムビチップ(登録商標)は、マルチペット(登録商標)に対して傾斜する。これに関連して、コムビチップ(登録商標)シリンダは、弾性力のあるスイッチングパッドを用いて片側でばね入りする。しかしながら、ピストンは、それに対して弾性的ではないので、それは、コムビチップシリンダとコムビチップピストンの間の運動を導くことになる。結果として、それは、順に測定エラーに導くことになる。もしシリンダが、あまり多く傾くと、エラーレポートが、マルチペット(登録商標)に発せられる。このことは、ゼロ位置に移動することによってのみ、除かれる。
【0146】
要約:
マルチペット(登録商標)中に非弾性的心出しスリーブ(図17aを参照のこと)を用いた場合、シリンダを傾斜させるために必要な力は、標準のマルチペット(登録商標)に対して78%増加した。弾性的な心出しスリーブ(図17bを参照のこと)を用いたマルチペット(登録商標)においては、傾斜に必要な力は、40%増加した。
【0147】
テストされた対象物/テストされた材料:
試作品を標準マルチペット(登録商標)X−ストリームと比較した。テスト用には、2つのマルチペット(登録商標)を転用した。受け取り板を持つスイッチングパッドを次のように変更した。
【0148】
図17aにおいて、支持板に対して非弾性的方法で締め付けた心出しスリーブを示す。図17aの配置は、図13中に示した配置に対応する。図17bにおいて、心出しスリーブを、ベースに締め付け、その結果心出しスリーブは、そこで弾性的になっている。図17bの配置は、図10および図11中に示した配置に対応する。マルチペット(登録商標)タイプのディスペンサに使用した標準成分は、変更しなかった。
測定に対しては、10mlコムビチップ(登録商標)プラスを使用した。心出しスリーブを、この直径に合わせた。
【0149】
方法/テスト方法:
Zwick Roellからの引っ張り/圧縮機(タイプZ005)で、測定を行った。試験速度は、50mm/分であった。0.1Nの初期負荷後に測定をスタートした。
【0150】
個々の結果:
図18aおよび図18b(表およびグラフ)は、マルチペット(登録商標)タイプの従来のディスペンサと弾性的心出しスリーブを有する本発明による計量装置のみならず非弾性的心出しスリーブを有する本発明による計量装置との比較を示している。測定1および2(図18a:表を参照のこと)において、標準マルチペット(登録商標)を使用した。測定3および4に対しては、図17aに示したように、非弾性的心出しスリーブを用いた試作品マルチペット(登録商標)を使用した。測定5および6は、図17bに示したように、弾性的心出しスリーブを用いた試作品マルチペット(登録商標)を用いて行った。結果のグラフ表示は、図18b中に示しており、aは、従来のディスペンサを用いた結果を示し、bは、弾性的心出しスリーブを用いたディスペンサを用いた結果を示し、またcは、非弾性的心出しスリーブを用いたディスペンサを用いた結果を示す。
【0151】
以下のテストレポートによると、計量装置中に注射器の心出しの無い従来の計量システムにおいては、横力の結果として、計量エラーは、注射器の偏向により生じている。したがって、本発明による注射器1および計量装置370を用いると、かなりより正確な計量が、可能である。
【0152】
テストレポートにおいて、テストされた注射器は、“コムビチップ(登録商標)”として表示されており、テストされた計量装置も“マルチペット(登録商標)”として表示され、また心出し素子は、“心出しチューブ”あるいは“心出しスリーブ”あるいは“心出しリング”として、表示されている。
【0153】
本発明の目的:
上記のテストにおいて、コムビチップ(登録商標)を傾斜させるのに必要な力は、他の物の間にも検出された。
【0154】
背景:
もし、ある体積を容器壁に対して放出するとき、容器も、強く押される場合には、コムビチップ(登録商標)は、マルチペット(登録商標)に対して傾斜される。これに関連して、コムビチップ(登録商標)シリンダは、片側において弾性的スイッチングパッドを用いて、バネ入れされる。ここで、コムビチップ(登録商標)を傾斜させることにより、どのくらい大きな体積エラーになるかをテストすることになる。
【0155】
要約:
コムビチップ(登録商標)を、マルチペット(登録商標)に対して1mmだけ傾斜させる場合には、そのために1N未満の力が、必要である。5mlの体積の場合、許容可能な不正確さの2倍の高さのエラーが生じている(エッペンドルフ社の仕様書による)。
【0156】
被テスト物/被テスト材料:
標準のマルチペット(登録商標)X−ストリームおよび50mlコムビチップ(登録商標)プラスを用いて、テストを行った。度量衡の理由のために、最大のコムビチップ(登録商標)を、本テストのために選択した。
【0157】
方法/テスト方法:
テスト設置物は、コムビチップ(登録商標)の下に置かれたメトラーAE163天秤により、上記のテストから延長した。コムビチップ(登録商標)に水を充填した。頂部を介して戻り行程を実行することにより、気泡を押し出した。測定前に、90%の水を再び放出した。したがって、測定の間、ピストンを残りストローク位置より5mm上にした。各テストに対して、コムビチップ(登録商標)を再び満タンにした。低い放出速度で放出された小さな体積は、一般的にコムビチップ(登録商標)の出口において、液滴として回収されるので、傾斜により押し出された液体を、ほぼ10cmサイズのキンバリー・クラーク布で吸収した。布と一緒に挿入されたコムビチップ(登録商標)の下にある採取容器の重量をテスト前後で測定した。
【0158】
Zwick Roellからの引っ張り/圧縮機、タイプZ005を、装置測定用天秤と共に使用した。
【0159】
テスト速度は、50mm/分であった。測定は、0.1Nの初期負荷後スタートした。
個々の結果:
【0160】
【表1】

【0161】
マルチペット(登録商標)X−ストリームに対して50mlコムビチップ(登録商標)を、2mmだけ傾斜させるためには、1.2〜1.3Nが、必要であった。
【0162】
50mlプラスと組み合わせたマルチペット(登録商標)X−ストリームに対するエッペンドルフ社の仕様書
【0163】
【表2】

【符号の説明】
【0164】
1 注射器
2 注射器シリンダ
3 注射器ピストン
4 シリンダ部
5 ピストン運動領域
6 ベース
7 穴
8 注射器部分
9 円錐部分
10 遷移領域
11 心出し領域
12 心出しフランジ
13 ベアリング部
14 周辺部
15 ベアリング表面
16 挿入領域
17 ピストン部
18 密封リップ
19 ピストン注射器部
20 ピストンロッド
21 連結片
22 ピストンフランジ
23 溝
24 ディスク
25 ウィング
26 外端
27 斜面
28 外端
29 斜面
290 環状ギャップ
30 配置突起
31 出成型工具
32 工具板
33 熱経路ノズル
34 工具カバー板
35 抜き取り板
36 工具挿入
37 中空空間
370 計量装置
38 ハウジング
39 収容部
40 開口部
41 案内突起
42 収容体
43 ピストン収容部
44 開口部
440 リフトレバー
45 計量レバー
46 ギザギザの調節輪
47 注射器保持レバー
48 駆動ボタン
49 シリンダ保持端
50 ピストン保持レバー
51 ピストン保持端
52 センサ装置
53 センサ板
54 穴
55 突起
56 支持板
57 ボルト
58 穴
59 穴
60 心出し素子
61 小さな溝
62 ピン
63 螺旋バネ
64 保持板
65 穴
66 穴
67 バネフック
68 フック端
69 溝
70 溝
71 リブ
72 カバー
73 板
74 支持スリーブ
75 突起
76 アダプタ
78 周辺溝
79 中間ベース
80 通気開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器シリンダ(2)用収容部(39)中に軸方向通気経路を持つ心出し素子(60)と注射器ピストン(3)用の軸方向に変位可能なピストン収容部(43)を備える計量装置(370)と共に使用するための注射器であって、
―注射器ピストン(3)と、
―底部に出口を備える注射器シリンダ(2)と、
―収容部(39)中に挿入するための外周(12)上の頂部にある心出しフランジと、
―注射器ピストン(3)が密閉して導かれる、第1内径を有する出口に接続された円筒状ピストン運動領域(5)と、
―少なくとも注射器シリンダの上端から少なくとも3mmの距離において、第1内径を超えて第2内径を有し、16.2mm以上および17.7mm以下の心出し素子(60)を挿入するための心出し領域(11)とを含み、および
―上端にある注射器ピストン(3)は、ピストン収容部(43)中に挿入するための連結片(21)を有する注射器。
【請求項2】
円筒状ピストン運動領域(5)中の注射器シリンダ(2)の壁厚みが、心出し領域(11)中よりも大きい請求項1記載の注射器。
【請求項3】
心出し領域(11)と注射器シリンダ(2)の円筒状ピストン運動領域(5)間で、心出し領域(11)の上端にある円錐形挿入領域(16)および/または円錐形遷移領域(10)を備える請求項1または2記載の注射器。
【請求項4】
心出しフランジ(12)は、突起および/または凹所(69)を持つ輪郭を内部に持ち、該輪郭が、外部から、第2内径を持つ仮想シリンダの接線となっている請求項1〜3のいずれか1項に記載の注射器。
【請求項5】
心出しフランジ(12)は、21〜24mmの外径および/または3.2〜4.5mmの高さを持ち、および/または心出し領域が、注射器シリンダの上端から少なくとも3〜6mmの距離にある請求項1〜4のいずれか1項に記載の注射器。
【請求項6】
頂部にある注射器ピストン(3)が、連結片(21)の下に、ディスク(24)および/または軸方向に伸びたウィング(25)を持ち、またディスク(24)および/またはウィング(25)と円筒状心出し領域の間に、0.5〜2.5mmのギャップ幅を持つ環状ギャップ(290)が存在している請求項1〜5のいずれか1項に記載の注射器。
【請求項7】
体積10ml、5ml、2.5ml、1ml、0.5ml、0.2ml、0.1mlから選択される充填体積を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の注射器。
【請求項8】
注射器シリンダ(2)用収容部(39)中に軸方向通気経路を持つ心出し素子(60)と注射器ピストン(3)用の軸方向に変位可能なピストン収容部(43)を備える計量装置(370)と共に使用するための注射器群であって、
―異なる充填体積を有する複数の注射器(1)であって、いずれの場合にも、
―注射器シリンダ(2)と
―注射器ピストン(3)とを含む注射器と、
―注射器シリンダ(2)は、底部に出口と、
―外周上の頂部には収容部(39)中への挿入用の心出しフランジ(12)と、
―注射器ピストン(3)が密封して導かれる出口に接続された円筒状ピストン運動領域(5)と、
―少なくとも注射器シリンダの上端から少なくとも3mmの距離において、心出し素子を挿入するための心出し領域(11)とを含む注射器シリンダと、
―ピストン収容部(43)中に挿入するための連結片(21)を含む上端における注射器ピストン(3)と、
―異なる充填体積の注射器(1)の心出し領域(11)が内部に適合する輪郭を有する注射器群。
【請求項9】
心出しフランジ(12)の外径および/または心出しフランジ(12)の高さおよび/または心出し領域(11)の高さは、異なる充填体積の注射器(1)と一致する請求項8記載の注射器群。
【請求項10】
注射器(1)が、請求項1〜7のいずれか1項記載の注射器である請求項8または9記載の注射器群。
【請求項11】
注射器シリンダ(2)と注射器ピストン(3)とを備える注射器(1)または複数の注射器を含む注射器群と共に使用するための計量装置であって、注射器シリンダ(2)は、底部に出口と、外周上の頂部には心出しフランジ(12)と、注射器ピストン(3)が密封して案内される出口に接続された円筒状ピストン運動領域(5)と、さらに、注射器ピストン(3)の上端において、心出し領域(11)と連結片(21)を含み、
―心出しフランジ(12)を締め付け位置中に軸方向に挿入するために、軸方向に開口部(40)を備える注射器シリンダ(2)の心出しフランジ(12)用の収容部(39)と、
―注射器シリンダ(2)を、心出し領域(11)中に軸方向に挿入するために、軸方向の通気経路を持つ軸方向開口部(40)と並列された収容部(39)中に配列された心出し素子(60)と、
―連結片(21)を締め付け位置中に軸方向で挿入するために、ピストン収容部(43)を有する収容体(42)と、
―収容部(39)中およびピストン収容部(43)中のそれらの締め付け位置で、心出しフランジ(12)および連結片(21)を解放可能に保持するための締め付け装置(47,50)と、
―心出しフランジ(12)および連結片(21)を締め付け位置に保持するための半径方向に位置決め可能な保持装置を含む締め付け装置(47,50)と、
―収容体(42)をハウジング(38)中で変位させるためのピストン調節装置とを備えるハウジング(38)を有する計量装置。
【請求項12】
心出し表面を持つ心出し領域中の心出し素子(60)は、16.2〜17.7mmの外径および/または0.4〜2.5mmの壁厚みを持っており、および/または心出しフランジ(12)の上面に対する停止部に対して2.2〜6mmだけ突出している請求項11記載の計量装置。
【請求項13】
心出し素子(60)は、外側上に、突起(70)および/または凹所を持つ輪郭を持ち、該輪郭は、第2外径を持つ仮想シリンダと外部で接している請求項11または12記載の計量装置。
【請求項14】
心出し素子(60)は、収容部(39)に対して強固に配列されているか、軸方向に収容部(39)に対して弾性的に配列されている請求項11〜13のいずれか1項に記載の計量装置。
【請求項15】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の注射器または請求項8〜10のいずれか1項に記載の注射器群の少なくとも1つの注射器を備える請求項11〜14のいずれか1項に記載の計量装置。
【請求項16】
液体を受け取りまた排出するための計量装置において、請求項1〜7のいずれか1項に記載の注射器および/または請求項8〜10のいずれか1項に記載の注射器群の注射器を使用する注射器の使用方法。
【請求項17】
液体を受け取りまた排出するために、請求項1〜7のいずれか1項に記載の注射器または請求項8〜10のいずれか1項に記載の注射器群の注射器を備えた請求項11〜15のいずれか1項に記載の計量装置を使用する計量装置の使用方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図1g】
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【図1h】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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【図15】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図16d】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18a】
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【図18b】
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【公開番号】特開2011−31041(P2011−31041A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−167622(P2010−167622)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【出願人】(505404725)エッペンドルフ アーゲー (16)
【Fターム(参考)】