説明

洗剤タンクを取付けた便器

【課題】圧迫感なく、楽な姿勢で簡単に洗剤タンクに洗剤の補給ができる。
【解決手段】洗剤入り洗浄を行う便器1である。便器1の前面視で右側の側面部1aの上部に洗剤タンク2を配設する。洗剤タンク2に設けた洗剤補給口部3を上側に行くほど便器1から外側方に離れるように傾斜させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤タンクを取付けた便器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、泡発生液を泡立てて便器のボウルに供給することで便器を洗浄するようにしたものが特許文献1により知られている。
【0003】
この従来例にあっては、便器に取付ける温水洗浄便座装置のタンクに泡発生液を溜め、この泡発生液を用いて泡を発生させてボウルに供給するようにしている。
【0004】
上記温水洗浄便座装置は便器の上部に取付けられ、泡発生液を溜めるタンク全体がトイレルームの左側の壁と便器の左側面部との間に配置してある。
【0005】
このように、タンクを前面視で便器の左側に位置させるものにおいては、泡発生液の補給を行う際、前面視で便器の左側に位置するタンクに泡発生液を補充する必要がある。
【0006】
ところが、トイレルーム内は狭いので、トイレルーム内の左右の壁と便器の左右の側面部との間の空間は狭く、上記のようにトイレルーム内の左の壁と便器の左の側面部との間に位置するタンクに泡発生液を補給するには、トイレルームの左側の壁と便器の左の側面部との間に、人が半身の姿勢で入り込み、泡発生液を入れた容器を片手に持って該容器からタンク内に泡発生液を補充する作業をしなければならない。
【0007】
ここで、半身になった人が、トイレルームの左側の壁に顔を向けるような半身の姿勢で上記作業を行おうとすると、顔が壁に圧迫されるため上記泡発生液を補給する作業が極めてし難い。また、タンクはトイレルームの左側の壁と便器の左の側面部との間に配置してあるが、便器側に偏って位置しているため、上記のようにトイレルームの左側の壁に顔を向けるような半身の姿勢で上記補給作業を行うには泡発生液を入れた容器を右手に持って、該右手後ろ側に向けて補給作業を行わなければならず、作業がいっそうし難いと言う問題がある。
【0008】
また、左側の壁に背を向けるような半身の姿勢で左側の壁と便器の左の側面部との間に入って、上記補給作業を行うことも考えられるが、この場合、顔は左側の壁と反対側に位置しているので便器の上方に位置させることができて、圧迫感がないが、泡発生液を入れた容器を右手で持ってタンクに補給しようとすれば、上半身をねじるようにしなければならず、作業がし難いという問題がある。上半身をねじるようにしないためには左手で容器を持ってタンクに補給することが考えられるが、右利きの人が多いため、左手での作業はし難いという問題がある。
【0009】
また、従来例はタンクの前面の上下方向の中央部に透光窓を設けて、タンク内の泡発生液の残量がわかるようにしてあるが、タンク内に泡発生液を補給する際に、タンクの前面の上下方向の中央部に設けた透光窓を越えて上方まで泡発生液を補給するため、この透光窓を見ても適量まで補給されたか否かは判らず、入れすぎて溢れるという恐れがある。
【特許文献1】特開2005−213771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、圧迫感なく、楽な姿勢で簡単に洗剤タンクに洗剤の補給ができ、また、洗剤タンクに適量の洗剤の補給ができ、また、洗剤タンクに外力が作用して洗剤タンクと配管等との接続部分から液漏れが発生するのを防止できる洗剤タンクを取付けた便器を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、洗剤入り洗浄を行う便器1において、便器1の前面視で右側の側面部1aの上部に洗剤タンク2を配設したものである。そして、本発明は、洗剤タンク2に設けた洗剤補給口部3を上側に行くほど便器1から外側方に離れるように傾斜させて成ることを特徴とするものである。
【0012】
このような構成とすることで、トイレルームの右の壁60と便器1の右の側面部1aとの間の空間61に顔が右の壁60と反対側となるような半身の姿勢で入り、右手に洗剤を入れた容器62を持って、該容器62から洗剤タンク2内に洗剤を補給する作業をすることができる。これにより顔が右側の壁60で圧迫されず、右手を使って容易に補給作業ができる。また、洗剤補給口部3を上側に行くほど便器1から外側方に離れるように傾斜させてあるので、洗剤補給口部3の上端部を便器1の右の側面部1aから少し離すことができて、便器1の右の側面部1aに邪魔されることなく補給作業ができる。
【0013】
また、便器1の側面部にホルダ4を取付け、該ホルダ4に洗剤タンク2を嵌め込んで支持し、ホルダ4の前側の側片よりも洗剤タンク2の上部を上方に突出させ、少なくとも洗剤タンク2の前側面のホルダ4の前側の側片5よりも上方に突出した部分6に洗剤タンク2内の洗剤を透視できる透視部7を設けることが好ましい。
【0014】
このような構成とすることで、洗剤タンク2を便器1に取付けたホルダ4で保持することができて洗剤タンク2の便器1への取付けが簡略化でき、また、ホルダ4の前側の側片5よりも上方に突出した部分6の透視部7が前方から見え、洗剤タンク2に洗剤を補給作業中に、透視部7で見えるレベルまで洗剤が補給されたかどうかを前方から目視して洗剤を適量補給することが可能となる。
【0015】
また、ホルダ4にタンクカバー8を着脱自在に取付けて、ホルダ4及び洗剤タンク2の便器1の側面部から突出した部分を覆うことが好ましい。
【0016】
このような構成とすることで、洗剤タンク2に外力が作用するのを防止でき、洗剤タンクと配管等との接続部分に外力が作用してこの部分から液漏れが発生しない。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1記載の発明は、上記のように、便器の前面視で右側の側面部の上部に洗剤タンクを配設したので、トイレルームの壁と便器との間の狭い空間に入っての洗剤タンクへの洗剤の補給作業が楽な姿勢で簡単に行える。また、洗剤タンクに設けた洗剤補給口部を上側に行くほど便器から外側方に離れるように傾斜させてあるので、洗剤補給口部の上端部を便器の右の側面部から少し離すことができて、便器の右の側面部に邪魔されることなく補給作業が容易にできる。
【0018】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記のように、便器の側面部に取付けたホルダに洗剤タンクを嵌め込んで支持するので、洗剤タンクの便器への取付けが簡略化できる。また、ホルダの前側の側片よりも洗剤タンクの上部を上方に突出させ、少なくとも洗剤タンクの前側面のホルダの前側の側片よりも上方に突出した部分に洗剤タンク内の洗剤を透視できる透視部を設けているので、洗剤タンクに適量の洗剤の補給ができて、洗剤の補給量が少なすぎたり、多すぎて溢れたりするのを防止することができる。
【0019】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記のように、ホルダにタンクカバーを着脱自在に取付けて、ホルダ及び洗剤タンクの便器の側面部から突出した部分を覆ので、洗剤タンクに外力が作用しないようにでき、洗剤タンクと配管等との接続部分に外力が作用してこの部分から液漏れが発生するのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0021】
本発明の便器1は洗剤入り洗浄水をボウル部9に流すようにしたものである。
【0022】
便器1は図3に示すように、ボウル部9と、外郭10と、トラップ部11と、洗浄水吐水装置12と、洗剤供給手段13と、温水洗浄装置のような便器付属品を備えたものである。
【0023】
トラップ部11はボウル部9の後部に配設してあり、実施形態においては、トラップ部11は、トラップケース11a内に配置し一端部をボウル部9の後端部の排水部に接続したフレキシブルなトラップ筒11bにより構成したターントラップ方式のもので、モータ(図示せず)によりトラップ筒11bを回動してトラップ筒11bが上向きU字状となったトラップ構造となる状態と、略逆L字状となってトラップ構造が解除されて排水される状態とを選択できるようになっている。また、トラップケース11aの下端部は排水口となっていて、便器1を設置する床面に設けた排出筒(図示せず)に連通接続される。
【0024】
そして、通常は図3に示すように、トラップ筒11bが上向きU字状となったトラップ構造となっていてボウル部9内の下部、トラップ筒内に洗浄水が溜まる構造となっていて、この状態で大便や小便を行い、大便や小便が終わると、ボウル部9内に洗浄水を流すと共に、トラップ筒を回動してトラップ構造状態を解除することで汚物と共に洗浄水を排水するようになっている。
【0025】
洗浄水吐水装置12はボウル部9に洗浄水を供給するためのもので、図3の実施形態においては、タンクレス方式の例が示してある。すなわち、上水道からボウル部9に至る洗浄水流路15を有し、洗浄水流路15に設けた洗浄水開閉弁16の開により、洗浄水流路15の下流側の端部からボウル部9に洗浄水を吐出し、閉により洗浄水の吐出を停止するようになっている。
【0026】
もちろん、ロータンクの貯留水を開閉弁を介して流すようにした方式のものであってもよい。また、タンクレス方式の場合、圧送ポンプにより洗浄水を供給するようにしたものであってもよい。
【0027】
洗浄水流路15の下流側の端部の洗浄水吐出口34はボウル部9の後部の一側端部からボウル部9の内側面の上部に沿って前方に向けて吐出されて、ボウル部9内を旋回流となって流れる。
【0028】
洗浄水吐水装置12には洗浄水に空気を混入してこの空気を微細化して微細気泡を生成して微細気泡を洗浄水に含ませる微細気泡発生手段17が設けてある。微細気泡を含ませた洗浄水は、嵩比重の低下による節水効果、洗浄水がボウル部9内面に衝突する際の摩擦低減による消音化や水跳ね防止効果があるのは勿論、旋回流となって微細気泡がボウル部9内壁に衝突して破裂する際に発生する衝撃波や気泡界面が有する吸着特性などによってボウル部9内壁に付着する汚物を強力に剥がして吸着できる気泡洗浄効果がある。
【0029】
図4に示すように、微細気泡発生手段17は、洗浄水流路15に空気混入部18を設けると共にこの下流にベンチュリー管状の圧力急変部19を設けて成る管部20により構成してある。空気混入部18は、洗浄水流路15の径を絞ったノズル部21の下流側の周辺に逆止弁22を有する空気供給管23を接続することで構成してあり、ノズル部21から洗浄水を噴出することで生じる負圧によって空気を吸入して洗浄水内に混入するようになっている。
【0030】
圧力急変部19は、上流側から順に、径を絞る縮径部24、絞られた径の咽喉部25、径を拡げる拡径部26が連設された構造となっており、上記空気混入部18で混入した空気は、洗浄水が圧力急変部19を流れる際に、まず、縮径部24及び咽喉部25での内圧低下により膨張され、続けて拡径部26での内圧上昇によりせん断力や衝撃波が作用されて破砕され微細化される。なお、微細気泡発生手段17としては混入空気を洗浄水内に溶解させた後に析出させるタイプを用いることができる。
【0031】
洗剤供給手段13は、図3、図4に示すように、洗剤タンク2と、洗剤タンク2と洗浄水流路15に設けた洗剤混合部27とを接続する洗剤供給路28と、洗剤供給路28に設けた洗剤用ポンプ29と、洗剤用開閉弁30とで構成してある。
【0032】
洗剤供給路28は往路部40の始端部40aと復路部41の終端部41aとが洗剤タンク2内に位置する循環経路部31と、循環経路部31の途中から分岐して洗浄水流路15の洗剤混合部27に至る供給経路部32とを有している。洗剤用ポンプ29は循環経路部31に設けられ、洗剤用開閉弁30は供給経路部32の下流側に設けられる。
【0033】
洗剤用ポンプ29を駆動すると、洗剤タンク2内に貯留された液体の洗剤が循環経路部31を循環するので、洗剤が洗剤供給路28内で固化等して詰まるのが防止されるようになっている。
【0034】
洗剤混合部27は、洗浄水流路15の流路径を絞って流れる洗浄水に負圧を発生させる部位となっており、添付図面に示す実施形態では咽喉部25が洗剤混合部27となっている。
【0035】
洗剤用開閉弁30は、洗剤混合部27で洗浄水の負圧がかかると共に洗剤用ポンプ29が駆動してポンプ圧がかかった場合に開くようになっていて、一定の洗剤が洗浄水内に混入されるようになっている。
【0036】
洗剤が混合された気泡入り洗浄水は洗浄水流路15の下流側端部の洗浄水吐出口34からボウル部9内に吐出されて旋回流となってボウル部9内の内面に隈なく行きわたり、混入された洗剤により洗剤洗浄効果をボウル部9の内面に隈なく発揮させて効果的な洗浄を可能としている。また、洗剤(界面活性剤)が混入されることで水の表面張力が低下し、微細気泡発生手段17で発生する微細気泡の径をmmオーダからμmオーダにまで小さくできる効果も有する。μmオーダの微細気泡はmmオーダの微細気泡に比べて格段に割れ難い性質を有しており、ボウル部9の洗浄後にボウル部9内に洗浄水が溜め水として残る時微細気泡が長期にわたって残留できて、溜め水の喫水線付近の汚れ付着防止効果を図ることができるようになっている。
【0037】
次に洗剤タンク2の取付けにつき説明する。
【0038】
本発明においては洗剤タンク2が便器1の外郭10の前面視で右側の側面部1aの上部に取付けてある。
【0039】
図1に示す実施形態では、トラップ部11のトラップケース11aの前面視で(図1の矢印A方向から見て)右側面の上端部にホルダ4を取付け、該ホルダ4に洗剤タンク2が保持してある。
【0040】
ホルダ4は、図5に示すように、前面視で右側方に開口しており、前面視で左側面部に開口46が形成してあると共に回動自在なロック部材35が取付けてあり、上面部に設けたガイド部36を、トラップケース11a又は温水洗浄装置のような便器付属品を装着するベース部材に設けた被ガイド部37をガイドとして差込み、トラップケース11aの右側面や上記ベース部材の右側面部に設けた非円形状をしたロック用孔38にロック部材35の先端に設けた非円形状をしたロック部39を嵌め込み、ロック部材35を回動することで、ロック部39をロック用孔38の裏面側の縁部に係止してロックすることで取付けてあり、このようにホルダ4を取付けた状態で図6に示すようにホルダ4の上記開口46に,循環経路部31の往路部40の始端接続部40bと復路部41の終端接続部41bとが臨んでいる。
【0041】
洗剤タンク2の上面部には洗剤補給口部3とキャップ取付け用開口部とが設けてあり、キャップ取付け用開口部4にはキャップ45が着脱自在に取付けてある。
【0042】
キャップ45には、始端部40aとなる逆L状をした始端管42と、終端部41aとなる逆L状をした終端管43とが装着してあり、キャップ45をキャップ取付け用開口部44に取付けることで、逆L状をした始端管42の縦管部、逆L状をした終端管43の縦管部がそれぞれキャップ取付け用開口部44から洗剤タンク2内に差し込まれると共に、逆L状をした始端管42の横管部42a、終端管43の横管部43aがそれぞれ洗剤タンク2の上面部から前面視で左側方に向けて突出する。
【0043】
洗剤タンク2はホルダ4の右側方の開口部から嵌め込んでホルダ4に支持させると共に横管部42a、43aをそれぞれ始端接続部40b、終端接続部41bに接続することで取付けるようになっている。便器1の後部側面には便器1の右側の側面部1aの後部を構成する側カバー48を着脱自在に取付けようになっており、この場合、右の側カバー48の上部には開口部49が設けてあり、上記ホルダ4のほぼ右側の部位及び洗剤タンク2の全体又は右側の部位が上記側カバー48の開口部49から右外側方に突出するように構成してある。
【0044】
洗剤タンク2の上面に設けた洗剤補給口部3は洗剤タンク2の上面から上方に筒状に突出していて側カバー48から右外側方に突出した位置に位置しているが、更に、この筒状の洗剤補給口部3は上側に行くほど便器1から外側方に離れるように傾斜させてある(実施例では右外側方に向けて突出するだけでなく、上に行くほど前方にも突出しており、このため、上に行くほど右前側方に向けて突出するように傾斜させてある)。洗剤補給口部3には開閉自在に蓋47が取付けてある。
【0045】
図6に示すように、ホルダ4に洗剤タンク2を嵌め込んで支持した状態で、ホルダ4の前側の側片5よりも洗剤タンク2の上部を上方に突出させてある。
【0046】
洗剤タンク2は少なくとも前側面のホルダ4の前側の側片5よりも上方に突出した部分6に洗剤タンク2内の洗剤を透視できる透視部7を設けてある。この透視部7には必要に応じて目盛りを設ける。したがって、後述のようにして洗剤補給用の容器62を用いて洗剤補給口部3から洗剤タンク2内に洗剤を補給する際、前方から洗剤タンク2のホルダ4の前側の側片5よりも上方に突出した部分6を見ることで、洗剤タンク2内の上限位置まで洗剤が補給されたか否かが判るようにしている。
【0047】
添付図面に示す実施形態ではホルダ4の前側の側片5の内側半分の上端部よりも外側半分の上端部が低くなるようにすることで、洗剤タンク2の前面上部を前側の側片5の外側半部の上端よりも上方に突出させている。
【0048】
もちろん洗剤タンク2の全体が洗剤タンク2内の洗剤を透視できる透視部7となっていてもよい。
【0049】
ホルダ4には図8に示すようにタンクカバー8を着脱自在に取付けるようになっており、タンクカバー8を取付けることで、タンクカバー8によりホルダ4及び洗剤タンク2の便器1の側面部1aから突出した部分を覆って、洗剤タンク2に外力が作用するのを防止するようにしている。
【0050】
タンクカバー8をホルダ4に着脱自在に取付けるには、タンクカバー8に設けた係合部51をホルダ4に設けた被係合部52に着脱自在に係合することで取付けるようになっている。
【0051】
洗浄タンク2内に溜めた洗剤は便器1の使用により消費されるので、洗剤が少なくなると補給する必要がある。
【0052】
洗剤の補給に当っては、タンクカバー8を取外し、洗剤タンク2を露出させ、蓋47を外し、洗剤を入れた容器62を手に持って洗剤補給口部3から洗剤タンク2内に洗剤を補給する。
【0053】
ここで、本発明にあっては、便器1の前面視で右側の側面部1aの上部に外側方に向けて突出するように洗剤タンク2が配置してあるので、図1のように洗剤タンク2がトイレルームの右の壁60と便器1の右の側面部1aとの間の狭い空間61に存在することになる。したがって、このトイレルームの右の壁60と便器1の右の側面部1aとの間の空間61に顔が右の壁60と反対側となるような半身の姿勢で入り、右手に洗剤を入れた容器62を持って、図2に示すように容器62から洗剤タンク2内に洗剤を補給する作業をすることができる。
【0054】
これにより顔が右側の壁60で圧迫されず、右手を使って容易に補給作業ができることになる。
【0055】
また、洗剤補給口部3が上側に行くほど便器1から外側方に離れるように傾斜させてあるので、洗剤補給口部3の上端部を便器1の右の側面部1aから少し離すことができて、便器1の右の側面部1aに邪魔されることなく補給作業ができることになる。
【0056】
また、ホルダ4の前側の側片5よりも洗剤タンク2の上部を上方に突出させ、少なくとも洗剤タンク2の前側面のホルダ4の前側の側片5よりも上方に突出した部分6に洗剤タンク2内の洗剤を透視できる透視部7を設けてあるので、上記洗剤を入れた容器62から洗剤補給口部3に洗剤を注入している時、透視部7で見えるレベルまで洗剤が補給されたかどうかを前方から目視して確認でき、洗剤の補給の上限が判り、洗剤の補給量が少なすぎたり、多すぎて溢れたりするのを防止し、洗剤を適量補給することが可能とる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の平面図である。
【図2】同上の洗剤の補給を示す斜視図である。
【図3】同上の便器の概略構成図である。
【図4】同上の洗浄水流路部分を示し、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。
【図5】同上のホルダの取付け前の斜視図である。
【図6】同上のホルダに洗剤タンクを取付ける前の斜視図である。
【図7】同上のホルダに洗剤タンクを取付けた状態の斜視図である。
【図8】同上のホルダカバーを取付けた状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 便器
1a 右側の側面部
2 洗剤タンク
3 洗剤補給口部
4 ホルダ
5 前側の側片
6 上方に突出した部分
7 透視部
8 タンクカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗剤入り洗浄を行う便器において、便器の前面視で右側の側面部の上部に洗剤タンクを配設し、該洗剤タンクに設けた洗剤補給口部を上側に行くほど便器から外側方に離れるように傾斜させて成ることを特徴とする洗剤タンクを取付けた便器。
【請求項2】
便器の側面部にホルダを取付け、該ホルダに洗剤タンクを嵌め込んで支持し、ホルダの前側の側片よりも洗剤タンクの上部を上方に突出させ、少なくとも洗剤タンクの前側面のホルダの前側の側片よりも上方に突出した部分に洗剤タンク内の洗剤を透視できる透視部を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の洗剤タンクを取付けた便器。
【請求項3】
ホルダにタンクカバーを着脱自在に取付けて、ホルダ及び洗剤タンクの便器の側面部から突出した部分を覆って成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の洗剤タンクを取付けた便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−235751(P2009−235751A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82147(P2008−82147)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】