説明

洗剤容器一体型摺洗具

【課題】 操作部が外部へ突出せず持ち易い構造で、洗剤容器の挿脱が容易にでき、前記洗剤容器を本体内に安定して収納できる方法を備えた洗剤容器一体型摺洗具を提供する。
【解決手段】 洗剤吐出操作部43の近傍に操作用開口部25を設ける一方、本体10内に洗剤容器40を所定位置に保持可能な収容部20と前記収容部20に開閉可能なフタ部23を設け、洗剤容器40を挿脱自在にするとともに、前記フタ部23を本体より離脱させずに開閉可能となるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は摺洗具、例えば、バスルームの壁面や浴槽、衣類の部分洗浄等に好適な洗剤容器一体型摺洗具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭では浴室の清掃や衣類を手作業で洗う際に、いわゆるスポンジやブラシといった摺洗具が用いられている。このような摺洗具を使用する場合、多くはまず洗剤の入ったスプレー容器等で洗剤を被摺洗物に直接かけてからか、あるいは摺洗具に直接洗剤をかけてから作業が行われるが、洗剤容器と摺洗具を別々に手に取るのが面倒であるし、とりわけさっと素早く作業したい時や、汚れを溜めないようにする為の小まめ洗いなどの際には面倒が生じる。
【0003】
そこで、最近では摺洗具と洗剤容器が一体になった洗剤容器付き摺洗具が種々提案されている。(例えば特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2009−34499号公報
【0005】
前記洗剤容器付き摺洗具に記載されている洗剤容器付き摺洗具は、摺洗体と、該摺洗体に取り付けられ洗剤容器を有する把持部と、前記洗剤容器から洗剤を吐出させるディスペンサーとを備えているので、摺洗作業中にディスペンサーを操作することにより、摺洗体の構成要素間に洗剤を吐出することができ、摺洗作業が中断されることがないため作業能率が向上する。
【0006】
しかも、この洗剤容器付き摺洗具は、滴下式と違い加圧式ノズルが組み込まれており洗剤が吐出口より勢いよく噴出されるので、被摺洗物もしくは摺洗体の毛束に洗剤を素早く塗布でき、また角度が斜めでも噴射できるので作業効率も良く楽である。
【0007】
しかしながら、この洗剤容器付き摺洗具は、洗剤容器の固定方法が一部の箇所に集中しており、場合によっては洗剤の注入口と兼用としているので、安定性の面から見て改善の余地がある。また操作部と吐出口が別々に設けられそれぞれ別の開口部に臨んでいたり、操作レバーが外部に長く飛び出し誤動作の原因になり兼ねない等、構造が複雑で各パーツに負担がかかり兼ねない状態である。さらに洗剤容器は装着されたままであるため使用時も取り外しがきかない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたもので、複雑なパーツを減らし、操作部が外部へ突出しない構造で持ち易く、洗剤容器の着脱が容易にでき、前記洗剤容器を本体内に安定して収納できる方法を備えた、使用性に優れた洗剤容器一体型摺洗具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る洗剤容器一体型摺洗具は、スポンジ等の摺洗部を備えた摺洗体と、加圧による洗剤吐出機能を備えた洗剤容器を具備し、洗剤吐出孔が摺洗部の構成要素間に臨むよう構成された洗剤容器一体型摺洗具において、洗剤吐出操作部を有する摺洗具本体近傍の外壁に指を挿入する開口部が設けられ外部より洗剤吐出操作を可能とする一方、洗剤容器収容部と該収容部の挿入口に開閉可能なフタ部が設けられ、洗剤容器を挿脱自在に、且つ安定して収納できるよう構成されている。
【0010】
本発明に係る洗剤容器一体型摺洗具においては、洗剤吐出操作部を有するハンドル及び摺洗具本体近傍の外壁に指を挿入し操作部の操作が可能な操作用開口部が設けられている。これにより洗剤吐出操作部が摺洗具外部に突出することがなく、作業の際邪魔にならず本体を掴み易い。
【0011】
本発明に係る洗剤容器一体型摺洗具においては、摺洗具ハンドル内及び本体に洗剤容器収容部を設け、前記洗剤容器収容部と洗剤容器との間に係合手段を設けるか、もしくは洗剤容器収容部の挿入口にフタ部を設け、洗剤容器を収容部内に安定的に収納且つ挿脱自在に構成されることが好ましい。これにより作業中に洗剤容器が外れたり外に飛び出すことがなく、また状況に応じて取り外すこともできる。
【0012】
洗剤容器収容部とフタ部を構成した場合は、前記フタ部は洗剤容器を挿脱するのに十分開放した場合も、摺洗具より離脱することのないように構成されることが望ましい。これによりフタ部を完全に取り外すことなく洗剤容器を挿脱でき便利である。
【発明の効果】
【0013】
洗剤吐出操作部が摺洗具外部に突出しないことで、本体を掴む際も邪魔にならず、操作部に誤って触れるなどして誤動作を招くといったことも無い。また複雑な取り付け機構を要せず、洗剤容器をほぼ直線的に移動させるだけで挿脱可能な構成にすることができる。
【0014】
洗剤容器が挿脱自在もしくは着脱自在な構成であることは、作業中に洗剤容器の重さが負担になった場合は洗剤容器を容易に取り外すことができ、状況に応じて使い分けでき便利である。
【0015】
フタ部を設け洗剤容器収容部の挿入口から離脱しないように構成することで、取り外したフタを一旦別の場所に置いたり、そのフタが転げないように気を配ったりする必要がなく使い勝手が良い。
【0016】
構造が単純明快であり、パーツへの負担が軽減でき、物品の体裁も良い。また洗剤容器が独立した構造であることは、取り外して容器を洗浄することもでき、また容器の消耗による交換時にもわかりやすく好都合で、長期使用の観点からみても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態を示す洗剤容器一体型摺洗具の側面図である。図2は同摺洗具の内部を示した側面図、図3は同摺洗具のフタの開放状態と洗剤容器の半挿入状態を示した側面図、図4は同摺洗具の平面図、図5は同摺洗具の内部機構を示す平面図、図6は同摺洗具の底面図、図7は同摺洗具の背面図、図8は同摺洗具のフタを開放した状態の背面図である。また図9は同摺洗具のフタ部の第2実施形態を示す斜視図、図10は同フタ部の開放状態を示す斜視図である。図11は同摺洗具のフタ部の第3実施形態を示す斜視図、図12は同フタ部の開放状態を示す斜視図、図13は本発明の摺洗具本体と摺洗体を分離した状態の側面図である。
【0018】
本実施形態の洗剤容器一体型摺洗具は、上部に操作用のハンドル12を備えた本体10と、本体10の底面に脱着可能に取り付けられた摺洗体15及び、ハンドル12内に有する洗剤容器40が収容可能な洗剤容器収容部20と、前記収容部20の洗剤容器挿入口21の開閉が可能なフタ部23とで構成され、ハンドル12上部に操作部操作用の開口部25と、摺洗体15の前方に洗剤吐出孔27を有している。
【0019】
本体10はアイロンの如き外形を有しており、本体10前方より上部に筒状に延出し後方に向かって下部が底面と一体形成されたハンドル12が形成され、ハンドル12内には洗剤容器40を収容する洗剤容器収容部20となる中空部が設けられている。前記収容部20には、洗剤吐出機能を備えた洗剤容器40が収容且つ挿脱自在に構成されるとともに、収容部20は洗剤容器40が所定位置に装着されるよう、前方に洗剤容器の肩部を係止する係止部30と、洗剤容器の外周を包囲するように円筒形の支持部材が形成されている。
【0020】
ハンドル12には上部前方に、洗剤吐出操作部43を操作するための操作用開口部25が設けられている。この操作用開口部25は、洗剤容器40が収容部20内の所定の位置に装着された際、前記操作部43が位置する上部外壁に略矩形に設けられ、外部より指の挿入が可能且つ操作部の操作が可能な位置と寸法に形成されている。ハンドル12後部には、後述するが、洗剤容器挿入口21の開閉と洗剤容器40を収容部20へ収納し覆蓋可能なフタ部23が配置されている。
【0021】
前記洗剤容器収容部20は、後部に洗剤容器挿入口21を有し、外部に前記挿入口21を覆うように開閉可能なフタ部23が設けられている。一方収容部20内部前方には、洗剤容器40を後部より挿入した際に洗剤容器40の肩部が当接する係止部30が内壁より中心軸に向かって上下に一対突出するよう設けられている。
【0022】
前記挿入口21は洗剤容器収容部20を内蔵するハンドル12の後部に位置し、洗剤容器40を前記収容部20に軸方向に挿脱可能となるように開放された後部略円形の開口部であり、下部に案内溝29の端部となる凹部を有している。案内溝29は、前記挿入口21の凹部より前方にかけて前記収容部20の内壁下部に形成された凹溝であり、両端部が幅広に形成された導入部を有している。本実施形態では前記吐出ノズル41の先端が案内突起となり、この先端が前記案内溝29を通るよう挿入することで収容部20内での洗剤容器40の上下の向きを決定している。これにより洗剤容器40が所定の位置に収容されるよう構成されている。
【0023】
洗剤容器40は周知の容器であって、全体が略円筒形に形成された中空体であり、加圧による洗剤吐出装置42と洗剤吐出ノズル41及び洗剤吐出操作部43とを備えている。洗剤吐出装置42は液体収容部48の前方に備えられ、後部に洗剤吸い込み口45を有している。洗剤吐出ノズル41は前方に設けられた洗剤吐出操作部43側面より下部に向かって延出し、摺洗体15の前方の洗剤吐出孔27に臨んでいる。
【0024】
摺洗具本体底面と台座51はそれぞれ前方に洗剤吐出孔27を有し摺洗部スポンジに設けられた貫通孔52と連通し、外部へ通じるよう構成されている。洗剤吐出操作部43を操作すると、洗剤の吸い込み口45から洗剤が吸い込まれると同時に、洗剤が吐出ノズル41の先端から下部に吐出され、洗剤吐出孔27とスポンジの貫通孔52を通過して外部へ吐出される。
【0025】
本実施形態に具備される洗剤容器40は、内部の液体を気密に保つ機能を有している。洗剤容器40本体の内部には洗剤吐出装置42に加え、容器内部を液体収容部48と後部の空間に隔離する隔離体47が備わっている。前記隔離体47は周壁が容器内側周壁と密着するように備えられており、操作部43を操作すると内部が加圧され、洗剤が吐出ノズル41を通じて外部に吐出されると同時に、隔離体47が圧力により前方へ引き寄せられ、液体収容部48の液体の容量が減り容積が収縮すると共に内部が気密に保たれる。すなわち液体収容部48は空気の浸入が拒まれるため、洗剤吸い込み口45の先端が常に洗剤に浸され常時吸い上げが可能なため、洗剤の残量や容器の角度にかかわらずどのような角度でも常に噴射が可能である。
【0026】
ハンドル12後部の洗剤容器挿入口21は外部に開閉可能なフタ部23を有している。フタ部23は下部の一辺が側壁をもたない略箱型を有し、左右の側壁内側はスライド機構を構成する凸溝33が挿入口21周縁の凹溝34と係合するよう縁部に沿って設けられている。フタ部23の外面は下部端縁中央部より中心に向かって円弧状の切欠部31を有した形状で、左右側壁の外側中央部には、フタ部23を操作する際滑りにくくする為の滑り止め部26が設けられている。
【0027】
一方前記挿入口21の左右側壁外側には、スライド機構を構成する凹溝34が前記フタ部23内側の凸溝33と係合するように設けられ、フタ部23は前記凹溝34を介して前記挿入口21にスライド可能に装着されている。
【0028】
挿入口21周縁の凹溝34は、フタ部23の凸溝33の端部である係止部38がフタ部23の開放状態で当接する位置と閉鎖状態で当接する位置の二箇所にストッパー部35となる両端部が定められ、フタ部23の開放状態が位置決めされている。
【0029】
フタ部23の開放状態では、フタ部23の外面に設けられた円弧状の切欠部31と洗剤容器挿入口21が連通し、洗剤容器の挿脱経路が開放されることによりこの連通部分を通じて洗剤容器40の挿脱が可能となる。
【0030】
一方、フタ部23の閉鎖状態では、フタ部23の切欠部31以外の面が前記挿入口21を部分的に封鎖し、これにより洗剤容器40は挿脱不能になり収容部20内に収容されることになる。また切欠部31の断面である内側縁部の収容部側は外周側に向かって傾斜した傾斜面37に形成されている。この傾斜面37は洗剤容器収納の際、洗剤容器40後部の縁部が最初に当接する場合に備えて設けられており、フタ部23をスライドして閉じることによって洗剤容器40が収容部20内へスムーズに導入されるよう形成されている。
【0031】
フタ部23と挿入口21双方の溝部にストッパー手段が設けられていることにより、フタ部23は本体から離脱することがない。また本実施例では凹溝34と凸溝33が摩擦的に接するよう取り付けられており、フタ部が移動した位置に静止できるよう構成されている。
【0032】
摺洗体15は板状の台座51の裏面にスポンジ素材からなる摺洗部16を備えている。摺洗体15の台座51は、本体10の底面に複数のフック18により脱着可能に連結されている。これによりスポンジの表面部分が磨耗した際には摺洗体15を本体10から取り外して、新品のスポンジが備わった摺洗体15に付け替えることができる。
【0033】
本体10の底面と摺洗体15の台座51前方には、洗剤吐出ノズル41の先端が臨む洗剤吐出孔27が設けられている。この洗剤吐出孔27と摺洗部のスポンジ部分に設けられた貫通孔52とが連通するように構成され、吐出された洗剤はこの貫通孔52を通じて摺洗体15下部へ吐出される。
【0034】
上記構成を有する洗剤容器一体型摺洗具は、以上の説明から理解されるように、洗剤容器収容部20に洗剤吐出機能を備えた洗剤容器40が収容されている状態で、本体10のハンドル12をもち、操作用開口部25より指を挿入し操作部43を操作することでスポンジ部分の貫通孔52より洗剤が吐出され、摺洗部16で被摺洗物を洗浄することができる。また洗剤容器40は洗剤容器収容部20に挿脱自在に収納可能で、挿入口21を覆うフタ部23はストッパー手段を有し本体から離脱させることなく開閉可能である。
【0035】
洗剤容器収容部20内の洗剤吐出操作部43が位置する近傍の外壁に、操作用の開口部25を設けることで、操作部43が摺洗具本体の外部へ突出することがなく、収容部20へ装着でき、操作部43が邪魔にならず本体を掴み易い。また操作部43に誤って触れたり、予期せぬ場所に当たるなどして誤動作を招くといったことも無い。
【0036】
洗剤容器挿入口21にフタ部23が設けられ、洗剤容器収容部20内に洗剤容器40を所定位置に配置する支持部材や係止部が形成されることで、洗剤容器40を安定的に収納することが可能で、使用中に飛び出したり外れるといったこともない。
【0037】
フタ部23が本体10より離脱しないように構成されることで、フタ部23を装着したまま洗剤容器40の挿脱が自在で、取り外したフタ部23を一旦別の場所に置くといった必要が無いため使い勝手が良い。
【0038】
洗剤容器40を挿脱可能な構成にすることで、構造が安定し、また状況に応じて作業中も容易に取り外すことができる。
【0039】
図9は、本洗剤容器一体型摺洗具のフタ部の第2実施形態を示す図である。
【0040】
第2実施形態のフタ部は、第1実施形態のフタ部と比べてフタ部23の開閉方式が異なる。第1実施形態ではフタ部23をスライド式に開閉する方式であったのに対し、第2実施形態のフタ部は、フタ部23を回転させてフタ部23の開口部が洗剤容器挿入口21を開放するように連通させることで洗剤容器40を挿脱する方式である。
【0041】
洗剤容器挿入口21を有したハンドル12の後部は、フタ部23が装着される被覆面が円形を有し、被覆面に内包されるように洗剤容器挿入口21の一側が前記被覆面の上部に接する位置に配置され、前記被覆面の周縁には回転支持機構を構成する溝部33が設けられフタ部の装着が可能となっている。
【0042】
フタ部23は略円筒形を有し、外面に洗剤容器40が貫通可能な開口部32が一側縁部に接する位置に設けられている。フタ部23周壁内側には回転支持機構を構成する凹溝34が挿入口21周縁の溝部33と係合可能となるよう設けられ、前記フタ部23が前記被覆面に挿入口21を覆うように回転可能に装着されている。
【0043】
フタ部23の凹溝34は、挿入口21周縁の凸溝33の端部であるストッパー部35が当接する係止部38がフタ部23の開放状態で当接する位置と閉鎖状態で当接する位置の二箇所に形成され、フタ部の開放状態が位置決めされている。フタ部23の開放状態ではフタ部23の開口部32が洗剤容器挿入口21を連通状態で開放するよう構成されており、挿脱経路が開放されることによりこの連通部分より洗剤容器40の挿脱が可能になる。
【0044】
一方、フタ部23の閉鎖状態では、フタ部23外面の開口部32以外の面が挿入口21の一部を封鎖し、これにより洗剤容器40は挿脱が不能となり洗剤容器収容部20内に収納されることになる。また本実施例では、フタ部を移動した位置に静止できるよう凹溝34と凸溝33が摩擦的に接するよう取り付けられている。
【0045】
上記構成を有する洗剤容器一体型摺洗具は、以上の説明から理解されるように、フタ部23が回転式に取り付けられることで、フタ部23の開放時も本体10の外形が変化することがないため、ハンドル12を掴んだまま片手でフタ部23の開閉操作が行い易い。
【0046】
またフタ部23と挿入口21双方の溝部にストッパー手段が設けられていることにより、フタ部23は本体から離脱することがない。
【0047】
洗剤吐出操作部43を操作する為の指を挿入する開口部25がハンドル12上部に形成されていることや、洗剤吐出孔27が摺洗部16の構成要素間に臨んでいることなどは、第1実施形態の摺洗具と同様である。
【0048】
操作用開口部25が設けられ操作部43が外部へ突出せず本体を掴みやすいこと、フタ部23が設けられ洗剤容器40を本体内に安定して収納できること、フタ部23が本体より離脱しないことで洗剤容器40の挿脱が容易に行えることなどは第1実施形態と同じである。
【0049】
図11は、本洗剤容器一体型摺洗具のフタ部23の第3実施形態を示す図である。
【0050】
第3実施形態のフタ部も、上記実施形態のフタ部と比べて同じくフタ部23の開閉方式が異なる。第3実施形態では、洗剤容器収容部の挿入口21周縁に支軸36を介してフタ部23が挿入口に対して水平方向に回動可能に連結されている。
【0051】
フタ部23は下部の一辺が側壁をもたない略半円筒形で、外面に切欠部を有し挿入口21の周縁右側に支軸36を介して回動可能に装着されている。一方フタ部23は支軸36の反対側の縁部内側に係止部38を有するとともに、挿入口21の周縁外側に前記係止部38が係合する係合部39が備えられ、前記係止部38を挿入口21側の係合部39に装着又は解除することでフタ部23の開閉が可能となっている。これによりフタ部23を挿入口21から離脱させることなく開閉でき、洗剤容器40の挿脱が自在である。
【0052】
上記構成を有する洗剤容器一体型摺洗具は、以上の説明から理解されるように、フタ部23が挿入口21の近傍に回動可能に取り付けられることで、より片手での操作が楽になる。
【0053】
洗剤吐出操作部43を操作する為の指を挿入する開口部25がハンドル12上部に形成されていることや、洗剤吐出孔27が摺洗部16の構成要素間に臨んでいることなどは、上記実施形態の摺洗具と同様である。
【0054】
操作用開口部25が設けられ操作部43が外部へ突出せず本体を掴みやすいこと、フタ部23が設けられ洗剤容器40を本体内に安定して収納できること、フタ部23が本体より離脱しないことで洗剤容器40の挿脱が容易に行えることなどは上記実施形態と同じである。
【0055】
なお、ハンドルを含む摺洗具本体やフタ部の形状及び摺洗体の形状は、上記実施形態ような形状にこだわるものではない。
【0056】
洗剤容器収容部における洗剤容器の支持部材の構造や係止部の形状も、上記のような形態にこだわることなく任意の形態が採用される。
【0057】
フタ部を洗剤容器挿入口に装着する支持機構の形状も、上記のような実施形態にこだわることなく任意の形状が採用される。また上記実施形態ではフタ部は本体に摩擦的に取り付けられているがこの構成にこだわるものではない。例えば支持機構に凸部や凹部からなるロック機構を設けフタ部が開放位置や閉鎖位置で静止するようにしてもよい。
【0058】
洗剤容器は洗剤容器収容部内に収納されている時、洗剤容器の肩部から後部が係止部とフタ部の間に位置していればその状態は押圧状態、非押圧状態を問わない。
【0059】
案内溝や案内突起の位置や形状も上記の実施形態にこだわるものではない。
【0060】
摺洗部にはスポンジが用いられているが、ブラシ毛やたわしのようなものが用いられてもよく、被摺洗部を摺洗できる素材であれば材質は問わない。
【0061】
摺洗具に具備される洗剤容器の構成や形状、またその洗剤容器に具備される洗剤吐出装置も、上記のような実施形態のものにこだわることなく、種々のものが採用される。例えば洗剤吐出装置は、洗剤がミクロ単位のクリーム状の泡で吐出される装置などが用いられても良い。
【0062】
摺洗具本体と摺洗体の連結手段も上記実施形態にこだわることなく、任意の方式が採用される。例えば面ファスナー(マジックテープ(登録商標))を台座と本体の係合する面に取り付け双方を脱着可能に構成するなどとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態を示す洗剤容器一体型摺洗具の側面図である。
【図2】同摺洗具の内部を示した側面図である。
【図3】同摺洗具のフタ部の開放状態と洗剤容器の半挿入状態を示した図である。
【図4】同摺洗具の平面図である。
【図5】同摺洗具の内部機構を示す平面図である。
【図6】同摺洗具の底面図である。
【図7】同摺洗具の背面図である。
【図8】同摺洗具のフタ部を開放した状態の背面図である。
【図9】同摺洗具のフタ部の第2実施形態を示す斜視図である。
【図10】同フタ部の開放状態を示す斜視図である。
【図11】同摺洗具のフタ部の第3実施形態を示す斜視図である。
【図12】同フタ部の開放状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の摺洗具本体と摺洗体を分離した状態の側面図である。
【符号の説明】
【0064】
10 摺洗具本体
12 ハンドル
15 摺洗体
16 摺洗部
18 フック
20 洗剤容器収容部
21 (洗剤容器挿入用)開口部
23 フタ部
25 (操作用)開口部
26 滑り止め部
27 洗剤吐出孔
29 案内溝
30 (収容部内)係止部
31 切欠部
32 (フタ部)開口部
33 凸溝部
34 凹溝部
35 ストッパー部
36 支軸
37 傾斜面
38 係止部
39 係合部
40 洗剤容器
41 吐出ノズル
42 洗剤吐出装置
43 洗剤吐出操作部
45 吸い込み口
47 隔離体
48 液体収容部
51 台座
52 スポンジ貫通孔























【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧による洗剤吐出機能を備えた洗剤容器と、スポンジ等の摺洗部を備えた摺洗体が具備され、洗剤吐出孔が摺洗部の構成要素間に臨むよう構成された洗剤容器一体型摺洗具において、
洗剤吐出操作部が摺洗具外部に突出しないよう摺洗具内部の所定位置に配備されるとともに、前記操作部が位置する近傍の外壁に外部より指の挿入が可能な操作用開口部が形成され、前記操作用開口部は指で前記操作部の操作が可能な位置と寸法に形成されていることを特徴とする洗剤容器一体型摺洗具。
【請求項2】
摺洗具がハンドル内部及び本体に洗剤容器を収容可能な収容部を有し、前記収容部は、前方に洗剤容器の肩部を係止する係止部と洗剤容器の外周を包囲するように形成された支持部材を有する一方、前記収容部の洗剤容器挿入口に開閉可能なフタ部が構成され、洗剤容器の肩部を前記収容部の係止部の位置まで挿入し前記フタ部を閉じることによって、洗剤容器を前記収容部内の所定位置に収納可能で、且つこのとき洗剤吐出操作部が操作用開口部より指で操作可能な位置に配置されるよう構成され、前記フタ部の開放時は洗剤容器の挿脱が自在な構成であることを特徴とする請求項1に記載の洗剤容器一体型摺洗具。
【請求項3】
フタ部を洗剤容器挿入口の開口面に沿ってスライド可能に支持するスライド機構が設けられ、フタ部が前記挿入口にスライド可能に装着されるとともに、前記フタ部は外面に洗剤容器が貫通し得る開口部もしくは切欠部を有し、前記フタ部が所定位置にある時前記開口部もしくは切欠部が前記洗剤容器挿入口を連通状態で開放しこの連通部分を通じて洗剤容器が挿脱可能となるよう構成され、フタ部の開閉がフタ部のスライドすなわち開口部もしくは切欠部を移動させることによって実施され、且つ前記スライド機構にフタ部の開放状態を位置決めするストッパー部が設けられ、フタ部が本体より離脱しないよう構成されたことを特徴とする請求項2に記載の洗剤容器一体型摺洗具。
【請求項4】
フタ部を洗剤容器挿入口の開口面に沿って回転可能に支持する回転支持機構が設けられ、フタ部が前記挿入口を覆うように回転可能に装着されるとともに、前記挿入口が前記フタ部によって覆われる被覆面の中心より一側にずれた位置に配置される一方、前記フタ部は外面に洗剤容器が貫通し得る開口部を有し、前記フタ部が所定位置にある時前記開口部が前記挿入口を連通状態で開放しこの連通部分を通じて洗剤容器が挿脱可能となるよう構成され、フタ部の開閉がフタ部の回転すなわち開口部を移動させることによって実施され、且つ前記回転支持機構にフタ部の開放状態を位置決めするストッパー部が設けられ、フタ部が本体より離脱しないよう構成されたことを特徴とする請求項2に記載の洗剤容器一体型摺洗具。
【請求項5】
洗剤容器挿入口の周縁にフタ部が前記挿入口に対して水平もしくは外側に回動可能に支持され、前記フタ部は本体との係止部を有する一方、前記係止部と係合可能な係合部が前記挿入口の近傍に設けられ、前記フタ部の係止部を前記係合部に装着又は解除することでフタ部の開閉が実施され、フタ部開放時もフタ部が本体より離脱することのない構成である請求項2に記載の洗剤容器一体型摺洗具。
【請求項6】
摺洗具がハンドル内部及び本体に洗剤容器を収容可能な収容部を有し、前記収容部は洗剤容器の外周を包囲するように形成された支持部材を有する一方、前記収容部内又はその挿入口周辺と洗剤容器本体の外部に洗剤容器を前記収容部に装着可能な係合手段が設けられ、洗剤容器が着脱可能な構成であることを特徴とする請求項1に記載の洗剤容器一体型摺洗具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−177318(P2011−177318A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43648(P2010−43648)
【出願日】平成22年2月28日(2010.2.28)
【出願人】(507237141)
【Fターム(参考)】