説明

洗剤容器付き摺洗具及びその摺洗具用洗剤補給システム

【課題】 ミクロ単位の泡吐出が可能で、洗浄効果が高く、その弾力性のある泡状洗剤をブラシ毛に保たせることで逆手になり噴射し難い場所でも洗剤の塗布を楽にし、手への負荷が少なく、洗剤吐出口が邪魔にならず、洗剤が残り少でも吸い上げが容易な洗剤容器付き摺洗具と、前記摺洗具への洗剤の自動供給が可能な洗剤補給システムを提供する。
【解決手段】 ミクロ単位泡発生装置13と洗剤容器12、外部にハンドル16と泡吐出操作部22、下部にブラシ毛等から成る摺洗体11を備えた摺洗具で、泡吐出口20は摺洗部の構成要素間に位置し、泡を毛束に付着できるノズル36を有する。洗剤容器12は受給器40と摺洗部が略水平状態にある時残量少となった洗剤の常時溜まり部19を有し、泡発生装置13の洗剤吸入口23が前記溜まり部19に臨む。洗剤補給器50は補給管60を備え、前記受給器40に装着でき洗剤の自動補給が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は摺洗具、例えば浴槽、浴室の壁面や衣類等の洗浄に好適な洗剤容器付き摺洗具と、その摺洗具への洗剤の自動供給が可能な洗剤補給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭では、浴槽や流し台を洗浄する際に、いわゆるスポンジたわしや、摺洗ブラシ等の摺洗具が用いられている。このような摺洗具を使用する場合、洗剤を摺洗具に含ませたり、あるいは被摺洗物に洗剤を直接かけておいてから摺洗作業が行われるが、作業中に洗剤が足りなくなってくると、いったん作業を止めて、洗剤容器から洗剤を補充しなければならず、それが面倒であるし、作業能率も低下する。
【0003】
そこで、最近では、摺洗具と洗剤容器とが一体になった洗剤容器付き摺洗具が種々提案されているたとえば特許文献1。
【0004】
【特許文献1】特開2005−6701号公報
【0005】
前記特許文献1に記載されている洗剤容器付き摺洗具は、摺洗体と、該摺洗体に取り付けられ洗剤容器を有する把持部と、前記洗剤容器から洗剤を吐出させるディスペンサーとを備えているので、摺洗作業中にディスペンサーを操作することにより、摺洗具外部に洗剤を吐出することができ、摺洗作業が中段されることがないため作業能率が向上する。
【0006】
しかも、この洗剤容器付き摺洗具は、摺洗体と洗剤容器とが着脱自在に連結されているので、摺洗体のブラシ毛やスポンジが磨耗した場合には、交換できるという利点を有している。
【0007】
しかしながら、この洗剤容器付き摺洗具は、例えば浴槽の内底隅部を洗う場合には、摺洗体の外に向かって突出しているディスペンサーの洗剤吐出口が邪魔になるので、摺洗部の角度を変えたり、摺洗具を持ち替えたりしなければならない。また吐出口から噴射した洗剤は、摺洗部から離れるので、確実に被摺洗物にまで届かないことがあり、摺洗に使用されない洗剤のロスが不可避的に生じるばかりか、このロスを減らすために、摺洗具全体を大きく動かさなければならない。さらに、標準的なトリガーボトルをそのまま使用している為、洗剤を満タンにした場合不必要な洗剤まで多く保有して使うことになるので、摺洗具自体が重く使い辛い。また洗剤の残りが少なくなった際、洗剤を吸い上げる為には摺洗具の角度が限定されるばかりでなく、例えば天井や浴槽の手前など、摺洗具の上下を維持したまま噴射することが困難な場所へは噴射がさせにくく不便である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の事情にて鑑みてなされたもので、摺洗時に洗剤吐出口が邪魔にならず、しかも洗剤を摺洗体から離れた不本意な場所に飛散させることなく効率的に吐出することができ、洗剤の揺れによる手への負荷も少なく、洗剤の残量や被摺洗場所に関わらず洗剤の吸い上げと使用が簡単で、洗剤補充の手間も軽減した使用性、経済性に優れた洗剤容器付き摺洗具を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、その摺洗具への洗剤の補給を簡単に行える洗剤補給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する為に、本発明に係わる洗剤容器付き摺洗具は、ブラシ毛等の摺洗部を備えた摺洗体と洗剤容器とが組み合わされてなる洗剤容器付き摺洗具において、摺洗体に摺洗部の構成要素間から洗剤を吐出する吐出口が設けられる一方、洗剤容器に、ミクロ単位の泡発生装置と洗剤吐出操作部とが設けられ、洗剤吐出操作部を操作することにより、泡発生装置を介して洗剤吐出口から泡状洗剤が摺洗部の構成要素間に吐出されるように構成されている。
【0010】
本発明に係わる洗剤容器付き摺洗具においては、洗剤容器に、ミクロ単位の泡発生装置と洗剤吐出操作部とが設けられている。洗剤吐出操作部を操作することにより、摺洗部の構成要素間からミクロ単位の泡状洗剤が吐出される。このため、ミクロ単位の泡状洗剤が洗剤吐出口から遠くに飛散することなく摺洗部に付着し、吐出洗剤の効率的使用が可能になる。また、摺洗時に吐出口が邪魔にならない。
【0011】
前記洗剤容器は、内部に液体の動きを抑制する間仕切りが設けられている。この間仕切りにより、摺洗具を動かした際の洗剤の揺れが抑制され、作業中手にかかる負荷を軽減できる。
【0012】
洗剤容器は、その内底に、摺洗部が略水平状態にあるときに、残量少となった洗剤が溜まる溜まり部があり、その中心付近にさらに洗剤の常時溜まり部となる窪みが設けられる一方、泡発生装置の洗剤吸入口が前記常時溜まり部に臨むように構成されていることが好ましい。この構成によると、洗剤容器内の洗剤が残り少なくなった場合も、摺洗具が略水平状態にある時は摺洗具の少々の角度変更に関係なく、常時溜まり部に常に洗剤が溜まるように構成されており、泡発生装置の洗剤吸入口が上記洗剤常時溜まり部内の洗剤に挿入され続ける。
【0013】
洗剤容器は又、液体の揺れを抑制する他の手段として、洗剤収容部として球状空間を有する球状容器が好ましい。この構成によると、摺洗具を水平状態で使用しても傾けて使用しても、容器内の洗剤の重心位置が変わらない。このため摺洗具の使用角度による操作上の違和感がなくなる。また、洗剤収容部の下半部が下向きに湾曲する半球状に形成され、その中心付近に泡発生装置の吸入口が入る窪みを設けることにより、効果的な洗剤の常時溜まり部が形成される。
【0014】
洗剤容器の大きさは、従来のものと比べて比較的小さくすることが好ましい。これにより洗剤を満タンに含んだ状態でも摺洗具の重量が軽くなり、作業が楽になる。
【0015】
本発明に関わる洗剤容器付き摺洗具は又、当該摺洗具を片手で保持するためのハンドルを上部に有し、ハンドルを片手で握った状態でその手のいずれかの指で楽に操作できる部分に洗剤吐出し操作部を有する構成が好ましい。この構成によると、片手で摺洗具を操作しつつ、洗剤容器内の泡発生装置を操作することができる。
【0016】
摺洗部の構成要素間に臨んでいる洗剤吐出ノズルの先端部には、洗剤吐出方向の選択ができる切替ノズルを設けるか、洗剤吐出ノズルの先端を摺洗部台座に設けられた泡吐出用孔に固定できる仕組みが望ましい。切替ノズルの場合は泡を一方向へ飛ぶようにして噴射するか、泡を摺洗部の毛束等にまとわりつくようどちらかに選択でき、毛束等にまとわりつくよう選択した場合は、スプレー方式などと違い、逆さになったり遠くて泡の届きにくい場所でも、毛束に保った泡で洗浄が可能である。摺洗具台座に固定した場合は、洗剤は泡吐出用孔を通って毛束に吐出され、吐出ノズルが外部へ突出することが一切ない為さらに使い勝手が良い。
【0017】
また本発明に係わる洗剤補給器の補給器本体は、液体洗剤を保有できるタンクと、上記摺洗具に結合できる補給管とを有している。一方で上記摺洗具洗剤容器には、上記洗剤補給器本体と結合して洗剤の受給が可能な受給管が備わっている。補給器本体に摺洗具が装着されると、洗剤の自動補給が行われ、摺洗具の洗剤が一定量になると補給がストップする。これにより上記摺洗具への洗剤の補充が楽になる。
【0018】
この洗剤補給器は浴槽の壁やバー等に固定したり、卓上に置くことが可能で、洗浄作業が終われば簡単に設置をするだけで、洗剤の補充を自動で終え、そのままの状態で保管しておけるので、摺洗具と補給器本体を共に整頓できるという利点もある。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係わる洗剤容器付き摺洗具は洗剤吐出操作部を操作することにより、ミクロ単位の泡発生装置を介して洗剤吐出口からふっくらしたクリーム状のミクロ単位の泡状洗剤を摺洗部の構成要素間に吐出し、洗剤を洗剤吐出口から遠くに飛散させることなく摺洗部に付着させ得る。したがって、被摺洗物に対して、確実にミクロ単位の泡状洗剤を用いた摺洗を行うことができることはもとより、ミクロ単位の泡であるため被摺洗部に洗剤を素早く効率良く馴染ませることができ、洗剤を効果的に且つ経済的に用いた摺洗を行える。
【0020】
洗剤吐出口が摺洗部の構成要素間から洗剤を吐出するように摺洗体に設けられているので、作業中は被摺洗物によって角度を変えたり持ち替えたりする必要がなく摺洗具の角度はそのままで洗剤を噴射でき、吐出口が前方にあるような場合とは異なり邪魔になることもない。又泡吐出ノズルの先端が台座から一切突出しないように取り付けることも可能で、作業により被摺洗物を傷つけたりするおそれも無い。
【0021】
洗剤容器内に間仕切りを設けた場合は、摺洗具を動かした際の容器内の洗剤の揺れを抑制することができ、作業中手にかかる負荷を軽減することができる。又洗剤容器が球状の場合は、容器内に収容された洗剤の重心位置が変わらない為、摺洗具から受ける負荷が摺洗具の使用角度に関係なく一定であり、使用感が良好である。
【0022】
洗剤容器の洗剤収容部の内底溜まり部付近に泡発生装置の吸入口の先端が入る窪みがある場合は、摺洗部が略水平状態にあるときに残量少となった洗剤が貯まる常時溜まり部となる一方、泡発生装置の洗剤吸入口が前記常時溜まり部に臨むものとされている場合には、摺洗具を略水平状態にして摺洗する際に、全体を傾けたりすることなく洗剤を吸入し吐出することができ、使い勝手が良い。
【0023】
洗剤吐出ノズルの先端に洗剤吐出方向の切り替えノズルを設けたり、台座の泡吐出用孔を毛束方向に設計した場合は、泡を摺洗部の毛束等にまとわりつくように吐出できる為、洗剤が少なくなった際、天井など逆さに噴射しなければならない場所でも、楽な角度でレバー操作し、摺洗部に泡を保たせ、その泡を使ってより様々な場所の洗浄が容易になる。
【0024】
上記洗剤容器付き摺洗具に、専用の洗剤補給器を設けることにより、摺洗具を補給器本体に装着することで摺洗具側へ洗剤の自動補給ができ、摺洗具側の洗剤が一定量になると補給を休止する。摺洗具には1回の清掃に必要な程度の洗剤が保有できればよく、本体が軽く作業が楽である。洗剤の補給は、摺洗具を補給器本体に装着するだけか、装着してレバーを下げるだけで良く、補充の煩わしさを回避している。
【0025】
補給器のタンクへ洗剤を継ぎ足す際は、タンクの容量が市販されている詰め替え用洗剤の一般的な容量(300〜350ml)程度に相当する大きさに設計されているので、一度で詰め替えきることができ、また上部に大きめの注入口も備わっているので、注ぎやすく便利である。
【0026】
摺洗具を補給器本体に装着したまま放置しておけるので、両者の整理整頓に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施例を図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の第1実施形態を示す洗剤容器付き摺洗具の斜視図、図2は側面図である。また、図3は平面図、図4は底面図、図5は洗剤吐出ノズル先端と切替ノズルの拡大図、図6は図5の切替ノズルを90度捻った状態の図である。
【0028】
第1実施形態の洗剤容器付き摺洗具は、上部に操作用のハンドルを備えた本体10と、本体10の底面に脱着可能に取付けられた摺洗体11とから構成されている。本体10は樹脂ケースからなり、内部に洗剤容器12と、これに付設されたミクロ単位泡発生装置13を備えている。
【0029】
本体10は、アイロンの如き外形を有した樹脂ケースであって、上部に一体形成されたハンドル16を有している。ハンドル16は、片手で掴むのに適するように、本体10の前面上部から後方に延出する略L状に形成されており、その付け根の左前方には、ミクロ単位の泡発生装置13の操作部が突出する開口部17が設けられている。
【0030】
洗剤容器12は、全体が略々球形に形成された中空体であり、本体10内の中央部から後部にかけて配置され固定されている。洗剤容器12の後部上面には、本体10を貫通してキャップ付き開口部14が設けられており、キャップを開けて開口部14から洗剤が洗剤容器12に注ぎ込まれる。洗剤容器12の内部には間仕切り27が設けられており、この間仕切り27には複数の隙間が配置され容器全体で洗剤を保有できる設計になっている。洗剤容器12の下部は、全体が球形に形成されていることにより、必然的に内底に、摺洗部が水平状態にある時に残量少となった洗剤が溜まる洗剤溜まり部18を有することになり、さらにその中心部付近に、泡発生装置の吸入口の先端が挿入できる大きさの窪みである常時貯まり部19がある。
【0031】
ミクロ単位泡発生装置13は、洗剤容器12の前部に取付けられている。この泡発生装置13は、洗剤容器12の前側に水平に取付けられた本体15と、本体15から前方へ逆L状に突出した洗剤吐出口としての吐出ノズル20と、本体15から後方に延出した洗剤吸い込みノズル21と、洗剤吐出し操作部である操作レバー22とを備えている。
【0032】
泡発生装置13の本体15は周知の泡発生器であって例えば非特許文献1参照、操作レバー22を後方へ操作することにより、洗剤容器12内を加圧し、その圧力によって洗剤容器12内の洗剤を吸い込みノズル21から吸い込むと共に、吸い込んだ洗剤を容器内の空気と混合してミクロ単位の泡にし、吐出ノズル20から吐出する。洗剤操作部であるレバー22は、本体10の開口部17から上方へ突出しており、本体10のハンドル16を片手で掴んだ状態で親指等が掛かるように後方へ傾斜している。
【0033】
【非特許文献1】http://www.buyer-s.com/awa/index.html
【0034】
泡吐出操作が終わると、操作レバー22は図示されないスプリングにより元の位置に自動復帰する。このとき、図示されない空気孔から洗剤容器12内へ外部空気を送り込み、次の泡吐出操作に備える。
【0035】
吐出ノズル20は、後で詳しく説明するが、先端の垂直部が摺洗体11のノズル用孔30から突出してブラシ毛間に位置している。洗剤吸い込みノズル21は、先端が洗剤容器12の下部に形成された常時溜まり部19に臨んでいる。
【0036】
摺洗体11は、板状の台座31の裏面に、ブラシ毛からなる摺洗部32を備えている。摺洗体11の摺洗部32は、多数のブラシ毛が所定群ごとに台座31の裏面に植毛されて形成された多数の毛束33a、33a…からなる。摺洗体11の台座31は、本体10の底面に複数のフック34により脱着可能に連結されている。しだがって、毛束33a、33a…が磨耗したり、減数したりした場合には、摺洗体11を本体10から取り外して、新品のブラシ毛が植毛されている摺洗体11に付け替えることができる。
【0037】
摺洗体11の台座31には、泡発生装置13の洗剤吐出口としての吐出ノズル20が突出するノズル用孔30が設けられている。このノズル用孔30は、台座31のブラシ毛非植毛部位に設けられており、ここでは台座31の前部に設けられている。吐出ノズル20の先端の垂直部が摺洗体11のノズル用孔30から突出してブラシ毛に位置していることは前述したとおりである。
【0038】
吐出ノズル20垂直部の最先端には、泡吐出方向を選択できる切替ノズル36が備えられている。この切替ノズル36は吐出ノズル20先端の外輪に沿って設けられ、円筒形で垂直軸に手で回転させることができる。この切替ノズル36には側面と底面に泡吐出用孔37が設けられ、一方吐出ノズル20の最先端部にも側面と底面両方に泡吐出用孔35が設けられている。この切替ノズル36を回転させるごとに、吐出口が側面か底面のどちらかだけが開通するようにできており、泡を吐出口より切替ノズル36を通じて、摺洗部の下方に一方向に飛ぶように吐出するか、横及び斜め下方に吐出し摺洗部の毛束33にまとわりつくよう、どちらかに選択できる。
【0039】
上記構成を有する第1時実施形態の洗剤容器付き摺洗具は、以上の説明から理解されるように、洗剤容器12に液体洗剤が収容されている状態で、本体10のハンドル16をもち、摺洗体11の摺洗部32で対象物を摺洗具する。ハンドル16を持ったまま、親指等で操作レバー22を手前へ引くと、容器内が加圧されて、ミクロ単位泡発生装置13の吸い込みノズル21から本体15内に液体洗剤が内に吸い込まれると共に、吸い込まれた液体洗剤が、ふっくらしたクリーム状のミクロ単位の泡となって吐出ノズル20から吐出される。
【0040】
操作レバー22は、図示されないスプリングに付勢されて元の位置へ自動復帰する。操作レバー22の引き操作を繰り返すことにより、所定量のミクロ単位の泡が、吐出ノズル20から摺洗体11の摺洗部32の下方に突き出したノズル先端から吐出される。このミクロ単位の泡は、吐出ノズル20先端の切替ノズル36の向きを切り替えることによって、泡の吐き出す方向を、摺洗部の下方にするか、もしくは摺洗部32の毛束33aにまとわりつくように吐出するかを選択できる。
【0041】
このように第1実施形態の洗剤容器付き摺洗具では、洗剤容器12内の液体洗剤がふっくらしたクリーム状のミクロ単位の細かな泡となって摺洗部32の下方もしくは摺洗部32を構成する毛束33aの間に、毛束33aにまとわりつくように吐出されるため、液体洗剤のまま、或いはミスト状で吐出される場合と異なり、摺洗部32から遠く離れることがないので、洗剤を不本意に被摺洗物以外にかけてしまうといったロスも生じない。また泡なので洗剤を被摺洗部に無駄なく効率良く馴染ませることができる。
【0042】
洗剤容器12は、間仕切り27を有することによって洗剤の揺れを抑制することができ手にかかる負荷を軽減できるほか、洗剤容器12が球状の場合は容器内の液体洗剤の重心が一定し、摺洗時の揺れによって液体洗剤がいたずらに揺れ動くことがないため、いずれも快適な摺洗作業が行える。洗剤容器12内の洗剤は、残り少なくなってくると、摺洗具が略水平状態にあるとき、集中的に洗剤溜まり部18に溜まり、さらに摺洗具の少々の角度変更に関係なく常時貯まり部19を常に満たすことになる。この常時貯まり部19に泡発生装置の吸入口23が臨んでいるため、残り少なくなった洗剤を常に吸い上げることができ、使い勝手が良い。
【0043】
また、吐出ノズル20が摺洗体11の前方など外部に突出していないので、浴槽の内部隅部を摺洗する場合にも邪魔にならず、その際に摺洗具の角度を変えたり、持ち替えたりすることも不要となり、摺洗作業を能率良く行うことができる。摺洗体11の台座31下部からも極力突出しないように構成されており、被摺洗物を傷つけるおそれも少ない。
【0044】
上記吐出ノズル20先端の切替ノズル36によって、泡の吐出方向を摺洗部の下方のほか、摺洗部の毛束33aにまとわりつくようにもできるため、例えば洗剤を添付しにくい天井や浴槽の内側といった場所でも、楽な角度で摺洗具のレバー22を操作し、その摺洗部の毛束33aに保たれた泡で洗浄ができる。常時摺洗具の角度を無理に維持しながらレバー操作をする必要がなく、特に洗剤が残り少なくなった場合は、摺洗具の角度を意識する必要が増えるのでその効果を発揮する。
【0045】
図7は本発明の第2実施形態を示す洗剤容器付摺洗具の左側面図、図8は右側面図、図9 は底面図である。
【0046】
第2実施形態の洗剤容器付き摺洗具は、第1実施形態の洗剤容器付き摺洗具と比べて、ミクロ単位の泡発生装置13の洗剤吐出操作部が相違する。この操作部は、第1実施形態の摺洗具では、操作レバー22で洗剤容器12内を加圧する構成であった。これに対し、第2実施形態の摺洗具では、この操作部は、本体内の洗剤容器12の一部分で構成された突出部26である。突出部26は、本体10内の洗剤容器12の上部に垂直に一体形成された蛇腹構造の伸縮体であり、本体10のハンドル16を片手で掴んだ時に親指が当たるようにハンドル16の付け根部に同部を貫通して垂直に設けられている。この突出部26は、泡発生装置13のポンプを兼ねている。
【0047】
泡発生装置13の本体15は周知の泡発生装置であって、突出部26を内側へ押し込むことにより、洗剤容器12内を加圧し、その圧力によって洗剤容器12内の洗剤を吸い込みノズル21から吸い込むと共に、吸い込んだ洗剤を容器内の空気と混合してミクロ単位の泡にし、吐出ノズル20から吐出する。泡吐出作業が終わると、突出部26は自身の復元力により元の伸長状態に自動復帰する。この時、図示されない空気孔から洗剤容器12内へ外部空気を送り込み、次の泡吐出操作に備える。
【0048】
第2実施例の洗剤容器付き摺洗具は、第1実施例と比べてブラシ板の台座31の内部構造も相違する。第1実施例ではブラシ板の台座31に泡発生装置の吐出ノズル用孔30が設けられており、この吐出ノズル用孔30から吐出ノズル20の先端がブラシ毛間に臨んでいる構成であった。しかし第2実施例では、吐出ノズル用孔30に泡発生装置の吐出ノズル20の先端が固定できるよう双方に溝が設けられ固定される仕組みで、台座の吐出ノズル用孔30はこの溝部分から下部が複数に枝分かれして台座31の外部へ臨んでいる。吐出された泡は、吐出ノズル20を通りこの吐出ノズル用孔30の複数の先端38から外部へ吐出され、毛束に付着する。
【0049】
洗剤吸い込みノズル21が、先端が洗剤容器12の下部に形成された洗剤の常時溜まり部19に臨んでいること、ブラシ板は交換できることなどは、第1実施形態と同様である。
【0050】
第2実施形態の洗剤容器付き摺洗具でも、洗剤容器12内の液体洗剤がふっくらしたクリーム状のミクロ単位の細かな泡となって摺洗部32を構成する毛束33aの間から摺洗体の下方、もしくは毛束33aにまとわりつくように吐出されるため、液体洗剤のまま、或いはミスト状で吐出される場合と異なり、摺洗部32から遠く離れることがないので、洗剤を不本意に被摺洗物以外にかけてしまうといったロスも生じない。また泡なので洗剤を被摺洗部に無駄なく効率良く馴染ませることができる。
【0051】
洗剤容器12内の洗剤は、残り少なくなってくると、少なくとも摺洗具が略水平状態にある時は常時貯まり部19を常に満たし、この常時貯まり部19に泡発生装置の吸入口23が臨んでいるため、残り少なくなった洗剤を常に吸い上げることができ、使い勝手が良い。また球状であることから洗剤容器12内の液体洗剤の重心が一定し、摺洗時の揺れによって液体洗剤がいたずらに揺れ動くことがなく、快適な摺洗作業が行える。
【0052】
また吐出ノズル20が摺洗体11の前方など外部に突出していないので、浴槽の内底隅部を摺洗する場合にも邪魔にならず、その際に摺洗具の角度を変えたり、持ち替えたりすることも不要となり、摺洗作業を能率良く行うことができる。
【0053】
吐出した泡を摺洗部の毛束33aにまとわりつくようにできるため、洗剤を添付しにくい天井や浴槽の内側といった場所でも、楽な角度で摺洗具のレバー22を操作し、摺洗部の毛束33aに保たれた泡で洗浄ができる。特に洗剤が残り少なくなった場合にその効果を発揮する。
【0054】
図10は本発明の第3実施形態を示す洗剤容器付き摺洗具の斜視図、図11は同摺洗具の側面図である。
【0055】
第3実施形態の摺洗具は、第1実施形態の摺洗具及び第2実施形態の摺洗具と比べて、本体10の構造が大きく相違している。また、洗剤吐出操作部、及び泡吐出口の構造も相違している。
【0056】
第3実施形態の摺洗具では、ブラシ毛からなる摺洗部32を備えた摺洗体11に、洗剤容器12が連結体28にて連結されており、洗剤容器12と連結体28とで前記本体10が構成されている。連結体28は、洗剤容器12を保持する凹所を上面に有しており、洗剤容器12の下部が該凹所に嵌め込まれている。
【0057】
洗剤容器12は、全体が略々球形に形成された中空体で、その下部が連結体28の凹所に嵌め込まれている。洗剤容器12の上部には、片手で掴むのに適した形状のハンドル16が一体形成されており、その近傍、すなわちハンドル16を片手で掴んだ時に親指が当たる位置に吐出操作部としてのプッシュボタン26が突設されている。この吐出操作用プッシュボタン26は、スプリング29により常に抜脱方向に付勢されており、泡発生装置13のポンプを兼ねている。
【0058】
洗剤容器12には、プッシュボタン26の前方に位置して、開閉自在なキャップ付きの開口部14が設けられている。洗剤容器12の下部は、全体が球状に形成されていることにより、必然的に内底に摺洗部が略水平状態にある時に残量少となった洗剤が常に溜まる常時溜まり部19を有することになる。この洗剤常時溜まり部19に臨む吸い込みノズル21が、ミクロ単位泡発生装置13の本体15に連結されている。
【0059】
洗剤吐出ノズル20には、先端に脱着可能な吐出口キャップ24が設けられ、吐出ノズル20と吐出口キャップ24の両者で、摺洗部台座31のノズル用孔30部分で台座31を挟み、吐出ノズル20と台座31及び吐出口キャップ24の三者が固定されるように取り付けられている。台座を新品と交換する際は、吐出口キャップ24を外すと台座を取り外せる仕組みである。
【0060】
第3実施形態の摺洗具10は、洗剤容器12に液体洗剤が収容されている状態で、プッシュボタン26を押し下げると、容器内が加圧されて、ミクロ単位泡発生装置13の吸い込みノズル21から本体15内に液体洗剤が吸い込まれると共に、吸い込まれた液体洗剤がミクロ単位の泡となって吐出ノズル20先端の吐出口キャップ24から吐出される。
【0061】
プッシュボタン26は、バネ29に付勢されて元の突出状態に復帰する。プッシュボタン26の押し下げ操作を繰り返すことにより、所望量のミクロ単位の泡が、吐出ノズル20先端の吐出口キャップ24から摺洗体11の摺洗部32を構成する毛束33aの間に、毛束33aにまとわりつくように吐出される。このため、液体洗剤のまま或いはミスト状で吐出される場合と異なり、摺洗部32から遠く離れることがないので、不本意に被摺洗物以外に洗剤をかけてしまうことがない。また、吐出ノズル20が摺洗体11の外部に突出していないので、浴槽の内底隅部を摺洗する場合にも邪魔にならず、その際に摺洗具の角度を変えたり、持ち替えたりすることも不要となり、摺洗作業を能率良く行うことができる。
【0062】
洗剤容器12内の洗剤は、残り少なくなってくると、自動的に洗剤常時溜まり部19に溜まるので、少なくとも摺洗具を水平に保ったまま摺洗作業を行う場合には、摺洗具の角度を変えることなく残り少なくなった洗剤を用いることができ、使い勝手が良い。また、球状であることから洗剤容器12内の液体洗剤の重心が一定し、摺洗時の揺れによって液体洗剤がいたずらに揺れ動くことがなく、快適な摺洗作業が行える。
【0063】
第3実施形態の洗剤容器付き摺洗具は、泡発生装置13と突出部ボタン26を有した洗剤容器部分が、摺洗体11を含む本体10にアタッチメント的に取り付けられており、摺洗部32がブラシ毛に限らず様々な種類がある場合などに、両者の組み合わせをより任意で自由に選択しやすい構造になっている。
【0064】
第4実施形態の洗剤容器付き摺洗具は、洗剤容器12内に受給管40を備え、洗剤を補給できる補給器本体50と接続することで自動で洗剤を補充できる仕組みを持ち合わせた仕様である。図12は本発明の第4実施形態を示す洗剤容器付き摺洗具を専用洗剤補給器に装着した状態の正面図、図13は図12の内部図、図14は洗剤補給器本体の正面図、図15は洗剤容器付き摺洗具の側面図、図16は同摺洗具の平面図、図17は洗剤補給器本体の右側面図、また図18は受給管と補給管の先端の拡大図、図19は受給管に補給管の先端を装着した際の拡大図である。
【0065】
第4実施形態の洗剤容器付き摺洗具は、上部に操作用のハンドル16を備えた本体10と、本体10の底面に脱着可能に取付けられた摺洗体11とから構成されている。本体10は樹脂ケースからなり、内部に洗剤容器12と、これに付設されたミクロ単位泡発生装置13を備えている。
【0066】
本体10はアイロンの如き外形を有した樹脂ケースであって、上部に一体形成されたハンドル16を有している。ハンドル16は、片手で掴むのに適するように、本体10の前面上部から後方に延出する略L状に形成されており、その付け根の左前方には、ミクロ単位の泡発生装置13の操作部が突出する開口部17が設けられている。
【0067】
洗剤容器12は、後部が略々球形に形成された中空体であり、本体10内の中央部から後部にかけて配置され固定されている。洗剤容器12の後部には、本体10を貫通して洗剤受給管40が設けられており、補給器本体50と接続することで洗剤が補給される仕組みである。洗剤容器12の下部は、全体が球形に形成されていることにより必然的に内底に、摺洗部が略水平状態にある時に残量少となった洗剤が溜まる洗剤溜まり部18を有し、さらにその中心部付近に、泡発生装置の吸入口23の先端が挿入できる大きさの窪みである常時溜まり部19がある。
【0068】
ミクロ単位泡発生装置13は、前記実施形態と同様に洗剤容器12の前部に取付けられ、この泡発生装置13は、洗剤容器12の前側に水平に取付けられた本体15と、本体15から前方へ逆L状に突出した洗剤吐出口としての吐出ノズル20と、本体15から後方に延出し前記洗剤常時溜まり部19に臨んでいる洗剤吸い込みノズル21と、洗剤操作部であるレバー22を備えている。
【0069】
泡発生装置13本体15の機能や、操作レバー22がハンドル16を片手で掴んだ状態でいずれかの指が届く位置にあること、脱着可能な摺洗体11があり、泡吐出ノズル20の先端が摺洗体11の台座31を貫通して摺洗部32の毛束33a間に位置していること、泡吐出ノズル20の先端には切替ノズル36が設けられていることなどは第1実施形態と同様である。
【0070】
また同摺洗具には補給器本体50に装着した際、摺洗具を本体に固定するツメ部となり得るよう、本体10の側面に、スプリングにより内外への伸縮運動が可能なU字型凸部25が設けられている。加えて摺洗体台座31の側面にも、補給器本体50の凸溝57が噛み合うように設計された凹溝47がある。
【0071】
第4実施形態の洗剤容器付き摺洗具の洗剤容器12には、補給器本体50に接続して洗剤の補給を受けることが可能な受給管40が備わっている。この受給管40は洗剤容器12内部より外部に通じる管であり、外部先端に設けられた受給口フタ41と、洗剤が一定量になった際にそれを感知し補給をストップさせる満タンセンサー42が併設されている。また受給口周囲にはパッキンがあり、このパッキンには補給管60が進入した際に双方を固定できるネジ溝が設けられている。
【0072】
受給口フタ41は、受給口のフタであると同時に、満タンセンサー42の空気孔43を開閉するのフタの役割も兼ねており、円盤A75と円盤B76がアームによって一体形成されている。円盤A75は受給口のフタであり、中心部は補給管の先端と組み合わさるようU字型の凹部を有し、同部分のフチが受給口のパッキンに接し、通常はスプリングの負勢により受給口を塞ぐようにできている。またその周囲は液体を通すよう枠組みのみで形成されている。一方円盤B76は満タンセンサー42の空気孔43のフタであり、中心から満タンセンサー42のボール弁45を固定する固定バー46が垂直に突き出している。
【0073】
満タンセンサー42は、洗剤容器内に設けられた小さな仕切りの中に、満タン感知用のボール弁45が入れられたもので、外部へ通じて空気孔43がある。この満タン感知用ボール弁45は水に対して浮力のある素材でできており、満タンセンサー42の外に落ちないよう枠で確保されている。通常は固定バー46により、空気孔43に固定され空気孔43を塞いでいる。
【0074】
摺洗具を補給器本体50に装着し、後述する給水レバー59を下げると、補給管60の先端が左方向へ伸びると同時に、その先端が受給口フタ41にあたり、受給口フタ41が洗剤容器12内部へ移動し受給口が開口する。補給管60はそのまま洗剤容器12内に進入し、このとき、受給口の周囲にあるパッキンを介して受給管40と補給管60が密封され内部のみが開通した状態で繋がる。一方で空気孔43が開放されていることにより容器内外の空気と洗剤の流動が可能になる。洗剤は補給管60先端の注水孔61から受給口フタ41の枠の隙間を通じて容器内部へと浸入し、洗剤の水位が上がると満タンセンサー42内のボール弁45が浮力によって空気孔43方面へ押しやられ、水と空気の流動を遮断し補給が止まるようにできている。
【0075】
補給器本体50は、下段が横長にくり抜かれた正面がほぼ正方形の中空体であり、上部に洗剤タンク部51とその右側底面から左方向へ延びる補給管60、補給管の左右移動を操作する操作レバー59、下部の空洞部分56で構成されている。洗剤タンク部51の上部には洗剤注入口52と、脱着可能なフタ54があり、フタ54の背面に空気孔55、さらにタンク部51前面にはタンク内の水量100ml、200ml、300mlを表すメモリがある。またここでは摺洗具は本体中央に横向きにスライド方式に固定されるようになっており、本体のくり抜かれた部分の上下に、摺洗具のU字型凸部25を受け入れる凹部53がある。
【0076】
補給時は摺洗具が動かないように、摺洗具のU字型凸部25を補給器本体50の凹部53に装着する一方、摺洗具台座31の凹溝47と補給器本体50の凸溝をかみ合わせることで保持している。摺洗具を補給器本体50から取り外す際は、摺洗具のU字型凸部25を外側から内側へ押すことで、スプリングの伸縮によりU字型凸部25が中へ凹み、脱着が可能になる。
【0077】
洗剤タンク部51の右側底面からは補給管60が左側へ伸びている。この補給管60は洗剤タンク部51より延出した管A65の内部に、これより一回り細い管B66が導入されているもので、双方は内部でネジとパッキンにより固定されている。管B66の先端には洗剤を注出する注水孔61が設けられており、反対側は管の口がそのまま開口しているが、通常は洗剤タンク部51内に据え付けられているパッキンがこの口に密着し、洗剤が補給管60を通じて外部に漏れないようにできている。この管A65と管B66から成る補給管60は、管B66を回転させることで、左右方向へ伸縮するという仕組みで、管B66が左方向へ移動し後部の口がパッキンから離れた際に液体が外部へ流れ出るようになっている。
【0078】
管A65の左端には、補給管の伸縮を操作する給水レバー59と一体化した帯状パーツ67がかぶさっている。管A65には一部がらせん状にくり抜かれたらせん孔68があり、帯状パーツ67には一部水平にくり抜かれた水平溝69が設けられている。さらに管B66の中程には突起が1個設けられており、この突起は管A65のらせん孔68を貫通して帯状パーツ67の水平溝69に達している。給水レバーを下げると帯状パーツ67が下へ半回転する。この時管B66の突起が前記らせん孔68と水平溝69に沿ってスライドし、管B66は半回転すると同時に左方向へ伸びる仕組みになっている。
【0079】
補給器本体50に摺洗具を設置し、給水レバー59を下げると、補給管60の管B66が左方向へ伸び、受給口側のパッキンのネジ溝に沿って進み、さらにこの先端が摺洗具の受給口フタ41を洗剤容器内部へ押しやり、パッキンを介して受給管40と補給管60が密封され内部のみ開通した状態で繋がる。一方で管B66の後方の口がタンク51内のパッキンから離れ、全体の空気と洗剤の流動が可能になり、洗剤タンク部51から補給管60を通じて摺洗具側への洗剤の補給が行われる。
【0080】
補給器本体50の背面には吸盤取付け用の突起があり、その部分に吸盤を嵌め込み、浴室等の壁面に設置できるようになっている。または別添付のホルダーを用い、シャワーホルダーやタオル掛けのバー等と本体を連結し、ネジ等で固定するといった方法も可能である。
【0081】
上記構成を有する第4実施形態の洗剤容器付き摺洗具と補給器本体は、以上の説明から理解されるように、同摺洗具の洗剤容器12内には受給管40が備えられ、補給器本体50の補給管60と接続することにより自動で洗剤の補給が可能である。洗剤の補給は摺洗具を補給器本体50に挿し給水レバー59を下げるだけで良く、手軽に簡単に補給が行える。
【0082】
以下、摺洗具本体、ハンドル16、操作レバー22の構成、泡発生装置13の機能や、脱着可能な摺洗体11があり吐出ノズル20が先端の垂直部が摺洗体11のノズル用孔30から突出してブラシ毛間に位置していること、洗剤吸い込みノズル21の先端が、洗剤容器12の下部に形成された洗剤の常時溜まり部19に臨んでいること、吐出ノズル20の先端に泡吐出方向の切替ノズル36が設けられていることなどは、第1実施形態と同様である。
【0083】
第4実施形態の洗剤容器付き摺洗具でも、洗剤容器12内の液体洗剤がふっくらしたクリーム状のミクロ単位の細かな泡となって摺洗部32を構成する毛束33aの間から摺洗体の下方、もしくは毛束33aにまとわりつくように吐出されるため、液体洗剤のまま、或いはミスト状で吐出される場合と異なり、摺洗部32から遠く離れることがないので、洗剤を不本意に被摺洗物以外にかけてしまうといったロスも生じない。また泡なので洗剤を被摺洗部に無駄なく効率良く馴染ませることができる。
【0084】
洗剤容器12内の洗剤は、残り少なくなってくると、少なくとも摺洗具が略水平状態にある時は常時溜まり部19を常に満たし、この常時溜まり部19に泡発生装置の吸入口23が臨んでいるため、残り少なくなった洗剤を常に吸い上げることができ、使い勝手が良い。また球状であることから洗剤容器12内の液体洗剤の重心が一定し、摺洗時の揺れによって液体洗剤がいたずらに揺れ動くことがなく、快適な摺洗作業が行える。
【0085】
また吐出ノズル20が摺洗体11の前方など外部に突出していないので、浴槽の内底隅部を摺洗する場合にも邪魔にならず、その際に摺洗具の角度を変えたり、持ち替えたりすることも不要となり、摺洗作業を能率良く行うことができる。
【0086】
吐出ノズル20先端の切替ノズル36によって、泡の吐出方向を摺洗部の下方と摺洗部の毛束33aにまとわりつくようにできるため、洗剤を添付しにくい天井や浴槽の内側といった場所でも、楽な角度で摺洗具のレバー22を操作し、摺洗部の毛束33aに保たれた泡で洗浄ができる。特に洗剤が残り少なくなった場合にその効果を発揮する。
【0087】
また第4実施形態においても、第2実施形態のようにスクイズタイプの泡発生装置を使用し、吐出ノズル20の先端を摺洗部の台座31の泡吐出用孔に直結させ、ノズルの先端が台座31の外部に突出しないようにすることも可能である。
【0088】
摺洗具には1回の清掃に必要な程度の洗剤が保有できればよく、本体が軽く作業が楽である。
【0089】
摺洗具へ洗剤の補充は、摺洗具を補給器本体50に装着し給水レバー59を下げるだけでよく、洗剤が一定量になると自動休止するので、そのまま放置しておいても次回使用時までに洗剤が満タンになっているという仕様なので、補充の煩わしさを回避している。
【0090】
補給器本体50のタンク部51へ洗剤を継ぎ足す際は、詰め替え用として市販されている洗剤の一般的な容量が全て入る大きさにタンクが設計されており、容器に余裕があり上部に大き目のフタも設けられているので継ぎ足しも楽である。
【0091】
タンク部51の正面には水量を表すメモリがついており、洗剤を水道水と混ぜ合わせて使用する際などの調合にも役立つ。
【0092】
摺洗具と補給器本体は、双方を一緒にした際に収まりの良い形に設計してあるので両者の整理整頓に好適である。
【0093】
第5実施形態の洗剤容器付き摺洗具は、第4実施形態と同様、洗剤容器12内に受給管40を備え、洗剤を補給できる補給器本体50と接続することで自動で洗剤を補充できる仕組みを持ち合わせた仕様であるが、第4実施形態と比べ補給器本体50の補給管60の構造が単純化されており、給水レバーをもたない。図20は本発明の第5実施形態を示す洗剤容器付き摺洗具を専用洗剤補給器に装着した状態の正面図、図21は図20の内部図、図22は洗剤補給器本体の正面図、図23は洗剤容器付き摺洗具の側面図、図24は同摺洗具の平面図、図25は洗剤補給器本体の右側面図、また図26は受給管と補給管の先端の拡大図、図27は受給管に補給管の先端を装着した際の拡大図である。
【0094】
第5実施形態の洗剤容器付き摺洗具は、前記実施形態と同様上部に操作用のハンドル16を備えた本体10と、本体10の底面に脱着可能に取付けられた摺洗体11とから構成されている。本体10は樹脂ケースからなり、内部に洗剤容器12と、これに付設されたミクロ単位泡発生装置13を備えている。
【0095】
本体10も同様に、アイロンの如き外形を有した樹脂ケースであって、上部に一体形成されたハンドル16を有している。ハンドル16は、片手で掴むのに適するように、本体10の前面上部から後方に延出する略L状に形成されており、その付け根の左前方には、ミクロ単位の泡発生装置13の操作部が突出する開口部17が設けられている。
【0096】
洗剤容器12も同様に、後部が略々球形に形成された中空体であり、本体10内の中央部から後部にかけて配置され固定されている。洗剤容器12の後部には、本体10を貫通して洗剤受給管40が設けられており、補給器本体50と接続することで洗剤が補給される仕組みである。洗剤容器12の下部は、全体が球形に形成されていることにより必然的に内底に、摺洗部が略水平状態にある時に残量少となった洗剤が溜まる洗剤溜まり部18を有し、さらにその中心部付近に、泡発生装置の吸入口23の先端が挿入できる大きさの窪みである常時溜まり部19がある。
【0097】
ミクロ単位泡発生装置13も同様に、洗剤容器12の前部に取付けられ、この泡発生装置13は、洗剤容器12の前側に水平に取付けられた本体15と、本体15から前方へ逆L状に突出した洗剤吐出口としての吐出ノズル20と、本体15から後方に延出し前記洗剤常時溜まり部19に臨んでいる洗剤吸い込みノズル21と、洗剤操作部であるレバー22を備えている。
【0098】
泡発生装置13本体15の機能や、操作レバー22がハンドル16を片手で掴んだ状態でいずれかの指が届く位置にあること、脱着可能な摺洗体11があり、泡吐出ノズル20の先端が摺洗体11の台座31を貫通して摺洗部32の毛束33a間に位置していること、泡吐出ノズル20の先端には切替ノズル36が設けられていること、またスクイズタイプの泡発生装置を用い摺洗具の台座31から直接泡を吐出させることができる点なども、これまでの実施形態と同様である。
【0099】
また同摺洗具には第4実施形態と同様、補給器本体50に装着した際、摺洗具を本体に固定するツメ部となり得るよう、本体10の側面に、スプリングにより内外への伸縮運動が可能なU字型凸部25が設けられている。加えて摺洗体台座31の側面にも、補給器本体50の凸溝57が噛み合うように設計された凹溝47がある。
【0100】
第5実施形態の洗剤容器付き摺洗具の洗剤容器12にも、第4実施形態と同様の受給管40が備わっている。この受給管40は洗剤容器12内部より外部に通じる管であり、外部先端に設けられた受給口フタ41と、洗剤が一定量になった際にそれを感知し補給をストップさせる満タンセンサー42が併設されている。また受給口の周囲にはパッキンが設けられている。
【0101】
受給口フタ41は、受給口のフタであると同時に、満タンセンサー42の外部へ通ずる空気孔43を開閉するのフタの役割も兼ねており、円盤A75と円盤B76がアームによって一体形成されている。円盤A75は受給口のフタであり、中心部は補給管の先端と組み合わさるようU字型の凹部を有し、同部分のフチが受給口のパッキンに接し、通常はスプリングの負勢により受給口を塞ぐようにできている。またその周囲は液体を通すよう枠組みのみで形成されている。一方円盤B76は満タンセンサー42の空気孔43のフタであり、中心から満タンセンサー42のボール弁45を固定する固定バー46が垂直に突き出している。
【0102】
満タンセンサー42は、洗剤容器内に設けられた小さな仕切りの中に、満タン感知用のボール弁45が入れられたもので、外部へ通じて空気孔43がある。この満タン感知用ボール弁45は水に対して浮力のある素材でできており、満タンセンサー42の外に落ちないよう枠で確保されている。通常は固定バー46により、空気孔43に固定され空気孔43を塞いでいる。
【0103】
摺洗具を補給器本体50に装着すると、受給管40の受給口フタ41が補給管60の先端部分にあたって洗剤容器内部に押しやられ、補給管60の先端は洗剤容器12内に進入し、受給管40と補給管60がパッキンを介して密封され内部のみが開通した状態で繋がる。一方で空気孔43が開放されていることにより、容器内外の空気の流動が可能になり、洗剤の補給が可能になる。洗剤は補給管60先端の注水孔61から受給口フタ41の枠の隙間を通じて容器内部へと浸入し、洗剤の水位が上がると満タンセンサー42内のボール弁45が浮力によって空気孔43方面へ押しやられ、水と空気の流動を遮断し補給が止まるようにできている。
【0104】
補給器本体50は、下段が横長にくり抜かれた正面がほぼ正方形の中空体であり、上部に洗剤タンク部51とその右側底面から左方向へ延びる補給管60、下部の空洞部分56で構成され、第4実施形態とは異なり、給水レバーは備わっていない。また洗剤タンク部51の上部には洗剤注入口52と、脱着可能なフタ54があり、フタ54の背面に空気孔55、さらにタンク部51前面にタンク内の水量100ml、200ml、300mlを表すメモリがある。またここでは摺洗具は本体中央に横向きにスライド方式に固定されるようになっており、本体のくり抜かれた部分の上下に、摺洗具のU字型凸部25を受け入れる凹部53がある点は第4実施形態と同じである。
【0105】
補給時は摺洗具が動かないように、摺洗具のU字型凸部25を補給器本体50の凹部53に装着する一方、摺洗具台座31の凹溝47と補給器本体50の凸溝をかみ合わせることで保持している。摺洗具を補給器本体50から取り外す際は、摺洗具のU字型凸部25を外側から内側へ押すことで、スプリングの伸縮によりU字型凸部25が中へ凹み、脱着が可能になる。
【0106】
洗剤タンク部51の右側底面からは補給管60が左側へ伸びており、その先端の周囲には洗剤を注出する注水孔61が複数設けられている。その注水孔61がある補給管60の外輪には、注水孔61密着するようにパッキンを有した円筒状のキャップ62が設けられており、補給が行われない時はこの注水孔キャップ62が常に注水孔61を密封し洗剤が外部に漏れないようにしている。
【0107】
補給器本体50に摺洗具が設置されると、摺洗具受給口の周囲にキャップ62が当たり、キャップ62がスプリングの伸縮により補給管60に沿って右側へスライドし、補給管60の先端のみが洗剤容器12内に進入する。このとき受給管40と補給管60が密封された状態で繋がると同時に、洗剤容器12内部でむき出しになった補給管先端の注水孔61より洗剤が流出する。摺洗具を補給器本体から外すと、補給管60の先端はスプリングの作用により再びキャップ62で覆われ密封される。
【0108】
補給器本体50の背面には吸盤取付け用の突起があり、その部分に吸盤を嵌め込み、浴室等の壁面に設置できるようになっている。または別添付のホルダーを用い、シャワーホルダーやタオル掛けのバー等と本体を連結し、ネジ等で固定するといった方法も可能である。
【0109】
上記構成を有する第5実施形態の洗剤容器付き摺洗具と補給器本体は、以上の説明から理解されるように、第4実施形態と同様、受給管40と補給管60を有し、摺洗具を補給器本体50に装着することで自動で洗剤の補給が可能である。補給は摺洗具を補給器本体50に挿すだけで良く、手軽に簡単に補給が行える。
【0110】
以下、摺洗具本体、ハンドル16、操作レバー22の構成、泡発生装置13の機能や、脱着可能な摺洗体11があり吐出ノズル20が先端の垂直部が摺洗体11のノズル用孔30から突出してブラシ毛間に位置していること、洗剤吸い込みノズル21の先端が、洗剤容器12の下部に形成された洗剤の常時溜まり部19に臨んでいること、吐出ノズル20の先端に泡吐出方向の切替ノズル36が設けられていることなどは、これまでの実施形態と同様である。
【0111】
第5実施形態の洗剤容器付き摺洗具でも、洗剤容器12内の液体洗剤がふっくらしたクリーム状のミクロ単位の細かな泡となって摺洗部32を構成する毛束33aの間から摺洗体の下方、もしくは毛束33aにまとわりつくように吐出されるため、液体洗剤のまま、或いはミスト状で吐出される場合と異なり、摺洗部32から遠く離れることがないので、洗剤を不本意に被摺洗物以外にかけてしまうといったロスも生じない。また泡なので洗剤を被摺洗部に無駄なく効率良く馴染ませることができる。
【0112】
洗剤容器12内の洗剤は、残り少なくなってくると、少なくとも摺洗具が略水平状態にある時は常時溜まり部19を常に満たし、この常時溜まり部19に泡発生装置の吸入口23が臨んでいるため、残り少なくなった洗剤を常に吸い上げることができ、使い勝手が良い。また球状であることから洗剤容器12内の液体洗剤の重心が一定し、摺洗時の揺れによって液体洗剤がいたずらに揺れ動くことがなく、快適な摺洗作業が行える。
【0113】
また吐出ノズル20が摺洗体11の外部に突出していないので、浴槽の内底隅部を摺洗する場合にも邪魔にならず、その際に摺洗具の角度を変えたり、持ち替えたりすることも不要となり、摺洗作業を能率良く行うことができる。
【0114】
吐出ノズル20先端の切替ノズル36によって、泡の吐出方向を摺洗部の下方と摺洗部の毛束33aにまとわりつくようにできるため、洗剤を添付しにくい天井や浴槽の内側といった場所でも、楽な角度で摺洗具のレバー22を操作し、摺洗部の毛束33aに保たれた泡で洗浄ができる。特に洗剤が残り少なくなった場合にその効果を発揮する。
【0115】
また第5実施形態においても、第2実施形態のようにスクイズタイプの泡発生装置を使用し、摺洗部の台座31に設けられた泡吐出用孔から泡を吐出し、ノズルの突出部をなくすことも可能である。
【0116】
摺洗具には1回の清掃に必要な程度の洗剤が保有できればよく、本体が軽く作業が楽である。
【0117】
摺洗具へ洗剤の補充は、摺洗具を補給器本体50に装着するだけでよく、洗剤が一定量になると自動休止するので、そのまま放置しておいても次回使用時までに洗剤が満タンになっているという仕様なので、補充の煩わしさを回避している。
【0118】
補給器本体50のタンク部51へ洗剤を継ぎ足す際は、詰め替え用として市販されている洗剤の一般的な容量が全て入る大きさにタンクが設計されており、容器に余裕があり上部に大き目のフタも設けられているので継ぎ足しも楽である。またタンク部51の正面には水量を表すメモリがついており、洗剤を水道水と混ぜ合わせて使用する際などの調合にも役立つ。
【0119】
摺洗具と補給器本体は、双方を一緒にした際に収まりの良い形に設計してあるので両者の整理整頓に好適である。
【0120】
第6実施形態の洗剤容器付き摺洗具と補給器本体は、第4・第5実施形態と同様、摺洗具の洗剤容器12に受給管40を備え、補給器本体50と接続することで自動で洗剤を補充できる仕様であるが、補給管60と受給管40の双方の構造をさらに単純化し、外形をアレンジしている。さらに満タンの感知方法が異なる。図28は第6実施形態を示す洗剤容器付き摺洗具を補給器本体に装着した状態の正面図、図29は洗剤容器付き摺洗具の正面図、図30は洗剤の満タンを感知する袋、図31は前記袋を洗剤容器内に装着した図、図32は同洗剤容器付き摺洗具を専用洗剤補給器に装着した状態の斜視図である。
【0121】
第6実施形態の洗剤容器付き摺洗具は、本体10と本体10の下部に脱着可能に取り付けられた摺洗体11とから構成されている。本体10の内部には洗剤容器12とこれに付設されたミクロ単位の泡発生装置13、さらに洗剤容器12の内側側面より外部に通じて洗剤受給管40を備えている。
【0122】
本体10は略円筒形を有した樹脂ケースであって、この本体10は把持部を兼ねている。側面の下部にはミクロ単位の泡発生装置13の操作部が突出する開口部17が設けられている。
【0123】
洗剤容器12は本体10内のほぼ中央に配置されている。洗剤容器12の斜め下部には残量少となった洗剤が溜まる洗剤溜まり部18と常時溜まり部19を有している。
【0124】
ミクロ単位泡発生装置13は洗剤容器12の下部に取り付けられている。この泡発生装置13は洗剤容器12の下部に垂直に取り付けられた本体15と、本体15から下部へ突出した洗剤吐出口としての吐出ノズル20と、洗剤吐出操作部である操作レバー22とを備えている。吸い込みノズル21は泡発生装置本体15から上部に延出し、U字型に折れ曲がって、その先端21は常時溜まり部19に臨んでいる。
【0125】
泡発生装置本体15の機能や、操作レバー22がハンドル16を片手で掴んだ状態でいずれかの指が届く位置にあること、脱着可能な摺洗体11があり、泡吐出ノズル20の先端が摺洗体11の台座31を貫通して摺洗部32の毛束33a間に位置していること、泡吐出ノズルの先端には切替ノズル36が設けられていることなどはこれまでの実施形態と同様である。
【0126】
第6実施形態の洗剤容器付き摺洗具の洗剤容器12には、第4・第5実施形態とは違う受給管40が備わっている。この受給管40の外部側の先端には、外部に向けて突起を有したナベブタ状の弁71あり、内側よりスプリングで受給管の口に固定され、通常は容器内の洗剤が漏れないようにできている。
【0127】
また同洗剤容器12には、液体洗剤を保有する為の空間と、泡吐出運動によって泡発生装置13から洗剤容器内へ吐出される空気を完全に隔離する為の袋72が導入されている。この袋72は何らかの化学繊維で作られ、袋の2箇所が開口しており、それぞれの口がリング状のパーツに一体形成されている。リングA73は中心に泡発生装置の付け根部分を差し込む穴があり、その周囲に沿って袋の口が一体形成され、さらにその周囲は空気が通るよう格子状になっている。リングB74は一本の単純なリングであり、そのリングに沿って袋の口が一体形成され、このリングは受給管40の直径に完全に装着できる形になっている。
【0128】
洗剤容器12内では、上記袋72は泡発生装置13本体15の図示されない空気孔と受給管40の間に位置するよう組み込まれている。リングA73は泡発生装置本体15と洗剤容器12内に設けられた凹凸に噛み合わさるように組み込まれ、三者は同時にネジで固定されている。リングB74は受給管40と直結するよう装着され、注入された洗剤はダイレクトに袋72に溜められる。洗剤容器12に空気孔70があるため、注入に応じて袋72が膨らみ、満タンになると袋72が一杯になるので補給がストップする。続いて、泡吐出運動の後泡吐出装置を通して内部へ送り込まれてくる空気は、洗剤容器12内で袋72の外側すなわち液体と隔離された状態で溜まっていく為、洗剤容器12内の空気の流動が可能で泡吐出運動の持続が可能になっている。
【0129】
受給管40の先端を補給器本体50に設けられた補給管60に接続すると、受給管40のナベブタ状弁71が補給管60の先端にあたり管の内側へずれ、受給管40と補給管60が密封された状態で繋がり内部のみが開通し、洗剤の注入がなされる。上記の通り袋72が一杯になると満タンになるため注入が自然に止まる。摺洗具を補給器本体50から外すと、受給管40補給管60双方の弁が閉じられ、内部の洗剤が漏れないようにできている。
【0130】
第6実施形態の洗剤容器付き摺洗具にも、同摺洗具への洗剤の自動補給が可能な補給器本体50が設けられている。この補給器本体50は、略球冠をした中空体であり、中心に上記摺洗具が縦に挿入できるよう嵌合凹部77を有した構造になっている。本体の内部は二層に仕切られており、上部が洗剤保管容器51、その上部に洗剤注入口52と脱着可能なフタ54、またフタ54に空気孔70が設けられ、洗剤容器12の内側最下部より嵌合凹部77にかけて補給管60が備わっている。洗剤保管容器51の下部は空洞である。
【0131】
補給器本体の嵌合凹部77の直径は摺洗具本体の直径とほぼ同じ大きさに作られており、摺洗具を嵌合凹部77に縦に差し込むことで摺洗具と補給器本体50が固定される。またこのとき受給管40の先端と補給管60の先端も装着固定される。
【0132】
補給管60の先端にはボール弁63があり、通常は内側よりスプリングで固定され補給管60の先端を塞いでいる。摺洗具を挿し込み補給管60の先端に受給管40が装着されると、受給管40のナベブタ状弁71の突起によって補給管60のボール弁63が内部へ押し込まれ、受給管40と補給管60双方がパッキンを介して密封され内部のみ開通した状態で繋がり、洗剤の補給がなされる。摺洗具を補給器本体50から外すと、再びスプリングの負勢によりボール弁63が補給管の先端を覆い閉じられる。又この受給管40と補給管60の弁とスプリングは、ゴムなどの弾性素材を用い、より簡単な構成にすることも可能である。
【0133】
上記構成を有する第6実施形態の洗剤容器付き摺洗具と補給器本体は、以上の説明から理解されるように、洗剤容器12の満タンセンサー42を削除し、袋72を用いることで単純明快な方法で満タンの感知が行えるようになっている。これにより受給管40と補給管60の先端部分もより単純な構造になっている。補給管60への接続は、摺洗具を補給器本体50に挿すだけで良く、手軽に簡単に補給が行える。
【0134】
同補給器本体50は卓上に置くことが可能で、さらに底面に吸盤を取り付け床面により強力に固定することも可能である。
【0135】
以下、摺洗具本体、ハンドル16、操作レバー22の構成、泡発生装置13の機能や、脱着可能な摺洗体11があり吐出ノズル20が先端の垂直部が摺洗体11のノズル用孔30から突出してブラシ毛間に位置していること、洗剤吸い込みノズル21の先端が、洗剤容器12の下部に形成された洗剤の常時溜まり部19に臨んでいること、吐出ノズル20の先端に泡吐出方向の切替ノズル36が設けられていることなどは、これまでの実施形態と同様である。
【0136】
第6実施形態の洗剤容器付き摺洗具でも、ふっくらしたミクロ単位の泡が摺洗体の毛束33a間から吐出され洗剤を不本意に被摺洗物以外にかけてしまうといったロスが生じないこと、泡吐出装置の洗剤吸入口が常時溜まり部19に臨んでいることにより洗剤の吸い上げが常に容易なこと、洗剤容器12が球状であるため重心が一定であること、吐出ノズルが突出していないので邪魔にならないこと、切替ノズル36によって泡を毛束33aにまとわりつかせることが可能であり洗剤を添付しにくい場所でも泡を使った洗浄ができることなど、摺洗具を使用した際の効果などについてはこれまでの実施形態と同様である。
【0137】
また第6実施形態においても、第2実施形態のようにスクイズタイプの泡発生装置を使用し、摺洗部の台座31に設けられた泡吐出用孔から泡を吐出し、ノズルの突出部をなくすことも可能である。
【0138】
摺洗具には1回の清掃に必要な程度の洗剤が保有できればよく、本体が軽く作業が楽である。
【0139】
摺洗具へ洗剤の補充は、摺洗具を補給器本体50に装着するだけでよく、洗剤が一定量になると自動休止するので、そのまま放置しておいても次回使用時までに洗剤が満タンになっているという仕様なので、補充の煩わしさを回避している。
【0140】
洗剤の継ぎ足しは、補給器本体50の上部のフタから注ぐことができ楽である。
【0141】
摺洗具と補給器本体は、双方を一緒にした際に収まりの良い形に設計してあるので両者の整理整頓に好適である。
【0142】
なお、上記実施形態の摺洗具においては、摺洗部にブラシ毛が用いられているが、摺洗部にスポンジが用いられたり、亀の子たわしのようなものが用いられてもよく、被摺洗部を摺洗できる素材であれば特にその材質が問われるものではない。
【0143】
洗剤容器やフタも、上記実施形態のような形状にこだわることなく任意の形状が採用される。洗剤容器はいわゆるスクーイズボトル的なものとしても良い。洗剤容器と摺洗体との連結手段も実施形態のようなものに限定されるものではない。
【0144】
洗剤容器内の間仕切りも任意の形状が採用される。
【0145】
ミクロ単位泡発生装置や吐出ノズルもこの実施形態のものに限定されるものではない。
【0146】
洗剤吸入ノズルや洗剤吐出ノズル、泡吐出方向切替ノズルの組み込み方も種々のものが採用される。
【0147】
洗剤補給器本体の形状や摺洗具の保持方式も上記実施形状に限定されるものではない。
【0148】
洗剤補給管や受給管の構成や部品、また満タン感知用のボール弁、袋においても、上記の実施形態に限定されるものではなく、任意の形状、素材が採用される。
【0149】
上記実施形態では、洗剤吐出操作部としてレバー方式やプッシュボタン方式が採用されているが、その方式も限定されるものではない。
【0150】
補給器本体の設置方法として、吸盤やホルダーを用いる方法を採用しているが、任意の方式、形状が採用される。
【0151】
上記実施形態における、補給器本体の洗剤保管容器部分と、摺洗具洗剤容器部分は、洗剤の残量が見えるように透明素材であることが好ましい。
【0152】
ミクロ単位泡発生装置は、摺洗具から取り外し、分解でき、洗浄や部品の交換が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明の第1実施形態を示す洗剤容器付き摺洗具の斜視図である。
【図2】同摺洗具の側面図である。
【図3】同摺洗具の平面図である。
【図4】同摺洗具の底面図である。
【図5】同摺洗具の洗剤吐出ノズル先端と切替ノズルの拡大図である。
【図6】図5の切替ノズルを90度捻った状態の図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示す洗剤容器付き摺洗具の左側面図である。
【図8】同摺洗具の右側面図である。
【図9】同摺洗具の底面図である。
【図10】本発明の第3実施形態を示す洗剤容器付き摺洗具の斜視図である。
【図11】同摺洗具の側面図である。
【図12】本発明の第4実施形態を示す洗剤容器付き摺洗具を 専用洗剤補給器に装着した状態の正面図である。
【図13】図12の内部図である。
【図14】同洗剤補給器本体の正面図である。
【図15】同実施形態の洗剤容器付き摺洗具の側面図である。
【図16】同摺洗具の平面図である。
【図17】洗剤補給器本体の右側面図である。
【図18】受給管と補給管の先端の拡大図である。
【図19】受給管に補給管の先端を装着した際の拡大図である。
【図20】本発明の第5実施形態を示す洗剤容器付き摺洗具を 専用洗剤補給器に装着した状態の正面図である。
【図21】図20の内部図である。
【図22】同洗剤補給器本体の正面図である。
【図23】同実施形態の洗剤容器付き摺洗具の側面図である。
【図24】同摺洗具の平面図である。
【図25】洗剤補給器本体の右側面図である。
【図26】受給管と補給管の先端の拡大図である。
【図27】受給管に補給管の先端を装着した際の拡大図である。
【図28】本発明の第6実施形態を示す洗剤容器付き摺洗具を 専用洗剤補給器に装着した状態の正面内部図である。
【図29】同摺洗具の側面図である。
【図30】洗剤の満タンを感知する袋の図である。
【図31】前記袋を洗剤容器内に装着した図である。
【図32】同洗剤容器付き摺洗具を専用洗剤補給器に装着した状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0154】
10 摺洗具本体 57 摺洗具保持用凸溝
11 摺洗体 58 傾斜溝
12 洗剤容器 59 給水レバー
13 ミクロ単位泡発生装置
14 キャップ付き開口部 60 補給管
15 泡発生装置本体 61 補給管先端の注水孔
16 ハンドル 62 注水孔キャップ
17 開口部 63 補給管先端ボール弁
18 溜まり部
19 常時溜まり部 65 管A
66 管B
20 吐出ノズル 67 帯状パーツ
21 吸い込みノズル 68 らせん孔
22 操作レバー 69 水平溝
23 吸入口
24 吐出口キャップ 70 洗剤容器空気孔
25 U字型凸部 71 ナベブタ弁
26 突出部(ボタン) 72 袋
27 間仕切り 73 リングA
28 連結体 74 リングB
29 スプリング 75 円盤A
76 円盤B
30 摺洗体のノズル用孔 77 タテ型タイプ補給管本体嵌合凹部
31 台座
32 摺洗部
33 毛束
34 フック
35 吐出ノズルの泡吐出用孔
36 切替ノズル
37 切替ノズルの泡吐出用孔
38 台座泡吐出用孔

40 洗剤受給管
41 受給口フタ
42 満タンセンサー
43 満タンセンサー空気孔
45 満タンセンサーボール弁
46 満タンセンサーボール弁固定バー
47 摺洗具台座の凹溝
49 スタンドタイプ摺洗具本体の凹溝

50 補給器本体
51 洗剤タンク部
52 洗剤注入口
53 摺洗具保持用凹部
54 注入口フタ
55 洗剤保管容器空気孔
56 空洞

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシ毛等の摺洗部を備えた摺洗体と洗剤容器とが組み合わされてなる洗剤容器付き摺洗具において、
摺洗体に、摺洗部の構成要素間から洗剤を吐出する洗剤吐出口が設けられる一方、洗剤容器にガスを要しないミクロ単位の泡発生装置と洗剤吐出操作部とが設けられ、洗剤吐出操作部を操作することにより、泡発生装置を介して洗剤吐出口からミクロ単位の泡状洗剤が摺洗部の構成要素間から吐出されるように構成されていることを特徴とする洗剤容器付き摺洗具。
【請求項2】
洗剤容器内に間仕切りを設けることによって、摺洗具を動かせた際に起こる液体の揺れを抑制し、手にかかる負荷を軽減する構成である請求項1に記載の洗剤容器付き摺洗具。
【請求項3】
洗剤容器は、その内底に、摺洗部が略水平状態にあるときに残量少となった洗剤が溜まる溜まり部があり、さらにその中心付近に常時溜まり部となる窪みが設けられ、泡発生装置の洗剤吸入口が前記常時溜まり部に臨む構成である請求項1又は2に記載の洗剤容器付き摺洗具。
【請求項4】
洗剤容器は、洗剤収容部として球状空間を有する球状容器である請求項1〜3のいずれかに記載の洗剤容器付き摺洗具。
【請求項5】
当該摺洗具を片手で保持するためのハンドルを上部に有し、ハンドルを片手で握った状態でその手のいずれかの指が届く範囲に洗剤吐出操作部を有する請求項1〜4のいずれかに記載の洗剤容器付き摺洗具。
【請求項6】
泡吐出口先端の孔の構造と角度を考慮し、吐出したミクロ単位の泡を摺洗部の毛束に付着させることができる機能をもった請求項1〜5のいずれかに記載の洗剤容器付き摺洗具。
【請求項7】
泡吐出口の先端を摺洗部台座の外部に突出しないように配置することで、作業における障害となる部分を軽減した請求項1〜6のいずれかに記載の洗剤容器付き摺洗具。
【請求項8】
洗剤容器内に外部と結合し洗剤を受給することが可能な受給管を設けた請求項1〜7のいずれかに記載の洗剤容器付き摺洗具と、前記受給管に結合し洗剤の補給をすることが可能な補給管を備えた専用洗剤補給器を構成し、双方を結合することで、双方の洗剤の残留水位の高低差によって自然法則のみで洗剤の補給がなされ、摺洗具側の洗剤が一定量になると休止する機能を備えた洗剤容器付き摺洗具用洗剤補給システム。
【請求項9】
洗剤容器内に外部と結合し洗剤を受給することが可能な受給管を有すほか袋状のパーツを組み込むことで補給によって注入された洗剤が一定量になったのを感知する仕組みを備えた請求項1〜7のいずれかに記載の洗剤容器付き摺洗具と、前記受給管に結合し洗剤の補給をすることが可能な補給管を備えた専用洗剤補給器を構成し、双方を結合することで、双方の洗剤の残留水位の高低差によって自然法則のみで洗剤の補給がなされ、摺洗具側の洗剤が一定量になると休止する機能を備えた洗剤容器付き摺洗具用洗剤補給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2009−34499(P2009−34499A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182122(P2008−182122)
【出願日】平成20年7月13日(2008.7.13)
【出願人】(507237141)
【Fターム(参考)】