洗浄タンクの給水装置
【課題】補給水吐水口からの水を案内するための部材が給水圧の変動により暴れたりすることがなく、従ってその案内するための部材の暴れを抑制するための構造をタンク壁等に設けておかなくても良い洗浄タンクの給水装置を提供する。
【解決手段】洗浄タンクの給水装置を、(イ)フロートと、給水弁34と、タンク内吐水口36と、便器の排水トラップ部に向けて補給水を導くオーバーフロー管に吐水を行う補給水吐水口71とを備え、フロートの下降により給水弁34を開いてタンク内吐水口36と補給水吐水口71とから吐水を行い、フロートの上昇により給水弁34を閉じて給水停止するボールタップ28と、(ロ)ボールタップ28とは別体をなし、補給水吐水口71から落下した吐水を受けて案内流路90により重力の作用でオーバーフロー管の外部に案内し、タンク内部に流入させる水受部材74とを備えて構成する。
【解決手段】洗浄タンクの給水装置を、(イ)フロートと、給水弁34と、タンク内吐水口36と、便器の排水トラップ部に向けて補給水を導くオーバーフロー管に吐水を行う補給水吐水口71とを備え、フロートの下降により給水弁34を開いてタンク内吐水口36と補給水吐水口71とから吐水を行い、フロートの上昇により給水弁34を閉じて給水停止するボールタップ28と、(ロ)ボールタップ28とは別体をなし、補給水吐水口71から落下した吐水を受けて案内流路90により重力の作用でオーバーフロー管の外部に案内し、タンク内部に流入させる水受部材74とを備えて構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は便器洗浄のための洗浄タンクに備えられた給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器洗浄のための洗浄タンクには、洗浄タンク(以下単にタンクとすることがある)内部の洗浄水が排出された後に自動的にタンク内部に給水を行い、タンク内部を満水化するボールタップが給水装置として備えられている。
このボールタップは、フロートと、フロートの昇降に連動して開閉する給水弁と、タンク内に吐水するタンク内吐水口とを備え、フロートの下降により給水弁を開いてタンク内吐水口から吐水を行い、フロートの上昇により給水弁を閉じて給水停止する。
【0003】
ところで、便器の種類としてサイホン式便器と洗い落し式便器とがあり、前者のサイホン式便器では便器洗浄時に便器の排水トラップ部に向けて補給水を給水することが必要となる。
サイホン式便器では、洗浄タンク内に収容された洗浄水を放出して便器洗浄を行ったとき、便器の鉢内の溜水がサイホン作用によって一挙に下流側に排出される。
そこで、その後に便器内部の排水トラップ部に補給水を給水することで再び鉢内に溜水を溜め、排水トラップ部分での封水切れを防止するようにしている。
【0004】
このようなサイホン式便器のための洗浄タンク、詳しくはそこに備えられる給水装置では、ボールタップに、タンク内吐水口と併せて補給水吐水口を備えておき、タンク内への給水時にこの補給水吐水口から便器の排水トラップ部に向けて補給水を給水するようにしている。
このときの補給水の給水は、具体的にはタンク内に設けられているオーバーフロー管等の導水管、詳しくは便器の排水トラップ部に向けて補給水を導く導水管に補給水吐水口からの吐水を流入させることで行う。
【0005】
ところが便器がサイホン式便器でない場合、即ち上記の洗い落し式便器の場合には補給水の給水は不要で、便器が洗い落し式便器である場合にも補給水吐水口から便器の排水トラップ部に向けて補給水を給水すると、無駄に水が多く使用されてしまうこととなる。
そこで従来にあっては、便器が洗い落し式便器である場合には、補給水吐水口を有しないボールタップを用いて対応していた。
しかしながらこの場合、サイホン式便器と洗い落し式便器とで別々のボールタップ、即ち給水装置を用いることとなり、同一の給水装置をサイホン式便器と洗い落し式便器とで共通に使用できない問題が生ずる。
【0006】
そこでサイホン式便器,洗い落し式便器の何れに対しても補給水吐水口を備えた共通のボールタップを用い、便器が洗い落し式便器の場合には補給水吐水口を閉塞しておくといったことが考えられるが、この場合にはまた別の新たな問題が発生する。
即ち、洗浄タンクが手洗吐水管を有していて、ボールタップが手洗吐水管への給水口を更に有している場合、補給水吐水口を塞いだ場合と開放とした場合とで、手洗吐水管の側に回り込む水の量,水の勢いが異なってしまう。
【0007】
具体的には、補給水吐水口を閉塞してしまうと、手洗吐水管の側に回り込む水の量が多く、また水の勢いが強くなり、手洗時に跳ね水が発生して周囲に飛び散ってしまうといった問題を生ずる。
従って、サイホン式便器と洗い落し式便器との違いによって、補給水吐水口を開放としたり閉塞したりすることは実際的な対応策とはならない。
【0008】
下記特許文献1には、こうした問題点を解決可能な手段が開示されている。
この特許文献1に開示のものは、ボールタップに備えた補給水吐水口に、可撓性を有するホースの一端部を差し込んで接続しておき、便器がサイホン式便器である場合には、そのホースからの補給水をオーバーフロー管に流入させ、オーバーフロー管を通じて便器の排水トラップ部に向けて給水する一方、便器が洗い落し式便器である場合には、ホースの先端部をタンク壁に設けた筒状の差込口に差し込んで、そこに保持させるようにしている。
ここで筒状の差込口には切欠が設けてあって、そこを流出口として、ホースを通じ流れて来た補給水をタンク内へと戻すようにしている。
【0009】
図11はその具体例を示している。
図中200はボールタップ、202はボールタップ200の補給水吐水口に差込接続された可撓性のホース、204はホース202を通じてオーバーフロー管206に補給水を給水する際にホース202の先端部を差込接続する、オーバーフロー管206に設けられた差込口、208はタンク壁に設けられた筒状の差込口、210はその差込口208に設けられた切欠である。
【0010】
しかしながら、この特許文献1に開示のものでは給水圧を直接ホース202に作用させて、補給水をホース202の先端から流出させるようにしているため、即ち給水圧が直接ホース内圧として作用してしまうため、給水圧の変動が生じたときにホース202がタンク内で振れる現象、所謂ホース202が暴れる現象を生じてしまう。
またホース202の先端部を差し込んで保持し、ホース202の暴れを抑制するための構造をタンク壁等に設けておくことが必須となる。
【0011】
尚本発明に関連する先行技術として、下記特許文献2には「洗浄タンク装置」についての発明が示され、そこにおいてタンク内に消音カップを設けた点が開示されている。
但しこの消音カップは手洗鉢の底部の排水口からの水を受けてタンク壁に流すものであり、本発明とは異なったものである。
【0012】
更に下記特許文献3には「水洗便器洗浄用タンクの給水機構及び補助給水具」についての発明が示され、そこにおいてタンク内に補助給水具を設けた点が開示されている。
但しこの補助給水具もまた、手洗鉢の底部の排水口からの水を受けるためのものであり、この特許文献3に開示のものも本発明とは異なったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2006−283355号公報
【特許文献2】特開2002−167833号公報
【特許文献3】特開2004−190461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は以上のような事情を背景とし、補給水吐水口からの水を案内するための部材が給水圧の変動により暴れたりすることがなく、従ってその案内するための部材の暴れ(振れ)を抑制するための構造をタンク壁等に設けておかなくても良い、洗浄タンクの給水装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
而して請求項1のものは、(イ)(a)フロートと、(b)該フロートの昇降に連動して開閉する給水弁と、(c)洗浄タンク内に吐水するタンク内吐水口と、(d)該タンク内に設けられ、便器の排水トラップ部に向けて補給水を導く導水管に吐水を行う補給水吐水口と、を備え、前記フロートの下降により前記給水弁を開いて前記タンク内吐水口と補給水吐水口とから吐水を行い、該フロートの上昇により該給水弁を閉じて給水停止するボールタップ、及び、(ロ)該ボールタップとは別体をなし、前記補給水吐水口から落下した吐水を受けて該受けた吐水を案内流路により前記導水管の外部に案内してタンク内部に流入させる水受部材を有していることを特徴とする。
【0016】
請求項2のものは、請求項1において、前記水受部材が前記ボールタップに取り付けてあることを特徴とする。
【0017】
請求項3のものは、請求項2において、前記水受部材は前記ボールタップに対し脱着可能に取り付けてあることを特徴とする。
【0018】
請求項4のものは、請求項2,3の何れかにおいて、前記水受部材は、前記案内流路による前記補給水吐水口からの水の案内方向が前記ボールタップへの給水の流入側を向いていることを特徴とする。
【0019】
請求項5のものは、請求項2〜4の何れかにおいて、前記水受部材は、前記導水管の上端開口の真上位置に位置し、前記補給水吐水口からの水の一部を該導水管に落下させる小孔と、該小孔を塞ぐ栓とを有していることを特徴とする。
【0020】
請求項6のものは、請求項5において、前記水受部材が樹脂製であって、前記栓が該水受部材に一体成形されていることを特徴とする。
【0021】
請求項7のものは、請求項6において、前記栓が可撓性の繋ぎ部にて水受部材本体と繋がれており、該繋ぎ部及び栓が該水受部材本体と一体成形されていることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【0022】
請求項8のものは、請求項6において、前記小孔が底部付きの筒状部の内側に形成されているとともに、該底部が該筒状部と一体成形されていて、該底部にて前記栓が構成されており、該底部を含む該筒状部の下部を切除することで前記小孔が開放されるようになしてあることを特徴とする。
【0023】
請求項9のものは、請求項8において、前記小孔は前記底部に向って孔径が連続的に若しくは段階的に小径となしてあり、前記筒状部に沿って前記切除位置を異ならせることで該小孔からの前記補給水の落下流量が変化するようになしてあることを特徴とする。
【0024】
請求項10のものは、請求項1〜9の何れかにおいて、前記水受部材は、前記補給水吐水口からの水を前記案内流路にて案内した後、該案内流路の末端で下方に落下させるものとなしてあり、且つ該補給水吐水口からの水を該案内流路の末端から落下させる位置が、前記タンク内吐水口からの吐水の落下位置と水平方向において同じ位置となしてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0025】
以上のように本発明は、フロート,給水弁,タンク内吐水口及び補給水吐水口を備えたボールタップと、そのボールタップとは別体をなし、補給水吐水口から落下した吐水を受け、そして受けた吐水を案内流路により重力の作用でオーバーフロー管等の導水管の外部に導いてタンク内部に流入させる水受部材と、を備えて洗浄タンクの給水装置を構成したものである。
【0026】
このように本発明の水受部材は、補給水吐水口から重力の下で落下した吐水を、案内流路に沿って同じく重力の作用で吐水管の外部に導いてタンク内部に流入させるものであり、従って水受部材に対して給水圧は直接作用しておらず、それ故給水圧が変動した場合であっても、水受部材はそのことによって振動を生じたり暴れを生じたりすることはない。
従ってまた、水受部材の振動や暴れを抑制するための構造をタンク壁等に設けておく必要もない。
【0027】
本発明では、上記水受部材をタンク壁に取り付けておくといったことも可能であるが、請求項2に従って水受部材をボールタップに取り付けておくことが望ましい。
このようにすれば、水受部材と補給水吐水口との位置のずれを無くすことができ、従ってその位置のずれを吸収するために水受部材を大きく構成するといったことが不要となり、水受部材を可及的に小さいサイズで構成することが可能となる。
【0028】
この場合において、水受部材はボールタップに対し脱着可能に取り付けておくことができる(請求項3)。
このようにすれば、水受部材を取り付けた状態で洗い落し式便器に対して対応することができ、また一方便器がサイホン式便器である場合には、水受部材をボールタップから外すことで容易にサイホン式便器に対しても対応することができる。
【0029】
この場合において水受部材は、水受部材と上記ボールタップとの一方に設けた掛止爪と、他方に設けた被掛止部との弾性掛止によって、ボールタップに脱着可能に取り付けておくことができる。
【0030】
水受部材をボールタップに取り付ける場合において、かかる水受部材を、補給水吐水口からの水の案内方向が、ボールタップへの給水の流入側を向くように、ボールタップに取り付けておくことが望ましい(請求項4)。
このようにすることで、水受部材がボールタップから大きく突き出してしまうのを防止でき、ボールタップ及び水受部材を含めた給水装置をコンパクトに構成できる。
また水受部材が、洗浄ハンドルと一体に回転可能に洗浄タンクに設けたレバーアームや、そのレバーアームと排水弁とを繋ぐ玉鎖等と干渉してしまうのを有効に回避することができる。
【0031】
本発明では、請求項5に従って水受部材に、導水管の上端開口の真上位置に位置し、補給水吐水口からの水の一部を導水管に落下させる小孔と、その小孔を塞ぐ栓とを備えておくことができる。
例えば高層マンション等においては、上階で便器を使用し、便器洗浄を行って排水管に水を流したときに、排水管に生じた負圧によって下階の便器の排水トラップ部の水が吸引される、誘導サイホン現象が生じることがある。
そしてこのことによって、下階の便器の排水トラップ部で封水切れを生じてしまうことがある。
便器がそのような誘導サイホン作用によって封水切れを起し易いような環境、条件にある場合には、便器が洗い落し式便器であっても、給水装置からのタンク内給水時に、補給水吐水口からの水の一部を便器の排水トラップ部に向けて給水できるようにしておくことが望ましい。
【0032】
請求項5は、そのための小孔を水受部材に設けたもので、この請求項5によれば、その小孔を通じて補給水吐水口からの水の一部を便器の排水トラップ部に向けて給水することで、封水切れを有効に防止することが可能となる。
尚、洗い落し式便器における封水切れのための必要な水量は僅かであり、従って水受部材を取り外して補給水吐水口からの吐水の全部を便器に向けて給水してしまうと、多量の水を無駄に使用してしまうこととなる。
これに対して水受部材に設けた小孔を通じて補給水を給水することで、多量の水を無駄に使用してしまうのを防ぐことができる。
ここで小孔の大きさは、必要にして十分な量で補給水吐水口からの吐水の一部を便器に給水できるような大きさに定めておく。
尚、上記小孔を通じて便器に補給水を給水することが不要である場合には、その小孔を栓にて塞いでおく。
【0033】
この場合において、水受部材を樹脂製となして、上記の栓を水受部材と一体成形しておくことができる(請求項6)。
このようにすれば、所要部品点数を少なくすることができる。
【0034】
この請求項6において、上記の栓を可撓性の繋ぎ部にて水受部材本体と繋いでおき、そしてその繋ぎ部及び栓を水受部材本体と一体成形しておくことができる(請求項7)。
この場合、栓を小孔から外すことで簡単に小孔を開放状態とすることができる。
【0035】
一方、小孔を底部付きの筒状部の内側に形成しておくとともに、底部を筒状部と一体成形して、その底部にて上記の栓を構成しておき、底部を含む筒状部の下部を切除することで、小孔を開放するようになしておくことができる(請求項8)。
この場合には、筒状部の下部を切除することで容易に小孔を開放状態とすることができる。
【0036】
この場合において、上記の小孔は底部に向って孔径が連続的に若しくは段階的に小径となるようにしておき、筒状部に沿って切除位置を異ならせることで、小孔からの補給水の落下流量を変化させるようになしておくことができる(請求項9)。
このようにすれば、筒状部に対する切除位置を適切に選ぶことによって、簡単に便器に向けての補給水の給水流量を適正流量に調節することができる。
【0037】
本発明において、上記の水受部材は、補給水吐水口からの水を案内流路にて案内した後、案内流路の末端で下方に落下させるものとなしておくとともに、その落下位置を、水平方向においてタンク内吐水口からの吐水の落下位置と同じ位置となしておくことができる(請求項10)。
このようにすれば、補給水吐水口からの吐水の流れと、タンク内吐水口からの吐水の流れとを合流させ、単一のまとまった流れとしてタンク内に流入させることができる。
【0038】
補給水吐水口からの吐水の流れと、タンク内吐水口からの吐水の流れとが、別々の流れとなってタンク内に流入した場合、流入音が大きくなる可能性がある。
しかるに2つの流れを合流させて1つの流れとしてタンク内に流入させることで、流入時に発生する音を小さくすることができる。
【0039】
尚、本発明において上記水受部材は、補給水吐水口から水平方向に離れるに従って下方に移行する底部と、底部の幅方向の両端の一対の側壁部とで、流路上方が外部に開放された樋状の案内流路を形成するものとなしておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態である洗浄タンクの給水装置を洗浄タンクの内部構造とともに示した図である。
【図2】図1におけるボールタップの断面構造を示した図である。
【図3】同実施形態の給水装置を示した図である。
【図4】同実施形態の給水装置を底面方向から示した図(但し図4(B)はボールタップの図)である。
【図5】同実施形態における水受部材の全体斜視図である。
【図6】同実施形態における水受部材の断面形状を示した図である。
【図7】同実施形態における水受部材の作用説明図である。
【図8】本発明の他の実施形態の要部を示した図である。
【図9】図8に示す実施形態の作用説明図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態の要部を示した図である。
【図11】従来の洗浄タンクの給水装置の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は洗浄タンク(以下単にタンクとする場合がある)で、アウタタンク12とインナタンク14との2重タンク構造をなしている。
アウタタンク12の上部には、その蓋を兼用した手洗鉢16が設けられており、この手洗鉢16に手洗吐水管18が、手洗鉢16から起立する形態で設けられている。
手洗鉢16の底部には排水口20が設けられており、手洗吐水管18の吐水口19から吐水された手洗水が、この排水口20からタンク10内部へと落下する。
【0042】
22は、タンク壁に回転可能に設けられた洗浄ハンドルで、この洗浄ハンドル22から、L字状をなすレバーアーム24がタンク10の内方に向って延び出している。
そしてその先端部と図示を省略するタンク底部の排水弁とが、玉鎖26にて連結されている。
排水弁は、洗浄ハンドル22の回転操作により玉鎖26にて引き上げられ開弁する。
そしてその開弁によって、タンク10底部の排出口が開放され、タンク10内に貯えられている洗浄水が、その排出口から便器に向けて勢い良く放出される。
【0043】
28は、タンク10内部に配設されたボールタップで、30はボールタップ本体であり、このボールタップ本体30に対して給水管32が接続されている。
また給水管32とは反対側において、ボールタップ本体30に接続管62が接続されている。
【0044】
ボールタップ本体30には給水弁34が備えられており、またボールタップ本体30に接続された接続管62には、図2に示しているように(但し図2では後述の水受部材は除かれている)、タンク10内への吐水を行うタンク内吐水口36と、便器の排水トラップ部に向けて補給水を給水するための補給水吐水口71とが設けられている。
更にこの補給水吐水口71の上流部において、上記の手洗吐水管18に手洗用の水を給水する給水口64が設けられている。
そしてこの給水口64に対して、給水口64と手洗吐水管18とを連通させる、蛇腹管から成る連通管38が接続されている。
ここで補給水吐水口71は、タンク内吐水口36よりも下流部に位置しており、それぞれが真下向きをなしている。
また補給水吐水口71は、後述のオーバーフロー管48の上端開口の真上位置に位置している。
即ち補給水吐水口71は、オーバーフロー管48の上端開口の真上位置でその向きを上端開口に向けて設けられている。
尚図2において、100は補給水吐水口71における通水開口である。
【0045】
ボールタップ28では、給水弁34が開弁すると、給水管32を通じて送られて来た水が給水弁34を通過して、その下流部のタンク内吐水口36と補給水吐水口71とから下向きに吐水される。
また給水弁34を通過した水の一部が、給水口64から連通管38内に流入して手洗吐水管18へと給水され、その先端の吐水口19から手洗水として手洗鉢16に向け吐水される。
【0046】
ボールタップ28は、タンク10内の洗浄水による浮力によって洗浄水の水位に連動して昇降するフロート40、及びこのフロート40と給水弁34とを連繋する連繋アーム42を有している。
連繋アーム42は、給水弁34から下向きに延びた後略水平方向に延びるアーム部44と、アーム部44の先端部から下向きに立ち下がるねじ軸部46とを有しており、そのねじ軸部46に対して、フロート40が高さ調節可能に取り付けられている。
【0047】
図1において、48は導水管としてのオーバーフロー管で、このオーバーフロー管48は、タンク10底部から起立する状態で設けられている。
このオーバーフロー管48は、タンク10内の洗浄水をその内部にオーバーフローさせ、そのオーバーフロー水を便器に向けて導水する働きと、上記の補給水吐水口71から吐水された補給水を内部に流入させ、そしてこれを便器の内部、詳しくは便器の排水トラップ部に向けて導く働きを有している。
【0048】
給水弁34は、図2に示しているように主弁座50と、主弁座50への着座及び離座によって水路51を遮断及び開放する、ダイヤフラム弁から成る主弁52と、主弁52の図中下側に形成され、主弁52に対して図中上向きの閉弁方向の押圧力を作用させる背圧室54と、主弁52を貫通して設けられ、水路51における1次側と背圧室54とを連通させて、1次側の水を背圧室54に導入し、背圧室54の圧力を増大させる導入小孔(図示省略)と、背圧室54に連通し、背圧室54の水を抜いて背圧室54の圧力を減少させるパイロット孔56と、パイロット弁座58とを有している。
【0049】
この給水弁34は次のように動作する。
即ち、フロート40が下降することによって、アーム部44の基端部に設けられたパイロット弁60がパイロット弁座58から離座し、パイロット孔56が開放されると、ここにおいて背圧室54の圧力が減少して、主弁52が1次側の給水圧により主弁座50から図中下向きに離座して開弁し、水路51を開放状態とする。
そして水路51の開放によって、給水管32を通じて送られて来た水が給水弁34を通過して下流側の上記のタンク内吐水口36と補給水吐水口71とに送られて、それぞれから吐水される。
また併せて給水口64から連通管38を経て手洗吐水管18へと送られる。
【0050】
一方タンク10内への給水により洗浄水が満水状態になると、フロート40の上昇によりパイロット弁60がパイロット弁座58に着座してパイロット孔56を閉鎖する。
ここにおいて背圧室54の圧力が上昇し、そしてその背圧室54の圧力による力が、水路51における1次側の給水圧による力に打ち勝つに到って主弁52が閉弁し、水路51を遮断して給水停止させる。
【0051】
この実施形態では、図3に示しているようにボールタップ28の先端部に、ボールタップ28とは別体をなし、重力下で補給水吐水口71から落下した吐水を受け、そして受けた吐水を案内流路に沿って重力の作用で、導水管としてのオーバーフロー管48の外部に案内し、タンク10内部に流入させる水受部材74が脱着可能に取り付けられている。
ここで水受部材74は全体が樹脂製とされ、またその全体形状が略樋状をなしている。
【0052】
水受部材74は、図5及び図6にも示しているように上端に短い筒状をなす嵌合部76を有している。
この嵌合部76には、周方向に複数のスリット78が設けられており、このスリット78によって、嵌合部76全体に径方向の弾性変形能が付与されている。
水受部材74は、図3(A)において、この嵌合部76を補給水吐水口71に嵌合させる状態に、ボールタップ28に対しワンタッチで脱着可能に取り付けられている。
【0053】
詳しくは、嵌合部76の内面には掛止爪80が設けられており、一方補給水吐水口71の外面には、図3に示しているように鍔状の被掛止部82が設けられており、水受部材74は、嵌合部76の内面の掛止爪80を補給水吐水口71の被掛止部82に弾性掛止させることで補給水吐水口71に、即ちボールタップ28に取り付けられている。
【0054】
水受部材74は、図6に示しているようにこの嵌合部76の内径とほぼ同じ幅で延びる板状の底部84と、底部84の幅方向の両端から起立する、互いに平行な板状の一対の側壁部86と、各側壁部86の上端を連結する板状の連結部88とを有しており、そして底部84と一対の側壁部86とで、補給水吐水口71からの吐水を案内する案内流路90を形成している。
【0055】
ここで一対の側壁部86は、底部84から水平方向(図中左方向)と上方との両方に起立し、突出している。
これら一対の側壁部86の上端と、その上端を連結する上記の連結部88はほぼ水平に延びており、そしてその連結部88に、上記嵌合部86に近い位置まで切欠部89が設けられている。
従って案内流路90は外部即ち大気に開放された開放系の流路をなしている。
【0056】
図3,図4(A)及び図7に示しているように、水受部材74は、案内流路90による補給水吐水口71からの吐水の案内方向がボールタップ28への給水の流入側を向くように、取り付けられている。
即ち、底部84と側壁部86とが、ボールタップ28の本体部30及び接続管62の下側において、これと平行向きとなるようにボールタップ28に取り付けられている。
【0057】
図6に示しているように、底部84は、嵌合部76の下端の開口92の真下に位置する上端部84aが略水平な平坦部として形成され、更にその上端部84aに続き、底部84のほぼ全体をなす中間部84bが、嵌合部76即ち補給水吐水口71から水平方向に離れるに従って下方に移行する傾斜部とされ、またこれに続く下端部84cが、中間部84bから向きを下向きに変えて立下る立下り形状とされている。
【0058】
而してその上端部84aには、下向きに突出する形状の筒状部95が一体成形されていて、この筒状部95の内側に、補給水吐水口71からの吐水の一部をオーバーフロー管48の上端開口に向けて給水する、即ち便器の排水トラップ部に向けて給水するための小孔93が形成されている。
94はこの小孔93を塞ぐ栓で、可撓性の繋ぎ部96にて水受部材本体98に繋がれている。ここで栓94及び繋ぎ部96は水受部材本体98と一体に成形されている。
通常はこの小孔93は、栓94にて閉鎖された状態にある。そして必要が生じたときに小孔93から栓94が外され、補給水吐水口71からの吐水の一部がオーバーフロー管48に、即ち便器の排水トラップ部に向けて給水される。
【0059】
この小孔93は次のような意味を有している。
例えば高層マンション等においては、上階で便器を使用し、便器洗浄を行って排水管に水を流したときに、排水管に生じた負圧によって下階の便器の排水トラップ部の水が吸引される、誘導サイホン現象が生じることがある。
そしてそのことによって下階の便器の排水トラップ部で封水切れを生じてしまうことがある。
【0060】
このような場合には、便器が本来補給水を必要としない洗い落し式便器であっても、ボールタップ28によるタンク10内給水時に、補給水吐水口71からの水の一部を便器の排水トラップ部に向けて給水できるようにしておくことが望ましい。
上記小孔93はそのために設けられているもので、便器の設置現場がそうした環境,条件にあるときには栓94を小孔93から抜いて小孔93を開放しておく。
このようにすることで、補給水吐水口71からの吐水の一部を便器に向けて給水し、封水切れを生じないようにすることができる。
但しそのような必要がない場合には小孔93を栓94で閉塞しておく。
【0061】
図7は水受部材74の作用を表している。
図7(A)は、ボールタップ28の給水弁34が開かれて、タンク内吐水口36と補給水吐水口71とから吐水が行われている状態を表している。
このとき、水受部材74は重力下で補給水吐水口71から落下した吐水を受け、そして受けた吐水を重力の作用で案内流路90に沿ってオーバーフロー管48の外部に案内し、そして案内流路90の末端で下方に落下させ、タンク10内に流入させる。
一方、タンク内吐水口36からの吐水は真直ぐ下向きに流出し、タンク10内に流入する。
【0062】
ここで水受部材74は、補給水吐水口71からの吐水を案内流路90の末端で下向きに落下させる位置が、タンク内吐水口36からの吐水の落下位置と同じ位置(水平方向位置)となるように案内流路90の形状が定められている。
従って補給水吐水口71からの吐水の流れと、タンク内吐水口36からの吐水の流れとが案内流路90の末端の位置で合流し、単一の流れとなってタンク10内部へと流入する。
【0063】
以上は水受部材74の小孔93を栓94で塞いだ状態の下での作用であるが、栓94を小孔93から外し、小孔93を開放状態にしてあるときには、図7(B)に示しているように補給水吐水口71からの吐水の一部が、この小孔93を通じて真下に流出する。
そして小孔93から流出した水がオーバーフロー管48の上端開口内に落下し、その後オーバーフロー管48により便器の排水トラップ部に向けて導水される。
【0064】
一方便器がサイホン式便器である場合は、水受部材74をボールタップ28から取り外しておく。
このときには、補給水吐水口71からの吐水の全部がオーバーフロー管48内に流入する。そしてオーバーフロー管48に流入した補給水が、便器の排水トラップ部に向けて導水される。
【0065】
以上のような本実施形態においては、水受部材74に対して給水圧は直接作用せず、それ故給水圧が変動した場合であっても、水受部材74はそのことによって振動を生じたり暴れを生じたりすることはない。
従ってまた、水受部材74の振動や暴れを抑制するための構造をタンク壁等に設けておく必要もない。
【0066】
上記水受部材74は、これをタンク壁に取り付けておくといったことも可能であるが、本実施形態では水受部材74をボールタップ28に取り付けており、この場合水受部材74と補給水吐水口71との位置のずれを無くすことができ、従ってその位置のずれを吸収するために水受部材74を大きく構成するといったことが不要となり、水受部材74を可及的に小さいサイズで構成することが可能となる。
【0067】
また水受部材74はボールタップ28に容易に脱着できる構造で取り付けてあり、従って水受部材74を取り付けておくことで洗い落し式便器に対応することも、また水受部材74をボールタップ28から外すことでサイホン式便器に対応することも容易に行うことができる。
【0068】
また本実施形態では、水受部材74を、補給水吐水口71からの水の案内方向が、ボールタップ28への給水の流入側を向くようにボールタップ28に取り付けてあるため、水受部材74がボールタップ28から大きく図1中右向きに突き出してしまうのを防止でき、ボールタップ28及び水受部材74を含めた給水装置をコンパクトに構成できる。
また水受部材74が、洗浄ハンドル22と一体に回転するレバーアーム24や、そのレバーアーム24と排水弁とを繋ぐ玉鎖26等と干渉してしまうのを良好に回避することができる。
【0069】
更に本実施形態では、水受部材74に設けた小孔93を通じて、補給水吐水口71からの水の一部を便器の排水トラップ部に向けて給水することができ、誘導サイホンによる便器の封水切れを有効に防止することができる。
【0070】
また水受部材74は樹脂製であって、小孔93を塞ぐ栓94及びその栓94と水受部材本体98とを繋ぐ繋ぎ部96が水受部材本体98と一体成形してあるため、所要部品点数を少なくすることができる。
【0071】
更に本実施形態では、水受部材74が補給水吐水口71からの水を案内流路90にて案内した後、案内流路90の末端で下方に落下させる位置と、タンク内吐水口36からの吐水の落下位置とが同じ位置となしてあるため、補給水吐水口71からの吐水の流れと、タンク内吐水口36からの吐水の流れとを合流させ、単一のまとまった流れとしてタンク10内に流入させることができる。
そしてこのように2つの流れを合流させて1つの流れとしてタンク10内に流入させることで、流入時に発生する音を小さくすることができる。
【0072】
図8は本発明の他の実施形態を示している。
この例は、水受部材74における上記の筒状部95を底部付きのものとして、底部を筒状部95と一体成形し、その底部を、小孔93を塞ぐ栓104として構成した例である。
ここで小孔93は、底部即ち栓104に向って孔径が段階的(ここでは2段階)に小径となるようにしてある。
【0073】
この実施形態では、図9(A)に示しているように栓104にて小孔93を塞いだ状態の下では、補給水吐水口71からの補給水は、小孔93を通じてオーバーフロー管48内に流出することはなく、その全部が水受部材74における案内流路90に案内されてタンク10内に流入する。
【0074】
一方、底部即ち栓104を含む筒状部95の下部を切除することで小孔93は開放され、この状態の下では図9(B)に示しているように補給水吐水口71からの補給水の一部が、この小孔93を通じてオーバーフロー管48内に流出し、便器の排水トラップ部に向けて給水される。
【0075】
この実施形態では、上記のように小孔93の孔径が栓104に向って2段階に小径化しており、従って筒状部95に対する切除位置を異ならせることで、小孔93から流出する補給水の水量を異ならせることができる。
【0076】
具体的には、図8(C)に示すように小孔93における大径の第1部分93-1の位置で筒状部95の下部を切除したときには、補給水吐水口71からの補給水の一部が多くの水量で下方に流出し、また一方小孔93における小径の第2部分93-2の位置で筒状部95の下部を切除したときには、補給水吐水口71からの補給水の一部が少ない水量で下方に流出する。
【0077】
筒状部95には、大径の第1部分93-1での切除,小径の第2部分93-2での切除に対応して、図中イで示す位置に環状のくびれ部106-1が、また図中ロで示す部分に環状のくびれ部106-2がそれぞれ設けられており、これらくびれ部106-1,106-2で筒状部95を切除することで、大径の第1部分93-1又は小径の第2部分93-2を外部解放することができる。
【0078】
この実施形態では、筒状部95の下部を切除することで容易に小孔93を開放状態とすることができる。
また小孔93は底部即ち栓104に向って孔径が2段階に小径となしてあるため、筒状部95に沿って切除位置を異ならせることで、小孔93からの補給水の流出流量を変化させることができる。
これにより、切除位置を適切に選ぶことで、簡単に便器に向けての補給水の給水流量を適正流量に調節することができる。
【0079】
この実施形態では、小孔93の孔径を2段階に異ならせているが、場合によって3段階若しくはそれ以上の多段階に孔径を変化させておくこともできる。
また、図10に示しているように小孔93をテーパ形状とする等によって、小孔93の孔径を底部に向けて連続的に小径化するようになしておき、そして筒状部95に対する切除位置を異ならせることで、小孔93の切除位置での孔径を連続的に変化させるようになしておくこともできる。
【0080】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上記水受部材74の形態はあくまで一例示であり、水受部材74を他の様々な形態で構成することも可能である。
更に上記実施形態では水受部材74をボールタップ28に取り付けているが、場合によって水受部材74をタンク壁その他の個所に取り付けるようになすことも可能である。
その他、導水管としてオーバーフロー管以外の管を用いることも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【符号の説明】
【0081】
10 洗浄タンク
28 ボールタップ
34 給水弁
36 タンク内吐水口
40 フロート
48 オーバーフロー管(導水管)
71 補給水吐水口
74 水受部材
80 掛止爪
82 被掛止部
84 底部
86 側壁部
90 案内流路
93 小孔
94 栓
96 繋ぎ部
98 水受部材本体
【技術分野】
【0001】
この発明は便器洗浄のための洗浄タンクに備えられた給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器洗浄のための洗浄タンクには、洗浄タンク(以下単にタンクとすることがある)内部の洗浄水が排出された後に自動的にタンク内部に給水を行い、タンク内部を満水化するボールタップが給水装置として備えられている。
このボールタップは、フロートと、フロートの昇降に連動して開閉する給水弁と、タンク内に吐水するタンク内吐水口とを備え、フロートの下降により給水弁を開いてタンク内吐水口から吐水を行い、フロートの上昇により給水弁を閉じて給水停止する。
【0003】
ところで、便器の種類としてサイホン式便器と洗い落し式便器とがあり、前者のサイホン式便器では便器洗浄時に便器の排水トラップ部に向けて補給水を給水することが必要となる。
サイホン式便器では、洗浄タンク内に収容された洗浄水を放出して便器洗浄を行ったとき、便器の鉢内の溜水がサイホン作用によって一挙に下流側に排出される。
そこで、その後に便器内部の排水トラップ部に補給水を給水することで再び鉢内に溜水を溜め、排水トラップ部分での封水切れを防止するようにしている。
【0004】
このようなサイホン式便器のための洗浄タンク、詳しくはそこに備えられる給水装置では、ボールタップに、タンク内吐水口と併せて補給水吐水口を備えておき、タンク内への給水時にこの補給水吐水口から便器の排水トラップ部に向けて補給水を給水するようにしている。
このときの補給水の給水は、具体的にはタンク内に設けられているオーバーフロー管等の導水管、詳しくは便器の排水トラップ部に向けて補給水を導く導水管に補給水吐水口からの吐水を流入させることで行う。
【0005】
ところが便器がサイホン式便器でない場合、即ち上記の洗い落し式便器の場合には補給水の給水は不要で、便器が洗い落し式便器である場合にも補給水吐水口から便器の排水トラップ部に向けて補給水を給水すると、無駄に水が多く使用されてしまうこととなる。
そこで従来にあっては、便器が洗い落し式便器である場合には、補給水吐水口を有しないボールタップを用いて対応していた。
しかしながらこの場合、サイホン式便器と洗い落し式便器とで別々のボールタップ、即ち給水装置を用いることとなり、同一の給水装置をサイホン式便器と洗い落し式便器とで共通に使用できない問題が生ずる。
【0006】
そこでサイホン式便器,洗い落し式便器の何れに対しても補給水吐水口を備えた共通のボールタップを用い、便器が洗い落し式便器の場合には補給水吐水口を閉塞しておくといったことが考えられるが、この場合にはまた別の新たな問題が発生する。
即ち、洗浄タンクが手洗吐水管を有していて、ボールタップが手洗吐水管への給水口を更に有している場合、補給水吐水口を塞いだ場合と開放とした場合とで、手洗吐水管の側に回り込む水の量,水の勢いが異なってしまう。
【0007】
具体的には、補給水吐水口を閉塞してしまうと、手洗吐水管の側に回り込む水の量が多く、また水の勢いが強くなり、手洗時に跳ね水が発生して周囲に飛び散ってしまうといった問題を生ずる。
従って、サイホン式便器と洗い落し式便器との違いによって、補給水吐水口を開放としたり閉塞したりすることは実際的な対応策とはならない。
【0008】
下記特許文献1には、こうした問題点を解決可能な手段が開示されている。
この特許文献1に開示のものは、ボールタップに備えた補給水吐水口に、可撓性を有するホースの一端部を差し込んで接続しておき、便器がサイホン式便器である場合には、そのホースからの補給水をオーバーフロー管に流入させ、オーバーフロー管を通じて便器の排水トラップ部に向けて給水する一方、便器が洗い落し式便器である場合には、ホースの先端部をタンク壁に設けた筒状の差込口に差し込んで、そこに保持させるようにしている。
ここで筒状の差込口には切欠が設けてあって、そこを流出口として、ホースを通じ流れて来た補給水をタンク内へと戻すようにしている。
【0009】
図11はその具体例を示している。
図中200はボールタップ、202はボールタップ200の補給水吐水口に差込接続された可撓性のホース、204はホース202を通じてオーバーフロー管206に補給水を給水する際にホース202の先端部を差込接続する、オーバーフロー管206に設けられた差込口、208はタンク壁に設けられた筒状の差込口、210はその差込口208に設けられた切欠である。
【0010】
しかしながら、この特許文献1に開示のものでは給水圧を直接ホース202に作用させて、補給水をホース202の先端から流出させるようにしているため、即ち給水圧が直接ホース内圧として作用してしまうため、給水圧の変動が生じたときにホース202がタンク内で振れる現象、所謂ホース202が暴れる現象を生じてしまう。
またホース202の先端部を差し込んで保持し、ホース202の暴れを抑制するための構造をタンク壁等に設けておくことが必須となる。
【0011】
尚本発明に関連する先行技術として、下記特許文献2には「洗浄タンク装置」についての発明が示され、そこにおいてタンク内に消音カップを設けた点が開示されている。
但しこの消音カップは手洗鉢の底部の排水口からの水を受けてタンク壁に流すものであり、本発明とは異なったものである。
【0012】
更に下記特許文献3には「水洗便器洗浄用タンクの給水機構及び補助給水具」についての発明が示され、そこにおいてタンク内に補助給水具を設けた点が開示されている。
但しこの補助給水具もまた、手洗鉢の底部の排水口からの水を受けるためのものであり、この特許文献3に開示のものも本発明とは異なったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2006−283355号公報
【特許文献2】特開2002−167833号公報
【特許文献3】特開2004−190461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は以上のような事情を背景とし、補給水吐水口からの水を案内するための部材が給水圧の変動により暴れたりすることがなく、従ってその案内するための部材の暴れ(振れ)を抑制するための構造をタンク壁等に設けておかなくても良い、洗浄タンクの給水装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
而して請求項1のものは、(イ)(a)フロートと、(b)該フロートの昇降に連動して開閉する給水弁と、(c)洗浄タンク内に吐水するタンク内吐水口と、(d)該タンク内に設けられ、便器の排水トラップ部に向けて補給水を導く導水管に吐水を行う補給水吐水口と、を備え、前記フロートの下降により前記給水弁を開いて前記タンク内吐水口と補給水吐水口とから吐水を行い、該フロートの上昇により該給水弁を閉じて給水停止するボールタップ、及び、(ロ)該ボールタップとは別体をなし、前記補給水吐水口から落下した吐水を受けて該受けた吐水を案内流路により前記導水管の外部に案内してタンク内部に流入させる水受部材を有していることを特徴とする。
【0016】
請求項2のものは、請求項1において、前記水受部材が前記ボールタップに取り付けてあることを特徴とする。
【0017】
請求項3のものは、請求項2において、前記水受部材は前記ボールタップに対し脱着可能に取り付けてあることを特徴とする。
【0018】
請求項4のものは、請求項2,3の何れかにおいて、前記水受部材は、前記案内流路による前記補給水吐水口からの水の案内方向が前記ボールタップへの給水の流入側を向いていることを特徴とする。
【0019】
請求項5のものは、請求項2〜4の何れかにおいて、前記水受部材は、前記導水管の上端開口の真上位置に位置し、前記補給水吐水口からの水の一部を該導水管に落下させる小孔と、該小孔を塞ぐ栓とを有していることを特徴とする。
【0020】
請求項6のものは、請求項5において、前記水受部材が樹脂製であって、前記栓が該水受部材に一体成形されていることを特徴とする。
【0021】
請求項7のものは、請求項6において、前記栓が可撓性の繋ぎ部にて水受部材本体と繋がれており、該繋ぎ部及び栓が該水受部材本体と一体成形されていることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【0022】
請求項8のものは、請求項6において、前記小孔が底部付きの筒状部の内側に形成されているとともに、該底部が該筒状部と一体成形されていて、該底部にて前記栓が構成されており、該底部を含む該筒状部の下部を切除することで前記小孔が開放されるようになしてあることを特徴とする。
【0023】
請求項9のものは、請求項8において、前記小孔は前記底部に向って孔径が連続的に若しくは段階的に小径となしてあり、前記筒状部に沿って前記切除位置を異ならせることで該小孔からの前記補給水の落下流量が変化するようになしてあることを特徴とする。
【0024】
請求項10のものは、請求項1〜9の何れかにおいて、前記水受部材は、前記補給水吐水口からの水を前記案内流路にて案内した後、該案内流路の末端で下方に落下させるものとなしてあり、且つ該補給水吐水口からの水を該案内流路の末端から落下させる位置が、前記タンク内吐水口からの吐水の落下位置と水平方向において同じ位置となしてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0025】
以上のように本発明は、フロート,給水弁,タンク内吐水口及び補給水吐水口を備えたボールタップと、そのボールタップとは別体をなし、補給水吐水口から落下した吐水を受け、そして受けた吐水を案内流路により重力の作用でオーバーフロー管等の導水管の外部に導いてタンク内部に流入させる水受部材と、を備えて洗浄タンクの給水装置を構成したものである。
【0026】
このように本発明の水受部材は、補給水吐水口から重力の下で落下した吐水を、案内流路に沿って同じく重力の作用で吐水管の外部に導いてタンク内部に流入させるものであり、従って水受部材に対して給水圧は直接作用しておらず、それ故給水圧が変動した場合であっても、水受部材はそのことによって振動を生じたり暴れを生じたりすることはない。
従ってまた、水受部材の振動や暴れを抑制するための構造をタンク壁等に設けておく必要もない。
【0027】
本発明では、上記水受部材をタンク壁に取り付けておくといったことも可能であるが、請求項2に従って水受部材をボールタップに取り付けておくことが望ましい。
このようにすれば、水受部材と補給水吐水口との位置のずれを無くすことができ、従ってその位置のずれを吸収するために水受部材を大きく構成するといったことが不要となり、水受部材を可及的に小さいサイズで構成することが可能となる。
【0028】
この場合において、水受部材はボールタップに対し脱着可能に取り付けておくことができる(請求項3)。
このようにすれば、水受部材を取り付けた状態で洗い落し式便器に対して対応することができ、また一方便器がサイホン式便器である場合には、水受部材をボールタップから外すことで容易にサイホン式便器に対しても対応することができる。
【0029】
この場合において水受部材は、水受部材と上記ボールタップとの一方に設けた掛止爪と、他方に設けた被掛止部との弾性掛止によって、ボールタップに脱着可能に取り付けておくことができる。
【0030】
水受部材をボールタップに取り付ける場合において、かかる水受部材を、補給水吐水口からの水の案内方向が、ボールタップへの給水の流入側を向くように、ボールタップに取り付けておくことが望ましい(請求項4)。
このようにすることで、水受部材がボールタップから大きく突き出してしまうのを防止でき、ボールタップ及び水受部材を含めた給水装置をコンパクトに構成できる。
また水受部材が、洗浄ハンドルと一体に回転可能に洗浄タンクに設けたレバーアームや、そのレバーアームと排水弁とを繋ぐ玉鎖等と干渉してしまうのを有効に回避することができる。
【0031】
本発明では、請求項5に従って水受部材に、導水管の上端開口の真上位置に位置し、補給水吐水口からの水の一部を導水管に落下させる小孔と、その小孔を塞ぐ栓とを備えておくことができる。
例えば高層マンション等においては、上階で便器を使用し、便器洗浄を行って排水管に水を流したときに、排水管に生じた負圧によって下階の便器の排水トラップ部の水が吸引される、誘導サイホン現象が生じることがある。
そしてこのことによって、下階の便器の排水トラップ部で封水切れを生じてしまうことがある。
便器がそのような誘導サイホン作用によって封水切れを起し易いような環境、条件にある場合には、便器が洗い落し式便器であっても、給水装置からのタンク内給水時に、補給水吐水口からの水の一部を便器の排水トラップ部に向けて給水できるようにしておくことが望ましい。
【0032】
請求項5は、そのための小孔を水受部材に設けたもので、この請求項5によれば、その小孔を通じて補給水吐水口からの水の一部を便器の排水トラップ部に向けて給水することで、封水切れを有効に防止することが可能となる。
尚、洗い落し式便器における封水切れのための必要な水量は僅かであり、従って水受部材を取り外して補給水吐水口からの吐水の全部を便器に向けて給水してしまうと、多量の水を無駄に使用してしまうこととなる。
これに対して水受部材に設けた小孔を通じて補給水を給水することで、多量の水を無駄に使用してしまうのを防ぐことができる。
ここで小孔の大きさは、必要にして十分な量で補給水吐水口からの吐水の一部を便器に給水できるような大きさに定めておく。
尚、上記小孔を通じて便器に補給水を給水することが不要である場合には、その小孔を栓にて塞いでおく。
【0033】
この場合において、水受部材を樹脂製となして、上記の栓を水受部材と一体成形しておくことができる(請求項6)。
このようにすれば、所要部品点数を少なくすることができる。
【0034】
この請求項6において、上記の栓を可撓性の繋ぎ部にて水受部材本体と繋いでおき、そしてその繋ぎ部及び栓を水受部材本体と一体成形しておくことができる(請求項7)。
この場合、栓を小孔から外すことで簡単に小孔を開放状態とすることができる。
【0035】
一方、小孔を底部付きの筒状部の内側に形成しておくとともに、底部を筒状部と一体成形して、その底部にて上記の栓を構成しておき、底部を含む筒状部の下部を切除することで、小孔を開放するようになしておくことができる(請求項8)。
この場合には、筒状部の下部を切除することで容易に小孔を開放状態とすることができる。
【0036】
この場合において、上記の小孔は底部に向って孔径が連続的に若しくは段階的に小径となるようにしておき、筒状部に沿って切除位置を異ならせることで、小孔からの補給水の落下流量を変化させるようになしておくことができる(請求項9)。
このようにすれば、筒状部に対する切除位置を適切に選ぶことによって、簡単に便器に向けての補給水の給水流量を適正流量に調節することができる。
【0037】
本発明において、上記の水受部材は、補給水吐水口からの水を案内流路にて案内した後、案内流路の末端で下方に落下させるものとなしておくとともに、その落下位置を、水平方向においてタンク内吐水口からの吐水の落下位置と同じ位置となしておくことができる(請求項10)。
このようにすれば、補給水吐水口からの吐水の流れと、タンク内吐水口からの吐水の流れとを合流させ、単一のまとまった流れとしてタンク内に流入させることができる。
【0038】
補給水吐水口からの吐水の流れと、タンク内吐水口からの吐水の流れとが、別々の流れとなってタンク内に流入した場合、流入音が大きくなる可能性がある。
しかるに2つの流れを合流させて1つの流れとしてタンク内に流入させることで、流入時に発生する音を小さくすることができる。
【0039】
尚、本発明において上記水受部材は、補給水吐水口から水平方向に離れるに従って下方に移行する底部と、底部の幅方向の両端の一対の側壁部とで、流路上方が外部に開放された樋状の案内流路を形成するものとなしておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態である洗浄タンクの給水装置を洗浄タンクの内部構造とともに示した図である。
【図2】図1におけるボールタップの断面構造を示した図である。
【図3】同実施形態の給水装置を示した図である。
【図4】同実施形態の給水装置を底面方向から示した図(但し図4(B)はボールタップの図)である。
【図5】同実施形態における水受部材の全体斜視図である。
【図6】同実施形態における水受部材の断面形状を示した図である。
【図7】同実施形態における水受部材の作用説明図である。
【図8】本発明の他の実施形態の要部を示した図である。
【図9】図8に示す実施形態の作用説明図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態の要部を示した図である。
【図11】従来の洗浄タンクの給水装置の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は洗浄タンク(以下単にタンクとする場合がある)で、アウタタンク12とインナタンク14との2重タンク構造をなしている。
アウタタンク12の上部には、その蓋を兼用した手洗鉢16が設けられており、この手洗鉢16に手洗吐水管18が、手洗鉢16から起立する形態で設けられている。
手洗鉢16の底部には排水口20が設けられており、手洗吐水管18の吐水口19から吐水された手洗水が、この排水口20からタンク10内部へと落下する。
【0042】
22は、タンク壁に回転可能に設けられた洗浄ハンドルで、この洗浄ハンドル22から、L字状をなすレバーアーム24がタンク10の内方に向って延び出している。
そしてその先端部と図示を省略するタンク底部の排水弁とが、玉鎖26にて連結されている。
排水弁は、洗浄ハンドル22の回転操作により玉鎖26にて引き上げられ開弁する。
そしてその開弁によって、タンク10底部の排出口が開放され、タンク10内に貯えられている洗浄水が、その排出口から便器に向けて勢い良く放出される。
【0043】
28は、タンク10内部に配設されたボールタップで、30はボールタップ本体であり、このボールタップ本体30に対して給水管32が接続されている。
また給水管32とは反対側において、ボールタップ本体30に接続管62が接続されている。
【0044】
ボールタップ本体30には給水弁34が備えられており、またボールタップ本体30に接続された接続管62には、図2に示しているように(但し図2では後述の水受部材は除かれている)、タンク10内への吐水を行うタンク内吐水口36と、便器の排水トラップ部に向けて補給水を給水するための補給水吐水口71とが設けられている。
更にこの補給水吐水口71の上流部において、上記の手洗吐水管18に手洗用の水を給水する給水口64が設けられている。
そしてこの給水口64に対して、給水口64と手洗吐水管18とを連通させる、蛇腹管から成る連通管38が接続されている。
ここで補給水吐水口71は、タンク内吐水口36よりも下流部に位置しており、それぞれが真下向きをなしている。
また補給水吐水口71は、後述のオーバーフロー管48の上端開口の真上位置に位置している。
即ち補給水吐水口71は、オーバーフロー管48の上端開口の真上位置でその向きを上端開口に向けて設けられている。
尚図2において、100は補給水吐水口71における通水開口である。
【0045】
ボールタップ28では、給水弁34が開弁すると、給水管32を通じて送られて来た水が給水弁34を通過して、その下流部のタンク内吐水口36と補給水吐水口71とから下向きに吐水される。
また給水弁34を通過した水の一部が、給水口64から連通管38内に流入して手洗吐水管18へと給水され、その先端の吐水口19から手洗水として手洗鉢16に向け吐水される。
【0046】
ボールタップ28は、タンク10内の洗浄水による浮力によって洗浄水の水位に連動して昇降するフロート40、及びこのフロート40と給水弁34とを連繋する連繋アーム42を有している。
連繋アーム42は、給水弁34から下向きに延びた後略水平方向に延びるアーム部44と、アーム部44の先端部から下向きに立ち下がるねじ軸部46とを有しており、そのねじ軸部46に対して、フロート40が高さ調節可能に取り付けられている。
【0047】
図1において、48は導水管としてのオーバーフロー管で、このオーバーフロー管48は、タンク10底部から起立する状態で設けられている。
このオーバーフロー管48は、タンク10内の洗浄水をその内部にオーバーフローさせ、そのオーバーフロー水を便器に向けて導水する働きと、上記の補給水吐水口71から吐水された補給水を内部に流入させ、そしてこれを便器の内部、詳しくは便器の排水トラップ部に向けて導く働きを有している。
【0048】
給水弁34は、図2に示しているように主弁座50と、主弁座50への着座及び離座によって水路51を遮断及び開放する、ダイヤフラム弁から成る主弁52と、主弁52の図中下側に形成され、主弁52に対して図中上向きの閉弁方向の押圧力を作用させる背圧室54と、主弁52を貫通して設けられ、水路51における1次側と背圧室54とを連通させて、1次側の水を背圧室54に導入し、背圧室54の圧力を増大させる導入小孔(図示省略)と、背圧室54に連通し、背圧室54の水を抜いて背圧室54の圧力を減少させるパイロット孔56と、パイロット弁座58とを有している。
【0049】
この給水弁34は次のように動作する。
即ち、フロート40が下降することによって、アーム部44の基端部に設けられたパイロット弁60がパイロット弁座58から離座し、パイロット孔56が開放されると、ここにおいて背圧室54の圧力が減少して、主弁52が1次側の給水圧により主弁座50から図中下向きに離座して開弁し、水路51を開放状態とする。
そして水路51の開放によって、給水管32を通じて送られて来た水が給水弁34を通過して下流側の上記のタンク内吐水口36と補給水吐水口71とに送られて、それぞれから吐水される。
また併せて給水口64から連通管38を経て手洗吐水管18へと送られる。
【0050】
一方タンク10内への給水により洗浄水が満水状態になると、フロート40の上昇によりパイロット弁60がパイロット弁座58に着座してパイロット孔56を閉鎖する。
ここにおいて背圧室54の圧力が上昇し、そしてその背圧室54の圧力による力が、水路51における1次側の給水圧による力に打ち勝つに到って主弁52が閉弁し、水路51を遮断して給水停止させる。
【0051】
この実施形態では、図3に示しているようにボールタップ28の先端部に、ボールタップ28とは別体をなし、重力下で補給水吐水口71から落下した吐水を受け、そして受けた吐水を案内流路に沿って重力の作用で、導水管としてのオーバーフロー管48の外部に案内し、タンク10内部に流入させる水受部材74が脱着可能に取り付けられている。
ここで水受部材74は全体が樹脂製とされ、またその全体形状が略樋状をなしている。
【0052】
水受部材74は、図5及び図6にも示しているように上端に短い筒状をなす嵌合部76を有している。
この嵌合部76には、周方向に複数のスリット78が設けられており、このスリット78によって、嵌合部76全体に径方向の弾性変形能が付与されている。
水受部材74は、図3(A)において、この嵌合部76を補給水吐水口71に嵌合させる状態に、ボールタップ28に対しワンタッチで脱着可能に取り付けられている。
【0053】
詳しくは、嵌合部76の内面には掛止爪80が設けられており、一方補給水吐水口71の外面には、図3に示しているように鍔状の被掛止部82が設けられており、水受部材74は、嵌合部76の内面の掛止爪80を補給水吐水口71の被掛止部82に弾性掛止させることで補給水吐水口71に、即ちボールタップ28に取り付けられている。
【0054】
水受部材74は、図6に示しているようにこの嵌合部76の内径とほぼ同じ幅で延びる板状の底部84と、底部84の幅方向の両端から起立する、互いに平行な板状の一対の側壁部86と、各側壁部86の上端を連結する板状の連結部88とを有しており、そして底部84と一対の側壁部86とで、補給水吐水口71からの吐水を案内する案内流路90を形成している。
【0055】
ここで一対の側壁部86は、底部84から水平方向(図中左方向)と上方との両方に起立し、突出している。
これら一対の側壁部86の上端と、その上端を連結する上記の連結部88はほぼ水平に延びており、そしてその連結部88に、上記嵌合部86に近い位置まで切欠部89が設けられている。
従って案内流路90は外部即ち大気に開放された開放系の流路をなしている。
【0056】
図3,図4(A)及び図7に示しているように、水受部材74は、案内流路90による補給水吐水口71からの吐水の案内方向がボールタップ28への給水の流入側を向くように、取り付けられている。
即ち、底部84と側壁部86とが、ボールタップ28の本体部30及び接続管62の下側において、これと平行向きとなるようにボールタップ28に取り付けられている。
【0057】
図6に示しているように、底部84は、嵌合部76の下端の開口92の真下に位置する上端部84aが略水平な平坦部として形成され、更にその上端部84aに続き、底部84のほぼ全体をなす中間部84bが、嵌合部76即ち補給水吐水口71から水平方向に離れるに従って下方に移行する傾斜部とされ、またこれに続く下端部84cが、中間部84bから向きを下向きに変えて立下る立下り形状とされている。
【0058】
而してその上端部84aには、下向きに突出する形状の筒状部95が一体成形されていて、この筒状部95の内側に、補給水吐水口71からの吐水の一部をオーバーフロー管48の上端開口に向けて給水する、即ち便器の排水トラップ部に向けて給水するための小孔93が形成されている。
94はこの小孔93を塞ぐ栓で、可撓性の繋ぎ部96にて水受部材本体98に繋がれている。ここで栓94及び繋ぎ部96は水受部材本体98と一体に成形されている。
通常はこの小孔93は、栓94にて閉鎖された状態にある。そして必要が生じたときに小孔93から栓94が外され、補給水吐水口71からの吐水の一部がオーバーフロー管48に、即ち便器の排水トラップ部に向けて給水される。
【0059】
この小孔93は次のような意味を有している。
例えば高層マンション等においては、上階で便器を使用し、便器洗浄を行って排水管に水を流したときに、排水管に生じた負圧によって下階の便器の排水トラップ部の水が吸引される、誘導サイホン現象が生じることがある。
そしてそのことによって下階の便器の排水トラップ部で封水切れを生じてしまうことがある。
【0060】
このような場合には、便器が本来補給水を必要としない洗い落し式便器であっても、ボールタップ28によるタンク10内給水時に、補給水吐水口71からの水の一部を便器の排水トラップ部に向けて給水できるようにしておくことが望ましい。
上記小孔93はそのために設けられているもので、便器の設置現場がそうした環境,条件にあるときには栓94を小孔93から抜いて小孔93を開放しておく。
このようにすることで、補給水吐水口71からの吐水の一部を便器に向けて給水し、封水切れを生じないようにすることができる。
但しそのような必要がない場合には小孔93を栓94で閉塞しておく。
【0061】
図7は水受部材74の作用を表している。
図7(A)は、ボールタップ28の給水弁34が開かれて、タンク内吐水口36と補給水吐水口71とから吐水が行われている状態を表している。
このとき、水受部材74は重力下で補給水吐水口71から落下した吐水を受け、そして受けた吐水を重力の作用で案内流路90に沿ってオーバーフロー管48の外部に案内し、そして案内流路90の末端で下方に落下させ、タンク10内に流入させる。
一方、タンク内吐水口36からの吐水は真直ぐ下向きに流出し、タンク10内に流入する。
【0062】
ここで水受部材74は、補給水吐水口71からの吐水を案内流路90の末端で下向きに落下させる位置が、タンク内吐水口36からの吐水の落下位置と同じ位置(水平方向位置)となるように案内流路90の形状が定められている。
従って補給水吐水口71からの吐水の流れと、タンク内吐水口36からの吐水の流れとが案内流路90の末端の位置で合流し、単一の流れとなってタンク10内部へと流入する。
【0063】
以上は水受部材74の小孔93を栓94で塞いだ状態の下での作用であるが、栓94を小孔93から外し、小孔93を開放状態にしてあるときには、図7(B)に示しているように補給水吐水口71からの吐水の一部が、この小孔93を通じて真下に流出する。
そして小孔93から流出した水がオーバーフロー管48の上端開口内に落下し、その後オーバーフロー管48により便器の排水トラップ部に向けて導水される。
【0064】
一方便器がサイホン式便器である場合は、水受部材74をボールタップ28から取り外しておく。
このときには、補給水吐水口71からの吐水の全部がオーバーフロー管48内に流入する。そしてオーバーフロー管48に流入した補給水が、便器の排水トラップ部に向けて導水される。
【0065】
以上のような本実施形態においては、水受部材74に対して給水圧は直接作用せず、それ故給水圧が変動した場合であっても、水受部材74はそのことによって振動を生じたり暴れを生じたりすることはない。
従ってまた、水受部材74の振動や暴れを抑制するための構造をタンク壁等に設けておく必要もない。
【0066】
上記水受部材74は、これをタンク壁に取り付けておくといったことも可能であるが、本実施形態では水受部材74をボールタップ28に取り付けており、この場合水受部材74と補給水吐水口71との位置のずれを無くすことができ、従ってその位置のずれを吸収するために水受部材74を大きく構成するといったことが不要となり、水受部材74を可及的に小さいサイズで構成することが可能となる。
【0067】
また水受部材74はボールタップ28に容易に脱着できる構造で取り付けてあり、従って水受部材74を取り付けておくことで洗い落し式便器に対応することも、また水受部材74をボールタップ28から外すことでサイホン式便器に対応することも容易に行うことができる。
【0068】
また本実施形態では、水受部材74を、補給水吐水口71からの水の案内方向が、ボールタップ28への給水の流入側を向くようにボールタップ28に取り付けてあるため、水受部材74がボールタップ28から大きく図1中右向きに突き出してしまうのを防止でき、ボールタップ28及び水受部材74を含めた給水装置をコンパクトに構成できる。
また水受部材74が、洗浄ハンドル22と一体に回転するレバーアーム24や、そのレバーアーム24と排水弁とを繋ぐ玉鎖26等と干渉してしまうのを良好に回避することができる。
【0069】
更に本実施形態では、水受部材74に設けた小孔93を通じて、補給水吐水口71からの水の一部を便器の排水トラップ部に向けて給水することができ、誘導サイホンによる便器の封水切れを有効に防止することができる。
【0070】
また水受部材74は樹脂製であって、小孔93を塞ぐ栓94及びその栓94と水受部材本体98とを繋ぐ繋ぎ部96が水受部材本体98と一体成形してあるため、所要部品点数を少なくすることができる。
【0071】
更に本実施形態では、水受部材74が補給水吐水口71からの水を案内流路90にて案内した後、案内流路90の末端で下方に落下させる位置と、タンク内吐水口36からの吐水の落下位置とが同じ位置となしてあるため、補給水吐水口71からの吐水の流れと、タンク内吐水口36からの吐水の流れとを合流させ、単一のまとまった流れとしてタンク10内に流入させることができる。
そしてこのように2つの流れを合流させて1つの流れとしてタンク10内に流入させることで、流入時に発生する音を小さくすることができる。
【0072】
図8は本発明の他の実施形態を示している。
この例は、水受部材74における上記の筒状部95を底部付きのものとして、底部を筒状部95と一体成形し、その底部を、小孔93を塞ぐ栓104として構成した例である。
ここで小孔93は、底部即ち栓104に向って孔径が段階的(ここでは2段階)に小径となるようにしてある。
【0073】
この実施形態では、図9(A)に示しているように栓104にて小孔93を塞いだ状態の下では、補給水吐水口71からの補給水は、小孔93を通じてオーバーフロー管48内に流出することはなく、その全部が水受部材74における案内流路90に案内されてタンク10内に流入する。
【0074】
一方、底部即ち栓104を含む筒状部95の下部を切除することで小孔93は開放され、この状態の下では図9(B)に示しているように補給水吐水口71からの補給水の一部が、この小孔93を通じてオーバーフロー管48内に流出し、便器の排水トラップ部に向けて給水される。
【0075】
この実施形態では、上記のように小孔93の孔径が栓104に向って2段階に小径化しており、従って筒状部95に対する切除位置を異ならせることで、小孔93から流出する補給水の水量を異ならせることができる。
【0076】
具体的には、図8(C)に示すように小孔93における大径の第1部分93-1の位置で筒状部95の下部を切除したときには、補給水吐水口71からの補給水の一部が多くの水量で下方に流出し、また一方小孔93における小径の第2部分93-2の位置で筒状部95の下部を切除したときには、補給水吐水口71からの補給水の一部が少ない水量で下方に流出する。
【0077】
筒状部95には、大径の第1部分93-1での切除,小径の第2部分93-2での切除に対応して、図中イで示す位置に環状のくびれ部106-1が、また図中ロで示す部分に環状のくびれ部106-2がそれぞれ設けられており、これらくびれ部106-1,106-2で筒状部95を切除することで、大径の第1部分93-1又は小径の第2部分93-2を外部解放することができる。
【0078】
この実施形態では、筒状部95の下部を切除することで容易に小孔93を開放状態とすることができる。
また小孔93は底部即ち栓104に向って孔径が2段階に小径となしてあるため、筒状部95に沿って切除位置を異ならせることで、小孔93からの補給水の流出流量を変化させることができる。
これにより、切除位置を適切に選ぶことで、簡単に便器に向けての補給水の給水流量を適正流量に調節することができる。
【0079】
この実施形態では、小孔93の孔径を2段階に異ならせているが、場合によって3段階若しくはそれ以上の多段階に孔径を変化させておくこともできる。
また、図10に示しているように小孔93をテーパ形状とする等によって、小孔93の孔径を底部に向けて連続的に小径化するようになしておき、そして筒状部95に対する切除位置を異ならせることで、小孔93の切除位置での孔径を連続的に変化させるようになしておくこともできる。
【0080】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上記水受部材74の形態はあくまで一例示であり、水受部材74を他の様々な形態で構成することも可能である。
更に上記実施形態では水受部材74をボールタップ28に取り付けているが、場合によって水受部材74をタンク壁その他の個所に取り付けるようになすことも可能である。
その他、導水管としてオーバーフロー管以外の管を用いることも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【符号の説明】
【0081】
10 洗浄タンク
28 ボールタップ
34 給水弁
36 タンク内吐水口
40 フロート
48 オーバーフロー管(導水管)
71 補給水吐水口
74 水受部材
80 掛止爪
82 被掛止部
84 底部
86 側壁部
90 案内流路
93 小孔
94 栓
96 繋ぎ部
98 水受部材本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)(a)フロートと、(b)該フロートの昇降に連動して開閉する給水弁と、(c)洗浄タンク内に吐水するタンク内吐水口と、(d)該タンク内に設けられ、便器の排水トラップ部に向けて補給水を導く導水管に吐水を行う補給水吐水口と、を備え、前記フロートの下降により前記給水弁を開いて前記タンク内吐水口と補給水吐水口とから吐水を行い、該フロートの上昇により該給水弁を閉じて給水停止するボールタップ、及び
(ロ)該ボールタップとは別体をなし、前記補給水吐水口から落下した吐水を受けて該受けた吐水を案内流路により前記導水管の外部に案内してタンク内部に流入させる水受部材
を有していることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項2】
請求項1において、前記水受部材が前記ボールタップに取り付けてあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項3】
請求項2において、前記水受部材は前記ボールタップに対し脱着可能に取り付けてあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項4】
請求項2,3の何れかにおいて、前記水受部材は、前記案内流路による前記補給水吐水口からの水の案内方向が前記ボールタップへの給水の流入側を向いていることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項5】
請求項2〜4の何れかにおいて、前記水受部材は、前記導水管の上端開口の真上位置に位置し、前記補給水吐水口からの水の一部を該導水管に落下させる小孔と、該小孔を塞ぐ栓とを有していることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項6】
請求項5において、前記水受部材が樹脂製であって、前記栓が該水受部材に一体成形されていることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項7】
請求項6において、前記栓が可撓性の繋ぎ部にて水受部材本体と繋がれており、該繋ぎ部及び栓が該水受部材本体と一体成形されていることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項8】
請求項6において、前記小孔が底部付きの筒状部の内側に形成されているとともに、該底部が該筒状部と一体成形されていて、該底部にて前記栓が構成されており、該底部を含む該筒状部の下部を切除することで前記小孔が開放されるようになしてあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項9】
請求項8において、前記小孔は前記底部に向って孔径が連続的に若しくは段階的に小径となしてあり、前記筒状部に沿って前記切除位置を異ならせることで該小孔からの前記補給水の落下流量が変化するようになしてあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかにおいて、前記水受部材は、前記補給水吐水口からの水を前記案内流路にて案内した後、該案内流路の末端で下方に落下させるものとなしてあり、且つ該補給水吐水口からの水を該案内流路の末端から落下させる位置が、前記タンク内吐水口からの吐水の落下位置と水平方向において同じ位置となしてあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項1】
(イ)(a)フロートと、(b)該フロートの昇降に連動して開閉する給水弁と、(c)洗浄タンク内に吐水するタンク内吐水口と、(d)該タンク内に設けられ、便器の排水トラップ部に向けて補給水を導く導水管に吐水を行う補給水吐水口と、を備え、前記フロートの下降により前記給水弁を開いて前記タンク内吐水口と補給水吐水口とから吐水を行い、該フロートの上昇により該給水弁を閉じて給水停止するボールタップ、及び
(ロ)該ボールタップとは別体をなし、前記補給水吐水口から落下した吐水を受けて該受けた吐水を案内流路により前記導水管の外部に案内してタンク内部に流入させる水受部材
を有していることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項2】
請求項1において、前記水受部材が前記ボールタップに取り付けてあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項3】
請求項2において、前記水受部材は前記ボールタップに対し脱着可能に取り付けてあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項4】
請求項2,3の何れかにおいて、前記水受部材は、前記案内流路による前記補給水吐水口からの水の案内方向が前記ボールタップへの給水の流入側を向いていることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項5】
請求項2〜4の何れかにおいて、前記水受部材は、前記導水管の上端開口の真上位置に位置し、前記補給水吐水口からの水の一部を該導水管に落下させる小孔と、該小孔を塞ぐ栓とを有していることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項6】
請求項5において、前記水受部材が樹脂製であって、前記栓が該水受部材に一体成形されていることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項7】
請求項6において、前記栓が可撓性の繋ぎ部にて水受部材本体と繋がれており、該繋ぎ部及び栓が該水受部材本体と一体成形されていることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項8】
請求項6において、前記小孔が底部付きの筒状部の内側に形成されているとともに、該底部が該筒状部と一体成形されていて、該底部にて前記栓が構成されており、該底部を含む該筒状部の下部を切除することで前記小孔が開放されるようになしてあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項9】
請求項8において、前記小孔は前記底部に向って孔径が連続的に若しくは段階的に小径となしてあり、前記筒状部に沿って前記切除位置を異ならせることで該小孔からの前記補給水の落下流量が変化するようになしてあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかにおいて、前記水受部材は、前記補給水吐水口からの水を前記案内流路にて案内した後、該案内流路の末端で下方に落下させるものとなしてあり、且つ該補給水吐水口からの水を該案内流路の末端から落下させる位置が、前記タンク内吐水口からの吐水の落下位置と水平方向において同じ位置となしてあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−28965(P2013−28965A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166032(P2011−166032)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]