説明

洗浄剤組成物及びそれを用いた液晶表示装置用アレイ基板の製造方法

【課題】洗浄後の基板の表面のコーティング性を向上する洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の親水性表面改質が可能な洗浄剤組成物は、組成物の総重量を基準にして、(a)0.0001重量%以上且つ5重量%以下のポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、セルロース、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチルオキサゾリン及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる1種以上の水溶性高分子化合物と、(b)0.01重量%以上且つ5重量%以下の多価アルコール系化合物と、(c)0.05重量%以上且つ10重量%以下の第4級アンモニウム水酸化物と、(d)0.05重量%以上且つ40重量%以下の特定のグリコールエーテル系有機溶剤と、(e)残量の水とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物及びそれを用いた液晶表示装置用アレイ基板の製造方法に関し、特に、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ及びフレキシブルディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(以下、FPDという。)基板の洗浄剤組成物及びそれを用いた液晶表示装置用アレイ基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイとして代表されるFPDは、半導体デバイスと同様に、成膜、露光及び配線エッチング等の工程を経て製造されるが、これらの工程中に、基板の表面に各種の有機物及び無機物等の粒径が1μm以下のパーティクル(particle)が付着して基板の汚染が引き起こされる。このような汚染物が付着したままで次の工程処理を施した場合、膜のピンホール若しくはピット、又は配線の断線若しくはブリッジが発生して製品の製造歩留まりが大幅に低下する。そこで、このような汚染物を除去するための洗浄が各工程間に行われており、このための種々の洗浄剤が知られている。
【0003】
このような洗浄剤は、基本的に有機物及び無機物等の微細パーティクルの除去力に優れていなければならず、基板、又は基板の上に形成されているアルミニウム、アルミニウム合金、銅若しくは銅合金等からなる金属配線を腐食させてはならない。さらに、該洗浄剤は、後続の工程を円滑に行うために、洗浄後の基板の表面のコーティング性を向上することが求められる。
【0004】
金属イオンを含まないアルカリ性水溶液と2個〜10個の−OH基を含むポリヒドロキシルとから構成される洗浄剤が特許文献1等に提示されている。
【0005】
グリコールエーテル、水溶性有機溶剤及びアンモニウム化合物を含む洗浄剤が特許文献2等に提示されている。
【0006】
アミン及びフッ化塩から選ばれる少なくとも1種の溶解剤とポリビニルピロリドン等の水溶性高分子化合物とを含む洗浄剤が特許文献3等に提示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許第10−0305314号明細書
【特許文献2】韓国特許第10−0730521号明細書
【特許文献3】韓国特許第10−0522845号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に提示された洗浄剤は、グリコールエーテル等の有機溶剤を含まないため、油等の有機汚染物の除去力が弱く、洗浄後の基板の表面を親水性に改質させる効果が足りないという問題を有する。
【0009】
また、特許文献2に提示された洗浄剤の組成は、フォトレジスト剥離工程には効果があり得るが、基板の表面を親水性に改質させず、多量の有機溶剤が残留して表面接触角を増大させるという問題を引き起こすおそれがある。
【0010】
また、特許文献3に提示された洗浄剤の組成は、フッ化塩が添加されているためシリコンを含むガラス基板又はシリコン窒化膜を腐食させ、銅等の金属をも腐食させるという問題を引き起こす。
【0011】
本発明は、上述した従来の技術の問題を解決し、その目的は、フラットパネルディスプレイ(FPD)基板を製造する工程においてガラス基板又は金属膜質を汚染する有機汚染物又はパーティクルの除去力に優れると共に、FPD基板の上に形成されているアルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金等からなる金属配線に対する腐食防止力に優れる上に、基板の表面を親水性に改質する効果に優れることにより、洗浄後の基板の表面のコーティング性を向上する洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、組成物の総重量を基準にして、(a)0.0001重量%以上且つ5重量%以下のポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、セルロース、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチルオキサゾリン及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる1種以上の水溶性高分子化合物と、(b)0.01重量%以上且つ5重量%以下の多価アルコール系化合物と、(c)0.05重量%以上且つ10重量%以下の第4級アンモニウム水酸化物と、(d)0.05重量%以上且つ40重量%以下の下記の化学式[化1]で表わされるグリコールエーテル系有機溶剤と、(e)残量の水とを含む親水性表面改質が可能な洗浄剤組成物を提供する。
【0013】
【化1】

なお、上記式中、Rはメチル基又はエチル基であり、Rは水素原子であり、nは2〜5の整数であり、xは1〜5の整数である。
【0014】
また、本発明は、前記洗浄剤組成物を用いて基板を洗浄する工程を含む液晶表示装置用アレイ基板の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の洗浄剤組成物は、フラットパネルディスプレイ(FPD)のガラス基板、絶縁膜並びに銅及び銅合金等の金属膜質の表面に存在する有機汚染物及びパーティクルの除去力に優れる上に、基板の上に形成されているアルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金等からなる金属配線に対する腐食防止効果にも優れる。また、 本発明の洗浄剤組成物は、基板の表面を親水性に改質する優れた効果を有するため、洗浄後の基板の表面のコーティング性を大幅に向上でき、多量の水を含んでいるため取り扱いが容易となる上、環境的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例16の洗浄剤組成物を用いて油性サインペン汚染を除去した結果を示す図である。
【図2】本発明の洗浄剤組成物によって洗浄された基板の有機膜コーティング性を評価するために用いられたインクジェット印刷装置を示す図である。
【図3】本発明の洗浄剤組成物によって洗浄された基板の有機膜コーティング性を評価する方法を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、組成物の総重量を基準にして、(a)0.0001重量%以上且つ5重量%以下のポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、セルロース、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチルオキサゾリン及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる1種以上の水溶性高分子化合物と、(b)0.01重量%以上且つ5重量%以下の多価アルコール系化合物と、(c)0.05重量%以上且つ10重量%以下の第4級アンモニウム水酸化物と、(d)0.05重量%以上且つ40重量%以下の下記の化学式[化2]で表わされるグリコールエーテル系有機溶剤と、(e)残量の水とを含む親水性表面改質が可能な洗浄剤組成物に関する。
【0018】
【化2】

なお、上記式中、Rはメチル基又はエチル基であり、Rは水素原子であり、nは2〜5の整数であり、xは1〜5の整数である。
【0019】
本発明の洗浄剤組成物は、基板の洗浄効果に優れる上に、前述したような水溶性高分子化合物を適量で含むことにより基板の表面を親水性に改質する優れた効果を有するため、洗浄後の基板の表面のコーティング性を向上することを最も大きい特徴とする。
【0020】
以下、本発明の洗浄剤組成物の構成成分について詳細に説明する。
【0021】
(a)水溶性高分子化合物
本発明の洗浄剤組成物は、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、セルロース、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチルオキサゾリン及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる1種以上の水溶性高分子化合物を含む。
【0022】
水溶性高分子化合物は、水に対する溶解度が高く、絶縁膜、銅膜及び銅合金膜等の非親水性表面を親水性表面に改質させて、フォトレジスト又はポリイミド等の有機物コーティング及び金属膜蒸着等の後続の工程に有利な表面を提供する。
【0023】
前記水溶性高分子化合物は、組成物の総重量を基準にして、0.0001重量%以上且つ5重量%以下、好ましくは0.001重量%以上且つ2重量%以下だけ含まれる。前記含量が0.0001重量%未満であると、基板の表面に親水性を与える性質が著しく減少し、前記含量が5重量%よりも大きいと、洗浄剤の粘度の上昇により泡の発生度合いが大きくなって工程上の作業性が低下し、表面吸着力が強くなって基板の表面に洗浄剤が残留する。このため、洗浄工程において水溶性高分子化合物が基板に残留するという問題が引き起こされる。
【0024】
(b)多価アルコール系化合物
本発明の洗浄剤組成物において、多価アルコール系化合物は、基板の表面の湿潤性を増大させて基板の表面の油成分除去能力(洗浄力)を向上し、洗浄剤組成物の水に対する溶解力を向上する。
【0025】
前記多価アルコール系化合物は、組成物の総重量を基準にして、0.01重量%以上且つ5重量%以下、好ましくは0.1重量%以上且つ3重量%以下だけ含まれる。多価アルコール系化合物の含量が0.01重量%未満であると、ガラス基板の表面に対する湿潤性の付与が足りなくなり、また、多価アルコール系化合物の含量を5重量%よりも大きくしても、効果が増大しないため非経済的である。
【0026】
前記多価アルコール系化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、エリトリトール、アドニトール、トレイトール、アラビトール及びタリトール等を挙げることができ、これらのうちの1種が単独で又はこれらのうちの2種以上が共に用いられ得る。
【0027】
(c)第4級アンモニウム水酸化物
本発明の洗浄剤組成物は、下記の化学式[化3]で表わされる第4級アンモニウム水酸化物を含む。
【0028】
【化3】

なお、上記式中、Rは炭素数が1〜5のアルキル基である。
【0029】
前記第4級アンモニウム水酸化物は、高アルカリ性を有するため、高分子有機汚染物又は油性有機化合物を低分子量化し、剥離性を高めて洗浄性能を強化する。
【0030】
前記第4級アンモニウム水酸化物は、組成物の総重量を基準にして、0.05重量%以上且つ10重量%以下、好ましくは0.1重量%以上且つ5重量%以下だけ含まれる。第4級アンモニウム水酸化物の含量が0.05重量%未満であると、基板の上に付着したパーティクル又は有機汚染物の除去が容易ではなく、また、第4級アンモニウム水酸化物の含量を10重量%よりも大きくしても、洗浄効果が増大しないため非経済的であり、環境的問題を誘発するおそれがある。
【0031】
前記第4級アンモニウム水酸化物としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム及び水酸化テトラブチルアンモニウム等を挙げることができ、これらの中でも、特に水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、TMHAという。)が好ましく用いられる。前記第4級アンモニウム水酸化物は上記のうちの1種を単独で又は上記のうちの2種以上を共に用いることできる。
【0032】
(d)グリコールエーテル系有機溶剤
本発明の洗浄剤組成物は、下記の化学式[化4]で表わされるグリコールエーテル系有機溶剤を含む。
【0033】
【化4】

なお、上記式中、Rはメチル基又はエチル基であり、Rは水素原子であり、nは2〜5の整数であり、xは1〜5の整数である。
【0034】
上記[化4]の化合物の具体的な例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル(MG)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(MDG)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(カルビトール)、エチレングリコールモノエチルエーテル(EG)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(ETG)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(MTG)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(MFDG)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)等を挙げることができ、これらは1種が単独で又は2種以上が共に用いられ得る。
【0035】
前記グリコールエーテル系有機溶剤は、組成物の総重量を基準にして、0.05重量%以上且つ40重量%以下、好ましくは0.5重量%以上且つ20重量%以下だけ含まれる。前記グリコールエーテル系有機溶剤の含量が0.05重量%未満であると、有機汚染物に対する溶解力の増大を期待することができず、また、前記グリコールエーテル系有機溶剤の含量を40重量%よりも大きくしても、湿潤性の増大による効果が増大しない。
【0036】
(e)水
本発明の洗浄剤組成物において、水は特に限定されるものではないが、脱イオン水を用いることが好ましく、水中のイオンが除去された度合いを示す水の比抵抗値が18MΩ/cm以上の脱イオン水を用いることがさらに好ましい。
【0037】
本発明の洗浄剤組成物を用いた基板の洗浄は、当該分野における公知の方法によって行われ得る。前記洗浄方法としては、例えば、スプレー(spray)方式、スピン(spin)方式、浸漬(dipping)方式、及び超音波を用いた浸漬方式等を挙げることができる。本発明の洗浄剤組成物が最も優れた洗浄効果を示す温度は20℃〜80℃であり、好ましい温度は20℃〜50℃である。また、本発明の洗浄剤組成物を用いる基板の洗浄は30秒〜10分間行われることが好ましい。
【0038】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。なお、下記実施例は本発明をさらに具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。下記実施例は、本発明の範囲内で当業者によって適当に修正及び変更され得る。
【0039】
実施例1〜16及び比較例1〜5:洗浄剤組成物の製造
攪拌器が設置されている混合槽に、下記[表1]に示す成分を[表1]に記載の組成比によって混合し、常温で500rpmの速度で1時間攪拌して洗浄剤組成物を製造した。
【0040】
【表1】

【0041】
試験例:パーティクル洗浄力及び有機汚染物洗浄力の評価
本発明に係る金属洗浄剤組成物のパーティクル洗浄力及び有機汚染物洗浄力を評価するために、下記の実験を行った。
【0042】
1)大気中汚染物除去力の評価
前記実施例1〜16及び比較例1〜5で製造した洗浄剤組成物100mLをそれぞれ容量が250mLのビーカーに入れ、汚染物除去力の評価のために、5cm×5cmのガラス基板、絶縁膜(SiNx:silicon nitride)基板及び銅基板を大気中に3日間放置して汚染させ、汚染した基板をスプレー式基板洗浄装置を用いて前記水溶液により1分間常温で洗浄した。洗浄の後、さらに超純水により30秒間洗浄し、窒素を用いて乾燥した。
【0043】
汚染物の除去度合いは、接触角測定装置を用いて洗浄前から洗浄後の接触角減少量で評価し、下記[表2]に示す。
【0044】
2)指紋汚染物除去力の評価
指紋汚染物除去力の評価のために、2cm×5cmのガラス基板を人の指紋跡で汚染させ、汚染した基板をスプレー式基板洗浄装置を用いて前記水溶液により1分間常温で洗浄した。洗浄の後、さらに超純水により30秒間洗浄し、窒素を用いて乾燥した。
【0045】
有機汚染物の除去有無は、除去されたときには○、除去されていないときには×で表示し、下記[表2]に示す。
【0046】
【表2】

【0047】
前記[表2]の実験結果より、本発明の実施例1〜16の洗浄剤組成物はいずれも、優れた汚染物除去力を示すことを確認することができる。これに対し、水溶性高分子化合物、多価アルコール系化合物、塩基性化合物及びグリコールエーテル系有機溶剤のいずれかの一成分でも添加されていない比較例の洗浄剤組成は汚染物除去力が非常に低いことを確認することができる。
【0048】
3)油性ペン跡除去力の評価
有機汚染物の除去力を評価するために、2cm×5cmのガラス基板を油性サインペンで汚染させ、汚染した基板をスプレー式基板洗浄装置を用いて、実施例3、4、9、12、14及び16の洗浄剤組成物と比較例1及び3の洗浄剤組成物により1分間常温で洗浄した。洗浄の後、超純水により30秒間洗浄し、窒素を用いて乾燥した。
【0049】
前記油性サインペン汚染の除去有無は、除去されたときには○、除去されていないときには×で表示し、下記[表3]に示す。また、実施例16による油性サインペン汚染の除去結果を図1に示す。
【0050】
4)ポリイミド液のコーティング性評価
洗浄の後、基板の表面に対する有機膜コーティング性を評価するために、5cm×5cmのガラス基板、絶縁膜(SiNx:Silicon nitride)基板及び銅基板をスプレー式基板洗浄装置を用いて、実施例3、4、9、12及び14と比較例1及び3の洗浄剤組成物により1分間常温で洗浄した。
【0051】
有機膜コーティング性は、図2に示すようなインクジェット印刷装置及びポリイミド液インクを用いて評価した。すなわち、基板10を載せる印刷ステージ11と、複数の噴射ノズル13を有するインクジェット14と、インクジェット14にインクを注入するインク注入器15とを備えたインクジェット印刷装置を用いて、基板10にインクを滴下して液滴12を形成した。インクジェットを用いた基板に対するポリイミド液のコーティング性は、滴下する液滴の量を10pLに調節し、一定の間隔(図3参照)で滴下してポリイミド液が基板に広がる直径16を測定して評価した。ポリイミド膜コーティング性の評価は、基板に滴下した滴りの直径が100μmよりも大きければ○(良好)、100μm〜80μmであれば△(普通)、80μm未満であれば×(不良)とした。
【0052】
【表3】

【0053】
[表3]の結果より、本発明の実施例3、4、9、12及び14の洗浄剤組成物は、優れた油性サインペン汚染除去性及びポリイミド膜コーティング性を示し、これに対し、水溶性高分子化合物が含まれていない比較例1及び3の洗浄剤組成物はいずれも、良好でない油性サインペン汚染除去性及びポリイミド膜コーティング性を示すことが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の総重量を基準にして、
(a)0.0001重量%以上且つ5重量%以下のポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、セルロース、ポリアクリル酸(PAA)、ポリエチルオキサゾリン及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる1種以上の水溶性高分子化合物と、
(b)0.01重量%以上且つ5重量%以下の多価アルコール系化合物と、
(c)0.05重量%以上且つ10重量%以下の第4級アンモニウム水酸化物と、
(d)0.05重量%以上且つ40重量%以下の下記の化学式[化1]で表わされるグリコールエーテル系有機溶剤と、
(e)残量の水とを含む親水性表面改質が可能な洗浄剤組成物。
【化1】

(式中、Rはメチル基又はエチル基であり、Rは水素原子であり、nは2〜5の整数であり、xは1〜5の整数である。)
【請求項2】
前記(b)の多価アルコール系化合物は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、エリトリトール、アドニトール、トレイトール、アラビトール及びタリトールからなる群から選ばれる1種以上で構成されることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記(c)の第4級アンモニウム水酸化物は、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム及び水酸化テトラブチルアンモニウムからなる群から選ばれる1種以上で構成されることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
前記(d)のグリコールエーテル系有機溶剤は、エチレングリコールモノメチルエーテル(MG)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(MDG)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(カルビトール)、エチレングリコールモノエチルエーテル(EG)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(ETG)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(MTG)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(MFDG)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)からなる群から選ばれる1種以上で構成されることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物を用いて基板を洗浄する工程を含む液晶表示装置用アレイ基板の製造方法。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−49753(P2013−49753A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187333(P2011−187333)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(506171277)ドンウー ファイン−ケム カンパニー リミテッド (15)
【Fターム(参考)】