説明

洗浄剤組成物用スクラブ剤および洗浄剤組成物

【課題】使用時の「スクラブ感」が良好であるとともに、スクラブ剤による洗浄対象物への刺激が低く、かつ低コストで製造できる、スクラブ剤入り洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】平均粒径が100〜1000μmであり、且つ含水率が50〜700%であるシリカゲル粒子からなるスクラブ剤と、界面活性剤とを含有する洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄剤組成物用スクラブ剤、およびこれを含有する洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者の清潔に対する意識は年々向上し、特に洗浄剤においては様々な機能や効果が求められている。例えばボディ洗浄剤や洗顔料等の皮膚用洗浄剤に求められる機能を挙げると、まず、洗浄剤としての基本機能である、塵埃や微生物(細菌)等による外因性の汚れ、皮脂、汗、老廃角質等による内因性の汚れを洗浄除去する機能である。次に、皮膚は生態のひとつの器官として様々な生理作用を営んでいるという観点から、皮膚の生理機能を阻害しない、皮膚を損傷させないことが求められる。更に、洗浄後の使用感も重要な機能であり、近年、特に洗浄後において皮膚のぬるつきがなく、さっぱりとした仕上がり感が強く求められている。
【0003】
このような観点から、洗浄剤にスクラブ剤としての粒子を配合して洗浄効果を向上させる方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、洗浄性、低刺激性、使用感(ぬめりがなく、さっぱりとした洗い上がり)のいずれをも兼ね備える洗浄剤組成物として、平均粒径が0.1〜100μmであり、かつ、細孔容積が0.5ml/g以上である球状多孔質シリカを含有する洗浄剤組成物が開示されている。
しかしながら、平均粒径が100μm以下であるので、「スクラブ感」(適度な固形粒子が含まれている感じ)に劣り、スクラブ剤入り洗浄剤としての商品感に問題がある。
また、特許文献1の段落[0009]には平均粒径が100μmを超えると、皮膚への損傷が発現する旨が記載されている。
すなわち、特許文献1に記載されている球状多孔質シリカの粒子径のみを調整しても、スクラブ感と皮膚の損傷防止を両立することはできない。
【0004】
そこで、スクラブ感と皮膚の損傷防止を両立させる方法として、崩壊性の粒子をスクラブ剤として使用することが提案されている。例えば、特許文献2には、平均粒子径20μm以下のスクラブ微粉末を水溶性結合剤を用いて顆粒にし、洗浄剤を含む粉末又は顆粒と混合してなるスクラブ洗浄料が記載されている。
【0005】
崩壊性の粒子については、特許文献3に、頭皮および毛髪のトリートメントに配合される粒状剥脱性物質として、0.01〜0.2μmのシリカ粒子を凝集させて0.03〜3mmの大きさの崩壊性粒子を得る方法が開示されている。
また特許文献4には、肌用化粧料に配合されるシリカ粒子として、珪酸ソーダと無機塩の混合溶液をゲル化し、得られたゲル体を乾燥させてなる、平均粒子径が3.0〜20μmの剪断脆化性多孔質球状シリカ粒子が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−179892号公報
【特許文献2】特開平4−198116号公報
【特許文献3】特表平8−503480号公報
【特許文献4】特開2003−137760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載されているような、微粉末を水溶性結合剤を用いて顆粒状としたものを洗浄剤に配合する方法は、かかる顆粒を造粒するための工程が必要なため、コストの点で課題がある。また、水溶性結合剤を用いているため、水分を含む洗浄剤には配合できない。
特許文献3に記載されている崩壊性の粒子も、シリカ微粉末に、適度な湿度を与えてから乾燥して凝集させて造粒する工程が必要なため、コストの点で課題がある。
【0008】
また、特許文献4に記載されている、化粧料用の剪断脆化性多孔質球状シリカ粒子は、皮膚に定着させて使用されるものであり、最大粒子径が50μm以下と小さい乾燥粒である。なお、特許文献4の段落[0010]、[0011]に記載されている製法は、珪酸アルカリ水溶液のエマルジョンを形成した後に酸を添加してゲル化させる方法で、ゲル化がエマルジョンの外側から始まるため、粒子径が大きくなると均一にゲル化が進まず、粒子径が100μm以上のシリカ粒子を製造するのは困難である。
【0009】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、使用時の「スクラブ感」が良好であるとともに、スクラブ剤による洗浄対象物への刺激が低く、かつ低コストで製造できる、洗浄剤組成物用スクラブ剤、およびこれを含有する洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の洗浄剤組成物用スクラブ剤は、平均粒径が100〜1000μmであり、且つ含水率が50〜700%であるシリカゲル粒子からなる。
前記シリカゲル粒子が球状であることが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、本発明の洗浄剤組成物用スクラブ剤と、界面活性剤とを含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の洗浄剤組成物用スクラブ剤は、特定のシリカゲル粒子からなり、使用時の「スクラブ感」が良好であるとともに、塗擦時に粒子が崩壊することでスクラブ剤による洗浄対象物への刺激が低く、洗浄効果を示し、かつ低コストで製造できる。
本発明の洗浄剤組成物は、本発明の洗浄剤組成物用スクラブ剤を含み、使用時の「スクラブ感」が良好であるとともに、塗擦時粒子が崩壊することでスクラブ剤による洗浄対象物への刺激が低く、洗浄効果を示し、かつ低コストで製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で洗浄剤組成物用スクラブ剤として用いられるシリカゲル粒子は、化学組成として、二酸化ケイ素(SiO)であり、白色無臭、化学的に安定な化合物である。その形状としては任意の形態のものが使用可能である。いわゆる破砕状のものも使用可能であるが、球状(真球状を含む)であると、シリカゲル粒子(スクラブ剤)が皮膚に接触した際に、ソフトな使用感が得られる点で好ましい。また、球状シリカゲル粒子の内部が中空となっているシリカゲル粒子でも好適に使用可能である。
【0013】
シリカゲル粒子の平均粒径は100μm以上であり、好ましくは150μm以上である。また、1000μm以下であり、好ましくは700μm以下である。100μm未満であると充分なスクラブ感が得られない。1000μm以下であると、洗浄剤組成物中で、または洗浄剤の調製中に、分離、沈殿等が生じにくい。
本発明におけるシリカゲル粒子の平均粒径の値は、レーザー回折・散乱法により得られる、球換算径の体積平均径の値である。
【0014】
シリカゲル粒子の含水率は50%以上であり、好ましくは60%以上である。また、700%以下であり、好ましくは500%以下であり、さらに好ましくは450%以下である。50%以上であると、シリカゲル粒子の強度と崩壊性がバランス良く得られる。700%を超えると、強度が不足して、洗浄剤組成物の調製時または保存時に、崩壊しやすいため好ましくない。
本発明におけるシリカゲル粒子の含水率は、下記の方法で測定して得られる値である。すなわち、シリカゲル粒子5gを試料皿に秤りとり、180℃の恒温槽で2時間保持した後に、デシケーター中など吸湿しない状態で冷却して測定した質量をW(単位:g)とする。下式(1)により含水率(単位は質量基準の%)を求める。
含水率={(5−W)/W}×100…(1)
【0015】
本発明で用いられるシリカゲル粒子は、公知の方法で製造できる。所望の粒子径のシリカゲル粒子を製造可能な方法であればよく、特に限定されない。
例えば、珪酸ソーダ水溶液と硫酸水溶液を混合して、ゲル化し、得られたゲル状物を適宜の方法で粉砕、洗浄・脱水し、必要に応じて乾燥する方法で不定形のシリカゲル粒子を製造できる。
シリカゲル粒子の含水率は、ゲル化させる水溶液(上記珪酸ソーダ水溶液と硫酸水溶液の混合液)中のシリカ濃度で調整する。つまり、ゲル化の際のシリカ濃度が小さいほど、含水率が大きくなる。逆に、該シリカ濃度はあまり高くはできないので、含水率を小さく(おおむね150%程度よりも小さく)する場合は、ゲル化・水洗して得られたヒドロゲルを、適当な条件で乾燥することによって含水率を調整する。乾燥は粉砕後に行っても良い。粉砕は既知の方法を適宜用いることができる。例えば、ジョークラッシャーやカッティングミルなどの粉砕器を用いて粉砕することができる。粉砕条件によって平均粒径を制御することができる。
【0016】
また球状のシリカゲル粒子は、珪酸ソーダ水溶液と硫酸水溶液を、pHが4〜8になるように混合し、ゲル化する前に有機溶媒中で乳化し、ゲル化後に有機溶媒から分離して水洗・脱水し、必要に応じて乾燥する方法で得ることができる。
または、珪酸ソーダ水溶液と硫酸水溶液を、pHが4〜8になるように混合し、ゲル化する前に空中に噴霧すると、空中でゲル化して球状のシリカゲル粒子が得られる。得られた粒子を回収、水洗、脱水して、必要に応じて乾燥させる。
平均粒径は、乳化条件(撹拌強度、乳化剤濃度など)や、噴霧器の形式(二流体ノズル、回転円盤など)、噴霧条件(噴霧圧力、円盤回転数など)により制御できる。含水率は、不定形粒子を得る場合と同様に、ゲル化の際のシリカ濃度で制御できる。含水率が小さい場合は、乾燥工程を加えて制御することができる。
【0017】
シリカゲル粒子の配合量は、これを配合する洗浄剤組成物の形態(剤形)および用途に応じて適宜選択でき、特に限定されない。所期の効果を充分に得るには、洗浄剤組成物中における含有量が0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。一方、洗剤組成物中における粒子の安定性および使用感の点では10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
【0018】
本発明の洗浄剤組成物は界面活性剤を含む。界面活性剤は、洗浄剤組成物の成分として公知の界面活性剤(アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤)の1種以上を、用途に応じて適宜選択して用いることできる。
例えば、脂肪酸石鹸、カルボン酸型活性剤、アルキル硫酸エステル型活性剤、スルホサクシネート型活性剤、タウレート系、アシルサルコシン系、アシル−β−アラニン系等のアシル化アミノ酸型活性剤、燐酸エステル型活性剤等のアニオン界面活性剤;アルキルサッカライド類、エチレンオキサイド(EO)付加型界面活性剤等の非イオン界面活性剤等があげられる。その中でも、脂肪酸石鹸、カルボン酸型活性剤、アシル化アミノ酸型活性剤等が使用後にぬるつきが少なく、皮膚刺激が少なく好ましい。
また、起泡性向上や適度な粘稠性を持たせるためにアミンオキサイド、イミダゾリン型又はベタイン型の両性活性剤を用いることも好ましい。
洗浄剤組成物における界面活性剤の含有量は特に限定されないが、例えば、洗浄組成物がペースト状のとき30〜70質量%、ゲル状のとき20〜70質量%、液状のとき10〜60質量%が好ましい。
【0019】
本発明の洗浄剤組成物は、界面活性剤、シリカゲル粒子のほかに、必要に応じて洗浄剤組成物において公知の成分を適宜含有することができる。
例えば、パール光沢剤(脂肪酸グリコールジエステル等)、増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース等)、湿潤剤、着色料、防腐剤、感触向上剤、香料、殺菌剤、消炎剤、紫外線吸収剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で用いることができる。
特に増粘剤を用いると、球状シリカゲル粒子の分離や凝集が抑制され、長期の経日安定性が向上する。
また本発明におけるシリカゲル粒子以外の、公知のスクラブ剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでもよい。
【0020】
本発明の洗浄剤組成物の形態は特に限定されず、例えばペースト状、ゲル状、液状(水溶液、乳濁液)とすることができる。これらのうち、シリカゲル粒子の沈降・分離を防ぐ観点からペースト状、ゲル状が好ましい。
本発明の洗浄剤組成物の用途は特に限定されない。例えば、全身洗浄料、固形石鹸、洗顔料、パック剤、クレンジング料、角質除去クリーム等の皮膚用洗浄剤組成物、食器用洗浄剤組成物、コンタクトレンズ用洗浄剤組成物等に幅広く用いることができる。
【0021】
本発明の洗浄剤組成物は、スクラブ剤としてシリカゲル粒子を含有するため、物理的な洗浄効果が得られる。
また、該シリカゲル粒子の平均粒径が上記範囲であるため、使用したときにスクラブ感が充分に得られるとともに、シリカゲル粒子の含水率が上記範囲であるため、使用中に剪断力および/または圧潰力が加わることによって粒子が崩壊する。含水率が高いほど、小さい力で崩壊しやすい。これにより、洗浄対象物が必要以上に物理的な刺激を受けるのを防止できるため、充分なスクラブ感を有しながら、洗浄対象物(例えば皮膚)に対する刺激が低い、スクラブ入り洗浄剤組成物が得られる。
またシリカゲル粒子が崩壊すると、シリカゲル粒子のフレッシュな面が現れ、外表面積
も増加するので、これによる洗浄効果の向上が期待できる。
さらに、シリカゲル粒子は結合剤を使用せずに製造できるので、低コストに製造することが可能である。
【実施例】
【0022】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において、配合量の「%」は「質量%」である。
【0023】
表1に示すシリカゲル粒子A〜Dを下記の方法で製造した。
[製造例1:シリカゲル粒子Aの製造]
SiO/NaO=3.0(モル比)、SiO濃度=21.0質量%である珪酸ナトリウム水溶液を2000ml/min、および硫酸濃度=20.0質量%の硫酸水溶液を、放出口を備えた容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に混合して、混合されたシリカゾル液を放出口から連続的に空気中に放出させた。放出口から空気中に放出される液のpHが7.5〜8.0になるように2液の流量比を調整した。このシリカゾル液に放出口より約20〜30mmの位置で圧力0.3MPaの圧縮空気を連続的に衝突させ液滴を微細化させた。微細化された液滴は、空中で瞬間的にゲル化する。落下地点には、水を張った熟成槽を置いておき、ここに落下せしめて熟成させた。
熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水洗して、シリカゲル粒子Aを得た。得られたシリカゲル粒子Aは、粒子形状が球状であり、含水率は327%であった。平均粒子径は、レーザー散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−950)を用いて測定したところ173μmであった。
【0024】
[製造例2:シリカゲル粒子Bの製造]
製造例1において、空気中に放出されるシリカゾル液に衝突させる圧縮空気の圧力を0.2MPaに変更した。
その他は製造例1と同様にしてシリカゲル粒子を得た。得られたシリカゲル粒子は、粒子形状が、球状であり、含水率は380%であった。このシリカゲル粒子を70℃で30分乾燥し一部水分を除去したものをシリカゲル粒子Bとした。シリカゲル粒子Bの含水率は61%であった。平均粒子径は、レーザー散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−950)を用いて測定したところ270μmであった。
【0025】
[製造例3:シリカゲル粒子Cの製造]
製造例1で得られたシリカゲル粒子Aを180℃で120分乾燥し水分をほぼ除去したものをシリカゲル粒子Cとした。シリカゲル粒子Cの含水率は7%であった。平均粒子径は、レーザー散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−950)を用いて測定したところ176μmであった。
【0026】
[製造例4:シリカゲル粒子Dの製造)
SiO/NaO=3.0(モル比)、SiO濃度=20.0質量%である珪酸ナトリウム水溶液250mlを、n−デカン1000mlにソルビタンモノオレイン酸エステル5.0gを溶解した溶液に投入し、高速乳化分散機(プライミクス社製、T.K.HOMOMIXER MARK II)により5000rpmで5分間乳化させた。
この乳化液に、空気で希釈した炭酸ガス(CO濃度30容積%)を吹き込み、15℃でゲル化させた。炭酸ガスを15分間吹き込んだ後、n−デカンを分離し、シリカと水からなるスラリーを得た。このスラリーのpHは9.0であった。このスラリーに硫酸を加え、pH2.5に調整後、60℃で60分間熟成した。熟成したスラリーを濾過・水洗し、シリカゲル粒子Dを得た。
得られたシリカゲル粒子Dは、粒子形状が球状であり、含水率は150%であった。平均粒子径は、コールターカウンター(ベックマン・コールター社製、Multisizer 3)を用いて測定したところ20μmであった。
【0027】
【表1】

【0028】
[実施例1,2、比較例1〜3]
上記のシリカゲル粒子A〜Dを用い、表2に示す配合で洗顔フォームを製造した。表2に示す(1)〜(14)の配合成分は、皮膚用洗浄剤の分野において公知の成分であり、市販品から入手可能である。(1)(2)(3)(7)(8)(12)は界面活性剤に該当し、(6)は増粘剤である。
まず、表2に示す配合成分(1)〜(15)のうち、(1)〜(10)までの成分を70〜80℃程度に加温するとともに混合して均一にした。ここに、予め(11)と(12)とを均一に混合して溶解させた水溶液をゆっくりと加え、ケン化を行った。その後、予め(13)〜(15)を均一に混合して溶解させた水溶液を加え、均一となるように混合して洗顔フォームを得た。
【0029】
[評価方法]
10名のパネラーが、得られた洗顔フォームを使用して洗顔し、(i)使用中のスクラブ感(マッサージ効果)、(ii)使用後のさっぱり感(洗浄効果)、(iii)使用後のヒリヒリ感(皮膚刺激性)について、下記の評価基準で評価を行った。また(i)〜(iii)の各評価項目について、それぞれ10名の点数の平均値を算出し、下記の判定基準で判定した。判定結果を表2に合わせて示す。
(評価基準)
(i)使用中のスクラブ感(マッサージ効果)
3点 強い。
2点 普通。
1点 弱いまたは無い。
(ii)使用後のさっぱり感(洗浄効果)
3点 ある。
2点 少しある。
1点 無い。
(iii)使用後のヒリヒリ感(皮膚刺激性)
3点 無い。
2点 少しある。
1点 ある。
【0030】
(判定基準)
10名のパネラーの平均値が、
◎ 2.5点以上、3.0点以下。
○ 2.0点以上、2.5点未満。
△ 1.5点以上、2.0点未満。
× 1.0点以上、1.5点未満。
【0031】
【表2】

【0032】
表2の結果に示されるように、本発明にかかるシリカゲル粒子を用いた実施例1、2では(i)スクラブ感、(ii)さっぱり感、のいずれも良好で、(iii)ヒリヒリ感がなかった。すなわち、スクラブ剤配合洗浄剤に求められるマッサージ効果や洗浄効果に優れ、且つ使用後のヒリヒリ感が少ない、低刺激性のスクラブ剤配合洗浄剤として、良好な使用感を持つものであった。
これに対して、シリカゲル粒子を含まない比較例1は、(i)スクラブ感、および(ii)さっぱり感が不十分であった。
シリカゲル粒子の含水率が低い比較例2は、使用後に(iii)ヒリヒリ感があった。
シリカゲル粒子の平均粒径が小さい比較例3は、(i)スクラブ感が不十分であった。
【0033】
[実施例3]
上記のシリカゲル粒子Aを用い、表3に示す配合で、洗い流すタイプのパック剤を製造した。表3に示す(1)〜(7)および(9)〜(11)の配合成分は、皮膚用洗浄剤の分野において公知の成分であり、市販品から入手可能である。(1)(5)は界面活性剤に該当し、(2)は増粘剤である。
まず、表3に示す配合成分(1)〜(11)のうち、(1)、(2)の成分を70℃程度に加温するとともに混合して均一にした。これとは別に、(3)〜(10)の成分を70℃程度に加温するとともに混合して均一にした。ここに前記(1)、(2)の混合物をゆっくりと加え、その後、(11)の成分を加えて均一となるように混合してパック剤を得た。
得られたパック剤は適度なスクラブ感を有し、皮膚刺激もなく、良好であった。さらに洗い流し後、皮膚の汚れも除去でき、しっとりとした感触が得られた。
【0034】
【表3】

【0035】
[実施例4]
上記のシリカゲル粒子Aを用い、表4に示す配合で、水性タイプのクレンジングジェルを製造した。表4に示す(1)〜(8)および(10)の配合成分は、皮膚用洗浄剤の分野において公知の成分であり、市販品から入手可能である。(1)(2)は界面活性剤に該当し、(4)(5)(6)は増粘剤である。
まず、表4に示す配合成分(1)〜(10)のうち、(1)〜(8)の成分を70℃程度に加温するとともに混合して均一にした。ここに、(9)の成分を加えて均一にし、さらに(10)の成分を加えてゲル化させてクレンジングジェルを得た。
得られたクレンジングジェルはメーク汚れの除去に効果があり、強く塗擦せずとも毛穴のメーク汚れまでも除去できた。また皮膚刺激もなく、洗い流し後はさっぱりとした使用感が得られた。
【0036】
【表4】

【0037】
[実施例5]
上記のシリカゲル粒子Aを用い、表5に示す配合で、角質除去クリームを製造した。表5に示す(1)〜(15)の配合成分は、皮膚用洗浄剤の分野において公知の成分であり、市販品から入手可能である。(1)(2)は界面活性剤に該当し、(3)(5)は増粘剤である。
まず、表5に示す配合成分(1)〜(16)のうち、(13)〜(16)の成分を70〜80℃程度に加温するとともに混合して均一にした。ここに(1)〜(12)の成分を加えて均一にし、乳化させた後、室温まで冷却した。
得られた角質除去クリームは塗擦時の刺激がなく、ひじ、かかと部分の角質除去に効果があった。塗擦し洗い流した後、余分な角質が良好に除去されており、つるつる、すべすべした感触が得られた。
【0038】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒径が100〜1000μmであり、且つ含水率が50〜700%であるシリカゲル粒子からなる、洗浄剤組成物用スクラブ剤。
【請求項2】
前記シリカゲル粒子が球状であることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄剤組成物用スクラブ剤。
【請求項3】
請求項1または2に記載の洗浄剤組成物用スクラブ剤と、界面活性剤とを含有することを特徴とする洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2011−225548(P2011−225548A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71433(P2011−71433)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(390005728)AGCエスアイテック株式会社 (16)
【Fターム(参考)】