説明

洗浄剤組成物

【課題】メントール等の清涼剤を配合した系においても、粘度の低下や、低温での安定性不良が生じることなく、スッキリ感の得られる使用性のよい洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】(a)(a−1)アニオン界面活性剤、(a−2)両性界面活性剤:(a−1)及び(a−2)の総量で4質量%以上と、
(b)常温で固体の多鎖型ノニオン界面活性剤:0.01〜5質量%と、
(c)メントール、メントン、カンファー、ボルネオール、シネオールメントン、サリチル酸メチル、マロン酸メンチル、グリコシル−モノメンチル−O−アセテート、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、l−メンチル−3−ヒドロキシブチレート、スペアミント油、ペパーミント油、ハッカ油及びユーカリプタス油からなる群より選ばれる清涼剤:0.01〜5質量%と
を含有する洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に毛髪又は皮膚用として好適な洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
クール感やスッキリ感の高い洗浄剤は、以前から男性を中心に好まれてきた。近年、特に夏場において過去にない猛暑が続くようになり、毛髪や皮膚用等として、クール感やスッキリ感の高い洗浄剤が、これまで以上に求められるようになった。このニーズに応えるために、スッキリ感の強い洗浄剤の開発が求められている。
【0003】
なお、本発明に関連する先行技術文献としては下記のものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−213740号公報
【特許文献2】特開2003−95895号公報
【特許文献3】特開2003−267843号公報
【特許文献4】特開2005−343915号公報
【特許文献5】特開2010−138105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような洗浄剤を開発するために、メントール等の清涼剤の配合が行われるが、本発明者らは、メントール等の清涼剤を配合することで洗浄剤中の活性剤類が作る構造状態が変わり、粘度が低下するという問題や、また、低温でメントールが析出し、不安定化するという問題が生じることを知見した。例えば、粘度が低下すると、シャンプーやボディソープ等の洗浄剤液を手などに取り、頭髪や体に塗布する際に垂れ落ちたり、特に、倒立容器等での使用を考えた場合、メントールを配合することでの粘度低下は大きな問題である。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、メントール等の清涼剤を配合した系においても、粘度の低下(以下、粘度低下及び減粘抑制は、メントール等の清涼剤の配合によるものをいう。)や、低温での安定性不良が生じることなく、スッキリ感の得られる使用性のよい洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(a−1)アニオン界面活性剤及び(a−2)両性界面活性剤を含む洗浄剤組成物に、(c)メントール等の清涼剤を特定量配合したときに生じる上記特有の課題が、(b)特定の多鎖型ノニオン界面活性剤を所定量配合することで解決でき、十分なスッキリ感を与え、しかも組成物の粘度低下を抑制し、低温安定性に優れた洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】
即ち、本発明は、下記洗浄剤組成物を提供する。
請求項1:
(a)(a−1)アニオン界面活性剤、
(a−2)両性界面活性剤:(a−1)及び(a−2)の総量で4質量%以上と、
(b)常温で固体の多鎖型ノニオン界面活性剤:0.01〜5質量%と、
(c)メントール、メントン、カンファー、ボルネオール、シネオールメントン、サリチル酸メチル、マロン酸メンチル、グリコシル−モノメンチル−O−アセテート、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、l−メンチル−3−ヒドロキシブチレート、スペアミント油、ペパーミント油、ハッカ油及びユーカリプタス油からなる群より選ばれる清涼剤:0.01〜5質量%と
を含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
請求項2:
(b)成分が、二鎖〜四鎖型のエーテル系及びエステル系ノニオン界面活性剤から選ばれるものである請求項1記載の洗浄剤組成物。
請求項3:
(c)成分が、メントールである請求項1又は2記載の洗浄剤組成物。
請求項4:
更に、(d)エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールジ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノアルキルエーテル及びエチレングリコールジアルキルエーテルからなる群より選ばれるパール化剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
請求項5:
更に、(e)カチオン性ポリマーを含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
請求項6:
更に、(f)シリコーン化合物を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
請求項7:
毛髪又は皮膚用である請求項1〜6のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、(b)特定の多鎖型ノニオン界面活性剤を配合することで、減粘抑制効果及び低温安定性に優れると共に、メントール等の清涼剤の配合によるスッキリ感も有する洗浄剤組成物を提供することができる。また、更に(d)パール化剤を加えることで、組成物の粘度の低下をより抑えることができる。
【0009】
また、請求項5の課題は、毛髪等にすすぎ時のなめらかさを付与することであるが、(e)カチオン性ポリマーを配合することで、すすぎ時のなめらかさを改善できる。
更に、請求項6の課題は、毛髪等に仕上がりのなめらかさを付与することであるが、(f)シリコーン化合物を配合することで、乾燥後のなめらかさを向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の洗浄剤組成物は、
(a)(a−1)アニオン界面活性剤、
(a−2)両性界面活性剤、
(b)常温で固体の多鎖型ノニオン界面活性剤、
(c)清涼剤
を含有するものである。
【0011】
[(a)成分]
(a−1)アニオン界面活性剤
本発明において、(a)成分は、頭部等の汚れを洗浄する際の泡立ちや、洗浄後のスッキリ感を付与し、組成物の粘度を維持するために配合する。
アニオン界面活性剤としては、カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸型、りん酸型が挙げられるが、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸、N−アシルサルコシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルタウリン塩等のカルボン酸型;直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩等のスルホン酸型;アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸型;アルキルエーテルりん酸等のりん酸型が好ましい。
これらの中でも、スルホン酸型ではα−オレフィンスルホン酸塩が、硫酸型ではアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜18のアルキル基のものが好ましく、特に炭素数14のテトラデセンスルホン酸塩が好ましい。
アルキル硫酸エステル塩では、炭素数10〜18のアルキル基のものが好ましく、特に炭素数12〜14のアルキル基のものが好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩では、アルキル基の炭素数10〜18のものが好ましく、特に炭素数10〜14のアルキル基のものが好ましい。また、アルキレン基部分は、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基が好ましく、特にポリオキシエチレン基が好ましい。また、そのエチレン総平均付加モル数の範囲は、1〜5が好ましい。
これらの対イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0013】
より具体的には、POE(1〜5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、脂肪酸石鹸、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム等が好ましく用いられる。なお、( )内の数字は、エチレンオキシドの平均付加モル数を示す。
【0014】
アニオン界面活性剤の配合量は、組成物の粘度を保持し、泡立ち、スッキリ感を与える点から、組成物全体の3.9〜30質量%であり、好ましくは5〜15質量%である。3.9質量%未満では、増粘効果、スッキリ感が低下し、泡立ちが悪くなる場合があり、30質量%を超えると低温安定性が低下する場合がある。
【0015】
(a−2)両性界面活性剤
(a−2)成分は、(a−1)アニオン界面活性剤と併用することで、これら界面活性剤のネットワークが形成され、組成物の粘度が上がる。また、(a−1)成分と同様に、頭部等の汚れを洗浄する際の泡立ちや、洗浄後のスッキリ感を付与するために配合する。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型とベタイン型を含むカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型等の界面活性剤が挙げられる。これらのうちでも、ベタイン型界面活性剤が好ましい。
【0016】
ベタイン型両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型活性剤、アミドベタイン型活性剤、スルホベタイン型活性剤、ヒドロキシスルホベタイン型活性剤、アミドスルホベタイン型活性剤、ホスホベタイン型活性剤、イミダゾリウムベタイン型活性剤等が挙げられる。
具体的には、ラウリルアミノ酢酸ベタイン、2−ヤシ油脂肪酸−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が挙げられる。
これらのなかでも、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましい。
【0017】
両性界面活性剤の配合量は、アニオン界面活性剤と併用することでの減粘抑制効果、泡立ち、スッキリ感の点から、0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは3〜10質量%である。0.1質量%未満では、十分な減粘抑制効果が得られない場合があり、15質量%を超えると低温安定性が低下する場合がある。
【0018】
(a−1),(a−2)成分の合計配合量としては、増粘効果の点から、4質量%以上であり、40質量%以下が好ましく、より好ましくは8質量%以上30質量%以下、特に25質量%以下である。少なすぎると洗浄効果が低いためにスッキリ感が得られにくく、また組成物の粘度が低くなる。上限は特に制限されないが、40質量%を超える範囲で低温での安定性が低下する場合がある。
また、泡立ち、スッキリ感の点からは、4〜40質量%が好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。4質量%未満では十分な泡立ち、洗浄後のスッキリ感が得られない場合がある。40質量%を超える範囲では、増量しても泡立ちや、洗浄後のスッキリ感の効果向上が得られない場合がある。
【0019】
上記のアニオン界面活性剤と両性界面活性剤を併用することで、両者のネットワーク構造により、洗浄剤組成物の粘性を向上することができる。
粘性を向上する目的のためには、アニオン界面活性剤5〜15質量%、両性界面活性剤の配合量は3〜10質量%の範囲で組み合わせることが好ましい。また、(a−1)/(a−2)で表される、アニオン界面活性剤/両性界面活性剤の質量比は、50/1〜1/5が好ましく、10/1〜1/5がより好ましく、更に好ましくは5/1〜1/3である。この比率が小さすぎても、大きすぎても粘性が得られにくく使用性に劣り、低温安定性が低下する場合がある。
【0020】
[(b)常温で固体の多鎖型ノニオン界面活性剤]
本発明においては、(b)成分を配合することで、(c)成分を配合することによる粘度の低下が抑制されると共に、良好な低温安定性を得ることができる。そのメカニズムは不明であるが、(b)成分は多鎖型の構造をとることで、(a−1),(a−2)成分の界面活性剤がつくるネットワークと相互作用し、(c)成分を配合したときの組成物の粘度低下を抑制する働きをするものと推測することができる。
ここで、本発明で用いる「多鎖型ノニオン界面活性剤」とは、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビット又はペンタエリスリトール骨格を有し、エチレンオキサイド基を介して、炭素数12〜20のアルキル基を2個以上、好ましくは2〜4個を配したノニオン界面活性剤である。なお、本発明において、「常温」とは、15〜25℃であるものと規定する。また、本発明において、「固体」とは、後述する液状確認試験での測定時間が90秒を超えるものと規定する。
【0021】
このような多鎖型ノニオン界面活性剤としては、エーテル系及びエステル系のものが挙げられ、下記一般式で示される二鎖〜四鎖型のものが例示される。
〈二鎖型〉
・エーテル系
【化1】


(式中、R1は炭素数12〜20の1価のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数12〜20の1価のアルキル基又はアルケニル基であり、nは40〜100の整数である。)
【0022】
・エステル系
【化2】


(式中、X1〜X3は−OH基もしくは−OCOR3である。R3は炭素数12〜20の1価のアルキル基又はアルケニル基であり、X1〜X3のうち2つ以上は−OCOR3である。m1+m2+m3の合計は40〜100、特に45〜70の整数である。)
【化3】


(式中、R4は炭素数12〜20の1価のアルキル基又はアルケニル基であり、R5は炭素数12〜20の1価のアルキル基又はアルケニル基である。pは1〜3の整数であり、qは100〜200の整数である。)
【0023】
〈三鎖型〉
・エステル系
【化4】


(式中、X4〜X6は−OH基もしくは−OCOR6である。R6は炭素数12〜20の1価のアルキル基又はアルケニル基であり、X4〜X6のうち2つ以上、特に3つが−OCOR6である。k1+k2+k3の合計は40〜100、特に45〜70の整数である。)
【0024】
〈四鎖型〉
・エステル系
【化5】


(式中、X7〜X12は−Hもしくは−COR7である。R7は炭素数12〜20の1価のアルキル基でありX7〜X12のうち2つ以上、特に4つが−COR7である。r1+r2+r3の合計は40〜100、特に50〜70の整数である。)
【0025】
【化6】


(式中、X13〜X16は−OH基もしくは−OCOR8である。R8は炭素数12〜20の1価のアルキル基であり、X13〜X16のうち2つ以上、特に4つが−OCOR8である。sは2〜5の整数であり、t1+t2+t3+t4の合計は100〜200、特に140〜160の整数である。)
【0026】
このような多鎖型ノニオン界面活性剤としては、POEセトステアリルヒドロキシミリスチレンエーテル、ジイソステアリン酸PEGグリセリル、ジステアリン酸PEG、トリイソステアリン酸PEGグリセリル、テトラステアリン酸PEGペンタエリスリチル、テトラステアリン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット等が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのなかでも特に、減粘抑制効果、低温安定性の点から、POEセトステアリルヒドロキシミリスチレンエーテル、トリイソステアリン酸PEGグリセリル、テトラステアリン酸PEGペンタエリスリチルが好ましい。
【0027】
以下にこれらをより具体的に示す。
・POEセトステアリルヒドロキシミリスチレンエーテル(60E.O.)
【化7】


・ジイソステアリン酸PEG60グリセリル
【化8】


・ジステアリン酸PEG150
【化9】


・トリイソステアリン酸PEG60グリセリル
【化10】


・テトラステアリン酸POE(60)ソルビット
【化11】


・テトラステアリン酸PEG150ペンタエリスリチル
【化12】

【0028】
(b)成分の配合量は、組成物の減粘抑制効果、低温安定性の点から、組成物全体の0.01〜5質量%であり、好ましくは0.05〜1質量%である。0.01質量%未満では、十分な減粘抑制及び低温安定性が得られない。一方、5質量%を超える範囲では、増量しても低温安定性の向上が得られず、スッキリ感も低下する。
【0029】
[(c)清涼剤]
本発明で用いられる清涼剤は、使用時のスッキリ感を付与するために配合する。このような清涼剤としては、メントール、メンチルグリセリルエーテル、メンチルカルボキサミド、バニリルブチルエーテル、メントン、カンファー、ボルネオール、シネオールメントン、サリチル酸メチル、マロン酸メンチル、グリコシル−モノメンチル−O−アセテート、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、l−メンチル−3−ヒドロキシブチレート、スペアミント油、ペパーミント油、ハッカ油及びユーカリプタス油が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのなかでも、使用時のスッキリ感の点から、メントール、メンチルグリセリルエーテル、メンチルカルボキサミド、バニリルブチルエーテル、カンファー、スペアミント油、ペパーミント油、ハッカ油及びユーカリプタス油が好ましく、メントール、ハッカ油がより好ましく、メントールが更に好ましい。
【0030】
清涼剤の配合量は、組成物全体の0.01〜5質量%であり、好ましくは0.1〜2質量%である。0.01質量%未満では十分なスッキリ感が得られず、5質量%を超える範囲では、低温安定性が保たれない。
【0031】
[(d)パール化剤]
本発明の組成物には、減粘抑制効果をより高めるため、また組成物にパール外観を付与する点から、更に(d)パール化剤を配合することが好ましい。(d)パール化剤の具体例としては、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールジ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノアルキルエーテル及びエチレングリコールジアルキルエーテルが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのなかでも特に、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールジ脂肪酸エステルが好ましい。より具体的には、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、エチレングリコールモノステアリルエーテル、エチレングリコールジステアリルエーテルが挙げられる。より好ましくは、減粘抑制効果、パール外観の点から、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコールである。
【0032】
(d)パール化剤の配合量は、減粘抑制効果、パール外観の点から、組成物全体の0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%である。0.1質量%未満では十分な減粘抑制効果、パール外観付与が得られない場合があり、10質量%を超える範囲では、低温安定性が保たれない場合がある。
【0033】
[(e)カチオン性ポリマー]
また、本発明の組成物は、更にすすぎ時のなめらかさを毛髪等に付与するために、(e)カチオン性ポリマーを含有することができる。(e)カチオン性ポリマーとしては、カチオン化セルロース、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化澱粉、カチオン化グアーガム、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル四級アンモニウム塩のホモポリマー、四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ジアルキルジアリルアンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体(米国サンドス社製カルタレチン)や、特開昭53−139734号公報及び特開昭60−36407号公報に記載されているカチオン性ポリマー等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのなかでも特に、すすぎ時のなめらかさの点から、ジアルキルジアリルアンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、カチオン化セルロース、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム、カチオン化グアーガム誘導体が好ましい。
【0034】
ジアルキルジアリルアンモニウム塩/アクリルアミド共重合体は、ジアルキルジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドの質量比率が、ジアルキルジアリルアンモニウム塩:アクリルアミド=10:90〜90:10であるものが好ましく、より好ましくは40:60〜60:40である。重量平均分子量はすすぎ時のなめらかさの点から、0.5×106〜3×106、特に1×106〜2×106が好ましい。なお、本発明において、重量平均分子量の測定法は、ゲル浸透クロマトグラフ/多角度レーザー光散乱検出器(GPC−MALLS)による。また、カチオン化度は、すすぎ時のなめらかさの点から、0.1meq/g〜5.0meq/gの範囲が好ましく、0.5meq/g〜4.0meq/gがより好ましい。カチオン化度が0.1meq/g未満だと、泡をすすいだ時の指通りが悪くなる場合があり、かつ乾燥後の髪がパサついた感触になる場合がある。一方、カチオン化度が4.0meq/gを超えると、洗浄剤組成物の低温安定性に劣る場合がある。
【0035】
ジアルキルジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとの共重合体としては、具体的に、マーコート550、マーコートS、マーコート2200、CG−600(以上、商品名、ONDEO NALCO社製)、カヤクリルレジンMN、カヤクリルレジンM50−A(以上、商品名、日本化薬(株)製)等が挙げられる。
【0036】
カチオン化セルロースは、セルロースにカチオン性官能基を付加したものである。本発明においては、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースであるポリクオタニウム−10が好ましい。カチオン化セルロースのカチオン化度は、すすぎ時のなめらかさの点から、0.1meq/g〜3.0meq/gの範囲が好ましく、0.5meq/g〜1.7meq/gがより好ましい。カチオン化度が0.1meq/g未満だと、泡をすすいだ時の指通りが悪くなる場合があり、かつ乾燥後の髪がパサついた感触になる場合がある。一方、カチオン化度が3.0meq/gを超えると、洗浄剤組成物の低温安定性に劣る場合がある。また、カチオン化セルロースの分子量は、すすぎ時のなめらかさの点から、10万〜300万の範囲が好ましく、15万〜200万がより好ましい。10万未満だと泡をすすいだ時の指通りが悪くなる場合があり、かつ乾燥後の髪がパサついた感触になる場合がある。一方、300万を超えると洗浄剤組成物の低温安定性に劣ると共に、洗浄剤組成物中への溶解が困難になる場合がある。
【0037】
このようなカチオン化セルロースとしては市販品を用いることができ、具体的な例としては、レオガードLP、GP、MGP、KGP、XE−511K(商品名、ライオン(株)製)、UCARE LR−30M、JR−400、JR−30M(商品名、ダウケミカル日本(株)製)、カチナールHC−100(商品名、東邦化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0038】
カチオン化グァーガムは、グァーガムにカチオン性官能基を付加したものである。カチオン基の付加の程度によって、カチオン化グァーガムのカチオン化度が異なる。カチオン化度は、すすぎ時のなめらかさの点から、0.1meq/g〜3.0meq/gの範囲が好ましく、より好ましくは0.5meq/g〜3.0meq/gであり、更に好ましくは1.0meq/g〜2.4meq/gである。カチオン化度が0.1meq/g未満だと、泡をすすいだ時の指通りが悪くなる場合があり、かつ乾燥後の髪がパサついた感触になる場合がある。一方、カチオン化度が3.0meq/gを超えると、洗浄剤組成物の低温安定性に劣る場合がある。カチオン化グァーガムの分子量は、すすぎ時のなめらかさの点から、10万〜300万の範囲が好ましく、20万〜200万がより好ましい。10万未満だと泡をすすいだ時の指通りが悪くなる場合があり、かつ乾燥後の髪がパサついた感触になる場合がある。一方、300万を超えると洗浄剤組成物の低温安定性に劣ると共に、洗浄剤組成物中への溶解が困難になる場合がある。
【0039】
このようなカチオン化セルロースとしては市販品を用いることができ、具体的な例としては、ラポールガムCG−M、CG−M7、CG−M8M(商品名、大日本製薬(株)製)、N−Hance3000(商品名、ハーキュレス・ジャパン製)、JAGUAR C−13S、C−14S、C−17、EXCEL(商品名、ローディア製)等が挙げられる。
【0040】
カチオン化セルロース及びカチオン化グァーガムは、水分を蒸発させて粉末や顆粒状にした原料も使用できるし、水等の溶媒で液体化した原料も使用することができる。
【0041】
カチオン性重合体のカチオン化度は、化学構造が明瞭であれば簡単に計算することができるが、モノマー比率等の構造が不明な場合であっても、ケルダール法等のN含量の測定値から計算することができる。なお、本発明で用いたカチオン化度は、ケルダール法によるものである。化粧品原料基準の一般試験法の窒素定量法第2法で測定した値を基に算出している。また、カチオン化度の単位であるmeq/gとは試料1g当たりのNカチオン基のミリ当量数を示す。
【0042】
(e)成分の分子量は、一般的なGPCカラムを用いた液体クロマトグラフィーで、分子量既知のポリマーと比較する方法によって測定することができる。本発明で示したカチオン化ポリマーの分子量はGPC−MALLSを用いて測定した値であり、ポリマーの純分濃度が約1,000ppmの移動相で希釈した試料溶液を、TSK−GELαカラム(東ソー(株)製)を用い、0.5moL/Lの過塩素酸ナトリウム溶液を移動相として、約633nmの波長を多角度光散乱検出器により測定した。標準品としては分子量既知のポリエチレングリコールを用いた。
【0043】
(e)カチオン性ポリマーの配合量は、すすぎ時に毛髪等になめらかさを付与する点から、組成物全体の0.01〜3質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜1質量%である。0.01質量%未満では、十分なすすぎ時のなめらかさを付与できない場合があり、3質量%を超えて増量しても、すすぎ時のなめらかさの向上が見られない場合がある。
【0044】
[(f)シリコーン化合物]
本発明の組成物には、仕上がりのなめらかさを付与する点から、(f)シリコーン化合物を配合することができる。(f)シリコーン化合物の具体例としては、ジメチルポリシロキサン(高重合ジメチルポリシロキサン、シリコーンゴムを含む)、アミノ変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリアミノ変性シリコーン、べタイン変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、シリコーングラフトポリマー、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノグリコール変性シリコーン、ポリオキシアルキレン・アミノ変性シリコーン、トリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサン、シラノール基末端ジメチルポリシロキサン等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリアミノ変性シリコーンが特に好適に使用される。また、上記シリコーン化合物としては、上記シリコーン化合物を界面活性剤により乳化し、エマルション化したものも使用することができる。なお、このようなエマルションは、乳化剤や乳化方法に特に制限はなく、種々使用することができる。本発明においては、とりわけ動粘度が10万cst/25℃以上のジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリオキシアルキレン・アミノ変性シリコーンを好適に用いることができる。
【0045】
(f)シリコーン化合物の配合量は、乾燥後のなめらかさ、スッキリ感の点から、組成物全体の0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜3質量%である。0.1質量%未満では、十分な乾燥後のなめらかさが得られない場合があり、5質量%を超える範囲では、洗浄後のスッキリ感が阻害される場合がある。
【0046】
[(b)成分以外のノニオン界面活性剤及び(a−2)成分以外の両性界面活性剤]
本発明においては、スッキリ感をより向上させるために、(b)成分以外のノニオン界面活性剤を配合することができる。このようなノニオン界面活性剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POE(ポリオキシエチレン)硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステル、POE・POPアルキルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、また、常温で液状であるPOEグリセリン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POEエチレングリコール脂肪酸エステル、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル又はPOEペンタエリスリトール脂肪酸エステル等が挙げられる。(a−2)成分以外の両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン・ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
これらのうちでも、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POE(ポリオキシエチレン)硬化ヒマシ油、POEアルキルエーテル、POE・POPアルキルエーテルが好ましい。
より具体的には、ラウリン酸ポリグリセリル、POE(10〜60)硬化ヒマシ油、POE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテル等が好ましい。
【0047】
上記界面活性剤の配合量は、スッキリ感向上の点から、組成物全体の0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。0.1質量%未満では、スッキリ感が得られない場合があり、10質量%を超えるとスッキリ感向上効果が得られない場合がある。
【0048】
[その他の成分]
本発明の洗浄剤組成物には、上記成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、所望により洗浄剤組成物に一般に配合される成分、例えば、上記以外のノニオン界面活性剤、上述した以外の高分子化合物、アミノ酸類、蛋白加水分解物、金属封鎖剤、増粘剤、ポリオール類、油剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、酸化防止剤、酸化剤、還元剤、アルカリ剤、色素、抗菌剤、噴射剤等を含むことができる。
【0049】
また、本発明の洗浄剤組成物に香料を配合する場合は、特開2003−95895号公報に記載した香料、香料組成物に準じる。また、本発明の洗浄剤組成物に香料、香料組成物を配合する場合、本発明の洗浄剤組成物全量に対して香料又は香料組成物が0.00001〜50質量%となるように配合すると好適であり、より好ましくは0.0001〜30質量%配合する。
【0050】
本発明の組成物の粘度は、特に限定されないが、0.5〜50000mPa・sが好ましく、より好ましくは50〜50000mPa・sであり、更に好ましくは3000〜30000mPa・sであり、特に好ましくは10000〜30000mPa・sである。粘度が低すぎると使用時に手からこぼれ落ち、頭部や手など十分に洗浄できずスッキリ感が得られない場合があり、高すぎると洗浄剤液の広がりが悪く、均一に塗布することができないため十分に洗浄できず、スッキリ感が得られない場合がある。なお、組成物の粘度は25℃でBM型粘度計により測定した値である。
【0051】
本発明の組成物のpH(25℃)は、特に限定されないが、好ましくは2.5〜10.0、より好ましくは3.0〜7.0である。なお、pHの測定は日本薬局方一般試験法に定められている方法に準拠する。
【0052】
本発明の組成物は、その形状や剤型が特に制限されるものではなく、例えば液状、クリーム状、ローション状、ジェル状、泡状、エアゾール等の各種形状や剤型に調製して利用でき、各剤型の常法に準じて調製することができる。
【0053】
毛髪用とする場合は、シャンプー、リンス、トリートメント等として幅広く利用でき、毛髪用以外にも、ボディソープやハンドソープ等の皮膚用洗浄剤、台所用洗剤、衣料用洗剤等が挙げられる。これらは製品の常用量で常法に従って使用することができる。
【0054】
また、本発明は、(a)(a−1)アニオン界面活性剤及び(a−2)両性界面活性剤と、(c)清涼剤とを含有する洗浄剤組成物に、(b)常温で固体のノニオン界面活性剤を配合することにより、上記(c)成分を配合することによる上記洗浄剤組成物の粘度低下を抑制する方法を提供する。この場合、(a)〜(c)成分の具体例及び配合量としては、上記洗浄剤組成物について説明したものと同様とすることができる。
【実施例】
【0055】
以下、試験例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例において%は質量%を示す。また、表中の各成分の量は純分換算した量である。
【0056】
[試験例]
固体の確認方法は、(1)に規定する装置を用い、(2)に規定する試験場所において、(3)に規定する試験の実施手順により試験物品((b)成分)が液状であるか否かを確認するものとする。
(1) 装置
ア) 恒温水槽
撹拌機、ヒーター、温度計、自動温度調節器(±0.1℃で温度制御が可能なもの)を備えたもので深さ150mm以上のものとする。
イ) 試験管
内径30mm、高さ120mmの平底円筒型透明ガラス製のもので、管底から55mm及び85mmの高さのところに標線(以下「A線」及び「B線」という。)を付したものとする(2本)。
ウ) 温度計
JISB7410(1982)「石油類試験用ガラス製温度計」に規定する凝固点測定用のもの(SOP−58 目盛範囲20〜50℃)とする。
エ) ゴム栓
試験管の口に合うものとし(2個)、そのうち1個は、栓の中央に温度計を支える孔をあけたものとする。
(2) 試験場所
試験場所は、温度20±5℃の大気圧下の場所とする。
(3)試験の実施手順
ア) 試験物品を2本の試験管のA線までとる。一方の試験管はゴム栓で密栓し(以下「液状判断用試験管」という。)、もう一方の試験管は温度計をつけたゴム栓で密栓する(以下「温度測定用試験管」という。)。温度計は、没浸30mmとし、試験管に直立させる。
イ) 2本の試験管を確認温度(試験物品が液状であるか否かを確認する温度。以下に同じ。)±0.1℃に保った恒温水槽中にB線が液面下に没するよう直立させて静置する。温度測定用試験管中の試験物品が試験温度に達してから10分間その状態を保持する。
ウ) 10分後、液状判断用試験管を恒温水槽から水平な台上に直立状態のまま取り出し、直ちに台の上に水平に倒す。
エ) 試験管を倒してから試験物品の液面の先端がB線を通過するまでの時間を測定する。
オ) エ)で測定された時間が90秒を超える試験物品は確認温度において固体であるものとする。
【0057】
[実施例1〜36、比較例1〜9]
表1〜7に示す組成の洗浄剤組成物を常法により調製し、以下の官能評価基準に従い、下記方法で評価した。結果を表中に併記する。
官能評価基準
5点:よい
4点:ややよい
3点:どちらともいえない
2点:ややよくない
1点:よくない
【0058】
[減粘抑制]
標準品と比較して、25℃での粘度の増加程度を評価した。標準品としては、実施例及び比較例のそれぞれの組成から(b)成分を除いたものを用いた。この場合、例えば、比較例9は粘度10Pa・sであった。また、実施例1〜36の組成物の粘度は、0.5〜40000mPa・sの範囲であった。
粘度の測定方法
粘度の測定は、25℃でBM型粘度計を用い、必要に応じてローターNo.1〜4を用い、30回転/1分にて測定を行った。
評価基準
5点:標準品と比較して1.5倍以上の粘度増加があった
4点:標準品と比較して1.3倍以上1.5倍未満の粘度増加があった
3点:標準品と比較して1.1倍以上1.3倍未満の粘度増加があった
2点:変わらなかった(標準品の0.9倍〜1.1倍未満)
1点:粘度が下がった(標準品の0.9倍未満)
【0059】
[低温安定性]
サンプルを50mLのガラス瓶に入れ、−5℃の恒温槽で1ヶ月間保存したときの、液の外観を評価した。
評価基準
5点:析出物がなく、保存前と変化がなかった
4点:析出物がなかったが、やや保存前と変化があった
3点:析出物は見られたが、常温に戻すと溶解した
2点:析出物が見られ、常温に戻しても溶解しなかった
1点:析出物が多量に見られ、常温に戻しても溶解しなかった
【0060】
[スッキリ感]
女性5名、男性5名について、それぞれ洗浄剤サンプルを5mL用いて、頭部の洗浄を行った。洗髪直後のスッキリ感を以下の評価基準で評価し、10名分の評価結果を平均した。
評価基準
5: 4.5点以上〜5点
4: 4点〜4.5点未満
3: 3点以上〜4点未満
2: 2点以上〜3点未満
1: 〜2点未満
【0061】
[パール外観付与]
サンプルを50mLのガラス瓶に入れ、(d)パール剤未配合サンプル(実施例1)と比較して、液のパール外観を評価した。
評価基準
5点:美麗なパール感が認められる
4点:パール感が認められる
3点:パール感がやや薄い
2点:パール感が薄い
1点:パール感が認知できない
【0062】
[すすぎ時のなめらかさ]
女性5名、男性5名について、それぞれ洗浄剤サンプルを5mL用いて、頭部の洗浄を行った。洗髪中の髪のなめらかさを以下の評価基準で評価し、10名分の評価結果を平均した。
評価基準
5: 4.5点以上〜5点
4: 4点〜4.5点未満
3: 3点以上〜4点未満
2: 2点以上〜3点未満
1: 〜2点未満
【0063】
[仕上がりのなめらかさ]
女性5名、男性5名について、それぞれ洗浄剤サンプルを5mL用いて、頭部の洗浄を行った。洗髪後、乾燥した髪についてなめらかさを以下の評価基準で評価し、10名分の評価結果を平均した。
評価基準
5: 4.5点以上〜5点
4: 4点〜4.5点未満
3: 3点以上〜4点未満
2: 2点以上〜3点未満
1: 〜2点未満
【0064】
【表1】

【0065】
【表2】

【0066】
【表3】

【0067】
【表4】

【0068】
【表5】

【0069】
【表6】

【0070】
【表7】

【0071】
[実施例37]<皮膚洗浄剤(ボディシャンプー)>
成分 配合量(%)
(a−1)ラウリン酸カリウム※ 3.0
(a−1)ミリスチン酸カリウム※ 7.0
(a−2)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 4.0
(b)POE(60)セトステアリルヒドロキシミリスチレンエーテル 0.3
(c)L−メントール 1.0
(e)カチオン化セルロース 0.2
POE(11)ステアリルエーテル 1.0
プロピレングリコール 10.0
エデト酸 0.2
水酸化カリウム(pHが10.6になるように調整) 適量
精製水 残部
合計 100.0
※予め水酸化カリウムと脂肪酸を混合し調製した。
(a−1)/(a−2)質量比=2.5
減粘抑制 5点
低温安定性 5点
スッキリ感 5点
【0072】
[実施例38]<皮膚洗浄剤(ボディシャンプー)>
成分 配合量(%)
ゼラニウムオイル 0.2
(a−1)POE(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 10.0
(a−2)ラウリン酸アミドプロピルベタイン 3.0
(b)テトラステアリン酸PEG150ペンタエリスリチル 0.3
(c)ハッカ油 0.5
(c)メンチルグリセリルエーテル 0.5
(e)カチオン化グァーガム 0.3
POE(11)ステアリルエーテル 1.0
プロピレングリコール 5.0
エデト酸 0.2
水酸化カリウム(pHが10.0になるように調整) 適量
精製水 残部
合計 100.0
(a−1)/(a−2)質量比=3.3
減粘抑制 5点
低温安定性 5点
スッキリ感 5点
【0073】
[実施例39]<ハンドソープ>
成分 配合量(%)
(a−1)ラウリン酸カリウム※ 12
(a−1)ミリスチン酸カリウム※ 6
(a−2)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 4.0
(b)テトラステアリン酸PEG150ペンタエリスリチル 0.3
(c)L−メントール 0.5
(c)メンチルグリセリルエーテル 0.5
(e)カチオン化グァーガム 0.5
モノエタノールアミン 0.5
POE(11)ステアリルエーテル 0.2
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.2
イソプロピルメチルフェノール 0.1
トリクロサン 0.1
ラウリルジメチルアミンオキシド 1
プロピレングリコール 15
ソルビット 5
エデト酸四ナトリウム四水塩 0.2
ヒドロキシエタンジホスホン酸 0.1
スチレン重合体エマルジョン 0.7
ローズマリーエキス 0.1
青色1号 0.00001
香料 0.4
水酸化カリウム pH10に調整量
精製水 残部
合計 100.0
※予め水酸化カリウムと脂肪酸を混合し調製した。
(a−1)/(a−2)質量比=4.5
減粘抑制 5点
低温安定性 5点
スッキリ感 5点
【0074】
上記実施例及び比較例で使用した成分を下記表に示す。
【0075】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)(a−1)アニオン界面活性剤、
(a−2)両性界面活性剤:(a−1)及び(a−2)の総量で4質量%以上と、
(b)常温で固体の多鎖型ノニオン界面活性剤:0.01〜5質量%と、
(c)メントール、メントン、カンファー、ボルネオール、シネオールメントン、サリチル酸メチル、マロン酸メンチル、グリコシル−モノメンチル−O−アセテート、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、l−メンチル−3−ヒドロキシブチレート、スペアミント油、ペパーミント油、ハッカ油及びユーカリプタス油からなる群より選ばれる清涼剤:0.01〜5質量%と
を含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
【請求項2】
(b)成分が、二鎖〜四鎖型のエーテル系及びエステル系ノニオン界面活性剤から選ばれるものである請求項1記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
(c)成分が、メントールである請求項1又は2記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
更に、(d)エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールジ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノアルキルエーテル及びエチレングリコールジアルキルエーテルからなる群より選ばれるパール化剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
更に、(e)カチオン性ポリマーを含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
【請求項6】
更に、(f)シリコーン化合物を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
【請求項7】
毛髪又は皮膚用である請求項1〜6のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2012−180384(P2012−180384A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42004(P2011−42004)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】