説明

洗浄剤組成物

【課題】メントール等の結晶性清涼剤の低温時における安定性に優れ、かつ高温時の保存においても、必要に応じて添加した高重合シリコーンなどの分離安定性に優れ、パール光沢が美麗な洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】次の成分(a)〜(d)を含有し、55mL/2g以上の膨潤力を有する粘土鉱物及び55mL/2g未満の膨潤力を有する粘土鉱物を含まない洗浄剤組成物。
(a) ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、脂肪酸アルカノールアミド及び脂肪酸アミドプロピルベタインからなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤 2〜40質量%
(b) エタノール 0.1〜3質量%
(c) メントール、メントン、カンファー、ボルネオール、シネオールメントン、サリチル酸メチル、マロン酸メンチル、グリコシル−モノメンチル-O-アセテート、3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール、l-メンチル-3-ヒドロキシブチレート、スペアミント油、ペパーミント油、ハッカ油及びユーカリプタス油からなる群より選ばれる少なくとも1種の清涼剤 0.05〜2質量%
(d) エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールジ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノアルキルエーテル及びエチレングリコールジアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種のパール化剤 0.1〜10質量%

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚に対し清涼感・冷感を賦与する目的で、毛髪洗浄剤や身体洗浄剤にメントール、カンファー等の清涼剤が配合されている。しかし、これらの清涼剤は、低温で保存した場合、結晶を析出して沈降し、組成物の外観を著しく損なうことが懸念される。そこで、これを避けるために、エタノールを比較的高濃度(例えば10質量%前後)で配合し、これら清涼剤の溶解性を高めて透明な洗浄剤組成物とする工夫がなされている。
【0003】
一方、メントール等の清涼剤を含有し、パール光沢外観を有する洗浄剤組成物とする場合、エタノールを使用しない例がある(例えば、特許文献1,2)。しかし、その場合、清涼剤の溶解性が十分ではないため、配合工程上の困難さがあり、保存時(特に低温保存時)には沈降物を生じやすい。また、シリコーンエマルションを含有するコンディショニングシャンプーにおいて、メントール、パール化剤とともに、エタノールを5質量%含有させた例もある(特許文献3)が、この場合、パール光沢が若干損なわれる傾向があり、更に、高温での保存により分離を生ずるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-8535号公報(実施例)
【特許文献2】特開2002-121131号公報(実施例)
【特許文献3】特開2003-267843号公報(実施例)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明は、メントール等の結晶性清涼剤の低温時における析出がなく、かつ高温時の保存においても安定性に優れ、パール光沢が美麗な洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、パール化剤を含有する洗浄剤組成物において、少量のエタノールを併用することによって、メントール、カンファーなどの清涼剤を安定に配合できることを見出した。
【0007】
本発明は、次の成分(a)〜(d)を含有する洗浄剤組成物を提供するものである。
(a) アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤 2〜40質量%
(b) エタノール 0.1〜3質量%
(c) メントール、メントン、カンファー、ボルネオール、シネオールメントン、サリチル酸メチル、マロン酸メンチル、グリコシル−モノメンチル-O-アセテート、3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール、l-メンチル-3-ヒドロキシブチレート、スペアミント油、ペパーミント油、ハッカ油及びユーカリプタス油からなる群より選ばれる少なくとも1種の清涼剤
(d) エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールジ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノアルキルエーテル及びエチレングリコールジアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種のパール化剤 0.1〜10質量%
【発明の効果】
【0008】
本発明の洗浄剤組成物は、パール光沢が美麗であるとともに、メントール等の結晶性清涼剤の低温時における析出を抑制し、高温あるいは長期に室温で保持された場合における安定性にも優れ、必要に応じて添加した高重合シリコーンなどの分離を抑制することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔界面活性剤〕
成分(a)のうち、アニオン界面活性剤としては、例えば以下に示すものが挙げられる。(A-i)アルキルベンゼンスルホン酸塩、好ましくは平均炭素数10〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩。
(A-ii)アルキルエーテル硫酸塩又はアルケニルエーテル硫酸塩、好ましくは平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、1分子内に平均0.5〜8モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比で、あるいはエチレンオキサイドとブチレンオキサイドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加したアルキルエーテル硫酸塩又はアルケニルエーテル硫酸塩。
(A-iii)アルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩、好ましくは平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩。
(A-iv)オレフィンスルホン酸塩、好ましくは平均炭素数10〜20のアルケニル基を有するオレフィンスルホン酸塩。
(A-v)アルカンスルホン酸塩、好ましくは平均炭素数10〜20のアルキル基を有するアルカンスルホン酸塩。
(A-vi)高級脂肪酸塩、好ましくは平均炭素数10〜24のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸塩。
(A-vii)(アミド)エーテルカルボン酸型界面活性剤。
(A-viii)α-スルホ脂肪酸塩又はエステル、好ましくは平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するα-スルホ脂肪酸塩又はエステル。
(A-ix)N-アシルアミノ酸型界面活性剤、好ましくは平均炭素数8〜24のアシル基及び遊離カルボン酸残基を有するN-アシルアミノ酸型界面活性剤(例えばN-アシルザルコシネート、N-アシル-β-アラニン等)。
(A-x)リン酸エステル型界面活性剤、好ましくは平均炭素数8〜24のアルキル基若しくはアルケニル基又はそれらにアルキレンオキシドが付加した基を有するリン酸モノ又はジエステル型界面活性剤。
(A-xi)スルホコハク酸エステル型界面活性剤、好ましくは平均炭素数8〜22の高級アルコール若しくはそのエトキシレート等のスルホコハク酸エステル又は高級脂肪酸アミド由来のスルホコハク酸エステル。
(A-xii)ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩。
(A-xiii)モノグリセライド硫酸エステル塩、好ましくは平均炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸基を有するモノグリセライド硫酸塩。
(A-xiv)アシル化イセチオン酸塩、好ましくは平均炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸基を有するアシル化イセチオン酸塩。
(A-xv)アルキルグリセリルエーテル硫酸塩又はアルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩、好ましくは平均炭素数8〜24の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基もくしはアルケニル基若しくはそれらにアルキレンオキシドが付加した基を有するアルキルグリセリルエーテル硫酸塩又はアルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩。
(A-xvi)アルキル又はアルケニルアミドスルホネート、好ましくは平均炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルアミドスルホネート。
(A-xvii)アルカノールアミドスルホコハク酸塩、好ましくは平均炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するアルカノールアミドスルホコハク酸塩。
(A-xviii)アルキルスルホアセテート、好ましくは平均炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルスルホアセテート。
(A-xix)アシル化タウレート、好ましくは平均炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸基を有するアシルタウレート。
(A-xx)N-アシル-N-カルボキシエチルグリシン塩、好ましくは平均炭素数6〜24のアシル基を有するN-アシル-N-カルボキシエチルグリシジン塩。
【0010】
これらのアニオン界面活性剤におけるアニオン性残基の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、炭素数2又は3のアルカノール基を1〜3個有するアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)を挙げることができる。
【0011】
これらのうち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンスルホコハク酸アルキルエステル塩が好ましい。
【0012】
成分(a)のうち、非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、グリセリンモノアルキルエーテル、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド類等が挙げられる。このうち、アルキルグリコシド類、ポリオキシアルキレン(C8〜C20)脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリンモノアルキル(C6〜C10)エーテル、脂肪酸アルカノールアミドが好ましい。
【0013】
成分(a)のうち、両性界面活性剤としては、平均炭素数8〜18のアルキル基又はアシル基を有するアルキルアミンオキシド、カルボベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、アミドスルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン、ホスホベタイン等が挙げられる。具体的には、脂肪酸アミドプロピルベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。これらのうち、脂肪酸アミドプロピルベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、特にラウリン酸アミドプロピルベタインが好ましい。
【0014】
成分(a)の界面活性剤の含有量は、良好な泡立ちと洗浄力の点から、本発明の洗浄剤組成物中の2〜40質量%とされるが、5〜35質量%、特に8〜30質量%が好ましい。
【0015】
〔エタノール〕
成分(b)のエタノールは、本発明の洗浄剤組成物において、以下のような役割を有する。
・成分(c)の清涼剤であるメントールやカンファーなどの固体物質を、事前に可溶化した後、組成物に配合することで、溶解安定性の優れた組成物とすることができる。
・エタノール量の微調整により、他の配合原料の量の多寡に関わらず、嗜好性の高い粘度領域を容易に得ることができる。
・組成物の製造時に発生した泡を除くことができ、これにより、泡混入の極力少ない、安定性に優れた組成物を製造できる。
【0016】
成分(b)のエタノールの含有量は、適度な粘度とし、高温安定性を向上する観点、洗浄時にクリーミーな泡感触の組成物を得る観点から、本発明の洗浄剤組成物中の0.1〜3質量%とされるが、0.2〜2.5質量%、特に0.3〜2質量%が好ましい。
【0017】
〔清涼剤〕
成分(c)の清涼剤は、メントール、メントン、カンファー、ボルネオール、シネオールメントン、サリチル酸メチル、マロン酸メンチル、グリコシル−モノメンチル-O-アセテート、3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール、l-メンチル-3-ヒドロキシブチレート、スペアミント油、ペパーミント油、ハッカ油及びユーカリプタス油からなる群より選ばれる。これらのうち、メントールが好ましい。
【0018】
成分(c)の清涼剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。成分(c)の含有量は、頭皮や肌に適度な清涼感や爽快感を与えると共に、析出を防止する観点から、本発明の洗浄剤組成物中の0.05〜2質量%、特に0.1〜1.5質量%が好ましい。
【0019】
〔パール化剤〕
成分(d)のパール化剤は、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールジ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノアルキルエーテル及びエチレングリコールジアルキルエーテルからなる群より選ばれる。エチレングリコールモノ脂肪酸エステルとしては、エチレングリコールモノステアリン酸エステル、エチレングリコールモノベヘニン酸エステル等が、エチレングリコールジ脂肪酸エステルとしては、エチレングリコールジステアリン酸エステル、エチレングリコールジベヘニン酸エステル等が挙げられる。また、エチレングリコールモノアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノステアリルエーテル等が、エチレングリコールジアルキルエーテルとしては、エチレングリコールジステアリルエーテル等が挙げられる。
【0020】
成分(d)のパール化剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。成分(d)の含有量は、好適なパール光沢を与えることと、保存安定性の向上、及び使用時の感触の観点から、本発明の洗浄剤組成物中の0.1〜10質量%とされるが、0.5〜5質量%、特に1〜4質量%が好ましい。
【0021】
〔カチオン性ポリマー〕
更に、本発明の洗浄剤組成物には、泡の質感、泡の滑り感、洗浄時のきしみ低減、乾燥時の滑らかさの点からカチオン性ポリマーを含有することができる。カチオン性ポリマーとしては、例えばカチオン化セルロース、カチオン化澱粉、カチオン化グアーガム、ジアリルジアルキルアンモニウム塩のホモポリマー、ジアリルジアルキルアンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリウムクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アルキルアクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体(米国サンドス社、カルタレチン)、特開昭53-139734号公報、特開昭60-36407号公報に記載されているカチオン性ポリマー等が挙げられる。特にカチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、ジアリルジアルキルアンモニウム塩/アクリルアミド共重合物が好ましい。
【0022】
カチオン性ポリマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。カチオン性ポリマーの含有量は、洗浄時の泡質向上と、乾燥後の髪のまとまり、感触の向上の点から、本発明の洗浄剤組成物中の0.02〜5質量%が好ましく、更には0.05〜1質量%、特に0.1〜0.7質量%が好ましい。
【0023】
〔シリコーン類〕
本発明の洗浄剤組成物には、泡の質感、泡の滑り感、洗浄時のきしみ低減、乾燥時の滑らかさの点からシリコーン類を含有させることができる。このようなシリコーン類としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
【0024】
(1) ジメチルポリシロキサン
例えば下記一般式で表されるものが挙げられる。
(CH3)3SiO-[(CH3)2SiO]a-Si(CH3)3
〔式中、aは3〜20000の数を示す。〕
【0025】
(2) アミノ変性シリコーン
各種のアミノ変性シリコーンが使用できるが、特に平均分子量が約3000〜約100000の、アモジメチコーン(Amodimethicone)の名称でCTFA辞典(米国,Cosmetic Ingredient Dictionary)第3版中に記載されているものが好ましい。このアミノ変性シリコーンは水性乳濁液として用いるのが好ましく、市販品としては、SM 8704C(東レ・ダウコーニング社)、DC 929(ダウコーニング社)、KT 1989(GE東芝シリコーン社)等が挙げられる。
【0026】
(3) その他のシリコーン類
上記以外に、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
【0027】
これらのシリコーン類のうち、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーンが好ましい。シリコーン類は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。シリコーン類の含有量は、有効分として、本発明の洗浄剤組成物中の0.1〜10質量%、特に0.1〜5質量%が好ましい。
【0028】
〔油剤〕
また、他のコンディショニング剤として、油剤を含有することができる。油剤としては、スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素類;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル類;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸類;ミリスチルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、2-オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール類;その他イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどが挙げられる。これらのうち、高級アルコール類が好ましく、特にミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。これら油剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その含有量は、本発明の洗浄剤組成物中の0.2〜2質量%が好ましく、更には0.3〜1.8質量%、特に0.5〜1.5質量%が好ましい。
【0029】
〔粘度調整剤〕
本発明の洗浄剤組成物には、粘度調整剤を含有させてもよく、粘度調整剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール、粘土鉱物、塩類(塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウム等)などが挙げられる。
【0030】
〔その他〕
本発明の洗浄剤組成物は、水を媒体とし、上記成分のほか、通常の洗浄剤組成物に用いられる成分を目的に応じて適宜配合できる。このような成分としては、例えば抗フケ剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;ソルビトール、パンテノール、グリセリン等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;真珠層を有する貝殻又は真珠から得られる蛋白質又はその加水分解物、シルクから得られる蛋白質又はその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;酸化チタン等のパール化剤;香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ〔ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS)〕に記載されている成分等が挙げられる。
【0031】
〔pH〕
本発明の洗浄剤組成物は、イオン交換水で20質量倍に希釈した水溶液の25℃におけるpHが4〜10、特にpH5〜8であることが好ましい。かかるpHは、洗浄剤組成物にpH調整剤として酸又はアルカリを加えて調整すればよい。pH調整剤としては、有機酸、特にα-ヒドロキシ酸を用いることが好ましく、具体的にはリンゴ酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸が好ましい。これら有機酸は2種以上を併用してもよく、またその使用量は、本発明の洗浄剤組成物中の0.01〜5質量%が好ましく、更には0.1〜3質量%、特に0.3〜2質量%が好ましい。これら有機酸と合わせて、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化アンモニウム等の塩基を用いてもよい。
【0032】
本発明の洗浄剤組成物は、特に毛髪用又は身体用の洗浄剤組成物として有用である。
【実施例】
【0033】
実施例1〜7及び比較例1〜4
表1に示す毛髪洗浄剤組成物を調製し、下記評価方法により評価した。その結果を表1にあわせて示す。
【0034】
〔評価方法・評価基準〕
被験者の髪を十分に濡らした後、洗浄剤組成物5g又は10g(セミロング又はショートカットの被験者には5g、ロングの被験者には10g)をとり、洗髪を行った。良くすすいだ後、ドライヤーの温風で十分に乾燥させた。
起泡力と洗浄力、すすぎ時のなめらかさ、乾燥後のさらさら感については、パネラー10名により、下記の規準に従って4段階評価を行い、その平均スコアからランク分けを行った。即ち、平均スコア3.5以上を◎、2.5〜3.4を○、1.5〜2.4を△、1.4以下を×とした。
【0035】
・起泡力
スコア4:非常に良好な泡立ちを示す
スコア3:十分な泡立ちを示す
スコア2:泡立つが不足と感じる
スコア1:ほとんど泡立たない
【0036】
・洗浄力
スコア4:非常に良好な頭皮・毛髪の汚れ落ちを示す
スコア3:十分な頭皮・毛髪の汚れ落ちを示す
スコア2:頭皮・毛髪の汚れは落ちるが不足と感じる
スコア1:頭皮・毛髪の汚れがほとんど落ちない
【0037】
・すすぎ時のなめらかさ
スコア4:きしみがなく滑らかで非常に良好
スコア3:きしみがなく良好でなめらか
スコア2:きしみがやや強く、なめらかさが不良
スコア1:きしみが強く不良
【0038】
・乾燥後のさらさら感
スコア4:非常にスムーズなすべりを感じる
スコア3:スムーズなすべりを感じる
スコア2:若干、引っかかり感がある
スコア1:引っかかり感があり重い
【0039】
・低温安定性(5℃で10ヶ月保存し、保存期間中に適宜外観を確認した)
◎:10ヶ月後も外観変化無し
○:6ヶ月程度の保存では外観変化が認められないが、10ヶ月後には濁りや沈降物が認められる
△:6ヶ月程度の保存で濁りや沈降物が認められる
×:6ヶ月未満の保存で濁りや沈降物が認められる
【0040】
・高温安定性(40℃で10ヶ月保存し、保存期間中に適宜外観を確認した)
◎:10ヶ月後も外観変化無し
○:6ヶ月程度の保存では外観変化が認められないが、10ヶ月後には濁りや沈降物が認められる
△:6ヶ月程度の保存でパール感の消失、あるいは内容物の分離傾向に伴う濁りが認められる
×:6ヶ月未満の保存で層分離が認められる
【0041】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)〜(d)を含有し、55mL/2g以上の膨潤力を有する粘土鉱物及び55mL/2g未満の膨潤力を有する粘土鉱物を含まない洗浄剤組成物。
(a) ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、脂肪酸アルカノールアミド及び脂肪酸アミドプロピルベタインからなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤 2〜40質量%
(b) エタノール 0.1〜3質量%
(c) メントール、メントン、カンファー、ボルネオール、シネオールメントン、サリチル酸メチル、マロン酸メンチル、グリコシル−モノメンチル-O-アセテート、3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール、l-メンチル-3-ヒドロキシブチレート、スペアミント油、ペパーミント油、ハッカ油及びユーカリプタス油からなる群より選ばれる少なくとも1種の清涼剤 0.05〜2質量%
(d) エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールジ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノアルキルエーテル及びエチレングリコールジアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種のパール化剤 0.1〜10質量%
【請求項2】
成分(a)が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、脂肪酸アルカノールアミド及び脂肪酸アミドプロピルベタインを組み合わせたものである請求項1記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
成分(c)が、メントールである請求項1又は2記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
成分(d)が、エチレングリコールジ脂肪酸エステルである請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
更に、カチオン性ポリマーを含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
【請求項6】
更に、シリコーン類を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
【請求項7】
毛髪用又は身体用である請求項1〜6のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2012−250994(P2012−250994A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−200568(P2012−200568)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【分割の表示】特願2007−202722(P2007−202722)の分割
【原出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】