説明

洗浄剤組成物

【課題】抗菌活性に優れた洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤と、下記一般式(I)で表されるPEG−1ラウリルグリコールと、を含むことを特徴とする洗浄剤組成物。
【化1】


(上記式中、m及びnはそれぞれエチレンオキシドの付加モル数を表し、m+nの平均は1である。)
また、前記洗浄剤組成物は、さらに、殺菌効果を有する成分を含むことが好適である。
また、前記洗浄剤組成物は、上記一般式(I)で表されるPEG−1ラウリルグリコールの配合量が、0.5〜10質量%であることが好適である。
また、前記洗浄剤組成物は、動物用であることが好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄剤組成物、特に、その抗菌活性(細菌、真菌)の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、イヌやネコ等の動物を室内で飼育する人が多く、このようなペット動物の入浴も日常的に行われるようになってきている。そこで、ペット動物の被毛への使用に適した様々なシャンプーが開発されており、例えば、泡立ちやツヤや滑らかさ等の使用感の高さにおいて、ヒト用と同等以上のものもある。
一方で、イヌやネコ等の場合、被毛に付着した細菌・真菌等から皮膚病を発症することが多く、また、耳の構造上真菌の侵入を受け易く、外耳炎も起こしがちであることから、通常、動物用のシャンプーは、抗菌性(細菌・真菌)においてもヒト用と同等以上の効果が求められる。
【0003】
使用対象に関わらず、シャンプー等の洗浄剤組成物に抗菌活性を付与する一般的な手段としては、化粧品において製品の劣化を防ぐために配合されている抗菌成分(防腐剤ないし殺菌剤)、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル(パラベン)、ソルビン酸、デヒドロ酢酸類、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロヘキシジン等を使用することが考えられる。
しかし、これらの成分は、いずれも皮膚や目への刺激の強さやアレルギーの問題を伴うため、配合できる量は制限されてしまい、シャンプーの使用によって対象に十分な抗菌活性をもたらすことは難しかった。
このような問題から、医薬品、化粧品、食品に配合可能であり、少量で高い効果が得られる殺菌剤として、例えば、1,2−アルカンジオールと、イミダゾリン型両性界面活性剤を含む防腐殺菌剤が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4086794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ヒトの感染症に関連する細菌・真菌だけでなく、動物の被毛に多量に付着し、皮膚病や外耳炎をもたらす細菌・真菌にも広く対応可能であり、且つ強力な抗菌活性を有する洗浄剤組成物は未だ実用化していない。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、抗菌活性に優れた洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らが、上記課題解決のため鋭意検討を行った結果、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤と、PEG−1ラウリルグリコールとを配合することにより、抗菌活性に優れた安全性の高い洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる洗浄剤組成物は、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤と、下記一般式(I)で表されるPEG−1ラウリルグリコールとを含むことを特徴とする。
【化1】

(上記式中、m及びnはそれぞれオキシエチレン基の付加モル数を表し、m+nの平均は1である。)
また、前記洗浄剤組成物は、さらに、殺菌効果を有する成分を含むことが好適である。
また、前記洗浄剤組成物は、上記一般式(I)で表されるPEG−1ラウリルグリコールの配合量が、0.5〜10質量%であることが好適である。
また、前記洗浄剤組成物は、動物用であることが好適である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、皮膚や眼への刺激性が低く、抗菌活性に優れた洗浄剤組成物、特に動物用として好適な洗浄剤組成物を製造することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明に係る洗浄剤組成物は、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤と、PEG−1ラウリルグリコールとを含むものである。まず、前記成分について説明する。
イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤
本発明に使用することのできるイミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤は、通常化粧品や医薬部外品に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、下記一般式(II)で表されるものが挙げられる。
【化2】

【0009】
上記一般式(II)において、Rは炭素数が8〜18、好ましくは10〜14の直鎖又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はアシル基を示す。アルキル基としては、例えば、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、オレイル基等が挙げられる。アシル基としては、例えば、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、ヤシ油脂肪酸アシル基(ココイル基)等が挙げられる。
【0010】
このようなイミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンイミダゾリニウムベタイン、N−ココイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンイミダゾリニウムベタイン、2−ココイル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0011】
また、上記イミダゾリニウムベタイン型界面活性剤は、下記一般式(III)で表される塩の形であってもよい。
【化3】


上記一般式(III)において、Rは上記一般式(II)と同様、炭素数が8〜18、好ましくは10〜14の直鎖又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はアシル基を示す。Mは対イオン(塩)を示し、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類が挙げられる。
上記イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤の市販品としては、例えば、ソフタゾリンLHL、ソフタゾリンLHL−SF(川研ファインケミカル社製)、オバゾリン66N、オバゾリン66N−SF(東邦化学社製)、ニッサンアノンGLM(日油社製)等が挙げられ、いずれも好適に使用することができる。
なお、本発明においては、上記イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤を、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0012】
本発明において、上記イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤の配合量は、洗浄剤組成物に対し純分として1.5〜12質量%、好ましくは3〜9質量%である。前記成分の配合量が純分として1.5質量%に満たないと、洗浄剤組成物としての洗浄効果だけでなく、抗菌活性も不十分になることがある。また、12質量%を越えて配合しても、配合量に応じた抗菌活性は得られない。
なお、上記イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤の市販原料は、通常該成分の水溶液の形で提供されている。そのような場合も、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤の純分が上記配合量範囲となるように使用すればよい。例えば、市販原料が30%濃度の水溶液として提供されている場合、本発明の組成物における配合量は5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となる。
【0013】
PEG−1ラウリルグリコール
本発明に使用されるPEG−1ラウリルグリコールは、アルカンジオール型非イオン性界面活性剤の一種であり、下記一般式(I)で表される化合物である。
【化3】

上記一般式(I)において、m及びnはそれぞれオキシエチレン基の付加モル数を表し、m+nの平均は1である。
このようなPEG−1ラウリルグリコールの市販品としては、ニューポールDDE−10(三洋化成工業社製)が挙げられ、これを好適に使用できる。
【0014】
本発明において、上記PEG−1ラウリルグリコールの配合量は、洗浄剤組成物に対し0.5〜10質量%、好ましくは1〜7質量%である。前記成分の配合量が0.5質量%に満たないと、抗菌抗カビ性が不十分になることがある。また、10質量%を越えて配合しても、配合量に応じた抗菌活性は得られない。
【0015】
PEG−1ラウリルグリコールは、細胞との相互作用が強いことから、細胞に近づき、該成分自身を溶解させるために菌やカビから水を奪い、その増殖を不可能にさせるとされる。このことから、PEG−1ラウリルグリコールが抗菌能を有することは知られていたが、さらに、該成分をイミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤と併用すると、得られる組成物の抗菌活性が、該成分の配合量から予測されるレベルを超えて著しく高まることが本願により初めて明らかになった。なお、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤自体にも抗菌活性は認められるものの、単体ではその効果が十分ではないことから、前記組成物における抗菌活性(細菌・真菌)の向上は、2成分の単なる累加的な効果によるものではなく、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤が、PEG−1ラウリルグリコールの能力促進に作用し、相乗的な効果を発揮するものと考えられる。
【0016】
上記のように、本発明の洗浄剤組成物は、細菌及び真菌に対する高い抗菌活性を有する。したがって、本発明は、通常の洗浄剤組成物のように日常的に使用することにより、毛髪や皮膚に付着した細菌・真菌の増殖が妨げられ、感染症の予防に対する効果が期待される。本発明の洗浄剤組成物は、ヒトを含む動物の感染症に関連する細菌・真菌を広く殺菌し得るが、特に、Escelichia coli(大腸菌)、Staphylococcus intermedius(膿皮症の原因菌)、Staphylococcus aureus(表皮常在菌)、Methicillin-resistant Staphylococcus aureus(多剤耐性菌)、Staphylococcus epidermidis(表皮常在菌)、Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)、Pasteurella multocida(動物パスツレラ症病原菌)、Proteus mirabilis(尿路感染症の原因菌)等の細菌;及び、Malassezia pachydermatis(外耳炎の原因菌)、Microsporum canis(白癬の原因菌)、Trichophyton mentagrophytes(白癬の原因菌)等の真菌等、イヌやネコ等のペット動物に確認される微生物の殺菌に有効である。また、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤は、生物に対する安全性が高く、眼刺激性も非常に低いことから、洗浄成分としても本発明の洗浄剤組成物に適する。
【0017】
また、本発明においては、洗浄剤組成物の抗菌活性をより高める観点から、さらに殺菌効果を有する成分を、単独又は組み合わせて配合することが好ましい。
本発明で使用し得る殺菌効果を有する成分は、化粧品や医薬部外品において通常使用される成分であって、本発明にかかる組成物の安全性を損ねないもの、或いは前記安全性を損ねない量であれば特に制限されないが、特に、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,3−ジメチル−2,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、ジプロピレングリコール、エチレングリコール等の2価グリコール、ヒノキチオール、トリクロロカルバニリド(TCC)、塩化ベンザルコニウム等の成分が挙げられる。2価グリコールとして好ましくは、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールである。
なお、2価グリコールを使用する場合、本発明の洗浄剤組成物に対し、7質量%以上配合することにより、十分な殺菌効果を得ることができる。
【0018】
また、本発明においては、洗浄成分となる陰イオン性界面活性剤として、特に、アシルタウリン塩、アシルメチルタウリン塩、アシルグルタミン酸塩から選択される化合物を配合することが好ましい。
アシルタウリン塩としては、例えば、ヤシ油脂肪酸(ココイル)タウリン塩、ラウロイルタウリン塩、ミリストイルタウリン塩、パルミトイルタウリン塩、ステアロイルタウリン塩等が挙げられる。
【0019】
アシルメチルタウリン塩としては、例えば、ヤシ油脂肪酸(ココイル)メチルタウリン塩、ラウロイルメチルタウリン塩、ミリストイルメチルタウリン塩、パルミトイルメチルタウリン塩、ステアロイルメチルタウリン塩等が挙げられる。
アシルグルタミン酸塩としては、例えば、ヤシ油脂肪酸(ココイル)グルタミン酸塩、ラウロイルグルタミン酸塩、ミリストイルグルタミン酸塩、パルミトイルグルタミン酸塩、ステアロイルグルタミン酸塩等が挙げられる。
なお、上記それぞれの塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
前記陰イオン性界面活性剤のうち、好ましくはラウロイルメチルタウリン塩、ヤシ油脂肪酸(ココイル)メチルタウリン塩、ラウロイルグルタミン酸塩、及び/又は、ヤシ油脂肪酸(ココイル)グルタミン酸塩であり、それぞれ好適な対イオンはナトリウム又はカリウムである。
【0020】
前記陰イオン性界面活性剤は、生物に対する安全性が極めて高く、また、その配合により本発明の抗菌活性が低下しないことから、本発明の洗浄成分として好適である。前記成分の配合量は、洗浄剤組成物において通常使用される量であればよく、特に純分として1.5〜7.5質量%の範囲が好ましい。純分として1.5質量%未満の配合では、洗浄効果や泡立ちが不十分なことがあり、7.5質量%を超えると、洗浄剤組成物使用後の乾燥時に、被毛にきしみ感を生じることがある。
なお、上記陰イオン性界面活性剤の市販原料は、該成分の水溶液の形で提供されていることがある。そのような場合も、陰イオン性界面活性剤の純分が上記配合量範囲となるように調整すればよい。例えば、市販原料が30%濃度の水溶液として提供されている場合、本発明の組成物における配合量は5〜25質量%となる。
【0021】
本発明に係る洗浄剤組成物には、上記成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲において、通常化粧品や医薬部外品の洗浄剤組成物に用いられる以下の成分を配合することができる。本発明の洗浄剤組成物は、上記必須成分であるイミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤及びPEG−1ラウリルグリコールに、上記好適成分及び/又は下記成分を適宜配合し、常法により調製することができる。
【0022】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0023】
色材としては、例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等の有機顔料、例えば、クロロフィル、β−カロチン等の天然色素等が挙げられる。
【0024】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0025】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分岐鎖アルコール(例えば、物ステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0026】
エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸−N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸−2−へプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−へプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0027】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等);アクリルシリコーン類等が挙げられる。
【0028】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0029】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース粉末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等);カチオン化セルロース;カチオン化グアガム;カチオン化デンプン;カチオン化フェヌクリークガム等が挙げられる。
【0030】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;ポリクオタニウム51;ポリクオタニウム−6;ポリクオタニウム−7;ポリクオタニウム−22;ポリクオタニウム−39;ポリクオタニウム−47;ポリクオタニウム−53等が挙げられる。
【0031】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0032】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);ケイ皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニルベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;2−メトキシ−2’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニル)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。
【0033】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0034】
多価アルコールとしては、例えば、2価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、エリトリトール、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POEテトラハイドロフルフリルアルコール;POPブチルエーテル;POP・POEブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POPグリセリンエーテル;POPグリセリンエーテルリン酸;POP・POEペンタエリスリトールエーテル;ポリグリセリン等が挙げられる。
【0035】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−プシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0036】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオース、ベルバスコース類糖が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0037】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸四ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム、エチドロン酸4ナトリウム等が挙げられる。
【0038】
酸化防止剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタホスフェート、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0039】
また、本発明に係る洗浄剤組成物には、前記した以外の各種界面活性剤を本発明の効果を損ねない範囲で配合してもよい。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸アトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン等);リン酸エステル塩(POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POEアルキルエーテルカルボン酸;POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0040】
親油性非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0041】
親水性非イオン性界面活性剤としては、例えば、POEソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等);POEグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等);POE脂肪酸エステル類(例えば、POEジステアレート、POEモノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POEアルキルエーテル類(例えば、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POPアルキルエーテル類(例えば、POE・POPセチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等);POEミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POEソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POEプロピレングリコール脂肪酸エステル;POEアルキルアミン;POE脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0042】
両性界面活性剤としては、例えば、アミドプロピルベタイン類(例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン等);アミドスルホベタイン類(ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン等);アミドアミンオキシド類(ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド等);カルボベタイン類(例えば、ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルメチルグリシン等)が挙げられる。
【0043】
その他の配合可能性分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);美白剤(例えば、ビタミンC誘導体、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);血行促進剤(ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸β−ブトキシエステル、ミノキシジル又はその類縁体、ビタミンE類、γ−オリザノール、アルコキシカルボニルピリジンN−オキシド、塩化カルプロニウム、及びアセチルコリン又はその誘導体等);各種抽出物(例えば、ショウガ、オウバク、オウレン、シコン、バーチ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキョウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、ボタン、海藻等);賦活剤(例えば、パンテニールエチルエーテル、ニコチン酸アミド、ビオチン、パントテン酸、ローヤルゼリー、コレステロール誘導体等);抗脂漏剤(例えば、ピリドキシン類、チアントール等)等が挙げられる。
【0044】
本発明に係る洗浄剤組成物は、ヒトの皮膚、毛髪等をはじめ、イヌやネコ等の動物の被毛洗浄にも用いることができきる。本発明の洗浄剤組成物の使用形態は特に制限されないが、例えば、白癬菌殺菌効果に基づく足用洗浄剤、カンジダ菌等の殺菌に基づく特定菌用洗浄剤、表皮由来菌殺菌効果に基づくデオドラント効果をもつボディー用洗浄剤、黄色ブドウ球菌や緑膿菌殺菌効果に基づくアトピー用洗浄剤、ハンドソープ、食器用洗浄剤、食品用洗浄剤等としての使用が考えられる。また、本発明の組成物は、動物の被毛に付着する菌にも広く有効であることから、特に動物用シャンプーとして好適に使用することができる。
また、本発明に係る洗浄剤組成物の剤形も特に限定されず、例えば、希釈して使用する濃縮タイプの洗浄剤組成物も本発明に包含される。
【実施例】
【0045】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に指定しない限り、数値は全て質量%を表す。
【0046】
下記表1に示す処方に従い、各試験例の洗浄剤組成物を常法により調製した。調製した各洗浄剤組成物は、下記試験方法により抗菌活性を評価した。結果を表1に示す。
<試験方法>
緑膿菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、カンジダ菌の各種菌液(2×10個/mL滅菌蒸留水)2mLと、各試験例の洗浄剤組成物2mLとを混合し、混合液の最終菌濃度を1×10個/mLとした。続いて、得られた混合液を室温暗所で15、30、60分間反応させた。前記反応後、各混合液を滅菌蒸留水で10倍に希釈し、その0.1mLを各培地に塗抹して培養した後、生菌数を測定した。培地及び培養条件は、細菌については標準寒天培地で30℃24時間とし、真菌についてはサブロー寒天培地で25℃48時間とした。
測定した生菌数に応じ、下記評価基準に従って各組成物の各菌種に対する抗菌抗カビ能を評価した。
【0047】
抗菌活性の評価基準
◎:15分までに生菌数がほぼ0になった。
○:60分までに生菌数の明らかな減少傾向が認められた(1/100)。
△:60分までに生菌数の緩やかな減少傾向が認められた(1/10)。
×:生菌数の減少が認められなかった。
【0048】
【表1】

*1:ソフタゾリンLHL−SF(川研ファインケミカル株式会社製)
*2:レボン2000SF(三洋化成工業株式会社製)
*3:ニューポールDDE−10(三洋化成工業株式会社製)
【0049】
表1に示すように、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤(N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルジアミンナトリウム水溶液)を配合した試験例1−1は、単独で緑膿菌及び大腸菌の殺菌に有効であったが、PEG−10ラウリルグリコールを配合した試験例1−2では、黄色ブドウ球菌以外の菌に対する殺菌効果は認められなかった。
ところが、イミダゾリニウムベタイン型界面活性剤と、単独ではほとんど殺菌効果の見られなかったPEG−10ラウリルグリコールとを併用した試験例1−3では、大腸菌及びカンジダ菌の殺菌効果の向上が認められた。
さらに、1,3−プロパンジオール及びプロピレングリコールを含む2価グリコールを配合した試験例1−4の組成物では、試験例1−3に比べて黄色ブドウ球菌の殺菌効果の向上が認められた。
一方で、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤を他の界面活性剤(ヤシ油脂肪酸アミドジメチルアミノ酢酸ベタイン液)とした試験例1−5では、すべての菌種で十分な殺菌効果は得られなかった。
以上のことから、本発明に係る組成物は、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤と、PEG−1ラウリルグリコールを併用することが好ましく、また、さらに抗菌活性を上げるため、2価グリコールの添加が好ましい。
【0050】
また、上記と同様の試験方法及び評価基準を用い、下記表2に示す処方の洗浄剤組成物についても抗菌活性を検討した。結果を表2に示す。
【表2】

*1:ソフタゾリンLHL−SF(川研ファインケミカル株式会社製)
*3:ニューポールDDE−10(三洋化成工業株式会社製)
*4:ST−STスーパー(日油株式会社製)
*5:アミソフトCK−22(味の素株式会社製)
*6:アミゾールCDE(川研ファインケミカル株式会社製)
【0051】
表2に示すように、表1で示した本発明の好適な成分構成に対し、洗浄成分としてヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウムを配合した場合、組成物の抗菌活性はほとんど影響を受けることはなく、必須成分の配合効果において表1と同様の傾向を示した(試験例2−1〜2−4)。なお、表2では、非イオン性界面活性剤であるヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドも配合したが、該成分による抗菌活性への影響も認められなかった。
また、殺菌効果を有する成分として、さらにヒノキチオールを配合した試験例2−5では、組成物の抗菌活性がより向上した(試験例2−5)。
したがって、本発明においては、組成物に抗菌活性に影響を与えず、且つ安全性の高い洗浄成分として、アシルメチルタウリン塩やアシルグルタミン酸塩等を使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤と、
下記一般式(I)で表されるPEG−1ラウリルグリコールと、
を含むことを特徴とする洗浄剤組成物。
【化1】

(上記式中、m及びnはそれぞれエチレンオキシドの付加モル数を表し、m+nの平均は1である。)
【請求項2】
さらに、殺菌効果を有する成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
上記一般式(I)で表されるPEG−1ラウリルグリコールの配合量が、0.5〜10質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
動物用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2013−49766(P2013−49766A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187912(P2011−187912)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【特許番号】特許第5086467号(P5086467)
【特許公報発行日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【出願人】(593170702)株式会社ピーアンドピーエフ (27)
【Fターム(参考)】