説明

洗浄剤組成物

【課題】毛髪や皮膚等の洗浄時、洗浄後の使用性に優れた洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(A)一般式RO(CHCHO)SOMで表される、Rは炭素数8〜16のアルキル基、Mはアルカリ金属等であり、エチレンオキサイドの平均付加モル数が0.5〜3の硫酸エステル塩であるアニオン界面活性剤、(B)一般式RCH(OH)CH(CH)(CH)−CHCH(OH)CHSOで表される、Rは炭素数6〜24のアルキル基を有するヒドロキシアルキル型両性界面活性剤、及び(C)炭素数8〜20の炭化水素基を有する脂肪酸アルカノールアミド型ノニオン界面活性剤を含有し、かつ(A):(B)=1:1〜30:1、((A)+(B)):(C)=1:1〜10:1の配合比であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の配合量の合計が組成物全体の5〜25質量%である洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物に関し、更に詳しくは、毛髪や皮膚等の洗浄時、洗浄後の使用性に優れた洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄剤組成物にはアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩、高級脂肪酸塩等のアニオン界面活性剤が用いられる。アニオン界面活性剤は優れた洗浄性を有するものの皮膚や毛髪の汚れのみならず必要以上の皮脂成分等を除去してしまい、感触面できしみ感やつっぱり感を生じ、また安全性の面で比較的刺激性が高いなどの欠点や起泡性には優れているが泡質が粗いなどの欠点がある。
【0003】
そこで、特許文献1には、石鹸にジメチル−2−ヒドロキシラウリルベタインを配合し、油共存下での起泡性を向上させた石鹸洗浄剤組成物が提案され、また、特許文献2には、アルキルグリセリルエーテルスルホネートと2−ヒドロキシアルキルベタイン界面活性剤とアミノ酸系アニオン界面活性剤を特定の割合で配合した泡立ちに優れ、かつ使用感の良好な洗浄剤組成物が提案され、特許文献3には、アルキルグリセリルエステルスルホネートと2−ヒドロキシアルキルベタイン界面活性剤とアミノ酸系アニオン界面活性剤及び/又は石鹸を特定の割合で配合した泡立ちに優れ、かつ使用感の良好な洗浄剤組成物が提案されているが、これらの提案では洗浄時に十分な起泡性や良好な泡質が得られなかったり、洗浄後にぬるつき、べたつき感が残ってしまい、さっぱり感が得られないなど十分満足できるものではなかった。
【0004】
【特許文献1】特開昭51−31708号公報(1−4頁)
【特許文献2】特開2003―105373号公報(1−7頁)
【特許文献3】特開2003―105373号公報(1−7頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、毛髪や皮膚等の洗浄時、洗浄後の使用性に優れた洗浄剤組成物を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、
(A)下記一般式(1)
【化1】

(Rは炭素数8〜16のアルキル基、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミン、nはエチレンオキサイドの平均付加モル数で0.5〜3の数を表す。)で表されるアニオン界面活性剤、
(B)下記一般式(2)
【化2】

(式中、Rは炭素数6〜24のアルキル基を表す。)で表されるヒドロキシアルキル型両性界面活性剤、及び
(C)炭素数8〜20の炭化水素基を有する脂肪酸アルカノールアミド型ノニオン界面活性剤
を(A):(B)=1:1〜30:1、((A)+(B)):(C)=1:1〜10:1の配合比で含有し、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の配合量の合計が組成物全体の5〜25質量%である洗浄剤組成物が、上記要件を満たすことを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明によれば(A)特定のアニオン界面活性剤と、(B)特定のヒドロキシアルキル型両性界面活性剤と、(C)特定のノニオン界面活性剤とを特定の配合比で含有する洗浄剤組成物が、洗浄時、洗浄後に良好な使用性を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の毛髪用組成物について詳述する。
本発明に使用される(A)成分の上記一般式(1)で表されるアニオン界面活性剤としては、エチレンオキサイドの平均付加モル数が0.5〜3モル、炭素数8〜16のアルキル基のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩で、特にエチレンオキサイドの平均付加モル数は1〜2モル、炭素数10〜16のアルキル基が好ましい。具体的には、エチレンオキサイド平均付加モル数が0.5〜3モルのポリオキシエチレンカプリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル硫酸塩等があり、塩の種類としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アンモニア等のアンモニウム類、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等が挙げられ、これらの中でも、エチレンオキサイド平均付加モル数が1モル或いは2モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(POE(平均1或いは2モル)ラウリルエーテル硫酸Na)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム(POE(平均1或いは2モル)ラウリルエーテル硫酸アンモニム)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン(POE(平均1或いは2モル)ラウリルエーテル硫酸TEA)が、特に好適に用いられる。本発明では、これらのアルキルエステル塩型界面活性剤の中から1種又は2種以上を任意に用いることができる。
【0009】
(A)成分の毛髪洗浄剤組成物中の配合量は、0.1〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、5〜20質量%が特に好ましい。(B)成分の配合量が少なすぎると洗髪時に十分な洗浄効果、泡立ちが得られず、多すぎても効果が向上せず好ましくない。
【0010】
本発明に使用される(B)成分のヒドロキシアルキル型両性界面活性剤は、1,2−エポキシアルカンとジメチルアミンから得られる3級アミン化合物を3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム等でベタイン化することで得ることができる。1,2−エポキシアルカンとしては、炭素数8〜20が好ましく、特に炭素数8〜14の炭素数が好ましい。1,2−エポキシアルカンの具体例としては、ダイセル化学工業(株)社製「AOEX」シリーズ、(株)アデカ社製「アデカエポキサイドC」シリーズ等を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
【0011】
(B)成分の洗浄剤組成物中の配合量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。(A)成分の配合量が少なすぎると洗浄時に十分な洗浄効果、泡立ち、洗浄後の感触(さっぱり感)が得られず、多すぎてもべたつくなど効果が向上せず好ましくない。
【0012】
本発明に使用される(C)炭素数8〜20の炭化水素基を有する脂肪酸アルカノールアミド型ノニオン界面活性剤は、脂肪酸、脂肪酸誘導体もしくは油脂とアルカノールアミンとの反応で合成することができる。反応に用いられる脂肪酸、脂肪酸誘導体、油脂の具体例としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヤシ油脂肪酸、或いはそれらのメチルエステル誘導体、又はヤシ油等が挙げられ、アルカノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、メチルエタノールアミン等が挙げられる。これらの反応生成物の中でも、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)、ミリスチン酸モノエタノールアミド(ミリタミドMEA)、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ラウリン酸ジエタノールアミド(ラウラミドDEA)、ミリスチン酸ジエタノールアミド(ミリタミドDEA)、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸イソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)、ミリスチン酸イソプロパノールアミド(ミリタミドMIPA)、ヤシ油脂肪酸イソプロパノールアミド(コカミドMIPA)、ラウリン酸メチルエタノールアミド(ラウラミドメチルMEA)、ミリスチン酸メチルエタノールアミド(ミリタミドメチルMEA)、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド(コカミドメチルMEA)が好適に用いられ、特に、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)が好適に用いられる。本発明では、これらのアルカノールアミド型ノニオン界面活性剤の中から1種又は2種以上を任意に用いることができる。
【0013】
(C)成分の毛髪洗浄剤組成物中の配合量は、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%が特に好ましい。(C)成分の配合目的は従来より、アニオン界面活性剤系シャンプーに増泡効果、増粘効果、低温安定性向上効果等を目的に配合されているが、本発明においても(C)成分の配合量が少なすぎても、多すぎても、目的の効果が十分得られず好ましくない。
【0014】
本発明に使用される(A)成分、(B)成分、(C)成分の配合比は(A):(B)=1:1〜1:30、((A)+(B)):(C)=1:1〜10:1であるが、(A):(B)=1:1〜1:20、((A)+(B)):(C)=1:1〜8:1が好ましく、(A):(B)=1:1〜15:1、((A)+(B)):(C)=1:1〜7:1がより好ましい。また、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の配合量の合計は組成物全体の5〜25質量%であるが、5〜20質量%が好ましく、8〜15質量%がより好ましい。(A)成分と(B)成分と(C)成分の配合比と配合量の合計が上記範囲外の場合、目的とする効果が十分得られない。
【0015】
更に、本発明の洗浄剤組成物には、(D)前記(A)成分以外の両性界面活性剤を配合することができ、具体的にはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウリルベタイン)、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ココベタイン)、ラウリル酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウラミドプロピルベタイン)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(コカミドプロピルベタイン)、パーム核脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン)、N−ラウロイル−N′−カルボキシメチル−N′−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(ラウロアンホ酢酸Na)、N−ココイル−N′−カルボキシメチル−N′−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(ココアンホ酢酸Na)、ラウリルジメチルアミノ酢酸ヒドロキシスルホベタイン(ラウリルヒドロキシスルタイン)、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ヒドロキシスルホベタイン(ココヒドロキシスルタイン)、ラウリル酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ヒドロキシスルホベタイン(ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ヒドロキシスルホベタイン(コカミドプロピルヒドロキシスルタイン)、パーム油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ヒドロキシスルホベタイン(パーム核脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルタイン)等が挙げられ、これらの中でもラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸Naが特に好適に用いられる。本発明では、これらの両性界面活性剤の中から1種又は2種以上を任意に用いることができる。
【0016】
(D)成分の洗浄剤組成物中の配合量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.3〜15質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。(D)成分の配合量が少なすぎると洗浄時に十分な泡立ちが得られず、多すぎてもべたつくなど効果が向上せず好ましくない。
【0017】
更に、本発明の洗浄剤組成物には、(E)成分のカチオン性ポリマーを配合することができ、具体的には、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化デンプン、カチオン化デキストラン、カチオン化ガラクトマンナン、ジアリル4級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリニウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/4級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミン共重合体等が挙げられ、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガムが特に好適に用いられる。本発明では、これらのカチオン性ポリマーの中から選ばれる1種以上を任意に用いることができる。
【0018】
(E)成分の配合量は0.01〜3質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。(E)成分の配合量が少なすぎると期待される効果が不十分となり、また多すぎても、べたつくなど感触が悪くなり好ましくない。
【0019】
本発明の洗浄剤組成物には、発明の効果を損なわない範囲で洗浄剤組成物に通常使用される成分を配合することができる。(A)成分以外のアニオン界面活性剤:具体的には、アシルグリシネート、アシルサルコシンネート、アシルアラニネート、アシルメチルアラニネート、アシルタウレート、アシルメチルタウレート、アシルグルタメート、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルエチルエステルスルホン酸塩等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0020】
非イオン界面活性剤:具体的には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコール類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、テトラポリオキシアルキレンエチレンジアミン縮合物類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド類、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンひまし油誘導体、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油誘導体、アルキルポリグリコシド等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0021】
ジメチコン/シリコーン誘導体:具体的にはジメチコン、ジメチコノール、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロペンタシロキサン等の環状ポリシロキサン、3次元網目構造を有するシリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノ変性シリコーン、脂肪酸変性ポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、脂肪族変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0022】
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子;ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等の保湿剤;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;エチレングリコール脂肪酸エステル等のパール化剤;dl-α-トコフェロール等の酸化防止剤;炭化水素類、動植物油脂類、ツバキ油、オリーブ油、アボガド油、ホホバ油等の動植物油脂類等;香料、キレート剤、酵素、アミノ酸、薬効剤、保湿成分、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、有機および無機粉体、色素、香料などを必要に応じて配合することができる。
【0023】
また本発明の洗浄剤組成物は酸又はアルカリでpH調整されるが、洗浄剤組成物のpHは感触、製品の安定性よりpH3〜8、特に5〜7に調整されるのが好ましい。皮膚洗浄剤の場合はpH8〜11、特に9〜11に調整されるのが好ましい。pHが8より低いと低温で脂肪酸塩が析出する場合があり、また11より高い場合は皮膚刺激が強くなる場合がある。
【0024】
本発明の洗浄剤組成物は、常法に従って製造可能で、例えば毛髪洗浄料、全身洗浄料、洗顔洗浄料、手洗い剤等の身体用洗浄剤とすることができる。
【実施例】
【0025】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、表1に本発明の両性界面活性剤a〜cを以下に示し、本発明の両性界面活性剤a〜cと比較化合物を用いて測定した泡立ち(速泡性、持続性)試験(試験方法1)、蛋白質変性試験(試験方法2)の試験方法1〜2を以下に示し、結果を表2に示した。また実施例1〜5及び比較例1〜10に示す毛髪洗浄剤組成物を常法により調製し、効果の測定を以下の試験方法3(毛髪洗浄剤組成物の使用感(洗浄時の泡立ち/泡質、指通り性、すすぎ時のきしみ感のなさ、洗浄後のパサツキ感のなさ))で実施し、表3、4に評価結果を示し、また実施例6〜10及び比較例11〜13に示す身体洗浄剤組成物を常法により調製し、効果の測定を以下の試験方法4(身体洗浄剤組成物の使用感(洗浄時の泡立ち、泡質、洗浄後のさっぱり感))で実施し、表5に身体洗浄剤組成物の評価結果を示した。含有量は質量%である。
【0026】
【表1】

【0027】
本実施例中で用いた試験方法は下記の通りである。
【0028】
試験方法1(泡立ち(速泡性、持続性)試験)
JISK3362−6.5(ロスマイルス氏法)に準拠し、それぞれ配合比:アニオン界面活性剤(POE(平均2モル)ラウリルエーテル硫酸Na)/両性界面活性剤=7/3(有効分)、濃度:0.25%(アニオン界面活性剤、両性界面活性剤の有効分より調整)、pH5.5〜6.0(クエン酸で調整)に試料溶液を調製し、直後の泡高(速泡性)及び5分間整地した後の泡高(持続性)を測定し、下記基準で評価した。(測定温度40℃)
(泡立ち(速泡性、持続性)試験の評価基準)
◎:直後の泡高230mm以上、5分後の泡高200mm以上
○:直後の泡高230mm以上、5分後の泡高190〜200mm未満
△:直後の泡高220〜230mm未満、5分後の泡高190〜200mm未満
×:直後の泡高220mm未満、5分後の泡高190mm未満
【0029】
試験方法2(蛋白質変性試験)
高速液体クロマトグラフ法(宮沢等;J.Soc.Cosmet.Chem.Japan,vol.18,No.2)に準拠し、卵白アルブミン0.025重量%濃度のpH7緩衝溶液を用いて、試料濃度10%、24時間後の蛋白質変性率を220nmの吸収ピークの高さを測定し、次式により蛋白質変性率を求め、下記基準で評価した。
蛋白質変性率(%)=[(HO−HS)/HO]×100
HO;試料未添加のときの吸収ピークの高さ
HS;試料を添加したときの吸収ピークの高さ
(蛋白質変性率試験の評価基準)
◎:蛋白質変性率25%未満
○:蛋白質変性率25%以上〜50%未満
△:蛋白質変性率50%以上〜75%未満
×:蛋白質変性率75%以上
【0030】
試験方法3(毛髪洗浄剤組成物の評価(洗浄時、洗浄後の使用感))
健康黒髪にブリーチ処理を30分行った損傷毛髪束(20g×20cm)用いて、毛髪洗浄剤1.0gを塗布し、30秒間泡立て、その後すすいでタオルドライ後ドライヤーで乾燥した時の洗浄時の使用感(泡立ち、泡質、指通り性)とすすぎ時の使用感(きしみ感のなさ)及び洗浄後の使用感(パサツキ感のなさ)を10名の専門パネラーにて、官能的に比較し、下記基準で評価した。
◎:良いと答えた人が9人以上の場合
○:良いと答えた人が6〜8人の場合
△:良いと答えた人が3〜5人の場合
×:良いと答えた人が2人以下の場合
【0031】
試験方法4(身体洗浄剤組成物の評価(洗浄時、洗浄後の使用感))
両手を水で濡らした後、皮膚洗浄剤組成物1mlを手に採って10秒間両手を擦り合わせた後、洗浄時の使用感(泡立ち、泡質)を、続けて、流水で手指に付いて泡や洗液をすすぎ流し、タオルドライ後、手肌の感触から洗浄後の使用感(さっぱり感)を10名の専門パネラーにて、官能的に下記基準で評価した。
◎・・・良いと答えた人が9人以上の場合
○・・・良いと答えた人が6〜8人の場合
△・・・良いと答えた人が3〜5人の場合
×・・・良いと答えた人が2人以下の場合
【0032】
【表2】

【0033】
【表3】

【0034】
【表4】

【0035】
【表5】

【0036】
実施例1〜10及び比較例1〜13より明らかなように、本発明の洗浄剤組成物は、毛髪洗浄剤組成物の洗浄時の使用感(泡立ち、泡質、指通り性)とすすぎ時の使用感(きしみ感のなさ)、洗浄後の使用感(パサツキ感のなさ)と皮膚用洗浄剤組成物の洗浄時の使用感(泡立ち、泡質)、洗浄後の使用感(さっぱり感)で良好な性能を示した。
【0037】
上述のとおり、本発明は、泡立ち(速泡性、持続性)、蛋白質変性に優れた両性界面活性剤を用い、毛髪や皮膚に良好な洗浄時、洗浄後の使用感を付与する効果に優れた洗浄剤組成物を提供する事が出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(1)
【化1】

(Rは炭素数8〜16のアルキル基、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミン、nはエチレンオキサイドの平均付加モル数で0.5〜3の数を表す。)で表されるアニオン界面活性剤、
(B)下記一般式(2)
【化2】

(式中、Rは炭素数6〜24のアルキル基を表す。)で表されるヒドロキシアルキル型両性界面活性剤、及び
(C)炭素数8〜20の炭化水素基を有する脂肪酸アルカノールアミド型ノニオン界面活性剤
を(A):(B)=1:1〜30:1、((A)+(B)):(C)=1:1〜10:1の配合比で含有し、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の配合量の合計が組成物全体の5〜25質量%である洗浄剤組成物。
【請求項2】
更に、(D)一般式(2)で表される化合物以外の両性界面活性剤を含有する請求項1記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
更に、(E)カチオン性ポリマーを0.01〜3質量%配合してなる請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2013−87157(P2013−87157A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227223(P2011−227223)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000221797)東邦化学工業株式会社 (188)
【Fターム(参考)】