説明

洗浄剤組成物

N−アシル基の分子構造が共通である、N−アシルアスパラギン酸またはその塩と、N−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩、および、前記Nアシル残基と共通のアルキル基を有する高級脂肪酸又はその塩を組み合わせて配合することを特徴とする、クリーミーな泡立ち、優れた洗浄力を有し、洗い流した後の肌のつっぱり感もなく、さっぱりした肌の感触のが得られ、かつ、保存安定性にも優れ、長期保存期間中にも、物性の低下、析出物の生成、黄変が見られない洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体に対して使用する洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄剤組成物の界面活性剤としてアルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸塩等が使用されてきた。しかし、手肌に対する刺激性に問題があり、よりマイルドな原料が望まれている。近年、手肌にマイルドで安全性が高く、生分解性も良い界面活性剤として、N−アシルグルタミン酸塩等のアミノ酸系界面活性剤が注目されている。
【0003】
しかしながら、N−アシルグルタミン酸塩は、泡立ちが弱く、洗い流した後にぬるつき、べとつきを感じることが多い。また、高級脂肪酸塩を主成分として含有するアルカリ性の洗浄剤組成物はさっぱりとした感触が得られるものの、使用後肌がつっぱるといった使用感において問題があった。
【0004】
これらの問題を解決するために、特開平2−268114(特許文献1)で、N−アシルアスパラギン酸塩の中和塩を規定することによってぬめり感と泡立ちを改善しようとしているが、本発明者が検討したところ、そのさっぱり感はなお不十分であり、使用後肌のつっぱり感の改善はまだ不十分であった。特開平10−121091(特許文献2)では、ジペプチド部分が酸性アミノ酸から構成されるN−長鎖アシルジペプチド塩とN−長鎖アシル酸性アミノ酸塩を含有する洗浄剤組成物は、低刺激性・耐硬水性・使用感に優れていることが開示されているが、さっぱり感に関する記述はなく、本発明者が検討したところ、そのさっぱり感は不十分であり、泡立ちもなお不十分であった。特開2003−183152(特許文献3)では、N−アシル酸性アミノ酸塩、スルホコハク酸型界面活性剤、高級脂肪酸塩、ポリエチレングリコールを含有するクリーム状皮膚洗浄剤組成物は、泡立ち・泡質に優れ、且つ使用感に優れていることが開示されているが、そのさっぱり感及び泡立ちはなお不十分である。特開2003−171687(特許文献4)では共通のアシル基又はアルキルカルボニル基を有する、N−アシルグルタミン酸及びその塩、N−アシルジグルタミン酸及びその塩、並びに遊離脂肪酸及びその塩を含有する洗浄剤組成物は低温安定性・及びクリーム保型性に優れていることが開示されているが、そのさっぱり感及び泡立ちは十分ではなく、使用後にぬめり感を有するものであった。
【0005】
また、特開平2−268113(特許文献5)では、アミノ酸系界面活性剤の中でもN−アシルアスパラギン酸またはその塩を基材とする洗浄剤はN−アシルグルタミン酸塩を用いた物に比べて、起泡力が良好で、且つさっぱりした感触が得られ、すすぎ性が良いという性能上の利点を有することが報告されている。しかしながら、本研究者らの研究によると、この洗浄剤は25℃において長期間保存された場合、起泡力の低下、洗浄力の低下、さっぱり感の消失、洗浄後におけるつっぱり感の増加等の性能低下の問題が生ずることが分かった。
【0006】
これらの問題を解決するために、特開平4−364112(特許文献6)では、N−(2−ヒドロキシアルキル)酸性アミノ酸を含有する水性液体洗浄剤組成物が開示されているが、さっぱり感に関する記述はなく本発明者が検討したところ、さっぱりした感触が得られず、使用後肌のつっぱり感の強いものであった。また特開平5−070794(特許文献7)では、N−アシルアスパラギン酸トリエタノールアミン塩水溶液のpHを規定することで保存安定性を改善しようとしているが、本発明者が検討したところ、保存安定性を改善する効果はなく、また使用後肌のつっぱり感の強いものであった。さらに、特開平4−180999(特許文献8)ではN−アシルアスパラギン酸とエタノールアミンのモル比を規定することで保存安定性を改善しようとしているが、本研究者ら検討したところ、泡立ちに乏しく、十分なさっぱり感が得られない物であった。
【0007】
さらには、これまで、N−長鎖アシルアミノ酸塩として特にナトリウム塩、カリウム塩を使用する場合には、該N−長鎖アシルアミノ酸塩水溶液を低温下に貯蔵した場合等に不溶物が析出することが多かった。また、N−長鎖アシルアミノ酸塩およびその水溶液を高温下に貯蔵した場合、N−長鎖アシルアミノ酸塩およびその水溶液が黄色く変色することが多かった。これらを最終製品に配合する際に再溶解やろ過したりする手間を要したり、また最終製品が黄色く着色するといった問題点があった。このような経緯から、低温・高温安定性に優れたN−長鎖アシルアミノ酸塩およびその水溶液が求められていた。
【0008】
低温安定性を改良するために例えば特開2001−131129(特許文献9)ではN−長鎖アシルアミノ酸塩と炭素数12以上の親水性物質を組み合わせることで、低温安定性が改良されていることが開示されている。本研究者らが検討したところ、低温安定性の改善は顕著であるが、50℃での安定性を評価してみたところ、約1ヵ月後で黄変が起こり高温安定性を満足させるものではなかった。また、特開平9−78085(特許文献10)ではグリシン誘導体と金属キレート剤と抗酸化剤を組み合わせることで高温での安定性の改善を図っているが、本研究者らが検討したところ、0℃で析出がおこり、低温安定性を満足させるものではなかった。
【特許文献1】特開平2−268114号公報
【特許文献2】特開平10−121091号公報
【特許文献3】特開2003−183152号公報
【特許文献4】特開2003−171687号公報
【特許文献5】特開平2−268113号公報
【特許文献6】特開平4−364112号公報
【特許文献7】特開平5−070794号公報
【特許文献8】特開平4−180999号公報
【特許文献9】特開2001−131129号公報
【特許文献10】特開平9−78085号公報
【発明の開示】
【0009】
本発明は、クリーミーな泡立ちを有し、泡立ちに優れ、優れた洗浄力を示し、且つ洗い流した後にさっぱりした感触が得られ、洗浄後の肌のつっぱり感がなく使用感に優れており、しかも25℃、酸性条件下での長期保存が可能で、長期保存の後pHを弱酸性に戻した時にも、上記全ての性能が再現し、特に、長期保存前と同等の高起泡力性を示す洗浄剤組成物であって、さらに、水溶液状態で低温でも析出物を生ぜず、また水溶液状態および固体状態で高温において黄色着色性の殆どない洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、N−アシル基のアルキル基分子構造が共通である、N−アシルアスパラギン酸またはその塩と、N−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩、および、前記N−アシル基と共通のアルキル基を有する高級脂肪酸又はその塩を組み合わせて配合することにより、上記課題を解決した、洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち、本発明の以下の1〜30の発明を含むものである。
1.一般式(1)で表される成分(A)、一般式(2)または(3)で表される成分(B)、及び一般式(4)で表される成分(C)からなる洗浄剤組成物。
【0012】
(A)N−アシルアスパラギン酸またはその塩
【0013】
【化1】

【0014】
(Rは炭素数7〜23のアルキル基を示す。M及びMは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムまたは塩基性アミノ酸を示す。)
(B)N−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩
【0015】
【化2】

【0016】
(Rは一般式(1)において具体的に特定されたものと同一のアルキル基を示す。M及びM及びMは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムまたは塩基性アミノ酸を示す。)
【0017】
【化3】

【0018】
(Rは一般式(2)に同じ。M及びM及びMは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムまたは塩基性アミノ酸を示す。)
(C)高級脂肪酸またはその塩
【0019】
【化4】

【0020】
(Rは一般式(2)に同じ。Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムまたは塩基性アミノ酸を示す。)
2.成分(B)が、一般式(2)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩、および一般式(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩からなる発明1の洗浄剤組成物。
3.一般式(2)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩と一般式(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩の重量比が1:3〜3:1である発明2の洗浄剤組成物。
4.成分(B)の量が成分(A)と(B)の合計量に対して0.1〜15質量%であり、かつ、成分(C)の量が成分(A)と(C)の合計量に対して0.1〜15質量%である発明3の洗浄剤組成物。
5.成分(B)の量が成分(A)と(B)の合計量に対して0.1〜8質量%であり、かつ、成分(C)の量が成分(A)と(C)の合計量に対して0.1〜10質量%である発明4の洗浄剤組成物。
6.pHが5.0〜7.0である発明1〜5いずれかの洗浄剤組成物。
7.成分(A)におけるRの炭素数が、9〜17である発明1〜6いずれかの洗浄剤組成物。
8.一般式(1)〜(4)における、M〜Mが、水素原子、ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウム、または、トリエタノールアンモニウムから選ばれる1種または2種以上である発明1〜7いずれかの洗浄剤組成物。
9.一般式(1)〜(4)における、M〜Mが、水素原子の他は、ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウム、または、トリエタノールアンモニウムから選ばれる1種のみである発明8の洗浄剤組成物。
10.一般式(1)〜(4)における、M〜Mが、水素原子とナトリウムのみから選ばれる発明9の洗浄剤組成物。
11.一般式(1)で表される成分(A)からなり、50℃で30日間保存した後の起泡力の低下が20%以下である洗浄剤組成物。
12.50℃で30日間保存した後の成分(A)に対する遊離脂肪酸の含有率の上昇が15質量%以下である発明11の洗浄剤組成物。
13.さらに、成分Bからなり、その成分Bが、一般式(2)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩、および一般式(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩からなる発明11、12いずれかの洗浄剤組成物。
14.一般式(2)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩と一般式(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩の重量比が1:3〜3:1である発明13の洗浄剤組成物。
15.成分(B)の量が成分(A)と(B)の合計量に対して0.1〜15質量%である請求項13、14いずれかの洗浄剤組成物。
16.さらに、一般式(4)で表される成分(C)からなる発明11〜15いずれかの洗浄剤組成物。
17.成分(C)の量が成分(A)と(C)の合計量に対して0.1〜15質量%である発明16の洗浄剤組成物。
18.pHが4.5〜6.0である発明11〜17いずれかの洗浄剤組成物。
19.成分(D)が、無機塩か有機酸アルカリ金属塩から選ばれる1種または2種以上からなり、かつ、成分(A)に対して、0.01質量%〜50質量%である発明11〜18いずれかの洗浄剤組成物。
20.N−アシルアスパラギン酸またはその塩をpH6.0以上に調整し、その後pH4.5〜6.0に調整し、且つ、そのときのpHの最高値と最終値の差が0.5以上とする工程を含む工程により調製されたN−アシルアスパラギン酸またはその塩を成分(A)として用いる、発明1の洗浄剤組成物の製造方法。
21.pHが6.6〜10の範囲で中和されている一般式(1)で表される成分(A)を含有し、50℃で30日間保存した後も、その弱酸性領域での起泡力の低下が10%以下であり、かつ波長430nmの可視光透過率の測定値の低下が10%以下であることを特徴とする洗浄剤組成物。
22.一般式(1)で表される成分(A)、一般式(2)または(3)で表される成分(B)、及び一般式(4)で表される成分(C)からなる発明21の洗浄剤組成物。
23.成分(B)が、一般式(2)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩、および一般式(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩からなる発明22の洗浄剤組成物。
24.一般式(2)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩と一般式(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩の重量比が1:3〜3:1である発明23の洗浄剤組成物。
25.成分(B)の量が成分(A)と(B)の合計量に対して0.1〜15質量%であり、かつ、成分(C)の量が成分(A)と(C)の合計量に対して0.1〜15質量%である発明22〜24いずれかの洗浄剤組成物。
26.一般式(1)におけるアルキル基の炭素数が11である成分(A)が成分(A)全体の50mol%以上である発明21〜25いずれかの洗浄剤組成物。
27.一般式(1)における、M〜Mが、水素原子の他は、アルカリ金属塩である発明21〜26いずれかの洗浄剤組成物。
28.一般式(1)における、M〜Mが、水素原子の他は、ナトリウムである発明27の洗浄剤組成物。
29.リンを0.005質量部〜0.3質量部含有する発明1〜28いずれかの洗浄剤組成物。
30.有機リンを0.005質量部〜0.08質量部含有する発明1〜28いずれかの洗浄剤組成物。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明について、以下具体的に説明する。
【0022】
本発明の洗浄剤組成物の成分(A)は、前記一般式(1)で表されるN−アシルアスパラギン酸またはその塩で、そのアミノ酸部分の光学活性に関しては、L体、D体、DL体のいずれであってもよい。
【0023】
本発明の洗浄剤組成物の成分(B)は、前記一般式(2)または(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩で、そのアミノ酸部分の光学活性に関しては、L体、D体、DL体のいずれであってもよい。成分(B)における前記一般式(2)で表されるN−アシルジアスパラギン酸またはその塩と一般式(3)で表されるN−アシルジアスパラギン酸またはその塩との質量比は、特に制限されないが、好ましくは両者が存在し、さらに好ましくは質量比が1:3〜3:1で、このときに最も高い起泡性を示す。成分(B)の洗浄剤組成物における割合は、特に制限されないが、成分(A)と(B)の合計量に対して0.1〜15質量%であることが好ましい。0.1質量%未満の場合、組成物に含まれる添加剤によっては、洗浄後のさっぱり感を十分に得られず、15質量%より多い場合は、組成物に含まれる添加剤によっては、泡立ちが低下する場合があり、原料費等のコスト的にも不利になってしまう。さらに好ましくは0.1〜8質量%である。
【0024】
本発明の洗浄剤組成物の成分(C)は、一般式(4)で表される高級脂肪酸またはその塩で、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、パルミトン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、オキシステアリン酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等の高級脂肪酸、そしてそれらの塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、アミノメチルプロパノール塩、リジン塩、アルギニン塩等が挙げられる。塩の配合に代えて、高級脂肪酸と塩基をそれぞれに別個に配合することにより、結果として系内に塩を形成することもできる。これら高級脂肪酸またはその塩は単独で用いても2種以上の混合物として用いてもよい。その組成物における割合は、特に制限されないが、成分(A)と(C)の合計量に対して好ましくは0.1〜15質量%である。組成物に含まれる添加剤によっては、0.1質量%未満の場合、洗浄後のさっぱり感を十分に得られず、15質量%より多い場合は、泡立ちが十分でなく、洗浄後につっぱり感が出てくる場合がある。さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
【0025】
本発明においては、成分(A)および成分(B)のN−アシル基、および成分(C)は、すべて同一のアルキル基を有する。これら3成分の有するアルキル基がすべて同一のものでない場合は、洗浄剤の泡立ちが低下し、洗浄後につっぱり感が出てくる場合がある。
【0026】
成分(A)のN−アシル基に含まれるアルキル基の炭素数は7〜23が好ましい。炭素数が7未満の場合、あるいは23より多い場合、組成物に含まれる添加剤によっては、起泡力が低下する場合がある。より好ましくは9〜17であり、さらに好ましくはアルキル基の炭素数が11である成分(A)が成分(A)全体の50mol%以上である場合である。
【0027】
本発明の洗浄剤組成物は、比較的広範囲のpH領域で、製造および使用することができるが、好ましくは、そのpHが4.5〜7.0の範囲に調整されていることが好ましい。組成物に含まれる添加剤によっては、pHが4.5未満の場合、泡立ちが低下し、7.0より大きい場合も泡立ちが低下する場合がある。さらに好ましくは5.0〜6.5である。
【0028】
本発明の洗浄剤組成物には、成分(D)として、無機塩、有機酸アルカリ金属塩から選ばれる1種または2種以上を含むこともできる。その無機塩としては塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム等が挙げられ、またピ有機酸アルカリ塩としてはピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、アジピン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウムなどが挙げられる。その配合量としては成分(A)に対して好ましくは0.01質量%〜50質量%である。組成物に含まれる添加剤によっては、0.01質量%未満の場合、25℃での保存安定性を損なう場合があり、50質量%以上の場合は泡立ちが劣る場合がある。より好ましくは0.01質量%〜30質量%である。
【0029】
本発明の洗浄剤は、50℃で30日間保存した後の起泡力の低下が20%以下であることが好ましい。一例としては、特殊な条件下で処理した成分(A)を原料として、調製された、本発明の洗浄剤組成物を挙げることができる。すなわち、成分(A)として、N−アシルアスパラギン酸塩のpHを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化マグネシウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等で好ましくはpH6.0以上、さらに好ましくはpH7.0以上に調製し、その後塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸等でpH4.5〜6.0に調製し、かつ、その間のpHの最高値と最終値の差が0.5以上としたものを用いることができる。この製造例で、pHを6.0以上に上昇させない場合、50℃で30日間保存した後の起泡力の低下が20%以下にならない場合があり、その後pHを低下させた際にpH4.5〜6.0に調製しない場合、泡立ちが劣る場合がある。また、pHの最高値と最終値の差が0.5未満の場合、洗浄剤の十分な保存安定性が得られない場合がある。
【0030】
なお、ここでいう、起泡力とは、オステライザー法により、濃度0.33%の液体試料300gを測定したときに得られる測定値のことであり、50℃で30日間保存した後の起泡力の低下が20%以下とは、この測定値の低下が20%以下であることをいう。
【0031】
本発明における洗浄剤組成物は、50℃で30日間保存した後の、遊離脂肪酸の含有率の増加が成分(A)に対して15質量%以下であることが好ましい。
【0032】
ここで、遊離脂肪酸とは、成分(A)が加水分解した際に生成する生成物であり、例えば、成分(A)がラウロイルアスパラギン酸ナトリウムの場合、成分(A)が加水分解してできる遊離脂肪酸はラウリン酸である。
【0033】
一般的に、成分(A)を含有する洗浄剤組成物においては、加熱状態で長期間保存中に成分(A)の加水分解が進行し、遊離脂肪酸の含有率が上昇する傾向にあるが、この含有率上昇を、成分(A)に対して、15重量%以下に抑制することができれば優れた泡立ちが得られ、好ましい。より好ましくは、10重量%以下であり、さらに好ましくは、8重量%以下である。
【0034】
遊離脂肪酸含有率の上昇を、成分(A)に対して15重量%以下に抑えるための方法の一例としては、特殊な条件下で処理した成分(A)を原料として、本発明の洗浄剤組成物を調製することが挙げられる。すなわち、成分(A)として、N−アシルアスパラギン酸塩の水溶液pHを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化マグネシウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等でpH6.0以上、好ましくはpH7.0以上に調整し、その後塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸等でpH4.5〜6.0に調整し、かつ、その間のpHの最高値と最終値の差を0.5以上としたものを用いることができる。
【0035】
また、本発明の洗浄剤組成物を液体状で保存しておく時のpHは、6.5より大きく、10以下であることが好ましい。pHが6.5以下であると、50℃で30日間保存した後の起泡力の低下が10%より大きく、またpHが10を超えると、50℃で30日間保存した後の起泡力の低下は少ないが、液体の黄色着色が顕著に認められる。特に、pHが7.0〜9.0の範囲であれば、50℃で30日間保存した後の起泡力の低下がより少なくてすみ、また黄色着色も起こりにくく、より好ましい。ここでいう、黄色着色は、分光光度計を用いた波長430nmの可視光透過率の減少度で測定されるものである。
【0036】
本発明におけるリンはリン酸や亜リン酸、リン酸ナトリウム、ポリリン酸塩類、メタリン酸塩類、レシチン類、フィチン酸またはその塩類、リン酸アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸エステル、ラウリルリン酸ナトリウム、ミリスチルリン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸リン酸ナトリウムなどのアルキルリン酸およびその塩、ミリスチルリン酸トリエタノールアミンエーテルなどのアルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル、ポリオキシエチレンラウリンエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸およびその塩、ホスホン酸等のリン化合物である有機リンを共に含む。リンの含有量は、特に制限されないが、0.005質量%〜0.3質量%の範囲内であればどの濃度でもかまわない。リン含有量が0.005質量%未満の場合、高温での保存において黄色く着色する場合があり、0.3質量%超の場合、低温において白濁もしくは析出する場合がある。より好ましくは0.005質量%〜0.08質量%、さらに好ましくは0.05質量%〜0.08質量%である。
【0037】
本発明における有機リンの含有量は、特に制限されないが、0.005質量%〜0.08質量%の範囲内であればどの濃度でもかまわないが、好ましくは0.005質量%〜0.05質量%である。有機リン含有量が0.005質量%未満の場合、高温での保存において黄色く着色する場合があり、0.08質量%超の場合、低温において白濁もしくは析出する場合がある。より好ましくは0.01質量%〜0.05質量%である。
ここで言う有機リン含量は、洗浄剤を硫酸酸性下でをジエチルエーテル/蒸留水中に加えて分画した時のジエチルエーテルへの可溶分に含まれるリン含量のことをいう。
【0038】
上記、リンおよび有機リン含有量の調整は、本発明の成分(A)または(B)を製造工程において、所定のリン含有量の原料を用いる、あるいは、工程の温度を制御することにより、行うことができる。
【0039】
本発明の洗浄剤組成物には、その効果を損なわない範囲において、通常、化粧料として用いられる各種成分を、その目的に応じて適宜、配合することができる。
【0040】
例えば、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ラウロイルルジン、二酸化チタン、二酸化亜鉛等の粉末成分;ホホバ油、マカデミアナッツ油、アボガド油、月見草油、ミンク油、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、トーモロコシ油、カカオ油、ヤシ油、コメヌカ油、オリーブ油、アーモンド油、ごま油、サフラワー油、大豆油、椿油、パーシック油、ヒマシ油、ミンク油、綿実油、モクロウ、パーム油、パーム核油、卵黄油、ラノリン、スクワレン等の天然動植物油脂類;
合成ドリグリセライド;スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、インパラフィン等の炭化水素類;
カルナバルロウ、パラフィンワックス、鯨ロウ、ミツロウ、キャンデリラワックス、ラノリン等のワックス類、
セタノール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレオイルアルコール、ペヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水系ラノリンアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等の高級アルコール類;
コレステリル−オクチルドデシル−ペヘニル等のコレステロールおよびその誘導体;イソプロピルミリスチン酸、イソプロピルパルミチン酸、イソプロピルステアリン酸、2エチルヘキサン酸グリセロール、ブチルステアリン酸等のエステル類;
ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリトリトールエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、リノール酸エチル等の極性オイル、
その他アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、カルピノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、片末端反応性シリコーン、異種官能基変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、親水性特殊変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸含有シリコーン、フッ素変性シリコーン等、より具体的にはシリコン樹脂、メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、ステアロキシメチルポリシロキサン、セトキシメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサンエマルション、高重合メチルポリシロキサン(1)および(2)、トリメチルシロキシケイ酸、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン(2)等の各種誘導体を含むシリコーン類;
パラアミノ安息香酸およびその誘導体、ホモメチル−7N−アセチルアラントイラニレート、ブチルメトキシベンゾイルメタン、ジパラメトキシケイ皮酸−モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、オクチルシンナメート等のパラメトキシケイ皮酸誘導体、アミルサリシレート等のサリチル誘導体、2、4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオン酸エチルヘキシル、酢酸液状ラノリン、コガネバナ根抽出エキス、トリアニリノ−p−カルボエチルヘキシルオキシ−トリアジン等の紫外線吸収剤;
アルブチン、コウジ酸、などのアスコルビン酸およびその誘導体、グルタチオン、甘草エキス、チョウジエキス、茶抽出物、アスタキサンチン、牛胎盤エキス、トコフェノールおよびその誘導体、トラネキサム酸およびその塩、アズレン、γ−ヒドロキシ酪酸等の美白成分;
マルチトール、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリコール等の多価アルコール、ヒアルロン酸ソーダなどヒアルロンおよびその塩、酵母および酵母抽出液の加水分解物、酵母培養液、乳酸菌培養液などの醗酵代謝産物、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、セリシン等の水溶性蛋白、コラーゲン加水分解物、カゼイン加水分解物、シルク加水分解物、ポリアスパラギン酸ナトリウム等のペプチド類およびその塩、トレハロース、キシロビオース、マルトース、蔗糖、ラフィノース、ブドウ糖、植物性粘質多糖等の糖質・多糖類およびその誘導体、水溶性キチン、キトサン、ペクチン、コンドロイチン硫酸およびその塩糖のグリコサミノグリカンおよびその塩、グリシン、セリン、スレオニン、アラニン、アスパラギン酸、チロシン、バリン、ロイシン、アルギニン、グルタミン、プロリン酸等のアミノ酸、アミノカルボニル反応物等の糖アミノ酸化合物、アロエ、マロニエ等の植物抽出液、トリメチルグリシン、尿素、アンモニア、ラノリン、スクワラン、スクワレン、グルコサミン、クレアチニン、DNA、RNA等の核酸関連物質等の保湿剤;
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アラピアガム、キサンタンガム、グアーガム、ローカストピンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、ペクチン、マンナン、デンプン、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、両性メタクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、シリコーンレジン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド等のポリオキシエチレン脂肪酸エステルメチルグリコシド、テトラデセンスルホン酸等のα−オレフィンスルホン酸等の増粘剤;
エチレンジアミン四酢酸およびその塩類、ヒドロキシエチレンジアミン3酢酸およびその塩類、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、などの金属イオン封鎖剤;
エタノール、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール等の有機溶剤、ブチルヒドロキトルエン、トコフェロール等の酸化防止剤;
安息香酸およびその塩、サリチル酸およびその塩、ソルビン酸およびその塩、パラオキシ安息香酸アルキルエステル(エチルパラベン、ブチルパラベン等)およびその塩、デヒドロ酢酸およびその塩類、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、ホウ酸、レゾルシン、トリブロムサラン、オルトフェニルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、チラム、感光素201号、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニド、酢酸トコフェノール、ジンクピリチオン、ヒノキチオール、フェノール、イソプロピルメチルフェノール、2、4、4−トリクロロ−2−ヒドロキシフェノール、ヘキサクロロフェン等の抗菌・防腐剤;
クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、アジピン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、マレイン酸、グリコール酸、フマル酸等の有機酸;
ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体等のビタミンB類;
アルコルビン酸、アスコルビン酸硫酸エステル等のビタミンC類;αトコフェロール、βトコフェロール、γトコフェロール等のビタミンE類;
ビタミンD類、ビタミンH、パンテトン酸等のビタミン類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸およびその誘導体、グリチルリチン酸塩およびその誘導体、グリチルレチン酸塩およびその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモールイノシトール、サポニン類(キラヤサポニン、アズキサポニン、ヘチマサポニン等)トラネキサム酸、パントテルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、セファランジン、プラセンタエキス、センブリエキス、セファランチン、ビタミンEおよびその誘導体、ガンマ−オリザノールなどの血行促進剤、トウガラシチンキ、ショオウキョウチンキ、カンタリスチンキ、ニコチン酸ベンジルエステルなどの局所刺激剤、ビタミンA類、ビタミンB類、ビタミンD類、ビタミンE、パントテン酸、ビタミンHなどの各種ビタミンやアミノ酸などの栄養剤、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾンなどの抗炎症剤、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸などの収斂剤、メントール、カンフルなどの清涼剤、抗ヒスタミン剤、高分子シリコーン、環状シリコーン等のシリコン系物質、トコフェロール類、BHA(ブチルヒドトキシアニソール)、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、没食子酸、NDGA(ノルジヒドログアヤレチック酸)などの酸化防止剤等の各種薬剤;
サッカロマイセスなどの酵母、糸状菌、バクテリア、牛胎盤、人胎盤、人臍帯、酵母、牛コラーゲン、牛乳由来蛋白、小麦、大豆、牛血液、ブタ血液、鶏冠、カミツレ、キュウリ、コメ、シアバター、シラカバ、茶、トマト、ニンニク、ハマメリス、バラ、ヘチマ、ホップ、モモ、アンズ、レモン、キウイ、ドクダミ、トウガラシ、クララ、ギシギシ、コウホネ、セージ、ノコギリ草、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、アロエベラ、オウゴン、オウバク、コウカ、ベニバナ、サンシン、シコン、タイソウ、チンピ、ニンジン、ヨクイニン、ハトムギ、クチナシ、サワラ等の動植物・微生物およびその一部から有機溶媒、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコール等で抽出または加水分解して得た天然エキス;色素;
モノラウリン酸ソルビタン、セスキオレイ酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、モノラウリン酸POE(ポリオキシエチレン)ソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、トリステアリン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノイソステアリン酸POEソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレングリコールモノラウリン酸、ポリエチレングリコールモノステアリン酸、ポリエチレングリコールモノオレイン酸、ポリエチレングリコールジステアリン酸、ポリエチレングリコールジオレイン酸、ポリエチレングリコールジイソステアリン酸等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;
モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリグリコールジエステル、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウロイルモノエタノールアミド、ミリストイルモノエタノールアミド、ラウロイルジエタノールアマイド、ヤシ油脂肪酸エタノールアマイド、ラウロイルイソプロパノールアマイド、ミリストイルイソプロパノールアマイド、ヤシ油脂肪酸イソプロパノールアマイド等の脂肪酸アルカノールアマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、シュガーエステル等の糖誘導体;
ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸プロピレングリコール、自己乳化型モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;
モノステアリン酸POEグリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ヘキサステアリン酸POEソルビット、テトラステアリン酸POEソルビット、テトラオレイン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、POEオクチルフェノールエーテル、POEノニルフェノールエーテル、POEクロロフェノールエーテル、ポリエチレングリコール等の非イオン界面活性剤;
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ヤシ油アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド等のアルキルアンモニウム塩、ラノリン誘導第4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ラウリルアミンオキシド、ヤシ油アルキルアミンオキシド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド等のカチオン界面活性剤;
ラウリン酸リジン、ミリスチン酸リジン、ヤシ油脂肪酸リジン、パーム核油脂肪酸リジン、ラウリン酸アルギニン、ミリスチン酸アルギニン、ヤシ油脂肪酸アルギニン、パーム核油脂肪酸アルギニン、脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸カリウム等のアルキル硫酸エステルおよびその塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミンエーテル、ヤシ油脂肪酸アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテルなどのアルキル硫酸トリエタノールアミンエーテルおよびその塩、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ミリスチルスルホン酸ナトリウム、ヤシ油アルキルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸およびその塩、ドデセンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ドデセンスルホン酸カリウム、デトラデセンスルホン酸カリウムなどのα−オレフィンスルホン酸およびその塩、リニアドデシルベンゼン硫酸およびその塩などの直鎖および分岐鎖アルキルベンゼン硫酸およびその塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸およびその塩などの直鎖および分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸およびその塩、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンカリウム、ミリストイルメチルタウリンカリウム、ヤシ油脂肪酸アシルメチルタウリンカリウム、ラウロイルメチルタウリントリエタノールアミン、ミリストイルメチルタウリントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アシルメチルタウリントリエタンールアミンなどのアシルメチルタウリンおよびその塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸およびその塩、カルボキシル化ポリオキシエチレントリデシルエーテルナトリウム塩、などのエーテルカルボン酸およびその塩、ラウロイルセチオン酸、ミリストイルセチオン酸、ヤシ油脂肪酸アシルイセチオン酸等のアニオン界面活性剤;
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルソジウムカルボキシメチルカルボキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルベタイン等のアルキルベタイン、ビス(ステアリルヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体等の両性活性剤;
ラノリン、コレステロール、サポニン等の天然界面活性剤;
アルギン酸ナトリウム、澱粉誘導体、トラガントゴム等の高分子界面活性;香料;精製水等を配合することができる。
【実施例】
【0041】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲及びその実施態様はこれに限定されるものではない。以下、実施例および比較例でえられた洗浄剤組成物の諸物性の測定手法を記載する。
<起泡力の測定>
試料洗浄剤組成物を3.3g、精製水296.7gを、ミキサー(商品名;MX−V1000、National製)に投入し、25℃で、30秒間ミキサーにて撹拌直後に、発生した泡の高さ(mm)を測定し、これにより起泡力を以下の基準により判定した。高い測定値ほど、高い起泡力を示す。
【0042】
起泡力判定基準(ポイント評価基準)
7点:起泡力が185mm以上
6点:起泡力が180mm以上、185mm未満
5点:起泡力が175mm以上、180mm未満
4点:起泡力が170mm以上、175mm未満
3点:起泡力が165mm以上、170mm未満
2点:起泡力が160mm以上、165mm未満
1点:起泡力が160mm未満
<使用感判定試験>
試料洗浄組成物を用いて、男女パネラー8人を対象に手洗浄試験を行い、各試験項目(泡立ち、泡のクリーミーさ、さっぱり感、つっぱり感)について、各パネラーに以下のポイント評価基準により、提出してもらった評価ポイントの平均値により、使用感の良否を判定した。
【0043】
使用感判定基準(ポイント評価基準)
7点:非常によい
6点:良い
5点:やや良い
4点:普通
3点:やや悪い
2点:悪い
1点:非常に悪い
<遊離脂肪酸の測定>
洗浄剤組成物試料にふくまれる遊離脂肪酸を高速液体クロマトグラフィーの手法により、以下の測定条件下で定量した。
【0044】
測定条件
カラム:(商品名;YMC−Pack ODS−AM、(株式会社ワイエムシィ製)150×6mm
溶離液:メタノール:水:1,4ジオキサン:リン酸=1000:200:24.5:0.31
流速:0.8ml/分
検出器:RI検出器
<可視光透過率の測定>
洗浄剤組成物試料の波長430nm可視光透過率を、試料液温を50℃に保持して、分光光度計(商品名;UV−1200、Shimadzu社製)を用いて所定の方法により測定した。
<リン含有量の測定>
N−長鎖アシルアミノ酸塩0.1gを精製水50gに溶解し、濃度0.2%に調製したものを試料として、試料中のリン含有量を、発光分析装置(商品名;P−4010形ICP、HITACHI社製)を用いて、以下のICP条件下で、測定した。
【0045】
ICP条件
RF出力 :1.0kw
プラズマガス:16L/min
キャリアガス:0.7L/min
補助ガス :1.0L/min
送液ポンプ :10回転/min
<有機リン含有量の測定>
有機リン含有量はP−4010形ICP発光分析装置(商品名、HITACHI社製)を用いて測定した。サンプル調製としては、N−長鎖アシルアミノ酸塩0.5gおよび、1mol/LNaOH水溶液約1mLを精製水に溶解し、100mLとした物から50mLを分液漏斗にとり、硫酸4mLとジエチルエーテル50mLを加えて2分間振盪した。1時間静置して分相した後、有機相を取り出してロータリーエバポレーターでジエチルエーテルを除去した。残渣を1mol/LのNaOH水溶液5mLで溶解し、蒸留水で100mLにメスアップしたものを試料とする以外は、上記リン含有量の測定と同じ条件、方法にて、定量測定を行い、得られた値を有機リン含有量とした。
<低温安定性試験>
N−長鎖アシルアミノ酸塩水溶液(30質量%)を試料としてサンプル瓶に入れ、これを0℃、−5℃の低温庫に静置し、30日後の液の状態を観察し、以下の評価基準により試料の低温安定性を判定した。
【0046】
評価基準
液の状態にまったく変化のないもの ◎
ほんの僅かな濁りを発生したもの ○
濁りの発生したもの △
凝固または析出沈殿したもの ×
<高温安定性試験>
N−長鎖アシルアミノ酸塩水溶液(30質量%)を試料として、サンプル瓶に入れ、これを50℃のオーブンに入れ30日後の試料の外観を観察した。またN−アシルアスパラギン酸塩(固体品)を粉末のまま試料として、サンプル瓶に入れ、これを50℃のオーブンに入れて30日後の試料粉末の状態を観察した。観察結果を以下の評価基準により評価し、試料の高温安定性を判定した。
【0047】
評価基準
初期とほとんど変化が見られない ◎
若干の黄変が見られる ○
黄変が見られる △
かなりの黄変が見られる ×
以下の例において、リン含有量は、N−長鎖アシルアミノ酸塩(固体換算)に対する百分率で示す。
実施例1〜9
表1に記載の成分(A)〜(C)に対応する遊離酸を、水酸化ナトリウムで中和して、表1に記載の割合で混合し、30質量%の洗浄剤組成物を調製した。pHは5.6であった。
【0048】
得られた洗浄剤組成物の物性を、前述の測定法および試験により評価した。結果を表1に示す。泡立ち、使用感において優れた結果を示した。
比較例1〜11
表1に記載の成分に対応する遊離酸を、水酸化ナトリウムで中和して、表1に記載の割合で混合し、30質量%の洗浄剤組成物を調製した。
【0049】
得られた洗浄剤組成物の物性を、前述の測定法および試験により評価した。結果を表1に示す。
【0050】
泡立ち、使用感の全てを満足させる洗浄剤組成物はなかった。
【0051】
【表1】

【0052】
実施例10、比較例12
ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム30質量%水溶液を水酸化ナトリウムでpH9.5に上げた後、塩酸でpH5.0に下げた物と、pH処理しないラウロイルアスパラギン酸ナトリウムpH5.0の物をそれぞれ30質量%に調製した。
【0053】
それぞれの調製直後と50℃のオーブンに入れ1ヶ月保存した物の起泡力と遊離脂肪酸含有率を、前述の測定法により、測定した。結果を表2に示す。
【0054】
pH処理した場合、50℃で1ヵ月保存後の起泡力は180mmを示し、その低下率は約2%であった。また初期の遊離脂肪酸含有率と50℃で一ヶ月保存した後の遊離脂肪酸含有率の差は2.36質量%であった。pH処理しなかった場合は、50℃で1ヵ月保存後の起泡力は141mmを示し、その低下率は約23%であった。初期の遊離脂肪酸含有率と50℃で一ヶ月保存した後の遊離脂肪酸含有率の差は16.82質量%であった。
【0055】
【表2】

【0056】
実施例11〜20
表3に記載の成分(A)〜(D)を、表に記載の割合で混合し、濃度を30質量%に調整して、組成物1〜10を調製した。得られた組成物のpHは5.0であった。
【0057】
【表3】

【0058】
この組成物1〜10を用いて、下記組成により、洗浄剤組成物の一種である、クレンジングフォームを常法により調製し、それぞれの組成物から得られる、クレンジングフォームの使用感を、前述の試験により、測定した。結果を表4に示す。泡立ち、泡のクリーミーさ、さっぱり感等において優れた結果を示した。また、それらの使用感が25℃で1年間保持された。
【0059】
クレンジングフォーム組成 (質量%)
組成物1〜10 28.0
ベタイン 1.0
オレス20 1.0
ココイルメチルタウリンNa 3.0
PEG−150 4.0
ラウラミドDEA 4.0
ジステアリン酸グリコール 2.0
BG 10.0
水 残余
【0060】
【表4】

【0061】
比較例13〜20
表5に記載の成分(A)〜(D)を、表に記載の割合で混合し、濃度を30質量%に調整して、組成物11〜18を調製した。得られた組成物のpHは5.0であった。
【0062】
【表5】

【0063】
この組成物11〜18を用いて、下記組成により、洗浄剤組成物の一種である、クレンジングフォームを常法により調製し、それぞれの組成物から得られる、クレンジングフォームの使用感を、前述の試験により、測定した。結果を表6に示す。泡立ち、泡のクリーミーさ、さっぱり感等の使用感全てを25℃で1年間保持されるものはなかった。
【0064】
クレンジングフォーム組成 (質量%)
組成物11〜18 28.0
ベタイン 1.0
オレス20 1.0
ココイルメチルタウリンNa 3.0
PEG−150 4.0
ラウラミドDEA 4.0
ジステアリン酸グリコール 2.0
BG 10.0
水 残余
【0065】
【表6】

【0066】
実施例21〜29、比較例21〜23
ラウロイルアスパラギン酸水溶液を水酸化ナトリウムを使用してpHを5.1に調整、固形分を30質量%に調整したものを標準試料として、その起泡力と可視光透過率を、前述の測定法により、測定した。その後、水酸化ナトリウムを使用して、それぞれ所定の保存pHになるように調節し、50℃のオーブンに入れ1ヶ月保存した。1ケ月後、表7の所定の酸を使用して、その保存液のpHを5.1に戻した、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム塩水溶液の可視光透過率および、有効成分0.33重量%としての起泡力を、前述の測定法により、測定し、標準試料と比較した。結果を表7に示す。
【0067】
【表7】

【0068】
実施例30〜37、比較例21〜28
表8、表10に示した組成物を調製し、これらを用いて下記組成により洗浄剤組成物の一種である、クレンジングフォームを常法により調製した。それぞれの組成物から得られる、クレンジングフォームの使用感を、前述の試験により、測定した。結果を表9、表11に示す。泡立ち、泡のクリーミーさ、さっぱり感等、つっぱり感において、実施例23のラウロイルアスパラギン酸塩を用いた配合組成である実施例は、優れた結果を示した。また、それらの使用感が25℃で1年間保持された。
【0069】
クレンジングフォーム組成 (質量%)
組成物19〜34 34.0
ベタイン 1.0
オレス20 1.0
ココイルメチルタウリンNa 3.0
PEG−150 4.0
ラウラミドDEA 4.0
ジステアリン酸グリコール 2.0
BG 10.0
水 41.0
【0070】
【表8】

【0071】
【表9】

【0072】
【表10】

【0073】
【表11】

【0074】
実施例38〜42 比較例29〜30
対イオンがナトリウムであるN−ラウロイル−L−アスパラギン酸塩水溶液とピロリン酸カリウムを混合し、前述の測定法および試験により、そのリン含有量、および低温安定性と高温安定性を確認した。表12から明らかなようにリン含有量が0.005質量%〜0.3質量%の範囲では良好な低温安定性と高温安定性を示した。
実施例43〜44 比較例31〜32
対イオンがトリエタノールアミンであるN−ラウロイル−L−アスパラギン酸塩水溶液とホスホン酸を混合し、前述の想定法および試験により、そのリン含有量、低温安定性と高温安定性を確認した。表13から明らかなようにリン含有量が0.005質量%〜0.3質量%の範囲では良好な低温安定性と高温安定性を示した。
実施例45〜46 比較例33
対イオンがナトリウムであるN−ラウロイル−L−アスパラギン酸塩とピロリン酸カリウムを混合し、前述の測定法および試験により、そのリン含有量、高温安定性を確認した。表14から明らかなようにリン含有量が0.005質量%〜0.3質量%の範囲では良好な高温安定性を示した。
実施例47〜51 比較例34〜35
対イオンがナトリウムであるN−ココイル−L−アスパラギン酸塩水溶液とメタリン酸カリウムを混合し、前述の測定法および試験により、そのリン含有量、低温安定性と高温安定性を確認した。表15から明らかなようにリン含有量が0.005質量%〜0.3質量%の範囲では良好な低温安定性及び高温安定性を示した。
実施例52〜54 比較例36〜37
対イオンがナトリウムであるN−ラウロイル−L−アスパラギン酸塩水溶液と有機リンであるフィチン酸を混合し、前述の測定法および試験により、そのリン含有量、低温安定性と高温安定性を確認した。表16から明らかなようにリン含有量が0.005質量%〜0.3質量%の範囲では良好な低温安定性と高温安定性を示した。
【0075】
【表12】

【0076】
【表13】

【0077】
【表14】

【0078】
【表15】

【0079】
【表16】

【0080】
実施例55
以下の手法により、N−ラウロイルーL−アスパラギン酸ナトリウム水溶液を調製した。
アシル化工程
L−アスパラギン酸モノナトリウム860g(5.55mol)、純水2978g、水酸化ナトリウム222g(5.55mol)の混合溶液に、80質量%ターシャリーブタノール水溶液1049gを加え、この溶液を氷冷しながら、25質量%水酸化ナトリウムでpHを12に調整しながら塩化ラウロイル1210g(約5.2mol、リン含量1.0質量%、有機リン含量0.044質量%)を攪拌動力1.0kW/mにおいて、2時間を要して滴下した。さらに30分攪拌を続けた後、80質量%ターシャリーブタノール水溶液を1136g加えて、さらに攪拌を30分続けた。
酸沈分層工程
75%質量硫酸を滴下して、液のpHを2に、また液の温度を45℃に調整した。硫酸の滴下終了後、攪拌を停止し、20分間45℃で静置すると有機層と水層に分層し、これから有機層を分離した。
水洗工程
分離した有機層(3651g)と同量の20質量%ターシャリーブタノールを添加して温度を45℃にして20分間攪拌した。攪拌停止後、20分間45℃で静置すると有機層と水層に分離した。
溶剤留去工程
分離取得した有機層中のN−ラウロイルーL−アスパラギン酸のカルボキシル基の83%が塩の形となるように水酸化ナトリウムを有機層に添加し、さらに固形分含量が30質量%となるように純水を添加して攪拌混合した。
【0081】
その後、10Lガラス製容器を用いて、圧力300mmHgの下、蒸留時に固形分30質量%に維持するように純水を添加しながら減圧蒸留を行った。蒸留開始後11時間後には液温度は、70℃となり蒸留を終了し、N−ラウロイルーL−アスパラギン酸ナトリウム水溶液を得た。この水溶液の固形分は30質量%、前述の測定法により測定した結果、リン含量は固形分に対して、0.059%、有機リン含量は固形分に対して、0.033%であった。
【0082】
ここで得られたN−ラウロイルーL−アスパラギン酸ナトリウム水溶液の低温安定性試験(−5℃)の結果は◎、高温安定性試験の結果も◎であった。
実施例56
実施例55で、酸沈分層工程と水洗工程の液温度を実質65℃とした以外は、実施例55と同様の操作を実施し、N−ラウロイルーL−アスパラギン酸ナトリウム水溶液を得た。この水溶液の固形分は30質量%、前述の測定法により測定した結果、リン含量は固形分に対して、0.029%、有機リン含量は固形分に対して、0.014%であった。
【0083】
ここで得られたN−ラウロイルーL−アスパラギン酸ナトリウム水溶液の低温安定性試験(−5℃)の結果は◎、高温安定性試験の結果も○であった。
比較例38
実施例55で、リン含量が検出限界(1ppm)以下である塩化ラウロイル(約5.2mol)を用いる以外は、実施例55と同様の操作を実施し、N−ラウロイルーL−アスパラギン酸ナトリウム水溶液を得た。この水溶液の固形分は30質量%、前述の測定法により測定した結果、リン含量は固形分に対して、検出限界以下であった。得られたN−ラウロイルーL−アスパラギン酸ナトリウム水溶液の低温安定性試験(−5℃)の結果は○、高温安定性試験の結果は×であった。
比較例39
実施例55で、リン含有量の異なる塩化ラウロイル(約5.2mol、リン含量5.0質量%、有機リン含量1.04質量%)を用いる以外は、実施例55と同様の操作を実施し、N−ラウロイルーL−アスパラギン酸ナトリウム水溶液を得た。この水溶液の固形分は30質量%、前述の測定法により測定した結果、リン含量は固形分に対して、0.32%、有機リン含量は固形分に対して、0.12%であった。
ここで得られたN−ラウロイルーL−アスパラギン酸ナトリウム水溶液の低温安定性試験(−5℃)の結果は×、高温安定性試験の結果は○であった。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の洗浄組成物は、クリーミーな泡立ちを有し、泡立ちに優れ、優れた洗浄力を示し、且つさっぱりした感触が得られ、洗浄後の肌のつっぱり感がないという点で、使用感に優れており、しかもそれら全ての性能が25℃、酸性条件下で、長期間保存中も安定して保たれ、また長期保存の後pHを弱酸性に戻した時にも長期保存前と同等の高起泡力を有し、かつその水溶液は、低温でも析出物を生ぜず、またその水溶液、固形物いずれにおいても、高温にさらした常態で長期にわたり、黄変が見られないという、種々の優れた効果を有するため、化粧品並びに洗浄用途の分野で好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表される成分(A)、一般式(2)または(3)で表される成分(B)、及び一般式(4)で表される成分(C)からなる洗浄剤組成物。
(A)N−アシルアスパラギン酸またはその塩
【化1】

(Rは炭素数7〜23のアルキル基を示す。M及びMは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムまたは塩基性アミノ酸を示す。)
(B)N−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩
【化2】

(Rは一般式(1)において具体的に特定されたものと同一のアルキル基を示す。M及びM及びMは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムまたは塩基性アミノ酸を示す。)
【化3】

(Rは一般式(2)に同じ。M及びM及びMは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムまたは塩基性アミノ酸を示す。)
(C)高級脂肪酸またはその塩
【化4】

(Rは一般式(2)に同じ。Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムまたは塩基性アミノ酸を示す。)
【請求項2】
成分(B)が、一般式(2)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩、および一般式(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩からなる請求項1の洗浄剤組成物。
【請求項3】
一般式(2)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩と一般式(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩の重量比が1:3〜3:1である請求項2の洗浄剤組成物。
【請求項4】
成分(B)の量が成分(A)と(B)の合計量に対して0.1〜15質量%であり、かつ、成分(C)の量が成分(A)と(C)の合計量に対して0.1〜15質量%である請求項3の洗浄剤組成物。
【請求項5】
成分(B)の量が成分(A)と(B)の合計量に対して0.1〜8質量%であり、かつ、成分(C)の量が成分(A)と(C)の合計量に対して0.1〜10質量%である請求項4の洗浄剤組成物。
【請求項6】
pHが5.0〜7.0である請求項1〜5いずれかの洗浄剤組成物。
【請求項7】
成分(A)におけるRの炭素数が、9〜17である請求項1〜6いずれかの洗浄剤組成物。
【請求項8】
一般式(1)〜(4)における、M〜Mが、水素原子、ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウム、または、トリエタノールアンモニウムから選ばれる1種または2種以上である請求項1〜7いずれかの洗浄剤組成物。
【請求項9】
一般式(1)〜(4)における、M〜Mが、水素原子の他は、ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウム、または、トリエタノールアンモニウムから選ばれる1種のみである請求項8の洗浄剤組成物。
【請求項10】
一般式(1)〜(4)における、M〜Mが、水素原子とナトリウムのみから選ばれる請求項9の洗浄剤組成物。
【請求項11】
一般式(1)で表される成分(A)からなり、50℃で30日間保存した後の起泡力の低下が20%以下である洗浄剤組成物。
【請求項12】
50℃で30日間保存した後の成分(A)に対する遊離脂肪酸の含有率の上昇が15質量%以下である請求項11の洗浄剤組成物。
【請求項13】
さらに、成分Bからなり、その成分Bが、一般式(2)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩、および一般式(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩からなる請求項11、12いずれかの洗浄剤組成物。
【請求項14】
一般式(2)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩と一般式(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩の重量比が1:3〜3:1である請求項13の洗浄剤組成物。
【請求項15】
成分(B)の量が成分(A)と(B)の合計量に対して0.1〜15質量%である請求項13、14いずれかの洗浄剤組成物。
【請求項16】
さらに、一般式(4)で表される成分(C)からなる請求項11〜15いずれかの洗浄剤組成物。
【請求項17】
成分(C)の量が成分(A)と(C)の合計量に対して0.1〜15質量%である請求項16の洗浄剤組成物。
【請求項18】
pHが4.5〜6.0である請求項11〜17いずれかの洗浄剤組成物。
【請求項19】
成分(D)が、無機塩か有機酸アルカリ金属塩から選ばれる1種または2種以上からなり、かつ、成分(A)に対して、0.01質量%〜50質量%である請求項11〜18いずれかの洗浄剤組成物。
【請求項20】
N−アシルアスパラギン酸またはその塩をpH6.0以上に調整し、その後pH4.5〜6.0に調整し、且つ、そのときのpHの最高値と最終値の差が0.5以上とする工程を含む工程により調製されたN−アシルアスパラギン酸またはその塩を成分(A)として用いる、請求項1の洗浄剤組成物の製造方法。
【請求項21】
pHが6.6〜10の範囲で中和されている一般式(1)で表される成分(A)を含有し、50℃で30日間保存した後も、その弱酸性領域での起泡力の低下が10%以下であり、かつ波長430nmの可視光透過率の測定値の低下が10%以下であることを特徴とする洗浄剤組成物。
【請求項22】
一般式(1)で表される成分(A)、一般式(2)または(3)で表される成分(B)、及び一般式(4)で表される成分(C)からなる請求項21の洗浄剤組成物。
【請求項23】
成分(B)が、一般式(2)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩、および一般式(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩からなる請求項22の洗浄剤組成物。
【請求項24】
一般式(2)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩と一般式(3)で表されるN−アシル−ジアスパラギン酸またはその塩の重量比が1:3〜3:1である請求項23の洗浄剤組成物。
【請求項25】
成分(B)の量が成分(A)と(B)の合計量に対して0.1〜15質量%であり、かつ、成分(C)の量が成分(A)と(C)の合計量に対して0.1〜15質量%である請求項22〜24いずれかの洗浄剤組成物。
【請求項26】
一般式(1)におけるアルキル基の炭素数が11である成分(A)が成分(A)全体の50mol%以上である請求項21〜25いずれかの洗浄剤組成物。
【請求項27】
一般式(1)における、M〜Mが、水素原子の他は、アルカリ金属塩である請求項21〜26いずれかの洗浄剤組成物。
【請求項28】
一般式(1)における、M〜Mが、水素原子の他は、ナトリウムである請求項27の洗浄剤組成物。
【請求項29】
リンを0.005質量部〜0.3質量部含有する請求項1〜28いずれかの洗浄剤組成物。
【請求項30】
有機リンを0.005質量部〜0.08質量部含有する請求項1〜28いずれかの洗浄剤組成物。

【国際公開番号】WO2005/032509
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【発行日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514402(P2005−514402)
【国際出願番号】PCT/JP2004/013887
【国際出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】