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洗浄水タンク装置
説明

洗浄水タンク装置

【課題】洗浄水タンクから便器へ供給される洗浄水量のばらつきを確実に抑えることができる洗浄水タンク装置を提供する。
【解決手段】本発明の洗浄水タンク装置18は、底面に排水口20aが形成された洗浄水タンク20と、洗浄水タンクの排水口を開閉しその密度が水よりも大きい排水弁40と、排水弁を電気的駆動力により上昇させて排水口から洗浄水を便器に供給する駆動装置42と、排水弁の開時間を変更して少なくとも大洗浄用と小洗浄用の2種類の洗浄水量を排水口から供給するように駆動装置を制御するコントローラ28と、を有し、コントローラは、排水口から排出される洗浄水量が排水弁の上昇速度の影響を受けない所定の速度領域で、駆動装置の排水弁の上昇速度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、特許文献1に示されているように、水洗便器へ洗浄水を供給する洗浄水タンクに排水弁を設け、この排水弁を排水弁アクチュエータにより上昇させることにより開閉制御して、必要な量の洗浄水を便器へ供給するようにした洗浄水タンク装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−100182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の洗浄水タンク装置において、排水弁アクチュエータとして、電気モータを使用して、電気的駆動力により排水弁を上昇させるようにすることが可能である。また、便器へ供給される洗浄水量は1種類であり、洗浄水タンク内がほぼ空の状態になるまで洗浄水が供給され、洗浄水量は常に一定となっている。
【0005】
一方、大洗浄用と小洗浄用の2種類の洗浄水量を便器に供給する場合には、排水弁の開時間を変更して、所望の洗浄水量を便器に供給する必要がある。
しかしながら、電気モータを使用して電気的駆動力により排水弁を上昇させて、洗浄水を便器へ供給する場合、大洗浄の場合には、洗浄水タンク内の洗浄水が全て供給されるため、洗浄水量は常に一定となるが、洗浄水量が大洗浄よりも少量の小洗浄の場合には、後述する理由により、洗浄水量のばらつきが発生し、所望の洗浄水量を供給することができないという問題があった。
【0006】
本発明者らは、この問題の発生原因を検討した結果、このような洗浄水量のばらつきが、その密度が水よりも大きな排水弁を使用し且つ排水弁を閉止するタイミングを一定にするという条件を前提として、主に、便器設置環境の温度変動、電圧変動、洗浄水タンクの製造誤差、経年変化等により発生していることを見い出した。即ち、このような原因により、電気モータによる電気的駆動力が変動して排水弁の上昇速度が変化し、これに対して排水弁を閉止するタイミングが一定であるため、これにより、供給される洗浄水量がばらつくことを見い出した。さらに、排水弁の上昇高さが変化した場合も、同様に、供給される洗浄水量がばらつくことを見い出した。
このような洗浄水量のばらつきを抑えるために、本発明者らは、鋭意研究を行い、本発明を為し得たのである。
【0007】
本発明は、従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、洗浄水タンクから便器へ供給される洗浄水量のばらつきを確実に抑えることができる洗浄水タンク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、便器を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置であって、底面に排水口が形成された洗浄水タンクと、この洗浄水タンクの排水口を開閉しその密度が水よりも大きい排水弁と、この排水弁を電気的駆動力により上昇させて排水口から洗浄水を便器に供給する排水弁駆動手段と、排水弁の開時間を変更して少なくとも大洗浄用と小洗浄用の2種類の洗浄水量を排水口から便器へ供給するように排水弁駆動手段を制御する制御手段と、を有し、制御手段は、排水口から便器へ供給される洗浄水量が排水弁の上昇速度の影響を受けない所定の速度領域で、排水弁駆動手段の排水弁の上昇速度を制御することを特徴としている。
電気的駆動力により排水弁を上昇させて洗浄水を便器へ供給する場合、電気的駆動力が変動して排水弁の上昇速度が変化し、これにより、供給される洗浄水量がばらつくが、本発明においては、制御手段により、排水口から便器へ供給される洗浄水量が排水弁の上昇速度の影響を受けない所定の速度領域で、排水弁駆動手段の排水弁の上昇速度を制御するようにしたので、便器へ供給される洗浄水量のばらつきを確実に抑えることができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、所定の速度領域は、上記排水弁の上昇速度が80mm/秒から200mm/秒の範囲である。
このように構成された本発明においては、排水口から便器へ供給される洗浄水量が排水弁の上昇速度の影響を受けない所定の速度領域として排水弁の上昇速度が80mm/秒から200mm/秒の範囲を設定したので、便器へ供給される洗浄水量のばらつきをより確実に抑えることができる。さらに、排水弁の上昇速度の上限を200mm/秒としたので、排水弁駆動手段(DCモータ等)の停止時の衝撃力が小さくなり、排水弁駆動手段のギヤ等の部品が破損することを防止することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、排水口は、その口径が45mmから55mmの範囲である。
このように構成した本発明においては、排水口の口径を45mmから55mmの範囲としたので、排水口の口径の影響を受けることなく、便器へ供給される洗浄水量のばらつきをより確実に抑えることができる。
【0011】
また、本発明は、便器を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置であって、底面に排水口が形成された洗浄水タンクと、この洗浄水タンクの排水口を開閉しその密度が水よりも大きい排水弁と、この排水弁を電気的駆動力により上昇させて排水口から洗浄水を便器に供給する排水弁駆動手段と、排水弁の開時間を変更して少なくとも大洗浄用と小洗浄用の2種類の洗浄水量を排水口から便器へ供給するように排水弁駆動手段を制御する制御手段と、を有し、制御手段は、排水口から便器へ供給される洗浄水量が排水弁の上昇高さの影響を受けない所定の高さ領域で、排水弁駆動手段の排水弁の上昇高さを制御することを特徴としている。
電気的駆動力により排水弁を上昇させて洗浄水を便器へ供給する場合、電気的駆動力が変動して排水弁の上昇高さが変化し、これにより、供給される洗浄水量がばらつくが、本発明においては、制御手段により、排水口から便器へ供給される洗浄水量が排水弁の上昇高さの影響を受けない所定の高さ領域で、排水弁駆動手段の排水弁の上昇高さを制御するようにしたので、便器へ供給される洗浄水量のばらつきを確実に抑えることができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、所定の高さ領域は、上記排水弁の上昇高さが20mmから40mmの範囲である。
このように構成された本発明においては、排水口から便器へ供給される洗浄水量が排水弁の上昇高さの影響を受けない所定の高さ領域として排水弁の上昇高さを20mmから40mmの範囲を設定したので、便器へ供給される洗浄水量のばらつきをより確実に抑えることができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、洗浄水タンクは、その止水水位が150mm以下である。
このように構成された本発明においては、洗浄水タンクの止水水位を比較的低い150mm以下に設定することにより、便器へ供給される洗浄水量のばらつきをより確実に抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の洗浄水タンク装置によれば、洗浄水タンクから便器へ供給される洗浄水量のばらつきを確実に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗便器を示す断面図である。
【図2】図1に示す水洗大便器から洗浄水タンク装置を取り外した状態の便器本体を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置を示す概略断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁が閉じている状態を示す部分断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁が開いている状態(全開状態)を示す部分断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置により実行される3種類の洗浄モード(大洗浄、小洗浄、エコ小洗浄)を示すタイムチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態における最大瞬間流量と排水弁の上昇速度の関係を示す線図である。
【図8】本発明の第1実施形態における洗浄水量(積算流量)と排水弁の上昇速度の関係を示す線図である。
【図9】本発明の第2実施形態における最大瞬間流量と排水弁の上昇高さの関係を示す線図である。
【図10】本発明の第2実施形態における洗浄水量(積算流量)と排水弁の上昇高さの関係を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面により、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置を説明する。
先ず、図1及び図2により、本発明の第1施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗便器を説明する。図1は本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗便器を示す断面図であり、図2は図1に示す水洗大便器から洗浄水タンク装置を取り外した状態の便器本体を示す平面図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、符号1は洗落し式の水洗便器を示し、この洗落し式の水洗便器1は、便器本体2を備え、この便器本体2の上部の前方側には、ボウル部4が形成され、後方側の上部には導水路6が、導水路6の下方にはボウル部2の下部と連通する排水トラップ管路8が、それぞれ形成されている。
【0018】
便器本体2のボウル部2の上縁部には内側にオーバーハングしたリム10が形成され、、さらに、このリム10の前方から見て左側には、導水路6から供給される洗浄水を吐水する第1吐水口12が形成され、第1吐水口12から吐水された洗浄水は、旋回しながら下降してボウル部4を洗浄するようになっている。
【0019】
排水トラップ管路8の近傍で且つボウル部2の下方には、一点鎖線で溜水面W0が示された溜水部14が形成されている。この溜水部14の下方には、上述した排水トラップ管路8の入口8aが開口し、この入口8aから上昇路8bが後方に延びている。この上昇路8bには下降路8cが連続し、下降路8cの下端は排水ソケット(図示せず)を介して床下の排出管(図示せず)に接続されている。
【0020】
また、ボウル部4の中心下部の溜水面W0の上方位置には、導水路4から供給される洗浄水を吐水する第2吐水口16が形成され、この第2吐水口16から吐水される洗浄水が溜水部14の溜水を上下方向の旋回させる旋回流を生じさせるようになっている。
【0021】
便器本体2の導水路6の上方には、便器本体2に供給する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置18が設けられている。この洗浄水タンク装置18は、洗浄水タンク20を備え、この洗浄水タンク20の底部には、便器本体2の導水路6と連通し洗浄水タンク20内の洗浄水が排水される排水口20aが形成されている。
【0022】
つぎに、図3により、洗浄水タンク装置18について説明する。図3は本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置を示す概略断面図である。なお、本実施形態による洗浄水タンク装置は、上述した洗い落とし式以外の他のタイプの水洗便器(サイホン式水洗便器等)にも適用可能である。
先ず、図3において、洗浄水タンク20内の満水時の水位(止水水位)をWL1で示し、洗浄水タンク12内の排水時の最低水位をWL2で示している。
【0023】
図3に示すように、洗浄水タンク20内には、洗浄水タンク20内に洗浄水を供給する給水装置22、便器本体2へ洗浄水を供給する排水装置24、洗浄水タンク20内の洗浄水の水位が止水水位WL1となった状態を検知するフロートスイッチである水位センサ26が設けられ、また、洗浄水タンク20外には、種々の装置を制御するコントローラ28及び、使用者が操作する操作ボタン30が設けられている。この操作ボタン30は、後述する大洗浄用、小洗浄用、エコ小洗浄用の3つの操作ボタンを備えている。
【0024】
給水装置22は、水道等の給水源から接続された定流量弁32、給水バルブ34、及び、給水口36を備えている。給水バルブ34は、水位センサ26の水位検知情報に基づいてコンとローラ28からの指令により給水バルブ34の開閉動作が制御され、給水装置22の給水口36から洗浄水タンク20内への洗浄水の給水又は止水が切り替えられるようになっている。
【0025】
排水装置24は、オーバーフロー管38と、オーバーフロー管38の下端部に固着された排水弁40と、オーバーフロー管38を上下動させることにより排水弁40を開閉操作する駆動装置42を備えている。また、洗浄水タンク20の排水口20aの周辺部に、排水弁40の上下動をガイドし且つ高さ位置を規制するガイド部材41が取り付けられている。ここで、オーバーフロー管38と排水弁40を含む排水装置24は、その密度が水よりも大きい材料により製作され、自重により、水中をゆっくりと下降するようになっている。
【0026】
オーバーフロー管38は、洗浄水タンク20の排水口20aと対向する下端開口部38aから上端開口部38bまで延びる円筒状の管部材である。そして、洗浄水タンク20内の洗浄水の水位が、満水時の止水水位WL1を超えてさらに水位WOFまで上昇し、オーバーフロー管38の上端開口部38bの高さ位置を上回ったときには、洗浄水がオーバーフローしオーバーフロー管38の上端開口部38bから下端開口部38aを経て洗浄水タンク20の排水口20aから便器本体2側に排水(供給)されるようになっている。
【0027】
さらに、駆動装置42は、DCモータであり、この駆動装置42から延びる回転軸44の先端にはフック形状の排水レバー46が取り付けられ、この排水レバー46に、上述したオーバーフロー管38の上端開口部38bから上方に突出する排水レバー取付部48が取り付けられている。駆動装置42が回転軸44を回転させると、排水レバー46が回転し、それにより、オーバーフロー管28が上下動するようになっている。
【0028】
次に、図4及び図5により、排水口20aの直径と排水弁40の上昇高さ等の関係を説明する。図4は本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁が閉じている状態を示す部分断面図であり、図5は本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁が開いている状態(全開状態)を示す部分断面図である。
本実施形態では、排水口20aの口径(直径)をd、排水弁40の口径(直径)及び上昇高さをそれぞれD及びH1とすると、これらの値は、DπH1≧(d/2)2πの関係を満足するように設定されている。このように設定したのは、洗浄水量は洗浄水の流路内の最も狭い断面積の箇所で圧損の影響を受けるので、流路内の最も狭い断面積が狭くなる箇所を、排水弁の電気駆動力のばらつきの影響を受ける“DπH1”ではなく、このような影響を受けることがない“(d/2)2π”とすることにより、洗浄水量のばらつきを抑えるようにするためである。
ここで、排水口20aの口径(直径)は、45mm〜55mmの範囲が好ましく、排水弁40の上昇高さH1は、20mm〜40mmの範囲が好ましい。
【0029】
次に、図6により、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置により実行される洗浄モードについて説明する。図6は本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置により実行される3種類の洗浄モード(大洗浄、小洗浄、エコ小洗浄)を示すタイムチャートである。
本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置においては、3種類の洗浄モードが実行できるようになっている。即ち、これらの洗浄モードにおいては、洗浄水量が、大洗浄で4.8リットル、小洗浄で4.0リットル、エコ小洗浄で3.8リットルとなっている。
【0030】
図6(a)に示すように、大洗浄の場合には、時刻t0において、排水弁40が駆動装置42により上昇速度V1で上昇して、開弁動作が行われ、排水弁40の上昇高さがH1になったとき駆動装置42の動作が停止してその上昇高さHが保持され、その後、時刻t1において、排水弁40は、その密度が水よりも大きいので、自重により自然にゆっくりと下降し始め、且つ、駆動装置42によりブレーキを作用させるようにしているので、比較的遅い下降速度V2で下降して、閉弁動作が行われる。
【0031】
図6(b)に示すように、小洗浄の場合も、排水弁40の上昇速度V1と下降速度V2は、大洗浄の場合と同じであり、開弁時間(t0〜t3までの時間)が大洗浄の場合よりも短くなっている。
図6(c)に示すように、エコ小洗浄の場合も、排水弁40の上昇速度V1と下降速度V2は、大洗浄及び小洗浄の場合と同じであり、開弁時間(t0〜t5までの時間)が大洗浄及び小洗浄の場合よりも短くなっている。
【0032】
ここで、大洗浄の場合には、洗浄水タンク20内に貯水された洗浄水のほぼ全部を使用するため、4.8リットルの洗浄水量を常に供給することができる。
しかしながら、小洗浄(4.0リットル)及びエコ小洗浄(3.8リットル)の場合には、上述したように、排水弁40の駆動装置42としてDCモータ等の電気モータを使用した場合には、主に、便器設置環境の温度変動、電圧変動、洗浄水タンクの製造誤差、経年変化等により、電気モータによる電気的駆動力が変動して排水弁の上昇速度が変化し、これにより、供給される洗浄水量がばらつき、所望の洗浄水量を供給することができない状況であった。
【0033】
そこで、本発明者らは、排水弁の上昇速度と最大瞬間速度との関係、及び、排水弁の上昇速度と洗浄水量(積算流量)との関係を実験的に求め、所望の洗浄水量を供給することができる、特定の排水弁の上昇速度領域を見い出すことができた。図7は本発明の第1実施形態における最大瞬間流量と排水弁の上昇速度の関係を示す線図であり、図8は本発明の第1実施形態における洗浄水量(積算流量)と排水弁の上昇速度の関係を示す線図である。
【0034】
これらの図7及び図8から明らかなように、排水弁の上昇速度が80mm/秒未満の領域では、最大瞬間流量が少ないので、必要な洗浄水量を確保することが出来ず、一方、排水弁の上昇速度が80mm/秒以上の場合には、最大瞬間流量の値が比較的大きな値で一定となり、その結果、小洗浄に必要な洗浄水量4.0リットルを得ることができる。また、排水弁の上昇速度が200mm/秒より大きいな領域では、駆動装置42であるDCモータの停止時の衝撃力が大きくなり、ギヤ等の部品が破損する可能性があるので、排水弁の上昇速度V1は、80mm/秒〜200mm/秒の範囲が好ましい。なお、エコ小洗浄の場合にも、同様な排水弁の上昇速度の範囲で、必要な洗浄水量3.8リットルを得ることができることを確認した。
【0035】
次に、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の動作(作用)を説明する。先ず、洗浄水タンク20内には、止水水位WL1まで洗浄水が満たされている。この状態で、使用者が、便器使用後に、例えば、小洗浄用の操作ボタン30を押すと、この操作ボタン30からの信号がコントローラ28に送信され、駆動装置42が駆動して、回転軸44が回転し、排水レバー46が回動して、オーバーフロー管38及び排水弁40が一体的に上昇する。このとき、排水弁40の上昇速度V1は、上述した特定の上昇速度範囲(80mm/秒〜200mm/秒)となり、次に、排水弁40の上昇高さがH1に保持され、その後、駆動装置42により、排水弁40は、所定の遅い速度V2で、下降し、排水弁40が閉じられる。
本実施形態によれば、排水弁40の上昇速度V1を比較的早い80mm/秒〜200mm/秒の範囲内に設定することにより、上昇速度のばらつきによる洗浄水量のばらつきへの影響を十分に小さくして、所望の洗浄水量を供給することが可能となる。
【0036】
次に、図9及び図10により、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置を説明する。第2実施形態による洗浄水タンク装置の基本構造は、第1実施形態による洗浄水タンク装置と同じであるので、以下、異なる部分のみ説明する。
図9は本発明の第2実施形態における最大瞬間流量と排水弁の上昇高さの関係を示す線図であり、図10は本発明の第2実施形態における洗浄水量(積算流量)と排水弁の上昇高さの関係を示す線図である。
【0037】
図9及び図10に示すように、小洗浄に必要な4.0リットルの洗浄水量を得る場合、排水弁の高さが低い領域では、最大瞬間流量が変化し、これにより、洗浄水量(積算流量)が変化するが、排水弁の高さが高い領域では、最大瞬間流量が変化しないので、洗浄水量(積算流量)も変化せず、所望の洗浄水量を供給することが可能となる。エコ小洗浄の場合も、同様な結果が得られた。
【0038】
なお、第2実施形態においても、上述した理由により、排水口20aの口径(直径)をd、排水弁40の口径(直径)及び上昇高さをそれぞれD及びH1とすると、これらの値は、DπH1≧(d/2)2πの関係を満足するように、設定されている。
【0039】
このように、第2実施形態においては、排水弁の上昇高さを、図9及び図10で示す特定の上昇高さ範囲(20mm〜40mmの範囲)に設定することにより、所望の洗浄水量を供給することが可能となる。
【符号の説明】
【0040】
1 水洗便器
2 便器本体
4 ボウル部
6 導水路
8 排水トラップ管路
10 リム
12 第1吐水口
14 溜水部
16 第2吐水口
18 洗浄タンク装置
20 洗浄タンク
20a 排水口
22 給水装置
24 排水装置
26 水位センサ
28 コントローラ
30 操作ボタン
38 オーバーフロー管
40 排水弁
42 駆動装置(電気モータ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置であって、
底面に排水口が形成された洗浄水タンクと、
この洗浄水タンクの排水口を開閉しその密度が水よりも大きい排水弁と、
この排水弁を電気的駆動力により上昇させて排水口から洗浄水を便器に供給する排水弁駆動手段と、
上記排水弁の開時間を変更して少なくとも大洗浄用と小洗浄用の2種類の洗浄水量を上記排水口から便器へ供給するように上記排水弁駆動手段を制御する制御手段と、を有し、
上記制御手段は、上記排水口から便器へ供給される洗浄水量が上記排水弁の上昇速度の影響を受けない所定の速度領域で、上記排水弁駆動手段の排水弁の上昇速度を制御することを特徴とする洗浄水タンク装置。
【請求項2】
上記所定の速度領域は、上記排水弁の上昇速度が80mm/秒から200mm/秒の範囲である請求項1記載の洗浄水タンク装置。
【請求項3】
上記排水口は、その口径が45mmから55mmの範囲である請求項1又は2に記載の洗浄水タンク装置。
【請求項4】
便器を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置であって、
底面に排水口が形成された洗浄水タンクと、
この洗浄水タンクの排水口を開閉しその密度が水よりも大きい排水弁と、
この排水弁を電気的駆動力により上昇させて排水口から洗浄水を便器に供給する排水弁駆動手段と、
上記排水弁の開時間を変更して少なくとも大洗浄用と小洗浄用の2種類の洗浄水量を上記排水口から便器へ供給するように上記排水弁駆動手段を制御する制御手段と、を有し、
上記制御手段は、上記排水口から便器へ供給される洗浄水量が上記排水弁の上昇高さの影響を受けない所定の高さ領域で、上記排水弁駆動手段の排水弁の上昇高さを制御することを特徴とする洗浄水タンク装置。
【請求項5】
上記所定の高さ領域は、上記排水弁の上昇高さが20mmから40mmの範囲である請求項4記載の洗浄水タンク装置。
【請求項6】
上記洗浄水タンクは、その止水水位が150mm以下である請求項1乃至5の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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