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洗浄水タンク装置
説明

洗浄水タンク装置

【課題】洗浄水量が少ない小洗浄時、予め設定した所望の洗浄量を得ることが出来る洗浄水タンク装置を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも2段階の洗浄水量の洗浄水を水洗便器(1)に供給するタンク装置(18)であって、底面に排水口が形成された貯水タンク(22)と、排水口(22a)を開閉する排水弁(72、74)と、排水口を取り囲むように貯水タンクの底面から上方に延びる側面(76b)に開口部(76c)が形成された筒体(76)と、開口部を開閉する切替弁(90、92)と、排水弁及び切替弁を駆動する電気駆動手段(50)と、を有し、この電気駆動手段は、洗浄水量が少ない場合、その洗浄開始信号受信後、切替弁を駆動して筒体の開口部に近接或いは密接した状態にすると同時に排水弁を駆動して排水口を開放した状態にし、その後、切替弁及び排水弁のそれらの状態を所定時間保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄水タンク装置に係り、特に、少なくとも2段階の洗浄水量を水洗便器に供給する洗浄水タンク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置として、特許文献1には、貯水タンクの底部に設けられた筒体の側面に開口を形成すると共にその開口を開閉可能な弁体を設け、且つ、排水口を開閉する排水弁体に作動杆を連結し、大洗浄のとき、作動杆のみを上方に引き上げて、排水口を開放すると共に筒体の開口を開放したままにすることにより洗浄水量を多くし、一方、小洗浄のとき、作動杆及び弁体の両方を引き上げて、排水口を開放すると共に開口を弁体で閉じることにより洗浄水量を少なくして、大洗浄と小洗浄との2段階の洗浄をするようにしたものが知られている。
【0003】
この洗浄水タンク装置では、レバーハンドルを一方側に回すと、作動杆のみが引き上げられて大洗浄が行われ、レバーハンドルを他方側に回すと、作動杆及び筒体の開口の弁体が引き上げられて、筒体の開口が閉止され、小洗浄が行われる。この小洗浄時における排水の後半から閉弁時まで、筒体の開口を閉弁する弁体は、筒体周りの残水の水圧によって、筒体の開口を閉弁するように、即ち、弁体が開口に密着するようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−72144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年の節水化による貯水タンク内の洗浄水量の減少に伴い、洗浄水タンク装置内の洗浄水の止水水位が低下することにより、上述した従来の構造の洗浄水タンク装置では、弁体を筒体の開口に十分に密着させるような水圧が得られず、筒体の開口を閉弁する弁体が開いて洗浄量が増加してしまい、予め設定した所望の洗浄量が得られないという問題が生じる可能性がある。特に、近年の節水化により、小洗浄でも、より少ない洗浄水量で洗浄することが要望されているので、このような問題が顕著となる。
【0006】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、洗浄水量が少ない小洗浄時、予め設定した所望の洗浄量を得ることが出来る洗浄水タンク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、少なくとも2段階の洗浄水量の洗浄水を水洗便器に供給する洗浄水タンク装置であって、洗浄水が貯水され、底面に排水口が形成された貯水タンクと、排水口を開閉して水洗便器への洗浄水の供給を行う排水弁と、排水口を取り囲むように貯水タンクの底面から上方に延びる側面を有し、上方が開放されると共に側面に開口部が形成された筒体と、開口部を開閉する切替弁と、洗浄水量が多い場合には排水弁を駆動し、洗浄水量が少ない場合には排水弁及び切替弁を駆動する電気駆動手段と、を有し、この電気駆動手段は、洗浄水量が少ない場合、その洗浄開始信号受信後、切替弁を駆動して筒体の開口部に近接或いは密接した状態にすると同時に排水弁を駆動して排水口を開放した状態にし、その後、切替弁及び排水弁のそれらの状態を所定時間保持することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、電気駆動手段は、洗浄水量が少ない場合、その洗浄開始信号受信後、切替弁を駆動して筒体の開口部に近接或いは密接させた状態にすると同時に排水弁を駆動して排水口を開放させた状態にし、その後、切替弁及び排水弁のそれらの状態を所定時間保持するので、近年の節水型洗浄水タンク装置において、水圧が少ない場合でも、洗浄水量が少ない場合、確実に、予め設定した所望の洗浄量を得ることが出来る。また、切替弁及び排水弁を別々に駆動するのではなく、電気駆動手段により、同時に駆動するようにしているので、特殊な機構を必要とせず、簡単な構造で予め設定した所望の洗浄量を得ることが出来、その結果、確実に便器を洗浄することが出来る。
【0008】
本発明において、好ましくは、さらに、筒体内に配置された貯水筒と、この貯水筒内の洗浄水の水位に応じて浮力により上下動するフロートと、を備え、排水弁は、貯水筒内の洗浄水の水位の低下によるフロートの下降に伴って排水口を閉弁するよう構成され、電気駆動手段は、貯水筒内の洗浄水の水位がフロートに浮力を生じさせない水位以下のとき、排水弁が排水口を閉止する位置に下降しているように制御される。
このように構成された本発明においては、電気駆動手段が、貯水筒内の洗浄水の水位がフロートに浮力を生じさせない水位以下のとき、排水弁の弁体が排水口を閉止する位置に下降しているよう制御されるので、排水弁が下降し、閉弁するとき、フロートに浮力が生じていないため、所望のタイミングで確実に閉弁させ、予め設定した所望の洗浄量を得ることが出来る。このような本発明において、排水弁は、貯水筒内の洗浄水の水位の低下によるフロートの下降に伴って排水口を閉弁するよう構成されているが、本発明では、所定時間保持するようにしているので、その間、排水弁を貯水筒内の水位の低下に伴い下降させるようにはしていない。そして、貯水筒内の水位がフロートに浮力を生じさせる水位である高さであるときに閉弁させようとすると、排水弁が下降した勢いで、フロートが貯水筒内の洗浄水内に沈み、フロートの浮力で再び上昇するため、その分、排水弁閉止の遅延時間が生じて、排水口より排出される洗浄水量が不安定になる。ところが、本発明においては、上述した構成により、排水弁が下降し、閉弁するとき、フロートに浮力が生じないようにしているので、予め設定した所望の洗浄量を得て、より確実に、便器を洗浄することが出来るのである。
【0009】
本発明において、好ましくは、電気駆動手段は、排水弁の自重による落下に対する反力を与える。
このように構成された本発明においては、排水弁の下降速度を落とすことが出来、閉弁時の閉止音を低減することが出来る。
【発明の効果】
【0010】
本発明による洗浄水タンク装置においては、より少ない洗浄水量の小洗浄時、予め設定した所望の洗浄量を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗便器の断面図である。
【図2】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の概略構造を示す正面断面図である。
【図3】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の分解斜視図である。
【図4】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の断面図である。
【図5】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の制御筒の斜視図である。
【図6】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の斜視図である。
【図7】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水開始時の状態を示す概略断面図である。
【図8】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図である。
【図9】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水終了後の状態を示す概略断面図である。
【図10】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水開始時の状態を示す概略断面図である。
【図11】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水開始直後の状態を示す概略断面図である。
【図12】小洗浄モードの排水途中における第1切替弁の保持状態を説明するための要部拡大断面図である。
【図13】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図である。
【図14】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図である。
【図15】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水終了後の状態を示す概略断面図である。
【図16】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置のエコ小洗浄モードにおける排水開始時の状態を示す概略断面図である。
【図17】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置のエコ小洗浄モードにおける排水開始直後の状態を示す概略断面図である。
【図18】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置のエコ小洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図である。
【図19】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置のエコ小洗浄モードにおける排水終了直前の状態を示す概略断面図である。
【図20】本発明の実施形態による洗浄水タンク装置のエコ小洗浄モードにおける排水終了後の状態を示す概略断面図である。
【図21】排水途中にオーバーフロー管及び弁体を保持し且つフロートが低下している状態を示す概略断面図である。
【図22】排水途中にオーバーフロー管及び弁体の保持を解除した後オーバーフロー管に固定された固定部材がフロートの上面に接触した時点の状態を示す概略断面図である。
【図23】固定部材がフロートの上面に接触した図22に示す時点の後の状態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、添付図面により、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置を説明する。
先ず、図1により、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗便器を説明する。図1は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗便器の断面図である。
【0013】
図1に示すように、符号1は洗落し式の水洗便器を示し、この便器1は、便器本体2を備え、この便器本体2にはボウル部4と、導水路6と、ボウル部4の下部と連通するトラップ管路8がそれぞれ形成されている。便器本体2のボウル部4の上縁部には、内側にオーバーハングしたリム10と、導水路6から供給される洗浄水を吐水する第1吐水口12が形成され、この第1吐水口12から吐水された洗浄水は、旋回しながら下降してボウル部を洗浄するようになっている。
【0014】
ボウル部4の下方には、一点鎖線で貯留面W0が示された溜水部14が形成されている。この溜水部14の下方には、排水トラップ管路8の入口8aが開口し、この入口8aから上昇路8bが後方に延びている。この上昇路8bには下降路8cが連続し、下降路8cの下端は排水ソケット(図示せず)を介して床下の排出管(図示せず)に接続されている。また、ボウル部4の貯留面W0の上方位置には、導水路6から供給される洗浄水を吐水する第2吐水口16が形成され、この第2吐水口16から吐水される洗浄水が溜水部14の溜水を上下方向に旋回させる旋回流を生じさせるようになっている。
【0015】
便器本体2の導水路6の上方には、便器本体2に供給する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置18が設けられている。後述するように、洗浄水タンク装置18の貯水タンク22の底部には、便器本体2の導水路6と連通する排水口22aが形成され、貯水タンク22内の洗浄水が導水路6へと排水されるようになっている。
【0016】
次に、図2により、洗浄水タンク装置18の概略構成について説明する。図2は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の概略構造を示す正面断面図である。なお、本実施形態による洗浄水タンク装置は、上述した洗落し式以外の他のタイプの水洗便器(例えば、サイホン式水洗便器など)にも適用可能である。
【0017】
図2に示すように、洗浄水タンク装置18は、陶器製の外装タンク20と、その内方に配置され、洗浄水が貯水される貯水タンク22と、外装タンク20に載せられる蓋体24と、を備えている。
【0018】
貯水タンク22は、それを取り囲むように断熱体26が設けられ、この断熱体26を介して、所定の係合部材28により、貯水タンク22が外装タンク20に取り付けられる。また、貯水タンク22の底面には、上述した便器本体の導水路6に連通する排水口22aが形成されている。この排水口22aの側面に延びる排水口部材22bを所定の係合部材30で固定することによっても、貯水タンク22が外装タンク20に取り付けられる。
【0019】
また、蓋体24には、蓋体24に形成された手洗い鉢24aに手洗い用の水を吐水する手洗いカラン32が設けられている。手洗いカラン32から吐水された手洗い鉢24aの水は、手洗い鉢24aに形成された吐水口(流入口)24bにより、貯水タンク22に流入される。
この蓋体24の下方には、吐水口24bから流入する水を、後述する排水装置70の制御筒78の外方に導く導水部材25が設けられている。
【0020】
次に、洗浄水タンク装置18は、洗浄水給水装置34を備えている。この洗浄水給水装置34は、従来のものと同様のものであり、外部の水道管などの給水源(図示せず)に接続される給水管36、給水装置用フロート38、給水管36と連通し、貯水タンク22に洗浄水を吐水する吐水管40、給水装置用フロート38にレバー42を介して連結される給水バルブ44などを備えている。
【0021】
本実施形態では、この洗浄水給水装置34により、排水開始の所定時間後、給水を開始するようにしている。本実施形態では、貯水タンク22の満水時の止水水位は、図2に示す位置(WL)で一定になるようにしている。
【0022】
また、この洗浄水給水装置34は、手洗いカラン32に水を供給する手洗い給水管31を備え、便器への洗浄水の供給開始時(排水開始時)、上述した蓋体24の手洗いカラン32に水の供給を開始するようにしている。
【0023】
次に、洗浄水タンク装置18は、操作装置46及びこの操作装置46の操作により作動される排水装置70を備えている。
【0024】
まず、操作装置46について説明する。
操作装置46は、操作レバー48と、モータ50と、このモータ50に接続される操作ボタン52(図2にのみ図示)と、を備える。操作ボタン52は、後述する大洗浄用、小洗浄用、エコ小洗浄用の3つの操作ボタンを備えている。
【0025】
操作レバー48は、一方(本実施形態では、手前側)に(90度)回動させると、後述する大洗浄が開始され、他方(本実施形態では、奥側)に(90度)回動させると、後述する小洗浄が開始されるように、排水装置70を作動させる手動式の操作レバーである。また、モータ50は、大洗浄のボタンが押されると、操作レバー48と同一の一方(手前側)の方向に回転し、小洗浄のボタンが押されると、操作レバー48と同一の他方(奥側)の方向に回転して、それぞれ、大洗浄或いは小洗浄が開始されるように排水装置70を作動させるようになっている。このように、本実施形態では、使用者は、大洗浄及び小洗浄については、操作レバー48を操作しても良いし、操作ボタン52を押しても良い。エコ小洗浄については、モータ50によってのみ、即ち、使用者が操作ボタンを押すことによって、排水装置70が作動される。
【0026】
これらの操作レバー48及びモータ50には、ワイヤ部材やユニバーサルジョイントなどにより構成される回転伝達部材54が連結されている。この回転伝達部材54の他端側には、その回転に伴って、回転伝達部材54を中心に揺動する第1の引き上げ部材56及び第2の引き上げ部材58が取り付けられ、これらの第1の引き上げ部材56及び第2の引き上げ部材58の先端部には、それぞれ、第1玉鎖60の上端部分及び第2玉鎖62の上端部分が取り付けられている。
【0027】
これらの第1の引き上げ部材56及び第2の引き上げ部材58は、回転伝達部材54を一方側(大洗浄時)に回転させると、第1の引き上げ部材56のみが、その一方側に揺動して第1玉鎖60のみを引き上げ、一方、回転伝達部材54を他方側(小洗浄時、エコ小洗浄時)に回転させると、第1の引き上げ部材56及び第2の引き上げ部材58の両方が、その他方側に揺動して第1玉鎖60及び第2玉鎖62の両方を引き上げるような機械的な機構とされている。
【0028】
次に、図2乃至図5により、排水装置70について説明する。
図3は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の分解斜視図であり、図4は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の断面図であり、図5は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の制御筒の斜視図であり、図6は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の斜視図である。
【0029】
先ず、図3に示すように、本実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置70は、弁体72と、オーバーフロー管74と、筒体76と、制御筒78と、フロート80と、オーバーフロー管に固定される固定部材82と、筒体76に形成された後述する開口部76cを開閉する切替弁84(90、92)と、を有する。
【0030】
先ず、図2乃至図6により、排水装置70が備える排水弁機構を説明する。
先ず、弁体72は、図2及び図4に示すように、オーバーフロー管74の下端部に形成された断面コ字状の弁体保持部74aにはめ込まれ、オーバーフロー管74と共に上下動して、排水口22aを開閉する排水弁として機能する。また、オーバーフロー管74の側面には、その上下方向の中間部に、固定部材82を保持するための凹部74bが一周にわたって延びるように形成されている。
【0031】
次に、図4及び図5に示すように、制御筒78には、ほぼ円筒状の外側壁78aと、オーバーフロー管74の上下動をガイドする役割を有する円筒状の内側壁78bと、が形成されている。また、図4に示すように、制御筒78には、これらの側壁78a、78bと共に洗浄水を貯水可能にする中間水平壁78cが形成され、これらの側壁78a、78b及び中間水平壁78cにより貯水筒(貯水部)78dが構成される。
【0032】
また、貯水筒78dの外側壁78aには、貯水筒78d内に貯水された洗浄水を所定の流量で流出させるための2つの小穴78e、78fが形成されている。そして、一方の小穴78eは、スライド部材(切替部材)86によりスライドして開閉可能となっており、貯水筒78d内から流出させる洗浄水の流量を調節することが出来るようになっている。
【0033】
また、制御筒78の外側壁78aには、上述した貯水筒78dより下方部分に、排水時に、制御筒78の外方側の洗浄水を排水口22aに流入させるための流入口78gが形成されている。
【0034】
次に、図4に示すように、上述した貯水筒78dの内方にフロート80が配置されている。この上方には、所定の機能を有する固定部材82が、上述したオーバーフロー管74の凹部74b内に側方からはめ込まれ、これにより、固定部材82は、オーバーフロー管74に対して水平方向に回転できるように取り付けられ、一方、オーバーフロー管74に対して上下方向には移動出来ないよう固定されるようになっている。
【0035】
先ず、固定部材82には、上述した第1の引き上げ部材56に取り付けられた第1玉鎖60の下端部分が取り付けられ、排水時に、オーバーフロー管74を引き上げるために使用される。使用者が操作レバー48を回転させ、或いは、洗浄のボタンが押されモータ50が作動されると、第1玉鎖60が引き上げられるが、その際に、オーバーフロー管74の弁体72は貯水タンク22内に貯水されている洗浄水のヘッド圧により鉛直下方向に抑えられているため、先ず、固定部材82がオーバーフロー管74に対して水平方向に回転し、その後、オーバーフロー管74が鉛直上方に移動することになる。
このような構成により、オーバーフロー管74が回転しながら鉛直方向上方に移動することを防ぐことができ、排水装置70の開弁動作を安定させることができる。
【0036】
次に、固定部材82は、満水時には、フロート80の上昇を抑えるストッパとしての機能を有し、排水時には、後述するように、オーバーフロー管74及び弁体72が、フロート80の下降と連動して下降するよう、オーバーフロー管74とフロート80とを接続する機能を有する。固定部材82は、これらの機能を有するように、フロート80の上面に十分に当接するような形状及び大きさに形成されている。ここで、フロート80の浮力は、満水時、弁体72にかかる水圧によりオーバーフロー管74及び弁体72を上昇させないような浮力に設定され、排水時には、オーバーフロー管74及び弁体72にかかる下方向きの力よりやや大きい浮力に設定されている。なお、フロート80とオーバーフロー管74とを互いに固定して、常時接続するようにしても良い。
【0037】
次に、図2乃至図4、図6により、筒体76及び切替弁86などにより構成される流量調節機構について説明する。
先ず、図3及び図6に示すように、筒体76は、その横断面形状がほぼ矩形状に形成され、4辺の上縁部76aを有し、上方が開放されている。また、筒体76は、矩形状に形成された筒体76の4つの側面のうち、1つの側面76bにのみ、開口部76cが1つだけ形成されている。開口部76cは、矩形状に形成されている。
【0038】
そして、この開口部76cを開閉可能な切替弁84として、図3、図4及び図6に示すように、第1切替弁90及びその外方側に設けられる第2切替弁92が設けられている。
【0039】
図3に示すように、筒体76は、開口部76cの下方且つ側方の両側に軸76dを備え、第1切替弁90は、それらの軸76dにより揺動自在に嵌められる受部90aを備え、第2切替弁92には、その受部90aに揺動自在に嵌められる孔部92aが形成されている。そして、図6に示すように、筒体76に第1切替弁90及び第2切替弁92が取り付けられると、それらの軸76d、受部90a、孔部92aにより、軸体94が構成される。
【0040】
従って、第1切替弁90は、この軸体94により、軸体94を中心に、下方位置から開口部76cを閉じる位置まで揺動可能になり、第2切替弁92は、下方位置から開口部76cを閉じた第1切替弁90に隣接する位置まで揺動可能になっている。
【0041】
次に、図3、図4及び図6に示すように、第1切替弁90には、第1切替弁90が開口部76cを閉じたとき、筒体76の外方と内方とを連通させる連通口90bが形成されている。この連通口90bの開口断面積は、開口部76cの開口断面積よりも小さく、その大きさは、開口部76cを全開にしたときより、洗浄水の流量が所定量少なくなるような大きさに形成されている。このように、第1切替弁90は、筒体76の開口部76cの開口断面積を調節(減少)することが出来るようになっている。
【0042】
次に、第2切替弁92には、第1切替弁90側に向けて延びる突出部92bが形成されている。この突出部92bは、第2切替弁92が第1切替弁90に近接され或いは隣接されたとき、第1切替弁90の連通口90bに挿入可能な位置及び角度に形成されている。
【0043】
また、この第2切替弁92には、上述した軸体94の反対側の先端位置に、上述した第2の引き上げ部材58に取り付けられた第2玉鎖62の下端部分が取り付けられている。また、第1切替弁90には、錘96が取り付けられ、第2切替弁92には、錘98が取り付けられている。
【0044】
図2及び図4に示すように、筒体76の内方に制御筒78が取り付けられ、図2に示すように、筒体76及び制御筒78は、排水口22aを取り囲むように貯水タンク22の底部に取り付けられ、これにより、オーバーフロー管74が上下動可能に構成され、弁体72が排水口22aを開閉するようにされている。
【0045】
このとき、図2及び図4に示すように、制御筒78及び筒体76は、それぞれ、制御筒78の貯水筒(貯水部)78dの外側壁78aに形成された小穴78e、78fが、筒体76に形成された開口部76cの反対側に位置するように取り付けられている。
【0046】
次に、本発明の実施形態によるタンク装置の動作を説明する。
先ず、図7乃至図9により、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置により実行される3種類の洗浄モードのうち、大洗浄モードを説明する。
図7は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水開始時の状態を示す概略断面図であり、図8は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図であり、図9は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水終了後の状態を示す概略断面図である。
【0047】
なお、以下で説明する大洗浄、小洗浄、エコ小洗浄の各洗浄モードは、いずれも、上述した貯水筒78dに形成した小穴78e、78fが2つとも開かれている状態(スライド部材86で小穴78eを閉じない状態)での例である。
【0048】
先ず、図7に示すように、大洗浄モードの開始時、使用者が操作レバー48を手前側に90度回転させ、或いは、大洗浄のボタンが押されモータ50が作動(駆動)されると、第1の引き上げ部材56のみが揺動され、第1玉鎖60を介してオーバーフロー管74及び弁体72が、図7に示すような高さ位置まで引き上げられ、これにより、排水口22aが開いて、排水が開始される。
【0049】
このような引き上げの完了の直後に操作レバー48は初期位置に戻されて、第1の引き上げ部材56が初期位置に戻され、或いは、モータ50の作動により引き上げが行われたときは、引き上げの完了の直後に第1の引き上げ部材56が初期位置に戻るようにモータ50が作動される。
なお、このとき、第2の引き上げ部材58は揺動されないので、筒体76の開口部76cを開閉する各切替弁90、92は、図7に示すように、開口部76cから離間した位置のままである。従って、筒体76の開口部76cは全開であり、その開口断面積も変わらない。
【0050】
次に、図8に示すように、排水開始後、貯水タンク22内の洗浄水の全体の水位(WL)が時間と共に低下し、水位が筒体76の上縁部76a付近まで低下した時点で、筒体76内の洗浄水が急激に排水口22aから排出されるようになる。
【0051】
また、これに伴い、貯水筒78d内の洗浄水の水位は、小穴78e、78fから流出する流量に応じて所定の速度で低下し始める。従って、そのような貯水筒78d内の水位の低下に伴ってフロート80も下降し、そのフロート80の下降に連動してオーバーフロー管74及び弁体72も、フロート80の下降速度と同じ速度で下降する。そして、所定時間経過後、貯水筒78d内の洗浄水の水位がフロート80に浮力を与えない水位まで低下したとき、弁体72が排水口22aを閉じ(閉弁)、排水が終了する。
【0052】
次に、図9に示す水位(WL1)は、閉弁直後の筒体76の外方の水位であり、水位(DWL)は、そのような閉弁後に、筒体76の外方の洗浄水が、開口部76cを介して筒体76の内方に流入し、最終的に得られる、死水水位である。
このように、閉弁直後の筒体76の外方の水位(WL1)が、開口部76cの上縁より上方に位置するようにすることで、開口部76cへ流入する洗浄水をヘッド圧が高いものとなり、洗浄が終了するまで水勢の強い洗浄水が排水される。
【0053】
次に、図10乃至図15により、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置により実行される小洗浄モードを説明する。
図10は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水開始時の状態を示す概略断面図であり、図11は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水開始直後の状態を示す概略断面図であり、図12は、小洗浄モードの排水途中における第1切替弁の保持状態を説明するための要部拡大断面図であり、図13は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図であり、図14は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図であり、図15は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水終了後の状態を示す概略断面図である。
【0054】
先ず、図10に示すように、小洗浄モードの開始時、使用者が操作レバー48を奥側に90度回転させ、或いは、小洗浄のボタンが押されモータ50が作動されると、第1の引き上げ部材56及び第2の引き上げ部材58の両方が揺動して、第1玉鎖60を介してオーバーフロー管74及び弁体72が図10に示すような高さ位置まで引き上げられて、排水口22aが開いて、排水が開始される。また同時に、第2玉鎖62を介して第2切替弁92が引き上げられる。この第2切替弁92の内方側には第1切替弁90が設けられているので、第1切替弁90も第2切替弁92により引き上げられ、本実施形態では、図10に示すように、開口部76cを閉じる位置まで引き上げられる。
【0055】
このような引き上げの完了の直後に操作レバー48は初期位置に戻されて、第1の引き上げ部材56及び第2の引き上げ部材58は初期位置に戻され、或いは、モータ50の作動により引き上げが行われたときは、引き上げの完了の直後に第1の引き上げ部材56及び第2の引き上げ部材58が初期位置に戻るようにモータ50が作動される。
【0056】
そして、第2の引き上げ部材58が初期位置に戻されると、第2切替弁92は、その自重により、図11に示すような初期の位置に戻る。また、錘98により、より確実に、このような初期の位置に戻るようになっている。
【0057】
一方、第1切替弁90は、開口部76cを閉じる位置に保持されたままである。これを図12により説明する。
図12に示すように、排水開始後、筒体76の内方を流れる洗浄水の流速が、筒体76の外方を流れる洗浄水の流速より相対的に大きくなる。これは、筒体76の内方の流路面積が、第1切替弁90の連通口90bの流路面積より大きいためである。そして、筒体76の内方を流れる洗浄水の流速が、筒体76の外方を流れる洗浄水の流速より相対的に大きくなると、図12に示すように、第1切替弁90の内外で差圧が生じ、第1切替弁90には、図12に示すような力が加わって、閉じた状態に保持される。
【0058】
また、図14で説明するように、筒体76内の洗浄水が急激に排水口22aから排出され、筒体76内の洗浄水が無くなるような状態では、筒体76の外方の洗浄水の水圧により保持される。
【0059】
一方、第2切替弁92は、受圧面積が小さいため、このような圧力差の影響を受けにくく、上述したように、自重や錘98により、初期位置に戻る。
【0060】
このように、第1切替弁90は、開口部76cを閉じた状態に保持され、これにより、筒体76の開口部76cの開口断面積は、第1切替弁90の連通口90bの開口断面積まで減少される。従って、開口部76cを介して、筒体76の外方から内方へ流入する洗浄水の流量は、その開口断面積の減少分、少なくなる。
【0061】
次に、図13に示すように、貯水タンク22内の洗浄水の全体の水位(WL)が時間と共に低下し、その後、図14に示すように、上述した大洗浄モードと同様に、水位が筒体76の上縁部76a付近まで低下した時点で、筒体76内の洗浄水が急激に排水口22aから排出されるようになる。
【0062】
また、これに伴い、貯水筒78d内の洗浄水も、小穴78e、78fから流出する流量に応じて所定の速度で低下し始める。従って、そのような貯水筒78d内の水位の低下に伴ってフロート80も下降し、そのフロート80の下降に連動してオーバーフロー管74及び弁体72も、フロート80の下降速度と同じ速度で下降する。そして、所定時間経過後、貯水筒78d内の洗浄水の水位がフロート80に浮力を与えない水位まで低下したとき、弁体72が排水口22aを閉じ、排水が終了する。このときのフロート80、オーバーフロー管74及び弁体72の下降速度は、大洗浄時とほぼ同じである。従って、貯水筒78d内の洗浄水の水位が低下し始めてから、閉弁に至るまでの時間は、大洗浄モードとほぼ同じとなる。
【0063】
図15に示す水位(WL2)は、閉弁直後の筒体76の外方の水位であり、水位(DWL)は、そのような閉弁後に、筒体76の外方の洗浄水が、開口部76cを介して筒体76の内方に流入し、最終的に得られる、死水水位である。
このように、閉弁直後の筒体76の外方の水位(WL2)が、開口部76cの上縁より上方に位置するようにすることで、開口部76cへ流入する洗浄水をヘッド圧が高いものとなり、大洗浄モードと同様に、小洗浄モードでも、洗浄が終了するまで水勢の強い洗浄水が排水される。
【0064】
次に、図16乃至図20により、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置により実行されるエコ小洗浄モードを説明する。
図16は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置のエコ小洗浄モードにおける排水開始時の状態を示す概略断面図であり、図17は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置のエコ小洗浄モードにおける排水開始直後の状態を示す概略断面図であり、図18は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置のエコ小洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図であり、図19は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置のエコ小洗浄モードにおける排水終了直前の状態を示す概略断面図であり、図20は、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置のエコ小洗浄モードにおける排水終了後の状態を示す概略断面図である。
【0065】
先ず、図16に示すように、エコ小洗浄モードの開始時、使用者がエコ小洗浄のボタンが押し、モータ50が作動されると、第1の引き上げ部材56及び第2の引き上げ部材58の両方が揺動して、第1玉鎖60を介してオーバーフロー管74及び弁体72が図16に示すような高さ位置まで引き上げられて、排水口22aが開いて、排水が開始される。また同時に、第2玉鎖62を介して第2切替弁92が引き上げられる。この第2切替弁92の内方側には第1切替弁90が設けられているので、第1切替弁90も第2切替弁92により引き上げられ、本実施形態では、第1切替弁90及び第2切替弁92は、図16に示すような角度位置まで引き上げられ、開口部76cに所定距離近接される。なお、第1切替弁90及び第2切替弁92を、開口部76cに密接しても良い。
【0066】
本実施形態では、エコ小洗浄モードのとき、このような引き上げの完了後、第1の引き上げ部材56及び第2の引き上げ部材58が、その位置に保持(ホールド)されるようモータ50が作動される。即ち、オーバーフロー管74、弁体72、及び、第2切替弁92は、図16に示す位置に保持され、後述するように、その状態が所定時間、保持される。
【0067】
一方、第1切替弁90は、図17に示すように、筒体76の内方を流れる洗浄水の流速による負圧により、開口部76c側に引きつけられ、その後、上述したように、筒体76の内外の流速差により生じる差圧により、開口部76cを閉じる位置に保持される。この図17に示すように、第2切替弁92が保持される角度位置は、第1切替弁90が開口部76cを閉じる位置に保持されているとき、第2切替弁92に形成された突出部92bが、第1切替弁90の連通口90bに挿入されているように設定されている。
【0068】
なお、上述した小洗浄モードでも、排水開始時の第2切替弁92の引き上げを、図16のような角度位置までにして、第1切替弁90を、上述した負圧により開口部76c側に引きつけると共に上述した筒体内外の差圧により開口部76cを閉じる位置に保持するようにしても良い。
【0069】
このように、エコ小洗浄モードでは、第1切替弁90は、開口部76cを閉じた状態に保持され、第2切替弁92は、第2の引き上げ部材58、玉鎖62などを介してモータ50により図17に示すような角度位置に保持され、この角度位置では、第2切替弁92に形成された突出部92bが、第1切替弁90の連通口90bに挿入されているので、第1切替弁90の連通口90bの開口断面積を減少させる。従って、筒体76の開口部76cの開口断面積は、小洗浄モードのときよりさらに減少し、これにより、開口部76cを介して、筒体76の外方から内方へ流入する洗浄水の流量は、小洗浄モードのときより、さらに少なくなる。
【0070】
次に、図18に示すように、上述した大洗浄時及び小洗浄時と同様に、水位が筒体76の上縁部76a付近まで低下した時点で、筒体76内の洗浄水が急激に排水口22aから排出されるようになる。
また、これに伴い、貯水筒78d内の洗浄水も、小穴78e、78fから流出する流量に応じて所定の速度で低下し始める。ここで、このエコ洗浄モードでは、オーバーフロー管74及び弁体72が保持(ホールド)されているので、大洗浄モード及び小洗浄モードと異なり、図19に示すように、貯水筒78d内の水位の低下に伴ってフロート80のみが下降する。
【0071】
そして、所定時間経過後、オーバーフロー管74及び弁体72の保持及び第2切替弁92の保持を解除し、オーバーフロー管74及び弁体72を下降させて、弁体72が排水口22aを閉じ、排水が終了する。
【0072】
この排水終了時のオーバーフロー管74及び弁体72の保持(ホールド)の解除について詳細に説明する。本実施形態では、モータ50による保持を解除し、オーバーフロー管74及び弁体72を、基本的にはそれらの自重により自由落下させて下降させるが、モータ50のギアなどの機械摩擦等により少なからず反力を与えて、その下降速度を所定の速度に落とすようにしている。なお、保持を解除した後、モータ50を電気的に駆動して下降速度を調節するようにしても良い。
【0073】
本実施形態では、保持を解除するタイミングは、貯水筒78d内の洗浄水の水位がフロート80に浮力を与えない水位まで低下したときとしている。
なお、保持を解除するタイミングは、オーバーフロー管74及び弁体72が、上述した所定の速度で下降し、オーバーフロー管74に固定された固定部材82がフロート80の上面に当接した時点と、貯水筒78d内の洗浄水の水位がフロート80に浮力を与えない水位まで低下した時点と、がほぼ同時となるように設定しても良い。
【0074】
図20に示す水位(WL3)は、閉弁直後の筒体76の外方の水位であり、水位(DWL)は、そのような閉弁後に、筒体76の外方の洗浄水が、開口部76cを介して筒体76の内方に流入し、最終的に得られる、死水水位である。
【0075】
このように、閉弁直後の筒体76の外方の水位(WL3)が、開口部76cの上縁より上方に位置するようにすることで、開口部76cへ流入する洗浄水をヘッド圧が高いものとなり、大洗浄モード及び小洗浄モードと同様に、エコ小洗浄モードでも、洗浄が終了するまで水勢の強い洗浄水が排水される。
【0076】
以上説明したように、各洗浄モードにおいて、閉弁直後の筒体76の外方の水位(WL1、WL2、WL3)を、開口部76cより上方に位置するようにすることで、開口部76cへ流入する洗浄水をヘッド圧が高いものとすることが出来、これにより、本実施形態の洗浄水タンク装置を、特に、図1に示すような洗落し式大便器に備えた場合、洗浄効果が排水終了時まで持続され、効果が高いものとなる。
【0077】
以上、大洗浄、小洗浄、エコ小洗浄の各洗浄モードは、いずれも、上述した貯水筒78dに形成した小穴78e、78fが2つとも開いた状態(スライド部材86で小穴78eを閉じない状態)で説明したが、大洗浄モード及び小洗浄モードでは、小穴78e、78fのうち、一方の小穴78eをスライド部材86で閉じれば、その貯水筒78d内の洗浄水の水位の低下速度を遅くさせて、閉弁タイミングを遅くすることにより(図8における説明も参照)、それらの各洗浄モードにおける洗浄水量を増量させることが出来る。
【0078】
ここで、図21乃至図23により、上述したエコ小洗浄モードにおいて、オーバーフロー管74及び弁体72の保持を解除するタイミングを、「貯水筒78d内の洗浄水の水位がフロート80に浮力を与えない水位まで低下したとき」とした理由、或いは、「オーバーフロー管74及び弁体72が所定の速度で下降し、オーバーフロー管74に固定された固定部材82がフロート80の上面に当接した時点と、貯水筒78d内の洗浄水の水位がフロート80に浮力を与えない水位まで低下した時点と、がほぼ同時となるように」しても良い理由を説明する。
【0079】
図21は、排水途中にオーバーフロー管及び弁体を保持し且つフロートが低下している状態を示す概略断面図であり、図22は、排水途中にオーバーフロー管及び弁体の保持を解除した後オーバーフロー管に固定された固定部材がフロートの上面に接触した時点の状態を示す概略断面図であり、図23は、固定部材がフロートの上面に接触した図22に示す時点の後の状態を示す概略断面図である。
【0080】
図18において上述したように、貯水タンク22内水位が筒体76の上縁部76a付近まで低下した時点で、筒体76内の洗浄水が急激に排水口22aから排出され、このとき、貯水筒78d内の洗浄水が小穴78e、78fから流出する流量に応じて低下し始める一方、オーバーフロー管74及び弁体72が保持されているので、フロート80のみが下降する。
【0081】
図21に示す状態は、そのような状態の一例であり、貯水筒78d内の水位w1は、図示されているように、フロート80に浮力を生じさせる水位となっている。そして、仮に、このようなフロート80に浮力を生じさせる水位のとき、閉弁させるために、オーバーフロー管74及び弁体72の保持を解除すると、オーバーフロー管74及び弁体72は下降し始め、その後、図22に示すように、オーバーフロー管74に固定された固定部材82がフロート80の上面に接触(衝突)する。この図22に示す貯水筒78d内の水位w2も、図示されているように、フロート80に浮力を生じさせる水位となっている。
【0082】
このとき、オーバーフロー管74からフロート80に下方向きの力が加わり、図22に示すように、フロート80が、浮力でのみ浮いていた位置より下方に沈みこみ、また、弁体72も排水口22aに向けて下降すると共に排水口22aに近づき、或いは、排水口22aに下降した勢いで接触する。
【0083】
しかしながら、上述したように、フロート80の浮力は、オーバーフロー管74及び弁体72にかかる下方向きの力より大きい浮力に設定されているので、一旦、そのように沈みこんだ後、図23に示すように、フロート80は、その浮力により、固定部材82を介してオーバーフロー管74及び弁体72を上昇させてしまい、これにより、閉弁の遅延時間が生じ、或いは、このような弁体72の上下動により、排水口22aから排出される洗浄水の洗浄水量が不安定になるといった問題が生じる。このような問題は、特に、筒体76の水平断面積が小さく、筒体76内の水位低下速度が速いので問題となる。
【0084】
従って、オーバーフロー管74及び弁体72の保持を解除するタイミングを、「貯水筒78d内の洗浄水の水位がフロート80に浮力を与えない水位まで低下したとき」とすれば、オーバーフロー管74及び弁体72が下降してフロート80の上面に接触しても、このような問題は発生せず、安定した閉弁と安定した洗浄水量を得ることが出来るのである。
【0085】
また、オーバーフロー管74及び弁体72の保持を解除するタイミングを、「オーバーフロー管74及び弁体72が所定の速度で下降し、オーバーフロー管74に固定された固定部材82がフロート80の上面に当接した時点と、貯水筒78d内の洗浄水の水位がフロート80に浮力を与えない水位まで低下した時点と、がほぼ同時となるように」すれば、オーバーフロー管74及び弁体72が下降してフロート80の上面に接触しても、上述したような問題は発生せず、また、大洗浄モード及び小洗浄モードと、その閉弁タイミングをほぼ一致させることが出来る。
【0086】
なお、本実施形態では、エコ小洗浄の洗浄モードは、エコ小洗浄のボタンが押されるとモータ50が作動し、第1の引き上げ部材56及び第2の引き上げ部材58の両方が駆動され、第2切替弁92が開口部76cに所定距離近接されることでエコ小洗浄を行っているが、モータ50の作動により、第1の引き上げ部材56及び第2の引き上げ部材58の両方を駆動し、第2切替弁92が開口部76cに密接するように引き上げ、その後、その密接する状態を保持するようにしてエコ小洗浄を行っても良い。
【0087】
上述した本発明の実施形態による洗浄水タンク装置18によれば、貯水タンク22の排水口22aから水洗便器1へと供給される洗浄水の水量が、大洗浄モード、小洗浄モード、エコ小洗浄モードの多段階が得られるよう、筒体76の開口部76cの開口断面積を調節可能に開閉する切替弁90、92を有するので、効果的に、簡単な構造で、多段階の洗浄水量を得ることが出来る。その結果、近年の節水ニーズの要請も満たすことが出来る。
【0088】
また、第1切替弁90には、その開口断面積が筒体76の開口部76cの開口断面積より小さく、筒体76の開口部76cを閉じたとき筒体76の外方と内方とを連通させる連通口90bが形成され、第2切替弁92は、第1切替弁90に近接されたとき、第1切替弁90に形成された連通口90bの開口断面積を減少させるように形成されているので、それらの切替弁の位置を上述したように調節するだけで、筒体76の開口部76cを全開にして得られる大洗浄モードと、筒体76の開口部76cの開口断面積を第1切替弁90の連通口90bの開口断面積と同程度の開口断面積まで減少させて得られる小洗浄モードと、筒体76の開口部76cの開口断面積を第1切替弁90の連通口90bの開口断面積より小さくして得られるエコ小洗浄モードの3段階の洗浄水量を容易に得ることが出来る。また、連通口90bを形成した第1切替弁90及びその連通口92の開口断面積を減少させる突出部92bを有する第2切替弁92という簡単な構成により多段階洗浄を達成することが出来る。
【0089】
また、本実施形態では、エコ小洗浄モードのとき、洗浄開始信号受信後、モータ50が第2切替弁92を引き上げるよう駆動して、第2切替弁92を筒体76の開口部76に近接させた状態にすると同時にオーバーフロー管74及び弁体72を引き上げるよう駆動して排水口22aを開放させた状態にし、その後、第2切替弁92、オーバーフロー管74及び弁体72のそれらの状態を所定時間保持するので、近年の節水型洗浄水タンク装置において、水圧が少ない場合でも、洗浄水量が少ない場合(本実施形態では、エコ小洗浄モード)、確実に、予め設定した所望の洗浄量を得ることが出来る。また、第2切替弁92及びオーバーフロー管74を別々に駆動するのではなく、モータ50により、同時に駆動するようにしているので、特殊な機構を必要とせず、簡単な構造で予め設定した所望の洗浄量を得ることが出来、その結果、確実に便器1を洗浄することが出来る。
【0090】
また、本実施形態では、エコ小洗浄モードにおいて、貯水筒76d内の洗浄水の水位がフロート80に浮力を生じさせない水位以下のとき、弁体72が排水口22aを閉止する位置に下降しているよう、モータ50がオーバーフロー管74の保持を解除するように制御されるので、オーバーフロー管74及び弁体72が下降し、閉弁するとき、フロート80に浮力が生じていないため、所望のタイミングで確実に閉弁させ、予め設定した所望の洗浄量を得ることが出来る。
【0091】
また、モータ50は、オーバーフロー管74及び弁体72の自重による落下に対して、ギアなどの機械摩擦等により反力を与えるので、保持を解除した後、オーバーフロー管74及び弁体72の下降速度を完全に自由落下させるよりは、低い速度に下げることが出来、これにより、弁体72が排水口22aを閉弁した時の閉止音を低減することが出来る。
【符号の説明】
【0092】
1 洗落し式水洗便器
6 導水路
20 外装タンク
22 貯水タンク
22a 排水口
24 蓋体
34 洗浄水給水装置
46 操作装置
48 操作レバー
52 操作ボタン
54 回転伝達部材
56 第1の引き上げ部材
58 第2の引き上げ部材
60 第1玉鎖
62 第2玉鎖
70 排水装置
72 弁体
74 オーバーフロー管
74a 弁体保持部
74b 固定部材保持用凹部
76 筒体
76a 筒体の上縁部
76b 筒体の一側面
76c 筒体の開口部
78 制御筒
78d 貯水筒
78e、78f 小穴、流出口
78 流入口
80 フロート
82 固定部材
86 スライド部材
90 第1切替弁
92 第2切替弁
92 突出部
94 軸体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2段階の洗浄水量の洗浄水を水洗便器に供給する洗浄水タンク装置であって、
洗浄水が貯水され、底面に排水口が形成された貯水タンクと、
上記排水口を開閉して水洗便器への洗浄水の供給を行う排水弁と、
上記排水口を取り囲むように上記貯水タンクの底面から上方に延びる側面を有し、上方が開放されると共に上記側面に開口部が形成された筒体と、
上記開口部を開閉する切替弁と、
洗浄水量が多い場合には上記排水弁を駆動し、洗浄水量が少ない場合には上記排水弁及び上記切替弁を駆動する電気駆動手段と、を有し、
この電気駆動手段は、洗浄水量が少ない場合、その洗浄開始信号受信後、上記切替弁を駆動して上記筒体の開口部に近接或いは密接した状態にすると同時に上記排水弁を駆動して上記排水口を開放した状態にし、その後、上記切替弁及び上記排水弁のそれらの状態を所定時間保持することを特徴とする洗浄水タンク装置。
【請求項2】
さらに、上記筒体内に配置された貯水筒と、この貯水筒内の洗浄水の水位に応じて浮力により上下動するフロートと、を備え、
上記排水弁は、上記貯水筒内の洗浄水の水位の低下による上記フロートの下降に伴って上記排水口を閉弁するよう構成され、
上記電気駆動手段は、上記貯水筒内の洗浄水の水位が上記フロートに浮力を生じさせない水位以下のとき、上記排水弁が上記排水口を閉止する位置に下降しているように制御される請求項1記載の洗浄水タンク装置。
【請求項3】
上記電気駆動手段は、上記排水弁の自重による落下に対する反力を与える請求項2に記載の洗浄水タンク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−241553(P2011−241553A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112512(P2010−112512)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】