説明

洗浄組成物

本出願は、プロテアーゼ洗浄系と湿潤剤を含む無リン酸塩及び無ホウ酸塩洗浄組成物と、このような組成物の製造及び使用方法に関する。このような組成物は、製品における改善された酵素安定性と、消費者に望ましい洗浄特性を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、プロテアーゼ洗浄系と湿潤剤を含む低リン酸塩又は無リン酸塩及び低ホウ酸塩又は無ホウ酸塩洗浄組成物と、このような組成物の製造及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境意識の高まりの結果として、石油由来及び/又は石油をエネルギー源として使用する材料の使用を低減する動きが起こった。このような材料としては、界面活性剤、ポリマー、溶剤、ホウ酸塩、及びリン酸塩などのビルダーが挙げられる。更には、永続的に増大する環境的な圧力により、製品中で使用されるこのような材料の量、及びこのような製品の使用に必要とされる水の量−例えば、洗浄済の物品のすすぎに必要とされる水を低減する欲求が存在する。残念ながら、消費者製品の領域では、ホウ酸塩、合成ポリマー、及び/又はリン酸塩などのビルダーの量を低下させた場合、清浄化能力、光沢、粘性、及びメタルケアなどの望まれる性質は、一般に、マイナスの影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、実質的に無リン酸塩及び実質的に無ホウ酸塩であり、最低限、消費者に望ましい粘度、洗浄/光沢/メタルケア特性を維持する、製品に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願は、プロテアーゼと重量効率的(mass-efficient)な可逆性プロテアーゼ阻害剤を含む無リン酸塩及び無)洗浄組成物と、このような組成物の製造及び使用方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
定義
本明細書で用いられるとき、用語「洗浄組成物」は、特に指示がない限り、顆粒又は粉末状の多目的又は「強力」洗浄剤、特にクリーニング洗剤と、液体、ゲル又はペースト状の多目的洗浄剤、特にいわゆる強力液体型洗剤と、液体高級衣類用洗剤と、手洗い用食器洗い洗剤又は食器洗い用軽質洗剤、特に高発泡型洗剤と、家庭用又は業務用の各種錠剤、顆粒、液体、及びリンスエイド型などの食器洗い機用洗剤と、抗菌手洗い用洗剤、手洗い石鹸、マウスウォッシュ、入れ歯洗浄剤、歯磨剤、自動車又はカーペット用シャンプー、バスルームクリーナーを含む液状の洗浄剤及び殺菌剤と、ヘアシャンプー及びヘアリンスと、シャワー用ジェル、発泡入浴剤、及び金属洗浄剤、並びに漂白添加剤、及び「ステインスティック」などのクリーニング補助剤、又はドライヤー付与シート、乾燥及び湿潤型拭取り布、パッドなどの前処理型基材付与製品、不織基材、及びスポンジ、並びにスプレー剤及びミスト剤と、を包含する。
【0006】
本明細書で用いられるとき、「重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤」は、約0.00001mM〜約10mMの、約0.0001mM〜約5mMの、約0.005mM〜約2mMの、又は更には約0.001mM〜約0.5mMのKIを有する、プロテアーゼ阻害剤である。
【0007】
本明細書で用いられるとき、「カプセル化プロテアーゼ」は、約0.05マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの、又は約0.2マイクロメートル〜約700マイクロメートルの、又は更には約0.5マイクロメートル〜約150マイクロメートルの平均粒子寸法のカプセル化プロテアーゼである。前記カプセル化プロテアーゼが酵素顆粒/錠剤の形の場合には、前記カプセル化プロテアーゼは、通常、約200マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの粒子寸法を有する。前記カプセル化プロテアーゼが酵素マイクロカプセルの形である場合には、前記マイクロカプセルは、通常、約100マイクロメートル〜約0.05マイクロメートルの、約80マイクロメートル〜約0.05マイクロメートルの、又は更には約50マイクロメートル〜約0.05マイクロメートルの粒子寸法を有する。
【0008】
本明細書で用いられるとき、「環境にやさしい金属イオン封鎖剤」は、アミノ酸ベースの金属イオン封鎖剤、コハク酸塩ベースの金属イオン封鎖剤、クエン酸、及びその塩からなる群から選択される、金属イオン封鎖剤である。
【0009】
本明細書で用いられるとき、「低濡れ性の非イオン性界面活性剤」は、20mm未満又はそれに等しい、10mm未満又はそれに等しい、又は更には10mm〜約0.1mmのロスマイルス泡高さと、360秒よりも大きい又はそれに等しい、又は更には360秒〜約10,000秒のドレーブス濡れ時間を有する、非イオン性界面活性剤である。
【0010】
本明細書で用いられるとき、「湿潤剤」は、360秒未満の、200秒未満の、100秒未満の、60秒未満の、又は更には60秒〜約1秒未満のドレーブス濡れ時間と、20mm未満又はそれに等しい、10mm未満又はそれに等しい、又は更には10mm〜約0.1mmのロスマイルス泡高さを有する、化合物である。
【0011】
本明細書で用いられるとき、用語「発泡型非イオン性界面活性剤」は、20mmよりも大きい、20mm超〜約500mm、又は更には20mm超〜約100mmのロスマイルス泡高さを有する、非イオン性界面活性剤を指す。
【0012】
本明細書で用いられるとき、用語「曇点」は、混合物の相分離が視認可能である温度を指す。曇点は、EN1890などの標準的な方法により測定可能である。
【0013】
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」を包含する冠詞は、特許請求の範囲で使用されるときには、請求又は記載されるものの1つ以上を意味するものと理解される。
【0014】
本明細書で使用するとき、「包含する(include)」、「包含する(includes)」及び「包含している(including)」という言葉は、限定されないことを意味する。
【0015】
本出願人らの発明のパラメータの各値を求めるためには、本出願の試験方法の項で開示する試験方法を用いるべきである。
【0016】
特に記載のない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0017】
百分率及び比率は全て、特に指示がない限り、重量で計算される。特に指示のない限り、百分率及び比率は、全て洗浄組成物の総重量に基づいて計算される。
【0018】
本明細書を通じて記載されているあらゆる最大数値限定は、それよりも小さいあらゆる数値限定を、あたかもこうしたそれよりも小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように包含すると理解すべきである。本明細書を通じて記載されているあらゆる最小数値限定は、それよりも大きいあらゆる数値限定を、あたかもこうしたそれよりも大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書を通じて記載されているあらゆる数値範囲は、こうしたより広い数値範囲内に入る、それよりも狭いあらゆる数値範囲を、あたかもこうしたそれよりも狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように包含するであろう。
【0019】
組成物
一態様では、洗浄組成物であって
a.)
(i)プロテアーゼ及び重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤、
(ii)カプセル化プロテアーゼ、及び
(iii)これらの混合物からなる群から選択される材料を含むプロテアーゼ清浄化系、
b.)湿潤剤、
c.)溶剤、及び
d.)全洗浄組成物重量基準で、0%〜約0.1%の、約0%〜約0.05%の、0%〜約0.01%の、更には約0.0001%〜約0.01%のリン酸塩及び/又はポリリン酸塩、
e.)全洗浄組成物重量基準で、0%〜約0.1%の、約0%〜約0.05%の、0%〜約0.01%の、更には約0.0001%〜約0.01%のホウ酸塩、及び
f.)全洗浄組成物重量基準で、0%〜約0.1%の、約0%〜約0.05%の、0%〜約0.01%の、更には約0.0001%〜約0.01%のゼオライトとを含み得、
前記組成物の残余が1つ以上の補助成分を含み、前記洗浄組成物が約10cps〜約100,000cpsの、約30cps〜約50,000cpsの、約50cps〜約30,000cpsの、更には約55cps〜約20,000cpsの粘度を有する、洗浄組成物が開示される。
【0020】
一態様では、前述の洗浄組成物は、全洗浄組成物重量基準で、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、発泡型非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、0%〜約0.1%の、約0%〜約0.05%の、又は約0〜0.01%の湿潤剤でない材料、及び、0%〜約5.0%の、0%〜約2%の、0%〜約1重量%の、0%〜約0.8%の、0%〜約0.1%の、更には約0.001%〜約0.05%の湿潤剤でない低濡れ性の非イオン性界面活性剤とを含み得る。
【0021】
前述の洗浄組成物の一態様では、湿潤剤は、約60℃未満の曇点を有し、約6〜約24個の炭素原子を含むアルキル鎖及び約2〜約50個のペンダントアルキレンオキシド単位を含む、アルコキシル化脂肪族アルコール、エポキシキャップのポリ(オキシアルキル化)アルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み得る。
【0022】
前述の洗浄組成物の一態様では、前記組成物は、全洗浄組成物重量基準で、少なくとも0.00001%の、約0.0001%〜1%の、約0.001%〜0.5%の、約0.01%〜0.2%のプロテアーゼと、少なくとも0.00001%の、約0.0002%〜約2%の、更には約0.002%〜1%の、又は更には約0.005%〜0.5%の重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤、及び/又は少なくとも0.001%の、約0.005%〜約25%の、約0.05%〜約10%の、又は更には約0.01%〜約2%のカプセル化プロテアーゼ、及び少なくとも0.1%の、約0.3%〜約10%の、約0.5%〜約2%の、又は更には約0.6%〜1.3%の湿潤剤を含み得る。
【0023】
前述の洗浄組成物の一態様では、前記洗浄組成物は、少なくとも500cpsの、約1000cps〜約100,000cpsの、約5000cps〜約50,000cpsの、又は更には約10,000cps〜約20,000cpsの粘度を有し得る。
【0024】
前述の洗浄組成物の一態様では、洗浄組成物は、増粘剤を含み、前記増粘剤が全増粘剤重量基準で、少なくとも1%の、約1%〜約39%の、約2%〜約28%の、又は更には約5%〜約19%のアルコール部分を含み得る。前述の洗浄組成物の一態様では、増粘剤は、多糖類及び/又は多糖類誘導体を含み、前記多糖類又は多糖類誘導体が一態様ではグアール、ゲラン、キサンタンガム、及びこれらの混合物を含み得る。
【0025】
前述の洗浄組成物の一態様では、洗浄組成物は、全洗浄組成物重量基準で、約0.5%〜約10%の、約0.6%〜約5%の、又は更には約1%〜約3%のケイ酸ナトリウムとキサンタンガムを含み、前記キサンタンガムはケイ酸ナトリウム:キサンタンガムの重量比が約15:1〜約1:2、約10:1〜約1:1.5、約3:1〜約1:1、又は更には約2.5:1〜約1.5:1であるようなレベルで前記洗浄組成物中に存在し得る。
【0026】
前述の洗浄組成物の一態様では、プロテアーゼは、メタロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択され得、かつ重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤は、ペプチドアルデヒド、ガラルディン(galardin)、タンパク質加水分解産物、フェニルボロン酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0027】
前述の洗浄組成物の一態様では、セリンプロテアーゼは、E.C.3.4.21.62群のアルカリ性セリンプロテアーゼを含み得、かつフェニルボロン酸誘導体は4−ホルミルフェニルボロン酸を含み得る。
【0028】
前述の洗浄組成物の一態様では、洗浄組成物は、1つ以上の酵素を含み得、前記酵素は、ヘミセルラーゼ(hemicellulases)、セルラーゼ、セロビオースデヒドロゲナーゼ(cellobiose dehydrogenases)、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ(xylanases)、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ(pectinases)、マンナナーゼ(mannanase)、ペクテートリアーゼ(pectate lyases)、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ(pentosanase)、マラナーゼ(malanase)、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ(arabinosidase)、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナ−ゼ、ラッカーゼ、アミラーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0029】
前述の洗浄組成物の一態様では、洗浄組成物は、約6〜約11の、約7〜約10の、又は更には約8.3〜約9のpHを有し得る。
【0030】
前述の洗浄組成物の一態様では、洗浄組成物は、全組成物重量基準で、少なくとも0.1%の、約0.1%〜約40%の、約0.5%〜約20%の、又は更には約1%〜約10%のナノ粒子組成物を含み得る。
【0031】
前述の洗浄組成物の一態様では、洗浄組成物は、ナノ粒子組成物を含み得、これはベントナイト、ヘクトライト、及びこれらの混合物からなる群から選択されるナノ粘土を含み得る。
【0032】
前述の洗浄組成物の一態様では、洗浄組成物は、
(a)ポリカルボキシレートベース(polycarboxylate-based)のポリマー、
(b)スルホネート又はスルホン酸コポリマー、
(c)式:
ビス((C25O)(C24O)n)(CH3)−N+−Cx2x−N+−(CH3)−ビス((C25O)(C24O)n)式中、nは20〜30の整数であり、xは3〜8の整数である)を有し、場合によっては硫酸化又はスルホン化されている、ポリマー、
(d)スチレンベースのコポリマー、及び
(e)これらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含み得る。
【0033】
前述の洗浄組成物の一態様では、洗浄組成物は、酵素安定化剤成分を含み得、前記酵素安定化剤成分は、塩化カルシウム及び/又は塩化マグネシウムを含む、カルシウム塩、マグネシウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される無機塩、オリゴ糖、多糖類、及びこれらの混合物からなる群から選択される炭水化物、及びこれらの混合物を含み得る。
【0034】
前述の洗浄組成物の一態様では、洗浄組成物は、全洗浄組成物重量基準で、約1%〜約30重量%の、約2%〜約20重量%の、又は更には約3%〜約9重量%の環境にやさしい金属イオン封鎖剤を含み得る。
【0035】
前述の洗浄組成物の一態様では、洗浄組成物は、ベンザトリアゾール、金属錯体、金属塩、ケイ酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、メタルケア成分を含み得る。
【0036】
前述の洗浄組成物の一態様では、洗浄組成物は、亜鉛塩、トリトリアゾール、メタケイ酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含むメタルケア成分を含み得る。
【0037】
一態様では、メタロプロテアーゼ、重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤、及び補助成分を含む洗浄組成物が開示される。このような洗浄組成物は、ガラルディン、ホスホラミドン、バシトラシン亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤を含み得る。
【0038】
一態様では、本発明の洗浄組成物の1つ以上と水溶性フィルムを含み得る物品が開示される。
【0039】
前述の物品の一態様では、物品は、1つ以上の本発明の流体洗浄組成物を含み得、前記流体洗浄組成物は約50cps〜約1000cpsの粘度を有し、前記流体洗浄組成物は、全流体洗浄組成物重量基準で、約1%〜約90%の、約2%〜約10%の、又は更には約5%〜約8%の水を含む。
【0040】
一態様では、洗浄組成物及びそれを含む物品は、本明細書で開示されているパラメータと特性の任意の組み合わせを有し得る。
【0041】
好適なプロテアーゼとしては、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性の微生物セリンプロテアーゼを含むメタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられる。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物の起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは微生物起源のものであり得る。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学修飾又は遺伝子組み換えの突然変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであり得る。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、
(a)米国特許第6,312,936 B1号、米国特許第5,679,630号、米国特許第4,760,025号、DE102006022216A1、及びDE102006022224A1に記載されている、Bacillus lentus、B.alkalophilus、B.subtilis、B.amyloliquefaciens、Bacillus pumilus、及びBacillusgibsoniiなど、Bacillus由来のものを含むサブチリシン(EC 3.4.21.62)、
(b)WO 89/06270に記載されているFusariumプロテアーゼ、及びWO 05/052161及びWO 05/052146に記載されているCellumonas由来のキモトリプシンプロテアーゼを含むトリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源の)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ、
(c)WO 07/044993A2に記載されている、Bacillus amyloliquefaciens由来のものを含むメタロプロテアーゼが挙げられる。
【0042】
一態様では、本発明のプロテアーゼは、Bacillus lentusの野生型酵素と少なくとも90%の、好ましくは少なくとも95%の、更に好ましくは少なくとも98%の、なお更に好ましくは少なくとも99%の、特に100%の同一性を示し、参照として本明細書に組み込まれている、WO00/37627に示すようなBPN’番号付けシステム及びアミノ酸略称を用いて、次の位置の1つ以上、好ましくは2つ以上、更に好ましくは3つ以上において突然変異を含む、ポリペプチドを含む低温プロテアーゼである: 68、87、99、101、103、104、118、128、129、130、167、170、194、205及び222。
【0043】
好ましくは、突然変異は、V68A、S87N、S99D、S101G、S103A、V104N/I、Y167A、R170S、A194P、V205I及び/又はM222Sの1つ以上、好ましくは2つ以上、更に好ましくは3つ以上から選択される。
【0044】
SEQ ID NO:1の酵素に直接に比較すると、上記の突然変異の組は、次の位置での突然変異に対応する:
66、85、97、99、101、102、116、126、127、128、160、164、188、199及び216。
【0045】
好ましくは、突然変異は、SEQ ID NO:1の酵素に対して、次の1つ以上、好ましくは2つ以上、更に好ましくは3つ以上から選択される:
V66A、S85N、S97D、S99G、S101A、V102N/I、Y161A、R164S、A188P、V199I及び/又はM216S。
【0046】
最も好ましくは、酵素は、SEQ ID NO:1に対する下記の突然変異を含む群から選択されるものである(突然変異の番号付けはBPN’番号付けでなく直接にSEQ ID NO:1に対するものである):
(i)G116V+S126L+P127Q+S128A、
(ii)G116V+S126N+P127S+S128A+S160D、
(iii)G116V+S126L+P127Q+S128A+S160D、
(iv)G116V+S126V+P127E+S128K、
(v)G116V+S126V+P127M+S160D、
(vi)G116V+S126F+P127L+S128T、
(vii)G116V+S126L+P127N+S128V、
(viii)G116V+S126F+P127Q、
(ix)G116V+S126V+P127E+S128K+S160D、
(x)G116V+S126R+P127S+S128P、
(xi)S126R+P127Q+S128D、
(xii)S126C+P127R+S128D、
(xiii)S126C+P127R+S128G、
(xiv)S99G+V102N、
(xv)N74D+N85S+S101A+V102I、
(xvi)N85S+V66A+S99G+V102N。
【0047】
特に好ましいプロテアーゼは、突然変異(i)、(ii)、(xv)又は(xvi)を有するものである。
【0048】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、商品名Alcalase(登録商標)、サビナーゼ(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)、及びEsperase(登録商標)でNovozymes A/S(Denmark)により販売されているもの、商品名Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、PurafectPrime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、及びPurafect OXP(登録商標)でGenencorInternationalにより販売されているもの、及び商品名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)でSolvay Enzymesにより販売されているものが挙げられる。低温プロテアーゼの例としては、Polarzyme(商標)、(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、Properase(登録商標)、Properase BS(登録商標)、Excellase(登録商標)、FN3(登録商標)、及びFN4(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California,USA))が挙げられる。
【0049】
セリンプロテアーゼの阻害に好適な重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤としては、ボロン酸の誘導体、特にフェニルボロン酸とその誘導体、及びトリペプチドアルデヒドを含むペプチドアルデヒドが挙げられる。このような化合物の例は、WO 98/13458 A1、WO 07/113241 A1、及び米国特許第5,972,873号で開示されている。
【0050】
本発明の一態様では、安定化剤は、チオフェン−2ボロン酸、チオフェン−3ボロン酸、アセトアミドフェニルボロン酸、ベンゾフラン−2ボロン酸、ナフタレン−1ボロン酸、ナフタレン−2ボロン酸、2−ホルミルフェニルボロン酸(2−FPBA)、3−FBPA、4−FPBA、1−チアントレンボロン酸、4−ジベンゾフランボロン酸、5−メチルチオフェン−2ボロン酸、チオナフトレンボロン酸、フラン−2ボロン酸、フラン−3ボロン酸、4,4−ビフェニルジボロン酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレン、4−(メチルチオ)フェニルボロン酸、4(トリメチルシリル)フェニルボロン酸、3−ブロモチオフェンボロン酸、4−メチルチオフェンボロン酸、2−ナフチルボロン酸、5−ブロモチオフェンボロン酸、5−クロロチオフェンボロン酸、ジメチルチオフェンボロン酸、2−ブロモフェニルボロン酸、3−クロロフェニルボロン酸、3−メトキシ−2−チオフェン、p−メチル−フェニルエチルボロン酸、2−チアントレンボロン酸、ジ−ベンゾチオフェンボロン酸、4−カルボキシフェニルボロン酸、9−アントリルボロン酸、3,5−ジクロロフェニルボロン酸、ジフェニルボロン酸酸無水物、o−クロロフェニルボロン酸、p−クロロフェニルボロン酸、m−ブロモフェニルボロン酸、p−ブロモフェニルボロン酸、p−フルオロフェニルボロン酸、p−トリルボロン酸、o−トリルボロン酸、オクチルボロン酸、1,3,5−トリトリメチルフェニルボロン酸、3−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸、3−アミノフェニルボロン酸、3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸、2、4−ジクロロフェニルボロン酸、4−メトキシフェニルボロン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。安定化剤として好適な更なる好適なボロン酸誘導体は、米国特許第4,963,655号、米国特許第5,159,060号、WO 95/12655、WO 95/29223、WO 92/19707、WO 94/04653、WO 94/04654、米国特許第5,442,100号、米国特許第5,488,157号、及び米国特許第5,472,628号に記載されている。
【0051】
一態様では、重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤は、4−ホルミルフェニルボロン酸を含み得る。
【0052】
一態様では、重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤は、可逆性ペプチドプロテアーゼ阻害剤を含む。好適な可逆性のペプチドプロテアーゼ阻害剤の例及びその製造方法は、米国特許第6,165,966号及びWO 98/13459 A1に見られる。
【0053】
一態様では、トリペプチド酵素阻害剤は、次の構造を有する
【0054】
【化1】

【0055】
メタロプロテアーゼに好適な重量効率的な可逆性阻害剤は、
(i)ホスホラミドン及び/又はペプチド同配体のホスフィンアミド、
(ii)一態様では、チオルファン、カプトプリル、チオプロニン、及び/又はN−2−メルカプト−プロピオニルグリシン)を含むチオール、
(iii)テトラエチレンペンタミン及び/又は1,10−フェナントロリンを含む亜鉛特異的キレート剤、
(iv)ヒポキサンチン、6−メチル6−イソプロピルクロモン、3−ホルミル6−メチルクロモン、及び/又はクロラムフェニコール、
(v)一態様では、アセトヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、サリチルヒドロキサム酸、及び/又はロイシルヒドロキサム酸を含む、ヒドロキサム酸、
(vi)ジペプチドヒドロキサム酸、一態様では、ガラルディンなどのスクシニル(ジペプチド同配体)モチーフを有するヒドロキサム酸を含む、ヒドロキサム酸、
(vii)一態様では、ジペプチドN−ヒドロキシ尿素誘導体を含むN−ヒドロキシ尿素誘導体、
(viii)アルコール、カルボキシアルキルアミンペプチド、ベータ−チオエステルペプチド、スタチン、Batimastat、及び/又はMarimastat、
(ix)トリス(イソプロパノールアミン)、ヒポキサンチン、3−ホルミル6−イソプロピルクロモン、3−ホルミル6−メチルクロモン、ベータ−エチルフェネチルアルコール、スルファニル酸、クロラムフェニコール、及び/又はカンタリジン、
(x)N−ホスホリルロイシンアミド、及び/又はバシトラシン亜鉛、
(xi)カルバミン酸、N−[(フェニルメトキシ)カルボニルN−ヒドロキシL−ロイシンアミド(N−CBZ−Leu−NHOH)及び/又はN−[(フェニルメトキシ)カルボニルグリクリル−N−ヒドロキシL−ロイシンアミド(N−CBZ−Gly−Leu−NHOH)、
(xii)小麦グルテン加水分解産物(例えば、HyPep 4601(商標))、大豆タンパク質酸加水分解産物(例えば、Amisoy)、ウシ乳からのカゼイン酸加水分解産物(例えば、アミカーゼ)、植物タンパク質(例えば、プロテオースペプトン)の酵素加水分解産物、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるタンパク質加水分解産物、
(xiii)アルブミン加水分解産物からなる群から選択されるタンパク質加水分解産物混合物;ビタミンを含まないカゼイン酸加水分解産物;カゼイン加水分解産物;カゼイン加水分解産物ブロス;カゼインマグネシウムブロス;カゼイン酵母マグネシウム寒天;カゼイン酵母マグネシウムブロス;Edamin(登録商標)K;酵素的なゼラチン加水分解産物;トウモロコシからのグルテン酵素的加水分解産物;Hy−CaseP;Hy−Case(登録商標)M;ラクトアルブミン加水分解産物;肝臓加水分解産物;N−Z−アミン(登録商標)B;N−Z−アミン(登録商標)BT;N−Z−アミン(登録商標)YTT;ペプトン;酸消化物カゼインからのペプトン;酵素消化物ラクトアルブミンからの易溶性ペプトン;肉、消化性消化物からのペプトン;乳固体からのペプトン;サケからのペプトン;ペプトンHy−Soy(登録商標)T;ペプトンN−Z−大豆(登録商標)BL4;プリマトン;タンパク質加水分解産物アミカーゼ(登録商標);タンパク質加水分解産物N−Z−アミン(登録商標)AS;プロテオースペプトン;大豆タンパク質酸加水分解産物;トリプトン;トリプトース;及び植物加水分解産物No.2;及び
(xiv)これらの混合物からなる群から選択され得る。
【0056】
【化2】

【0057】
更なる態様では、好適な重量効率的な可逆性阻害剤は、EP 0558635 B1及びEP 0558648 B1で開示されているものから選択可能である。
【0058】
一態様では、重量効率的な可逆性阻害剤は、ガラルディン、又はホスホラミドン又はバシトラシン亜鉛などのヒドロキサメート誘導体であり得る。一態様では、重量効率的な可逆性阻害剤はガラルディンであり得る。このような化合物の商用源としてはSigma Aldrich(Milwaukee,WI,USA)、及びCalbiochem(San Diego,CA,USA)が挙げられる。本明細書で開示されているモノ及びジペプチド誘導体は、Nishino,Norikazu;Powers,James C.、Biochemistry(1978),17(14),2846〜50に述べられている方法により合成され得る。
【0059】
【化3】

【0060】
一態様では、可逆性のプロテアーゼ阻害剤は、場合によっては酵素による消化により産生されたタンパク質加水分解産物から選択される。一態様では、前記タンパク質加水分解産物は約5000Da未満の分子量を有する。
【0061】
一態様では、本発明の組成物は、全洗浄組成物重量基準で、約0.0001%〜約4%の、又は約0.0002%〜約2%の、又は約0.002%〜約1%の、又は更には約0.005%〜約0.5%の重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤を含む。
【0062】
一態様では、4−ホルミルフェニルボロン酸及びプロテアーゼ酵素は、本発明の液体洗浄組成物中に約10:1〜約500:1の、又は更には約30:1〜約200:1のモル比で存在し得る。
【0063】
一態様では、本発明の液体洗浄組成物においては、可逆性のペプチドプロテアーゼ阻害剤:プロテアーゼ酵素のモル比は、約1:1〜約20:1、又は更には約1:1〜約10:1であり得る。
【0064】
理論に束縛されるものでないが、有効な重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤は、処方内でプロテアーゼに強固に結合する必要があるが、洗浄における希釈時にプロテアーゼが有効に放出されないほど強固には結合しないと考えられる。
【0065】
好適なカプセル化プロテアーゼは、次の方法により作製され得る。
(i)酸クロリドと少なくとも2個のアミン基を含有する化合物との反応と、ホルムアルデヒドとメラミンとの重縮合反応により形成されるカプセルを含む、界面縮合重合。このような方法の例は、米国特許第4,906,396号、米国特許第6,221,829号、米国特許第6,359,031号、米国特許第6,242,405号、及びWO 07/100501 A2で開示されている。
(ii)アミノアルキルシラン前駆体及びアミノアルキル−トリアルコキシシランと、1つ以上のアルコキシシラン前駆体の反応により作製されるカプセルを含む、ゾル−ゲル法。この例は、WO 05/028603 A1及びWO 05/028604 A1で開示されている。及び
(iii)キトサンとアルギネートの反応により形成されるカプセルを含むか、又はゲランなどのバイオポリマーゲルを使用する、高分子電解質沈澱。このような方法の例は、EP 1,502,645 A1で開示されている。
【0066】
一態様では、カプセル化プロテアーゼは、少なくとも0.5重量%の、少なくとも1重量%の、少なくとも2重量%の、少なくとも5重量%の、又は少なくとも10重量%の、又は更には少なくとも20重量%の活性プロテアーゼ酵素を含み得る。
【0067】
一態様では、カプセル化プロテアーゼは、約5重量%〜約90重量%の活性プロテアーゼを含み得る。
【0068】
カプセル化プロテアーゼは、全洗浄組成物重量基準で0.001%〜約30%の、又は約0.005%〜約25%の、又は約0.05%〜約10%の、又は更には約0.01%〜約2%の濃度で本発明の組成物の中に組み込まれ得る。
【0069】
理論に束縛されるものでないが、小さい粒子寸法によって、粒子を懸濁させる液相の能力が促進され、液相が可能な限り均質に保たれると考えられる。前記カプセル化プロテアーゼが酵素マイクロカプセルの形である場合には、前記マイクロカプセルは、通常、約100マイクロメートル〜約0.05マイクロメートルの、約80マイクロメートル〜約0.05マイクロメートルの、又は更には約50マイクロメートル〜約0.05マイクロメートルの粒子寸法を有する。したがって、一態様では、このようなマイクロカプセルの寸法は、このようなマイクロカプセルを洗浄組成物の中に組み込む場合、通常、消費者に視認されないようなものとされる。
【0070】
一態様では、カプセル化プロテアーゼは、洗浄における希釈時にプロテアーゼ装填量の少なくとも80%を10分以内、5分以内、又は更には2分以内に放出する。一態様では、これらの放出速度は100倍の希釈下20℃で150rpmの攪拌により室温で達成可能である。Sigma Aldrich(Milwaukee,Wisconsin,USA)から入手可能なプロテアーゼ分析キットの使用などいかなる標準的な方法によっても、又はASTM D0348−89(2003)の方法により、プロテアーゼ活性を測定することができる。理論に束縛されるものでないが、酵素が汚れと相互作用しなければならない時間が増加するので、より良好な清浄化特性が得られると考えられる。
【0071】
一態様では、カプセル化プロテアーゼは、200〜1000マイクロメートルの平均粒子寸法を有する酵素顆粒/錠剤であり得る。このような酵素顆粒/錠剤は、米国特許第4,106,991号、米国特許第4,242,219号、米国特許第4,689,297号、米国特許第5,324,649号、及び米国特許第7,018,821 B2号の教示にしたがって作製され得る。一態様では、このような酵素顆粒/錠剤は染料及び/又は顔料を含み得る。一態様では、このような酵素顆粒/錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はポリビニルアルコールとその誘導体を含む被膜を含み得る。
【0072】
好適な湿潤剤としては、約60℃未満の曇点を有し、約6〜約24個の炭素原子を含み、かつ約2〜約50の、又は更には約10〜50のアルキレンオキシド部分を組み込んだアルコキシル化脂肪族アルコールが挙げられる。一態様では、このようなオキシド部分は、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド部分であり得る。好適な湿潤剤としては、BASF Corporation(Ludwigshafen,Germany)により供給されている、Plurafac SLF 4030(登録商標)、Plurafac SLF−18(登録商標)、及びPoly−Tergent(登録商標)SLF18B45が挙げられる。更なる好適な湿潤剤としては、WO 94/22800に述べられているエポキシキャップのポリ(オキシアルキル化)アルコールが挙げられる。
【0073】
一態様では、本発明の洗浄組成物は、全洗浄組成物重量基準で約0.001%〜約15%の、約0.1%〜約15%の、又は約0.3%〜約10%の、又は更には約0.5%〜2%、又は更には約0.6%〜1.3%の湿潤剤を含み得る。
【0074】
溶剤−本発明の洗浄組成物は、水、アルコール、シリコーン、グリコール、グリセリン、及びこれらの混合物から選択される溶剤を含み得る。一態様では、このような洗浄組成物はゲルであり得、溶剤は80%超の、90%超の、又は更には100%の水を含み得る。一態様では、本発明の洗浄組成物は、カプセル化液体を含み得る、単位用量品であり得る。このような液体は、水、ジプロピレングリコール、グリセリン、エタノール、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み得る。一態様では、このような単位用量品の前記液相は、約1重量%〜約90重量%の、約2重量%〜約10重量%の、又は更には約5重量%〜約8重量%の水を含み得る。
【0075】
一態様では、本発明の洗浄組成物は、約10cps〜約100000cpsの、約30cps〜約50,000cpsの、約50cps〜約30,000cpsの、又は更には約55cps〜約20,000cpsの粘度を有し得る。
【0076】
一態様では、洗浄組成物が二相(デュアル)又は多相の単位用量品であり、相の少なくとも一方が液体である場合には、このような組成物の液相は、約10cps〜約500cpsの、約30cps〜約300cpsの、約50cps〜約200cpsの、又は更には約55cps〜約180cpsの粘度を有し得る。
【0077】
一態様では、洗浄組成物は、約500cpsからのの、又は約1000cps〜約100,000cpsの、約5,000cps〜約50,000cpsの、約10,000cps〜約20,000cpsの、又は更には約12,000cps〜約18,000cpsの粘度を有し得る、ゲルであり得る。
【0078】
一態様では、前記ゲルは、一態様では、多糖類又はグアール、ゲラン及び/又はキサンタンガムなどの多糖類誘導体を含む、天然由来のポリマーガムからなる群から選択される増粘剤も含み得る。慣用の洗剤処方は、組成物のプロテアーゼ、ポリカルボキシレートなどの合成ポリマー、及びリン酸塩などの高レベルのビルダーを可逆的に阻害して、消費者に好ましい粘度をもたらすホウ酸塩/ジオール系を含み得る。
【0079】
理論に束縛されるものでないが、低リン酸塩/無リン酸塩処方において天然由来のポリマーに移行することによって、消費者に更に環境にやさしい洗剤がもたらされるが、ホウ酸塩/ジオールを包含させ、増粘剤を除外することにより、良好なプロテアーゼ安定性(消費者に望まれる清浄化をもたらす)を提供するか、又は増粘剤を包含させ、ホウ酸塩を除外することにより、消費者に望ましい粘度特性がもたらされるが、配合メーカーは望ましくないプロテアーゼ安定性がもたらされるというジレンマに直面すると考えられる。本発明の組成物は、消費者に望まれる清浄化特性、消費者に望まれる粘度特性、及びより環境にやさしい洗剤を消費者に提供するので、前述のジレンマを解決する。
【0080】
酵素関連の用語
アミノ酸修飾の表記
本明細書で酵素変異型を記述する場合、呼称が容易なので、元のアミノ酸:位置:置換アミノ酸という命名法が使用される。
【0081】
この表記にしたがって、例えば、195位のグリシンのグルタミン酸への置換はG195Eのように示される。同じ位置のグリシンの欠失はG195*のように示され、リジンのような追加アミノ酸残基の挿入はG195GKのように示される。特定の酵素が他の酵素に比べて「欠失」を含み、かかる位置に挿入が成された場合、これは、36位へのアスパラギン酸の挿入に対して*36Dと示される。多重突然変異は、プラスにより隔てられる。すなわち、S99G+V102Nは、グリシン及びアスパラギンに対してそれぞれセリン及びバリンを置換する位置99及び102の突然変異を表す。ある位置(例えば、102)のアミノ酸が、アミノ酸群、例えばN及びIからなる群から選択される、別のアミノ酸で置換され得る場合、これはV102N/Iと示される。
【0082】
全ての場合において、一般に認められたIUPACの一文字又は三文字アミノ酸略記が採用される。
【0083】
アミノ酸の同一性
2つのアミノ酸配列の間の相関性は、パラメータ「同一性」により記述される。本発明の目的には、2つのアミノ酸配列のアラインメントは、EMBOSSパッケージ(http://emboss.org)バージョン2.8.0のNeedleプログラムを使用することにより決定される。Needleプログラムは、Needleman、S.B.and Wunsch,C.D.(1970)J.Mol.Biol.48,443〜453に述べられているグローバルアラインメントアルゴリズムを実行する。用いられている置換マトリクスは、BLOSUM62であり、ギャップ・オープニング・ペナルティ(gap opening penalty)が10であり、ギャップ・エクステンション・ペナルティ(gap extension penalty)が0.5である。
【0084】
本明細書で使用される酵素のアミノ酸配列(「本発明の配列」)と異なるアミノ酸配列(「外来配列」)の間の同一性の程度は、「本発明の配列」の長さ又は「外来配列」の長さのいずれであれ、最短の長さで割った2つの配列のアラインメント中の完全な一致の数として計算される。結果は、同一性%として表される。完全な一致は、「本発明の配列」と「外来配列」が、重複する同位置において同一のアミノ酸残基を有する際に生じる。配列の長さは配列中でのアミノ酸残基の数である。
【0085】
補助剤物質
本発明の目的には必須でないが、以下に例示される補助剤の非限定的なリストは、当該組成物において使用するのに適しており、そして例えば、性能を補助若しくは向上させるために、洗浄されるべき基材の処理のために、又は香料、着色剤、染料などを用いる場合のように洗浄組成物の審美性を変化させるために、望ましくは本発明の特定の実施形態に組み込まれ得る。このような補助剤が、本発明の組成物を詳述する前段において列挙された成分への添加であるということは理解される。これらの更なる成分の正確な性状と、その組み込みレベルは、洗浄組成物の物理的な形と、それを使用する操作の性状に依存する。好適な補助材料としては、ポリマー、例えばカチオン性ポリマー、キレート化剤、染料移行剤、分散剤、酵素及び酵素安定化剤、触媒材料、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、光沢剤、石鹸泡抑制剤、染料、芳香剤及び芳香剤デリバリーシステム、構造弾性化剤、柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。下記の開示に加えて、このような他の補助剤の好適な例及び使用量は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号、及び同第6,326,348 B1号に見ることができる。
【0086】
上述のように、補助剤成分は、本出願人らの洗浄及び布地ケア組成物にとって必須ではない。したがって、本出願人らの組成物の特定の実施形態は、以下の補助材料:漂白活性化剤、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー系分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、柔軟剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、並びに/又は顔料の1種以上を含有しない。しかしながら、1種以上の補助剤が存在するとき、1種以上の補助剤は、以下に詳細に記載されるように存在してもよい。
【0087】
酵素−洗浄組成物は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果を提供する1以上の酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、他のセルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、例えばプロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼと共に含んでもよい酵素反応混液である。上述の追加酵素は、洗浄組成物に存在する場合、組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更には約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質の濃度で存在してよい。
【0088】
好適なアルファ−アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学修飾又は遺伝子組み合わせ突然変異体(変異型)が包含される。一態様では、好適なアルカリ性アルファ−アミラーゼは、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus stearothermophilus、Bacillus subtilis、又はNCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、DSM 9375(米国特許第7,153,818号)、DSM 12368、DSM 12649、KSMAP 1378(WO 97/00324)、KSMK36又はKSMK38(EP 1,022,334)などのBacillus種などのBacillus株由来のものである。好適なアミラーゼとしては次のものが挙げられる。
(a)WO 94/02597、WO 94/18314、WO 96/23874、及びWO 97/43424で述べられている変異型と、一態様ではWO 96/23874でSEQ ID No.2と示されている酵素に対して位置(15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408、及び444)の1つ以上で置換を持つ変異型、
(b)米国特許第5,856,164号と、WO 99/23211、WO 96/23873、WO 00/60060、及びWO 06/002643で述べられている変異型と、一態様ではWO 06/002643でSEQ ID No.12と示されている酵素に対して次の位置で1つ以上で置換を持つ変異型、
一態様では、D183*及びG184*の欠失も含有し得る、9、26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、195、202、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、320、323、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、458、461、471、482、484。
(c)Bacillus SP722の野生型酵素の、WO 06/002643におけるSEQ ID No.4と少なくとも90%同一性を呈する変異型と、一態様では、183及び184位置における欠失を持つ変異型、及びWO 00/60060で述べられている変異型、
(d)配列がSEQ ID NO:2と示され、好ましくは突然変異M202、M208、S255、R172、及び/又はM261の1つ以上を含む、Bacillus種707由来の変異型。好ましくは、前記アミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qの1つ以上を含む。特に好ましいのは、M202L又はM202T突然変異を含む変異型である。
【0089】
一態様では、好ましいアミラーゼは、WO 06/002643でSEQ ID No.12と示されているAA560酵素に対して位置(9、26、149、182、186、202、257、295、299、323、339、及び345)で1つ以上の、好ましくは2つ以上の、更に好ましくは3つ以上の、特に4つ以上の置換と、場合によっては位置(118、183、184、195、320、及び458)で、存在する場合には、好ましくはR118K、D183*、G184*、N195F、R320K及び/又はR458Kを含む、1つ以上の、好ましくは4つ以上の、更に好ましくは全ての置換及び/又は欠失を持つものを含む。
【0090】
一態様では、好ましい変異型アミラーゼとしては、WO 06/002643でSEQ ID No.12と示されているAA560酵素に対して次の突然変異の組を含むものが挙げられる。
(i)M9L+M323T、
(ii)M9L+M202L/T/V/I+M323T、
(iii)M9L+N195F+M202L/T/V/I+M323T、
(iv)M9L+R118K+D183*+G184*+R320K+M323T+R458K、
(v)M9L+R118K+D183*+G184*+M202L/T/V/I+R320K+M323T+R458K、
(vi)M9L+G149A+G182T+G186A+M202L+T257I+Y295F+N299Y+M323T+A339S+E345R、
(vii)M9L+G149A+G182T+G186A+M202I+T257I+Y295F+N299Y+M323T+A339S+E345R、
(viii)M9L+R118K+G149A+G182T+D183*+G184*+G186A+M202L+T257I+Y295F+N299Y+R320K+M323T+A339S+E345R+R458K、
(ix)M9L+R118K+G149A+G182T+D183*+G184*+G186A+M202I+T257I+Y295F+N299Y+R320K+M323T+A339S+E345R+R458K、
(x)M9L+R118K+D183*+D184*+N195F+M202L+R320K+M323T+R458K、
(xi)M9L+R118K+D183*+D184*+N195F+M202T+R320K+M323T+R458K、
(xii)M9L+R118K+D183*+D184*+N195F+M202I+R320K+M323T+R458K、
(xiii)M9L+R118K+D183*+D184*+N195F+M202V+R320K+M323T+R458K、
(xiv)M9L+R118K+N150H+D183*+D184*+N195F+M202L+V214T+R320K+M323T+R458K、又は
(xv)M9L+R118K+D183*+D184*+N195F+M202L+V214T+R320K+M323T+E345N+R458K。
【0091】
好適な市販のアルファ−アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYMEPLUS登録商標)、STAINZYME ULTRA(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、BIOAMYLASE−D(G)、BIOAMYLASE(登録商標)L and BAN(登録商標)(Novozymes A/S,Bagsvaerd,Denmark)、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech TradingGmbH(Wehlistrasse 27b A−1200 Wien Austria))、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、OPTISIZEHTPLUS(登録商標)及びPURASTAROXAM(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))と、KAM(登録商標)(14−10 Nihonbashi Kayabacho,1−chome,Chuo−ku Tokyo 103−8210,Japan)が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、及びSTAINZYME PLUS(登録商標)と、これらの混合物が挙げられる。
【0092】
酵素安定化剤成分−好適な酵素安定化剤としてはオリゴ糖、多糖類、及びアルカリ土類金属塩、特にカルシウム塩などの無機二価金属塩が挙げられる。一態様では、好適な酵素安定化剤としては塩化物及び硫酸塩が挙げられる。一態様では、好適な酵素安定化剤としては塩化カルシウムが挙げられる。デキストリンなどの好適なオリゴ糖及び多糖類の例は、WO 07/145964 A2に見られる。
【0093】
環境にやさしい金属イオン封鎖剤−好適な環境にやさしい金属イオン封鎖剤としては、アミノ酸ベースの金属イオン封鎖剤、コハク酸塩ベースの金属イオン封鎖剤、クエン酸、及びその塩の1つ以上が挙げられる。
【0094】
好適なアミノ酸ベースの化合物の例としては、MGDA(メチル−グリシン−二酢酸)とその塩及び誘導体、及びGLDA(グルタミン酸−N,N−二酢酸)とその塩及び誘導体が挙げられる。他の好適なビルダーは、米国特許第6,426,229号で述べられている。特に好適なビルダーとしては、例えば、アスパラギン酸−N−モノ酢酸(ASMA)、アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸−N−モノプロピオン酸(ASMP)、イミノジコハク酸(IDA)、N−(2−スルホメチル)アスパラギン酸(SMAS)、N−(2−スルホエチル)アスパラギン酸(SEAS)、N−(2−スルホメチル)グルタミン酸(SMGL)、N−(2−スルホエチル)グルタミン酸(SEGL)、N−メチルイミノ二酢酸(MIDA)、α−アラニン−N,N−二酢酸(α−ALDA)、セリン−N、N−二酢酸(SEDA)、イソセリン−N,N−二酢酸(ISDA)、フェニルアラニン−N、N−二酢酸(PHDA)、アントラニル酸−N,N−二酢酸(ANDA)、スルファニル酸−N,N−二酢酸(SLDA)、タウリン−N,N−二酢酸(TUDA)、及びスルホメチル−N,N−二酢酸(SMDA)と、これらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩が挙げられる。(一態様では、GLDA塩とその誘導体が使用され得る。一態様では、GLDAの四ナトリウム塩が使用され得る。
【0095】
好適なコハク酸塩化合物の例は、米国特許第5,977,053号で述べられている。一態様では、好適なコハク酸塩化合物としてはイミノコハク酸四ナトリウムが挙げられる。
【0096】
高機能ポリマー−好適なポリマーとしてはポリカルボキシレート、スルホン化ポリマー、アミンベースのポリマー、スチレンコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0097】
一態様では、ポリカルボキシレートベースのポリマーとしては、約500Da〜約500,000Daの、又は約1,000Da〜約100,000Daの、又は更には約3,000Da〜約80,000Daの平均分子量を有し得る、ポリカルボキシレートポリマーが挙げられる。一態様では、好適なポリカルボキシレートは、Sokalan PA30、PA20、PA15、PA10、及びsokalan CP10(BASF GmbH(Ludwigshafen,Germany))、Acusol(商標)45N、480N、460N、及び820(Rohm and Haas(Philadelphia,Pennsylvania,USA)により販売)などのアクリル酸を含むポリマー、Acusol(商標)445及びAcusol(商標)420(Rohm and Haas(Philadelphia,Pennsylvania,USA)により販売)などのポリアクリル酸、Acusol(商標)425Nなどのアクリル酸/マレイン酸コポリマー、及びアクリル酸/メタクリル酸コポリマーを含む群から選択され得る。このようなポリマーのいくつかの例はWO95/01416で開示されている。
【0098】
一態様では、スルホン化ポリマーは、Acusol(商標)588(Rohm and Haas(Philadelphia,Pennsylvania,USA)により販売)、Versaflex Si(商標)(Alco Chemical(Tennessee,USA)により販売)、及び米国特許第5,308,532号及びWO2005/090541で述べられているものを含む群から選択され得る。
【0099】
一態様では、アミンベースのポリマーとしては、一般構造、ビス((C25O)(C24O)n)(CH3)−N+−Cx2x−N+−(CH3)−ビス((C25O)(C24O)n)式中、nは20〜30の整数であり、xは3〜8の整数である)を有する化合物、又はその硫酸化又はスルホン変形物が挙げられる。
【0100】
一態様では、スチレンコポリマーは、Alco Chemical Tennessee(USA)により商品名Alcosperse(登録商標)729及び747で供給されているものなどの、1,000〜50,000の、又は更には2,000〜10,000の範囲の平均分子量を有する、場合によってはスルホン酸基を含むアクリル酸とのスチレンのコポリマーを含む群から選択され得る。
【0101】
理論に束縛されるものでないが、スポッティングとフィルミング、分散性、清浄化、及び飲料のしみの清浄化の領域の1つ以上においてメリットをもたらすように、機能ポリマーは包含され得る。
【0102】
好適な低濡れ性の非イオン性界面活性剤としては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー界面活性剤が挙げられる。好適な例は次の化学構造と、性質を有し得る。
HO(C24O)a(C36O)b(C24O)c
【0103】
一態様では、前記低濡れ性の非イオン性界面活性剤は、BASF Corporation(Ludwigshafen,Germany)から商品名Pluronic(登録商標)10R5、Pluronic(登録商標)F127NF、及びPluronic(登録商標)L44NFで入手可能である。
【0104】
増粘剤−搖変性増粘剤などの好適な増粘剤としては粘土、ガム、ポリマー、及びゲルが挙げられる。このような増粘剤は、消費者に好ましい粘度をもたらし、液体製品の安定性を改善し得る。本明細書において使用するための増粘剤としては、粘土、Polygel(登録商標)などのポリカルボキシレート、ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書における粘土増粘剤は複層構造を有し得る。粘土は、天然起源のもの、例えばベントナイト又は人工のもの、例えばLaponite(登録商標)であり得る。LaponiteはSouthern Clay Products,Incにより供給されるものである。
【0105】
一態様では、増粘剤は、全増粘剤重量基準で、少なくとも1重量%の、約1重量%〜約39重量%の、約2重量%〜約28重量%の、又は更には約5重量%〜約19重量%のアルコール部分を含み得る。
【0106】
別の態様では、増粘剤は、海生植物、陸生植物、微生物の多糖類、及び多糖類誘導体を特徴とすることができる天然由来のポリマーガムであり得る。海生植物ガムの例としては、寒天、アルギネート、カラギーナン、及びファーセレランが挙げられる。陸生植物ガムの例としては、グアーガム、アラビアゴム、トラガカントゴム、カラヤゴム、イナゴマメゴム、及びペクチンが挙げられる。微生物多糖類の例としては、デキストラン、ジェランガム、ラムサンガム、ウェランガム、及びキサンタンガムが挙げられる。多糖類誘導体の例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコール、及びヒドロキシプロピルグアーが挙げられる。
【0107】
一態様では、増粘剤としてはメチルセルロース、Dow Chemical Company(Midland,Michigan,USA)からのMethocel(登録商標)の商品名のヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、ゲランガム、グアールガム及びヒドロキシプロピルグアールガム、スクシノグリカン、及びトリヒドロキシステアリンが挙げられ得る。構造化剤の別の具体例には、ヒマシ油及びその誘導体などの、非ポリマー性ヒドロキシ基含有構造化剤が挙げられる。市販のヒマシ油ベースの結晶性ヒドロキシル含有構造化剤としてはRheox,Inc(Hightstown,New Jersey,USA)のTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。一態様では、グアールガム、ゲランガム、及びキサンタンガムとこれらの誘導体、例えば商品名Rhodopol(商標)23(Rhodia(Courbevoie,France)により販売されている)、KELCOGEL(商標)(CPKelco(Houston,Texas,USA))により供給されているもの、及びbacterium Xanthomonas campestris由来で、Jungbunzlauer International AG(Basel,Switzerland)により販売されているキサンタンガムの種類などが使用され得る。
【0108】
pH調整成分−一態様では、本発明による液体洗剤のpHは、約6〜約11、約7〜約10、又は更には約8.3〜約9であり得る。所望のpHを得るには、pH調整成分が使用され得る。pH調整成分は、水酸化ナトリウム又はカリウム、炭酸又はセスキ炭酸ナトリウム又は二ケイ酸カリウム、ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、及び結晶性フィロケイ酸塩を含むケイ酸ナトリウム又はカリウム、重炭酸ナトリウム又は重炭酸カリウム、硫酸、硝酸、塩酸、及びこれらの混合物から選択され得る。一態様では、pH調整成分は、少なくとも一部ケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩を含み得る。理論に束縛されるものでないが、処方中でのケイ酸塩のレベルと増粘剤の重量に対するその重量の比の両方は、消費者に好ましい粘度を提供するのに重要であると考えられる。一態様では、ケイ酸塩はケイ酸ナトリウムを含み得、このようなケイ酸ナトリウムは、全洗浄組成物重量基準で約0.5%〜約10%の、約0.6%〜約5%の、又は更には約1%〜約3%のレベルで存在し得、構造化剤は全洗浄組成物重量基準で約0.5%〜約2%の、又は更には約0.7%〜約1.2%のレベルで存在し得るキサンタンガムを含み得る。更なる態様では、ケイ酸ナトリウム:キサンタンガムの重量比は、約15:1〜約1:2、約10:1〜約1:1.5、約3:1〜約1:1、又は更には約2.5:1〜約1.5:1であり得る。
【0109】
メタルケア剤−このメタルケア剤は、アルミニウム、ステンレススチール、及び銀及び銅などの非鉄金属を含む金属の光沢の喪失、腐食又は酸化を防止又は低減し得る。好適な例としては、次の1つ以上が挙げられる。
(a)ベンゾトリアゾール又はビス−ベンゾトリアゾールとこれらの置換誘導体を含むベンザトリアゾール。ベンゾトリアゾール誘導体は、芳香族環上の使用可能な置換部位が部分的又は完全に置換されている化合物である。好適な置換基としては、直鎖又は分岐鎖のC1〜C20−アルキル基と、ヒドロキシル、チオ、フェニル又はフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素などのハロゲンが挙げられる。
(b)金属が酸化状態II、III、IV、V又はVIの1つにある、亜鉛、マンガン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、コバルト、ガリウム、及びセリウム塩及び/又は錯体からなる群から選択される金属塩及び錯体。一態様では、好適な金属塩及び/又は金属錯体は、Mn(II)硫酸塩、Mn(II)シトレート、Mn(II)ステアレート、Mn(II)アセチルアセトネート、K2TiF6、K2ZrF6、CoSO4、Co(NO32、及びCe(NO33、亜鉛塩、例えば硫酸亜鉛、水亜鉛土又は酢酸亜鉛からなる群から選択され得る。
(c)ケイ酸ナトリウム又はカリウム、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、結晶性フィロケイ酸塩、及びこれらの混合物を含むケイ酸塩。
【0110】
銀/銅腐食阻害剤として作用する更なる好適な有機及び無機レドックス活性物質は、WO 94/26860及びWO 94/26859で開示されている。
【0111】
一態様では、硫酸亜鉛六水和物、トリルトリアゾール、及びメタケイ酸ナトリウムの1つ以上が本発明の洗浄組成物で使用され得る。
【0112】
漂白剤及び非金属漂白剤触媒−本発明の洗浄組成物は、1つ以上の漂白剤を含み得る。漂白触媒以外の適切な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予め形成された過酸、及びこれらの混合物が挙げられる。一般に、漂白剤を使用する場合には、本発明の洗浄組成物は、本発明の洗浄組成物の重量で約0.1%〜約50%の、又は更には約0.1%〜約25%の漂白剤を含み得る。一態様では、存在する任意の漂白剤は、洗浄組成物中に存在する酵素と反応することができない形のものである。これは、例えば漂白剤がカプセル化されるか、又は酵素から別の方法で物理的に分離される場合に、達成可能である。適切な漂白剤の例としては、以下のものが挙げられる。
(1)予め形成された過酸:好適な予め形成された過酸としては、過カルボン酸と塩、過炭酸と塩、過イミド酸と塩、ペルオキシモノ硫酸酸と塩、例えば、Oxone(登録商標)、及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられる。好適な過カルボン酸類としては、化学式R−(C=O)O−O−Mを有する疎水性及び親水性過酸類が挙げられる。[式中、Rはアルキル基であり、所望により分岐しており、前記過酸が疎水性の場合には、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有し、前記過酸が親水性の場合には、6個未満の炭素原子、又は更に4個未満の炭素原子を有し、Mは、対イオン(例えば、ナトリウム、カリウム又は水素)である。]例としては、過安息香酸、及びモノ−又はジペルオキシフタル酸、2−オクチルジペルオキシコハク酸、ジペルオキシドデカンジカルボン酸、ジペルオキシ−アゼライン酸、及びイミドペルオキシカルボン酸と、場合によってはこれらの塩などのペルオキシカルボン酸が挙げられる。一態様では、ペルオキシノナン酸及びフタルイミドペルヘキサン酸(PAP)が使用され得る。
(2)過酸化水素源、例えば過ホウ酸塩(通常一又は四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩及びこれらの混合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む無機過水和物塩。本発明の一態様では、無機過水和塩は、ナトリウムの過ホウ酸塩、過炭酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。使用される場合、無機過水和塩は、全洗浄組成物の0.05%〜40重量%の、又は1%〜30重量%の量で存在し得、被覆され得る結晶性固体としてこのような組成物の中に組み込まれ得る。好適なコーティングとしては、無機塩(アルカリ金属ケイ酸塩、炭酸塩若しくはホウ酸塩、又はこれらの混合物など)、又は有機物質(水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油又は脂肪石鹸など)が挙げられる。及び
(3)R−(C=O)−Lを有する漂白活性化剤(式中、Rはアルキル基であり、所望により分岐状であり、前記漂白活性化剤が疎水性の場合、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有し、前記漂白活性化剤が親水性の場合、6個未満の炭素原子又は更にC4個未満の炭素原子を有し、及びLは脱離基である。)好適な脱離基の例としては、安息香酸とその誘導体、特にベンゼンスルホネートが挙げられる。好適な漂白活性化剤類としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩類、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。適切な漂白活性剤は、PCT国際公開特許第98/17767号にも開示されている。いかなる好適な漂白活性化剤も使用してよいが、発明の1つの態様では、本発明の洗浄組成物は、NOBS、TAED又はこれらの混合物を含んでもよい。
(4)本発明の洗浄組成物での使用に好適な非金属漂白触媒及びこのような触媒の適切なレベルは、米国特許第7,169,744 B2号及び米国特許第2006/0287210 A1号で開示されている。
【0113】
存在する場合、過酸及び/又は漂白活性化剤は、全洗浄組成物重量基準で、約0.1重量%〜約60重量%の、約0.5重量%〜約40重量%の、又は更には約0.6重量%〜約10重量%の濃度で一般に存在する。1以上の疎水性過酸類又はその前駆体を、1以上の親水性過酸又はその前駆体と組み合わせて使用してもよい。
【0114】
過酸化水素源及び過酸又は漂白活性化剤の量は、過酸に対する使用可能な酸素(過酸化物源からの)のモル比が1:1〜35:1又は更には2:1〜10:1となり得るように選択され得る。
【0115】
触媒金属錯体−本出願人らの洗浄組成物は、触媒金属錯体を含むことができる。金属含有漂白触媒の1つの種類は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンの陽イオンのような、限定された漂白触媒活性の遷移金属陽イオン、亜鉛又はアルミニウムの陽イオンのような、漂白触媒活性をほとんど又は全く有さない補助金属陽イオン、並びに触媒金属及び補助金属の陽イオンに対して限定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性の塩類を含む触媒系である。このような触媒の例は、米国特許第4,430,243号で開示されている。
【0116】
所望する場合、本明細書の洗浄組成物は、マンガン化合物によって触媒することができる。このような化合物及び使用濃度は当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号で開示されているマンガン系触媒が挙げられる。
【0117】
本明細書において有用なコバルト漂白剤触媒は公知であり、例えば、米国特許第5,597,936号及び米国特許第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、例えば米国特許第5,597,936号及び米国特許第5,595,967号に教示されているような既知の手順によって容易に調製される。
【0118】
好適には、本明細書の洗浄組成物としては、ビスピドン(WO 05/042532 A1)及び/又は「MRL」と省略される、マクロ多環剛直配位子などの配位子の遷移金属錯体も挙げられ得る。実際的な事項であり、限定としてではないが、本明細書の洗浄組成物及び方法は、少なくとも1億分の1のオーダーの活性MRL種を水性洗浄媒体中でもたらすように調整可能であり、通常、約0.005ppm〜約25ppmの、約0.05ppm〜約10ppmの、又は更には約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄液中でもたらす。本遷移金属漂白触媒における適切な遷移金属としては、例えばマンガン、鉄、及びクロムが挙げられる。好適なMRLとしては、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンが挙げられる。
【0119】
好適な遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、PCT国際公開特許第00/32601号及び米国特許第6,225,464 B1号で教示されているような既知の手順によって容易に製造される。
【0120】
発泡制御剤−好適な発泡制御剤としてはシリコーン及びパラフィンオイルが挙げられる。発泡制御剤は、全洗浄組成物重量基準で5重量%以下の、又は更には2重量%以下の量で洗浄組成物中に存在し得る。
【0121】
ナノ粒子組成物−ナノ粒子組成物は、ナノ粒子と、前記ナノ粒子の凝集を防止するために場合によっては分散剤を含み得る。
【0122】
好適なナノ粒子の例はEP 1,837,394 A1で開示されている。一態様では、ナノ粒子は、粘土、金属酸化物、炭酸塩、及びこれらの混合物から選択され得る。一態様では、ナノ粒子は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0123】
一態様では、粘土と金属酸化物からなる群から選択されるナノ粒子が本発明の洗浄組成物中で使用され得る。ナノ粘土は、層状構造を有する帯電した結晶であり得る。通常、結晶の頂部及び底部が負帯電し、側部が正帯電する。ナノ粘土の帯電した性状により、これらは、溶液中で凝集して、清浄化に有効に寄与しない、大きな構造を形成する傾向があると考えられる。更には、このような構造は、被洗浄物上に堆積して、その上に望ましくないフィルムを残すことがある。特に、このようなナノ粘土は、洗浄水中に見られるカルシウム及びマグネシウムの存在において凝固する傾向がある。本発明の一態様では、ナノ粘土は洗浄液中で剥離する。「剥離する」とは、ナノ粘土が、独立した結晶の形、特に約10nm〜約300nmの粒子寸法を有する個別の結晶の形となるという意味である。方法ASTM E1037−84、バージョン1、2004にしたがってMalvernゼータサイザー装置を用いて結晶の粒子寸法を測定することができる。本明細書で示されるナノ粘土粒子寸法は、z平均直径、強度平均寸法である。ナノ粘土は、天然又は合成の源からのものであることができる。本明細書での使用に好適なナノ粘土は、約10nm〜約300nmの、約20nm〜約100nmの、又は更には約30〜約90nmの粒子寸法(z平均直径)を有し得る。本発明での使用に好適な層状粘土鉱物としては、スメクタイト、カオリン、イライト、クロライト、アタプルジャイト、及び混合層粘土の地質学的な類の層状粘土鉱物が挙げられる。スメクタイトとしては、例えばモンモリロナイト、ベントナイト、パイロフィライト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、ノントロナイト、タルク、バイデライト、ボルコンスコイト、及びバーミキュライトが挙げられる。カオリンとしては、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、アノーキサイト、ハロイサイト、インデライト、及びクリソライトが挙げられる。イライトとしては、ブラバサイト、ムスコバイト、パラゴナイト、フロゴパイト、及びバイオタイトが挙げられる。クロライトとしては、コレンサイト、ペンイナイト、ドンバサイト、スドナイト、ペンニン、及びクリノクロールが挙げられる。アタプルジャイトとしてはセピオライト、及びポリゴルスカイトが挙げられる。混合層粘土としてはアレバルダイト、及びバーミキュライトビオタイトが挙げられる。
【0124】
本発明の一態様では、天然又は合成のヘクトライト、モンモリロナイト、及びベントナイトを含むナノ粘土が使用され得る。本発明の一態様では、合成ヘクトライト粘土が使用され得る。市販のヘクトライトの典型的な源としては、Rockwood Additives Limited(Princeton,New Jersey,USA)、又はSouthern Clay Products,Inc.(Texas,USA)のLAPONITE種;R.T.Vanderbilt Company Inc.(Norwalk,Connecticut,USA)のVeegumPro及びVeegumF;及びBaroid Division,National Read Company(Oklahoma,USA)のBarasyms,Macaloids、及びPropaloidsが挙げられる。合成ヘクトライトは、Rockwood Additives Limited(Princeton,New Jersey,USA)、及びSouthern Clay Products Inc.(Texas,USA)により商品名LAPONITEで市販されている。市販のLAPONITEの等級又は変形、及び同形置換物は多数存在する。市販のヘクトライトの例は、Lucentite SWN、LAPONITES、LAPONITEXLS、LAPONITERD、及びLAPONITERDSである。本発明の一態様では、Laponite RDが使用され得る。
【0125】
粒子の最小寸法に対する粒子の最大寸法の比は、粒子のアスペクト比として知られている。粒子のいくつかが凝集している、分散媒体中での粒子のアスペクト比は、個別の粒子の場合よりも低いと考えられることができる。ディスパージョンのアスペクト比を、TEM(透過電子顕微鏡法)により適切に特性付けすることができる。本明細書で使用するナノ粘土には高アスペクト比が望ましい。一態様では、洗浄組成物中のナノ粘土のアスペクト比は、5〜約35、又は更には約10〜約20である。
【0126】
本発明の一態様では、洗浄組成物は分散剤を更に含む。理論に束縛されるものでないが、分散剤は、ナノ粒子を特に硬水条件(約200ppm(CaCO3として)よりも大きい硬度レベル)下で剥離状態に保つのを助けると考えられる。本発明の一態様では、ナノ粘土と分散剤は、約1:1〜約1:10の、又は更に約1:2〜約1:8の重量比を有し得る。凝塊又は凝集はこれらの範囲外で起こり得る。
【0127】
本明細書での使用に好適な分散剤としては、
(a)約1,000Da〜約30,000Daの、約2,000Da〜約20,000Daの、又は更には約3,000Da〜約12,000Daの重量平均分子量を有する、低分子量のポリアクリレートホモポリマー、
(b)環境にやさしい金属イオン封鎖剤、特にMGDA(メチルグリシン二酢酸)、及びGLDA(グルタミン酸−N,N−二酢酸塩)、
(c)これらの混合物が挙げられる。
【0128】
発泡型非イオン性界面活性剤−好適な発泡型非イオン性界面活性剤としては、BASF Corporation(Ludwigshafen,Germany)により商品名Lutensol XL60、Lutensol XL70、Lutensol XL90で販売されている非イオン性界面活性剤などの直鎖又は分岐鎖のアルコールアルコキシレートが挙げられる。
【0129】
溶剤−好適な溶剤としては水、アルコール、グリコール、ポリオール、及び親油性流体などの他の溶剤が挙げられる。本発明の一態様では、好適な溶剤としては、水、エタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、他の環境にやさしい溶剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0130】
水溶性フィルム−本発明の態様では、本発明の洗浄組成物は、水溶性パウチの形のものであり得る。一態様では、射出成形、真空成形又は熱成形された多小室などの多相単位用量パウチ。単位用量使用に好適な製造方法は、WO 02/42408及びEP 1,447,343 B1に述べられている。本発明の洗浄組成物と適合し、皿洗い機の主洗浄サイクルの中への洗浄組成物の送達を可能とする任意の水溶性フィルム形成性ポリマーを封入材料として使用することができる。一態様では、フィルム材料は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリアミド、ポリアクリルアミドから選択され得る。一態様では、フィルム材料は、ポリアミド、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及びこれらの混合物から選択され得る。一態様では、フィルム材料はポリビニルアルコール(PVA)を含む。
【0131】
好適なパウチ材料としては、Chris−Craft Industrial Products(Gary,Indiana,USA)により販売されている商品名Monosol M8630として知られているPVAフィルム、及び対応する溶解性及び変形特性のPVAフィルムが挙げられる。本明細書での使用に好適な他のフィルムとしては、Aicello Chemical Co.Ltd.(Toyohashi,Aichi,Japan)により供給されている商品名PTフィルム又はフィルムのKシリーズとして知られているフィルム、又はKuraray Co.Ltd.(Chiyoda−ku,Tokyo)により供給されているVF−HPフィルムが挙げられる。
【0132】
理論に束縛されるものでないが、処方が単位用量用に液相を含む場合には、前記液相は、フィルム割れ(水含有量が低過ぎる場合)を防止するのに充分な量の水を含まなければならないが、フィルムが溶解するほどの多量の水を含んではならないと考えられる。一態様では、洗浄組成物の前記液相は、全液相重量基準で、約1重量%〜約90重量%の、約2重量%〜約70重量%の、約2重量%〜約10重量%の、又は更には約5重量%〜約8重量%の水を含み得る。
【0133】
洗浄組成物の製造及び使用方法
本発明の組成物は、好適な任意の形態に処方されることができ、配合者により選択される任意のプロセスにより調製されることができ、その非限定な例は、米国特許第5,879,584号、米国特許第5,691,297号、米国特許第5,574,005号、米国特許第5,569,645号、米国特許第5,565,422号、米国特許第5,516,448号、米国特許第5,489,392号、米国特許第5,486,303号に記載されている。
【0134】
使用方法
当業者に理解されるように、本発明の洗浄組成物は理想的には皿洗い機用途に用いるのに適している。したがって、本発明は、台所用品を洗浄する方法を包含する。この方法は、台所用品を皿洗い洗浄溶液と接触させる段階を含む。一態様では、台所用品を前記洗浄組成物の1つ以上とニート又は希釈された形で接触させ、前記接触工程の前、間及び/又は後で、場合によっては前記台所用品をすすぎ及び/又は洗浄することを含む本発明の洗浄組成物を使用する方法が開示されている。
【0135】
溶液は、約8〜約10.5のpHを有し得る。組成物は、溶液中で約2000ppm〜約20,000ppmの濃度で使用され得る。水温は、通常、約40C〜約70℃の範囲である。
【0136】
試験方法
本出願の「試験方法」の項で開示される試験方法は、本出願人らの発明が本明細書に記載され及び特許請求されているように、本出願人らの発明のパラメータの各値を求めるために使用されるべきであると理解される。
【0137】
Iの測定
Iの測定:標準的な方法を使用することにより阻害定数KIを測定し得る。参考文献として、Keller et al,Biochem.Biophys.Res.Com.176,1991,pp.401〜405;J.Bieth Bayer−Symposium「Proteinase Inhibitors」,pp.463〜469,Springer−Verlag,1974、及びLone Kierste Hansen「Determination of Specific Activities of Selected Detergent Proteases using Protease Activity,Molecular Weights,Kinetic Parameters and Inhibition Kinetics」、PhD−report,Novo NordiskA/S及びUniversity of Copenhagen,1991,及び米国特許第5,972,873号を参照のこと(これらは参照として本明細書に組み込まれている)。
【0138】
標準的な方法を次の条件下で用いて、サビナーゼ(商標)に対する阻害定数KIを米国特許第5,972,873号で述べられているように求めることができる。
【0139】
・基質:スクシニル−アラニン−アラニン−プロリン−フェニルアラニン−パラ−ニトロ−アニリド=SAAPFpNA(SigmaS−7388)、
・緩衝液:0.1MTris−HCl,pH8.6,25℃、
・アッセイにおける酵素濃度、
・使用プロテアーゼはNovozymes A/Sから入手可能なサビナーゼ(登録商標),1×10-10−3×10−-10Mである。
【0140】
Cobas Fara自動化分光光度計を用いて、0.01〜2mMの範囲の9つの基質濃度において基質加水分解の初期速度を求める。ENZFITTER(非線形回帰データ分析プログラム)を用いて、速度パラメータVmax及びKmを求める。
【0141】
catを式Vmax=kcatX[Eo]から計算した。強固結合性タンパク質プロテイナーゼ阻害剤を用いる活性部位滴定により活性酵素の濃度[Eo]を求めた。阻害剤の濃度の関数としてのKm/kcatのプロットから阻害定数KIを計算した。阻害剤は純度100%であると仮定し、秤量数及び分子量を用いて、モル濃度を求めた。
【0142】
pH
標準的な方法ES ISO 10523:2001バージョン1にしたがって、pHを測定する。
【0143】
粘度法
粘度計(Model AR2000,TA Instruments(New Castle,Delaware,USA)から入手可能)を用いて、粘度を求め、40mmの2°スチールコーンを0.01〜150秒-1の剪断速度で用いて、それぞれの試料を25℃の試料温度で試験する。粘度を単位センチポアズ(cps)で表し、1秒-1の剪断速度で測定する。
【0144】
平均粒子寸法
ASTM E1037−84バージョン1、2004にしたがって、平均粒子寸法を求める。
【0145】
ロスマイルス泡高さ
次の条件を用いて、DIN 53902−2、1977の方法にしたがって、ロスマイルス泡高さを求める。24℃±1℃の温度で5分後に0.1重量%の水溶液の泡高さ(mm)を測定する。
【0146】
ドレーブス濡れ時間
次の条件を用いて、ISO 8022:1990の方法(3gフック、5g木綿かせ、25℃の温度)で0.1重量%の水溶液。にしたがって、ドレーブス濡れ時間を求める。
【実施例】
【0147】
別段の指示がない限り、材料をAldrich(P.O.Box 2060,Milwaukee,WI 53201)から入手することができる。
【0148】
実施例1:カプセル化プロテアーゼの合成
一例では、Novozymes A/Sにより供給され、44KNPU/gのタンパク質分解活性を有するサビナーゼ水性調合液(777g)を45%のポリビニルピロリドンK60溶液(190g)と混合し、32.4gのジエチレントリアミン(DETA)をこの混合物に添加する。
【0149】
221gの21%のエマルション安定化剤をExxonMobil(Houston,Texas,USA)により販売されている揮発性炭化水素のIsopar範囲から選択される、208gの揮発性炭化水素溶剤の、イソパラフィンと混合することにより、油相を調製する。
【0150】
DETAを含有する水性酵素混合物を上記の油相に添加し、高剪断Silversonミキサーにより均質化して、約3μmの平均液滴サイズを有する油中水エマルションを形成する。この段階の間エマルションの温度を40℃以下に保つ。エマルションの形成の後、更に571gの揮発性溶剤を添加して、W/Oエマルションを希釈する。
【0151】
得られるエマルションを機械的攪拌下に置き、37℃まで温める。34gのテレフタロイルクロリド(TPC)を966gの揮発性溶剤中に溶解することにより、油−モノマー相を調製する。この油−モノマー相を添加して、エマルションを5分にわたって温めて、壁形成反応を開始する。ポリアミド膜が微細な水性酵素液滴のまわりに生成する。反応混合物を30分間攪拌したままにして、界面重合を完結させる。
【0152】
得られるサスペンジョンは、サスペンジョンの全重量の約33%に当たる分散相を有する。
【0153】
次に、このサスペンジョンを蒸留により脱水し、実質的にWO 94/25560の実施例1に述べられている非イオン性界面活性剤との溶剤交換工程にかけて、約3μmの平均サイズを有する粒子の非イオン性界面活性剤中の実質的に安定なディスパージョンを得る。このサスペンジョンはほぼ40KNPU/gのタンパク質分解活性を有する。
【0154】
この工程においては、安定化剤が次のコポリマーのいずれかである場合、シェル形成は満足であり、洗剤濃厚液に添加した場合、初期的に、及び溶剤交換の後の両方で安定な単粒子性ディスパージョンを形成する。
【0155】
30/30/40の重量比のスチレン/オクタデシルメタクリレート/メタクリル酸コポリマー、
オクタデシルメタクリレート/メタクリル酸66/34、
オクタデシルメタクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸50/25/25、 オクタデシルメタクリレート/メタクリル酸64/36、
オクタデシルメタクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸/メタクリル酸40/50/5/5、
アクリロニトリル/ラウリルアクリレート/アクリル酸25/35/40、
ラウリルメタクリレート/スチレン/アクリル酸40/50/10、
スチレン/ドコサリールアクリレート/メタクリル酸55/35/10、
オクタデシルメタクリレート/ビニルアセテート/メチルメタクリレート/メタクリル酸35/10/45/10。
【0156】
次に、非イオン性界面活性剤中の得られるディスパージョンを慣用の液体洗剤濃厚液の他の成分とブレンドして、非イオン性界面活性剤と酵素を含有する粒子の両方を洗剤の中に導入することができる。この調合液の更なる詳細は、米国特許第6,242,405 B1号に述べられている。
【0157】
実施例2〜3:ADWデュアル相パウチ
パウチ製造方法
表1の洗浄組成物を2小室の層状PVA直方形ベースのパウチに導入する。Chris−Craft Industrial Productsにより供給されている、Monosol M8630フィルムからデュアル小室パウチを作製する。17.2gの粒状組成物と4gの液体組成物をパウチの2つの異なる小室に入れる。2kgの負荷の元でのパウチ寸法を以下に示す:長さ3.7cm、幅3.4cm及び高さ1.5cm。それゆえに長手方向/横断方向の縦横比は1.5:3.2又は1:2.47である。両方の表面が連続的な水平直線運動で移動する2つのエンドレス表面工程を使用して、このパウチを製造する。このプロセスにしたがって、第1エンドレス表面上に取り付けられた開いたパウチの第1移動ウェブを形成、及び充填し、それと同期して移動する、充填、密封されたパウチの第2ウェブと共に開放パウチの第1ウェブを封止することにより、パウチの第1のウェブを作製する。
【0158】
【表1】

【0159】
実施例4〜15:自動皿洗い機用ゲル
【0160】
【表2】

【0161】
【表3】

1BASF(Ludwigshafen,Germany)により商品名Polytergent(登録商標)SLF−18で販売されている。
2Novozymes A/S、Denmarkにより販売されている。
3本発明のカプセル化プロテアーゼ。
4Genencor International(California,USA)により販売されている。好適なプロテアーゼ錠剤は商品名FN3(登録商標)及びProperase(登録商標)で販売されている。
5本発明のペプチドアルデヒド。
6Alco Chemical(Tennessee,USA)により販売されている。
7そのような好適なポリマーの1つは、Nippon Shokubai(Japan)により商品名Aqualic TLで販売されている。
8Arch Chemicals Incorporated(Smyrna,Georgia,USA)により販売されている。
9Rohm and Haas(Philadelphia,Pennsylvania,USA)により販売。
【0162】
洗浄組成物実施例2〜15に対する原材料及び注記
2.0Rケイ酸塩は、PQCorporation(Malvern,PA,USA)から供給されているものである。
【0163】
炭酸ナトリウムは、Solvay(Houston,Texas,USA)から供給されているものである。
【0164】
Solvay(Houston,Texas,USA)から供給されている、過炭酸ナトリウム(2Na2CO3・3H22
ヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)は、Dow Chemical(Midland,Michigan,USA)から供給されるているものである。
【0165】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙した値と、その値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図したものである。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0166】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照として組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0167】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲中で網羅することが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄組成物であって
a)
(i)プロテアーゼ及び重量効率的(mass-efficient)な可逆性プロテアーゼ阻害剤、
(ii)カプセル化プロテアーゼ、及び
(iii)これらの混合物、からなる群から選択される材料を含むプロテアーゼ洗浄系、
b)湿潤剤、
c)溶剤、及び
d)全洗浄組成物重量基準で、0%〜0.1%の、好ましくは0%〜0.05%の、より好ましくは0%〜0.01%の、最も好ましくは0.0001%〜0.01%のリン酸塩及び/又はポリリン酸塩、
e)全洗浄組成物重量基準で、0%〜0.1%の、好ましくは0%〜0.05%の、より好ましくは0%〜0.01%の、更に好ましくは0.0001%〜0.01%のホウ酸塩、及び
f)全洗浄組成物重量基準で、0%〜0.1%の、好ましくは0%〜0.05%の、より好ましくは0%〜0.01%の、最も好ましくは0.0001%〜0.01%のゼオライトとを含み、
前記組成物の残余が1つ以上の補助成分を含み、前記洗浄組成物が10cps〜100000cpsの、好ましくは30cps〜50,000cpsの、より好ましくは50cps〜30,000cpsの、最も好ましくは55cps〜20,000cpsの粘度を有する、洗浄組成物。
【請求項2】
全洗浄組成物重量基準で、
a)アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、発泡型非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、0%〜0.1%の、好ましくは0%〜0.05%の、より好ましくは0〜0.01%の湿潤剤ではない材料、及び
b)0%〜5.0%の、0%〜2%の、0%〜1重量%の、0%〜0.8%の、0%〜0.1%の、更に0.001%〜0.05%の湿潤剤ではない低濡れ性の非イオン性界面活性剤とを含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
前記湿潤剤が、
a)60℃未満の曇点を有し、6〜24個の炭素原子を含むアルキル鎖と、2〜50個のペンダントアルキレンオキシド単位を含む、アルコキシル化脂肪族アルコール、
b)エポキシキャップのポリ(オキシアルキル化)アルコール、及び
c)これらの混合物からなる群から選択される材料を含む、請求項1又は2に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
前記組成物が、全洗浄組成物重量基準で、
a)少なくとも0.00001%の、0.0001%〜1%の、0.001%〜0.5%の、0.01%〜0.2%のプロテアーゼと、少なくとも0.00001%の、0.0002%〜2%の、更には0.002%〜1%の、又は更には0.005%〜0.5%の重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤;及び/又は少なくとも0.001%の、0.005%〜25%の、0.05%〜10%の、又は更には0.01%〜2%のカプセル化プロテアーゼ、及び
b)少なくとも0.1%の、0.3%〜10%の、0.5%〜2%の、又は更には0.6%〜1.3%の前記湿潤剤とを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
増粘剤を含み、前記増粘剤が全増粘剤重量基準で、少なくとも1%の、1%〜39%の、2%〜28%の、又は5%〜19%のアルコール部を含み、前記増粘剤が好ましくは多糖類及び/又は多糖類誘導体からなる群から選択され、前記多糖類又は多糖類誘導体が一態様ではグアール、ゲラン、キサンタンガム、及びこれらの混合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
a)前記プロテアーゼがメタロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ
b)前記重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤がペプチドアルデヒド、ガラルディン(galardin)、フェニルボロン酸誘導体、及びこれらの混合物から群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
a)前記セリンプロテアーゼがE.C.3.4.21.62群のアルカリ性セリンプロテアーゼを含み、かつ、
b)前記フェニルボロン酸誘導体が4−ホルミルフェニルボロン酸を含む、請求項6に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
1つ以上の酵素を含み、前記酵素が、ヘミセルラーゼ(hemicellulases)、セルラーゼ、セロビオースデヒドロゲナーゼ(cellobiose dehydrogenases)、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ(xylanases)、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ(pectinases)、マンナナーゼ(mannanase)、ペクテートリアーゼ(pectate lyases)、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ(pentosanase)、マラナーゼ(malanase)、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ(arabinosidase)、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナ−ゼ、ラッカーゼ、アミラーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
6〜11の、7〜10の、又は更には8.3〜9のpHを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項10】
全洗浄組成物重量基準で少なくとも0.1%の、0.1%〜40%の、0.5%〜20%の、又は更には1%〜10%のナノ粒子組成物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項11】
a)ポリカルボキシレートベース(polycarboxylate-based)のポリマー、
b)スルホネート又はスルホン酸コポリマー、
c)式:
ビス((C25O)(C24O)n)(CH3)−N+−Cx2x−N+−(CH3)−ビス((C25O)(C24O)n
式中、nは20〜30の整数であり、xは3〜8の整数である)を有し、場合によっては硫酸化又はスルホン化されている、ポリマー、
d)スチレンベースのコポリマー、及び
e)これらの混合物、からなる群から選択される、ポリマーを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項12】
酵素安定化剤成分を含み、前記酵素安定化剤成分が、
a)カルシウム塩、マグネシウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される無機塩、好ましくは塩化カルシウム及び/又は塩化マグネシウム、
b)オリゴ糖、多糖類、及びこれらの混合物からなる群から選択される炭水化物、及び
c)これらの混合物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項13】
メタロプロテアーゼ、重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤、及び補助成分を含み、前記重量効率的な可逆性プロテアーゼ阻害剤が、好ましくはガラルディン、ホスホラミドン、バシトラシン亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択される、洗浄組成物。

【公表番号】特表2011−511879(P2011−511879A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546888(P2010−546888)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際出願番号】PCT/US2009/033897
【国際公開番号】WO2009/102854
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】